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特許7678701ワンドアセンブリを有する紫外光清潔化カート
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-08
(45)【発行日】2025-05-16
(54)【発明の名称】ワンドアセンブリを有する紫外光清潔化カート
(51)【国際特許分類】
   B64D 11/00 20060101AFI20250509BHJP
   A61L 2/10 20060101ALI20250509BHJP
   A61L 2/26 20060101ALI20250509BHJP
【FI】
B64D11/00
A61L2/10
A61L2/26
【請求項の数】 24
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021078959
(22)【出願日】2021-05-07
(65)【公開番号】P2022000367
(43)【公開日】2022-01-04
【審査請求日】2024-05-02
(31)【優先権主張番号】63/021,984
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/055,592
(32)【優先日】2020-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/022,392
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チャイルドレス, ジェイミー ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】コレッティ, ブライアン ポール
(72)【発明者】
【氏名】キャラハン, ケヴィン エス.
(72)【発明者】
【氏名】キング, テレサ エー.
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-162474(JP,A)
【文献】米国特許第09095633(US,B1)
【文献】米国特許第06630105(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第108904833(CN,A)
【文献】国際公開第2019/164810(WO,A1)
【文献】特開平03-218764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 11/00
A61L 2/10
A61L 2/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外(UV)光清潔化カート(100)であって、
凹部を含む可動ベース(132)を有する本体と、
UV光を放出するよう構成された一又は複数の第1UVランプ(140)と、
UV光を放出するよう構成された一又は複数の第2UVランプ(140)を備える、一又は複数のワンドアセンブリと、を備え、
前記一又は複数のワンドアセンブリは、近位端部から遠位端部まで延在する清潔化ヘッド(1206)を備え、
前記一又は複数の第2UVランプ(140)は、前記近位端部と前記遠位端部との間の前記ワンドアセンブリの全長に沿って前記清潔化ヘッド(1206)に延在し、
前記凹部は、前記ワンドアセンブリの少なくとも一部分の外表面に適合し、
前記一又は複数のワンドアセンブリが格納位置と展開位置との間で可動であ
前記格納位置において、前記ワンドアセンブリの少なくとも一部分の外表面は前記凹部内に保持され、前記展開位置において、前記ワンドアセンブリは前記凹部から取り除かれる、UV光清潔化カート(100)。
【請求項2】
記一又は複数の第1UVランプ(140)が前記本体の一又は複数の部分に固定される、請求項1に記載のUV光清潔化カート(100)。
【請求項3】
前記一又は複数のワンドアセンブリが、一又は複数のひも状連結部により前記本体に接続される、請求項2に記載のUV光清潔化カート(100)。
【請求項4】
前記一又は複数のひも状連結部が、電源コード、ケーブル、又はエアホースのうちの一又は複数を含む、請求項3に記載のUV光清潔化カート(100)。
【請求項5】
ビークル(104)の内部キャビン(102)のギャレー(1340)内のコンパートメントを出入りするように動かされるよう構成されたギャレーカート(1300)である、請求項1から4のいずれか一項に記載のUV光清潔化カート(100)。
【請求項6】
前記一又は複数の第1UVランプ(140)及び前記一又は複数の第2UVランプ(140)が、遠UVスペクトルの範囲内の波長のUV光を放出するよう構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のUV光清潔化カート(100)。
【請求項7】
前記一又は複数の第1UVランプ(140)及び前記一又は複数の第2UVランプ(140)が、222nmの波長のUV光を放出するよう構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のUV光清潔化カート(100)。
【請求項8】
前記一又は複数の第1UVランプ及び前記一又は複数の第2UVランプが、UVCスペクトルの範囲内の波長のUV光を放出するよう構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のUV光清潔化カート(100)
【請求項9】
前記一又は複数の第1UVランプ及び前記一又は複数の第2UVランプが、254nmの波長のUV光を放出するよう構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のUV光清潔化カート(100)
【請求項10】
前記一又は複数のワンドアセンブリが、第1ワンドアセンブリ(1202)と第2ワンドアセンブリ(1202)とを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のUV光清潔化カート(100)。
【請求項11】
前記一又は複数のワンドアセンブリが、
前記清潔化ヘッド(1206)に連結されたハンドル(146)を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のUV光清潔化カート(100)。
【請求項12】
前記清潔化ヘッド(1206)が前記ハンドル(146)に可動式に連結される、請求項11に記載のUV光清潔化カート(100)。
【請求項13】
紫外(UV)光清潔化方法であって、
UV光清潔化カート(100)の表面上又は内部に、一又は複数の第1UVランプ(140)を提供することと、
前記UV光清潔化カート(100)の表面上又は内部に、一又は複数の第2UVランプ(140)を備える一又は複数のワンドアセンブリを提供することと、
格納位置と展開位置との間で前記一又は複数のワンドアセンブリを動かすことと、を含む方法であって
前記UV光清潔化カート(100)は、凹部を含む可動ベース(132)を有する本体を備え、
前記一又は複数のワンドアセンブリは、近位端部から遠位端部まで延在する清潔化ヘッド(1206)を備え、
前記一又は複数の第2UVランプ(140)は、前記近位端部と前記遠位端部との間の前記ワンドアセンブリの全長に沿って前記清潔化ヘッド(1206)に延在し、
前記凹部は、前記ワンドアセンブリの少なくとも一部分の外表面に適合し、
前記格納位置において、前記ワンドアセンブリの少なくとも一部分の外表面は前記凹部内に保持され、前記展開位置において、前記ワンドアセンブリは前記凹部から取り除かれる、方法。
【請求項14】
前記一又は複数の第1UVランプ(140)を提供することが、前記一又は複数の第1UVランプ(140)を、前記本体の一又は複数の部分に固定することを含む、請求項13に記載のUV光清潔化方法。
【請求項15】
前記固定することが、一又は複数のひも状連結部により、前記一又は複数のワンドアセンブリを前記本体に接続することを含む、請求項14に記載のUV光清潔化方法。
【請求項16】
前記一又は複数のひも状連結部が、電源コード、ケーブル、又はエアホースのうちの一又は複数を含む、請求項15に記載のUV光清潔化方法。
【請求項17】
ビークル(104)の内部キャビン(102)のギャレー(1340)内のコンパートメントを出入りするように、前記UV光清潔化カート(100)を動かすことを更に含む、請求項13から16のいずれか一項に記載のUV光清潔化方法。
【請求項18】
前記一又は複数の第1UVランプ(140)及び前記一又は複数の第2UVランプ(140)が、遠UVスペクトルの範囲内の波長のUV光を放出するよう構成される、請求項13から17のいずれか一項に記載のUV光清潔化方法。
【請求項19】
前記一又は複数の第1UVランプ(140)及び前記一又は複数の第2UVランプ(140)が、222nmの波長のUV光を放出するよう構成される、請求項13から17のいずれか一項に記載のUV光清潔化方法。
【請求項20】
前記一又は複数の第1UVランプ及び前記一又は複数の第2UVランプが、UVCスペクトルの範囲内の波長のUV光を放出するよう構成される、請求項13から17のいずれか一項に記載のUV光清潔化方法。
【請求項21】
前記一又は複数の第1UVランプ及び前記一又は複数の第2UVランプが、254nmの波長のUV光を放出するよう構成される、請求項13から17のいずれか一項に記載のUV光清潔化方法。
【請求項22】
前記一又は複数のワンドアセンブリを提供することが、第1ワンドアセンブリ(1202)と第2ワンドアセンブリ(1202)とを提供することを含む、請求項13から21のいずれか一項に記載のUV光清潔化方法。
【請求項23】
紫外(UV)光清潔化カート(100)であって、
凹部を含む可動ベース(132)を有する本体と、
前記本体の一又は複数の部分に固定された一又は複数の第1UVランプ(140)であって、UV光を放出するよう構成されている一又は複数の第1UVランプ(140)と、
UV光を放出するよう構成された一又は複数の第2UVランプ(140)を備える一又は複数のワンドアセンブリであって、一又は複数のひも状連結部により前記本体に接続されている、一又は複数のワンドアセンブリと、を備え、
前記一又は複数のワンドアセンブリは、近位端部から遠位端部まで延在する清潔化ヘッド(1206)を備え、
前記一又は複数の第2UVランプ(140)は、前記近位端部と前記遠位端部との間の前記ワンドアセンブリの全長に沿って前記清潔化ヘッド(1206)に延在し、
前記凹部は、前記ワンドアセンブリの少なくとも一部分の外表面に適合し、
前記一又は複数のワンドアセンブリが格納位置と展開位置との間で可動であり、
前記格納位置において、前記ワンドアセンブリの少なくとも一部分の外表面は前記凹部内に保持され、前記展開位置において、前記ワンドアセンブリは前記凹部から取り除かれ、
前記一又は複数の第1UVランプ(140)及び前記一又は複数の第2UVランプ(140)が、遠UVスペクトルの範囲内の波長のUV光を放出するよう構成される、
UV光清潔化カート(100)。
【請求項24】
前記一又は複数のワンドアセンブリが、
前記清潔化ヘッド(1206)に連結されたハンドル(146)を備える、請求項23に記載のUV光清潔化カート(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本書の主題開示の例は概して、例えばビークル(民間航空機など)内の構造物及びエリアを清潔化するために使用されうる清潔化機器に関し、より詳細には、紫外(UV)光を使用して構造物及びエリアを自律的に又は半自律的に清潔化するための、可動式機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ビークル(民間航空機など)は、様々な地点間で旅客を搬送するために使用される。航空機内部の表面を消毒するか又は別様に清潔化するための、例えばUV光を使用するシステムが、現在開発中である。既知のUV光殺菌方法では、構造物の表面を清潔化するために、構造物に対して広範スペクトルのUVC光が放出される。
【0003】
コンポーネントを清潔化するための、ワンドアセンブリを有する携帯型清潔化システムが開発途上である。携帯型清潔化システムのワンドアセンブリは、UV光を放出するよう構成されているUVランプを含む。典型的には、オペレータが、表面を清潔化するためにコンポーネントの表面全体に対してワンドアセンブリを動かす。しかし、担当者個人は、典型的には、表面を有効かつ効率的に清潔化する上で、ワンドアセンブリの動きが速すぎるか又は遅すぎるかを知らない。一般に、手持ち式デバイスを使用して表面を消毒するための手動プロセスは、一定性(consistency)の程度が変動するものである。
【0004】
経路(航空機内の内部キャビンの通路など)に沿ってローリングするか又は別様に移動し、かつ、この機器が移動するにつれて構造物表面に対してUV光を放出しうる、可動式清潔化機器が開発途上である。しかし、既知の可動式清潔化機器が有する消毒の効果及び一定性は限定的である。なぜなら、機器が経路に沿って移動する際に、UV光は、UV光によって照射される構造物に対してある一定の高さに留まるからである。その結果として、UV光は、構造物表面から相対的に離れたところに配置され、UV光と構造物表面との間の距離が変動することになりうる。ターゲット表面での消毒又は清潔化の量(amount)は、線量(dosage)と称され、UV光の電力、UV光源からターゲット表面までの射程(range)又は距離、及び曝露時間による影響を受ける。ターゲット表面に対する機器のスピードが、曝露時間に影響を与える。固定されたUV光源から種々の表面までの距離が変動することにより、かかる種々の表面に照射される線量も変動し、結果として、清潔化が一定ではなくなる。更に、UV光源から一部の表面までの距離が相対的に遠いこと、及びUV光を表面に照準させる能力が欠如していることにより、表面に照射されるUV光の線量が不十分になりうる。望ましい消毒量を実現するために線量を増大させる方法の1つは、可動式清潔化機器のスピードを著しく落として曝露時間を増やすことであるが、そうすることで清潔化プロセスの効率も低下する。
【発明の概要】
【0005】
自律的な又は半自律的な可動式UV清潔化機器であって、移動しながら、構造物及びエリアを一定的かつ効率的に消毒することが可能な可動式UV清潔化機器が、必要とされている。
【0006】
かかる必要性を踏まえつつ、本書の主題開示のある種の例は、紫外(UV)光清潔化カートを提供する。このUV光清潔化カートは、UV光を放出するよう構成された一又は複数の第1UVランプと、一又は複数の第2UVランプを備える一又は複数のワンドアセンブリであって、第2UVランプがUV光を放出するよう構成されている、一又は複数のワンドアセンブリとを含む。この一又は複数のワンドアセンブリは、格納位置と展開位置との間で可動である。
【0007】
少なくとも1つの例では、UV光清潔化カートは、可動ベースを有する本体を更に含む。一又は複数の第1UVランプは、本体の一又は複数の部分に固定される。更なる例としては、一又は複数のワンドアセンブリは、一又は複数のひも状連結部(tether)により本体に接続される。一又は複数のひも状連結部は、電源コード、ケーブル、又はエアホースのうちの一又は複数を含みうる。
【0008】
少なくとも1つの例では、UV光清潔化カートは、ビークルの内部キャビンのギャレー内のコンパートメントを出入りするように動かされるよう構成された、ギャレーカートである。
【0009】
少なくとも1つの例では、一又は複数の第1UVランプ及び一又は複数の第2UVランプは、遠UVスペクトルの範囲内の波長のUV光を放出するよう構成される。例えば、一又は複数の第1UVランプ及び一又は複数の第2UVランプは、222nmの波長のUV光を放出するよう構成される。
【0010】
少なくとも1つのその他の例では、一又は複数の第1UVランプ及び一又は複数の第2UVランプは、UVCスペクトルの範囲内の波長のUV光を放出するよう構成される。例えば、一又は複数の第1UVランプ及び一又は複数の第2UVランプは、254nmの波長のUV光を放出するよう構成される。
【0011】
少なくとも1つの例では、一又は複数のワンドアセンブリは、第1ワンドアセンブリと第2ワンドアセンブリとを含む。
【0012】
少なくとも1つの例では、一又は複数のワンドアセンブリは、ハンドルと、ハンドルに連結された清潔化ヘッドとを含む。清潔化ヘッドは、一又は複数の第2UVランプを含む。更なる例としては、清潔化ヘッドはハンドルに可動式に連結される。
【0013】
本書の主題開示のある種の例は、紫外(UV)光清潔化方法であって、UV光清潔化カートの表面上又は内部に、一又は複数の第1UVランプを提供することと、UV光清潔化カートの表面上又は内部に、一又は複数の第2UVランプを備える一又は複数のワンドアセンブリを提供することと、格納位置と展開位置との間で一又は複数のワンドアセンブリを動かすことと、を含む、方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本書の主題開示の一例による、UV光清潔化カートを含むビークルの内部キャビンの後方又は機尾方向を見た図である。
図2】UV光清潔化カートを含むビークルの内部キャビンの側方又は翼端側から見た図である。
図3】本書の主題開示の一例による、内部キャビン内のUV光清潔化カートの斜視図である。
図4】本書の主題開示の一例による、内部キャビン内の2列のシートの側方又は翼端側から見た図であり、UV光清潔化カートのUV光アレイの経時的な移動経路を示す。
図5】本書の主題開示の一例による、UV光清潔化カートの概略図である。
図6】本書の主題開示の一例による、アームが上昇し伸長したUV光清潔化カートの後方図である。
図7】本書の主題開示の一例による、内部キャビン内の設置物(monument)の中に格納されたUV光清潔化カートの図である。
図8】本書の主題開示の一例による、UV光清潔化カートのアームを、したがってUV光アレイを上下させるための湾曲したラックピニオンアクチュエータを示す。
図9】本書の主題開示の一例による、UV光清潔化カートのアームを、したがってUV光アレイを上下させるためのリニアアクチュエータを示す。
図10】本書の主題開示の一例による、UV光清潔化カートの上面図である。
図11】本書の主題開示の一例による、UV光清潔化カートのアームのうちの1つの内側部材及び外側部材の断面図である。
図12A】内側部材に対して伸長した、アームの外側部材を示す。
図12B】内側部材に対して短縮した外側部材を示す。
図13】内側部材に対する外部部材の伸長を制御するための、ラックピニオン又はギアで駆動されるアクチュエータを示す。
図14A】アームの外側部材が内側部材に対して枢動しうる別の例による、UV光清潔化カートの胴体部に対するUV光清潔化カートのアームの様々な姿勢のうちの1つを示す。
図14B】アームの外側部材が内側部材に対して枢動しうる別の例による、UV光清潔化カートの胴体部に対するUV光清潔化カートのアームの様々な姿勢のうちの1つを示す。
図14C】アームの外側部材が内側部材に対して枢動しうる別の例による、UV光清潔化カートの胴体部に対するUV光清潔化カートのアームの様々な姿勢のうちの1つを示す。
図14D】アームの外側部材が内側部材に対して枢動しうる別の例による、UV光清潔化カートの胴体部に対するUV光清潔化カートのアームの様々な姿勢のうちの1つを示す。
図14E】アームの外側部材が内側部材に対して枢動しうる別の例による、UV光清潔化カートの胴体部に対するUV光清潔化カートのアームの様々な姿勢のうちの1つを示す。
図15】本書の主題開示の一例による、UV光清潔化カートのアームの内側部材に装着される外側アレイキャリアを示す。
図16】本書の主題開示の一例による、UV光清潔化カートのホイールの位置を制御するためのステアリング機構を示す。
図17図16に示しているステアリング機構のホイールキャリアアセンブリを示す。
図18図16及び図17に示しているステアリング機構の代替としてUV光清潔化カートを操縦するための、ラックピニオン機構を示す。
図19】本書の主題開示の一例による、UV光清潔化カートの、胴体部に対して傾斜したキャリアを示す。
図20】本書の主題開示の一例による、垂直軸を中心にキャリアを回転させるために使用されうるアクチュエータを示す。
図21A】第1の高さのUV光清潔化カートを示す。
図21B】胴体部の伸長により第1の高さよりも高くなる第2の高さのUV光清潔化カートを示す。
図21C】本書の主題開示の一例による、胴体部を伸長させ、短縮させるためのラックピニオンアクチュエータの側面図と上から見た図の両方を示す。
図22】本書の主題開示の代替例による、UV光清潔化カートのベースを示す。
図23】本書の主題開示の代替例による、UV光清潔化カートの胴体部を示す。
図24】本書の主題開示の一例による、UV光清潔化カートの前面斜視図を示す。
図25】本書の主題開示の一例による、ビークルの内部キャビン内のUV光清潔化カートの斜視図を示す。
図26図24のUV光清潔化カートの側面図を示す。
図27図24のUV光清潔化カートの上面図を示す。
図28】本書の主題開示の一例による、UV光清潔化カートの上面図を示す。
図29】本書の主題開示の一例による、ワンドアセンブリが格納位置にあるUV光清潔化カートの前面斜視図を示す。
図30】本書の主題開示の一例による、ワンドアセンブリが展開位置にあるUV光清潔化カートの前面斜視図を示す。
図31】本書の主題開示の一例による、ワンドアセンブリの、側方上面斜視図を示している。
図32図31のワンドアセンブリの後方斜視図を示す。
図33図31のワンドアセンブリの側方斜視図を示す。
図34】本書の主題開示の一例による、清潔化ヘッドのUVランプ及び反射体の端面斜視図を示す。
図35】本書の主題開示の一例による、清潔化ヘッドのUVランプ及び反射体の端面斜視図を示す。
図36】本書の主題開示の一例による、清潔化ヘッドのUVランプ及び反射体の端面斜視図を示す。
図37】紫外光スペクトルを示す。
図38】本書の主題開示の一例による、内部キャビン内のギャレーの斜視図を示す。
図39】本書の主題開示の一例による、UV光清潔化方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
上記の概要と、ある種の例についての以下の詳細説明とは、付随する図面と併せて読むことでより良好に理解されよう。本書で使用される場合、「1つの(a又はan)」という語に続く、単数形で記載された要素又はステップは、複数形の要素又はステップを必ずしも除外するものではないと理解すべきである。更に、「一例(one example)」への言及では、記載されている特徴を包含する追加の例の存在を除外すると解釈することが意図されたものではない。更に、特定の条件を有する一又は複数の要素を「含む・備える(comprising)」又は「有する(having)」例は、(そうではないと明示的に述べられていない限り、)かかる条件を有しない追加の要素を含みうる。
【0016】
本書の主題開示のある種の例は、エリア内を移動するにつれてUV光を放出する、紫外(UV)UV光清潔化カートを提供する。このカートは、UV光を放出するUV光源のアレイを含む。UV光源(本書ではランプとも称される)は、病原菌を無効化する(例えば殺す)一又は複数の波長の、遠UV光スペクトルの光を放出しうる。本書で病原菌と称しているものはウイルス及び細菌を含みうる。UVランプによって放出されるUV光の波長(例えば222nm)は、接触しても人間に害を与えないものでありうる。UVランプはエキシマランプでありうる。UV光源は、オプションで、その他の波長の(例えばUVCスペクトルの範囲内の)UV光を放出することもある。
【0017】
少なくとも1つの例では、追加のUV光源を含むワンドアセンブリがUV光清潔化カートに連結される。このワンドアセンブリは、カートの表面上又は内部の格納位置と、展開位置であって、カートでは到達し得ないことがあるエリアにワンドアセンブリが到達可能になる展開位置との間で、可動である。
【0018】
UV光清潔化カートは、内部キャビンの中の構造物、壁、床、天井などの表面を汚染除去し、消毒するために、ビークルの内部キャビンの中で使用されうる。構造物は、シート、収納用のコンテナ若しくは棚やテーブルなどを含みうる。本書で開示している主題の例は、ある種の既知のUVシステムと(例えば、UVワンドを使用して手動で清潔化を行うことや、UV光源が定位置に固定されている可動機器を押すことと)比較して、より安全で効率的、かつ有効な清潔化を提供する。
【0019】
一例としては、ワンドアセンブリは、例えば電源コードによって、又は電源コード及び冷却エアホースによって、UV清潔化カートに取り付けられている、手持ち式のUVワンドである。UVワンドは、UV清潔化カートから電力を受信する。この手持ち式のワンドは追加の清潔化デバイスとなる。UVワンドは、殺菌力のある任意のUV帯域において(例えば200nmと320nmとの間で)動作しうる。少なくとも1つの例では、UVワンドは、200nmから230nmというスペクトルの範囲内の波長(これは人体の組織に害を与えない)を有するUV光を放出するよう構成されている、UVランプを含む。少なくとも1つの実施形態では、UVランプは、222nmUVの波長を有するUV光であって、コンポーネントの表面上の病原体をなくすかさもなければ減少させるが、人間がそこにいても害を与えるものではない、UV光を放出するよう構成される。
【0020】
カートに連結されたワンドアセンブリを含むUV清潔化システムは、連続的に若しくは設定済みの周期的スケジュールで動作することも、又は必要に応じてスイッチをオンにされることも可能である。このシステムの電力は、バッテリーによってかつ/又は機外電源に接続された電源コードによって、提供されうる。
【0021】
UVワンド付属物(つまり、カートに連結されたワンドアセンブリ)により、担当者個人(複数可)が、陰になりうるエリア、又は主たるUVカートのUV光照射によっては不十分にしか消毒されないことが多いエリアを、消毒することが可能になる。手持ち式のUVワンドは、表面の至近まで近付けられ、表面に対して望みのままに配向されうる。これにより、ワンドアセンブリが、他のカートのUV光源による消毒とは別様に、表面を照射し、消毒することが可能になる。
【0022】
図1は、一例による、UV光清潔化システム又はUV光清潔化カート100を含むビークル104の内部キャビン102の、後方又は機尾方向を見た図である。図2は、UV光清潔化カート100を含むビークル104の内部キャビン102の側方又は翼端側から見た図である内部キャビン102は、長手方向軸又はX軸110、横方向軸又はY軸111、及び垂直(例えば高さ)軸又はZ軸112に沿って、配向されている。軸110~112は互いと直交する。内部キャビン102は、ビークル104の床114、天井116、及び側壁118によって画定される。内部キャビン102は、旅客のための複数のシート120を有する。シート120は、通路126を挟んで互いから隔てられている2つのグループ122、124に配置される。通路126は、長手方向軸110に沿って延在する。グループ122、124の各々は、キャビン102の長さに沿って離間している複数の列128に配置された、複数のシート120を含む。列128の各々は、横方向軸111に平行に配向される。キャビン102は、シート120の上方に装着された、手回り品(例えば手荷物、鞄、上着など)を収納するための収納棚130も含む。収納棚130は、天井116及び/又は側壁118に固定されうる。UV光清潔化カート100は、例えばシート120、収納棚130、床114、側壁118、及び/又は天井116を含む内部キャビン102の中の表面を効率的に、有効に、かつ一定的に清潔化し、消毒するよう、動作可能である。
【0023】
非限定的な一例では、ビークル104は航空機(例えば民間旅客機)であり、内部キャビン102は客室である。別の例では、ビークル104は別の種類のビークル(例えば線路を使用する旅客向けの列車車両やバスなど)でありうる。UV光清潔化カート100は、オプションで、ビークル外のその他の囲まれたエリア(建物内のエリアなど)を清潔化するために利用されることもある。例えば、カート100は、オフィスビル、劇場、レストラン、礼拝所などを清潔化するために使用されうる。
【0024】
UV光清潔化システム又はUV光清潔化カート100は、可動式ベース132と複数の相互接続された剛性部材133とを有する、本体131を含む。剛性部材133は、べース132に支持される。本体131の剛性部材133は、例えば、ベース132に連結された直立部材又は胴体部134と、胴体部134から延在するアーム136とを含みうる。剛性部材133は、ハンドル146やキャリア214といった追加のコンポーネント(本書では図6を参照して詳述する)なども含みうる。カート100は、複数のUVランプ140によって画定されたUV光アレイ138を含む。アレイ138のUVランプ140の少なくとも一部は、アーム136に装着される。アーム136は、胴体部134から伸長し、胴体部134に向けて短縮するよう作動可能である。図1及び図2では伸長位置にあるアーム136が図示されており、この伸長位置は、内部キャビン102の表面を消毒するよう動作する時に利用される位置である。伸長位置にあるアーム136は、横方向軸111に平行に、狭長形になっている。アーム136の伸長長さは、キャビン102内の空間及び消毒が求められる表面に基づいて制御されうる。例えば、図示されているキャビン102内の各列128には合計6つのシートがあり、各グループ122、124において3つのシート120が近接している。第1アーム136Aは、第1グループ122の3つのシート120にわたって伸長し、第2アーム136Bは、第2グループ124の3つのシート120にわたって伸長している。第1アーム136Aに配置されたUVランプ140が、第1グループ122の3つのシート120の表面に対してUV光を放出し、第2アーム136Bに配置されたUVランプ140が、第2グループ124の3つのシート120の表面を照射する。このようにすることで、カート100は、図1及び図2に示しているキャビン102内のカート100の位置において、列128の6つのシート120の全てを同時に清潔化する。カート100は、カート経路141に沿って(例えば、カート経路に沿って前後に)移動して、カート経路141に平行な方向にUV光アレイ138を平行移動させる。環境が内部キャビン102である図示している例では、カート経路141は通路126のことである。カート100は、通路126の長さに沿って移動して、一度に1列ずつ、列128の各々を清潔化する。
【0025】
図示している例では、ベース132は、可動性を提供し、かつカート100が経路(通路126など)の長さに沿ってローリングすることを可能にする、複数のホイール142を含む。図示している例では、ベース132は4つのホイール142を有している。あるいは、ベース132は、ホイール142の表面の代わりに床114と係合する一群のトレッドを有する連続軌道を含みうる。ベース132は、カート100の追加のコンポーネント(例えば一又は複数のバッテリーパック144)を支持しうる。
【0026】
胴体部134は、ベース132から延在しており、垂直(又は高さ)軸112に沿って配向される。ハンドル146が胴体部134に連結される。ハンドル146は、図2に示しているように、オペレータが物理的に把持し、カート100の移動を制御することを可能にする、インターフェースを提供する。カート100は、図示している例では、半自律モードで動作するように、オペレータによって押し引きされている。半自律モードは、本書で詳述すているように、オペレータが通路126に沿ってカート100を推進させることに依存するが、様々な自動タスクであって、例えばシート120の輪郭に沿ったUV光アレイ138及びアーム136の形状追従(terrain following)、及び、清潔化の有効性を向上させるためにオペレータが通路126に沿ったカート100の移動のスピード又は方向を変えるべきかどうかを示す、オペレータへの制御フィードバックを含む、自動タスクを提供しうる。自律モードでは、通路126に沿ったカート100の移動を含む全ての動作が自動化される。例えば、本書に記載しているように、オペレータは、カート100を選択的に起動し又はオンにすることで、カート100による内部キャビン102の清潔化の実施をトリガするため、及びその後格納位置に戻すために、入力デバイスを使用しうる。一例ではカート100は自律モードでのみ動作しうるので、ハンドル146はオプションである。
【0027】
本書に記載しているように、UV光清潔化システム又はUV光清潔化カート100は、その一部分に連結されている(例えば、可動式に固定されている)ワンドアセンブリも含む。例えば、ワンドアセンブリは、ベース132に連結され、ベース132に関連して格納位置と展開位置との間で動かされるよう構成される。
【0028】
図3は、一例による、内部キャビン102内のUV光清潔化カート100の斜視図である。図3のカート100は通路126に配置されており、第1アーム136Aが、単一の(第1)列128Aの、シート120の第1グループ122の3つのシート120の上方に伸長している。図3ではハンドル146は省略されている。図4は、シート120の2つの列128の側方又は翼端側から見た図であり、一例による、UV光清潔化カート100のUV光アレイ138の経時的な移動経路を示している。この2つの列は、図3に示しているシート120の第1列128Aと、第1列128Aの前方のシート120の列128Bとを含む。図3及び図4は、キャビン102内の様々な表面の有効で効率的かつ一定的な消毒を実現する、UV光清潔化カート100の形状追従能力を示している。図3に示している位置において、アーム136Aはシート120のヘッドレスト150の上方に配置されており、アーム136Aに配置されたUVランプ140(図1参照)が、ヘッドレスト150の上部に対してUV光を放出する。
【0029】
図3を参照するに、UV光清潔化カート100は、UV光アレイ138のUVランプ140(図1参照)を、内部キャビン102内のシート120及びその他の構造物に対して平行移動させ、ローリングさせて、構造物の表面の指定された近接範囲内にUV光を放出しうる。かかる指定された近接範囲は、数インチ(例えば2インチや4インチなど)でありうる。図示している例では、カート100が通路126に沿って移動することによって、カート100は、長手方向軸又はX軸110に沿ってUVランプ140を移動させる。例えば、自律モードでは、カート100を駆動するためにホイール142が動かされる。半自律モードでは、カート100は、オペレータに、例えば、長手方向軸110に沿った移動スピード及び方向についてのフィードバックを提供することによって、どのようにカート100を押し引きするかを指示しうる。アーム136は、シート120及びその他の構造物の表面に対するUV光の高さを制御するために、垂直軸又はZ軸112に沿って平行移動可能である。例えば、胴体部134は、アーム136を機械的に上昇させ下降させるよう、伸縮(telescopic)可能である。アーム136は、シート120及びその他の構造物の表面に向けてUV光を照準させるよう、横方向軸又はY軸111を中心に回転可能でありうる。
【0030】
ここで図4を参照するに、図3に示している位置における第1アーム136Aのこの時点での位置が、第1列128Aのシート120のヘッドレスト150の上部151の上方に配置されている実線の長方形152によって示されている。図示しているアーム136AのUVランプ140によって放出されたUV光は、ヘッドレスト150の上部151を照射する。図4は、一例による、第1アーム136Aの経時的な清掃経路160を示している。破線の長方形162は、後続の時間において、カート100が清掃経路160に沿ってアーム136Aを動かす際の、第1アーム136Aの位置を表わしている。例えば、第1アーム136Aは、ヘッドレスト150の上部151を清潔化した後に、清掃経路160に沿って、UVランプ140からヘッドレスト150の前面155に対してUV光が放出される位置162Aへと動く図4では各列につき1つのシート120だけが図示されているが、図3に示しているブロック内の3つのシート120全てが、シート120のそれぞれの同じ表面においてUV光を同時に受けうることが認識される。更に、いくつかの破線の長方形162が別々の位置に図示されているが、一例では、UV光はアーム136Aから、清掃経路160の全長に沿って、連続的に放出される。図示している破線の長方形162だけが、UV光が放出される位置を表わしているわけではない。
【0031】
第1アーム136Aの(及びそのUVランプ140の)清掃経路160は、(ブロック内のシート120の各々の)シート背もたれ158の前面157に沿って、シート座面165の上面164まで、次いでシート座面165の前面166に沿って、延在している。その後、UV光はシート120の下で放出され、次いで2つの列128Aと128Bとの間の床114に向けて放出される。次いで、アーム136Aは、UVランプ140に、次の列128Bのシート120の下でUV光を放出させ、その後、各シート120の座面168からヘッドレスト150の上部151へと向かうように、(ブロック内のシート120の各々の)シート背もたれ158の背面167に対してUV光を放出させるよう動く。
【0032】
清掃経路160に沿ったアーム136Aの動きは、自律的であるか、又は少なくとも半自律的である。一例では、半自律モードにおいて手動入力を受信する唯一の動きは、長手方向軸110の沿った動きである。カート100は、複合運動(複数の軸及び/又は節点に沿った同時運動のことを指す)を提供することが可能である。例えば、図4に示している位置152から位置162Aへの平行移動を実現するために、UVランプ140を保持しているアーム136Aは、長手方向軸110に沿って前進方向170(図3参照)に動かされ、垂直軸112に沿って下方172(図3)へと下降し、そして、横方向軸111を中心に反時計回り方向174(図3)に回転する。かかる運動は、アーム136Aがヘッドレスト150の輪郭に沿ってスイープすることを可能にするために、同時に実施されうる。図示している例では、前進方向170への移動は、カート100全体を前方に駆動することによって実現されうるが、代替的には、ベース132に対して胴体部134及び/又はアーム136Aを動かすことによって提供されてもよく、これにより、カート100は通路126の決まった位置に留まったままとなる。清掃経路160に沿ってアーム136Aを別の位置に到達させるために、アーム136Aは、長手方向軸110に沿って後進方向又は機尾方向171へと動かされ、垂直軸112に沿って上方173へと、そして横方向軸111を中心に時計回り方向175に動かされることもある。図3には示していないが、本書に記載しているように、カート100は、アーム136を別の平面及び回転軸に沿って動かすことも可能でありうる。
【0033】
清掃経路160は、キャビン102内に存在するシート120及びその他の構造物の輪郭に沿って動く。一例では、清掃経路160は、UVランプ140が、有効かつ効率的な線量のUV光を提供するために、表面の指定された若しくは所定の近接範囲内又は射程内にあることを可能にするよう、設定される。例えば、表面から数インチの範囲内にあるようUVランプ140を制御することによって、大量のUV光電力又は曝露時間を要することなく、指定された線量が照射されることが可能になる。電力要件を限定することは省エネルギーであり、曝露時間を限定することは、時間の点で効率的である。例えば、ターゲット表面に近付いてUV光を放出することによって、カート100は、既知のシステムよりも短い時間及び少ない電力消費で、キャビン102の一定的かつ有効な消毒を提供しうる。更に、カート100によって表面に照射されるUV線量は、清掃のためにほぼ同量の電力及び/又は時間を使用する既知のシステムよりも大きくなり、したがって、病原菌の無効化においてより有効になりうる。なぜなら、UVランプからターゲット表面まで射程が短くなるからである。
【0034】
オプションで、図4に示している清掃経路160は、通路126の長さに沿って一方向(例えば前進方向170)に、UV光清潔化カート100が辿る第1経路でありうる。UV光清潔化カート100は次いで、カート100が通路126に沿って反対の後進方向171に移動するにつれて、第2清掃経路180を辿りうる。第2清掃経路180は、シート120の上方の、天井116及び/又は収納棚130の輪郭を辿る。UV光は、天井116及び/又は収納棚130に対しては、シート120及び床114に対する下向きの代わりに、上向きに放出される非限定的な一例では、単にカート100を通路126の長さにわたって移動させ、次いで格納位置に戻すことによって、カート100が、構造物の表面、壁、床などを清潔化しうる。
【0035】
図5は、一例による、UV光清潔化カート100の概略図である。清潔化カート100は、アレイ138のことであるUVランプ140(図1参照)制御ユニット190、電力供給源192、センサ194、アクチュエータ196、及び出力デバイス198を含む。アクチュエータ196は、カート100の自動運動(例えばホイール142の回転、胴体部(又は支持部材)134及びアーム136の伸縮、胴体部134に対するアーム136の回転など)を発生させる、機械的なアクチュエータ、モータ、及び駆動システムのことを指す。
【0036】
電力供給源192は、UV光の生成に電力供給するために、UVランプ140に電力を提供する。電力供給源192は、アクチュエータ196、制御ユニット190、センサ194、及び出力デバイス198にも、電力を提供する。様々な導電性のワイヤ及び/又はケーブルが、電力供給源192からUVランプ140、アクチュエータ196、制御ユニット190、センサ194、及び出力デバイス198に、電力を伝導しうる。電力供給源192は、図1及び図2に示しているバッテリー144を含むがそれに限定されるわけではない、任意の機上のエネルギー貯蔵デバイス若しくは発電コンポーネントを含みうるか、又はかかる機外エネルギー貯蔵デバイス若しくは発電コンポーネントのことでありうる。電力供給源192は、キャパシタ、光起電力セル、及び/又はこれらに類似したものも含みうる。オプションで、電力供給源192は、カート100の外部に配置されたソース(例えば、内部キャビン102を含むビークル104(又は建物)の電気システム)に接続されている電力ケーブルでありうる。この電力ケーブルは、ケーブルをコンセントから抜いて別のコンセントに差すことをせずにカート100がキャビン102全体を清潔化することを可能にするために、内部キャビン102の全長にわたって延在することが可能でありうる。別の例では、電力供給源192は、カート100の外部にありビークル104から離れている、発電機又は蓄電デバイスであることもある。例えば、電力供給源192は、オペレータが持ち運ぶバックパック内に配置されることも、UV光清潔化カート100にひも連結されているサイドカートに配置されることもある。
【0037】
少なくとも1つの実施形態では、UVランプ140のうちの少なくとも1つは、ワンドアセンブリの表面上又は内部にある。例えば、少なくとも1つのUVランプ140を含むワンドアセンブリは、UV光清潔化カート100の一部分に(例えば、図1及び図2に示している本体131に)連結される。
【0038】
制御ユニット190は、有線及び/又は無線の通信経路を介して、UVランプ140、アクチュエータ196、センサ194、及び出力デバイス198に動作可能に接続される。制御ユニット190は、UVランプ140の動作(オン/オフ状態など)、及び生成されるUV光の振幅又は出力を制御し、オプションでUV光の波長も制御する、制御信号を生成する。制御ユニット190は、アクチュエータ196及び出力デバイス198を制御するための制御信号も生成する。かかる制御信号は、センサ194から受信したセンサ信号に基づいて生成されうる。制御ユニット190とは、一又は複数のプロセッサ197(例えば一又は複数のマイクロプロセッサ、集積回路、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイなど)を含み、かつ/又はかかるプロセッサ197に接続されている、ハードウェア回路網のことである。制御ユニット190は、有形で非一過性のコンピュータ可読記憶媒体(メモリなど)199を含み、かつ/又はかかるコンピュータ可読記憶媒体199に接続されている。例えば、メモリ199が、プログラムされた命令(ソフトウェアなど)であって、本書に記載の制御ユニット190の動作を実施するために一又は複数のプロセッサ197によって実行される、プログラムされた命令を記憶しうる。
【0039】
センサ194は、近接センサや視覚センサなどを含みうる。センサ194は、超音波、カメラ(例えば、可視波長領域及び/又は赤外波長領域のもの)、光学測距検知(例えば光検出測距(LIDAR))、及び/又はこれらに類似したものを利用しうる。センサ194は、カート100とキャビン102内の物体及び構造物との衝突を防止するための物体回避(object avoidance)に使用される。ある種の例では、センサ194は、図4に示している清掃経路160、180に沿ってUVランプ140を有するアーム136を誘導するための、空間認識にも利用される。例えば、センサ194は、制御ユニット190によって、内部キャビン102に対するカート100及び/又はそのコンポーネントの現在位置を特定するために利用されうる。
【0040】
非限定的な一例では、メモリ199は、内部キャビン102内の環境のマップを記憶する。このマップは、三次元であってよく、座標系を有しうる。例えば、シート120の列128の全てが、マップ内の既知の座標を有する。更に、清掃経路160、180は、マップの座標系において事前にプログラムされたルートでありうる。制御ユニット190は、自律モードでは、キャビン102内の指定された基準地点へと移動しうるか、又はかかる基準地点に留まりうる。カート100の移動は、機械的要素(例えばギア、連接器、アクチュエータ196など)に基づいて、制御ユニット190によって追跡されうる。制御ユニット190は、基準地点で始動し、次いで基準地点からの後続移動を追跡することによって、物理的な空間における移動を、3Dマップの仮想空間内の対応する移動と相関させうるか、又はかかる対応する移動と共に記録しうる。例えば、制御ユニット190は、3Dマップの確認及びカート100の基準地点からの移動の追跡に基づいて、キャビン102内におけるカート100の現在地点を特定しうる。カート100の移動は、部分的には、移動の方向を示すホイール142の位置付けをモニタすること、及びホイール142(又は関連コンポーネント)の回転をモニタすることによって、追跡されうる。アーム136の動きを制御する様々なアクチュエータ196及びその他の機械的要素を通じた、アーム136の同様な追跡も、3Dマップと共に、制御ユニット190によって、制御ユニット190が図4に図示し記載している形状追従を制御することを可能にするために利用されうる。キャビン102の記憶されたマップに基づいてUVアレイ138の移動が制御されるこの例では、センサ194は物体回避のために使用される。例えば、センサ信号は、マップで説明されていない物体(例えば、シート上に残されたかばんなど)を回避するために、いつマップの改変が実施されるべきかを示しうる。
【0041】
別の例では、マップを使用する代わりに、センサ194が、カート100の移動を誘導するために使用されうる。例えば、制御ユニット190は視覚ベースのシステムでありうる。センサ194は、制御ユニット190に画像データや射程データなどを提供しうる。プロセッサ(複数可)197は、センサデータを解析し、物体検出を実施して、例えば、画像データにおけるシート120を識別しうる。制御ユニット190は、識別されたシート及びセンサデータに基づくシートまでの距離に基づいて、図4に図示している清掃経路160、180に示しているように、シート120の表面に接近し、表面に沿って動くようアーム136を制御するための、制御信号を生成する。
【0042】
出力デバイス198は、近傍の人間に警告及び通知を提供するためのライト、スピーカー、ディスプレイ画面、振動パック、及び/又はこれらに類似したものを含みうるか、又はこれらのことでありうる。例えば、出力デバイス198は、カート100が自律モードで動作している時に、カート100の付近にいる人間にカート100が移動していると警告するために、点滅ライトを有してよく、かつ/又はビープ音を発しうる。半自律モードで作業人員が存在している場合、出力デバイス198は、消毒プロセスの有効性、効率、及び/又は一定性を向上させる目的で、オペレータの動きを指示するか又は修正するために使用されうる。例えば、良好な又は満足できる消毒パフォーマンス(部分的にはターゲット表面のUV光への曝露時間に基づく)を生じさせるために、カート100が通路126に沿って移動する、指定されたスピード又はスピード範囲が存在しうる。オペレータには、スピードが正しいか、速すぎるか、若しくは遅すぎるか否かに応じて異なる色及び点滅速度で光る、カート100の歩調(pacing)ライト、スピードが正しいか、速すぎるか、若しくは遅すぎるか否かに応じて異なる振動数及び/又は強度で振動するハンドル146、並びに/又はスピードが正しいか、速すぎるか、又は遅すぎるか否かに応じて音及び拍の速度が変化する、音響信号音、
のうちの一又は複数を使用して、指定されたスピードに対するカート100の実際のスピードが通知されうる。
【0043】
図6は、一例による、アーム136が上昇し、伸長しているUV光清潔化カート100の後方図である。アーム136が伸長されている状態では、UV光アレイ138は、アレイ軸201沿って直線的に狭長形となる。UV光アレイ138は、実質的にUV光の壁又はシートを提供するよう、アレイ138の長さに沿ってUV光を放出する。一又は複数の例では、カート100は、UV光アレイ138が清潔化する環境内でコンポーネント表面の輪郭を辿ることを可能にすることが求められる場合に、アレイ軸201を中心にUV光アレイ138を回転させ、表面が湾曲し交差するにつれてUV光をコンポーネント表面に向けて照準させるよう、自律的に制御される。カート100は、互いと、かつアレイ軸201と直交する2つの軸に沿ってUV光アレイ138を平行移動させるようにも、自律的に制御される。例えば、アレイ軸201が図1及び図3に示している横方向軸111に平行である場合、カート100は、清潔化プロセスにおいて、UV光アレイ138を、垂直軸又は高さ軸112に沿って垂直に、かつ長手方向軸110に沿って長手方向に、平行移動させうる。
【0044】
第1アームと第2アーム136A、136Bは互いの反転コピーでありうるので、両方について表わすために1つのアーム136についてだけ説明している。アーム136は、少なくとも内側部材202と外側部材204とを含む、複数の相互接続部材を含む。内側部材202は、胴体部134に接続され、外側部材204を胴体部134に接続する。UV光アレイ138は、内側部材202と外側部材204の各々に装着された、少なくとも1つの狭長形のUVランプ140を含む。UVランプ140は、実質的にUV光の壁を放出するよう、アーム136の長さの少なくとも大部分に沿って狭長形である。UVランプ140は、図示している例では部材202、204の1つの側206に沿ってのみ配置されているが、他の例では、追加のUVランプ140が、外側部材204の端部208に、かつ/又は部材202、204の反対の側210に沿っても、配置されうる。アーム136A、136Bは、図示している上昇し伸長した位置において、互いに平行にかつ床に平行に(例えば、胴体部134の軸と直交して)延在している。
【0045】
図示している例は、カート100上におけるセンサ194の様々な場所も示している。例えば、カート100は、物体回避のために近傍の物体に対するベース132の近接状態を特定するのに使用される、ホイール142又はベース132上のセンサ194を含みうる。近傍の物体及び/又は構造物に対する近接状態を特定するために、追加のセンサ194がアーム136A、136Bの端部208に装着されうる。例えば、端部208のセンサ194は、アーム136A、136Bが胴体部134から伸長している距離を特定するために使用されうる。カート100の上方の表面に対するアーム136A、136の近接状態を特定するために使用されうる別のセンサ194が、胴体部134の上部212に装着されることもある。
【0046】
一例では、カート100はキャリア又はヘッド214を含む。キャリア214は、胴体部134に装着されており、図3に示している垂直軸112を中心に、胴体部134に対して回転しうる。キャリア214は、横方向軸111を中心にも、胴体部134対して回転可能でありうる。アーム136A、136Bは、キャリア214の回転により、アーム136A、136B(及びUV光アレイ138)が胴体部134に対して同様に動くように、キャリア214に機械的に連結されうる。アーム136A、136Bは、キャリア214との界面におけるヒンジで枢動しうる。
【0047】
図7は、一例による、内部キャビン102内の設置物220の中に格納されたUV光清潔化カート100の図である。図示しているカート100では、アーム136が胴体部134に対して収縮状態となっている。アーム136は、収縮状態では、胴体部134に平行に延在するよう短縮され、胴体部134に隣接して配置される。アーム136は、収縮状態では、胴体部134に物理的に当接している(例えば接触している)ことがある。アーム136は、キャリア214のヒンジで枢動することによって短縮する。カート100が格納されている設置物220は、収納庫、デッキ(vestibule)、又はその他のコンパートメントでありうる。制御ユニット190は、自律モードでは、清潔化タスクが完了すると、アーム136を短縮して、カート100を設置物220内の空洞222の中へと駆動しうる。オプションで、設置物220内に、カート100と通信してカート100が帰還場所(格納位置)へと帰着することを可能にする、ビーコンデバイスが配置されうる。
【0048】
一例では、制御ユニット190は、清掃イベントをメモリ199にログ記録することによって、UV光清潔化カート100の活動をセルフモニタする。例えば、清潔化プロセスにおいて、又は帰還場所(格納位置)への帰着時に、プロセッサ(複数可)197は、新たな記録をログ又はデータベースに記録しうる。この記録は、最新の清掃イベントの日時を提供可能であり、オプションで、清掃イベント全体の経過時間、表面に照射されたUV光の算出線量、清潔化される内部キャビン102及び/又はビークル104の識別情報(identity)、清掃イベント中に検出されたエラー又は異常物体(もしあれば)、カート100が完全自律モードであったか、それとも半自律モードであったか、などといった、追加の詳細事項を含みうる。清掃イベントのログは、キャビン102が、人的なエラー又は不作為のリスクなく、機械によって適切に清潔化されたことの証拠として、使用されうる。ログは、データの収集や共有などのために求められる通りに、メモリ199からコピーされかつ/又は遠隔送信されうる。
【0049】
図8及び図9は、胴体部134に対してアーム136を、したがってUV光アレイ138を上下させるための、2つの異なるアクチュエータ機構を示している。各アーム136と胴体部134との間の角度はシータ(Θ)と称される。図8は、湾曲ギア232及び円形駆動ギア234を含む、湾曲したラックピニオンアクチュエータ230を示している。図9は、シリンダ244内にピストン242を含む、リニアアクチュエータ240を示している。各アクチュエータ230、240は、電力供給源192から電力を、制御ユニット190から制御信号を受信して、それぞれのアーム136と胴体部134との間の角度シータを制御する。
【0050】
図10は、一例による、UV光清潔化カート100を上から見た図である。図11は、一例による、UV光清潔化カート100のアーム136のうちの1つの内側部材202及び外側部材204の断面図である。この断面は、図10の線11-11に沿って切ったものである。図示している例では、各アーム136の外側部材204は、内側部材202内に受容されている。例えば、アーム136の長さ又は伸長を制御するために、内側部材202は2つのレール252の間に軌道250を画定し、外側部材204は軌道250において摺動する。図示している例では各アーム136は2つの部材202、204を有しているが、他の例では、アーム136は、1つの部材だけを有することも、又は少なくとも3つの部材を有することもある。例えば、外側部材204に別の部材が連結されることもあり、この別の部材は、伸長長さを増大させるために、外側部材204の端部208を越えて伸長するよう制御可能でありうる。図示していないが、アレイ138のUVランプ140は、上述したように、部材202、204の各々に装着される。
【0051】
図12A図12B、及び図13は、アーム136の伸長長さを調整する(例えば、UV光アレイ138の横方向幅を調整する)ための、2つの異なるアクチュエータ機構を示している。図12A及び図12Bは、内側部材202に装着され、外側部材204に機械的に連結されている、リニアアクチュエータ260を示している。例えば、アクチュエータ260の平行移動するピストン264の端部262は、ピストン264が伸長することで外側部材204が軌道250に沿って胴体部234から離れる方向に押圧され、ピストン264が短縮することで外側部材204が胴体部234に向かって引っ張られるように、外側部材204に連結される。図12Aは、内側部材202に対して伸長した外側部材204を示しており、図12Bは、短縮した外側部材204を示している。図13は、ラックピニオン又はギアに駆動されるアクチュエータ270を示している。図13に挿入された拡大部分Aは、ギア駆動部272が内側部材202に装着されてよく、外側部材204が、ギア駆動部272と係合するギア歯の列274を含みうることを、示している。電力供給時のギア駆動部272の回転により、軌道250に沿った、内側部材202に対する外側部材204の平行移動が生じる。
【0052】
図14Aから図14Eは、外側部材204が内側部材202に対して枢動しうる別の例による、UV光清潔化カート100のアーム136及び胴体部134を図示している。
図14Aでは、外側部材204は、内側部材202と外側部材204との間に直角を画定するよう、内側部材202対して下向きに枢動している。図14Bでは、外側部材204は、内側部材202と直角を画定するよう、上向きに延在している。図14Cでは、両方のアーム136A、136Bが、胴体部134から上向きに、かつ互いに及び胴体部134にほぼ平行に、延在している。図14Cでは、内側部材と外側部材202、204は同軸になっている。図14D及び図14Eでは、外側部材204は胴体部134に対してほぼ直角に、水平に延在しているが、内側部材202は、胴体部134に対して斜角で延在している。内側部材と外側部材202、204の、胴体部134に対する及び互いに対する延在角度を個別に制御する能力により、制御ユニット190が、様々な異なる表面に同時にUV光を照準させて、例えば、シート120と内部キャビン102の側壁118の両方を照射することが、可能になりうる。
【0053】
図15は、一例による、UV光清潔化カー100トのアーム136の内側部材202に装着される、外側アレイキャリア280を図示している。外側アレイキャリア280は、軌道250に沿って、内側部材202に対して平行移動可能である。外側アレイキャリア280は、外側部材204に連結されており、内側部材202に対して外側部材204を回転させるよう構成される。内側部材202と外側部材204とを個別に回転させる能力により、UVランプ140が、清潔化されているターゲット表面に沿った、有機的なスイープモーションを提供することが可能になりうる。この回転によって、陰になる部分の存在が減少することにより、陰になる部分に起因する清潔化の非一定性も軽減されうる。
【0054】
図16は、一例による、UV光清潔化カート100のホイール142の位置を制御するためのステアリング機構290を図示している。アクチュエータ290は、タイロッド又は連接器294に連結されているサーボステアリングモータ292を含む。サーボモータ292は、時計回り又は反時計回りのいずれかに設定された量だけ回転するよう、制御ユニット190によって制御され、この回転によりタイロッド294が動かされる。タイロッド294の各端部は、対応するホイールキャリアアセンブリ296に接続される。
【0055】
ここで、ホイールキャリアアセンブリ296のうちの1つをより詳細に示している図17を参照する。キャリアアセンブリ296は、ホイール142のためのトルクを生成する、牽引モータ300を含む。キャリアアセンブリ296は、カート100のフレーム又はベース132に、枢動可能又は回転可能に固定される。サーボステアリングモータ292によってタイロッド294が動かされることにより、キャリアアセンブリ296が、ベース132に対して転回又は枢動することになる。キャリアアセンブリ296はホイール142を含むので、キャリアアセンブリ296が枢動するにつれて、カート100は転回する。
【0056】
図18は、図16及び図17に示しているステアリング機構290の代わりにカート100を操縦するための、ラックピニオン機構310を示している。例えば、タイバー又は連接器294は、モータ316に連結された駆動ギア314と係合する、ギア歯の列312を含みうる。モータ316によって駆動ギア314が回転することで、タイバー294の動きが引き起こされ、この動きにより、上述したように、ホイール142の角度が変化する。図18は、機構310の上から見た図318と側方図319の両方を示している。
【0057】
図19は、胴体部134に対して傾斜した、UV光清潔化カート100のキャリア214を示している。キャリア214は、ベータ(β)角度範囲を提供するよう、図3に示している横方向軸111を中心に、胴体部134に対して回転しうる。制御ユニット190が、アクチュエータを制御して、ベータ角度を設定する。アーム136及びUV光アレイ138は、キャリア214と共に回転する。このようにすることで、制御ユニット190は、UV光を表面に向けて照準させるために、キャリア214を回転させて、内部キャビン102に対するUV光アレイ138の配向を変更しうる。例えば、図4に概略的に図示している清掃経路160に沿ったアーム136の種々の配向が、キャリア214を回転させてベータ角度を変更することによって実現されうる。
【0058】
図20は、図3に示している垂直軸112を中心にキャリア214を回転させるために使用されうる、アクチュエータ320を図示している。角度アルファ(α)を中心に、胴体部134に対してキャリア214を回転させることで、胴体部134及びベース132に対してアーム136及びUV光アレイ138を旋回させうる。
【0059】
図21Aから図21Cは、ラックピニオンアクチュエータ330が、UV光清潔化カート100の伸縮式胴体部134を伸縮させるために使用されうることを示している。図21Aは、第1高さのカート100を示している。図21Bは、胴体部134の伸長によって第1高さよりも高くなっている、第2高さのカート100を示している。図21Cは、側面図332と上から見た図334の両方におけるラックピニオンアクチュエータ330を図示している。
【0060】
図22は、一代替例による、UV光清潔化カート100のベース132を図示している。図1から図3で上述した例では、胴体部134は、ベース132上の定位置に固定されており、アーム136及びUV光アレイ138を長手方向軸110に沿って動かすためには、カート100全体が、通路126に沿って前後に動かされるか又は駆動される。図22では、胴体部134は、少なくとも1つの軸に沿って、ベース132に対して平行移動可能である。オプションで、胴体部134は、ベース132に装着された状態のまま、ベース132に対して長手方向と横方向の両方に平行移動することが可能である。例えば、胴体部134は、胴体部134が1つの軸に沿って動くことを可能にするベルトプーリ機構340又は軌道型ラックピニオン機構342により、ベース132に連結されうる。機構340、342のいずれも、ベース132によって画定された軌道344内で、キャリアホイール343を介して、垂直軸に沿って摺動することが可能でありうる。平行移動可能な胴体部134を有することで、カート100のベース132が、2つの列128の間の位置に付いてから、例えば、その位置で静止したまま、胴体部134、キャリア214、及び/又はアーム136が平行移動しかつ/又は回転して、UV光アレイ138の形状追従を提供することが、可能になる。清掃経路160のあるセグメントが完了したら、次いでカート100は、2つの列128の間の別の位置に進んで、清掃経路160の別のセグメントに沿ってプロセスを反復し、表面を清潔化しうる。
【0061】
図23は、一代替例による、UV光清潔化カート100の胴体部134を図示している。図示している例では、胴体部134は、胴体部材352同士の間に複数の節点350を設けるよう、区分けされている。胴体部134に沿ったアクチュエータが、節点350における胴体部材352の互いに対する枢動を可能にしてよく、これにより、空間内の様々な異なる位置にキャリア214を選択的に位置付けることが可能になる。図23に示している例は、図22に示しているベース132と一緒に、又はかかるベース132の代わりに、使用されうる。
【0062】
図1から図23を参照するに、少なくとも1つの例において、UV光アレイ138は、遠UVスペクトルの範囲内の(例えば200nmと230nmとの間の)清潔化UV光を(UVランプ140の動作を通じて)放出するよう構成される。少なくとも1つの例において、UV光アレイ138は、222nmの波長を有する清潔化UV光を放出する。オプションで、UV光アレイ138は、遠UVスペクトルの範囲内以外の波長の清潔化UV光を放出するよう構成される。例えば、UV光アレイ138は、UVCスペクトルの範囲内の清潔化UV光を放出しうる。
【0063】
一又は複数の例では、制御ユニット190は、指定された又は所定の線量のUV光が清掃経路160、180に沿った表面に一定的に付与されることを確実にするために、清潔化されている表面に対するUV光アレイ138の(及び/又はUV光清潔化カート100のワンドアセンブリの)動きを、制御しかつ/又は指示する。この線量は、UVランプ140によって放出されるUV光の出力又は振幅、UVランプ140から清潔化表面までの近接状態又は射程、及び曝露又は滞留の時間に基づく。曝露時間とは、カート100のUV光アレイ138が清潔化表面をスイープする際に、所与のエリアがUV光によって照射される時間の長さのことである指定された線量は、オペレータの選好や規制上の要件などに基づいて、事前選択されうる。UV光の出力又は振幅は、UVランプ140の能力限界及び/又は望ましいエネルギー消費限界に基づいて設定されうる。近接距離は、数インチ(例えば2インチ、3インチ、4インチなど)の範囲内になるよう選択されうる。指定された線量、電力、及び近接状態に関する上記の特性は、メモリ199に記憶され、一又は複数のプロセッサ197によってアクセスされうる。オプションで、一部の特性は、清潔化されている表面の種類に基づいて変動しうる。そのため、メモリ199は、かかる一部の特性の複数の値を記憶することもある。一例では、記憶された特性に基づいて、プロセッサ(複数可)は、清潔化表面の所与のエリアに対する指定された線量を実現するのに必要な最小量の曝露時間のことである、滞留時間を算出しうる。プロセッサ(複数可)は、この滞留時間を、清潔化タスクの完了を過度に遅らせることなく指定された線量を一定的に実現するための、清潔化表面に対するUV光アレイ138の歩調スピードを特定するために使用しうる。歩調スピードは、特定のUV光及びUV光の放出出力での、検出された近接距離における、表面の適切な清潔化のための正しいスピードを示す。
【0064】
歩調スピードは、メモリ199に記憶されてよく、制御ユニット190によって、表面の輪郭に沿って動く時のUV光アレイ138の動きを制御するために使用されうる。例えば、UV光アレイ138が表面に沿って動く際に、制御ユニット190は、センサ194及びアクチュエータ196からのフィードバックを受信し、解析する。制御ユニット190は、UVランプ140からキャビン102内の清潔化表面までの実際の距離又は射程を測定する、アーム136に配置されたセンサ194から、近接状態データを受信しうる。制御ユニット190は、この近接状態データに基づいて、UV光アレイ138が表面に対して指定された近接状態を維持しているかどうか(例えば、アレイ138が対応する清掃経路160、180に沿って進んでいるかどうか)を判定しうる。更に、制御ユニット190は、表面に対するUV光アレイ138の実際のスピードを特定すること、及び、実際のスピードと、メモリ199に記憶された歩調スピードとを比較することが可能である。実際のスピードは、アクチュエータ196からのフィードバックに基づいて特定されうる。例えば、機械的な駆動列及びモータの運動が、制御ユニット190によって、空間内でのUV光アレイ138の物理的な動きに変換され、かかる物理的な動きは、時間で分割されると、実際のスピードを提供する。別の例では、センサ194のうちの一又は複数は、UV光アレイ138の動きを経時的に追跡して、UV光アレイ138の実際のスピードを特定するために使用されうる。
【0065】
一例では、UV光アレイ138の実際のスピードが、指定された許容誤差範囲(例えば2%や5%など)を上回って歩調スピードと異なっている場合には、制御ユニット190が、表面に対するUV光アレイ138の動きを修正して、実際のスピードと歩調スピードとの不同を低減するために、制御信号を生成しうる。この制御信号(これにより、アクチュエータ196が制御信号に基づいて動作するスピードが調整されうる)は、アクチュエータ196の一又は複数に通信されうる。例えば、実際のスピードが歩調スピードよりも速い場合、供給されるUV光の線量は、望ましいレベル又は量の清潔化を提供するのに不十分になりうる。これに応じて、制御ユニット190は、線量を増大させるためにUV光アレイ138の動きを遅くする、制御信号を生成する。逆に、実際のスピードが歩調スピードよりも遅い場合、表面に供給されるUV光の線量は、望ましいレベルの清潔化を提供する上で過剰となりうるので、UV光アレイ138のスピードを加速することによって、エネルギー効率を向上させ、かつ清潔化タスクの総清掃時間を削減する機会がもたらされる。
【0066】
半自律モードでは、UV光アレイ138のスピードは、部分的に、通路126に沿ってカート100を押し引きしているオペレータによって制御されうる。制御ユニット190は、実際のスピードと歩調スピードとの不同を特定すると、出力デバイス198への制御信号を生成しうる。例えば、実際のスピードが歩調スピードよりも速い場合、生成される制御信号は、出力デバイス198に、オペレータにスピードが速すぎると警告するか又は通知すること、及びカート100の移動の減速を提案することを、実行させる。この警告は、出力デバイス(複数可)198によって提供される、対応する照明効果(例えば赤色光の放出や光の点滅など)、音響効果(例えば頻繁な、高周波の、かつ/若しくは大きなビープ音)、並びに/又は触覚効果(例えば、ハンドル146の振動)を通じて、超過スピードを示しうる。別の例では、実際のスピードが歩調スピードよりも遅い場合、制御信号は、オペレータがカート100のスピードを加速させうるとオペレータに示すために、出力デバイス198に、別の対応する照明効果及び/又は音響効果(例えば黄色光)の提供を実行させうる。実際のスピードが歩調スピードの許容誤差範囲内である場合、制御信号は、出力デバイス198に、別の対応する照明効果及び/又は音響効果(例えば緑色光)の提供を実行させうるか、又は、いかなる照明効果及び/又は音響効果も提供しないこともある。
【0067】
UV光アレイ138を、図4に示しているキャビン102内の表面の輪郭に沿った清掃経路160、180を辿るよう制御するために、UV光清潔化カート100のアーム136及びその他の可動コンポーネントが作動するので、通路126に沿ったカート100のスピードは変動することになる。UV光アレイ138を長手方向軸に沿って動かすために通路126に沿ったベース132のローリング運動が使用される、一又は複数の例では、制御ユニット190は、ベース132及びホイール142の動きの方向及びスピードを、清潔化されている表面に応じて自動的に制御しうる。例えば、UV光アレイ138が、シート120の列の間の床114、又は天井116を清潔化する際に、ベース132は、所定の滞留時間に基づいて、相対的に一定のスピードで移動しうる。しかし、UV光アレイ138が、シート120のシート背もたれの背面を清潔化するために実質的に垂直に動かされる際には、例えば、ベース132は、UV光アレイ138の長手方向の動きが再び求められるまで、静止したままであるよう制御される。ベース132は、表面の輪郭に基づいて、UV光アレイ138が輪郭に接近したまま進み、かつキャビン102内のいかなる物体との直接接触も回避することを可能にするために、少なくとも一次的に、清掃経路の一般的な方向とは反対の逆方向に動くことすらありうる。
【0068】
UV光アレイ138がベース132に対して長手方向に動かされうる、図22及び図23に示している例では、ベース132は、制御ユニット190及び/又はオペレータを介して、順次動いてから、通路126の長さに沿った様々な地点で停止するよう、制御されうる。例えば、カート100は、列128と整列する位置、又は2つの列128の間の位置まで、動かされうるか又は駆動されうる。次いで、カート100のベース132は静止したままでありつつ、胴体部134、キャリア214,及び/又はアーム136が、UV光アレイ138を、その列又は2つの列に沿って表面の輪郭を辿るよう操作する。UV光アレイ138の長手方向の動きは、胴体部134を図22及び/又は図23に示しているように動かすことによって実現されうるので、ベース132は静止したままでありうる。ベース132は、列又は2つの列の清潔化が完了すると、次いで、通路126に沿って別の位置へと進んでこのプロセスを反復するよう制御される。
【0069】
一代替例では、UV光清潔化カート100は、アーム136から選択的に伸長可能な追加のUVランプ140を含みうる。追加のUVランプ140は、アーム136に装着されたエンドエフェクタであって、アーム136から選択的に突出するエンドエフェクタに配置されうる。例えば、このエンドエフェクタは、対応するUVランプ140を(例えば長手方向軸に沿って)アーム136の前方又は後方に位置付けるよう、アーム136の平面外へと選択的に枢動しうる。エンドエフェクタのUVランプ140は、アーム136のUVランプ140に対して最大90度の角度で配向されうる。これにより、エンドエフェクタにL字又はT字型のUVアレイが提供される。エンドエフェクタのUVランプ140は、空洞の内部及び物体の下(座席120の下など)を清潔化するために使用されうる。例えば、複数のシート120にわたって横方向に伸長しているアーム136は、シートの下のエリアに十分に近接することが可能ではないことがあるが、エンドエフェクタが、アーム136からシート座面の直下の空間内へと突出して、シート120の下の床114及び/又はシート座面の裏側を清潔化しうる。エンドエフェクタのUVランプ140は、肘掛け、収納棚の部分、壁、及び/又はこれらに類似したものを清潔化するためにも使用されうる。平行移動及び回転の多数の軸がカート100によって提供されることで、手作業での清潔化に関連する、スピード、対象エリア、及び近接状態における内在的な非一定性を伴わずにUV光ワンドを保持する人員の能力を実質的に複製するよう、UVランプ140を位置付け、照準させることが可能になる。
【0070】
少なくとも1つの実施形態では、UV光清潔化カート100は、カート100に連結されているワンドアセンブリ(例えば手持ち式のUVワンド)を含む。このワンドアセンブリにより、カート100による自動清潔化と併せてワンドを利用して、カート100がアクセスすることが困難なエリアを清潔化するか、又はある種の使用頻度が高いエリアに追加のUV線量を提供するという選択肢が、人員に提供される。ワンドは、ワンドのUVランプに電力供給するための少なくとも電力ケーブルで、カート100にひも連結されうる。あるいは、ワンドはバッテリーで電力供給されることもある。オプションで、ワンドは、清潔化されている表面から望ましい近接距離(又は射程)にUVランプが配置されているかどうかをオペレータに示す、光センサを含みうる。表面からのワンドの射程を示す光センサは、米国特許仮出願第63/027,869号で開示されている。
【0071】
一又は複数の例では、UV光アレイと、本体と、アクチュエータと、制御ユニットとを含む紫外(UV)光清潔化カートが提供される。UV光アレイは、コンポーネントの表面を清潔化するためにUV光を放出するよう構成された、UVランプを含む。本体は、可動ベースと、このベースによって支持された、複数の相互接続した剛性部材とを含む。UVランプは、剛性部材のうちの少なくとも1つに装着される。アクチュエータは、本体に機械的に接続される。少なくとも一部のアクチュエータは、剛性部材の互いに対する動き、及びベースに対する動きを制御するよう構成される。制御ユニットは、UV光アレイを表面の輪郭を辿る清掃経路に沿って動かすようアクチュエータを制御するための、制御信号を生成するよう構成される。
【0072】
オプションで、剛性部材はアーム及び胴体部を含む。胴体部は可動ベースに装着される。アームは、胴体部から、相対する両方向に伸長し、UVランプの少なくとも一部を保持してUVランプの直線的配置を提供する。アームの各々は、少なくとも内側部材と外側部材とを含みうる。内側部材は、外側部材と胴体部との間に配置される。外側部材は、短縮して内側部材内に受容されるよう、かつ、内側部材から直線的に外側へと伸長してアームの長さを増大させるよう構成される。オプションで、少なくとも一部のアクチュエータは、アームに接続されており、アームを枢動させて収縮状態(この状態では、アームは胴体部に平行であり、胴体部に近接している)にするよう、制御ユニットによって制御可能である。
【0073】
オプションで、UV光アレイは、アレイ軸に沿って延在する複数のUVランプの直線的配置を含む。アクチュエータ及び本体は、2つの軸であって、互いにかつアレイ軸と直交する2つの軸に沿って、UV光アレイを平行移動させるよう構成され、かつ、アレイ軸を中心にUV光アレイを回転させるよう構成される。
【0074】
オプションで、可動ベースは、床と界面接続しかつカートを支持する、複数のホイールを含む。アクチュエータは、ホイールの回転を駆動し、ホイールを操縦するための、可動ベース上のモータを含む。UV光アレイを清掃経路に沿って動かすために制御ユニットによって生成される制御信号は、カート経路に沿って可動ベースを駆動して、カート経路に平行な軸に沿ってUV光アレイを平行移動させるための可動ベース上のモータに対する制御信号を含みうる。
【0075】
オプションで、本体は、カート経路に沿ってカートを手動で推進させて、カート経路に平行な軸に沿ってUV光アレイを平行移動させるオペレータによって保持されるよう構成された、短縮可能なハンドルを含む。
【0076】
オプションで、カートは、本体に装着されたセンサであって、コンポーネントの表面に対する又は別のコンポーネントの表面に対するカートの近接状態を示すセンサデータを生成するよう構成された、センサを更に含む。制御ユニットは、カートとコンポーネントの表面又は別のコンポーネントの表面との衝突を回避するために、センサデータに基づいて制御信号を生成するよう構成される。
【0077】
オプションで、制御ユニットは、コンポーネントが配置されている環境の三次元マップを記憶するメモリデバイスを含む。制御ユニットは、三次元マップに対するUV光アレイの基準地点を特定するよう、かつ、三次元マップ及びUV光アレイの基準地点に基づいて環境内の清掃経路に沿ってUV光アレイを動かすための制御信号を生成するよう、構成される。
【0078】
オプションで、カートは、本体の剛性部材のUVランプの近位に装着されたセンサを更に含む。このセンサは、コンポーネントの表面に対するUVランプの近接状態を示すセンサデータを生成するよう構成される。制御ユニットは、表面から指定された近接距離のところにUVランプを維持して、指定された線量のUV光が表面に照射されることを確実にするために、センサデータに基づいて制御信号を生成するよう構成される。
【0079】
オプションで、制御ユニットは、UV光アレイの歩調スピードを記憶しているメモリデバイスを含む。コンポーネントの表面に指定された線量のUV光を提供するために、歩調スピードは、UVランプの出力、及びUVランプとこの表面との間の指定された近接距離に基づく。制御ユニットは、アクチュエータを制御して、歩調スピードに基づく速度で清掃経路に沿ってUV光アレイを動かすための、制御信号を生成するよう構成される。制御ユニットは、コンポーネントの表面に対するUV光アレイの実際のスピードを特定するよう、かつ実際のスピードを歩調スピードと比較するよう、構成されうる。制御ユニットは、実際のスピードが歩調スピードよりも速いことに応じて、清掃経路に沿ったUV光アレイの動きを減速するようアクチュエータを制御するための、制御信号を生成するよう構成されうる。
【0080】
オプションで、制御ユニットは、メモリデバイスを含み、カートによって経時的に実施された清潔化タスクの記録をこのメモリデバイスに記憶するよう構成される。
【0081】
オプションで、制御ユニットは、UV光アレイが、(i)同時に2つの異なる軸を中心に回転すること、(ii)同時に2つの異なる軸に沿って平行移動すること、又は(iii)1つの軸を中心に回転するのと同時に、この1つの軸若しくは別の軸を中心に平行移動すること、
のうちの一又は複数を行うような、UV光アレイの複合運動を提供するために、アクチュエータのうちの少なくとも2つのアクチュエータのための制御信号を生成するよう構成される。
【0082】
一又は複数の例では、紫外(UV)光アレイを保持する本体を含むカートを提供することを含む、方法が提供される。UV光アレイは、コンポーネントの表面を清潔化するためにUV光を放出するよう構成された、UVランプを含む。カートは、本体に機械的に接続されたアクチュエータと、このアクチュエータに通信可能に接続された制御ユニットとを更に含む。方法は、制御ユニットを介して、表面の輪郭を辿るUV光アレイの清掃経路を特定することと、制御ユニットを介して、アクチュエータを制御してUV光アレイが清掃経路を辿るように本体を動かすための制御信号を生成することと、を含む。
【0083】
オプションで、UV光アレイは、アレイ軸に沿って延在する複数のUVランプの直線的配置を含む。UV光アレイが清掃経路を辿るにつれて、2つの軸であって、互いにかつアレイ軸と直交する2つの軸に沿ってUV光アレイを平行移動させ、かつ、アレイ軸を中心にUV光アレイを回転させるよう、アクチュエータ及び本体を制御するために、制御信号が生成される。
【0084】
オプションで、本体は、可動ベースであって、このベースを支持する複数のホイールを有する可動ベースを含み、アクチュエータは、ホイールの回転を駆動しホイールを操縦するための、ベース上の一又は複数のモータを含む。制御信号を生成することは、カート経路に沿って可動ベースを駆動してカート経路に平行な軸に沿ってUV光アレイを平行移動させるための、制御信号を生成することを含みうる。
【0085】
オプションで、方法は、コンポーネントの表面に対するUV照明アレイの近接状態を示すセンサデータを受信することを更に含む。制御信号は、(i)カートとコンポーネントの表面との衝突を回避すること、又は(ii)コンポーネントの表面に指定された線量のUV光を提供するために、UVランプとこの表面との間に指定された近接距離を維持すること、
のうちの一又は複数を行うために、センサデータに基づいて生成される。
【0086】
オプションで、方法は、UV光アレイの歩調スピードをメモリデバイスに記憶させることを更に含む。コンポーネントの表面に指定された線量のUV光を提供するために、歩調スピードは、UVランプの出力、及びUVランプとこの表面との間の指定された近接距離に基づきうる。方法は、制御ユニットを介して、コンポーネントの表面に対するUV光アレイの実際のスピードを特定することと、実際のスピードが指定された許容誤差範囲を上回って歩調スピードと異なっていることに応じて清掃経路に沿ったUV光アレイの実際のスピードを変化させるようアクチュエータを制御するための、制御信号を生成することと、を更に含みうる。
【0087】
本書で使用する場合、「制御ユニット(control unit)」、「中央処理装置(central processing unit)」、「CPU」、「コンピュータ(computer)」などの語は、マイクロコントローラ、縮小指令セットコンピュータ(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、及び、本書に記載の機能を実行可能なハードウェア、ソフトウェア、若しくはこれらの組み合わせを含む他の任意の回路又はプロセッサを使用するシステムを含む、プロセッサベース又はマイクロプロセッサベースの、任意のシステムを含みうる。これらは例示にすぎず、ゆえに、かかる語の定義及び/又は意味を、いかなる仕方においても限定することを意図していない。
【0088】
制御ユニット190は、データを処理するために、一又は複数のデータ記憶ユニット又はデータ記憶素子(例えば一又は複数のメモリ199)に記憶されている命令のセットを実行するよう構成される。データ記憶ユニットは、所望通りに又は必要に応じて、データ又はその他の情報も記憶しうる。データ記憶ユニットは、情報源、又は処理マシン内部の物理的メモリ素子という形態でありうる。
【0089】
命令のセットは様々なコマンドを含んでよく、これらのコマンドは、処理マシンとしての制御ユニット190に、特定の動作(例えば、本書に記載の主題の様々な例の方法及びプロセス)を実施するよう命令する。命令のセットはソフトウェアプログラムの形態でありうる。ソフトウェアは、システムソフトウェア又はアプリケーションソフトウェアといった様々な形態でありうる。更に、ソフトウェアは、別個のプログラムの集合体、より大きなプログラム内のプログラムサブセット、又はプログラムの一部分という形態でありうる。ソフトウェアは、オブジェクト指向プログラミングの形態のモジュールプログラミングも含みうる。処理マシンによる入力データの処理は、ユーザコマンドに応じることも、以前の処理の結果に応じることも、別の処理マシンが行ったリクエストに応じることもある。
【0090】
本書における例の図は、一又は複数の制御ユニット又は処理ユニット(制御ユニット190など)を示していることがある。この処理ユニット又は制御ユニットは、本書に記載の動作を実施する命令(例えば、コンピュータハードドライブ、ROM、RAMなどといった有形で非一過性のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたソフトウェア)に関連するハードウェアとして実装されうる、回路、回路網、又はそれらの部分のことでありうると、理解されたい。ハードウェアは、本書に記載の機能を実施するために有線接続されたステートマシン回路網を含みうる。オプションで、ハードウェアは、マイクロプロセッサ、プロセッサ、コントローラなどといった一又は複数のロジックベースのデバイスを含みかつ/又はかかるデバイスに接続されている、電子回路を含みうる。オプションで、制御ユニット190は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサ(複数可)、及び/又はこれらに類似したもの、うちの一又は複数といった、処理回路網のことでありうる。様々な例における回路は、本書に記載の機能を実施するための一又は複数のアルゴリズムを実行するよう構成されうる。かかる一又は複数のアルゴリズムは、フロー図又は方法において明示的に識別されているか否かに関わらず、本書に開示されている例の態様を含みうる。
【0091】
本書で使用される場合、「ソフトウェア(software)」と「ファームウェア(firmware)」という語は、交換可能であり、かつ、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、及び、非揮発性RAM(NVRAM)メモリを含むデータ記憶ユニット(例えば一又は複数のメモリ)に記憶された、コンピュータによって実行される任意のコンピュータプログラムを含む。上記のデータ記憶ユニットの種類は例示に過ぎず、ゆえに、コンピュータプログラムの記憶装置に、使用可能なメモリの種類についての限定を行うものではない。
【0092】
本書の主題開示のある種の例は、表面の輪郭を辿って、一定的で効率的かつ有効な表面の清潔化を提供するよう、UVランプを自律的に制御するための、システム及び方法を提供する。UVランプの自動制御により、正確な線量のUV光が表面に供給されて表面を有効に清潔化することが確実になる。本書に記載のUV光清潔化カートは、ビークルの機上で収縮可能かつ格納可能であり、これにより、このカートは、望ましい時に稼働し、次いで不要な時(例えばビークルの飛行中)には格納されうる。
【0093】
図24は、本書の主題開示の一例による、UV光清潔化システム又はUV光清潔化カート100の前面斜視図を示している。本書に記載しているように、UV光清潔化カート100は、可動ベース132と、コンポーネントの表面を清潔化するためにUV光を放出するよう構成されたUVランプ140を含むUV光アレイ138とを有する、本体131を含む。UV光清潔化カート100は、ワンドアセンブリ1202も含む。少なくとも1つの実施形態では、ワンドアセンブリ1202は、本体131に連結される。例えば、ワンドアセンブリ1202はベース132に連結される。ワンドアセンブリ1202は、(例えばベース132上の)格納位置と、ワンドアセンブリ1202がベース132から離れて動かされる展開位置との間で、選択的に動かされるよう構成される。ワンドアセンブリ1202は、展開位置において、ひも状連結部1203を通じてベース132に接続されてよく、ひも状連結部1203は、電源コード、ケーブル、エアホース、及び/又はこれらに類似したものを含みうる。
【0094】
少なくとも1つの実施形態では、UV光清潔化カート100のUV光アレイ138は、特定の波長の(例えば遠UV光スペクトル又はUVCスペクトルの範囲内などの)UV光を放出するよう構成され、ワンドアセンブリ1202のUVランプは、UV光清潔化カート100のUV光アレイ138によって放出されるUV光の波長と同じでありうるか又は異なりうる、特定の波長のUV光を放出するよう構成される。一例としては、UV光アレイ138は、第1波長の(例えば遠UV光スペクトル又はUVCスペクトルの範囲内の)UV光を放出してよく、ワンドアセンブリ1202のUVランプは、第1波長とは異なる、(例えば遠UV光スペクトル又はUVCスペクトルの範囲内の)第2波長のUV光を放出しうる。
【0095】
少なくとも1つのその他の例では、UV光清潔化カート100は、一又は複数のUV光源(例えば一又は複数のUVランプ140)を有するギャレーカートでありうる。ワンドアセンブリ1202は、ギャレーカートに連結されうる。
【0096】
少なくとも1つの例において、ワンドアセンブリ1202はひも状連結部1203を通じて本体131に取り付けられ、ひも状連結部1203は、電源コード及び/又は冷却エアホースを含む。ワンドアセンブリ1202は、本書に記載しているように、UV清潔化カート100の一又は複数の電源から電力を受信する。ワンドアセンブリ1202は、殺菌力のある任意のUV帯域の(例えば200nmと320nmとの間の)UV光を放出するよう構成されている、UVランプ140を含む。少なくとも1つの例において、ワンドアセンブリ1202のUVランプ140は、遠UVスペクトルの(例えば200nmと230nmとの間の)UV光を放出するよう構成される。かかるUV光は、人間に対して安全であることが分かっている。
【0097】
UVワンドアセンブリ1202は、担当者個人が、陰になっていることがあるか、又はUV光アレイ138による消毒が不十分になりがちな、コンポーネントの表面を消毒することを可能にする。例えば、ワンドアセンブリ1202は、本体131上の格納位置から動かされてよく、陰になっていることがある表面に関連して動かされ、配向されうる。
【0098】
本書に記載しているように、本書の主題開示の例は、UV光を放出するよう構成された一又は複数の第1UVランプ140と、UV光を放出するよう構成された一又は複数の第2UVランプ140を含むワンドアセンブリ1202とを含む、UV光清潔化カート100を提供する。少なくとも1つの実施形態では、UV光アレイ138は、第1UVランプ(複数可)140を含む。別の例としては、UV光清潔化カート100はギャレーカートであってよく、このギャレーカートは、その部分の表面上又は内部に固定された第1UVランプ(複数可)140を含む。
【0099】
オプションで、UV光清潔化カート100は、図示しているものとは別様にサイズ決定され、形状決定され、かつ構成されうる。少なくとも1つの例において、UV光清潔化カート100は、ギャレーカートとして、又はそれとは別様に、サイズ決定され、形状決定される。少なくとも1つの例において、UV光清潔化カート100は、可動アレイの一部であるか、そうでないかにかかわらず、UV光清潔化カート100の外側部分に固定されたUV光源(例えば一又は複数のUVランプ)を含む。少なくとも1つのその他の例では、カート部分がUV光源を含まないこともある。その代わりに、UV光清潔化カート100は、追加のUV光源を含むことも、含まないこともある可動カート(図24に示しているように構成されるか、別様に構成されるかにかかわらない)に連結された、一又は複数のUVランプを有するワンドアセンブリ1202を含みうる。
【0100】
図25は、本書の主題開示の一例による、ビークル104の内部キャビン102内のUV光清潔化カート100の斜視図を示している。UV光清潔化カート100は、本書に記載しているように、通路126を通って移動するよう構成される。図25では、展開位置のワンドアセンブリ1202が図示されている。ワンドアセンブリ1202は、ワンドアセンブリ1202のUVランプ140を通じて、陰になっていることがあるコンポーネントの表面を清潔化するために清潔化UV光を放出するよう、担当者個人によって動かされる。例えば、陰になった表面は、UV光清潔化カート100のUV光アレイ138からのUV光を受けないことがある。そのため、ワンドアセンブリ1202は、UV光アレイ138から放出されるUV光には十分に曝露されないことがあるエリアへと動かされる。
【0101】
図26は、図24のUV光清潔化カート100の側面図を示している。ワンドアセンブリ1202は、様々な異なる配向で動かされ、操縦されうる。例えば、ワンドアセンブリ1202は、本体131から離れて、コンポーネントに向けて、コンポーネントの近位で(例えば、内部キャビン内のシートの間で)動かされうる。UV光アレイ138によってであれば容易には到達し得ないエリアに到達させるために、ワンドアセンブリ1202の伸長、回転、傾斜などが行われうる。
【0102】
ワンドアセンブリ1202は、UV光清潔化カート100に汎用性(versatility)の向上を提供する。ワンドアセンブリ1202は、UV光アレイ138と比較して、より狭い空間に到達することが可能である。ワンドアセンブリ1202は、UV光アレイ138と比較して、内部キャビン内のある種のコンポーネント(例えばトレイテーブル、シート間、壁の部分など)の近くへと動かされることが可能である。ワンドアセンブリ1202のUVランプ140は、別のコンポーネント及び/又はUV光清潔化カート100自体の陰になりがちな表面に対して、清潔化UV光を放出することが可能である。
【0103】
図27は、図24のUV光清潔化カート100の上面図を示している。図示しているように、担当者個人1205が、ワンドアセンブリ1202を展開位置へと動かしてよく、この展開位置において、ワンドアセンブリ1202は、本体131に対して動かされうる。
【0104】
図示しているように、ワンドアセンブリ1202はひも状連結部1203を通じて本体131に接続され、ひも状連結部1203は、一又は複数の電源ケーブル、エアホース、及び/又はこれらに類似したものを含みうる。少なくとも1つのその他の例では、ワンドアセンブリ1202は、ひも状連結部1203を通じて本体131に接続されているわけではない。その代わりに、ワンドアセンブリ1202は、本体131に関して、完全に独立していることがある。この例では、ワンドアセンブリ1202は、それ自体の電源(一又は複数のバッテリーなど)を含みうる。
【0105】
担当者個人1205は、本書に記載しているように、例えば内部キャビンの通路においてUV光清潔化カート100を押すことによって、UV光清潔化カート100を移動させる。オプションでUV光清潔化カート100は、UV光清潔化カート100が環境内で自動的に移動することを可能にする、一又は複数のアクチュエータやモータなどを含みうる。つまり、UV光清潔化カート100は、担当者個人によって動かされうるか、又は自律的に移動しうる。
【0106】
図28は、本書の主題開示の一例による、UV光清潔化カート100の上面図を示している。少なくとも1つの例において、UV光清潔化カート100は、第1ひも状連結部1203aを通じて本体131に連結された第1ワンドアセンブリ1202aと、第2ひも状連結部1203bを通じて本体131に連結された第2ワンドアセンブリ1202bとを含む。
【0107】
図29は、本書の主題開示の一例による、格納位置のワンドアセンブリ1202を有するUV光清潔化カート100の前面斜視図を示している。例えば、ワンドアセンブリ1202は、本体131の一部分(例えばベース132)に、一又は複数のクリップ、ラッチ、スナップ留め、ひも留めなどによって、取り外し可能に固定されうる。少なくとも1つの例において、ベース132は、ワンドアセンブリ1202の少なくとも一部分の外表面に適合する凹部を含む。ワンドアセンブリ1202はこの凹部内に保持される。別の例としては、格納位置にあるワンドアセンブリ1202は、締まり嵌め(interference fit)によってベース132に固定されうる。別の例としては、本体131は、可動ドアによって覆われる内部コンパートメントを含む。ワンドアセンブリ1202は、使用されない時は、内部コンパートメントの中に格納されうる。
【0108】
図30は、本書の主題開示の一例による、展開位置のワンドアセンブリ1202を有するUV光清潔化カート100の前面斜視図を示している。担当者個人が、ワンドアセンブリ1202を、所望通りに格納位置から展開位置へと動かし、UV光アレイ138によってであれば容易に到達し得ないエリアへと動かす。
【0109】
図31は、本書の主題開示の一例による、ワンドアセンブリ1202の、横方向上面斜視図を示している。ワンドアセンブリ1202は、ハンドル1208に連結された清潔化ヘッド1206を含む。少なくとも1つの例において、清潔化ヘッド1206は、カプラ1210を通じて本体1208に可動式に連結される。
【0110】
清潔化ヘッド1206は、近位端部1216から遠位端部1218まで延在する外側カバー1214を有するシュラウド(shroud)1212を含む。本書に記載しているように、シュラウド1212は、UV光源(UVランプなど)を包含する。
【0111】
オプションで、ワンドアセンブリ1202は、固定ハンドルに接続された清潔化ヘッド1206を含みうる。更に、ワンドアセンブリ1202は、図示されているものとは別様にサイズ決定され、形状決定されることもある。
【0112】
ポート1220が近位端部1216から延在する。ポート1220はホース1222に連結され、ホース1222は、UV光清潔化カート100の一部分(例えば、図24から図30に示している本体131の一部分)に連結される。ホース1222は、図24から図30に示しているひも状連結部1203の一例である。少なくとも1つの例において、ホース1222は、UV光清潔化カート100内の電源又は電力供給源(例えば一又は複数のバッテリー)とシュラウド1212内のUVランプとを連結させる、電気コード、ケーブル、配線などを包含する。オプションで、電気コード、ケーブル、配線などは、ホース1222の外部にあることもある。少なくとも1つの実施形態では、ホース1222は、シュラウド1212の内部空間と、UV光清潔化カート100内の送風機、真空発生装置、エアフィルタ、及び/又はこれらに類似したものとを流体連結させる、空気供給管(例えばエアチューブ)も包含する。
【0113】
カプラ210は、シュラウド1212の外側カバー1214の、例えば近位端部1216の近位に固定される。カプラ1210は、例えば一又は複数のファスナ、接着剤、及び/又はこれらに類似したものを通じて外側カバー1214に固定された、固定ビーム1224を含みうる。延在ビーム1226が固定ビーム1224から外側へと延在し、これにより、ハンドル1208がシュラウド1212から離間することになる。軸受アセンブリ1228が、延在ビーム1226から、固定ビーム1224の反対側に延在する。軸受アセンブリ1228は、ハンドル1208が、カプラ1210に対して矢印1259の方向に直線的に平行移動すること、及び/又は枢動軸を中心に円弧1261の方向に枢動することを可能にする、一又は複数の軸受け、軌道、及び/又はこれらに類似したものを含む。オプションで、固定ビーム1224は、軸受アセンブリ1228に連結されているハンドル1208に加えて、又はかかるハンドル1208に代えて、清潔化ヘッド1206が、矢印Aの方向に平行移動すること、及び/又は円弧Bの方向に回転する(例えば旋回する(swivel))ことを可能にする、軸受アセンブリを含みうる(例えば、ハンドル1208はカプラ1210に固定されることもある)。
【0114】
少なくとも1つのその他の実施形態では、ワンドアセンブリ1202がカプラ1210を含まない。その代わりに、例えば、ハンドル1208がシュラウド1212に固定されうる。
【0115】
少なくとも1つの例では、ハンドル1208は、シュラウド1212よりも長いことがある、ロッド、ポール、ビームなど1230を含む。オプションで、ロッド1230は、シュラウド1212よりも短いこともある。一又は複数の把持部1232がロッド1230に固定される。把持部1232は、担当者個人に把持され、保持されるよう構成される。把持部1232は、人間工学に基づいた触覚特徴部1234を含みうる。
【0116】
図32は、図31のワンドアセンブリ1202の後方図を示している。図33は、図31のワンドアセンブリ1202の側方斜視図を示している。図32及び図33を参照するに、ハンドル1208は、ハンドル1208とカプラ1210とを枢動可能に連結させる枢動心棒1238を有する軸受け1236を通じて、カプラ1210に枢動可能に連結されうる。ハンドル1208は、軸受け1236を出入りするように直線的に平行移動するよう、更に構成されうる。例えば、ハンドル1208は、収縮して(telescope)出入りするよう構成されうる。オプションで、又は代替的に、少なくとも1つの実施形態では、ハンドル1208は、ハンドル1208が外側へと伸長し、内側へと後退することを可能にする、収縮式の本体を含みうる。少なくとも1つのその他の実施形態では、ハンドル1208は、シュラウド1212に対して、移動、伸長、後退などの動作を行うようには構成されないこともある。
【0117】
ハンドル1208に対して清潔化ヘッド1206を伸長させるために、清潔化ヘッド1206は、ハンドル1208に対して外側へと摺動する(又は、ハンドル1208が清潔化ヘッド1206に対して後方へと摺動する)。上述したように、清潔化ヘッド1206は、カプラ1210を介して、ハンドル1208に対して直線的に平行移動することが可能である。清潔化ヘッド1206が外側へと伸長することで、ワンドアセンブリ1202が、散らばった複数のエリアに容易に到達することが可能になる。あるいは、清潔化ヘッド1206が、ハンドル1208に対して直線的に平行移動しないこともある。
【0118】
ハンドル1208は、更に遠くへと到達するために、例えば収縮部分により、直線的に平行移動して、清潔化ヘッド1206が更に遠くへと到達することを可能にするよう構成されうる。あるいは、ハンドル1208は、伸長及び後退を行うよう構成されないこともある。
【0119】
少なくとも1つの実施形態では、ハンドル1208はロックを含みうる。このロックは、ハンドル1208を望ましい伸長位置(又は後退位置)に固定するために、選択的に稼働するよう構成される。
【0120】
上述したように、清潔化ヘッド1206は、カプラ1210を介して、ハンドル1208に対して回転するよう構成される。ハンドル1208に対して清潔化ヘッド1206を回転させることで、清潔化ヘッド1206がハンドル1208に剛的に固定されていたら到達することが困難であったエリアをスイープする(さもなければかかるエリアに到達する)よう、清潔化ヘッド1206が望ましい位置に動かされることが可能になる。あるいは、清潔化ヘッド1206が、ハンドル1208に対して回転可能ではないこともある。
【0121】
図34は、本書の主題開示の一例による、清潔化ヘッド1206のUVランプ140及び反射体1242の端面斜視図を示している。UVランプ140及び反射体1242は、清潔化ヘッド1206のシュラウド1212(例えば図31参照)内に固定される。少なくとも1つの実施形態では、反射体1242は、例えば一又は複数の接着剤により、シュラウド1212の裏側1241に固定される。別の例としては、反射体1242は、シュラウド1212の一体型部品である。例えば、反射体1242が、シュラウド1212の裏側1241でありうるか、又は別様にシュラウド1212の裏側1241を提供しうる。反射体1242は、UVランプ140によって放出されたUV光を外部へと反射させるよう構成されている、(例えばテフロンで、鏡面で、及び/又はこれらに類似したもので形成された)反射面1243を提供する。少なくとも1つの例では、シュラウド1212は、繊維ガラスで形成された外殻であっても、かかる外殻を含んでもよく、反射体1242は、98%の反射率を提供するテフロンで形成されうる。少なくとも1つの実施形態では、反射体1242は複数ピースの反射体でありうる。
【0122】
反射体1242は、シュラウド1212の裏側1241の全長に沿って延在しうる。オプションで、反射体1242は、シュラウド1212の裏側1241の全長よりも短い長さに沿って延在することもある。
【0123】
UVランプ140は、全長(又は、端部1216と1218との間といった実質的な全長)に沿って延在しうる。UVランプ140は、例えばブラケットといった一又は複数の装着具(mount)により、反射体1242及び/又はシュラウド1212に固定される。UVランプ140は、一又は複数の電球、発光素子(発光ダイオードなど)、及び/又はこれらに類似したものといった、一又は複数のUV光エミッタを含む。少なくとも1つの実施形態では、UVランプ140は、遠UVスペクトルの(例えば、200nmと230nmとの間の波長の)UV光を放出するよう構成される。少なくとも1つの実施形態では、UVランプ140は、222nmの波長を有するUV光を放出するよう構成される。例えば、UVランプ140は、222nmの波長を有するUV光を放出するよう構成されている300W電球でありうるか、又はかかる300W電球を含みうる。あるいは、UVランプ140は、他の部分のUVスペクトルの(例えばUVCスペクトルの)UV光を放出するよう構成されうる。
【0124】
図示しているように、反射体1242は、湾曲した上部壁1246によってひとつに接続された平らで直立した側壁1244を含む。湾曲した上部壁1246は、UVランプ140から離れるように、外側に向けて曲がっていてよい。例えば、湾曲した上部壁1246は、放物線形状の断面及び/又は輪郭を有しうる。
【0125】
まっすぐで直線的な側壁1244は、UVランプ1240から望ましい場所に向けてかつ望ましい場所に対して放出されたUV光の、望ましい反射及び/又は集束を提供することが分かっている。あるいは、側壁1244は、直線的で平らなものではないこともある。
【0126】
図35は、本書の主題開示の一例による、清潔化ヘッド1206のUVランプ140及び反射体1242の端面斜視図を示している。図35に示している反射体1242は、側壁1244が湾曲した上部壁1246から外側へと傾斜していることがあることを除いて、図34に示している反射体1242に類似している。
【0127】
図36は、本書の主題開示の一例による、清潔化ヘッド1206のUVランプ140及び反射体1242の端面斜視図を示している。この実施形態では、側壁1244は、湾曲した上部壁1246の曲率にしたがって湾曲していることがある。
【0128】
図37は紫外光スペクトルを示している。図1から図37を参照するに、少なくとも1つの例において、UVランプ(例えば、UV光アレイ138及びワンドアセンブリ1202のもの)は、遠UVスペクトルの範囲内の(例えば200nmと230nmとの間の)清潔化UV光を放出するよう構成される。少なくとも1つの実施形態では、UVランプは、222nmの波長を有する清潔化UV光を放出する。
【0129】
オプションで、UVランプは、200nm~230nm以外の波長のUV光を放出するよう構成されうる。例えば、UVランプは、UVCスペクトルの範囲内のUV光を放出しうる。
【0130】
図38は、本書の主題開示の一実施形態による、内部キャビン1342(例えば、図1に示している内部キャビン102)内のギャレー1340の斜視図を示している。ギャレー1340は、一又は複数のカートコンパートメント1344を含む。カートコンパートメント1344は、ギャレーカート1300を受容し、保持するよう構成される。例えば、ギャレーカート1300は、矢印1383の方向に、カートコンパートメント1344を出入りするように動かされるよう構成される。
【0131】
少なくとも1つの例において、ギャレーカート1300がUV光清潔化カート100を提供する。例えば、ギャレーカート1300は一又は複数のUV光源(一又は複数のUVランプ140など)を含み、この一又は複数のUV光源は、ギャレーカート1300に固定されることも、ギャレーカート1300に対して可動であることもある。ギャレーカート1300は、ひも状連結部1203によりギャレーカート1300に接続された、ワンドアセンブリ1202も含む。
【0132】
図39は、本書の主題開示の一例による、UV光清潔化方法のフロー図を示している。このUV光清潔化方法は、1400において、UV光清潔化カートの表面上又は内部に、一又は複数の第1UVランプを提供することと、1402において、UV光清潔化カートの表面上又は内部に、一又は複数の第2UVランプを備える一又は複数のワンドアセンブリを提供することと、1404において、格納位置と展開位置との間で一又は複数のワンドアセンブリを動かすことと、を含む。
【0133】
少なくとも1つの例において、前述の一又は複数の第1UVランプを提供することは、一又は複数の第1UVランプを、UV光清潔化カートの本体の一又は複数の部分に固定することを含む。更に、少なくとも1つの例において、前述の固定することは、一又は複数のひも状連結部により、一又は複数のワンドアセンブリを本体に接続することを含む。一又は複数のひも状連結部は、電源コード、ケーブル、又はエアホースのうちの一又は複数を含みうる。
【0134】
少なくとも1つの例では、UV光清潔化方法は、ビークルの内部キャビンのギャレー内のコンパートメントを出入りするようにUV光清潔化カートを動かすことを更に含む。
【0135】
少なくとも1つの例では、前述の一又は複数のワンドアセンブリを提供することは、第1ワンドアセンブリと第2ワンドアセンブリとを提供することを含む。
【0136】
図1から図39を参照するに、本書の主題開示の例は、自律的又は半自律的な可動式UV清潔化機器であって、機器が移動するにつれて構造物及びエリアを一定的かつ効率的に消毒することが可能な、可動式UV清潔化機器を提供する。
【0137】
更に、本開示は以下の条項による実施形態を含む。
【0138】
条項1. 紫外(UV)光清潔化カートであって、
UV光を放出するよう構成された一又は複数の第1UVランプと、
UV光を放出するよう構成された一又は複数の第2UVランプを備える一又は複数のワンドアセンブリと、を備え、
一又は複数のワンドアセンブリが、格納位置と展開位置との間で可動である、UV光清潔化カート。
【0139】
条項2. 可動ベースを有する本体を更に備え、一又は複数の第1UVランプが本体の一又は複数の部分に固定される、条項1に記載のUV光清潔化カート。
【0140】
条項3. 一又は複数のワンドアセンブリが、一又は複数のひも状連結部により本体に接続される、条項2に記載のUV光清潔化カート。
【0141】
条項4. 一又は複数のひも状連結部が、電源コード、ケーブル、又はエアホースのうちの一又は複数を含む、条項3に記載のUV光清潔化カート。
【0142】
条項5. ビークルの内部キャビンのギャレー内のコンパートメントを出入りするように動かされるよう構成されたギャレーカートである、条項1から4のいずれか一項に記載のUV光清潔化カート。
【0143】
条項6. 一又は複数の第1UVランプ及び一又は複数の第2UVランプが、遠UVスペクトルの範囲内の波長のUV光を放出するよう構成される、条項1から5のいずれか一項に記載のUV光清潔化カート。
【0144】
条項7. 一又は複数の第1UVランプ及び一又は複数の第2UVランプが、222nmの波長のUV光を放出するよう構成される、条項1から6のいずれか一項に記載のUV光清潔化カート。
【0145】
条項8. 一又は複数の第1UVランプ及び一又は複数の第2UVランプが、UVCスペクトルの範囲内の波長のUV光を放出するよう構成される、条項1から6のいずれか一項に記載のUV光清潔化カート。
【0146】
条項9. 一又は複数の第1UVランプ及び一又は複数の第2UVランプが、254nmの波長のUV光を放出するよう構成される、条項1から6のいずれか一項に記載のUV光清潔化カート。
【0147】
条項10. 一又は複数のワンドアセンブリが、第1ワンドアセンブリと第2ワンドアセンブリとを含む、条項1から9のいずれか一項に記載のUV光清潔化カート。
【0148】
条項11. 一又は複数のワンドアセンブリが、
ハンドルと、
ハンドルに連結された清潔化ヘッドとを備え、清潔化ヘッドが一又は複数の第2UVランプを備える、条項1から10のいずれか一項に記載のUV光清潔化カート。
【0149】
条項12. 清潔化ヘッドがハンドルに可動式に連結される、条項11に記載のUV光清潔化カート。
【0150】
条項13. 紫外(UV)光清潔化方法であって、
UV光清潔化カートの表面上又は内部に、一又は複数の第1UVランプを提供することと、
UV光清潔化カートの表面上又は内部に、一又は複数の第2UVランプを備える一又は複数のワンドアセンブリを提供することと、
格納位置と展開位置との間で一又は複数のワンドアセンブリを動かすことと、を含む、方法。
【0151】
条項14. 上述した、一又は複数の第1UVランプを提供することが、一又は複数の第1UVランプを、UV光清潔化カートの本体の一又は複数の部分に固定することを含む、条項13に記載のUV光清潔化方法。
【0152】
条項15. 前記固定することが、一又は複数のひも状連結部により、一又は複数のワンドアセンブリを本体に接続することを含む、条項14に記載のUV光清潔化方法。
【0153】
条項16. 一又は複数のひも状連結部が、電源コード、ケーブル、又はエアホースのうちの一又は複数を含む、条項15に記載のUV光清潔化方法。
【0154】
条項17. ビークルの内部キャビンのギャレー内のコンパートメントを出入りするようにUV光清潔化カートを動かすことを更に含む、条項13から16のいずれか一項に記載のUV光清潔化方法。
【0155】
条項18. 一又は複数の第1UVランプ及び一又は複数の第2UVランプが、遠UVスペクトルの範囲内の波長のUV光を放出するよう構成される、条項13から17のいずれか一項に記載のUV光清潔化方法。
【0156】
条項19. 一又は複数の第1UVランプ及び一又は複数の第2UVランプが、222nmの波長のUV光を放出するよう構成される、条項13から18のいずれか一項に記載のUV光清潔化方法。
【0157】
条項20. 一又は複数の第1UVランプ及び一又は複数の第2UVランプが、UVCスペクトルの範囲内の波長のUV光を放出するよう構成される、条項13から17のいずれか一項に記載のUV光清潔化方法。
【0158】
条項21. 一又は複数の第1UVランプ及び一又は複数の第2UVランプが、254nmの波長のUV光を放出するよう構成される、条項13から17のいずれか一項に記載のUV光清潔化方法。
【0159】
条項22. 上述した、一又は複数のワンドアセンブリを提供することが、第1ワンドアセンブリと第2ワンドアセンブリとを提供することを含む、条項13から21のいずれか一項に記載のUV光清潔化方法。
【0160】
条項23. 紫外(UV)光清潔化カートであって、
可動ベースを有する本体と、
本体の一又は複数の部分に固定された一又は複数の第1UVランプであって、UV光を放出するよう構成されている一又は複数の第1UVランプと、
UV光を放出するよう構成された一又は複数の第2UVランプを備える一又は複数のワンドアセンブリであって、一又は複数のひも状連結部により本体に接続されている、一又は複数のワンドアセンブリと、を備え、
一又は複数のワンドアセンブリが、格納位置と展開位置との間で可動であり、
一又は複数の第1UVランプ及び一又は複数の第2UVランプが、遠UVスペクトルの範囲内の波長のUV光を放出するよう構成される、UV光清潔化カート。
【0161】
条項24. 一又は複数のワンドアセンブリが、
ハンドルと、
ハンドルに可動式に連結された清潔化ヘッドとを備え、清潔化ヘッドが一又は複数の第2UVランプを備える、条項23に記載のUV光清潔化カート。
【0162】
本開示の例を説明するために、上部(top)、底部(bottom)、下方(lower)、中央(mid)、横方向(lateral)、水平(horizontal)、垂直(vertical)、前方(front)などといった、空間及び方向に関する様々な語が使用されることがあるが、かかる語は、図面に示している配向に関してのみ使用されていると理解される。これらの配向は、上部が下部に、又はその逆になることや、水平が垂直になることなどのように、反転され、回転し、又は別様に変更されうる。
【0163】
本書で使用される場合、タスク又は動作を実施する「よう構成され(configured to)」ている構造、限定事項、又は要素は、特にかかるタスク又は動作に対応する方式で、構造的に形成され、構築され、又は適応している。分かりやすくするため及び疑義を避けるために言うと、本書において、改変された場合にのみタスク又は動作を実施することが可能になる物体は、かかるタスク又は動作を実施する「よう構成され」てはいない。
【0164】
上記の説明は制限ではなく例示のためのものであることを理解されたい。例えば、上述した例(及び/又はそれらの態様)は、互いに組み合わせて使用されうる。加えて、本開示の様々な例の教示には、その範囲から逸脱することなく特定の状況又は材料に適応させるために、多数の改変が加えられうる。本書に記載の材料の寸法及び種類は、本開示の様々な例のパラメータを規定することを意図しているが、これらの例は決して限定のためのものではなく、例示的な例である。上記の説明を精査すれば、当業者には、他の多くの例が自明となろう。したがって、本開示の様々な例の範囲は、付随する特許請求の範囲と共に、かかる特許請求の範囲が認められる均等物の全範囲に関連して、決定されるべきである。付随する特許請求の範囲及び本書の発明を実施するための形態では、「含む(including)」及び「そこで(in which)」という語はそれぞれ、「備える(comprising)」及び「そこで(wherein)」という語の平易な英語(plain English)の同義語として使用されている。更に、「第1(first)」「第2(second)」及び「第3(third)」等の語は、単に符号として使用されており、それらの対象物に数的要件を課すことを意図するものではない。更に、以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズ・プラス・ファンクション書式で記述されておらず、更なる構造の機能ボイドの記述が後続する「のための手段(means for)」という表現が、かかる特許請求の範囲の限定で明示的に使用されない限りは、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈することは意図されていない。
【0165】
この明細書では、ベストモードを含む本開示の様々な例を開示するため、更に、当業者が本開示の様々な例を実践すること(任意のデバイスまたはシステムを作成及び使用すること、並びに具体化された任意の方法を実施することを含む)を可能にするために、例が使用されている。本開示の様々な例の特許性の範囲は、特許請求の範囲によって規定されるものであり、当業者が想起するその他の例を含みうる。かかるその他の例は、例が特許請求の範囲の文言と相違しない構造要素を有する場合、又は例が特許請求の範囲の文言とのごくわずかな相違しか有しない同等の構造要素を含む場合には、特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21A
図21B
図21C
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39