(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-08
(45)【発行日】2025-05-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、システム、プログラム、および方法
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20250509BHJP
A61B 5/16 20060101ALI20250509BHJP
【FI】
G10K15/04 302F
A61B5/16 130
(21)【出願番号】P 2021150869
(22)【出願日】2021-09-16
【審査請求日】2024-09-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】相地 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】木下 裕輔
【審査官】山本 章裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-147039(JP,A)
【文献】特開2014-052834(JP,A)
【文献】再公表特許第2018/100664(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
A61B 5/16
A61M 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サウンド候補群のうちから出力するサウンドを選択するサウンド選択手段と、
出力条件が満たされると前記選択されたサウンドを出力するサウンド出力手段と、
ユーザの体動を計測するためのセンサの計測結果に基づいて、前記ユーザの睡眠状態を推定する睡眠状態推定手段と、
前記推定されたユーザの睡眠状態に基づいて、前記ユーザの睡眠時間を算出する睡眠時間算出手段と、
前記算出されたユーザの睡眠時間に基づいて、前記サウンド候補群に新たなサウンドを追加する追加手段とを備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記追加手段は、前記算出されたユーザの睡眠時間の累計に基づいて、前記サウンド候補群に新たなサウンドを追加する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記追加手段は、前記算出されたユーザの睡眠時間の累計が所定のしきい値に到達すると、前記新たなサウンドを追加する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定のしきい値は、複数のしきい値を含み、
前記追加手段は、前記算出されたユーザの睡眠時間の累計が前記複数のしきい値のいずれかに到達するごとに、前記新たなサウンドを追加する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数のしきい値に含まれる第1のしきい値と前記第1のしきい値の次に大きい第2のしきい値との差に比較して、前記第2のしきい値と前記第2のしきい値の次に大きい第3のしきい値との差はより大きくなっている、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ユーザの覚醒後に、算出された直前の睡眠時間に基づく評価を行う評価手段をさらに備え、
前記追加手段は、前記評価手段による評価結果に基づいて、前記新たなサウンドを追加する、請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記追加手段は、追加する前記新たなサウンドを抽選により決定する、請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記サウンド候補群に追加されていないサウンドの各々が前記新たなサウンドとして決定される確率は互いに同一である、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記算出されたユーザの睡眠時間に基づいて、前記サウンド候補群に新たなサウンドを追加する処理を有効化するか否かを判断する判断手段をさらに備え、
前記追加手段は、前記新たなサウンドを追加する処理が有効化されると、前記サウンド候補群に新たなサウンドを追加する、請求項1~8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記サウンド選択手段は、前記サウンド候補群のうちから抽選により出力するサウンドを選択する、請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記サウンド候補群に含まれるサウンドが抽選により出力するサウンドとして選択される確率は、前記出力条件が満たされる直前の前記ユーザの睡眠時間が長いほど高く設定される、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記サウンド選択手段は、前記算出されたユーザの睡眠時間が所定の時間を超えていた場合は、超えていなかった場合よりも、より多くのサウンドのうちから出力するサウンドを選択する、請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記サウンド候補群に含まれる一部のサウンドが前記出力するサウンドとして選択される確率は、ユーザの睡眠時間が長いほど高く設定される、請求項11または12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記サウンド候補群に含まれるサウンドの各々が前記出力するサウンドとして選択される確率は互いに同一である、請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項15】
より新しく前記サウンド候補群に追加されたサウンドほど前記出力するサウンドとして選択される確率が高くなっている、請求項11~14のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記サウンド選択手段は、前記サウンド候補群のうちから予め定められた順序で前記出力するサウンドを選択する、請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記サウンド候補群には、複数のサウンドからなるサウンドセットの単位でサウンドが追加され、
前記サウンド選択手段は、サウンドセットの単位で、前記出力するサウンドを選択し、当該選択したサウンドセットに含まれるサウンドのうちから出力するサウンドを決定する、請求項1~16のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記サウンド選択手段は、前記サウンドの出力開始後に切替条件が満たされると、前記サウンドセットに含まれるサウンドのうち先に選択していたサウンドとは異なるサウンドを次に出力するサウンドとして選択する、請求項17に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記切替条件は、現在出力中のサウンドの出力継続時間が所定時間に到達したことを含む、請求項18に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記ユーザの操作によって、前記サウンド出力手段による前記サウンドの出力を一時的に停止する一時停止手段をさらに備え、
前記切替条件は、前記サウンドの出力が一時的に停止されたことを含む、請求項18または19に記載の情報処理装置。
【請求項21】
前記サウンド出力手段は、前記サウンドの出力を終了してから所定期間内に再出力条件が満たされると、当該出力を終了したサウンドを再度出力する、請求項1~20のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項22】
前記情報処理装置に生じる揺れを検知する検知手段をさらに備え、
前記再出力条件は、前記情報処理装置の揺れが検知されたことを含む、請求項21に記載の情報処理装置。
【請求項23】
前記センサは加速度センサである、請求項1~22のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項24】
前記情報処理装置とは異なる他の情報処理装置からサウンドを取得する取得手段をさらに備える、請求項1~23のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項25】
サウンド発生部を備えるシステムであって、
サウンド候補群のうちから出力するサウンドを選択するサウンド選択手段と、
出力条件が満たされると前記選択されたサウンドを前記サウンド発生部から出力するサウンド出力手段と、
ユーザの体動を計測するためのセンサの計測結果に基づいて、前記ユーザの睡眠状態を推定する睡眠状態推定手段と、
前記推定されたユーザの睡眠状態に基づいて、前記ユーザの睡眠時間を算出する睡眠時間算出手段と、
前記算出されたユーザの睡眠時間に基づいて、前記サウンド候補群に新たなサウンドを追加する追加手段とを備える、システム。
【請求項26】
サウンドを出力するように構成されたコンピュータで実行されるプログラムであって、前記プログラムは前記コンピュータに、
サウンド候補群のうちから出力するサウンドを選択するステップと、
出力条件が満たされると前記選択されたサウンドを出力するステップと、
ユーザの体動を計測するためのセンサの計測結果に基づいて、前記ユーザの睡眠状態を推定するステップと、
前記推定されたユーザの睡眠状態に基づいて、前記ユーザの睡眠時間を算出するステップと、
前記算出されたユーザの睡眠時間に基づいて、前記サウンド候補群に新たなサウンドを追加するステップとを実行させる、プログラム。
【請求項27】
サウンドを出力するように構成された情報処理装置で実行される方法であって、
サウンド候補群のうちから出力するサウンドを選択するステップと、
出力条件が満たされると前記選択されたサウンドを出力するステップと、
ユーザの体動を計測するためのセンサの計測結果に基づいて、前記ユーザの睡眠状態を推定するステップと、
前記推定されたユーザの睡眠状態に基づいて、前記ユーザの睡眠時間を算出するステップと、
前記算出されたユーザの睡眠時間に基づいて、前記サウンド候補群に新たなサウンドを追加するステップとを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、睡眠状態を推定する情報処理装置およびシステム、当該情報処理装置に向けられたプログラム、ならびに当該情報処理装置で実行される方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ操作に応じて、出力されるメッセージおよびキャラクタを豊富化する装置が公知である。例えば、特開2017-106872号公報(特許文献1)は、アラームが鳴った場合に、アラームストップのための操作を行ったり、スヌーズ機能によって一時停止されたアラームが再度鳴った場合に、アラームをストップするための操作を行ったりすると経験値を上げる処理、および、所定の経験値の値となるとレベルが上がり、出力するメッセージのバリエーションを増やす処理とを実行する目覚まし時計を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の装置においては、ユーザの睡眠状態を推定することは何ら想定されていない。本開示は、ユーザの睡眠状態に基づいて、様々なサウンドをユーザへ提供できる仕組みに向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ある実施の形態に従う情報処理装置は、サウンド候補群のうちから出力するサウンドを選択するサウンド選択手段と、出力条件が満たされると選択されたサウンドを出力するサウンド出力手段と、ユーザの体動を計測するためのセンサの計測結果に基づいて、ユーザの睡眠状態を推定する睡眠状態推定手段と、推定されたユーザの睡眠状態に基づいて、ユーザの睡眠時間を算出する睡眠時間算出手段と、算出されたユーザの睡眠時間に基づいて、サウンド候補群に新たなサウンドを追加する追加手段とを含む。
【0006】
この構成によれば、出力装置は、推定されたユーザの睡眠状態に基づいてユーザの睡眠時間を算出し、算出したユーザの睡眠時間に基づいて、サウンド候補群に新たなサウンドを追加する。そのため、出力されるサウンドのバリエーションを増やすためには、ユーザは、睡眠を取る必要がある。すなわち、新たなサウンドの出力に関連付けて、ユーザに対して、より多くの睡眠を取るような動機付けを与えることができる。
【0007】
追加手段は、算出されたユーザの睡眠時間の累計に基づいて、サウンド候補群に新たなサウンドを追加するようにしてもよい。この構成によれば、ユーザの睡眠時間の累計に基づいて、新たなサウンドを追加されるので、ユーザに対して、なるべく長い睡眠を取ろうとする動機付けを与えることができる。
【0008】
追加手段は、算出されたユーザの睡眠時間の累計が所定のしきい値に到達すると、新たなサウンドを追加するようにしてもよい。この構成によれば、いずれのタイミングでサウンドを追加するのかを、開発者が任意に調整できる。
【0009】
所定のしきい値は、複数のしきい値を含んでいてもよい。この場合、追加手段は、算出されたユーザの睡眠時間の累計が複数のしきい値のいずれかに到達するごとに、新たなサウンドを追加するようにしてもよい。この構成によれば、複数のしきい値を用いて、段階的にサウンドを追加できる。
【0010】
複数のしきい値に含まれる第1のしきい値と第1のしきい値の次に大きい第2のしきい値との差に比較して、第2のしきい値と第2のしきい値の次に大きい第3のしきい値との差はより大きくなっていてもよい。この構成によれば、使用開始直後は、すぐにサウンドが追加されるので、ユーザは情報処理装置を楽しく使用できる。また、すべてのサウンドが追加されるまでの時間をより長くできるので、ユーザはより長い時間に亘って情報処理装置を楽しく使用できる。
【0011】
情報処理装置は、ユーザの覚醒後に、算出された直前の睡眠時間に基づく評価を行う評価手段をさらに含んでいてもよい。この場合、追加手段は、評価手段による評価結果に基づいて、新たなサウンドを追加するようにしてもよい。この構成によれば、ユーザの覚醒後に、算出された直前の睡眠時間に基づいてユーザの睡眠時間を評価することで、新たなサウンドを追加する条件を適切に判断できる。
【0012】
追加手段は、追加する新たなサウンドを抽選により決定するようにしてもよい。この構成によれば、追加される新たなサウンドがユーザには予想できないので、ユーザに対して、期待感を与えることができるとともに、睡眠を取ろうとするより強い動機付けを与えることができる。
【0013】
サウンド候補群に追加されていないサウンドの各々が新たなサウンドとして決定される確率は互いに同一であってもよい。この構成によれば、サウンド候補群に追加されていないサウンドが同一の確率で選択されてサウンド候補群に追加されるので、特定のサウンドに偏ることなく、出力されるサウンドのバリエーションを増やすことができる。
【0014】
情報処理装置は、算出されたユーザの睡眠時間に基づいて、サウンド候補群に新たなサウンドを追加する処理を有効化するか否かを判断する判断手段をさらに含んでいてもよい。この場合、追加手段は、新たなサウンドを追加する処理が有効化されると、サウンド候補群に新たなサウンドを追加するようにしてもよい。この構成によれば、算出したユーザの睡眠時間に基づいて、必ず新たなサウンドが追加されるとは限らないので、ユーザに対して、期待感を与えることができる。また、新たなサウンドが追加されないとの判断がされる場合もあるので、ユーザに対して、睡眠を取ろうとする動機付けを与えることができる。
【0015】
サウンド選択手段は、サウンド候補群のうちから抽選により出力するサウンドを選択するようにしてもよい。この構成によれば、出力装置から出力されるサウンドが抽選により変化するので、ユーザに対して期待感を与えることができる。
【0016】
サウンド候補群に含まれるサウンドが抽選により出力するサウンドとして選択される確率は、出力条件が満たされる直前のユーザの睡眠時間が長いほど高く設定されるようにしてもよい。この構成によれば、ユーザの睡眠時間に基づいて、出力されやすくなるサウンドが変化するので、より多くの種類のサウンドが出力されるように、ユーザに対して、睡眠を取ろうとする動機付けを与えることができる。
【0017】
サウンド選択手段は、算出されたユーザの睡眠時間が所定の時間を超えていた場合は、超えていなかった場合よりも、より多くのサウンドのうちから出力するサウンドを選択するようにしてもよい。この構成によれば、出力装置は、睡眠時間が長くなるほどより多くの種類のサウンドが出力されるので、ユーザに対して、睡眠を取ろうとする動機付けを与えることができる。
【0018】
サウンド候補群に含まれる一部のサウンドが出力するサウンドとして選択される確率は、ユーザの睡眠時間が長いほど高く設定されてもよい。この構成によれば、サウンド候補群に含まれる特定のサウンドについては、睡眠時間が長くなければ選択される確率が低いままであるので、ユーザに対して、睡眠を取ろうとする動機付けを与えることができる。
【0019】
サウンド候補群に含まれるサウンドの各々が出力するサウンドとして選択される確率は互いに同一であってもよい。この構成によれば、サウンド候補群に含まれるそれぞれのサウンドを均等に出力することができる。
【0020】
より新しくサウンド候補群に追加されたサウンドほど出力するサウンドとして選択される確率が高くなっていてもよい。この構成によれば、ユーザが睡眠を取ることで新たに追加されたサウンドが出力されやすくなるので、ユーザが睡眠を取った成果をより確実に感じ取ることができる。
【0021】
サウンド選択手段は、サウンド候補群のうちから予め定められた順序で出力するサウンドを選択するようにしてもよい。この構成によれば、サウンド候補群に含まれるサウンドが順次出力されるので、それぞれのサウンドを確実にユーザに聞いてもらうことができる。
【0022】
サウンド候補群には、複数のサウンドからなるサウンドセットの単位でサウンドが追加されてもよい。この場合には、サウンド選択手段は、サウンドセットの単位で、出力するサウンドを選択し、当該選択したサウンドセットに含まれるサウンドのうちから出力するサウンドを決定するようにしてもよい。この構成によれば、選択されたサウンドセットに含まれるサウンドの間で出力を切り替えることができるので、出力するサウンドのバリエーションを増やすことができる。
【0023】
サウンド選択手段は、サウンドの出力開始後に切替条件が満たされると、サウンドセットに含まれるサウンドのうち先に選択していたサウンドとは異なるサウンドを次に出力するサウンドとして選択するようにしてもよい。この構成によれば、選択されたサウンドセットに含まれるサウンドをユーザに聞いてもらうことができる。
【0024】
切替条件は、現在出力中のサウンドの出力継続時間が所定時間に到達したことを含んでいてもよい。この構成によれば、同一のサウンドが出力継続時間に亘って出力されると、次のサウンドの出力に切り替わるので、ユーザは、多様なサウンドを楽しめる。
【0025】
情報処理装置は、ユーザの操作によって、サウンド出力手段によるサウンドの出力を一時的に停止する一時停止手段をさらに含んでいてもよい。この場合、切替条件は、サウンドの出力が一時的に停止されたことを含んでいてもよい。この構成によれば、サウンドの出力が一時的に停止されると、次に出力されるサウンドは、先のサウンドとは異なったものとなっており、ユーザは、多様なサウンドを楽しめる。
【0026】
サウンド出力手段は、サウンドの出力を終了してから所定期間内に再出力条件が満たされると、当該出力を終了したサウンドを再度出力するようにしてもよい。この構成によれば、出力条件が満たされたときに出力されたサウンドをユーザが聞き逃す、あるいは、当該サウンドをユーザが十分に聞くことができなかった場合であっても、同一のサウンドを事後的に聞くことができる。
【0027】
情報処理装置は、情報処理装置に生じる揺れを検知する検知手段をさらに含んでいてもよい。この場合、再出力条件は、情報処理装置の揺れが検知されたことを含んでいてもよい。この構成によれば、ユーザが情報処理装置を揺することで、サウンドが再出力されるので、簡単な操作でサウンドを聞き直すことができる。
【0028】
情報処理装置は、センサは加速度センサであってもよい。この構成によれば、加速度センサを用いて、ユーザの睡眠状態を推定できる。
【0029】
情報処理装置は、情報処理装置とは異なる他の情報処理装置からサウンドを取得する取得手段をさらに含んでいてもよい。この構成によれば、他の情報処理装置からサウンドを取得することで、出力装置から出力されるサウンドのバリエーションを増やすことができる。
【0030】
別の実施の形態に従えば、サウンド発生部を有するシステムが提供される。システムは、サウンド候補群のうちから出力するサウンドを選択するサウンド選択手段と、出力条件が満たされると選択されたサウンドをサウンド発生部から出力するサウンド出力手段と、ユーザの体動を計測するためのセンサの計測結果に基づいて、ユーザの睡眠状態を推定する睡眠状態推定手段と、推定されたユーザの睡眠状態に基づいて、ユーザの睡眠時間を算出する睡眠時間算出手段と、算出されたユーザの睡眠時間に基づいて、サウンド候補群に新たなサウンドを追加する追加手段とを含む。
【0031】
さらに別の実施の形態に従えば、サウンドを出力するように構成されたコンピュータで実行されるプログラムが提供される。プログラムは、コンピュータに、サウンド候補群のうちから出力するサウンドを選択するステップと、出力条件が満たされると選択されたサウンドを出力するステップと、ユーザの体動を計測するためのセンサの計測結果に基づいて、ユーザの睡眠状態を推定するステップと、推定されたユーザの睡眠状態に基づいて、ユーザの睡眠時間を算出するステップと、算出されたユーザの睡眠時間に基づいて、サウンド候補群に新たなサウンドを追加するステップとを実行させる。
【0032】
さらに別の実施の形態に従えば、サウンドを出力するように構成された情報処理装置で実行される方法が提供される。方法は、サウンド候補群のうちから出力するサウンドを選択するステップと、出力条件が満たされると選択されたサウンドを出力するステップと、ユーザの体動を計測するためのセンサの計測結果に基づいて、ユーザの睡眠状態を推定するステップと、推定されたユーザの睡眠状態に基づいて、ユーザの睡眠時間を算出するステップと、算出されたユーザの睡眠時間に基づいて、サウンド候補群に新たなサウンドを追加するステップとを含む。
【発明の効果】
【0033】
本開示によれば、ユーザの睡眠状態に基づいて、様々なサウンドをユーザへ提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本実施の形態に従うシステムの全体構成を示す模式図である。
【
図2】本実施の形態に従うシステムの出力装置のハードウェア構成を示す模式図である。
【
図3】本実施の形態に従うサウンド追加処理を説明するための模式図である。
【
図4】本実施の形態に従うサウンド選択・出力処理を説明するための模式図である。
【
図5】本実施の形態に従う出力装置の機能構成例を示す模式図である。
【
図6】本実施の形態に従う出力装置が推定する睡眠状態の一例を示す模式図である。
【
図7】本実施の形態に従うサウンド追加処理に用いる条件の一例を説明するための模式図である。
【
図8】本実施の形態に従うサウンド追加処理の一例を説明するための模式図である。
【
図9】本実施の形態に従うサウンド追加処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図10】本実施の形態に従うサウンド追加処理の別の処理手順を示すフローチャートである。
【
図11】本実施の形態に従うサウンド選択・出力処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図12】本実施の形態に従う出力装置の選択対象のサウンドの決定方法の一例を説明するための模式図である。
【
図13】本実施の形態に従う出力装置のサウンドの選択方法の一例を説明するための模式図である。
【
図14】本実施の形態に従う出力装置のサウンドの選択方法の別の一例を説明するための模式図である。
【
図15】本実施の形態に従う出力装置のサウンドの変更処理の一例を説明するための模式図である。
【
図16】本実施の形態に従うサウンドの再出力の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0036】
[A.全体構成例]
まず、本実施の形態に従うシステム1の全体構成例について説明する。
図1は、本実施の形態に従うシステム1の全体構成を示す模式図である。
【0037】
図1を参照して、システム1は、サウンドを出力するように構成された情報処理装置の一例として、出力装置100を含む。出力装置100は、一種の目覚まし時計として構成されてもよい。
【0038】
システム1は、出力装置100との間で無線通信または有線通信によりデータ交換が可能な携帯端末200をさらに含んでいてもよい。但し、携帯端末200は必須の構成ではない。
【0039】
携帯端末200は、任意のアプリケーションを実行するように構成された情報処理装置であってもよい。携帯端末200は、例えば、スマートフォン、タブレット、パソコン、ゲーム装置などとして構成される。携帯端末200は、ユーザ操作などに応じて、1または複数のサウンドを出力装置100へ送信することもできる。
【0040】
出力装置100と携帯端末200とを無線通信で接続する場合には、例えば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、無線LAN(IEEE802.11)、赤外線通信などの任意の無線方式を採用できる。
【0041】
[B.出力装置100のハードウェア構成例]
次に、本実施の形態に従うシステム1の出力装置100のハードウェア構成の一例について説明する。
【0042】
図2は、本実施の形態に従うシステム1の出力装置100のハードウェア構成を示す模式図である。
図2を参照して、出力装置100は、コンピュータの一例であり、主たるコンポーネントとして、プロセッサ102と、メモリ104と、ストレージ106と、RTC(Real Time Clock)110と、加速度センサ112と、表示部114と、振動部116と、サウンド発生部118と、無線通信部120と、操作部122とを含む。これらのコンポーネントは、バス124を介して、電気的に接続されている。
【0043】
プロセッサ102は、出力装置100が提供する処理を実行するための処理主体(処理手段)である。プロセッサ102は、ストレージ106に格納されているシステムプログラム108を読み込んでメモリ104に展開して、後述するような処理を実現する。システムプログラム108は、後述するような処理を実現するための命令コードを含む。
【0044】
メモリ104は、プロセッサ102がアクセス可能な記憶装置であり、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)といった揮発性記憶装置を用いて実装される。ストレージ106は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置を用いて実装される。
【0045】
ストレージ106には、システムプログラム108に加えて、サウンドデータ130およびサウンド管理テーブル140が格納される。
【0046】
RTC110は、時刻を管理するとともに、現在時刻を示す情報をプロセッサ102などに提供する。
【0047】
加速度センサ112は、出力装置100に生じる動きを検出するセンサであり、後述するようなユーザの睡眠状態の推定に使用される。
【0048】
表示部114は、ユーザに対して視覚的に情報を提供するコンポーネントであり、例えば、LED(Light Emitting Diode)や液晶ディスプレイを用いて構成される。
【0049】
振動部116は、ユーザに対して振動を与える。
【0050】
サウンド発生部118は、ユーザに対して任意の聴覚的情報を提供するコンポーネントであり、例えば、スピーカやブザーを用いて構成される。
【0051】
無線通信部120は、携帯端末200との間で無線信号を介してデータを交換する。
【0052】
操作部122は、ユーザ操作を受け付けるコンポーネントであり、例えば、押ボタン、操作レバー、タッチパネル、マウスなどのようなデバイスで構成される。
【0053】
出力装置100において実行される処理は、プロセッサがプログラムを実行することで実現されてもよいし、その一部または全部が、ASIC(application specific integrated circuit)やFPGA(field programmable gate array)などのハードワイヤード回路により実現されてもよい。
【0054】
本明細書において、「プロセッサ」との用語は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などのプログラムに記述された命令コードに従って処理を実行する処理回路という通常の意味に加えて、ASICやFPGAなどのハードワイヤード回路も包含する。ASICやFPGAなどのハードワイヤード回路は、実行すべき処理に対応する回路が予め形成されている。さらに、本明細書の「プロセッサ」は、SoC(System on Chip)などの複数の機能が集約された回路も包含する。
【0055】
[C.処理の概要]
次に、本実施の形態に従う出力装置100における処理の概要について説明する。出力装置100は、ユーザの睡眠時間に基づいて、サウンド候補群に新たなサウンドを追加するサウンド追加処理と、サウンド候補群のうちから出力するサウンドを選択し、出力条件が満たされると選択されたサウンドを出力するサウンド選択・出力処理とを実行する。
【0056】
本実施の形態に従う出力装置100は、複数のサウンドを出力することが可能になっている。以下の説明においては、サウンドを「気分」という属性で分類した例を示す。すなわち、複数の気分にそれぞれ対応する複数のサウンドが用意されている。このような「気分」を考慮したサウンドを用意することで、ユーザは、出力装置100をあたかも「生き物」のように感じ得る。これによって、ユーザは出力装置100に対する愛着が涌きやすくなる。但し、どのような種類のサウンドを用意および出力するようにしてもよい。
【0057】
本明細書において、「サウンド」は、ユーザが聴覚により知覚できる表現を総称する。また、「サウンド」との用語は、出力装置100から出力される単位を意味し、「サウンド」ごとに出力装置100から出力されるか否かが管理される。
【0058】
本明細書において、「サウンドデータ」は、サウンドの出力を実現するための音楽データを意味する。例えば、サウンドデータは、公知の音楽フォーマットに従って、コーディングされたデータからなる。
【0059】
本明細書において、「サウンドセット」は、複数の「サウンド」の集合を意味する。すなわち、「サウンドセット」は、複数の「サウンド」からなる。例えば、「サウンドセット」は、共通または類似した属性を有する複数の「サウンド」で構成されてもよい。
【0060】
本明細書において、「サウンド候補群」は、出力装置100から出力することが論理的に許可されているサウンドの集合を意味する。出力装置100には複数のサウンドが予め用意されており、出力装置100は、ユーザの睡眠時間に基づいて、これら用意された複数のサウンドのうち一部または全部を利用可能な状態に変更する。なお、「サウンド候補群」へのサウンドの追加は、サウンドセットの単位で行われてもよい。
【0061】
図3は、本実施の形態に従うサウンド追加処理を説明するための模式図である。
図3を参照して、サウンド管理テーブル140は、用意されているサウンド132の情報、および、各サウンド132がサウンド候補群134に追加済であるか否かの情報を含む。
【0062】
出力装置100には、例えば、それぞれの気分に対応するサウンド132-1~132-7(以下では、「サウンド132」と総称することもある。)が用意されている。サウンド132の各々は、特定のサウンドデータ130と対応付けられている。
【0063】
なお、サウンド候補群の要素としては、個々のサウンド132ではなく、複数のサウンド132からなるサウンドセットであってもよい。このとき、サウンドセットに含まれる1または複数のサウンド132は、いずれも同一の「気分」に対応したものとなっている。サウンドセットの詳細については後述する。
【0064】
初期状態においては、複数のサウンド132のうち一部が利用可能な状態になっている。すなわち、一部のサウンド132は、サウンド候補群134に追加済になっている。
【0065】
出力装置100は、ユーザの睡眠時間に基づいて、予め用意されているサウンド132のうち、サウンド候補群134に追加済ではないサウンド132のうちのいずれかをサウンド候補群134に追加する。サウンド132をサウンド候補群134に追加する処理(サウンド追加処理)の詳細については後述する。
【0066】
図4は、本実施の形態に従うサウンド選択・出力処理を説明するための模式図である。
図4を参照して、出力装置100は、サウンド候補群134のうちから出力するサウンド132を選択する。出力装置100は、出力条件が満たされると選択されたサウンドを出力する。
【0067】
図4(A)に示すサウンド候補群134は、サウンド132-1,132-5,132-6を含む。そのため、出力装置100は、これら3つのサウンド132のうちから1つのサウンド132を選択する。
【0068】
図4(B)に示すサウンド候補群134は、サウンド追加処理により、サウンド132-3がサウンド候補群134に追加された状態を示す。すなわち、サウンド候補群134は、サウンド132-1,132-3,132-5,132-6を含む。そのため、出力装置100は、これら4つのサウンド132のうちから1つのサウンド132を選択する。
【0069】
なお、出力装置100は、サウンド追加処理およびサウンド選択・出力処理の一方のみを実装するようにしてもよい。
【0070】
[D.機能構成例]
次に、本実施の形態に従う出力装置100の機能構成例について説明する。
【0071】
図5は、本実施の形態に従う出力装置100の機能構成例を示す模式図である。
図5を参照して、出力装置100は、主たる機能的コンポーネントとして、睡眠状態推定モジュール150と、睡眠時間算出モジュール152と、追加モジュール154と、出力管理モジュール156と、サウンド選択モジュール158と、サウンド出力モジュール160と、サウンド取得モジュール162とを含む。これらの機能的コンポーネントは、典型的には、出力装置100のプロセッサ102がシステムプログラム108を実行することで実現される。
【0072】
睡眠状態推定モジュール150は、ユーザの体動を計測するためのセンサの計測結果に基づいて、ユーザの睡眠状態を推定する。ユーザの体動は、例えば、加速度センサ112により計測される。典型的には、睡眠中に生じるユーザの体動を検出できるように、ユーザが就寝する寝具(マットレスなど)の上に出力装置100が配置される。
【0073】
睡眠状態推定モジュール150が推定する睡眠状態は、例えば、眠っている状態と、目が覚めている状態(覚醒状態)とを含んでいてもよい。眠っている状態としては、レム睡眠とノンレム睡眠とをさらに区別するようにしてもよいし、眠りの深さを出力するようにしてもよい。睡眠状態推定モジュール150は、ユーザの体動を適切に計測できている場合に限って、睡眠状態を推定し、推定結果を出力するようにしてもよい。例えば、計測範囲にユーザが存在しない場合や、ユーザが就寝する状態になっていない場合などには、睡眠状態の推定結果が出力されないようにしてもよい。
【0074】
ユーザの体動の計測およびユーザの睡眠状態の推定には、加速度センサ112に限らず、他のセンサを用いてもよい。また、ユーザの睡眠状態を推定するアルゴリズムについても、任意の公知のアルゴリズムを採用できる。
【0075】
睡眠時間算出モジュール152は、睡眠状態推定モジュール150により推定されたユーザの睡眠状態に基づいて、ユーザの睡眠時間を算出する。より具体的には、睡眠時間算出モジュール152は、睡眠状態推定モジュール150が逐次出力されるユーザの睡眠状態のうち、眠っている状態である時間を積算する。睡眠時間算出モジュール152は、ユーザの睡眠時間として、例えば、(任意の初期状態からの)睡眠時間の累計、および/または、直近の所定期間(例えば、24時間や1週間)における睡眠時間を出力する。
【0076】
追加モジュール154は、算出されたユーザの睡眠時間に基づいて、サウンド候補群として新たなサウンドを追加する。本実施の形態においては、一例として、サウンド管理テーブル140を用いてサウンド候補群を管理する。より具体的には、サウンド管理テーブル140においては、複数の識別子が定義されており、識別子の各々には、1または複数のサウンドデータ130が関連付けられている。さらに、サウンド管理テーブル140においては、識別子の各々に利用可能であるか否かを示す情報が付加されている。追加モジュール154は、サウンド管理テーブル140に含まれる利用可能であるか否かを示す情報を更新することで、サウンド候補群として新たなサウンドを追加する。サウンド管理テーブル140を用いたサウンド候補群の管理の詳細については後述する。
【0077】
出力管理モジュール156は、出力条件が満たされたか否かを判断する。出力装置100が目覚まし時計として構成される場合には、出力管理モジュール156は、RTC110から提供される現在時刻に基づいて、予め設定された開始時刻が到来したか否かを判断する。例えば、ユーザが出力装置100および/または携帯端末200を操作することで、開始時刻を任意に設定できるようにしてもよい。
【0078】
このように、出力条件としては、予め設定された開始時刻が到来することを含んでいてもよい。また、予め設定された開始時刻が近付いたときに、ユーザの眠りが浅ければ、出力条件が満たされたと判断してもよい。
【0079】
サウンド選択モジュール158は、サウンド候補群のうちから出力するサウンドを選択する。サウンド選択モジュール158がサウンドを選択する方法の詳細については後述する。
【0080】
サウンド出力モジュール160は、出力条件が満たされると選択されたサウンドを出力する。より具体的には、出力条件が満たされたと出力管理モジュール156が判断すると、サウンド出力モジュール160は、サウンド選択モジュール158が選択したサウンドに対応するサウンドデータ130を再生する。サウンド発生部118は、サウンドデータ130の再生により生成された信号に従ってサウンドを発生させる。
【0081】
サウンド取得モジュール162は、出力装置100とは異なる他の情報処理装置(例えば、携帯端末200)からサウンドを取得する。より具体的には、サウンド取得モジュール162は、無線通信部120を介して、携帯端末200と通信することで、新たなサウンドデータ130を取得し、ストレージ106に格納する。また、サウンド管理テーブル140には、携帯端末200から取得したサウンド(サウンドデータ130)に対応するエントリが追加される。
【0082】
なお、携帯端末200から取得されたサウンド(サウンドデータ130)は、サウンド候補群に取得直後には追加されていなくてもよいし、追加されてもよい。
【0083】
[E.睡眠状態の推定および睡眠時間の算出]
次に、ユーザの睡眠状態の推定および睡眠時間の算出の詳細について説明する。
【0084】
出力装置100の睡眠状態推定モジュール150は、ユーザの体動を計測するためのセンサの計測結果に基づいて、ユーザの睡眠状態を推定する。典型的には、ユーザの体動を計測するためのセンサの計測結果は加速度センサ112から出力される。ユーザの体動に基づいて、ユーザの睡眠状態を推定するアルゴリズムは、任意の公知のアルゴリズムを採用できる。
【0085】
図6は、本実施の形態に従う出力装置100が推定する睡眠状態の一例を示す模式図である。
図6を参照して、出力装置100の睡眠状態推定モジュール150は、例えば、睡眠状態の推定結果として、眠りの深さを示す指標をユーザの覚醒ごとに出力する。
【0086】
出力装置100の睡眠時間算出モジュール152は、眠りの深さを示す指標に対して、所定の判定値Thを設定し、眠りの深さが判定値Thを超えている期間をユーザの睡眠時間として算出できる。
【0087】
ユーザの睡眠時間は、任意の初期状態から累計してもよいし、直近の所定周期(例えば、24時間や1週間)ごとに算出してもよい。
【0088】
上述したような処理によって、出力装置100は、ユーザの睡眠状態を推定するとともに、ユーザの睡眠時間を算出する。
【0089】
[F.サウンド追加処理]
次に、サウンド追加処理の詳細について説明する。サウンド追加処理においては、ユーザの睡眠時間に基づいて、サウンド候補群に新たなサウンドを追加する。
【0090】
(f1:典型的な処理例)
サウンドを追加するための条件の一例として、算出されたユーザの睡眠時間の累計を用いてもよい。すなわち、ユーザの睡眠時間の累計に基づいて、サウンド候補群に新たなサウンドを追加するようにしてもよい。
【0091】
図7は、本実施の形態に従うサウンド追加処理に用いる条件の一例を説明するための模式図である。
図7を参照して、しきい値テーブル170は、サウンド追加処理が実行されるユーザの睡眠時間の累計を複数規定している。
【0092】
出力装置100の追加モジュール154は、算出されたユーザの睡眠時間の累計が、しきい値テーブル170に規定されるいずれかのしきい値に到達すると、サウンド候補群に新たなサウンドを追加する。
図7に示す例においては、睡眠時間の累計が10hr,20hr,40hr,80hr,200hr,500hr,1000hr,…の各々に到達するごとに、サウンド追加処理を実行するようにしてもよい。
【0093】
このように、サウンド追加処理を実行するためのしきい値は、複数設定されていてもよい。このとき、出力装置100の追加モジュール154は、算出されたユーザの睡眠時間の累計が複数のしきい値のいずれかに到達するごとに、サウンド候補群に新たなサウンドを追加する。
【0094】
なお、複数のしきい値を設定した場合において、隣接するしきい値の間隔は同一であってもよいし、変化させてもよい。
図7に示すしきい値テーブル170においては、隣接するしきい値の間隔が漸増するように設定されている。
【0095】
より具体的には、しきい値テーブル170に含まれる1番目のしきい値(10hr)と2番目のしきい値(20hr)との差(10hr)に比較して、2番目のしきい値(20hr)と3番目のしきい値(40hr)との差(20hr)はより大きくなっている。以降のしきい値についても同様である。このようにしきい値を設定することで、使用開始直後は、すぐにサウンドが追加されるので、ユーザは情報処理装置を楽しく使用できるとともに、すべてのサウンドが追加されるまでの時間をより長くできるので、ユーザはより長い時間に亘って情報処理装置を楽しく使用できる。
【0096】
図8は、本実施の形態に従うサウンド追加処理の一例を説明するための模式図である。
図8を参照して、例えば、サウンド132-1~132-7のうち、サウンド132-1,132-5,132-6がサウンド候補群134に追加されているとする。
【0097】
この場合、サウンド候補群134に追加済ではないサウンド132-2,132-3,132-4,132-7のうちからサウンド候補群134に追加するサウンド132が決定される。
【0098】
サウンド候補群134に追加される新たなサウンドは、予め定められた順序で決定されてもよい。例えば、サウンド候補群134に追加済ではないサウンド132-2,132-3,132-4,132-7のうち、先頭に配置された、あるいは、最終に配置されたサウンド132を、サウンド候補群134に追加される新たなサウンドとして決定してもよい。
【0099】
あるいは、サウンド候補群134に追加される新たなサウンド132は、抽選により決定されてもよい。すなわち、出力装置100の追加モジュール154は、追加する新たなサウンド132を抽選により決定するようにしてもよい。なお、少なくとも一部のサウンド132については、抽選によらず、追加される順番が予め定められていてもよい。例えば、サウンド132-1~132-7のうち、サウンド132-1~132-6については、抽選によってランダムに追加されるが、132-7については必ず最後に追加されるようにしてもよい。
【0100】
ここで、サウンド候補群134に追加済ではないサウンド132の各々が新たなサウンド132として決定される確率は、互いに同一であってもよい。すなわち、
図8に示されるサウンド132-2,132-3,132-4,132-7のうち、サウンド候補群134に追加される新たなサウンドとして決定される確率はいずれも同一であってもよい。
【0101】
なお、サウンド132の属性や付加情報に基づいて、サウンド候補群134に追加される新たなサウンドとして決定される確率を異ならせてもよい。
【0102】
図9は、本実施の形態に従うサウンド追加処理の処理手順を示すフローチャートである。
図9に示す各ステップは、典型的には、出力装置100のプロセッサ102がシステムプログラム108を実行することで実現される。
【0103】
図9を参照して、出力装置100は、ユーザの体動を計測するためのセンサの計測結果を取得し(ステップS100)、ユーザの睡眠状態を推定する(ステップS102)。出力装置100は、推定されたユーザの睡眠状態(眠りの深さ)が所定の判定値を超えているか否かを判断する(ステップS104)。
【0104】
推定されたユーザの睡眠状態(眠りの深さ)が所定の判定値を超えていれば(ステップS104においてYES)、出力装置100は、ユーザの睡眠時間の累計をインクリメントする(ステップS106)。一方、推定されたユーザの睡眠状態(眠りの深さ)が所定の判定値を超えていなければ(ステップS104においてNO)、ステップS106の処理はスキップされる。
【0105】
続いて、出力装置100は、サウンド追加の判断を開始する条件が満たされたか否かを判断する(ステップS108)。例えば、ユーザの睡眠状態からユーザが十分に覚醒したと判断できる場合には、サウンド追加の判断を開始する条件が満たされる。
【0106】
サウンド追加の判断を開始する条件が満たされていなければ(ステップS108においてNO)、以降の処理はスキップされて、ステップS100以下の処理が繰り返される。
【0107】
サウンド追加の判断を開始する条件が満たされていれば(ステップS108においてYES)、出力装置100は、ユーザの睡眠時間の累計がしきい値テーブル170に規定されるいずれかのしきい値に到達したか否かを判断する(ステップS110)。ユーザの睡眠時間の累計がしきい値テーブル170に規定されるいずれのしきい値にも到達していなければ(ステップS110においてNO)、以降の処理はスキップされて、ステップS100以下の処理が繰り返される。
【0108】
ユーザの睡眠時間の累計がしきい値テーブル170に規定されるいずれかのしきい値に到達していれば(ステップS110においてYES)、出力装置100は、サウンド候補群134に追加済ではないサウンド132を抽出し(ステップS112)、抽出したサウンド132のうちから追加するサウンド132を決定する(ステップS114)。そして、出力装置100は、決定したサウンド132をサウンド候補群134に追加する(ステップS116)。そして、ステップS100以下の処理が繰り返される。
【0109】
(f2:サウンド追加処理の有効化判断)
図9に示す処理手順においては、ユーザの睡眠時間の累計がしきい値テーブル170に規定されるいずれかのしきい値に到達していれば、サウンドを追加する処理が実行される例を示したが、サウンドを追加する処理を実行するか否かについても抽選で決定するようにしてもよい。
【0110】
すなわち、出力装置100は、算出されたユーザの睡眠時間に基づいて、サウンド候補群134に新たなサウンド132を追加する処理を有効化するか否かを判断する処理を実行してもよい。この場合、新たなサウンド132を追加する処理が有効化された場合に限って、サウンド候補群134にサウンド132が追加される。
【0111】
図10は、本実施の形態に従うサウンド追加処理の別の処理手順を示すフローチャートである。
図10に示すフローチャートは、
図9に示すフローチャートに比較して、ステップS110の後に実行されるステップS120を追加的に含む。
【0112】
すなわち、ユーザの睡眠時間の累計がしきい値テーブル170に規定されるいずれかのしきい値に到達していれば(ステップS110においてYES)、出力装置100は、サウンド候補群134に新たなサウンド132を追加する処理を有効化するか否かを判断する(ステップS120)。ステップS120の判断は、ユーザの直近の所定期間における睡眠時間、あるいは、ユーザの睡眠時間の累計の長さに基づいて、行ってもよい。あるいは、抽選で決定してもよい。但し、ユーザの睡眠時間に基づいて抽選の確率を変更してもよい。例えば、ユーザの睡眠時間が長いほど、有効化する確率(すなわち、解禁する確率)を高めるようにしてもよい。
【0113】
サウンド候補群134に新たなサウンド132を追加する処理を有効化すると判断されると(ステップS120においてYES)、出力装置100は、ステップS112以下の処理を実行する。一方、サウンド候補群134に新たなサウンド132を追加する処理を有効化しないと判断されると(ステップS120においてNO)、以降の処理はスキップされて、ステップS100以下の処理が繰り返される。
【0114】
このように、出力装置100の追加モジュール154は、新たなサウンドを追加する処理が有効化された場合に、サウンド候補群134に新たなサウンド132を追加する。
【0115】
(f3:ユーザの睡眠時間の評価例)
上述の説明においては、主として、ユーザの睡眠時間の累計を用いる例について説明したが、これに限らず、サウンド候補群134に新たなサウンド132を追加する処理においては、「ユーザの睡眠時間」をどのような方法で用いてもよい。
【0116】
例えば、所定期間(例えば、24時間や1週間)ごとの睡眠時間に基づいて、ポイントを算出し、算出したポイントの累計が所定のしきい値に到達すると、サウンド候補群134に新たなサウンド132を追加するようにしてもよい。
【0117】
より具体的には、一晩ごとの睡眠時間の長さに基づいて、ユーザの睡眠時間が長ければ、2ポイント、ユーザの睡眠時間が普通であれば、1ポイント、ユーザの睡眠時間が短ければ、0ポイント、といった具合にポイントを付与することができる。なお、ポイントの付与は、一晩ごとであってもよいし、1週間単位や1ヶ月単位であってもよい。
【0118】
なお、ポイントの累計を用いる場合には、
図9に示されるステップS106およびS110の処理に代えて、あるいは、これらの処理に加えて、ポイントを決定する処理、ポイントの累計を算出する処理、ポイントの累計が所定のしきい値に到達したか否かを判断する処理などが実行される。
【0119】
また、所定期間ごとの睡眠時間に基づいて算出されるポイントを用いて、
図10に示すステップS120を実行するようにしてもよい。すなわち、算出されるポイントに基づいて、サウンド候補群134に新たなサウンド132を追加する処理を有効化するか否かを判断するようにしてもよい。
【0120】
このように、出力装置100は、ユーザの覚醒後(起床後)に、算出された直前の睡眠時間に基づく評価を行う評価機能を有していてもよい。「直前の睡眠時間」とは、基本的には、ユーザが眠っていると判断されてから覚醒するまでの一回の睡眠(通常は、一晩の眠り)に要した時間を意味する。なお、一回の睡眠の間には、眠りが浅くなったり、途中に覚醒したりすることもあるが、このような場合であっても、原則として、一回の睡眠として扱われる。
【0121】
ユーザの覚醒後に直前の睡眠時間に基づく評価を行うことで、実質的に、ユーザの睡眠時間を毎日評価できる。このとき、出力装置100の追加モジュール154は、評価機能による評価結果に基づいて、サウンド候補群134に新たなサウンド132を追加する。
【0122】
なお、上述した所定期間ごとのユーザの睡眠時間を評価する処理は、ユーザの睡眠時間の累計を用いる処理に代えて、あるいは、ユーザの睡眠時間の累計を用いる処理とともに、採用することができる。
【0123】
[G.サウンド選択・出力処理]
次に、サウンド選択・出力処理の詳細について説明する。
図4を参照して説明したように、サウンド選択・出力処理においては、サウンド候補群134のうちから出力するサウンド132が選択される。そして、選択されたサウンドが出力される。
【0124】
(g1:処理手順)
図11は、本実施の形態に従うサウンド選択・出力処理の処理手順を示すフローチャートである。
図11に示す各ステップは、典型的には、出力装置100のプロセッサ102がシステムプログラム108を実行することで実現される。
【0125】
図11を参照して、出力装置100は、出力条件が満たされたか否かを判断する(ステップS200)。出力条件が満たされていなければ(ステップS200においてNO)、ステップS200の処理が繰り返される。
【0126】
ここで、出力条件は、典型的には、予めユーザが設定した開始時刻(すなわち、設定された起床時間)が到来することを意味する。また、予め設定された開始時刻が近付いたときに、ユーザの眠りが浅ければ、出力条件が満たされたと判断してもよい。
【0127】
出力条件が満たされていれば(ステップS200においてYES)、出力装置100は、出力条件が満たされる前の所定期間におけるユーザの睡眠時間を算出する(ステップS202)。
【0128】
ここで、出力条件が満たされる前の所定期間におけるユーザの睡眠時間は、加速度センサ112による計測結果に基づいて計測される値である。そのため、所定期間は、例えば、設定された開始時刻から12時間前までの期間や、ユーザが眠っていると判断されてから開始時刻までの期間などであってもよい。
【0129】
出力装置100は、算出した所定期間におけるユーザの睡眠時間に基づいて、今回の睡眠における睡眠時間に基づく評価を行う(ステップS204)。例えば、ユーザの睡眠時間を「長い」、「普通」、「短い」といった3種類に分類できる。なお、ステップS204の処理は、必要に応じて実行されるものであり、適宜省略されてもよい。
【0130】
続いて、出力装置100は、サウンド候補群134に含まれる選択対象のサウンド132を決定する(ステップS206)。このとき、今回の睡眠における睡眠時間の長さに基づいて、サウンド候補群134に含まれる一部のサウンド132のみを選択対象として抽出してもよい。このように選択対象を変更することで、睡眠時間が長いほど、より多くのサウンド132を選択対象とするように制御できる。
【0131】
出力装置100は、選択対象のサウンド132のうちから出力するサウンド132を選択する(ステップS208)。そして、出力装置100は、選択されたサウンド132をサウンド発生部118から出力する(ステップS210)。なお、選択されたサウンド132に対応するサウンドデータ130を繰り返し再生するようにしてもよい。
【0132】
サウンド132の出力後、出力装置100は、サウンド132の出力を一時的に停止するためのユーザ操作を受けたか否かを判断する(ステップS212)。サウンド132の出力を一時的に停止するためのユーザ操作は、例えば、スヌーズと称される機能を有効化する操作である。
【0133】
サウンド132の出力を一時的に停止するためのユーザ操作を受けると(ステップS212においてYES)、出力装置100は、サウンド132の出力を一時的に停止する(ステップS214)。そして、出力装置100は、サウンド132の出力が一時的に停止されてから所定期間だけ待機する(ステップS216)。
【0134】
所定期間の待機後、出力装置100は、サウンド132をサウンド発生部118から再度出力する(ステップS218)。なお、現在選択されているサウンド132が属するサウンドセットに他のサウンド132が含まれている場合には、当該他のサウンド132に選択を変更してもよい。
【0135】
続いて、出力装置100は、サウンド132の出力を終了するための条件が満たされたか否かを判断する(ステップS220)。サウンド132の出力を終了するための条件が満たされていなければ(ステップS220においてNO)、ステップS212以下の処理が繰り返される。一方、サウンド132の出力を終了するための条件が満たされると(ステップS220においてYES)、処理は終了する。
【0136】
サウンド132の出力を一時的に停止するためのユーザ操作を受けていなければ(ステップS212においてNO)、出力装置100は、サウンド132の切替条件が満たされたか否かを判断する(ステップS222)。例えば、現在出力中のサウンド132の出力継続時間が所定時間に到達すると、サウンド132の切替条件が満たされたと判断してもよい。
【0137】
サウンド132の切替条件が満たされると(ステップS224においてYES)、出力装置100は、現在選択されているサウンド132が属するサウンドセットに含まれる他のサウンド132に選択を変更し(ステップS224)、変更後のサウンド132をサウンド発生部118から再度出力する(ステップS226)。そして、ステップS220の処理が実行される。なお、サウンド132の切替条件が満たされた場合であっても、現在選択されているサウンド132が属するサウンドセットに複数のサウンド132が含まれていなければ、ステップS224およびS226の処理はスキップされる。
【0138】
サウンド132の切替条件が満たされていなければ(ステップS224においてNO)、ステップS226およびS228の処理はスキップされる。
【0139】
なお、
図11に示す処理手順においては、サウンド132の出力を開始する条件(出力条件)が満たされると、出力するサウンド132の選択を開始する処理例を示したが、サウンド132の出力を開始する条件と、サウンド132の選択を開始する条件とをそれぞれ独立に設定してもよい。すなわち、サウンド132を出力する処理の開始前に、出力されるべきサウンド132が選択されていればよいので、サウンド132を選択するタイミングは任意に決定すればよい。
【0140】
(g2:選択対象のサウンドの決定(S206))
図11に示す処理手順における選択対象のサウンド132の決定方法においては、サウンド候補群134に追加されているすべてのサウンド132を選択対象としてもよい。
【0141】
あるいは、任意の情報に基づいて、サウンド候補群134に追加されているサウンド132のうち一部のサウンド132のみを選択対象としてもよい。
【0142】
図12は、本実施の形態に従う出力装置100の選択対象のサウンド132の決定方法の一例を説明するための模式図である。
図12を参照して、サウンド管理テーブル140は、用意されているサウンド132-1~132-7の情報、および、各サウンド132がサウンド候補群134に追加済であるか否かの情報に加えて、選択対象になるか否かの情報(以下、「選択対象属性」とも称す。)を含む。
【0143】
より具体的には、サウンド管理テーブル140は、今回の睡眠における睡眠時間が「長い」場合の選択対象属性136-1と、今回の睡眠における睡眠時間が「普通」の場合の選択対象属性136-2と、今回の睡眠における睡眠時間が「短い」場合の選択対象属性136-3とを含む。
【0144】
図12に示す例においては、睡眠時間が「普通」の場合の選択対象のサウンド132は、睡眠時間が「長い」場合の選択対象のサウンド132の部分集合となっており、睡眠時間が「短い」場合の選択対象のサウンド132は、睡眠時間が「長い」場合の選択対象のサウンド132の部分集合、かつ、睡眠時間が「普通」の場合の選択対象のサウンド132の部分集合となっている。このような集合関係を採用することで、睡眠時間が「長い」場合の選択対象のサウンド132の数を、睡眠時間が「普通」および「短い」場合の選択対象のサウンド132の数に比較して確実に多くできる。但し、このような部分集合の関係を必ずしも維持する必要はない。
【0145】
出力装置100は、今回の睡眠における睡眠時間に基づく評価を行い(
図11のステップS204参照)、評価結果に対応する選択対象属性136を参照して、選択対象のサウンド132を決定する。
【0146】
このように、出力装置100のサウンド選択モジュール158は、算出されたユーザの睡眠時間が所定の時間を超えていた場合は、超えていなかった場合よりも、より多くのサウンド132のうちから出力するサウンド132を選択するようにしてもよい。
【0147】
(g3:サウンドの選択(S208))
図11に示す処理手順におけるサウンド132の選択方法としては、選択対象のサウンド132のうちから予め定められた順序で出力するサウンド132を選択するようにしてもよい。すなわち、出力装置100のサウンド選択モジュール158は、選択対象のサウンド132の識別子などに基づいて、予め定められた順序で出力するサウンド132を選択してもよい。このような方法を採用することで、ユーザは、サウンド候補群134に含まれるサウンド132のすべてを聞くことができる。
【0148】
出力するサウンド132の別の選択方法としては、選択対象のサウンド132のうちから抽選により出力するサウンド132を選択する方法を採用してもよい。すなわち、出力装置100のサウンド選択モジュール158は、選択対象のサウンド132のうちから抽選により出力するサウンド132を選択する。このような方法を採用することで、ユーザに対して意外性を与えることができる。
【0149】
このとき、今回の睡眠における睡眠時間に基づく評価結果に基づいて、サウンド132を選択するための確率などを変更してもよい。
【0150】
図13は、本実施の形態に従う出力装置100のサウンド132の選択方法の一例を説明するための模式図である。
図13を参照して、サウンド管理テーブル140は、用意されているサウンド132-1~132-7の情報、および、各サウンド132がサウンド候補群134に追加済であるか否かの情報に加えて、選択される確率を示す情報(以下、「選択確率設定」とも称す。)を含む。
【0151】
より具体的には、サウンド管理テーブル140は、今回の睡眠における睡眠時間の評価結果が「長い」場合の選択確率設定138-1と、今回の睡眠における睡眠時間の評価結果が「普通」場合の選択確率設定138-2と、今回の睡眠における睡眠時間の評価結果が「短い」場合の選択確率設定138-3とを含む。なお、選択確率設定138に示される値は、一種の重み係数であり、大きいほど選択される確率が高いことを意味している。
【0152】
また、選択確率設定138の各々においても、それぞれのサウンド132に設定されている確率は同一ではない。例えば、選択確率設定138-1においては、「元気_1」および「元気_2」には、他のサウンド132(気分)に比較して、より高い選択確率が設定されている。一方、選択確率設定138-3においては、「不機嫌_1」、「不機嫌_2」、「眠い_1」、および、「眠い_2」には、他のサウンド132(気分)に比較して、より高い確率が設定されている。
【0153】
このように、サウンド候補群134に含まれる一部のサウンド132が出力するサウンド132として選択される確率は、サウンド候補群134に含まれる他のサウンド132が出力するサウンド132として選択される確率とは異なっていてもよい。
【0154】
出力装置100は、今回の睡眠における睡眠時間に基づく評価を行い(
図11のステップS204参照)、評価結果に対応する選択確率設定138を参照して、選択対象に含まれる各サウンド132の選択される確率を決定する。そして、出力装置100は、決定した各サウンド132の選択される確率をもって、出力するサウンド132を抽選により選択する。
【0155】
このように、サウンド候補群134に含まれるサウンド132が抽選により出力するサウンド132として選択される確率(選択確率設定138)は、出力条件が満たされる前の所定期間におけるユーザの睡眠時間が長いほど高く設定されてもよい。
【0156】
なお、
図12に示すように、サウンド候補群134に含まれるサウンド132のうち選択対象となるサウンド132を変更する場合には、
図13に示す選択確率設定138のうち、対応するサウンド132の確率を「ゼロ」に設定することで、実質的に同一の結果を得るようにしてもよい。
【0157】
図14は、本実施の形態に従う出力装置100のサウンド132の選択方法の別の一例を説明するための模式図である。
図14を参照して、選択確率設定138-1,138-2,138-3の各々において、選択対象から除外されるサウンド132については、確率が「ゼロ」に設定されている。このような選択確率設定138を採用することで、今回の睡眠における睡眠時間の長さに応じて、選択対象を異ならせることができるとともに、各サウンド132が選択される確率も異ならせることができる。
【0158】
なお、サウンド132に対して予め選択される確率が設定されている場合に加えて、動的に選択される確率を変更してもよい。例えば、サウンド候補群134に追加されて間もないサウンド132については、より選択されやすくしてもよい。すなわち、より新しくサウンド候補群134に追加されたサウンド132ほど出力するサウンド132として選択される確率を高く設定してもよい。さらに、新しいサウンド132が追加された直後においては、当該追加された新しいサウンド132を必ず選択するようにしてもよい。
【0159】
選択される確率をこのように設定することで、ユーザに対して、サウンド候補群134に追加されて間もないサウンド132を聞く可能性を高めることができる。
【0160】
(g4:サウンドの変更(S218およびS226))
次に、
図11に示す処理手順におけるサウンドの変更処理(S218およびS226)について説明する。
【0161】
図15は、本実施の形態に従う出力装置100のサウンドの変更処理の一例を説明するための模式図である。
図15を参照して、サウンド候補群134には、複数のサウンド132からなるサウンドセット133の単位でサウンド132が追加される。
【0162】
図15に示す例では、「甘える」という気分には、サウンド132-1からなるサウンドセット133-1が関連付けられている。「元気_1」という気分には、サウンド132-2A,132-2B,132-2Cからなるサウンドセット133-2が関連付けられている。「元気_2」という気分には、サウンド132-3A,132-3Bからなるサウンドセット133-3が関連付けられている。「不機嫌_1」という気分には、サウンド132-4A,132-4B,132-4Cからなるサウンドセット133-4が関連付けられている。
【0163】
このように、
図15に示すサウンド候補群134については、サウンドセット133の単位で出力するサウンド132が選択される。そして、選択されたサウンドセット133に含まれる1または複数のサウンド132のいずれかが出力される。すなわち、出力装置100のサウンド選択モジュール158は、サウンドセット133の単位で、出力するサウンド132を選択し、当該選択したサウンドセット133に含まれるサウンド132のうちから出力するサウンド132を決定する。
【0164】
出力装置100は、サウンドセット133に複数のサウンド132が含まれる場合には、任意の切替条件が満たされることに応じて、出力するサウンド132を適宜切り替える。
【0165】
例えば、「元気_1」のサウンドセット133が選択されている場合には、まず、「元気」な印象を与えるトーンで、ユーザを起こすためのボイス(サウンド132-2A)が出力される。サウンド132-2Aの出力後に切替条件が満たされると、やや激しいトーンのユーザを起こすためのボイス(サウンド132-2B)に切り替わる。さらに、サウンド132-2Bの出力後に切替条件が満たされると、さらに激しいトーンのユーザを起こすためのボイス(サウンド132-2C)に切り替わる。
【0166】
このように、出力装置100のサウンド選択モジュール158は、サウンド132の出力開始後に切替条件が満たされると、選択しているサウンドセット133に含まれるサウンド132のうち先に選択していたサウンド132とは異なるサウンド132を次に出力するサウンド132として選択する。
【0167】
サウンド132の切替条件(
図11のステップS224)としては、現在出力中のサウンド132の出力継続時間が所定時間に到達したことを採用してもよい。すなわち、サウンド132の出力が一時的に停止されていない場合(
図11のS212においてNO)には、サウンド132の出力が継続されており、当該出力されているサウンド132の出力継続時間が所定時間(例えば、3分など)に到達すると、出力するサウンド132の種類を変更してもよい。
【0168】
なお、サウンド132の再生時間が、例えば数秒程度である場合、サウンド132の出力を継続するためには、同一のサウンド132を繰り返し再生することになる。この同一のサウンド132の繰り返し数が予め定められた回数に到達することをサウンド132の切替条件にしてもよい。
【0169】
別のサウンド132の切替条件としては、サウンド132の出力が一時的に停止されたことを採用してもよい。出力装置100は、ユーザの操作によって、サウンド132の出力を一時的に停止できるようにしてもよい(
図11のS212およびS214)。この場合には、サウンド132の出力が一時的に停止されたことを契機に、出力するサウンド132の種類を変更してもよい。但し、サウンド132の出力が一時的に停止されている状態であるので、変更後のサウンド132が実際に出力されるのは、所定時間が経過して出力条件が再度満たされた場合になる。
【0170】
[H.サウンドの再出力処理]
次に、先に出力されたサウンド132を再出力させる処理について説明する。
【0171】
図16は、本実施の形態に従うサウンドの再出力の処理手順を示すフローチャートである。
図16に示す各ステップは、典型的には、出力装置100のプロセッサ102がシステムプログラム108を実行することで実現される。
【0172】
図16を参照して、出力装置100は、サウンド132の再出力条件が満たされたか否かを判断する(ステップS300)。サウンド132の再出力条件が満たされていなければ(ステップS300においてNO)、ステップS300以下の処理が繰り返される。
【0173】
サウンド132の再出力条件が満たされていれば(ステップS300においてYES)、出力装置100は、直近のサウンド132の出力が終了してからの経過時間が所定期間内であるか否かを判断する(ステップS302)。直近のサウンド132の出力が終了してからの経過時間が所定期間を超えていれば(ステップS300においてNO)、ステップS300以下の処理が繰り返される。
【0174】
直近のサウンド132の出力が終了してからの経過時間が所定期間内であれば(ステップS302においてYES)、出力装置100は、出力を終了したサウンド132をサウンド発生部118から出力する(ステップS304)。ステップS304においては、基本的には、出力を終了したサウンド132に対応するサウンドデータ130が1回だけ再生される。そして、ステップS300以下の処理が繰り返される。
【0175】
このように、出力装置100のサウンド出力モジュール160は、サウンド132の出力を終了してから所定期間内に再出力条件が満たされると、当該出力を終了したサウンド132を再度出力する。
【0176】
再出力条件としては、ユーザ操作を受けたことを採用してもよい。具体的には、再出力条件として、出力装置100の操作部122に対するユーザ操作を受けたことを採用してもよいし、ユーザが出力装置100を揺すったことを採用してもよい。
【0177】
例えば、加速度センサ112からの計測結果に基づいて、出力装置100に生じる揺れを検知することができる。このように、再出力条件は、出力装置100の揺れが検知されたことを含んでいてもよい。
【0178】
[I.その他の実施の形態]
サウンドを出力する構成例について説明したが、サウンドに加えて、あるいは、サウンドに代えて、光や振動を出力するようにしてもよい。この場合においても、サウンドと同様に、出力される光や振動のバリエーションを順次追加するようにしてもよい。
【0179】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0180】
1 システム、100 出力装置、102 プロセッサ、104 メモリ、106 ストレージ、108 システムプログラム、112 加速度センサ、114 表示部、116 振動部、118 サウンド発生部、120 無線通信部、122 操作部、124 バス、130 サウンドデータ、132 サウンド、133 サウンドセット、134 サウンド候補群、136 選択対象属性、138 選択確率設定、140 サウンド管理テーブル、150 睡眠状態推定モジュール、152 睡眠時間算出モジュール、154 追加モジュール、156 出力管理モジュール、158 サウンド選択モジュール、160 サウンド出力モジュール、162 サウンド取得モジュール、170 テーブル、200 携帯端末、Th 判定値。