(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-09
(45)【発行日】2025-05-19
(54)【発明の名称】被介護者又は障碍者の支援目標作成装置、及びこれを用いたシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20240101AFI20250512BHJP
G16H 20/00 20180101ALI20250512BHJP
【FI】
G06Q50/22
G16H20/00
(21)【出願番号】P 2019196305
(22)【出願日】2019-10-29
【審査請求日】2022-10-19
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516375230
【氏名又は名称】イデアルファーロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129159
【氏名又は名称】黒沼 吉行
(72)【発明者】
【氏名】齋 藤 和 哉
(72)【発明者】
【氏名】齋 藤 ▲緑▼
(72)【発明者】
【氏名】渡 部 雅 美
(72)【発明者】
【氏名】小 嶋 由 美
(72)【発明者】
【氏名】本 間 明 美
(72)【発明者】
【氏名】伊 藤 春 美
(72)【発明者】
【氏名】高 橋 晴 子
(72)【発明者】
【氏名】佐 藤 香 代
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-101279(JP,A)
【文献】特開2006-313405(JP,A)
【文献】特開2002-236751(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 50/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
介護又は障碍者の支援目標を作成する被介護者又は障碍者の支援目標作成装置であって、
アセスメント情報を取得するアセスメント情報取得部と、
取得したアセスメント情報に基づいて解決課題を抽出する解決課題抽出部と、
抽出した解決課題に対応する支援目標を抽出する支援目標抽出部とを備え、
前記解決課題抽出部は、既存の支援目標におけるアセスメント情報及び解決課題を教師データとして用いて深層学習を行って構築した学習済モデルを用いて、前記アセスメント情報取得部が取得したアセスメント情報に基づいて前記解決課題を抽出し、
前記支援目標抽出部は、これまでに作成した解決課題及び支援目標を教師データとして用いて深層学習を行って構築した学習済モデルを用いて、前記解決課題を入力情報とし、当該解決課題に対応する前記支援目標を抽出する、被介護者又は障碍者の支援目標作成装置。
【請求項2】
前記解決課題抽出部が使用する学習済モデルは、前記アセスメントの質問項目又は、解決課題を含むアセスメントの回答の内容に応じたテーマごとに識別情報を備えており、
前記解決課題抽出部は、アセスメント情報に基づいて前記識別情報を特定すると共に、当該識別情報に基づいて関連又は近似する解決課題を抽出し、
前記支援目標抽出部は、前記解決課題抽出部が特定した識別情報と、抽出した解決課題に基づいて、前記
支援目標抽出部が使用する学習済モデルを用いて前記支援目標を抽出する、請求項1に記載の支援目標作成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の支援目標作成装置と、当該支援目標作成装置に対してアセスメント情報を送信するアセスメント情報管理装置とからなる、支援目標作成システム。
【請求項4】
介護又は障碍者の支援目標を作成する被介護者又は障碍者の支援目標作成装置に対してアセスメント情報を送信するアセスメント情報管理装置であって、
ユーザー端末からアセスメント項目データに対応する回答データを取得するアセスメント回答取得部と、
取得した回答データにおける特定のテキスト情報またはフラグに基づいて、回答データを抽出して、少なくとも抽出した回答データをアセスメント情報として前記ユーザー端末に出力する、アセスメント情報管理装置。
【請求項5】
更に、前記ユーザー端末から、支援目標を問い合わせたい解決課題を支援目標の問い合わせ要求として取得する支援目標問い合わせ要求取得部と、
取得した当該支援目標の問い合わせ要求を支援目標作成装置に送信する支援目標問い合わせ要求送信部と、
前記支援目標作成装置から解決課題及び/又は支援目標を含む介護計画データを取得する介護計画データ取得部と、
取得した介護計画データを表形式のファイルまたはデータベースとして保持する、介護計画保存部とを備える、請求項4に記載のアセスメント情報管理装置。
【請求項6】
介護又は障碍者の支援目標を作成する被介護者又は障碍者の支援目標作成方法であって、
コンピュータによって、
アセスメント情報を取得するアセスメント情報取得ステップと、
取得したアセスメント情報に基づいて解決課題を抽出する解決課題抽出ステップと、
抽出した解決課題に対応する支援目標を抽出する支援目標抽出ステップと、を実行し、
前記解決課題抽出ステップは、既存の支援目標におけるアセスメント情報及び解決課題を教師データとして用いて深層学習を行って構築した学習済モデルを用いて、前記アセスメント情報取得ステップが取得したアセスメント情報に基づいて前記解決課題を抽出し、
前記支援目標抽出ステップは、これまでに作成した解決課題及び支援目標を教師データとして用いて深層学習を行って構築した学習済モデルを用いて、前記解決課題を入力情報とし、当該解決課題に対応する前記支援目標を抽出する、被介護者又は障碍者の支援目標作成方法。
【請求項7】
コンピュータで実行される被介護者又は障碍者の支援目標作成プログラムであって、
コンピュータに、
アセスメント情報を取得するアセスメント情報取得ステップと、
取得したアセスメント情報に基づいて解決課題を抽出する解決課題抽出ステップと、
抽出した解決課題に対応する支援目標を抽出する支援目標抽出ステップとを実行させ、
前記解決課題抽出ステップは、既存の支援目標におけるアセスメント情報及び解決課題を教師データとして用い
て深層学習を行って構築
した学習済みモデルを用いて
、前記アセスメント情報取得ステップが取得したアセスメント情報に基づいて前記解決課題を抽出し、
前記支援目標抽出ステップは、これまでに作成した解決課題及び支援目標を教師データとして用いて深層学習を行って構築した学習済モデルを用いて、前記解決課題を入力情報とし、当該解決課題に対応する前記支援目標を抽出する、支援目標作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被介護者又は障碍者の支援目標作成装置、及びこれを用いたシステムに関し、特に人工知能を利用して介護や障碍者支援の為の支援目標を困難なく作成できるようにした被介護者又は障碍者の支援目標作成装置、及びこれを用いたシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
介護保険制度に係る介護計画の立案は、介護サービスを提供する事業者と、介護サービスを受ける利用者の間の調整が必要になる。そして当該介護保険制度の介護計画(ケアプラン)の作成過程においては、アセスメントが行われるており、調査員は、調査対象者あるいは介護者に対して、聞き取り調査を行ない、その調査結果に基づいて、問題領域を検出し、必要な介護サービスを決めていた。
【0003】
かかる介護計画の作成に際してコンピュータシステムを利用することも提案されており、例えば特許文献1(特開2000-339378号公報)では、利用者にとって取り扱いや情報処理管理が簡易であると共に、簡単に介護計画を作成し得る介護計画作成方法を提案している。この介護計画作成方法では、識別可能で固有なメインプログラムの一つに複数のサブプログラムが従属して対応するように介護計画を区分するプログラム区分段階と、メインプログラムの項目としてメインテーマと利用者とを割り当て、且つサブプログラムの項目として具体的介護項目と介護記録とを割り当てると共に、メインテーマ並びに利用者と具体的介護項目並びに介護記録とにそれぞれ対応するデータを専用のマスタテーブルに対して書込んで登録するデータ登録段階と、専用のマスタテーブルを選択的に参照してデータを組み合わせてメインプログラムとサブプログラムとを作成することで介護計画を作成することを提案している。
【0004】
また特許文献2(特開2002-297769号公報)では、介護保険制度の介護計画作成過程で行われるアセスメントを支援するアセスメント支援サーバに関し、円滑な調査の進行と、客観的な判断を支援する為に、設問フロー制御処理で、予め設定した設問フローに従って、前の設問と回答に応じた設問を選択し、調査画面処理で、設問に関する調査画面を出力する。調査画面処理は、更に、回答の選択を入力し、問題領域検出処理で、設問と回答に応じて問題領域を検出する。調査が終了すると、問題領域に基づくサービスの見積画面を出力することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000-339378号公報
【文献】特開2002-297769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の通り、従前においても介護計画の作成に際してコンピュータシステムを利用することは提案されている。しかしながら、前記特許文献1で提案されている技術は、利用者側が様々な表現で情報処理を行うことから集計が困難であるとの問題を解決するものであり、介護計画自体を作成するものとはなっていない。また特許文献2で提案されている技術は、アセスメントにおいて、調査員が調査対象者あるいは介護者に対して行う聞き取り調査の質問順序を選択するものであり、介護計画自体を作成するものとはなっていない。
【0007】
一方で、介護や障碍者の支援目標を作成する為には、被介護者や障碍者からのヒアリングや状況の把握が重要であり、これらは支援目標の策定者の知識や経験に依存する部分が大きかった。
【0008】
そこで本発明は、アセスメントなどのヒアリングや状況分析を通じて支援目標を作成するに際して、人工知能を利用することで、支援目標策定者のスキルの違いを解消できるようにした被介護者又は障碍者の支援目標作成装置、及びこれを用いたシステムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するべく、本発明では人工知能を活用して被介護者又は障碍者の支援目標を作成することのできる被介護者又は障碍者の支援目標作成装置、及びこれを用いたシステムを提案する。なお、本発明における支援目標とは、介護計画目標の他、自立支援目標を含んでいる。
【0010】
即ち本発明では、介護又は障碍者の支援目標(介護計画目標、及び自立支援目標を含む)を作成する被介護者又は障碍者の支援目標作成装置であって、アセスメント情報を取得するアセスメント情報取得部と、取得したアセスメント情報に含まれる内容を解析して、その解析結果から解決課題を抽出する解決課題抽出部と、抽出した解決課題についての支援目標を抽出する支援目標抽出部とを備え、前記解決課題抽出部は、既存の支援目標におけるアセスメント情報及び解決課題を教師データとして用いて深層学習を行って構築した学習済モデルを用いて、前記解決課題を抽出する、被介護者又は障碍者の支援目標作成装置を提供する。
【0011】
上記本発明に係る支援目標作成装置において、更に解決課題抽出部が抽出した解決課題についての支援目標の抽出要求を受け付ける支援目標抽出要求受付部を備えていても良い。この場合、支援目標抽出部は、前記支援目標抽出要求受付部が受け付けた抽出要求に対応する支援目標を抽出することができる。
【0012】
また上記本発明に係る支援目標作成装置において、前記解決課題抽出部が使用する学習済モデルは、アセスメントの質問項目又はアセスメントの回答(解決課題を含む)の内容に応じた各テーマごとの識別情報を備えていても良い。そして前記解決課題抽出部は、アセスメント情報に基づいて、解決課題の内容に応じたテーマごとに付与された識別情報を特定すると共に、当該識別情報に基づいて関連又は近似する解決課題を抽出し、前記支援目標抽出部は、前記解決課題抽出部が特定した識別情報と、抽出した解決課題に基づいて、支援目標を抽出することができる。
【0013】
また本発明では、介護又は障碍者の支援目標を作成する被介護者又は障碍者の支援目標作成装置であって、アセスメント情報を取得するアセスメント情報取得部と、取得したアセスメント情報を解析して、その解析結果から解決課題を抽出する解決課題抽出部と、抽出した解決課題についての支援目標を抽出する支援目標抽出部と、前記支援目標抽出部が抽出した支援目標を実現する為の支援計画を作成する支援計画作成部を備え、前記支援目標抽出部は、既存の支援計画及び支援目標を教師データとして用いて深層学習を行って構築した学習済モデルを用いて、前記支援目標を抽出する被介護者又は障碍者の支援目標作成装置を提供する。
【0014】
そして上記本発明に係る支援目標作成装置は、更に、前記支援計画作成部が作成した支援計画の達成情報、及び前記支援計画作成部が作成した支援計画の実行による支援目標の達成情報を取得する達成情報取得部を備え、前記解決課題抽出部及び支援目標抽出部の少なくとも何れかは、当該達成情報取得部が取得した情報を教師データとして用いて深層学習を行って構築した学習済モデルを用いることができる。
【0015】
また本発明では、前記本発明に係る支援目標作成装置をサーバ装置として使用し、当該支援目標作成装置に対してアセスメント情報を送信するアセスメント情報管理装置をクライアント端末又は中継サーバとした支援目標作成システムを提供する。
【0016】
また本発明では、前記課題を解決する為、介護又は障碍者の支援目標を作成する被介護者又は障碍者の支援目標作成装置に対してアセスメント情報を送信するアセスメント情報管理装置であって、アセスメント項目データに対応する回答データを取得するアセスメント回答取得部と、取得した回答データにおける特定のテキスト情報またはフラグに基づいて、回答データを抽出して、少なくとも抽出した回答データをアセスメント情報として前記支援目標作成装置に出力するアセスメント情報管理装置を提供する。かかるアセスメント情報管理装置は、前記本発明に係る被介護者又は障碍者の支援目標作成装置とユーザー端末との間に介在する中継サーバとして機能することができる。
【0017】
かかるアセスメント情報管理装置は、更に、前記支援目標作成装置から解決課題及び/又は支援目標を含む介護計画データを取得する介護計画データ取得部と、取得した介護計画データを表形式のファイルまたはデータベースとして保持する、介護計画保存部とを備えることもできる。
【0018】
そして本発明では、介護又は障碍者の支援目標を作成する被介護者又は障碍者の支援目標作成方法であって、コンピュータによって、アセスメント情報を取得するアセスメント情報取得ステップと、取得したアセスメント情報を解析して、その解析結果から解決課題を抽出する解決課題抽出ステップと、抽出した解決課題についての支援目標を抽出する支援目標抽出ステップとを実行し、前記解決課題抽出ステップは、既存の支援目標におけるアセスメント情報及び解決課題を教師データとして用いて深層学習を行って構築した学習済モデルを用いて、前記解決課題を抽出する、被介護者又は障碍者の支援目標作成方法を提供する。
【0019】
更に本発明では、コンピュータで実行される被介護者又は障碍者の支援目標作成プログラムであって、アセスメント情報を取得するアセスメント情報取得ステップと、取得したアセスメント情報を解析して、その解析結果から解決課題を抽出する解決課題抽出ステップと、抽出した解決課題についての支援目標を抽出する支援目標抽出ステップとからなり、前記解決課題抽出ステップ及び支援目標抽出ステップの少なくとも何れかは、ディープラーニングによって構築された学習済みデータを用いて行われる、支援目標作成プログラムを提供する。
【0020】
上記本発明におけるアセスメント情報とは、被介護者又は障碍者のアセスメント質問事項、およびその回答として記載された情報であり、当該質問事項や回答に含まれる文字列を抽出したテキスト情報とすることができる。また、解決課題とは被介護者又は障碍者が解決するべき課題に関する情報であり、支援目標とは当該被介護者又は障碍者について抽出した解決課題を解決する為の支援の目標に関する情報である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の被介護者又は障碍者の支援目標作成装置は、アセスメント情報を取得するアセスメント情報取得部と、取得したアセスメント情報を解析して、その解析結果から解決課題を抽出する解決課題抽出部と、抽出した解決課題についての支援目標を抽出する支援目標抽出部とを備え、前記解決課題抽出部は、既存の支援目標におけるアセスメント情報及び解決課題を教師データとして用いて深層学習を行って構築した学習済モデルを用いて、前記解決課題を抽出するように構成している。その結果、アセスメントなどのヒアリングや状況分析を通じて支援目標を作成するに際して、人工知能を利用することで、支援目標策定者のスキルの違いを解消することができる。
【0022】
特に、解決課題抽出部は、既に実行した介護計画と、その結果に基づいて構築した学習済みモデルを使用すれば、アセスメント情報に基づいた解決課題の抽出の精度を高めることができる為、被介護者又は障碍者に合った解決課題や介護計画を正確に作成することができる。
【0023】
また、上記本発明の被介護者又は障碍者の支援目標作成装置を用いた支援目標作成システムによれば、当該支援目標作成装置に対してアセスメント情報を送信するアセスメント情報管理装置において、当該アセスメント情報に基づいた解決課題、支援目標又は介護計画を取得することができることから、これらの作成者における負担を大幅に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】被介護者又は障碍者の支援目標作成システムを示す全体構成図
【
図2】ユーザー端末におけるアセスメント情報入力画面
【
図4】学習済みモデルを構成するための機械学習を示す概念図
【
図5】第1の実施の形態における被介護者又は障碍者の支援目標作成システムの処理を示すブロック図
【
図6】第1の実施の形態の支援目標作成システムにおけるシーケンス図
【
図7】第2の実施の形態の支援目標作成システムにおけるシーケンス図
【
図8】ユーザー端末における(A)抽出した解決課題の表示画面、(B)解決課題の選択画面
【
図9】ユーザー端末における(A)支援目標候補表示画面、(B)支援目標選択画面
【
図10】人工知能として構築された支援目標作成装置に対する、学習データの提供処理を示す(A)学習データ選択画面、(B)学習データ
表示画面。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本実施の形態にかかる被介護者又は障碍者の支援目標作成装置10、及びこれを用いた支援目標作成システム50を具体的に説明する。特に本実施の形態はアセスメント情報管理装置20を伴っており、被介護者又は障碍者の支援目標作成装置10は当該アセスメント情報管理装置20からアセスメント情報を取得するように構成している。そして支援目標は、介護計画又は自立支援計画を作成する為の支援目標であって良い。
【0026】
図1は本実施の形態に係る被介護者又は障碍者の支援目標作成システム50を示す全体構成図である。この図に示す支援目標作成システム50は、介護施設などに設置されているユーザー端末30と、当該ユーザー端末30からアセスメント情報を取得するアセスメント情報管理装置20と、当該アセスメント情報管理装置20で加工・抽出したアセスメント情報を取得して支援目標を抽出する支援目標作成装置10とで構成している。
【0027】
ユーザー端末30はケアマネージャーやその他の介護又は支援施設の従業員などの操作によって、アセスメント情報をアセスメント情報管理装置20に送信する。かかるアセスメント情報の送信は、インターネットなどの情報通信ネットワークを介して接続されたアセスメント情報管理装置20に対して、予め作成したアセスメント情報ファイルをアップロードする他、
図2のユーザー端末画面31に示す様に、Webブラウザなどのアプリケーションからの入力方式によって送信することができる。このアセスメント情報は、被介護者又は障碍者の住所、氏名、生年月日、障碍支援区分などの基本情報、幼少期における身長や話し初めの時期などに関する成長情報、これまでの健康診断の内容等に関する検診情報、及び現在の体調や生活環境等に関する生活環境情報を含むことができる。但し、アセスメント情報は、これらに限定することなく、被介護者又は障碍者の支援内容に応じて適宜変更する事ができる。即ち介護支援や自立支援などの内容に応じて、適宜変更する事ができる。
【0028】
アセスメント情報管理装置20は、ユーザー端末30から取得したアセスメント情報を適宜加工し、あるいはアセスメント情報に含まれる特定の項目を抽出し、これを支援目標作成装置10に送信する。その際、当該アセスメント情報管理装置20は、取得したアセスメント情報と、送信したアセスメント情報を記憶装置29に保持することもできる。
【0029】
そして支援目標作成装置10は、アセスメント情報管理装置20から取得したアセスメント情報に基づいて、最終的に支援目標や支援計画を作成する。本実施の形態において、この支援目標作成装置10は人工知能装置として構成している。即ち、当該支援目標作成装置10は、人工知能の開発で着目されている深層学習(Deep Learning)を利用しており、人間の脳神経回路をモデルにした多層構造アルゴリズム「ディープニューラルネットワーク」を用い、特徴量の設定や組み合わせを人工知能(Artificial Intelligence)が自ら考えて決定する手法を実行するものとして構築されている。かかるニューラルネットワークでは、一般的に入力層、中間層、出力層の人工ニューロンをシリアルに接続し、人工ニューロン間の接続はシナプス学習させることにより実施する。シナプス学習としては誤差逆伝搬法(バックプロパゲーション)が一般的に用いられている。
【0030】
本実施の形態に係る支援目標作成装置10は、
図3に示すブロック図に示す様に、インターネットなどの通信網において公開されているデータや、構内ベースや認証を要する非公開のデータ、過去のアセスメント情報、解決課題情報、支援目標情報、支援計画情報などを入力データとして収集し、これを学習用データ11とすることができる。そして、この学習用データ11に基づいて機械学習(特に深層学習)を行うことで人工知能装置を構築することができる。この機械学習では、
図3及び
図4に示すように学習用データ11を入力層として、この入力層のデータから、コンピュータのアルゴリズムによって自ら特徴量を導き出し、中間層において、その特徴量同士の結び付を示すネットワーク構造を構築し、最終的に出力層となる出力情報を構築することができる。このように学習済みモデルとして構築した支援目標作成装置10に対しては、アセスメント情報12を入力することにより、AIでの処理結果として支援目標13を出力することができる。
【0031】
なお、当該支援目標作成装置10は、人工知能技術を利用していればよく、その他にもエキスパートシステムを利用して構築された人工知能装置であっても良い。かかるエキスパートシステムは、特定の分野の問題についての情報を解析するルール群から構成されるプログラムであり、固定である推論エンジンと可変である知識データベースから構成されている。そして推論エンジンは規則群を用いた推論を行っており、その処理の過程は比較的明快である。
【0032】
以上の様にして支援目標作成装置10は、ディープラーニング(即ち深層学習)によって学習済モデルとして構築された人工知能装置であり、取得したアセスメント情報12に基づいて支援目標13、更には支援計画を出力することができるように構築されている。当該支援目標作成装置10から出力された支援目標13は、アセスメント情報管理装置20に送信される。当該アセスメント情報管理装置20では、アセスメント項目と、解決すべき課題と、支援目標とを関連付けた表形式などのファイルを作成し、これをユーザー端末30に送信することができる。その結果、ユーザー端末30においては、アセスメント情報12の送信によって最適な支援目標を取得することができる。
【0033】
図5は第1の実施の形態における被介護者又は障碍者の支援目標作成システム50の処理を示すブロック図であり、
図6は当該支援目標作成システム50におけるシーケンス図である。この図に示す支援目標作成システム50は、前述の通り、ユーザー端末30と、アセスメント情報管理装置20と、支援目標作成装置10とで構成している。当該支援目標作成処理に際しては、最初にユーザー端末30からアセスメント情報管理装置20に対してアセスメント情報を送信する。これを受けたアセスメント情報管理装置20では、取得したアセスメント情報を加工又は抽出して、これを支援目標作成装置10に送信する。支援目標作成装置10では、取得したアセスメント情報に基づいて近似する解決課題を抽出して、これをアセスメント情報管理装置20に送信する。この近似する解決課題は、必要に応じてユーザー端末30に送信して、ユーザーの入力に基づいて解決課題を特定することができる。そしてアセスメント情報管理装置20では、特定された解決課題を支援目標作成装置10に送信する。特定された解決課題を取得した支援目標作成装置10では、解決課題を入力情報として、人工知能プログラムと学習済みモデルによって、支援目標を特定する。そして支援目標作成装置10が特定した支援目標はアセスメント情報管理装置20に送信され、アセスメント情報管理装置20は此れをユーザー端末30に送信する。
【0034】
以上の処理により、ユーザーはアセスメント情報の送信により、最適な解決課題を特定することができ、更に当該解決課題に応じた支援目標を取得することができる。
【0035】
図6は前記
図5に示した支援目標作成システム50における介護目標作成処理のシーケンス図である。この処理に際しては、最初にユーザー端末30から、アセスメント項目32aに対する回答32bを入力する(S1)。この入力処理は前記
図2に示したアセスメント情報入力画面から行うことができる。但し、電子ファイル形式で作成されたアセスメントシートをアップロードすることにより行うこともできる。アセスメント情報管理装置20は、アセスメント項目の回答を取得すると(S2)、当該回答における「~したい」、「~やりたい」、「~なりたい」等の希望乃至は要望を示す言葉が含まれるか、或いはフラグが設定されているアセスメント項目32a、回答32b、及びキーワードの少なくとも何れかで構成されるアセスメント情報を抽出する(S3)。そしてこの抽出したアセスメント情報を、望ましくはリスト形式でユーザー端末30に送信する(S4)。
【0036】
ユーザー端末30は、このアセスメント情報管理装置20が抽出したアセスメント情報(特に解決課題)を取得すると(S5)、支援目標を問い合わせたい解決課題を選択可能に表示させて、これを選択させる(S6)。ここで選択された支援目標を問い合わせたい解決課題は、支援目標の問い合わせ要求としてアセスメント情報管理装置20に送信され(S7)、アセスメント情報管理装置20は、これを受信する(S8)。そしてアセスメント情報管理装置20は、この支援目標の問い合わせのあった解決課題を支援目標作成装置10に送信し(S9)、支援目標作成装置10は此れを受信する(S10)。支援目標作成装置10では、取得した解決課題に基づいて、当該解決課題に関連するカテゴリー(即ち、識別情報)を抽出する(S11)。かかるカテゴリーの抽出は、解決課題に含まれる内容やキーワード等に基づいて、それに応じたテーマごとに付与されたカテゴリーに基づいて行うことができる。即ち、取得したアセスメント情報(特にアセスメントの回答としての解決課題等)に基づいて当該解決課題が関連するカテゴリーを抽出する。このカテゴリーの抽出は、必ずしも1つである必要はなく、2つ以上であっても良い。その場合、当該カテゴリーには、解決課題との関連性を示す第1関連性情報(例えば関連性の割合)等を伴うことができる。このようにして前記解決課題のカテゴリーを抽出することにより、解決課題を特定する際のノイズを削減することができる。なお、この解決課題のカテゴリーの抽出は、アセスメント情報を使用することなく、単なるキーワード(例えば「健康」「参加」など)だけによって行うこともできる。また当該カテゴリーの抽出は、他の解決課題(例えば、アセスメントの回答から特定した課題)との関係を考慮して抽出しても良い。
【0037】
そして支援目標作成装置10は解決課題のカテゴリーを抽出すると、これをアセスメント情報管理装置20に送信し(S12)、アセスメント情報管理装置20は此れを取得する(S13)。アセスメント情報管理装置20は、取得した解決課題のカテゴリーを選定し(S14)、これらを支援目標作成装置10に送信する(S15)。この時、当該カテゴリーの選定は、前記カテゴリー情報が伴う第1関連性情報に基づいて特定することができる。なお、当該カテゴリーの選定は、ユーザー端末30からの指示によって行うこともできる。即ち、アセスメント情報管理装置20が取得したカテゴリーの情報をユーザー端末30に送信し、ユーザー端末30の操作によって、これを特定することもできる。
【0038】
そして支援目標作成装置10が前記カテゴリーの情報を取得すると(S16)、当該した支援目標作成装置10は、取得した解決課題とそのカテゴリーから、近似する解決課題を抽出し(S17)、これをアセスメント情報管理装置20に送信する(S18)。かかる近似する解決課題は、1又は2以上であっても良く、関連性の高さに関する第2関連性情報を伴うこともできる。
【0039】
アセスメント情報管理装置20は、支援目標作成装置10から、前記近似する解決課題を取得すると(S19)、前記第2関連性情報の高さや、他の解決課題との関係等に基づいて、取得した解決課題と近似する解決課題を特定し(S20)、これを支援目標作成装置10に送信する(S21)。なお、当該解決課題に近似した(他の)解決課題の特定は、例えばユーザー端末30の操作によって特定することもできる。即ち、前記アセスメント情報管理装置20は、取得した近似した解決課題をユーザー端末30に送信し、ユーザー端末30は此れを取得すると共に、解決課題を特定して、これをアセスメント情報管理装置20に送信する。そしてアセスメント情報管理装置20は、ユーザー端末30から送信された解決課題を取得すると、これを支援目標作成装置10に送信するように構成することができる。その際、取得した解決課題は記憶装置に保持しておくこともでき、これに後述の支援目標と関連付けることもできる。
【0040】
そして支援目標作成装置10は、ユーザー端末30で特定された解決課題を取得すると(S22)、これに対応する支援目標を抽出する(S23)。この支援目標は、前記した人工知能装置(支援目標作成装置10)における学習済データを使用して行うことができる。そして支援目標作成装置10は、抽出した支援目標をアセスメント情報管理装置20に送信し(S24)、これを取得したアセスメント情報管理装置20は(S25)、必要
に応じて前記記憶装置に保持すると共に、ユーザー端末30に送信する(S26)。そしてユーザー端末30では、当該支援目標を取得することができる(S27)。かかる支援目標の策定は、介護計画の立案に際して知識や経験が必要となる重要な部分である事からすれば、ユーザーにおいては、アセスメント情報の提供に基づいて、困難なく支援目標を取得することができ、経験の乏しい者であっても困難なく適切な介護計画を策定することができる。
【0041】
図7は第2の実施の形態に係る支援目標作成システム50におけるシーケンス図であり、
図8及び9は当該支援目標作成システム50におけるユーザー端末30の操作画面である。特にこの実施の形態に係る支援目標作成システム50は、解決課題に基づいた支援目標の選択手続に特徴を有する。
【0042】
本実施の形態に係る支援目標作成システム50において被介護者又は障碍者の支援目標を作成する為の処理は、ユーザー端末30からアセスメント情報管理装置20に対してアセスメント情報を送信することで開始される(P1)。このアセスメント情報は、予め設定されているアセスメント項目に対する回答として構成することができ、これは前記第1の実施の形態に係る支援目標作成システム50と同様に、オンラインで行う他、電子ファイル形式のアセスメントシートをアップロードすることによって行うことができる。
【0043】
アセスメント情報管理装置20は、ユーザー端末30から送信されたアセスメント情報(アセスメント項目の回答など)を取得すると(P2)、当該回答の記載内容(即ちテキスト情報)から、「~したい」「~やりたい」「~なりたい」等の希望乃至は要望を示す言葉が含まれ回答、或いはフラグが設定されている回答を解決課題として抽出し(P3)、抽出した解決課題をユーザー端末30に送信する(P4)。
【0044】
ユーザー端末30は、抽出した解決課題を受信すると(P5)、アセスメント情報管理装置20で加工乃至は抽出された解決課題を表示装置に一覧で表示させる。
図8(A)は、当該抽出された解決課題32aを一覧で表示させたユーザー端末30の画面32である。この
図8(A)に示す様に、全てのアセスメント項目に対応する解決課題が表示されるのではなく、アセスメント情報管理装置20において解決課題32aと判断されたアセスメント項目だけを一覧表示するように構成している。
【0045】
そしてユーザー端末30では、表示された解決課題のうち、特に支援目標の策定が必要な解決課題だけを、チェックボックスで選択することができる(P6)。
図8(B)は、抽出された解決課題から、特にセル位置「C56」の「料理を作り家族に食べてもらいたい」との解決課題に対する支援目標を取得する状態を示すユーザー端末30の画面33を示している。当該解決課題をチェックボックス33aで選択し、「問合せ可能」を選択指示することで、支援目標の問い合わせ要求をアセスメント情報管理装置20に送信する(P7)。
【0046】
これを取得したアセスメント情報管理装置20は、支援目標作成装置10に送信し、支援目標作成装置10は当該支援目標の問い合わせ要求を受け付け(P8)、これを支援目標作成装置10に送信する(P9)。当該アセスメント情報管理装置20において支援目標の問い合わせ要求を取得するのは、支援目標作成装置10とのアクセス許可を取得する為であり、よって支援目標作成装置10がアクセス制限を行っていない場合には、ユーザー端末30から直接支援目標作成装置10にアクセスすることもできる。なお、この
図7におけるここまでの処理(P1~P9)は、前記
図6に示した処理のうち、アセスメント項目に対する回答入力処理(S1)から支援目標の問い合わせ要求のあった解決課題送信の処理(S9)に代えることもできる。
【0047】
支援目標作成装置10では、前記支援目標の問い合わせ要求を取得すると(P10)、当該支援目標の抽出を要求する解決課題を入力情報として人工知能プログラムと学習済みデータを使用して支援目標候補を抽出する(P11)。この支援目標の候補は必ずしも1つである必要はなく、2以上の複数であっても良い。そして抽出した支援目標候補は、アセスメント情報管理装置20に送信し(P12)、アセスメント情報管理装置20は此れを取得する (P13)。そしてアセスメント情報管理装置20は、取得した支援目標候補をユーザー端末30に対して送信し (P14)、ユーザー端末30は此れを取得する(P15)。
図9(A)は、ユーザー端末30の画面に、当該支援目標の候補34bを表示した画面34を示す。この
図9(A)に示す様に、前記解決課題「料理を作り家族に食べてもらいたい」に対応する支援目標として、「家族で過ごせる時間を作る」「得意な家事を行い、できることを増やす」「得意な家事を続ける」の候補34bを別枠34aに表示した例を示している。なお、これら支援目標候補は、人工知能装置である支援目標作成装置10において、対象となる被介護者又は障碍者に応じた最適な支援目標を順位付けして出力することもできる。
【0048】
ユーザー端末30の利用者は、この支援目標候補の中から、被介護者又は障碍者に最適な支援目標を選択することができる(P16)。そして選択した支援目標35bは、
図9(B)のユーザー端末画面35に示す様に、解決課題と対応させた形で保持される。即ち、特定した支援目標は、アセスメント情報管理装置20に送信され(P17)、アセスメント情報管理装置20は此れを取得する(P18)。そして当該アセスメント情報管理装置20では、キーワード又はフラグから抽出した解決課題及び/又は支援目標の問い合わせ要求を行った解決課題と、当該支援目標とを関連付けて、表形式など、ファイル形式の介護計画書を作成することができる(P19)。この電子ファイル形式の介護計画書は、ユーザー端末30に送信し(P20)、ユーザー端末30では、これを取得して介護計画を作成することができる(P21)。
【0049】
以上の処理により、ケアマネージャーや施設の職員などのユーザーは、アセスメント項目に対する回答を入力し、これを直接的またはアセスメント情報管理装置20を介して間接的に人工知能装置である支援目標作成装置10に送信することにより、最適な支援目標や、ひいては介護計画を作成することができる。その結果、利用者のスキルや経験による事無く、最適な支援目標や介護計画を作成することができる。
【0050】
図10は人工知能として構築された支援目標作成装置10に対する、学習データの提供処理を示す(A)学習データ選択画面、(B)学習データ
表示画面である。前述の通り、前記支援目標作成装置10は、公開又は非公開の学習用データ11を用いて人工知能装置として構築されたものである。そして構築後においてもより精度を高める為に、逐次、学習用データ11を追加することが望ましい。そこで、この
図10に示す様に、例えばこれまでに作成した解決課題、支援目標、及び介護計画などの既存のデータを用いて、これを支援目標作成装置10に学習用データ11として提供するように構成している。具体的には、
図10(A)の学習用データファイル選択画面36に示す様に、提供する学習用データを収録したファイル36aを選択し、
図10(B)の学習データ表示画面37に示す様に、当該学習用データに含まれる解決課題37a、支援目標37b、分類(カテゴリー)37c、及ビデータ作成日37d等を一覧表示させる。そして支援目標作成装置10に提供するデータを選択し、これを学習用データとして支援目標作成装置10に送信する。その結果、支援目標作成装置10は、アセスメント情報に基づいた解決課題や支援目標の抽出精度が向上し、被介護者又は障碍者に最適な解決課題や支援目標を提供することが可能となる。特に、かかる学習用データの提供は、アセスメント情報管理装置20及び/又は支援目標作成装置10において、過去の作成乃至は抽出実績を記憶装置に保持しておくことにより御実現可能となる。
【0051】
図11は、上記支援目標作成装置10やアセスメント情報管理装置20等を構成するコンピュータハードウエア構成図である。ただし、このコンピュータ装置500は、代表的な構成例を示したに過ぎず、上記した処理を実行する演算装置やメモリ及びプログラムを備える限りにおいて、専用の装置として構成しても良い
【0052】
この
図9に示すコンピュータ500は、CPU501、メモリ502、音声出力装置503、ネットワークインタフェース504、ディスプレイコントローラ505、ディスプレイ506、入力機器インタフェース507、キーボード508、マウス509、外部記憶装置510、外部記録媒体駆動装置511、およびこれらの構成要素を互いに接続するバス512を含んで構成されている。
【0053】
CPU501は、コンピュータ500の各構成要素の動作を制御し、OSの制御下で、前記した各情報の取得や送信、或いはAIプログラムの実行等をコントロールし、その動作を制御する。メモリ502は通常、不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)、および揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)から構成される。ROMには、コンピュータ500の起動時に実行されるプログラム等が格納される。RAMには、CPU501で実行され、各装置の処理を実行する為のアプリケーションプログラムや、データベースプログラム、それらのプログラムが実行中に使用するデータ(たとえば、データベースやファイルシステムから読み出されたデータやスクリプト)が一時的に格納される。
【0054】
音声出力装置503は、スピーカ等の、音声を出力する機器であり、通信インタフェース504は、各種の機器と情報交換する為のネットワーク520に接続するためのインタフェースである。ディスプレイコントローラ505は、CPU501が発する描画命令を実際に処理するための専用コントローラである。ディスプレイコントローラ505で処理された描画データは、一旦グラフィックメモリに書き込まれ、その後、表示部としてのディスプレイ506に出力される。
【0055】
入力機器インタフェース507は、キーボード508やマウス509、或いはタッチパッドなどの入出力デバイスから入力された信号を受信して、その信号パターンに応じて所定の指令をCPU501に提供する。キーボード508やマウス509は、プログラムの実行や設定などの操作を行う場合に必要となる。
【0056】
外部記憶装置510も本明細書における記憶手段の範疇に含まれる。かかる外部記憶装置510内には上述したプログラムやデータが記録され、実行時に、必要に応じてそこからメモリ502のRAMにロードされる。また外部記録媒体駆動装置511は、CD(Compact Disc)、MO(Magnet-Optical Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの可搬型の外部記録媒体530の記録面にアクセスして、そこに記録されているデータを読み取る装置である。
【0057】
ただし、本実施の形態にかか支援目標作成装置10は、人工知能装置として機能することができる限りにおいて任意の構成とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の被介護者又は障碍者の支援目標作成装置、及びこれを用いた支援目標作成システムは、被介護者又は障碍者の解決課題を特定する為、支援目標を作成する為、更には介護計画を作成する為など、様々な用途で利用することができる。
【符号の説明】
【0059】
10 支援目標作成装置
11 学習用データ
12 アセスメント情報
13 支援目標
20 アセスメント情報管理装置
30 ユーザー端末
31 ユーザー端末画面
50 支援目標作成システム
500 コンピュータ装置
501 CPU
502 メモリ
504 ネットワークインタフェース
506 ディスプレイ
507 入力機器インタフェース
508 キーボード
509 マウス
510 外部記憶装置
512 バス
520 ネットワーク
530 外部記録媒体