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  • 特許-ドーム型電気式サウナバス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-12
(45)【発行日】2025-05-20
(54)【発明の名称】ドーム型電気式サウナバス
(51)【国際特許分類】
   A61H 33/06 20060101AFI20250513BHJP
   A61N 5/06 20060101ALI20250513BHJP
【FI】
A61H33/06 F
A61H33/06 D
A61H33/06 J
A61H33/06 P
A61H33/06 V
A61N5/06
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021130297
(22)【出願日】2021-08-06
(65)【公開番号】P2023024169
(43)【公開日】2023-02-16
【審査請求日】2024-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】591070163
【氏名又は名称】特許開発有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076071
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 恵治
(72)【発明者】
【氏名】野尻 広幸
【審査官】松山 雛子
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3116558(JP,U)
【文献】登録実用新案第3110972(JP,U)
【文献】特開2001-112839(JP,A)
【文献】実開昭51-088992(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0342827(US,A1)
【文献】韓国公開特許第2003-0050380(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 33/06
A61N 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半円筒型上部ドーム2及び下部ドーム3の内面に複数の半円筒型の発熱体4を備えたドーム型電気式サウナバスにおいて、半円筒型上部ドーム2及び下部ドーム3の長手延伸方向の内面に、ドーム長手方向全長にわたり板状の上昇気流拡散板7を複数枚設置したことを特徴とするドーム型電気式サウナバス。
【請求項2】
上昇気流拡散板7を適宜間隔を存して6~8枚設置したことを特徴とする請求項1記載のドーム型電気式サウナバス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遠赤外線を利用したドーム型電気式サウナバスに係り、特に遠赤外線輻射熱エネルギー及び伝導熱エネルギーにより暖められたドーム内空気(熱気)を、ドーム内で拡散板により乱流を生じさせ攪拌することにより、ドーム内上層部、同中層部、同下層部の熱気温度を均等化させ、併せて身体から放射される熱エネルギーをも同様に攪拌させ、極めて熱効率がよく、且つ身体からの発汗を大幅に促進させることのできるドーム型電気式サウナバスを提供するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から遠赤外線を利用したドーム型電気式サウナバス1は知られている。従来公知のドーム型電気式サウナバス1を図1図2により説明すると、このようなドーム型電気式サウナバス1は2個の半円筒型の上部ドーム2及び下部ドーム3から構成され、上部ドーム2には上半身が収納され、下部ドーム3には下半身が収納される。
そして、両ドーム2,3のそれぞれの内側面側にはコードヒーター、セラミックヒーター、エポキシラミネートヒーター、グラフトカーボンヒーター等の半円弧形状の発熱体4が適宜間隔を存して複数設けられている。
【0003】
利用者は図1に示すように、身体10の頭部以外のほぼ全域を両ドーム2,3内に収め、マット5上で仰向き状態又はうつ伏せ状態で横になり、上記発熱体4からの遠赤外線の照射及び伝導熱エネルギーによるドーム内空気温度の上昇を受けることにより発汗を促すものである。
【0004】
このような公知のドーム型温熱器にあっては、上記発熱体から発生する遠赤外線輻射熱は身体に照射されることと併せ、伝導熱によりドーム内空気をも暖めることとなる。この暖められた空気(熱気)は上昇気流となり、その熱気の多くが半円筒型の上部ドーム2及び下部ドーム3内における上層部に滞留することとなり、両ドーム内における上層部熱気温度と身体が位置している下層部~中層部の熱気温度との間には約20℃~30℃程度の温度差が生じてしまい、これが発汗作用の非効率化の要因となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007―275507号公報
【文献】特開2009―291621号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のごとき従来公知の遠赤外線を利用したドーム型電気式サウナバス1にあっては、上部ドーム2及び下部ドーム3の半円形状内面に沿うように設置された半円形状に延びた複数の発熱体4が通電に伴い発熱し、これにより両ドーム内では上昇気流が発熱体4に沿って上層方向に流れ、時間の経過と共に熱気が両ドーム内上層部に滞留する。
この為両ドーム内の上層部の雰囲気温度のみが、下層部、中層部と比較して偏在的に熱くなるという欠点があった。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解消し、半円筒型上部ドーム2及び下部ドーム3の長手延伸方向の全長にわたり板状の上昇気流拡散板(ディフュジョン・フィン)7を半円筒型上部ドーム2及び下部ドーム3の内表面に適宜間隔を存して夫々4~10枚を設置し、上層方向に向かう気流の一部を横方向(ベッドと水平方向)に拡散させることにより熱気が攪拌され上層部、中層部、下層部のドーム内温度が乱対流により平準化されることとなる。併せて身体から放射される熱エネルギーをも攪拌させ、極めて熱効率がよく、且つ身体からの発汗をより促進させることのできるドーム型電気式サウナバスを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、半円筒型上部ドーム2及び下部ドーム3の内面に複数の半円筒型の発熱体4を備えたドーム型電気式サウナバスにおいて、半円筒型上部ドーム2及び下部ドーム3の長手延伸方向の内面に、ドーム長手方向全長にわたり板状の上昇気流拡散板7を複数枚設置したことを特徴とするドーム型電気式サウナバスである。
【0009】
請求項2は、上昇気流拡散板7を適宜間隔を存して6~8枚設置したことを特徴とする請求項1記載のドーム型電気式サウナバスである。
【発明の効果】
【0010】
上記した請求項1に係るドーム型電気式サウナバス1は、上昇気流拡散板(ディフュジョン・フィン)を備えたことにより、半円筒型上部ドーム2及び下部ドーム3の熱気がストレートに上層部に進行することがなく、上昇気流拡散板7の位置で水平方向に拡散したり、あるいは下層部方向に反転して拡散することとなる。
このため、ドーム内の熱気は上層部に遍在することはなく、平準化することとなるため、発汗作用が効率的となるという優れた効果を発揮する。
【0011】
また請求項2に係るドーム型電気式サウナバス1は、上昇気流拡散板7を適宜間隔を存して6~8枚設置したため、一層効果的な発汗作用が行えるという効果を達成できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ドーム型電気式サウナバス1の斜視図である。
図2】半円筒型上部ドーム2及び下部ドーム3の重なり状態を、伸ばした状態にした斜視図である。
図3】(a)は発熱体の斜視図、(b)は上昇気流拡散板7を複数並べた状態の斜視図である。
図4】(a)は上昇気流拡散板7が存在しない状態の熱気の流れを示す説明図、(b)は上昇気流拡散板7が存在する状態の熱気の流れを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下添付図面に基づいて、本発明に係るドーム型電気式サウナバスの一実施の形態を詳説する。
まず図1に示すように、本発明のドーム型電気式サウナバス1は、半円筒型上部ドーム2と、半円筒型下部ドーム3をスライド自在になるよう重ね合わせたもので、下半身浴や腰湯式の場合は図1の状態で使用し、全身浴の場合は図2の状態で使用する。
【0014】
図中の符号5はマット、6はベッド、8は発熱体4等を操作するためのコントローラー、9は遮蔽カバー、11は上昇気流拡散板が取り付けられるドーム構造体の支柱である。
【0015】
半円筒型上部ドーム2と、半円筒型下部ドーム3の内側面側には、コードヒーター、セラミックヒーター、エポキシラミネートヒーター、グラフトカーボンヒーター等からなる半円弧形状の発熱体4が適宜間隔を存して複数設けられているため、この発熱体より発せられるエネルギーにより、ドーム型電気式サウナバス1内の空気は熱せられ、身体10に熱気が当たることとなる。
【0016】
本発明のドーム型電気式サウナバス1では、半円筒型上部ドーム2及び下部ドーム3の長手延伸方向の内面に、ドーム長手方向全長にわたり板状の上昇気流拡散板7を複数枚設置したため、サウナバス内の熱気はこの上昇気流拡散板7に当接して上昇気流がストレートに上昇することを阻止する結果となる。
ここで上昇気流拡散板7は、適宜の厚さと、高さを有する板体で形成するもので、ディフュジョン・フィンと称される拡散板の機能を果たすものである。
【0017】
この上昇気流拡散板7は、上部ドームや下部ドームのドーム本体の大きさに合わせ適宜の枚数を備えることで十分であり、一例を述べれば拡散効果を確実に得るために6~10枚程度とすることが好ましい。
ドーム本体の大きさに合わせて、上昇気流拡散板7の枚数は決められることとなる。
【0018】
この上昇気流拡散板7を、ドームの骨格となる支柱11を利用して、ドームの内壁面上に取り付けることで、図4(b)に説明するように、熱気は上昇気流拡散板7に当接してドーム型電気式サウナバス1内で水平方向又は反転方向に拡散し、熱気の上層部での滞留という現象を阻止し、下層部又は中層部での熱気の平準化を確保し、熱効率の良い発汗作用を促すことができる。
【0019】
また上昇気流拡散板(ディフージョン・フィン)はドーム型に限らず、遠赤外線輻射を発するコードヒーター、セラミックヒーター、エポキシラミネートヒーター、グラフトカーボンヒーター等を備えた所謂箱型の電気式サウナバスにおいても同じように利用できることは言うまでもない。
【0020】
本発明のドーム型電気式サウナバス1は、複雑な構成を採用することなく、簡単な構成で熱効率の良い発汗作用を促すことができ、使用時の安全性確保も万全となる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、ドーム型電気式サウナバスを使用したり製造したりする産業において利用される。
【符号の説明】
【0022】
1…ドーム型電気式サウナバス
2…半円筒型上部ドーム
3…半円筒型下部ドーム
4…発熱体
5…マット
6…ベッド
7…上昇気流拡散板
8…コントローラー
9…遮蔽カバー
10…身体
11…昇気流拡散板が取り付けられるドーム構造体の支柱
図1
図2
図3
図4