(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-12
(45)【発行日】2025-05-20
(54)【発明の名称】安全装置連結用コネクタ
(51)【国際特許分類】
F16B 45/02 20060101AFI20250513BHJP
A62B 35/00 20060101ALI20250513BHJP
【FI】
F16B45/02 A
F16B45/02 B
A62B35/00 J
(21)【出願番号】P 2021543101
(86)(22)【出願日】2020-08-31
(86)【国際出願番号】 JP2020032963
(87)【国際公開番号】W WO2021040051
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-07-18
(31)【優先権主張番号】P 2019159159
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019192333
(32)【優先日】2019-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】513096347
【氏名又は名称】株式会社 アイダ
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【氏名又は名称】原田 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100145148
【氏名又は名称】北上 日出登
(72)【発明者】
【氏名】後▲藤▼ 貴章
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-187717(JP,U)
【文献】特表2014-500454(JP,A)
【文献】実開昭49-106200(JP,U)
【文献】特表昭63-503280(JP,A)
【文献】実公昭39-031817(JP,Y1)
【文献】特開2004-204961(JP,A)
【文献】特開2016-006342(JP,A)
【文献】特開2015-226855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 45/02
A63B 29/02
A62B 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部同士が向き合うようにされた開曲線状に形成され、当該端部の間から安全装置の連 結部を入れるようにした開口を有するフレームと、
前記開口を塞ぐように設けられ、かつ前記フレームの一端部に支持され、他端部と当接しているとき前記開口を閉状態とし、他端部との当接が解除されると前記開口を開状態とするゲートと、を備え、
前記フレームは、
前記開口と反対側にスパインを有し、
前記スパインの各端部と連続する各フレーム部分のうち、フレームのゲート支持部側の端部に連続する第1の部分は、直線状または帯状体が掛けられるように曲率が小さく形成され、
各フレーム部分のうち、前記第1の部分の反対側に位置し、前記スパインにおける前記 開口側の端部に連続する第2の部分は、軸部材からなる環状部材の移動を抑制するように 曲率が大きく形成され、
前記スパインには、少なくともフレームの内側に突出することにより、前記開口側と、該開口と反対側のスパイン側との間の領域を一部狭める突出部が設けられ、
前記突出部は、前記フレームの一端部側を下方、前記フレームの他端部側を上方としたときに、前記スパインの当該下方側または前記一端部近傍に設けられ、前記フレームと一体的に形成され、
前記突出部の突出端と基端とを内方向に結ぶ傾斜面の下側面とフレームとのなす角度は5 0°以上であり、
前記突出部における内側方向の突出端と基端を結ぶ傾斜面のうちの前記上方側の面と、前記フレームとがなす角度は40°以下である
ことを特徴とする安全装置連結用コネクタ。
【請求項2】
前記ゲートは、前記フレームの一端部において回動可能に支持され、前記閉状態から該一端部を中心として回動されると前記他端部との当接が解除され前記開状態となる
ことを特徴とする請求項1に記載の安全装置連結用コネクタ。
【請求項3】
前記突出部は、前記フレームの内側だけでなく側面方向にも突出するように形成される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の安全装置連結用コネクタ。
【請求項4】
前記ゲートが回動して、その先端が前記フレームの前記一端部から最も離れたとき、前
記スパインの一端と他端を結ぶ第1の方向および前
記ゲートの一端部と他端部とを結ぶ第2の方向を同一平面上に見て、その平面に対して、前記ゲートの延伸方向が10°以上傾斜する
ことを特徴とする請求項2に記載の安全装置連結用コネクタ。
【請求項5】
前記フレームは前
記スパインの一端と他端を結ぶ第1の方向において前記下方側が前記上方側より長く形成される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の安全装置連結用コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、安全装置連結用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
安全装置連結用コネクタは、カラビナのように一部を開閉可能にすることにより、他の部材を掛けられるように構成された連結部材である。一例として、カラビナ等が挙げられる。これらは一例において、高所作業で用いられる命綱の連結部として用いられる。他の例として登山用品(ザイル等)、または荷役作業のロープを玉掛けする対象として用いられる場合もある。
【0003】
以上のようにさまざまな用途において、コネクタが使用されている。コネクタは使用される用途に応じて構成される。
【0004】
例えば、一般的にコネクタはC状のような開口を有するフレームを有する。また、コネクタのフレームの開口の一端にゲート(開閉部材)基端が連結されている。ゲートはこの基端を中心とし先端が回動する。このゲートが回動されることにより開口が塞がれた状態と、開放された状態とに切り替わるように構成される。ただし、コネクタに連結される物品によっては、容易に取り外せることが要求される場合と、容易取り外せないことが要求される場合とがある。このように従来フレームに対するゲート先端の位置を変えることでコネクタの開閉状態が変わる構成において、ゲートには弾性体が設けられていた。弾性体はゲートをフレームの内側に付勢する。ユーザーがゲートを開くには、ユーザーはこの付勢力に抗してゲートを回動させる必要がある。このようなコネクタにおいて誘導部を形成したコネクタが提案されている(下記、特許文献1参照)。誘導部とは、ゲートをフレームの内側方向に折り曲げて延長された部分である。つまり、このゲートは従来と比較してゲートが所定の長さ分延設されている。ユーザーは、ゲートの先端の延長部分に対し、連結される物品の一部を引っ掛けてゲートを開放させることができる。つまりユーザーはワンアクションでゲートの開放が可能である。このコネクタは、ゲートの閉鎖状態の維持より開放の簡便さを優先している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
安全装置連結用コネクタでは、意図せずに連結状態が解除されないようにする必要がある。単にゲートの回動のロック機構を設けるというだけでは不足である場合がある。例えばコネクタは命綱と身体拘束具を連結する場合がある。具体例としてはランヤードとフルハーネスや、レスキューロープとレスキューハーネス、クライミングロープとクライミングハーネス等が連結される場合である。不意にこれらの連結が解除されてしまうことは事故の発生を招くおそれもある。
【0007】
命綱側の連結部も身体拘束具側の連結部も、装着者の移動やその他、種々の原因により、相互に移動する。コネクタは、一方で命綱側に引っ張られ、他方で身体拘束具側に引っ張られることがあるため、破損しないために引張強度が求められる。またコネクタの構造上、引張方向によって引張強度、耐久性がことなる。したがって、コネクタの強度が確保しがたい方向で引張荷重がかかるとコネクタ自体が破損するおそれがある。また、命綱側の連結部、または身体拘束具側の連結部が平形の繊維部材や帯状体である場合もある。その場合、その連結部の幅方向の各端部が摩擦等により、ほつれや破れを生じるおそれもある。つまりコネクタ自体が破損しなくともコネクタによる連結対象側が破損してしまうことによる、連結状態の解除のおそれもある。
【0008】
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、安全装置連結用コネクタによる連結状態が意図せずに解除されてしまう状況を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の安全装置連結用コネクタは、端部同士が向き合うようにされた開曲線状に形成され、当該端部の間から安全装置の連結部を入れるようにした開口を有するフレームと、開口を塞ぐように設けられ、かつフレームの一端部に支持され、他端部と当接しているとき前記開口を閉状態とし、他端部との当接が解除されると前記開口を開状態とするゲートと、を備える。 フレームは、開口と反対側にスパインを有し、スパインの各端部と連続する各フレーム部分のうち、フレームのゲート支持部側の端部に連続する第1の部分は、直線状または帯状体が掛けられるように曲率が小さく形成される。 各フレーム部分のうち、第1の部分の反対側に位置し、スパインにおける開口側の端部に連続する第2の部分は、軸部材からなる環状部材の移動を抑制するように曲率が大きく形成される また、少なくともフレームの内側に突出することにより、開口側と、該開口と反対側のスパイン側の間の領域を一部狭める突出部とを備えてもよく、その突出部は、フレームの一端部側を下方、フレームの他端部側を上方としたときに、スパインの下方側に設けられ、フレームと一体的に形成される。 またゲートは、フレームの一端部において回動可能に支持され、閉状態から該一端部を中心として回動されると他端部との当接が解除され開状態となるように構成されていてもよい。 また突出部は、フレームの内側だけでなく側面方向にも突出するように形成されていてもよい。 また、突出部における内側方向の突出端と基端を結ぶ傾斜面のうち下方側の傾斜角度は50°以上であってもよい。 また、突出部における内側方向の突出端と基端を結ぶ傾斜面のうち上方側の傾斜角度は40°以下であってもよい。 また、ゲートが回動して、フレームの一端部から最も離れたとき、フレームのスパインの方向に対応する第1の方向、および一端部と他端部とを結ぶ第2の方向に対して、ゲートの延伸方向が10°以上傾斜するように構成されていてもよい。 他の実施形態の安全装置連結用コネクタは、端部同士が向き合うようにされた開曲線状に形成され、当該端部の間から安全装置の連結部を入れるようにした開口を有するフレームと、開口を塞ぐように設けられ、かつフレームの一端部に支持され、他端部と当接しているとき前記開口を閉状態とし、他端部との当接が解除されると前記開口を開状態とするゲートと、を備える。 フレームは、開口と反対側にスパインを有し、そのスパインの各端部と連続する各フレーム部分のうち、フレームのゲート支持部側の端部に連続する第1の部分を有し、さらにそのスパインにおける第1の部分側と反対側と、ゲート先端部とが当接する部分であるノーズとを結ぶ第2の部分を有し、ゲートが回動して、その先端が前記フレームの前記一端部から最も離れたとき、スパインからゲート側へ向かう第1の方向、および一端部と他端部とを結ぶ第2の方向を同一平面上に見て、その平面に対して、前記ゲートの延伸方向が10°以上傾斜する。 また、第1の部分は、直線状または帯状体が掛けられるように曲率が小さく形成され、各フレーム部分のうち、第1の部分の反対側に位置し、第2の部分は、軸部材からなる環状部材の移動を抑制するように曲率が大きく形成されてもよい。 また、少なくともフレームの内側に突出することにより、開口側と、該開口と反対側のスパイン側の間の領域を一部狭める突出部とを備えてもよく、その突出部は、フレームの一端部側を下方、フレームの他端部側を上方としたときに、スパインの下方側または一端部近傍に設けられ、フレームと一体的に形成される。
【発明の効果】
【0010】
実施形態によれば、フレームのゲート支持部側にあたる下方側において、直線状または帯状体が掛けられるように曲率が小さく形成され、その反対側においては、軸部材からなる環状部材の移動を抑制するように曲率が大きく形成される。したがって、下方側で帯状体が摩擦等で劣化することを防止しつつ、上方側に掛けられた環状部材の移動が抑制されるので、コネクタが破損しやすい方向に引張荷重がかかることを防止することが可能である。結果、安全装置連結用コネクタによる連結状態が意図せずに解除されてしまう状況を防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略正面図。
【
図2】第1実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略背面図。
【
図3】第1実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略右側面図。
【
図4】第1実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略左側面図。
【
図5】第1実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略上面図。
【
図6】第1実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略底面図。
【
図7】第1実施形態の安全装置連結用コネクタの一例を示す概略斜視図。
【
図8】第1実施形態の安全装置連結用コネクタの開状態と閉状態の安全装置連結用コネクタをそれぞれ示す概略正面図。
【
図9】第1実施形態の安全装置連結用コネクタの開状態と閉状態の安全装置連結用コネクタをそれぞれ示す概略背面図。
【
図10】第1実施形態の安全装置連結用コネクタの使用状態を示す概略図。
【
図11】第1実施形態の変形例の安全装置連結用コネクタを示す概略正面図。
【
図12】第1実施形態の変形例の安全装置連結用コネクタを示す概略背面図。
【
図13】第1実施形態の変形例の安全装置連結用コネクタの一例を示す概略斜視図。
【
図14】第1実施形態の変形例の安全装置連結用コネクタの開状態と閉状態の安全装置連結用コネクタをそれぞれ示す概略正面図。
【
図15A】第1実施形態の変形例の安全装置連結用コネクタの開状態と閉状態の安全装置連結用コネクタをそれぞれ示す概略背面図。
【
図15B】第1実施形態の変形例の安全装置連結用コネクタの使用状態を示す概略図。
【
図16】第2実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略正面図。
【
図17】第2実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略背面図。
【
図18】第2実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略右側面図。
【
図19】第2実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略左側面図。
【
図20】第2実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略上面図。
【
図21】第2実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略底面図。
【
図22】第2実施形態の安全装置連結用コネクタの係合状態を示す概略斜視図。
【
図23】第2実施形態の安全装置連結用コネクタの開状態と閉状態の安全装置連結用コネクタをそれぞれ示す概略正面図。
【
図24】第2実施形態の安全装置連結用コネクタの開状態と閉状態の安全装置連結用コネクタをそれぞれ示す概略背面図。
【
図25】第2実施形態の開状態と閉状態の安全装置連結用コネクタをそれぞれ示す概略右側面図。
【
図26】第2実施形態の安全装置連結用コネクタの開状態と閉状態の安全装置連結用コネクタをそれぞれ示す概略左側面図。
【
図27】第2実施形態の開状態と閉状態の安全装置連結用コネクタをそれぞれ示す概略上面図。
【
図28】第2実施形態の開状態と閉状態の安全装置連結用コネクタをそれぞれ示す概略底面図。
【
図29】第2実施形態の開状態と閉状態の安全装置連結用コネクタをそれぞれ示す概略斜視図。
【
図30】第3実施形態の安全装置連結用コネクタの一例を示す概略斜視図。
【
図31】第4実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略正面図。
【
図32】第4実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略背面図。
【
図33】第4実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略右側面図。
【
図34】第4実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略左側面図。
【
図35】第4実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略上面図。
【
図36】第4実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略底面図。
【
図37】第5実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略斜視図。
【
図38】第5実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略正面図。
【
図39】第5実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略背面図。
【
図40】第5実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略右側面図。
【
図41】第5実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略左側面図。
【
図42】第5実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略上面図。
【
図43】第5実施形態の安全装置連結用コネクタを示す概略底面図。
【
図44】第5実施形態の安全装置連結用コネクタの開状態と閉状態の安全装置連結用コネクタをそれぞれ示す概略正面図。
【
図45】第5実施形態の安全装置連結用コネクタの開状態と閉状態の安全装置連結用コネクタをそれぞれ示す概略斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1~
図45を参照して、第1実施形態~第5実施形態にかかる安全装置連結用コネクタについて説明する。
【0013】
[第1実施形態] 第1実施形態にかかる安全装置連結用コネクタ100の全体構成について
図1~
図10を参照して説明する。
図1~
図7において、第1実施形態にかかる安全装置連結用コネクタ100の、正面、背面、右側面、左側面、上面、底面および斜視の概略を示す。
【0014】
なお、安全装置連結用コネクタのフレーム(ボディ部)には、平綱(平ロープ(ベルト状部材)等を挿入するための間隙が形成されるが、それを「開口」と説明する。またフレームにおける、当該開口と反対側を「スパイン」と説明する。またフレームにおける、当該開口と反対側を「スパイン」と説明する。またフレームにおける開口側とスパイン側とはフレームの内向きに対向しているが、その向かい合う方向を説明の便宜上、左右方向と定義する。また、これにならい、この左右方向と直交し、スパインと開口との間を通る方向を上下方向と定義する。さらにこの左右方向および上下方向の双方と直交する方向を前後方向と定義する。
【0015】
また安全装置連結用コネクタ100の前側の面を「正面」、正面の反対側の面を「背面」と説明することがある。ただし、これら各方向は、実施形態の説明の便宜上設定されたものであり、安全装置連結用コネクタ100の使用状態等を特定しようとするものではなく、上下、前後、左右および正面、背面は、使用時の状態により適宜変更されうるものである。
【0016】
また、本実施形態の安全装置連結用コネクタ100の実施品としては、カラビナを一例として挙げることができる。なおゲートとは、その先端側がフレームの開口の一端に対して当接した閉状態と、当該一端から離隔(開状態)した閉状態とを切り替えるための安全装置連結用コネクタの一構成部分である。
【0017】
(全体構成の概要)
図1~7に示すように、安全装置連結用コネクタ100は、フレーム110およびゲート120を含んで構成される。フレーム110は、軸状部材(または棒状部材、柱状部材等)を端部同士が接触しないように(開曲線状に)、および開口を臨むように形成したものである。言い換えると、フレーム110の各端部がその開口を挟むように形成されるということである。「開口を臨む」状態を言い換えるとC字等である。その一端側と他端側に挟まれた開口は所定間隔分空いており(
図8,9・開口114参照)、この間隔にゲート120が設けられる。フレーム110における間隔をゲート120が塞ぐことにより、安全装置連結用コネクタ100は全体の内側と外側とが画される(区切られる)。なお、
図1に示す安全装置連結用コネクタ100は全体として凸図形であるが、安全装置連結用コネクタ100の構成はこれに限らず例えば凹部分が含まれていてもよい。
【0018】
(フレーム110)
安全装置連結用コネクタの形状の具体例として
図1~
図9を挙げる。ただし、スパインが湾曲している形状も本実施形態に含まれる。またフレーム上方(後述の第2の部分118)に直線状部分を含むものも本実施形態に含まれる。
図1~
図9の安全装置連結用コネクタ100は、本発明の実施形態の一例であるが、その形状は本実施形態に特有のものである。スパイン112からなる一辺と、第1の部分116からなる一辺と、フレーム110の各端部およびゲート120を組み合わせてなる一辺とによって構成され、角部を曲線状にした三角形に類似した形状である。なお、各図においてこれら各辺は直線状であるが、曲率が低ければ曲線状であっても良い。
【0019】
図1におけるフレーム110では、ゲート120を支持する端部側、すなわち下方側の幅が上方側と比較すると広い(左右方向の長さが長い)。つまり下方側とは、カラビナでいうところのメジャーアクシスを概ね上下方向としてみた場合における、ゲート支持部側である。ただし、下方側部分に掛けられる可能性が高い帯状体の幅を基準として、下方側部分に対して帯状体が左右方向に移動しすぎない幅であることが望ましい。また下方側は直線状または曲率の小さい曲線状に形成される。
【0020】
またフレーム110には、ゲート120と接触することで閉鎖状態となる端部側(ノーズ側)を上方側部分がある。上方側部分は幅がD環等の環状部材の移動を制限するように狭く形成される。「狭い」とは、下方側に掛けられる可能性が高い帯状体の帯幅または上方側部分と比較して長さが短いということである。またフレーム110における下方側(符号116)と上方側(118)との間にわたって、スパイン112が設けられ、各図の例においてスパイン112は、直線状に形成されている。
【0021】
また
図1のフレーム110において、概ね上下方向に沿うスパイン112の下端側は、右下方向に向かって湾曲する。右下に湾曲したスパイン112下端はさらに右上方向に湾曲する。その右上方向に湾曲した先が、フレーム110の下部(後述する第1の部分116)となる。
図1のフレーム下部は右上方向に直線状に形成されている。なお、上下方向、左右方向については下記の通りである。
【0022】
すなわち、スパイン112が直線状であるにせよ、曲線部分を含むにせよ、スパイン112の一端と他端を結ぶ第1の方向(例えばメジャーアクシス)を定義できる。
図1の上下方向は、その第1の方向に沿って表されており、以下の説明もそれに倣う(
図1~3,7等)。また
図1は、ゲート120(またはフレーム110)の開口を挟むように設けられた一端および他端を結ぶ第2の方向と、その「上下方向」と、を概ね同一平面上で見た視点である(
図1・
図2の視線方向)。なお、開口については
図8・9の開口114に例示される。一端については、
図8・9:ノーズ114aに例示される。その平面上に沿い、かつ当該上下方向と直交する方向を左右方向とする。
【0023】
また、フレーム110における周方向、すなわち軸方向(長手方向および各図における前後方向)に対して直交する断面の形状(輪郭形状)について説明する。フレーム110における外側の輪郭は、
図3~7に示すようにフレーム110の断面の幅方向において中央側から各端側に向かって下り傾斜している。このような構成は、例えばフレーム110の幅方向の各端側をそれぞれ、幅方向の中央側へ圧縮することによって得られる。これにより金属組織を密にし、引張荷重への耐性、耐衝撃性、疲労強度が高められる。
【0024】
<第1の部分116>
また上記平面において、仮にスパイン112の一端から他端までを上下方向とし、スパイン112とゲート120とを結ぶ方向を左右方向とした場合に、その向きで第1の部分116について説明する。第1の部分116は、上下方向にわたるスパイン112の下端から湾曲した先の部分である。第1の部分116はスパイン112の下端から左右方向にわたるように設けられる。
【0025】
図1の例によるフレーム110の構成では、第1の部分116は、スパイン112の下端から右上に向かう。なお、スパイン112に対する第1の部分116の傾斜角度は、
図1,
図2では概ね74°~76°である。ただし、傾斜角度は50°~130°の範囲のいずれの角度であってもよい。さらにフレーム110の小型化と安全装置連結用コネクタ100にかける物品の出し入れしやすさのバランスの観点から当該傾斜角度は60°~110°の範囲であることが好ましい。
【0026】
また、第1の部分116の長さは、安全装置連結用コネクタ100に掛けることが想定される物品と安全装置連結用コネクタ100との接触部分の長さによって決定すればよい。接触部分とは、このような使用予定の物品と第1の部分116との接触可能な部分の長さ(幅)である。
図1において第1の部分116は、一例として墜落制止用器具であるランヤードの帯状体(通称:平ロープ)の幅に対応した長さを有する。ここで「対応した長さ」とは、例えば帯状体の帯幅と比較して-20%~+30%の範囲の割合の長さの範囲の長さである。
【0027】
<第2の部分118>
スパイン112を左側とし、ゲート120を右側として見た
図1のフレーム110の構成において、スパイン112の上方側に位置する第2の部分118は、外側に凸となる曲線状(例えば略円弧状)に形成されている。すなわち、
図1に示すように第2の部分118は、スパイン112の上端から右上方向に湾曲した後、右下方向に湾曲する。なお、当該円弧状の第2の部分118は、その曲面の曲率が小さいと、安全装置連結用コネクタ100の上方にかかるD環のような軸状部材がガタつく(D環が滑る)。また安全装置連結用コネクタ100全体が大型化を招く。また、第2の部分118は略円弧状でなくてもよい。また、D環のような連結対象の軸部分の直径より明らかに長くなければ直線部分を含んでいてもよい。
【0028】
安全装置連結用コネクタ100においては、スパイン112の軸方向あるいは第2の部分118から第1の部分116へ向かって下りる垂線方向(いわゆるメジャーアクシス)において破断強度が最も高くなるように形成されている。つまり、一般的にカラビナ等の安全装置連結用コネクタの耐久性は、基本的にその方向で確保されている。
【0029】
一例において、クライミングに使用するカラビナを挙げる。本例の安全装置連結用コネクタとしてのカラビナは、縦方向の引張強度または破断強度が、横方向と比較して10倍以上高い。あるカラビナにおいては、横方向の引張強度が2KNであるのに対し、縦方向の引張強度が25KNである場合もある。横方向の引張荷重は、回動するゲートの構造上、引張荷重に対して耐久性が低く、これに対しスパインの引張荷重に対する耐久性が高いことによってこの差が生じる。
【0030】
しかしながら、平綱のような帯状体等は使用状態等により、必ずしもコネクタの内側の一部分に留め置かれるとは限らない。つまり、従来の安全装置連結用コネクタにおいては、その使用状態により帯状体等がスパイン側に移動することもある。また、ランヤードに使用するカラビナの例において説明すると、カラビナの上側に金属環(例えばフルハーネスのD環)が、下側にベルト状部材が位置する前提で使用される(
図10参照)。
【0031】
その状態では、D環側にフルハーネスを着用したユーザーが、ベルト状部材側に命綱があることになる(
図1とは上下が逆になる)。そしてそのような状況でユーザーが墜落した場合は、フルハーネス側の金属環と、ランヤード側のベルト状部材とでそれぞれ逆の方向に安全装置連結用コネクタを引っ張り合うことになる。
【0032】
このとき、
図10に示すように引張り合う方向がコネクタの上下方向に沿っていれば、コネクタが最も強度を確保できる方向に沿って引っ張られていることになる。したがって、コネクタが所定の破断強度を有する構成であれば、コネクタは破断(破損)しない。これに対して、上記のようにコネクタが回転する方向に力が働くことにより、ベルト状部材がゲートやスパインの方向に移動しようとする。実際にベルト状部材がずれてしまうと、安全装置連結用コネクタの破断のおそれが高まる。コネクタの左右方向の強度は上下方向と比較して大幅に低下するのが一般的であるためである。
【0033】
本実施形態の安全装置連結用コネクタ100によれば、第1の部分116の幅が、そこに掛けられる可能性が高い帯状部材の幅に対応して設定される。また、第1の部分116の形状は直線状または曲率が小さい。よって、安全装置連結用コネクタ100が回転しても、第1の部分116と帯状部材の密着度が高く摩擦等により左右方向に移動しがたい。また帯状部材がスパイン112に移動しようとしてもスパイン112に当接してその移動を阻止することが可能である。また、第2の部分118側は円弧状に形成されているため、フルハーネスの金属環も第2の部分118の内側に留め置かれるようになる。したがって、フルハーネス側の金属環と、ランヤード側のベルト状部材とでそれぞれ逆の方向に安全装置連結用コネクタを引っ張り合う状況が生じても、安全装置連結用コネクタ100の破断しやすくなる状況が生じるのを防止するように作用する。
【0034】
<ゲート支持部123>
フレーム110の下端側で左右にわたるように形成された第1の部分116において、スパイン112と反対側の端部は第2の部分118の方に向かって湾曲する。この第2の部分118に向かって湾曲した先は、第2の部分118側に向かいつつ途切れる。この途切れた部分の先端はフレーム110の一端部であり、これをゲート支持部123とする。ゲート支持部123がスパイン112に対して傾斜する角度は15°~60°程度である。この角度の一例については
図1の当該部分に示される。この図の例ではこのゲート支持部123のスパイン112に対する傾きがゲート120のスパイン112に対する傾きを定めている。
【0035】
ゲート支持部123における湾曲した先の直線状の部分では、後述するゲート120との境界がある。またそのゲート支持部123の直線状の部分でゲート120を支持する。後述するようにゲート120は安全装置連結用コネクタ100の内側(スパイン112側)に回動する構成を含め、その他にも任意の構成をとることが可能である。ただし、いずれの構成においても第1実施形態のゲート支持部123は、第1の部分116との境界より先端側においてゲート120を支持する。
【0036】
一例としてゲート120が安全装置連結用コネクタ100の内側(スパイン112側)に回動する構成におけるゲート支持部123について説明する。
図4および
図7に示すようにゲート支持部123における上記直線状の部分は、第1の部分116に対して概ね前後方向に幅が狭く形成されている。このようにゲート支持部123においては幅を圧縮して狭くすることでフレーム110を構成する金属を密にして強度を向上させている。
【0037】
<ノーズ114a>
円弧状に形成された第2の部分118における、スパイン112と反対側の端部、すなわちゲート支持部123に向かって直線状に形成された先端側(フレーム110の他端部)をノーズ114aとする。ノーズ114aは、ゲート120とフレーム110との接点の1つである。またノーズ114aは、ゲート120の端部と接触した状態では、コネクタの閉鎖状態となる。これに対し、非接触の状態では、コネクタの開放状態となる。
【0038】
またノーズ114aは、ゲート120に設けられた凹部と係合するように形成される。この形状は例えば当該凹部と合致するような凸型である。またノーズ114aは、ゲート120の回動方向に沿った凸型に形成される。
【0039】
図4,5,7~9に示すコネクタの一例では、ゲート120はゲート支持部123に回動可能に支持され、安全装置連結用コネクタ100の内側に回動する構成である。この構成では、ゲート120が安全装置連結用コネクタ100の内側方向に回動することにより、ノーズ114aとゲート120との接触が解除される。また両者の非接触状態から、ゲート120が外側に回動すると、ノーズ114aとゲート120とが接触する。ゲート120はゲート支持部123に回動可能に支持されているが、ノーズ114aと接触し、係合することにより、その位置より外側に回動するのを阻止される。つまり、ノーズ114aはゲート120の回動範囲を定めている。
【0040】
<ゲート120>
ゲート120は、安全装置連結用コネクタ100において上記開放状態と閉鎖状態とを切り替えるための部分である。
図8・9に示すようにゲート120は、基端がゲート支持部123に支持された状態で、先端がノーズ114aに対して接触する方向と非接触となる方向との間で往復移動が可能に構成される。ゲート120は図示しない付勢部材により外側に付勢されている。つまり、ゲート120の先端の凹部が、ノーズ114aと接触するようにノーズ114a側に付勢されている。
【0041】
このような構成では、一例としてゲート120内部に板バネやコイルバネ(図示せず)が設けられる。当該バネ部材はゲート支持部123の回動軸P(
図8)側で保持される。またバネ部材はゲート120の軸方向に概ね沿うように、ゲート120の先端に向かって配置される。バネ部材の付勢力に抗してゲート120が押圧されスパイン112側に回動されるとその方向に曲がる。これに対し、ゲート120を押圧する力が解除されるか、あるいは押圧する力がバネ部材の付勢力より弱まると、付勢力によりゲート120の先端がノーズ114a側に回動する。
【0042】
図8・9に示すゲート120は、いわゆるツイストロック(オートロック)機構である。ゲート120は、上記のように回動するゲート本体122と、ロックカバー121とを有する。ロックカバー121は、フレーム110の開口114(
図8・9参照)を塞ぐゲート本体122の軸方向に沿って、ゲート本体122の周囲を覆うように設けられている。またロックカバー121は、ゲート本体122の軸周りに回転可能に設けられる。
【0043】
さらにロックカバー121には、ゲート本体122におけるノーズ114aを受け入れる凹部に対応する位置に、先端側スリットS1が設けられる(
図7,
図8参照)。先端側スリットS1は、ゲート本体122の軸方向において少なくともノーズ114aの一部と接触する長さを有する。また先端側スリットS1の幅は、少なくともノーズ114aの最も広い幅より広い。
【0044】
さらにロックカバー121には、ゲート本体122とゲート支持部123とが重なる位置であって、基端側スリットS2が設けられる(
図7,
図8参照)。すなわちその位置は、先端側スリットS1から軸方向に沿ってゲート支持部123側に下りたゲート120の基端側の位置である。基端側スリットS2は、ゲート本体122の軸方向において少なくともゲート支持部123の外側の面の一部と接触する長さを有する。また基端側スリットS2の幅は、少なくともゲート支持部123の最も広い幅より広い。
【0045】
またロックカバー121には、基端側スリットS2に対し、ロックカバー121の回転方向において所定間隔だけ離れた位置に凹型の切り欠き部を有する。これは
図8の例では、基端側スリットS2の左側において回動軸Pに接触している部分である。この切り欠き部の当該回転方向における長さ(幅)は、先端側スリットS1よりやや広くなるように形成される。このようにロックカバー121の切り欠き部の幅方向の各端部がゲート支持部123から突出した回動軸Pの一側面または他の側面のいずれかに当接することにより、ロックカバー121の回転範囲が限定される。
【0046】
ロックカバー121が回転され、
図4に示すように、ノーズ114aと先端側スリットS1が重なる位置に来ると、ノーズ114aが先端側スリットS1により露出し、同時にゲート支持部123が基端側スリットS2により露出し、ゲート本体122の回動が可能となる。このとき、
図8に示すようにロックカバー121の切り欠き部の一端が回動軸Pと当接することで、
図7に示すようにロックカバー121が上記露出状態を超えて回転しすぎないようにし、解除状態を容易に維持することが可能である。
【0047】
また、ロックカバー121がノーズ114aおよびゲート支持部123を覆っている状態で、ゲート本体122が回動されようとしても、ロックカバー121がノーズ114aとゲート支持部123に当接する。つまり、ゲート120の回動を規制するものである。これを説明の便宜上「ロック状態」とする。ロックカバー121の上記切り欠き部の幅が、先端側スリットS1の幅よりやや広く形成される。これにより、ロック状態からロック状態を解除(以下、適宜「解除状態」とする。)するため、ロックカバー121を回転させる量をできるだけ少なくすることができる。解除状態とは、ロックカバー121の上記各スリット(S1,S2)がそれぞれノーズ114aとゲート支持部123とを露出させた状態である。
【0048】
これに対し解除状態から、ロックカバー121が回転されて、ロックカバー121によりノーズ114a、ゲート支持部123を覆った状態、すなわちロック状態に切り替え可能である。そのときその回転方向(前方)に回りすぎると、次にユーザーが解除状態に切り替えるとき、ロックカバー121を大きく回さなければならない。しかし、ロックカバー121の切り欠き部の他端(上記一端に対する他端)が回動軸Pと当接することで、ロックカバー121が回転しすぎないようにし、次に解除状態に切り替えるため回転量を可能な限り少なく制御することが可能である。つまりロック状態の解除が容易となり、作業効率の向上に寄与する。
【0049】
また、ロックカバー121の内周面側には、ロック状態となる回転方向にロックカバー121を付勢する付勢部材(不図示)が設けられる。具体的には次の通りである。まず、付勢部材により、通常はロック状態が形成されることになる。対して、付勢部材の付勢力に抗してロックカバー121が解除状態になる方向に回転されると解除状態に切り替わる。ロックカバー121を回転させる力が解除されるか、あるいはその力が付勢力より弱まると、ロックカバー121がノーズ114a、ゲート支持部123をそれぞれ覆う方向に付勢され回転される。このようにして再びロック状態となる。
【0050】
なお、
図8・9等におけるツイストロック機構はゲート120の一例であって、他の構成をとることも可能である。つまり、ゲート120はフレーム110の開口114を閉鎖した状態と開放した状態とに切り替え可能な構成であればどのような構成であってもよい。例えば、ゲート120の先端がノーズ114aにあたるフレーム110の一端に対して軸方向にスライド移動することで、フレーム110の一端に対して当該先端が接離可能に構成されていてもよい。この変形例のゲート120の先端がスライドする構成において、スライド方向と直交する方向、すなわちゲート120の軸方向と直交する方向にスライド部材が回転しスライドをロック可能に構成してもよい。
【0051】
(作用・効果)
以上説明した第1実施形態にかかる安全装置連結用コネクタ100の作用および効果について説明する。
図10を参照する。
【0052】
実施形態の安全装置連結用コネクタ100によれば、スパイン112とゲート支持部123との間を結ぶ第1の部分116は直線状または曲率が小さく形成され、ここに掛けられる可能性が高い帯状体が左右方向に移動しがたい。これにより、帯状体が左右方向に移動することによる帯状体端部のほつれ、破れ等の劣化を防止することが可能である。第1の部分116側の面はスパイン112に対して傾斜角度が大きく第1の部分116側に掛ける物品を留め置くように構成されている。また、第2の部分118は、円弧状、あるいは第1の部分116より曲率が大きく形成される。そうなると、ここにかけられる可能性の高い軸状部材が左右方向に移動する(いわゆるがたつき)を防止可能である。
【0053】
このような構成によれば、安全装置連結用コネクタ100の使用状態等により、安全装置連結用コネクタ100にかける物品が安全装置連結用コネクタ100を破損しやすい位置に移動することを防止することが可能である。
【0054】
また、第1の部分116の形状により、ここにかけられた帯状体と第1の部分116との密着度が高まる。また第1の部分116の幅はかけられる帯状体の幅に合わせて設定される。これらにより帯状部材の左右方向への動きが抑制される。結果、帯状部材の幅方向の端部のほつれ、破れ等を防止することが可能である。
また、第2の部分118の幅はかけられる軸状部材の幅に合わせて設定される。例えば最も径が大きいと考えられる軸状部材(例えば径13mmのD環)に対して0.5mm~数mmの幅だけ幅広に形成することにより、これらにより帯状部材の左右方向への動きが抑制される。これにより、掛けられる軸状部材の左右方向への動きが抑制される。結果、マイナーアクシスで引張強度がかかるような軸状部材の移動を防止でき、かつユーザーが瞬時に大きく移動するとき(落下時等)に軸状部材がフレーム110に瞬時に密着し、ユーザーへの恐怖感の低減を図ることが可能である。
【0055】
(第1実施形態の変形例)
以下、第1実施形態の変形例について
図11~15を参照して説明する。なお
図11~15Bにおいて安全装置連結用コネクタ100のフレーム110の外形と突起112Pとを識別しやすいように、これらを実線で表し、その他を破線で表した。
<突起112P>
本変形例では、
図11~15等に示すように、フレーム110における上下方向の中央よりやや下方側であって、スパイン112の内側には突起112Pが設けられる。その位置について言い換えるとスパイン112の周面におけるゲート120側であって、上下方向におけるゲート120の回動軸P側またはゲート支持部123側に対応する位置である。
【0056】
この突起112Pはフレーム110と一体的に設けられる。また突起112Pは、基端部112aと、突端部112bと、その突端部112bから上側に向かいスパイン112の周面へ傾斜した上側傾斜面112cとを有する。基端部112aは、スパイン112との境界部分にあたる。
【0057】
また
図13等に示すように、突端部112bは突起112Pにおいて突出した端面であって、曲面状に、すなわちRをつけるように形成される。突端部112bの突出方向はまた、
図11,12等に示すように、基端部112aに対する上側傾斜面112cの勾配は緩く、これに対して突端部112bから下側(第1の部分116側)の勾配は相対的に急勾配であるように形成される。この突起112Pにより、例えば平綱(ベルト状部材)等を第1の部分116側に留めるようにされている。
【0058】
このような効果を意図するよう、突端部112bから下側の傾斜面の高さと勾配を確保することが望ましい。また、上側傾斜面112cの勾配をできるだけ抑えることにより、ベルト状部材を第1の部分116側に導きやすくなる。このための構成として、低勾配の上側傾斜面112cは所定の長さを確保することになる。この長さは下側の傾斜面に対して例えば2~7倍である。低勾配でかつ当該長さが短いと突端部112bの高さが確保できないためである。
【0059】
また、第1の部分116側に留め置く物品には様々な態様があり得る。例えば厚みのあるベルト状部材である場合も、通常の厚さのベルト状部材である場合もある。よって、これらの物品に広範に対応するため、突起112Pの下側の傾斜面の基端位置は、スパイン112の下端から、8mm以下の高さまでの位置にあることが望ましい。
【0060】
本実施形態の安全装置連結用コネクタ100によれば、スパイン112における第1の部分116側に突起112Pがある。なおかつその突起112Pにおける第1の部分116側の勾配は相対的に急勾配である。したがって、安全装置連結用コネクタ100が回転しようとしてベルト状部材がスパイン112に移動しようとしても突起112Pの下側の面に当接してその移動を阻止することが可能である。
【0061】
また、第2の部分118側は円弧状に形成されているため、フルハーネスの金属環も第2の部分118の内側に留め置かれるようになる。したがって、フルハーネス側の金属環と、ランヤード側のベルト状部材とでそれぞれ逆の方向に安全装置連結用コネクタを引っ張り合う状況が生じても、安全装置連結用コネクタ100において破断しやすくなる状況が生じるのを防止するように作用する。なお、以下の実施形態は、突起112Pを備える前提で記載されているが、スパイン112に突起を備えない構成であってもよい。
【0062】
また、連結環100の小型化を図るため、突起112Pの高さは平綱の幅と第1の部分116の幅の比に合わせて突出高さが決められる。
【0063】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態にかかる安全装置連結用コネクタ200について
図16~
図29を参照して説明する。なお、第1実施形態と共通の部分については適宜説明を割愛する。第2実施形態における安全装置連結用コネクタ200は、第1実施形態と同様にフレーム210、ゲート220を含んで構成される。フレーム210の構成は第1実施形態と同様、スパイン212の下部に第1の部分216、上部に第2の部分218が設けられる。また第1の部分216の先端にゲート支持部223が設けられ、第2の部分218の先端に開口214が設けられる。これらの形状、構成は第1実施形態と同様である。
【0064】
<ゲート支持部223、ノーズ214a>
ただし、
図23~29に示すように、後述のゲート220の回動方向を傾斜させるため、概ねその傾斜角度の分だけスパイン212に対してゲート支持部223が傾斜している。同様にノーズ214aも同様に傾斜されて構成される。
【0065】
<ゲート220>
ゲート220はゲート支持部223の回動軸Pに回動可能に支持されたゲート本体222と、それの周囲に設けられたロックカバー221とを含んで構成される。図示されたゲート220についてのツイストロック機構等は第1実施形態と同様である。ただし、回動軸Pは異なるため以下、概要を説明する。
【0066】
≪回動軸P’≫
第1実施形態の回動軸Pはノーズ114a(
図22~23等参照)とゲート支持部123の先端を結ぶ第2の方向と、スパイン112の一端と他端を結ぶ第1の方向とに対して直交するように設けられる。それに枢支されたゲート120は第1の方向および第2の方向を同一平面上にみたと仮定したときに、その平面と平行に回動していた。ただし、第2実施形態の場合はその仮定した平面に対してゲート220が傾斜して回動する。そのため、第1実施形態の回動軸Pに対して、第2実施形態における回動軸P’は、ゲート220を所定の傾斜角度に回動させるため傾斜して設けられる。当該傾斜角度については、以下のゲート220回動方向の説明において詳述する。
【0067】
≪回動方向≫
上記の通り、第2実施形態にかかるゲート220(例えば
図16~
図22)は、上記仮定した平面に対して所定角度だけ傾斜した角度で回動する。この所定角度について、
図26、
図29を参照して説明する。
図26、
図29における上の図に示すように、上記平面に対して回動方向が傾斜する角度は、ゲート220の先端の前部(
図26の視点における左側)がスパイン212の後方側に近接する角度である。これらの図においては、最もノーズ214aから離れた位置に回動したゲート220先端縁における左前部が、スパイン212の突起212Pの後方に近接している。上記所定角度は、そのような角度である。
【0068】
従来はゲートの基端から先端までの長さ分フレームの内側領域の広さを確保する必要がある。よって、第2の部分(118、218)が左右方向に広がり、そこに位置する軸部材(D環等)のがたつき防止が図れなくなっていた。また、広さの分だけ安全装置連結用コネクタが大型化し、重量が重くなってしまっていた。これに対し、本実施形態では回動方向を傾斜させゲート220の先端をフレーム210外へ逃がすことにより、ゲートの基端から先端までの長さ分フレームの内側領域の広さを確保する必要がなくなった。これにより、がたつきの防止と安全装置連結用コネクタの小型化を図ることができ、結果軽量化を図ることも可能となった。
【0069】
また本実施形態では、ゲート220の先端をフレーム210外へ逃がすだけでなく、ゲート220が、最もスパイン212側に倒れている状態で、ゲート220先端縁における左前部が、突起212Pの後方に近接するような回動方向になっている。これは、ゲート220が傾斜しつつもスパイン212側に回動することが望ましいためである。例えばツイストロック機構を解除状態にしてユーザーがゲート220を回動させることがしばしば行われる。これを想定すると、安全装置連結用コネクタに掛ける物品をフレーム210の内側方向にゲート220に押しつけて回動させる方法が掛けやすいためである。
【0070】
ただし、傾斜角度は-90°~-15°または15°+90°の範囲のいずれの角度であってもよい。さらにゲート220の操作性の観点から当該傾斜角度は-60°~-15°または15°~+60°の範囲であることが好ましい。言い換えるとゲート220先端縁における左前部あるいは右後部が中央側にくるとスパイン212にあたってしまう。よって、第2の部分218を拡げざるを得なくなる。結果全体として大型化し重くなる。また、-60°または60°を超えて傾斜させると、片手で握るようにしてゲートを開けることができなくなり、操作性が下がる。よって、上記角度が好ましい。
【0071】
(作用・効果)
以上説明した第2実施形態にかかる安全装置連結用コネクタ200の作用および効果について説明する。
【0072】
実施形態の安全装置連結用コネクタ200によれば、スパイン212の内側の面であって、その軸方向におけるゲート220の回動軸P側(下側)に突起212Pが設けられる。また、スパイン212とゲート支持部223との間を結ぶ第1の部分216は直線状または曲率が小さく形成されている。突起212Pにおけるその第1の部分216側の面は傾斜角度が大きく第1の部分216側に掛ける物品を留め置くように構成されている。また、第2の部分218は、円弧状、あるいは第1の部分216より曲率が大きく形成される。
【0073】
このような構成によれば、安全装置連結用コネクタ200の使用状態等により、安全装置連結用コネクタ200にかける物品が安全装置連結用コネクタ200を破損しやすい位置に移動することを防止することが可能である。
【0074】
また本実施形態では、ゲート220の先端をフレーム210外へ逃がしつつ、ゲート220先端縁における左前部が、スパイン212から離れすぎないように構成されている。このような構成によれば、ツイストロック機構を解除状態にしてユーザーがゲート220を回動させるときに、物品をゲート220に押しつけて回動させることができ、掛けやすくなる。また、このような構成により耐久性に影響が生じることを防止可能である。また、回動方向を傾斜させゲート220の先端をフレーム210外へ逃がすことにより、ゲートの基端から先端までの長さ分フレームの内側領域の広さを確保する必要がなくなった。これにより、がたつきの防止と安全装置連結用コネクタの小型化を図ることができ、結果軽量化を図ることも可能となった。
【0075】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態にかかる安全装置連結用コネクタ300について
図30を参照して説明する。なお、第2実施形態と共通の部分については適宜説明を割愛する。第3実施形態における安全装置連結用コネクタ300は、第2実施形態と同様にフレーム310、ゲート320を含んで構成される。フレーム310の構成は第1実施形態と同様、スパイン312の下部に第1の部分316、上部に第2の部分318が設けられる。また第1の部分316の先端にゲート支持部323が設けられ、第2の部分318の先端にノーズ314aが設けられる。これらの形状、構成は第2実施形態と同様である。
【0076】
<突起312P>
第3実施形態においては、突起312Pは、スパイン312の前方から右方(フレーム310の内側方向)を経由して後方まで、スパイン312内側の面を覆うように設けられる。なお、突起312Pの基端部312a、突端部312bが曲面状であること、上側傾斜面312cの傾斜角度については、第1実施形態における説明と同様である。
【0077】
なお、第3実施形態においては、スパイン312の前方から右方(フレーム310の内側方向)を経由して後方まで、スパイン312内側の面を覆うように設けられる。しかしこのような構成に限られない。例えばスパイン312の軸周りを覆うように1周回るように突起312Pが円錐台形状、または錐台形状に設けられてもよい。
【0078】
(作用・効果)
以上説明した第3実施形態にかかる安全装置連結用コネクタによっても、その使用状態等により、安全装置連結用コネクタ300にかける物品が安全装置連結用コネクタ300を破損しやすい位置に移動することを防止することが可能である。
【0079】
また本実施形態と第2実施形態の組み合わせにおいては、第2実施形態と同様に、ツイストロック機構を解除状態にしてユーザーがゲート320を回動させるときに、物品をゲート320に押しつけて回動させることができ、掛けやすくなる。また、このような構成により耐久性に影響が生じることを防止可能である。
【0080】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態にかかる安全装置連結用コネクタ300について
図31~36を参照して説明する。なお、第1~第3実施形態と、異なるのはフレームの第1の部分と第2の部分のみであるためその他の部分については説明を割愛する。
【0081】
第4実施形態における安全装置連結用コネクタは、上記各実施形態と同様にフレームおよびゲートを含んで構成される。フレームのスパインの構成については上記各実施形態と同様であるが、スパイン312の下部と連なる第1の部分の形状と、上部に連なる第2の部分の形状とが異なる。なお、第1の部分の先端にゲート支持部が設けられ、第2の部分の先端にノーズが設けられることは上記各実施形態と同様である。
【0082】
図31~36に示すように、第4実施形態においては、上記各実施形態における第1の部分の形状と第2の部分の形状とが入れ替わっている。すなわち、第1の部分が円弧状であり、第2の部分が直線状あるいは曲率の小さい直線的な曲線状に形成される。
【0083】
なお、第4実施形態においても、フレーム全体として、フレームの各端側をそれぞれ中央側へ圧縮することによってこれにより金属組織を密にする構成である。これにより、引張荷重への耐性、耐衝撃性、疲労強度が高められる。
【0084】
(作用・効果)
以上説明した第4実施形態にかかる安全装置連結用コネクタによっても、その使用状態等により、安全装置連結用コネクタにかける物品が安全装置連結用コネクタを破損しやすい位置に移動することを防止することが可能である。
【0085】
また本実施形態は例えば第1~第3実施形態と異なり、レスキュー用ロープ、ザイルロープのような直径16mm、18mmにも及ぶ物品を第2の部分側に掛けることを想定しており、第1~第3実施形態のような大きいもので直径13mmまでのD環と比較して第2の部分の幅を確保しなければならない状況に応じる必要がある。また、レスキューの場合、レスキューロープの取り付け取り外しを極めて迅速に行う必要があり、そのためには幅に余裕が必要となる。
【0086】
上記第1~第4実施形態およびそれらの変形例にかかる安全装置連結用コネクタは、その使用状態等により、安全装置連結用コネクタにかける物品が安全装置連結用コネクタを破損しやすい位置に移動することを防止することが可能である。その結果、クライミングや高所作業、レスキューに用いる安全帯と命綱との連結等に使用する場合は、安全装置連結用コネクタの破損による事故を防止することが可能であり、かつユーザーに安心感を与えることが可能である。コンテナ、作業道具等に使用する場合も、これらコンテナ、工具等の落下による事故、これらの破損による経済的損失を防止することが可能である。
【0087】
なお、上記各実施形態や変形例は適宜組み合わせて各実施形態の効果を得ること、および組み合わせたときの相乗効果を得ることが可能である。
線状部分の一端から折り返すように湾曲して形成されたフック部を有し、当該湾曲した先端から当該湾曲部分の内側の領域を引っ掛け領域とするフレームと、フレームの前記直線状部分の他端側に支持され、フック部の先端に対して当接する方向と離れる方向との間で回動するゲートと、ゲートの回動軸と、フレームに対し、回動軸の軸方向と略同じ方向に穿たれた孔部と、孔部に沿って往復移動可能であり、フレームの一方側に向かって付勢され、当該一方側において孔部から突出する当接部を有するロック部と、を備える。
【0088】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態にかかる安全装置連結用コネクタ500について
図37~
図45を参照して説明する。なお、第2実施形態と共通の部分については適宜説明を割愛する。第5実施形態における安全装置連結用コネクタ500は、第2実施形態と同様にフレーム510、ゲート520を含んで構成される。フレーム510の構成は第2実施形態と同様、スパイン512の下部に第1の部分516、上部に第2の部分518が設けられる。また第1の部分516の先端にゲート支持部523が設けられ、第2の部分518の先端にノーズ514aが設けられる。これらの形状、構成は第2実施形態と同様である。
【0089】
<スパイン512>
第5実施形態においては、第2実施形態と異なり、突起212Pが設けられない。
【0090】
(作用・効果)
以上説明した第5実施形態にかかる安全装置連結用コネクタによっても、その使用状態等により、安全装置連結用コネクタ500にかける物品が安全装置連結用コネクタ500を破損しやすい位置に移動することを防止することが可能である。
【0091】
また第2実施形態と同様に、ツイストロック機構を解除状態にしてユーザーがゲート520を回動させるときに、物品をゲート520に押しつけて回動させることができ、掛けやすくなる。また、このような構成により耐久性に影響が生じることを防止可能である。また、回動方向を傾斜させゲート520の先端をフレーム510外へ逃がすことにより、ゲートの基端から先端までの長さ分フレームの内側領域の広さを確保する必要がなくなった。これにより、がたつきの防止と安全装置連結用コネクタの小型化を図ることができ、結果軽量化を図ることも可能となった。
【0092】
(付記)
[請求項A] 端部同士が向き合うようにされた開曲線状に形成され、当該端部の間から安全装置の連結部を入れるようにした開口を有するフレームと、 前記開口を塞ぐように設けられ、かつ前記フレームの一端部に支持され、他端部と当接しているとき前記開口を閉状態とし、他端部との当接が解除されると前記開口を開状態とするゲートと、を備え、 前記フレームは、 前記開口と反対側にスパインを有し、 そのスパインの各端部と連続する各フレーム部分のうち、フレームのゲート支持部側の端部に連続する第1の部分を有し、 さらにそのスパインにおける前記第1の部分側に対する反対側と、前記ゲート先端部とが当接する部分であるノーズとを結ぶ第2の部分を有し、 前記ゲートが回動して、その先端が前記フレームの前記一端部から最も離れたとき、前記スパインの一端から他端へ向かう第1の方向、および前記一端部と前記他端部とを結ぶ第2の方向を同一平面上に見たときに、その平面に対して、前記ゲートの延伸方向が10°以上傾斜する安全装置連結用コネクタ。[請求項B] 前記第1の部分は、直線状または帯状体が掛けられるように曲率が小さく形成され、 各フレーム部分のうち、前記第1の部分の反対側に位置し、前記第2の部分は、軸部材からなる環状部材の移動を抑制するように曲率が大きく形成される ことを特徴とする請求項Aに記載の安全装置連結用コネクタ。[請求項C] 少なくともフレームの内側に突出することにより、前記開口側と、該開口と反対側のスパイン側との間の領域を一部狭める突出部と、を備え、 前記突出部は、前記フレームの一端部側を下方、前記フレームの他端部側を上方としたときに、前記スパインの当該下方側または前記一端部近傍に設けられ、前記フレームと一体的に形成され、 前記ゲートは、前記フレームの一端部に枢支され、前記閉状態から該一端部を中心として回動されると前記他端部との当接が解除され前記開状態となることを特徴とする請求項AまたはBに記載の安全装置連結用コネクタ。[請求項D] 前記突出部は、前記スパインに設けられる ことを特徴とする請求項AからCのいずれか1項に記載の安全装置連結用コネクタ。[請求項E] 前記突出部は、前記フレームの内側だけでなく側面方向にも突出するように形成される ことを特徴とする請求項AからDのいずれか1項に記載の安全装置連結用コネクタ。[請求項F] 前記ゲートの傾斜角度は-90°~-15°または15°+90°の範囲のいずれの角度である ことを特徴とする請求項AからEのいずれか1項に記載の安全装置連結用コネクタ。[請求項G] 端部同士が向き合うようにされた開曲線状に形成され、当該端部の間から安全装置の連結部を入れるようにした開口を有するフレームと、開口を塞ぐように設けられ、かつフレームの一端部に支持され、他端部と当接しているとき前記開口を閉状態とし、他端部との当接が解除されると前記開口を開状態とするゲートと、を備える。 少なくともフレームの内側に突出することにより、開口側と、該開口と反対側のスパイン側の間の領域を一部狭める突出部とを備えてもよく、その突出部は、フレームの一端部側を下方、フレームの他端部側を上方としたときに、スパインの下方側に設けられ、フレームと一体的に形成される。
【0093】
この発明の実施形態を説明したが、上記の実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0094】
100、200、300 安全装置連結用コネクタ
110、210、310 フレーム
112、212、410 スパイン
112a、212a、312a 基端部
112b、212b、312b 突端部
112c、212c、312c 上側傾斜面
114、214、314 開口
114a、214a、314a ノーズ
116、216、316 第1の開口
118、218、318 第2の開口
120、220、320 ゲート
121、221、321 ロックカバー
122、222、322 ゲート本体
123、223、323 ゲート支持部
S1 先端側スリット
S2 基端側スリット
P,P´ 回動軸