(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-12
(45)【発行日】2025-05-20
(54)【発明の名称】カルバプロスタサイクリン類縁体の製造のための方法及び中間体
(51)【国際特許分類】
C07C 49/743 20060101AFI20250513BHJP
C07F 7/18 20060101ALI20250513BHJP
C07C 69/63 20060101ALI20250513BHJP
C07C 69/738 20060101ALI20250513BHJP
C07C 67/00 20060101ALI20250513BHJP
C07C 51/36 20060101ALI20250513BHJP
C07C 59/46 20060101ALI20250513BHJP
C12P 9/00 20060101ALI20250513BHJP
C12P 7/02 20060101ALI20250513BHJP
C12P 7/62 20220101ALI20250513BHJP
【FI】
C07C49/743 A CSP
C07F7/18 A
C07C69/63
C07C69/738 A
C07C67/00
C07C51/36
C07C59/46
C12P9/00
C12P7/02
C12P7/62
(21)【出願番号】P 2023071199
(22)【出願日】2023-04-25
【審査請求日】2023-04-25
(32)【優先日】2022-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512213583
【氏名又は名称】チャイロゲート インターナショナル インク.
【氏名又は名称原語表記】CHIROGATE INTERNATIONAL INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リン,チュン-ユ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ,ズー-マン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ,シ-イ
【審査官】伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-012743(JP,A)
【文献】特表2021-521229(JP,A)
【文献】特開平01-102059(JP,A)
【文献】Journal of the American Chemical Society,1987年,Vol. 109,pp. 4755-4756
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07F
C12P
CAplus/REGISTRY(STN)
CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1で表されるラセミ化合物又は光学活性化合物
【化1】
(式中、Yは-CH
2OP又は-COOR
1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又はメトキシメチル、メトキシチオメチル、2-メトキシエトキシメチル、ビス(2-クロロエトキシ)メチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、4-メトキシテトラヒドロピラニル、4-メトキシテトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、テトラヒドロチオフラニル、1-エトキシエチル、1-メチル-1-メトキシエチル、トリフェニルメチル、アリル、アセチル、ベンジル、置換ベンジル、アシル、置換アシル及びSiR
aR
bR
c(R
a、R
b及びR
cはそれぞれ独立して、C
1-4アルキル、アリール、アラルキル、置換アリール又は置換ベンジルである)からなる群より選択される水酸基保護基であり(前記置換ベンジル、前記置換アシル、前記置換アリールの置換基は各々独立して、ハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシ
及びアリールオキ
シからなる群より選択される1以上である);R
1はC
1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC
1-4-アルキル、C
2-7-アルケニル、C
2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。)。
【請求項2】
(R)-エナンチオマーを多く含み、少なくとも95%エナンチオマー過剰率の光学純度を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
(R)-エナンチオマーを多く含み、少なくとも99%エナンチオマー過剰率の光学純度を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
(R)-エナンチオマーを多く含み、少なくとも99.9%エナンチオマー過剰率の光学純度を有する、請求項1に記載で表される化合物。
【請求項5】
(R)-エナンチオマーを多く含み、少なくとも95%エナンチオマー過剰率の光学純度を有する式(R)-1で表される化合物
【化2】
(式中、Yは-CH
2OP又は-COOR
1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又はメトキシメチル、メトキシチオメチル、2-メトキシエトキシメチル、ビス(2-クロロエトキシ)メチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、4-メトキシテトラヒドロピラニル、4-メトキシテトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、テトラヒドロチオフラニル、1-エトキシエチル、1-メチル-1-メトキシエチル、トリフェニルメチル、アリル、アセチル、ベンジル、置換ベンジル、アシル、置換アシル及びSiR
aR
bR
c(R
a、R
b及びR
cはそれぞれ独立して、C
1-4アルキル、アリール、アラルキル、置換アリール又は置換ベンジルである)からなる群より選択される水酸基保護基であり(前記置換ベンジル、前記置換アシル、前記置換アリールの置換基は各々独立して、ハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシ
及びアリールオキ
シからなる群より選択される1以上である);R
1はC
1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC
1-4-アルキル、C
2-7-アルケニル、C
2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシで置換されている。)の製造方法であって、
(1)式1で表される化合物
【化3】
(式中、Y及びXは上記定義の通りである。)を式Dで表されるアシル供与体
【化4】
(式中、R
4及びR
5は独立してH又はC
1-6アルキルである。)、及び第1のリパーゼとエナンチオ選択的に(R)-エステル化して、式(R)-1b’で表される(R)-エステル及び式(S)-1で表される未反応の(S)-アルコールを形成する工程;
【化5】
(2)未反応の(S)-アルコールを除去する工程;及び
(3)得られた(R)-エステルを脱アシル化する工程
を含む製造方法。
【請求項6】
式Dで表されるアシル供与体が、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、吉草酸ビニル、吉草酸イソプロペニル、酪酸ビニル、酪酸イソプロペニル及びその混合物からなる群より選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のリパーゼが、Burkholderia cepacia、Candida antarcitica、Alcaligenese sp.、Pseudomonas stutzri、Pseudomonas cepacia又はその混合物に由来する、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
(i)前記(3)の脱アシル化する工程がCandida cylindracea、Pseudomonas stutzri、Alcaligenese sp.、Achromobacter sp.、Burkholderia cepacia、Candida antarcitica又はその混合物に由来する第2のリパーゼを用いる酵素的開裂反応を含むか;又は(ii)前記(3)の脱アシル化する工程が化学的加水分解である、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のリパーゼが、Candida antarciticaに由来する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記(2)の除去する工程がアゾジカルボン酸ジアルキル及びトリアルキル/トリアリールホスフィン存在下で、前記(S)-アルコールを式R
4COOH(R
4は請求項5に定義の通りである。)で表されるアシルオキシ供与体と反応させることによって、未反応の(S)-アルコールを対応する(R)-エステルに変換することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
アゾジカルボン酸ジアルキルがアゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、アゾジカルボン酸ジベンジル及びその混合物からなる群より選択され、トリアルキル/トリアリールホスフィンがトリ-n-ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン及びその混合物からなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
(R)-エナンチオマーを多く含み、少なくとも95%エナンチオマー過剰率の光学純度を有する式(R)-1dで表される化合物
【化6】
(式中、XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;R
4はH又はC
1-6アルキルである。)の製造方法であって、
(1)式1aで表される化合物
【化7】
(式中、XはF、Cl、Br、I又は-OTsである。)を、式Dで表されるアシル供与体
【化8】
(式中、R
4及びR
5は独立してH又はC
1-6アルキルである。)と第1のリパーゼでエナンチオ選択的に(R)エステル化する工程に付し、式(R)-1dで表される化合物と式(S)-1eで表される化合物との混合物
【化9】
を得る工程;及び
(2)式(S)-1eで表される化合物を除去する工程
を含む製造方法。
【請求項13】
式Dで表されるアシル供与体が、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、吉草酸ビニル、吉草酸イソプロペニル、酪酸ビニル、酪酸イソプロペニル及びその混合物からなる群より選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のリパーゼが、Burkholderia cepacia、Candida antarcitica、Alcaligenese sp.、Pseudomonas stutzri、Pseudomonas cepacia又はその混合物に由来する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記(2)除去する工程がアゾジカルボン酸ジアルキル及びトリアルキル/トリアリールホスフィン存在下で、式(S)-1eで表される化合物を、式R
4COOH(R
4は、請求項12に定義の通りである。)で表されるアシルオキシ供与体と反応させることによって、式(S)-1eで表される化合物を対応する(R)-エステルに変換することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
アゾジカルボン酸ジアルキルがアゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、アゾジカルボン酸ジベンジル及びその混合物からなる群より選択され、トリアルキル/トリアリールホスフィンがトリ-n-ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン及びその混合物からなる群より選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
式4で表される化合物
【化10】
(式中、Yは-CH
2OP又は-COOR
1であり;PはH又は水酸基保護基であり;R
1はC
1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC
1-4-アルキル、C
2-7-アルケニル、C
2-7-アルケニル、C
2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換され;R
2はH又はC
1-4-アルキルであり;R
3はC
1-7-アルキル、C
1-7-アルキニル、アリール又はアリールオキシであり、その各々は非置換であるか又はC
1-7-アルキル、ハロゲンもしくはトリハロメチルによって置換されている。)の製造方法であって、
(1)式1で表される出発化合物
【化11】
(式中、Xは、F、Cl、Br、I又は-OTsであり;P
1は水酸基保護基であり;Yは上記定義の通りである。)を、式L
1、式L
2又は式L
3で表される化合物
【化12】
(式中、X
1はCl、Br又はIであり;P
2は水酸基保護基であり;R
2 及びR
3は上記定義の通りである。)に由来する出発銅酸塩との反応に付し、式2で表される化合物
【化13】
(式中、P、X、Y、R
2及びR
3は上記定義の通りである。)を形成する工程;
(2)式2で表される化合物のケトン基のメチレン化により、式3で表される化合物
【化14】
(式中、P、X、Y、R
2及びR
3は上記定義の通りである。)を形成する工程:
(3)式3で表される化合物への分子内環化反応を行って、式4で表される化合物
【化15】
(式中、P、Y、R
2 及びR
3は上記定義の通りである。)を形成する工程;
及び
(4)任意にP
1及び/又はP
2を除去するための脱保護反応を行う工程
を含む製造方法(前記水酸基保護基はメトキシメチル、メトキシチオメチル、2-メトキシエトキシメチル、ビス(2-クロロエトキシ)メチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、4-メトキシテトラヒドロピラニル、4-メトキシテトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、テトラヒドロチオフラニル、1-エトキシエチル、1-メチル-1-メトキシエチル、トリフェニルメチル、アリル、アセチル、ベンジル、置換ベンジル、アシル、置換アシル及びSiR
aR
bR
c(R
a、R
b及びR
cはそれぞれ独立して、C
1-4アルキル、アリール、アラルキル、置換アリール又は置換ベンジルである)からなる群より選択され、前記置換ベンジル、前記置換アシル、前記置換アリールの置換基は各々独立して、ハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシ
及びアリールオキ
シからなる群より選択される1以上である)。
【請求項18】
分子内環化反応がパラジウム触媒及び塩基を用いたホウ素試薬との分子内Suzuki反応であり、式4で表される化合物を形成する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
分子内環化反応が
(a)式3で表される化合物をホウ素試薬でヒドロホウ素化し、続いて塩基性過酸化水素で酸化して式3'で表されるアルコール化合物
【化16】
(式中、P、X、Y、R
2及びR
3は請求項17に定義の通りである。)を形成する工程;
(b)塩基存在下、スルホニル供与体を用いて式3'で表される化合物をスルホニル化して、式3''で表される化合物
【化17】
(式中、Zはスルホニル基であり、P、X、Y、R
2及びR
3は上記定義の通りである。)を形成する工程;及び
(c)塩基存在下で式3で表される化合物を分子内アルキル化することにより、式4で表される化合物を形成する工程
を含む、請求項17に記載の製造方法。
【請求項20】
式4aで表される化合物
【化18】
(式中、Yは-CH
2OP又は-COOR
1であり;PはH又は水酸基保護基であり;R
1はC
1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は、非置換であるか又はC
1-4-アルキル、C
2-7-アルケニル、C
2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。)の製造方法であって、
(1')式(R)-1で表される光学富化化合物
【化19】
(式中、XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;P
1は水酸基保護基であり;Yは上記定義の通りである。)を、式L
1a、式L
2a又は式L
3aで表される化合物
【化20】
(式中、X
1はCl、Br又はIであり、P
2は水酸基保護基である。)に由来する銅酸塩との反応に付し、式2aで表される化合物
【化21】
(式中、P、X及びYは上記定義の通りである。)を形成する工程;
(2')式2aで表される化合物のケトン基のメチレン化により式3aで表される化合物
【化22】
(式中、P、X及びYは上記定義の通りである。)を形成する工程;
(3')式3aで表される化合物への分子内環化反応を行って、式4aで表される化合物
【化23】
(式中、P及びYは上記定義の通りである。)を形成する工程;及び
(4')任意にP
1及び/又はP
2を除去するための脱保護反応を行う工程
を含む、請求項17に記載の製造方法。
【請求項21】
分子内環化反応がパラジウム触媒及び塩基を用いたホウ素試薬との分子内Suzuki反応であり、式4aで表される化合物を形成する、請求項20に記載の製造方法。
【請求項22】
分子内環化反応が
(a)式3aで表される化合物をホウ素試薬でヒドロホウ素化し、続いて塩基性過酸化水素で酸化して式4a-1で表されるアルコール化合物
【化24】
(式中、P、X及びYは請求項20に定義の通りである。)を形成する工程;
(b)塩基存在下で式4a-1で表される化合物のスルホニル供与体とのスルホニル化反応により式4a-2で表される化合物
【化25】
(式中、Zはスルホニル基であり;P、X及びYは上記定義の通りである。)を形成する工程;及び
(c)塩基の存在下での式4a-2で表される化合物の分子内アルキル化により、式4aで表される化合物を形成する工程
を含む、請求項20に記載の製造方法。
【請求項23】
式4bで表される化合物
【化26】
(式中、Yは-CH
2OP又は-COOR
1であり;PはH又は水酸基保護基であり;R
1はC
1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は、非置換であるか又はC
1-4-アルキル、C
2-7-アルケニル、C
2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。)の製造方法であって、
(1''')式(R)-1で表される光学富化化合物
【化27】
(式中、XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;P
1は水酸基保護基であり;Yは上記定義の通りである。)と、式L
1b、式L
2b又は式L
3bで表される化合物
【化28】
(式中、X
1はCl、Br又はIであり、P
2は水酸基保護基である。)に由来する銅酸塩との反応に付し、式2bで表される化合物
【化29】
(式中、P、X及びYは上記定義の通りである。)を形成する工程;
(2''')式2bで表される化合物のケトン基のメチレン化により式3bで表される化合物
【化30】
(式中、P、X及びYは上記定義の通りである。)を形成する工程;
(3''')式3bで表される化合物への分子内環化反応を行って、式4bで表される化合物
【化31】
(式中、P及びYは上記定義の通りである。)を形成する工程;及び
(4''')任意にP
1及び/又はP
2を除去するための脱保護反応を行う工程
を含む、請求項17に記載の製造方法。
【請求項24】
分子内環化反応が、式4bで表される化合物を形成するための、パラジウム触媒及び塩基を用いたホウ素試薬との分子内Suzuki反応である、請求項23に記載の製造方法。
【請求項25】
分子内環化反応が
(a)式3bで表される化合物をホウ素試薬でヒドロホウ素化し、続いて塩基性過酸化水素で酸化して式4b-1で表される化合物
【化32】
(式中、P、X及びYは請求項23に定義の通りである。)を形成する工程;
(b)塩基存在下でスルホニル供与体と式4b-1で表される化合物のスルホニル化反応により式4b-2で表される化合物
【化33】
(式中、Zはスルホニル基であり;P、X及びYは上記定義の通りである。)を形成する工程;及び
(c)塩基存在下で式4b-2で表される化合物を分子内アルキル化することにより、式4bで表される化合物を形成する工程
を含む、請求項23に記載の製造方法。
【請求項26】
式2aで表される化合物
【化35】
(式中、Yは-CH
2OP又は-COOR
1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又はメトキシメチル、メトキシチオメチル、2-メトキシエトキシメチル、ビス(2-クロロエトキシ)メチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、4-メトキシテトラヒドロピラニル、4-メトキシテトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、テトラヒドロチオフラニル、1-エトキシエチル、1-メチル-1-メトキシエチル、トリフェニルメチル、アリル、アセチル、ベンジル、置換ベンジル、アシル、置換アシル及びSiR
aR
bR
c(R
a、R
b及びR
cはそれぞれ独立して、C
1-4アルキル、アリール、アラルキル、置換アリール又は置換ベンジルである)からなる群より選択される水酸基保護基であり(前記置換ベンジル、前記置換アシル、前記置換アリールの置換基は各々独立して、ハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシ
及びアリールオキ
シからなる群より選択される1以上である);R
1はC
1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC
1-4-アルキル、C
2-7-アルケニル、C
2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。)。
【請求項27】
式2bで表される化合物
【化36】
(式中、Yは-CH
2OP又は-COOR
1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又はメトキシメチル、メトキシチオメチル、2-メトキシエトキシメチル、ビス(2-クロロエトキシ)メチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、4-メトキシテトラヒドロピラニル、4-メトキシテトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、テトラヒドロチオフラニル、1-エトキシエチル、1-メチル-1-メトキシエチル、トリフェニルメチル、アリル、アセチル、ベンジル、置換ベンジル、アシル、置換アシル及びSiR
aR
bR
c(R
a、R
b及びR
cはそれぞれ独立して、C
1-4アルキル、アリール、アラルキル、置換アリール又は置換ベンジルである)からなる群より選択される水酸基保護基であり(前記置換ベンジル、前記置換アシル、前記置換アリールの置換基は各々独立して、ハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシ
及びアリールオキ
シからなる群より選択される1以上である);R
1はC
1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC
1-4-アルキル、C
2-7-アルケニル、C
2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。)。
【請求項28】
式3で表される化合物
【化37】
(式中、Yは-CH
2OP又は-COOR
1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又はメトキシメチル、メトキシチオメチル、2-メトキシエトキシメチル、ビス(2-クロロエトキシ)メチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、4-メトキシテトラヒドロピラニル、4-メトキシテトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、テトラヒドロチオフラニル、1-エトキシエチル、1-メチル-1-メトキシエチル、トリフェニルメチル、アリル、アセチル、ベンジル、置換ベンジル、アシル、置換アシル及びSiR
aR
bR
c(R
a、R
b及びR
cはそれぞれ独立して、C
1-4アルキル、アリール、アラルキル、置換アリール又は置換ベンジルである)からなる群より選択される水酸基保護基であり(前記置換ベンジル、前記置換アシル、前記置換アリールの置換基は各々独立して、ハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシ
及びアリールオキ
シからなる群より選択される1以上である);R
1はC
1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC
1-4-アルキル、C
2-7-アルケニル、C
2-7-アルキニル、C
2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換され;R
2 はH又は-C
1-4であり;R
3はC
1-7-アルキル、C
2-7-アルキニル、アリール又はアリールオキシであり、その各々は非置換であるか又はC
1-7-アルキル、ハロゲンもしくはトリハロメチルによって置換されている。)。
【請求項29】
式3aで表される化合物
【化38】
(式中、Yは-CH
2OP又は-COOR
1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又は前記水酸基保護基であり;R
1はC
1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC
1-4-アルキル、C
2-7-アルケニル、C
2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。)である、請求項28記載の化合物。
【請求項30】
式3bで表される化合物
【化39】
(式中、Yは-CH
2OP又は-COOR
1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又は前記水酸基保護基であり;R
1はC
1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC
1-4-アルキル、C
2-7-アルケニル、C
2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。)である、請求項28記載の化合物。
【請求項31】
式3''で表される化合物
【化40】
(式中、Yは-CH
2OP又は-COOR
1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;ZはH又はスルホニル基であり;PはH又はメトキシメチル、メトキシチオメチル、2-メトキシエトキシメチル、ビス(2-クロロエトキシ)メチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、4-メトキシテトラヒドロピラニル、4-メトキシテトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、テトラヒドロチオフラニル、1-エトキシエチル、1-メチル-1-メトキシエチル、トリフェニルメチル、アリル、アセチル、ベンジル、置換ベンジル、アシル、置換アシル及びSiR
aR
bR
c(R
a、R
b及びR
cはそれぞれ独立して、C
1-4アルキル、アリール、アラルキル、置換アリール又は置換ベンジルである)からなる群より選択される水酸基保護基であり(前記置換ベンジル、前記置換アシル、前記置換アリールの置換基は各々独立して、ハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシ
及びアリールオキ
シからなる群より選択される1以上である);R
1はC
1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC
1-4-アルキル、C
2-7-アルケニル、C
2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換され;R
2 はH又は-C
1-4であり;R
3はC
1-7-アルキル、C
2-7-アルキニル、アリール又はアリールオキシであり、その各々は非置換であるか又はC
1-4-アルキル、ハロゲンもしくはトリハロメチルによって置換されている。)。
【請求項32】
式3'aで表される化合物
【化41】
(式中、Yは-CH
2OP又は-COOR
1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;ZはH又はスルホニル基であり;PはH又は前記水酸基保護基であり;R
1はC
1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC
1-4-アルキル、C
2-7-アルケニル、C
2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。)である、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
式3'bで表される化合物
【化42】
(式中、Yは-CH
2OP又は-COOR
1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;ZはH又はスルホニル基であり;PはH又は前記水酸基保護基であり;R
1はC
1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC
1-4-アルキル、C
2-7-アルケニル、C
2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。)である、請求項31に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルバプロスタサイクリン類縁体の製造のための新規な方法及び中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
プロスタサイクリンの発見以来、多くの化学的及び代謝的に安定なプロスタサイクリン類縁体が、臨床的に有効な抗血栓剤として開発されてきた。これらのうち、カルバプロスタサイクリン類縁体は最も魅力的な化合物の一部である。例えば、イロプロスト及び16S-イロプロストは、肺高血圧症及び血管疾患の治療に有効である。
【0003】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【文献】Journal of Organic Chemistry, 1981, 46, 1954
【文献】Journal of Organic Chemistry, 1983, 48, 5341
【文献】Journal of the American Chemical Society, 2005, 127, 17910-17920
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
産業界において、カルバプロスタサイクリン類縁体の大量生産のための最新の方法、例えば、スキーム1に示すように、非特許文献1、非特許文献2及び特許文献1に記載の方法は、出発物質として高価なプロスタグランジン類中間体、Coreyラクトンを使用し、二環式ラクトンA(bicyclic Lactone A)を二環式ケトンB(bicyclic Lactone B)に変換するために4工程の反応を使用する。
【0007】
【0008】
しかしながら、この4つの工程のほとんどどれも効率的な反応とはみなすことができない。例えば、非特許文献1には、第1工程のアルキル化反応(alkylation)において、約20%の出発物質が完全に反応せず、第2工程の酸化反応(oxidation)において、29%以下の除去された副生成物(eliminated byproduct)が生成し、第3工程の分子内(intramolecular) Horner-Wadworth-Emmons(HWE)反応において、大量の分子間副生成物(intermolecular byproduct)が生成することが記載されている。さらに、特許文献1には、第4工程の水素化工程の収率がたった23%であると記載されている。したがって、非特許文献1や特許文献1の方法での4工程反応の全体収率は非常に低い。
【0009】
さらに、二環式ケトンBからカルバプロスタサイクリン類縁体、C5~C6(E)-オレフィンへの合成手順はスキーム2に示すように、二環式ケトンBのWittig反応によって形成される。しかしながら、非特許文献2に記載のWittig反応は選択性が非常に低く、約35%のZ型副生成物(Z-異性体不純物)を生成する。特許文献1は同じWittig反応を使用して、C5~C6(E)-オレフィンを形成するが、これはまた、約40%のZ型副生成物(Z-異性体不純物)を生成し、生成したZ型副生成物を除去することは非常に困難である。特許文献1には、Z型副生成物の量を0.2~0.5%未満に減少させるために分取HPLCを使用することができると記載されている。特許文献1にはまた、望まないZ-異性体が、異性化によって1:1の比を有するZ-異性体とE-異性体との混合物を形成できると記載されているが、その混合物からは所望のE-異性体はわずかな量しか、分取HPLCを介して再利用することができない。この方法は時間を要し、高価であり、大量生産が困難である。
【0010】
【0011】
さらに、スキーム3に示すように、非特許文献3は、Z型副生成物の生成を阻害するために式Cで表される短鎖キラルホスホナートを使用するが、式Cで表されるキラルホスホナートは高価であり、またいくつかの追加反応が必要なため、製造コストが著しく増加する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記を考慮すると、製造コスト削減のために、本発明は、イロプロスト及び16(S)-イロプロスト等のカルバサイクリックプロスタサイクリンを製造するための、より効率的かつ選択的な手法を提供する。
一態様では、本発明は、式1で表されるラセミ又は光学活性シクロペンテノンを提供する。
【0014】
【0015】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。
一態様では、本発明は、式(R)-1で表される光学活性シクロペンテノンを提供する。
【0016】
【0017】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり、XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり、PはH又は水酸基保護基であり、R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換され、本化合物は少なくとも95%エナンチオマー過剰率の光学純度を有する。
一態様では、本発明は、式(R)-1で表される光学活性シクロペンテノンの新規な製造方法を提供する。
一態様では、本発明は、式(R)-1dで表される化合物の新規な製造方法を提供する。
【0018】
【0019】
式中、XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;R4はH又はC1-6アルキルである。
一態様では、本発明は、式4で表される化合物の製造方法を提供する。
【0020】
【0021】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;PはH又は水酸基保護基であり; R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換され;R2 はH又はC1-4-アルキルであり;R3はC1-7-アルキル、C2-7-アルキニル、アリール又はアリールオキシであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、ハロゲンもしくはトリハロメチルによって置換されている。
一態様では、本発明は、式4aで表される化合物の新規な製造方法を提供する。
【0022】
【0023】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくははアルコキシによって置換されている。
一態様では、本発明は、式4bで表される化合物の新規な製造方法を提供する。
【0024】
【0025】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。
一態様では、本発明は、カルバプロスタサイクリン類似体の製造のための、式2で表される中間体を提供する。
【0026】
【0027】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換され;R2はH又はC1-4-アルキルであり;R3はC1-7-アルキル、C2-7-アルキニル、アリール又はアリールオキシであり、その各々は非置換であるか又はC1-7-アルキル、ハロゲンもしくはトリハロメチルによって置換されている。
一態様では、本発明は、カルバプロスタサイクリン類縁体の製造のための、式2aで表される中間体を提供する。
【0028】
【0029】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。
一態様では、本発明は、カルバプロスタサイクリン類縁体の製造のための、式2bで表される中間体を提供する。
【0030】
【0031】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。
一態様では、本発明は、カルバプロスタサイクリン類縁体の製造のための、式3で表される中間体を提供する。
【0032】
【0033】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換され;R2 はH又はC1-4-アルキルであり;R3はC1-7-アルキル、C2-7-アルキニル、アリール又はアリールオキシであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、ハロゲンもしくはトリハロメチルによって置換されている。
一態様では、本発明は、カルバプロスタサイクリン類縁体の製造のための、式3aで表される中間体を提供する。
【0034】
【0035】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。
一態様では、本発明は、カルバプロスタサイクリン類縁体の製造のための、式3bで表される中間体を提供する。
【0036】
【0037】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。
一態様では、本発明は、カルバプロスタサイクリン類縁体の製造のための、式3'で表される中間体を提供する。
【0038】
【0039】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;ZはH又はスルホニル基であり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシで置換され;R2はH又はC1-4-アルキルであり;R3はC1-7アルキル、C2-7アルキニル、アリール又はアリールオキシであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、ハロゲンもしくはトリハロメチルで置換されている。
一態様では、本発明は、カルバプロスタサイクリン類縁体の製造のための、式3'aで表される中間体を提供する。
【0040】
【0041】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;ZはH又はスルホニル基であり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。
一態様では、本発明は、カルバプロスタサイクリン類縁体の製造のための、式3'bで表される中間体を提供する。
【0042】
【0043】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;ZはH又はスルホニル基であり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。
一態様では、本発明は、式A2で表される中間体を提供する。
【0044】
【0045】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。
一態様では、本発明は、式A8で表される中間体を提供する。
【0046】
【0047】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。
【発明を実施するための形態】
【0048】
定義
本明細書で使用される用語「アルキル」は特に明記しない限り、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル等の1~30個(例えば、1~10個、1~6個又は1~4個)の炭素原子を含有する直鎖もしくは分枝鎖炭化水素基;又はシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチル等の3~10個(例えば、3~8個)の炭素原子を有する環式飽和炭化水素基を指す。アルキル基は、非置換であっても置換されていてもよい。
【0049】
本明細書で使用される用語「アルケニル」は別段の指示がない限り、2~20個(例えば、2~10個)の炭素原子及び1以上の炭素-炭素二重結合を有する直鎖もしくは分枝鎖炭化水素基、例えばペンテニル、プロペニル等;又は5~20個の炭素原子及び1以上の炭素-炭素二重結合を有する環式不飽和炭化水素基、例えばシクロペンテニル、シクロヘキセニル等を指す。アルケニル基は、非置換であっても置換されていてもよい。
【0050】
本明細書で使用される用語「アルキニル」は別段の指示がない限り、2~20個(例えば、2~10個)の炭素原子及び1以上の炭素-炭素三重結合、例えば、ペンチニル、プロピニル等を含有する直鎖又は分枝鎖炭化水素基;又は6~20個の炭素原子及び1以上の炭素-炭素三重結合を有する環式不飽和炭化水素基を指す。アルキニル基は、非置換であっても置換されていてもよい。
【0051】
本明細書で使用される用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル等の単環式又は多環式芳香族炭化水素基を指す。アリール基は、非置換であっても置換されていてもよい。
【0052】
本明細書で使用される用語「アラルキル」は、1~20個(例えば、1~10個又は1~6個)の炭素原子と、ベンジル、ベンズヒドリル、フルオレニルメチル等の上記の1以上のアリール基とを含有する直鎖又は分枝鎖炭化水素を指す。用語「アリールオキシ」は、フェノキシ、トリルオキシ、キシリルオキシ等であってもよい。アラルキル又はアリールオキシ基は、非置換であっても置換されていてもよい。
【0053】
上記のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール及びアラルキルの各々は、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、シアノ、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル及びカルボニルからなる群より選択される1以上の置換基又はピリジニル、チオフェニル、フラニル、イミダゾリル、モルホリニル、オキサゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、ピロリジノニル等からなる群より選択される複素環式基で任意に置換されていてもよい。
【0054】
「水酸基保護基」という用語は有機合成化学において従来定義されている意味であり、すなわち、化学反応の攻撃に対して化合物の官能基や部分を保護できる基を有する。保護基としてはメトキシメチル、メトキシチオメチル、2-メトキシエトキシメチル、ビス(2-クロロエトキシ)メチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、4-メトキシテトラヒドロピラニル、4-メトキシテトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、テトラヒドロチオフラニル、1-エトキシエチル、1-メチル-1-メトキシエチル、トリフェニルメチル、アリル、アセチル、ベンジル、置換ベンジル、アシル、置換アシル及びSiRaRbRcが挙げられるが、これらに限定されず、Ra、Rb及びRcはそれぞれ独立して、C1-4アルキル、アリール、アラルキル、置換アリール又は置換ベンジルである。上記アリール、ベンジル及びアシルの各々は独立して、ハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ等からなる群より選択される1以上の置換基で置換されていてもよい。
【0055】
【0056】
ラセミ又は光学活性のシクロペンテノン(式1)の合成経路
本発明は、式1で表されるラセミ又は光学活性のシクロペンテノンを提供する。
【0057】
【0058】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。
【0059】
式1で表される化合物は(R)-エナンチオマーを多く含み、少なくとも95%、少なくとも99%又は少なくとも99.9%エナンチオマー過剰率の光学純度を有する。
【0060】
本発明によれば、式(±)-1a及び(±)-1bで表されるラセミシクロペンテノンのような、式1で表される化合物を、スキームAに示す反応に従って製造することができる。スキームAに示すように、式A2で表されるα-ブロモ-α,β-不飽和アルデヒド化合物は、式A1で表される化合物の臭素化反応(工程1)によって製造され、次いで、式A2で表されるアルデヒド化合物を還元反応(工程2)に付し、式A3で表されるアリルアルコール化合物に変換される。さらに、メシル化反応(工程3)を行って、式A3中の水酸基をメシル酸基に変換し、式A4で表される化合物を形成する。次いで、式A4で表される化合物は、2-(1,3-ジチアン-2-イル)フランをn-ブチルリチウムと反応させることによって製造される式A4-1で表される有機リチウム化合物と反応して、置換反応(工程4)を介して、式A5で表される化合物を形成する。式A5で表される化合物を脱シリル化反応(工程5)、脱保護反応(工程6)及び還元反応(工程7)を経た後、式A8で表される化合物が形成される。次いで、式A8で表される化合物は、Piancatelli転位(工程8)及び異性化反応(工程9)を経て、式(±)-1aで表される化合物を得る。式(±)-1aで表される化合物は、保護反応(工程10)をさらに経て、式(±)-1bで表される化合物を生成する。
【0061】
【0062】
スキームAの工程1は、臭素化反応に関する。工程1において、式A2で表されるα-ブロモ-α,β-不飽和アルデヒド化合物は、式A1で表されるα,β-不飽和アルデヒド化合物を適した試薬で処理することで生成される。適した試薬は限定されないが、アセトニトリル系におけるN-ブロモスクシンイミド(NBS)及びピリジン-N-オキシド(PNO)の混合物;ジクロロメタン系におけるOXONE(登録商標)(KHSO5-0.5KHSO4-0.5K2SO4)、臭素及びトリエチルアミンの混合物;ジクロロメタン系における臭素及びピリジンの混合物;好ましくはアセトニトリル系におけるN-ブロモスクシンイミド(NBS)及びピリジン-N-オキシド(PNO)の混合物;及びジクロロメタンにおけるOXONE(登録商標)(KHSO5-0.5KHSO4-0.5K2SO4)、臭化水素酸(HBr)及びトリエチルアミンの混合物が挙げられる。この段階ではアセトニトリル系におけるN-ブロモスクシンイミド(NBS)とピリジン-N-オキシド(PNO)の混合物がより好ましい。本発明によれば、驚くべきことに、HPLCによる分析の後、式A2で表される新規臭素化生成物は、少なくとも約95%、少なくとも約99%、好ましくは少なくとも約99.5%、最も好ましくは少なくとも約99.9%のZ選択性で生成される。式A2で表される臭素化生成物は、E-異性体を実質的に含まないか、1.0%超のE-異性体を含まないか、0.5%超のE-異性体を含まないか、又は0.1%超のE-異性体を含まない。
【0063】
スキームBに示すように、工程1で生成した、式A2で表される中間体のZ-異性体は、式1で表されるシクロペンテノンのZ-異性体を形成するであろう。式1で表されるシクロペンテノンのZ-異性体は、最終のカルバプロスタサイクリンのE-異性体を形成するであろう。すなわち、工程1で生成された式A2で表される中間体の異性体のZ/E量比は、最終のカルバプロスタサイクリンの量に完全に対応する。
【0064】
【0065】
したがって、E-異性体を実質的に含まない、式A2で表されるZ型化合物から合成されるカルバプロスタサイクリンは、対応する望まないZ-異性体を含まない。対照的に、従来の合成カルバプロスタサイクリンは大量の望まないZ-異性体を生成し、これは、高価な分取用HPLCを使用することでしか除去することができないため、大量生産には利用できない。本発明において合成された(E)-カルバプロスタサイクリンは、Z-異性体をほとんど含まないため、望まないZ-異性体を分離及び除去するコストを効果的に削減することができる。
【0066】
スキームAの工程2は還元反応を含む。工程2において、式A2で表される化合物のカルボニル基は、還元試薬でヒドロキシル基に還元される。適した還元試薬は限定されないが、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化リチウム トリ-tert-ブトキシアルミニウム、トリアルキル水素化ホウ素リチウム、トリアルキル水素化ホウ素カリウム、ナトリウムトリアルキル水素化ホウ素及びその混合物が挙げられ、好ましくは水素化トリ(sec-ブチル)ホウ素リチウム(L-セレクトリド)、水素化トリ(sec-ブチル)ホウ素ナトリウム(N-セレクトリド)、水素化トリ(sec-ブチル)ホウ素カリウム(K-セレクトリド)、トリアミル水素化ホウ素リチウム、トリアミル水素化ホウ素カリウム及びその混合物が挙げられ、水素化ホウ素ナトリウムが還元試薬としてこの工程においてより好ましい。
【0067】
スキームAの工程3は、メシル化反応に関する。工程3において、式A4で表される化合物の、脱離基としてのメシレート基は、ジクロロメタン中のメシルクロリド及びトリエチルアミンを0℃で使用することによって、式A3で表される化合物の水酸基を保護することから得ることができる。
【0068】
スキームAの工程4は、置換反応に関する。工程4において、式A5で表される化合物は、2-(1,3-ジチアン-2-イル)フラン及びn-ブチルリチウムから製造される式A4-1で表される有機リチウム化合物を用いて、好ましくは約-70℃~約-50℃の範囲の温度で実施される置換反応によって生成することができる。
【0069】
スキームAの工程5は、脱シリル化反応を含む。工程5において、式A6で表される化合物を形成するための式A5で表される化合物の脱シリル化反応は、適した試薬を使用することによって実施される。適した試薬としては限定されないが、テトラ-n-ブチルアンモニウムフッ化物(TBAF)、塩化水素及びその混合物が挙げられる。この工程では、塩化水素がより好ましい。
【0070】
スキームAの工程6は、脱保護反応に関する。工程6において、式A7で表される化合物を形成するための式A6で表される化合物の脱保護反応は、適した試薬を使用することによって実施される。適した試薬としては限定されないが、ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼン(PIFA)、ヨウ素、酸化水銀(HgO)及びその混合物が挙げられる。この工程では、脱保護剤としてビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼン(PIFA)がより好ましい。
【0071】
スキームAの工程7は還元反応を含む。工程7において、式A7で表される化合物のケトン基を、還元試薬を用いてヒドロキシル基に還元して、式A8で表される化合物を形成する。適した還元試薬は限定されないが、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化リチウム トリ-tert-ブトキシアルミニウム、トリアルキル水素化ホウ素リチウム、トリアルキル水素化ホウ素カリウム、ナトリウムトリアルキル水素化ホウ素及びその混合物が挙げられ、好ましくは水素化トリ(sec-ブチル)ホウ素リチウム(L-セレクトリド)、水素化トリ(sec-ブチル)ホウ素ナトリウム(N-セレクトリド)、水素化トリ(sec-ブチル)ホウ素カリウム(K-セレクトリド)、トリアミル水素化ホウ素リチウム、トリアミル水素化ホウ素カリウム及びその混合物が挙げられ、水素化ホウ素ナトリウムが還元試薬としてこの工程においてより好ましい。
【0072】
スキームAの工程8は、Piancatelli転位に関する。工程8において、本反応は、適したリン酸緩衝溶液中で行い、次いで、加熱還流される。適したリン酸緩衝液は、この工程において、約2.0~4.5のpHを有するK2HPO4及びH3PO4を用いて調製することができる。
【0073】
スキームAの工程9は、異性化転位に関する。工程9において、本反応は、テトラヒドロフラン中、ヒドリドクロラール及びトリエチルアミンを使用することによって行うことができる。
【0074】
スキームAの工程10は、シリル化反応に関する。工程10では、テトラヒドロフラン中、tert-ブチルジメチルシリルクロリド及びイミダゾールを20℃未満で使用することにより、反応を行うことができる。第一級アルコールを最初に保護して、式1bで表される化合物を形成することができる。
したがって、本発明は、式A2で表される新規化合物をさらに提供する。
【0075】
【0076】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。
本発明は、式A8で表される新規化合物をさらに提供する。
【0077】
【0078】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。
【0079】
シクロペンテノン(式(R)-1)のキラル分割、
(R)-鏡像異性体を多く含み、少なくとも95%のエナンチオマー過剰率、好ましくは少なくとも約99%のエナンチオマー過剰率、最も好ましくは少なくとも約99.9%のエナンチオマー過剰率の光学純度を有する式(R)-1で表される化合物は、式1で表される出発化合物から製造することができる。式(R)-1で表される化合物は、以下の構造を有する。
【0080】
【0081】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり、XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり、P1はH又は水酸基保護基であり、R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。
この製造方法は、
(1)式1で表されるラセミ化合物
【0082】
【0083】
(式中、Y及びXは、上記定義の通りである。)を式Dで表されるアシル供与体
【0084】
【化29】
(式中、R
4及びR
5は独立してH又はC
1-6アルキルである。)と第1のリパーゼとの(R)-エステル化反応に付し、式(R)-1b'で表される(R)-エステル及び式(S)-1で表される未反応の(S)-アルコール
【0085】
【0086】
を形成する工程;
(2)未反応の(S)-アルコールを除去する工程;及び
(3)得られた(R)-エステルを脱アシル化する工程
を含む。
【0087】
工程1において、式Dで表されるアシル供与体は、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、吉草酸ビニル、吉草酸イソプロペニル、酪酸ビニル、酪酸イソプロペニル又はその混合物であってもよい。第1のリパーゼは市販されており、Burkholderia cepacia、Candida antarcitica、Alcaligenese sp.、Pseudomonas stutzri、Pseudomonas cepacia又はその混合物に由来するものであってもよい。
【0088】
(2)における除去する工程は、アゾジカルボン酸ジアルキル及びトリアルキル/トリアリールホスフィンの存在下で、(S)-アルコールを、式R4COOH(式中、R4はH又はC1-6アルキルである。)で表されるアシルオキシ供与体と反応させることによって、未反応の(S)-アルコールを対応する(R)-エステルに変換することを含む。適したアゾジカルボン酸ジアルキルとしては限定されないが、アゾジカルボキシレートジメチル(DMAD)、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)、アゾジカルボン酸ジ-tert-ブチル(DTBAD)、アゾジカルボン酸ジベンジル(DBAD)、アゾジカルボン酸ビストリクロロエチル(BTCEAD)、アゾジカルボン酸ジ-p-クロロベンジル(DCAD)、アゾジカルボン酸ジ-4-ニトロベンジル(DNAD)、アゾジカルボン酸ジシクロペンチル(DCPAD)及びその混合物;好ましくはアゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、アゾジカルボン酸ジベンジル及びその混合物が挙げられる。適したトリアルキル/トリアリールホスフィンとしては限定されないが、トリ-n-ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン及びその混合物、好ましくはトリフェニルホスフィンが挙げられる。
【0089】
(3)における脱アシル化する工程は、Candida cylindracea、Pseudomonas stutzri、Alcaligenese sp.、Achromobacter sp.、Burkholderia cepacia、Candida antarcitica又はその混合物、好ましくはCandida antarciticaに由来する第2のリパーゼを用いる酵素的開裂反応を含む。いくつかの実施形態において、(3)脱アシル化する工程(3)は、化学的加水分解である。
【0090】
光学活性シクロペンテノンの合成経路、式(R)-1b
スキームCは、式(R)-1bで表される光学活性シクロペンテノンの製造方法を示す。スキームCに示す反応により、式(±)-1bで表されるラセミシクロペンテノンをキラル分割して、(R)-エナンチオマーに富み、高い光学純度を有するシクロペンテノンを形成することができる。スキームCに示すように、式(±)-1bで表されるラセミ化合物は、第1のリパーゼを使用してエナンチオ選択的エステル化(工程1)を介して分割され、式(S)-1bで表される未反応アルコールと式(R)-1cで表される化合物との混合物を形成する。次いで、混合物を直接Mitsunobu反応(工程2)に付し、式(S)-1bで表されるアルコールを式(R)-1cで表される化合物に変換することができる。最後に、式(R)-1cで表される化合物を脱アシル化して、化学的加水分解反応又は酵素的開裂反応を用いることにより、高い光学純度を有する式(R)-1bで表される化合物を形成する(工程3)。
【0091】
【0092】
スキームCの工程1において、式(±)-1bで表されるシクロペンテノンのエナンチオ選択的エステル化は式Dで表されるアシル供与体(ここで、R4及びR5は独立して、H又はC1-6アルキル)を用いて、第1のリパーゼの存在下で行うことができ、ここで、アシル供与体は(R)-形態のシクロペンテノンと優先的に反応し、それによって、実質的に式(R)-1cで表される光学活性エステル及び式(S)-1bで表される未反応アルコールとの混合物を生成する。
【0093】
【0094】
いくつかの実施形態では、適した第1のリパーゼは市販されており、Burkholderia cepacia、Candida antarcitica、Alcaligenese sp.、Pseudomonas stutzri、Pseudomonas cepacia又はその混合物、好ましくはAlcaligenese sp.又はBurkholderia cepacia、最も好ましくはBurkholderia cepaciaに由来していてもよい。適したアシル供与体としては酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、吉草酸ビニル、吉草酸イソプロペニル、酪酸ビニル、酪酸イソプロペニル及びその混合物が挙げられるが、これらに限定されず、酢酸ビニルが特に好ましい。さらに、エナンチオ選択的エステル化反応は、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エーテル、イソプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル等の単一の有機溶媒又はその混合物中で行うことができる。適した反応温度は約5℃~約50℃の範囲であり、好ましくは周囲温度である。
【0095】
スキームCの工程2は、Mitsunobu反応に関する。Mitsunobu反応において、式(S)-1bで表される未反応アルコールは、適した溶媒中でアゾジカルボン酸ジアルキル及びトリアルキル/トリアリールホスフィンの存在下で、式R4COOH(式中、R4はH又はC1-6アルキルである。)で表されるアシルオキシ供与体で処理して、それを式(R)-1cで表される化合物に変換することができる。適したアゾジカルボン酸ジアルキルとしては限定されないが、アゾジカルボン酸ジメチル(DMAD)、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)、アゾジカルボン酸ジ-tert-ブチル(DTBAD)、アゾジカルボン酸ジベンジル(DBAD)、アゾジカルボン酸ビストリクロロエチル(BTCEAD)、アゾジカルボン酸ジ-p-クロロベンジル(DCAD)、アゾジカルボン酸ジ-4-ニトロベンジル(DNAD)、アゾジカルボン酸ジシクロペンチル(DCPAD)及びその混合物が挙げられ;好ましくはアゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、アゾジカルボン酸ジベンジル及びその混合物が挙げられる。適したトリアルキル/トリアリールホスフィンとしては限定されないが、トリ-n-ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン及びその混合物、好ましくはトリフェニルホスフィンが挙げられる。Mitsunobu反応における適した溶媒としては限定されないが、テトラヒドロフラン、トルエン、ベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、アセトニトリル、ジクロロメタン及びその混合物が挙げられる。Mitsunobu反応は、好ましくは約-30℃~約70℃の範囲の適した温度で、好ましくは周囲温度で実施される。
【0096】
スキームCの工程3は、脱アシル化反応に関する。一実施形態において、スキームCの工程3における脱アシル化反応はアルコール及び塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム)の存在下での化学的加水分解である。別の実施形態において、スキームCの工程3における脱アシル化反応は、酵素的切断反応である。酵素的開裂反応は式(R)-1bで表される化合物を得るために、適した有機溶媒又は水系中、適した温度で、第2のリパーゼの存在下で実施することができる。適した第2のリパーゼは市販されており、Candida cylindracea、Pseudomonas stutzri、Alcaligenese sp.、Achromobacter sp.、Burkholderia cepacia、Candida antarcitica又はその混合物;好ましくはAlcaligenese sp.、Burkholderia cepacia、Candida antarcitica又はその混合物であり;最も好ましくはBurkholderia cepacia由来である。この工程における適した有機溶媒及び適した温度は、当技術分野において明らかである。
【0097】
本発明によれば、脱アシル化反応は、得られた式(R)-1bで表される化合物の光学純度を目的としてモニターされる。いくつかの実施形態では、脱アシル化反応をキラルカラムを使用するHPLCでモニターし、得られる化合物の光学純度が好ましくは約95%ee、好ましくは約99%ee、より好ましくは約99.9%eeに低下したときに酵素を除去することで停止することができる。いくつかの実施形態では、式(R)-1cで表される未反応エステル及びその鏡像異性体を脱アシル化反応後のカラムクロマトグラフィー等で除去することができる。本発明によれば、式(R)-1bで表される化合物は少なくとも約95%ee、好ましくは少なくとも約99%ee、最も好ましくは少なくとも約99.9%eeの光学活性である。
【0098】
光学活性シクロペンテノン(式(R)-1d)の合成経路
スキームDは、式(R)-1dで表されるラセミシクロペンテノンの製造方法を示す。スキームDに示す反応によると、式(±)-1aで表されるラセミシクロペンテノンは容易にキラル分割されて、(R)-エナンチオマーを多く含み、反応に従って高い光学純度を有するシクロペンテノンを形成することができる。スキームDに示すように、式1aで表されるラセミ化合物を、第1のリパーゼを使用して、エナンチオ選択的エステル化(工程1)によって分割し、式(S)-1eで表されるアルコールと式(R)-1dで表される化合物との混合物を形成する。次いで、この混合物はMitsunobu反応(工程2)を直接経て、式(S)-1eで表されるアルコールを式(R)-1dで表される化合物に変換することができる。
【0099】
【0100】
スキームDの工程1において、式(±)-1aで表される化合物のエナンチオ選択的エステル化は、適した温度で、有機溶媒中で、第1のリパーゼ及び式Dで表されるアシル供与体
【0101】
【0102】
(式中、R4及びR5は各々独立してH又はC1-6アルキルである。)を用いて行われ、式(R)-1d及び(S)-1eで表される化合物の混合物を得る。
【0103】
適した第1のリパーゼの例としては限定されないが、Burkholderia cepacia、Candida antarcitica、Alcaligenese sp.、Pseudomonas stutzri、Pseudomonas cepacia及びその混合物が挙げられ、好ましくはBurkholderia cepacia又はAlcaligenese sp.が挙げられ、Burkholderia cepaciaが最も好ましい。
【0104】
適したアシル供与体の例としては限定されないが、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、吉草酸ビニル、吉草酸イソプロペニル、酪酸ビニル、酪酸イソプロペニル及びその混合物が挙げられ、酢酸ビニルが特に好ましい。さらにこの反応は、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エーテル、イソプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル等の単一の有機溶媒又はその混合物中で行うことができる。適した反応温度は約5~50℃であり、特に周囲温度である。
【0105】
スキームDの工程2において、スキームDの工程1から得られた混合物の式(S)-1eで表される化合物はアルコール及びエステルの極性の違いにより、カラム精製によって容易に除去され、式(R)-1dで表される化合物を得ることができる。
【0106】
いくつかの実施形態において、スキームDの工程1で得た混合物から式(R)-1d及び(S)-1eで表される化合物を分離する必要はない。代わりに、Mitsunobu転化反応を行って、式(S)-1eで表される化合物を対応する(R)-エステルに変換することができる。式(S)-1eで表される未反応化合物を、式R4COOH(式中、R4はH又はC1-6アルキルである。)で表されるアシルオキシ供与体で処理し、次いで、適した溶媒中、アゾジカルボン酸ジアルキル及びトリアルキル/トリアリールホスフィンの存在下で式(R)-1dで表される化合物に変換することができる。適したアゾジカルボン酸ジアルキルの例としてはアゾジカルボン酸ジメチル(DMAD)、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)、アゾジカルボン酸ジ-tert-ブチル(DTBAD)、アゾジカルボン酸ジベンジル(DBAD)、アゾジカルボン酸ビストリクロロエチル(BTCEAD)、アゾジカルボン酸ジ-p-クロロベンジル(DCAD)、アゾジカルボン酸ジ-4-ニトロベンジル(DNAD)、アゾジカルボン酸ジシクロペンチル(DCPAD)及びその混合物が挙げられ;適したトリアルキル/トリアリールホスフィンの例はトリ-n-ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン又はその混合物が挙げられ;トリフェニルホスフィンが好ましい。さらに、本反応において適した溶媒としては限定されないが、テトラヒドロフラン、トルエン、ベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、アセトニトリル、ジクロロメタン及びその混合物が挙げられる。反応は、好ましくは約-30℃~約70℃の範囲の反応温度で、特に周囲温度で実施される。
【0107】
したがって、本発明は、(R)-エナンチオマーを多く含み、少なくとも95%エナンチオマー過剰率の光学純度を有する、式(R)-1dで表される化合物の製造方法を提供する。
【0108】
【0109】
式中、XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;R4はH又はC1-6アルキルである。
本製造方法は、
(1)式1aで表される化合物
【0110】
【0111】
(式中、XはF、Cl、Br、I又は-OTsである。)を式Dで表されるアシル供与体
【0112】
【0113】
(式中、R4及びR5は独立して、H又はC1-6アルキルである。)及び第1のリパーゼとの反応によりエナンチオ選択的に(R)-エステル化し、式(R)-1dで表される化合物と式(S)-1eで表される化合物との混合物
【0114】
【0115】
を形成する工程;及び
(2)式(S)-1eで表される化合物を除去する工程
を含む。
【0116】
光学活性シクロペンテノン(式(R)-1f)の合成経路
スキームEに示すように、式(R)-1d(式中、R4はH又はC1-6である。)で表されるシクロペンテノンを脱アシル化して、リパーゼを用いることによる酵素的開裂反応を介して式(R)-1aで表される化合物を形成する(工程1)。次いで、式(R)-1aで表される化合物中の水酸基を保護して、式(R)-1fで表される化合物を形成する。
【0117】
【0118】
スキームEの工程1は、化学的加水分解反応又は酵素的開裂反応を使用することによる脱アシル化反応である。この反応は、適した温度で、適した有機溶媒又は水性系中、市販のリパーゼの存在下で、酵素的開裂反応を介して行い、式(R)-1aで表される化合物を得ることができる。適したリパーゼの例としては限定されないが、Candida antarcitica、Burkholderia cepacia又はその混合物が挙げられ、好ましくはBurkholderia cepaciaである。
【0119】
脱アシル化反応は、式(R)-1aで表される化合物の光学純度の目的でモニターされる。いくつかの実施形態では脱アシル化反応をキラルカラムを使用するHPLCでモニターし、好ましくは得られる化合物の光学純度が約95%ee、好ましくは約99%ee、より好ましくは約99.9%eeに低下したときにリパーゼを除去することで停止する。
【0120】
スキームEの工程2は、保護反応に関する。保護反応は、適した塩基試薬及びtert-ブチルジメチルシリルクロリドを用いて、約25℃~約80℃の範囲の温度で行うことができる。適した塩基試薬としては限定されないが、イミダゾール、トリエチルアミン及びその混合物が挙げられる。この工程において、イミダゾールが塩基試薬としてより好ましい。
【0121】
光学活性シクロペンテノン(式(R)-1j)の合成経路
スキームFに示すように、式(R)-1d(R4はH又はC1-6アルキルである。)で表されるシクロペンテノンを選択的に脱アシル化して、リパーゼを用いる酵素的開裂反応を介して式(R)-1g(R4は上記定義の通りである。)で表される第一級アルコールが得られる(工程1)。次いで、式(R)-1gで表される化合物の水酸基を酸化して、式(R)-1h(R4は上記定義の通りである。)で表される化合物を形成するためのカルボン酸を得ることができる(工程2)。その後、式(R)-1hで表される化合物を、R1OH(R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシで置換されている。)で表されるアルコール中で酸触媒で処理することができ、式(R)-1iで表される化合物は、脱アシル化及びエステル化を介して得られる(工程3)。最後に、式(R)-1iで表される第二級アルコールを保護して、式(R)-1jで表される化合物を生成する(工程4)。
【0122】
【0123】
スキームFの工程1は、選択的脱アシル化反応に関する。この反応は、適した温度で、適した有機溶媒又は水系中、市販のリパーゼの存在下で、酵素的開裂反応を介して行い、式(R)-1gで表される化合物が得られる。適したリパーゼの例としてはCandida Cylindracea、Pseudomonas stutzri、Alcaligenese sp.、Achromobacter sp.、Burkholderia Cepacia、Candida antarcitica又はその混合物が挙げられ、より好ましくはリパーゼはBurkholderia Cepacia又はCandida antarcitica由来であり、最も好ましくはCandida antarcitica由来である。この反応における他の操作条件は、当技術分野において明らかである。
【0124】
スキームFの工程2は、酸化反応に関する。この反応において、式(R)-1gで表される第一級アルコールは、適した酸化条件下で酸化されてカルボニル酸基を与える。適した酸化剤としては限定されないが、過マンガン酸カリウム(KMnO4)、ジョーンズ試薬、ジメチルホルムアミド(DMF)中のピリジニウムクロロクロメート(PCC)、ルテニウムテトロキシド(RuO4)、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(TEMPO)、ビス(アセトキシ)ヨードベンゼン(BAIB)及びその混合物、好ましくは2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(TEMPO)/ビス(アセトキシ)ヨードベンゼン(BAIB)が挙げられ、式(R)-1hで表される化合物を形成する。
【0125】
スキームFの工程3は、式(R)-1hで表される化合物の(C11における)脱アシル化及び(C1における)エステル化反応を含む1段階反応に関する。いくつかの実施形態において、式(R)-1hで表される化合物のC11におけるアシル基の脱アシル化及び式(R)-1hで表される化合物のC1における-COOH基のエステル化反応は、アルコール系中で酸触媒の存在下で行うことができる。適した酸触媒としては限定されないが、リン酸、p-トルエンスルホン酸、臭化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸及びその混合物が挙げられる。アルコール系中の適したアルコールとしては限定されないが、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール及びその混合物が挙げられる。例えば、式(R)-1hで表される化合物の脱アシル化及びエステル化反応はいずれも、硫酸及びメタノールの存在下で行われる。
【0126】
スキームFの工程3は、脱アシル化、次いでエステル化を含む段階的反応にも関する。脱アシル化は、適した温度で、適した有機溶媒又は水系中、市販のリパーゼの存在下で、酵素的開裂反応を介して行い、式(R)-1h'で表される化合物を得ることができる。
【0127】
【0128】
適したリパーゼは限定されないが、Candida cylindracea、Pseudomonas stutzri、Alcaligenese sp.、Achromobacter sp.、Burkholderia cepacia、Candida antarcitica及びその混合物;さらに好ましくはAlcaligenese sp.、Burkholderia cepacia、Candida antarcitica及びその混合物;最も好ましくはBurkholderia cepacia由来のものが挙げられる。他の動作条件は、当技術分野において明らかである。
【0129】
次いで、式(R)-1h'で表される化合物を式R1OH(式中、R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシで置換されている。)で表されるアルコールでエステル化して、式(R)-1iで表される化合物とすることができる。
【0130】
スキームFの工程4は、保護反応に関する。保護反応は、適した塩基試薬及びtert-ブチルジメチルシリルクロリドを用いて、約25℃~約80℃の範囲の温度で行うことができる。適した塩基試薬としては限定されないが、イミダゾール及びトリエチルアミンが挙げられる。この工程において、イミダゾールが塩基試薬としてより好ましい。
【0131】
式4で表される化合物の製造
式1で表される化合物から出発し、式4(式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;P1は水酸基保護基であり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシで置換されており;R2はH又はC1-4-アルキルであり;R3はC1-7-アルキル、C2-7-アルキニル、アリール又はアリールオキシであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、ハロゲンもしくはトリハロメチルで置換されている。)で表されるカルバプロスタサイクリン類縁体の合成は、スキームGに示す合成経路に基づく。
【0132】
【0133】
スキームGの工程1において、式2で表されるシクロペンタノン(式中、P、X、Y、R2及びR3は上記定義の通りである。)は、式1で表されるシクロペンテノンと、式L1で表されるハロゲン化物、式L2で表されるビニルスタンナン又は式L3で表されるアルキンに由来する銅酸塩
【0134】
【0135】
(式中、X1はCl、Br又はIであり、P2は水酸基保護基であり、R2及びR3はChenら(J. Org. Chem., 1978, 43, 3450;US4,233,231;US4,415,501;及びUS6,294,679にすべて参照として本明細書に援用される。)に記載されるように、上記定義の通りである。)のω側鎖単位との、適した溶媒(テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、ジメトキシエタン、トルエン、ヘプタンもしくはヘキサン又はその混合物であってもよい。)中で、好ましくは-100℃~40℃の範囲でのカップリング反応によって製造することができる。
【0136】
スキームGの工程2はオレフィン化反応を含む。この反応において、式2中のカルボニル基はPetersonオレフィン化、Juliaオレフィン化、Wittigオレフィン化、Kauffmannオレフィン化、Tebbeオレフィン化及びNystedオレフィン化といったオレフィン化の下で、末端二重結合に変換される。好ましくは、式2で表される化合物がジブロモメタン、亜鉛及び塩化チタン(IV)から製造できるNozaki-Lombardo試薬(Bull. Chem. Soc. Jpn., 53, 1698(1980))で処理されて、式3で表される化合物となる。この反応は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、エーテル、トルエン、ヘキサン及びその混合物から選択されるような任意の適した溶媒中で行うことができる。反応は、-50℃~100℃、好ましくは-20℃~室温の範囲の温度で行うことができる。Nozaki-Lombardo試薬は薄層クロマトグラフィー(TLC)でモニターし、反応物が完全に反応する量で使用することができる。反応が完了すると、過剰な試薬の除去、抽出、脱水、濃縮等の後処理手順によって、式3で表される化合物を反応混合物から単離することができる。
【0137】
いくつかの実施形態において、メチレン基は、Johnson(J. Am. Chem. Soc. 95, 6462(1973))が教示する2工程の手順によって導入することもできる。例えば、式2で表されるシクロペンタノンを、適した溶媒中でメチルフェニル-N-メチルスルホキシイミンのアニオンと反応させた後、得られた粗付加物を水-酢酸-テトラヒドロフランの溶媒混合物中でアルミニウムアマルガムで処理して、式3で表される化合物を得る。
【0138】
スキームGの工程3の分子内クロスカップリング反応、すなわち、分子内環化又は分子内Suzuki反応に関する。分子内環化反応はパラジウム触媒及び塩基を用いたホウ素試液との分子内Suzuki反応であり、式4で表される化合物とする。この工程において、分子内クロスカップリング反応はスキームG-1に示すように、位置選択性ヒドロホウ素化及びSuzuki反応の2段階を含む。
【0139】
【0140】
第1の段階では、式3で表される化合物を、位置選択性ヒドロホウ素化を介してボラン試薬で処理し、次いで、式3における末端二重結合を変換して、式3-1で表されるアルキル-9-ボラン中間体とすることができる。適したホウ素試薬は、9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9-BBN)、ジシアミルボラン、ジイソアミルボラン、カテコールボラン、ジイソピノカンフェニルボラン、ジシクロヘキシルボラン、ビス(ピナコラート)ジボラン又はその混合物であってもよい。ホウ素試薬としては、9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9-BBN)がより好ましい。
【0141】
第2の段階は、窒素又はアルゴン下、約50℃~約60℃の範囲の温度で、塩基試薬の存在下、式3-1で表される中間体を、パラジウム触媒で処理して、Suzukiクロスカップリングを介して、式4で表される化合物を形成することを含む。適したパラジウム触媒としては限定されないが、Pd(PPh3)4、Pd(dppf)2Cl2-DCM、Pd(dppf)2Cl2、Pd(OAc)2、Pd2(dba)2、ビス(η3-アリル-μクロロパラジウム(II))及びその混合物が挙げられる。また、適した塩基試薬は、クロスカップリング速度を促進するためのPd-ハロゲン化物錯体の形成に向けて、アルキルボランの反応性を高めることができる。適した塩基試薬は限定されないが、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、NaOMe、K3PO4、t-BuONa、t-BuOK、K3PO4、NaOH及びその混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、Suzukiクロスカップリング反応はテトラヒドロフラン溶媒中、60℃で、Pd(dppf)2Cl2及びNa2CO3の存在下で行われる。
【0142】
スキームGの工程3は、分子内クロスカップリング反応に関する。いくつかの実施形態において、分子内クロスカップリング反応はスキームG-2に示すように、ヒドロホウ素化-酸化(工程3-1)、アルキルスルホン化(工程3-2)及び分子内クロスカップリング反応(工程3-3)の3段階を含む。
【0143】
【0144】
スキームG-2の工程3-1は、ヒドロホウ素化-酸化反応に関する。式3で表される化合物をホウ素試薬と反応させた後、塩基性過酸化水素で酸化して、式3'で表されるアルコール化合物を得る。適したボラン試薬としては限定されないが、PY2BH2、テトラヒドロホウ酸ナトリウム、ボラン・THF、ボラン・DMS及び9-BBNが挙げられる。
【0145】
スキームG-2の工程3-2において、式3’で表されるアルコール化合物をさらにスルホニル化反応に付して、式3’’(式中、Zはアルキルスルホニル、アリールスルホニル及びアラルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル又はp-トルエンスルホニル)からなるスルホニル基)で表される化合物を得る。スルホニル化反応は、アミン(例えばトリエチルアミン)等の塩基の存在下で、適したスルホニル供与体(例えばメタンスルホニルクロリド又はp-トルエンスルホニルクロリド)を使用することによって達成される。
【0146】
スキームG-2の工程3-3は、分子内クロスカップリング反応に関する。式4で表されるカルバプロスタサイクリン類縁体は、適した塩基条件下での式3’’で表される化合物の分子内環化反応によって製造することができる。いくつかの実施形態では、分子内環化反応が約-70℃~約-50℃の範囲の温度で適した溶媒中で適した塩基を使用することによって達成される。適した塩基としては限定されないが、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム及びその混合物が挙げられる。適した溶媒としては限定されないが、テトラヒドロフラン、エーテル、トルエン及びその混合物が挙げられる。
したがって、本発明は、式4で表される化合物の製造方法を提供する。
【0147】
【0148】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換され;R2はH又はC1-4-アルキルであり;R3はC1-7アルキル、C1-7アルキニル、アリール又はアリールオキシであり、その各々は非置換であるか又はC1-4アルキル、ハロゲンもしくはトリハロメチルで置換されている。
本製造方法は
(1)式1で表される出発化合物
【0149】
【0150】
(式中、Xは、F、Cl、Br、I又は-OTsであり;P1は水酸基保護基であり;Yは上記定義の通りである。)と、式L1、式L2又は式L3で表される化合物に由来する出発銅酸塩
【0151】
【0152】
(式中、X1は、Cl、Br又はIであり;P2は水酸基保護基であり;R2及びR3は上記定義の通りである。)との反応で、式2で表される化合物
【0153】
【0154】
(式中、P、X、Y、R2及びR3は、上記定義の通りである。)を形成する工程;
(2)式2で表される化合物のケトン基のメチレン化により、以下の式3で表される化合物
【0155】
【0156】
(式中、P、X、Y、R2及びR3は、上記定義の通りである。)を形成する工程;
(3)式3で表される化合物への分子内環化反応を行って、式4で表される化合物
【0157】
【0158】
(式中、P、Y、R2及びR3は、上記定義の通りである。)を形成する工程;
を含み、さらに
(4)P1及び/又はP2を除去するための脱保護反応を任意に実施する。
【0159】
本発明は、式2で表される新規な中間体をさらに提供する。
【0160】
【0161】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシで置換され;R2はH又は-C1-4であり;R3はC1-7-アルキル、C2-7-アルキニル、アリール又はアリールオキシであり、その各々は非置換であるか又はC1-7-アルキル、ハロゲンもしくはトリハロメチルで置換されている。
【0162】
本発明は、式3で表される新規な中間体をさらに提供する。
【0163】
【0164】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシで置換され;R2はH又は-C1-4であり;R3はC1-7-アルキル、C2-7-アルキニル、アリール又はアリールオキシであり、その各々は非置換であるか又はC1-7-アルキル、ハロゲンもしくはトリハロメチルで置換されている。
本発明は、式3''で表される新規な中間体をさらに提供する。
【0165】
【0166】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;ZはH又はスルホニル基であり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換され;R2はH又は-C1-4であり;R3はC1-7-アルキル、C2-7-アルキニル、アリール又はアリールオキシであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、ハロゲンもしくはトリハロメチルによって置換されている。
【0167】
式3’’で表される中間体は、好ましくは式3''aで表される化合物又は式3''bで表される化合物である。
【化55】
【0168】
式中、Y、X、Z及びPは、上記定義の通りである。
【0169】
16S-イロプロストを形成するために用いられる式4aの合成経路
スキームHに示すように、式4aで表される化合物の合成は、スキームGに示す式4で表される化合物の合成と同様である。
【0170】
【0171】
式4aで表される化合物の合成は、式(R)-1で表される光学富化化合物(式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;P1は水酸基保護基であり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシで置換されている。)と、式L1a、式L2a又は式L3aで表される光学富化(3S,4S)-化合物
【0172】
【0173】
(式中、X1はCl、Br又はIであり;P2は水酸基保護基である。)から開始する。
【0174】
スキームHに示すように、式2aで表される化合物は、式L1aで表されるハロゲン化物、式L2aで表されるビニルスタンナン又は式L3aで表されるアルキンに由来する銅酸塩の鏡像異性的を多く含むω側鎖単位と、式(R)-1で表されるシクロペンテノンとのカップリング反応によって製造され、式2aで表される化合物とする(工程1)。その後、式2aで表される化合物をオレフィン化反応(工程2)及び分子内環化反応(工程3)に付し、式4aで表される化合物とする。いくつかの実施形態では、分子内環化反応がパラジウム触媒及び塩基を用いたホウ素試薬との分子内Suzuki反応であり、式4aで表される化合物とする。
したがって、本発明は、式4aで表される化合物の製造方法を提供する。
【0175】
【0176】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。
本製造方法は、
(1)式(R)-1で表される光学富化化合物
【0177】
【0178】
(式中、Xは、F、Cl、Br、I又は-OTsであり;P1は水酸基保護基であり;Yは上記定義の通りである。)と、式L1a、式L2a又は式L3aで表される化合物
【0179】
【0180】
(式中、X1はCl、Br又はIであり、P2は水酸基保護基である。)に由来する銅酸塩と反応させて、式2aで表される化合物
【0181】
【0182】
(式中、P、X及びYは、上記定義の通りである。)を形成する工程;
(2)式2aで表される化合物のケトン基のメチレン化により式3aで表される化合物
【0183】
【0184】
(式中、P、X及びYは上記定義の通りである。)を形成する工程;
(3)式3aで表される化合物への分子内環化反応を行って、式4aで表される化合物
【0185】
【0186】
(式中、P及びYは上記定義の通りである。)を形成する工程:及び
(4)任意にP1及び/又はP2を除去するための脱保護反応を行う工程
を含む。
【0187】
この製造方法において、分子内環化反応は、
(1)式3aで表される化合物をホウ素試薬でヒドロホウ素化し、続いて塩基性過酸化水素で酸化して式4a-1で表されるアルコール化合物
【0188】
【0189】
(式中、P、X及びYは上記定義の通りである。)を形成する工程;
(2)塩基存在下で式4a-1で表される化合物をスルホニル供与体とスルホニル化反応して式4a-2で表される化合物
【0190】
【0191】
(式中、Zはスルホニル基であり;P、X及びYは上記定義の通りである。)で表される化合物を形成する工程;及び
(3)塩基存在下で式4a-2で表される化合物を分子内アルキル化することにより式4aで表される化合物
【0192】
【0193】
(式中、Y及びPは上記定義の通りである。)を形成する工程
を含む。
本発明は、式3aで表される化合物の中間体である、式2aで表される新規な化合物をさらに提供する。
【0194】
【0195】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又は水酸基保護基である。
【0196】
16S-イロプロストの合成
スキームIは式(R)-1'で表される化合物からの16S-イロプロストの合成を示す(Yは-COOR1であり、R1は式(R)-1におけるメチルである。)。
【0197】
【0198】
スキームIに示すように、式4a’で表されるTBS保護16S-イロプロストのメチルエステルは0.5%未満の幾何異性体(E-異性体)を含有する式(R)-1’で表される化合物、及び式L2a
【0199】
【0200】
(式中、P2は水酸基保護基である。)で表される光学的に濃縮された(3S,4S)-化合物に由来する銅酸塩から、カップリング反応を介して製造され、式2a’で表される化合物とする(工程1)。式2a’で表される結合生成物をTiCl4等のルイス酸の存在下でCH2Br2-Znを用いてオレフィン化して末端二重結合に変換し、式3a’で表される化合物を形成する(工程2)。式3a'で表される化合物を、Pd(dppf)2Cl2及びNa2CO3存在下で、ホウ素試薬、9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9-BBN)との分子内Suzukiクロスカップリング反応に付し、式4a'で表される化合物とする(工程3)。TBAFを使用して式4a’で表される化合物のTBS保護基を除去して式5a’で表される化合物を形成し(工程4)、加水分解工程をアルカリ条件下で実施して16S-イロプロストとする(工程5)。
【0201】
HPLC分析は得られた粗16S-イロプロストの幾何異性体(Z-異性体)が0.5%未満であり、特許文献1に開示のように0.6%以下の品質要件を満たすことを示す。したがって、特許文献1の16S-イロプロストの従来の合成方法と比較して、本発明の方法は工程数が少なく、収率が高く、得られる粗16S-イロプロスト中の幾何異性体(Z-異性体)は0.6%未満に制御することができ、その結果、高価な分取HPLC方法が不要であり、したがって、16S-イロプロストの分離及び精製の費用を著しく低減することができる。
【0202】
イロプロストを形成するために使用される式4bの合成経路
スキームJに示すように、式4bで表される化合物の合成は、スキームGに示す式4で表される化合物の合成と類似しているか、又はスキームHに示す式4aで表される化合物の合成と類似している。
【0203】
【0204】
式(R)-1で表される化合物の合成は、式(R)-1(式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;P1は水酸基保護基であり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシで置換されている。)で表される光学富化化合物と、式L1b、式L2b又は式L3bで表される光学富化(3S、4S及び4R)-化合物から出発する。
【0205】
【0206】
(式中、X1はCl、Br又はIであり;P2は水酸基保護基である。)で表される化合物を、スキームG又はHと同じ方法で製造することができる。式4bで表される化合物は、カップリング反応を介してスキームJに示す反応に従って製造して、式2bで表される化合物とすることができる(工程1)。その後、式2bで表される化合物をオレフィン化反応(工程2)及び分子内環化反応(工程3)に付し、式4bで表される化合物とする。
したがって、本発明は、式4bで表される化合物の製造方法を提供する。
【0207】
【0208】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。
この製造方法は、
(1)式(R)-1で表される光学富化化合物
【0209】
【0210】
(式中、Xは、F、Cl、Br、I又は-OTsであり;P1は水酸基保護基であり;Yは上記定義の通りである。)と、式L1b、式L2b又は式L3bで表される化合物
【0211】
【0212】
(式中、X1はCl、Br又はIであり、P2は水酸基保護基である。)に由来する銅酸塩と反応させ、式2bで表される化合物
【0213】
【0214】
(式中、P、X及びYは上記定義の通りである。)を形成する工程;
(2)式2bで表される化合物のケトン基のメチレン化により式3bで表される化合物
【0215】
【0216】
(式中、P、X及びYは上記定義の通りである。)を形成する工程;
(3)式3bで表される化合物への分子内環化反応を行って、式4bで表される化合物
【0217】
【0218】
(式中、P及びYは上記定義の通りである。)を形成する工程;及び
(4)任意にP1及び/又はP2を除去するための脱保護反応を行う工程
を含む。
【0219】
本方法において、分子内環化反応は:
(1)式3bで表される化合物をホウ素試薬でヒドロホウ素化し、続いて塩基性過酸化水素で酸化して式4b-1で表される化合物
【0220】
【0221】
(式中、P、X及びYは上記定義の通りである。)を形成する工程;
(2)塩基存在下で式4b-1で表される化合物のスルホニル化とスルホニル供与体との反応により式4b-2で表される化合物
【0222】
【0223】
(式中、Zはスルホニル基であり;P、X及びYは上記定義の通りである。)を形成する工程;及び
(3)塩基存在下での式4b-2で表される化合物の分子内アルキル化により式4bで表される化合物
【0224】
【0225】
(式中、P及びYは上記定義の通りである。)を形成する工程
を含む。
本発明は、式2b又は3bで表される新規な中間体をさらに提供する。
【0226】
【0227】
式中、Yは-CH2OP又は-COOR1であり;XはF、Cl、Br、I又は-OTsであり;PはH又は水酸基保護基であり;R1はC1-7-アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は非置換であるか又はC1-4-アルキル、C2-7-アルケニル、C2-7-アルキニル、ニトロ、ハロゲンもしくはアルコキシによって置換されている。
【0228】
式(R)-1"(式中、Yは-CH
2
OPである。)で表される化合物からのイロプロストの合成
スキームJ-1に示すように、
【0229】
【0230】
式4b’で表される化合物は0.5%未満の幾何異性体(E-異性体)を含有する式(R)-1”で表される化合物と、式L2bで表されるビニルスタンナンから誘導される銅酸塩とから、カップリング反応を介して製造され、式2b’で表される化合物とする(工程1)。式2b’で表される結合生成物を、CH2Br2-Znを用いたオレフィン化条件下で、TiCl4等のルイス酸存在下で良好な収率で、末端二重結合を含む式3b'で表される化合物に変換する(工程2)。式3b'で表される化合物を、ホウ素試薬、9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9-BBN)と、Pd(dppf)2Cl2及びNa2CO3の存在下で、分子内Suzukiクロスカップリング反応に供し、式4b'で表される化合物とする(工程3)。
【0231】
式3b'で表される化合物はまた、分子内クロスカップリング反応に供される。分子内クロスカップリング反応はスキームJ-2に示すように、ヒドロホウ素化-酸化(工程3-1)、アルキルスルホン化(工程3-2)及び分子内クロスカップリング反応(工程3-3)の3段階を含む。
【0232】
【0233】
スキームJ-2の工程3-1は、ヒドロホウ素化-酸化反応に関する。式3b'で表される化合物をホウ素試薬と反応させた後、塩基性過酸化水素で酸化して、式3b'-1で表されるアルコール化合物を得る。適したホウ素試薬としては限定されないが、Py2BH2、水素化ホウ素ナトリウム、ボラン-THF、ボラン-DMS及び9-BBNが挙げられる。
【0234】
スキームJ-2の工程3-2において、式3b'-1で表されるアルコール化合物をさらにスルホニル化反応に付して、式3b'-2(式中、Zはアルキルスルホニル、アリールスルホニル及びアラルキルスルホニルからなるスルホニル基、例えば、メタンスルホニル又はp-トルエンスルホニルである。)で表される化合物を得る。スルホニル化反応は、アミン(例えばトリエチルアミン)等の塩基の存在下で、適したスルホニル供与体、例えばメタンスルホニルクロリド又はp-トルエンスルホニルクロリドを使用することによって達成される。
【0235】
スキームJ-2の工程3-3は、分子内クロスカップリング反応に関する。式4bで表されるカルバプロスタサイクリン類縁体は、適した塩基条件の存在下での式3b'-2で表される化合物の分子内環化反応によって製造される。いくつかの実施形態では、分子内環化反応が約-70℃~約-50℃の範囲の温度で適した溶媒中で適した塩基を使用することによって達成される。適した塩基としては限定されないが、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム及びその混合物が挙げられる。適した溶媒としてはテトラヒドロフラン、エーテル、トルエン及びその混合物が挙げられる。
【0236】
次いで、スキームKに示すように、酸化アルミニウムを使用して、式4b’で表される化合物のC1における第一級アルコールのTBS保護基を除去し、式5bで表される化合物とする(工程1)。スキームKの工程2は、酸化反応に関する。この反応において、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(TEMPO)/ビス(アセトキシ)ヨードベンゼン(BAIB)酸化条件を用いることにより、第一級アルコール(式5b)を酸化して、カルボニル酸基を含む式6bで表される保護イロプロストとする。したがって、酸類又はTBAFを用いてTBS保護基を除去し、イロプロストとする(工程3)。
【0237】
【0238】
HPLC分析は得られた粗イロプロストの幾何異性体(Z-異性体)が0.5%未満であり、特許文献1に開示されているように0.6%以下の品質要件を満たすことを示している。したがって、特許文献1のイロプロストの合成方法と比較して、本発明の方法は工程数が少なく、収率が高く、得られる粗イロプロスト中の幾何異性体(Z-異性体)を0.6%未満に制御することができ、その結果、高価な分取HPLC方法が不要であり、イロプロストの分離及び精製の費用を著しく低減することができる。
【0239】
イロプロストの合成
スキームLは式(R)-1'で表される化合物からのイロプロストの合成を示す(Yは-COOR1 であり、R1は式(R)-1においてメチルである。)。スキームLに示すように、
【0240】
【0241】
式4b’で表されるTBS保護16Sイロプロストのメチルエステルは0.5%未満の幾何異性体(E-異性体)を含有する式(R)-1’で表される化合物と、0.2%未満の(3R)-エナンチオマーを含有する式L2aで表されるビニルスタンナンから誘導される銅酸塩とから、式2b’で表される化合物を形成するための結合反応を介して製造される(工程1)。式2b’で表される結合生成物は、TiCl4等のルイス酸の存在下、CH2Br2-Znによるオレフィン化条件下で、良好な収率で末端二重結合を含む式3b'で表される化合物に変換される(工程2)。式3b’で表される化合物を、ホウ素試薬、9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9-BBN)と、Pd(dppf)2Cl2及びNa2CO3の存在下で、分子内Suzukiクロスカップリング反応に供し、式4b'で表される化合物とする(工程3)。TBAFを使用して、式4b'で表される化合物のTBS保護基を除去して式5b’で表される化合物とし(工程4)、加水分解をアルカリ条件下で行い、イロプロストとする(工程5)。
【0242】
HPLC分析は粗イロプロストの幾何異性体(Z-異性体)が0.5%未満であり、これは、16S-イロプロストのZ-異性体の0.6%以下、又は特許文献1に開示されている15-エピ-イロプロストの0.2%以下の品質要件を満たすことを示す。したがって、特許文献1のイロプロストの従来の合成方法と比較して、本発明の方法は工程数が少なく、収率が高く、幾何異性体(Z-異性体)を0.6%未満に制御することができ、15-エピイロプロストを0.2%未満に制御することができ、その結果、高価な分取HPLC方法が不要となり、イロプロストの分離及び精製の費用を著しく低減することができる。
【0243】
本明細書に開示され、特許請求される化合物及び/又は工程の全ては、本開示に照らして、過度の実験を行うことなく、作製及び実施することができる。本発明の化合物及び方法を好ましい実施形態に関して説明してきたが、本発明の概念、精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の組成物及び/又は方法に対して、また工程において又は工程の順序において、改変を適用できることは当業者には明らかであろう。当業者に明らかな全てのそのような類似の置換及び改変は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神、範囲及び概念内にあると見なされる。
【実施例】
【0244】
実施例1
(Z)2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エナール(A2)
【0245】
【0246】
N-ブロモスクシンイミド(436.1g、2.45mol)を、(E)-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エナール(330.0g、1.36mol)、ピリジン-N-オキシド(258.9g、2.72mol)及びアセトニトリル(1.65L)の混合物に添加した。反応終了後、反応混合物を10%NaHCO3水溶液(1.6L)及び酢酸エチル(1.6L)でクエンチし、次いで反応混合物を相分離した。有機層を回収し、無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去して粗化合物783.2gを得た。粗生成物のHPLC分析により0.35%のE型異性体が検出された。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ 9.235(s,1H),7.189(t,1H,J=7.2 Hz),3.686-3.626(m,2H),2.615-2.483(m,2H),1.762-1.555(m,4Hz),0.944-0.920(m,9H),0.078-0.070(m,6H).
13C-NMR(100 MHz,CDCl3):δ 186.159,155.784,128.869,62.472,32.256,31.823,25.956,25.660,24.021,18.336,-5.300,-5.322.
【0247】
実施例2
(Z)2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エン-1-オール(A3)
【0248】
【0249】
(Z)2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エナール(668.3g、実施例1からの粗生成物)を乾燥THF(3.4L)で希釈し、次いで溶液を0℃に冷却し、続いて2.0M水素化ホウ素ナトリウム(340mL、0.68mol)を0℃で添加した。添加後、反応をTLCで確認した。10℃以下の10%NH4水溶液(3L)でクエンチし、10分間同温度で撹拌した。反応混合物を相分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水Na2SO4で乾燥させた。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去した。粗生成物を、ヘキサン及び酢酸エチルの混合物を勾配溶離剤として使用するシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物の収量は276.8g(63%、実施例1から開始して2工程)であった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ 5.996(t,1H,J=7.2 Hz),4.242-4.228(m,2H),3.612(t,2H,J=6 Hz),2.241-2.188(q,2H,J=7.6Hz),1.575-1.424(m,4H),0.908-0.887(m,9H),0.091-0.041(m,6H).
実施例3
(Z)2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エン-1-イルメタンスルホネート(A4)
【0250】
【0251】
(Z)2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エン-1-オール(270g、835mmol、実施例2より)をジクロロメタン(2.7L)で溶解し、次いで溶液を0℃に冷却した。トリエチルアミン(101.4g、1mol)及びメタンスルホニルクロリド(105.2g、918mmol)を0℃で添加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。反応の完了をTLCで確認した。反応混合物を10%NaHCO3水溶液(3L)でクエンチし、反応混合物を相分離した。有機層を回収し、無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去して粗化合物367gを得た。
【0252】
実施例4
(Z)-((6-ブロモ-7-(2-(フラン-2-イル)-1,3-ジチアン-2-イル)ヘプタ-5-エン-1-イル)オキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(A5)
【0253】
【0254】
2-(1,3-ジチアン-2-イル)フラン(226.4g、1.21mol)の乾燥THF(1.13L)溶液に、1.6M n-ブチルリチウム(658mL、1.05mol)のヘキサン溶液を-70℃で滴下し、同温度で30分間撹拌した。(Z)-2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エン-1-イルメタンスルホン酸(325.2g、810mmol、実施例3より)のTHF(813mL)溶液を、-70℃で反応フラスコに加えた。反応液を0℃に加温し、同温度で1時間撹拌を続けた。反応の完了をTLCで確認した。反応混合物を10%NH4水(3L)でクエンチし、反応混合物を相分離した。有機層を無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去して粗化合物531gを得た。
1H-NMR(400 MHz,CDCl3):δ 7.430-7.428(m,1H),6.554-6.546(m,1H),6.344-6.331(m,1H),5.541(t,1H,J=7.2Hz),3.581(t,2H,J=6 Hz),3.230(s,2H),2.911-2.840(m,2H),2.728-2.674(m,2H),2.109-1.876(m,4H),1.521-1.452(m,2H),1.392-1.335(m,2H),0.942-0.855(m,9H),0.049-0.005(m,6H).
13C-NMR(100 MHz,CDCl3):δ 152.338,142.273,135.253,117.947,112.331,110.623,62.889,52.984,51.937,32.188,31.398,27.899,25.994,25.721,25.083,24.438,18.351,-5.239.
【0255】
実施例5
(Z)-6-ブロモ-7-(2-(フラン-2-イル)-1,3-ジチアン-2-イル)ヘプタ-5-エン-1-オール(A6)
【0256】
【0257】
(Z)-((6-ブロモ-7-(2-(フラン-2-イル)-1,3-ジチアン-2-イル)ヘプタ-5-エン-1-イル)オキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(531g、実施例4からの粗生成物)をTHF(5.3L)で希釈し、1N塩酸(1.08L)をそこに添加した。反応物を室温で撹拌し、反応の進行をTLCで確認した。反応終了後、混合物を10%NaHCO3水溶液(5.3L)でpH7~8に中和し、反応混合物を相分離した。有機層を無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去して粗化合物を得た。粗生成物を、ヘキサン・酢酸エチル混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物の収量は174.1gであった(55%、実施例3からの3工程)。
1 H-NMR(400 MHz,CDCl3):δ 7.425(s,1H),6.546-6.537(m,1H),6.341-6.328(m,1H),5.550(t,1H,J=6.8 Hz),3.607(t,2H,J=6.8 Hz),3.225(s,2H),2.903-2.831(m,2H),2.724-2.669(m,2H),2.124-2.015(m,4H),1.657-1.497(m,2H),1.423-1.347(m,2H).
実施例6
(Z)-3-ブロモ-1-(フラン-2-イル)-8-ヒドロキシオクタ-3-エン-1-オン(A7)
【0258】
【0259】
メタノール(3.4L)及び水(86mL)中の(Z)-6-ブロモ-7-(2-(フラン-2-イル)-1,3-ジチアン-2-イル)ヘプタ-5-エン-1-オール(172.2g、456 mmol)の溶液に、室温でPIFA(196.2g、456 mmol)を加えた。反応の完了をTLCで確認した。反応終了後、混合物を濃縮してメタノールを除去した。酢酸エチル及び20%Na2S2O3水溶液(4L)で抽出し、相分離した。有機層を回収し、10%NaHCO3水溶液(4L)で抽出した。有機層を回収し、無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去して粗化合物261.3gを得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.593-7.590(s,1H),7.245-7.235(m,1H),6.542-6.530(m,1H),5.865(t,1H,J=7.2 Hz),3.949(s,2H),3.637-3.606(m,2H),2.248-2.194(m,2H),1.615-1.453(m,4H).
13C-NMR(100MHz,CDCl3):δ 184.459,152.186,146.896,134.023,118.251,117.932,112.536,62.495,50.168,32.013,31.224,24.370.
実施例7
(Z)-3-ブロモ-1-(フラン-2-イル)オクタ-3-エン-1,8-ジオール(A8)
【0260】
【0261】
(Z)3-ブロモ-1-(フラン-2-イル)-8-ヒドロキシオクタ-3-エン-1-オン(261.3g、実施例6からの粗生成物)を乾燥THF(2.6L)で希釈し、溶液を0℃に冷却し、その後、1.0M水素化ホウ素ナトリウム(456mL、456mmol)を0℃で添加した。添加後、反応をTLCで確認した。10℃以下で10%NH4Cl水溶液(4L)を加えて急冷した。有機層を10%NaHCO3水溶液(4L)で抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去して粗化合物を得た。粗生成物を、ヘキサン・酢酸エチル混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物の収量は85.75gであった(65%、実施例6からの2工程)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.392-7.389(s,1H),6.343-6.330(m,1H),6.281-6.273(m,1H),5.787(t,1H,J=7.2 Hz),5.062-5.028(m,1H),3.631(t,2H,J=6.4Hz),2.953-2.934(m,2H),2.232-2.178(m,2H),1.578-1.447(m,4H).
13C-NMR(100MHz,CDCl3):δ 155.085,142.175,132.482,123.002,110.183,106.623,77.379,65.379,62.540,47.717,31.914,31.011,24.408.
実施例8
(Z)-5-(2-ブロモ-7-ヒドロキシヘプタ-2-エン-1-イル)-4-ヒドロキシシクロペンタ-2-エノン(A9)
【0262】
【0263】
1.0mM K2HPO4(1.7L、1.7mmol)を、(Z)-3-ブロモ-1-(フラン-2-イル)オクタ-3-エン-1,8-ジオール(83.3g、288mmol、実施例7より)のTHF(125mL)溶液に加え、加熱還流し、撹拌した。反応の完了をTLCで確認した。反応終了後、酢酸エチル(2L)で抽出し、反応液を相分離した。有機層を回収し、無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去して81.2gの粗表題化合物を得た。
【0264】
実施例9
(Z)-2-(2-ブロモ-7-ヒドロキシヘプタ-2-エン-1-イル)-4-ヒドロキシシクロペンタ-2-エノン(1a)
【0265】
【0266】
粗(Z)-5-(2-ブロモ-7-ヒドロキシヘプタ-2-エン-1-イル)-4-ヒドロキシシクロペンタ-2-エノン(81.2g、実施例8からの粗生成物)のTHF(810mL)溶液に、トリエチルアミン(28.4g、280mol)及び抱水クロラール(4.65g、28.1mmol)を室温で加えた。反応の完了をTLCで確認した。10%NH4水溶液(800mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去した。粗生成物をヘキサン・酢酸エチル混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物の収量は42.1g(51%、2工程)であった。
1 H-NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.332-7.277(m,1H),5.824(t,1H,J=7.2 Hz),4.981-4.967(m,1H),3.641(t,2H,J=6 Hz),3.335(s,2H),2.871-2.809(m,1H),2.366-2.315(m,1H),2.234-2.181(m,2H),1.608-1.469(m,4H).
13 C-NMR(100 MHz,CDCl3):δ 205.445,158.478,143.753,131.791,122.501,77.379,68.377,62.570,44.688,36.757,31.967,31.049,24.431.
【0267】
実施例9-1
(Z)-2-(2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エン-1-イル)-4-ヒドロキシシクロペンタ-2-エノン(1b、スキームA、工程10)
【0268】
【0269】
(Z)-2-(2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エン-1-イル)-4-ヒドロキシシクロペンタ-2-エノン(54.3g、188mmol、実施例12より)を酢酸エチル(540mL)に溶解した。イミダゾール(28.12g、411mmol)及びtert-ブチルジメチルシリルクロリド(28.25g、188mmol)をそこに添加した。反応混合物を室温にて撹拌した。反応の完了をTLCで確認した。反応混合物を10%NaHCO3水溶液(600mL)でクエンチし、反応混合物を相分離した。有機層を回収し、無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去して粗化合物を得た。粗生成物をヘキサン・酢酸エチル混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物の収量は42.8g(56%)であった。
1 H-NMR(400 MHz,CDCl3):δ 7.313-7.305(m,1H),5.833-5.798(m,1H),4.984(m,1H),3.626-3.597(m,2H),3.329(m,2H),2.872-2.810(m,1H),2.360-2.308(m,1H),2.206-2.170(m,2H),1.552-1.433(m,4H),0.918-0.886(m,9H),0.053-0.010(m,6H)
【0270】
実施例9-2
(R,Z)-3-(2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エン-1-イル)-4-オキソシクロペンタ-2-エン-1-イル酢酸((R)-1c)、及び
(S,Z)-2-(2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エン-1-イル)-4-ヒドロキシシクロペンタ-2-エノン((S)-1b)
((S)-1b及び(R)-1c、スキームC、工程1)
【0271】
【0272】
(Z)-2-(2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エン-1-イル)-4-ヒドロキシシクロペンタ-2-エノン(42.8g、106mmol、実施例9-1より)をヘキサン(430mL)に溶解し、次いで酢酸ビニル(43mL)及びリパーゼSL(2.1g、5wt%)をそこに添加した。反応混合物を室温で撹拌した。反応の完了を、反応転化率が50%に近いことをHPLC分析で確認した。転換率は50±3%以上であった。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮して粗混合物45.21gを得た。
【0273】
実施例9-3
(R,Z)-3-(2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エン-1-イル)-4-オキソシクロペンタ-2-エン-1-イル酢酸((R)-1c、スキームC、工程2)
【0274】
【0275】
(R,Z)-3-(2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エン-1-イル)-4オキソシクロペンタ-2-エン-1-イル酢酸((R)-1c)及び(S,Z)-2-(2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エン-1-イル)-4-ヒドロキシシクロペンタ-2-エノン((S)-1b)(45.21g、実施例9-2からの粗生成物)の混合物をトルエン(450mL)。トリフェニルホスフィン(14.7g、56mmol)をそこに添加し、トリフェニルホスフィン固体がトルエンに溶解するまで撹拌し続け、次いで-10℃に冷却し、同温度で撹拌した。酢酸(3.36g、56mmol)及びアゾジカルボン酸ジイソプロピル(11.3g、56mmol)をそこに添加した。反応混合物を-10℃で撹拌した。反応の完了をTLCで確認した。反応混合物を濃縮し、粗生成物を、ヘキサン・酢酸エチル混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物の収量は42.27g(89.5%、2工程)であった。生成物のHPLC分析により0.63%のエナンチオマーが検出された。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.305-7.298(m,1H),5.835-5.800(m,2H),3.607(t,2H,J=6.4Hz),3.346-3.344(m,2H),2.908-2.846(m,1H),2.396-2.344(m,1H),2.184-2.166(m,2H),2.082(s,3H),1.529-1.453(m,4H),0.892-0.878(m,9H),0.046-0.032(m,6H).
【0276】
実施例9-4
(R,Z)-2-(2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エン-1-イル)-4-ヒドロキシシクロペンタ-2-エノン((R)-1b、スキームC、工程3)
【0277】
【0278】
(R,Z)-3-(2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エン-1-イル)-4-オキソシクロペンタ-2-エン-1-イル酢酸(42.27g、実施例9-3より)をアセトン(20mL)及びリン酸緩衝液(420mL)に溶解し、3M NaOH水溶液を添加してpH値を8.5に調整した。リパーゼSL(4.2g、10wt%)をそこに添加し、反応混合物を室温で撹拌した。反応の完了を、表題化合物のエナンチオマー過剰率が99.0%を超えていることをHPLC分析で確認した。次いで、ろ過してリパーゼ樹脂を除去した。ろ液を濃縮し、粗生成物をヘキサン・酢酸エチル混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物の収量は37.09g(96.8%)であった。生成物のHPLC分析により0.28%のエナンチオマーが検出された。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.309(m,1H),5.815(t,1H,J=6.4Hz),4.988(m,1H),3.610(t,2H,J=6.4Hz),3.326(m,2H),2.874-2.812(m,1H),2.362-2.357(m,1H),2.315-2.150(m,2H),2.072-2.057(m,1H),1.550-1.429(m,4H),0.888(m,9H),0.044-0.009(m,6H).
13C-NMR(100MHz,CDCl3):δ 204.917,157.728,144.088,132.126,122.092,77.324,68.557,62.872,44.693,36.708,32.260,31.971,31.167,25.967,25.353,24.431,18.354,-5.275.
【0279】
実施例10
(R,Z)-3-(7-アセトキシ-2-ブロモヘプタ-2-エン-1-イル)-4-オキソシクロペンタ-2-エン-1-イル酢酸((R)-1b)、及び
(S,Z)-6-ブロモ-7-(3-ヒドロキシ-5-オキソシクロペンタ-1-エン-1-イル)ヘプタ-5-エン-1-イル酢酸((S)-1c)
(1aから(R)-1b及び(S)-1c)
【0280】
【0281】
(Z)2-(2-ブロモ-7-ヒドロキシヘプタ-2-エン-1-イル)-4-ヒドロキシシクロペンタ-2-エノン(42.1g、145.6mmol、実施例9より)をメチルイソブチルケトン(420mL)で溶解し、次いで酢酸ビニル(41.3g、479mmol)及びリパーゼSL(2.11g、5wt%)をそこに添加した。反応混合物を室温で撹拌した。反応の完了を、反応転化率が50%に近いことをHPLCで確認した。転換率は50±3%以上であった。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮して粗混合物55.1gを得た。
【0282】
実施例11
(R,Z)-3-(7-アセトキシ-2-ブロモヘプタ-2-エン-1-イル)-4-オキソシクロペンタ-2-エン-1-イルアセテート
((R)-1b及び(S)-1Cから(R)-1d)
【0283】
【0284】
(R,Z)-3-(7-アセトキシ-2-ブロモヘプタ-2-エン-1-イル)-4-オキソシクロペンタ-2-エン-1-イル酢酸((R)-1b)及び(S,Z)-6-ブロモ-7-(3-ヒドロキシ-5-オキソシクロペンタ-1-エン-1-イル)ヘプタ-5-エン-1-イル酢酸((S)-1c)(55.1g、実施例10からの粗生成物)の混合物をトルエン(551mL)に溶解した。トリフェニルホスフィン(21.82g、83mmol)、酢酸(5.0g、83mmol)及びアゾジカルボン酸ジイソプロピル(16.82g、83mmol)をそこに添加した。反応混合物を室温で撹拌した。反応の完了をTLCで確認した。反応混合物を濃縮し、粗生成物をヘキサン・酢酸エチル混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物の収量は43.5g(80%、2工程)であった。生成物のHPLC分析により鏡像異性体は検出されなかった。
1 H-NMR(400 MHz,CDCl3):δ 7.311-7.305(m,1H),5.829-5.774(m,2H),4.056(t,2H,J=6.8 Hz),3.348-3.343(m,2H),2.912-2.850(m,1H),2.402-2.350(m,1H),2.215-2.161(m,2H),2.085(s,3H),2.038(s,3H),1.668-1.606(m,2H),1.504-1.428(m,2H).
【0285】
実施例12
(R,Z)-2-(2-ブロモ-7-ヒドロキシヘプタ-2-エン-1-イル)-4-ヒドロキシシクロペンタ-2-エノン((R)-1dから(R)-1E)
【0286】
【0287】
(R,Z)-3-(7-アセトキシ-2-ブロモヘプタ-2-エン-1-イル)-4-オキソシクロペンタ-2-エン-1-イルアセテート(11.2g、実施例11より)をアセトン(11mL)及びリン酸緩衝液(112mL)に溶解し、1N NaOH水溶液を添加してpH値を8.5に調整した。Novozym435(5.6g、50wt%)をそこに添加し、反応混合物を室温で撹拌した。反応の完了をHPLC分析で確認し、ろ過中にリパーゼ樹脂を除去した。ろ液を濃縮し、粗生成物をヘキサン・酢酸エチル混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。表題化合物の収量は6.16g(71%)であった。
1H-NMR(400 MHz,CDCl3):δ 7.334-7.329(m,1H),5.813(t,1H,J=7.2 Hz),4.966-4.950(m,1H),3.624(t,2H,J=6.4Hz),3.323(s,2H),2.857-2.796(m,1H),2.354-2.303(m,1H),2.224-2.170(m,2H),1.612-1.437(m,4H).
13C-NMR(100MHz,CDCl3):δ 205.680,158.759,143.647,131.769,122.516,68.286,62.502,44.673,36.757,31.929,31.041,24.431.
【0288】
実施例13
(R,Z)-2-(2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エン-1-イル)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)シクロペンタ-2-エノン((R)-1eから(R)-1f)
【0289】
【0290】
(R,Z)-2-(2-ブロモ-7-ヒドロキシヘプタ-2-エン-1-イル)-4-ヒドロキシシクロペンタ-2-エノン(2.76g、9.5mmol、実施例12より)を酢酸エチル(28mL)に溶解した。次いで、イミダゾール(3.9g、57mmol)及びtert-ブチルジメチルシリルクロリド(4.32g、28.7mmol)をそこに添加した。反応混合物を室温にて撹拌した。反応の完了をTLCで確認した。反応混合物を10%NaHCO3水溶液(30mL)でクエンチし、反応混合物を相分離した。有機層を無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去して粗化合物を得た。粗生成物をヘキサン・酢酸エチル混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物の収量は4.1g(83%)であった。
1H-NMR(400 MHz,CDCl3):δ 7.191-7.188(m,1H),5.798(t,1H,J=6.8 Hz),4.932-4.918(m,1H),3.610(t,2H,J=6.4Hz),3.378-3.251(q,2H,16.4Hz),2.795-2.734(dd,1H,J=6,18.4Hz),2.317-2.266(dd,1H,J= 2,18.4Hz),2.206-2.152(q,2H,7.6 Hz),1.597-1.430(m,4H),0.906-0.889(m,18H),0.129-0.036(m,12H).
【0291】
実施例14
(R,Z)-3-(2-ブロモ-7-ヒドロキシヘプタ-2-エン-1-イル)-4-オキソシクロペンタ-2-エン-1-イル酢酸((R)-1dから(R)-1g)
【0292】
【0293】
(R,Z)-3-(7-アセトキシ-2-ブロモヘプタ-2-エン-1-イル)-4-オキソシクロペンタ-2-エン-1-イル酢酸(54.1g、実施例11からの粗生成物)をメチル tert-ブチルエーテル(541mL)及びメタノール(54mL)に溶解した。Novozym435(5.6g、50wt%)をそこに添加し、反応混合物を室温で撹拌した。反応の完了をHPLC分析で確認し、ろ過中にリパーゼ樹脂を除去した。ろ液を濃縮し、粗生成物をヘキサン・酢酸エチル混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物の収量は27.5g(57%)であった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.314-7.309(m,1H),5.823(t,1H,J= 7.2 Hz),5.782-5.766(m,1H),3.643(t,2H,J= 6.4Hz),3.343(m,2H),2.909-2.847(dd,1H,J=6,18.8 Hz),2.403-2.351(dd,1H,J= 2,18.8 Hz),2.218-2.164(q,2H),2.085(s,3H),1.602-1.462(m,4H).
【0294】
実施例15
(R,Z)-7-(3-アセトキシ-5-オキソシクロペンタ-1-エン-1-イル)-6-ブロモヘプタ-5-エン酸
((R)-1gから(R)-1h)
【0295】
【0296】
アセトニトリル及び水(544mL、v/v=1/1)の混合物中の(R,Z)-3-(2-ブロモ-7-ヒドロキシヘプタ-2-エン-1-イル)-4-オキソシクロペンタ-2-エン-1-イルアセテート(27.2g、実施例14からの粗生成物)の溶液に、ジアセトキシヨードベンゼン(88.26g、274mmol)及び2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(3.89g、24.9 mmol)を加え、室温で撹拌した。反応の完了をTLCで確認した。反応混合物を1M Na2S2O3水溶液(600mL)でクエンチし、反応混合物を相分離した。有機層を無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去して粗化合物を得た。粗生成物を、ヘキサン・酢酸エチル混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物の収量は28g(98%)であった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.320-7.315(m,1H),5.834-5.777(m,2H),3.354(m,2H),2.919-2.856(dd,1H,J= 6.4,18.8 Hz),2.410-2.357(m,3H),2.260-2.206(m,2H),2.092(s,3H),1.795-1.739(m,2H).
【0297】
実施例16
(R,Z)-メチル 6-ブロモ-7-(3-ヒドロキシ-5-オキソシクロペンタ-1-エン-1-イル)ヘプタ-5-エン酸((R)-1hから(R)-1i)
【0298】
【0299】
(R,Z)-7-(3-アセトキシ-5-オキソシクロペンタ-1-エン-1-イル)-6-ブロモヘプタ-5-エン酸(27.1g、78.5mmol、実施例15より)をメタノール(220mL)に溶解し、0℃に冷却した。次いで、メタノール(55mL)中の希硫酸(27.1g)をそこに添加した。反応混合物を室温に加温し、同温度で2時間撹拌し続けた。反応の完了をTLCで確認した。氷水(200mL)を徐々に加えて急冷反応し、続いて10%NaHCO3水溶液(450mL)を加えた。反応混合物から減圧下でメタノールを留去し、次いで酢酸エチル(600mL)を混合物に加えて抽出した。反応混合物を相分離した。有機層を無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去して粗化合物を得た。粗生成物をヘキサン・酢酸エチル混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物の収量は20.75g(82%)であった。生成物のHPLC分析により0.71%のエナンチオマーが検出された。
1H-NMR(400 MHz,CDCl3):δ 7.330-7.325(m,1H),5.799(t,1H,J=7.2 Hz),4.982(m,1H),3.669(s,3H),3.327(s,2H),2.866-2.760(m,3H),2.366-2.314(m,3H),2.234-2.179(m,2H),1.778-1.722(m,2H).
13 C-NMR(100 MHz,CDCl3): 205.286,173.977,158.372,143.624,130.805,123.237,68.430,51.694,44.666,36.711,33.318,30.730,23.520.
【0300】
実施例17
(R,Z)-メチル 6-ブロモ-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-5-オキソシクロペンタ-1-エン-1-イル)ヘプタ-5-エン酸
((R)-1iから(R)-1j)
【0301】
【0302】
(R,Z)-メチル6-ブロモ-7-(3-ヒドロキシ-5-オキソシクロペンタ-1-エン-1-イル)ヘプタ-5-エン酸(20.0g、63mmol、実施例16より)を酢酸エチル(200mL)に溶解した。次いで、イミダゾール(12.88g、189mmol)及びtert-ブチルジメチルシリルクロリド(19.0g、126mmol)をそこに添加した。反応混合物を室温にて撹拌した。反応の完了をTLCで確認した。反応混合物を10%NaHCO3水溶液(300mL)でクエンチし、反応混合物を相分離した。有機層を無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去して粗化合物を得た。粗生成物をヘキサン・酢酸エチル混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。表題化合物の収量は26.02g(95%)であった。生成物のGC分析により0.43%のE-異性体が検出された。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.220-7.211(m,1H),5.804(t,1H,J=6.8 Hz),4.953-4.937(m,1H),3.683(s,3H),3.400-3.275(m,2H),2.811-2.751(m,1H),2.366-2.203(m,4H),1.798-1.724(m,2H),0.930-0.906(m,9H),0.155-0.082(m,6H).
13 C-NMR(100 MHz,CDCl3): 205.035,173.749,158.888,142.850,130.645,123.420,68.976,51.557,45.318,36.749,33.296,30.753,25.789,23.565,18.123,-4.639.
【0303】
実施例18
(Z)7-((1R,2R,3R)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-((3S,4S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)-5-オキソシクロペンチル)ヘプタ-5-エン酸((R)-1jから2a)
【0304】
【0305】
乾燥THF(6.4mL)中のチオフェン(640mg、7.62mmol)の溶液に、-20℃でヘキサン中の1.6M(4.4mL、6.93mmol)n-ブチルリチウムを滴下し、反応混合物を-20℃で1時間撹拌した。1時間後、溶液をCuCN(2.9g、7.62mmol)及び乾燥THF(29mL)のスラリーにカニューレを介して-40℃で移し、次いで反応混合物を-40℃で1時間撹拌し、2-チエニル(シアノ)銅リチウム溶液を得た。
tert-ブチルジメチル(((3S,4S,E)-4-メチル-1-(トリブチルスタンニル)オクタ-1-エン-6-イン-3-イル)オキシ)シラン(3.77g、6.96mmol)の乾燥THF(37.7mL)溶液に、1.6M n-ブチルリチウム(4.4mL、6.93 mmol)のn-ヘキサン溶液を-70℃で滴下し、同温度で30分間撹拌した。前記2-チエニル(シアノ)銅リチウム溶液を-70℃に冷却し、反応フラスコに加えた。1時間後、そこに(R,Z)-メチル 6-ブロモ-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-5-オキソシクロペンタ-1-エン-1-イル)ヘプタ-5-エン酸(1.0g、2.32mmol、実施例17より)のTHF(10mL)溶液を-70℃で添加した。反応の完了をTLCで確認し、次いで、反応混合物を、水酸化アンモニウム(7.5mL)を含有する飽和塩化アンモニウム水溶液(67.5mL)でクエンチした。反応混合物を相分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去し、粗表題化合物を得た。粗生成物を、ヘキサン・酢酸エチル混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物の収量は1.32g(83%)であった。
1 H-NMR(400 MHz,CDCl3):δ 5.695(t,1H,J=6.8 Hz),5.534-5.502(m,2H),4.157-4.143(m,1H),4.013-3.985(m,1H),3.670(s,3H),2.784-2.145(m,13H),1.784-1.613(m,5H),0.910-0.860(m,21H),0.068-0.005(m,12H)
13 C-NMR(100 MHz,CDCl3): 216.117,173.787,133.545,130.425,130.182,128.452,128.323,126.418,77.750,77.219,76.528,75.747,73.758,51.853,51.550,50.988,47.360,41.576,39.565,33.288,30.662,25.880,25.766,25.744,23.672,22.017,18.154,17.971,15.383,3.474,-3.987,-4.700,-4.738,-4.852.
【0306】
実施例19
(Z)7-((1R,2R,3R)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-((3S,4S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)-5-メチレンシクロペンチル)ヘプタ-5-エン酸(2aから3a)
【0307】
【0308】
活性亜鉛散剤(330mg、5.04mmol)、ジブロモメタン(292mg、1.68mmol)及び乾燥THF(15mL)のスラリーに、-40℃で四塩化チタン(224mg、1.18mmol)を添加し、次いで反応混合物の温度を5℃に温め、同温度で3日間撹拌した。3日後、乾燥THF(12mL)中の(Z)-6-メチルブロモ-7-((1R,2R,3R)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-((3S,4S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)-5-オキソシクロペンチル)ヘプタ-5-エン酸(1.15g、1.68mmol、実施例18より)を加えた。反応混合物を室温で撹拌した。反応の完了をTLCで確認した。反応混合物を10%NaHCO3水溶液(200mL)でクエンチし、反応混合物を相分離した。有機層を無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去して粗化合物を得た。粗生成物をヘキサン・酢酸エチル混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物の収量は0.53g(46%)であった。
1 H-NMR(400 MHz,CDCl3):δ 5.644(t,1H,J=7.2 Hz),5.448-5.417(m,2H),4.910-4.830(m,2H),3.970-3.902(m,2H),3.666(s,3H),2.643-2.062(m,12H),1.779-1.629(m,6H),0.912-0.862(m,21H),0.070-0.006(m,12H)
13 C-NMR(100 MHz,CDCl3): 173.833,151.047,132.505,131.966,129.014,128.551,108.103,78.009,76.308,76.043,55.755,51.519,46.859,44.954,42.631,39.649,33.394,30.654,25.903,25.865,23.725,22.032,18.154,18.032,15.421,3.474,1.008,-3.926,-4.601,-4.662,-4.890.
【0309】
実施例20
(E)5-(((3aS,4R,5R,6aS)-5-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-(((3S,4S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)ヘキサヒドロペンタレン-2(1H)-イリデン)ペンタン酸塩(3aから4a)
【0310】
【0311】
THF中の9-BBN(0.5M、4.38mL、2.19mmol)を、(Z)-メチル 6-ブロモ-7-((1R,2R,3R)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-((3S,4S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)-5-メチレンシクロペンチル)ヘプタ-5-エン酸(500mg、0.73mmol、実施例19より)の乾燥THF溶液に0℃で添加し、同温度で2時間撹拌した。2時間後、Pd(dppf)Cl2(54mg、0.073mmol)及び1M Na2CO3水溶液(2.2mL、2.2mmol)を加え、60℃で1時間撹拌した。反応の完了をTLCで確認した。反応混合物を水(25mL)及び酢酸エチル(25mL)で抽出し、相分離した。有機層を無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去して粗化合物を得た。粗生成物をヘキサン・酢酸エチル混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物の収量は209mg(47%)であった。
1H-NMR(400 MHz,CDCl3):δ 5.532-5.357(m,2H),5.207-5.172(m,1H),3.974-3.943(m,1H),3.768-3.706(m,1H),3.661(s,3H),2.374-1.156(m,21H),0.916-0.862(m,21H),0.0640.000(m,12H).
13C-NMR(100 MHz,CDCl3): 174.280,143.131,132.717,131.632,120.384,78.312,78.122,77.325,76.202,56.051,51.443,44.445,42.571,39.816,38.252,37.698,35.998,33.501,28.780,25.911,25.076,22.062,18.169,18.100,15.436,3.474,1.008,-3.933,-4.450,-4.601,-4.950.
【0312】
実施例21
(E)-メチル 5-(((3aS,4R,5R,6aS)-5-ヒドロキシ-4-((3S,4S,E)-3-ヒドロキシ-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)ヘキサヒドロペンタレン-2(1H)-イリデン)ペンタノエート(4aから16(S)-イロプロスト・メチルエステル)
【0313】
【0314】
(Z)6-ブロモ-7-((1R,2R,3R)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-((3S,4S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)-5-メチレンシクロペンチル)ヘプタ-5-エン酸(183mg、0.303mmol、実施例20より)をTHF(1.8mL)で希釈し、1M TBAF(1.8mL、1.818mmol)をそこに添加した。反応物を室温で撹拌し、反応の進行をTLCで確認した。反応終了後、混合物を10%NaHCO3水溶液(5mL)で中和し、反応混合物を相分離した。有機層を無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去して粗化合物を得た。粗生成物を、ヘキサン・酢酸エチル混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物の収量は109mg(96%)であった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ 5.496-5.477(m,2H),5.222-5.188(m,1H),3.936-3.912(m,1H),3.723-3.655(m,4H),2.445-1.117(m,21H),0.934-0.917(m,3H).
13C-NMR(100 MHz,CDCl3): 174.311,142.653,134.956,132.968,120.816,77.492,77.083,76.916,76.324,57.242,51.519,45.174,41.447,38.168,38.002,37.493,35.854,33.501,28.719,25.061,22.275,15.649,3.528.
【0315】
実施例22
(E)-5-((3aS,4R,5R,6aS)-5-ヒドロキシ-4-((3S,4S,E)-3-ヒドロキシ-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)ヘキサヒドロペンタレン-2(1H)-イリデン)ペンタン酸(16(S)-イロプロスト)
【0316】
【0317】
(E)-メチル 5-((3aS,4R,5R,6aS)-5-ヒドロキシ-4-((3S,4S,E)-3-ヒドロキシ-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)ヘキサヒドロペンタレン-2(1H)-イリデン)ペンタン酸(100mg、0.267mmol、実施例21より)をメタノール(1mL)に溶解し、水酸化ナトリウム(23.5mg、0.587mmol)の水(1mL)溶液を10℃で徐々に滴下し、反応終了後、減圧下でメタノールを反応混合物から留去した。残渣を水(5mL)で希釈し、メチル-tert-ブチルエーテル(5mL)でさらに洗浄した。水層を3N塩酸でpH3~4に酸性化し、さらにメチル-tert-ブチルエーテル(5mL)で抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去した。粗生成物を、アセトニトリル・水の混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物の収量は77mg(80%)であった。生成物のHPLC分析により0.42%のZ-異性体が検出された。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ 5.524-5.506(m,2H),5.225(m,1H),3.974-3.961(m,1H),3.748-3.682(m,1H),2.469-1.666(m,23H),1.205-1.156(m,1H),0.954-0.937(m,3H).
【0318】
実施例23
(Z)-メチル 6-ブロモ-7-((1R,2R,3R)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-((3S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)-5-オキソシクロペンチル)ヘプタ-5-エン酸((R)-1jから2b)
【0319】
【0320】
本化合物は(R,Z)-メチル 6-ブロモ-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-5-オキソシクロペンタ-1-エン-1-イル)ヘプタ-5-エン酸(40.0g,92.7mmol、実施例17より)及びtert-ブチルジメチル(((3S,E)-4-メチル-1-(トリブチルスタンニル)オクタ-1-エン-6-イン-3-イル)オキシ)シラン(165.7g,306mmol)から、実施例18の手順に従って得た。表題化合物の収量は57.88g(91%)であった。
1H-NMR(400 MHz,CDCl3):δ 5.693(t,1H,J=6.8 Hz),5.543-5.501(m,2H),4.155-4.000(m,2H),3.668(s,3H),2.781-2.182(m,13H),1.776-1.579(m,5H),0.919-0.874(m,21H),0.066-0.002(m,12H).
【0321】
実施例24
(Z)-メチル 6-ブロモ-7-((1R,2R,3R)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-((3S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)-5-メチレンシクロペンチル)ヘプタ-5-エン酸(2bから3b)
【0322】
【0323】
本化合物は、(Z)-メチル 6-ブロモ-7-((1R,2R,3R)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-((3S,E)-3-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)-5-オキソシクロペンチル)ヘプタ-5-エン酸(56.0g、81.9 mmol、実施例23より)から、実施例19の手順に従って得た。表題化合物の収量は29.77g(53%)であった。
1H-NMR(400 MHz,CDCl3):δ 5.645(t,1H,J=6.4Hz),5.458-5.418(m,2H),4.910-4.831(m,2H),4.114-3.889(m,2H),3.669(s,3H),2.677-2.063(m,12H),1.777-1.634(m,6H),0.921-0.870(m,21H),0.038-0.007(m,12H).
【0324】
実施例25
(E)-メチル 5-((3aS,4R,5R,6aS)-5-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-((3S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)ヘキサヒドロペンタレン-2(1H)-イリデン)ペンタン酸(3bから4b)
【0325】
【0326】
本化合物は、(Z)-メチル 6-ブロモ-7-((1R、2R、3R)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)-5-メチレンシクロペンチル)ヘプタ-5-エン酸(29.0g、42.5mmol、実施例24より)から、実施例20の手順に従って得た。表題化合物の収量は14.63g(57%)であった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ 5.527-5.353(m,2H),5.185(m,1H),4.101-3.937(m,1H),3.762-3.700(m,1H),3.659(s,3H),2.355-1.908(m,14H),1.787(s,3H),1.707-1.653(m,3H),1.224-1.151(m,1H),0.926-0.856(m,21H),0.061-0.007(m,12H).
【0327】
実施例26
(E)-メチル 5-(((3aS,4R,5R,6aS)-5-ヒドロキシ-4-((3S,E)-3-ヒドロキシ-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)ヘキサヒドロペンタレン-2(1H)-イリデン)ペンタン酸(4bからイロプロストメチルエステル)
【0328】
【0329】
本化合物は、(E)-メチル 5-((3aS,4R,5R,6aS)-5-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-((3S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)ヘキサヒドロペンタレン-2(1H)-イリデン)ペンタン酸(12.0g、19.9mmol、実施例25より)から、実施例21の手順に従って得た。表題化合物の収量は6.3g(84%)であった。
1H-NMR(400 MHz,CDCl3):δ 5.539-5.510(m,2H),5.215(m,1H),4.076-3.960(m,1H),3.751-3.685(m,1H),3.661(s,3H),2.450-1.638(m,20H),1.204-1.129(m,1H),0.996-0.930(m,3H).
【0330】
実施例27
(E)-5-((3aS,4R,5R,6aS)-5-ヒドロキシ-4-((3S,E)-3-ヒドロキシ-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)ヘキサヒドロペンタレン-2(1H)-イリデン)ペンタン酸(イロプロスト)
【0331】
【0332】
本化合物は、(E)-メチル 5-(((3aS,4R,5R,6aS)-5-ヒドロキシ-4-(((3S,E)-3-ヒドロキシ-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)ヘキサヒドロペンタレン-2(1H)-イリデン)ペンタン酸(3.0g、8mmol、実施例26より)から実施例22の手順に従って得た。表題化合物の収量は2.31g(80%)であった。生成物のHPLC分析により0.41%のZ-異性体が検出され、15-エピマーは検出されなかった。
1H-NMR(400 MHz,CDCl3):δ 5.528-5.499(m,2H),5.220-5.203(m,1H),4.069-3.939(m,1H),3.739-3.674(m,1H),2.457-1.661(m,23H),1.201-1.126(m,1H),1.017-0.935(m,3H).
【0333】
実施例28
(2R,3R,4R)-2-((Z)-2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エン-1-イル)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-3-((3S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)シクロペンタノン((R)-1fから2b')
【0334】
【0335】
本化合物は、(R,Z)-2-(2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エン-1-イル)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)シクロペンタ-2-エノン(10.0g、19.3mmol、実施例13より)及びtert-ブチルジメチル(((3S,E)-4-メチル-1-(トリブチルスタニル)オクタ-1-エン-6-イン-3-イル)オキシ)シラン(31.4g、58mmol)から、実施例18の手順に従って得た。表題化合物の収量は10.41g(70%)であった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ 5.699(m,1H),5.566-5.462(m,2H),4.158-3.990(m,2H),3.609(m,2H),2.807-1.901(m,10H),1.772(s,3H),1.707-1.418(m,5H),1.040-0.727(m,30H),0.118-0.000(m,18H).
【0336】
実施例29
(((Z)-6-ブロモ-7-((1R,2R,3R)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-((3S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)-5-メチレンシクロペンチル)ヘプタ-5-エン-1-イル)オキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(2b'から3b')
【0337】
【0338】
本化合物は、(2R,3R,4R)-2-((Z)-2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エン-1-イル)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-3-((3S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)シクロペンタノン(11.0g、14.3mmol、実施例28より)から実施例19の手順に従って得た。表題化合物の収量は8.47g(77%)であった。
1H-NMR(400 MHz,CDCl3):δ 5.660(t,1H,J=6.8),5.463-5.418(m,2H),4.907-4.845(m,2H),4.106-3.894(m,2H),3.627-3.596(t,2H,J=5.6 Hz),2.642-1.263(m,15H),1.778(s,3H),0.927-0.873(m,30H),0.043-0.003(m,18H).
【0339】
実施例30
((E)-5-(((3aS,4R,5R,6aS)-5-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-((3S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)ヘキサヒドロペンタレン-2(1H)-イリデン)ペンチル)オキシ)ジメチルシラン(3b'から4b')
【0340】
【0341】
本化合物は((Z)-6-ブロモ-7-((1R,2R,3R)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-((3S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)-5-メチレンシクロペンチル)ヘプタ-5-エン-1-イル)オキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(4. 0g、5.2mmol、実施例29より)から実施例20の手順に従って得た。表題化合物の収量は2.01g(56%)であった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ 5.486-5.397(m,2H),5.217(m,1H),4.094-3.962(m,1H),3.746-3.728(m,1H),3.620-3.587(m,2H),2.331-1.205(m,18H),1.780(s,3H),0.933-0.863(m,30H),0.067-0.001(m,18H).
13C-NMR(100 MHz,CDCl3):δ 141.910,132.824,132.331,132.073,131.549,121.636,78.470,78.379,76.238,75.297,63.168,56.086,56.033,44.594,44.495,42.590,40.146,39.835,38.233,38.173,37.725,36.017,35.987,32.495,29.193,26.104,25.983,25.914,22.430,22.074,18.362,18.187,18.164,18.096,15.424,14.430,3.485,3.454,-4.447,-4.599,-4.978,-5.252.
【0342】
実施例31
((2S,3R,4R)-2-((Z)-2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エン-1-イル)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-3-(((3S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)シクロペンチル)メタノール(3b'から3')
【0343】
【0344】
9-BBNのTHF溶液(0.5M、242mL、121mmol)に、((Z)-6-ブロモ-7-((1R,2R,3R)-3-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-(((3S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)-5-メチレンシクロペンチル)ヘプタ-5-エン-1-イル)オキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(31g、40.3mmol、実施例29より)のTHF(310mL)溶液を0℃で添加し、反応混合物を同温度で30分間撹拌した。反応混合物を冷却し、-10℃で撹拌した後、-10℃で31%過酸化水素(40.85mL)を加えた。10分後、水酸化ナトリウム水溶液(3M、121mL、363mmol)を同温度で添加した。次いで、反応混合物を0℃に加温し、30分間撹拌した。反応の完了をTLCで確認した。反応混合物を10%食塩水(1L)でクエンチし、反応混合物を相分離した。有機層を無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去して粗化合物を得た。粗生成物をヘキサン・酢酸エチル混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物の収量は17.76g(56%)であった。
1H-NMR(400 MHz,CDCl3):δ 5.743(m,1H),5.458-5.341(m,2H),4.119-3.999(m,2H),3.769-3.449(m,4H),2.740-2.007(m,7H),1.770(s,3H),1.675-1.420(m,9H),0.945-0.720(m,30H),0.078-0.013(m,18H).
【0345】
実施例32
((1S,2S,3R,4R)-2-((Z)-2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エン-1-イル)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-3-(((3S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)シクロペンチル)メチル4-メチルベンゼンスルホナート(3'から3")
【0346】
【0347】
((2S,3R,4R)-2-((Z)-2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エン-1-イル)-4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-3-(((3S,E)-3-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)シクロペンチル)メタノール(37.34g、47.5mmol、実施例31)をジクロロメタン(380mL)で溶解した。次いで、トリエチルアミン(14.4g、142mmol)DMAP(0.58g、47.5mmol)及び4-トルエンスルホニルクロリド(22.64g、118.7mmol)をそこに添加した。反応混合物を加熱還流した。反応の完了をTLCで確認した。反応混合物を室温に冷却し、10%NaHCO3水溶液(450mL)でクエンチし、反応混合物を相分離した。有機層を回収し、無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去して粗化合物45.51gを得た。
【0348】
実施例33
tert-ブチル (((E)-5-(((3aS,4R,5R,6aS)-5-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-((3S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)ヘキサヒドロペンタレン-2(1H)-イリデン)ペンチル)オキシ)ジメチルシラン(3"から4')
【0349】
【0350】
((1S,2S,3R,4R)-2-((Z)-2-ブロモ-7-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタ-2-エン-1-イル)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-3-((3S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)シクロペンチル)メチル 4-メチルベンゼンスルホン酸(45.0g、47.8 mmol、実施例32より)の乾燥THF(450mL)溶液を1.9M tert-ブチルリチウム(60mL、114mmol)のペンタン溶液に-70℃で滴下し、混合物を同温度で1時間撹拌した。反応の完了をTLCで確認した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(450mL)でクエンチした。反応混合物を相分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去し、粗表題化合物を得た。粗生成物をヘキサン・酢酸エチル混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物の収量は24.0g(73%)であった。
【0351】
実施例34
(E)-5-((3aS,4R,5R,6aS)-5-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-((3S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)ヘキサヒドロペンタレン-2(1H)-イリデン)ペンタン-1-オール
【0352】
【0353】
tert-ブチル (((E)-5-(((3aS,4R,5R,6aS)-5-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-((3S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)ヘキサヒドロペンタレン-2(1H)-イリデン)ペンチル)オキシ)ジメチルシラン(2.43g、3.5mmol、実施例33より)をn-ヘキサン(370mL)に溶解した。次いで、酸化アルミニウム(250g、H2Oを含む)をそこに添加した。反応混合物の懸濁液を室温で撹拌した。反応の完了をTLCで確認した。酸化アルミニウムをろ別し、有機溶媒を真空下で留去して粗化合物を得た。粗生成物をヘキサン・酢酸エチル混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物の収量は1.6g(80%)であった。
1H-NMR(400 MHz,CDCl3):δ 5.490-5.391(m,2H),5.209(m,1H),4.089-3.958(m,1H),3.742-3.725(m,1H),3.636-3.606(m,2H),2.209-1.156(m,16H),1.769(s,3H),0.923-0.855(m,21H),0.032-0.007(m,12H).
【0354】
実施例35
(E)-5-((3aS,4R,5R,6aS)-5-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-((3S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)ヘキサヒドロペンタレン-2(1H)-イリデン)ペンタン酸
【0355】
【0356】
(E)-5-((3aS,4R,5R,6aS)-5-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-((3S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)ヘキサヒドロペンタレン-2(1H)-イリデン)ペンタン-1-オール(1.1g、1.9 mmol、実施例34より)をジクロロメタン(11mL)及び水(11mL)に溶解した。次いで、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(60mg、0.38mmol)及び(ジアセトキシヨード)ベンゼン(1.54g、0.48mmol)をそこに添加した。反応混合物を室温で撹拌した。反応の完了をTLCで確認した。反応混合物を20%チオ硫酸ナトリウム水溶液(22mL)でクエンチした。反応混合物を相分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去し、粗表題化合物を得た。粗生成物を、ヘキサン・酢酸エチル混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物の収量は0.8g(72%)であった。
1H-NMR(400 MHz,CDCl3):δ 5.497-5.379(m,2H),5.211-5.195(m,1H),4.144-3.980(m,1H),3.752-3.734(m,1H),2.181-1.612(m,17H),1.777(s,3H),1.269(m,1H),0.931-0.861(m,21H),0.063-0.001(m,12H).
【0357】
実施例36
(E)-5-((3aS,4R,5R,6aS)-5-ヒドロキシ-4-((3S,E)-3-ヒドロキシ-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)ヘキサヒドロペンタレン-2(1H)-イリデンペンタン酸(イロプロスト)
【0358】
【0359】
(E)-5-((3aS,4R,5R,6aS)-5-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-((3S,E)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ-4-メチルオクタ-1-エン-6-イン-1-イル)ヘキサヒドロペンタレン-2(1H)-イリデン)ペンタン酸(800mg、1.35mmol、実施例35より)をTHF(8mL)で希釈し、そして1M TBAF溶液(5.4mL、5.4mmol)をそこに加えた。反応物を室温で撹拌し、反応の進行をTLCで確認した。反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)でクエンチし、酢酸エチル(20mL)を加えて抽出した。次いで、反応混合物を相分離した。有機層を無水Na2SO4で乾燥した。固体をろ別し、有機溶媒を真空下で留去して粗化合物を得た。粗生成物を、ヘキサン・酢酸エチル混合物を勾配溶離剤として用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物の収量は420mg(86%)であった。