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特許7680090部品整列装置、部品実装システム、部品整列方法及び部品実装方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-12
(45)【発行日】2025-05-20
(54)【発明の名称】部品整列装置、部品実装システム、部品整列方法及び部品実装方法
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/00 20060101AFI20250513BHJP
   B65G 47/14 20060101ALI20250513BHJP
【FI】
B23P19/00 301D
B65G47/14 101Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024087916
(22)【出願日】2024-05-30
【審査請求日】2024-05-30
(73)【特許権者】
【識別番号】523223696
【氏名又は名称】株式会社ユニテック
(74)【代理人】
【識別番号】100184789
【弁理士】
【氏名又は名称】宮▲崎▼ 浩充
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩之
【審査官】田中 尋
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-124530(JP,A)
【文献】国際公開第2024/058121(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2022/0063929(US,A1)
【文献】特開平08-008523(JP,A)
【文献】特開平08-072819(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 19/00
B65G 47/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不規則な姿勢で供給される複数の部品を載置可能であるとともに、前記部品を収容可能な凹部を所定間隔毎に配設されるパレットと、
前記パレットを所定方向に搖動可能な駆動手段と、
前記駆動手段が停止した後に、前記パレット上を前記部品の載置面に沿って所定方向に移動して、前記部品のうち前記凹部に収容されていない部品を前記載置面上から除去可能な除去手段と、
前記除去手段により前記載置面上から除去される前記部品を貯留可能な貯留手段と、
を備え、
前記貯留手段は、前記載置面に連続して、前記載置面と略同じ高さに配設される部品整列装置。
【請求項2】
前記除去手段は、底面が前記載置面の平坦部から所定高さを維持して移動可能に構成され、
前記高さは、前記部品のサイズより小さい請求項1に記載の部品整列装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の部品整列装置と、
前記部品整列装置から前記部品をピックアップしてワークに実装する実装装置と、
を備える部品実装システムであって、
前記実装装置は、
前記凹部に収容される前記部品をピックアップして、ピックアップされた前記部品を前記ワークに実装する装着ヘッドと、
前記ワークを保持する保持治具と、
前記装着ヘッドにより前記部品がピックアップされると、前記装着ヘッドを前記保持治具により保持される前記ワークに対応する位置に移動させる移動手段と、
を備え、
前記装着ヘッドは、前記凹部に対応して配列される複数のピックアップ爪により前記部品をピックアップ可能に構成され、
前記保持治具は、前記ピックアップ爪の配列に対応する態様にて前記ワークを保持する部品実装システム。
【請求項4】
不規則な姿勢で供給される複数の部品を収容可能な凹部を有するパレットに配列する部品整列方法であって、
前記パレットを所定方向に搖動する搖動ステップと、
前記搖動ステップを実行した後に、前記パレット上を前記部品の載置面に沿ってワイパーを移動させて、前記部品のうち前記凹部に収容されていない部品を前記載置面上から除去する除去ステップと、
を実行し、
前記パレット内には、前記除去ステップにより除去される前記部品を貯留可能な貯留手段が配設され、
前記貯留手段は、前記載置面に連続して、前記載置面と略同じ高さに配設される部品整列方法。
【請求項5】
不規則な姿勢で供給される複数の部品を収容可能な凹部を有するパレットを所定方向に搖動する搖動ステップと、
前記搖動ステップを実行した後に、前記パレット上を前記部品の載置面に沿ってワイパーを移動させて、前記部品のうち前記凹部に収容されていない部品を前記載置面上から除去する除去ステップと、
前記除去ステップが実行されると、前記凹部に対応して配列される複数のピックアップ爪を有する装着ヘッドにより、前記凹部に収容される前記部品をピックアップするピックアップステップと、
前記装着ヘッドによりピックアップされた前記部品を、保持治具により前記装着ヘッドの配列態様に対応した配列にて保持されるワークに実装する実装ステップと、
を実行し、
前記パレット内には、前記除去ステップにより除去される前記部品を貯留可能な貯留手段が配設され、
前記貯留手段は、前記載置面に連続して、前記載置面と略同じ高さに配設される部品実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品整列装置、部品実装システム、部品整列方法及び部品実装方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ベースに固定されたモータの回転軸に取り付けられた偏心の軸揺れ運動により整列パレットに振動を与え、部品を整列させる振動手段を備える部品整列装置が提供されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4507321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1において開示される部品整列装置によると、モータが駆動すると、整列パレット上を部品が振動しながら往復動することになり、この間に整列パレット上に形成された型枠内に部品がはまり込んで整列する。
【0005】
しかし、上記特許文献1において開示される部品整列装置によると、整列パレット上に載置されている部品の数が型枠の数より多い場合、整列パレット上には型枠内に収容されず整列されていない部品が残置する。
【0006】
整列されていない部品がパレット上に残置する場合、整列された部品をワークに実装する実装工程において、整列パレットから部品をピックアップする装着ヘッドに残置する部品が接触することにより、部品のピックアップに支障を来すおそれがあるという問題点があった。
【0007】
また、パレットに整列された部品を取り出してワークに実装する場合に、パレットを反転させる必要があったため、パレットの構造が複雑化するという問題点があった。
【0008】
そこで本発明は、パレット上に残置する部品を除去することにより、実装工程の作業効率を向上させることができる部品整列装置、部品実装システム、部品整列方法及び部品実装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の部品整列装置は、不規則な姿勢で供給される複数の部品を載置可能であるとともに、前記部品を収容可能な凹部を所定間隔毎に配設されるパレットと、前記パレットを所定方向に搖動可能な駆動手段と、前記駆動手段が停止した後に、前記パレット上を前記部品の載置面に沿って所定方向に移動して、前記部品のうち前記凹部に収容されていない部品を前記載置面上から除去可能な除去手段と、前記除去手段により前記載置面上から除去される前記部品を貯留可能な貯留手段とを備え、前記貯留手段は、前記載置面に連続して、前記載置面と略同じ高さに配設される
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、パレット上に残置する部品を除去することができ、実装工程の生産性を向上させることができる。
【0011】
また、パレット上に残置する部品を除去するためにパレットの載置面を傾斜させるという方法に対しては、本発明は、パレットの構造を複雑化させることなく残置する部品を除去可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態における部品実装システムの全体の構成の一例を示す図である。
図2】本発明の第1実施形態における部品整列装置の構成の一例を示す図である。
図3】本発明の第1実施形態における部品整列装置の構成の一例を示す図である。
図4】本発明の第1実施形態における部品整列装置の構成の一例を示す図である。
図5】本発明の第1実施形態における部品整列装置の構成の一例を示す図である。
図6】本発明の第1実施形態における部品整列装置の構成の一例を示す図である。
図7】本発明の第1実施形態における部品整列装置の構成の一例を示す図である。
図8】本発明の第1実施形態における実装装置の構成の一例を示す図である。
図9】本発明の第1実施形態における実装装置の構成の一例を示す図である。
図10】本発明の第1実施形態における保持治具の構成の一例を示す図である。
図11】本発明の第1実施形態における部品実装システムにおいて実行される主要な処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12】本発明の第1実施形態における部品実装システムにおいて実行される搖動工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図13】本発明の第1実施形態における部品実装システムにおいて実行される除去工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図14】本発明の第1実施形態における部品実装システムにおいて実行されるピックアップ工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図15】本発明の第1実施形態における部品実装システムにおいて実行される実装工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図16】本発明の第1実施形態における部品実装システムにおいて実行される初期化工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図17】本発明の第2実施形態における部品実装システムの全体の構成の一例を示す図である。
図18】本発明の第2実施形態における部品実装システムにて実行される処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図19】本発明の第3実施形態における部品実装システムの全体の構成の一例を示す図である。
図20】本発明の第3実施形態における部品実装システムの構成の一例を示す図である。
図21】本発明の第3実施形態における部品整列装置の構成の一例を示す図である。
図22】本発明の第3実施形態における部品実装システムにて実行される処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(本発明に含まれる知見)
本発明に係る部品整列装置、部品実装システム、部品整列方法及び部品実装方法は、以下の発明を含む。
【0014】
本発明に係る部品整列装置は、前記除去手段により前記載置面上から除去される前記部品を貯留可能な貯留手段をさらに備え、前記除去手段は、前記載置面を鉛直方向に押圧しながら前記載置面上を移動し、前記貯留手段の上方まで移動可能に構成されてもよい。
【0015】
このような構成によると、パレット上の凹部に収容されることなく残置している部品を好適に貯留手段に貯留させることが可能となる。
【0016】
本発明に係る部品整列装置において、前記除去手段は、底面が前記載置面の平坦部から所定高さを維持して移動可能に構成され、前記高さは、前記部品のサイズより小さく構成されてもよい。
【0017】
このような構成によると、除去手段が摩擦することなくパレット上を移動可能となる。
【0018】
本発明に係る部品実装システムは、上記のいずれかの特徴を備える部品整列装置と、前記部品整列装置から前記部品をピックアップしてワークに実装する実装装置とを備える部品実装システムであって、前記実装装置は、前記凹部に収容される前記部品をピックアップして、ピックアップされた前記部品を前記ワークに実装する装着ヘッドと、前記ワークを保持する保持治具と、前記装着ヘッドにより前記部品がピックアップされると、前記装着ヘッドを前記保持治具により保持される前記ワークに対応する位置に移動させる移動手段とを備え、前記装着ヘッドは、前記凹部に対応して配列される複数のピックアップ爪により前記部品をピックアップ可能に構成され、前記保持治具は、前記ピックアップ爪の配列に対応する態様にてワークを保持する部品実装システムであってもよい。
【0019】
このような構成によると、整列された部品を保持治具により保持されるワークに好適に実装することが可能となる。
【0020】
本発明に係る部品整列方法は、不規則な姿勢で供給される複数の部品を収容可能な凹部を有するパレットに配列する部品整列方法であって、前記パレットを所定方向に搖動する搖動ステップと、前記搖動ステップを実行した後に、前記パレット上を前記部品の載置面に沿ってワイパーを移動させて、前記部品のうち前記凹部に収容されていない部品を前記載置面上から除去する除去ステップとを実行する部品整列方法であってもよい。
【0021】
このような構成によると、パレット上に残置する部品を除去することができ、実装工程の生産性を向上させることが可能となる。
【0022】
本発明に係る部品整列方法は、前記パレットに隣接して、前記載置面上から除去される前記部品を貯留可能な貯留手段が配設され、前記除去ステップは、前記載置面を鉛直方向に押圧しながら前記載置面上を移動し、前記貯留手段の上方まで移動することを特徴としてもよい。
【0023】
このような構成によると、パレット上に残置する部品を好適に除去することが可能となる。
【0024】
本発明に係る部品実装方法は、不規則な姿勢で供給される複数の部品を収容可能な凹部を有するパレットを所定方向に搖動する搖動ステップと、前記搖動ステップを実行した後に、前記パレット上を前記部品の載置面に沿ってワイパーを移動させて、前記部品のうち前記凹部に収容されていない部品を前記載置面上から除去する除去ステップと、前記除去ステップが実行されると、前記凹部に対応して配列される複数のピックアップ爪を有する装着ヘッドにより、前記凹部に収容される前記部品をピックアップするピックアップステップと、前記装着ヘッドによりピックアップされた前記部品を、保持治具により前記装着ヘッドの配列態様に対応した配列にて保持されるワークに実装する実装ステップとを実行する。
【0025】
このような構成によると、整列された部品を保持治具により保持されるワークに好適に実装することが可能となる。
【0026】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、同一の構成要件又は構成部材に対しては同一の符号を付し、これに関する重複する説明は省略する。
【0027】
図1は、第1実施形態に示される部品実装システム1の構成の一例を示す図である。以下の説明において、水平方向であって部品整列装置2の左右方向をX軸方向とし、X軸方向に直交する水平方向であって、部品整列装置2の前後方向をY軸とする。また、X軸方向およびY軸方向に直交する鉛直方向をZ軸方向とする。
【0028】
第1実施形態に示される部品実装システム1は、部品Pを整列させる部品整列装置2と、部品整列装置2から部品PをピックアップしてワークWに実装する実装装置3とを備える。
【0029】
部品整列装置2は、部品Pを収容可能な収容部8を有するパレット7と、パレット7を所定方向に搖動可能な駆動機構9と、パレット7上にて収容部8に収容されず残置される部品Pを除去するワイパー11とを備える。
【0030】
実装装置3は、パレット7に収容される部品PをピックアップしてワークWに実装する装着ヘッド20と、ワークWを保持する保持治具22と、装着ヘッド20を保持治具22により保持されるワークWに対応する位置に移動させる第1運搬部24とを備える。
【0031】
第1実施形態に示される部品実装システム1において、複数の部品Pは、供給フィーダ6からパレット7の載置面上に、不規則な姿勢で供給される。パレット7の載置面には、部品Pの形状に対応して下方に凹む収容部8が所定間隔で配設される。収容部8の一例として、凹部を形成してもよい。
【0032】
パレット7の載置面上に複数の部品Pが供給されると、部品整列装置2は、駆動機構9を駆動させてパレット7を所定方向に搖動させる。そうすると、部品Pは、パレット7の載置面上を摺動し、載置面に配設されている収容部8に一つずつ収容される。
【0033】
駆動機構9によりパレット7が所定時間搖動されると、一又は複数の部品Pは収容部8に収容され、収容されなかった部品Pは載置面上に残置される。駆動機構9が停止すると、ワイパー11は、パレット7上を載置面に沿って移動して、残置されている部品Pを載置面上から除去する。
【0034】
ワイパー11により残置されている部品Pが除去されると、実装装置3は、装着ヘッド20をパレット7上に移動させ、収容部8に収容されている部品Pをピックアップ爪28によりピックアップする。
【0035】
図1に示される例において、装着ヘッド20は、パレット7の前方から近接し、収容部8に収容されている部品Pをピックアップする。
【0036】
保持治具22には、ワークWを保持するワーク保持部30が配設される。ワーク保持部30は、パレット7の収容部8に対応して配列される。実装装置3は、第1運搬部24により装着ヘッド20をワーク保持部30に保持されているワークWに近接させ、部品Pを実装する。
【0037】
図1に示される部品実装システム1において、部品整列装置2は、パレット7の収容部8に収容されることなく残置する部品Pを載置面上から除去する。これにより、装着ヘッド20は、残置する部品Pに阻害されることなく収容部8に収容される部品Pをピックアップ可能となる。
【0038】
第1実施形態における部品実装システム1の動作を制御する制御装置(図示せず)は、パーソナルコンピュータ(PC)やプログラマブルロジックコントローラ(PLC)など、公知の機器により構成されてもよい。
【0039】
(部品整列装置)
図2は、第1実施形態における部品整列装置2の構成の一例を示す図である。図2において、部品整列装置2の平面視構成の一例を示す。収容部8は、パレット7の載置面側に、X軸方向およびY軸方向のそれぞれの方向に所定間隔毎に配設される。
【0040】
収容部8は、Z軸方向における下方に凹んで構成される。図2に示される例において、収容部8は、平面視Y軸方向に長辺が配置され、X軸方向に短辺が配置される。収容部8は、短辺に凸状の溝が形成されてもよい。
【0041】
一例として、収容部8は、ピックアップ爪28が収容部8内に進入し、Y軸方向すなわち長手方向に拡開して部品Pをピックアップする際に、ピックアップ爪28を退避させることが可能な凸状の溝を備えてもよい。
【0042】
これとは異なり、収容部8は、長辺に凸状の溝を備えてもよい。収容部8は、ピックアップ爪28を拡開させる際に退避可能な凸状の溝を備えてもよい。
【0043】
さらに、上記とは異なり、収容部8は、平面視円形状に構成されてもよい。この場合、収容部8は、Z軸方向における下方に円柱状に凹んで構成される。収容部8は、ピックアップ爪28を拡開させる際に退避可能な凸状の溝を所望の方向に備えてもよい。凸状の溝は、平面視収容部8の中心を挟んで対向する位置に夫々配置されてもよい。
【0044】
図2に示される例において、貯留部13は、パレット7の後端に、パレット7から連続して配設される。貯留部13は、底面の端部から立ち上がる壁を備える。貯留部13の具体的な構成については後述する。
【0045】
ワイパー11は、収容部8に収容されることなく残置する部品Pを載置面上から除去可能な部材である。ワイパー11は、パレット7の載置面上を移動可能に配設される。ワイパー11は、駆動機構9が停止した後に、パレット7の載置面上を所定方向に移動する。図2に示される例において、ワイパー11は、パレット7の後方に配設され、パレット7の載置面上を前方に向かって移動可能に構成される。
【0046】
ワイパー11は、モータなど公知の駆動手段によりパレット7上を移動可能に構成される。ワイパー11は、パレット7に係合して配設されてもよいし、パレット7から分離してパレット7の前方又は後方に近接して配設されてもよい。
【0047】
ワイパー11は、載置面上を移動して貯留部13に到達すると、反対方向へ移動を開始し、初期位置に復帰すると停止する。
【0048】
ワイパー11は、X軸方向における幅が、パレット7の幅に比べて小さく構成される。パレット7は、載置面を挟むように左右に壁を有する。供給フィーダ6から供給される部品Pがパレット7から脱落するのを防止するためである。ワイパー11は、パレット7の左右の壁に挟まれた載置面上を移動するため、壁を含むパレット7のX軸方向の幅に比べて小さく構成される。
【0049】
図3は、第1実施形態における部品実装システム1を構成する部品整列装置2の構成の一例を示す図である。図3に示される例において、駆動機構9は、パレット7の下方に配設され、パレット7を所定方向に搖動可能に構成される。駆動機構9は、モータなど公知の駆動手段により構成される。なお、駆動機構9は、パレット7の側方又は上方など所望の位置に配置されてもよい。
【0050】
駆動機構9は、複数のモータにより構成されてもよい。一例として、駆動機構9は、X軸方向にパレットを揺動するモータと、Y軸方向にパレットを揺動するモータにより構成されてもよい。
【0051】
第1実施形態において、駆動機構9は、パレット7をY軸方向、X軸方向およびZ軸方向に搖動させる。これにより、パレット7の載置面上に不規則な姿勢で供給された部品Pが、載置面上を前後方向および左右方向、或いは上下方向に不規則に摺動する。
【0052】
駆動機構9は、パレット7をY軸方向およびX軸方向のうちいずれかの方向に揺動させてもよい。一例として、駆動機構9は、パレット7を所定時間Y軸方向に搖動させた後に、パレット7を所定時間X方向に搖動させてもよい。或いは、駆動機構9は、パレット7をX軸およびY軸の両方向に同時に搖動させてもよい。
【0053】
複数の部品Pのうちいくつかは、載置面上を前後方向、左右方向および上下方向に不規則に摺動する間に、収容部8に収容される。これにより、部品Pは、パレット7の載置面上に整列されるのである。また、パレット7を揺動することにより部品Pを収容部8に収容させて整列させることは、供給フィーダ6から部品Pが供給される際に部品詰まりが生じるのを抑制できる。
【0054】
なお、上記とは異なり、駆動機構9は、パレット7をY軸方向およびX軸方向のいずれかの方向にのみ揺動させてもよい。これにより、駆動機構9の構造を簡素化することが可能となる。なお、駆動機構9は、パレット7をZ軸方向に上下動させてもよい。
【0055】
駆動機構9は、所定時間パレット7を搖動させた後に停止する。駆動機構9が停止すると、ワイパー11は、パレット7の載置面上を貯留部13に向かい移動する。後述するように、ワイパー11の底面は、パレット7の載置面に接してもよいし、載置面に接していなくともよい。
【0056】
ワイパー11は、パレット7の載置面上を移動して貯留部13の上方に到達すると、反対方向に移動を開始し、初期位置に復帰すると停止する。第1実施形態で例示する部品実装システム1において、少なくとも、装着ヘッド20が収容部8に収容されている部品Pをピックアップして保持治具22に向かい移動するまでの間、ワイパー11は、初期位置すなわちパレット7を挟んで貯留部13から反対側端部にて待機する。
【0057】
第1実施形態において、装着ヘッド20は、パレット7の前方から接近し、収容部8に収容されている部品Pをピックアップする。装着ヘッド20によるピックアップが行われる間、ワイパー11が初期位置で待機することにより、ワイパー11が装着ヘッド20のピックアップ作業の障害となることを防止できる。
【0058】
或いは、これとは異なり、ワイパー11は、装着ヘッド20が保持治具22に保持されるワークWに部品Pを実装するまでの間、貯留部13の上方で待機してもよい。
【0059】
装着ヘッド20によるピックアップが終了すると、供給フィーダ6から複数の部品Pが供給される。供給フィーダ6から供給される部品Pの数は、概ね収容部8の数と同程度であってもよい。
【0060】
供給フィーダ6から複数の部品Pが供給されると、駆動機構9によりパレット7が揺動される。パレット7が揺動されると、貯留部13もともに揺動される。貯留部13に残置する部品Pは、新たに供給された部品Pとともに載置面状を不規則に摺動する。このうちいくつかの部品Pが、収容部8に収容される。
【0061】
図4は、第1実施形態における部品整列装置2の構成の一例を示す図である。図4(a)は、収容部8の平面視拡大図の一例である。収容部8は、部品Pの形状に対応する形状を有する。第1実施形態において、収容部8は、Y軸方向に短辺側に凸状の溝をさらに備える。
【0062】
図4(b)は、収容部8の側面視断面図の一例である。収容部8は、部品Pを載置可能に凹んで構成される。収容部8の底面は、中央に部品Pを載置可能な平坦部を有する。平坦部の深さは、部品Pの厚さの1.5倍程度の深さを備えてもよい。このような構成によると、ワイパー11がパレット7の上面を移動して残置する部品Pを除去する際に、収容部8に収容されている部品Pがワイパー11により掻き出されるのを良好に抑制し、収容部8に保持させることが可能となる。
【0063】
収容部8は、周壁の近傍に深奥部を備える。深奥部は、部品Pを載置可能な平坦部に比べて、Z軸に沿って下方向に入り込んで形成される。深奥部は、ピックアップ爪28が収容部8内に進入すると、ピックアップ爪28を収容する。ピックアップ爪28は、部品Pより下方に進入可能となる。ピックアップ爪28は、先端が部品Pより下方に位置する状態から外側に拡開し、部品Pを内張りしてピックアップする。
【0064】
図5は、第1実施形態における部品整列装置2の構成の一例を示す図である。図5は、部品整列装置2の側面断面の一例を示す図である。図5に示される例において、収容部8は、パレット7の載置面から下方に凹んで形成される。
【0065】
収容部8は、1個の部品Pを収容可能なサイズに構成される。収容部8のZ軸方向における深さは、1個の部品Pが収容部8に収容されると、収容された部品Pの上面が載置面の平坦部と同じ高さか、これより低くなるように設定される。上述のように、収容部8の深さは、部品Pの厚さの1.5倍程度に構成されてもよい。このような構成により、ワイパー11がパレット7の載置面上を移動する場合に、収容部8に収容されている部品Pをワイパー11が除去することを防止可能となる。
【0066】
図5に示される例において、貯留部13の底面は、パレット7の載置面に連続し、又はこれより低くなるように形成される。このような構成により、ワイパー11はパレット7から貯留部13にスムーズに移動可能となる。なお、後述するように、第1実施形態において、貯留部13がこれとは異なる構成を備えてもよい。
【0067】
図6は、第1実施形態における部品整列装置2の構成の一例を示す図である。図6(a)および(b)は、ワイパー11の移動態様に関し、異なる例を示したものである。
【0068】
図6(a)に示される例において、ワイパー11は、パレット7の平坦部に接する態様で、パレット7の前方から後方に向かい移動する。ワイパー11は、パレット7の載置面上にあるとき、底面がパレット7の平坦部に接しながら移動する。このような構成によると、収容部8に収容されることなく載置面上に残置する部品Pを好適に載置面から除去可能となる。
【0069】
図6(b)では、図6(a)に示した例とは異なり、ワイパー11は、パレット7に接することなく、パレット7の前方から後方に向かい移動する。図6(b)において、ワイパー11は、底面が載置面の平坦部から所定高さを維持して移動可能に構成される。一例として、ワイパー11は、平坦部から部品Pの厚みより小さい値の高さを維持して移動可能に構成されてもよい。このような構成によると、ワイパー11は、底面をパレット7との摩擦による消耗を回避可能となる。また、パレット7の載置面上に残置される部品Pの厚さより低い高さを移動するため、残置される部品Pを載置面上から好適に除去可能となる。
【0070】
図7は、第1実施形態における部品整列装置2の構成の一例を示す図である。図7は、貯留部13周辺の断面を拡大して表示するものである。図7(a)に示される例において、貯留部13は、パレット7の載置面と略水平に連続して形成される。このような構成によると、ワイパー11により貯留部13に一旦除去された部品Pが、新たに供給された部品Pとともに、パレット7の揺動に伴って、パレット7の載置面上を摺動することができる。
【0071】
図7(b)に示される例において、図7(a)に示される例とは異なり、貯留部13は、底面が後方に向かい下方に傾斜する。そのため、貯留部13の底面は、パレット7の底面に比較して、後方に向かい漸次低くなる。
【0072】
このような構成によると、ワイパー11によりパレット7の載置面上から除去された部品Pが、何らかの外力によって再びパレット7の載置面に向かい移動することを抑制可能となる。
【0073】
(実装装置)
次に、第1実施形態における部品実装システム1を構成する実装装置3の構成を説明する。図8は、第1実施形態における実装装置3の構成の一例を示す図である。実装装置3は、部品整列装置2から部品PをピックアップしてワークWに実装する装置である。
【0074】
実装装置3は、装着ヘッド20を備える。装着ヘッド20は、収容部8に収容される部品Pをピックアップする部材である。実装装置3は、装着ヘッド20を移動させることが可能な第1運搬部24を備える。
【0075】
装着ヘッド20は、第1運搬部24により収容部8に近接し、収容部8に収容される部品Pをピックアップする。装着ヘッド20は、部品Pをピックアップ可能なピックアップ爪28をさらに備える。
【0076】
図8に示される例において、ピックアップ爪28は、開閉可能な2本の棒により構成される。ピックアップ爪28を構成する2本の棒は、互いの距離を変化させることが可能である。ピックアップ爪28は、磁力により2本の棒同士の距離を変化可能に構成されてもよいし、ソレノイドにより構成されてもよい。或いは、ピックアップ爪28は、水圧、油圧、気圧により、2本の棒同士の距離を変化させることができるよう構成されてもよい。
【0077】
収容部8からピックアップ爪28により部品Pをピックアップすると、装着ヘッド20は、ピックアップされた部品Pを、保持治具22により保持されるワークWに実装する。第1運搬部24は、装着ヘッド20により部品Pがピックアップされると、装着ヘッド20を保持治具22により保持されるワークWに対応する位置に移動させる構成要素である。第1運搬部24は、マニピュレータなど公知の機構により構成される、装着ヘッド20の移動手段である。
【0078】
第1運搬部24は、予めティーチングにより登録される位置に装着ヘッド20を移動させる。一例として、パレット7上に形成される収容部8の配置位置が予め登録されることにより、第1運搬部24は、装着ヘッド20を対応する収容部8の配置位置に移動させる。
【0079】
図9は、第1実施形態における実装装置3の構成の一例を示す図である。図9(a)は、装着ヘッド20および第1運搬部24をY軸方向から見た正面図である。装着ヘッド20は、収容部8に対応して配列される複数のピックアップ爪28を備える。装着ヘッド20は、複数のピックアップ爪28により収容部8に収容される部品Pをピックアップ可能に構成される。
【0080】
図9(a)に示される例において、ピックアップ爪28は、装着ヘッド20の下面に配設される。ピックアップ爪28は、装着ヘッド20から下方向に向かい突出して形成されてもよい。ピックアップ爪28は、パレット7に形成される収容部8に対応する所定間隔毎に配置される。
【0081】
なお、図示される例では、ピックアップ爪28はX軸方向に一列に配列される場合を示したが、本発明はこれに限られず、装着ヘッド20は、X軸方向に複数列のピックアップ爪28を備えてもよい。或いは、装着ヘッド20は、Y軸方向に複数列のピックアップ爪28を備えてもよい。
【0082】
図9(b)は、装着ヘッド20をX軸方向から見た側面図である。図9(b)に示される例では、ピックアップ爪28はXY平面における断面積がほぼ同じとなる棒状に構成される。ピックアップ爪28は、2本の棒により構成され、棒同士の距離がY軸方向に拡張および縮小可能に構成されてもよい。
【0083】
装着ヘッド20は、収容部8に近接すると、ピックアップ爪28を収容部8内に進入させる。ピックアップ爪28は、互いの距離を拡張させて部品Pを内側から展張させ、ピックアップしてもよい。
【0084】
或いは、これとは異なり、ピックアップ爪28は、前後から部品Pを挟持することによりピックアップしてもよい。装着ヘッド20による部品Pのピックアップの態様は、上述した態様のほか、部品Pの形状や材質などに応じて選択可能である。
【0085】
図9(c)は、上述した態様とは異なるピックアップ爪28の構成の一例を示す図である。ピックアップ爪28は、下端が外側に延伸する鉤状に構成されてもよい。下端の鉤状部分のサイズは、収容部8に収容可能なサイズに構成される。
【0086】
図10は、第1実施形態における部品実装システム1を構成する実装装置3の構成の一例を示す図である。図10は、保持治具22に保持されるワークWの態様の一例を示すものである。保持治具22は、ワークWを保持可能な部材である。図10に示される例において、保持治具22は、上面にワークWの形状に対応するワーク保持部30を備える。
【0087】
ワーク保持部30は、パレット7における収容部8の配列態様に対応して配置される。第1実施形態における例では、X軸方向における収容部8の配置数と同じ数のワーク保持部30が保持治具22に配設される。
【0088】
このような構成によると、装着ヘッド20は、収容部8からピックアップされた部品Pを保持した状態で保持治具22まで移動し、ワーク保持部30に保持されているワークWに効率的に実装できる。
【0089】
保持治具22は、装着ヘッド20およびピックアップ爪28により部品PがワークWに実装されると、次の工程に移行し、部品Pが未実装の新たな保持治具22が同じ位置に供給される。なお、図10において、ワーク保持部30がY軸方向に一列形成される配置態様を例示したが、本発明はこれに限られず、ワーク保持部30は、Y軸方向にも複数列形成されてもよい。
【0090】
(部品実装システムの処理手順)
次に、第1実施形態における部品実装システム1における処理手順を説明する。図11は、第1実施形態における部品実装システム1により実行される主要な処理手順の一例を示すフローチャートである。以下に示す各装置による工程は、制御部(図示せず)から送信される指令(コマンド)に基づき実行される。
【0091】
部品実装システム1は、まず供給フィーダ6からパレット7に部品Pを供給する(ステップS1)。パレット7に部品Pが供給されると、部品整列装置2は、駆動機構9を駆動させてパレット7を搖動させる搖動工程を実行する(ステップS2)。搖動工程(ステップS2)の具体的な処理手順は後述する。
【0092】
搖動工程(ステップS2)が実行されると、部品整列装置2は、次にパレット7の載置面上に残置する部品Pを除去する除去工程を実行する(ステップS3)。除去工程(ステップS3)の具体的な処理手順は後述する。
【0093】
除去工程(ステップS3)が実行されると、実装装置3は、部品Pをパレット7からピックアップするピックアップ工程を実行する(ステップS4)。ピックアップ工程(ステップS4)の具体的な処理手順は後述する。
【0094】
ピックアップ工程(ステップS4)が実行されると、次に、実装装置3は、部品PをワークWに実装する実装工程(ステップS5)を実行する。実装工程(ステップS5)の具体的な処理手順は後述する。
【0095】
図11に示される処理手順は、Y軸方向に複数列の収容部8がパレット7に配設される場合に、実装装置が一列ずつ部品Pをピックアップするピックアップ工程(ステップS4)を実行する例を示すものである。
【0096】
実装工程(ステップS5)が実行されると、制御部はカウント値をインクリメント(加算)する(ステップS6)。そして、カウント値が所定値に達したか否かを判定する(ステップS7)。ここで所定値とは、パレット7におけるY軸方向の収容部8の列の数とする。
【0097】
カウント値が所定値である場合(ステップS7でYES)、制御部は、部品実装システム1を構成する各装置の配置等を初期化する初期化工程を実行させて(ステップS8)、ステップS1に戻り、ステップS1以下の上記処理を繰り返し実行する。
【0098】
他方、カウント値が所定値ではない場合(ステップS7でNO)、パレット7において全ての収容部8から部品Pのピックアップが完了していないことになるため、ピックアップ工程(S4)に戻り、カウント値に対応する列の収容部8から部品Pをピックアップするピックアップ工程(ステップS4)以下の処理を繰り返し実行する。
【0099】
ところで、実装工程(ステップS5)が実行されると、実装装置3は、部品PがワークWに実装された保持治具22を移動させ(ステップS9)、部品Pが未実装のワークWを保持する新たな保持治具22を配置して(ステップS10)、ピックアップ工程(S4)に戻り、以降の処理を収容部8の列の数だけ繰り返し実行する。
【0100】
図12は、第1実施形態における搖動工程(図11のステップS2)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。パレット7の載置面上に不規則な姿勢で部品Pが供給されており、部品整列装置2は、パレット7の搖動を開始する(ステップS11)。
【0101】
第1実施形態において、部品整列装置2は、X軸方向(左右方向)、Y軸方向(前後方向)およびZ軸方向(上下方向)の一部又は全部の方向にパレット7を搖動させる。そして、搖動開始後、所定時間が経過すると(ステップS13)、部品整列装置2はパレット7の搖動を停止させて(ステップS15)搖動工程を終了させる。
【0102】
図13は、第1実施形態における除去工程(図11のステップS3)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。搖動工程(図11のステップS2)が実行されると、部品整列装置2は、ワイパー11の移動を開始させる(ステップS21)。ワイパー11は、パレット7の載置面に沿って移動する。ワイパー11は、パレット7の載置面に沿って、貯留部13に向かい移動してもよい。
【0103】
ワイパー11が所定位置に到達すると(ステップS23)、部品整列装置2は、ワイパー11を初期位置に復帰させる(ステップS25)。一例として、部品整列装置2は、ワイパー11を貯留部13の反対方向に移動させ、初期位置に復帰させてもよい。ワイパー11が初期位置に復帰すると、部品整列装置2はワイパー11を停止させ(ステップS27)、除去工程を終了させる。このような処理手順を実行することにより、収容部8に収容されることなくパレット7の載置面に残置する部品Pを載置面上から除去できる。
【0104】
図14は、第1実施形態におけるピックアップ工程(図11のステップS4)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。ピックアップ工程は、装着ヘッド20およびピックアップ爪28により、収容部8に収容される部品Pをピックアップする工程である。除去工程(図11のステップS3)が実行されると、実装装置3は、装着ヘッド20の移動を開始させる(ステップS31)。
【0105】
装着ヘッド20が所定位置に到達すると(ステップS33)、実装装置3は装着ヘッド20を停止させる(ステップS35)。第1実施形態において、所定位置の一例として、パレット7の載置面に配設される収容部8の上方が設定可能である。
【0106】
装着ヘッド20がピックアップが可能な所定位置にて停止すると、実装装置3は、装着ヘッド20およびピックアップ爪28により部品Pをピックアップして(ステップS37)ピックアップ工程を終了させる。装着ヘッド20およびピックアップ爪28は、Z軸方向に上下動してもよい。
【0107】
図15は、第1実施形態における実装工程(図11のステップS5)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。実装工程は、装着ヘッド20によりピックアップされた部品Pを、保持治具22により保持されるワークWに実装する工程である。
【0108】
実装工程(ステップS5)において、装着ヘッド20の移動を開始し(ステップS41)、装着ヘッド20が所定位置に到達すると(ステップS43)、実装装置3は、装着ヘッド20を停止させる(ステップS45)。第1実施形態における所定位置の一例として、保持治具22に保持されるワークWの上方が設定可能である。
【0109】
装着ヘッド20を停止させると(ステップS45)、部品PをワークWに実装させて(ステップS47)実装工程を終了させる。実装方法の一例として、装着ヘッド20を下降させ、ピックアップ爪28を開閉させることにより、部品PをワークWに実装してもよい。
【0110】
図16は、第1実施形態における初期化工程(図11のステップS8)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。部品実装システム1は、実装工程(図11のステップS5)までを実行すると、部品実装システム1を構成する部品整列装置2および実装装置3を初期状態に復帰させる。
【0111】
制御部は、カウント値をリセットする(ステップS51)。次に、実装装置3は、装着ヘッド20を初期位置に移動させる(ステップS53)。
【0112】
初期化工程(ステップS8)を終了すると、部品実装システム1は、再びステップS1に戻り(図11参照)、供給フィーダ6からパレット7に複数の部品Pを供給し、以降の処理を実行する。
【0113】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態において、部品実装システム50は、共通するハードウェアを備える第1部品整列装置2a(2)と第2部品整列装置2b(2)を備える。
【0114】
図17は、第2実施形態における部品実装システム50の構成の一例を示す全体図である。第1部品整列装置2a(2)および第2部品整列装置2b(2)は互いに隣接して配置されてもよい。実装装置3は、第1部品整列装置2a(2)および第2部品整列装置2b(2)の夫々において、収容部8に収容される部品PをピックアップしてワークWに実装させる。
【0115】
第2実施形態において、第1部品整列装置2a(2)と第2部品整列装置2b(2)は、互いに異なるタイミングで搖動工程を実行してもよい。第1部品整列装置2a(2)と第2部品整列装置2b(2)とは、互いに異なるタイミングで除去工程が実行されてもよい。
【0116】
実装装置3は、第1部品整列装置2a(2)および第2部品整列装置2b(2)から交互に部品Pのピックアップを実行する。一例として、実装装置3は、第1部品整列装置2a(2)における収容部8から部品PをピックアップしてワークWに実装する工程を終了すると、第2部品整列装置2b(2)における収容部8から部品PをピックアップしてワークWに実装する工程を実行する。すなわち、第2部品整列装置2b(2)における工程を終了すると、実装装置3は、再び第1部品整列装置2a(2)の収容部8から部品PをピックアップしてワークWに実装する工程を実行する。
【0117】
第2実施形態における部品実装システム50を構成する各装置の動作態様を説明する。
図18は、第2実施形態における部品実装システム50の動作態様の一例を示すシーケンス図である。各装置による動作は、制御部(図示せず)が指令を送信して実行させる。
【0118】
図18に示される例において、まず、第1部品整列装置2a(2)のパレット7に複数の部品Pが不規則な姿勢で供給される(プロセスP1)。部品Pが供給されると、第1部品整列装置2a(2)は、パレット7を揺動させる搖動工程を実行する(プロセスP3)。搖動工程(プロセスP3)の処理手順は、第1実施形態において説明した処理手順と同様である。
【0119】
搖動工程(プロセスP3)が終了すると、第1部品整列装置2a(2)は、除去工程を実行する(プロセスP5)。除去工程(プロセスP5)の処理手順は、第1実施形態において説明した処理手順と同様である。
【0120】
第1部品整列装置2a(2)において除去工程(プロセスP5)が実行されると、実装装置3は、第1部品整列装置2a(2)の収容部8から部品PをピックアップしてワークWに実装する実装工程を実行する(プロセスP7)。第2実施形態において、実装工程(プロセスP7)の処理手順は、第1実施形態におけるピックアップ工程と実装工程とを一連に実行する処理手順である。
【0121】
実装装置3は、実装工程(プロセスP7)を終了すると、保持治具22を入れ替え(プロセスP9)、部品Pが実装されていないワークWが保持される保持治具22を供給する。
【0122】
第1部品整列装置2a(2)における除去工程(プロセスP5)が終了すると、第2部品整列装置2b(2)のパレット7に複数の部品Pが不規則な姿勢で供給される(プロセスP11)。部品Pが供給されると、第2部品整列装置2b(2)は、搖動工程(プロセスP13)を実行し、搖動工程(プロセスP13)が終了すると、除去工程(プロセスP15)を実行する。第2部品整列装置2b(2)における搖動工程(プロセスP13)および除去工程(プロセスP15)は、第1部品整列装置2a(2)における搖動工程および除去工程と同様である。
【0123】
実装装置3が第1部品整列装置2a(2)における実装工程(プロセスP7)を終了すると、第1部品整列装置2a(2)は、ワイパー11を初期位置に移動させる(プロセスP17)。ワイパー11が初期位置に戻ると、第1部品整列装置2a(2)において、パレット7に部品Pが供給される(プロセスP19)。
【0124】
そして、部品Pが供給されると、第1部品整列装置2a(2)は、搖動工程(プロセスP21)を実行し、搖動工程(プロセスP21)実行後に除去工程(プロセスP23)を実行する。
【0125】
実装装置3は、第1部品整列装置2a(2)における実装工程(プロセスP7)を終了後、装着ヘッド20を初期位置に移動させてから(プロセスP25)、除去工程(プロセスP15)が終了している第2部品整列装置2b(2)における実装工程(プロセスP27)を実行する。
【0126】
実装工程(プロセスP27)を終了させると、実装装置3は、保持治具22を入れ替えて(プロセスP29)、部品Pが実装されていないワークWが保持される保持治具22を供給する。そして、実装装置3は、装着ヘッド20を初期位置に移動させる(プロセスP31)。
【0127】
他方、実装装置3による実装工程(プロセスP27)が終了して保持治具22が入れ替えられる(プロセスP29)と、第2部品整列装置2b(2)は、ワイパー11を初期位置に移動させる(プロセスP31)。
【0128】
そして、第2部品整列装置2b(2)において再びパレット7に部品Pが供給され、搖動工程および除去工程が順番に実行される。
【0129】
図18に示される例において、実装装置3によって、第1部品整列装置2a(2)の収容部8に収容される部品PをワークWに実装する実装工程(プロセスP7)を開始されてから装着ヘッド20を初期位置に移動させる(プロセスP25)までの間に、第2部品整列装置2b(2)において、部品Pが供給され(プロセスP11)、搖動工程(プロセスP13)および除去工程(プロセスP15)が順番に実行される。
【0130】
また、実装装置3によって、第2部品整列装置2b(2)の収容部8に収容される部品PをワークWに実装する実装工程(プロセスP27)が開始されてから装着ヘッド20を初期位置に移動させる(プロセスP31)までの間に、第1部品整列装置2a(2)において、部品Pが供給され(プロセスP19)、搖動工程(プロセスP21)および除去工程(プロセスP23)が順番に実行される。
【0131】
すなわち、第2実施形態における部品実装システム50では、第1部品整列装置2a(2)および第2部品整列装置2b(2)のいずれかにおいて、実装装置3により実装工程が実行されている間に、他方の部品整列装置2において部品Pが供給され、搖動工程および除去工程が順番に実行されるのである。このような構成によると、部品Pの整列とワークWへの実装作業の作業効率が向上する。
【0132】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。図19は、本発明の第3実施形態における部品実装システム70の全体の構成の一例を示す図である。本発明の第3実施形態において、部品実装システム70は、複数の部品整列装置2と、パレット7上に残置する部品Pを除去可能なワイパー80を備える除去機構75と、パレット7の収容部8に収容される部品PをワークWに実装する実装装置3とを備える。
【0133】
図19に示される例において、第3部品整列装置2c(2)と第4部品整列装置2d(2)とは、X軸方向に互いに隣接して配置される。これとは異なり、これら2つの部品整列装置2は、Y軸方向に互いに隣接して配置されてもよい。
【0134】
第3実施形態における部品実装システム70は、互いに隣接して配置される第3部品整列装置2c(2)と第4部品整列装置2d(2)とを、配列方向に沿って移動させる第2運搬部78を備えてもよい。
【0135】
図19に示される例において、部品実装システム70は、部品Pをパレット7に供給する1台の供給フィーダ6を備える。第3実施形態において、第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)のうちいずれか一方が供給フィーダ6から部品Pの供給を受けることが可能である場合に、他方は供給フィーダ6から部品Pの供給を受けることができない。
【0136】
そして、第3部品整列装置2c(2)と第4部品整列装置2d(2)は、交互に供給フィーダ6から部品Pの供給を受けられるよう配列方向に沿って移動する。一例として、第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)は、第3部品整列装置2c(2)が供給フィーダ6から部品Pの供給を受けることが可能であるとともに第4部品整列装置2d(2)が供給フィーダ6から部品Pの供給を受けることができない第1の位置と、第3部品整列装置2c(2)が供給フィーダ6から部品Pの供給を受けることができないとともに第4部品整列装置2d(2)が供給フィーダ6から部品Pの供給を受けることが可能な第2の位置のいずれかに移動可能に構成されてもよい。
【0137】
一例として、第1の位置と第2の位置は、互いに配列方向に部品整列装置2のサイズ分だけ移動した位置として設定されてもよい。
【0138】
図19に示される例において、第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)は、X軸方向に隣接して配設される。そこで、第2運搬部78により第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)が配列方向であるX軸方向に移動して第1の位置に至ると、第3部品整列装置2c(2)が供給フィーダ6からパレット7に部品Pの供給を受けることができる。他方、第1の位置において、第4部品整列装置2d(2)は、供給フィーダ6に対応する位置にいないため、供給フィーダ6からパレット7に部品Pの供給を受けることができない。
【0139】
次に、第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)がX軸方向に第1の位置から第2の位置に移動すると、第3部品整列装置2c(2)は、供給フィーダ6に対応する位置にいないため、供給フィーダ6からパレット7に部品Pの供給を受けることができない。他方、第2の位置において、第4部品整列装置2d(2)は供給フィーダ6に対応する位置にいるため、供給フィーダ6からパレット7に部品Pの供給を受けることができる。
【0140】
第3実施形態において、第2運搬部78は、第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)を配列方向に移動させて、第1の位置および第2の位置のうちいずれかに設定可能である。
【0141】
第3実施形態における部品実装システム70は、パレット7において収容部8に収容されていない部品Pを載置面上から除去可能な除去機構75を備える。図19に示される例のように、除去機構75は、第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)のうち、供給フィーダ6から部品Pの供給を受けることができる部品整列装置2のパレット7上に残置する部品Pを除去可能に配設されてもよい。
【0142】
除去機構75は、パレット7の載置面に当接するとともに所定方向に移動して部品Pを除去可能なワイパー80をさらに備える。ワイパー80は、パレット7上を部品Pの載置面に沿って移動可能であるとともに、収容部8に収容されることなく残置する部品Pを除去可能である。
【0143】
第3実施形態の部品実装システム70において、除去機構75は、第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)のうちいずれかが供給フィーダ6から部品Pの供給を受けると、部品Pの供給を受けた部品整列装置2のパレット7上にワイパー80を当接させるとともに、貯留部13に向かい移動させる。
【0144】
第2運搬部78により第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)が第1の位置に配置される場合、第3部品整列装置2c(2)が供給フィーダ6から部品Pを供給される。除去機構75は、第3部品整列装置2c(2)においてパレット7が搖動される搖動工程が実行された後に、第3部品整列装置2c(2)のパレット7の載置面に沿ってワイパー80を移動させ、収容部8に収容されることなく残置する部品Pを除去可能である。
【0145】
他方、第2運搬部78により第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)が第2の位置に配置される場合、第4部品整列装置2d(2)が供給フィーダ6から部品Pを供給される。除去機構75は、第4部品整列装置2d(2)においてパレット7が搖動される搖動工程が実行された後に、第4部品整列装置2d(2)のパレット7の載置面に沿ってワイパー80を移動させ、収容部8に収容されることなく残置する部品Pを除去可能である。
【0146】
第3実施形態における部品実装システム70は、第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)において整列される部品PをワークWに実装可能な実装装置3を備える。
【0147】
第3実施形態における実装装置3は、第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)のうち、供給フィーダ6から部品Pの供給を受けることができない位置にある部品整列装置2のパレット7上から、収容部8に収容されている部品Pをピックアップする。
【0148】
実装装置3は、部品Pをピックアップしてワークに実装する装着ヘッド20を備える。第3実施形態において、実装装置3は、装着ヘッド20に第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)のうちいずれかから部品Pをピックアップさせるアームを備えてもよい。
【0149】
図19に示される例のように、実装装置3は、XY平面上を移動可能なスカラロボットなどにより構成されてもよい。実装装置3は、装着ヘッド20をZ軸方向に上下動可能に構成されてもよい。
【0150】
図20は、第3実施形態における部品実装システム70の構成の一例を示す図である。図20は、部品実装システム70の平面視概略図である。図20に示される例において、実装装置3は、XY平面上を移動可能なアームを備える。
【0151】
アームの移動可能な領域に応じて、装着ヘッド20は、可動領域F1内を移動可能となる。可動領域F1は、第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)が移動可能な第1の位置および第2の位置のいずれも領域内に含む。
【0152】
図20に示される例において、供給フィーダ6および除去機構75は、Y軸方向に並んで配置される。第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)が第1の位置にある場合に、第3部品整列装置2c(2)は、供給フィーダ6から部品Pの供給を受けることが可能である。そして、第3部品整列装置2c(2)において搖動工程が実行された後に、除去機構75により、パレット7上に残置する部品Pを除去可能である。
【0153】
第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)が第2の位置にある場合に、第4部品整列装置2d(2)は、供給フィーダ6から部品Pの供給を受けることが可能である。そして、第4部品整列装置2d(2)において搖動工程が実行された後に、除去機構75により、パレット7上に残置する部品Pを除去可能である。
【0154】
実装装置3は、可動領域F内を移動して、供給フィーダ6から部品Pの供給を受けられない位置にある部品整列装置2に近接するように装着ヘッド20を移動させる。図20に示される例において、第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)が第1の位置にある場合、装着ヘッド20は、供給フィーダ6から部品Pの供給を受けられない位置にある第4部品整列装置2d(2)に近接する。装着ヘッド20は、第4部品整列装置2d(2)のパレット7の収容部8に収容されている部品Pをピックアップし、ワークWに実装する。
【0155】
他方、第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)が第2の位置にある場合、装着ヘッド20は、供給フィーダ6から部品Pの供給を受けられない位置にある第3部品整列装置2c(2)に近接する。装着ヘッド20は、第3部品整列装置2c(2)のパレット7の収容部8に収容されている部品Pをピックアップし、ワークWに実装する。
【0156】
図21は、第3実施形態における部品実装システム70の構成の一例を示す図である。図21において、第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)と除去機構75との動作態様の一例を説明する。第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)は、貯留部13が配置される端部の反対側端部にガイド82を備える。搖動工程が終了すると、部品整列装置2はガイド82を下降させる。
【0157】
ガイド82が下降すると、除去機構75は、ワイパー80をパレット7の載置面に当接させる。ガイド82が下降することにより、ワイパー80が載置面に当接する際に、ガイド82が障害となることを抑止できる。ガイド82が下降すると、除去機構75は、ワイパー80をパレット7の端部上面に当接させ、載置面を貯留部13に向かい移動させる。
【0158】
なお、ワイパー80が移動してガイド82の上方に到達したときに、ガイド82が下降を開始してもよい。ガイド82が下降を開始するタイミングで、ワイパー80が下降を開始してもよい。このような動作の態様によると、ガイド82およびワイパー80の少なくともいずれかが、パレット7の側壁として機能する。そのため、部品Pがパレット7外に落下するのを良好に抑制可能となる。
【0159】
ガイド82は、上端がパレット7の載置面と略同じ高さになるまで下降すると、停止してもよい。或いは、ガイド82は、上端がパレット7の載置面より下方になるまで下降してもよい。
【0160】
図21に示される例において、除去機構75は、ワイパー80により載置面を押圧するように、ワイパー80を当接させる。除去機構75は、載置面を下方向に押圧しながら載置面上を移動してもよい。除去機構75は、貯留部13に到達すると、ワイパー80を貯留部13とは反対側端部に向けて移動させ、初期位置に復帰させる。或いは、これとは異なり、除去機構75は、貯留部13に到達すると、ワイパー80を停止させてもよい。
【0161】
このような構成によると、ワイパー80が載置面上を移動する際に、収容部8に収容されることなく載置面上に残置する部品Pを好適に除去可能となる。
【0162】
図21に示される例において、ワイパー80は、Z軸方向にパレット7を押圧可能に構成されてもよい。一例として、ワイパー80は、シャフト部分にZ軸方向にパレット7の載置面を押圧可能なバネなどの弾性体を有してもよい。或いはこれとは異なり、ワイパー80は、油圧や水圧などの圧力によりZ軸方向に押圧可能に構成されてもよい。なお、ワイパー80は、Z方向に伸縮可能に構成されてもよい。
【0163】
次に、第3実施形態における部品実装システを構成する各装置の動作態様を説明する。図22は、第3実施形態における部品実装システム70の動作態様の一例を示すシーケンス図である。部品実装システム70を構成する各装置は、制御部(図示せず)から受信する指令(コマンド)に基づき動作する。なお、第3実施形態における部品実装システム70により実行される搖動工程、除去工程、ピックアップ工程および実装工程における処理手順は、第1実施形態において説明した処理手順と同様である。
【0164】
第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)が第1の位置にある場合に、第3部品整列装置2c(2)に供給フィーダ6から部品Pが供給される(プロセスP50)。他方、第4部品整列装置2d(2)に装着ヘッド20が近接し、収容部8に収容されている部品PをピックアップしてワークWに実装する実装工程が実行される(プロセスP51)。
【0165】
パレット7に部品Pが供給されると(プロセスP50)、第3部品整列装置2c(2)において搖動工程が実行される(プロセスP52)。搖動工程が実行されると、除去機構75により第3部品整列装置2c(2)において除去工程が実行され(プロセスP53)、パレット7の収容部8に収容されることなく載置面上に残置する部品Pが除去される。
【0166】
第3部品整列装置2c(2)において除去工程(プロセスP53)が終了し、第4部品整列装置2d(2)において実装工程(プロセスP51)が終了すると、第2運搬部78によって、第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)は、第1の位置から第2の位置へ移動される(プロセスP54)。
【0167】
第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)が第2の位置に移動すると、第3部品整列装置2c(2)に装着ヘッド20が近接し、収容部8に収容されている部品PをピックアップしてワークWに実装する実装工程が実行される(プロセスP55)。他方、第4部品整列装置2d(2)に供給フィーダ6から部品Pが供給され(プロセスP56)、部品Pが供給されると搖動工程が実行される(プロセスP57)。
【0168】
搖動工程が実行される(プロセスP57)と、除去機構75により第4部品整列装置2d(2)において除去工程が実行され(プロセスP58)、パレット7の収容部8に収容されることなく載置面上に残置する部品Pが除去される。
【0169】
第3部品整列装置2c(2)において実装工程(プロセスP55)が終了し、第4部品整列装置2d(2)において除去工程(プロセスP58)が終了すると、第2運搬部78により、第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)が第2の位置から第1の位置へ移動される。
【0170】
第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)が第1の位置に移動すると、上述したプロセスP50およびプロセスP51に戻り、以下、プロセスP50からプロセスP58の処理が繰り返し実行される。
【0171】
第3実施形態において、部品実装システム70を構成する各装置がかかる態様で動作することにより、第3部品整列装置2c(2)および第4部品整列装置2d(2)で並行して異なる処理が実行されるため、作業効率が向上する。
【0172】
(変形例)
上記第1実施形態から第3実施形態において、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態において説明した内容の構成に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0173】
第3実施形態において、実装装置3が装着ヘッド20を備え、除去機構75がワイパー80を備える場合を説明したが、これに限られず、実装装置3は、装着ヘッド20およびワイパー80を備えてもよい。この場合、実装装置3は、除去工程および実装工程を実行する。
【0174】
上記各実施形態において、駆動機構9によりパレット7がX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に搖動される場合を示したが、これに限られず、パレット7がX軸方向のみ、X軸方向およびY軸方向のみ、或いはZ軸方向のみに搖動されてもよい。殊に、パレット7がZ軸方向に搖動される構成を採用しないことにより、部品Pがパレット7外に出ることを良好に抑制可能となる。
【0175】
上記各実施形態において、ワイパーによりパレット7の載置面に残置する部品Pを除去する場合を説明したが、これに限られず、空気圧や水圧により部品Pを除去してもよい。
【0176】
上記各実施形態において、装着ヘッド20およびピックアップ爪28によりピックアップ工程および実装工程を実行する場合を示したが、これに限られず、装着ヘッド20はピックアップ爪28を備えなくともよい。装着ヘッド20は、部品Pを保持する機構を備えてもよい。
【0177】
上記各実施形態にて説明した除去工程において、ワイパーが貯留部13に到達すると判定方向に移動し、初期位置に戻る場合を説明した。しかしながら、本発明はこれに限られず、ワイパーが貯留部13に到達すると停止し、実装装置3による実装工程が終了するまでの間、待機してもよい。
【0178】
上記各実施形態において、収容部8がパレット7の載置面から下方に凹んで形成される場合を説明したが、これに限られず、収容部8はパレット7の載置面から上方に突出して形成されてもよい。
【0179】
上記各実施形態とは異なり、収容部8は、所定のタイミングで上下動してもよい。一例として、除去工程が実行されると、収容部8がパレット7の載置面より上方に上昇してもよい。
【符号の説明】
【0180】
1 部品実装システム(部品実装システム)
2 部品整列装置
2a 第1部品整列装置(部品整列装置)
2b 第2部品整列装置(部品整列装置)
2c 第3部品整列装置(部品整列装置)
2d 第4部品整列装置(部品整列装置)
3 実装装置
7 パレット
8 収容部
9 駆動機構(駆動手段)
11 ワイパー(除去手段)
13 貯留部(貯留手段)
20 装着ヘッド
22 保持治具
24 第1運搬部(移動手段)
28 ピックアップ爪
50 部品実装システム(部品実装システム)
70 部品実装システム(部品実装システム)
75 除去機構(除去手段)
80 ワイパー(除去手段)
S2 搖動工程(搖動ステップ)
S3 除去工程(除去ステップ)
S4 ピックアップ工程(ピックアップステップ)
S5 実装工程(実装ステップ)
P 部品
W ワーク
【要約】
【課題】パレット上に残置する部品を除去することにより、部品をワークに実装する工程の作業効率を向上させる。
【解決手段】不規則な姿勢で供給される複数の部品Pを載置可能であるとともに、部品Pを収容可能な収容部8を所定間隔毎に配設されるパレット7と、パレット7を所定方向に搖動可能な駆動機構9と、駆動機構9が停止した後に、パレット7上を部品Pの載置面に沿って所定方向に移動して、部品Pのうち収容部8に収容されていない部品Pを載置面上から除去可能なワイパー11とを備える部品整列装置2を提供する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
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図6
図7
図8
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図10
図11
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図18
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図22