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特許7680862教師データ作成支援装置および教師データ作成支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-13
(45)【発行日】2025-05-21
(54)【発明の名称】教師データ作成支援装置および教師データ作成支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06N 20/00 20190101AFI20250514BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20250514BHJP
   G06F 18/214 20230101ALI20250514BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20250514BHJP
【FI】
G06N20/00 130
G01N21/956 A
G06F18/214
H01L21/66 J
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021044995
(22)【出願日】2021-03-18
(65)【公開番号】P2022144121
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2023-12-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【弁理士】
【氏名又は名称】坂根 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100187931
【弁理士】
【氏名又は名称】澤村 英幸
(72)【発明者】
【氏名】野口 威
(72)【発明者】
【氏名】岡山 敏之
【審査官】新井 則和
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-002270(JP,A)
【文献】特開2000-132554(JP,A)
【文献】特開2019-095217(JP,A)
【文献】特開2018-005773(JP,A)
【文献】特開2021-039476(JP,A)
【文献】特開平10-289317(JP,A)
【文献】特開2004-085503(JP,A)
【文献】特開2020-119135(JP,A)
【文献】特開2019-129169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 20/00
G01N 21/956
G06F 18/214
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物の再検査に用いられる教師データの作成を支援する教師データ作成支援装置であって、
事前に欠陥があると判定された検査対象物の画像を示す異常データを取得する異常データ取得部と、
前記異常データ取得部により取得された異常データに対応するように、正常な検査対象物の画像を示す正常データを取得する正常データ取得部と、
前記異常データ取得部により取得された異常データと、当該異常データと対応するように前記正常データ取得部により取得された正常データとの差分を示す差分データを生成する差分データ生成部と、
前記差分データ生成部により生成された差分データに基づいて、検査対象物の部分の画像を提示する提示部と、
前記提示部により提示された差分データの選択を受け付ける受付部と、
前記受付部により選択が受け付けられた差分データを教師データとして登録する登録部とを備える、教師データ作成支援装置。
【請求項2】
前記受付部は、前記提示部により提示された差分データの修正をさらに受け付け、
前記登録部は、修正後の差分データを教師データとして登録する、請求項1記載の教師データ作成支援装置。
【請求項3】
前記正常データ取得部は、異常データに対応するように複数の正常データを取得し、
前記差分データ生成部は、異常データと、当該異常データに対応する複数の正常データとに基づいて複数の差分データを生成する、請求項1または2記載の教師データ作成支援装置。
【請求項4】
前記正常データ取得部は、異常データに対応するように複数の正常データを取得し、
前記差分データ生成部は、異常データと、当該異常データに対応する複数の正常データの平均とに基づいて差分データを生成する、請求項1または2記載の教師データ作成支援装置。
【請求項5】
前記正常データ取得部は、複数の異常データに対応するように正常データを取得し、
前記差分データ生成部は、各異常データと、当該異常データに対応する正常データとに基づいて差分データを生成する、請求項1または2記載の教師データ作成支援装置。
【請求項6】
前記正常データ取得部により取得される正常データは、事前に欠陥があると判定されなかった検査対象物の画像を示す画像データを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の教師データ作成支援装置。
【請求項7】
前記正常データ取得部により取得される正常データは、検査対象物の設計図を示すマスタデータを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の教師データ作成支援装置。
【請求項8】
前記正常データ取得部は、検査対象物の加工精度に基づいて修正が行われたマスタデータを正常データとして取得する、請求項7記載の教師データ作成支援装置。
【請求項9】
前記異常データ取得部により取得される異常データおよび前記正常データ取得部により取得される正常データには、非検査対象領域が設定され、
前記差分データ生成部は、設定された非検査対象領域を除外して差分データを生成する、請求項1~8のいずれか一項に記載の教師データ作成支援装置。
【請求項10】
前記異常データ取得部は、取得された異常データに対応する検査対象物についての欠陥の種別を示す欠陥情報をさらに取得し、
前記差分データ生成部は、前記異常データ取得部により取得された欠陥情報を生成された差分データに付与する、請求項1~9のいずれか一項に記載の教師データ作成支援装置。
【請求項11】
前記異常データ取得部は、2値化処理された異常データを取得し、
前記正常データ取得部は、2値化処理された正常データを取得する、請求項1~10のいずれか一項に記載の教師データ作成支援装置。
【請求項12】
検査対象物の再検査に用いられる教師データの作成を支援する教師データ作成支援方法であって、
教師データ作成支援装置が、
事前に欠陥があると判定された検査対象物の画像を示す異常データを取得
取得された異常データに対応するように、正常な検査対象物の画像を示す正常データを取得
取得された異常データと、当該異常データと対応するように取得された正常データとの差分を示す差分データを生成
生成された差分データに基づいて、検査対象物の部分の画像を提示
提示された差分データの選択を受け付
選択が受け付けられた差分データを教師データとして登録する、教師データ作成支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、教師データの作成を支援する教師データ作成支援装置および教師データ作成支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製品または食品等の商品には、製造途中から流通前の各工程において良品か否かを判定するための検査が適宜行われる。例えば、特許文献1には、半導体ウェハの製造工程において発生する各種の欠陥を検査するための欠陥検査装置が記載されている。
【0003】
この欠陥検査装置においては、複数の検査対象のウェハを示す複数のSEM(走査型電子顕微鏡)画像が生成される。生成された複数のSEM画像から良品のウェハを示すSEM画像がユーザによりテンプレートとして指定される。テンプレート以外の複数のSEM画像(検査画像)の各々と、テンプレートとの差が算出されることにより、検査画像が示すウェハの回路パターン上の欠陥が検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-119471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
欠陥検査装置においては、欠陥がない検査対象物であっても、欠陥があると判定されることがある。この場合、欠陥がないにもかかわらず、誤った検査結果が得られたことにより検査対象物が破棄されることとなり、歩留まりが低下する。そのため、より高い精度で検査が行われることが望まれる。
【0006】
本発明の目的は、高い精度で検査を行うための教師データを容易に作成可能な教師データ作成支援装置および教師データ作成支援方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)第1の発明に係る教師データ作成支援装置は、検査対象物の再検査に用いられる教師データの作成を支援する教師データ作成支援装置であって、事前に欠陥があると判定された検査対象物の画像を示す異常データを取得する異常データ取得部と、異常データ取得部により取得された異常データに対応するように、正常な検査対象物の画像を示す正常データを取得する正常データ取得部と、異常データ取得部により取得された異常データと、当該異常データと対応するように正常データ取得部により取得された正常データとの差分を示す差分データを生成する差分データ生成部と、差分データ生成部により生成された差分データに基づいて、検査対象物の部分の画像を提示する提示部と、提示部により提示された差分データの選択を受け付ける受付部と、受付部により選択が受け付けられた差分データを教師データとして登録する登録部とを備える。
【0008】
この教師データ作成支援装置においては、事前に欠陥があると判定された検査対象物の画像を示す異常データと、正常な検査対象物の画像を示す正常データとの差分を示す差分データに基づいて、検査対象物の部分の画像が提示される。差分データに基づいて示される画像における検査対象物の部分は、再検査を要する可能性が高い。そのため、使用者は、提示された画像を確認することにより、当該部分を再検査するための教師データを作成することが可能となる。これにより、高い精度で検査を行うための教師データを容易に作成することができる。
【0009】
また、使用者により選択された差分データが教師データとして登録される。これにより、教師データをより容易に作成することができる。
【0010】
)受付部は、提示部により提示された差分データの修正をさらに受け付け、登録部は、修正後の差分データを教師データとして登録してもよい。この場合、差分データに基づく画像における検査対象物の再検査を要する部分をより適切に修正することが可能となる。これにより、より高い精度で検査を行うための教師データを作成することができる。
【0011】
)正常データ取得部は、異常データに対応するように複数の正常データを取得し、差分データ生成部は、異常データと、当該異常データに対応する複数の正常データとに基づいて複数の差分データを生成してもよい。この場合、1つの異常データから多数の差分データが生成される。これにより、教師データ作成の作業効率を向上させることができる。
【0012】
)正常データ取得部は、異常データに対応するように複数の正常データを取得し、差分データ生成部は、異常データと、当該異常データに対応する複数の正常データの平均とに基づいて差分データを生成してもよい。この構成によれば、複数の正常データのいずれかに欠陥とは無関係のノイズ成分が偶発的に混入した場合でも、複数の正常データが平均されるので、ノイズ成分は平均後の正常データの画素値にほとんど影響を与えない。そのため、より高い精度で検査を行うための教師データを作成することができる。
【0013】
)正常データ取得部は、複数の異常データに対応するように正常データを取得し、差分データ生成部は、各異常データと、当該異常データに対応する正常データとに基づいて差分データを生成してもよい。この場合、共通の正常データを用いて高速で教師データを作成することができる。
【0014】
)正常データ取得部により取得される正常データは、事前に欠陥があると判定されなかった検査対象物の画像を示す画像データを含んでもよい。この場合、正常な検査対象物の画像を示す正常データを容易に取得することができる。
【0015】
)正常データ取得部により取得される正常データは、検査対象物の設計図を示すマスタデータを含んでもよい。この場合、正常な検査対象物の画像を示す正常データを容易に取得することができる。
【0016】
)正常データ取得部は、検査対象物の加工精度に基づいて修正が行われたマスタデータを正常データとして取得してもよい。この構成によれば、検査対象領域が微細である場合でも、正常な検査対象物の画像を示す正常データを容易に取得することができる。
【0017】
)異常データ取得部により取得される異常データおよび正常データ取得部により取得される正常データには、非検査対象領域が設定され、差分データ生成部は、設定された非検査対象領域を除外して差分データを生成してもよい。この場合、差分データが示す画像に検査対象領域外の部分が含まれることが防止される。これにより、より高い精度で検査を行うための教師データを作成することができる。
【0018】
10)異常データ取得部は、取得された異常データに対応する検査対象物についての欠陥の種別を示す欠陥情報をさらに取得し、差分データ生成部は、異常データ取得部により取得された欠陥情報を生成された差分データに付与してもよい。この場合、使用者は、教師データに欠陥情報を付与する作業を行う必要がない。これにより、使用者の負担を軽減するとともに、教師データ作成の作業効率を向上させることができる。また、使用者の作業に伴うミスが発生しないので、より正確な教師データを作成することができる。
【0019】
11)異常データ取得部は、2値化処理された異常データを取得し、正常データ取得部は、2値化処理された正常データを取得してもよい。この場合、異常データおよび正常データのデータ量が削減されるので、高速で教師データを作成することができる。
【0020】
(12)第2の発明に係る教師データ作成支援方法は、検査対象物の再検査に用いられる教師データの作成を支援する教師データ作成支援方法であって、教師データ作成支援装置が、事前に欠陥があると判定された検査対象物の画像を示す異常データを取得、取得された異常データに対応するように、正常な検査対象物の画像を示す正常データを取得、取得された異常データと、当該異常データと対応するように取得された正常データとの差分を示す差分データを生成、生成された差分データに基づいて、検査対象物の部分の画像を提示、提示された差分データの選択を受け付、選択が受け付けられた差分データを教師データとして登録する

【0021】
この教師データ作成支援方法によれば、事前に欠陥があると判定された検査対象物の画像を示す異常データと、正常な検査対象物の画像を示す正常データとの差分を示す差分データに基づいて、検査対象物の部分の画像が提示される。差分データに基づいて示される画像における検査対象物の部分は、再検査を要する可能性が高い。そのため、使用者は、提示された画像を確認することにより、当該部分を再検査するための教師データを作成することが可能となる。これにより、高い精度で検査を行うための教師データを容易に作成することができる。また、使用者により選択された差分データが教師データとして登録される。これにより、教師データをより容易に作成することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、使用者の負担を軽減しつつ正確な教師データを作成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る支援装置を含む処理システムの構成を示す図である。
図2図1の支援装置の構成を示す図である。
図3】教師データの作成に用いられる各種データを示す図である。
図4】教師データの作成における表示装置の表示画面の一例を示す図である。
図5図2の支援装置による支援処理を示すフローチャートである。
図6】第1の変形例における教師データの作成に用いられる各種データを示す図である。
図7】第2の変形例における教師データの作成に用いられる各種データを示す図である。
図8】第3の変形例における教師データの作成に用いられる各種データを示す図である。
図9】第2の実施の形態において教師データの作成に用いられる各種データを示す図である。
図10】第3の実施の形態において教師データの作成に用いられる各種データを示す図である。
図11】第4の実施の形態において教師データの作成に用いられる各種データを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[1]第1の実施の形態
(1)処理システム
以下、本発明の実施の形態に係る教師データ作成支援装置および教師データ作成支援方法について図面を用いて説明する。以下の説明では、教師データ作成支援装置を支援装置と略記する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る支援装置を含む処理システムの構成を示す図である。図1に示すように、処理システム100は、処理装置10、検査装置20およびデータベース記憶装置30を含む。
【0025】
処理装置10は、CPU(中央演算処理装置)11、RAM(ランダムアクセスメモリ)12、ROM(リードオンリメモリ)13、記憶装置14、操作部15、表示装置16および入出力I/F(インターフェイス)17により構成される。CPU11、RAM12、ROM13、記憶装置14、操作部15、表示装置16および入出力I/F17はバス18に接続される。
【0026】
RAM12は、CPU11の作業領域として用いられる。ROM13にはシステムプログラムが記憶される。記憶装置14は、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記憶媒体を含み、教師データ作成支援プログラム(以下、支援プログラムと略記する。)を記憶する。支援プログラムは、ROM13または他の外部記憶装置に記憶されてもよい。CPU11、RAM12およびROM13により、教師データ作成支援処理(以下、支援処理と略記する。)を実行するための支援装置40が構成される。支援処理においては、教師データの作成が支援される。
【0027】
操作部15は、キーボード、マウスまたはタッチパネル等の入力デバイスである。使用者は、操作部15を操作することにより、支援装置40に所定の指示を与えることができる。表示装置16は、液晶表示装置等の表示デバイスであり、使用者による指示を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入出力I/F17は、検査装置20に接続される。
【0028】
検査装置20は、例えばAOI(自動光学検査)装置であり、検査対象物を順次撮像することにより複数の検査対象物の画像をそれぞれ示す複数の画像データを生成するとともに、生成された各画像データを記憶する。記憶された各画像データには、固有の識別番号が付与される。
【0029】
以下、基板を検査対象物の一例として検査装置20を説明するが、検査対象物は基板に限定されない。なお、基板とは、半導体基板、液晶表示装置もしくは有機EL(Electro Luminescence)表示装置等のFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板または太陽電池用基板等をいう。
【0030】
検査装置20は、記憶された各画像データに所定のアルゴリズムに基づく処理を行うことにより、各画像データに対応する基板を検査する。検査装置20は、深層学習に基づいて各画像データに対応する基板を検査してもよい。検査においては、基板に欠陥があるか否かが判定される。また、欠陥があると判定された基板については、当該欠陥の種別が判定される。
【0031】
検査装置20においては、欠陥がない基板であっても、欠陥があると判定されることがある。欠陥がないにもかかわらず、誤った判定が行われたことにより基板が破棄されると、歩留まりが低下する。そこで、欠陥があると判定された基板については、教師あり学習による再検査が行われる。支援装置40は、再検査に用いられる教師データの作成を支援する。データベース記憶装置30は、サーバ等の大容量の記憶装置を含む。データベース記憶装置30には、作成された教師データが登録される。以下、支援装置40の詳細について説明する。
【0032】
(2)支援装置
図2は、図1の支援装置40の構成を示す図である。図3は、教師データの作成に用いられる各種データを示す図である。図4は、教師データの作成における表示装置16の表示画面の一例を示す図である。図2に示すように、支援装置40は、機能部として、異常データ取得部41、正常データ取得部42、差分データ生成部43、提示部44、受付部45および登録部46を含む。図1のCPU11がROM13または記憶装置14等に記憶された支援プログラムを実行することにより、支援装置40の機能部が実現される。支援装置40の機能部の一部または全てが電子回路等のハードウエアにより実現されてもよい。
【0033】
異常データ取得部41は、検査装置20により事前に欠陥があると判定された各基板の画像を示す画像データ(以下、異常データと呼ぶ。)を検査装置20から取得する。画像データは、基板の全体の画像を示してもよいし、同一領域であれば基板の部分的な画像を示してもよい。図3の左上部には、異常データ取得部41により取得された異常データに基づく基板の画像の一部が示される。
【0034】
正常データ取得部42は、異常データ取得部41により取得された各異常データと対応するように、正常な基板の画像を示す画像データ(以下、正常データと呼ぶ。)を取得する。本例では、正常データは、検査装置20により事前に欠陥があると判定されなかった基板の画像を示す所定の画像データであり、検査装置20から取得される。図3の左下部には、正常データ取得部42により取得された正常データに基づく基板の画像の一部が示される。
【0035】
異常データと正常データとは互いに対応する。例えば、異常データ取得部41により異常データが取得された場合、当該異常データの識別番号の1つ前の識別番号を有しかつ正常な基板の画像を示す画像データが正常データとして正常データ取得部42により取得されてもよい。あるいは、異常データ取得部41により異常データが取得された場合、当該異常データの識別番号の1つ後の識別番号を有しかつ正常な基板の画像を示す画像データが正常データとして正常データ取得部42により取得されてもよい。
【0036】
差分データ生成部43は、異常データ取得部41により取得された異常データと、当該異常データと対応するように正常データ取得部42により取得された正常データとの各画素値の差分を算出することにより、新たな画像データを生成する。差分データ生成部43により生成された画像データを差分データと呼ぶ。図3の右部には、差分データ生成部43により生成された差分データに基づく基板の画像が示される。差分データは、基板における再検査を要する可能性が高い部分の画像を示す。そのため、差分データは、基板における再検査を要する部分を示すラベルとなり得る。
【0037】
提示部44は、差分データ生成部43により生成された各差分データに基づく画像を含むGUI50(図4)を表示装置16に表示させることにより、各差分データを使用者に提示する。図4に示すように、GUI50は、画像表示領域51、登録ボタン52および修正ボタン53を含む。画像表示領域51には、測定対象物の複数の画像が表示される。本例では、差分データに基づく画像が異常データに基づく画像と重ね合われるように画像表示領域51に表示されるが、差分データに基づく画像のみが画像表示領域51に表示されてもよい。
【0038】
受付部45は、差分データの登録の指示を受け付ける。具体的には、受付部45は、提示部44により表示されたGUI50において、教師データとして登録する差分データの選択を操作部15から受け付ける。使用者は、画像表示領域51に表示された画像を視認しつつ、操作部15を用いて任意の画像を選択し、登録ボタン52を操作することにより、当該画像を示す差分データを教師データとして選択する指示を受付部45に与えることができる。登録部46は、受付部45により選択が受け付けられた差分データを教師データとしてデータベース記憶装置30に登録する。
【0039】
また、受付部45は、差分データの修正を受け付けることが可能である。使用者は、操作部15を用いて画像表示領域51の任意の画像を選択し、修正ボタン53を操作することにより、当該が画像に対応する差分データの修正を受付部45に指示することができる。また、使用者は、選択した画像において、操作部15を用いて再検査を要する部分の塗りつぶし等の指定を行うことができる。
【0040】
受付部45により指定が受け付けられた場合、差分データ生成部43は、指定が受け付けられた部分を示すラベルを選択された差分データに付与する。これにより、差分データが修正される。差分データの修正が行われた後、登録ボタン52が操作された場合、登録部46は、修正後の差分データを教師データとしてデータベース記憶装置30に登録する。
【0041】
(3)支援処理
図5は、図2の支援装置40による支援処理を示すフローチャートである。図5の支援処理は、図1のCPU11がROM13または記憶装置14等に記憶された支援プログラムをRAM12上で実行することにより行われる。以下、図2の支援装置40および図5のフローチャートを用いて支援処理を説明する。
【0042】
まず、異常データ取得部41は、検査装置20から各異常データを取得する(ステップS1)。次に、正常データ取得部42は、ステップS1で取得された各異常データに対応する正常データを検査装置20から取得する(ステップS2)。ステップS1,S2は、同時に実行されてもよい。
【0043】
続いて、差分データ生成部43は、ステップS1,S2でそれぞれ取得された互いに対応する異常データと正常データとに基づいて各差分データを生成する(ステップS3)。その後、提示部44は、ステップS3で生成された各差分データに基づく画像を表示装置16に表示させることにより、各差分データを使用者に提示する(ステップS4)。
【0044】
次に、受付部45は、ステップS4で提示された差分データのうち、いずれかの差分データの修正が受け付けられたか否かを判定する(ステップS5)。差分データの修正が受け付けられない場合、受付部45はステップS7に進む。いずれかの差分データの修正が受け付けられた場合、差分データ生成部43は、修正の指定が受け付けられた部分を示すラベルを当該差分データに付与することにより差分データを修正し(ステップS6)、ステップS7に進む。
【0045】
ステップS7において、受付部45は、ステップS4で提示された差分データまたはステップS6で修正された差分データのうち、いずれかの差分データの登録が指示されたか否かを判定する(ステップS7)。差分データの登録が指示されない場合、受付部45はステップS9に進む。いずれかの差分データの登録が指示された場合、登録部46は、指示された差分データを教師データとしてデータベース記憶装置30に登録し(ステップS8)、ステップS9に進む。
【0046】
ステップS9において、登録部46は、終了が指示されたか否かを判定する(ステップS9)。使用者は、操作部15を用いて所定の操作を行うことにより終了または続行を指示することができる。終了が指示されていない場合、登録部46はステップS5に戻る。差分データをさらに登録する場合、使用者は、終了を指示せずに続行を指示することとなる。終了が指示された場合、登録部46は支援処理を終了する。
【0047】
(4)効果
本実施の形態に係る支援装置40においては、事前に欠陥があると判定された検査対象物の画像を示す異常データが異常データ取得部41により取得される。異常データ取得部41により取得された異常データに対応するように、正常な検査対象物の画像を示す正常データが正常データ取得部42により取得される。異常データ取得部41により取得された異常データと、当該異常データと対応するように正常データ取得部42により取得された正常データとの差分を示す差分データが差分データ生成部43により生成される。差分データに基づいて示される画像における検査対象物の部分は、再検査を要する可能性が高い。
【0048】
そのため、差分データ生成部43により生成された差分データに基づいて、検査対象物の部分の画像が提示部44により提示される。提示部44により提示された差分データの選択が受付部45により受け付けられる。受付部45により選択が受け付けられた差分データが教師データとして登録部46によりデータベース記憶装置30に登録される。この場合、使用者は、提示された画像を視認しつつ、所望の画像に対応する差分データを選択することにより、選択された差分データを教師データとして登録することができる。これにより、教師データをより容易に作成することができる。
【0049】
また、受付部45は、提示部44により提示された差分データの修正をさらに受け付ける。登録部46は、修正後の差分データを教師データとして登録する。この場合、使用者は、差分データに基づく画像における検査対象物の再検査を要する部分をより適切に修正することが可能となる。これにより、より高い精度で検査を行うための教師データを作成することができる。
【0050】
(5)変形例
図6は、第1の変形例における教師データの作成に用いられる各種データを示す図である。第1の変形例においては、使用者は、検査対象領域外を示す非検査対象領域を検査装置20に予め登録することができる。非検査対象領域が登録された場合、検査装置20は、生成される画像データに非検査対象領域を設定する。
【0051】
したがって、図6の左上部に示すように、異常データ取得部41により取得される異常データには、非検査対象領域が設定される。同様に、図6の左下部に示すように、正常データ取得部42により取得される正常データには、非検査対象領域が設定される。この場合、差分データ生成部43は、図6の右部に示すように、設定された非検査対象領域を除外した状態で、異常データと、当該異常データと対応する正常データとの各画素値の差分を算出することにより差分データを生成する。差分データにおける非検査対象領域の画素値は0にされてもよい。
【0052】
この場合、検査対象領域外の部分に再検査を要する部分を示すラベルが付されることが防止される。これにより、より高い精度で検査を行うための教師データを作成することができる。また、検査対象領域外の部分が再検査されることがないので、作成された教師データを用いることにより、高速で基板の再検査を行うことができる。
【0053】
図7は、第2の変形例における教師データの作成に用いられる各種データを示す図である。図7の左上部に示すように、異常データ取得部41は、異常データとともに、当該異常データが示す画像における基板の欠陥の種別を示す欠陥情報を取得する。差分データ生成部43は、図7の右部に示すように、異常データ取得部41により取得された欠陥情報を生成された差分データに付与する。GUI50の画像表示領域51においては、差分データに基づく画像は欠陥の種別を示す態様(例えば色彩)で示されてもよい。
【0054】
この場合、使用者は、教師データに欠陥情報を付与する作業を行う必要がない。これにより、使用者の負担を軽減するとともに、教師データ作成の作業効率を向上させることができる。また、使用者の作業に伴うミスが発生しないので、より正確な教師データを作成することができる。
【0055】
図8は、第3の変形例における教師データの作成に用いられる各種データを示す図である。第3の変形例においては、使用者は、画像データに2値化処理を行うことを検査装置20に予め設定することができる。2値化処理を行うことが設定された場合、検査装置20は、2値化された画像データを生成する。
【0056】
したがって、図8の左上部に示すように、異常データ取得部41は、2値化処理された異常データを取得する。同様に、図8の左下部に示すように、正常データ取得部42は、2値化処理された正常データを取得する。差分データ生成部43は、図8の右部に示すように、2値化された異常データと、当該異常データと対応する2値化された正常データとの各画素値の差分を算出することにより差分データを生成する。
【0057】
この場合、画像データのデータ量が削減されるので、高速で教師データを作成することができる。また、作成された教師データを用いることにより、高速で基板の再検査を行うことができる。
【0058】
[2]第2の実施の形態
第1の実施の形態において、正常データ取得部42は、1つの異常データに対して1つの正常データが対応するように正常データを取得するが、実施の形態はこれに限定されない。以下、第2~第4の実施の形態における支援処理について、第1の実施の形態における支援処理と異なる点を説明する。
【0059】
図9は、第2の実施の形態において教師データの作成に用いられる各種データを示す図である。本実施の形態においては、図9の左下部に示すように、1つの異常データに対して複数の正常データが対応するように複数の正常データを取得する。差分データ生成部43は、1つの異常データと、当該異常データに対応する各正常データとの各画素値の差分を算出することにより差分データを生成する。したがって、図9の右部に示すように、1つの異常データに対応して複数の差分データが生成される。
【0060】
この構成によれば、1つの異常データから多数の差分データが生成される。これにより、教師データ作成の作業効率を向上させることができる。
【0061】
[3]第3の実施の形態
図10は、第3の実施の形態において教師データの作成に用いられる各種データを示す図である。本実施の形態においては、図10の左下部に示すように、1つの異常データに対して複数の正常データが対応するように複数の正常データを取得する。差分データ生成部43は、1つの異常データと、当該異常データに対応する複数の正常データの平均との各画素値の差分を算出することにより差分データを生成する。したがって、図10の右部に示すように、1つの異常データに対応して1つの差分データが生成される。
【0062】
この構成によれば、複数の正常データのいずれかに欠陥とは無関係のノイズ成分が偶発的に混入した場合でも、複数の正常データが平均されるので、ノイズ成分は平均後の正常データの画素値にほとんど影響を与えない。そのため、平均後の正常データを用いることにより、より高い精度で検査を行うための教師データを作成することができる。
【0063】
[4]第4の実施の形態
図11は、第4の実施の形態において教師データの作成に用いられる各種データを示す図である。本実施の形態においては、図11の左上部に示すように、複数の異常データに対して1つの正常データが対応するように正常データを取得する。差分データ生成部43は、各異常データと、当該異常データに対応する正常データとに基づいて差分データを生成する。したがって、図11の右部に示すように、複数の異常データにそれぞれ対応する複数の差分データが生成される。
【0064】
この構成によれば、異常データが取得されるたびに正常データを都度取得する必要がないので、共通の正常データを用いて高速で教師データを作成することができる。本実施の形態においては、予め準備された正常な基板の画像を示す画像データが正常データとして正常データ取得部42により取得されてもよい。この場合、支援処理におけるステップS2は、ステップS1の前に実行されてもよい。
【0065】
予め準備された画像データは、検査装置20により生成された画像データのいずれかであってもよいが、基板の設計図を示すCADデータ等のマスタデータであってもよい。ここで、エッチング等による基板の加工精度によっては、検査装置20により生成される画像データとマスタデータとで、画像中の基板のパターン幅またはパターンの角部の曲率半径等が異なることとなる。そこで、マスタデータには、画像中のパターン幅またはパターンの角部の曲率半径等が変更されるように、基板の加工精度に基づいて修正が行われてもよい。
【0066】
また、第1~第3の実施の形態においても、検査装置20により事前に欠陥があると判定されなかった基板の画像を示す画像データが正常データとして検査装置20から取得されるが、実施の形態はこれに限定されない。正常データの少なくとも1つは、予め準備されたマスタデータまたは修正が行われたマスタデータであってもよい。
【0067】
[5]他の実施の形態
上記実施の形態において、支援装置40は受付部45および登録部46を含むが、実施の形態はこれに限定されない。支援装置40は、受付部45および登録部46を含まなくてもよい。この場合でも、使用者は、GUI50に提示された画像を確認することにより、当該部分を再検査するための教師データを作成することが可能となる。これにより、高い精度で検査を行うための教師データを容易に作成することができる。
【0068】
[6]請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【0069】
上記実施の形態においては、支援装置40が教師データ作成支援装置の例であり、異常データ取得部41が異常データ取得部の例であり、正常データ取得部42が正常データ取得部の例である。差分データ生成部43が差分データ生成部の例であり、提示部44が提示部の例であり、受付部45が受付部の例であり、登録部46が登録部の例である。
[7]参考形態
(1)第1の参考形態に係る教師データ作成支援装置は、検査対象物の再検査に用いられる教師データの作成を支援する教師データ作成支援装置であって、事前に欠陥があると判定された検査対象物の画像を示す異常データを取得する異常データ取得部と、異常データ取得部により取得された異常データに対応するように、正常な検査対象物の画像を示す正常データを取得する正常データ取得部と、異常データ取得部により取得された異常データと、当該異常データと対応するように正常データ取得部により取得された正常データとの差分を示す差分データを生成する差分データ生成部と、差分データ生成部により生成された差分データに基づいて、検査対象物の部分の画像を提示する提示部とを備える。
この教師データ作成支援装置においては、事前に欠陥があると判定された検査対象物の画像を示す異常データと、正常な検査対象物の画像を示す正常データとの差分を示す差分データに基づいて、検査対象物の部分の画像が提示される。差分データに基づいて示される画像における検査対象物の部分は、再検査を要する可能性が高い。そのため、使用者は、提示された画像を確認することにより、当該部分を再検査するための教師データを作成することが可能となる。これにより、高い精度で検査を行うための教師データを容易に作成することができる。
(2)教師データ作成支援装置は、提示部により提示された差分データの選択を受け付ける受付部と、受付部により選択が受け付けられた差分データを教師データとして登録する登録部をさらに備えてもよい。この場合、使用者により選択された差分データが教師データとして登録される。これにより、教師データをより容易に作成することができる。
(3)受付部は、提示部により提示された差分データの修正をさらに受け付け、登録部は、修正後の差分データを教師データとして登録してもよい。この場合、差分データに基づく画像における検査対象物の再検査を要する部分をより適切に修正することが可能となる。これにより、より高い精度で検査を行うための教師データを作成することができる。
(4)正常データ取得部は、異常データに対応するように複数の正常データを取得し、差分データ生成部は、異常データと、当該異常データに対応する複数の正常データとに基づいて複数の差分データを生成してもよい。この場合、1つの異常データから多数の差分データが生成される。これにより、教師データ作成の作業効率を向上させることができる。
(5)正常データ取得部は、異常データに対応するように複数の正常データを取得し、差分データ生成部は、異常データと、当該異常データに対応する複数の正常データの平均とに基づいて差分データを生成してもよい。この構成によれば、複数の正常データのいずれかに欠陥とは無関係のノイズ成分が偶発的に混入した場合でも、複数の正常データが平均されるので、ノイズ成分は平均後の正常データの画素値にほとんど影響を与えない。そのため、より高い精度で検査を行うための教師データを作成することができる。
(6)正常データ取得部は、複数の異常データに対応するように正常データを取得し、差分データ生成部は、各異常データと、当該異常データに対応する正常データとに基づいて差分データを生成してもよい。この場合、共通の正常データを用いて高速で教師データを作成することができる。
(7)正常データ取得部により取得される正常データは、事前に欠陥があると判定されなかった検査対象物の画像を示す画像データを含んでもよい。この場合、正常な検査対象物の画像を示す正常データを容易に取得することができる。
(8)正常データ取得部により取得される正常データは、検査対象物の設計図を示すマスタデータを含んでもよい。この場合、正常な検査対象物の画像を示す正常データを容易に取得することができる。
(9)正常データ取得部は、検査対象物の加工精度に基づいて修正が行われたマスタデータを正常データとして取得してもよい。この構成によれば、検査対象領域が微細である場合でも、正常な検査対象物の画像を示す正常データを容易に取得することができる。
(10)異常データ取得部により取得される異常データおよび正常データ取得部により取得される正常データには、非検査対象領域が設定され、差分データ生成部は、設定された非検査対象領域を除外して差分データを生成してもよい。この場合、差分データが示す画像に検査対象領域外の部分が含まれることが防止される。これにより、より高い精度で検査を行うための教師データを作成することができる。
(11)異常データ取得部は、取得された異常データに対応する検査対象物についての欠陥の種別を示す欠陥情報をさらに取得し、差分データ生成部は、異常データ取得部により取得された欠陥情報を生成された差分データに付与してもよい。この場合、使用者は、教師データに欠陥情報を付与する作業を行う必要がない。これにより、使用者の負担を軽減するとともに、教師データ作成の作業効率を向上させることができる。また、使用者の作業に伴うミスが発生しないので、より正確な教師データを作成することができる。
(12)異常データ取得部は、2値化処理された異常データを取得し、正常データ取得部は、2値化処理された正常データを取得してもよい。この場合、異常データおよび正常データのデータ量が削減されるので、高速で教師データを作成することができる。
(13)第2の参考形態に係る教師データ作成支援方法は、検査対象物の再検査に用いられる教師データの作成を支援する教師データ作成支援方法であって、事前に欠陥があると判定された検査対象物の画像を示す異常データを取得するステップと、取得された異常データに対応するように、正常な検査対象物の画像を示す正常データを取得するステップと、取得された異常データと、当該異常データと対応するように取得された正常データとの差分を示す差分データを生成するステップと、生成された差分データに基づいて、検査対象物の部分の画像を提示するステップとを含む。
この教師データ作成支援方法によれば、事前に欠陥があると判定された検査対象物の画像を示す異常データと、正常な検査対象物の画像を示す正常データとの差分を示す差分データに基づいて、検査対象物の部分の画像が提示される。差分データに基づいて示される画像における検査対象物の部分は、再検査を要する可能性が高い。そのため、使用者は、提示された画像を確認することにより、当該部分を再検査するための教師データを作成することが可能となる。これにより、高い精度で検査を行うための教師データを容易に作成することができる。
【符号の説明】
【0070】
10…処理装置,11…CPU,12…RAM,13…ROM,14…記憶装置,15…操作部,16…表示装置,17…入出力I/F,18…バス,20…検査装置,30…データベース記憶装置,40…支援装置,41…異常データ取得部,42…正常データ取得部,43…差分データ生成部,44…提示部,45…受付部,46…登録部,50…GUI,51…画像表示領域,52…登録ボタン,53…修正ボタン,100…処理システム
図1
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