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特許7681717M-FSK変調に基づく受信器およびその受信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-14
(45)【発行日】2025-05-22
(54)【発明の名称】M-FSK変調に基づく受信器およびその受信方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/144 20060101AFI20250515BHJP
   H04B 1/16 20060101ALI20250515BHJP
【FI】
H04L27/144
H04B1/16 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023560568
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-14
(86)【国際出願番号】 CN2022079933
(87)【国際公開番号】W WO2022213764
(87)【国際公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】202110366616.0
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523371883
【氏名又は名称】上海縦行企業発展有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI ZIFISENSE INFOTECH CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 8895, No. 315, Emei Road, Hongkou District Shanghai 200080, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鄭 徳来
(72)【発明者】
【氏名】李 卓群
【審査官】齊藤 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-046382(JP,A)
【文献】特開2013-251902(JP,A)
【文献】特開平08-172385(JP,A)
【文献】米国特許第10079705(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第112311711(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/144
H04B 1/16
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Preambleフレーム、SYNCフレームおよびDataフレームを含むフレーム構造に対してM-FSK復調を行う際、具体的には、
Preambleフレームが繰り返しシーケンスであり且つ個々のシンボルがM-FSK変調を採用している場合には、自己相関の時間・周波数同期技術を採用してPreambleフレームのM-FSK復調を行うこと、
Preambleフレームが非繰り返しシーケンスである場合には、相互相関スライディングFFTの時間・周波数同期技術を採用してPreambleフレームのM-FSK復調を行うこと、
自己適応拡張可能FFTのM-FSK復調を採用してSYNCフレームおよびDataフレームのM-FSK復調を行うことと
を含むことを特徴とするM-FSK変調に基づく受信方法。
【請求項2】
Preambleフレームが繰り返しシーケンスであり且つ個々のシンボルがM-FSK変調を採用している場合には、Preambleフレームシーケンスが前後の自己相関して新たなシーケンスを得、閾値を満たすことをベースに、同期ポイントは、自己相関ピーク値点が対応するプリアンブル同期ポイントであり、自己相関値が最大のときにはすなわち、完全なPreambleフレームシーケンスを受信したことを示していることを特徴とする請求項1記載のM-FSK変調に基づく受信方法。
【請求項3】
相関値幅の最大値の自己相関値、時間遅延シンボル数zzおよびM-FSKシンボル時間長Tに基づいて計算して得られる周波数オフセットは:CFO=phase(Corr(Kmax))/(2π*(T*zz))と推定され、ここで、phaseは、求める位相を表し、複素数に基づいて位相を計算し、Corr(k)は、Preambleフレームシーケンスが前後の自己相関して得られる新たなシーケンスであることを特徴とする請求項2記載のM-FSK変調に基づく受信方法。
【請求項4】
Preambleフレームが非繰り返しシーケンスである場合には、非繰り返しシーケンスは、M-FSKシーケンス変調に基づく非繰り返しシーケンスを含み、他のシーケンスまたは他の変調方式にも適しており、CAZACシーケンスおよびZadoffChuシーケンスを用いることをサポートすることを特徴とする請求項1記載のM-FSK変調に基づく受信方法。
【請求項5】
Preambleフレームが非繰り返しシーケンスである場合には、相互相関スライディングFFTの時間・周波数同期技術は、具体的には、M-FSK変調シーケンスとローカルシーケンスとを受信するスライディングFFT法に基づき、拡張可能ローカルシーケンスが、同様のサンプリングレートの受信信号が共役ドット積を行うために用いられ、デシリアライズ情報の機能を果たし、周波数領域に変換し、最大値と周波数領域の位置情報を求め、このときの相関ピーク値と、周波数オフセット推定のための値とを得、異なる時刻の相関ピーク値や、相関ピーク値の最大値を比較し、且つ、一定の閾値よりも大きければ、すなわち、プリアンブルの時間同期ポイントであり、同期時刻の周波数ポイントの位置と直流周波数ポイントの間隔とにより表される周波数の大きさに基づいて周波数オフセット値を求めることを特徴とする請求項1又は4記載のM-FSK変調に基づく受信方法。
【請求項6】
自己適応拡張可能FFTのM-FSK復調は、具体的には、周波数ポイント間隔SCS/シンボル時間長/変調周波数ポイント数に基づいて拡張可能Advanced M-FSKの送信シンボルを復調し、M-FSK変調に基づくデータ復調を自己適応復調することを特徴とする請求項1記載のM-FSK変調に基づく受信方法。
【請求項7】
周波数領域ピーク値が相関合成係数となるマルチアンテナ合成技術に基づき、データシンボル復調合成は、個々のM-FSKシンボルに基づく合成であり、個々のアンテナの合成重み値は、M-FSKシンボルが周波数領域に変換された後のエネルギーのすべての周波数ポイントが最も大きく対応する値であるか、または、変調周波数ポイント上の最大値のみを保持することを特徴とする請求項1記載のM-FSK変調に基づく受信方法。
【請求項8】
Preambleフレームが非繰り返しシーケンスである場合には、同期マルチアンテナ合成技術に基づき、個々のアンテナの合成重み値は、M-FSKシンボルの周波数領域におけるエネルギーによって最も大きく対応する値であることを特徴とする請求項1記載のM-FSK変調に基づく受信方法。
【請求項9】
Preambleフレーム、SYNCフレームおよびDataフレームを含むフレーム構造に対してM-FSK復調を行い、具体的には、
Preambleフレームが繰り返しシーケンスであり且つ個々のシンボルがM-FSK変調を採用している場合には、自己相関の時間・周波数同期技術を採用してPreambleフレームのSNR検出と時間・周波数同期を行い、Preambleフレームが非繰り返しシーケンスである場合には、相互相関スライディングFFTの時間・周波数同期技術を採用してPreambleフレームのSNR検出と時間・周波数同期を行う、PreambleフレームをM-FSK復調することと、
自己適応拡張可能FFTのM-FSK復調を採用して最尤検出性能を獲得する、SYNCフレームおよDataフレームをM-FSK復調することと、
を含むことを特徴とするM-FSK変調に基づく受信方法。
【請求項10】
周波数領域ピーク値が相関合成係数となるマルチアンテナ合成技術に基づき、データシンボル復調合成は、個々のM-FSKシンボルに基づく合成であり、個々のアンテナの合成重み値は、M-FSKシンボルが周波数領域に変換された後のエネルギーのすべての周波数ポイントが最も大きく対応する値であるか、または、変調周波数ポイント上の最大値のみを保持することを特徴とする請求項9記載のM-FSK変調に基づく受信方法。
【請求項11】
Preambleフレームが非繰り返しシーケンスである場合には、同期マルチアンテナ合成技術に基づき、個々のアンテナの合成重み値は、M-FSKシンボルの周波数領域におけるエネルギーによって最も大きく対応する値であることを特徴とする請求項9記載のM-FSK変調に基づく受信方法。
【請求項12】
SNR検出と時間・周波数同期は、具体的には、
Preambleフレームが非繰り返しシーケンスである場合には、非繰り返しPreambleシーケンスに基づき、時刻ポイントを同期し、デシリアライズ情報の周波数領域ピーク値またはピーク値付近のエネルギーがすなわち信号エネルギーであり、信号エネルギー以外が雑音エネルギーであり、信号エネルギーと雑音エネルギーに基づいてSNRを求めることと、
2 M-FSKデータシンボルに基づき、周波数領域に変換した後、周波数領域ピーク値またはピーク値付近のポイント総エネルギーがすなわち信号エネルギーであり、信号エネルギー以外の周波数ポイントが雑音エネルギーであり、信号エネルギーと雑音エネルギーに基づいてSNRを求めることと、
を含むことを特徴とする請求項9記載のM-FSK変調に基づく受信方法。
【請求項13】
受信器が、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のM-FSK変調された信号の受信方法を実行することを含むことを特徴とするM-FSK変調に基づく受信器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は通信技術分野に関し、特に、M-FSK変調に基づく受信器およびその受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
復調は、情報を保持している変調済みの信号から情報を復元するプロセスである。各種情報伝達または処理システムにおいて、送信側は、伝送しようとする情報を用いて搬送波を変調し、この情報を保持している信号を生成する。受信側は、伝送された情報を復元しなければ利用することができず、これが復調である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のM-FSKの復調技術の大半がアナログの方法に基づいているか、または、時間領域においてマッチング相関検出方法を行っている。これらの方法は拡張性が低く、受信性能が悪い。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願は、Preambleフレーム、SYNCフレームおよびDataフレームを含むフレーム構造をM-FSK復調する、M-FSK変調に基づく受信方法を提供している。ここで、M-FSKはM次の周波数偏移キーイングを指し、個々のシンボルの所要変調ビットに基づいて周波数領域において連続するM個の直交変調周波数ポイントから1つの周波数ポイントを選択して送信し、Mは2の指数であり、このとき、個々のM-FSKシンボルはlog2(M)個のビットを送信することができ、さらに、他の2つの重要なパラメータは、最小周波数ポイント間隔SCSおよび個々のシンボル時間長Tであり、M-FSK変調の概略図は図8の通りである。
【0005】
Preambleフレームが繰り返しシーケンスであり且つ個々のシンボルがM-FSK変調を採用している場合には、自己相関の時間・周波数同期技術を採用してPreambleフレームのM-FSK復調を行い、Preambleフレームが非繰り返しシーケンスである場合には、相互相関スライディングFFTの時間・周波数同期技術を採用してPreambleフレームのM-FSK復調を行う、Preambleフレームを復調することと、
自己適応拡張可能FFTのM-FSKデータ復調技術を採用してSYNCフレームおよびDataフレームのM-FSK復調を行う、SYNCフレームおよび/またはDataフレームを復調することと、
を含む。
【0006】
Preambleフレームが繰り返しシーケンスであり且つ個々のシンボルがM-FSK変調を採用している場合には、Preambleフレームシーケンスが前後の自己相関して新たなシーケンスを得、閾値を満たすことをベースに、同期ポイントは、自己相関ピーク値点が対応するプリアンブル同期ポイントであり、自己相関値が最大のときにはすなわち、完全なPreambleシーケンスを受信したことを示している、上記の、M-FSK変調に基づく受信方法。
【0007】
相関値幅の最大値の自己相関値、時間遅延シンボル数zzおよびM-FSKシンボル時間長Tに基づいて計算して得られる周波数オフセットは:CFO=phase(Corr(Kmax))/(2π*(T*zz))と推定され、ここで、phaseは、求める位相を表し、複数の虚実に基づいて位相を計算し、Corr(k)は、Preambleフレームシーケンスが前後の自己相関して得られる新たなシーケンスである、上記の、M-FSK変調に基づく受信方法。
【0008】
非繰り返しシーケンスは、M-FSKシーケンス変調に基づく非繰り返しシーケンスを含み、他のシーケンスまたは他の変調方式にも適しており、CAZACシーケンスおよびZadoffChuシーケンスを用いることをサポートする、上記の、M-FSK変調に基づく受信方法。
【0009】
相互相関スライディングFFTの時間・周波数同期技術は、具体的には、M-FSK変調シーケンスとローカルシーケンスとを受信するスライディングFFT法に基づき、拡張可能ローカルシーケンスが、同様のサンプリングレートの受信信号が共役ドット積を行うために用いられ、デシリアライズ情報の機能を果たし、周波数領域に変換し、最大値と周波数領域の位置情報とを求め、このときの相関ピーク値と、周波数オフセット推定のための値とを得、異なる時刻のピーク値や、ピーク値の最大値を比較し、且つ、一定の閾値よりも大きければ、すなわち、プリアンブルの時間同期ポイントであり、同期時刻の周波数ポイントの位置と直流周波数ポイントの間隔とにより表される周波数の大きさに基づいて周波数オフセット値を求める、上記の、M-FSK変調に基づく受信方法。
【0010】
自己適応拡張可能FFTのM-FSKデータ復調技術は、具体的には、周波数ポイント間隔SCS/シンボル時間長/変調周波数ポイント数に基づいて拡張可能Advanced M-FSKの送信シンボルを復調し、M-FSK変調に基づくデータ復調を自己適応復調する、上記の、M-FSK変調に基づく受信方法。
【0011】
周波数領域ピーク値が相関合成係数となるマルチアンテナ合成技術に基づき、データシンボル復調合成は、個々のM-FSKシンボルに基づく合成であり、個々のアンテナの合成重み値は、M-FSKシンボルが周波数領域に変換された後のエネルギーのすべての周波数ポイントが最も大きく対応する値であるか、または、変調周波数ポイント上の最大値のみを保持する、上記の、M-FSK変調に基づく受信方法。
【0012】
非繰り返しシーケンス同期マルチアンテナ合成技術に基づき、個々のアンテナの合成重み値は、M-FSKシンボルの周波数領域におけるエネルギーによって最も大きく対応する値である、上記の、M-FSK変調に基づく受信方法。
【0013】
本願は、Preambleフレーム、SYNCフレームおよびDataフレームを含むフレーム構造に対してM-FSK復調を行い、具体的には、
Preambleフレームが繰り返しシーケンスであり且つ個々のシンボルがM-FSK変調を採用している場合には、自己相関の時間・周波数同期技術を採用してPreambleフレームのSNR検出と時間・周波数同期を行い、Preambleフレームが非繰り返しシーケンスである場合には、相互相関スライディングFFTの時間・周波数同期技術を採用してPreambleフレームのSNR検出と時間・周波数同期を行う、Preambleフレームを復調することと、
自己適応拡張可能FFTのM-FSKデータ復調技術を採用して最尤検出性能を獲得する、SYNCフレームおよび/またはDataフレームを復調することと、
を含む、M-FSK変調に基づく受信方法をさらに提供する。
【0014】
周波数領域ピーク値が相関合成係数となるマルチアンテナ合成技術に基づき、データシンボル復調合成は、個々のM-FSKシンボルに基づく合成であり、個々のアンテナの合成重み値は、M-FSKシンボルが周波数領域に変換された後のエネルギーのすべての周波数ポイントが最も大きく対応する値であるか、または、変調周波数ポイント上の最大値のみを保持する、上記の、M-FSK変調に基づく受信方法。
【0015】
非繰り返しシーケンス同期マルチアンテナ合成技術に基づき、個々のアンテナの合成重み値は、M-FSKシンボルの周波数領域におけるエネルギーによって最も大きく対応する値である、上記の、M-FSK変調に基づく受信方法。
【0016】
SNR検出と時間・周波数同期は、具体的には、
1 非繰り返しプリアンブルシーケンスに基づき、時刻ポイントを同期し、デシリアライズ情報の周波数領域ピーク値またはピーク値付近のエネルギーがすなわち信号エネルギーであり、信号エネルギー以外が雑音エネルギーであり、信号エネルギーと雑音エネルギーに基づいてSNRを求めることと、
2 M-FSKデータシンボルに基づき、周波数領域に変換した後、周波数領域ピーク値またはピーク値付近のポイントの総エネルギーがすなわち信号エネルギーであり、信号エネルギー以外の周波数ポイントが雑音エネルギーであり、信号エネルギーと雑音エネルギーに基づいてSNRを求めることと、
を含む、上記の、M-FSK変調に基づく受信方法。
【0017】
本願は、前記受信器が、上記のいずれか一項に記載の、M-FSK変調における受信方法を実行することを含む、M-FSK変調に基づく受信器をさらに提供する。
【0018】
本願が実現する有益な効果は次の通りである。
【0019】
1、本願は受信器の関連技術によって、Advanced M-FSKに基づいて、低い感度を達成させると同時に、各種マルチパスおよびDoppler場面に適応する。
【0020】
2、本願は同期技術を採用し、検出技術の感度を大幅に高め、周波数オフセットが大きいときにも周波数を同期することができ、送信側のTCXOを節約することができる。
【0021】
3、本願は、自己適応するFFTに基づく復調技術を採用しており、最尤復調性能を獲得することができる。
【0022】
4、本願はマルチアンテナ合成技術を採用しており、受信側にエネルギーとダイバーシティゲインを獲得させる。
【0023】
5、本願のM-FSKエネルギー検出とSNRの測定方法は、受信側が、相応の受信状況を比較的正確に獲得できるようにする。
【0024】
本発明の実施例または従来技術における技術的解決策をより明確に説明するため、以下、実施例または従来技術の記述において使用する必要のある図面について簡単に説明するが、もちろん、以下の記述中の図面は、本発明において記載された、いくつかの実施例であるに過ぎず、当業者にとっては、これらの図面に基づいて他の図面を獲得することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】ゼロIFに基づくM-FSKデジタル復調先進受信器のアルゴリズムの概略図である。
図2】本願の実施例一が提供する、M-FSK変調に基づく受信方法の概略図である。
図3】受信器の、繰り返しシーケンスのPreambleフレームに対する受信の概略図である。
図4】Preambleフレームシーケンスと自己相関値の関連関係の概略図である。
図5】受信器の、非繰り返しシーケンスのPreambleフレームに対する受信の概略図である。
図6】非繰り返しシーケンスのPreambleフレーム受信時の同期ポイント最大値の周波数オフセット間隔の概略図である。
図7】FFT自己適応に基づく受信器アルゴリズムの実例図である。
図8】M-FSK変調の例示であり、図中、M=8であり、SCSは2kHzであり、シンボル時間長は1/600秒または600sps(symbols per second)である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施例中の図面を参照しながら、本発明の実施例中の技術的解決策について明確且つ十全に記述する。もちろん、記述される実施例は本発明の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本発明中の実施例に基づき、当業者が、創造的な労働を行わない前提の下で獲得した他のすべての実施例はいずれも、本発明が保護する範囲に属する。
【0027】
本願の、M-FSK変調に基づく受信器および受信方法は、特許出願202011132046.0および202011402522.6が提供するAdvanced M-FSK送信技術に基づいて設計された相応の受信器および受信方法であり、上記出願の送信器と本願の受信器が共同で、Advanced M-FSKに基づくLPWAN技術を構成する。本願は、低信号雑音比における検出能力、反周波数オフセット能力、測定技術、マルチアンテナ合成がエネルギーおよびダイバーシティゲインを得る技術、および拡張可能な復調技術を有する、Advanced M-FSK送信に基づく自己適応拡張可能受信器技術について詳しく説明する。
【0028】
本願が提供する、M-FSK変調に基づく受信器および受信方法について説明する前に、まず、本願の、M-FSK変調技術(本願は、自己適応可能であるかまたは配置可能なM-FSK変調送信技術および相応の受信器技術をadvanced M-FSK技術と呼ぶ)に基づく送信側フレーム構造を、以下に示すように定義する。
【表1】
【0029】
ここで、Preambleフレームはフレーム検出およびフレーム同期のために用いられ、SYNCフレームはデータフォーマットの制定のために用いられ、Dataフレームは、M-FSKへのコード化または無コード化変調を採用して送信され、すなわち、異なる変調・コード化スキーム(Modulation and Coding Scheme)をサポートする。PreambleフレームとSYNCフレームは、従来の2FSKまたは2GFSKフォーマット(すなわち2FSKまたは2GFSK変調を採用)を互換でき、より高次の変調技術、すなわち、本願が実現するAdvanced M-FSK変調技術における変調次数M=2n(nは整数であり且つn≧1)を採用することもできる。また、周波数スペクトル漏れを低減するため、M-FSK変調はシンボル間の位相連続を保持し、すなわちM-CPFSKであり、周波数スペクトル漏れをさらに低減するため、ガウスフィルタリングを追加し、すなわちM-GFSKであり、本願におけるM-FSKはこれら2つの変調方式を含む。
【0030】
M-FSK変調方法は、従来の2FSKまたは2GFSKフォーマットを互換でき、Preambleフレームは従来の2FSKまたは2GFSKフォーマットを採用して送信し、SYNCコードは2FSKまたは2GFSKを採用して変調し、SYNCフレームは複数種の変調情報を含んでおり、もし、その中の変調情報が従来の2FSKまたは2GFSKフォーマットと同じであれば、Dataフレームは従来の2FSKまたは2GFSKフォーマットを採用し、そのうち変調情報が異なっていれば、Dataフレームのフレーム構造は事前の定めにより変調送信される。
【0031】
M-FSK変調方法の変調次数Mは2以上であり、Preambleフレーム、SYNCフレーム和DataフレームはM-FSKフォーマットを採用して変調され、
ここで、Preambleフレームのフォーマットまたは送信されるシーケンス情報は、従来の2FSKまたは2GFSKフォーマットとは異なり、具体的には、以下のいくつかの形式を有することができる。
【0032】
1 Preambleコードは繰り返しシーケンスであってよく、最小繰り返し粒度はN個のシンボルであり、N≧2であり、すべてシンボル数のPreambleコードはNの整数倍である。
【0033】
2 前記Preambleコードは、2FSKまたは2GFSKを用いて変調される、非繰り返しmシーケンスであり、ここで、mシーケンスは、最大長線形シフトレジスタシーケンスの略称であり、その名の示す通り、mシーケンスは、多段シフトレジスタまたはその遅延素子により、線形フィードバックによって生成される最長のコードシーケンスであり、バイナリシフトレジスタでは、nがシフトレジスタの段数であれば、n段のシフトレジスタは計2n個の状態を有しており、すべて0の状態を除いて2n-1における状態が残っているため、それが生成可能な最大長のコードシーケンスは2n-1桁である。
【0034】
3 Preambleコードは従来のフォーマットと異なっていてもよく、すなわち、M-FSK変調を用いなくてもよく、Preambleは、CAZAC(Constant Amplitude Zero Auto Correlation)シーケンスを用いることをサポートしており、ZadoffChuシーケンスを採用する場合、このシーケンスの定振幅特性、良好な相関性を有する。
【0035】
実施例一
本願の実施例一は、M-FSK変調に基づく受信方法を提供し、図1に示す、ゼロIFに基づくM-FSKデジタル復調先進受信器アルゴリズムを採用するとともに、上記M-FSK変調送信技術に基づいて実現し、図2に示すように、前記M-FSK変調に基づく受信方法は以下を含む。
【0036】
(1)Preambleフレームを復調する
送信器および受信器について、変調次数MやPreambleフレームのシーケンス形式などを含む双方のフレーム構造の配置を予め定めるが、送信器のM-FSK変調方法において、Preambleフレームは繰り返しシーケンスまたは非繰り返しシーケンスとして設計することができるため、受信器において復調を行う際にも、繰り返しシーケンスまたは非繰り返しシーケンスのPreambleフレームに対して相応の復調処理を行う必要がある。
【0037】
1 Preambleフレームが繰り返しシーケンスであり且つ個々のシンボルがM-FSK変調を採用している場合には、自己相関の時間・周波数同期技術を採用してPreambleフレームのM-FSK復調を行い、
ここで、自己相関シーケンスの時間遅延は最小繰り返しシーケンスシンボル数の倍数であり、自己相関長は、自己相関する両シーケンスの時間遅延をシーケンス長から減じたものであり、同期ポイントは、自己相関ピーク値点が対応するプリアンブル同期ポイントであり、周波数オフセットは、自己相関ピーク値位置の位相と、自己相関する2つのシーケンスの時間遅延とに基づいて求められる。
【0038】
2FSK変調の繰り返しシーケンスを例にすると、受信器の、Preambleフレームに対する受信は図3に示す通りであり、仮に、繰り返しシーケンスのビット[1010.....10]、計K個のビット、すなわちPreambleフレームのシンボル数がKであり、OSR(oversampling)が個々のシンボルのサンプリング数であるとすれば、送信器のPreambleフレームのシーケンス長はK*OSRであり、フレーム構造伝送プロセスにシンボル時間遅延が存在するので、受信器において受信される自己相関のPreambleフレームのシーケンス長は(K-zz)*OSRであり、zzは自己相関時の時間遅延シンボル数であり、最小繰り返しシーケンスのシンボル数の倍数であり、値域は2~K/2であり、前後に自己相関して新たなシーケンスCorr(k)を得、ここで、Preambleフレームシーケンスは無から有に転じ、また有から無に転じるため、自己相関値は徐々に大きくなった後、また徐々に小さくなり、自己相関値が最大のとき、かつ、一定の閾値よりも大きければ、すなわち完全なPreamble完全シーケンスを受信し、該時刻がすなわちプリアンブルの同期ポイントである(図4は、Preambleフレームシーケンスと自己相関値の関連関係の概略図である)。
【0039】
このとき、相関値幅の最大値の位相推定、自己相関値、時間遅延シンボル数、およびM-FSKシンボル時間長Tに基づいて計算して得られる周波数オフセットは:CFO=phase(Corr(Kmax))/(2π*(T*zz))と推定され、ここで、phaseは、求める位相を表し、複数の虚実に基づいて位相を計算し、
本願は、自己相関の時間・周波数同期技術を採用してPreambleフレームの検出と時間・周波数同期を行い、Preambleフレームを受信するための計算量を少なくしている。
【0040】
2 Preambleフレームが非繰り返しシーケンス(例えば擬似ランダムシーケンス)であれば、相互相関スライディングFFTの時間・周波数同期技術を採用してPreambleフレームのM-FSK復調を行い、ここで、非繰り返しシーケンスは、M-FSKシーケンス変調に基づく非繰り返しシーケンスを含み、CAZACシーケンスやZadoffChuシーケンスなど、他のシーケンスまたは他の変調方式にも適している。
【0041】
本願は非繰り返しシーケンスプリアンブルの相互相関スライディングFFTの時間・周波数同期技術に基づいており、M-FSK変調シーケンスとローカルシーケンスとを受信するスライディングFFT法に基づき、拡張可能ローカルシーケンス(すなわちサンプリングレートが可変である)が、同様のサンプリングレートの受信信号が共役ドット積を行うために作用し、デシリアライズ情報の機能を果たす。周波数領域に変換し、最大値と周波数領域の位置情報を求め、このときの相関ピーク値と、周波数オフセット推定のための値とを得、異なる時刻のピーク値を比較し、ピーク値の最大値、且つ、一定の閾値よりも大きければ、すなわち、プリアンブルの時間同期ポイントであり、しかるのちに、同期時刻ポイントの周波数領域位置に基づいて周波数オフセット値を求める。
【0042】
2FSK変調の非繰り返しシーケンスを例にすると、受信器の、Preambleフレームに対する受信は図5に示す通りであり、仮に、K個の2-FSKのプリアンブルシンボルがあり、個々のシンボル時間長がTであり、個々のシンボルサンプリング数がOSRであるとすれば、サンプリングレートはT/OSRであり、ローカルシーケンス長はK*OSRであり、図5中のt0、t1、t2…は、異なるサンプリング時刻であり、各々の時刻の操作ステップは次の通りである。受信シーケンスとローカルシーケンスのPreamble signal s(n)が、乗算等いくつかの操作を行った後に2の指数長まで適切にゼロパディングし、デシリアライズ情報の目的を果たし、FFTによって周波数領域に変換し、周波数領域において幅最大値c(t(k))および相応の周波数ポイントの位置f(t(k))を求め、ここで、周波数領域シーケンスの最大値シーケンスの絶対値の最大点が対応する時刻はすなわちプリアンブルの同期時刻、すなわち
【数1】
周波数オフセットの推定範囲はサンプリングレートと関連し、もしサンプリングレートがより高く、且つローパスフィルタの帯域幅さらに大きければ、認容される周波数オフセットの範囲がさらに大きくなるため、同期時刻の周波数ポイントの位置と直流周波数ポイントの間隔とにより表される周波数の大きさに基づいて周波数オフセット値を求め、例えば、図6に示す同期ポイント最大値の周波数オフセット間隔の概略図では、仮に、ローパスフィルタの帯域幅が120kHzであれば、周波数オフセットの許容範囲は±60kHzである。
【0043】
本願は、相互相関スライディングFFTの時間・周波数同期技術を採用してPreambleフレームの検出と時間・周波数同期を行い、周波数オフセットに対して敏感ではなく、M-FSK検出と同期の感度を大幅に高めることができると同時に、検出感度が低く、比較大きい範囲で認容周波数オフセットを求めることができるため、高い水晶発振精度を端末に用いなくてもよいことを意味している。
【0044】
(2)自己適応拡張可能FFTのM-FSKデータ復調技術を採用してSYNCフレームおよびDataフレームのM-FSK復調を行い、自己適応は、周波数ポイント間隔SCS/シンボル時間長/変調周波数ポイント数という3つのパラメータに基づいて拡張可能Advanced M-FSKの送信シンボルを復調し、M-FSK変調に基づくデータ復調を自己適応復調する、SYNCフレームおよび/またはDataフレームを復調すること。
【0045】
本願の実施例では、SYNCフレームとDataフレームの復調方式は同じであり、いずれも自己適応拡張可能FFTのM-FSKデータ復調技術を採用して復調を行い、後続の復号化の際に、異なる復号化方式を採用して復号化を行うことができるが、本願が主に開示するのは復調方法であり、復号化方式についてはここで限定しない。
【0046】
本願に記載の受信器が採用するのはFFT自己適応に基づく受信器アルゴリズムであり、適当なサンプリング周波数Sampling Rate(SR)によって、搬送波間隔SCSおよびシンボルレート時間長Tに基づいて、FFTSzieと周波数ポイントの位置を確定し、具体的には以下の点を含む。
【0047】
1 信号帯域幅BW=SCS×2であり、サンプリング周波数SR>=SCS×2を満たさなければならない、信号帯域幅によりサンプリング周波数を決定すること。SRが大きくなるほどノイズ耐性が高まる。
【0048】
2 個々のシンボルサンプリング点数はOSR=SR*Tであり、ゼロパディング方式によって少なくとも2まで充填し、M-FSKシンボルOSR値がこの点数を超えた場合、ゼロパディングの方式によって、適当なnから2×2までを選択する、サンプリング周波数SRおよびシンボル時間長Tに基づいてFFTSizeを確定していること。この方法の最大の長所は、M-FSKのすべてのエネルギーを取得しており、OFDMにサイクリックプレフィックスがあれば、シンボル間の干渉を低減するため、M-FSKシンボルの1つ前のシンボルエネルギーを除去してよいことである。
【0049】
3 シンボル時間長Tと搬送波間隔SCSに基づいて計算し、周波数ポイントの搬送波位置間隔SCSSizeを変調すること。
【数2】
ここで、ceil関数は切り上げである。
【0050】
4 M、SCSSizeおよびFFTSizeに基づき、変調周波数ポイントの位置を確定し、周波数領域では変調周波数ポイントの値のみを保持し、他の値はゼロにセットする、フィルタリングすること。
【0051】
5 対応する変調周波数ポイント上の振幅値の大きさを比較し、エネルギー最大値の所在周波数ポイントがすなわち変調周波数ポイントであり、周波数ポイントに基づいて変調ビットを復調すること。この方法が硬判定である。雑音の影響のため、変調周波数ポイントの最大値と他の周波数ポイント値との差は小さく、各変調周波数ポイント上の値によって、軟判定の方法で、復調ビットの信頼区間を算出してもよい。
【0052】
実例の計算:パラメータはSCS=7.5kHz;M=16(すなわちK=4);T=1/(4.8kHz)である。
【0053】
計算によれば、SR>=7.5*16=120kHz;SR=480kHz、OSR=SR*T=100;FFTSize=128;SCSSize=ceil(T*SCS)=2である。
【0054】
M=16、FFTSize=128、およびSCSSize=2に基づき、図7に示すFFTの後、直流搬送波が中心位置FFTSize/2+1=65までサイクルシフトし、変調周波数ポイントの位置は(50:2:80)の位置である。
【0055】
本願は自己適応拡張可能FFTのM-FSKデータ復調技術を採用して、最尤検出性能を獲得することができ、且つ、M-FSKシンボルのすべてのエネルギーを最大限に得ることができ、低速狭帯域通信の復調に特に適している。
【0056】
上記の記述プロセスは比較的具体的であるが、重要なプロセスは次の通りである。
【0057】
自己適応拡張可能FFTのM-FSKデータ復調技術は、具体には、FFT自己適応に基づく受信器アルゴリズムを採用し、適当なサンプリング周波数SRによって、搬送波間隔SCSおよびシンボルレート時間長Tに基づいて、FFTSzieと周波数ポイントの位置を確定し、具体的には、
信号帯域幅によりサンプリング周波数を決定することと、
サンプリング周波数SRおよびシンボル時間長Tに基づいてFFTSizeを確定することと、
シンボル時間長Tと搬送波間隔SCSに基づいて計算し、周波数ポイントの搬送波位置間隔SCSSizeを変調することと、
M、SCSSizeおよびFFTSizeに基づき、変調周波数ポイントの位置を確定することと、
周波数ポイントに基づいて変調ビットを復調することと、
を含む。
【0058】
実施例二
本願の実施例二は、Preambleフレーム、SYNCフレームおよびDataフレームを含むフレーム構造に対してM-FSK復調を行い、具体的には、
Preambleフレームが繰り返しシーケンスであり且つ個々のシンボルがM-FSK変調を採用している場合には、自己相関の時間・周波数同期技術を採用してPreambleフレームのSNR検出と時間・周波数同期を行い、Preambleフレームが非繰り返しシーケンスである場合には、相互相関スライディングFFTの時間・周波数同期技術を採用してPreambleフレームのSNR検出と時間・周波数同期を行う、Preambleフレームを復調することと、
自己適応拡張可能FFTのM-FSKデータ復調技術を採用して最尤検出性能を獲得する、SYNCフレームおよび/またはDataフレームを復調することと、
を含む、M-FSK変調に基づく受信方法をさらに提供する。
【0059】
本願は、M-FSKエネルギー検出とSNRの測定方法を提供し、受信器が、相応の受信状況を比較的正確に獲得できるようにする。ここで、エネルギー計算にはデータシンボルを利用してよく、Preambleシーケンスシンボルを利用してもよく、周波数領域のピーク値エネルギーはすなわち所望信号のエネルギーである。データシンボルを利用する場合、所望信号のエネルギーは周波数領域上のエネルギー値最大点のエネルギー
【数3】
であり、Preambleシーケンスシンボルを利用する場合には、同期時刻の周波数領域におけるエネルギー値最大点のエネルギーである。
【0060】
本願は、M-FSKまたはM-FSK変調シーケンスに基づいて周波数領域において信号と雑音を分離する測定技術によって、信号エネルギーおよび雑音の大きさをそれぞれ求めることができ、さらには信号雑音比の大きさを算出することができ、具体的には、
1 非繰り返しプリアンブルシーケンスに基づき、時刻ポイントを同期し、デシリアライズ情報の周波数領域ピーク値またはピーク値付近のエネルギーがすなわち信号エネルギーであり、信号エネルギー以外が雑音エネルギーであり、信号エネルギーと雑音エネルギーに基づいてSNRを求めることと、
2 M-FSKデータシンボルに基づき、周波数領域に変換した後、周波数領域ピーク値またはピーク値付近のポイントの総エネルギーがすなわち信号エネルギーであり、信号エネルギー以外の周波数ポイントが雑音エネルギーであり、信号エネルギーと雑音エネルギーに基づいてSNRを求めることと、
を含む。
【0061】
ピーク値のエネルギー漏れを考慮するので、ピーク値周波数ポイント付近のいくつかの周波数ポイントを信号エネルギー値として統計することができ、すなわち
【数4】
であり、エネルギーは、受信した所望信号の大きさを判断すること、すなわちRSSIの計算とすることができ、
干渉と雑音を計算し、すなわち、総エネルギーを用いて信号エネルギーを減算する。
【数5】
信号雑音比SNRを:SNR=10*log10(Energy/Noise)と計算し、SNRはエアインタフェースチャンネルの状況を判断することができる。
【0062】
実施例三
本願の実施例三は、周波数領域ピーク値が相関合成係数となるマルチアンテナ合成技術に基づき、そして/または、非繰り返しシーケンス同期マルチアンテナ合成技術に基づき、受信側にエネルギーとダイバーシティゲインを獲得させることを含む、M-FSKマルチアンテナ合成技術に基づいて信号の受信を実現する方法を提供する。マルチアンテナ合成技術が採用するのは最大比合成法またはコヒーレント合成法であり、時間領域と周波数領域のどちらで行ってもよい。通常、通信システムにおいて、アンテナ重み係数を得るために、相応のアンテナ重み値を推定するための特殊なパイロット周波数シンボルが必要であるが、本発明はいかなるパイロット周波数も必要とせず、M-FSKのデータシンボルのみを用いるだけで、異なるアンテナデータシンボルの合成に用いることができるほか、パイロット周波数シーケンスを用いてアンテナ合成係数を求めてもよい。
【0063】
本願の実施例では、データシンボル復調合成は、周波数領域ピーク値が相関合成係数となるマルチアンテナ合成技術に基づき、コヒーレントまたは非コヒーレント合成法でサンプリングすることは個々のM-FSKシンボルの合成に基づき、個々のアンテナの合成重み値は、M-FSKシンボルが周波数領域に変換された後のエネルギーのすべての周波数ポイントが最も大きく対応する値であるか、または、変調周波数ポイント上の最大値のみを保持し、非繰り返しシーケンス同期マルチアンテナ合成技術に基づき、コヒーレントまたは非コヒーレント合成法でサンプリングし、個々のアンテナの合成重み値は、M-FSKシンボルの周波数領域におけるエネルギーによって最も大きく対応する値である。
【0064】
ここで、アンテナ合成係数を求めることは、以下のサブステップを具体的に含む。
【0065】
Step1、重み値を計算する。
【0066】
データシンボル復調合成は、個々のM-FSKシンボルに基づく合成であり、個々のアンテナの合成重み値は、M-FSKシンボルが周波数領域に変換された後のエネルギーのすべての周波数ポイントが最も大きく対応する値であるか、または、変調周波数ポイント上の最大値a-jθのみを保持するか、またはフィルタリング後に基づき、周波数ポイントを変調した後に獲得した最大値a-jθのみを保持し、非繰り返しシーケンス同期マルチアンテナ合成技術に基づき、個々のアンテナの合成重み値は、個々の時刻周波数領域においてエネルギーが最も大きく対応する値a-jθである。
【0067】
Step2、補償値を計算する。
【0068】
補償値は、すなわち、最大値位置およびその付近の3つの点を除く他のすべての点のエネルギーNi(30KHz以内を計算するエネルギーであってもよい)であり、Niはi個目の点のエネルギーを表す。
【0069】
Step3、補償係数を計算する。
【0070】
アンテナ0を基準とし、補償係数
【数6】
である。
【0071】
Step4、各アンテナを合成する。
【0072】
得られるアンテナ合成係数は
【数7】
であり、フロントエンドのマルチアンテナが受信する場合に干渉が一致しなければ、合成係数エネルギーを正規化し、SNRに基づいてβiを算出しなければならず、SNRが大きくなるほど合成係数が大きくなり、下記式を採用して非コヒーレント合成を行う。
【数8】
本願はM-FSKマルチアンテナ合成技術に基づいて、コヒーレントまたは非コヒーレント合成法を採用しており、追加的なパイロット周波数が不要であることを達成することができ、すなわちマルチアンテナ合成利得を獲得することができる。
【0073】
実施例四
本願の実施例四は、M-FSK変調に基づく受信器を提供し、前記受信器は実施例一~三の方法を実行する。
【0074】
上記の実施例は、本願の具体的実施形態であるに過ぎず、本願の技術的解決策を説明するために用いられるが、それに対する制限ではなく、本願の保護範囲はこれに限定されない。前述の実施例を参照して本願について詳しく説明したが、いかなる当業者も、本願が開示する技術範囲内において、依然として、前述の実施例に記載された技術的解決策を修正することができるか、または、変更を容易に想到するか、もしくは、そのうち一部の技術的特徴に対して均等物置換を行うことができるが、これらの修正、変更もしくは置換が、相応の技術的解決策の本質を本願の実施例の技術的解決策の趣旨および範囲から逸脱させることはないことを、当業者は理解しなければならない。いずれも本願の保護範囲に含まれていなければならない。このため、本願の保護範囲は、前記請求項の保護範囲に準じなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8