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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-15
(45)【発行日】2025-05-23
(54)【発明の名称】溶接装置および溶接方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 11/06 20060101AFI20250516BHJP
   B23K 11/00 20060101ALI20250516BHJP
   B23K 11/11 20060101ALN20250516BHJP
【FI】
H01H11/06 A
B23K11/00 563
H01H11/06 C
B23K11/11 593A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021100620
(22)【出願日】2021-06-17
(65)【公開番号】P2023000039
(43)【公開日】2023-01-04
【審査請求日】2024-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】雨森 弘記
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開昭49-100564(JP,A)
【文献】実開昭58-194888(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 11/00 - 11/06
B23K 11/00 - 11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線状またはテープ状の接点材料を前記接点材料の延びる方向に送り出しおよび引き戻しを実行する搬送部と、
前記搬送部に搬送された前記接点材料を切断する切断部と、
前記切断部に切断された前記接点材料を接点支持体に溶接する溶接部と、
切断位置から前記接点材料の端部までの距離を測定する第1の計測器と、
を備え、
前記搬送部は、切断された前記接点材料を前記接点支持体における溶接予定位置に配置した後、前記切断部により前記接点材料が基準長さに切断される切断位置に切断予定の前記接点材料を引き戻し、前記第1の計測器が測定した前記切断位置から前記接点材料の端部までの距離に基づいて、前記接点材料の送り出し量または引き戻し量を調整する
溶接装置。
【請求項2】
線状またはテープ状の接点材料を前記接点材料の延びる方向に送り出しおよび引き戻しを実行する搬送部と、
前記搬送部に搬送された前記接点材料を切断する切断部と、
前記切断部に切断された前記接点材料を接点支持体に溶接する溶接部と、
前記接点支持体の上に配置された前記接点材料の位置を測定する第2の計測器
を備え、
前記搬送部は、切断された前記接点材料を前記接点支持体における溶接予定位置に配置した後、前記切断部により前記接点材料が基準長さに切断される切断位置に切断予定の前記接点材料を引き戻し、前記第2の計測器により測定された前記接点材料の位置に基づいて、前記接点材料の送り出し量または引き戻し量を調整する、
接装置。
【請求項3】
線状またはテープ状の接点材料を前記接点材料の延びる方向に送り出しおよび引き戻しを実行する搬送部と、
前記搬送部に搬送された前記接点材料を切断する切断部と、
前記切断部に切断された前記接点材料を接点支持体に溶接する溶接部と、
前記搬送部および前記切断部を制御する制御部と、
前記接点材料を切断する基準長さを示すデータを受け付ける操作部と、
を備え、
前記搬送部は、切断された前記接点材料を前記接点支持体における溶接予定位置に配置した後、前記切断部により前記接点材料が基準長さに切断される切断位置に切断予定の前記接点材料を引き戻し、
前記操作部が前記基準長さを示すデータを受け付けると、前記制御部は、前記基準長さを示すデータに基づいて、前記搬送部を制御して、前記切断部により前記接点材料が基準長さに切断される切断位置に前記接点材料を送り出しおよび引き戻しを実行する、
接装置。
【請求項4】
線状またはテープ状の接点材料を前記接点材料の延びる方向に送り出しおよび引き戻しを実行する搬送部と、
前記搬送部に搬送された前記接点材料を切断する切断部と、
前記切断部に切断された前記接点材料を接点支持体に溶接する溶接部と、
前記搬送部および前記切断部を制御する制御部と、
切断後の前記接点材料を溶接する溶接予定位置を示すデータを受け付ける操作部と、
を備え、
前記搬送部は、切断された前記接点材料を前記接点支持体における溶接予定位置に配置した後、前記切断部により前記接点材料が基準長さに切断される切断位置に切断予定の前記接点材料を引き戻し、
前記操作部が前記溶接予定位置を示すデータを受け付けると、前記制御部は、前記溶接予定位置を示すデータに基づいて、前記搬送部を制御して、切断予定の前記接点材料を送り出すことにより、前記切断部により切断された前記接点材料を前記接点支持体における溶接予定位置に配置する、
接装置。
【請求項5】
前記溶接部は、前記切断部により前記接点材料が基準長さに切断される切断位置に切断予定の前記接点材料が引き戻された後、切断された前記接点材料を前記接点支持体に溶接する、
請求項1から4の何れか1項に記載の溶接装置。
【請求項6】
前記搬送部は、第1の搬送部と第2の搬送部を有し、前記切断部は、第1の切断部と第2の切断部とを有し、前記溶接部は、第1の溶接部と第2の溶接部とを有し、
前記第1の搬送部、前記第1の切断部および前記第1の溶接部と、前記第2の搬送部、前記第2の切断部および前記第2の溶接部と、が並列に配置され、
前記第1の搬送部と前記第2の搬送部とが1つの搬送用駆動装置を共用し、前記第1の切断部と前記第2の切断部とが1つの切断用駆動装置を共用し、前記第1の溶接部と前記第2の溶接部とが1つの溶接用駆動装置を共用する、
請求項1からの何れか1項に記載の溶接装置。
【請求項7】
線状またはテープ状の接点材料を前記接点材料の延びる方向に送り出しおよび引き戻しを実行する搬送工程と、
前記搬送工程で搬送された前記接点材料を切断する切断工程と、
前記切断工程で切断された前記接点材料を接点支持体に溶接する溶接工程と、
切断位置から前記接点材料の端部までの距離を測定する計測工程と、
を備え
前記搬送工程では、切断された前記接点材料を前記接点支持体における溶接予定位置に配置した後、前記切断工程により前記接点材料が基準長さに切断される切断位置に切断予定の前記接点材料を引き戻し、前記計測工程により測定した前記切断位置から前記接点材料の端部までの距離に基づいて、前記接点材料の送り出し量または引き戻し量を調整する
溶接方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、溶接装置および溶接方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電磁開閉器に用いられる補助可動接触子は、台形断面の棒状の接点材料を切断し、切断した接点材料を台金に溶接する接点溶接装置により製造される。
【0003】
引用文献1は、テープ状接点材料を切断して接点支持体に抵抗溶接する接点溶接方法を開示する。この接点溶接方法では、接点材料を案内部材の案内路に沿って前進移動させ、この案内部材の切断口面に接して摺動し且つ厚みを有する上刃と下刃とからなる切断刃の間に接点材料を上刃に設けられた移送路の長さ挿入し、切断刃を駆動して接点材料を切断する。その後、この接点材料の切断片を切断刃内に残置したままこの切断刃を切断前の接点材料挿入位置まで復帰移動する。続いて、送り手段により切断片を切断刃より押し出して接点支持体に移送し、この切断片を接点支持体に抵抗溶接する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭58-59517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
引用文献1に記載の接点浴接方法では、接点の切断長さが上刃に設けられた移送路の長さに依存している。このため、製品の設計変更によって長さ寸法が変更された接点材料を溶接するには、設計変更された長さの接点材料を残置できる移送路の長さを有する上刃に交換する必要がある。上刃を交換するには手間と時間がかかるため、引用文献1に記載の接点浴接方法では、接点の切断長さが異なる多品種の生産に容易に対応できないという問題点がある。
【0006】
本開示は、上記のような課題を解決するために考案されたものであり、多品種の生産に容易に対応可能な溶接装置および溶接方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示に係る溶接装置は、線状またはテープ状の接点材料を接点材料の延びる方向に送り出しおよび引き戻しを実行する搬送部と、搬送部に搬送された接点材料を切断する切断部と、切断部に切断された接点材料を接点支持体に溶接する溶接部と、切断位置から接点材料の端部までの距離を測定する第1の計測器と、を備え、搬送部は、切断された接点材料を接点支持体における溶接予定位置に配置した後、切断部により接点材料が基準長さに切断される切断位置に切断予定の接点材料を引き戻し、第1の計測器が測定した切断位置から接点材料の端部までの距離に基づいて、接点材料の送り出し量または引き戻し量を調整する
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、搬送部が、切断部により接点材料が基準長さに切断される切断位置に切断予定の接点材料を引き戻すことにより、多品種の生産に容易に対応可能な溶接装置および溶接方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施の形態に係る溶接装置を示す図
図2】本開示の実施の形態に係る溶接装置を示す正面図
図3】本開示の実施の形態に係る溶接装置を示す上面図
図4】本開示の実施の形態に係る溶接装置が備える制御装置を示すブロック図
図5】本開示の実施の形態に係る溶接装置が備える制御装置を示す図
図6】本開示の実施の形態に係る溶接処理を示すフローチャート
図7】本開示の実施の形態に係る溶接方法を説明する図
図8】本開示の実施の形態に係る溶接方法を説明する図
図9】本開示の実施の形態に係る溶接方法を説明する図
図10】本開示の実施の形態に係る溶接方法を説明する図
図11】本開示の変形例に係る溶接装置を示す正面図
図12】本開示の変形例に係る溶接装置を示す正面図
図13】本開示の変形例に係る溶接装置を示す正面図
図14】本開示の変形例に係る溶接装置を示す上面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態に係る溶接装置および溶接方法について図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
実施の形態に係る溶接装置100は、図1に示すように、線状またはテープ状の接点材料Rを供給する供給部10と、接点材料Rを搬送する搬送部20と、接点材料Rを切断する切断部30と、接点材料Rを溶接する溶接部40と、搬送部20、切断部30および溶接部40を制御する制御装置200と、を備え、電磁開閉器に用いられる補助可動接触子を製造するものである。
【0012】
理解を容易にするために、相互に直交するxyz座標を設定し、適宜参照する。接点材料Rが搬送される方向をx方向、ベース板11に垂直な方向をz方向、x方向およびy方向に垂直な方向をy方向と設定する。
【0013】
供給部10は、ベース板11に垂設された支持部12と、支持部12に回転可能に軸支され円盤状の形状を有し、接点材料Rが巻かれたリールフレーム13と、接点材料Rを案内するための第1の案内部材14と、を有する。また、第1の案内部材14は、接点材料Rをx方向に搬送するための図2に示す第1の案内路14aを有する。
【0014】
搬送部20は、図2および図3に示すように、供給部10と切断部30との間に設けられ、接点材料Rをx方向に送り出し、また、接点材料Rを-x方向に引き戻すものである。搬送部20は、円盤状の形状を有する第1の駆動ローラ21と、第1の駆動ローラ21を回転する第1の駆動ローラ用サーボモータ22と、自在回転する第1の受動ローラ23と、接点材料Rを案内する第2の案内部材24と、円盤状の形状を有する第2の駆動ローラ25と、第2の駆動ローラ25を回転する第2の駆動ローラ用サーボモータ26と、自在回転する第2の受動ローラ27と、を備える。第1の駆動ローラ用サーボモータ22および第2の駆動ローラ用サーボモータ26は、搬送用駆動装置の一例である。
【0015】
第1の駆動ローラ21は、第1の案内部材14のx方向に設けられ、第1の駆動ローラ21の外周曲面が、第1の案内路14aを通過した接点材料Rの下面に外接して配置されている。また、第1の駆動ローラ21は、第1の駆動ローラ21の中心に貫通固定された回転軸21aを軸中心として回転する。この回転軸21aには第1の駆動ローラ用サーボモータ22の回転軸が同一軸上に接続されており、第1の駆動ローラ用サーボモータ22を回転駆動することによって第1の駆動ローラ21を回転させる。第1の受動ローラ23は、円盤形状の形状を有し、第1の駆動ローラ21に対して、接点材料Rの中軸Ra対称とした位置に設けられており、円中心に貫通固定された回転軸23aを軸中心として自在回転する。さらに、回転軸23aには一端が位置固定された圧縮ばね23bの他端が接続されており、この圧縮ばね23bは接点材料Rに向かって伸びる方向に付勢して設置されているため、ばね力によって第1の受動ローラ23を接点材料Rの上面から常時一定の力で押し付けながら接している。第1の駆動ローラ21と第1の受動ローラ23の設置位置において、接点材料Rを上下方向から挟み込んで保持しており、特に第1の受動ローラ23に接続された圧縮ばね23bによるばね力によって挟持される。
【0016】
第2の案内部材24は、第1の駆動ローラ21および第1の受動ローラ23と、第2の駆動ローラ25および第2の受動ローラ27と、の間に設けられ、第2の案内部材24の内部に設けられた第2の案内路24aを備える。第2の案内路24aは、第1の案内部材14の第1の案内路14aと同一中心軸上に配置されている。
【0017】
第2の駆動ローラ25は、第2の案内部材24のx方向に設けられ、第2の駆動ローラ25の外周曲面が、第2の案内路24aを通過した接点材料Rの下面に外接して配置されている。また、第2の駆動ローラ25は、第2の駆動ローラ25の中心に貫通固定された回転軸25aを軸中心として回転する。この回転軸25aには第2の駆動ローラ用サーボモータ26の回転軸が同一軸上に接続されており、第2の駆動ローラ用サーボモータ26を回転駆動することによって第2の駆動ローラ25を回転させる。第2の受動ローラ27は、円盤形状の形状を有し、第2の駆動ローラ25に対して、接点材料Rの中軸Ra対称とした位置に設けられており、円中心に貫通固定された回転軸27aを軸中心として自在回転する。さらに、回転軸27aには一端が位置固定された圧縮ばね27bの他端が接続されており、この圧縮ばね27bは接点材料Rに向かって伸びる方向に付勢して設置されているため、ばね力によって第2の受動ローラ27を接点材料Rの上面から常時一定の力で押し付けながら接している。第2の駆動ローラ25と第2の受動ローラ27の設置位置において、接点材料Rを上下方向から挟み込んで保持しており、特に第2の受動ローラ27に接続された圧縮ばね27bによるばね力によって挟持される。
【0018】
切断部30は、第2の駆動ローラ25および第2に受動ローラ27のx方向に配置され、接点材料Rを支持するリンク31と、上刃32aを有する切断リンク32と、切断リンク32をz方向に駆動する切断カム33と、切断カム33を回転する切断カム用サーボモータ34と、接点材料Rを押さえる下刃ガイド35と、接点材料Rを切断する下刃36と、を備える。切断カム用サーボモータ34は、切断用駆動装置の一例である。
【0019】
リンク31は、内部に接点材料Rを通してx方向に摺動するための第3の案内路31aと、接点材料Rの中軸Ra中心に位置するリンク回転軸31bと、第3の案内路31aから延長線上に接点材料Rの下面から支持する接点材料支持部31cと、を備える。リンク31は一端が固定支持された引張ばね31dの他端が接続されており、引張ばね31dが縮んだ状態である場合には、第3の案内路31aは、第1の案内部材14の第1の案内路14aおよび第2の案内部材24の第2の案内路24aと同一中心軸上に配置されている。
【0020】
切断リンク32は、リンク31のx方向に配置され、z方向に自在に直動するものである。切断リンク32は、一端に固定された上刃32aと、他端に回転自在に設けられたカムフォロア32bを有する。カムフォロア32bは、切断カム33の輪郭形状に沿って配置されている。切断カム33には回転軸33aが接続されており、この回転軸33aを軸中心として回転する。また、回転軸33aには切断カム用サーボモータ34の回転軸が同一軸上に接続されており、切断カム用サーボモータ34を回転駆動させることによって切断カム33を回転させる。
【0021】
下刃ガイド35は、切断リンク32のx方向に配置され、接点材料Rの上面に接する位置に配置されている。下刃36は、接点材料Rの下面に接する位置に設けられている。この下刃ガイド35は先述の切断リンク32下降位置に逃がしを設けた形状となっており、下刃ガイド35と接点材料Rを介して対向する。また、下刃ガイド35と下刃36により第4の案内路37が構成されており、第3の案内路31aと同一中心軸上に配置されている。
【0022】
溶接部40は、下刃ガイド35および下刃36のx方向に配置され、自在に回動する溶接リンク41と、接点材料Rに電流を流す下部電極42と、溶接リンク41を駆動する溶接カム43と、溶接カム43を回転する溶接カム用サーボモータ44を備える。溶接カム用サーボモータ44は、溶接用駆動装置の一例である。
【0023】
溶接リンク41は、上部電極41aとカムフォロア41bを有する。カムフォロア41bは溶接カム43の輪郭形状に沿って配置されている。溶接カム43には、溶接カム回転軸43aが接続されており、この溶接カム回転軸43aを軸中心として回転する。この溶接カム回転軸43aには溶接カム用サーボモータ44の回転軸が同一軸上に接続されており、溶接カム用サーボモータ44を回転駆動させることによって溶接カム43を回転させる。また、下部電極42は第4の案内路37のx方向の下部に位置し、接点支持体Sが載置される。
【0024】
制御装置200は、図4に示すように、第1の駆動ローラ用サーボモータ22、第2の駆動ローラ用サーボモータ26、切断カム用サーボモータ34、溶接カム用サーボモータ44および上部電極41aにそれぞれ接続され、第1の駆動ローラ用サーボモータ22、第2の駆動ローラ用サーボモータ26、切断カム用サーボモータ34、溶接カム用サーボモータ44および上部電極41aをそれぞれ制御するものである。制御装置200は、制御部210と、操作部220と、駆動ローラ用サーボモータアンプ230と、切断カム用サーボモータアンプ240と、溶接カム用サーボモータアンプ250と、上部電極コントローラ260と、を備える。
【0025】
制御部210は、図5に示すように、溶接装置100を制御するための処理を行うプロセッサ201と、プロセッサ201の作業領域として用いられる主記憶部202と、プロセッサ201の処理に用いられる種々のデータおよびプログラムを格納する補助記憶部203と、を有する。主記憶部202および補助記憶部203はいずれも、バス204を介してプロセッサ201に接続される。
【0026】
プロセッサ201は、MPU(Micro Processing Unit)を含む。プロセッサ201は、補助記憶部203に格納されたプログラムを実行することにより、溶接装置100の種々の機能を実現する。
【0027】
主記憶部202は、RAM(Random Access Memory)を含む。主記憶部202には、補助記憶部203からプログラムがロードされる。そして、主記憶部202は、プロセッサ201の作業領域として用いられ、溶接装置100を制御するためのパラメータを含むデータを格納する。
【0028】
補助記憶部203は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)に代表される不揮発性メモリを含む。補助記憶部203は、プログラムの他に、プロセッサ201の処理に用いられる種々のデータを格納する。補助記憶部203は、プロセッサ201の指示に従って、プロセッサ201によって利用されるデータをプロセッサ201に供給し、プロセッサ201から供給されたデータを格納する。
【0029】
操作部220は、図4に示すように、ユーザの入力に基づいて、処理の開始、終了の指示を受け付けるものである。なお、操作部220は、キーボードまたはタッチパネルディスプレイを含む。具体的には、操作部220は、接点材料Rを切断する基準長さである切断長さL1、および切断位置から接点支持体S上に抵抗溶接する切断後の接点材料Rcの溶接予定位置までの長さL2を示すデータを受け付ける。長さL2は、溶接予定位置を示すデータの一例である。
【0030】
駆動ローラ用サーボモータアンプ230は、制御部210の制御に基づいて、第1の駆動ローラ用サーボモータ22および第2の駆動ローラ用サーボモータ26の回転速度および回転角度の同期制御を行う。これにより、接点材料Rの切断長さL1および切断位置から溶接予定位置までの長さL2に基づいて、送り込みおよび引き戻しのストローク量を、第1の駆動ローラ21および第2の駆動ローラ25のローラ径と第1の駆動ローラ用サーボモータ22および第2の駆動ローラ用サーボモータ26の回転角度から算出して定量的な数値で制御する。
【0031】
切断カム用サーボモータアンプ240は、制御部210の制御に基づいて、上刃32aを設けた切断リンク32の上下動作のタイミングを調整可能であり、接点材料Rの切断長さL1の値変更に伴う接点材料Rの送り込みおよび引き戻しのストローク量変化に際して、接点材料Rの移動時間が変わった場合、動作タイミングを変更し、上刃32aと接点材料Rが接触しないタイミングで切断リンク32を動作する。
【0032】
溶接カム用サーボモータアンプ250は、制御部210の制御に基づいて、上部電極41aを設けた溶接リンク41の動作のタイミングを調整可能であり、接点材料Rの切断長さL1および切断位置から溶接予定位置までの長さL2の値変更に伴う、接点材料Rを送り込んで切断後の接点材料Rcを押して移送するストローク量変化に際して、切断後の接点材料Rcが移送完了したタイミングに合わせて動作タイミングを変更する。また、これによって溶接リンク41が切断後の接点材料Rcと接触するタイミングも変更される。
【0033】
上部電極コントローラ260は、制御部210の制御に基づいて、溶接カム用サーボモータアンプ250と連動して上部電極41aに電流を流すタイミングを変更することで抵抗溶接するタイミングと溶接リンク41が切断後の接点材料Rcと接触するタイミングを一致させる。
【0034】
制御部210は、補助記憶部203に格納したプログラムを実行することにより、搬送制御部211と、切断制御部212と、溶接制御部213として機能する。
【0035】
搬送制御部211は、操作部220に入力された接点材料Rの切断長さL1、および切断位置から溶接予定位置までの長さL2を示すデータを取得し、第1の駆動ローラ用サーボモータ22および第2の駆動ローラ用サーボモータ26を制御して、接点材料Rをx方向に送り出し、また、接点材料Rを-x方向に引き戻す。詳細には、搬送制御部211は、切断部30で接点材料Rが切断長さL1に切断される位置に接点材料Rをx方向に送り出す。つぎに、搬送制御部211は、予め設定された接点の切断長さL1まで送り出すと、第1の駆動ローラ用サーボモータ22および第2の駆動ローラ用サーボモータ26の回転駆動を停止し、接点材料Rの位置を固定する。切断部30で接点材料Rが切断長さL1に切断されると、搬送制御部211は、接点材料Rを切断位置から溶接予定位置までの長さL2送り出して、切断された接点材料Rcを溶接予定位置である接点支持体Sの上に移送する。接点材料Rcは、接点材料Rの切断片である。つぎに、搬送制御部211は、接点材料Rを上刃32aの降下位置を基点として切断長さL1となる位置まで接点材料Rを引き戻す。接点材料Rを引き戻す長さL3は、断位置から溶接予定位置までの長さL2から切断長さL1を引いた長さである。
【0036】
切断制御部212は、切断カム用サーボモータ34を制御し、接点材料Rを接点の切断長さL1に切断する。詳細には、切断制御部212は、接点材料Rが予め設定された接点の切断長さL1まで送り込まれた後、第1の駆動ローラ用サーボモータ22および第2の駆動ローラ用サーボモータ26の回転駆動が停止し、接点材料Rの位置が固定されるタイミングに同期して、切断カム用サーボモータ34を時計回りに回転駆動させることで同軸上に接続された切断カム33を回転する。これにより、切断リンク32は切断カム33の輪郭形状に沿って動くカムフォロア32bによって-z方向へ下降する。これにより、接点材料Rは下降する上刃32aと下刃36によって切断される。切断制御部212は、さらに切断カム用サーボモータ34を時計回りに回転駆動させることで下降させた切断リンク32を上昇移動させる。
【0037】
溶接制御部213は、溶接カム用サーボモータ44および上部電極コントローラ260を制御し、切断された接点材料Rcを接点支持体Sに溶接する。詳細には、溶接制御部213は、接点支持体Sの上に接点材料Rcが配置されるタイミングに同期して、溶接カム用サーボモータ44を時計回りに回転駆動させることで同軸上に接続された溶接カム43を回転する。これにより、溶接リンク41は、溶接カム43の輪郭形状に沿って動くカムフォロア41bによって鉛直下方向へ下降する。これによって溶接リンク41に設けられた上部電極41aを接点材料Rc押し当てる。つぎに、溶接制御部213は上部電極コントローラ260を制御し、上部電極41aから下部電極42に電流を流し、接点材料Rcを接点支持体Sに抵抗溶接する。
【0038】
つぎに、以上の構成を有する溶接装置100が、図2に示す接点材料Rを接点支持体Sに溶接する例について、溶接装置100が実行する溶接処理を説明する。
【0039】
溶接装置100は、ユーザによる処理を開始させる指示に応答し、図6に示す溶接処理を開始する。以下、溶接装置100が実行する溶接処理をフローチャートを用いて説明する。
【0040】
溶接処理が開始されると、搬送制御部211は、操作部220に入力された接点材料Rの切断長さL1、および切断位置から溶接予定位置までの長さL2を示すデータを取得し、主記憶部202に格納する(ステップS101)。
【0041】
つぎに、搬送制御部211は、図7に示すように、切断部30で接点材料Rが切断長さL1に切断される位置に接点材料Rをx方向に送り出す(ステップS102)。
【0042】
詳細には、第1の案内部材14の内部に設けられた第1の案内路14aに挿入した接点材料Rを第1の駆動ローラ21と第1の受動ローラ23との間に送り込み、第1の駆動ローラ21と第1の受動ローラ23とで挟持させる。搬送制御部211は、第1の駆動ローラ用サーボモータ22を時計周りに回転駆動させることで第1の駆動ローラ21と第1の受動ローラ23との間に配置された接点材料Rが第1の駆動ローラ21の回転によって第2の案内部材24に設けた第2の案内路24aへと送り込まれる。このとき、第1の受動ローラ23は送り込まれる接点材料Rの動きによって反時計周りに回転しながら接点材料Rを挟持する。
【0043】
第2の案内路24aの内部を通過し、さらにより前方へ送られた接点材料Rは第2の駆動ローラ25および第2の受動ローラ27の間に送り込み、この第2の駆動ローラ25と第2の受動ローラ27とで挟持させる。搬送制御部211は、第2の駆動ローラ用サーボモータ26を時計周りに回転駆動させることで第2の駆動ローラ25と第2の受動ローラ27間の接点材料Rが第2の駆動ローラ25の回転によってリンク31に設けた第3の案内路31aへと送り込まれる。このとき、第2の受動ローラ27は送り込まれる接点材料Rの動きによって反時計周りに回転しながら接点材料Rを挟持する。
【0044】
搬送制御部211は、第3の案内路31aの内部を通過し、第4の案内路37内部まで送り込まれた接点材料Rを上刃32aの降下位置を基点として予め設定された接点の切断長さL1まで送り込むと、第1の駆動ローラ用サーボモータ22および第2の駆動ローラ用サーボモータ26の回転駆動を停止し、接点材料Rの位置を固定する。
【0045】
このとき、上刃32aはz方向へ直動しており、リンク31は、第3の案内路31aと第4の案内路37とが同一直線状に合致した位置で停止している。また、送り込まれた接点材料Rは第1の駆動ローラ21と第1の受動ローラ23による挟持と、第2の駆動ローラ25および第2の受動ローラ27による挟持と、の2か所にて保持されているためx方向または-x方向へ摺動する虞は小さい。
【0046】
つぎに、切断制御部212は、図8に示すように、接点材料Rを接点の切断長さL1に切断する(ステップS103)。ステップS103は、切断工程の一例である。詳細には、切断制御部212は、接点材料Rが予め設定された接点の切断長さL1まで送り込まれるタイミングに同期して、切断カム用サーボモータ34を時計回りに回転駆動させることで同軸上に接続された切断カム33を回転する。これにより、切断リンク32は切断カム33の輪郭形状に沿って動くカムフォロア32bによって-z方向へ下降する。また、切断リンク32に設けられた上刃32aが接点材料Rの上面から接触しながら第4の案内路37を遮断する位置まで移動する。リンク31は接点材料支持部31cの上面に残置されている接点材料Rを介して下降した上刃32aに鉛直下方向へ押されるため、リンク回転軸31bを回転中心として時計回りに回転することで上刃32aとの干渉を回避する。このとき、接点材料Rは下降する上刃32aと下刃36によって切断される。
【0047】
切断制御部212は、さらに切断カム用サーボモータ34を時計回りに回転駆動させることで下降させた切断リンク32を上昇移動させることで、接点材料支持部31cの上面に残置されている接点材料Rを介して下降した上刃32aによって回転していたリンク31の角度姿勢は、引張ばね31dのばね力によって再び第3の案内路31aと第4の案内路37とが同一直線状に合致した位置へ戻される。
【0048】
つぎに、搬送制御部211は、図9に示すように、接点材料Rを送り出して、切断された接点材料Rcを溶接予定位置である接点支持体Sの上に移送する(ステップS104)。詳細には、搬送制御部211は、第1の駆動ローラ用サーボモータ22および第2の駆動ローラ用サーボモータ26を再び時計回りに回転駆動させることで接点材料Rをx方向に、切断位置から溶接予定位置までの長さL2送り込むことで第4の案内路37にある切断された接点材料Rcを押し出して接点支持体Sの上に移送する。切断位置は、上刃32aの降下位置を基点とする。
【0049】
つぎに、搬送制御部211は、図10に示すように、切断長さL1となる位置まで接点材料Rを引き戻す(ステップS105)。ステップS102、ステップS104およびステップS105は、搬送工程の一例である。詳細には、搬送制御部211は、第1の駆動ローラ用サーボモータ22および第2の駆動ローラ用サーボモータ26を反時計周りに回転駆動させて接点材料Rが上刃32aの降下位置を基点として切断長さL1となる位置まで接点材料Rを引き戻す。接点材料Rを引き戻す長さL3は、断位置から溶接予定位置までの長さL2から切断長さL1を引いた長さである。その後、搬送制御部211は、第3の案内路31aの内部を通過し、第4の案内路37内部まで送り込まれた接点材料Rを上刃32aの降下位置を基点として予め設定された接点の切断長さL1まで引き戻すと、第1の駆動ローラ用サーボモータ22および第2の駆動ローラ用サーボモータ26の回転駆動を停止し、接点材料Rの位置を固定する。
【0050】
つぎに、溶接制御部213は、切断された接点材料Rcを接点支持体Sに溶接する(ステップS106)。ステップS106は、溶接工程の一例である。詳細には、溶接制御部213は、接点支持体Sの上に接点材料Rcが配置されるタイミングに同期して、溶接カム用サーボモータ44を時計回りに回転駆動させることで同軸上に接続された溶接カム43を回転する。これにより、溶接リンク41は、溶接カム43の輪郭形状に沿って動くカムフォロア41bによって-z方向へ下降する。これによって溶接リンク41に設けられた上部電極41aを接点材料Rcに押し当てる。つぎに、溶接制御部213は上部電極コントローラ260を制御し、上部電極41aから下部電極42に電流を流し、接点材料Rcを接点支持体Sに抵抗溶接する。この時点では、接点材料Rは引き戻されているため、抵抗溶接中の切断後の接点材料Rcと接点材料支持部31c上の接点材料Rが離されることで、溶接電流が接点材料Rへ流れることを防ぐことができる。つぎに、切断制御部212は、さらに溶接カム用サーボモータ44を時計回りに回転駆動させることで下降させた溶接リンク41を上昇移動させる。
【0051】
つぎに、搬送制御部211は、終了指示が入力されたか否かを判定する(ステップS107)。終了指示が入力されていないと判定されると(ステップS107;No)、ステップS103に戻り、ステップS103からステップS107を繰り返す。終了指示が入力されたと判定されると(ステップS107;Yes)、溶接処理を終了する。
【0052】
以上のように、本実施の形態の溶接装置100および溶接方法によれば、搬送部20、切断部30および溶接部40が独立して制御されるため、接点材料Rの切断長さL1、および切断位置から溶接予定位置までの長さL2を容易に変更可能である。また、接点材料Rの切断長さL1、および切断位置から溶接予定位置までの長さL2を示すデータに基づいて、接点材料Rを切断し、溶接予定位置に溶接することができる。このため、接点材料Rの切断長さL1、および切断位置から溶接予定位置までの長さL2をユーザが操作部220に入力する設定することで、接点材料Rの切断長さL1、および切断位置から溶接予定位置までの長さL2を容易に変更可能である。このことから、接点材料Rの寸法が異なる多品種の生産に対応できる。また、接点材料Rの搬送、切断および溶接の動作タイミングをそれぞれ分けて調整することが可能であることから、製品の設計変更による接点材料Rの切断長L1さの変更、および、切断後の接点材料Rcの溶接予定位置の変更が本機構の構成を変更することなく対応可能である。また、搬送部20と切断部30が独立した構成となっていることから、機構の構造が簡易化し、接点材料Rの搬送時のムダ動作の省略化および上刃32aに容易にアクセスできるためにメンテナンス性向上となる。さらに、搬送、切断および溶接の動作量および動作タイミングを定量的に、装置の運用段階中でも軸ごとに動作タイミング、動作速度または動作量の調整が可能であり、接点溶接の品質を向上させることができる。
【0053】
(変形例)
上述の実施の形態では、溶接装置100に備えられる搬送部20が、送り込みおよび引き戻しのストローク量を、第1の駆動ローラ21および第2の駆動ローラ25のローラ径と第1の駆動ローラ用サーボモータ22および第2の駆動ローラ用サーボモータ26の回転角度から算出して定量的な数値で制御する例について説明した。溶接装置100は、図11に示すように、上刃32aの降下位置を基点として接点材料Rを切断する切断長さL1を計測する第1の計測器38と、接点支持体Sの上に配置された接点材料Rcの位置を計測する第2の計測器45と、をさらに備えてもよい。第1の計測器38および第2の計測器45は、レーザ変位計を含む。第1の計測器38は、下刃ガイド35に設けられた孔35aから、接点材料の端部の位置を計測し、切断長さL1を計測する。これにより、あらかじめ設定した切断長さL1の目標値と切断長さL1の実測値との差分をリアルタイムで計測し、目標値と実測値の差分に基づいて、第1の駆動ローラ用サーボモータ22および第2の駆動ローラ用サーボモータ26の回転角度を微小に変えることで、接点材料Rの送り出し量および引き戻し量を修正し、切断長さL1を調整し、接点材料Rの切断長さL1の長さ寸法の精度を向上することができる。また、第2の計測器45は、第2の計測器45から切断後の接点材料Rcまでの長さL4を計測し、切断後の接点材料Rcの溶接予定位置と、切断後の接点材料Rcの位置の実測値との差分をリアルタイムで計測し、第2の計測器45により測定された接点材料Rの位置に基づいて、第1の駆動ローラ用サーボモータ22および第2の駆動ローラ用サーボモータ26の回転角度を微小に変えることで、接点材料Rの送り出し量および引き戻し量を調整し、切断後の接点材料Rcの位置を修正する。これにより、切断後の接点材料Rcの溶接位置の精度を向上することができる。
【0054】
また、上述の実施の形態では、切断カム33および溶接カム43を用いて、切断リンク32および溶接リンク41をそれぞれ、z方向に直動させる例について説明した。切断部30は接点材料Rを切断できればよい。また、溶接部40は、切断後の接点材料Rcを接点支持体Sに溶接できればよい。このため、切断リンク32および溶接リンク41を直動させるための構成を、回転運動から直動運動へ変換することができる他の機構に置き換えてもよい。図12に示すように、切断カム用サーボモータ34の回転軸34aに一端を固定接続し、他端に第1のジョイント39aを設けた第1のリンク39bと、第1のジョイント39aを中心に一端が自在回転する第2のリンク39cを設け、この第2のリンク39cの他端に設けた第2のジョイント39dが切断リンク32に接続されたスライダクランク機構としてもよい。また、溶接リンク41も同様に溶接カム用サーボモータ44の回転軸44aに一端を固定接続し、他端に第3のジョイント46aを設けた第3のリンク46bと、第3のジョイント46a中心に一端が自在回転する第4のリンク46cを設け、この第4のリンク46cの他端に設けた第4のジョイント46dが溶接リンク41に接続されたスライダクランク機構に置き換えてもよい。この構成によれば、図2に示す切断カム33および溶接カム43といった形状が複雑で設計が難しい機械部品に代わって、単純な構成とすることができるので、切断部30および切断部30の機構設計が簡単になる。また、切断カム用サーボモータ34および溶接カム用サーボモータ44として、サーボモータを用いているが、ステッピングモータを含む他のモータを用いてもよい。
【0055】
また、図13に示すように、切断部30が、切断リンク32をz方向に直動させる切断用駆動装置としての切断用シリンダ51を有し、切断部30が、溶接リンク41をz方向に直動させる溶接用駆動装置としての溶接用シリンダ52を有してもよい。切断用シリンダ51および溶接用シリンダ52は、シリンダチューブ51a、52aとピストン51b、52bを有し、気体または液体を含む流体により駆動される。この場合、スライダクランク機構に比べて、さらに単純な構成とすることができるので、切断部30および切断部30の機構設計がさらに簡単になる。
【0056】
上述の実施の形態では、搬送用駆動装置として、第1の駆動ローラ用サーボモータ22および第2の駆動ローラ用サーボモータ26を用いる例について説明した。搬送用駆動装置は、第1の駆動ローラ21および第2の駆動ローラ25により接点材料Rを搬送できればよく、ステッピングモータを用いてもよい。また、上述の実施の形態では、搬送部20が、接点材料Rを搬送する第1の駆動ローラ21および第2の駆動ローラ25を備える例について説明したが、搬送部20は、接点材料Rを搬送することができればよく、第1の駆動ローラ21および第2の駆動ローラ25以外の構成で搬送する構成であってもよい。
【0057】
また、上述の実施の形態では、搬送部20、切断部30および溶接部40が1列並んでいる例について説明した。この場合、1サイクルで1回の接点溶接を実現している。同一構成の搬送部20、切断部30および溶接部40を平行に隣接して構成し、搬送部20、切断部30および溶接部40の動作をそれぞれ連動させても良い。この場合、図14に示すように、搬送部20は、第1の搬送部20aと第2の搬送部20bを有する。切断部30は、第1の切断部30aと第2の切断部30bとを有する。溶接部40は、第1の溶接部40aと第2の溶接部40bとを有する。第1の搬送部20a、第1の切断部30aおよび第1の溶接部40aと、第2の搬送部20b、第2の切断部30bおよび第2の溶接部40bと、が並列に配置される。第1の搬送部20aと第2の搬送部20bとが1つの搬送用駆動装置として、第1の駆動ローラ用サーボモータ22’および第2の駆動ローラ用サーボモータ26’を共用する。1台の第1の駆動ローラ用サーボモータ22’は、回転軸21a’に対して同一軸上に固定されている。また、1台の第2の駆動ローラ用サーボモータ26’は、回転軸25a’に対して同一軸上に固定されている。また、第1の切断部30aと第2の切断部30bとが1つの切断用駆動装置として、切断カム用サーボモータ34’を共用する。切断カム用サーボモータ34の回転軸33a’を軸上に延長し、第2の切断部30bおよび第2の溶接部40bの回転軸33a’に固定する。また、第1の溶接部40aと第2の溶接部40bとが1つの溶接用駆動装置として、溶接カム用サーボモータ44’を共用する。溶接カム用サーボモータ44’も同様に回転軸43a’を軸上に延長し、第1の溶接部40aと第2の溶接部40bの回転軸43a’に固定する構成としている。このような構成によれば、同一な機構とする溶接装置100が備える搬送部20、切断部30および溶接部40の動作量および動作タイミングを同期できることによって1サイクルで切断長さと溶接位置が同じ接点材料で複数点の接点溶接が実現できるほか、複数台の溶接装置100でサーボモータを共用するために駆動源の削減となる。
【0058】
本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。すなわち、本開示の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、この開示の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0059】
10 供給部、11 ベース板、12 支持部、13 リールフレーム、14 第1の案内部材、14a 第1の案内路、20 搬送部、20a 第1の搬送部、20b 第2の搬送部、21 第1の駆動ローラ、21a、21a’、23a、25a、25a’、27a、33a、33a’、34a、43a、43a’、44a 回転軸、22、22’ 第1の駆動ローラ用サーボモータ、23 第1の受動ローラ、23b、27b 圧縮ばね、24 第2の案内部材、24a 第2の案内路、25 第2の駆動ローラ、26、26’ 第2の駆動ローラ用サーボモータ、27 第2の受動ローラ、30 切断部、30a 第1の切断部、30b 第2の切断部、31 リンク、31a 第3の案内路、31b リンク回転軸、31c 接点材料支持部、31d 引張ばね、32 切断リンク、32a 上刃、32b カムフォロア、33 切断カム、34、34’ 切断カム用サーボモータ、35 下刃ガイド、35a 孔、36 下刃、37 第4の案内路、38 第1の計測器、39a 第1のジョイント、39b 第1のリンク、39c 第2のリンク、39d 第2のジョイント、40 溶接部、40a 第1の溶接部、40b 第2の溶接部、41 溶接リンク、41a 上部電極、41b カムフォロア、42 下部電極、43 溶接カム、44、44’ 溶接カム用サーボモータ、45 第2の計測器、46a 第3のジョイント、46b 第3のリンク、46c 第4のリンク、46d 第4のジョイント、51 切断用シリンダ、52 溶接用シリンダ、51a、52a シリンダチューブ、51b、52b ピストン、100 溶接装置、200 制御装置、201 プロセッサ、202 主記憶部、203 補助記憶部、204 バス、210 制御部、211 搬送制御部、212 切断制御部、213 溶接制御部、220 操作部、230 駆動ローラ用サーボモータアンプ、240 切断カム用サーボモータアンプ、250 溶接カム用サーボモータアンプ、260 上部電極コントローラ、L1 断長さ、L2、L3、L4 長さ、R、Rc 接点材料、Ra 中軸、S 接点支持体。
図1
図2
図3
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図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14