(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-15
(45)【発行日】2025-05-23
(54)【発明の名称】蓄電装置の組電池制御回路の電力供給方式、及び蓄電装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20250516BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20250516BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20250516BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20250516BHJP
【FI】
H02J7/00 A
H02J1/00 304E
H01M10/44 P
H01M10/48 P
(21)【出願番号】P 2022512015
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(86)【国際出願番号】 JP2021012184
(87)【国際公開番号】W WO2021200445
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2024-01-24
(31)【優先権主張番号】P 2020061461
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】322003798
【氏名又は名称】パナソニックエナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003225
【氏名又は名称】弁理士法人豊栖特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 志旭
(72)【発明者】
【氏名】神川 隆博
【審査官】村上 優斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-177887(JP,A)
【文献】特開2018-182829(JP,A)
【文献】国際公開第2015/186282(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/42-10/48
H02H 1/00-3/07
99/00
H02J 7/00-7/12
7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電できる複数の電池セルと組電池制御回路を備える電池モジュールと、
前記電池モジュールを商用電力で充電すると共に、商用電力を負荷に供給する電力変換装置とを備える、
蓄電装置における組電池制御回路の電力供給方式であって、
前記電力変換装置の
前記電池モジュールに対する出力電圧が設定電圧よりも高い状態で、
前記電力変換装置から前記電池モジュールの組電池制御回路に動作電力を供給し、
前記電力変換装置から組電池制御回路に電力供給を開始した状態を検出する接続検出部からの接続信号で、
前記電池モジュールから組電池制御回路への動作電力を開始し、
前記電池モジュールの放電停止状態を検出する放電停止判定部からの停止信号で、
前記電池モジュールから組電池制御回路への電力供給を停止することを特徴とする蓄電装置の組電池制御回路の電力供給方式。
【請求項2】
商用電源から電力が供給されて負荷に電力を供給する電力変換装置と、
充電できる複数の電池セルと組電池制御回路を備える電池モジュールと、
前記電力変換装置と前記電池モジュールから、
前記組電池制御回路への電源電力の供給を切り換える切換回路と、
前記電力変換装置から前記組電池制御回路への電力供給を検出する接続検出部と、
前記電池モジュールの放電停止状態の放電停止判定部とを備え、
前記切換回路は、
前記電力変換装置の
前記電池モジュールに対する出力電圧が設定電圧よりも高い状態で、
前記電力変換装置から前記組電池制御回路に電力を供給し、
前記電力変換装置から
前記組電池制御回路への電力供給を検出する状態で、
前記接続検出部からの接続信号で、
前記電池モジュールから前記組電池制御回路に動作電力を供給し、
前記放電停止判定部からの放電停止信号で、
前記電池モジュールから前記組電池制御回路への電力供給を停止することを特徴とする蓄電装置。
【請求項3】
商用電源から電力が供給されて負荷に電力を供給する電力変換装置と、
充電できる複数の電池セルと組電池制御回路を備える電池モジュールと、
前記組電池制御回路に動作電力を供給するDC/DCコンバータと、
前記電力変換装置及び前記電池モジュールとの接続を切り換える切換回路と、
前記電力変換装置から前記組電池制御回路への電力供給を検出する接続検出部と、
前記電池モジュールの放電停止状態の放電停止判定部とを備え、
前記切換回路は、
前記電力変換装置の
前記電池モジュールに対する出力電圧が設定電圧よりも高い状態で、
前記電力変換装置を前記DC/DCコンバータに接続し、
前記電力変換装置と前記DC/DCコンバータの接続を検出する前記接続検出部からの接続信号で、
前記電池モジュールを前記DC/DCコンバータに接続し、
前記放電停止判定部からの放電停止信号で、
前記電池モジュールと前記DC/DCコンバータの接続を遮断することを特徴とする蓄電装置。
【請求項4】
請求項3に記載する蓄電装置であって、
前記切換回路が、
前記電力変換装置と前記DC/DCコンバータとの間に接続してなる第1のパワースイッチと、
前記電力変換装置の出力電圧を設定電圧に比較して、
前記第1のパワースイッチをオンオフに制御する第1の入力回路を備え、
前記第1の入力回路は、
前記電力変換装置の出力電圧が設定電圧よりも高い状態で前記第1のパワースイッチをオン状態として、
前記電力変換装置から前記DC/DCコンバータに電力供給し、
前記電力変換装置の出力電圧が設定電圧よりも低い状態で前記第1のパワースイッチをオフ状態に切り換えて、
前記電力変換装置から前記DC/DCコンバータへの電力供給を遮断することを特徴とする蓄電装置。
【請求項5】
請求項4に記載する蓄電装置であって、
前記第1の入力回路が、
前記電力変換装置の出力電圧でオンオフに制御されて、
前記第1のパワースイッチをオンオフに切り換える、第1の制御スイッチを備えることを特徴とする蓄電装置。
【請求項6】
請求項5に記載する蓄電装置であって、
前記第1の制御スイッチと前記第1のパワースイッチがFETで、
前記第1の制御スイッチのFETが、前記第1のパワースイッチを制御して、
前記電力変換装置から前記DC/DCコンバータへの電力供給を制御してなることを特徴とする蓄電装置。
【請求項7】
請求項3に記載する蓄電装置であって、
前記切換回路が、
前記電池モジュールと前記DC/DCコンバータとの間に接続してなる第2のパワースイッチと、
前記接続検出部の接続信号で、
前記第2のパワースイッチをオンオフに制御する第2の入力回路とを備えることを特徴とする蓄電装置。
【請求項8】
請求項7に記載する蓄電装置であって、
前記第2の入力回路が、
前記接続検出部からの接続信号で切り換えられて、
前記第2のパワースイッチをオンオフに制御する第2の制御スイッチを備えることを特徴とする蓄電装置。
【請求項9】
請求項3に記載する蓄電装置であって、
前記切換回路が、
前記電池モジュールと前記DC/DCコンバータとの間に接続してなる第2のパワースイッチと、
前記放電停止判定部からの放電停止信号で、
前記第2のパワースイッチをオフに制御する第2の入力回路とを備えることを特徴とする蓄電装置。
【請求項10】
請求項9に記載する蓄電装置であって、
前記第2の入力回路が、
前記放電停止判定部からの放電停止信号で切り換えられて、
前記第2のパワースイッチをオフに制御する第2の制御スイッチを備えることを特徴とする蓄電装置。
【請求項11】
請求項8または10に記載する蓄電装置であって、
前記第2のパワースイッチと前記第2の制御スイッチがFETで、
前記第2の制御スイッチのFETが、前記第2のパワースイッチを制御して、
前記電池モジュールから前記DC/DCコンバータへの電力供給を制御してなることを特徴とする蓄電装置。
【請求項12】
請求項3ないし11のいずれかに記載する蓄電装置であって、
前記電力変換装置の出力側と前記DC/DCコンバータとの間に、
逆流防止ダイオードが接続され、さらに、
前記電池モジュールの出力側と前記DC/DCコンバータの間にも、
逆流防止ダイオードが接続されてなることを特徴とする蓄電装置。
【請求項13】
請求項2ないし11のいずれかに記載する蓄電装置であって、
前記電力変換装置が、
商用電力で前記電池モジュールを充電するコンバータと、
前記電池モジュールの電力を負荷に供給するDC/ACインバータとを備える蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュールを充電する電力変換装置と電池モジュールを備える蓄電装置の組電池制御回路の電力供給方式、及び蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電池モジュールを備える蓄電装置は開発されている(特許文献1参照)。電池モジュールは電池の制御回路を設けているが、この制御回路の電源回路を、電池モジュールの電池電圧を降圧するDC/DCコンバータとして、電池モジュールの電池から動作電力を供給する電池モジュールも開発されている。この電池モジュールは、制御回路を動作するために電池が電力消費する弊害が発生する。制御回路は電池モジュールが使用されない状態、すなわち放電されない状態においても、所定の時間間隔で動作状態となって残容量を検出するので、この状態で電力消費する弊害がある。したがって、この電源回路は、電池から制御回路に動作電力を供給するので、制御回路の暗電流で放電されて過放電される弊害が発生し、さらに電池モジュールの電池電圧が低下すると、制御回路への供給電圧が低下して正常な動作状態を維持できなくなる欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、さらに以上の欠点を解消することを目的に開発されたもので、本発明の目的の一は、商用電力と電池モジュールの両方から安定して電池の制御回路に動作電力を供給できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様に係る蓄電装置の組電池制御回路の電力供給方式は、充電できる複数の電池セルと組電池制御回路を備える電池モジュールと、電池モジュールを商用電力で充電すると共に、商用電力を負荷に供給する電力変換装置とを備える蓄電装置における組電池制御回路の電力供給方式であって、電力変換装置の電池モジュールに対する出力電圧が設定電圧よりも高い状態で、電力変換装置から電池モジュールの組電池制御回路に動作電力を供給し、電力変換装置から組電池制御回路に電力供給を開始した状態を検出する接続検出部からの接続信号で、電池モジュールから組電池制御回路への動作電力を開始し、電池モジュールの放電停止状態を検出する放電停止判定部からの停止信号で、電池モジュールから組電池制御回路への電力供給を停止する。
【0006】
本発明のある態様に係る蓄電装置は、商用電源から電力が供給されて負荷に電力を供給する電力変換装置と、充電できる複数の電池セルと組電池制御回路を備える電池モジュールと、電力変換装置と電池モジュールから組電池制御回路への電源電力の供給を切り換える切換回路と、電力変換装置から組電池制御回路への電力供給を検出する接続検出部と、電池モジュールの放電停止状態の放電停止判定部とを備えている。切換回路は、電力変換装置の電池モジュールに対する出力電圧が設定電圧よりも高い状態で、電力変換装置から組電池制御回路に電力を供給し、電力変換装置から組電池制御回路への電力供給を検出する状態で、接続検出部からの接続信号で、電池モジュールから組電池制御回路に動作電力を供給し、放電停止判定部からの放電停止信号で、電池モジュールから組電池制御回路への電力供給を停止する。
【0007】
本発明の他の態様に係る蓄電装置は、商用電源から電力が供給されて負荷に電力を供給する電力変換装置と、充電できる複数の電池セルと組電池制御回路を備える電池モジュールと、組電池制御回路に動作電力を供給するDC/DCコンバータと、電力変換装置及び電池モジュールとの接続を切り換える切換回路と、電力変換装置から組電池制御回路への電力供給を検出する接続検出部と、電池モジュールの放電停止状態の放電停止判定部とを備えている。切換回路は、電力変換装置の電池モジュールに対する出力電圧が設定電圧よりも高い状態で、電力変換装置をDC/DCコンバータに接続し、電力変換装置とDC/DCコンバータの接続を検出する接続検出部からの接続信号で、電池モジュールをDC/DCコンバータに接続し、放電停止判定部からの放電停止信号で、電池モジュールとDC/DCコンバータの接続を遮断する。
【発明の効果】
【0008】
以上の蓄電装置の組電池制御回路の電力供給方式と蓄電装置は、電力変換装置と電池モジュールの両方から安定して組電池制御回路に動作電力を供給できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る蓄電装置のブロック図である。
【
図2】
図1に示す蓄電装置の切換回路のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想の具体例を示すものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
【0011】
本発明の第1の実施態様の蓄電装置における組電池制御回路の電力供給方式は、充電できる複数の電池セルと組電池制御回路を備える電池モジュールと、電池モジュールを商用電力で充電すると共に、商用電力を負荷に供給する電力変換装置とを備える蓄電装置における組電池制御回路の電力供給方式であって、電力変換装置の電池モジュールに対する出力電圧が設定電圧よりも高い状態で、電力変換装置から電池モジュールの組電池制御回路に動作電力を供給し、電力変換装置から組電池制御回路に電力供給を開始した状態を検出する接続検出部からの接続信号で、電池モジュールから組電池制御回路への動作電力を開始し、電池モジュールの放電停止状態を検出する放電停止判定部からの停止信号で、電池モジュールから組電池制御回路への電力供給を停止する。
【0012】
以上の蓄電装置における組電池制御回路の電力供給方式は、電力変換装置と電池モジュールの両方から組電池制御回路に動作電力を供給するので、組電池制御回路に専用の電源を設けることなく、理想的な状態で動作電力を供給できる。組電池制御回路は、各々の電池セルの状態を監視することから、電池モジュールが使用されない状態、すなわち放電されない状態においても動作モードに保持されて電力を消費する。蓄電装置は、充放電容量と出力を大きくすることから、多数の電池セルを備える。この蓄電装置は、多数の電池セルを管理するために、組電池制御回路の電力消費が大きくなり、従来の蓄電装置は組電池制御回路に専用の電源を設けて電力供給している。この蓄電装置は、専用の電源を設ける必要があって、設備コストが高くなる。この弊害は、電力変換装置や電池モジュール自体の出力電圧をDC/DCコンバータで調整して、組電池制御回路に供給して解消できる。電力変換装置から組電池制御回路に電力供給する蓄電装置は、電力変換装置の出力をDC/DCコンバータで電圧調整して、組電池制御回路に供給できるが、電力変換装置は常に電圧を出力する状態になく、電圧が出力されない状態では、組電池制御回路に動作電力を供給できない。電力変換装置は、電池モジュールを充電する状態と、負荷に電力を供給する状態で電圧を出力するが、電池モジュールを充電せず、負荷に電力を供給しない状態では電圧を出力しない。電池モジュールの出力電圧を調整して組電池制御回路に動作電力を供給することもできるが、この蓄電装置は、電池モジュールの電圧が最低電圧まで低下すると組電池制御回路に動作電力を供給できなくなる。また、電池モジュールから組電池制御回路に動作電力を供給する装置は、電池モジュールが常に電力消費して、電圧が次第に低下する弊害もある。
【0013】
以上の蓄電装置における組電池制御回路の電力供給方式は、電力変換装置と電池モジュールの両方から組電池制御回路に動作電力を供給すると共に、電力変換装置の出力電圧が設定電圧よりも高い状態で、電力変換装置から組電池制御回路に動作電力を供給し、さらに、電力変換装置から組電池制御回路に動作電力を供給することを接続検出部が検出して、電池モジュールからも組電池制御回路に動作電力を供給して、電力変換装置と電池モジュールの両方から組電池制御回路に動作電力を供給する。この状態で、電池モジュールの電圧が低下する等して、過放電する状態になると、このことを放電停止判定部が検出して、電池モジュールからの電力供給を停止する。したがって、電池モジュールが過放電になることがなく、組電池制御回路に電力供給できる。さらに、電池モジュールが過放電になる状態では、電力変換装置から組電池制御回路に電力供給して、組電池制御回路を動作状態に保持できる。電力変換装置は、電池モジュールの電圧が低下すると、電池モジュールを充電するために所定の電圧を出力するので、この状態においては、電力変換装置からの出力で組電池制御回路に動作電力を供給できる。したがって、以上の蓄電装置における組電池制御回路の電力供給方式は、電力変換装置と電池モジュールの両方から理想的な状態で動作電力を供給できる。
【0014】
本発明の第2の実施態様の蓄電装置は、商用電源から電力が供給されて負荷に電力を供給する電力変換装置と、充電できる複数の電池セルと組電池制御回路を備える電池モジュールと、電力変換装置と電池モジュールから組電池制御回路への電源電力の供給を切り換える切換回路と、電力変換装置から組電池制御回路への電力供給を検出する接続検出部と、電池モジュールの放電停止状態の放電停止判定部とを備えている。切換回路は、電力変換装置の電池モジュールに対する出力電圧が設定電圧よりも高い状態で、電力変換装置から組電池制御回路に電力を供給し、電力変換装置から組電池制御回路への電力供給を検出する状態で、接続検出部からの接続信号で、電池モジュールから組電池制御回路に動作電力を供給し、放電停止判定部からの放電停止信号で、電池モジュールから組電池制御回路への電力供給を停止する。
【0015】
以上の蓄電装置は、電力変換装置と電池モジュールの両方から組電池制御回路に動作電力を供給すると共に、電力変換装置の出力電圧が設定電圧よりも高い状態で、電力変換装置から組電池制御回路に動作電力を供給し、さらに、電力変換装置から組電池制御回路に動作電力を供給することを接続検出部が検出して電池モジュールからも組電池制御回路に動作電力を供給して、電力変換装置と電池モジュールの両方から組電池制御回路に動作電力を供給する。この状態で、電池モジュールの電圧が低下する等して、過放電する状態になると、このことを放電停止判定部が検出して、電池モジュールからの電力供給を停止する。したがって、電池モジュールが過放電になることがなく、電池モジュールからも組電池制御回路に電力供給できる。さらに、電池モジュールが組電池制御回路に電力供給しない状態では、電力変換装置から組電池制御回路に電力供給して、組電池制御回路を動作状態に保持できる。電力変換装置は、電池モジュールの電圧が低下すると、電池モジュールを充電するために所定の電圧を出力するので、この状態においては、電力変換装置からの出力で組電池制御回路に動作電力を供給できる。したがって、以上の蓄電装置は、電力変換装置と電池モジュールの両方から理想的な状態で動作電力を供給できる。
【0016】
本発明の第3の実施態様の電源装置は、商用電源から電力が供給されて負荷に電力を供給する電力変換装置と、充電できる複数の電池セルと組電池制御回路を備える電池モジュールと、組電池制御回路に動作電力を供給するDC/DCコンバータと、電力変換装置及び電池モジュールとの接続を切り換える切換回路と、電力変換装置から組電池制御回路への電力供給を検出する接続検出部と、電池モジュールの放電停止状態の放電停止判定部とを備えている。切換回路は、電力変換装置の電池モジュールに対する出力電圧が設定電圧よりも高い状態で、電力変換装置をDC/DCコンバータに接続し、電力変換装置とDC/DCコンバータの接続を検出する接続検出部からの接続信号で、電池モジュールをDC/DCコンバータに接続し、放電停止判定部からの放電停止信号で、電池モジュールとDC/DCコンバータの接続を遮断する。
【0017】
本発明の第4の実施態様の蓄電装置は、切換回路が、電力変換装置とDC/DCコンバータとの間に接続してなる第1のパワースイッチと、電力変換装置の出力電圧を設定電圧に比較して、第1のパワースイッチをオンオフに制御する第1の入力回路を備えている。第1の入力回路は、電力変換装置の出力電圧が設定電圧よりも高い状態で第1のパワースイッチをオン状態として、電力変換装置からDC/DCコンバータに電力供給し、電力変換装置の出力電圧が設定電圧よりも低い状態で第1のパワースイッチをオフ状態に切り換えて、電力変換装置からDC/DCコンバータへの電力供給を遮断する。
【0018】
本発明の第5の実施態様は、第1の入力回路が、電力変換装置の出力電圧でオンオフに制御されて、第1のパワースイッチをオンオフに切り換える第1の制御スイッチを備えている。
【0019】
本発明の第6の実施態様の蓄電装置は、第1の制御スイッチと第1のパワースイッチがFETで、第1の制御スイッチのFETが、第1のパワースイッチを制御して、電力変換装置からDC/DCコンバータへの電力供給を制御している。
【0020】
本発明の第7の実施態様の蓄電装置は、切換回路が、電池モジュールとDC/DCコンバータとの間に接続してなる第2のパワースイッチと、接続検出部の接続信号で、第2のパワースイッチをオンオフに制御する第2の入力回路とを備えている。
【0021】
本発明の第8の実施態様の蓄電装置は、第2の入力回路が、接続検出部からの接続信号で切り換えられて、第2のパワースイッチをオンオフに制御する第2の制御スイッチを備えている。
【0022】
本発明の第9の実施態様の蓄電装置は、切換回路が、電池モジュールとDC/DCコンバータとの間に接続してなる第2のパワースイッチと、放電停止判定部からの放電停止信号で、第2のパワースイッチをオフに制御する第2の入力回路とを備えている。
【0023】
本発明の第10の実施態様の蓄電装置は、第2の入力回路が、放電停止判定部からの放電停止信号で切り換えられて、第2のパワースイッチをオフに制御する第2の制御スイッチを備えている。
【0024】
本発明の第11の実施態様の蓄電装置は、第2のパワースイッチと第2の制御スイッチがFETで、第2の制御スイッチのFETが、第2のパワースイッチを制御して、電池モジュールからDC/DCコンバータへの電力供給を制御している。
【0025】
本発明の第12の実施態様の蓄電装置は、電力変換装置の出力側とDC/DCコンバータとの間に逆流防止ダイオードを接続し、さらに、電池モジュールの出力側とDC/DCコンバータの間にも逆流防止ダイオードを接続している。
【0026】
本発明の第13の実施態様の蓄電装置は、電力変換装置が、商用電力で電池モジュールを充電するコンバータと、電池モジュールの電力を負荷に供給するDC/ACインバータとを備えている。
【0027】
(実施の形態1)
図1の蓄電装置100は、商用電源9から電力が供給されて負荷8に電力を供給する電力変換装置2と、充電できる複数の電池セル11と組電池制御回路12を備える電池モジュール1と、電力変換装置2と電池モジュール1から組電池制御回路12への電源電力の供給を切り換える切換回路3と、電力変換装置2から組電池制御回路12に電力供給される状態を検出して接続信号を出力する接続検出部5と、放電している電池モジュール1の放電停止状態となったことを検出して、放電停止信号を出力する放電停止判定部6とを備える。
【0028】
(電池モジュール1)
電池モジュール1は、充電できる複数の電池セル11を接続している組電池10と、組電池10に接続されて組電池10の充放電をコントロールする組電池制御回路12とを備える。本発明は、組電池制御回路12の回路構成を特定するものではないが、この組電池制御回路12は、例えば、組電池10や電池セル11の電圧や残容量を検出し、あるいは電池セル11や組電池10の電圧や残容量を均等化する回路などの保護回路や充放電のコントロール回路を備えている。
【0029】
(電力変換装置2)
電力変換装置2は、商用電源9から供給される電力を電池モジュール1に供給して充電する。蓄電装置100は、商用電力が供給されない状態で負荷8が動作状態になると電池モジュール1から負荷8に電力が供給される。電力変換装置2は、商用電力を電池モジュール1の充電電圧に変換するコンバータ21と、電池モジュール1から出力される直流を負荷8に供給する交流電圧に変換するDC/ACインバータ22とを備えている。DC/ACインバータ22の出力側には、負荷8が接続される。電力変換装置2は商用電源9を直接負荷8に供給するバスライン23を設けて、商用電力が供給される状態では、バスライン23を介して負荷8に電力を供給する。
【0030】
組電池制御回路12の電源回路は、DC/DCコンバータ4と切換回路3を介して電力変換装置2と電池モジュール1に接続されて、電力変換装置2と電池モジュール1のいずれか又は両方からDC/DCコンバータ4を介して直流の動作電力が供給される。DC/DCコンバータ4は、たとえば、電力変換装置2や電池モジュール1の高電圧、例えば400V~600Vを、組電池制御回路12の電源電圧、例えば24V~5Vの直流に変換して出力する。
【0031】
(切換回路3)
切換回路3は、電力変換装置2と電池モジュール1のいずれか又両方から、DC/DCコンバータ4を介して組電池制御回路12に動作電力を供給する状態を切り換える。切換回路3は、電力変換装置2の出力電圧が設定電圧よりも高い状態で、電力変換装置2から組電池制御回路12に動作電力を供給する。電力変換装置2から動作電力が供給されると組電池制御回路12が起動し、電力変換装置2から組電池制御回路12に電力供給を開始した状態を接続検出部5が検出する。接続検出部5は、電力変換装置2からの電力供給の開始を検出すると、接続信号を切換回路3に出力する。接続検出部5から切換回路3に接続信号が入力されると、切換回路3は電池モジュール1から組電池制御回路12への動作電力の供給を開始する。電池モジュール1から組電池制御回路12に電力供給して、電池モジュール1が放電されて、放電停止判定部6が電池モジュール1の放電停止状態を検出すると、放電停止判定部6から切換回路3に放電停止信号を出力する。この状態で切換回路3は、電池モジュール1から組電池制御回路12への電力供給を停止する。放電停止判定部6は、電池モジュール1の放電を停止する条件を記憶しており、電池モジュール1がこの状態になると、切換回路3に放電停止信号を出力して、切換回路3が電池モジュール1から組電池制御回路12への電力供給を停止する。
【0032】
図2に示す切換回路3は、DC/DCコンバータ4と、電力変換装置2及び電池モジュール1との接続を切り換えて、電力変換装置2から組電池制御回路12への電力供給と、電池モジュール1から組電池制御回路12への電力供給をコントロールする。
図2の切換回路3は、第1のパワースイッチ31で電力変換装置2からDC/DCコンバータ4への電力供給をコントロールする。第1のパワースイッチ31は、第1の入力回路32でオンオフに制御される。第1の入力回路32は、電力変換装置2の出力電圧を設定電圧に比較して、第1のパワースイッチ31をオンオフに制御する。
【0033】
(第1のパワースイッチ31)
第1のパワースイッチ31はnチャンネルのパワーMOSFETで、電力変換装置2のマイナス側の出力端子とDC/DCコンバータ4との間に接続している。第1のパワースイッチ31は逆流防止ダイオード33を直列に接続して、電力変換装置2のマイナス側を第1のパワースイッチ31と逆流防止ダイオード33との直列回路を介してDC/DCコンバータ4に接続している。第1のパワースイッチ31は第1の入力回路32でオンオフに制御されて、オン状態で電力変換装置2からDC/DCコンバータ4に電力を供給して、DC/DCコンバータ4から組電池制御回路12に動作電力を供給する。第1のパワースイッチ31はオフ状態でDC/DCコンバータ4への電力供給を遮断して、電力変換装置2から組電池制御回路12への電力供給を停止する。
【0034】
(第1の入力回路32)
第1の入力回路32は、電力変換装置2の出力電圧が設定電圧よりも高い状態で第1のパワースイッチ31をオン状態として、電力変換装置2からDC/DCコンバータ4に電力供給して、電力変換装置2から組電池制御回路12に動作電力を供給し、電力変換装置2の出力電圧が設定電圧よりも低い状態では第1のパワースイッチ31をオフ状態に切り換えて、電力変換装置2からDC/DCコンバータ4への電力供給、すなわち組電池制御回路12への電力供給を遮断する。設定電圧は、商用電力が供給される状態における電力変換装置2の出力電圧よりも低く設定される。電力変換装置2の出力電圧が設定電圧よりも高い状態は、商用電力に接続された状態となるが、この状態では電力変換装置2から組電池制御回路12に動作電力が供給される。
【0035】
第1の入力回路32は、第1のパワースイッチ31をオンオフする第1の制御スイッチ34を備えている。第1の制御スイッチ34は、電力変換装置2の出力電圧でオンオフに制御されて、第1のパワースイッチ31をオンオフに切り換える。第1の制御スイッチ34は、nチャンネルのFETで、第1の制御FET34Aのオンオフで、第1のパワースイッチ31をオンオフに制御する。第1の制御FET34Aは、オン状態で第1のパワースイッチ31をオン状態に切り換え、オフ状態で第1のパワースイッチ31をオフ状態とする。
【0036】
第1の制御スイッチ34である第1の制御FET34Aは、ゲートを第1の入力抵抗35を介して電力変換装置2の出力側に接続して、電力変換装置2の出力電圧でオンオフに制御される。第1の制御FET34Aは、ドレインを第2の入力抵抗36を介して電力変換装置2のプラス側出力に、ソースを第2の入力抵抗36を介してグランドライン39に接続している。第1の制御FET34Aは、第1の入力抵抗35からゲートに入力される電圧でオンオフに切り換えられるが、この第1の入力抵抗35、35は分圧抵抗で、電力変換装置2の出力電圧を分圧して第1の制御FET34Aのゲートに入力する。分圧抵抗である第1の入力抵抗35、35は、電力変換装置2の出力電圧を特定の割合で分圧して、第1の制御FET34Aのゲートに入力する。分圧抵抗の電気抵抗は、商用電力が供給される電力変換装置2の出力電圧を分圧して、第1の制御FET34Aのゲートに入力して、第1の制御FET34Aをオン状態とし、電力変換装置2に商用電力が供給されない状態での出力電圧では、第1の制御FET34Aをオフ状態とする抵抗値に設定される。
【0037】
第1のパワースイッチ31のMOSFETである第1のパワーFET31Aは、第1の制御FET34Aのオン状態でオン状態に切り換えられる。第1のパワーFET31Aは、ゲートを第1の制御FET34Aのドレインに接続して、第1の制御FET34Aのドレイン電圧を入力している。第1のパワーFET31Aは、第1の制御FET34Aのドレインからゲートに入力される電圧でオンオフに切り換えられる。第1の制御FET34Aのオン状態では、直列に接続される第2の入力抵抗36、36が分圧抵抗となり、電力変換装置2の出力電圧を分圧して第1のパワーFET31Aのゲートに入力する。分圧抵抗である第2の入力抵抗36、36は、電力変換装置2の出力電圧を特定の割合で分圧して、第1のパワーFET31Aのゲートに入力する。分圧抵抗の電気抵抗は、商用電力が供給される電力変換装置2の出力電圧を分圧して、第1のパワーFET31Aのゲートに入力して、第1のパワーFET31Aをオン状態とする抵抗値に設定される。したがって、第1の制御FET34Aのオン状態では、第1のパワーFET31Aのゲート電圧(VGS)がオン電圧となり、第1の制御FET34Aのオフ状態では、第1のパワーFET31Aのゲートに入力される電圧がカットオフ電圧以下となり、ゲート電圧(VGS)をオフ電圧とする。第1のパワーFET31Aは、オン状態で電力変換装置2からDC/DCコンバータ4に電力を供給して、オフ状態で電力変換装置2からDC/DCコンバータ4への電力供給を遮断する。
【0038】
(接続検出部5)
接続検出部5は、電力変換装置2から組電池制御回路12に電力が供給される状態を検出して、切換回路3に接続信号を出力する。切換回路3は、接続検出部5から入力される接続信号を検出して、電池モジュール1から組電池制御回路12に電力供給する。接続検出部5は、たとえば、電力変換装置2から組電池制御回路12に動作電力が供給されて、組電池制御回路12が起動することを検出して、電力変換装置2から組電池制御回路12に電力供給が開始されたことを検出して接続信号を出力する。このとき、接続検出部5は、電池モジュール1が放電可能な状態にある場合において、接続信号を出力する。ただ、接続検出部5は、第1の入力回路32の第1の制御スイッチ34、又は第1のパワースイッチ31のオン状態を検出して接続信号を出力することもできる。あるいは、接続検出部5は電力変換装置2からDC/DCコンバータ4を介して組電池制御回路12に電力供給を開始したことを検出できるすべての回路構成、たとえば電力変換装置2からDC/DCコンバータ4に供給される出力電流を検出して、接続信号を出力することもできる。切換回路3は、専用の回路を設けることもできるが、好ましくは組電池制御回路12に内蔵することができる。
【0039】
(放電停止判定部6)
放電停止判定部6は、電池モジュール1からの放電が停止される状態を検出して、放電停止信号を切換回路3に出力する。放電停止判定部6は、たとえば、放電される電池モジュール1の電圧や残容量を検出して、電池の過放電を防止するために、電池モジュール1の放電を許容するか停止するかを判定して、電池モジュール1が放電を停止する状態では放電停止信号を出力する。放電停止判定部6は、好ましくは、電池モジュール1の電圧や残容量を検出して、放電停止信号を出力するが、電池モジュール1の放電を停止する他の全てのパラメータ、たとえば、電池温度などを検出して放電停止信号を出力することができる。放電停止判定部6は、組電池制御回路12に内蔵することができ、また専用の回路構成として組電池制御回路12と別に設けることもできる。
【0040】
(第2の入力回路42)
さらに、
図2の切換回路3は、第2のパワースイッチ41で電池モジュール1からDC/DCコンバータ4への電力供給をコントロールする。第2のパワースイッチ41は、第2の入力回路42でオンオフに制御される。第2の入力回路42は、接続検出部5から入力される接続信号で、電池モジュール1から組電池制御回路12への電力供給を開始し、放電停止判定部6から入力される放電停止信号で、電池モジュール1から組電池制御回路12への電力供給を停止する。切換回路3は、接続検出部5から入力される接続信号で第2のパワースイッチ41をオン状態として、電池モジュール1からDC/DCコンバータ4に電力供給して、電池モジュール1から組電池制御回路12に動作電力を供給するが、放電停止判定部6から電池モジュール1の放電停止信号が入力されると、第2のパワースイッチ41をオフ状態に切り換えて、電池モジュール1からDC/DCコンバータ4への電力供給、すなわち組電池制御回路12への電力供給を遮断する。放電停止判定部6は、電池モジュール1が過放電を防止するために、電池モジュール1の電圧や残容量を検出して放電停止信号を検出する。
【0041】
第2の入力回路42は第2の制御スイッチ44と、第2の制御スイッチ44でオンオフに制御される第2のパワースイッチ41を備える。第2の制御スイッチ44は、接続検出部5から入力される接続信号で制御される。第2のパワースイッチ41は、第2の制御スイッチ44でオンオフに制御される。第2の制御スイッチ44と第2のパワースイッチ41はnチャンネルFETで、第2のパワースイッチ41はパワーMOSFETである。第2の制御スイッチ44は、オン状態で第2のパワースイッチ41をオン状態に切り換え、オフ状態で第2のパワースイッチ41をオフ状態に切り換える。
【0042】
第2の制御スイッチ44である第2の制御FET44Aは、ゲートを接続検出部5に、ドレインを第4の入力抵抗46を介して電池モジュール1のプラス側出力に、ソースを第4の入力抵抗46を介してグランドライン49に接続している。第2の制御FET44Aは、接続検出部5からゲートに入力される接続信号でオンオフに制御される。第2の制御FET44Aは、ゲートを第3の入力抵抗45を介して電池モジュール1の出力端子に接続しているが、第3の入力抵抗45は分圧抵抗で、電池モジュール1の出力電圧を分圧して第2の制御FET44Aのゲートに入力する。この分圧抵抗である第3の入力抵抗45は、電池モジュール1の正常な電圧範囲で、第2の制御FET44Aを介して第2のパワースイッチ41である第2のパワーFET41Aを制御するが、分圧抵抗の抵抗値は、電池モジュール1の出力電圧が規定範囲にある状態では、第2の制御FET44Aをオン状態にしない抵抗値に設定している。第2の入力回路42は、第2の制御FET44Aのゲートに、接続検出部5から接続信号が入力される状態で、第2の制御FET44Aをオン状態とする。
【0043】
(第2のパワースイッチ41)
第2のパワースイッチ41のMOSFETである第2のパワーFET41Aは、第2の制御FET44Aのオフ状態でオン状態に切り換えられる。第2のパワーFET41Aは、ゲートを第2の制御FET44Aのドレインに接続して、第2の制御FET44Aのドレイン電圧を入力している。第2のパワーFET41Aは、第2の制御FET44Aのドレインからゲートに入力される電圧でオンオフに切り換えられる。第2の制御FET44Aのオン状態では、直列に接続される第4の入力抵抗46、46が分圧抵抗となり、電池モジュール1の出力電圧を分圧して第2のパワーFET41Aのゲートに入力する。分圧抵抗である第4の入力抵抗46、46は、電池モジュール1の出力電圧を特定の割合で分圧して、第2のパワーFET41Aのゲートに入力する。分圧抵抗の電気抵抗は、電池モジュール1の出力電圧を分圧して、第2のパワーFET41Aのゲートに入力して、第2のパワーFET41Aをオン状態とする抵抗値に設定される。したがって、第2の制御FET44Aのオン状態では、第2のパワーFET41Aのゲート電圧(VGS)がオン電圧となり、第2の制御FET44Aのオフ状態では、第2のパワーFET41Aのゲートに入力される電圧がカットオフ電圧以下となり、ゲート電圧(VGS)をオフ電圧とする。第2のパワーFET41Aは、オン状態で電池モジュール1からDC/DCコンバータ4に電力を供給して、オフ状態で電池モジュール1からDC/DCコンバータ4への電力供給を遮断する。
【0044】
第2の制御FET44Aのオン状態で、第2のパワーFET41Aはオン状態となるので、接続検出部5は、”High”レベルの接続信号を第2の制御FET44Aのゲートに入力して、第2の制御FET44Aをオン状態として、第2のパワーFET41Aをオン状態とする。さらに、放電停止判定部6は、”Low”レベルの放電停止信号を第2の制御FET44Aのゲートに入力して、第2の制御FET44Aをオフ状態として第2のパワーFET41Aをオフ状態とするので、放電停止判定部6は、”Low”レベルの放電停止信号を第2の制御FET44Aのゲートに入力して、第2の制御FET44Aをオフ状態とし、オフ状態の第2の制御FET44Aで第2のパワーFET41Aをオフ状態として、電池モジュール1から組電池制御回路12への電力供給を停止する。
【0045】
図2の切換回路3は、電力変換装置2の出力側とDC/DCコンバータ4との間に逆流防止ダイオード33を接続して、電池モジュール1の出力側とDC/DCコンバータ4の間にも逆流防止ダイオード43を接続している。逆流防止ダイオード33、43は、電力変換装置2からDC/DCコンバータ4側に電力を供給し、また電池モジュール1からDC/DCコンバータ4側に電力を供給できる向きに接続されて、DC/DCコンバータ4から電力変換装置2や電池モジュール1への電力供給を阻止している。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、商用電力と電池モジュールの両方から安定して電池の制御回路に動作電力を供給できる電力供給方式と蓄電装置として、種々の蓄電装置に好適に使用できる。
【符号の説明】
【0047】
100…蓄電装置
1…電池モジュール
2…電力変換装置
3…切換回路
4…DC/DCコンバータ
5…接続検出部
6…放電停止判定部
8…負荷
9…商用電源
10…組電池
11…電池セル
12…組電池制御回路
21…コンバータ
22…DC/ACインバータ
23…バスライン
31…第1のパワースイッチ
31A…第1のパワーFET
32…第1の入力回路
33…逆流防止ダイオード
34…第1の制御スイッチ
34A…第1の制御FET
35…第1の入力抵抗
36…第2の入力抵抗
39…グランドライン
41…第2のパワースイッチ
41A…第2のパワーFET
42…第2の入力回路
43…逆流防止ダイオード
44…第2の制御スイッチ
44A…第2の制御FET
45…第3の入力抵抗
46…第4の入力抵抗
49…グランドライン