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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-15
(45)【発行日】2025-05-23
(54)【発明の名称】研磨組成物及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20250516BHJP
   C09K 3/14 20060101ALI20250516BHJP
   B24B 37/00 20120101ALI20250516BHJP
【FI】
H01L21/304 622D
C09K3/14 550Z
C09K3/14 550D
B24B37/00 H
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022549236
(86)(22)【出願日】2021-02-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-03
(86)【国際出願番号】 US2021017051
(87)【国際公開番号】W WO2021162980
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-10-05
(31)【優先権主張番号】62/975,828
(32)【優先日】2020-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514251329
【氏名又は名称】フジフイルム エレクトロニック マテリアルズ ユー.エス.エー., インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホアン、ティン-カイ
(72)【発明者】
【氏名】リン、ターウェイ
(72)【発明者】
【氏名】フー、ピン
(72)【発明者】
【氏名】ウェン、リーチン
(72)【発明者】
【氏名】リャン、ヤンナン
【審査官】鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/190730(WO,A2)
【文献】特開2006-196887(JP,A)
【文献】特開2009-049402(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0244639(US,A1)
【文献】特開2007-251175(JP,A)
【文献】特開2009-158810(JP,A)
【文献】特開2016-030831(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
C09K 3/14
B24B 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨剤;
pH調整剤;
バリア膜除去速度上昇剤;
low-k除去速度抑制剤;
アゾール含有防食剤;及び
ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム、硫酸鉄(III)アンモニウム、硝酸鉄、エチレンジアミン四酢酸鉄(III)ナトリウム塩、臭化鉄(II)、臭化鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、クエン酸鉄(III)、フッ化鉄(II)、フッ化鉄(III)、シュウ酸鉄(II)、過塩素酸鉄(II)、リン酸鉄(III)、硫酸鉄(II)、チオシアン酸カリウム、チオ尿素、テトラフルオロケイ酸カリウム、ヘキサフルオロリン酸カリウム、テトラフルオロホウ酸カリウム、フッ化水素酸、フッ化物塩、塩素酸、塩化物塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される、ハードマスク除去速度上昇剤
を含む、研磨組成物。
【請求項2】
前記研磨剤が、アルミナ;シリカ;チタニア;セリア;ジルコニア;アルミナ、シリカ、チタニア、セリア、又はジルコニアの共形成生成物(co-formed product);被覆された研磨剤;表面改質された研磨剤;及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項3】
前記研磨剤が、前記研磨組成物の0.1重量%~50重量%の量である、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項4】
前記バリア膜除去速度上昇剤が、グルコン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸、マロン酸、ギ酸、シュウ酸、酢酸、プロピオン酸、過酢酸、コハク酸、酢酸カリウム、クエン酸カリウム、アミノ酢酸、フェノキシ酢酸、ビシン、ジグリコール酸、グリセリン酸、トリシン、アラニン、ヒスチジン、バリン、フェニルアラニン、プロリン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、チロシン、安息香酸、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される有機酸又はその塩である、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項5】
前記バリア膜除去速度上昇剤が、前記研磨組成物の0.002重量%~4重量%の量である、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項6】
前記low-k除去速度抑制剤が、非イオン性界面活性剤である、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項7】
前記非イオン性界面活性剤が、アルコールアルコキシレート、アルキルフェノールアルコキシレート、トリスチリルフェノールアルコキシレート、ソルビタンエステルアルコキシレート、ポリアルコキシレート、ポリアルキレンオキサイドブロックコポリマー、テトラヒドロキシオリゴマー、アルコキシル化ジアミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載の研磨組成物。
【請求項8】
前記low-k除去速度抑制剤が、前記研磨組成物の0.0005重量%~5重量%の量である、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項9】
前記アゾール含有防食剤が、トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、エチルベンゾトリアゾール、プロピルベンゾトリアゾール、ブチルベンゾトリアゾール、ペンチルベンゾトリアゾール、ヘキシルベンゾトリアゾール、ジメチルベンゾトリアゾール、クロロベンゾトリアゾール、ジクロロベンゾトリアゾール、クロロメチルベンゾトリアゾール、クロロエチルベンゾトリアゾール、フェニルベンゾトリアゾール、ベンジルベンゾトリアゾール、アミノトリアゾール、アミノベンズイミダゾール、ピラゾール、イミダゾール、アミノテトラゾール、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項10】
前記アゾール含有防食剤が、前記研磨組成物の0.0001重量%~1重量%の量である、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項11】
前記pH調整剤が、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミンテトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルジプロピルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、トリス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項12】
前記pH調整剤が、前記研磨組成物の0.01重量%~10重量%の量である、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項13】
前記ハードマスク除去速度上昇剤が、前記研磨組成物の0.0001重量%~5重量%の量である、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項14】
エチレンジアミンテトラ酢酸、イミノジ酢酸、N-ヒドロキシエチル-エチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸、ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、ニトリロトリメチルホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、1-ヒドロキシルエチリデン-1,1-ジホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるキレート剤をさらに含む、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項15】
前記キレート剤が、前記研磨組成物の0.001重量%~1重量%の量である、請求項14に記載の研磨組成物。
【請求項16】
過酸化水素、オルト過ヨウ素酸、メタ過ヨウ素酸、ジメソ過ヨウ素酸、ジオルト過ヨウ素酸、過ヨウ素酸アンモニウム、過ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、ヨウ素酸、ヨウ素酸塩、過塩素酸、過塩素酸塩、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミン塩、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される酸化剤をさらに含む、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項17】
前記研磨組成物が、
前記研磨組成物の0.1重量%~50重量%の量の前記研磨剤;
前記研磨組成物の0.01重量%~10重量%の量の前記pH調整剤;
前記研磨組成物の0.002重量%~4重量%の量の前記バリア膜除去速度上昇剤;
前記研磨組成物の0.0005重量%~5重量%の量の前記low-k除去速度抑制剤;
前記研磨組成物の0.0001重量%~1重量%の量の前記アゾール含有防食剤;及び
前記研磨組成物の0.0001重量%~5重量%の量の前記ハードマスク除去速度上昇剤
を含む、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項18】
前記研磨組成物のpHが、7~14である、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項19】
請求項1~請求項18の何れか1項に記載の研磨組成物を基板の表面に付与する工程、ここで、前記表面はルテニウム又はハードマスク材料を含む;及び
前記基板の前記表面にパッドを接触させ、前記基板に対して前記パッドを動かす工程、
を含む、基板を研磨する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は2020年2月13日に出願された米国仮出願番号62/975,828からの優先権を主張し、該米国仮出願の内容はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体産業は、プロセス、材料、及び集積化の革新によるデバイスのさらなる小型化によってチップ性能を改善することを絶えず迫られている。以前の材料革新としては、銅の導入、相互接続構造における導電性材料としてのアルミニウムの置換、及び非導電性/絶縁体の誘電材料からCu導電性材料を隔離する拡散バリアとしてのタンタル(Ta)/窒化タンタル(TaN)の使用が挙げられる。銅(Cu)は、その低い抵抗率及び電子移動に対する優れた抵抗のために相互接続材料として選択された。
【0003】
しかし、より新世代のチップのフィーチャが縮小するにつれて、バックエンド(Back End of Line)(BEOL)における効果的な相互接続抵抗を維持するためには、多層Cu/バリア/誘電体積層物はより薄く、よりコンフォーマルでなければならない。より薄いCu及びTa/TaNバリア膜スキームは、堆積における抵抗性及びフレキシビリティに問題がある。例えば、より小さな寸法及び高度な製造ノードでは、抵抗率は急激に悪化し、(フロントエンド(Front End of Line)(FEOL)における)トランジスタ回路速度の向上は、導電性Cu/バリアの配線(BEOL)からの遅延により半減されている。ライナー材料、バリア層、及び導電層として使用するための主要な候補としてルテニウム(Ru)が浮上している。ルテニウムは、誘電体層に対する優れた抗Cu拡散性を有するが、銅シード層を用いずに、小さな寸法のトレンチへ直接銅を電気充填することを容易にすることもできる。さらに、ルテニウムは、また、従来のタングステン(W)金属を置換するためのVIA用材料として研究されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
この概要説明は、後述の詳細な説明においてさらに説明される概念からの抜粋を紹介するために設けたものである。この概要説明は、特許請求の範囲に記載の主題の重要な特徴又は必須の特徴を特定することを意図したものではなく、特許請求の範囲に記載の主題の範囲を制限するための補助として使用することを意図したものでもない。
【0005】
本開示で定義するように、他に断りの無い限り、記載された全てのパーセント値は、化学機械研磨組成物の総重量に対する重量パーセントであると理解すべきである。
【0006】
1つの態様では、本開示に記載の実施形態は、研磨剤;pH調整剤;バリア膜除去速度上昇剤;low-k除去速度抑制剤;アゾール含有防食剤;及びハードマスク除去速度上昇剤を含む、研磨組成物に関する。
【0007】
別の態様では、本開示に記載の実施形態は、研磨剤;pH調整剤;有機酸又はその塩;非イオン性界面活性剤;アゾール含有防食剤;及び鉄含有塩を含む、研磨組成物に関する。
【0008】
さらに別の態様では、本開示に記載の実施形態は、本開示に記載の研磨組成物を基板の表面に付与する工程、ここで、前記表面はルテニウム又はハードマスク材料を含む;及び前記基板の前記表面にパッドを接触させ、前記基板に対して前記パッドを動かす工程を含む、基板(例えば、ルテニウムを含む基板)を研磨する方法に関する。
【0009】
特許請求の範囲に記載の主題の他の態様及び利点は、以下の記載及び添付の特許請求の範囲から明らかになるものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示に記載の実施形態は、概して、組成物、並びに、少なくともルテニウム部分及び/又はハードマスク部分(例えば、タングステン、炭化物、窒化物セラミック(例えば、TiN)及びそれらのドープされた誘導体)を含む基板、より具体的には少なくともルテニウム部分、ハードマスク部分、及び銅部分を含んでいてもよい基板を研磨するために前記組成物を用いる方法に関する。本開示に記載の組成物は、銅腐食を最小限(例えば、表面粗さを最小限にする)にしながら、ルテニウム及び/又はハードマスク材料を効果的に除去することができる。例えば、本開示に記載の組成物は、銅、ルテニウムライナー、ハードマスク材料(例えば、チタン及びそのドープされた誘導体、タングステン及びそのドープされた誘導体(例えば、WB)、炭化物(例えば、BC、BC、TiC、SiC、及びWC)、ホウ素含有材料(例えば、BO、BCN、及びAlMgB14)、窒化物セラミック材料(例えば、SiN、TiN、及びBN)、バリア材料(例えば、Ta及びTaN)、及び誘電材料(例えば、TEOS、low-k、ultra low-k等)を含む高度なノードの膜を研磨するのに特に有用であり得る。
【0011】
現在入手可能な多くのCMPスラリーは、前述の銅及びタングステンなどの、より古いチップ設計においてより一般的な材料を除去するために特に設計された。しかし、半導体産業におけるバックエンド(BEOL)用途では、ルテニウムが、良好な導電性、堆積特性を有し、Cu拡散に対して抵抗性であるため、ライナー材料として使用されている。コバルト及び銅などの他の材料とは異なり、ルテニウムは化学的に比較的安定であり、従って、研磨中に劣化せず、除去することが困難であり得る。さらに、ルテニウムは、導電層である銅と一緒に使用されることが多い。上述したように、銅は比較的ソフトな材料であり、除去が容易である。銅は、多くの半導体デバイスの機能に必須であり、CMPスラリーを使用すると、銅の層又はインレー(inlay)を容易に剥離又は損傷し、完成したデバイスの性能に悪影響を及ぼし得る。銅は化学的腐食をより受けやすいため、より古いCMPスラリーでは、銅において有害で許容できない欠陥を生じさせずに、ルテニウムを効果的に除去することができない可能性がある。その結果、あまり先進的でないスラリーは、許容できない腐食、ウエハートポグラフィー、及び/又は研磨される多成分基板の1種若しくは複数種の成分に対する除去速度の選択性をもたらす可能性がある。さらに、より複雑な集積スキームは、Ruライナー及びCu導電層と共にエッチングマスクとしてハードマスクを使用してもよく、このことは、研磨スラリーが効果的に除去できなければならないさらに別の材料をもたらす。
【0012】
半導体製造における多成分集積スキームの使用の増加及びサイズの縮小に伴い、ルテニウム、銅、及びハードマスク材料を含む基板を、最小限の銅腐食でありながら他の全ての成分に対して好ましい除去速度及び選択性で効果的に研磨することができるCMPスラリーに対する市場ニーズがある。
【0013】
1つ又は複数の実施形態では、本開示に記載の研磨組成物は、研磨剤;pH調整剤;バリア膜除去速度上昇剤;low-k除去速度抑制剤;アゾール含有防食剤;及びハードマスク除去速度上昇剤を含む。1つ又は複数の実施形態では、研磨組成物は、キレート剤及び/又は酸化剤を含むこともできる。1つ又は複数の実施形態では、本開示に係る研磨組成物は、約0.1重量%~約50重量%の研磨剤、約0.01重量%~約10重量%のpH調整剤、約0.002重量%~約4重量%のバリア膜除去速度上昇剤、約0.0005重量%~約5重量%のlow-k除去速度抑制剤、約0.0001重量%~約1重量%のアゾール含有防食剤、約0.0001重量%~約5重量%のハードマスク除去速度上昇剤、及び残余の重量%(例えば、約20重量%~約99重量%)の溶媒(例えば、脱イオン水)を含んでもよい。1つ又は複数の実施形態では、前記研磨組成物は、約0.001重量%~約1重量%のキレート剤及び/又は約0.001重量%~約5重量%の酸化剤をさらに含むことができる。
【0014】
1つ又は複数の実施形態では、本開示は、使用前に水で2倍まで、又は4倍まで、又は6倍まで、又は8倍まで、又は10倍まで希釈されることができる濃縮研磨組成物を提供する。他の実施形態では、本開示は、前記研磨組成物、水、及び任意に酸化剤を含む、ルテニウム含有基板上で使用するためのポイントオブユース(POU)研磨組成物を提供する。
【0015】
1つ又は複数の実施形態では、POU研磨組成物は、約0.1重量%~約12重量%の研磨剤、約0.01重量%~約5重量%のpH調整剤、約0.002重量%~約2重量%のバリア膜除去速度上昇剤、約0.0005重量%~約0.5重量%のlow-k除去速度抑制剤、約0.0001重量%~約0.1重量%のアゾール含有防食剤、約0.0001重量%~約0.5重量%のハードマスク除去速度上昇剤、任意に約0.001重量%~約5重量%の酸化剤、及び約80重量%~約99重量%の溶媒(例えば、脱イオン水)を含むことができる。1つ又は複数の実施形態では、前記POU研磨組成物は、0.001重量%~0.1重量%のキレート剤をさらに含むことができる。
【0016】
1つ又は複数の実施形態では、濃縮研磨組成物は、約1重量%~約50重量%の研磨剤、約0.1重量%~約10重量%のpH調整剤、約0.02重量%~約4重量%のバリア膜除去速度上昇剤、約0.005重量%~約5重量%のlow-k除去速度抑制剤、約0.001重量%~約1重量%のアゾール含有防食剤、約0.001重量%~約5重量%のハードマスク除去速度上昇剤、及び残余の重量%(例えば、約20重量%~約98.5重量%)の溶媒(例えば、脱イオン水)を含むことができる。1つ又は複数の実施形態では、前記濃縮研磨組成物は、約0.01重量%~約1重量%のキレート剤をさらに含むことができる。
【0017】
1つ又は複数の実施形態では、本開示に記載の研磨組成物は、少なくとも1種(例えば、2種又は3種)の研磨剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、前記少なくとも1種の研磨剤は、カチオン性研磨剤、実質的に中性の研磨剤、及びアニオン性研磨剤からなる群から選択される。1つ又は複数の実施形態では、前記少なくとも1種の研磨剤は、アルミナ、シリカ、チタニア、セリア、ジルコニア、それらの共形成生成物(co-formed product)(つまり、アルミナ、シリカ、チタニア、セリア、又はジルコニアの共形成生成物)、被覆された研磨剤、表面改質された研磨剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、前記少なくとも1種の研磨剤は、セリアを含まない。いくつかの実施形態では、前記少なくとも1種の研磨剤は、高純度であり、アルコールを約100ppm未満、アンモニアを約100ppm未満、ナトリウムカチオンなどのアルカリカチオンを約100十億分率(ppb)未満で含み得る。研磨剤は、POU研磨組成物の総重量に対して約0.1%~約12%(例えば、約0.5%~約10%)の量で、又はその任意の部分範囲の量で存在し得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1種の研磨剤は、本開示に記載の研磨組成物に対して約0.1重量%以上(例えば、約0.5重量%以上、約1重量%以上、約2重量%以上、約4重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上、約12重量%以上、約15重量%以上、又は約20重量%以上)~約50重量%以下(例えば、約45重量%以下、約40重量%以下、約35重量%以下、約30重量%以下、約25重量%以下、約20重量%以下、約15重量%以下、約12重量%以下、約10重量%以下、又は約5重量%以下)の量である。
【0019】
1つ又は複数の実施形態では、本開示に記載の研磨組成物は、少なくとも1種(例えば、2種又は3種)のpH調整剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、前記少なくとも1種のpH調整剤は、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミンテトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルジプロピルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、トリス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1種のpH調整剤は、本開示に記載の研磨組成物に対して約0.01重量%以上(例えば、約0.05以上、約0.1重量%以上、約0.5重量%以上、約1重量%以上、約2重量%以上、約4重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上、約15重量%以上、又は約20重量%以上)~約10重量%以下(例えば、約9重量%以下、約8重量%以下、約7重量%以下、約6重量%以下、約5重量%以下、約4重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、約1重量%以下、約0.5重量%以下、約0.2重量%以下、又は約0.1重量%以下)の量である。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記研磨組成物のpH値は、約7以上(例えば、約7.5以上、約8以上、約8.5以上、約9以上、約9.5以上、約10以上、約10.5以上、約11以上、約11.5以上、又は約12以上)~約14以下(例えば、約13.5以下、約13以下、約12.5以下、約12以下、約11.5以下、約11以下、約10.5以下、約10以下、約9.5以下、又は約9以下)の範囲であることができる。理論に拘束されることを望むものではないが、7未満のpHを有する研磨組成物は、銅の除去速度及び腐食を著しく増加させることになり、14超のpHを有する研磨組成物は、懸濁した研磨剤の安定性に影響するおそれがあり、粗さを著しく増加させ、そのような組成物により研磨された膜の全体的品質を低下させることになると考えられる。所望のpHを得るために、本開示に記載の研磨組成物における成分の相対濃度を調整することができる。
【0022】
1つ又は複数の実施形態では、本開示に記載の研磨組成物は、少なくとも1種(例えば、2種又は3種)のバリア膜除去速度上昇剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、前記少なくとも1種のバリア膜除去速度上昇剤は、有機酸(例えば、カルボン酸、アミノ酸、スルホン酸、若しくはホスホン酸)又はその塩である。いくつかの実施形態では、バリア膜除去速度上昇剤は、グルコン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸、マロン酸、ギ酸、シュウ酸、酢酸、プロピオン酸、過酢酸、コハク酸、乳酸、アミノ酢酸、フェノキシ酢酸、ビシン、ジグリコール酸、グリセリン酸、トリシン、アラニン、ヒスチジン、バリン、フェニルアラニン、プロリン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、チロシン、安息香酸、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される酸又その塩であることができる。理論に拘束されることを望むものではないが、(例えば上記のような)有機酸又はその塩は、半導体基板中のバリア膜(例えば、Ta膜又はTaN膜)の除去速度を向上させるために、本開示に記載の研磨組成物における効果的なバリア膜除去速度上昇剤として用いることができると考えられる。
【0023】
いくつかの実施形態では、バリア膜速度除去速度上昇剤は、本開示に記載の研磨組成物に対して約0.002重量%以上(例えば、約0.005重量%以上、約0.01重量%以上、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、約0.15重量%以上、約0.2重量%以上、約0.5重量%以上、約1重量%以上、約1.5重量%以上、又は約2重量%以上)~約4重量%以下(例えば、約3.5重量%以下、約3重量%以下、約2.5重量%以下、約2重量%以下、約1.5重量%以下、又は約1重量%以下)の量である。
【0024】
1つ又は複数の実施形態では、本開示に記載の研磨組成物は、少なくとも1種(例えば、2種又は3種)のlow-k除去速度抑制剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、前記少なくとも1種のlow-k除去速度抑制剤は、非イオン性界面活性剤である。1つ又は複数の実施形態では、非イオン性界面活性剤は、アルコールアルコキシレート、アルキルフェノールアルコキシレート、トリスチリルフェノールアルコキシレート、ソルビタンエステルアルコキシレート、ポリアルコキシレート、ポリアルキレンオキサイドブロックコポリマー、テトラヒドロキシオリゴマー、アルコキシル化ジアミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。1つ又は複数の実施形態では、非イオン性界面活性剤は、約500g/mol以上、又は約1000g/mol以上、又は約2500g/mol以上、又は約5000g/mol以上、又は約7500g/mol以上、又は約10000g/mol以上の数平均分子量を有するポリマーである。1つ又は複数の実施形態では、非イオン性界面活性剤は、約1000000g/mol以下、又は約750000g/mol以下、又は約500000g/mol以下、又は約250000g/mol以下、又は約100000g/mol以下の数平均分子量を有するポリマーである。1つ又は複数の実施形態では、アルコキシル化非イオン性界面活性剤のアルコキシレート基は、エトキシレート基、プロポキシレート基、又はエトキシレート基とプロポキシレート基との組み合わせである。理論に拘束されることを望むものではないが、(例えば上記のような)非イオン性界面活性剤が、半導体基板中のlow-k膜(例えば、カーボンドープケイ素酸化物膜)の除去速度を減少又は最小化するために、本開示に記載の研磨組成物におけるlow-k除去速度抑制剤として用いられることができることは驚くべきことである。
【0025】
いくつかの実施形態では、low-k除去速度抑制剤は、本開示に記載の研磨組成物に対し約0.0005重量%以上(例えば、約0.001重量%以上、約0.005重量%以上、約0.01重量%以上、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、約0.15重量%以上、約0.2重量%以上、約0.5重量%以上、約1重量%以上、約1.5重量%以上、約2重量%以上、又は約3重量%以上)~約5重量%以下(例えば、約4.5重量%以下、約4重量%以下、約3.5重量%以下、約3重量%以下、約2.5重量%以下、約2重量%以下、約1.5重量%以下、約1重量%以下、約0.5重量%以下、約0.1重量%以下、約0.05重量%以下、約0.01重量%以下、約0.005重量%以下)の量である。
【0026】
1つ又は複数の実施形態では、本開示に記載の研磨組成物は、少なくとも1種(例えば、2種又は3種)のアゾール含有防食剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、前記少なくとも1種のアゾール含有防食剤は、置換若しくは無置換のトリアゾール(例えば1,2,4-トリアゾール)、置換若しくは無置換のテトラゾール、置換若しくは無置換のベンゾトリアゾール、置換若しくは無置換のピラゾール、及び置換若しくは無置換のイミダゾールからなる群から選択される。1つ又は複数の実施形態では、前記アゾール含有防食剤は、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、エチルベンゾトリアゾール(例えば、1-メチルベンゾトリアゾール、4-メチルベンゾトリアゾール、及び5-メチルベンゾトリアゾール)、エチルベンゾトリアゾール(例えば1-エチルベンゾトリアゾール)、プロピルベンゾトリアゾール(例えば1-プロピルベンゾトリアゾール)、ブチルベンゾトリアゾール(例えば1-ブチルベンゾトリアゾール及び5-ブチルベンゾトリアゾール)、ペンチルベンゾトリアゾール(例えば1-ペンチルベンゾトリアゾール)、ヘキシルベンゾトリアゾール(例えば1-ヘキシルベンゾトリアゾール及び5-ヘキシルベンゾトリアゾール)、ジメチルベンゾトリアゾール(例えば5,6-ジメチルベンゾトリアゾール)、クロロベンゾトリアゾール(例えば5-クロロベンゾトリアゾール)、ジクロロベンゾトリアゾール(例えば5,6-ジクロロベンゾトリアゾール)、クロロメチルベンゾトリアゾール(例えば1-(クロロメチル)-1-H-ベンゾトリアゾール)、クロロエチルベンゾトリアゾール、フェニルベンゾトリアゾール、ベンジルベンゾトリアゾール、アミノトリアゾール、アミノベンズイミダゾール、アミノテトラゾール、及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。理論に拘束されることを望むものではないが、(例えば上記のような)アゾール含有防食剤は、半導体基板中の銅の除去速度を著しく減少又は最小化することができると考えられる。
【0027】
いくつかの実施形態では、前記アゾール含有防食剤は、本開示に記載の研磨組成物に対して約0.0001重量%以上(例えば、約0.0002重量%以上、約0.0005重量%以上、約0.001重量%以上、約0.002重量%以上、約0.005重量%以上、約0.01重量%以上、約0.02重量%以上、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、約0.2重量%以上、又は約0.5重量%以上)~約1重量%以下(例えば、約0.8重量%以下、約0.6重量%以下、約0.5重量%以下、約0.4重量%以下、約0.2重量%以下、約0.1重量%以下、約0.05重量%以下、約0.02重量%以下、約0.01重量%以下、又は約0.005重量%以下)の量である。
【0028】
1つ又は複数の実施形態では、本開示に記載の研磨組成物は、少なくとも1種(例えば、2種又は3種)のハードマスク除去速度上昇剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、前記少なくとも1種のハードマスク除去速度上昇剤は、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム、硫酸鉄(III)アンモニウム、硝酸鉄、エチレンジアミン四酢酸鉄(III)ナトリウム塩、臭化鉄(II)、臭化鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、クエン酸鉄(III)、フッ化鉄(II)、フッ化鉄(III)、シュウ酸鉄(II)、過塩素酸鉄(II)、リン酸鉄(III)、硫酸鉄(II)、シアン化カリウム、チオシアン酸カリウム、チオ尿素、テトラフルオロケイ酸カリウム、ヘキサフルオロリン酸カリウム、テトラフルオロホウ酸カリウム、フッ化水素酸、フッ化物塩、塩素酸(HClO)、塩化物塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ハードマスク除去速度上昇剤は、鉄含有塩であることができる。1つ又は複数の実施形態では、ハードマスク除去速度上昇剤は、鉄塩とシアン化物塩との反応生成物である化合物であり得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、ハードマスク除去速度上昇剤は、組成物に対して約0.0001重量%~約5重量%の量である。1つ又は複数の実施形態では、ハードマスク除去速度上昇剤は、本開示に記載の研磨組成物に対して約0.0001重量%以上(例えば、約0.0002重量%以上、約0.0005重量%以上、約0.001重量%以上、約0.002重量%以上、約0.005重量%以上、約0.01重量%以上、約0.02重量%以上、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、約0.2重量%以上、又は約0.5重量%以上)~約5重量%以下(例えば、約4重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、約1重量%以下、約0.8重量%以下、約0.6重量%以下、約0.5重量%以下、約0.4重量%以下、約0.2重量%以下、約0.1重量%以下、約0.05重量%以下、約0.02重量%以下、約0.01重量%以下、又は約0.005重量%以下)である。
【0030】
1つ又は複数の実施形態では、本開示に記載の研磨組成物は、少なくとも1種(例えば、2種又は3種)の任意のキレート剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、前記少なくとも1種の任意のキレート剤は、アミノ含有カルボン酸(例えば、ポリアミノポリカルボン酸)又はホスホン酸であることができる。いくつかの実施形態では、キレート剤は、エチレンジアミンテトラ酢酸、イミノジ酢酸、N-ヒドロキシエチル-エチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸、ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、ニトリロトリメチルホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、1-ヒドロキシルエチリデン-1,1-ジホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。理論に拘束されることを望むものではないが、本開示に記載の研磨組成物にキレート剤(例えば上記のもの)を含むことで、半導体基板上で観察される欠陥(例えば、銅ウエハーの表面における欠陥)を著しく減少又は最小化できると考えられる。
【0031】
いくつかの実施形態では、キレート剤は、本開示に記載の研磨組成物に対して約0.001重量%以上(例えば、約0.002重量%以上、約0.005重量%以上、約0.01重量%以上、約0.02重量%以上、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、約0.2重量%以上、又は約0.5重量%以上)~約1重量%以下(例えば、約0.8重量%以下、約0.6重量%以下、約0.5重量%以下、約0.4重量%以下、約0.2重量%以下、約0.1重量%以下、約0.05重量%以下、約0.02重量%以下、約0.01重量%以下、又は約0.005重量%以下)の量である。
【0032】
任意の酸化剤は、濃縮スラリーを希釈してPOUスラリーを形成する際に添加することができる。酸化剤は、過酸化水素、過ヨウ素酸(例えば、オルト過ヨウ素酸又はメタ過ヨウ素酸)、ジ過ヨウ素酸(例えば、ジメソ過ヨウ素酸又はジオルト過ヨウ素酸)、過ヨウ素酸アンモニウム、過ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、ヨウ素酸、ヨウ素酸塩、過塩素酸、過塩素酸塩、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミン塩、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択することができる。1つ又は複数の実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸(例えば、オルト過ヨウ素酸又はメタ過ヨウ素酸)であることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、酸化剤は、本開示に記載の研磨組成物に対して約0.001重量%以上(例えば、約0.002重量%以上、約0.005重量%以上、約0.01重量%以上、約0.02重量%以上、約0.04重量%以上、約0.05重量%以上、約0.075重量%以上、約0.1重量%以上、約0.25重量%以上、約0.5重量%以上、約0.75重量%以上、約1重量%以上、約1.25重量%以上、約1.5重量%以上、又は約2重量%以上)~約5重量%以下(例えば、約4.5重量%以下、約4重量%以下、約3.5重量%以下、約3重量%以下、約2.5重量%以下、約2重量%以下、約1.5重量%以下、約1重量%以下、約0.5重量%以下、又は約0.1重量%以下)の量である。いくつかの実施形態では、理論に拘束されることを望むものではないが、酸化剤は、ルテニウム含有基板におけるルテニウムの除去を助けることができると考えられる。
【0034】
いくつかの実施形態では、本開示に記載の研磨組成物は、水などの溶媒(例えば、一次(primary)溶媒)を含むことができる。いくつかの実施形態では、溶媒(例えば水)は、本開示に記載の研磨組成物に対して約20重量%以上(例えば、約25重量%以上、約30重量%以上、約35重量%以上、約40重量%以上、約45重量%以上、約50重量%以上、約55重量%以上、約60重量%以上、約65重量%以上、約70重量%以上、約75重量%以上、約80重量%以上、約85重量%以上、約90重量%以上、約92重量%以上、約94重量%以上、約95重量%以上、又は約97重量%以上)~約99重量%以下(例えば、約98重量%以下、約96重量%以下、約94重量%以下、約92重量%以下、約90重量%以下、約85重量%以下、約80重量%以下、約75重量%以下、約70重量%以下、又は約65重量%以下)の量である。
【0035】
1つ又は複数の実施形態では、本開示の研磨組成物(例えば、POU又は濃縮研磨組成物)において任意の二次(secondary)溶媒(例えば有機溶媒)を用いることができ、これにより、アゾール含有防食剤の溶解を助けることができる。1つ又は複数の実施形態では、二次溶媒は、1種又は複数種のアルコール、アルキレングリコール、又はアルキレングリコールエーテルであることができる。1つ又は複数の実施形態では、二次溶媒は、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、n-ブタノール、プロピレングリコール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、プロピレングリコールプロピルエーテル、ジメチルスルホキシド、及びエチレングリコールからなる群から選択される1種又は複数種の溶媒を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、二次溶媒は、本開示に記載の研磨組成物に対して約0.0025重量%以上(例えば、約0.005重量%以上、約0.01重量%以上、約0.02重量%以上、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、約0.2重量%以上、約0.4重量%以上、約0.6重量%以上、約0.8重量%以上、又は約1重量%以上)~約5重量%以下(例えば、約4重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、約1重量%以下、約0.8重量%以下、約0.6重量%以下、約0.5重量%以下、又は約0.1重量%以下)の量である。
【0037】
1つ又は複数の実施形態では、本開示に記載の研磨組成物は、例えば、有機溶媒、pH調整剤、第四級アンモニウム化合物(例えば、塩若しくは水酸化物)、アミン、アルカリ塩基(例えばアルカリ水酸化物)、フッ素含有化合物、シラン(例えばアルコキシシラン)などのケイ素含有化合物、イミン(例えば、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)及び1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)などのアミジン)、塩(例えば、ハロゲン化物塩若しくは金属塩)、ポリマー(例えば、カチオン性ポリマー若しくはアニオン性ポリマー)、界面活性剤(例えば、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、若しくは非イオン性界面活性剤)、可塑剤、酸化剤(例えばH)、防食剤(例えば、アゾール防食剤若しくは非アゾール防食剤)、及び/又は特定の研磨剤(例えば、セリア研磨剤、非イオン性研磨剤、表面改質された研磨剤、若しくは負帯電/正帯電の研磨剤)などの、1種又は複数種の特定の成分を実質的に含まないものであることができる。研磨組成物から排除できるハロゲン化物塩は、ハロゲン化アルカリ金属(例えば、ハロゲン化ナトリウム若しくはハロゲン化カリウム)又はハロゲン化アンモニウム(例えば、塩化アンモニウム)を含み、塩化物、臭化物、又はヨウ化物であり得る。本開示で用いられるように、研磨組成物に「実質的に含まれない」成分は、研磨組成物に意図的に添加されることがない成分を指す。いくつかの実施形態では、本開示に記載の研磨組成物は、研磨組成物に実質的に含まれない上記成分の1種又は複数種を約1000ppm以下(例えば、約500ppm以下、約250ppm以下、約100ppm以下、約50ppm以下、約10ppm以下、又は約1ppm以下)有し得る。いくつかの実施形態では、本開示に記載の研磨組成物は、上記成分の1種又は複数種を完全に含まなくてもよい。
【0038】
1つ又は複数の実施形態では、本開示に記載の研磨組成物は、ハードマスク除去速度のケイ素酸化物(例えばTEOS)除去速度に対する選択性(又は比)が約0.25:1の比以上(例えば、約0.5:1の比以上、約0.75:1の比以上、約1:1の比以上、約1.25:1の比以上、約1.5:1の比以上、約1.75:1の比以上、約2:1の比以上、約2.25:1の比以上、約2.5:1の比以上、約2.75:1の比以上、約3:1の比以上、約3.25:1の比以上、約3.5:1の比以上、若しくは約4:1の比以上)又は約100:1の比以下(例えば、約50:1の比以下、若しくは約10:1の比以下)であることができる。1つ又は複数の実施形態では、本開示に記載の研磨組成物は、ケイ素酸化物に対してハードマスクを選択的に除去することができる(例えば、ケイ素酸化物除去速度よりも高いハードマスク除去速度を有する)。本開示に記載の用語「ケイ素酸化物」は、非ドープ型ケイ素酸化物及びドープ型ケイ素酸化物の両方を含むことを明示的に意図するものである。例えば、1つ又は複数の実施形態では、ケイ素酸化物は、炭素、窒素、酸素、水素、及びケイ素酸化物のための他の任意の公知ドーパントから選択される少なくとも1種のドーパントでドープされていてもよい。ケイ素酸化物膜の種類のいくつかの例としては、TEOS(オルトケイ酸テトラエチル)、SiOC、SiOCN、SiOCH、SiOH、及びSiONが挙げられる。
【0039】
本開示は、上記の研磨組成物(例えば、濃縮物又はPOUスラリー)のうち任意のものを用いる方法も想定している。濃縮物については、前記方法は、前記濃縮物を(例えば、2倍以上に)希釈してPOUスラリーを形成する工程、並びに、その後ルテニウム及びハードマスク材料を少なくとも部分的に含む表面を前記POUスラリーと接触させる工程を含むことができる。いくつかの実施形態では、前記希釈の前、後、又は最中に、前記スラリーに酸化剤を添加することができる。POUスラリーについては、前記方法は、ルテニウム及びハードマスク材料を少なくとも部分的に含む表面を前記スラリーと接触させる工程を含む。
【0040】
1つ又は複数の実施形態では、本開示は、自らの表面に少なくともルテニウム及びハードマスク材料を有する基板(例えばウエハー)に本開示に係る研磨組成物を付与すること;並びに前記基板の前記表面にパッドを接触させ、前記基板に対して前記パッドを動かすことを含むことができる研磨方法を特徴とする。いくつかの実施形態では、基板が少なくとも1種又は複数種のケイ素酸化物、ルテニウム、ハードマスク材料、及び/又はバリア材料(例えば、Ta、TaN)を含む場合、前記方法は、著しい腐食(例えば、銅腐食)又は望ましくない除去速度選択性を伴うことなく、前記基板を効果的に研磨すること(例えば、ケイ素酸化物、ルテニウム、銅、ハードマスク材料、及び/又はバリア材料の少なくとも一部を除去すること)ができる。1つ又は複数の実施形態では、銅除去速度は、約100Å/分未満、又は約90Å/分未満、又は約80Å/分未満、又は約70Å/分未満、又は約60Å/分未満、又は約50Å/分未満である。1つ又は複数の実施形態では、本開示に係る研磨組成物でインキュベートされた銅試験片の静的エッチング速度(static etch rate:SER)は、約2.5Å/分未満である。1つ又は複数の実施形態では、ハードマスク除去速度は、約50Å/分以上、又は約75Å/分以上、又は約100Å/分以上、又は約125Å/分以上、又は約150Å/分以上、又は約200Å/分以上である。1つ又は複数の実施形態では、ルテニウム研磨速度の銅研磨速度に対する比(Ru:Cu)は、約5:1の比以下、又は約4:1の比以下、又は約3:1の比以下、又は約2:1の比以下、又は約1:1の比以下である。
【0041】
いくつかの実施形態では、本開示に記載の研磨組成物を用いる前記方法は、1つ又は複数の工程によって前記研磨組成物で処理された基板から半導体デバイスを製造することをさらに含むことができる。例えば、フォトリソグラフィー、イオン注入、ドライ/ウェットエッチング、プラズマエッチング、堆積(例えば、PVD、CVD、ALD、ECD)、ウエハーマウント、ダイカット、パッケージング、及び検査(testing)を、本開示に記載の研磨組成物で処理された基板から半導体デバイスを製造するのに用いることができる。
【0042】
以下の具体例は、単に例示的なものとして解釈されるものであり、本開示の残りの部分をいかなる形でも限定するものではない。さらなる詳細を述べなくとも、当業者は、本開示の記載に基づいて、本発明を最大限に利用することができると考えられる。
【実施例
【0043】
これらの実施例では、2つの研磨システムで研磨を行った。1つ目の研磨システムは、荏原CMP研磨機、富士紡ソフトパッド、105hPaのダウンフォース圧、及び100mL/分~500mL/分のスラリー流速を用いて、300mmウエハーに対して研磨を行った。2つ目の研磨システムは、AMAT Mirra CMP研磨機、富士紡ソフトパッド、1.5psiのダウンフォース圧、及び100mL/分~400mL/分のスラリー流速を用いて、200mmウエハーに対して研磨を行った。
【0044】
以下の実施例で用いられた一般的な組成物を以下の表1に示す。試験した組成物の差異に関する具体的詳細は、それぞれの実施例について説明する際にさらに詳細に説明する。
【0045】
【表1】
【0046】
実施例1
以下の表2は、組成物1~4を用いて研磨した場合の、TEOS、タングステンドープ炭化物ハードマスク(HM)、Ru、及びCuブランケットウエハーの除去速度を示す。組成物1~4は、以下に示す差異及び表2に示す差異を除いて、同じ濃度で同じ成分を含んでいた。
【0047】
組成物1は、Cu除去速度抑制剤(Cu RRI-1)を含み、これはアゾール含有防食剤であった。組成物2~3のそれぞれは、表2に示すように、同じ濃度でハードマスク除去速度上昇剤(HM RRE)及び異なる濃度で研磨剤を含んでいた。組成物4は、HM RRE 及びCu RRI-1の両方を含んでいた。
【0048】
結果は、驚くべきことに、HM RREの添加が、Ru除去速度を維持しながら、HM除去速度を増加させたことを示した。さらに、HMのTEOS除去速度に対する選択性は、使用する研磨剤の量を減少させることによってHMの除去を促進するように調整された。
【0049】
【表2】
【0050】
実施例2
以下の表3は、示された組成物で研磨した後のCuブランケットウエハー上の粗さの測定を示す。Ra、Rq、及びRzは、それぞれ、粗さ平均、二乗平均平方根粗さ(root mean square roughness)、及びプロファイルの平均最大高さを表す。
【0051】
組成物5~7は、以下に示す差異及び表3に示す差異を除いて、同じ濃度で同じ成分を含んでいた。組成物5は、アゾール含有防食剤(すなわち、Cu RRI)を1種のみ含んでいた。組成物6及び7は、アゾール含有防食剤を2種(すなわち、Cu RRI-1及びCu RRI-2)含んでいた。
【0052】
2種の別個のアゾール含有化合物(Cu RRI-1及びCu RRI-2)の組み合わせは、研磨後に観察されるCu粗さを減少させた。
【0053】
【表3】
【0054】
以上ではわずかな数の例示的実施形態について詳細に説明してきたが、当業者は、本発明から実質的に逸脱することなく、前記例示的実施形態において多くの改変が可能であることを容易に理解するであろう。したがって、それらの改変の全ては、以下の特許請求の範囲に規定されるように、本開示の範囲に含まれることが意図されている。
[1]
研磨剤;
pH調整剤;
バリア膜除去速度上昇剤;
low-k除去速度抑制剤;
アゾール含有防食剤;及び
ハードマスク除去速度上昇剤
を含む、研磨組成物。
[2]
前記研磨剤が、アルミナ;シリカ;チタニア;セリア;ジルコニア;アルミナ、シリカ、チタニア、セリア、又はジルコニアの共形成生成物(co-formed product);被覆された研磨剤;表面改質された研磨剤;及びそれらの混合物からなる群から選択される、[1]に記載の研磨組成物。
[3]
前記研磨剤が、前記組成物の約0.1重量%~約50重量%の量である、[1]に記載の研磨組成物。
[4]
前記バリア膜除去速度上昇剤が、グルコン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸、マロン酸、ギ酸、シュウ酸、酢酸、プロピオン酸、過酢酸、コハク酸、乳酸、酢酸カリウム、クエン酸カリウム、アミノ酢酸、フェノキシ酢酸、ビシン、ジグリコール酸、グリセリン酸、トリシン、アラニン、ヒスチジン、バリン、フェニルアラニン、プロリン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、チロシン、安息香酸、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される有機酸又はその塩である、[1]に記載の研磨組成物。
[5]
前記バリア膜除去速度上昇剤が、前記組成物の約0.002重量%~約4重量%の量である、[1]に記載の研磨組成物。
[6]
前記low-k除去速度抑制剤が、非イオン性界面活性剤である、[1]に記載の研磨組成物。
[7]
前記非イオン性界面活性剤が、アルコールアルコキシレート、アルキルフェノールアルコキシレート、トリスチリルフェノールアルコキシレート、ソルビタンエステルアルコキシレート、ポリアルコキシレート、ポリアルキレンオキサイドブロックコポリマー、テトラヒドロキシオリゴマー、アルコキシル化ジアミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される、[6]に記載の研磨組成物。
[8]
前記low-k除去速度抑制剤が、前記組成物の約0.0005重量%~約5重量%の量である、[1]に記載の研磨組成物。
[9]
前記アゾール含有防食剤が、トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、エチルベンゾトリアゾール、プロピルベンゾトリアゾール、ブチルベンゾトリアゾール、ペンチルベンゾトリアゾール、ヘキシルベンゾトリアゾール、ジメチルベンゾトリアゾール、クロロベンゾトリアゾール、ジクロロベンゾトリアゾール、クロロメチルベンゾトリアゾール、クロロエチルベンゾトリアゾール、フェニルベンゾトリアゾール、ベンジルベンゾトリアゾール、アミノトリアゾール、アミノベンズイミダゾール、ピラゾール、イミダゾール、アミノテトラゾール、及びそれらの混合物からなる群から選択される、[1]に記載の研磨組成物。
[10]
前記アゾール含有防食剤が、前記組成物の約0.0001重量%~約1重量%の量である、[1]に記載の研磨組成物。
[11]
前記pH調整剤が、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミンテトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルジプロピルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、トリス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、[1]に記載の研磨組成物。
[12]
前記pH調整剤が、前記組成物の約0.01重量%~約10重量%の量である、[1]に記載の研磨組成物。
[13]
前記ハードマスク除去速度上昇剤が、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム、硫酸鉄(III)アンモニウム、硝酸鉄、エチレンジアミン四酢酸鉄(III)ナトリウム塩、臭化鉄(II)、臭化鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、クエン酸鉄(III)、フッ化鉄(II)、フッ化鉄(III)、シュウ酸鉄(II)、過塩素酸鉄(II)、リン酸鉄(III)、硫酸鉄(II)、チオシアン酸カリウム、チオ尿素、テトラフルオロケイ酸カリウム、ヘキサフルオロリン酸カリウム、テトラフルオロホウ酸カリウム、フッ化水素酸、フッ化物塩、塩素酸、塩化物塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される、[1]に記載の研磨組成物。
[14]
前記ハードマスク除去速度上昇剤が、前記組成物の約0.0001重量%~約5重量%の量である、[1]に記載の研磨組成物。
[15]
エチレンジアミンテトラ酢酸、イミノジ酢酸、N-ヒドロキシエチル-エチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸、ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、ニトリロトリメチルホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、1-ヒドロキシルエチリデン-1,1-ジホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるキレート剤をさらに含む、[1]に記載の研磨組成物。
[16]
前記キレート剤が、前記組成物の約0.001重量%~約1重量%の量である、[15]に記載の研磨組成物。
[17]
過酸化水素、オルト過ヨウ素酸、メタ過ヨウ素酸、ジメソ過ヨウ素酸、ジオルト過ヨウ素酸、過ヨウ素酸アンモニウム、過ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、ヨウ素酸、ヨウ素酸塩、過塩素酸、過塩素酸塩、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミン塩、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される酸化剤をさらに含む、[1]に記載の研磨組成物。
[18]
前記組成物が、
前記組成物の約0.1重量%~約50重量%の量の前記研磨剤;
前記組成物の約0.01重量%~約10重量%の量の前記pH調整剤;
前記組成物の約0.002重量%~約4重量%の量の前記バリア膜除去速度上昇剤;
前記組成物の約0.0005重量%~約5重量%の量の前記low-k除去速度抑制剤;
前記組成物の約0.0001重量%~約1重量%の量の前記アゾール含有防食剤;及び
前記組成物の約0.0001重量%~約5重量%の量の前記ハードマスク除去速度上昇剤
を含む、[1]に記載の研磨組成物。
[19]
前記組成物のpHが、約7~約14である、[1]に記載の研磨組成物。
[20]
研磨剤;
pH調整剤;
有機酸又はその塩;
非イオン性界面活性剤;
アゾール含有防食剤;及び
鉄含有塩
を含む、研磨組成物。
[21]
[1]に記載の研磨組成物を基板の表面に付与する工程、ここで、前記表面はルテニウム又はハードマスク材料を含む;及び
前記基板の前記表面にパッドを接触させ、前記基板に対して前記パッドを動かす工程、
を含む、基板を研磨する方法。