(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-15
(45)【発行日】2025-05-23
(54)【発明の名称】不織布廃棄布の回収利用システム及びその回収利用方法
(51)【国際特許分類】
D04H 1/736 20120101AFI20250516BHJP
B07B 7/08 20060101ALI20250516BHJP
B01F 23/60 20220101ALI20250516BHJP
B01F 27/191 20220101ALI20250516BHJP
B01F 27/2322 20220101ALI20250516BHJP
B01F 27/213 20220101ALI20250516BHJP
B01F 27/80 20220101ALI20250516BHJP
B01F 35/75 20220101ALI20250516BHJP
B01F 35/21 20220101ALI20250516BHJP
【FI】
D04H1/736
B07B7/08
B01F23/60
B01F27/191
B01F27/2322
B01F27/213
B01F27/80
B01F35/75
B01F35/21
(21)【出願番号】P 2023514834
(86)(22)【出願日】2022-12-16
(86)【国際出願番号】 CN2022139431
(87)【国際公開番号】W WO2024098511
(87)【国際公開日】2024-05-16
【審査請求日】2023-02-28
(31)【優先権主張番号】202211388078.6
(32)【優先日】2022-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523073699
【氏名又は名称】山東希瑞新材料有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【氏名又は名称】名塚 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154184
【氏名又は名称】生富 成一
(74)【代理人】
【識別番号】100187377
【氏名又は名称】芳野 理之
(72)【発明者】
【氏名】劉徳銘
(72)【発明者】
【氏名】鄒萌萌
(72)【発明者】
【氏名】周朝鋼
【審査官】緒形 友美
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-155584(JP,A)
【文献】特開2009-191375(JP,A)
【文献】特開昭49-031909(JP,A)
【文献】特開平08-127998(JP,A)
【文献】国際公開第96/006222(WO,A1)
【文献】特開2003-301360(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108823693(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109881367(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107794602(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第1424450(CN,A)
【文献】中国実用新案第212975389(CN,U)
【文献】中国実用新案第215251391(CN,U)
【文献】特開平11-333437(JP,A)
【文献】特開平10-310962(JP,A)
【文献】中国実用新案第202464842(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第104815835(CN,A)
【文献】中国実用新案第214088901(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04H 1/00 - 18/04
B07B 1/00 - 15/00
B01F 21/00 - 25/90
B01F 27/00 - 27/96
B01F 35/00 - 35/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布廃棄布の回収利用システムであって、廃棄布を破砕して繊維に解繊するための処理ユニット、繊維分配装置及びコンベアベルトを含み、前記繊維分配装置は受けボックス及び撹拌器を含み、前記受けボックスの最上部は前記処理ユニットの繊維排出口と連通し、前記受けボックスの底部に分散繊維排出口が設置され、前記分散繊維排出口に複数列の前記撹拌器が均一に設置され、前記コンベアベルトの一端は前記分散繊維排出口の下方に位置し、他端は不織布製造システムの木材パルプパイプと連通し、前記分散繊維排出口の幅、前記コンベアベルトの幅は前記木材パルプパイプの幅と同じであり、同じ列の前記撹拌器の配列方向は前記コンベアベルトの搬送方向と同じであり、隣接する列の前記撹拌器の回転方向は逆であることを特徴とする不織布廃棄布の回収利用システム。
【請求項2】
前記コンベアベルトはメッシュカーテン形状であり、かつ前記コンベアベルトのメッシュ直径は繊維の最小直径未満であり、前記コンベアベルトの下方に吸気器が設置され、前記吸気器の吸気口は前記コンベアベルトに対応して設置されることを特徴とする請求項1に記載の不織布廃棄布の回収利用システム。
【請求項3】
前記撹拌器は、回転軸及び複数の羽根を含み、複数の前記羽根は前記回転軸に上下にずれて設置されることを特徴とする請求項1に記載の不織布廃棄布の回収利用システム。
【請求項4】
前記受けボックス内に複数本の支持ロッドが設置され、前記支持ロッドの前記回転軸に対応する位置にモータが接続され、前記モータの出力端は回転軸に伝動接続されることを特徴とする請求項3に記載の不織布廃棄布の回収利用システム。
【請求項5】
前記受けボックス内にボックス内の繊維の貯蔵高さを検出するための高さセンサが設置され、前記高さセンサは前記撹拌器より高いことを特徴とする請求項1に記載の不織布廃棄布の回収利用システム。
【請求項6】
前記受けボックスの底部はベルマウス構造であり、かつ前記ベルマウス構造の小径端は前記分散繊維排出口であることを特徴とする請求項5に記載の不織布廃棄布の回収利用システム。
【請求項7】
前記処理ユニットは、順次接続された、裁断又は供給された不織布を受けるための供給機構、廃棄布を粉砕する粉砕機、廃棄布を搬送する供給機、繊維及び小粒子不純物を分離するための分離装置及び解繊機を含み、前記解繊機の繊維排出口は前記受けボックスと連通し、前記供給機構と前記粉砕機との間、前記粉砕機と前記供給機との間、前記供給機と前記分離装置との間にいずれも遠心ファンが設置されることを特徴とする請求項1に記載の不織布廃棄布の回収利用システム。
【請求項8】
前記分離装置はサイクロン分離器であり、又は前記分離装置は分離ボックス、吸気パイプ、ファン及び不純物貯蔵ボックスを含み、前記分離ボックスは前記供給機と連通し、前記分離ボックスに吸気パイプが設置され、吸気パイプは前記分離ボックスと前記不純物貯蔵ボックスを連通させ、前記ファンは前記吸気パイプ内に設置され、前記吸気パイプの前記分離ボックスに近接する一端に濾過網が設置され、前記濾過網のメッシュ直径は破砕された廃棄布の最小直径未満であることを特徴とする請求項7に記載の不織布廃棄布の回収利用システム。
【請求項9】
前記粉砕機と前記供給機との間に廃棄布の流れ方向を制御するための分流弁が設置され、前記分流弁の供給口は前記粉砕機の排出口と連通し、前記分流弁は2つの排出口を有し、2つの前記分流弁の排出口はそれぞれ前記供給機及び廃棄布を一時的に貯蔵するための一時貯蔵ボックスと連通することを特徴とする請求項7に記載の不織布廃棄布の回収利用システム。
【請求項10】
不織布廃棄布の回収利用システムの回収利用方法であって、
不織布廃棄布が供給機構から破砕機に入って破砕された後、破砕された廃棄布が供給機を通って分離装置内に入って不純物を除去し、不純物が除去された廃棄布が解繊機内に入って解繊処理を行うステップS1と、
解繊機から出力された繊維が受けボックス内に入り、複数の撹拌器によって撹拌され、均一に分散され、コンベアベルト上に落下するステップS2と、
繊維がコンベアベルト上で下方の吸気器によって吸引され、コンベアベルトの動きに安定して追従するステップS3と、
繊維が木材パルプパイプに落ち、木材パルプと混合して新しい不織布を生成するステップS4とを含むことを特徴とする不織布廃棄布の回収利用システムの回収利用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄布の回収利用の技術分野に関し、特に不織布廃棄布の回収利用システム及びその回収利用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不織布は紡績や織布を必要とせずに形成された織物であり、紡織短繊維又はフィラメントを配向させて又はランダムに配列して繊維網構造を形成した後、機械的、熱接着又は化学的方法等を用いて補強してなり、不織布はポリマーチップ、短繊維又はフィラメントを直接利用して、様々な繊維網成形方法及び固結技術によって形成された、柔軟で、通気性及び平面構造を有する新規な繊維製品である。
【0003】
不織布の製造プロセスでは、製造された幅広の不織布を裁断する必要があり、裁断により一定量の廃棄布が発生し、不合格の不織布又は生活で廃棄された不織布を回収する必要があり、不織布は多繊維混合噴射複合材料とし、その材料自体は植物短繊維とポリプロピレン繊維を結合した複合材料であり、その廃棄材料の回収は従来のスパンメルト複合布のオンライン回収利用と区別され、植物短繊維とポリプロピレン長繊維を結合した複合材料は、インラインスクリュー溶融により回収利用して添加できず、従来技術における出願番号が「201410840299.1」であり、名称が「繊維板の裁断材の自動回収再生機及び繊維再生方法」である特許(特許文献1)には、繊維製材の回収再生装置を開示しており、それは、破砕器及びサイクロン分離器等の構造による廃棄された繊維製材の回収を実現するが、回収された繊維を直接再利用できず、回収利用効率が低い。
【0004】
したがって、回収利用効率が高く、かつ再利用される完成品の品質がよい不織布廃棄布の回収利用システムが早急に必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】中国特許出願公告第104494009号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術に存在する問題を解決し、撹拌器を利用して受けボックス内の繊維をコンベアベルトの幅方向に沿ってコンベアベルト上に均一に落下させ、コンベアベルトが幅方向に均一な繊維を木材パルプパイプ内に搬送して直接利用し、廃棄布の回収利用効率を向上させ、同時に幅方向に均一に搬送される繊維が木材パルプと混合して形成された完成品の品質の向上に役立つ、不織布廃棄布の回収利用システム及びその回収利用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の解決手段を提供する。本発明は、不織布廃棄布の回収利用システムを提供し、廃棄布を破砕して繊維に解繊するための処理ユニット、繊維分配装置及びコンベアベルトを含み、前記繊維分配装置は受けボックス及び撹拌器を含み、前記受けボックスの最上部は前記処理ユニットの繊維排出口と連通し、前記受けボックスの底部に分散繊維排出口が設置され、前記分散繊維排出口に複数列の前記撹拌器が均一に設置され、前記コンベアベルトの一端は前記分散繊維排出口の下方に位置し、他端は不織布製造システムの木材パルプパイプと連通し、前記分散繊維排出口の幅、前記コンベアベルトの幅は前記木材パルプパイプの幅と同じであり、同じ列の前記撹拌器の配列方向は前記コンベアベルトの搬送方向と同じであり、隣接する列の前記撹拌器の回転方向は逆である。
【0008】
好ましくは、前記コンベアベルトはメッシュカーテン形状であり、かつ前記コンベアベルトのメッシュ直径は繊維の最小直径未満であり、前記コンベアベルトの下方に吸気器が設置され、前記吸気器の吸気口は前記コンベアベルトに対応して設置される。
【0009】
好ましくは、前記撹拌器は、回転軸及び複数の羽根を含み、複数の前記羽根は前記回転軸に上下にずれて設置される。
【0010】
好ましくは、前記受けボックス内に複数本の支持ロッドが設置され、前記支持ロッドの前記回転軸に対応する位置にモータが接続され、前記モータの出力端は回転軸に伝動接続される。
【0011】
好ましくは、前記受けボックス内にボックス内の繊維の貯蔵高さを検出するための高さセンサが設置され、前記高さセンサは前記撹拌器より高い。
【0012】
好ましくは、前記受けボックスの底部はベルマウス構造であり、かつ前記ベルマウス構造の小径端は前記分散繊維排出口である。
【0013】
好ましくは、前記処理ユニットは、順次接続された、裁断又は供給された不織布を受けるための供給機構、廃棄布を粉砕する粉砕機、廃棄布を搬送する供給機、繊維及び小粒子不純物を分離するための分離装置及び解繊機を含み、前記解繊機の繊維排出口は前記受けボックスと連通し、前記供給機構と前記粉砕機との間、前記粉砕機と前記供給機との間、前記供給機と前記分離装置との間にいずれも遠心ファンが設置される。
【0014】
好ましくは、前記分離装置はサイクロン分離器であり、又は前記分離装置は分離ボックス、吸気パイプ、ファン及び不純物貯蔵ボックスを含み、前記分離ボックスは前記供給機と連通し、前記分離ボックスに吸気パイプが設置され、吸気パイプは前記分離ボックスと前記不純物貯蔵ボックスを連通させ、前記ファンは前記吸気パイプ内に設置され、前記吸気パイプの前記分離ボックスに近接する一端に濾過網が設置され、前記濾過網のメッシュ直径は破砕された廃棄布の最小直径未満である。
【0015】
好ましくは、前記粉砕機と前記供給機との間に廃棄布の流れ方向を制御するための分流弁が設置され、前記分流弁の供給口は前記粉砕機の排出口と連通し、前記分流弁は2つの排出口を有し、2つの前記分流弁の排出口はそれぞれ前記供給機及び廃棄布を一時的に貯蔵するための一時貯蔵ボックスと連通する。
【0016】
本発明はさらに、不織布廃棄布の回収利用システムの回収利用方法を提供し、
不織布廃棄布が供給機構から破砕機に入って破砕された後、破砕された廃棄布が供給機を通って分離装置内に入って不純物を除去し、不純物が除去された廃棄布が解繊機内に入って解繊処理を行うステップS1と、
解繊機から出力された繊維が受けボックス内に入り、複数の撹拌器によって撹拌され、均一に分散され、コンベアベルト上に落下するステップS2と、
繊維がコンベアベルト上で下方の吸気器によって吸引され、コンベアベルトの動きに安定して追従するステップS3と、
繊維が木材パルプパイプに落ち、木材パルプと混合して新しい不織布を生成するステップS4とを含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、従来技術に対して以下の技術的効果を取得する。
1、本発明では、処理ユニットの末端で、受けボックスを利用して、回収された繊維を受け、撹拌器及びコンベアベルトを利用して木材パルプパイプに搬送して木材パルプと混合し、繊維の直接利用を実現し、廃棄布の回収利用効率を向上させ、撹拌器が繊維を分散させる過程で、隣接する列の撹拌器の回転方向が逆に設置され、同じ方向に設置される場合、コンベアベルトの幅方向に沿って一側に繊維が多く、他側に繊維が少なくなるという問題を回避し、受けボックス内の繊維をコンベアベルトの幅方向に沿ってコンベアベルト上に均一に落下させ、幅方向に均一に搬送された繊維は方形の木材パルプパイプの流通幅面を均一に被覆でき、木材パルプと混合して形成された完成品の品質の向上に役立つ。
2、本発明では、吸気器を利用してコンベアベルト上の繊維に一定の吸着力を提供し、外部の風力によるコンベアベルトの幅方向に沿った繊維の均一性の破壊を回避し、その後、木材パルプと混合して形成された完成品の品質を保証する。
3、本発明における高さセンサの設置は、実際に使用する時に繊維が受けボックスに入る速度と合わせることができ、受けボックス内の繊維の貯蔵高さが撹拌器より低くないことを保証し、即ち、撹拌領域の上方に繊維が溜まり、さらに各撹拌器が正常に動作できることを保証し、さらにコンベアベルトの幅方向に沿った繊維の均一性を保証する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例で使用する必要のある図面を簡単に説明し、明らかに、以下の説明における図面は本発明の一部の実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【0019】
【
図1】本発明の不織布廃棄布の回収利用システムのフローチャートである。
【
図3】本発明の撹拌器の分布及び回転方向の概略図である。
【
図4】本発明の受けボックス、コンベアベルト及び木材パルプパイプの設置位置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明し、明らかに、説明した実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに取得した全ての他の実施例は、いずれも本発明の技術的範囲に属する。
【0021】
本発明は、従来技術に存在する問題を解決し、撹拌器を利用して受けボックス内の繊維をコンベアベルトの幅方向に沿ってコンベアベルト上に均一に落下させ、コンベアベルトが幅方向に均一な繊維を木材パルプパイプ内に搬送して直接利用し、廃棄布の回収利用効率を向上させ、同時に幅方向に均一に搬送される繊維が木材パルプと混合して形成された完成品の品質の向上に役立つ、不織布廃棄布の回収利用システム及びその回収利用方法を提供することを目的とする。
【0022】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明らかで分かりやすくするために、以下、図面及び具体的な実施形態を参照して、本発明をさらに詳しく説明する。
【0023】
図1~4を参照して、不織布廃棄布の回収利用システムを提供し、処理ユニット、繊維分配装置10及びコンベアベルト11を含み、処理ユニットは廃棄布を破砕して繊維に解繊し、繊維分配装置10は受けボックス13及び撹拌器14を含み、受けボックス13の最上部は処理ユニットの繊維排出口と連通し、受けボックス13の底部に分散繊維排出口15が設置され、分散繊維排出口15に複数列の撹拌器14が均一に設置され、各列には少なくとも1つの撹拌器14を含み、コンベアベルト11の一端は分散繊維排出口15の下方に位置し、他端は不織布製造システムの木材パルプパイプ12と連通し、連通方式は以下のとおりである。木材パルプパイプ12にはその幅方向に沿って設置された矩形の供給口が開設され、供給口の長さは木材パルプパイプ12の幅と同じであり、供給口の外に導流板22を設置して繊維をガイドすることができ、重力を木材パルプ動力源として用いて木材パルプパイプ12を垂直に設置する場合、供給口は木材パルプパイプ12の片側に開設され、導流板22の一端は供給口の下縁に溶接され、他端は傾斜して上向きに設置され、導流板22の両側にバッフル23が設置され、繊維が両側から逃げることを防止し、かつ木材パルプパイプ12の内部の木材パルプが供給口から逃げることを回避し、輸送ポンプを木材パルプ動力源として用いて、さらに木材パルプパイプ12を水平に設置する場合、供給口は木材パルプパイプ12の最上部に開設され、導流板を環状のベルマウス形状に設計することができ、ベルマウス形状の大径端は上向きに設置され、小径端は供給口の形状とマッチングし、供給口の縁に溶接され、繊維を受けて木材パルプパイプ12に導くために用いられる。分散繊維排出口15の幅、コンベアベルト11の幅は木材パルプパイプ12の幅と同じであり、この幅はいずれもコンベアベルト11の幅方向に沿った幅を指し、同じ列の撹拌器14の配列方向はコンベアベルト11の搬送方向と同じであり、隣接する列の撹拌器14回転方向は逆であり、本装置は、処理ユニットの末端で、受けボックス13を利用して、回収された繊維を受け、撹拌器14及びコンベアベルト11を利用して木材パルプパイプ12に搬送して木材パルプと混合し、繊維の直接利用を実現し、廃棄布の回収利用効率を向上させ、撹拌器14が繊維を分散させる過程で、隣接する列の撹拌器14の回転方向が逆に設置され、同じ方向に設置される場合、コンベアベルト11の幅方向に沿って繊維が一側に多く、他側に少なくなるという問題を回避し、受けボックス13内の繊維をコンベアベルト11の幅方向に沿って重力によってコンベアベルト11上に均一に落下させ、幅方向に均一に搬送された繊維が方形の木材パルプパイプ12の流通幅面を均一に被覆でき、木材パルプと混合して形成された完成品の品質の向上に役立つ。
【0024】
繊維落下の均一性をさらに向上させるために、分散繊維排出口15、撹拌器14の下方に振動平面スクリーンを設置することができる。
【0025】
実際の組み立て中に、分散繊維排出口15とコンベアベルト11との間の間隔を減少させることができ、繊維が落下する過程で離散して均一性を破壊することを回避し、分散繊維排出口15とコンベアベルト11との間の間隔は繊維の最大高さよりも大きくすべきである。
【0026】
コンベアベルト11はメッシュカーテン形状であり、かつコンベアベルト11のメッシュ直径は繊維の最小直径未満であり、コンベアベルト11の下方に吸気器16が設置され、吸気器16は通常の吸引ファンであってもよく、吸気器16の吸気口はコンベアベルト11に対応して設置され、吸気器16を利用してコンベアベルト11上の繊維に一定の吸着力を提供し、外部の風力によるコンベアベルト11の幅方向に沿った繊維の均一性の破壊を回避し、その後、木材パルプと混合して形成された完成品の品質を保証する。
【0027】
撹拌器14は回転軸17及び複数の羽根18を含み、複数の羽根18は回転軸17に上下にずれて設置され、撹拌器14の分散面積を増加させ、繊維に対する分散効果を向上させ、さらに繊維が落下した後の均一性を向上させる。
【0028】
撹拌器14の伝動軸の伝動原理は以下のとおりである。受けボックス13内に複数本の支持ロッド19が設置され、支持ロッド19の回転軸17に対応する位置にモータ20が接続され、モータ20の出力端は回転軸17に伝動接続され、支持ロッド19を選択する時、支持を実現する上でその体積を減少させ、繊維の落下に大きな影響を与えることを回避し、支持ロッド19の最上面を、尖った角を上に向けた円錐形に設定することを選択することも可能であり、繊維が支持ロッド19の上表面に溜まることを回避する。
【0029】
受けボックス13内にボックス内の繊維の貯蔵高さを検出するための高さセンサ21が設置され、高さセンサ21は撹拌器14より高く、実際に使用する時に繊維が受けボックス13に入る速度に合わせることができ、受けボックス13内の繊維の貯蔵高さが撹拌器14より低くないことを保証し、即ち、撹拌領域の上方に繊維が溜まり、さらに各撹拌器14が正常に動作できることを保証し、さらにコンベアベルト11の幅方向に沿った繊維の均一性を保証する。
【0030】
受けボックス13の底部はベルマウス構造であり、かつベルマウス構造の小径端は分散繊維排出口15であり、受けボックス13の底部が繊維で十分に満たされやすくなり、さらに撹拌領域の上方に繊維が溜まることを確保する。
【0031】
処理ユニットは、順次接続された供給機構1、粉砕機3、供給機6、分離装置7及び解繊機9を含み、供給機構1は不織布裁断機の端材落下位置に直接設置されてもよく、裁断された不織布を直接受け、また、不合格の不織布又は生活で廃棄された不織布を供給機構1内に入れ、供給機構1は供給ホッパ又はフィーダ等であってもよく、その目的は廃棄布を受けて粉砕機3内に搬送することであり、粉砕機3は廃棄布を粉砕するために用いられ、供給機6は、廃棄布を分離装置7に搬送するために用いられ、分離装置7は、繊維及び小粒子不純物、例えば、廃棄布上の塵及び廃棄布を破砕する際に発生した微粒子等を分離するために用いられ、解繊機9の繊維排出口は受けボックス13と連通し、連通方式は、繊維が受けボックス13に入る速度を制御するためのスクリューコンベアによって搬送されることであり、供給機構1と粉砕機3との間、粉砕機3と供給機6との間、供給機6と分離装置7との間にいずれも、廃棄布の風力搬送を実現するための遠心ファン2が設置され、コンベアベルト11による搬送に比べて、廃棄布が搬送通路内に残る残留量を減少させることができ、また、遠心ファン2は供給機構1に一定の吸引能力を提供し、不織布を吸引して進入させることができる。
【0032】
分離装置7はサイクロン分離器であり、サイクロン分離器を利用して繊維と不純物を直接分離し、又は、分離装置7は分離ボックス、吸気パイプ、ファン及び不純物貯蔵ボックス8を含み、分離ボックスは供給機6と連通し、分離ボックスに吸気パイプが設置され、吸気パイプは分離ボックスと不純物貯蔵ボックス8を連通させ、ファンは吸気パイプ内に設置され、吸気パイプの分離ボックスに近接する一端に濾過網が設置され、濾過網のメッシュ直径は破砕された廃棄布の最小直径未満であり、ファンを利用してより軽い不純物を不純物貯蔵ボックス8に吸い込み、不純物と繊維の分離を完了し、不純物貯蔵ボックス8に排気口が開設され、排気口に濾過網が設置され、濾過網は繊維から分離された不純物を遮断するために用いられる。
【0033】
粉砕機3と供給機6との間に廃棄布の流れ方向を制御するための分流弁4が設置され、分流弁4の供給口は粉砕機3の排出口と連通し、分流弁4は2つの排出口を有し、2つの分流弁4の排出口はそれぞれ供給機6及び廃棄布を一時的に貯蔵するための一時貯蔵ボックス5と連通し、後続の作業機械が故障し又は点検修理を必要とする場合、まず廃棄布を一時貯蔵ボックス5内に貯蔵でき、その後、一時貯蔵ボックス5内の廃棄布を手動で供給機構1に移して投入し続けることができ、具体的には、分流弁4の構造は三方構造に設置でき、排出口である2つの貫通口に開閉弁が設置され、一時貯蔵ボックス5に排気口が開設され、排気口に濾過網が設置され、濾過網は廃棄布を遮断するために用いられる。
【0034】
各装置の間の廃棄布搬送経路に火花を検出し、火災の発生を回避するための金属火花探知・除去装置が設置される。
【0035】
本発明はさらに、不織布廃棄布の回収利用システムの回収利用方法を提供し、
不織布の廃棄布が供給機構1から破砕機に入って破砕された後、破砕された廃棄布が供給機6を通ってサイクロン分離器内に入り、遠心力によって不純物を除去し、又はファンによって不純物を不純物貯蔵ボックス8に吸引して進入させることによって不純物の除去を実現し、不純物が除去された廃棄布が解繊機9内に入って解繊処理を行うステップS1と、
解繊機9から出力された繊維はスクリューコンベアによって速度が制御された後に受けボックス13内に入り、さらに分散繊維排出口15で複数の撹拌器14によって撹拌され、コンベアベルト11の幅方向に沿って均一に分散され、コンベアベルト11上に落下するステップS2と、
繊維がコンベアベルト11上で下方の吸気器16によって吸引され、コンベアベルト11に安定して追従し、コンベアベルト11の末端まで移動するステップS3と、
繊維がコンベアベルト11の末端から木材パルプパイプ12に落ち、木材パルプと混合して新しい不織布を生成するステップS4とを含む。
【0036】
実際のニーズに応じて行われる適応的変更は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0037】
なお、当業者にとって、本発明は上記の例示的な実施例の詳細に限定されるものではなく、本発明の精神又は基本的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で実現され得る。したがって、実施例は、いずれの観点からも例示的かつ非限定的であるとみなされるべきであり、本発明の範囲は、上記の説明ではなくて特許請求の範囲によって限定され、したがって、特許請求の範囲の同等重要書類の意味と範囲にあるすべての変更を本発明に包括させることが意図される。特許請求の範囲におけるいかなる符号の説明も、関連する特許請求の範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【0038】
本発明では、具体的な例を用いて本発明の原理及び実施形態を説明したが、以上の実施例の説明は本発明の方法及びその核心思想を理解するのを助けるためのものに過ぎない。また、当業者にとっては、本発明の思想に基づいて、具体的な実施形態及び応用範囲のいずれも変化できる。要約すると、本明細書の内容は本発明を限定するものとして理解されるべきではない。
【符号の説明】
【0039】
1 供給機構、2 遠心ファン、3 粉砕機、4 分流弁、5 一時保管ボックス、6 供給機、7 分離装置、8 不純物貯蔵ボックス、9 解繊機、10 繊維分配装置、11 コンベアベルト、12 木材パルプパイプ、13 受けボックス、14 撹拌器、15 分散繊維排出口、16 吸気器、17 回転軸、18 羽根、19 支持ロッド、20 モータ、21 高さセンサ、22 導流板、23 バッフル。