(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-15
(45)【発行日】2025-05-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/40 20120101AFI20250516BHJP
【FI】
G06Q20/40
(21)【出願番号】P 2024160170
(22)【出願日】2024-09-17
【審査請求日】2024-09-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 徹
(72)【発明者】
【氏名】辻 恭平
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2024/090352(WO,A1)
【文献】特開2023-122856(JP,A)
【文献】特開2024-037151(JP,A)
【文献】特開2023-083040(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを生成するよう学習された所定の生成AI(Artificial Intelligence)を利用して生成したコンテンツに関連付けられるトークンの発行条件を記憶する記憶部と、
トークンの発行を要求するユーザである要求ユーザを示す要求ユーザ特定情報を含む、トークンの発行を要求するための発行要求情報を受け付ける受付部と、
前記発行条件に基づいて、前記要求ユーザ特定情報により特定した前記要求ユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する判定部と、
前記トークンを発行可能と前記判定部が判定する場合、前記所定の生成AIに複数のコンテンツを生成させる生成部と、
前記複数のコンテンツのうちトークンに関連付けるコンテンツを選択可能に構成された画面を前記要求ユーザの情報端末に表示させる表示制御部と、
前記生成部が生成させた前記複数のコンテンツのうち、前記要求ユーザが選択したコンテンツを関連付けたトークンを、前記ユーザと関連付けてブロックチェーン上に発行させる発行制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
コンテンツを生成するよう学習された所定の生成AIを利用して生成したコンテンツに関連付けられるトークンの発行条件を記憶する記憶部と、
トークンの発行を要求するユーザである要求ユーザを示す要求ユーザ特定情報を含む、トークンの発行を要求するための発行要求情報を受け付ける受付部と、
前記発行条件に基づいて、前記要求ユーザ特定情報により特定した前記要求ユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する判定部と、
前記トークンを発行可能と前記判定部が判定する場合、複数の異なる生成AIそれぞれにコンテンツを生成させる生成部と、
前記複数の生成AIそれぞれが生成したコンテンツのうちトークンに関連付けるコンテンツを選択可能に構成された画面を前記要求ユーザの情報端末に表示させる表示制御部と、
前記複数の生成AIそれぞれが生成したコンテンツのうち、前記要求ユーザが選択したコンテンツを関連付けたトークンを、前記ユーザと関連付けてブロックチェーン上に発行させる発行制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項3】
コンテンツを生成するよう学習された所定の生成AIを利用して生成したコンテンツに関連付けられるトークンの発行条件を記憶する記憶部と、
トークンの発行を要求するユーザである要求ユーザを示す要求ユーザ特定情報を含む、トークンの発行を要求するための発行要求情報を受け付ける受付部と、
前記発行条件に基づいて、前記要求ユーザ特定情報により特定した前記要求ユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する判定部と、
前記トークンを発行可能と前記判定部が判定する場合、前記所定の生成AIにコンテンツを生成させる生成部と、
前記生成部が生成させたコンテンツを関連付けたトークンを、前記ユーザと関連付けてブロックチェーン上に発行させる発行制御部と、
複数の異なる生成AIのうち、前記要求ユーザが利用する生成AIを選択可能に構成された画面を前記要求ユーザの情報端末に表示させる表示制御部と、
前記要求ユーザと、前記要求ユーザが選択した生成AIが生成したコンテンツを関連付けたトークンの発行条件と、を関連付けてユーザ情報として記憶させる利用制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項4】
ユーザ特定情報と、コンテンツを生成するよう学習された所定の生成AIを利用して生成したコンテンツに関連付けられるトークンの発行条件であって、前記ユーザ特定情報が示すユーザについての前記発行条件と、前記ユーザ特定情報が示すユーザが利用することを許可された生成AIを識別するAI識別情報と、を関連付けたユーザ情報を記憶する記憶部と、
トークンの発行を要求するユーザである要求ユーザを示す要求ユーザ特定情報と、前記要求ユーザが利用する生成AIのAI識別情報と、を含む、トークンの発行を要求するための発行要求情報を受け付ける受付部と、
前記発行要求情報に含まれるAI識別情報が、前記ユーザ情報において前記要求ユーザ特定情報に対応するAI識別情報と一致する場合、前記ユーザ情報において前記要求ユーザ特定情報に対応する前記発行条件に基づいて、前記要求ユーザ特定情報により特定した前記要求ユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する判定部と、
前記トークンを発行可能と前記判定部が判定する場合、前記所定の生成AIにコンテンツを生成させる生成部と、
前記生成部が生成させたコンテンツを関連付けたトークンを、前記ユーザと関連付けてブロックチェーン上に発行させる発行制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶部は、ユーザ特定情報と、前記ユーザ特定情報が示すユーザについてのトークンの発行条件とを関連付けたユーザ情報を記憶し、
前記判定部は、前記要求ユーザ特定情報に前記ユーザ情報において関連付けられた発行条件に基づいて、トークンを発行可能か否かを判定する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記発行制御部は、トークンに関連付けられたコンテンツが前記所定の生成AIにより生成されたことを示す情報をさらに関連付けたトークンを発行させる、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記発行制御部は、トークンに関連付けられたコンテンツを生成した生成AIを識別するためのAI識別情報をさらに関連付けたトークンを発行する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記発行条件は、ユーザが所定の対価を支払った場合にトークンを発行可能であることを示し、
前記判定部は、前記要求ユーザから支払われたトークン発行に対しての対価に基づいて、前記要求ユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記判定部は、前記ブロックチェーンにアクセスし、前記要求ユーザ及び前記所定の生成AIを利用して生成したコンテンツに関連付けて発行された他のトークンを前記要求ユーザが保有しているか否かに基づいて、前記要求ユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記ブロックチェーンにアクセスし、前記要求ユーザ及び前記所定の生成AIを利用して生成したコンテンツに関連付けて発行された他のトークンを前記要求ユーザが保有した期間を算定する算定部をさらに有し、
前記判定部は、前記算定部が算定した期間が閾値以上である場合に前記要求ユーザに対してトークンを発行可能と判定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記ブロックチェーンにアクセスし、前記要求ユーザ及び前記所定の生成AIを利用して生成したコンテンツに関連付けてトークンが発行されてから経過した期間を算定する算定部をさらに有し、
前記判定部は、前記算定部が算定した期間が閾値以上である場合に前記要求ユーザに対してトークンを発行可能と判定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記発行条件は、ユーザが所定の属性を有する場合にトークンを発行可能であることを示し、
前記判定部は、前記要求ユーザの属性が前記所定の属性を有するか否かに基づいて、前記要求ユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記記憶部は、ユーザと、生成AIを利用して生成したコンテンツに関連付けられるユーザに発行可能なトークンの量を示す発行可能数とを関連付けたユーザ情報を記憶し、
前記発行制御部は、トークンを発行した場合に前記ユーザ情報において前記要求ユーザに関連付けられた発行可能数を減じる、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
コンピュータが実行する、
トークンの発行を要求するユーザである要求ユーザを示す要求ユーザ特定情報を含む、トークンの発行を要求するための発行要求情報を受け付ける受付ステップと、
コンテンツを生成するよう学習された所定の生成AIを利用して生成したコンテンツを関連付けたトークンの発行条件を記憶する記憶部を参照し、前記発行条件に基づいて、前記要求ユーザ特定情報により特定されたユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する判定ステップと、
前記トークンを発行可能と前記
判定ステップにおいて判定された場合、前記所定の生成AIに複数のコンテンツを生成させる生成ステップと、
前記複数のコンテンツのうちトークンに関連付けるコンテンツを選択可能に構成された画面を前記要求ユーザの情報端末に表示させる表示制御ステップと、
前記生成ステップにおいて生成された前記複数のコンテンツのうち、前記要求ユーザが選択したコンテンツを関連付けたトークンを、前記ユーザと関連付けてブロックチェーン上に発行させる発行制御ステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項15】
コンピュータが実行する、
トークンの発行を要求するユーザである要求ユーザを示す要求ユーザ特定情報を含む、トークンの発行を要求するための発行要求情報を受け付ける受付ステップと、
コンテンツを生成するよう学習された所定の生成AIを利用して生成したコンテンツを関連付けたトークンの発行条件を記憶する記憶部を参照し、前記発行条件に基づいて、前記要求ユーザ特定情報により特定されたユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する判定ステップと、
前記トークンを発行可能と前記判定
ステップにおいて判定
された場合、複数の異なる生成AIそれぞれにコンテンツを生成させる生成ステップと、
前記複数の生成AIそれぞれが生成したコンテンツのうちトークンに関連付けるコンテンツを選択可能に構成された画面を前記要求ユーザの情報端末に表示させる表示制御ステップと、
前記複数の生成AIそれぞれが生成したコンテンツのうち、前記要求ユーザが選択したコンテンツを関連付けたトークンを、前記ユーザと関連付けてブロックチェーン上に発行させる発行制御ステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項16】
コンピュータが実行する、
トークンの発行を要求するユーザである要求ユーザを示す要求ユーザ特定情報を含む、トークンの発行を要求するための発行要求情報を受け付ける受付ステップと、
コンテンツを生成するよう学習された所定の生成AIを利用して生成したコンテンツを関連付けたトークンの発行条件を記憶する記憶部を参照し、前記発行条件に基づいて、前記要求ユーザ特定情報により特定されたユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する判定ステップと、
前記トークンを発行可能と前記判定
ステップにおいて判定
された場合、前記所定の生成AIにコンテンツを生成させる生成ステップと、
前記生成ステップにおいて生成されたコンテンツを関連付けたトークンを、前記ユーザと関連付けてブロックチェーン上に発行させる発行制御ステップと、
複数の異なる生成AIのうち、前記要求ユーザが利用する生成AIを選択可能に構成された画面を前記要求ユーザの情報端末に表示させる表示制御ステップと、
前記要求ユーザと、前記要求ユーザが選択した生成AIが生成したコンテンツを関連付けたトークンの発行条件と、を関連付けてユーザ情報として記憶させる利用制御ステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項17】
コンピュータが実行する、
トークンの発行を要求するユーザである要求ユーザを示す要求ユーザ特定情報と、前記要求ユーザが利用する生成AIのAI識別情報と、を含む、トークンの発行を要求するための発行要求情報を受け付ける受付ステップと、
ユーザ特定情報と、コンテンツを生成するよう学習された所定の生成AIを利用して生成したコンテンツを関連付けたトークンの発行条件であって、前記ユーザ特定情報が示すユーザについての前記発行条件と、前記ユーザ特定情報が示すユーザが利用することを許可された生成AIを識別するAI識別情報と、を関連付けたユーザ情報を記憶する記憶部を参照し、前記発行要求情報に含まれるAI識別情報が、前記ユーザ情報において前記要求ユーザ特定情報に対応するAI識別情報と一致する場合、前記ユーザ情報において前記要求ユーザ特定情報に対応する前記発行条件に基づいて、前記要求ユーザ特定情報により特定されたユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する判定ステップと、
前記トークンを発行可能と前記判定
ステップにおいて判定
された場合、前記所定の生成AIにコンテンツを生成させる生成ステップと、
前記生成ステップにおいて生成されたコンテンツを関連付けたトークンを、前記ユーザと関連付けてブロックチェーン上に発行させる発行制御ステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項18】
コンピュータに、
トークンの発行を要求するユーザである要求ユーザを示す要求ユーザ特定情報を含む、トークンの発行を要求するための発行要求情報を受け付ける受付ステップと、
コンテンツを生成するよう学習された所定の生成AIを利用して生成したコンテンツを関連付けたトークンの発行条件を記憶する記憶部を参照し、前記発行条件に基づいて、前記要求ユーザ特定情報により特定されたユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する判定ステップと、
前記トークンを発行可能と前記
判定ステップにおいて判定
された場合、前記所定の生成AIに複数のコンテンツを生成させる生成ステップと、
前記複数のコンテンツのうちトークンに関連付けるコンテンツを選択可能に構成された画面を前記要求ユーザの情報端末に表示させる表示制御ステップと、
前記生成ステップにおいて生成された前記複数のコンテンツのうち、前記要求ユーザが選択したコンテンツを関連付けたトークンを、前記ユーザと関連付けてブロックチェーン上に発行させる発行制御ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項19】
コンピュータに、
トークンの発行を要求するユーザである要求ユーザを示す要求ユーザ特定情報を含む、トークンの発行を要求するための発行要求情報を受け付ける受付ステップと、
コンテンツを生成するよう学習された所定の生成AIを利用して生成したコンテンツを関連付けたトークンの発行条件を記憶する記憶部を参照し、前記発行条件に基づいて、前記要求ユーザ特定情報により特定されたユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する判定ステップと、
前記トークンを発行可能と前記判定
ステップにおいて判定
された場合、複数の異なる生成AIそれぞれにコンテンツを生成させる生成ステップと、
前記複数の生成AIそれぞれが生成したコンテンツのうちトークンに関連付けるコンテンツを選択可能に構成された画面を前記要求ユーザの情報端末に表示させる表示制御ステップと、
前記複数の生成AIそれぞれが生成したコンテンツのうち、前記要求ユーザが選択したコンテンツを関連付けたトークンを、前記ユーザと関連付けてブロックチェーン上に発行させる発行制御ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項20】
コンピュータに、
トークンの発行を要求するユーザである要求ユーザを示す要求ユーザ特定情報を含む、トークンの発行を要求するための発行要求情報を受け付ける受付ステップと、
コンテンツを生成するよう学習された所定の生成AIを利用して生成したコンテンツを関連付けたトークンの発行条件を記憶する記憶部を参照し、前記発行条件に基づいて、前記要求ユーザ特定情報により特定されたユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する判定ステップと、
前記トークンを発行可能と前記判定
ステップにおいて判定
された場合、前記所定の生成AIにコンテンツを生成させる生成ステップと、
前記生成ステップにおいて生成されたコンテンツを関連付けたトークンを、前記ユーザと関連付けてブロックチェーン上に発行させる発行制御ステップと、
複数の異なる生成AIのうち、前記要求ユーザが利用する生成AIを選択可能に構成された画面を前記要求ユーザの情報端末に表示させる表示制御ステップと、
前記要求ユーザと、前記要求ユーザが選択した生成AIが生成したコンテンツを関連付けたトークンの発行条件と、を関連付けてユーザ情報として記憶させる利用制御ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項21】
コンピュータに、
トークンの発行を要求するユーザである要求ユーザを示す要求ユーザ特定情報と、前記要求ユーザが利用する生成AIのAI識別情報と、を含む、トークンの発行を要求するための発行要求情報を受け付ける受付ステップと、
ユーザ特定情報と、コンテンツを生成するよう学習された所定の生成AIを利用して生成したコンテンツを関連付けたトークンの発行条件であって、前記ユーザ特定情報が示すユーザについての前記発行条件と、前記ユーザ特定情報が示すユーザが利用することを許可された生成AIを識別するAI識別情報と、を関連付けたユーザ情報を記憶する記憶部を参照し、前記発行要求情報に含まれるAI識別情報が、前記ユーザ情報において前記要求ユーザ特定情報に対応するAI識別情報と一致する場合、前記ユーザ情報において前記要求ユーザに対応する前記発行条件に基づいて、前記要求ユーザ特定情報により特定されたユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する判定ステップと、
前記トークンを発行可能と前記判定
ステップにおいて判定
された場合、前記所定の生成AIにコンテンツを生成させる生成ステップと、
前記生成ステップにおいて生成されたコンテンツを関連付けたトークンを、前記ユーザと関連付けてブロックチェーン上に発行させる発行制御ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像などのコンテンツを生成するよう学習された生成AI(Artificial Intelligence)が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生成AIが生成するコンテンツはパラメータや学習に用いたコンテンツにより様々であり、特定の生成AIが生成したコンテンツであることに価値が認められることが考えられ、このような生成AIが生成したコンテンツを関連付けたトークンの発行に一定の制御をする必要が生じることが考えられる。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、所定の生成AIが生成したコンテンツに関連付けたトークンを制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置においては、コンテンツを生成するよう学習された所定の生成AIを利用して生成したコンテンツに関連付けられるトークンの発行条件を記憶する記憶部と、トークンの発行を要求するユーザである要求ユーザを示す要求ユーザ特定情報を含む、トークンの発行を要求するための発行要求情報を受け付ける受付部と、前記発行条件に基づいて、前記要求ユーザ特定情報により特定した前記要求ユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する判定部と、前記トークンを発行可能と前記判定部が判定する場合、前記所定の生成AIにコンテンツを生成させる生成部と、前記生成部が生成させたコンテンツを関連付けたトークンを、前記ユーザと関連付けてブロックチェーン上に発行させる発行制御部と、を有する。
【0007】
前記記憶部は、ユーザ特定情報と、前記ユーザ特定情報が示すユーザについてのトークンの発行条件とを関連付けたユーザ情報を記憶し、前記判定部は、前記要求ユーザ特定情報に前記ユーザ情報において関連付けられた発行条件に基づいて、トークンを発行可能か否かを判定してもよい。
【0008】
前記発行制御部は、トークンに関連付けられたコンテンツが前記所定のAIにより生成されたことを示す情報をさらに関連付けたトークンを発行させてもよい。
【0009】
前記発行制御部は、トークンに関連付けられたコンテンツを生成した生成AIを識別するためのAI識別情報をさらに関連付けたトークンを発行してもよい。
【0010】
前記発行条件は、ユーザが所定の対価を支払った場合にトークンを発行可能であることを示し、前記判定部は、前記要求ユーザから支払われたトークン発行に対しての対価に基づいて、前記要求ユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定してもよい。
【0011】
前記判定部は、前記ブロックチェーンにアクセスし、前記要求ユーザ及び前記所定の生成AIを利用して生成したコンテンツに関連付けて発行された他のトークンを前記要求ユーザが保有しているか否かに基づいて、前記要求ユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定してもよい。
【0012】
前記ブロックチェーンにアクセスし、前記要求ユーザ及び前記所定の生成AIを利用して生成したコンテンツに関連付けて発行された他のトークンを前記要求ユーザが保有した期間を算定する算定部をさらに有し、前記判定部は、前記算定部が算定した期間が閾値以上である場合に前記要求ユーザに対してトークンを発行可能と判定してもよい。
【0013】
前記ブロックチェーンにアクセスし、前記要求ユーザ及び前記所定の生成AIを利用して生成したコンテンツに関連付けてトークンが発行されてから経過した期間を算定する算定部をさらに有し、前記判定部は、前記算定部が算定した期間が閾値以上である場合に前記要求ユーザに対してトークンを発行可能と判定してもよい。
【0014】
前記発行条件は、ユーザが所定の属性を有する場合にトークンを発行可能であることを示し、前記判定部は、前記要求ユーザの属性が前記所定の属性を有するか否かに基づいて、前記要求ユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定してもよい。
【0015】
前記記憶部は、ユーザと、生成AIを利用して生成したコンテンツに関連付けられるユーザに発行可能なトークンの量を示す発行可能数とを関連付けたユーザ情報を記憶し、
前記発行制御部は、トークンを発行した場合に前記ユーザ情報において前記要求ユーザに関連付けられた発行可能数を減じてもよい。
【0016】
前記生成部は、前記判定部が前記トークンを発行可能と判定する場合、前記所定の生成AIに複数のコンテンツを生成させ、前記情報処理装置は、前記複数のコンテンツのうちトークンに関連付けるコンテンツを選択可能に構成された画面を前記要求ユーザの情報端末に表示させる表示制御部をさらに有し、前記発行制御部は、前記複数のコンテンツのうち、前記要求ユーザが選択したコンテンツを関連付けたトークンを発行させてもよい。
【0017】
前記生成部は、前記判定部が前記トークンを発行可能と判定する場合、複数の異なる生成AIそれぞれにコンテンツを生成させ、前記情報処理装置は、前記複数の生成AIそれぞれが生成したコンテンツのうちトークンに関連付けるコンテンツを選択可能に構成された画面を前記要求ユーザの情報端末に表示させる表示制御部をさらに有し、前記発行制御部は、複数のコンテンツのうち、前記要求ユーザが選択したコンテンツを関連付けたトークンを発行させてもよい。
【0018】
複数の異なる生成AIのうち、前記要求ユーザが利用する生成AIを選択可能に構成された画面を前記要求ユーザの情報端末に表示させる表示制御部と、前記要求ユーザと、前記要求ユーザが選択した生成AIが生成したコンテンツを関連付けたトークンの発行条件と、を関連付けてユーザ情報として記憶させる利用制御部と、をさらに有してもよい。
【0019】
前記記憶部は、ユーザ情報として、ユーザに利用することが許可された生成AIを識別するAI識別情報がさらに関連付けられており、前記受付部は、要求ユーザが利用する生成AIのAI識別情報をさらに含む発行要求情報を受け付け、前記判定部は、前記発行要求情報に含まれるAI識別情報が、前記ユーザ情報において要求ユーザに対応するAI識別情報と一致する場合、前記ユーザ情報が示す発行条件に基づいて、前記要求ユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定してもよい。
【0020】
本発明の第2の態様の情報処理方法においては、コンピュータが実行する、トークンの発行を要求するユーザである要求ユーザを示す要求ユーザ特定情報を含む、トークンの発行を要求するための発行要求情報を受け付ける受付ステップと、コンテンツを生成するよう学習された所定の生成AIを利用して生成したコンテンツを関連付けたトークンの発行条件を記憶する記憶部を参照し、前記発行条件に基づいて、前記要求ユーザ特定情報により特定されたユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する判定ステップと、前記トークンを発行可能と前記判定部が判定する場合、前記所定の生成AIにコンテンツを生成させる生成ステップと、前記生成ステップにおいて生成されたコンテンツを関連付けたトークンを、前記ユーザと関連付けてブロックチェーン上に発行させる発行制御ステップと、を有する。
【0021】
本発明の第3の態様のプログラムにおいては、コンピュータに、トークンの発行を要求するユーザである要求ユーザを示す要求ユーザ特定情報を含む、トークンの発行を要求するための発行要求情報を受け付ける受付ステップと、コンテンツを生成するよう学習された所定の生成AIを利用して生成したコンテンツを関連付けたトークンの発行条件を記憶する記憶部を参照し、前記発行条件に基づいて、前記要求ユーザ特定情報により特定されたユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する判定ステップと、前記トークンを発行可能と前記判定部が判定する場合、前記所定の生成AIにコンテンツを生成させる生成ステップと、前記生成ステップにおいて生成されたコンテンツを関連付けたトークンを、前記ユーザと関連付けてブロックチェーン上に発行させる発行制御ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、所定の生成AIが生成したコンテンツに関連付けたトークンの発行量を制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施形態にかかる情報処理システムSの概要を説明するための図である。
【
図2】情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
【
図3】記憶部12が記憶するユーザ情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】発行制御部134が発行するトークンの一例を示す図である。
【
図5】表示制御部136が表示させる画面の一例を示す図である。
【
図6】表示制御部136が表示させる画面の一例を示す図である。
【
図7】表示制御部136が表示させる画面の一例を示す図である。
【
図8】情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[情報処理システムSの概要]
図1は、情報処理システムSの概要を説明するための図である。情報処理システムSは、AIによって生成されるコンテンツに関連付けられたトークンの発行を管理するためのシステムである。情報処理システムSは、情報処理装置1及び情報端末2を有する。
【0025】
情報処理装置1は、生成AIが発行したコンテンツを関連付けたトークンを発行し、又は管理する装置である。情報処理装置1は、ブロックチェーンBにアクセス可能なノードであり、トークンの発行又は移転をブロックチェーンBに記録する。トークンは、コンテンツの保有者を示すための情報であり、一例として、NFT(Non-Fungible Token)であるが、SFT(Semi-Fungible Token)であってもよい。ブロックチェーンBにはトークンの発行、変更、移転及び消滅が記録される。
【0026】
情報端末2は、ユーザが使用する端末である。ユーザは、情報端末2を操作して情報処理装置1に対してトークンを発行する指示をし、生成されたコンテンツを閲覧し、発行されたトークンを閲覧し、移転等の取引をする。
【0027】
情報処理システムSにおける処理について説明する。情報処理装置1は、情報端末2から発行要求情報を受付ける(
図1における(1))。情報処理装置1は、不図示の外部装置から発行要求情報を受付けてもよい。発行要求情報は、ユーザが情報処理装置1に対してトークンの発行を要求するための情報である。発行要求情報は、トークンの発行を要求するユーザを識別するためのユーザID(Identification)を少なくとも含む。以下では、発行要求情報に含まれるユーザIDを要求ユーザ特定情報と言い、当該ユーザIDが示すユーザを「要求ユーザ」と言う場合がある。発行要求情報は、トークンを関連付けるコンテンツを生成する生成AIを示すAI識別情報を含んでいてもよい。発行要求情報は、生成AIに生成させるコンテンツの内容を指示するためのプロンプトを含んでいてもよいし、コンテンツの内容を決定するための条件を含んでいてもよい。
【0028】
情報処理装置1は、要求ユーザに対するトークンの発行可否を判定する(
図1における(2))。情報処理装置1がトークンの発行可否を判定する詳細については後述するが、一例として、情報処理装置1は、ユーザごとに発行可能なトークンの数量を記憶しており、情報処理装置1は、要求ユーザについて発行可能なトークンの数量に基づいて、要求ユーザに対するトークンの発行可否を判定する。
【0029】
要求ユーザに関連付けてトークンを発行可能であると判定する場合、情報処理装置1は、生成AIに生成指示を入力する(
図1における(3))。生成指示は生成AIに与える指示であり、生成AIが生成すべきコンテンツの内容を示す。生成指示はいわゆるプロンプトである。生成指示は、発行要求情報に含まれるプロンプトであってもよい。また、情報処理装置1は、発行要求情報において含まれる情報に基づいて生成指示を生成してもよい。
【0030】
生成AIは、生成指示に基づいてコンテンツを生成し、情報処理装置1は、生成AIが生成したコンテンツを取得する(
図1における(4))。情報処理装置1は、生成されたコンテンツを情報端末2に表示させる(
図1における(5))。情報処理装置1は、生成されたコンテンツを関連付けたトークンをブロックチェーンBに発行制御する(
図1における(6))。
【0031】
情報処理システムSがトークンの発行可否を判定することにより、所定の生成AIが生成したコンテンツに関連付けたトークンの発行量を制御することができる。
【0032】
[情報処理装置1の構成]
図2は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。制御部13は、受付部131、判定部132、生成部133、発行制御部134、算定部135、表示制御部136及び利用制御部137を有する。
【0033】
通信部11は、ネットワークを介して他の装置とデータの送受信をするための通信インターフェースである。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。
【0034】
記憶部12は、ユーザと、コンテンツを生成するよう学習された所定の生成AIを利用して生成したコンテンツを関連付けたトークンの発行条件と、を関連付けたユーザ情報を記憶する。
図3は、記憶部12が記憶するユーザ情報のデータ構造の一例を示す図である。ユーザ情報においては、「ユーザID」、「AI識別情報」、「チャージ額」、「発行可能数」、「属性」及び「発行条件」が関連付けられている。「ユーザID」は、情報システムSにおけるユーザを識別するためのIDである。「AI識別情報」は、ユーザに利用が許可された生成AIを識別するための情報である。情報処理装置1においては、ユーザに複数の生成AIの利用が許可されていてもよい。
【0035】
「発行可能数」は、ユーザが発行可能なトークンの数量を示す情報である。発行可能数は、例えばユーザがトークンの発行の対価を支払った場合、特定のサービスに加入した場合や特定のサービスを利用した場合に付与又は増加されてもよいし、ユーザが所定の生成AIを利用するための契約を締結した場合や継続的に利用する契約を締結している場合において発行可能数が更新される時期が到来した場合に発行可能数が更新されてもよい。
【0036】
「チャージ額」は、当該ユーザがトークン発行の対価として支払い済みの金額を示す。「属性」は、当該ユーザの属性を示す。「属性」については後述する。「発行条件」は、当該ユーザに対してトークンを発行可能と判定するための条件である。詳細は後述するが、発行条件は生成AIごと又はユーザごとに様々な条件が設定される。「発行条件」は、一例として、ユーザに関連付けられた発行可能数が1以上であることである。
【0037】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、受付部131、判定部132、生成部133、発行制御部134、算定部135、表示制御部136及び利用制御部137として機能する。
【0038】
受付部131は、要求ユーザが使用する情報端末2から、発行要求情報を受け付ける。判定部132は、ユーザ情報が示す発行条件に基づいて、要求ユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する。一例として、判定部132は、ユーザ情報において要求ユーザに関連付けられた発行可能数が1以上である場合に、トークンを発行可能と判定する。
【0039】
判定部132が要求ユーザに対してトークンを発行できないと判定する場合、表示制御部136は、トークンを発行できないことを示す画面を要求ユーザの情報端末2に表示させる。
【0040】
生成部133は、トークンを発行可能と判定部132が判定する場合、所定の生成AIにコンテンツを生成させる。生成部133は、一例として、発行要求情報に基づいて生成指示を生成する。生成部133は、ユーザ情報において要求ユーザに関連付けられたAI識別情報が示す生成AIに、生成指示を入力し、コンテンツを生成させる。
【0041】
発行制御部134は、生成部133が生成させたコンテンツを関連付けたトークンを、ユーザと関連付けてブロックチェーン上に発行させる。
図4は、発行制御部134が発行させるトークンのデータ構造の一例を示す図である。
図4に示すトークンにおいては、トークンID、保有者アドレス、発行日時、及びコンテンツを説明するためのメタデータが関連付けられている。
【0042】
発行制御部134は、トークンを発行した場合にユーザ情報においてユーザに関連付けられた発行可能数を減じる。一例として、発行制御部134は要求ユーザに対してトークンを発行した場合、ユーザ情報において要求ユーザに関連付けられた発行可能数を減算する。
【0043】
情報処理装置1がこのように構成されることで、所定の生成AIが生成したコンテンツに関連付けたトークンの発行量を制御することができる。
【0044】
生成AIがコンテンツを生成したことを示すトークンを発行するよう情報処理装置1が構成されてもよい。発行制御部134は、トークンに関連付けられたコンテンツが所定のAIにより生成されたことを示す情報をさらに関連付けたトークンを発行させる。
図4に示すとおり、トークンにおいては、AI識別情報が関連付けられている。すなわち、発行制御部134は、AI識別情報をさらに関連付けたトークンを発行制御する。具体的には、
図4に示すとおり、発行制御部134が発行制御したトークンにおいては、メタデータとして、AI識別情報を含む。AI識別情報は、当該トークンに関連付けられたトークンを生成した生成AIを識別するための情報である。すなわち、AI識別情報は、当該トークンが生成AIで生成されたことを示す。
【0045】
情報処理装置1がコンテンツを生成した生成AIを示す情報を関連付けたトークンを発行するよう構成されることで、トークンに関連付けられたコンテンツを生成した生成AIを証明することが可能になり、生成AIが生成したコンテンツに価値が認められた場合にコンテンツを生成した生成AIを発行されたトークンの価値に反映させることが可能になる。
【0046】
複数の生成AIの中で特定の生成AIにより生成されたコンテンツが特に価値を有することがあると考えられる。このような生成AIが生成したコンテンツの価値を保つためには発行量を適切に保つ必要がある。そのため、生成AI単位でトークンの発行を制限したい場合が考えられる。この場合、ユーザに利用が許可された生成AIが定められており、ユーザが利用可能な生成AIを利用してトークンを発行することを要求された場合に、トークンの発行可否を判定するよう情報処理装置1が構成されてもよい。
図3に示すとおり、ユーザ情報においては、ユーザに利用することが許可された生成AIのAI識別情報がさらに関連付けられている。一例として、ユーザが所定の生成AIを利用するための契約を締結した場合、当該生成AIを利用可能であることがユーザ情報に記録される。
【0047】
受付部131は、要求ユーザが利用する生成AIのAI識別情報をさらに含む発行要求情報を受け付ける。判定部132は、発行要求情報に含まれるAI識別情報が、ユーザ情報において要求ユーザに対応するAI識別情報と一致するか否かを判定する。判定部132は、発行要求情報に含まれるAI識別情報が、ユーザ情報において要求ユーザに対応するAI識別情報と一致する場合、ユーザ情報が示す発行条件に基づいて、要求ユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する。
【0048】
情報処理装置1がユーザに利用が許可された生成AIか否かを判定するよう構成されることで、特定の生成AIによって生成されたコンテンツのトークンの発行を制御することが可能になる。
【0049】
発行条件の例について説明する。一例として、発行条件は、ユーザがトークン発行の対価を支払っていることである。具体的には、ユーザのチャージ額がトークンを発行するための料金として定められた所定の金額以上であることである。判定部132は、要求ユーザから支払われたトークン発行に対しての対価に基づいて、要求ユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する。
図3に示すとおり、ユーザ情報においては、ユーザのチャージ金額が関連付けられている。判定部132は、ユーザ情報を参照し、要求ユーザに関連付けられたチャージ額が所定の金額以上であるかを判定し、要求ユーザのチャージ額が所定の金額以上である場合に、トークンを発行可能と判定する。なお、ユーザのチャージ額は、ブロックチェーンB上に記録されていてもよく、判定部132はトークンの発行に必要な所定金額以上の額がブロックチェーンBにチャージされている場合にトークンを発行可能と判定する。
【0050】
トークンを発行する処理については上述したとおりである。発行制御部134は、トークンを発行した場合にユーザ情報においてユーザに関連付けられたチャージ額からトークンの発行の対価として定められた金額を減算する。
【0051】
発行条件は、要求ユーザに対して発行されたトークンが移転又は消滅されていることであってもよい。換言すれば発行条件はユーザがトークンを保有していないことである。ユーザに関連付けられた発行条件が要求ユーザに対して発行されたトークンをユーザが保有していないことである場合、判定部132は、ブロックチェーンにアクセスし、要求ユーザ及び所定の生成AIを利用して生成したコンテンツに関連付けて発行された他のトークンを要求ユーザが保有しているか否かに基づいて、要求ユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する。具体的には、判定部132は、ブロックチェーンBを参照し、要求ユーザ及び発行要求情報に含まれるAI識別情報に関連付けられたトークンの取引履歴を取得し、要求ユーザに対して発行済みのトークンを、要求ユーザが保有しているか否かを判定する。すなわち、判定部132は、取引履歴に基づいて発行されたトークンが移転又は消滅しているか否かを判定する。要求ユーザが要求ユーザ及び発行要求情報に含まれるAI識別情報に関連付けられたトークンを保有していない場合、判定部132はトークンを発行可能と判定する。
【0052】
なお、判定部132は、要求ユーザ及び発行要求情報に含まれるAI識別情報に関連付けられたトークンが複数ある場合、複数のトークンそれぞれを要求ユーザが保有しているかを取引履歴に基づいて判定する。判定部132は、複数のトークンそれぞれについて要求ユーザが保有していない場合、トークンを発行可能と判定する。なお、判定部132は、要求ユーザ及び発行要求情報に含まれるAI識別情報に関連付けられたトークンがブロックチェーンBに記録されていない場合、トークンを発行可能と判定してもよい。
【0053】
要求ユーザが当該ユーザに対して発行されたトークンを保有していないことを発行条件とするよう情報処理装置1が構成されることで、ユーザがトークンを移転するまでトークンを発行することができなくなり、トークンの発行量を制御することができる。
【0054】
発行条件は、前回生成AIによって生成されたトークンをユーザが所定の期間以上保有していることであってもよい。算定部135は、ブロックチェーンBにアクセスし、要求ユーザ及び所定の生成AIを利用して生成したコンテンツに関連付けて発行された他のトークンを要求ユーザが保有した期間を算定する。算定部135は、要求ユーザ及び所定の生成AIを利用して生成したコンテンツに関連付けて発行されたトークンを取得し、取得したトークンに含まれる発行日時に基づいて保有期間を算定する。判定部132は、算定部135が保有期間が閾値以上である場合に要求ユーザに対してトークンを発行可能と判定する。保有期間の閾値は、トークンの発行量の制限とユーザの利便性のために定められる期間である。保有期間の閾値は、例えばユーザがトークン発行の対価として支払う金額が多いほど短くなるよう設定されてもよい。これによりトークンの発行と移転に制限を加えることができる。
【0055】
発行条件は、トークンを発行後所定の期間が経過していることであってもよい。算定部135は、ブロックチェーンにアクセスし、要求ユーザ及び所定の生成AIを利用して生成したコンテンツに関連付けてトークンが発行されてから経過した期間を算定する。算定部135は、ブロックチェーンBに記録された要求ユーザ及び発行要求情報に含まれるAI識別情報に関連付けられたトークンを取得し、トークンに関連付けられた発行日時に基づいて、トークンが発行され手から経過した期間を算定する。判定部132は、算定部135が算定した期間が閾値以上である場合に要求ユーザに対してトークンを発行可能と判定する。これにより短期間にトークンを大量に発行することができなくなり、トークンの発行量を制限することができる。
【0056】
さらに、発行条件は、ユーザに関連付けられた属性が所定の属性である場合にトークンの発行を許可することであってもよい。
図3に示すとおり、ユーザ情報においてはユーザの属性がさらに関連付けられていてもよい。属性は、例えば性別や年齢層、居住地、国籍、特定サービスへの加入状況やサービスの利用状況、資格情報等を示す。
【0057】
判定部132は、ユーザの属性に基づいて、要求ユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する。判定部132は、ユーザ情報において要求ユーザに関連付けられた属性がトークンを発行可能なユーザの属性としてあらかじめ定められた属性と一致するか否かを判定する。判定部132は、ユーザの属性と、トークンを発行可能なユーザの属性としてあらかじめ定められた属性と、が一致する場合にトークンを発行可能と判定する。これにより特定のユーザ層に限ってトークンの発行を許可することが可能になる。
【0058】
トークンを発行する前に生成AIが生成したコンテンツを表示させ、ユーザが確認したうえでトークンを発行できるようにすることが好ましい。表示制御部136は、所定の生成AIが生成したコンテンツを表示する画面を情報端末2に表示させる。
図5は、表示制御部136が表示する画面の一例を示す図である。
図5に示す画面においては、生成AIが生成したコンテンツU1と、トークンの発行を指示するためのボタンU2が配置されている。
【0059】
ユーザが情報端末2を操作し、ボタンU2を押すと、受付部131は、発行指示を情報端末2から取得する。発行制御部134は、生成部133が生成したコンテンツと、要求ユーザのユーザIDと、を関連付けたトークンをブロックチェーンBに記録し、トークンを発行させる。
【0060】
表示制御部136が表示させる画面においては、トークンの発行をキャンセルするためのボタン(U3)が配置されていてもよい。一例として、ボタンU3が押されると、生成部133は、生成AIに再度コンテンツを生成させる。この際、生成部133は、前回入力した生成指示とは異なる生成指示を生成し、生成AIに入力してもよい。
【0061】
さらに、生成AIが生成した複数のコンテンツから要求ユーザが選択したコンテンツを関連付けたトークンを発行するよう情報処理装置1が構成されてもよい。生成部133は、判定部132がトークンを発行可能と判定する場合、所定の生成AIに複数のコンテンツを生成させる。具体的には、生成部133は、生成指示に基づいて複数のコンテンツを生成する。表示制御部136は、情報処理装置は、複数のコンテンツのうちトークンに関連付けるコンテンツを選択可能に構成された画面を情報端末2に表示させる。
【0062】
ユーザが情報端末2を操作し、コンテンツを選択する操作をすると、ユーザが選択したコンテンツを示す情報を含む発行指示を情報処理装置1に送信し、受付部131はこれを取得する。発行制御部134は、複数のコンテンツのうち、要求ユーザが選択したコンテンツを関連付けたトークンを発行させる。
【0063】
情報処理装置1がこのように構成されることで、ユーザがコンテンツを比較したうえでトークンを発行させることができる。
【0064】
さらに、複数の異なる生成AIが生成したコンテンツそれぞれを比較して、トークンを発行できるよう情報処理装置1が構成されてもよい。
【0065】
判定部132は、上述した発行条件に基づいて、ユーザ情報において要求ユーザが利用可能であることが示されている生成AIそれぞれについてトークンを発行可能か否かを判定する。
【0066】
生成部133は、判定部132がトークンを発行可能と判定する場合、複数の異なる生成AIそれぞれにコンテンツを生成させる。要求ユーザが利用可能な複数の生成AIそれぞれについてトークンを発行可能と判定部132が判定する場合、生成部133は、複数の生成AIそれぞれに入力する生成指示を生成し、複数の異なる生成AIそれぞれに生成指示を入力し、コンテンツを生成させる。
【0067】
表示制御部136は、複数の生成AIそれぞれが生成したコンテンツのうちトークンに関連付けるコンテンツを選択可能に構成された画面を情報端末2に表示させる。
図6は、この場合に表示制御部136が表示させる画面の一例を示す図である。
図6に示す画面においては、複数のコンテンツが表示され、トークンに関連付けるコンテンツを選択できるように構成されている。ユーザは、情報端末2に表示された画面を操作し、トークンに関連付けるトークンを選択する。表示制御部136が表示する画面においては複数のコンテンツを選択可能に構成されてもよい。発行制御部134は、複数のコンテンツのうち、要求ユーザが選択したコンテンツを関連付けたトークンを発行させる。
【0068】
情報処理装置1が複数の生成AIそれぞれが生成したコンテンツから選択されたコンテンツを関連付けたトークンを発行するように構成されることで、ユーザが複数の生成AIそれぞれが生成したコンテンツを比較したうえでトークンを発行させることができる。
【0069】
生成AIの利用を希望するユーザに対して、複数の生成AIから利用する生成AIを選択するための画面を表示し、ユーザが選択した生成AIを利用してトークンを発行するための発行条件をユーザ情報に記憶するよう情報処理装置1が構成されてもよい。表示制御部136は、複数の異なる生成AIのうち、生成AIの利用を希望するユーザが利用する生成AIを選択可能に構成された画面を当該ユーザの情報端末2に表示させる。
図7は、この場合に表示制御部136が表示する画面の一例を示す図である。
【0070】
一例として、記憶部12は、情報処理システムSにおいて利用可能な生成AIと、当該生成AIを利用してトークンを発行するための発行条件と、を記憶している。生成AIの利用を希望するユーザが情報端末2を操作し、利用する生成AIを選択した場合、利用制御部137は、当該ユーザと、当該ユーザが選択した生成AIが生成したコンテンツを関連付けたトークンの発行条件と、を関連付けてユーザ情報として記憶させる。より具体的には、利用制御部137は、当該ユーザと、当該ユーザが選択した生成AIのAI識別情報と、当該生成AIについての発行条件と、を関連付けてユーザ情報に記憶させる。
【0071】
[情報処理システムSにおける処理の流れ]
図8は、情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図8に示すフローチャートは、発行要求情報を受け付けた時点から開始している。
受付部131は、発行要求情報を受付ける(S01)。判定部132は、発行要求情報に含まれる要求ユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する(S02)。
【0072】
トークンを発行可能と判定部132が判定する場合(S02におけるY)、生成部133は、生成指示を生成する(S03)。生成部133は生成AIに生成指示を入力し、コンテンツを生成させる(S04)。
【0073】
表示制御部136は、生成されたコンテンツを表示する画面を情報端末2に表示させる(S05)。受付部131は、情報端末2から発行指示を取得する(S06)。発行制御部134は、生成されたコンテンツを関連付けたトークンをブロックチェーンBに記録し、トークンを発行させる(S07)。そして、情報処理装置1は、処理を終了する。
【0074】
トークンを発行できないと判定部132が判定する場合(S02におけるN)、表示制御部136は、トークンを発行できないことを示す画面を情報端末2に表示させる(S08)。そして、情報処理装置1は、処理を終了する。
【0075】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように、情報処理装置1は、トークンの発行要求を受付けると、あらかじめ定められた条件に基づいて、トークンの発行可否を判定し、トークンを発行可能である場合に生成AIが生成したコンテンツを関連付けたトークンを発行する。その結果、所定の生成AIが生成したコンテンツに関連付けたトークンを制御することができる。
【0076】
<変形例>
なお、上記の説明においては、発行条件がユーザ毎に定められている例を説明したが、これに限られない。一例として、発行条件は、生成AIごとに定められていてもよい。すなわち、記憶部12は、AI識別情報と、当該AI識別情報が示す生成AIについて適用される発行条件と、を関連付けて記憶していてもよい。この場合、判定部132は、発行要求情報に含まれるAI識別情報に対応する発行条件を特定し、特定した発行条件に基づいて要求ユーザに対してトークンの発行が可能か否かを判定してもよい。
【0077】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0078】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0079】
1 情報処理装置
2 情報端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 受付部
132 判定部
133 生成部
134 発行制御部
135 算定部
136 表示制御部
137 利用制御部
【要約】
【課題】所定の生成AIが生成したコンテンツに関連付けたトークンの発行量を制限する。
【解決手段】ユーザと、コンテンツを生成するよう学習された所定の生成AIを利用して生成したコンテンツを関連付けたトークンの発行条件と、を関連付けたユーザ情報を記憶する記憶部12と、トークンの発行を要求するユーザである要求ユーザが使用する情報端末から、トークンの発行を要求するための発行要求情報を受け付ける受付部131と、ユーザ情報が示す発行条件に基づいて、要求ユーザに対してトークンを発行可能か否かを判定する判定部132と、トークンを発行可能と判定部132が判定する場合、所定の生成AIにコンテンツを生成させる生成部133と、生成部133が生成させたコンテンツを関連付けたトークンを、ユーザと関連付けてブロックチェーン上に発行させる発行制御部134と、を有する情報処理装置1である。
【選択図】
図2