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特許7682386監視装置、監視方法、監視プログラム及び監視システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-15
(45)【発行日】2025-05-23
(54)【発明の名称】監視装置、監視方法、監視プログラム及び監視システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/04 20060101AFI20250516BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20250516BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20250516BHJP
【FI】
H04M11/04
G08B21/02
G08B25/04 K
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2024518102
(86)(22)【出願日】2023-11-06
(86)【国際出願番号】 JP2023039794
【審査請求日】2024-03-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 和史
(72)【発明者】
【氏名】奥平 雄吾
(72)【発明者】
【氏名】石井 恭介
(72)【発明者】
【氏名】木村 淳一
(72)【発明者】
【氏名】新井 士人
【審査官】工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-191846(JP,A)
【文献】特開2021-135795(JP,A)
【文献】特開2021-164008(JP,A)
【文献】国際公開第2021/166507(WO,A1)
【文献】特開2002-259567(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M3/00
H04M3/16-3/20
H04M3/38-3/58
H04M7/00-7/16
H04M11/00-11/10
H04N7/18
G08B21/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる場所を監視する複数の検知機器のうち、見守り対象者が利用する場所として、見守り者端末によって指定された場所を監視する検知機器から、前記指定された場所の監視データを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部により取得された監視データに基づいて、前記見守り者端末により指定された場所の状況を確認する必要があるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって、前記見守り者端末により指定された場所の状況を確認する必要があると判定されれば、予め記憶部に記憶された対応情報に基づいて、職責が互いに異なる複数の状況確認者の中から、前記指定された場所の状況に対応する状況確認者を特定し、特定した状況確認者に対して、前記指定された場所の状況確認を依頼する確認依頼部と
を備え、
前記対応情報は、前記見守り者端末により指定された場所の状態であって、当該場所の状況を確認する必要のある複数の状態に対し、職責が互いに異なる状況確認者がそれぞれ対応づけられた情報である監視装置。
【請求項2】
前記確認依頼部は、
前記見守り者端末により指定された場所の状況確認を依頼した旨を見守り者に通知することを特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項3】
場所の監視データと、当該監視データに係る場所の状況を確認する必要があるか否かを示す教師データとが与えられると、当該監視データに係る場所の状況を確認する必要があるか否かを学習する学習モデルがあり、
前記判定部は、
前記データ取得部により取得された監視データを前記学習モデルに与えることによって、前記学習モデルから、前記データ取得部により取得された監視データに係る場所の状況を確認する必要があるか否かを示す情報を取得し、当該情報に基づいて、当該場所の状況を確認する必要があるか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項4】
場所の監視データと、当該監視データに係る場所で生じる事象を示す事象データと、当該監視データに係る場所の状況を確認する必要があるか否かを示す教師データとが与えられると、前記事象データに基づいて、当該監視データに係る場所の状況を確認する必要があるか否かを学習する学習モデルがあり、
前記データ取得部は、
前記検知機器から、前記見守り者端末により指定された場所の監視データを取得するほかに、前記見守り者端末により指定された場所で生じる事象を示す事象データを取得し、
前記判定部は、
前記データ取得部により取得された監視データ及び事象データのそれぞれを前記学習モデルに与え、前記学習モデルから、前記データ取得部により取得された監視データに係る場所の状況を確認する必要があるか否かを示す情報を取得し、当該情報に基づいて、当該場所の状況を確認する必要があるか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項5】
前記データ取得部は、
前記検知機器から、前記見守り者端末により指定された場所の監視データを取得する代わりに、前記見守り者端末により指定された場所で生じる事象を示す事象データを取得し、
前記判定部は、
前記データ取得部により取得された事象データに基づいて、前記見守り者端末により指定された場所の状況を確認する必要があるか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項6】
前記見守り対象者が利用する場所が、前記見守り対象者が利用する経路であり、
前記データ取得部により取得された監視データに基づいて、前記見守り対象者が前記経路から逸脱していないか否かを判定する逸脱判定部と、
前記逸脱判定部によって、前記見守り対象者が前記経路から逸脱していると判定されれば、前記見守り対象者が前記経路から逸脱している旨を通知する逸脱通知部と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項7】
データ取得部が、互いに異なる場所を監視する複数の検知機器のうち、見守り対象者が利用する場所として、見守り者端末によって指定された場所を監視する検知機器から、前記見守り者端末により指定された場所の監視データを取得し、
判定部が、前記データ取得部により取得された監視データに基づいて、前記見守り者端末により指定された場所の状況を確認する必要があるか否かを判定し、
確認依頼部が、前記判定部によって、前記見守り者端末により指定された場所の状況を確認する必要があると判定されれば、予め記憶部に記憶された対応情報に基づいて、職責が互いに異なる複数の状況確認者の中から、前記指定された場所の状況に対応する状況確認者を特定し、特定した状況確認者に対して、前記指定された場所の状況確認を依頼し、
前記対応情報は、前記見守り者端末により指定された場所の状態であって、当該場所の状況を確認する必要のある複数の状態に対し、職責が互いに異なる状況確認者がそれぞれ対応づけられた情報である
監視方法。
【請求項8】
データ取得部が、互いに異なる場所を監視する複数の検知機器のうち、見守り対象者が利用する場所として、見守り者端末によって指定された場所を監視する検知機器から、前記指定された場所の監視データを取得するデータ取得ステップと、
判定部が、前記データ取得ステップによって取得された監視データに基づいて、前記見守り者端末により指定された場所の状況を確認する必要があるか否かを判定する判定ステップと、
確認依頼部が、前記判定ステップによって、前記見守り者端末により指定された場所の状況を確認する必要があると判定されれば、予め記憶部に記憶された対応情報に基づいて、職責が互いに異なる複数の状況確認者の中から、前記指定された場所の状況に対応する状況確認者を特定し、特定した状況確認者に対して、前記指定された場所の状況確認を依頼する確認依頼ステップと
をコンピュータに実行させ、
前記対応情報は、前記見守り者端末により指定された場所の状態であって、当該場所の状況を確認する必要のある複数の状態に対し、職責が互いに異なる状況確認者がそれぞれ対応づけられた情報である監視プログラム。
【請求項9】
見守り対象者が利用する場所であって互いに異なる場所を監視する複数の検知機器と、
前記検知機器のうち、見守り対象者が利用する場所として、見守り者端末によって指定された場所を監視する検知機器から、前記見守り者端末により指定された場所の監視データを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部により取得された監視データに基づいて、前記見守り者端末により指定された場所の状況を確認する必要があるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって、前記見守り者端末により指定された場所の状況を確認する必要があると判定されれば、予め記憶部に記憶された対応情報に基づいて、職責が互いに異なる複数の状況確認者の中から、前記指定された場所の状況に対応する状況確認者を特定し、特定した状況確認者に対して、前記指定された場所の状況確認を依頼する確認依頼部と
を備え、
前記対応情報は、前記見守り者端末により指定された場所の状態であって、当該場所の状況を確認する必要のある複数の状態に対し、職責が互いに異なる状況確認者がそれぞれ対応づけられた情報である監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、監視装置、監視方法、監視プログラム及び監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
子供等の見守り対象者を監視する監視システムがある。
このような監視システムとして、例えば、特許文献1には、見守り対象者が存在している位置を検出するシステムが開示されている。
当該システムは、見守り対象者が携帯する端末である対象者端末と、サーバとを備えている。当該対象者端末は、GPS(Global Positioning System)信号を受信し、GPS信号に基づいて、自己の位置を検出し、自己の位置を示す位置情報をサーバに送信する。サーバは、対象者端末から送信された位置情報を受信し、位置情報に基づいて、見守り対象者が存在している位置を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開2021-166507号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
見守り対象者が存在している場所において、見守り対象者に悪影響を及ぼし得る事象が発生することがある。例えば、子供の通学ルートにおいて、事件又は事故が発生することがある。見守り対象者を見守りたい人である見守り者にとって、そのような事象が発生した場合に見守り対象者に悪影響が及ぶかもしれないとの不安を解消したいという要望がある。
特許文献1に開示されているシステムは、見守り対象者が存在している位置を検出できるものの、このような要望に対応する技術を提供するものではないという課題があった。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、見守り対象者に悪影響を及ぼし得る事象が発生した場合に、見守り者の不安を軽減させることができる監視装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る監視装置は、互いに異なる場所を監視する複数の検知機器のうち、見守り対象者が利用する場所として、見守り者端末によって指定された場所を監視する検知機器から、指定された場所の監視データを取得するデータ取得部と、データ取得部により取得された監視データに基づいて、見守り者端末により指定された場所の状況を確認する必要があるか否かを判定する判定部と、判定部によって、見守り者端末により指定された場所の状況を確認する必要があると判定されれば、予め記憶部に記憶された対応情報に基づいて、職責が互いに異なる複数の状況確認者の中から、指定された場所の状況に対応する状況確認者を特定し、特定した状況確認者に対して、指定された場所の状況確認を依頼する確認依頼部とを備える。対応情報は、見守り者端末により指定された場所の状態であって、当該場所の状況を確認する必要のある複数の状態に対し、職責が互いに異なる状況確認者がそれぞれ対応づけられた情報である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、見守り対象者に悪影響を及ぼし得る事象が発生した場合に、見守り者の不安を軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る監視装置3を含む監視システムを示す構成図である。
図2】実施の形態1に係る監視装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図3】監視装置3が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
図4】監視装置3の処理手順である監視方法を示すフローチャートである。
図5】場所記憶装置1に記憶されているルート情報の一例を示す説明図である。
図6】それぞれの地点の状況を確認する必要のある状態に対応する状況確認者の一例を示す説明図である。
図7】実施の形態2に係る監視装置3を含む監視システムを示す構成図である。
図8】実施の形態2に係る監視装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図9】経路の状況を確認する必要のある状態の一例を示す説明図である。
図10】経路の状況を確認する必要のある状態と、状況確認者と、状況確認者への依頼内容との一例を示す説明図(その1)である。
図11】経路の状況を確認する必要のある状態と、状況確認者と、状況確認者への依頼内容との一例を示す説明図(その2)である。
図12】実施の形態3に係る監視装置3を含む監視システムを示す構成図である。
図13】実施の形態3に係る監視装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図14】実施の形態4に係る監視装置3を含む監視システムを示す構成図である。
図15】実施の形態4に係る監視装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図16】実施の形態5に係る監視装置3を含む監視システムを示す構成図である。
図17】実施の形態5に係る監視装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示をより詳細に説明するために、本開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る監視装置3を含む監視システムを示す構成図である。
図2は、実施の形態1に係る監視装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図1に示す監視システムは、場所記憶装置1、検知機器2、監視装置3、状況確認者端末4及び見守り者端末5を備えている。
【0011】
場所記憶装置1は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、あるいは、DVD(Digital Versatile Disc)によって実現される。
場所記憶装置1は、見守り対象者が利用する場所と、見守り対象者が当該場所を利用する時間帯と、当該場所の通常の状態とを示す情報を記憶している。場所の通常の状態とは、当該場所に異常が生じていない平穏な状態を意味する。見守り対象者は、例えば、子供、老人、徘徊者、又は、動物である。
見守り対象者が利用する場所としては、例えば、見守り対象者が利用する経路、又は、見守り対象者が利用する領域がある。
見守り対象者が利用する場所が、例えば、見守り対象者が利用する経路であれば、例えば、見守り対象者の見守り者が、見守り者端末5を操作して、経路の出発点から到着点に至るまでの複数の地点を指定すれば、複数の地点を含む経路の情報として、ルート情報が場所記憶装置1に記憶される。複数の地点は、例えば、見守り者端末5に表示されている地図上で指定することができる。見守り者は、見守り対象者を見守りたい人である。
見守り対象者が利用する場所が、例えば、見守り対象者が利用する領域であれば、例えば、見守り対象者の見守り者が、見守り者端末5を操作して、当該領域として、見守り対象者の行動範囲を指定すれば、行動範囲の情報が場所記憶装置1に記憶される。行動範囲は、例えば、見守り者端末5に表示されている地図上で指定することができる。
【0012】
図1に示す監視システムでは、見守り対象者が利用する場所が、見守り対象者が利用する経路である例を説明する。ただし、これは一例に過ぎず、見守り対象者が利用する場所が、例えば、見守り対象者が利用する領域であってもよい。
検知機器2は、例えば、防犯カメラ、レーダ、又は、監視衛星によって実現される。
検知機器2は、見守り対象者が利用する場所として、見守り対象者が利用する経路を監視し、経路の監視データを監視装置3に出力する。
【0013】
監視装置3は、データ取得部11、判定部12及び確認依頼部13を備えている。
監視装置3は、検知機器2から経路の監視データを取得し、監視データに基づいて、経路の状況を確認する必要があるか否かを判定する。
確認する必要がある状況とは、既に経路に異常が生じている可能性のある状況、又は、将来経路に異常が生じる可能性のある状況を意味する。
監視装置3は、経路の状況を確認する必要があれば、経路の状況確認を依頼する。
【0014】
データ取得部11は、例えば、図2に示すデータ取得回路31によって実現される。
データ取得部11は、場所記憶装置1からルート情報を取得し、検知機器2から経路の監視データを取得する。
データ取得部11は、ルート情報を判定部12及び確認依頼部13のそれぞれに出力し、監視データを判定部12に出力する。
【0015】
判定部12は、例えば、図2に示す判定回路32によって実現される。
判定部12は、データ取得部11から、ルート情報及び監視データのそれぞれを取得する。
判定部12は、ルート情報に基づいて、見守り対象者が利用する経路を特定する。
判定部12は、監視データに基づいて、見守り対象者が利用する経路の状況を確認する必要があるか否かを判定する。
具体的には、判定部12は、ルート情報に基づいて、見守り対象者が利用する経路の通常の状態を特定し、通常の状態と監視データとに基づいて、見守り対象者が利用する経路の状態が、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを判定する。
経路の状況を確認する必要のある状態とは、既に経路に異常が生じている可能性のある状態、又は、将来経路に異常が生じる可能性のある状態を意味する。
判定部12は、経路の状況を確認する必要があるか否かを示す判定結果を確認依頼部13に出力する。
【0016】
確認依頼部13は、例えば、図2に示す確認依頼回路33によって実現される。
確認依頼部13は、データ取得部11からルート情報を取得し、判定部12から判定結果を取得する。
確認依頼部13は、判定部12によって、見守り対象者が利用する経路の状況を確認する必要があると判定されれば、経路の状況に対応する状況確認者に対して、経路の状況確認を依頼する。
具体的には、確認依頼部13は、ルート情報に基づいて、見守り対象者が利用する経路を特定し、当該経路の状況を確認する必要のある状態に対応する状況確認者を特定する。そして、確認依頼部13は、当該経路の状況確認要求を状況確認者の状況確認者端末4に送信する。
状況確認者は、例えば、見守り対象者の保護者、警備員、警察官、消防隊員、救急隊員、地域ボランティア、学校教諭、介護施設の職員、病院の職員、会社の従業員、又は、自治体の職員である。
【0017】
状況確認者端末4は、状況確認者が利用する端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット、又は、携帯電話によって実現される。
見守り者端末5は、見守り者が利用する端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット、又は、携帯電話によって実現される。
見守り者は、見守り対象者を見守りたい人である。見守り対象者が例えば子供であれば、見守り者は、子供の保護者等である。見守り対象者が例えば老人であれば、見守り者は、老人ホームの職員等である。見守り対象者が例えば飼育動物であれば、見守り者は、飼育動物の飼育者である。見守り対象者が例えば野生動物であれば、見守り者は、野生動物の管理者である。野生動物の管理者は、野生動物の生息地域、又は、野生動物の種類等によって異なり、その地域で指定された者、又は、人に限らず役所等の定められた公的機関、警察あるいは猟友会等である。
【0018】
図1では、監視装置3の構成要素であるデータ取得部11、判定部12及び確認依頼部13のそれぞれが、図2に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、監視装置3が、データ取得回路31、判定回路32及び確認依頼回路33によって実現されるものを想定している。
データ取得回路31、判定回路32及び確認依頼回路33のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0019】
監視装置3の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、監視装置3が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
【0020】
図3は、監視装置3が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
監視装置3が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、データ取得部11、判定部12及び確認依頼部13におけるそれぞれの処理手順(データ取得ステップ、判定ステップ、確認依頼ステップ)をコンピュータに実行させるための監視プログラムがメモリ51に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ52がメモリ51に格納されている監視プログラムを実行する。
【0021】
また、図2では、監視装置3の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、図3では、監視装置3がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、監視装置3における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0022】
次に、図1に示す監視システムの動作について説明する。
図4は、監視装置3の処理手順である監視方法を示すフローチャートである。
場所記憶装置1に記憶されているルート情報は、図5に示すように、見守り対象者が利用する経路と、見守り対象者が当該経路を通行する時間帯と、当該経路の通常の状態とを含んでいる。
【0023】
図5は、場所記憶装置1に記憶されているルート情報の一例を示す説明図である。
図5の例では、見守り対象者(1)が利用する経路(1)は、地点P1を出発点として、地点P2,P3,P4を経由して、地点P5に至るまでの経路である。
見守り対象者(1)が経路(1)を通行する時間帯(1)は、午後2時から午後4時の時間帯である。
経路(1)における時間帯(1)での通常の状態としては、例えば、地点P1,P2,P3,P4,P5におけるそれぞれの歩行者の平均人数、それぞれの自動車の平均台数、又は、それぞれの自転車の平均台数がある。
また、見守り対象者(2)が利用する経路(2)は、地点P11を出発点として、地点P12,P13を経由して、地点P14に至るまでの経路である。
見守り対象者(2)が経路(2)を通行する時間帯は、午後7時から午後8時の時間帯である。
経路(2)における時間帯(2)での通常の状態としては、例えば、地点P11,P12,P13,P14におけるそれぞれの歩行者の平均人数、それぞれの自動車の平均台数、又は、それぞれの自転車の平均台数がある。
【0024】
監視装置3のデータ取得部11は、場所記憶装置1から、ルート情報を取得する。
データ取得部11は、ルート情報に基づいて、見守り対象者が利用する経路を特定する。
見守り対象者が、例えば、見守り対象者(1)であれば、データ取得部11は、見守り対象者(1)が利用する経路(1)が、地点P1を出発点として、地点P2,P3,P4を経由して、地点P5に至るまでの経路であると特定する。
データ取得部11は、経路(1)を含む地域に設置されている多数の検知機器2のうち、地点P1,P2,P3,P4,P5を監視している検知機器2から、経路の監視データを取得する(図4のステップST1)。
データ取得部11は、ルート情報を判定部12及び確認依頼部13のそれぞれに出力し、監視データを判定部12に出力する。
【0025】
判定部12は、データ取得部11から、ルート情報及び監視データのそれぞれを取得する。
判定部12は、監視データに基づいて、見守り対象者が利用する経路の状態が、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを判定する(図4のステップST2)。
判定部12は、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを示す判定結果を確認依頼部13に出力する。
以下、判定部12による状態の判定処理を具体的に説明する。
【0026】
判定部12は、ルート情報に基づいて、見守り対象者が利用する経路を特定する。
見守り対象者が、例えば、見守り対象者(1)であれば、判定部12は、見守り対象者(1)が利用する経路(1)が、地点P1を出発点として、地点P2,P3,P4を経由して、地点P5に至るまでの経路であると特定する。
判定部12は、ルート情報に基づいて、見守り対象者が利用する経路の通常の状態を特定する。
見守り対象者が、例えば、見守り対象者(1)であれば、判定部12は、ルート情報に基づいて、見守り対象者(1)が経路(1)を通行する時間帯(1)を特定する。
判定部12は、経路(1)における時間帯(1)での通常の状態として、地点P1,P2,P3,P4,P5におけるそれぞれの歩行者の平均人数等を特定する。
判定部12は、監視データに基づいて、地点P1,P2,P3,P4,P5におけるそれぞれの歩行者の人数等を計数する。判定部12は、監視データが例えば防犯カメラの画像データであれば、画像データを解析することによって、人数等を計数することができる。
【0027】
判定部12は、地点P1,P2,P3,P4,P5におけるそれぞれの歩行者の人数等と、それぞれの歩行者の平均人数等とを比較する。
判定部12は、地点P1,P2,P3,P4,P5の中に、例えば、歩行者の人数Nが、歩行者の平均人数AVEと第1の閾値Thとの和以上であり(N≧AVE+Th)、かつ、歩行者の人数Nが、歩行者の平均人数AVEと第2の閾値Thとの和よりも少ない(N<AVE+Th)地点があれば、当該地点の状態が、状況を確認する必要のある状態であると判定する。Th<Thである。
判定部12は、地点P1,P2,P3,P4,P5の中に、例えば、歩行者の人数Nが、歩行者の平均人数AVEと第2の閾値Thとの和以上である(N≧AVE+Th)地点があれば、当該地点の状態が、状況を確認する必要が極めて高い状態であると判定する。
また、判定部12は、地点P1,P2,P3,P4,P5の中に、例えば、歩行者の人数Nが、歩行者の平均人数AVEと第3の閾値Thとの差よりも少ない(N<AVE-Th)地点があれば、当該地点の状態が、状況を確認する必要のある状態であると判定する。
判定部12は、地点P1,P2,P3,P4,P5の中に、例えば、歩行者の人数Nが、歩行者の平均人数AVEと第1の閾値Thとの和以上である地点がなく、かつ、歩行者の人数Nが、歩行者の平均人数AVEと第3の閾値Thとの差よりも少ない地点がなければ、経路(1)の状態が、経路の状況を確認する必要のない状態であると判定する。
【0028】
第1の閾値Th、第2の閾値Th及び第3の閾値Thのそれぞれは、例えば、判定部12の内部メモリに格納されていてもよいし、監視装置3の外部から与えられるものであってもよい。
歩行者の人数Nが、歩行者の平均人数AVEよりも第1の閾値Th以上多い地点は、不特定第三者が多いため、見守り対象者が、何らかのトラブルに巻き込まれる可能性が高い。
歩行者の人数Nが、歩行者の平均人数AVEよりも第2の閾値Th以上多い地点は、不特定第三者が極めて多いため、見守り対象者が、何らかのトラブルに巻き込まれる可能性が極めて高い。
一方、歩行者の人数Nが、歩行者の平均人数AVEよりも第3の閾値Th以上少ない地点は、人目が少ないため、見守り対象者が不審者等から危害を加えられる可能性が高い。
このように、見守り対象者が何らかのトラブルに巻き込まれる可能性が高い地点、又は、見守り対象者が不審者等から危害を加えられる可能性が高い地点は、既に異常が生じている可能性のある状況、又は、将来経路に異常が生じる可能性のある状況を生じていると言える。
【0029】
図1に示す監視装置3では、判定部12が、第1の閾値Th、第2の閾値Th及び第3の閾値Thのそれぞれを用いて、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを判定している。しかし、これは一例に過ぎず、判定部12が、例えば、4つ以上の閾値を用いて、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを判定してもよいし、2つ以下の閾値を用いて、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを判定してもよい。
図1に示す監視装置3では、判定部12が、それぞれの地点に対して、共通の閾値Th~Thを用いて、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを判定している。しかし、これは一例に過ぎず、判定部12は、地点毎に、互いに異なる閾値を用いて、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを判定するようにしてもよい。
図1に示す監視装置3では、判定部12が、通常の状態として、地点P1,P2,P3,P4,P5におけるそれぞれの歩行者の平均人数等を特定している。しかし、これは一例に過ぎず、判定部12は、通常の状態として、例えば、地点P1,P2,P3,P4,P5におけるそれぞれの歩行者の人数等の中央値、上限値、又は、下限値を特定するようにしてもよい。この場合、ルート情報には、通常の状態として、歩行者の人数等の中央値、上限値、又は、下限値が含まれている。
【0030】
確認依頼部13は、データ取得部11からルート情報を取得し、判定部12から判定結果を取得する。
確認依頼部13は、判定部12によって、見守り対象者が利用する経路の状況を確認する必要のある状態であると判定されれば(図4のステップST3:YESの場合)、当該経路の状況確認を依頼する(図4のステップST4)。
確認依頼部13は、判定部12によって、見守り対象者が利用する経路の状況を確認する必要のない状態であると判定されれば(図4のステップST3:NOの場合)、当該経路の状況確認の依頼を行わない。
以下、確認依頼部13による状況確認の依頼処理を具体的に説明する。
【0031】
確認依頼部13は、ルート情報に基づいて、見守り対象者が利用する経路を特定する。
見守り対象者が、例えば、見守り対象者(1)であれば、確認依頼部13は、見守り対象者(1)が利用する経路(1)が、地点P1を出発点として、地点P2,P3,P4を経由して、地点P5に至るまでの経路であると特定する。
確認依頼部13は、判定部12の判定結果が、例えば、地点P3の状態が、状況を確認する必要のある状態である旨を示していれば、地点P3の状況を確認する必要のある状態に対応する状況確認者を特定する。
確認依頼部13の内部メモリには、図6に示すように、それぞれの地点の状況を確認する必要のある状態に対応する状況確認者が記憶されている。
【0032】
図6は、それぞれの地点の状況を確認する必要のある状態に対応する状況確認者の一例を示す説明図である。
図6の例では、歩行者の人数Nが、歩行者の平均人数AVEと第1の閾値Thとの和以上であり(N≧AVE+Th)、かつ、歩行者の人数Nが、歩行者の平均人数AVEと第2の閾値Thとの和よりも少ない(N<AVE+Th)場合、状況確認者が地域ボランティアである。
歩行者の人数Nが、歩行者の平均人数AVEと第2の閾値Thとの和以上である(N≧AVE+Th)場合、状況確認者が警備員である。
また、歩行者の人数Nが、歩行者の平均人数AVEと第3の閾値Thとの差よりも少ない(N<AVE-Th)場合、状況確認者が警察官である。
図6に示す状況確認者は、あくまでも一例であり、これに限るものでないことは言うまでもない。
第1の閾値Th、第2の閾値Th及び第3の閾値Thのそれぞれは、例えば、確認依頼部13の内部メモリに格納されていてもよいし、監視装置3の外部から与えられるものであってもよい。
確認依頼部13は、例えば、地点P3の状態が、状況を確認する必要のある状態であれば、地点P3の状況確認要求を、状況確認者が利用する端末である状況確認者端末4に送信する。
状況確認者は、状況確認者端末4が、監視装置3から、見守り対象者が利用する経路に含まれている或る地点の状況確認要求を受信すると、当該地点に出向いて、当該地点の状況を確認する。
【0033】
図1に示す監視装置3では、確認依頼部13が、第1の閾値Th、第2の閾値Th及び第3の閾値Thのそれぞれを用いて、状況確認者を特定している。しかし、これは一例に過ぎず、確認依頼部13が、例えば、4つ以上の閾値を用いて、状況確認者を特定してもよいし、2つ以下の閾値を用いて、状況確認者を特定してもよい。
【0034】
確認依頼部13は、経路の状況確認を依頼したのち、状況確認を依頼した旨を見守り対象者の見守り者に通知する。
具体的には、確認依頼部13は、経路の状況確認を依頼したのち、状況確認を依頼した旨を示す情報を見守り者端末5に送信する。
見守り者は、見守り者端末5が、監視装置3から、状況確認を依頼した旨を示す情報を受信すると、状況確認が依頼されたことを認識できる。
【0035】
以上の実施の形態1では、見守り対象者が利用する場所を監視する検知機器2から、場所の監視データを取得するデータ取得部11と、データ取得部11により取得された監視データに基づいて、場所の状況を確認する必要があるか否かを判定する判定部12と、判定部12によって、場所の状況を確認する必要があると判定されれば、場所の状況に対応する状況確認者に対して、場所の状況確認を依頼する確認依頼部13とを備えるように、監視装置3を構成した。したがって、監視装置3は、見守り対象者に悪影響を及ぼし得る事象が発生した場合に、見守り者の不安を軽減させることができる。
【0036】
図1に示す監視装置3では、見守り対象者が、例えば、見守り対象者(1)であれば、判定部12が、見守り対象者(1)が利用する経路(1)が、地点P1を出発点として、地点P2,P3,P4を経由して、地点P5に至るまでの経路であると特定している。しかしながら、見守り対象者(1)が、地点P1から地点P5に至るまでに、経路(1)を逸脱することがある。見守り対象者(1)が、例えば、地点P1を出発点してから、地点P2’,P3’,P4’を経由して、地点P5に至ることがある。地点P2’は、地点P2からの逸脱が許容範囲の地点であり、地点P3’は、地点P3からの逸脱が許容範囲の地点であり、地点P4’は、地点P4からの逸脱が許容範囲の地点である。
判定部12は、経路(1)における時間帯(1)での通常の状態として、地点P1,P2’,P3’,P4’,P5におけるそれぞれの歩行者の平均人数等を特定する。
判定部12は、地点P1,P2’,P3’,P4’,P5を監視している検知機器2から監視データを取得し、監視データに基づいて、地点P1,P2’,P3’,P4’,P5におけるそれぞれの歩行者の人数等を計数する。
【0037】
判定部12は、地点P1,P2’,P3’,P4’,P5におけるそれぞれの歩行者の人数等と、それぞれの歩行者の平均人数等とを比較する。
判定部12は、地点P1,P2’,P3’,P4’,P5の中に、例えば、歩行者の人数Nが、歩行者の平均人数AVEと第1の閾値Thとの和以上であり(N≧AVE+Th)、かつ、歩行者の人数Nが、歩行者の平均人数AVEと第2の閾値Thとの和よりも少ない(N<AVE+Th)地点があれば、当該地点の状態が、状況を確認する必要のある状態であると判定する。
判定部12は、地点P1,P2’,P3’,P4’,P5の中に、例えば、歩行者の人数Nが、歩行者の平均人数AVEと第2の閾値Thとの和以上である(N≧AVE+Th)地点があれば、当該地点の状態が、状況を確認する必要が極めて高い状態であると判定する。
また、判定部12は、地点P1,P2’,P3’,P4’,P5の中に、例えば、歩行者の人数Nが、歩行者の平均人数AVEと第3の閾値Thとの差よりも少ない(N<AVE-Th)地点があれば、当該地点の状態が、状況を確認する必要のある状態であると判定する。
判定部12は、地点P1,P2’,P3’,P4’,P5の中に、例えば、歩行者の人数Nが、歩行者の平均人数AVEと第1の閾値Thとの和以上である地点がなく、かつ、歩行者の人数Nが、歩行者の平均人数AVEと第3の閾値Thとの差よりも少ない地点がなければ、経路(1)の状態が、経路の状況を確認する必要のない状態であると判定する。
【0038】
実施の形態2.
実施の形態2では、判定部15が、データ取得部11により取得された監視データを学習モデル14に与えることによって、学習モデル14から、監視データに係る場所の状況を確認する必要があるか否かを示す情報を取得する監視装置3について説明する。
【0039】
図7は、実施の形態2に係る監視装置3を含む監視システムを示す構成図である。図7において、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図8は、実施の形態2に係る監視装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。図8において、図2と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図7に示す監視システムでも、見守り対象者が利用する場所が、見守り対象者が利用する経路である例を説明する。ただし、これは一例に過ぎず、見守り対象者が利用する場所が、例えば、見守り対象者が利用する領域であってもよい。
【0040】
学習モデル14は、例えば、ニューラルネットワークによって実現される。
学習モデル14は、学習時において、経路の監視データと、経路の状況を確認する必要があるか否かを示す教師データとが与えられると、監視データに係る経路の状況を確認する必要があるか否かを学習する。
学習モデル14は、推論時において、判定部15から、データ取得部11により取得された監視データが与えられると、当該監視データに係る経路の状況を確認する必要があるか否かを示す情報を判定部15に出力する。
図7に示す監視システムでは、監視装置3が、学習モデル14を内蔵している。しかし、これは一例に過ぎず、学習モデル14は、監視装置3の外部に設けられているものであってもよい。
【0041】
図7に示す監視装置3は、データ取得部11、学習モデル14、判定部15及び確認依頼部13を備えている。
判定部15は、例えば、図8に示す判定回路35によって実現される。
判定部15は、データ取得部11から、ルート情報及び監視データのそれぞれを取得する。
判定部15は、図1に示す判定部12と同様に、ルート情報に基づいて、見守り対象者が利用する経路を特定する。
判定部15は、監視データを学習モデル14に与えることによって、学習モデル14から、当該監視データに係る場所の状況を確認する必要があるか否かを示す情報を取得する。
判定部15は、当該情報に基づいて、経路の状況を確認する必要があるか否かを判定し、経路の状況を確認する必要があるか否かを示す判定結果を確認依頼部13に出力する。
【0042】
図7では、監視装置3の構成要素であるデータ取得部11、判定部15及び確認依頼部13のそれぞれが、図8に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、監視装置3が、データ取得回路31、判定回路35及び確認依頼回路33によって実現されるものを想定している。
データ取得回路31、判定回路35及び確認依頼回路33のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0043】
監視装置3の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、監視装置3が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
監視装置3が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、データ取得部11、判定部15及び確認依頼部13におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるための監視プログラムが図3に示すメモリ51に格納される。そして、図3に示すプロセッサ52がメモリ51に格納されている監視プログラムを実行する。
【0044】
また、図8では、監視装置3の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、図3では、監視装置3がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、監視装置3における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0045】
次に、図7に示す監視システムの動作について説明する。ただし、学習モデル14及び判定部15以外は、図1に示す監視システムと同様である。このため、ここでは、主に、学習モデル14及び判定部15の動作について説明する。
【0046】
図7に示す監視システムでは、検知機器2が、例えば防犯カメラであり、監視データが、例えば防犯カメラの画像データであるものとする。
学習モデル14は、学習時において、経路の監視データが与えられ、かつ、経路の状況を確認する必要があるか否かを示す教師データとして、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを示す教師データが与えられると、監視データに係る経路の状態が、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを学習する。
図9は、経路の状況を確認する必要のある状態の一例を示す説明図である。
防犯カメラの画像データが示す画像に、例えば、揉めている人達が映っていれば、経路の状況を確認する必要のある状態であることを示す教師データが学習モデル14に与えられる。
防犯カメラの画像データが示す画像に、例えば、不審な動きを示している人が映っていれば、経路の状況を確認する必要のある状態であることを示す教師データが学習モデル14に与えられる。
防犯カメラの画像データが示す画像に、揉めている人達等が映っておらず、経路の状態が、経路の状況を確認する必要のない状態であれば、経路の状況を確認する必要のない状態であることを示す教師データが学習モデル14に与えられる。
【0047】
判定部15は、データ取得部11から、ルート情報及び監視データのそれぞれを取得する。
判定部15は、図1に示す判定部12と同様に、ルート情報に基づいて、見守り対象者が利用する経路を特定する。
判定部15は、監視データを学習モデル14に与える。
学習モデル14は、判定部15から、監視データが与えられると、監視データに係る経路の状態が、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを示す情報を判定部15に出力する。
判定部15は、学習モデル14から、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを示す情報を取得する。
判定部15は、当該情報に基づいて、経路の状態が、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを判定する。
判定部15は、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを示す判定結果を確認依頼部13に出力する。
【0048】
確認依頼部13は、データ取得部11からルート情報を取得し、判定部12から判定結果を取得する。
確認依頼部13は、判定部15によって、見守り対象者が利用する経路の状況を確認する必要のある状態であると判定されれば、当該経路の状況確認を依頼する。
確認依頼部13は、判定部15によって、見守り対象者が利用する経路の状況を確認する必要のない状態であると判定されれば、当該経路の状況確認の依頼を行わない。
【0049】
図1に示す監視システムでは、確認依頼部13が、状況確認要求を状況確認者端末4に送信することによって、経路の状況確認を依頼している。この場合の状況確認の依頼は、いわゆる「異常の通報」に相当するものである。
図7に示す監視システムでは、確認依頼部13が、図10に示すような依頼内容、又は、図11に示すような依頼内容を含む状況確認要求を状況確認者端末4に送信する。この場合は、単なる状況確認の依頼ではなく、状況確認者に対して、具体的に行って欲しい対応の内容を含んでいる。
図10及び図11のそれぞれは、経路の状況を確認する必要のある状態と、状況確認者と、状況確認者への依頼内容との一例を示す説明図である。
図10の例では、経路の状況を確認する必要のある状態が、揉めている人達が存在している状態であれば、状況確認者が警察官であり、状況確認者への依頼内容が、「状況を確認し、必要に応じて仲裁してもらう」ことを示している。
また、図10の例では、経路の状況を確認する必要のある状態が、火事が起きている状態であれば、状況確認者が、消防隊員及び警察官のそれぞれであり、状況確認者への依頼内容が、「現場に駆け付け、必要な対応として避難誘導を実施してもらう。」ことを示している。
確認依頼部13は、状況確認を依頼した旨を示す情報を見守り者端末5に送信する際、状況確認者への依頼内容を示す情報を見守り者端末5に送信するようにしてもよい。
【0050】
以上の実施の形態2では、場所の監視データと、場所の状況を確認する必要があるか否かを示す教師データとが与えられると、監視データに係る場所の状況を確認する必要があるか否かを学習する学習モデル14がある。そして、判定部15が、データ取得部11により取得された監視データを学習モデル14に与えることによって、学習モデル14から、データ取得部11により取得された監視データに係る場所の状況を確認する必要があるか否かを示す情報を取得し、当該情報に基づいて、当該場所の状況を確認する必要があるか否かを判定するように、監視装置3を構成した。したがって、監視装置3は、見守り対象者が利用する場所の状況を確認する必要のある場合に、そのような状況を検出することができる。
【0051】
実施の形態3.
実施の形態3では、判定部18が、データ取得部16により取得された監視データ及び事象データのそれぞれを学習モデル17に与え、学習モデル17から、監視データに係る場所の状況を確認する必要があるか否かを示す情報を取得する監視装置3について説明する。
【0052】
図12は、実施の形態3に係る監視装置3を含む監視システムを示す構成図である。図12において、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図13は、実施の形態3に係る監視装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。図13において、図2と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図13に示す監視システムは、場所記憶装置1、事象記憶装置6、検知機器2、監視装置3、状況確認者端末4及び見守り者端末5を備えている。
図12に示す監視システムでも、見守り対象者が利用する場所が、見守り対象者が利用する経路である例を説明する。ただし、これは一例に過ぎず、見守り対象者が利用する場所が、例えば、見守り対象者が利用する領域であってもよい。
【0053】
事象記憶装置6は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、あるいは、DVDによって実現される。
事象記憶装置6は、見守り対象者が利用する場所で生じる事象を示す事象データとして、見守り対象者が利用する経路で生じる事象を示す事象データを記憶している。
【0054】
図12に示す監視装置3は、データ取得部16、学習モデル17、判定部18及び確認依頼部13を備えている。
データ取得部16は、例えば、図13に示すデータ取得回路36によって実現される。
データ取得部16は、場所記憶装置1からルート情報を取得し、検知機器2から経路の監視データを取得する。
データ取得部16は、事象記憶装置6から事象データを取得する。
データ取得部16は、ルート情報を判定部18及び確認依頼部13のそれぞれに出力し、監視データ及び事象データのそれぞれを判定部18に出力する。
【0055】
学習モデル17は、例えば、ニューラルネットワークによって実現される。
学習モデル17は、学習時において、経路の監視データと、事象データとが与えられ、かつ、経路の状況を確認する必要があるか否かを示す教師データとして、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを示す教師データが与えられると、事象データに基づいて、監視データに係る経路の状態が、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを学習する。
学習モデル17は、推論時において、判定部18から、データ取得部11により取得された監視データと事象データとが与えられると、監視データに係る経路の状態が、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを示す情報を判定部18に出力する。
図12に示す監視システムでは、監視装置3が、学習モデル17を内蔵している。しかし、これは一例に過ぎず、学習モデル17は、監視装置3の外部に設けられているものであってもよい。
【0056】
判定部18は、例えば、図13に示す判定回路38によって実現される。
判定部18は、データ取得部16から、ルート情報、監視データ及び事象データのそれぞれを取得する。
判定部18は、図1に示す判定部12と同様に、ルート情報に基づいて、見守り対象者が利用する経路を特定する。
判定部18は、監視データ及び事象データのそれぞれを学習モデル17に与えることによって、学習モデル17から、監視データに係る経路の状態が、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを示す情報を取得する。
判定部18は、当該情報に基づいて、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを判定し、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを示す判定結果を確認依頼部13に出力する。
【0057】
図12では、監視装置3の構成要素であるデータ取得部16、判定部18及び確認依頼部13のそれぞれが、図13に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、監視装置3が、データ取得回路36、判定回路38及び確認依頼回路33によって実現されるものを想定している。
データ取得回路36、判定回路38及び確認依頼回路33のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0058】
監視装置3の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、監視装置3が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
監視装置3が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、データ取得部16、判定部18及び確認依頼部13におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるための監視プログラムが図3に示すメモリ51に格納される。そして、図3に示すプロセッサ52がメモリ51に格納されている監視プログラムを実行する。
【0059】
また、図13では、監視装置3の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、図3では、監視装置3がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、監視装置3における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0060】
次に、図12に示す監視システムの動作について説明する。ただし、データ取得部16、学習モデル17及び判定部18以外は、図1に示す監視システムと同様である。このため、ここでは、主に、データ取得部16、学習モデル17及び判定部18の動作について説明する。
【0061】
図12に示す監視システムでは、検知機器2が、例えば防犯カメラであり、監視データが、例えば防犯カメラの画像データであるものとする。
学習モデル17は、学習時において、経路の監視データと、経路で生じる事象を示す事象データと、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを示す教師データとが与えられると、事象データに基づいて、監視データに係る経路の状態が、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを学習する。
【0062】
図7に示す監視システムでは、防犯カメラの画像データが示す画像に、例えば、野生動物が映っていれば(図9を参照)、経路の状況を確認する必要のある状態であることを示す教師データが学習モデル14に与えられる。この場合、学習モデル14は、経路の状況を確認する必要のある状態であることを学習する。
一方、防犯カメラの画像データが示す画像に、野生動物が映っていなければ、経路の状況を確認する必要のない状態であることを示す教師データが学習モデル14に与えられる。この場合、学習モデル14は、経路の状況を確認する必要のない状態であることを学習する。
これに対して、図12に示す監視システムでは、防犯カメラの画像データが示す画像に、野生動物が映っておらず、経路の状況を確認する必要のない状態であることを示す教師データが学習モデル17に与えられても、例えば、野生動物が住宅街に侵入したことを示す事象データが学習モデル17に与えられれば、学習モデル17は、経路の状況を確認する必要のある状態であることを学習する。防犯カメラの画像データが示す画像に、野生動物が映っていれば、経路の状況を確認する必要のある状態であることを示す教師データが学習モデル17に与えられる。この場合も、学習モデル17は、経路の状況を確認する必要のある状態であることを学習する。
防犯カメラの画像データが示す画像に、野生動物が映っておらず、経路の状況を確認する必要のない状態であることを示す教師データが学習モデル17に与えられ、野生動物が住宅街に侵入したことを示す事象データが学習モデル17に与えられなければ、学習モデル17は、経路の状況を確認する必要のない状態であることを学習する。
【0063】
また、図7に示す監視システムでは、防犯カメラの画像データが示す画像に、例えば、不審な動きをしている人が映っていれば(図9を参照)、経路の状況を確認する必要のある状態であることを示す教師データが学習モデル14に与えられる。この場合、学習モデル14は、経路の状況を確認する必要のある状態であることを学習する。
一方、防犯カメラの画像データが示す画像に、不審な動きをしている人が映っていなければ、経路の状況を確認する必要のない状態であることを示す教師データが学習モデル14に与えられる。この場合、学習モデル14は、経路の状況を確認する必要のない状態であることを学習する。
これに対して、図12に示す監視システムでは、防犯カメラの画像データが示す画像に、不審な動きをしている人が映っておらず、経路の状況を確認する必要のない状態であることを示す教師データが学習モデル17に与えられても、例えば、不審者が街を徘徊していることを示す事象データが学習モデル17に与えられれば、学習モデル17は、経路の状況を確認する必要のある状態であることを学習する。防犯カメラの画像データが示す画像に、不審な動きをしている人が映っていれば、経路の状況を確認する必要のある状態であることを示す教師データが学習モデル17に与えられる。この場合も、学習モデル17は、経路の状況を確認する必要のある状態であることを学習する。
防犯カメラの画像データが示す画像に、不審な動きをしている人が映っておらず、経路の状況を確認する必要のない状態であることを示す教師データが学習モデル17に与えられ、不審者が街を徘徊していることを示す事象データが学習モデル17に与えられなければ、学習モデル17は、経路の状況を確認する必要のない状態であることを学習する。
【0064】
データ取得部16は、場所記憶装置1からルート情報を取得し、検知機器2から経路の監視データを取得する。
また、データ取得部16は、事象記憶装置6から事象データを取得する。
データ取得部16は、ルート情報を判定部18及び確認依頼部13のそれぞれに出力し、監視データ及び事象データのそれぞれを判定部18に出力する。
【0065】
判定部18は、データ取得部16から、ルート情報、監視データ及び事象データのそれぞれを取得する。
判定部18は、ルート情報に基づいて、見守り対象者が利用する経路を特定する。
判定部18は、監視データ及び事象データのそれぞれを学習モデル17に与えることによって、学習モデル17から、監視データに係る経路の状態が、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを示す情報を取得する。
判定部18は、当該情報に基づいて、経路の状態が、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを判定する。
判定部18は、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを示す判定結果を確認依頼部13に出力する。
【0066】
確認依頼部13は、データ取得部16からルート情報を取得し、判定部18から判定結果を取得する。
確認依頼部13は、判定部18によって、見守り対象者が利用する経路の状況を確認する必要のある状態であると判定されれば、当該経路の状況確認を依頼する。
確認依頼部13は、判定部18によって、見守り対象者が利用する経路の状況を確認する必要のない状態であると判定されれば、当該経路の状況確認の依頼を行わない。
【0067】
以上の実施の形態3では、場所の監視データと、場所で生じる事象を示す事象データと、場所の状況を確認する必要があるか否かを示す教師データとが与えられると、事象データに基づいて、監視データに係る場所の状況を確認する必要があるか否かを学習する学習モデル17がある。データ取得部16が、検知機器2から監視データを取得するほかに、場所で生じる事象を示す事象データを取得する。判定部18が、データ取得部16により取得された監視データ及び事象データのそれぞれを学習モデル17に与え、学習モデル17から、データ取得部16により取得された監視データに係る場所の状況を確認する必要があるか否かを示す情報を取得し、当該情報に基づいて、当該場所の状況を確認する必要があるか否かを判定するように、監視装置3を構成した。したがって、監視装置3は、経路で生じる事象に応じて、経路の状況を確認する必要があるか否かを判定することができる。
【0068】
実施の形態4.
実施の形態4では、データ取得部19が、検知機器2から、経路の監視データを取得する代わりに、経路で生じる事象を示す事象データを取得する監視装置3について説明する。
【0069】
図14は、実施の形態4に係る監視装置3を含む監視システムを示す構成図である。図14において、図1図7及び図12と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図15は、実施の形態4に係る監視装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。図15において、図2図8及び図13と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図14に示す監視システムは、場所記憶装置1、事象記憶装置6、監視装置3、状況確認者端末4及び見守り者端末5を備えている。
図14に示す監視システムでも、見守り対象者が利用する場所が、見守り対象者が利用する経路である例を説明する。ただし、これは一例に過ぎず、見守り対象者が利用する場所が、例えば、見守り対象者が利用する領域であってもよい。
【0070】
図14に示す監視装置3は、データ取得部19、学習モデル20、判定部21及び確認依頼部13を備えている。
データ取得部19は、例えば、図15に示すデータ取得回路39によって実現される。
データ取得部19は、場所記憶装置1からルート情報を取得し、ルート情報を判定部21及び確認依頼部13のそれぞれに出力する。
学習モデル20の学習時には、データ取得部19は、事象記憶装置6から事象データを取得し、事象データを判定部21に出力する。
学習モデル20の推論時には、データ取得部19は、例えば、警察、消防、公共交通機関、又は、学校のいずれかから、事象データを取得し、事象データを判定部21に出力する。
【0071】
学習モデル20は、例えば、ニューラルネットワークによって実現される。
学習モデル20は、学習時において、事象データが与えられ、かつ、経路の状況を確認する必要があるか否かを示す教師データとして、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを示す教師データが与えられると、事象データが示す事象が生じる経路の状態が、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを学習する。
学習モデル20は、推論時において、判定部21から、事象データが与えられると、事象データが示す事象が生じる経路の状態が、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを示す情報を判定部21に出力する。
図14に示す監視システムでは、監視装置3が、学習モデル20を内蔵している。しかし、これは一例に過ぎず、学習モデル20は、監視装置3の外部に設けられているものであってもよい。
【0072】
判定部21は、例えば、図15に示す判定回路41によって実現される。
判定部21は、データ取得部19から、ルート情報及び事象データのそれぞれを取得する。
判定部21は、図1に示す判定部12と同様に、ルート情報に基づいて、見守り対象者が利用する経路を特定する。
判定部21は、事象データを学習モデル20に与えることによって、学習モデル20から、事象データが示す事象が生じる経路の状態が、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを示す情報を取得する。
判定部21は、当該情報に基づいて、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを判定し、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを示す判定結果を確認依頼部13に出力する。
【0073】
図14では、監視装置3の構成要素であるデータ取得部19、判定部21及び確認依頼部13のそれぞれが、図15に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、監視装置3が、データ取得回路39、判定回路41及び確認依頼回路33によって実現されるものを想定している。
データ取得回路39、判定回路41及び確認依頼回路33のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0074】
監視装置3の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、監視装置3が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
監視装置3が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、データ取得部19、判定部21及び確認依頼部13におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるための監視プログラムが図3に示すメモリ51に格納される。そして、図3に示すプロセッサ52がメモリ51に格納されている監視プログラムを実行する。
【0075】
次に、図14に示す監視システムの動作について説明する。ただし、データ取得部19、学習モデル20及び判定部21以外は、図1に示す監視システムと同様である。このため、ここでは、主に、データ取得部19、学習モデル20及び判定部21の動作について説明する。
【0076】
学習モデル20は、学習時において、事象データと、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを示す教師データとが与えられると、事象データが示す事象が生じる経路の状態が、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを学習する。
事象データが示す事象が生じる経路の状態が、例えば、図10に示す状態、又は、図11に示す状態であれば、経路の状況を確認する必要のある状態であることを示す教師データが学習モデル20に与えられる。この場合、学習モデル20は、経路の状況を確認する必要のある状態であることを学習する。
【0077】
事象データが示す事象が生じる経路の状態は、図10及び図11のそれぞれに示す状態に限るものでない。花火大会、スポーツ大会、又は、祭事等の事象が予定されている場合、このような事象が予定されていない場合よりも、多くの人が経路上に現れることが予測される。このため、予定されている花火大会等の事象を示す事象データが、学習モデル20に与えられるものであってもよい。
事象データが示す事象が生じる経路の状態が、例えば、図10に示す状態、又は、図11に示す状態のいずれでもなく、経路の状況を確認する必要のない状態であることを示す教師データが学習モデル20に与えられた場合、学習モデル20は、経路の状況を確認する必要のない状態であることを学習する。
【0078】
データ取得部19は、場所記憶装置1からルート情報を取得し、例えば、警察、消防、公共交通機関、又は、学校のいずれから、事象データを取得する。
データ取得部19は、ルート情報を判定部21及び確認依頼部13のそれぞれに出力し、事象データを判定部21に出力する。
【0079】
判定部21は、データ取得部19から、ルート情報及び事象データのそれぞれを取得する。
判定部21は、ルート情報に基づいて、見守り対象者が利用する経路を特定する。
判定部21は、事象データを学習モデル20に与えることによって、学習モデル20から、事象データが示す事象が生じる経路の状態が、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを示す情報を取得する。
判定部21は、当該情報に基づいて、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを判定する。
判定部21は、経路の状況を確認する必要のある状態であるか否かを示す判定結果を確認依頼部13に出力する。
【0080】
確認依頼部13は、データ取得部19からルート情報を取得し、判定部21から判定結果を取得する。
確認依頼部13は、判定部21によって、見守り対象者が利用する経路の状況を確認する必要のある状態であると判定されれば、当該経路の状況確認を依頼する。
確認依頼部13は、判定部21によって、見守り対象者が利用する経路の状況を確認する必要のない状態であると判定されれば、当該経路の状況確認の依頼を行わない。
【0081】
以上の実施の形態4では、データ取得部19が、検知機器2から、場所の監視データを取得する代わりに、場所で生じる事象を示す事象データを取得し、判定部21が、データ取得部19により取得された事象データに基づいて、場所の状況を確認する必要があるか否かを判定するように、監視装置3を構成した。したがって、監視装置3は、見守り対象者が利用する場所で生じる事象に応じて、場所の状況を確認する必要があるか否かを判定することができる。
【0082】
実施の形態5.
実施の形態5では、データ取得部11により取得された監視データに基づいて、見守り対象者が、経路から逸脱していないか否かを判定する逸脱判定部22を備える監視装置3について説明する。
【0083】
図16は、実施の形態5に係る監視装置3を含む監視システムを示す構成図である。図14において、図1図7図12及び図14と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図17は、実施の形態5に係る監視装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。図17において、図2図8図13及び図15と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図16に示す監視システムは、場所記憶装置1、個人情報記憶装置7、検知機器2、監視装置3、状況確認者端末4及び見守り者端末5を備えている。
図16に示す監視システムでも、見守り対象者が利用する場所が、見守り対象者が利用する経路である例を説明する。ただし、これは一例に過ぎず、見守り対象者が利用する場所が、例えば、見守り対象者が利用する領域であってもよい。
【0084】
個人情報記憶装置7は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、あるいは、DVDによって実現される。
個人情報記憶装置7は、見守り対象者の個人情報を記憶している。見守り対象者の個人情報としては、例えば、見守り対象者の生年月日、見守り対象者の生体情報、又は、見守り対象者の写真がある。
【0085】
監視装置3は、データ取得部11、判定部12、確認依頼部13、逸脱判定部22及び逸脱通知部23を備えている。
逸脱判定部22は、例えば、図17に示す逸脱判定回路42によって実現される。
逸脱判定部22は、データ取得部11から、ルート情報及び監視データのそれぞれを取得する。
逸脱判定部22は、個人情報記憶装置7から、個人情報を取得する。
逸脱判定部22は、判定部12と同様に、ルート情報に基づいて、見守り対象者が利用する経路を特定する。
逸脱判定部22は、監視データと個人情報とに基づいて、見守り対象者が、経路から逸脱していないか否かを判定する。
逸脱判定部22は、経路から逸脱していないか否かを示す判定結果を逸脱通知部23に出力する。
【0086】
逸脱通知部23は、例えば、図17に示す逸脱通知回路43によって実現される。
逸脱通知部23は、逸脱判定部22から、判定結果を取得する。
逸脱通知部23は、逸脱判定部22によって、見守り対象者が経路から逸脱していると判定されれば、見守り対象者が経路から逸脱している旨を通知する。
見守り対象者が経路から逸脱している旨を示す通知情報は、例えば、状況確認者端末4に送信される。
【0087】
図16に示す監視システムでは、逸脱判定部22及び逸脱通知部23のそれぞれが、図1に示す監視システムに適用されている。しかし、これは一例に過ぎず、逸脱判定部22及び逸脱通知部23のそれぞれは、図7に示す監視システム、図12に示す監視システム、又は、図14に示す監視システムに適用されたものであってもよい。
【0088】
図16では、監視装置3の構成要素であるデータ取得部11、判定部12、確認依頼部13、逸脱判定部22及び逸脱通知部23のそれぞれが、図17に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、監視装置3が、データ取得回路31、判定回路32、確認依頼回路33、逸脱判定回路42及び逸脱通知回路43によって実現されるものを想定している。
データ取得回路31、判定回路32、確認依頼回路33、逸脱判定回路42及び逸脱通知回路43のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0089】
監視装置3の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、監視装置3が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
監視装置3が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、データ取得部11、判定部12、確認依頼部13、逸脱判定部22及び逸脱通知部23におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるための監視プログラムが図3に示すメモリ51に格納される。そして、図3に示すプロセッサ52がメモリ51に格納されている監視プログラムを実行する。
【0090】
また、図17では、監視装置3の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、図3では、監視装置3がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、監視装置3における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0091】
次に、図16に示す監視システムの動作について説明する。ただし、逸脱判定部22及び逸脱通知部23以外は、図1に示す監視システムと同様である。このため、ここでは、逸脱判定部22及び逸脱通知部23の動作のみを説明する。
【0092】
逸脱判定部22は、データ取得部11からルート情報を取得し、個人情報記憶装置7から個人情報を取得する。
逸脱判定部22は、ルート情報に基づいて、見守り対象者が利用する経路と、見守り対象者が当該経路を通行する時間帯とを特定する。
逸脱判定部22は、データ取得部11から、見守り対象者が通行する時間帯の監視データを取得する。
逸脱判定部22は、個人情報に含まれている見守り対象者の写真と、取得した監視データとを比較することによって、当該監視データの中に、見守り対象者の映像が映っているか否かを判定する。
【0093】
逸脱判定部22は、監視データの中に、見守り対象者の映像が映っていれば、見守り対象者が、経路から逸脱していないと判定する。
逸脱判定部22は、監視データの中に、見守り対象者の映像が映っていなければ、見守り対象者が、経路から逸脱している可能性があると判定する。
ここでは、説明の便宜上、見守り対象者が利用する経路が、例えば、地点P1から、地点P2,P3,P4を経由して、地点P5に至る経路であり、地点P2を監視している監視装置3からの監視データの中に、見守り対象者の映像が映っていないものとする。
この場合、逸脱判定部22は、地点P2からの逸脱が許容範囲の地点である地点P2’を監視している監視装置3から、データ取得部11を介して、見守り対象者が通行する時間帯の監視データを取得する。
【0094】
逸脱判定部22は、地点P2’を監視している監視装置3からの監視データの中に、見守り対象者の映像が映っていれば、見守り対象者が、経路から逸脱していないと判定する。
逸脱判定部22は、地点P2’を監視している監視装置3からの監視データの中に、見守り対象者の映像が映っていなければ、見守り対象者が、経路から逸脱していると判定する。
逸脱判定部22は、経路から逸脱していないか否かを示す判定結果を逸脱通知部23に出力する。
【0095】
逸脱通知部23は、逸脱判定部22から、判定結果を取得する。
逸脱通知部23は、逸脱判定部22によって、見守り対象者が経路から逸脱していると判定されれば、見守り対象者が経路から逸脱している旨を通知する。
見守り対象者が経路から逸脱している旨を示す通知情報は、例えば、状況確認者端末4に送信される。
状況確認者端末4が、逸脱通知部23から、見守り対象者が経路から逸脱している旨を示す通知情報を受信すると、状況確認者は、例えば、経路から逸脱している見守り対象者を捜索して、見守り対象者を保護する行動を行う。
状況確認者による見守り対象者の捜索としては、例えば、地点P2’を監視している監視装置3からの監視データに基づいて、経路から逸脱していると判定されていれば、地点P2’の近隣の地点である地点P2”に出向くことによって捜索する。また、状況確認者端末4が、地点P2”を監視している監視装置3からの監視データを取得し、状況確認者が、当該監視データが示す映像を見ることによって捜索する。
見守り対象者が経路から逸脱している旨を示す通知情報は、見守り者端末5に送信されるものであってもよい。
【0096】
以上の実施の形態5では、データ取得部11により取得された監視データに基づいて、見守り対象者が経路から逸脱していないか否かを判定する逸脱判定部22と、逸脱判定部22によって、見守り対象者が経路から逸脱していると判定されれば、見守り対象者が経路から逸脱している旨を通知する逸脱通知部23とを備えるように、監視装置3を構成した。したがって、監視装置3は、見守り対象者に悪影響を及ぼし得る事象が発生した場合に、見守り者の不安を軽減させることができるほか、見守り対象者が経路から逸脱したときに、見守り対象者の保護活動を始めることができる。
【0097】
実施の形態1~5では、判定部12,15,18,21が、ルート情報に基づいて、見守り対象者が利用する経路を特定している。
判定部12等は、経路の状況を確認する必要のある状態であると判定した後、又は、経路の状況を確認する必要のある状態であると判定する前に、例えば、警察、学校、又は、公共交通機関から、見守り対象者が利用する経路の変更を示すルート変更情報が出力されれば、ルート変更情報に基づいて、見守り対象者が利用する経路を特定するようにしてもよい。
【0098】
実施の形態1~5では、検知機器2が、例えば、防犯カメラ、レーダ、又は、監視衛星によって実現されているものを示している。しかし、これは一例に過ぎず、検知機器2は、小学校等の施設の入口に設置されているゲートに取り付けられている金属検知器であってもよい。金属検知器である検知機器2が危険物を検知した場合、判定部12等が、経路の状態が、経路の状況を確認する必要のある状態であると判定する。
判定部12等によって、経路の状態が、経路の状況を確認する必要のある状態であると判定されれば、ゲートが通路を閉じるようにしてもよい。
【0099】
なお、本開示は、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本開示は、監視装置、監視方法、監視プログラム及び監視システムに適している。
【符号の説明】
【0101】
1 場所記憶装置、2 検知機器、3 監視装置、4 状況確認者端末、5 見守り者端末、6 事象記憶装置、7 個人情報記憶装置、11 データ取得部、12 判定部、13 確認依頼部、14 学習モデル、15 判定部、16 データ取得部、17 学習モデル、18 判定部、19 データ取得部、20 学習モデル、21 判定部、22 逸脱判定部、23 逸脱通知部、31 データ取得回路、32 判定回路、33 確認依頼回路、35 判定回路、36 データ取得回路、38 判定回路、39 データ取得回路、41 判定回路、42 逸脱判定回路、43 逸脱通知回路、51 メモリ、52 プロセッサ。
【要約】
見守り対象者が利用する場所を監視する検知機器(2)から、場所の監視データを取得するデータ取得部(11)と、データ取得部(11)により取得された監視データに基づいて、場所の状況を確認する必要があるか否かを判定する判定部(12)と、判定部(12)によって、場所の状況を確認する必要があると判定されれば、場所の状況に対応する状況確認者に対して、場所の状況確認を依頼する確認依頼部(13)とを備えるように、監視装置(3)を構成した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17