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特許7682390作業支援装置、作業支援方法及び作業支援システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-15
(45)【発行日】2025-05-23
(54)【発明の名称】作業支援装置、作業支援方法及び作業支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0639 20230101AFI20250516BHJP
【FI】
G06Q10/0639
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2024526467
(86)(22)【出願日】2023-10-12
(86)【国際出願番号】 JP2023036943
【審査請求日】2024-05-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋山 朝子
(72)【発明者】
【氏名】橘 温希
(72)【発明者】
【氏名】加藤 伸一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 聡
(72)【発明者】
【氏名】大橋 佳恵
(72)【発明者】
【氏名】平井 由香
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-035127(JP,A)
【文献】特開2018-181237(JP,A)
【文献】特開2021-135878(JP,A)
【文献】国際公開第2017/183064(WO,A1)
【文献】特開2018-049421(JP,A)
【文献】特開2022-155553(JP,A)
【文献】特開2020-177534(JP,A)
【文献】国際公開第2017/090130(WO,A1)
【文献】特開2020-009239(JP,A)
【文献】特開2007-299370(JP,A)
【文献】特開2016-182248(JP,A)
【文献】特開2017-041028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者による作業の実施状況を監視するセンサから、前記作業の実施状況を示すセンシングデータを取得するセンシングデータ取得部と、
前記センシングデータ取得部により取得されたセンシングデータに基づいて、前記作業の実施状況に対応するAR(Augmented Reality)コンテンツを生成するARコンテンツ生成部と、
前記ARコンテンツ生成部により生成されたARコンテンツを示す表示データを出力する表示データ出力部と
を備え、
前記ARコンテンツ生成部は、
前記センシングデータ取得部により取得されたセンシングデータに基づいて、前記作業の実施状況として、前記作業者による作業の達成率を算出し、現在の季節および前記作業の達成率の両方に対応するARコンテンツを生成することを特徴とする作業支援装置。
【請求項2】
前記センサが、前記作業の実施状況を撮像する撮像センサであり、
前記センシングデータ取得部は、
前記作業の実施状況を示すセンシングデータとして、前記撮像センサの撮像結果を示す撮像データを取得し、
前記表示データ出力部は、
前記撮像データに対して、前記ARコンテンツ生成部により生成されたARコンテンツを示す表示データを重畳させ、前記表示データ重畳後の撮像データを出力することを特徴とする請求項1記載の作業支援装置。
【請求項3】
前記表示データ出力部は、
前記ARコンテンツ生成部により生成されたARコンテンツによって、前記作業者による前記作業の実施状況が見えなくならないように、前記撮像データに対して、前記ARコンテンツを示す表示データを重畳させることを特徴とする請求項2記載の作業支援装置。
【請求項4】
前記ARコンテンツ生成部は、
前記作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成する前に、生成対象のARコンテンツの選択を受け付けることを特徴とする請求項1記載の作業支援装置。
【請求項5】
前記ARコンテンツ生成部は、
前記作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、現在の時刻に対応するARコンテンツを生成することを特徴とする請求項1記載の作業支援装置。
【請求項6】
前記ARコンテンツ生成部は、
前記作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、現在の季節に対応するARコンテンツを生成することを特徴とする請求項1記載の作業支援装置。
【請求項7】
前記ARコンテンツ生成部は、
前記作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、前記作業の実施時間に対応するARコンテンツを生成することを特徴とする請求項1記載の作業支援装置。
【請求項8】
前記ARコンテンツ生成部は、
前記作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、現在の天候に対応するARコンテンツを生成することを特徴とする請求項1記載の作業支援装置。
【請求項9】
前記ARコンテンツ生成部は、
前記作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、前記作業が行われている施設内の清掃状況に対応するARコンテンツを生成することを特徴とする請求項1記載の作業支援装置。
【請求項10】
前記ARコンテンツ生成部は、
前記作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、前記作業の実施内容を案内するキャラクタを示すARコンテンツを生成することを特徴とする請求項1記載の作業支援装置。
【請求項11】
前記ARコンテンツ生成部は、
前記作業者の技量、又は、前記作業者の体調のいずれかに応じて、前記キャラクタが案内する前記実施内容が示す作業のスピードを調整することを特徴とする請求項10記載の作業支援装置。
【請求項12】
前記ARコンテンツ生成部は、
前記作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、前記作業についての熟練工の動作を示すARコンテンツを生成することを特徴とする請求項1記載の作業支援装置。
【請求項13】
センシングデータ取得部が、作業者による作業の実施状況を監視するセンサから、前記作業の実施状況を示すセンシングデータを取得し、
ARコンテンツ生成部が、前記センシングデータ取得部により取得されたセンシングデータに基づいて、前記作業の実施状況に対応するAR(Augmented Reality)コンテンツを生成し、
表示データ出力部が、前記ARコンテンツ生成部により生成されたARコンテンツを示す表示データを出力する
作業支援方法であって、
前記ARコンテンツ生成部は、
前記センシングデータ取得部により取得されたセンシングデータに基づいて、前記作業の実施状況として、前記作業者による作業の達成率を算出し、現在の季節および前記作業の達成率の両方に対応するARコンテンツを生成する作業支援方法。
【請求項14】
作業者による作業の実施状況を監視するセンサと、
前記センサから、前記作業の実施状況を示すセンシングデータを取得するセンシングデータ取得部と、
前記センシングデータ取得部により取得されたセンシングデータに基づいて、前記作業の実施状況に対応するAR(Augmented Reality)コンテンツを生成するARコンテンツ生成部と、
前記ARコンテンツ生成部により生成されたARコンテンツを示す表示データを出力する表示データ出力部と、
前記表示データ出力部から出力された表示データに従ってARコンテンツを表示する表示デバイスと
を備え、
前記ARコンテンツ生成部は、
前記センシングデータ取得部により取得されたセンシングデータに基づいて、前記作業の実施状況として、前記作業者による作業の達成率を算出し、現在の季節および前記作業の達成率の両方に対応するARコンテンツを生成する作業支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業支援装置、作業支援方法及び作業支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
作業者による作業を支援する作業支援装置がある。
このような作業支援装置として、例えば、特許文献1には、カメラと画像表示部とを備えるフォーク位置決め支援装置が開示されている。
当該カメラは、フォークリフトの前方を撮影し、前方の画像を示す画像データを画像表示部に出力する。当該カメラによる前方の撮影エリアは、フォークリフトによって搬送されるパレットと、フォークリフトのフォークとを含むエリアである。当該画像表示部は、カメラから出力された画像データが示す画像をディスプレイに表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-86959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているフォーク位置決め支援装置では、フォークリフトを運転する作業者が、ディスプレイを見れば、パレットとフォークとの相対位置を確認できるものの、パレットの搬送作業の実施状況として、パレットの搬送作業が、どの程度、進んでいるのかを確認することができないという課題があった。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、作業者が作業の実施状況を確認することができる作業支援装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る作業支援装置は、作業者による作業の実施状況を監視するセンサから、作業の実施状況を示すセンシングデータを取得するセンシングデータ取得部と、センシングデータ取得部により取得されたセンシングデータに基づいて、作業の実施状況に対応するAR(Augmented Reality)コンテンツを生成するARコンテンツ生成部と、ARコンテンツ生成部により生成されたARコンテンツを示す表示データを出力する表示データ出力部とを備えている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、作業者が作業の実施状況を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る作業支援装置2を含む作業支援システムを示す構成図である。
図2】実施の形態1に係る作業支援装置2のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図3】作業支援装置2が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
図4】作業支援装置2の処理手順である作業支援方法を示すフローチャートである。
図5】ベルトコンベアによって搬送されてくる製品を示す説明図である。
図6】作業の達成率Acrに対応するARコンテンツの一例を示す説明図である。
図7】作業の達成率Acrに対応するARコンテンツの一例を示す説明図である。
図8】作業の達成率Acrに対応するARコンテンツの一例を示す説明図である。
図9】作業の達成率Acrに対応するARコンテンツの一例を示す説明図である。
図10】現在の時刻が作業時間内であることを示すARコンテンツの一例を示す説明図である。
図11】現在の時刻が休憩時間内であることを示すARコンテンツの一例を示す説明図である。
図12】現在の季節に対応するARコンテンツの一例として、夏を連想させるARコンテンツを示す説明図である。
図13】作業の実施時間に対応するARコンテンツの一例を示す説明図である。
図14】現在の天候に対応するARコンテンツの一例を示す説明図である。
図15】実施の形態6に係る作業支援装置2を含む作業支援システムを示す構成図である。
図16】実施の形態6に係る作業支援装置2のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図17】ゴミが溜まっていることを示すARコンテンツの一例を示す説明図である。
図18】実施の形態7に係る作業支援装置2を含む作業支援システムを示す構成図である。
図19】実施の形態7に係る作業支援装置2のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図20】作業の実施内容を案内するキャラクタを示すARコンテンツの一例を示す説明図である。
図21】実施の形態8に係る作業支援装置2を含む作業支援システムを示す構成図である。
図22】実施の形態8に係る作業支援装置2のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図23】熟練工の動作を示すARコンテンツの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示をより詳細に説明するために、本開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る作業支援装置2を含む作業支援システムを示す構成図である。
図2は、実施の形態1に係る作業支援装置2のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図1に示す作業支援システムは、センサ1、作業支援装置2及び表示デバイス3を備えている。
【0011】
センサ1は、例えば、カメラ、又は、ライダ装置によって実現される。
センサ1は、作業者による作業の実施状況を監視し、作業の実施状況を示すセンシングデータを作業支援装置2に出力する。
カメラ及びライダ装置のそれぞれは、作業の実施状況を撮像する撮像センサである。特に、ライダ装置は、レーザ光を対象物に向けて照射し、対象物によるレーザ光の反射光を受信し、反射光に基づいて対象物の形状を検知できる装置である。
【0012】
作業者による作業としては、例えば、ベルトコンベアによって搬送されてくる製品を作業者が受け取る作業、ベルトコンベアによって搬送されてくる製品を分別する作業、作業者が製品を組み立てる作業、作業者がロボットを操作することによって製品を組み立てる作業、作業者が製品の良否を判定する作業、作業者がロボットを操作することによって製品の良否を判定する作業、又は、作業者がフォークリフトを操作することによってパレットを搬送する作業がある。
【0013】
作業の実施状況としては、例えば、作業者による作業の達成率、作業者による作業の達成回数、作業者による作業の実施日数、作業者による作業の進捗状況、又は、作業者による作業の正確性がある。
作業者による作業が、例えば、作業者が製品を受け取る作業であれば、作業の達成率としては、例えば、目標の受け取り数に対する現時点までの製品の受け取り数の割合がある。また、作業の達成回数としては、例えば、現時点までの製品の受け取り数がある。
作業者による作業が、例えば、パレットを搬送する作業であれば、作業の達成率としては、例えば、目標のパレット搬送数に対する現時点までのパレット搬送数の割合がある。また、作業の達成回数としては、例えば、現時点までのパレット搬送数がある。
作業者による作業が、例えば、作業者が製品を組み立てる作業であれば、作業の進捗状況としては、例えば、製品の組み立てを開始してから製品が完成するまでに要する複数の作業要素のうち、実施済みの作業要素を示すものがある。
【0014】
作業支援装置2は、センシングデータ取得部11、ARコンテンツ生成部12及び表示データ出力部13を備えている。
作業支援装置2は、作業の実施状況に対応するAR(Augmented Reality)コンテンツを生成し、ARコンテンツを示す表示データを表示デバイス3に出力する。
【0015】
表示デバイス3は、例えば、ARグラス、タブレット、又は、スマートフォンによって実現される。
表示デバイス3は、作業支援装置2から出力された表示データに従ってARコンテンツを表示する。
【0016】
センシングデータ取得部11は、例えば、図2に示すセンシングデータ取得回路21によって実現される。
センシングデータ取得部11は、センサ1から、作業の実施状況を示すセンシングデータを取得する。センサ1が、作業の実施状況を撮像する撮像センサであれば、センシングデータ取得部11は、作業の実施状況を示すセンシングデータとして、撮像センサの撮像結果を示す撮像データを取得する。
センシングデータ取得部11は、センシングデータをARコンテンツ生成部12及び表示データ出力部13のそれぞれに出力する。
【0017】
ARコンテンツ生成部12は、例えば、図2に示すARコンテンツ生成回路22によって実現される。
ARコンテンツ生成部12は、センシングデータ取得部11から、センシングデータを取得する。
ARコンテンツ生成部12は、センシングデータに基づいて、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成する。
ARコンテンツ生成部12は、ARコンテンツを示す表示データを表示データ出力部13に出力する。
【0018】
表示データ出力部13は、例えば、図2に示す表示データ出力回路23によって実現される。
表示データ出力部13は、センシングデータ取得部11からセンシングデータを取得し、ARコンテンツ生成部12から、ARコンテンツを示す表示データを取得する。
表示デバイス3が例えばARグラスであり、ARグラスを装着している作業者が、ARグラスを通じて、作業の実施状況を肉眼で見ることが可能であれば、表示データ出力部13は、ARコンテンツを示す表示データのみを取得して、表示データを表示デバイス3に出力する。
【0019】
ARグラスを装着している作業者が、ARグラスを通じて、作業の実施状況を肉眼で見ることが不可能であれば、表示データ出力部13は、ARコンテンツを示す表示データとセンシングデータとの双方を取得する。
表示デバイス3が、例えば、タブレット、又は、スマートフォンである場合も、表示データ出力部13は、ARコンテンツを示す表示データとセンシングデータとの双方を取得する。
表示データ出力部13は、センシングデータである撮像データに対して、ARコンテンツを示す表示データを重畳させ、表示データ重畳後の撮像データを表示デバイス3に出力する。
【0020】
図1では、作業支援装置2の構成要素であるセンシングデータ取得部11、ARコンテンツ生成部12及び表示データ出力部13のそれぞれが、図2に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、作業支援装置2が、センシングデータ取得回路21、ARコンテンツ生成回路22及び表示データ出力回路23によって実現されるものを想定している。
センシングデータ取得回路21、ARコンテンツ生成回路22及び表示データ出力回路23のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0021】
作業支援装置2の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、作業支援装置2が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
【0022】
図3は、作業支援装置2が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
作業支援装置2が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、センシングデータ取得部11、ARコンテンツ生成部12及び表示データ出力部13におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ31に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
【0023】
また、図2では、作業支援装置2の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、図3では、作業支援装置2がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、作業支援装置2における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0024】
次に、図1に示す作業支援システムの動作について説明する。
図4は、作業支援装置2の処理手順である作業支援方法を示すフローチャートである。
センサ1は、例えば、作業者が装着しているヘルメット、作業者が装着しているARグラス、又は、作業が行われている施設である工場の壁・天井等に設置されている。
センサ1は、作業者による作業の実施状況を監視し、作業の実施状況を示すセンシングデータを作業支援装置2に出力する。
図5は、ベルトコンベアによって搬送されてくる製品を示す説明図である。
以下、作業者による作業が、ベルトコンベアによって搬送されてくる製品を受け取る作業である例を説明する。
図5には、作業者が表示されていないが、作業者は、例えば、ベルトコンベアのサイド、又は、ベルトコンベアの先端近くに立っているものとする。
【0025】
センシングデータ取得部11は、センサ1から、作業の実施状況を示すセンシングデータを取得する(図4のステップST1)。
ここでは説明の便宜上、センサ1が、作業の実施状況を撮像する撮像センサであり、センシングデータ取得部11が、作業の実施状況を示すセンシングデータとして、撮像センサの撮像結果を示す撮像データを取得するものとする。
センシングデータ取得部11は、センシングデータをARコンテンツ生成部12及び表示データ出力部13のそれぞれに出力する。
【0026】
ARコンテンツ生成部12は、センシングデータ取得部11から、センシングデータを取得する。
ARコンテンツ生成部12は、センシングデータに基づいて、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成する(図4のステップST2)。
ARコンテンツ生成部12は、ARコンテンツを示す表示データを表示データ出力部13に出力する。
以下、ARコンテンツ生成部12によるARコンテンツの生成処理を具体的に説明する。
【0027】
ARコンテンツ生成部12は、センシングデータに基づいて、作業者が、ベルトコンベアによって搬送されてきた製品を受け取った数をカウントする。センシングデータである撮像データに基づいて、作業者が製品を受け取った数をカウントする処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
ARコンテンツ生成部12は、製品の受取目標数がEnum、作業者により受け取られた製品の数がTnumであるとすれば、以下の式(1)に示すように、作業の達成率Acrを算出する。
Acr=(Tnum/Enum)×100%
ARコンテンツ生成部12は、作業の実施状況に対応するARコンテンツとして、作業の達成率Acrに対応するARコンテンツを生成する。ARコンテンツの生成処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
【0028】
図6図7及び図8のそれぞれは、作業の達成率Acrに対応するARコンテンツの一例を示す説明図である。
図6図7及び図8のそれぞれは、作業の達成率Acrに対応するARコンテンツが、チューリップである例を示している。ここでは、作業の達成率Acrが高いほど、チューリップの開花数が増えている。
図6は、作業の達成率Acrが低いために、チューリップが全く開花していない例を示している。
図7は、作業の達成率Acrが少し上昇したために、チューリップが少しだけ開花している例を示している。
図8は、作業の達成率Acrが100%に近づいたために、チューリップがほぼ満開である例を示している。
【0029】
ここでは、作業の実施状況に対応するARコンテンツが、達成率Acrに応じて開花率が変化するチューリップを示している。しかし、これは一例に過ぎず、ARコンテンツ生成部12は、作業の実施状況に対応するARコンテンツとして、例えば、図9に示すように、作業の達成率Acrを示すARコンテンツを生成するようにしてもよい。
図9は、作業の達成率Acrに対応するARコンテンツの一例を示す説明図である。
図9は、作業の達成率Acrに対応するARコンテンツとして、達成率Acrを示す数字が花によって囲まれているARコンテンツを示している。
【0030】
表示データ出力部13は、センシングデータ取得部11から、センシングデータを取得し、ARコンテンツ生成部12から、ARコンテンツを示す表示データを取得する。
表示データ出力部13は、センシングデータである撮像データに対して、ARコンテンツを示す表示データを重畳させる。
表示データ出力部13は、撮像データに対して表示データを重畳させる際、ARコンテンツによって、作業者による作業の実施状況が見えなくならないように、撮像データに対して表示データを重畳させる。
即ち、表示データ出力部13は、図6図9に示すように、ARコンテンツによって、ベルトコンベアによって搬送されている製品が見えなくならないように、撮像データに対して表示データを重畳させる。
表示データ出力部13は、表示データ重畳後の撮像データを表示デバイス3に出力する(図4のステップST3)。
【0031】
表示デバイス3は、作業支援装置2の表示データ出力部13から、表示データ重畳後の撮像データを取得する。
表示デバイス3は、表示データ重畳後の撮像データに従ってARコンテンツを表示する。
これにより、表示デバイス3には、例えば、図6図9のいずれかに示すようなARコンテンツが表示される。
【0032】
以上の実施の形態1では、作業者による作業の実施状況を監視するセンサ1から、作業の実施状況を示すセンシングデータを取得するセンシングデータ取得部11と、センシングデータ取得部11により取得されたセンシングデータに基づいて、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するARコンテンツ生成部12と、ARコンテンツ生成部12により生成されたARコンテンツを示す表示データを出力する表示データ出力部13とを備えるように、作業支援装置2を構成した。したがって、作業支援装置2では、作業者が作業の実施状況を確認することができる。
なお、作業の実施状況に対応するARコンテンツが表示されることによって、作業者の集中力が維持されるという効果、作業者のやりがいが向上するという効果、又は、作業者の気分転換が促されるという効果も得られる。
【0033】
また、実施の形態1では、ARコンテンツ生成部12が、センシングデータ取得部11により取得されたセンシングデータに基づいて、作業の実施状況として、作業者による作業の達成率を算出し、作業の達成率に対応するARコンテンツを生成するように、作業支援装置2を構成した。したがって、作業支援装置2では、作業者が作業の達成率を確認することができる。
【0034】
図1に示す作業支援装置2では、ARコンテンツ生成部12が、作業の実施状況に対応するARコンテンツとして、作業の達成率Acrに応じて開花率が変化するチューリップを生成している。しかし、これは一例に過ぎず、ARコンテンツ生成部12は、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成する前に、生成対象のARコンテンツの選択を受け付けるようにしてもよい。
具体的には、ARコンテンツ生成部12は、例えば、ユーザインタフェースを備えており、ユーザがユーザインタフェースを操作することによって、生成対象のARコンテンツとして、例えば、図6図8に示すように、作業の達成率Acrに応じて開花率が変化するチューリップを選択すれば、作業の達成率Acrに応じて開花率が変化するチューリップを生成する。
ARコンテンツ生成部12は、ユーザがユーザインタフェースを操作することによって、生成対象のARコンテンツとして、例えば、図9に示すように、達成率Acrを示す数字が花によって囲まれているARコンテンツを選択すれば、達成率Acrを示す数字が花によって囲まれているARコンテンツを生成する。
【0035】
また、ARコンテンツ生成部12は、内蔵しているカレンダ、又は、外部のカレンダのいずれかから、現在の季節を取得し、作業の実施状況に対応するARコンテンツを現在の季節によって切り替えるようにしてもよい。
現在の季節が春であれば、ARコンテンツ生成部12は、図6図8に示すように、作業の実施状況に対応するARコンテンツとして、例えば、作業の達成率Acrに応じて開花率が変化するチューリップを生成する。
現在の季節が夏であれば、ARコンテンツ生成部12は、作業の実施状況に対応するARコンテンツとして、例えば、作業の達成率Acrに応じて開花率が変化する桜を生成する。
現在の季節が秋であれば、ARコンテンツ生成部12は、作業の実施状況に対応するARコンテンツとして、例えば、作業の達成率Acrに応じて色付きが変化する紅葉を生成する。
現在の季節が冬であれば、ARコンテンツ生成部12は、作業の実施状況に対応するARコンテンツとして、例えば、作業の達成率Acrに応じて積雪量が変化する積雪を生成する。
【0036】
図1に示す作業支援装置2では、ARコンテンツ生成部12が、作業の実施状況に対応するARコンテンツとして、作業の達成率Acrに対応するARコンテンツを生成している。しかし、これは一例に過ぎず、ARコンテンツ生成部12が、作業の実施状況に対応するARコンテンツとして、例えば、作業者による作業の達成回数、作業者による作業の実施日数、作業者による作業の進捗状況、又は、作業者による作業の正確性のいずれかに対応するARコンテンツを生成するようにしてもよい。
作業の進捗状況に対応するARコンテンツを生成する場合、ARコンテンツ生成部12は、製品の組み立てを開始してから製品が完成するまでに要する複数の作業要素のうち、実施済みの作業要素をカウントすれば、作業の進捗状況を認識することができる。
【0037】
図1に示す作業支援装置2では、ARコンテンツ生成部12が、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成している。ARコンテンツ生成部12は、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、作業者の理想的な立ち位置を示すARコンテンツを生成するようにしてもよい。作業者の理想的な立ち位置を示す情報は、例えば、ARコンテンツ生成部12の内部メモリに格納されている。作業者の理想的な立ち位置を示すARコンテンツとしては、例えば、作業者の理想的な立ち位置を示す足跡のイラストがある。
【0038】
実施の形態2.
実施の形態2では、ARコンテンツ生成部12が、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、現在の時刻に対応するARコンテンツを生成する作業支援装置2について説明する。
【0039】
実施の形態2に係る作業支援装置2の構成は、実施の形態1に係る作業支援装置2の構成と同様であり、実施の形態2に係る作業支援装置2を含む作業支援システムを示す構成図は、図1である。
ARコンテンツ生成部12は、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、現在の時刻に対応するARコンテンツを生成する。
ARコンテンツ生成部12は、作業の実施状況に対応するARコンテンツを示す表示データと、現在の時刻に対応するARコンテンツを示す表示データとを表示データ出力部13に出力する。
【0040】
次に、実施の形態2に係る作業支援システムの動作について説明する。ただし、ARコンテンツ生成部12以外は、図1に示す作業支援システムと同様である。このため、ここでは、主に、ARコンテンツ生成部12の動作について説明する。
【0041】
ARコンテンツ生成部12は、センシングデータ取得部11から、センシングデータを取得する。
ARコンテンツ生成部12は、実施の形態1と同様に、センシングデータに基づいて、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成する。
【0042】
ARコンテンツ生成部12は、内蔵しているクロック、又は、外部のクロックのいずれかから、現在の時刻を取得する。
ARコンテンツ生成部12は、現在の時刻に対応するARコンテンツを生成する。
以下、ARコンテンツ生成部12による、現在の時刻に対応するARコンテンツの生成処理を具体的に説明する。
【0043】
現在の時刻が、例えば、作業時間内の時刻であれば、ARコンテンツ生成部12は、例えば、図10に示すように、作業時間中であることを示すARコンテンツを生成する。
図10は、現在の時刻が作業時間内であることを示すARコンテンツの一例を示す説明図である。
現在の時刻が、例えば、休憩時間内の時刻であれば、ARコンテンツ生成部12は、例えば、図11に示すように、休憩時間中であることを示すARコンテンツを生成する。
図11は、現在の時刻が休憩時間内であることを示すARコンテンツの一例を示す説明図である。
図11において、コーヒーカップ及び茶碗のそれぞれは、休憩時間中であることを示すARコンテンツである。
【0044】
ここでは、ARコンテンツ生成部12が、現在の時刻に対応するARコンテンツとして、作業時間中であることを示すARコンテンツ、又は、休憩時間中であることを示すARコンテンツのいずれかを生成している。しかし、これは一例に過ぎず、ARコンテンツ生成部12は、現在の時刻に対応するARコンテンツとして、例えば、朝であることを示すARコンテンツ、昼であることを示すARコンテンツ、又は、夜であることを示すARコンテンツのいずれかを生成するようにしてもよい。
【0045】
表示データ出力部13は、センシングデータ取得部11から、センシングデータを取得する。
また、表示データ出力部13は、ARコンテンツ生成部12から、作業の実施状況に対応するARコンテンツ及び現在の時刻に対応するARコンテンツのそれぞれを取得する。
表示データ出力部13は、センシングデータである撮像データに対して、それぞれのARコンテンツを示す表示データを重畳させる。
表示データ出力部13は、撮像データに対して表示データを重畳させる際、それぞれのARコンテンツによって、作業者による作業の実施状況が見えなくならないように、撮像データに対して表示データを重畳させる。
即ち、表示データ出力部13は、図10図11に示すように、ARコンテンツによって、ベルトコンベアによって搬送されている製品が見えなくならないように、撮像データに対して表示データを重畳させる。
表示データ出力部13は、表示データ重畳後の撮像データを表示デバイス3に出力する。
【0046】
表示デバイス3は、作業支援装置2の表示データ出力部13から、表示データ重畳後の撮像データを取得する。
表示デバイス3は、表示データ重畳後の撮像データに従ってARコンテンツを表示する。
これにより、表示デバイス3には、例えば、図10図11のいずれかに示すようなARコンテンツが表示される。
【0047】
以上の実施の形態2では、ARコンテンツ生成部12が、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、現在の時刻に対応するARコンテンツを生成するように、作業支援装置2を構成した。したがって、作業支援装置2では、作業者が作業の実施状況を確認することができるほか、作業者が現在の時刻の属する時間帯を確認することができる。
【0048】
実施の形態3.
実施の形態3では、ARコンテンツ生成部12が、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、現在の季節に対応するARコンテンツを生成する作業支援装置2について説明する。
【0049】
実施の形態3に係る作業支援装置2の構成は、実施の形態1に係る作業支援装置2の構成と同様であり、実施の形態3に係る作業支援装置2を含む作業支援システムを示す構成図は、図1である。
ARコンテンツ生成部12は、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、現在の季節に対応するARコンテンツを生成する。
ARコンテンツ生成部12は、作業の実施状況に対応するARコンテンツを示す表示データと、現在の季節に対応するARコンテンツを示す表示データとを表示データ出力部13に出力する。
【0050】
次に、実施の形態3に係る作業支援システムの動作について説明する。ただし、ARコンテンツ生成部12以外は、図1に示す作業支援システムと同様である。このため、ここでは、主に、ARコンテンツ生成部12の動作について説明する。
【0051】
ARコンテンツ生成部12は、センシングデータ取得部11から、センシングデータを取得する。
ARコンテンツ生成部12は、実施の形態1と同様に、センシングデータに基づいて、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成する。
【0052】
ARコンテンツ生成部12は、内蔵しているカレンダ、又は、外部のカレンダのいずれかから、現在の季節を取得する。
ARコンテンツ生成部12は、現在の季節に対応するARコンテンツを生成する。
以下、ARコンテンツ生成部12による、現在の季節に対応するARコンテンツの生成処理を具体的に説明する。
【0053】
現在の季節が、春であれば、ARコンテンツ生成部12は、春を連想させるARコンテンツを生成する。春を連想させるARコンテンツとしては、例えば、桜の花を示すARコンテンツ、梅の花を示すARコンテンツ、又は、竹の子を示すARコンテンツがある。
現在の季節が、夏であれば、ARコンテンツ生成部12は、夏を連想させるARコンテンツを生成する。夏を連想させるARコンテンツとしては、例えば、スイカを示すARコンテンツ、花火を示すARコンテンツ、又は、海水浴場を示すARコンテンツがある。
現在の季節が、秋であれば、ARコンテンツ生成部12は、秋を連想させるARコンテンツを生成する。秋を連想させるARコンテンツとしては、例えば、紅葉を示すARコンテンツ、栗を示すARコンテンツ、又は、秋刀魚を示すARコンテンツがある。
現在の季節が、冬であれば、ARコンテンツ生成部12は、冬を連想させるARコンテンツを生成する。冬を連想させるARコンテンツとしては、例えば、雪ダルマを示すARコンテンツ、スキーを示すARコンテンツ、又は、マフラーを示すARコンテンツがある。
図12は、現在の季節に対応するARコンテンツの一例として、夏を連想させるARコンテンツを示す説明図である。
【0054】
ここでは、ARコンテンツ生成部12が、現在の季節に対応するARコンテンツとして、春を連想させるARコンテンツ、夏を連想させるARコンテンツ、秋を連想させるARコンテンツ、又は、冬を連想させるARコンテンツのいずれかを生成している。しかし、これは一例に過ぎず、ARコンテンツ生成部12は、現在の季節に対応するARコンテンツとして、例えば、1月から12月までの各月を連想させるARコンテンツを生成するようにしてもよい。
【0055】
表示データ出力部13は、センシングデータ取得部11から、センシングデータを取得する。
また、表示データ出力部13は、ARコンテンツ生成部12から、作業の実施状況に対応するARコンテンツ及び現在の季節に対応するARコンテンツのそれぞれを取得する。
表示データ出力部13は、センシングデータである撮像データに対して、それぞれのARコンテンツを示す表示データを重畳させる。
表示データ出力部13は、撮像データに対して表示データを重畳させる際、それぞれのARコンテンツによって、作業者による作業の実施状況が見えなくならないように、撮像データに対して表示データを重畳させる。
即ち、表示データ出力部13は、図12に示すように、ARコンテンツによって、ベルトコンベアによって搬送されている製品が見えなくならないように、撮像データに対して表示データを重畳させる。
表示データ出力部13は、表示データ重畳後の撮像データを表示デバイス3に出力する。
【0056】
表示デバイス3は、作業支援装置2の表示データ出力部13から、表示データ重畳後の撮像データを取得する。
表示デバイス3は、表示データ重畳後の撮像データに従ってARコンテンツを表示する。
これにより、表示デバイス3には、例えば、図12に示すようなARコンテンツが表示される。
【0057】
以上の実施の形態3では、ARコンテンツ生成部12が、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、現在の季節に対応するARコンテンツを生成するように、作業支援装置2を構成した。したがって、作業支援装置2では、作業者が作業の実施状況を確認することができるほか、作業者が現在の季節を確認することができる。
【0058】
実施の形態4.
実施の形態4では、ARコンテンツ生成部12が、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、作業の実施時間に対応するARコンテンツを生成する作業支援装置2について説明する。
【0059】
実施の形態4に係る作業支援装置2の構成は、実施の形態1に係る作業支援装置2の構成と同様であり、実施の形態4に係る作業支援装置2を含む作業支援システムを示す構成図は、図1である。
ARコンテンツ生成部12は、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、作業の実施時間に対応するARコンテンツを生成する。
ARコンテンツ生成部12は、作業の実施状況に対応するARコンテンツを示す表示データと、作業の実施時間に対応するARコンテンツを示す表示データとを表示データ出力部13に出力する。
【0060】
次に、実施の形態4に係る作業支援システムの動作について説明する。ただし、ARコンテンツ生成部12以外は、図1に示す作業支援システムと同様である。このため、ここでは、主に、ARコンテンツ生成部12の動作について説明する。
【0061】
ARコンテンツ生成部12は、センシングデータ取得部11から、センシングデータを取得する。
ARコンテンツ生成部12は、実施の形態1と同様に、センシングデータに基づいて、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成する。
【0062】
ARコンテンツ生成部12は、内蔵しているクロック、又は、外部のクロックのいずれかから、現在の時刻を取得する。
ARコンテンツ生成部12は、作業者が作業を開始した時刻を記憶している。
ARコンテンツ生成部12は、作業の実施時間として、作業者が作業を開始した時刻から現在の時刻までの時間を算出する。
ARコンテンツ生成部12は、例えば、図13に示すように、作業の実施時間に対応するARコンテンツを生成する。
図13は、作業の実施時間に対応するARコンテンツの一例を示す説明図である。
【0063】
表示データ出力部13は、センシングデータ取得部11から、センシングデータを取得する。
また、表示データ出力部13は、ARコンテンツ生成部12から、作業の実施状況に対応するARコンテンツ及び作業の実施時間に対応するARコンテンツのそれぞれを取得する。
表示データ出力部13は、センシングデータである撮像データに対して、それぞれのARコンテンツを示す表示データを重畳させる。
表示データ出力部13は、撮像データに対して表示データを重畳させる際、それぞれのARコンテンツによって、作業者による作業の実施状況が見えなくならないように、撮像データに対して表示データを重畳させる。
即ち、表示データ出力部13は、図13に示すように、ARコンテンツによって、ベルトコンベアによって搬送されている製品が見えなくならないように、撮像データに対して表示データを重畳させる。
表示データ出力部13は、表示データ重畳後の撮像データを表示デバイス3に出力する。
【0064】
表示デバイス3は、作業支援装置2の表示データ出力部13から、表示データ重畳後の撮像データを取得する。
表示デバイス3は、表示データ重畳後の撮像データに従ってARコンテンツを表示する。
これにより、表示デバイス3には、例えば、図13に示すようなARコンテンツが表示される。
【0065】
以上の実施の形態4では、ARコンテンツ生成部12が、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、作業の実施時間に対応するARコンテンツを生成するように、作業支援装置2を構成した。したがって、作業支援装置2では、作業者が作業の実施状況を確認することができるほか、作業者が作業の実施時間を確認することができる。
【0066】
実施の形態5.
実施の形態5では、ARコンテンツ生成部12が、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、現在の天候に対応するARコンテンツを生成する作業支援装置2について説明する。
【0067】
実施の形態5に係る作業支援装置2の構成は、実施の形態1に係る作業支援装置2の構成と同様であり、実施の形態5に係る作業支援装置2を含む作業支援システムを示す構成図は、図1である。
ARコンテンツ生成部12は、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、現在の天候に対応するARコンテンツを生成する。
ARコンテンツ生成部12は、作業の実施状況に対応するARコンテンツを示す表示データと、現在の天候に対応するARコンテンツを示す表示データとを表示データ出力部13に出力する。
【0068】
次に、実施の形態5に係る作業支援システムの動作について説明する。ただし、ARコンテンツ生成部12以外は、図1に示す作業支援システムと同様である。このため、ここでは、主に、ARコンテンツ生成部12の動作について説明する。
【0069】
ARコンテンツ生成部12は、センシングデータ取得部11から、センシングデータを取得する。
ARコンテンツ生成部12は、実施の形態1と同様に、センシングデータに基づいて、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成する。
【0070】
ARコンテンツ生成部12は、例えば、図示せぬ気象サイトから、現在の天候を示す天候情報を取得する。
ARコンテンツ生成部12は、例えば、図14に示すように、天候情報が示す天候に対応するARコンテンツを生成する。
図14は、現在の天候に対応するARコンテンツの一例を示す説明図である。
図14の例では、ベルトコンベア等の背景として、現在の天候に対応するARコンテンツが表示されている。図14の例では、現在の天候が、青空の一部に雲が存在している天候であることを示している。
【0071】
表示データ出力部13は、センシングデータ取得部11から、センシングデータを取得する。
また、表示データ出力部13は、ARコンテンツ生成部12から、作業の実施状況に対応するARコンテンツ及び現在の天候に対応するARコンテンツのそれぞれを取得する。
表示データ出力部13は、センシングデータである撮像データに対して、それぞれのARコンテンツを示す表示データを重畳させる。
表示データ出力部13は、撮像データに対して表示データを重畳させる際、それぞれのARコンテンツによって、作業者による作業の実施状況が見えなくならないように、撮像データに対して表示データを重畳させる。
即ち、表示データ出力部13は、図14に示すように、ARコンテンツによって、ベルトコンベアによって搬送されている製品が見えなくならないように、撮像データに対して表示データを重畳させる。
表示データ出力部13は、表示データ重畳後の撮像データを表示デバイス3に出力する。
【0072】
表示デバイス3は、作業支援装置2の表示データ出力部13から、表示データ重畳後の撮像データを取得する。
表示デバイス3は、表示データ重畳後の撮像データに従ってARコンテンツを表示する。
これにより、表示デバイス3には、例えば、図14に示すようなARコンテンツが表示される。
【0073】
以上の実施の形態5では、ARコンテンツ生成部12が、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、現在の天候に対応するARコンテンツを生成するように、作業支援装置2を構成した。したがって、作業支援装置2では、作業者が作業の実施状況を確認することができるほか、作業者が現在の天候を確認することができる。
【0074】
実施の形態6.
実施の形態6では、ARコンテンツ生成部12が、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、作業が行われている施設内の清掃状況に対応するARコンテンツを生成する作業支援装置2について説明する。
【0075】
図15は、実施の形態6に係る作業支援装置2を含む作業支援システムを示す構成図である。図15において、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図16は、実施の形態6に係る作業支援装置2のハードウェアを示すハードウェア構成図である。図16において、図2と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図15に示す作業支援システムは、センサ1、カメラ4、作業支援装置2及び表示デバイス3を備えている。
カメラ4は、作業が行われている施設内を撮影し、施設内の撮影データを作業支援装置2に出力する。施設内の撮影箇所としては、例えば、ベルトコンベアの周囲、又は、施設の出入口がある。
【0076】
ARコンテンツ生成部14は、例えば、図16に示すARコンテンツ生成回路24によって実現される。
ARコンテンツ生成部14は、センシングデータ取得部11から、センシングデータを取得し、カメラ4から、施設内の撮影データを取得する。
ARコンテンツ生成部14は、図1に示すARコンテンツ生成部12と同様に、センシングデータに基づいて、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成する。
ARコンテンツ生成部14は、施設内の撮影データに基づいて、施設内にゴミが溜まっているか否かを判定する。
ARコンテンツ生成部14は、作業が行われている施設内の清掃状況に対応するARコンテンツを生成する。
具体的には、ARコンテンツ生成部14は、施設内にゴミが溜まっていれば、作業が行われている施設内の清掃状況として、ゴミが溜まっていることを示すARコンテンツを生成する。
ARコンテンツ生成部14は、作業の実施状況に対応するARコンテンツを示す表示データと、施設内の清掃状況に対応するARコンテンツを示す表示データとを表示データ出力部13に出力する。
【0077】
図15では、作業支援装置2の構成要素であるセンシングデータ取得部11、ARコンテンツ生成部14及び表示データ出力部13のそれぞれが、図16に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、作業支援装置2が、センシングデータ取得回路21、ARコンテンツ生成回路24及び表示データ出力回路23によって実現されるものを想定している。
センシングデータ取得回路21、ARコンテンツ生成回路24及び表示データ出力回路23のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0078】
作業支援装置2の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、作業支援装置2が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
作業支援装置2が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、センシングデータ取得部11、ARコンテンツ生成部14及び表示データ出力部13におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが図3に示すメモリ31に格納される。そして、図3に示すプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
【0079】
また、図16では、作業支援装置2の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、図3では、作業支援装置2がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、作業支援装置2における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0080】
次に、図15に示す作業支援システムの動作について説明する。ただし、カメラ4及びARコンテンツ生成部14以外は、図1に示す作業支援システムと同様である。このため、ここでは、主に、カメラ4及びARコンテンツ生成部14の動作について説明する。
【0081】
カメラ4は、作業が行われている施設内を撮影し、施設内の撮影データを作業支援装置2に出力する。
ARコンテンツ生成部14は、センシングデータ取得部11から、センシングデータを取得する。
ARコンテンツ生成部14は、図1に示すARコンテンツ生成部12と同様に、センシングデータに基づいて、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成する。
【0082】
ARコンテンツ生成部14は、カメラ4から、施設内の撮影データを取得する。
ARコンテンツ生成部14は、施設内の撮影データに基づいて、施設内にゴミが溜まっているか否かを判定する。
以下、ARコンテンツ生成部14の判定処理を具体的に説明する。
【0083】
ARコンテンツ生成部14は、カメラ4から、施設内の撮影データとして、例えば、ベルトコンベアの周囲の撮影データを取得する。
ARコンテンツ生成部14の内部メモリ等には、ベルトコンベアの周囲にゴミが溜まっていないときの、ベルトコンベアの周囲を示す画像が格納されている。
ARコンテンツ生成部14は、ベルトコンベアの周囲の撮影データが示す画像と、ゴミが溜まっていないときのベルトコンベアの周囲を示す画像とを比較する。
ARコンテンツ生成部14は、両画像の一致度が閾値以上であれば、ベルトコンベアの周囲にゴミが溜まっていないと判定する。
ARコンテンツ生成部14は、両画像の一致度が閾値未満であれば、ベルトコンベアの周囲にゴミが溜まっていると判定する。閾値は、ARコンテンツ生成部14の内部メモリに格納されていてもよいし、作業支援装置2の外部から与えられるものであってもよい。
【0084】
ARコンテンツ生成部14は、施設内にゴミが溜まっていれば、作業が行われている施設内の清掃状況として、例えば、図17に示すように、ゴミが溜まっていることを示すARコンテンツを生成する。ゴミが溜まっていることを示すARコンテンツの生成処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
図17は、ゴミが溜まっていることを示すARコンテンツの一例を示す説明図である。
ARコンテンツ生成部14は、施設内にゴミが溜まっていなければ、作業が行われている施設内の清掃状況として、ゴミが溜まっていないことを示すARコンテンツを生成する。ゴミが溜まっていないことを示すARコンテンツとしては、例えば、「ゴミなし」を示すメッセージがある。
ここでは、ARコンテンツ生成部14が、ゴミが溜まっていないことを示すARコンテンツを生成するものとしている。しかし、これは一例に過ぎず、施設内にゴミが溜まっていなければ、ARコンテンツ生成部14は、施設内の清掃状況に対応するARコンテンツを生成しないようにしてもよい。
ARコンテンツ生成部14は、作業の実施状況に対応するARコンテンツを示す表示データを表示データ出力部13に出力する。
ARコンテンツ生成部14は、施設内の清掃状況に対応するARコンテンツを生成すれば、当該ARコンテンツを示す表示データを表示データ出力部13に出力する。
【0085】
表示データ出力部13は、センシングデータ取得部11から、センシングデータを取得する。
また、表示データ出力部13は、ARコンテンツ生成部14から、作業の実施状況に対応するARコンテンツを取得する。表示データ出力部13は、ARコンテンツ生成部14から、施設内の清掃状況に対応するARコンテンツが出力されれば、当該ARコンテンツを取得する。
表示データ出力部13は、センシングデータである撮像データに対して、それぞれのARコンテンツを示す表示データを重畳させる。
表示データ出力部13は、撮像データに対して表示データを重畳させる際、それぞれのARコンテンツによって、作業者による作業の実施状況が見えなくならないように、撮像データに対して表示データを重畳させる。
即ち、表示データ出力部13は、図17に示すように、ARコンテンツによって、ベルトコンベアによって搬送されている製品が見えなくならないように、撮像データに対して表示データを重畳させる。
表示データ出力部13は、表示データ重畳後の撮像データを表示デバイス3に出力する。
【0086】
表示デバイス3は、作業支援装置2の表示データ出力部13から、表示データ重畳後の撮像データを取得する。
表示デバイス3は、表示データ重畳後の撮像データに従ってARコンテンツを表示する。
これにより、表示デバイス3には、例えば、図17に示すようなARコンテンツが表示される。
【0087】
以上の実施の形態6では、ARコンテンツ生成部12が、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、作業が行われている施設内の清掃状況に対応するARコンテンツを生成するように、作業支援装置2を構成した。したがって、作業支援装置2では、作業者が作業の実施状況を確認することができるほか、作業者が施設内の清掃状況を確認することができる。
【0088】
実施の形態7.
実施の形態7では、ARコンテンツ生成部15が、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、作業の実施内容を案内するキャラクタを示すARコンテンツを生成する作業支援装置2について説明する。
【0089】
図18は、実施の形態7に係る作業支援装置2を含む作業支援システムを示す構成図である。図18において、図1及び図15と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図19は、実施の形態7に係る作業支援装置2のハードウェアを示すハードウェア構成図である。図19において、図2及び図16と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
【0090】
ARコンテンツ生成部15は、例えば、図19に示すARコンテンツ生成回路25によって実現される。
ARコンテンツ生成部15は、センシングデータ取得部11から、センシングデータを取得し、作業の実施内容を示す作業情報を取得する。
ARコンテンツ生成部15は、図1に示すARコンテンツ生成部12と同様に、センシングデータに基づいて、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成する。
ARコンテンツ生成部15は、作業情報に基づいて、作業者による作業の実施内容を把握する。
ARコンテンツ生成部15は、作業の実施内容を案内するキャラクタを示すARコンテンツを生成する。
ARコンテンツ生成部15は、作業の実施状況に対応するARコンテンツを示す表示データと、キャラクタを示すARコンテンツの表示データとを表示データ出力部13に出力する。
【0091】
図18に示す作業支援装置2は、ARコンテンツ生成部15が図1に示す作業支援装置2に適用されたものである。しかし、これは一例に過ぎず、ARコンテンツ生成部15が図15に示す作業支援装置2に適用されたものであってもよい。
【0092】
図18では、作業支援装置2の構成要素であるセンシングデータ取得部11、ARコンテンツ生成部15及び表示データ出力部13のそれぞれが、図19に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、作業支援装置2が、センシングデータ取得回路21、ARコンテンツ生成回路25及び表示データ出力回路23によって実現されるものを想定している。
センシングデータ取得回路21、ARコンテンツ生成回路25及び表示データ出力回路23のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0093】
作業支援装置2の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、作業支援装置2が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
作業支援装置2が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、センシングデータ取得部11、ARコンテンツ生成部15及び表示データ出力部13におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが図3に示すメモリ31に格納される。そして、図3に示すプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
【0094】
また、図19では、作業支援装置2の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、図3では、作業支援装置2がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、作業支援装置2における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0095】
次に、図18に示す作業支援システムの動作について説明する。ただし、ARコンテンツ生成部15以外は、図1に示す作業支援システムと同様である。このため、ここでは、主に、ARコンテンツ生成部15の動作について説明する。
【0096】
ARコンテンツ生成部15は、センシングデータ取得部11から、センシングデータを取得し、作業の実施内容を示す作業情報を取得する。
ARコンテンツ生成部15は、図1に示すARコンテンツ生成部12と同様に、センシングデータに基づいて、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成する。
【0097】
ARコンテンツ生成部15は、作業情報に基づいて、作業者による作業の実施内容を把握する。
ARコンテンツ生成部15は、図20に示すように、作業の実施内容を案内するキャラクタを示すARコンテンツを生成する。
図20は、作業の実施内容を案内するキャラクタを示すARコンテンツの一例を示す説明図である。
図20では、作業の実施内容が「緑色の枠の中にあるフタを取ってください。」である例を示している。
ARコンテンツ生成部15は、作業の実施状況に対応するARコンテンツを示す表示データと、キャラクタを示すARコンテンツの表示データとを表示データ出力部13に出力する。
【0098】
表示データ出力部13は、センシングデータ取得部11から、センシングデータを取得する。
また、表示データ出力部13は、ARコンテンツ生成部15から、作業の実施状況に対応するARコンテンツ及びキャラクタを示すARコンテンツのそれぞれを取得する。
表示データ出力部13は、センシングデータである撮像データに対して、それぞれのARコンテンツを示す表示データを重畳させる。
表示データ出力部13は、撮像データに対して表示データを重畳させる際、それぞれのARコンテンツによって、作業者による作業の実施状況が見えなくならないように、撮像データに対して表示データを重畳させる。
即ち、表示データ出力部13は、図20に示すように、ARコンテンツによって、ベルトコンベアによって搬送されている製品が見えなくならないように、撮像データに対して表示データを重畳させる。
表示データ出力部13は、表示データ重畳後の撮像データを表示デバイス3に出力する。
【0099】
表示デバイス3は、作業支援装置2の表示データ出力部13から、表示データ重畳後の撮像データを取得する。
表示デバイス3は、表示データ重畳後の撮像データに従ってARコンテンツを表示する。
これにより、表示デバイス3には、例えば、図20に示すようなARコンテンツが表示される。
【0100】
以上の実施の形態7では、ARコンテンツ生成部15が、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、作業の実施内容を案内するキャラクタを示すARコンテンツを生成するように、作業支援装置2を構成した。したがって、作業支援装置2では、作業者が作業の実施状況を確認することができるほか、作業者が作業の実施内容を確認することができる。
【0101】
図18に示す作業支援装置2では、ARコンテンツ生成部15が、作業の実施内容を案内するキャラクタを示すARコンテンツを生成している。このとき、ARコンテンツ生成部15は、作業者の技量、又は、作業者の体調のいずれかに応じて、キャラクタが案内する実施内容が示す作業のスピードを調整するようにしてもよい。
具体的には、作業の実施内容が、例えば、「ネジを締める作業」であるとすれば、ARコンテンツ生成部15は、作業者の技量、又は、作業者の体調のいずれかに応じて、実施内容である「ネジを締める作業」の作業スピードを調整する。即ち、作業者の技量が高いほど、ネジを締める作業スピードを速める実施内容として、ARコンテンツ生成部15は、例えば、「ネジを〇〇秒以内に締める」という案内に決定する。また、作業者の体調が悪ければ、ネジを締める作業スピードを遅らせる実施内容として、ARコンテンツ生成部15は、例えば、「ネジを△分程度で締める」という案内に決定する。
【0102】
ARコンテンツ生成部15は、例えば、作業者の技量、又は、作業者の体調のいずれかを図示せぬ学習モデルに与えて、学習モデルから、作業者の技量、又は、作業者の体調のいずれかに対応する作業スピードを示すスピード情報を取得する。
当該学習モデルは、学習時において、作業者の技量、又は、作業者の体調のいずれかと、作業スピードを示す教師データとが与えられると、作業者の技量、又は、作業者の体調のいずれかに対応する作業スピードを学習している。
ARコンテンツ生成部15は、スピード情報が示す作業スピードで作業を実施するための実施内容を案内するキャラクタを示すARコンテンツを生成する。
【0103】
図18に示す作業支援装置2では、ARコンテンツ生成部15が、作業の実施内容を案内するキャラクタを示すARコンテンツとして、熊をモチーフとするキャラクタを示すARコンテンツを生成している。しかし、これは一例に過ぎず、ARコンテンツ生成部15は、作業の実施内容を案内するキャラクタを示すARコンテンツを生成する前に、生成対象のキャラクタを示すARコンテンツの選択を受け付けるようにしてもよい。
具体的には、ARコンテンツ生成部15は、例えば、ユーザインタフェースを備えており、ユーザがユーザインタフェースを操作することによって、生成対象のキャラクタを示すARコンテンツを選択すれば、当該キャラクタを示すARコンテンツを生成する。
【0104】
実施の形態8.
実施の形態8では、ARコンテンツ生成部16が、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、当該作業についての熟練工の動作を示すARコンテンツを生成する作業支援装置2について説明する。
【0105】
図21は、実施の形態8に係る作業支援装置2を含む作業支援システムを示す構成図である。図21において、図1図15及び図18と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図22は、実施の形態8に係る作業支援装置2のハードウェアを示すハードウェア構成図である。図22において、図2図16及び図19と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
【0106】
ARコンテンツ生成部16は、例えば、図22に示すARコンテンツ生成回路26によって実現される。
ARコンテンツ生成部16は、センシングデータ取得部11から、センシングデータを取得し、作業者が行う作業についての熟練工の動作を示す動作情報を取得する。
ARコンテンツ生成部16は、図1に示すARコンテンツ生成部12と同様に、センシングデータに基づいて、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成する。
ARコンテンツ生成部16は、動作情報に基づいて、熟練工の動作を把握する。
ARコンテンツ生成部16は、熟練工の動作を示すARコンテンツを生成する。
ARコンテンツ生成部16は、作業の実施状況に対応するARコンテンツを示す表示データと、熟練工の動作を示すARコンテンツの表示データとを表示データ出力部13に出力する。
【0107】
図21に示す作業支援装置2は、ARコンテンツ生成部16が図1に示す作業支援装置2に適用されたものである。しかし、これは一例に過ぎず、ARコンテンツ生成部16が図15に示す作業支援装置2、又は、図18に示す作業支援装置2に適用されたものであってもよい。
【0108】
図21では、作業支援装置2の構成要素であるセンシングデータ取得部11、ARコンテンツ生成部16及び表示データ出力部13のそれぞれが、図22に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、作業支援装置2が、センシングデータ取得回路21、ARコンテンツ生成回路26及び表示データ出力回路23によって実現されるものを想定している。
センシングデータ取得回路21、ARコンテンツ生成回路26及び表示データ出力回路23のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0109】
作業支援装置2の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、作業支援装置2が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
作業支援装置2が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、センシングデータ取得部11、ARコンテンツ生成部16及び表示データ出力部13におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが図3に示すメモリ31に格納される。そして、図3に示すプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
【0110】
また、図22では、作業支援装置2の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、図3では、作業支援装置2がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、作業支援装置2における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0111】
次に、図21に示す作業支援システムの動作について説明する。ただし、ARコンテンツ生成部16以外は、図1に示す作業支援システムと同様である。このため、ここでは、主に、ARコンテンツ生成部16の動作について説明する。
【0112】
ARコンテンツ生成部16は、センシングデータ取得部11から、センシングデータを取得し、作業者が行う作業についての熟練工の動作を示す動作情報を取得する。
熟練工の動作としては、例えば、熟練工における作業時の動線、又は、熟練工における作業時の身体の動かし方がある。
ARコンテンツ生成部16は、図1に示すARコンテンツ生成部12と同様に、センシングデータに基づいて、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成する。
【0113】
ARコンテンツ生成部16は、動作情報に基づいて、熟練工の動作を把握する。動作情報が、例えば、熟練工における作業時の動線を示していれば、ARコンテンツ生成部16は、作業時の動線を把握する。動作情報が、例えば、作業時の身体の動かし方を示していれば、ARコンテンツ生成部16は、作業時の身体の動かし方を把握する。
ARコンテンツ生成部16は、図23に示すように、熟練工の動作を示すARコンテンツを生成する。
図23は、熟練工の動作を示すARコンテンツの一例を示す説明図である。
図23では、熟練工の動作を示すARコンテンツとして、熟練工における作業時の動線を示すARコンテンツが表示されている。
ARコンテンツ生成部16は、作業の実施状況に対応するARコンテンツを示す表示データと、熟練工の動作を示すARコンテンツの表示データとを表示データ出力部13に出力する。
【0114】
表示データ出力部13は、センシングデータ取得部11から、センシングデータを取得する。
また、表示データ出力部13は、ARコンテンツ生成部16から、作業の実施状況に対応するARコンテンツ及び熟練工の動作を示すARコンテンツのそれぞれを取得する。
表示データ出力部13は、センシングデータである撮像データに対して、それぞれのARコンテンツを示す表示データを重畳させる。
表示データ出力部13は、撮像データに対して表示データを重畳させる際、それぞれのARコンテンツによって、作業者による作業の実施状況が見えなくならないように、撮像データに対して表示データを重畳させる。
即ち、表示データ出力部13は、図23に示すように、ARコンテンツによって、ベルトコンベアによって搬送されている製品が見えなくならないように、撮像データに対して表示データを重畳させる。
表示データ出力部13は、表示データ重畳後の撮像データを表示デバイス3に出力する。
【0115】
表示デバイス3は、作業支援装置2の表示データ出力部13から、表示データ重畳後の撮像データを取得する。
表示デバイス3は、表示データ重畳後の撮像データに従ってARコンテンツを表示する。
これにより、表示デバイス3には、例えば、図23に示すようなARコンテンツが表示される。
【0116】
以上の実施の形態8では、ARコンテンツ生成部16が、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するほかに、作業についての熟練工の動作を示すARコンテンツを生成するように、作業支援装置2を構成した。したがって、作業支援装置2では、作業者が作業の実施状況を確認することができるほか、作業者が熟練工の動作を確認することができる。
【0117】
なお、本開示は、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本開示は、作業支援装置、作業支援方法及び作業支援システムに適している。
【符号の説明】
【0119】
1 センサ、2 作業支援装置、3 表示デバイス、4 カメラ、11 センシングデータ取得部、12,14,15,16 ARコンテンツ生成部、13 表示データ出力部、21 センシングデータ取得回路、22,24,25,26 ARコンテンツ生成回路、23 表示データ出力回路、31 メモリ、32 プロセッサ。
【要約】
作業者による作業の実施状況を監視するセンサ(1)から、作業の実施状況を示すセンシングデータを取得するセンシングデータ取得部(11)と、センシングデータ取得部(11)により取得されたセンシングデータに基づいて、作業の実施状況に対応するARコンテンツを生成するARコンテンツ生成部(12)と、ARコンテンツ生成部(12)により生成されたARコンテンツを示す表示データを出力する表示データ出力部(13)とを備えるように、作業支援装置(2)を構成した。
図1
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