IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機株式会社の特許一覧

特許7682418スタック基板及びスタック基板の製造方法
<>
  • 特許-スタック基板及びスタック基板の製造方法 図1
  • 特許-スタック基板及びスタック基板の製造方法 図2
  • 特許-スタック基板及びスタック基板の製造方法 図3
  • 特許-スタック基板及びスタック基板の製造方法 図4
  • 特許-スタック基板及びスタック基板の製造方法 図5
  • 特許-スタック基板及びスタック基板の製造方法 図6
  • 特許-スタック基板及びスタック基板の製造方法 図7
  • 特許-スタック基板及びスタック基板の製造方法 図8
  • 特許-スタック基板及びスタック基板の製造方法 図9
  • 特許-スタック基板及びスタック基板の製造方法 図10
  • 特許-スタック基板及びスタック基板の製造方法 図11
  • 特許-スタック基板及びスタック基板の製造方法 図12
  • 特許-スタック基板及びスタック基板の製造方法 図13
  • 特許-スタック基板及びスタック基板の製造方法 図14
  • 特許-スタック基板及びスタック基板の製造方法 図15
  • 特許-スタック基板及びスタック基板の製造方法 図16
  • 特許-スタック基板及びスタック基板の製造方法 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-15
(45)【発行日】2025-05-23
(54)【発明の名称】スタック基板及びスタック基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/14 20060101AFI20250516BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20250516BHJP
   H05K 3/36 20060101ALI20250516BHJP
   H05K 9/00 20060101ALI20250516BHJP
【FI】
H05K1/14 A
H05K1/02 P
H05K3/36 A
H05K9/00 R
H05K9/00 M
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2025502985
(86)(22)【出願日】2024-11-07
(86)【国際出願番号】 JP2024039575
【審査請求日】2025-01-20
(31)【優先権主張番号】P 2023204545
(32)【優先日】2023-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂本 竜也
(72)【発明者】
【氏名】新井 等
(72)【発明者】
【氏名】後藤 広志
(72)【発明者】
【氏名】中村 圭佑
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-237276(JP,A)
【文献】特開2005-251889(JP,A)
【文献】特開2001-267710(JP,A)
【文献】特開2009-224658(JP,A)
【文献】特開2001-7471(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 1/14
H05K 3/36
H05K 3/46
H05K 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
第2基板と、
電子部品とを備え、
前記第1基板は、第1基材と、前記第1基材の第1主面の上に導電性の材料で形成された第1配線層とを有し、
前記第2基板は、第2基材と、前記第2基材の第2主面の上に導電性の材料で形成された第2配線層とを有し、
前記第1主面には、凹部が形成され、
前記第2主面は、前記凹部と向かい合い、前記電子部品が配置される部品配置領域を有し、
前記電子部品は、前記凹部及び前記部品配置領域で画されている空間内において前記第2配線層に接続されており、
前記第1配線層及び前記第2配線層の一方は、突出部を有し、
前記第1配線層及び前記第2配線層の他方には、溝が形成されており、
前記突出部及び前記溝は、平面視において前記部品配置領域を取り囲んでおり、
前記第1基材及び前記第2基材は、前記溝と前記突出部とが嵌合されて前記第1主面及び前記第2主面が互いに向かい合うように重ねられている、
スタック基板。
【請求項2】
接合材をさらに備え、
前記突出部及び前記溝は、前記接合材を介在させて嵌合されている、
請求項1に記載のスタック基板。
【請求項3】
前記電子部品と前記凹部にある前記第1配線層との間に介在されている充填材をさらに備える、
請求項1又は請求項2に記載のスタック基板。
【請求項4】
前記充填材は、伝熱材又は電波吸収材である、
請求項3に記載のスタック基板。
【請求項5】
前記第1配線層は、第1下地層と、前記第1下地層上に配置されている第1めっき層とを有し、
前記第2配線層は、第2下地層と、前記第2下地層上に配置されている第2めっき層とを有し、
前記第1めっき層及び前記第2めっき層の一方は、前記突出部をなしており、
前記第1めっき層及び前記第2めっき層の他方には、前記溝が形成されている、
請求項1又は請求項2に記載のスタック基板。
【請求項6】
前記第1配線層は、第1下地層と、前記第1下地層上に配置されている第1めっき層とを有し、
前記第2配線層は、第2下地層を有し、
前記第1めっき層は、前記突出部をなしており、
前記第2下地層には、前記溝が形成されている、
請求項1又は請求項2に記載のスタック基板。
【請求項7】
前記第1基板を貫通する第1貫通穴、前記第1貫通穴の内壁面上に設けられた前記第1下地層、前記第1下地層が設けられた前記第1貫通穴を充填する第1埋め込み材とで構成されている第1ビアホール部と、
前記第2基板を貫通する第2貫通穴、前記第2貫通穴の内壁面上に設けられた前記第2下地層、前記第2下地層が設けられた前記第2貫通穴を充填する第2埋め込み材とで構成されている第2ビアホール部とを備え、
前記第1主面の前記第1埋め込み材を含む前記第1ビアホール部に前記第1めっき層が形成され、前記第2主面の前記第2埋め込み材を含む前記第2ビアホール部に前記第2めっき層が形成され、
前記第1めっき層及び前記第2めっき層の一方は、前記突出部をなしており、
前記第1めっき層及び前記第2めっき層の他方には、前記溝が形成され、
前記溝と前記突出部とが嵌合されて、前記第1主面の前記第1ビアホール部と前記第2主面の前記第2ビアホール部とが互いに向かい合うように重ねられている、
請求項5に記載のスタック基板。
【請求項8】
第1基板と、第2基板と、電子部品とを準備する工程と、
前記第1基板を構成する第1基材の第1主面に凹部を形成する工程と、
前記第1主面の上に導電性の材料で構成された第1配線層を形成する工程と、
前記第2基板を構成する第2基材の第2主面の上に導電性の材料で構成された第2配線層を形成する工程と、
前記第2主面において前記凹部と向かい合い前記電子部品が配置される部品配置領域を平面視に見たとき、前記第1配線層及び前記第2配線層の一方に前記部品配置領域を取り囲む突出部を形成し、前記第1配線層及び前記第2配線層の他方に前記部品配置領域を取り囲む溝を形成する工程と、
前記凹部及び前記部品配置領域で画されている空間内において、前記電子部品を前記第2配線層に接続する工程と、
前記溝と前記突出部とが嵌合されて、前記第1基材及び前記第2基材が前記第1主面及び前記第2主面が互いに向かい合うように重ねられる工程とを備える、
スタック基板の製造方法。
【請求項9】
前記第1配線層は、第1下地層及び前記第1下地層上に配置されている第1めっき層の積層膜であり、
前記第2配線層は、第2下地層及び前記第2下地層上に配置されている第2めっき層の積層膜であり、
前記第1基板を貫通する第1貫通穴を形成し、前記第1貫通穴の内壁面上に前記第1下地層を形成し、前記第1下地層が設けられた前記第1貫通穴を第1埋め込み材で充填して第1ビアホール部を形成する工程と、
前記第2基板を貫通する第2貫通穴を形成し、前記第2貫通穴の内壁面上に前記第2下地層を形成し、前記第2下地層が設けられた前記第2貫通穴を第2埋め込み材で充填して第2ビアホール部を形成する工程と、
前記第1主面の前記第1埋め込み材を含む前記第1ビアホール部に前記第1めっき層が形成され、前記第2主面の前記第2埋め込み材を含む前記第2ビアホール部に前記第2めっき層が形成される工程とを備え、
前記第1めっき層及び前記第2めっき層の一方は、前記突出部をなし、
前記第1めっき層及び前記第2めっき層の他方には、前記溝が形成される工程と、
前記溝と前記突出部とが嵌合されて、前記第1主面の前記第1ビアホール部と前記第2主面の前記第2ビアホール部とが互いに向かい合うように重ねられる工程とをさらに備える、請求項8に記載のスタック基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スタック基板及びスタック基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2017-112015号公報(特許文献1)には、スタック基板が記載されている。特許文献1に記載のスタック基板は、第1基板と、第2基板とを有している。第1基板は、第1主面を有している。第2基板は、第2主面を有している。第1基板及び第2基板は、第1主面及び第2主面が互いに向かい合うように重ねて配置されている。第1主面には、凹形嵌合部が形成されている。第2主面には、凸形嵌合部が形成されている。第1基板及び第2基板が重ねられている状態で、凹形嵌合部及び凸形嵌合部は、互いに嵌合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-112015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のスタック基板では、凹形嵌合部及び凸形嵌合部が金属で形成されているわけではなく、凹形嵌合部及び凸形嵌合部に電磁シールド機能がない。本開示は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本開示は、回路ブロックを電磁的にシールドすることが可能なスタック基板を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のスタック基板は、第1基板と、第2基板と、電子部品とを備えている。第1基板は、第1基材と、第1基材の第1主面の上に導電性の材料で形成された第1配線層とを有する。第2基板は、第2基材と、第2基材の第2主面の上に導電性の材料で形成された第2配線層とを有する。第1主面には、凹部が形成されている。第2主面は、凹部と向かい合い、電子部品が配置される部品配置領域を有する。電子部品は、凹部及び部品配置領域で画されている空間内において第2配線層に接続されている。第1配線層及び第2配線層の一方は、突出部を有する。第1配線層及び第2配線層の他方には、溝が形成されている。突出部及び溝は、平面視において部品配置領域を取り囲んでいる。第1基材及び第2基材は、溝と突出部とが嵌合されて第1主面及び第2主面が互いに向かい合うように重ねられている。
【発明の効果】
【0006】
本開示のスタック基板によると、回路ブロックを電磁的にシールドすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】スタック基板100の断面図である。
図2】スタック基板100の製造工程図である。
図3】準備工程S11を説明する断面図である。
図4】基材加工工程S12を説明する断面図である。
図5】第1めっき工程S13を説明する断面図である。
図6】配線層パターンニング工程S14を説明する断面図である。
図7】第2めっき工程S15を説明する断面図である。
図8】準備工程S21を説明する断面図である。
図9】基材加工工程S22を説明する断面図である。
図10】第1めっき工程S23を説明する断面図である。
図11】配線層パターンニング工程S24を説明する断面図である。
図12】第2めっき工程S25を説明する断面図である。
図13】電子部品実装工程S4を説明する断面図である。
図14】変形例1に係るスタック基板100における基板20の斜視図である。
図15】変形例2に係るスタック基板100の断面図である。
図16】変形例3に係るスタック基板100の断面図である。
図17】スタック基板200の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
実施の形態1に係るスタック基板を説明する。実施の形態1に係るスタック基板を、スタック基板100とする。
【0009】
(スタック基板100の構成)
以下に、スタック基板100の構成を説明する。
【0010】
図1は、スタック基板100の断面図である。図1に示されているように、スタック基板100は、基板10と、基板20と、基板30と、電子部品40と、電子部品41とを有している。
【0011】
基板10は、基材11と、配線層12と、配線層13とを有している。基材11は、主面11aと、主面11bとを有している。主面11a及び主面11bは、基材11の厚さ方向における端面である。主面11bは、主面11aの反対面である。基材11には、貫通穴11cが形成されている。貫通穴11cは、基材11を厚さ方向に貫通している。基材11は、ガラスクロス及びガラスクロスに含浸されている樹脂材料で構成されている。
【0012】
主面11aには、凹部11dが形成されている。主面11aは、凹部11dにおいて、主面11b側に凹んでいる。主面11bには、凹部11eが形成されている。主面11bは、凹部11eにおいて、主面11a側に凹んでいる。
【0013】
配線層12は、主面11a上に配置されている。配線層13は、主面11b上に配置されている。配線層12及び配線層13の各々は、下地層14と、めっき層15とを有している。下地層14は、第1層14aと、第2層14bとを有している。下地層14の構成材料及びめっき層15の構成材料は、例えば、銅、ニッケル、金等である。
【0014】
配線層12の一部をなしている第1層14aは、主面11a上に配置されている。配線層13の一部をなしている第1層14aは、主面11b上に配置されている。第2層14bは、第1層14a上に配置されている。第2層14bは、貫通穴11cの内壁面上にも配置されている。貫通穴11cの内壁面上に配置されている第2層14bにより、配線層12及び配線層13は、互いに電気的に接続されている。第2層14bは、凹部11dの底面上及び側面上並びに凹部11eの底面上及び側面上にも配置されている。なお、凹部11dの底面上及び側面上並びに凹部11eの底面上及び側面上では、下地層14は、第2層14bのみで構成されている。
【0015】
めっき層15は、下地層14上に配置されている。但し、めっき層15は、凹部11dの底面上及び側面上並びに凹部11eの底面上及び側面上にある下地層14(第2層14b)上には配置されていない。貫通穴11cには埋め込み材16が充填されている。埋め込み材16の構成材料は、例えば、銅、金属粉及び樹脂をコンパウンドした導電性樹脂、穴埋め樹脂等である。
【0016】
基板20は、基材21と、配線層22と、配線層23とを有している。基材21は、主面21aと、主面21bとを有している。主面21a及び主面21bは、基材21の厚さ方向における端面である。主面21bは、主面21aの反対面である。基材21には、貫通穴21cが形成されている。貫通穴21cは、基材21を厚さ方向に貫通している。基材21は、ガラスクロス及びガラスクロスに含浸されている樹脂材料で構成されている。主面21aは、部品配置領域21dを有している。
【0017】
配線層22は、主面21a上に配置されている。配線層23は、主面21b上に配置されている。配線層22及び配線層23の各々は、下地層24と、めっき層25とを有している。下地層24は、第1層24aと、第2層24bとを有している。下地層24の構成材料及びめっき層25の構成材料は、例えば、銅、ニッケル、金等である。
【0018】
配線層22の一部をなしている第1層24aは、主面21a上に配置されている。配線層23の一部をなしている第1層24aは、主面21b上に配置されている。第2層24bは、第1層24a上に配置されている。第2層24bは、貫通穴21cの内壁面上にも配置されている。貫通穴21cの内壁面上に配置されている第2層24bにより、配線層22及び配線層23は、互いに電気的に接続されている。めっき層25は、下地層24上に配置されている。貫通穴21cには、埋め込み材26が充填されている。埋め込み材26の構成材料は、例えば、銅、金属粉及び樹脂をコンパウンドした導電性樹脂、穴埋め樹脂等である。
【0019】
基板30は、基材31と、配線層32と、配線層33とを有している。基材31は、主面31aと、主面31bとを有している。主面31a及び主面31bは、基材31の厚さ方向における端面である。主面31bは、主面31aの反対面である。基材31には、貫通穴31cが形成されている。貫通穴31cは、基材31を厚さ方向に貫通している。基材31は、ガラスクロス及びガラスクロスに含浸されている樹脂材料で構成されている。主面31aは、部品配置領域31dを有している。
【0020】
配線層32は、主面31a上に配置されている。配線層33は、主面31b上に配置されている。配線層32及び配線層33の各々は、下地層34と、めっき層35とを有している。下地層34は、第1層34aと、第2層34bとを有している。下地層34の構成材料及びめっき層35の構成材料は、例えば、銅、ニッケル、金等である。
【0021】
配線層32の一部をなしている第1層34aは、主面31a上に配置されている。配線層33の一部をなしている第1層34aは、主面31b上に配置されている。第2層34bは、第1層34a上に配置されている。第2層34bは、貫通穴31cの内壁面上にも配置されている。貫通穴31cの内壁面上に配置されている第2層34bにより、配線層32及び配線層33は、互いに電気的に接続されている。めっき層35は、下地層34上に配置されている。貫通穴31cには、埋め込み材36が充填されている。埋め込み材36の構成材料は、例えば、銅、金属粉及び樹脂をコンパウンドした導電性樹脂、穴埋め樹脂等である。
【0022】
基板10、基板20及び基板30は、重ねられている。基板10、基板20及び基板30が重ねられている状態で、主面11a及び主面21aは互いに向かい合っており、主面11b及び主面31aは互いに向かい合っている。基板10、基板20及び基板30が重ねられている状態で、凹部11dは部品配置領域21dと向かい合っており、凹部11eは部品配置領域31dと向かい合っている。
【0023】
配線層12には、溝12aが形成されている。配線層13には、溝13aが形成されている。溝12aは、配線層12の一部をなしているめっき層15に形成されている。溝13aは、配線層13の一部をなしているめっき層15に形成されている。配線層22は、突出部22aを有している。突出部22aは、配線層22の一部をなしているめっき層25で構成されている。配線層32は、突出部32aを有している。突出部32aは、配線層32の一部をなしているめっき層35で構成されている。
【0024】
突出部22aは、平面視において部品配置領域21dを取り囲んでいる。突出部32aは、平面視において部品配置領域31dを取り囲んでいる。突出部22aは平面視において部品配置領域21dの周囲を複数周にわたって周回していてもよく、突出部32aは平面視において部品配置領域21dの周囲を複数周にわたって周回していてもよい。
【0025】
溝12aは、平面視において部品配置領域21dを取り囲んでいる。溝13aは、平面視において、部品配置領域31dを取り囲んでいる。溝12aは平面視において複数周にわたって部品配置領域21dの周囲を周回していてもよく、溝13aは平面視において部品配置領域31dの周囲を複数周にわたって周回していてもよい。
【0026】
突出部22a及び突出部32aは、それぞれ、溝12a及び溝13aと向かい合っている。基板10、基板20及び基板30は、突出部22a及び突出部32aがそれぞれ溝12a及び溝13aに嵌合されることにより、重ねられた状態で保持される。なお、図示されていないが、基板10、基板20及び基板30は、突出部22a及び突出部32aがそれぞれ溝12a及び溝13aに嵌合された上で、ねじ締め等で互いに固定されてもよい。
【0027】
突出部22a及び突出部32aは、それぞれ第2層24bが形成されて埋め込み材26が充填された貫通穴21cの上、第2層34bが形成されて埋め込み材36が充填された貫通穴31cの上に形成されていてもよい。この突出部22aに向かい合う溝12a及びこの突出部32aに向かい合う溝13aは、第2層14bが形成されて埋め込み材16が充填された貫通穴11cの上に形成されていてもよい。これにより、貫通穴11c、貫通穴21c、貫通穴31cの直上で突出部22a、突出部32aが溝12a、溝13aと嵌合され、基板10と基板20及び基板30との間の熱伝導性が向上する。
【0028】
すなわち、スタック基板100は、第1ビアホール部と第2ビアホール部とを有している。第1ビアホール部は、基板10を貫通する貫通穴11cと、貫通穴11cの内壁面上に設けられた下地層14の第2層14bと、第2層14bが設けられた貫通穴11cを充填する埋め込み材16とで構成されている。第2ビアホール部は、基板20を貫通する貫通穴21cと、貫通穴21cの内壁面上に設けられた下地層24の第2層24bと、第2層24bが設けられた貫通穴21cを充填する埋め込み材26とで構成されている。
【0029】
主面11aの埋め込み材16を含む第1ビアホール部にめっき層15が形成され、主面21aの埋め込み材26を含む第2ビアホール部にめっき層25が形成されている。第2ビアホール上のめっき層25には、突出部22aが形成されている。第1ビアホール上のめっき層15に、溝12aが形成されている。溝12aと突出部22aとが嵌合されて、主面11aの第1ビアホール部と、主面21aの第2ビアホール部とが互いに向かい合うように基板10と基板20とが重ねられている。なお、第2ビアホール上のめっき層25に溝が形成され、第1ビアホール上のめっき層15に突出部が形成されて、この溝と突出部とが嵌合されて、主面11aの第1ビアホール部と、主面21aの第2ビアホール部とが互いに向かい合うように基板10と基板20とが重ねられていてもよい。
【0030】
また、スタック基板100は、第3ビアホール部を有している。第3ビアホール部は、基板30を貫通する貫通穴31cと、貫通穴31cの内壁面上に設けられた下地層34の第2層34bと、第2層34bが設けられた貫通穴31cを充填する埋め込み材36とで構成されている。
【0031】
主面31aの埋め込み材36を含む第3ビアホール部には、めっき層35が形成されている。第3ビアホール上のめっき層35に、突出部32aが形成されている。基板10の主面11b側の第1ビアホール上のめっき層15には、溝13aが形成されている。溝13aと突出部32aとが嵌合され、主面11bの第1ビアホール部と主面31aの第3ビアホール部とが互いに向かい合うように基板10と基板30とが重ねられている。なお、第3ビアホール上のめっき層35に溝が形成され、第1ビアホール上のめっき層15に突出部が形成されて、この溝と突出部とが嵌合されて、主面11bの第1ビアホール部と、主面31aの第2ビアホール部とが互いに向かい合うように基板10と基板30とが重ねられていてもよい。
【0032】
電子部品40は、凹部11dと部品配置領域21dとで画されている空間内で、配線層22に接続されている。部品配置領域21dにある電子部品40は、1つの回路ブロックをなしている。電子部品41は、凹部11eと部品配置領域31dとで画されている空間内で、配線層32に接続されている。部品配置領域31dにある電子部品41は、1つの回路ブロックをなしている。電子部品40と配線層22との接続及び電子部品41と配線層32との接続は、例えば、はんだ付けにより行われる。
【0033】
(スタック基板100の製造方法)
以下に、スタック基板100の製造方法を説明する。
【0034】
図2は、スタック基板100の製造工程図である。図2に示されているように、スタック基板100の製造方法は、第1基板形成工程S1と、第2基板形成工程S2と、第3基板形成工程S3と、電子部品実装工程S4と、基板組み立て工程S5とを有している。
【0035】
第1基板形成工程S1は、準備工程S11と、基材加工工程S12と、第1めっき工程S13と、配線層パターンニング工程S14と、第2めっき工程S15とを有している。
【0036】
図3は、準備工程S11を説明する断面図である。図3に示されているように、準備工程S11では、基材11が準備される。準備工程S11において準備される基材11は、主面11a上及び主面11b上に第1層14aが配置されている。
【0037】
図4は、基材加工工程S12を説明する断面図である。図4に示されているように、基材加工工程S12では、基材11に対して穴開け加工が行われる。これにより、基材11に貫通穴11cが形成される。また、基材加工工程S12では、基材11に対して座ぐり加工が行われる。これにより、凹部11d及び凹部11eが形成される。
【0038】
図5は、第1めっき工程S13を説明する断面図である。図5に示されているように、第1めっき工程S13では、無電解めっき、硫酸銅めっき等が行われることにより、第1層14a上に第2層14bが形成される。この際、貫通穴11cの内壁面上、凹部11dの側面上及び底面上並びに凹部11eの側面上及び底面上にも、第2層14bが形成される。第2層14bが形成された後、貫通穴11cには、埋め込み材16が充填される。
【0039】
図6は、配線層パターンニング工程S14を説明する断面図である。図6に示されているように、配線層パターンニング工程S14では、下地層14上に形成されたレジストパターンをマスクとするエッチングにより、下地層14がパターンニングされる。
【0040】
図7は、第2めっき工程S15を説明する断面図である。図7に示されているように、第2めっき工程S15では、めっき層15が形成される。第2めっき工程S15では、第1に、下地層14上にレジストパターンが形成される。レジストパターンの開口からは、下地層14が露出している。第2に、例えば電解めっきが行われることにより、レジストパターンの開口部から露出している下地層14上に、めっき層15が成長される。すなわち、第2めっき工程S15では、例えばセミアディティブ法により、めっき層15が形成される。なお、第2めっき工程S15が行われた後、外形加工、ソルダレジスト塗布、表面処理等が後工程として行われる。
【0041】
第2基板形成工程S2は、準備工程S21と、基材加工工程S22と、第1めっき工程S23と、配線層パターンニング工程S24と、第2めっき工程S25とを有している。
【0042】
図8は、準備工程S21を説明する断面図である。図3に示されているように、準備工程S21では、基材21が準備される。準備工程S21において準備される基材21は、主面21a上及び主面21b上に第1層24aが配置されている。
【0043】
図9は、基材加工工程S22を説明する断面図である。基材加工工程S22では、図9に示されているように、基材21に対して穴開け加工が行われることにより、基材21に貫通穴21cが形成される。図10は、第1めっき工程S23を説明する断面図である。図10に示されているように、第1めっき工程S23では、無電解めっき、硫酸銅めっき等が行われることにより、第1層24a上に第2層24bが形成される。この際、貫通穴21cの内壁面上にも第2層24bが形成される。なお、第2層24bが形成された後、貫通穴21cには、埋め込み材26が充填される。
【0044】
図11は、配線層パターンニング工程S24を説明する断面図である。図11に示されているように、配線層パターンニング工程S24では、下地層24上に形成されたレジストパターンをマスクとするエッチングにより、下地層24がパターンニングされる。図12は、第2めっき工程S25を説明する断面図である。図12に示されているように、第2めっき工程S25では、めっき層25が形成される。第2めっき工程S25では、第1に、下地層24上にレジストパターンが形成される。レジストパターンの開口からは、下地層24が露出している。第2に、例えば電解めっきが行われることにより、レジストパターンの開口部から露出している下地層24上にめっき層25が成長される。すなわち、第2めっき工程S25では、例えばセミアディティブ法により、めっき層25が形成される。なお、第2めっき工程S25が行われた後、外形加工、ソルダレジスト塗布、表面処理等が後工程として行われる。
【0045】
第3基板形成工程S3では、基板30が形成される。第3基板形成工程S3は、第2基板形成工程S2と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0046】
図13は、電子部品実装工程S4を説明する断面図である。図13に示されているように、電子部品実装工程S4では、電子部品40が、部品配置領域21dにある配線層12に実装される。電子部品40の実装は、例えば、はんだ付けで行われる。図示されていないが、部品配置領域31dにある配線層32にも、同様に電子部品41が実装される。
【0047】
基板組み立て工程S5では、第1に、主面11aが主面21aと向かい合うとともに主面11bが主面21aと向かい合うように、基板10、基板20及び基板30が配置される。より具体的には、基板10、基板20及び基板30は、突出部22aが溝12aと向かい合うとともに突出部32aが溝13aと向かい合うように、基板10、基板20及び基板30が配置される。第2に、基板20及び基板30が基板10に向かって押し込まれる。これにより、突出部22aが溝12aに嵌合されるとともに、突出部32aが溝13aに嵌合される。さらに、基板10、基板20及び基板30は、例えばねじ締めにより互いに固定されてもよい。以上により、図1に示されるスタック基板100の構造が形成される。
【0048】
なお、貫通穴11c、貫通穴11cの内壁面上に設けられた第2層14b及び埋め込み材16で構成されている第1ビアホール部と、貫通穴21c、貫通穴21cの内壁面上に設けられた第2層24b及び埋め込み材26で構成されている第2ビアホール部と、貫通穴31c、貫通穴31cの内壁面上に設けられた第2層34b及び埋め込み材36で構成されている第3ビアホール部とを設けるとともに、それぞれのビアホール部上にめっき層15と、めっき層25と、めっき層35とを設けてもよい。この場合、めっき層15に溝12aと溝13aとを形成し、めっき層25に突出部22aを形成し、めっき層35に突出部32aを形成してもよい。そして、溝12aと突出部22aとを嵌合し、溝13aと突出部32aとを嵌合してもよい。また、めっき層15に突出部、めっき層25に溝、めっき層35に溝を形成して、これらの溝と突出部とを嵌合して、基板10、基板20及び基板30が重ね合わされてもよい。
【0049】
(スタック基板100の効果)
以下に、スタック基板100の効果を説明する。
【0050】
スタック基板100では、突出部22a(突出部32a)が溝12a(溝13a)に嵌合されているとともに平面視において部品配置領域21d(部品配置領域31d)を取り囲んでいるため、電子部品40(電子部品41)からなる回路ブロックを電磁的にシールドすることが可能である。
【0051】
スタック基板100では、突出部22a(突出部32a)及び溝12a(溝13a)で構成されているシールド構造を通常の基板製造プロセスで形成することができるため、当該シールド構造の配置を自由に決定することが可能である。また、スタック基板100では、突出部22a(突出部32a)がセミアディティブ工法で形成されるため、突出部22a(突出部32a)の幅を50μm程度まで縮小することができる。すなわち、スタック基板100によると、シールド構造を形成する領域を縮小することが可能である。
【0052】
突出部22a(突出部32a)が平面視において複数周にわたって部品配置領域21d(部品配置領域31d)を取り囲んでいる場合、すなわちシールド構造がラビリンス構造をなしている場合、当該シールド構造が基板10や基板20(基板30)の変形の影響を受けにくくなり、シールド性が高まる。
【0053】
従来の回路ブロックのシールド設計では、回路ブロックをグランド電位とされるケースを取り付けたり、はんだを利用したバンプ接合(例えば、BGA(Ball Grid Array)のはんだ付け)におけるピッチを電磁波の波長の1/4以下で配置する手法が採用されていた。しかしながら、ケースの取り付けによると、ケースの取り付けに必要な領域の確保が必要になり、ケースの取り付けのために追加的な工程が必要になる。また、バンプ接合のピッチ調整によると、ピッチ間には必ず隙間があるため、設計考慮外の外部からの干渉や回路ブロック内部からの発振により当該回路ブロックが正常に動作しないことがある。なお、スタック基板100によると、バンプ接合のピッチやピッチ間の隙間という概念はなく、バンプ接合のピッチを意識して設計する必要が無くなる。
【0054】
また、ビアホール部上で嵌合することにより、基板間、すなわち基板10と基板20との間及び基板10と基板30との間の熱伝導性が向上する。
【0055】
(変形例1)
図14は、変形例1に係るスタック基板100における基板20の斜視図である。図14に示されているように、平面視における突出部22aの形状は、特に限定されない。平面視における突出部22aの形状は、矩形状であってもよく、円形状であってもよく、電子部品40の配置に合わせた多角形状であってもよい。
【0056】
(変形例2)
図15は、変形例2に係るスタック基板100の断面図である。図15に示されているように、スタック基板100は、接合材50をさらに有していてもよい。接合材50は、例えばACF(Anisotropic Conducting Film)、はんだ又は導電性ペーストである。接合材50は、電子部品40や電子部品41のはんだ付け温度よりも低い温度で接合可能な材料である。突出部22a及び溝12aは接合材50を介在させて嵌合されていてもよく、突出部32a及び溝13aは接合材50を介在させて嵌合されていてもよい。これにより、各基板(基板10、基板20、基板30)の反りやねじれの矯正が可能となる。
【0057】
(変形例3)
図16は、変形例3に係るスタック基板100の断面図である。図16に示されているように、スタック基板100は、充填材60をさらに有していてもよい。充填材60は、電子部品40と凹部11dにある配線層12との間に充填されており、電子部品41と凹部11eにある配線層13との間にも充填されている。充填材60は、例えば、シリコーン等の熱伝導材である。これにより、充填材60を介して、電子部品40の熱及び電子部品41の熱が充填材60を介して放熱されやすくなる。充填材60は、電波吸収材であってもよい。
【0058】
(変形例4)
上記においては、配線層22及び配線層32が突出部(突出部22a、突出部32a)を有しており、溝(溝12a、溝13a)が配線層12及び配線層13に形成される例を説明したが、配線層12及び配線層13が突出部を有していてもよく、溝が配線層22及び配線層32に形成されていてもよい。
【0059】
実施の形態2.
実施の形態2に係るスタック基板を説明する。実施の形態1に係るスタック基板を、スタック基板200とする。ここでは、スタック基板100と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0060】
(スタック基板200の構成)
以下に、スタック基板200の構成を説明する。
【0061】
図17は、スタック基板200の断面図である。図17に示されているように、スタック基板100は、基板10と、基板20と、基板30と、電子部品40と、電子部品41とを有している。この点に関して、スタック基板200の構成は、スタック基板100の構成と共通している。
【0062】
スタック基板200では、配線層22及び配線層23がめっき層25を有しておらず、配線層32及び配線層33がめっき層35を有していない。スタック基板200では、配線層12が突出部12bを有しており、配線層13が突出部13bを有している。突出部12bは、平面視において、部品配置領域21dを取り囲んでいる。突出部13bは、平面視において、部品配置領域31dを取り囲んでいる。スタック基板200では、溝22bが配線層22に形成されており、溝32bが配線層32に形成されている。より具体的には、溝22bは配線層22の一部をなしている下地層24に形成されており、溝32bは配線層32の一部をなしている下地層34に形成されている。突出部12b及び突出部13bは、それぞれ、溝22b及び溝32bに嵌合されている。これらの点に関して、スタック基板200の構成は、スタック基板100の構成と異なっている。
【0063】
(スタック基板200の効果)
以下に、スタック基板200の効果を説明する。
【0064】
スタック基板200では、突出部12b(突出部13b)が溝22b(溝32b)に嵌合されているとともに平面視において部品配置領域21d(部品配置領域31d)を取り囲んでいるため、スタック基板100と同様に電子部品40(電子部品41)からなる回路ブロックを電磁的にシールドすることが可能である。
【0065】
スタック基板200では、めっき層25及びめっき層35が形成されず、基板20及び基板30を形成する際にめっき層25及びめっき層35を形成するめっき工程を省略することができるため、スタック基板100と比較して製造工程を簡略化することが可能である。スタック基板200では、めっき層25及びめっき層35が形成されない結果、配線層22及び配線層32の厚さを小さくすることが可能であり、ひいては配線層22及び配線層23のパターンを微細化することが可能となる。
【0066】
実施の形態1及び実施の形態2では、基材11、基材21及び基材31がガラスクロスとガラスクロスに含浸されている樹脂材料とで構成されている例について説明した。基材11、基材21及び基材22は、ガラスクロスとガラスクロスに含浸されている樹脂材料とで構成されている場合の他に、紙基材にエポキシ樹脂を含浸させた複合基材エポキシ基板、紙基材にポリイミド樹脂を含浸させたポリイミド基板等のガラスクロスを含まない材料であってもよい。基材11、基材21及び基材31は、樹脂材料にフィラーがコンパウンドされている材料であってもよい。基材11、基材21及び基材31は、ガラスクロスにエポキシ樹脂やPTFE樹脂(4フッ化エチレン樹脂)を含浸させた材料であってもよい。
【0067】
(付記)
本開示の諸態様を、付記としてまとめて記載する。
【0068】
<付記1>
第1基板と、
第2基板と、
電子部品とを備え、
前記第1基板は、第1基材と、前記第1基材の第1主面の上に導電性の材料で形成された第1配線層とを有し、
前記第2基板は、第2基材と、前記第2基材の第2主面の上に導電性の材料で形成された第2配線層とを有し、
前記第1主面には、凹部が形成され、
前記第2主面は、前記凹部と向かい合い、前記電子部品が配置される部品配置領域を有し、
前記電子部品は、前記凹部及び前記部品配置領域で画されている空間内において前記第2配線層に接続されており、
前記第1配線層及び前記第2配線層の一方は、突出部を有し、
前記第1配線層及び前記第2配線層の他方には、溝が形成されており、
前記突出部及び前記溝は、平面視において前記部品配置領域を取り囲んでおり、
前記第1基材及び前記第2基材は、前記溝と前記突出部とが嵌合されて前記第1主面及び前記第2主面が互いに向かい合うように重ねられている、
スタック基板。
【0069】
<付記2>
接合材をさらに備え、
前記突出部及び前記溝は、前記接合材を介在させて嵌合されている、
付記1に記載のスタック基板。
【0070】
<付記3>
前記電子部品と前記凹部にある前記第1配線層との間に介在されている充填材をさらに備える、
付記1又は付記2に記載のスタック基板。
【0071】
<付記4>
前記充填材は、伝熱材又は電波吸収材である、
付記3に記載のスタック基板。
【0072】
<付記5>
前記第1配線層は、第1下地層と、前記第1下地層上に配置されている第1めっき層とを有し、
前記第2配線層は、第2下地層と、前記第2下地層上に配置されている第2めっき層とを有し、
前記第1めっき層及び前記第2めっき層の一方は、前記突出部をなしており、
前記第1めっき層及び前記第2めっき層の他方には、前記溝が形成されている、
付記1から付記4のいずれか1項に記載のスタック基板。
【0073】
<付記6>
前記第1配線層は、第1下地層と、前記第1下地層上に配置されている第1めっき層とを有し、
前記第2配線層は、第2下地層を有し、
前記第1めっき層は、前記突出部をなしており、
前記第2下地層には、前記溝が形成されている、
付記1から付記4のいずれか1項に記載のスタック基板。
【0074】
<付記7>
前記第1基板を貫通する第1貫通穴、前記第1貫通穴の内壁面上に設けられた前記第1下地層、前記第1下地層が設けられた前記第1貫通穴を充填する第1埋め込み材とで構成されている第1ビアホール部と、
前記第2基板を貫通する第2貫通穴、前記第2貫通穴の内壁面上に設けられた前記第2下地層、前記第2下地層が設けられた前記第2貫通穴を充填する第2埋め込み材とで構成されている第2ビアホール部とを備え、
前記第1主面の前記第1埋め込み材を含む前記第1ビアホール部に前記第1めっき層が形成され、前記第2主面の前記第2埋め込み材を含む前記第2ビアホール部に前記第2めっき層が形成され、
前記第1めっき層及び前記第2めっき層の一方は、前記突出部をなしており、
前記第1めっき層及び前記第2めっき層の他方には、前記溝が形成され、
前記溝と前記突出部とが嵌合されて、前記第1主面の前記第1ビアホール部と前記第2主面の前記第2ビアホール部とが互いに向かい合うように重ねられている、付記5に記載のスタック基板。
【0075】
<付記8>
第1基板と、第2基板と、電子部品とを準備する工程と、
前記第1基板を構成する第1基材の第1主面に凹部を形成する工程と、
前記第1主面の上に導電性の材料で構成された第1配線層を形成する工程と、
前記第2基板を構成する第2基材の第2主面の上に導電性の材料で構成された第2配線層を形成する工程と、
前記第2主面において前記凹部と向かい合い前記電子部品が配置される部品配置領域を平面視に見たとき、前記第1配線層及び前記第2配線層の一方に前記部品配置領域を取り囲む突出部を形成し、前記第1配線層及び前記第2配線層の他方に前記部品配置領域を取り囲む溝を形成する工程と、
前記凹部及び前記部品配置領域で画されている空間内において、前記電子部品を前記第2配線層に接続する工程と、
前記溝と前記突出部とが嵌合されて、前記第1基材及び前記第2基材が前記第1主面及び前記第2主面が互いに向かい合うように重ねられる工程とを備える、スタック基板の製造方法。
【0076】
<付記9>
前記第1配線層は、第1下地層及び前記第1下地層上に配置されている第1めっき層の積層膜であり、
前記第2配線層は、第2下地層及び前記第2下地層上に配置されている第2めっき層の積層膜であり、
前記第1基板を貫通する第1貫通穴を形成し、前記第1貫通穴の内壁面上に前記第1下地層を形成し、前記第1下地層が設けられた前記第1貫通穴を第1埋め込み材で充填して第1ビアホール部を形成する工程と、
前記第2基板を貫通する第2貫通穴を形成し、前記第2貫通穴の内壁面上に前記第2下地層を形成し、前記第2下地層が設けられた前記第2貫通穴を第2埋め込み材で充填して第2ビアホール部を形成する工程と、
前記第1主面の前記第1埋め込み材を含む前記第1ビアホール部に前記第1めっき層が形成され、前記第2主面の前記第2埋め込み材を含む前記第2ビアホール部に前記第2めっき層が形成される工程とを備え、
前記第1めっき層及び前記第2めっき層の一方は、前記突出部をなし、
前記第1めっき層及び前記第2めっき層の他方には、前記溝が形成される工程と、
前記溝と前記突出部とが嵌合されて、前記第1主面の前記第1ビアホール部と前記第2主面の前記第2ビアホール部とが互いに向かい合うように重ねられる工程とをさらに備える、付記8に記載のスタック基板の製造方法。
【0077】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この出願の範囲は上記の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0078】
100 スタック基板、10 基板、11 基材、11a,11b 主面、11c 貫通穴、11d,11e 凹部、12 配線層、12a 溝、12b 突出部、13 配線層、13a 溝、13b 突出部、14 下地層、14a 第1層、14b 第2層、15 めっき層、16 埋め込み材、20 基板、21 基材、21a,21b 主面、21c 貫通穴、21d 部品配置領域、22 配線層、22a 突出部、22b 溝、23 配線層、24 下地層、24a 第1層、24b 第2層、25 めっき層、26 埋め込み材、30 基板、31 基材、31a,31b 主面、31c 貫通穴、31d 部品配置領域、32 配線層、32a 突出部、32b 溝、33 配線層、34 下地層、34a 第1層、34b 第2層、35 めっき層、36 埋め込み材、40 電子部品、41 電子部品、50 接合材、60 充填材、200 スタック基板、S1 第1基板形成工程、S2 第2基板形成工程、S3 第3基板形成工程、S4 電子部品実装工程、S5 組み立て工程、S11 準備工程、S12 基材加工工程、S13 第1めっき工程、S14 配線層パターンニング工程、S15 第2めっき工程、S21 準備工程、S22 基材加工工程、S23 第1めっき工程、S24 配線層パターンニング工程、S25 第2めっき工程。
【要約】
スタック基板は、第1基板と、第2基板と、電子部品とを備えている。第1基板は、第1基材と、第1基材の第1主面の上に導電性の材料で形成された第1配線層とを有する。第2基板は、第2基材と、第2基材の第2主面の上に導電性の材料で形成された第2配線層とを有する。第1主面には、凹部が形成されている。第2主面は、凹部と向かい合い、電子部品が配置される部品配置領域を有する。電子部品は、凹部及び部品配置領域で画されている空間内において第2配線層に接続されている。第1配線層及び第2配線層の一方は、突出部を有する。第1配線層及び第2配線層の他方には、溝が形成されている。突出部及び溝は、平面視において部品配置領域を取り囲んでいる。第1基材及び第2基材は、溝と突出部とが嵌合されて第1主面及び第2主面が互いに向かい合うように重ねられている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17