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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-16
(45)【発行日】2025-05-26
(54)【発明の名称】オーブン調理装置
(51)【国際特許分類】
   A21B 1/40 20060101AFI20250519BHJP
   A47J 27/14 20060101ALI20250519BHJP
   A21B 1/22 20060101ALI20250519BHJP
   F24C 7/04 20210101ALI20250519BHJP
   A47J 37/00 20060101ALN20250519BHJP
【FI】
A21B1/40
A47J27/14 Z
A21B1/22
F24C7/04 301Z
A47J37/00 301
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021124599
(22)【出願日】2021-07-29
(65)【公開番号】P2023019677
(43)【公開日】2023-02-09
【審査請求日】2024-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155099
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100147625
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(72)【発明者】
【氏名】山本 凌大
(72)【発明者】
【氏名】水谷 保起
(72)【発明者】
【氏名】小野 啓太
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 美帆
(72)【発明者】
【氏名】杉本 拓也
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-011763(JP,A)
【文献】特開2016-223722(JP,A)
【文献】特開2014-151032(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108378716(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0006561(US,A1)
【文献】特開2003-021340(JP,A)
【文献】特開2001-021153(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21B 1/40
A47J 27/14
A21B 1/22
F24C 7/04
A47J 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を焼成するための焼成炉と、
前記焼成炉内を加熱可能に配置されたヒータと、
ユーザの操作入力を受け付ける入力部と、
前記操作入力に基づいて前記ヒータの加熱制御を行う制御部とを備え、
前記制御部は、前記操作入力として前記入力部から入力されまたは予めプログラムされた前記ヒータの出力設定情報に基づいて加熱する本加熱制御よりも前に、予備加熱制御として、前記焼成炉内が所定温度に達するまで前記ヒータに出力可能な最大電力で加熱し、
前記焼成炉内が所定温度に達した後は、前記本加熱制御に切り替えるオーブン調理装置であって、
前記予備加熱制御の開始を前記制御部に指示する予熱開始情報を前記操作入力として前記入力部から入力可能または予めプログラム可能であるとともに、
被調理物を前記焼成炉内にて前記本加熱制御により加熱する前段階の処理をするドウコンディショナーから前記予備加熱制御の開始を指示する前記予熱開始情報が出力され得るように連動構成され、前記ドウコンディショナーの前記前段階の処理の最終工程が完了したタイミングで予備加熱が終了するように、前記ドウコンディショナーから入力される前記予熱開始情報によって前記予備加熱制御が開始するように制御されたことを特徴とするオーブン調理装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パン生地等の被調理物を焼成するオーブン調理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パン生地を焼成するデッキオーブン(オーブン調理装置)が開示されている。この種のデッキオーブンは、ベーカリー等の業務用途で使用されることが多く、炉内空間も大容量のものが多い。デッキオーブンを使用する前には、予備加熱機能により炉内を焼成に適した設定温度まで上昇させておく必要があるものの、炉内空間が広いために周囲環境の温度条件によっては予備加熱の時間(以下「予熱時間」という)が数10分~1時間程度にも及ぶ場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-267104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、炉内を加熱するヒータの出力を増加させることによって温度上昇率が高まることから予熱時間は短くなる。そのため、上述した問題は容易に解決し得るように考えられる。しかし、そのためには次に挙げるような煩雑な操作をユーザに強いることになる。(1)デッキオーブンの電源を投入した直後にヒータの出力を通常の設定よりも増加させる操作、(2)また炉内温度が焼成に適した設定温度に到達したらヒータの出力を通常の設定に戻す操作、これら2つの操作を予熱時間を短くしたいユーザには行ってもらう必要がある。
【0005】
ところが、予備加熱は、デッキオーブンの使用前の準備段階、即ち店舗の営業開始前の開店準備中やそれよりも早い仕込みの時間帯に行われることが多いことから、このような多忙な時間帯に上記2つの操作をユーザに強いることは難しい。また多忙のあまりにユーザが上記(2)の操作をし忘れた場合にはヒータが予定の出力ではないため、パン生地の表面に想定された焼き色が付かないことがあり設定よりも高いヒータ出力でパン生地等の被調理物を焼いたときには焼成の失敗を招くおそれがある。本発明は、ユーザに煩雑な操作を強いることなく予熱時間を短縮するオーブン調理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、被調理物を焼成するための焼成炉と、焼成炉内を加熱可能に配置されたヒータと、ユーザの操作入力を受け付ける入力部と、操作入力に基づいてヒータの加熱制御を行う制御部とを備え、制御部は、操作入力として入力部から入力されまたは予めプログラムされたヒータの出力設定情報に基づいて加熱する本加熱制御よりも前に、予備加熱制御として、焼成炉内が所定温度に達するまでヒータに出力可能な最大電力で加熱し、焼成炉内が所定温度に達した後は、本加熱制御に切り替えるオーブン調理装置であって、予備加熱制御の開始を制御部に指示する予熱開始情報を操作入力として入力部から入力可能または予めプログラム可能であるとともに、被調理物を焼成炉内にて本加熱制御により加熱する前段階の処理をするドウコンディショナーから予備加熱制御の開始を指示する予熱開始情報が出力され得るように連動構成され、ドウコンディショナーの前段階の処理の最終工程が完了したタイミングで予備加熱が終了するように、ドウコンディショナーから入力される予熱開始情報によって予備加熱制御が開始するように制御されたことを特徴とするオーブン調理装置を提供するものである。
【0007】
上記のように構成したオーブン調理装置においては、制御部は、操作入力として入力部から入力されまたは予めプログラムされたヒータの出力設定情報に基づいて加熱する本加熱制御よりも前に、予備加熱制御として、焼成炉内が所定温度に達するまでヒータに出力可能な最大電力で加熱する。そして、焼成炉内が所定温度に達した後は、本加熱制御に切り替える。これにより、焼成炉内が所定温度に達するまでは、ヒータが最大電力で焼成炉内を加熱するため、本加熱制御と同じヒータの電力で焼成炉内を加熱する場合に比べて焼成炉内の温度を短時間に上昇させることが可能になる。また焼成炉内が所定温度に達した後は、本加熱制御に切り替わるため、ユーザが予定していたヒータの出力設定で焼成炉内を加熱することが可能になる。したがって、ユーザに煩雑な操作を強いることなく予熱時間を短縮することができる。また、予備加熱制御の開始を制御部に指示する予熱開始情報を操作入力として入力部から入力可能または予めプログラム可能であるとともに、被調理物を焼成炉内にて本加熱制御により加熱する前段階の処理をするドウコンディショナーから予備加熱制御の開始を指示する予熱開始情報が出力され得るように連動構成され、ドウコンディショナーの前段階の処理の最終工程が完了したタイミングで予備加熱が終了するように、ドウコンディショナーから入力される予熱開始情報によって予備加熱制御が開始するように制御されている。これにより、ドウコンディショナーの最終工程が完了したタイミングで焼成炉内は予備加熱が終了しているようになり、ドウコンディショナーで前段階の処理をした被調理物を予備加熱が終了した焼成路内で直ぐに焼成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明のオーブン調理装置の正面図である。
図2図1の扉を開放した斜視図である。
図3】上面パネルと右面パネルとを取り外した斜視図である。
図4】扉、化粧部材及び機械室パネルを前側に移動させた斜視図(a)であり、(a)からさらに前面メインパネルを前側に移動させた状態の斜視図である(b)。
図5】A-A線での断面図である。
図6】操作パネルの構成等を示した説明図である。
図7】電気系統のブロック図である。
図8】メインプログラムのフローチャートである。
図9】通常運転プログラムのフローチャートである。
図10】マニュアル運転プログラムのフローチャートである。
図11】マニュアル運転で表示される各画面の説明図である。
図12】プログラム運転プログラムのフローチャートである。
図13】プログラム運転で表示される各画面の説明図である。
図14】プログラムの設定手順を例示した各画面の説明図である。
図15】機器設定プログラムのフローチャートである。
図16】急速予熱モード設定プログラムのフローチャートである。
図17】急速予熱モード設定で表示される各画面の説明図である。
図18】運転予約設定プログラムのフローチャートである。
図19】運転予約設定で表示される各画面の説明図である。
図20図19に示した画面の続きである。
図21】並列的に実行される予約運転プログラムのフローチャート(a),(b)である。
図22】予約運転で表示される各画面の説明図である。
図23】予熱開始時期推定プログラムのフローチャート(a)であり、予備加熱時における焼成炉内の温度変化を示した温度特性図(b)ある。
図24】ドウコン連動設定プログラムのフローチャートである。
図25】ドウコン連動設定で表示される各画面の説明図である。
図26】選択的に実行されるドウコン連動プログラムのフローチャート(a),(b)である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明のオーブン調理装置の一実施形態を添付図面を参照して説明する。図1及び図2に示したように、本発明のオーブン調理装置10は、パンの生地や焼き菓子の生地(被調理物)を自然対流式の焼成炉20内で加熱して焼成するものであり、焼成炉20の前面部に設けた扉21を開放することによって、前面開口部20aから焼成炉20内に被焼成物を搬入出可能としている。オーブン調理装置10は、店舗や工房等において業務用途として、テーブル、カウンターまたは後述するドウコン90等の機器の上側に設置され、必要に応じて上下に多段状に設置される。
【0013】
図1図3に示したように、オーブン調理装置10は、略直方体形状のケーシング11を備え、ケーシング11内の右側部を機械室12とし、ケーシング11内の残る部分に焼成炉20を配設している。ケーシング11は、底壁に相当するベースプレート13と、ベースプレート13の上側を略直方体形状に区画するように設けられた枠体14と、枠体14により区画形成された前後左右面及び上面を覆うパネル15とを備えている。
【0014】
枠体14は、ベースプレート13の前後に設けた前側及び後側枠部材14a,14bと、前側及び後側枠部材14a,14bの左右両側部を連結する梁部材14cとを備えている。前側及び後側枠部材14a,14bの各々は、ベースプレート13の左右両側部に立設する支柱部と、左右の支柱部の上部を梁部によって連結した下側が開いたコ字形をしている。左右両側の梁部材14cは、前側及び後側枠部材14a,14bの各支柱部の上端部に固定され、前側及び後側枠部材14a,14bの左右両側部を連結している。
【0015】
図2及び図4に示したように、ケーシング11内の焼成炉20の前側には前面パネル15aが設けられ、後側枠部材14bの後側には後面パネル(図示省略)が設けられている。前側枠部材14aと後側枠部材14bとの間の左側部には左面パネル15eが設けられ、前側枠部材14aと後側枠部材14bとの間の右側部には右面パネル15fが設けられている。前側及び後側枠部材14a,14bと左右の梁部材14cの上側には上面パネル15gが設けられている。
【0016】
前面パネル15aは、焼成炉20の前面の下部のみを覆う前面下部パネル15bと、焼成炉20の前面の下部より上側を覆う前面メインパネル15cとを備えている。前面下部パネル15bは、焼成炉20の前面開口部20aの下側ヒータ41が配置される下部を覆っている。前面下部パネル15bには扉21を支持する左右一対のブラケット16が固定されている。焼成炉20の前面開口部20aに被調理物を搬入出可能とするように、前面メインパネル15cは、正面視にて下側が開いた略コ字形をしており、上側ヒータ42と蒸気発生部47が配置される焼成炉20の前面開口部20aの上部を覆っている。
【0017】
図3に示したように、ケーシング11内の機械室12には後述する下側及び上側ヒータ41,42、蒸気発生部47の給水弁48等の制御をする電装部品(後述の制御装置70等を構成する電子部品)を収納する電装箱17が設けられている。下側及び上側ヒータ41,42等のヒータ系には外部の商用電源から通電される交流電力が供給され得るように、また電装箱17には交流を直流に変換した直流電力が供給され得るように電気配線等が設けられている。電装箱17は内部に電装部品が収納される略直方体形状をしており、電装箱17の下部には前部と後部に脚部17aが設けられている。
【0018】
図2及び図5に示したように、焼成炉20はパン生地や菓子の生地等の被調理物を焼成するものであり、前面に被調理物を搬入出する前面開口部20aが形成された略直方体形状をしている。焼成炉20の外周面にはガラスウールを用いた断熱材22が設けられており、断熱材22の外周面にはさらにステンレスの板金部材よりなる外板23が設けられている(図3参照)。焼成炉20内の熱は断熱材22によってケーシング11及び機械室12を含めた周囲に伝わりにくくなっている。図3に示したように、焼成炉20の上側を覆う断熱材22の上面左側部には前後に延びる溝部22aが形成されており、この溝部22aには後述する焼成炉20の排気機構30の各種部品が配設されている。
【0019】
焼成炉20の機械室12側となる右側面には上下及び前後の略中央部に照明窓(図示省略)が設けられており、焼成炉20の機械室12側となる右側外周面を覆う断熱材22には照明窓と対向する位置に凹部(図示省略)が形成されている。図3に示したように、外板23には焼成炉20内を照らすLED照明を用いた炉内用ランプ24がブラケット25を用いて取り付けられている。炉内用ランプ24は、後述する操作パネル50のコントローラによりオンオフが制御されている。この実施形態では、炉内用ランプ24はオーブン調理装置10の電源がオンされた後からオフされるまでの間において点灯する。
【0020】
図1及び図2に示したように、焼成炉20の前側には扉21が開閉自在に設けられており、扉21は前面パネル15aの下部に設けたブラケット16に水平軸線回りに回動可能に支持されている。図2図4及び図5に示したように、焼成炉20の下部にはセラミック製の炉床板27が設けられており、被調理物を入れたトレイは焼成炉20内にて炉床板27の上側に載置可能となっている。炉床板27の左右両縁部には前後方向に沿って延びる左右のガイド28と、炉床板27の後縁部には左右方向に沿って延びるガイド29が設けられている。
【0021】
図3及び図5に示したように、焼成炉20の上側には排気通路31を開閉する開閉機構34が設けられている。開閉機構34は、排気管32の上端開口の上側にて前後に移動可能に設けられたシャッター35と、断熱材22の溝部22a内に設けられてシャッター35を前後に移動させる操作バー36と、ケーシング11の前側にて操作バー36の前端部に設けた操作摘まみ37とを備えている。シャッター35は排気管32の上端開口を開度調節可能に覆うものである。図5に示したシャッター35の位置では排気管32の上端開口は完全に塞がれた状態となり、シャッター35を排気管32の上端開口の直上にない位置まで前側に移動させると、排気管32の上端開口は完全に開放される。
【0022】
図5に示したように、焼成炉20内にはヒータ40が設けられている。この実施形態では、焼成炉20の下部にて炉床板27の下側に下側ヒータ41が設けられ、焼成炉20の上部に上側ヒータ42が設けられている。下側及び上側ヒータ41,42は右側が開いた略U字形のシーズヒータよりなるヒータ素子を用いたものであり、下側ヒータ41は3つのヒータ素子を前後に並べて配置し、上側ヒータ42は4つのヒータ素子を前後に並べて配置している。下側及び上側ヒータ41,42に供給される交流電力は、半導体スイッチによりオンオフが制御されており、その制御は後述の制御装置70により行われている。
【0023】
焼成炉20内の右側面下部には下側温度センサ43が設けられ、焼成炉20内の右側面上部には上側温度センサ44が設けられている。下側温度センサ43は、下側ヒータ41の最も前側のヒータ素子と前側から2番目のヒータ素子の間に配設されており、下側ヒータ41の制御をするのに用いられている。また、上側温度センサ44は、上側ヒータ42より下側で前側から2番目のヒータ素子と前側から3番目のヒータ素子との間の位置に配設されており、上側ヒータ42の制御をするのに用いられている。焼成炉20の右側面上部には上側温度センサ44の前側にガード部材(図示省略)が設けられている。なお、図5においては、上側ヒータ42及び上側温度センサ44は、図1に示すA-A断面線よりも手前に現れるため、想像線(二点鎖線)で表している。
【0024】
焼成炉20内の上部には蒸気発生部47が設けられており、蒸気発生部47は焼成炉20内にて上側ヒータ42の上側に配置されている。蒸気発生部47は、給水源から給水管49を通して供給される水を上側ヒータ42により加熱して気化させて蒸気を焼成炉20内に発生させるものである。蒸気発生部47は、主に、蒸気発生皿、蓄熱板、給水部(いずれも図示省略)等により構成されている。給水源からの水は、蓄熱板の上側に送出されて蓄熱板や蒸気発生皿に接触することで気化して蒸気になる。気化した蒸気は、上方に昇って焼成炉20の天井面に当たってから蒸気発生皿と焼成炉20の内側面との間の通路を通って焼成炉20の下部に流れ込んだり、焼成炉20の前部に流れ込む。なお、給水管49には機械室12内にて給水弁48が介装されており、給水源の水は給水弁48を開放したときに給水管49を通って蓄熱板の上側に送出される。
【0025】
図1図4に示したように、ケーシング11の前面右側には機械室パネル18が設けられており、機械室パネル18は操作パネル50及びブザーユニット19を備えている。図6に示したように、操作パネル50は、表示部51、6つの操作ボタン(スチームボタン52、ホームボタン53、戻るボタン54、運転入/切ボタン55、スタート・ストップボタン56、タイマー延長ボタン57、ジョグダイヤル58及びコントローラ(図示省略)を備えている。コントローラは、例えば、制御装置70のマイクロコンピュータとほぼ同様に、CPU、RAM(記憶部)、ROM(EEPROMを含む)や時計機能(計時部)等を備えたマイクロコンピュータであり、この実施形態では制御部として機能する。
【0026】
表示部51は、この実施形態では液晶パネル(LCDパネル)が用いられ、オーブン調理装置10の運転状態、各種設定状態や焼成炉20内の検出温度等を適宜表示するようにコントローラに制御されている。6つの操作ボタン52~57及びジョグダイヤル58もこのコントローラに接続されており、それらの入力に基づいてコントローラが、後述する通常運転(マニュアル運転及びプログラム運転)、予約運転及びそれらに関する各種設定等を制御し得るように構成されている。この実施形態では、これら操作ボタン52~57やジョグダイヤル58の入力情報はハードウェア割り込みによりコントローラに入力される。またブザーユニット19も操作パネル50のコントローラに接続されて、運転制御等に伴い所定のブザー音を出力するように制御される。さらに外部入力端子59を介してドウコン90等の外部装置も操作パネル50のコントローラに接続される。この実施形態では、外部入力端子59は、ドウコン90等の外部装置とシリアル通信を行い得るように構成されている。例えば、2線式の通信ケーブルが外部入力端子59とドウコン90の間に接続されており、シリアル通信によりデータ伝送されている。
【0027】
図7に示したように、オーブン調理装置10は制御装置70を備えており、制御装置70は、下側ヒータ41、上側ヒータ42、下側温度センサ43、上側温度センサ44、給水弁48、操作パネル50に接続されている。制御装置70はマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続されたCPU、RAM、ROM(EEPROMを含む)、タイマや時計機能(計時部)(いずれも図示省略)を備えている。この実施形態では、制御装置70は下側及び上側ヒータ41,42に対する電力供給の制御を主に行う。
【0028】
このようにオーブン調理装置10のハードウェアを構成することによって、操作パネル50のコントローラまたは制御装置70が図8に示したメインプログラムによる主制御処理を実行する。この実施形態では操作パネル50のコントローラが当該メインプログラムを実行する場合を例示して説明する。なお、このメインプログラムはコントローラのROMに格納されている。また、オーブン調理装置10に供給される商用電力は、操作パネル50の操作による電源オフの状態においても、直流電力に変換されて操作パネル50及び制御装置70に供給されている(待機状態)。そのため、本明細書においては、オーブン調理装置10の操作パネル50の操作による電源オンや電源オフは、下側及び上側ヒータ41,42等のヒータ系に供給される電力のオンオフを意味することに注意されたい。
【0029】
[主制御処理]
図8に示したように、操作パネル50のコントローラは、待機状態において起動すると、まずステップ10の初期化処理によりRAMに確保されているワーク領域やフラグ等を初期値に設定したり前回の電源オフ処理(S22)において記憶したマニュアル運転に関する各設定情報をEEPROM等の不揮発性メモリから読み出したりする。後述する初回フラグもコントローラのRAMに設けられており、この初期化処理によりオン(つまり、オーブン調理装置10が起動直後である旨)に設定される。また、ドウコン連動においてドウコン90から送られてくるシリアルデータを受信するための受信バッファもこのRAMに確保されており、初期化処理によりクリアされる。
【0030】
その後、コントローラはステップ11において運転開始入力があるかを判定する。運転開始入力は、例えば、ユーザが操作パネル50の運転入/切ボタン55を1秒以上連続して押下することにより入力される情報であり、操作パネル50の操作(電源オン)により運転開始入力があれば「YES」と判定した後、ステップ12の通常運転処理に移行する。通常運転処理(S100)については後で詳しく説明する。
【0031】
一方、ステップ11において運転開始入力がなければ、ユーザが未だ操作パネル50の運転入/切ボタン55を操作していないため、操作パネル50のコントローラは「NO」と判定してステップ13で予約運転ありか、即ち運転予約「する」の設定がされているかを判定する。予約運転は、オーブン調理装置10が予め設定された運転の開始日時と終了時刻において後述のマニュアル運転処理(S200)を行う動作態様であり、後述する機器設定処理(S400)の運転予約設定処理(S430)において運転予約「する」と設定された場合に行われる。予約運転ありであればステップ13で「YES」と判定した後、さらにステップ14の予熱開始時期推定処理(S190)により推定された開始時期、つまり予約日時が到来したかをステップ15により判定する。このステップ15の判定処理では、操作パネル50のコントローラの時計機能から出力される現在日時情報と予約日時情報を比較し、現在日時が予約日時と一致または予約日時を経過している場合に「YES」と判定しステップ16の予約運転処理に移行する。この予約運転処理(S150)については、図21及び図22を参照して後述する。
【0032】
ステップ13において予約運転ありでない場合や、ステップ15において現在日時が予約日時に達していない場合には、それらのステップで「NO」と判定して、ステップ17に処理を移行する。ステップ17ではドウコン連動ありかを判定する。ドウコン連動は、外部入力端子59を介してドウコン90から操作パネル50のコントローラに操作情報が直接入力(ハードウェア割り込み)されることによって、ユーザが操作パネル50を操作するのと同様に、ドウコン90がオーブン調理装置10を操作し得る動作態様である。
【0033】
この実施形態では、ドウコン90からは、外部入力端子59を介してシリアル通信によりビット列が送られてくる(シリアルデータ伝送)。ビット列で表されるシリアルデータは、所定の通信フォーマットに従って構成されており、例えば、ドウコン90が現在実行している作業の最終工程を特定し得る工程識別子や、その最終工程が完了するまでの残り時間等の情報が当該データに含まれている。このシリアルデータは、コントローラのRAMに確保される受信バッファに一時的に溜められる。そのため、この実施形態では、ドウコン90から送られてきたシリアルデータは、受信バッファを介して次のステップ19によりデコード(復号)され、そのデコードされた情報がステップ20のドウコン連動処理(S170)に渡されて情報処理される。なお、このドウコン連動処理(S170)やドウコン90が行い得る作業工程等については、図26を参照して後述する。
【0034】
一方、ステップ17においてドウコン連動ありでない場合や、ステップ18においてドウコン入力ありでない場合には、それらのステップで「NO」と判定してステップ21で運転終了入力ありを判定する。運転終了入力は、後述する通常運転処理(S100)、予約運転処理(S150)やドウコン連動処理(S170)において、運転終了処理(S140,S153,S158,S175,S181)が行われた場合に入力される運転終了情報であり、運転終了入力(運転終了情報)があれば「YES」と判定した後、ステップ22の電源オフ処理により下側ヒータ41及び上側ヒータ42等のヒータ系に電力を供給する電源スイッチ等をオフにする。そして、現在設定されているマニュアル運転に関する各設定情報(設定温度やタイマー時間等)をEEPROM等の不揮発性メモリに記憶(格納)した後、ステップ11に戻る。
【0035】
これに対して、ステップ21において運転終了入力がなければ、オーブン調理装置10は運転が行われていない(運転開始前である)ことから「NO」と判定してステップ11に戻って運転開始入力(運転入/切ボタン55の操作)があるか否かを判定する。つまり、操作パネル50のコントローラは、ステップ12の通常運転処理、ステップ16の予約運転処理、ステップ20のドウコン連動処理のいずれかに移行するまで、前述したステップ11,13,17の各判定処理を繰り返し行う。
【0036】
[通常運転処理]
次に図9を参照しながら、通常運転プログラムによる通常運転処理を説明する。なお、この実施形態では、通常運転プログラムは操作パネル50のコントローラのROMに格納されている。図9に示したように、コントローラは、まずステップ110により操作パネル50の表示部51にホームメニューを表示する。図6に示したように、ホームメニューの表示画面60aaは、例えば、ホームアイコン61、マニュアル運転バー62、プログラム運転バー63、機器設定バー64及び点検バー65で構成される。なお、表示画面60aaの左上に表されている12:34は、コントローラの時計機能による現在時刻(12時34分)の24時間制表示である。
【0037】
ホームアイコン61は、当該表示画面60aaがホームメニューであることをユーザに対して視覚的かつ直感的に明示するピクトグラムである。マニュアル運転バー62、プログラム運転バー63、機器設定バー64及び点検バー65は、ユーザが操作パネル50のジョグダイヤル58を周方向に回すことにより選択可能な項目バーである。選択状態の項目バーはその周囲に白枠が表示される(図6ではマニュアル運転バー62が選択状態にある)。選択状態の項目バーは、ユーザがジョグダイヤル58を軸方向に押すことでその項目バーの選択が決定される。
【0038】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作によりマニュアル運転バー62が選択かつ決定されたと操作パネル50のコントローラが判定した場合には(S110;「マニュアル運転」)、ステップ200のマニュアル運転処理に移行する。マニュアル運転処理(S200)については、図10,11を参照して後述する。そして、ステップ200のマニュアル運転処理が終了すると、次のステップ120で運転切であるかを判定し、運転切でなければ「NO」と判定して、再度、マニュアル運転処理(S200)に移行する。運転切であれば「YES」と判定してステップ140で運転終了処理に移行する。運転切は、ユーザが運転入/切ボタン55を1秒以上連続して押下した場合にその情報が入力される。なお、図示されていないが、ステップ120においてユーザによりホームボタン53や戻るボタン54が押下されたと判定した場合には、ステップ110に戻って表示部51にホームメニューを表示する。
【0039】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作によりプログラム運転バー63が選択かつ決定されたと操作パネル50のコントローラが判定した場合には(S110;「プログラム運転」)、ステップ300のプログラム運転処理に移行する。プログラム運転処理(S300)については、図12~14を参照して後述する。プログラム運転処理が終了すると、次のステップ130で運転切であるかを判定し、運転切でなければ「NO」と判定して、再度、プログラム運転処理(S300)に移行する。運転切であれば「YES」と判定してステップ140で運転終了処理に移行する。なお、図示されていないが、ステップ130においてユーザによりホームボタン53や戻るボタン54が押下されたと判定した場合には、ステップ110に戻って表示部51にホームメニューを表示する。
【0040】
運転終了処理(S140)では、前述したメインプログラムによる主制御処理に対して運転終了入力を出力する。運転終了処理(S140)が終了すると、本通常運転処理を終えてメインプログラムによる主制御処理(図8)に戻る。
【0041】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作により機器設定バー64が選択かつ決定されたと操作パネル50のコントローラが判定した場合には(S110;「機器設定」)、ステップ400の機器設定処理に移行する。この機器設定処理(S400)については、図15を参照して後述する。ステップ400では、後述するように、操作パネル50のホームボタン53が押されるまで機器設定処理が繰り返し実行される。
【0042】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作により点検バー65が選択かつ決定されたと操作パネル50のコントローラが判定した場合には(S110;「点検」)、ステップ500の点検処理に移行する。この点検処理(S500)では、例えば、現在、オーブン調理装置10に発生しているエラー情報やお知らせ情報を点検項目として表示部51に一覧表示する。エラー情報は、例えば、下側温度センサ43、上側温度センサ44やコントローラ基板等の異常情報である。またお知らせ情報は、エラー情報の詳細内容やユーザに対してサービス会社等への連絡を促すメッセージ等である。ステップ500では、操作パネル50のホームボタン53が押されるまで点検処理による表示画面が繰り返し実行される。
【0043】
[マニュアル運転処理]
次に図10及び図11を参照しながら、マニュアル運転プログラムによるマニュアル運転処理を説明する。なお、この実施形態では、マニュアル運転プログラムは操作パネル50のコントローラのROMに格納されている。
【0044】
図10に示したように、操作パネル50のコントローラは、まず予備加熱の開始に先立ってステップ201による判定処理を行う。この判定は、後述する機器設定処理(S400)の急速予熱モード設定処理(S470)において急速予熱モード「する」と設定されており、かつ、今回の予備加熱がオーブン調理装置10の起動後に初めて行われる場合であるか否かを確認するものである。今回の予備加熱が起動後の最初であるかは初回フラグがオンに設定されているか否かで判定する。初回フラグは、ステップ304で急速予備加熱が開始された後、オフに設定されることから、オンに設定されている場合には初回予熱であることがわかる。
【0045】
そして、ステップ201により急速予熱ありかつ初回予熱であれば「YES」と判定してステップ202の急速予備加熱開始により、制御装置70に対して下側及び上側ヒータ41,42による加熱を急速予熱モードで開始する指示情報(急速加熱開始情報)を送出する。急速加熱開始情報には、下側及び上側ヒータ41,42に最大出力(最大電力)を供給する火力レベル5の情報、設定温度の情報やタイマー時間の情報等が含まれている。火力レベルは、下側及び上側ヒータ41,42のそれぞれに対して、出力を不連続に設定できる段階表示であり、この実施形態ではヒータの最大出力に対する割合(0%、20%、40%、60%、80%、100%)をレベル0(0%)~レベル5(100%)の6段階で設定することができる。
【0046】
ただし、予備加熱時の目標温度や本加熱時の維持温度となる焼成炉20の設定温度が比較的低い(例えば100℃未満)場合には、下側及び上側ヒータ41,42の最大出力で加熱すると、厳密な加熱制御を行っても設定温度(目標温度)に到達した後もしばらく温度上昇が続くオーバーシュートが生じ易い。このような予備加熱時のオーバーシュートは、設定温度が低いほどオーバーシュートが顕著に(大きく)現れ、予備加熱終了直後においては焼成炉20内で温度斑(温度むら)の発生原因になる可能性が高い。
【0047】
そこで、急速予熱ありかつ初回予熱であっても、設定温度が100℃未満に設定されている場合には、ステップ201により「NO」と判定して通常予備加熱を開始することによって予備加熱終了直後における焼成炉20内の温度斑の発生を抑制することが可能になる。なお、設定温度は、前述した電源オフ処理(図8のS22)においてコントローラにより不揮発性メモリに記憶された前回のマニュアル運転に関する各設定情報(設定温度やタイマー時間等)が含まれているため、当該不揮発性メモリから読み出して得る。
【0048】
一方、操作パネル50のコントローラが、ステップ201により、急速予熱ない場合、初回予熱でない場合または設定温度が100℃未満である場合であるため「NO」と判定したときには、ステップ203で通常予備加熱を開始する。この通常予備加熱の開始も、制御装置70に対して下側及び上側ヒータ41,42による加熱を開始する指示情報(通常加熱開始情報)を送出する。この通常加熱開始情報には、コントローラの不揮発性メモリに記憶された前回のマニュアル運転に関する各設定情報(上火と下火のそれぞれの設定温度、火力レベルやタイマー時間等)が含まれており、これらの各設定情報は当該不揮発性メモリから読み出して得る。通常加熱開始情報は、下側及び上側ヒータ41,42の火力レベル、設定温度やタイマーの設定時間等である。
【0049】
制御装置70は、このような加熱開始情報を受けると、下側及び上側ヒータ41,42への電力供給を制御する電源スイッチをオンにして予め設定された火力レベル相当の電力をこれらのヒータ41,42に供給するとともに、下側及び上側ヒータ41,42に対する温度制御を開始する。これにより、焼成炉20内の温度が上昇し始めることから、ステップ204の上下温度検出により下側温度センサ43及び上側温度センサ44から出力される下側温度情報と上側温度情報を、制御装置70を経由して取得する。そして、ステップ204で取得された下側及び上側温度情報等をステップ205により操作パネル50の表示部51に出力して表示する。
【0050】
操作パネル50のコントローラは、ステップ205において、例えば、図11(a)に示した表示画面60maを表示部51に表示する。この表示画面60maには、通常予備加熱開始直後の情報として、「予熱中」、「Mマニュアル運転」、上火(炉内上側のこと)の現在温度30℃と設定温度200℃と火力レベル5、下火(炉内下側のこと)の現在温度30℃と設定温度200℃と火力レベル3、タイマー時間の10分00秒等が表示されている。なお、急速予備加熱を開始した場合には、表示部51には「予熱中」ではなく「急速加熱中」と表示されるため、ユーザに対して、オーブン調理装置10が、現在、急速加熱を行っており、通常よりも焼成炉20の予熱が速く終わることを知らせられる。
【0051】
そして、操作パネル50のコントローラは、ステップ206により焼成炉20内の温度が設定温度に到達したかを判定する。この実施形態の焼成炉20では、炉内に下側及び上側ヒータ41,42を備えているため、それぞれに対応する下側及び上側温度センサ43,44により検出された温度、つまり下側温度と上側温度のいずれも設定温度以上になっている場合にコントローラは焼成炉20内の温度が設定温度に到達していると判定する。
【0052】
下側温度センサ43及び上側温度センサ44から出力される下側温度情報及び上側温度情報のいずれもがそれぞれの設定温度以上に達しておりコントローラが「YES」と判定した場合には予備加熱が終了するため、ステップ207により、例えば図11(b)に示した「スタンバイ」の表示画面60mbを表示部51に表示したりブザーユニット19を所定のビープ音で鳴動させて予備加熱が終了した旨をユーザに告知したりする。一方、下側温度情報及び上側温度情報のいずれかが設定温度以上に達しておらずコントローラが「NO」と判定した場合には再度ステップ204に戻る。
【0053】
予備加熱が終了して本加熱に制御が移行すると、ステップ208によりスタート・ストップボタン56の入力があるかを判定する。即ち、焼成炉20内の温度が設定温度に到達しているため、ユーザは、オーブン調理装置10の扉21を開けてパン生地等の被調理物を入れたトレイを焼成炉20内に搬入する。そして、扉21を閉じると、予め設定されている焼成時間(図11(c)の例では10分00秒)を計るタイマーをスタートさせるため、ユーザは操作パネル50のスタート・ストップボタン56を押下する。
【0054】
ステップ208によりスタート・ストップボタン56の入力があり「YES」と判定した場合には、タイマーのカウントダウンを開始するとともに次のステップ209により、例えば、図11(c)に示した「調理中」の表示画面60mcを表示部51に表示する。この表示画面60mcの例では、タイマーの残り時間9分59秒がゼロ、つまりタイムアップになるまで、下側温度情報、上側温度情報や残り時間情報を逐次更新して表示を続ける(S210で「NO」)。
【0055】
操作パネル50のコントローラは、ステップ210でタイマーの残り時間がゼロになり「YES」と判定すると、ステップ211により、例えば図11(d)に示した「調理完了」の表示画面60mdを表示部51に表示したりブザーユニット19を所定のビープ音で鳴動させて調理が完了した旨をユーザに告知したりする。これにより、焼成炉20内の被調理物は焼成が完了している蓋然性が高いため、ユーザは、オーブン調理装置10の扉21を開けて焼き上がったパン等の被調理物が入ったトレイを焼成炉20から取り出す。
【0056】
その後、コントローラは、本マニュアル運転処理を終えて通常運転処理(図9)に戻り、ステップ120で運転切でなければ「NO」と判定して、再度、マニュアル運転処理(S200)に移行する。つまり、「調理完了」の表示画面60mdでユーザが運転入/切ボタン55を押下しない場合には、再びマニュアル運転処理(S200)が実行される。これにより、被調理物の搬出等による扉21の開閉によって、焼成炉20内の温度が設定温度未満に低下した場合には、ステップ203の通常予備加熱開始後、設定温度に到達するまで予備加熱されることから(S204~S206)、表示部51には表示画面60maが表示され(図11(a))、設定温度になると表示画面60mbが表示される(図11(b))。
【0057】
[プログラム運転処理]
次に図12図14を参照しながら、プログラム運転プログラムによるプログラム運転処理を説明する。なお、この実施形態では、プログラム運転プログラムは操作パネル50のコントローラのROMに格納されている。
【0058】
マニュアル運転処理(S200)が前回のマニュアル運転時の設定温度やタイマー時間等の運転条件を引き継いで行われるのに対して、このプログラム運転処理(S300)では、ユーザが予め設定した複数の設定温度やタイマー時間等から任意の運転条件(調理設定プログラムのことであり、以下、単に「プログラム」という場合には調理設定プログラムを意味する)を選択しそれに基づいて処理が行われる。つまり、ユーザが事前に調理設定プログラムを選択できる点を除いて、プログラム運転処理(S300)においては、前述のマニュアル運転処理(S200)とほぼ同じ内容の処理が行われる。そのため、ここでは、マニュアル運転処理(S200)と異なる処理について主に説明する。
【0059】
図13(a)に示したように、ホームメニューの表示画面60abにおいて、ジョグダイヤル58の操作によりプログラム運転バー63が選択かつ決定されると、図12に示したように、コントローラは、まずステップ301により操作パネル50の表示部51にプログラムメニュー等を表示する。例えば、図13(b)に示したように、プログラムメニューの表示画面60paでは、例えば、1ページ目に「Pプログラム運転」と、プログラム番号「1」~「3」のそれぞれの情報として、上火の設定温度及び火力レベル、下火の設定温度及び火力レベルやタイマー時間と、が表示される。このメニュー例では、プログラム番号1は、上火の設定温度200℃と火力レベル5、下火の設定温度200℃と火力レベル4、タイマー時間10分00秒に設定されている。
【0060】
プログラムは、最大で9つ登録(書き換え可能)することが可能であり、コントローラの不揮発性メモリに保存されている。表示部51には1ページ当たりプログラムを3つまで表示することができるため、最大の9つが登録されている場合には図13(b)に示したような表示画面60paが3ページ分、表示される。図13(b)に示したプログラム番号1のように、選択中のプログラムはその周囲に白枠が表示される。ユーザはジョグダイヤル58を回すことで任意のプログラムを選択できジョグダイヤル58を押下して選択を決定することが可能になる。
【0061】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作によりプログラムが選択かつ決定されて選択が完了したと操作パネル50のコントローラが判定した場合には(S302;YES)、ステップ303の判定処理に移行する。選択が決定されるまでプログラムメニューが表示部51に表示される(S302;NO)。この後の各処理は、マニュアル運転処理(S200)とほぼ同様である。即ち、ステップ303~313は、図10に示したマニュアル運転処理(S200)のステップ201~211にそれぞれ対応してマニュアル運転処理の場合と同様の情報処理が行われることから、ここでは説明を省略する。
【0062】
ただし、ステップ304で使用される上火と下火のそれぞれの設定温度の情報や、ステップ305で使用される上火と下火のそれぞれの設定温度及び火力レベルの情報は、ステップ302により選択されたプログラムで予め設定されている情報が用いられる。また、表示部51に表示される表示画面は、マニュアル運転処理の場合と異なる。例えば、ステップ307では図13(c)の表示画面60pbが表示され、またステップ309では図13(d)の表示画面60pcが表示され、さらにステップ311では図13(e)の表示画面60pdが表示され、ステップ313では図13(f)の表示画面60peが表示される。それぞれ「Pプログラム運転」と表示される点がマニュアル運転処理と異なる。
【0063】
なお、図14(a)~図14(f)には、プログラムの設定手順を例示した表示画面が図示されている。図14(a)の表示画面60pfではプログラム番号4をジョグダイヤル58により選択及び決定すると、図14(b)の表示画面60pgに遷移する。そのため、上火、下火及びタイマーの3つから、ジョグダイヤル58の操作により上火を選択及び決定すると、図14(c)の表示画面60phのように上火温度の設定が可能になる。上火温度は、ジョグダイヤル58を押下すると、例えば、図14(d)の表示画面60piのようにデフォルト設定の温度を表す数値が表示され、ジョグダイヤル58を左右に回すと(時計回りで数値増加、反時計回りで数値減少)、図14(e)の表示画面60pjのように任意の数値(温度)を選択することができ、ジョグダイヤル58を押下すると選択した数値が設定温度として決定される。上火、下火及びタイマーの全ての数値等の選択及び決定を完了すると、例えば、図14(f)の表示画面60pkのように表示される。
【0064】
[機器設定処理]
次に図15及び図17を参照しながら、機器設定プログラムによる機器設定処理を説明する。なお、この実施形態では、機器設定プログラムは操作パネル50のコントローラのROMに格納されている。図17(a)に示したように、ホームメニューの表示画面60abにおいて、ジョグダイヤル58の操作により機器設定バー64が選択かつ決定されると、図15に示したように、コントローラは、まずステップ401により操作パネル50の表示部51に機器設定メニューを表示する。
【0065】
図17(b)に示したように、機器設定メニューの表示画面60saでは、例えば、1ページ目に「ドウコン連動」、「運転予約」、「スチーム時間」、「急速予熱モード」、「タイマー延長時間」等の設定項目が表示される。2ページ以降は画面下方に隠れて図示されていないが、ページ切替えにより「画面の明るさ」、「ブザー音量」、「終了時ブザー種類」、「終了時ブザー間隔」、「終了時ブザー長さ」等の項目も表示される。
【0066】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「ドウコン連動」の項目が選択かつ決定されたと操作パネル50のコントローラが判定した場合には(S401;「ドウコン連動」)、ステップ410のドウコン連動設定処理に移行する。このドウコン連動設定処理(S410)については、図24及び図25を参照して後述する。
【0067】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「運転予約」の項目が選択かつ決定されたと操作パネル50のコントローラが判定した場合には(S401;「運転予約」)、ステップ430の運転予約設定処理に移行する。この運転予約設定処理(S430)については、図18図20を参照して後述する。
【0068】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「スチーム時間」の項目が選択かつ決定されたと操作パネル50のコントローラが判定した場合には(S401;「スチーム時間」)、ステップ450のスチーム時間設定処理に移行する。このスチーム時間設定処理(S450)では、操作パネル50のスチームボタン52をユーザが押下した場合に蒸気発生部47から蒸気を発生させる時間(スチーム時間)を1秒~5秒の範囲で設定する。
【0069】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「急速予熱モード」の項目が選択かつ決定されたと操作パネル50のコントローラが判定した場合には(S401;「急速予熱モード」)、ステップ470の急速予熱モード設定処理に移行する。この急速予熱モード設定処理(S470)については、図16及び図17を参照して後述する。
【0070】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「タイマー延長時間」の項目が選択かつ決定されたと操作パネル50のコントローラが判定した場合には(S401;「タイマー延長時間」)、ステップ490のタイマー延長時間設定処理に移行する。このタイマー延長時間設定処理(S490)では、操作パネル50のタイマー延長ボタン57をユーザが押下した場合にタイマー時間を延長させる時間(タイマー延長時間)を10秒~60秒の範囲で設定する。
【0071】
なお、「画面の明るさ」、「ブザー音量」、「終了時ブザー種類」、「終了時ブザー間隔」、「終了時ブザー長さ」等の項目が選択された場合については説明を省略する。これらの各設定処理(S410,S430,S450,S470,S490等)が終了すると、ステップ401に戻り、再度、機器設定メニューの表示画面60saを表示する。ホームボタン53が押下されると、ホームメニューの表示画面60abを表示する。
【0072】
[急速予熱モード設定処理]
次に図16及び図17を参照しながら、急速予熱モード設定プログラムによる急速予熱モード設定処理を説明する。なお、この実施形態では、急速予熱モード設定プログラムは操作パネル50のコントローラのROMに格納されている。
【0073】
図17(b)~図17(d)に示したように、機器設定メニューにおいてジョグダイヤル58の操作により「急速予熱モード」の項目が選択かつ決定されると、表示部51の表示は表示画面60sa→表示画面60sb→表示画面60scと遷移する。その後、図16に示したように、操作パネル50のコントローラは、ステップ471により操作パネル50の表示部51に急速予熱モード設定を表示した後、ステップ472により急速予熱モードにすると判定した場合には(S472;YES)、ステップ473で急速予熱モード「する」を選択した後、ステップ475で設定内容を決定するかを判定する。一方、ステップ472で急速予熱モードにしないと判定した場合には(S472;NO)、ステップ474で急速予熱モード「しない」を選択した後、ステップ475で設定内容を決定するかを判定する。なお、図16においては「モード」の表記を省いたステップがある。
【0074】
図17(d)に示したように、表示画面60scでは、急速予熱モードに「する」が選択されている。急速予熱モードにするか否かの選択が終わると、ユーザは、ジョグダイヤル58を押下することによって、設定内容を決定するか否かを選択する。操作パネル50のコントローラは、ステップ475により設定内容が決定されたと判定した場合には(S475;YES)、ステップ476でその設定内容の情報(設定情報)をコントローラのEEPROM等の不揮発性メモリに保存(記憶)する。また、所定時間が経過しても設定内容が決定されないと判定した場合には(S475;NO)、ステップ471に戻って図17(c)に示した表示画面60sbを再度表示する。
【0075】
ステップ475で設定内容が決定されたと判定された場合には(S475;YES)、ステップ477により図17(e)に示した表示画面60sdを表示部51に表示する。表示画面60sdには設定内容が「急速予熱モードにする」の場合の表示例が表されている。その後、機器設定処理(図12のS401)に戻って、図17(f)に示したような機器設定メニューの表示画面60seを表示する。これにより、急速予熱モード「する」に設定されたことを確認できる。
【0076】
[運転予約設定処理]
次に図18図20を参照しながら、運転予約設定プログラムによる運転予約設定処理を説明する。なお、この実施形態では、運転予約設定プログラムは操作パネル50のコントローラのROMに格納されている。
【0077】
図19(b)~図19(d)に示したように、機器設定メニューにおいてジョグダイヤル58の操作により「運転予約」の項目が選択かつ決定されると、表示部51の表示は表示画面60sa→表示画面60sf→表示画面60sgと遷移する。その後、図18に示したように、操作パネル50のコントローラは、ステップ431により操作パネル50の表示部51に運転予約の設定項目を表示する。図19(e)に示したように運転予約の設定項目の表示画面60raでは、「運転入日時」、「運転入時刻」、「運転切時刻」、「決定」の設定項目が表示される。これらはジョグダイヤル58の操作で選択かつ決定される。「運転入日時」は加熱の開始タイミングの月日情報である。「運転入時刻」は予備加熱(予熱)の開始タイミングの時刻情報である。「運転切時刻」は本加熱の終了タイミングの時刻情報である。なお、「運転入時刻」に代えて「予熱終時刻」に変更して予備加熱の終了時刻(予熱終了時刻(予熱完了時刻))の情報をユーザが入力し得るように構成してもよい。この場合には、後述する予熱開始時期推定処理(S190)によって予備加熱の開始タイミングを求め、それを予約日時到来の判定処理(S15)で使用する。
【0078】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「運転入日付」の項目が選択かつ決定されたとコントローラが判定した場合には(S432;「運転入日付」)、図19(e)に示したような表示画面60raを表示してステップ433により予約運転を開始する日付(運転入日付)の入力を可能にする。日付として「-- / --」が表示されている場合には、デフォルト値として日付が設定されていなく未入力であることを表す。図19(f)に示した表示画面60rbのように、入力する日付の選択はジョグダイヤル58を左右(時計回りで日付が操作当日以降に進み、反時計回りで日付が操作当日以降の範囲で戻る)に回すことにより可能であり(S434;NO)、ユーザに選択された日付はジョグダイヤル58を押下することで決定される(S434;YES)。
【0079】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「運転入時刻」の項目が選択かつ決定されたとコントローラが判定した場合には(S432;「運転入時刻」)、図20(g)に示したような表示画面60rcを表示してステップ435により予約運転を開始する時刻(運転入時刻)の入力を可能にする。時刻として「--:--」が表示されている場合には、デフォルト値として時刻が設定されてなく未入力であることを表す。入力する時刻の選択はジョグダイヤル58を左右(時計回りで時刻が進み、反時計回りで時刻が戻る)に回すことにより可能であり(S436;NO)、ユーザに選択された時刻はジョグダイヤル58を押下することで決定される(S436;YES)。決定後は設定項目の表示に戻って図20(h)に示したような表示画面60rdを表示する。
【0080】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「運転切時刻」の項目が選択かつ決定されたとコントローラが判定した場合には(S432;「運転切時刻」)、「運転入時刻」の項目が選択かつ決定された場合と同様に、ステップ437により予約運転を終了する時刻(運転切時刻)の入力を可能にし、ジョグダイヤル58による時刻の選択や決定を可能する(S438)。決定後は設定項目の表示に戻って図20(i)に示した表示画面60reのように表示する。
【0081】
そして、運転入日付、運転入時刻及び運転切時刻のうち、少なくとも、運転入日付と運転入時刻、または運転切時刻が入力されている場合には(S439;YES)、図20(j)に示したような表示画面60rfが表示されて「決定」の選択が可能になる。つまり、運転入情報(運転入日付及び運転入時刻)または運転切情報(運転切時刻)のいずれか一方が入力されていれば「決定」の選択が可能になる。予約運転として、運転開始日時だけ、または運転終了時刻だけを設定することもできる。
【0082】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「決定」の項目が選択され(S432;「決定」)、かつ決定されたとコントローラが判定した場合には(S440;YES)、入力されて決定された予約情報をステップ441によりコントローラの不揮発性メモリに保存(記憶)する(S441)。その後、図20(k)に示したような表示画面60rgを表示した後(S442)、機器設定処理(図12のS401)に戻って図20(m)に示したような機器設定メニューの表示画面60sdを表示する。これにより、運転予約「する」に設定されたことを確認できる。
【0083】
なお、図示されていないが、同じ日付において、運転入時刻(開始時刻の情報)と運転切時刻(終了時刻の情報)のセットを複数セット、予約できるように構成してもよい。例えば、モーニングセット等の朝食の準備や提供する時間帯として運転入時刻 05:30と運転切時刻 09:30の朝セット、ランチ等の昼食の準備や提供する時間帯として運転入時刻 10:30と運転切時刻 15:30の昼セット、ディナー等の夕食の準備や提供する時間帯として運転入時刻 16:30と運転切時刻 21:00の夜セットというように、3セット(3つの時間帯)または4セット(4つの時間帯)以上を予約し得るように構成してもよい。
【0084】
例えば、ステップ431による設定項目表示において「ドウコン連動」の下に表示されている「運転予約」を複数(例えば、「運転予約1」、「運転予約2」、「運転予約3」等)にして、その下に「スチーム時間」以下を表示するように構成し、さらに複数の「運転予約1」、「運転予約2」、「運転予約3」等のそれぞれについて、例えば、「運転予約1 する」、「運転予約2 しない」、「運転予約3 する」等のように、運転入時刻及び運転切時刻を設定し得るように構成する。運転入時刻及び運転切時刻の設定(選択及び決定)は、前述した図19(e),(f)の表示画面60ra,60rbや、図20(g)~(i)の表示画面60rc~60reと同様に行う。
【0085】
なお、予約運転は、前述したように、オーブン調理装置10が予め設定された運転の開始日時と終了時刻においてマニュアル運転処理(S200)を行う動作態様である。そのため、同じ日付において複数セットの予約ができるように構成しても、いずれのセットも同じ設定のマニュアル運転処理が行われる。しかし、前述した例のように、朝セット、昼セットや夜セットでは、当該オーブン調理装置10の使用用途が異なる場合があり得る。即ち、朝セットでは主にパンを焼くためにオーブン調理装置10が使用されるのに対して、ティータイムも含まれる昼セットではクッキー等の焼き菓子を焼くためにオーブン調理装置10が使用される場合がある。したがって、異なる設定を選択できるプログラム運転処理が行われ得るように構成した方がユーザに対する利便性が高まる。
【0086】
そこで、例えば、ステップ432による選択項目において「運転入日付」の上または「運転切時刻」の下に「プログラム番号」の項目を加えて表示するように構成し、さらに図12図14を参照して説明したプログラム運転処理においてユーザができる最大9つのプログラムの中から任意のプログラムを選択し得るように構成する。プログラムの設定(選択及び決定)は、前述した図19(e)等の表示画面60ra等と同様に行う。
【0087】
[予約運転処理]
次に図21及び図22を参照しながら、予約運転プログラムによる予約運転処理を説明する。この実施形態では、予約運転プログラムは操作パネル50のコントローラのROMに格納されている。予約運転処理は、前述したメインプログラムによる主制御処理(図8)により、通常運転処理が行われなく(図8のS11;NO)、運転予約「する」に設定されており(同S13;YES)、かつ、予約日時が到来した場合(同S15;YES)に起動される。なお、「運転入時刻」に代えて「予熱終時刻」に変更して予備加熱の終了時刻(予熱終了時刻(予熱完了時刻))の情報が前述の運転予約設定処理により入力されている場合においては、後述の予熱開始時期推定処理により予備加熱を開始する時刻が得られ、かつ、その推定時刻(予備加熱の開始時刻)と「運転入日付」によって、ステップ15で予約日時到来が到来していると判定されたときに(図8のS15;YES)、予約運転処理(S150)が行われる。
【0088】
なお、この実施形態では、図21(a)及び図21(b)に示した2つの予約運転処理S150a,S150bが並行して実行される。予約運転は、オーブン調理装置10が予め設定された運転の開始日時と終了時刻においてマニュアル運転を行う動作態様であり、運転の開始日時(予約日時)の到来を契機にマニュアル運転処理(S200)を開始する一方で、運転の終了時刻の到来を契機にマニュアル運転処理を終了する必要があるからである。
【0089】
まず、図21(a)の予約運転処理S150aから説明する。操作パネル50のコントローラは、まずステップ151によりマニュアル運転を起動する処理を行う。これにより、マニュアル運転が開始される。マニュアル運転の詳細は、既に図10図11を参照して説明しているので、ここでは省略する。そして、このステップ151によるマニュアル運転処理が終わると運転切の情報が入力されたか否かを判定する。運転切の情報は、ユーザが運転入/切ボタン55を1秒以上連続して押下することにより入力される。運転切の情報が入力されると(S152;YES)、運転終了処理(S153)を行った後、本予約運転処理S150aを終えて主制御処理(図8)に戻る。運転切の情報が入力されなければ(S152;NO)、運転終了処理(S153)を行うことなく、主制御処理(図8)に戻る。運転終了処理(S153)では、前述の主制御処理に対して運転終了入力(運転終了情報)を出力する。
【0090】
これに対して、図21(b)の予約運転処理S150bでは、操作パネル50のコントローラは、まずステップ154により運転切時刻までの残り時間を計算した後、その残り時間が3分であるかを判定する。そして、残り時間が3分であれば「YES」と判定してステップ155により図22(a)に示した表示画面60rxを操作パネル50の表示部51に表示する。この表示画面60rxには、「お知らせ」の情報として、現在、予約運転されている状態において「運転予約設定」に移行していることや、予約運転による「運転切時間まで残り3分00秒」であること等が表示されている。また、運転予約を解除するか否かを選択することが可能なボタン(デフォルトは「しない」)も表示されている。
【0091】
運転予約を解除するか否かの選択は、ジョグダイヤル58を回すことで、図22(a)や図22(b)に示した表示画面60rx,60ryのように「しない」と「する」を交互に表示することにより行われ、また選択の確定、つまり決定はジョグダイヤル58を押すことにより行われる。ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「しない」が選択かつ決定されたとコントローラが判定した場合には(S156;YES)、運転予約は解除しないことになるので、残り時間がゼロになると(S157;YES)、運転終了処理(S158)を行い、本予約運転処理S150bを終えて主制御処理(図8)に戻る。運転終了処理(S158)では、前述の主制御処理に対して運転終了入力(運転終了情報)を出力する。
【0092】
これに対して、運転切時間までの残り時間がゼロになる前に(S157;NO)、ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「する」が選択かつ決定されたとコントローラが判定した場合には(S156;NO)、運転予約を解除することになるので、図22(c)に示した表示画面60rzを操作パネル50の表示部51に表示して、運転予約を解除した旨をユーザに告知する。そして、本予約運転処理S150bを終えて主制御処理(図8)に戻る。
【0093】
[予熱開始時期推定処理]
次に図23を参照して予熱開始時期推定処理を説明する。この処理は、前述したように運転予約設定処理で「運転入時刻」に代えて「予熱終時刻」に変更され、ユーザにより予備加熱の終了時刻(予熱終了時刻(予熱完了時刻))の情報が入力されている場合に主制御処理(図8)のステップ14において実行される。この予熱開始時期推定処理の実行を可能にする予熱開始時期推定プログラムは、操作パネル50のコントローラのROMに格納されている。
【0094】
図23(a)に示したように、操作パネル50のコントローラは、まずステップ191により予熱終了時刻を取得する。この予熱終了時刻は、前述した運転予約設定処理(S430)においてユーザが予熱終了時刻(予熱完了時刻)の情報を入力した場合には、運転予約設定処理のステップ441により予約情報(予熱終了時刻が含まれる)としてコントローラの不揮発性メモリに記憶されている。そのため、ステップ191では、コントローラの不揮発性メモリから予熱終了時刻の情報を読み出して取得する。なお、運転予約設定処理(S430)では、予熱開始時刻を含む予約情報がコントローラの不揮発性メモリに保存されている場合もある。その場合には、図示されていないが、ステップ192~194の各処理を行うことなく、ステップ191において取得した予熱開始時刻をステップ195でそのまま出力する。予熱開始時刻や予熱終了時刻の情報は、それぞれ識別可能にコントローラのメモリに保存されている。
【0095】
操作パネル50のコントローラは、ステップ192の現在の上下温度検出により下側温度センサ43及び上側温度センサ44から出力される、現在の下側温度情報と上側温度情報を制御装置70を経由して取得する。焼成炉20は予備加熱を開始する前であるから、オーブン調理装置10の運転(焼成炉20の加熱)を停止した直後の再起動であるような場合を除いて、ここで検出される温度は設定温度よりも低い。したがって、図23(b)に示した温度特性図を参照するとわかるように、予備加熱時における温度勾配(予熱温度勾配)が予め得られている場合には、ステップ192により検出した現在の焼成炉20内の温度(現在温度)から、設定温度に達するまでに要する時間を算出することができる。
【0096】
このため、ステップ193により設定温度に到達するまでに必要な時間(予熱所要時間)を算出する。例えば、予熱所要時間=(設定温度-現在温度)/予熱温度勾配の式により求められる。図23(b)において、実線のカーブは上側温度センサ44により検出された焼成炉20内の上火温度の特性を示し、破線のカーブは下側温度センサ43により検出された焼成炉20内の下火温度の特性を示している。この特性図では、直線的に温度上昇している範囲(上火は7~14min、下火は3~7min)の温度勾配から、上火(上側ヒータ42)の予熱温度勾配は9.9℃/分であり、また下火(下側ヒータ41)の予熱温度勾配は6.6℃/分であることがわかる。
【0097】
予熱所要時間が得られると、ユーザが入力した予熱終了時刻から予熱所要時間を減算することによって、予備加熱を開始すべき時刻、つまり予熱開始時刻が得られることから、ステップ194ではこのように予熱開始時刻を算出し、次のステップ195により予熱開始時刻の情報を出力する。例えば、コントローラのメモリのワーク領域等を介して、主制御処理(図8)に出力する。これにより、主制御処理では、この予熱開始時刻の情報をコントローラのメモリから取得する(読み出す)ことにより、前述したようにステップ15において予約日時が到来したかを判定することが可能になる。なお、ステップ193により算出された予熱所要時間に数分程度(5~7分=α分)の余裕時間を加えた時間(予熱所要時間+α分)を予熱終了時刻から減算して予熱開始時刻を算出してもよい。これにより、オーブン調理装置10の周囲温度や、扉21の開閉による外気の流入等による温度変化に伴う検出温度等の誤差を吸収することができる。
【0098】
なお、図23(b)に示した特性図は、下側及び上側ヒータ41,42の火力レベル5(出力100%)の場合のものである。そのため、火力レベル1(出力20%)、火力レベル2(出力40%)、火力レベル3(出力60%)、火力レベル4(出力80%)ごとの特性図に基づいて、各火力レベルに対応した上火及び下火の予熱温度勾配を得たうえで下側及び上側ヒータ41,42の出力(火力レベル)に対応して選択された予熱温度勾配を上記の算出に用いる必要がある。ただし、前述した急速予熱(100%出力)の場合に限定して予熱開始時期推定処理を使用するときには、予熱温度勾配を選択する必要がないため、アルゴリズムを簡略化することが可能になる。
【0099】
また、予熱開始時期推定処理を主制御処理等から独立させて主制御処理と並列に実行させてもよい。この場合には、例えば、逐次、現在温度を検出するとともに上記の式により最新の予熱所要時間を算出し、最新の予熱所要時間が所定時間以下(または未満)になったタイミングで、下側及び上側ヒータ41,42による予備加熱を開始するアルゴリズムを実現し得る制御プログラムを構成する。これにより、ユーザが予熱終了時刻(予熱完了時刻)の情報を操作パネル50から入力したり、ドウコンディショナー90が予熱終了時刻(予熱完了時刻)の情報を外部から入力することによって、予熱開始時刻をユーザ等が計算することなく、下側及び上側ヒータ41,42による焼成炉20の予備加熱の開始が可能になる。
【0100】
[ドウコン連動設定処理]
次に図24及び図25を参照しながら、ドウコン連動設定プログラムによるドウコン連動設定処理を説明する。なお、この実施形態では、ドウコン連動設定プログラムは操作パネル50のコントローラのROMに格納されている。
【0101】
図25(b)及び図25(c)に示したように、機器設定メニューにおいてジョグダイヤル58の操作により「ドウコン連動」の項目が選択かつ決定されると、表示部51の表示は表示画面sa→表示画面siと遷移する。図24に示したように、操作パネル50のコントローラは、ステップ411により操作パネル50の表示部51にドウコン連動設定を表示した後、ステップ412によりドウコン連動すると判定した場合には(S412;YES)、ステップ413で連動「する」を選択した後、ステップ415により運転メニューを表示する。一方、ステップ412でドウコン連動しないと判定した場合には(S412;NO)、ステップ414で連動「しない」を選択した後、ステップ419で設定内容を決定するかを判定する。
【0102】
図25(d)に示したように、運転メニューの表示画面60daでは、「Mマニュアル運転」と「Pプログラム運転」が表示される。そして、ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「Mマニュアル運転」の項目が選択かつ決定されたと操作パネル50のコントローラが判定した場合には(S416;YES)、ステップ417でマニュアル運転を選択し、また「Pプログラム運転」の項目が選択かつ決定されたと操作パネル50のコントローラが判定した場合には(S416;NO)、ステップ418でプログラム運転を選択する。「Pプログラム運転」を選択した場合には、ユーザは、事前登録した最大9つの調理設定プログラムの中から任意のものをジョグダイヤル58の操作により選ぶ。
【0103】
ドウコン連動有無の選択や運転項目の選択が終わると、ユーザは、ジョグダイヤル58を押下することによって、設定内容(選択内容)を決定するか否かを選択する。操作パネル50のコントローラは、ステップ419により設定内容が決定されたと判定した場合には(S419;YES)、ステップ420でその設定内容の情報(設定情報)をコントローラのEEPROM等の不揮発性メモリに保存(記憶)する。また、所定時間が経過しても設定内容が決定されないと判定した場合には(S419;NO)、ステップ411に戻って図25(c)に示した表示画面60siを再度表示する。
【0104】
ステップ419で設定内容が決定されたと判定された場合には(S419;YES)、ステップ421により図25(e)に示した表示画面60dbを表示部51に表示する。表示画面60daには設定内容が「ドウコン連動する」の場合の表示例が表されている。その後、機器設定処理(図15のS401)に戻って、図25(f)に示したような機器設定メニューの表示画面60sjを表示する。これにより、ドウコン連動「する」に設定されたことを確認できる。
【0105】
[ドウコン連動処理]
次に図26を参照しながら、ドウコン連動プログラムによるドウコン連動処理を説明する。この実施形態では、ドウコン連動プログラムは操作パネル50のコントローラのROMに格納されている。ドウコン連動処理は、前述したメインプログラムによる主制御処理(図8)により、通常運転処理が行われなく(図8のS11;NO)、運転予約「しない」に設定されており(同S13;NO)、かつ、ドウコン連動「する」に設定され(同S17;YES)かつドウコン入力「あり」の場合(同S18;YES)に起動される。
【0106】
なお、この実施形態では、図26(a)及び図26(b)に示した2つのドウコン連動処理S170a,S170bのうち、いずれか一方が実行される。即ち、前述したドウコン連動設定処理(図24のS410)により表示部51に表示された運転メニューの表示画面60daにおいて、ユーザによるジョグダイヤル58の操作で選択かつ決定された項目が「Mマニュアル運転」である場合には、図26(a)のドウコン連動処理S170aが実行され、また「Pプログラム運転」である場合には、図26(b)のドウコン連動処理S170bが実行される。
【0107】
まず、図26(a)に示したマニュアル運転の場合のドウコン連動処理S170aから説明する。操作パネル50のコントローラは、まずステップ171により、ドウコン90から送られてきた情報(ステップ19によりデコードされた情報であり、以下「ドウコン情報」という)を取得する。ドウコン情報には、前述したように、例えば、ドウコン90が現在(データ送信時に)実行している作業の最終工程を特定し得る工程識別子、その最終工程が完了するまでの残り時間等の情報が含まれている。
【0108】
ドウコン90が行い得る作業工程には、例えば、フリーズ工程(生地を発酵停止状態で一時的に保存する工程)、リタード工程(生地を途中で低温にて休ませる工程)、予熱工程(最終発酵前に熱を加えて生地の温度差を解消する工程)、ホイロ工程(生地を最終発酵させる工程)等があり、パン生地等の被調理物の種類や製法によって、いずれの工程もドウコン90における最終工程になり得るし、またその次工程として当該オーブン調理装置10が使用され得る。そのため、オーブン調理装置10では、現在、ドウコン90が実行中の最終工程が完了したタイミングで予備加熱が終了(つまり焼成炉20内が設定温度に到達している)していたり、その最終工程に適合した設定温度やタイマー時間等の運転条件で焼成炉20を加熱したりすることで、よりユーザの利便性が向上する。
【0109】
そこで、この実施形態では、ドウコン情報に含まれる残り時間の情報に基づいて、ステップ172により、マニュアル運転を開始するタイミングが到来したかを判定し、開始タイミンが到来したと判定したら(S172;YES)、ステップ173によりマニュアル運転処理(S200)に移行し、まだ到来しなければ待つ(S172;NO)。
【0110】
そして、ステップ173によるマニュアル運転処理が終わると運転切の情報が入力されたか否かを判定する。運転切の情報は、ユーザが運転入/切ボタン55を1秒以上連続して押下することにより入力される。運転切の情報が入力されると(S174;YES)、運転終了処理(S175)を行った後、本ドウコン連動処理S170aを終えて主制御処理(図8)に戻る。運転切の情報が入力されなければ(S174;NO)、運転終了処理(S175)を行うことなく、主制御処理(図8)に戻る。運転終了処理(S175)では、前述の主制御処理に対して運転終了入力(運転終了情報)を出力する。
【0111】
図26(b)に示したプログラム運転の場合のドウコン連動処理S170bも、マニュアル運転の場合のドウコン連動処理S170aとほぼ同様の処理が行われるが、プログラム運転処理に移行する前に、ドウコン90の最終工程に適合した設定温度やタイマー時間等の運転条件で設定されたプログラムの情報をステップ178により取得する点だけが異なる。そのため、ステップ176によりドウコン情報を取得する処理、ステップ177によりプログラム運転を開始するタイミングが到来したを判定する処理や、運転切の情報が入力されると(S180;YES)、運転終了処理(S181)を行った後、本ドウコン連動S170bを終えて主制御処理(図8)に戻ること等については、マニュアル運転の場合と同じである。
【0112】
ステップ178により行われるプログラム情報取得では、例えば、オーブン調理装置10に登録されている最大9つのプログラムのうち、ドウコン情報に含まれる最終工程の工程識別子(工程ID)に予め紐付け(関連付け)られているプログラムの情報を得たり、工程識別子により特定される最終工程の特性から導き出される必要不可欠な条件やその優先順位や重み付け等により、プログラムに設定されている諸条件(設定温度、火力レベル、タイマー時間等)と最も適合するプログラムの情報を得たりする。
【0113】
なお、ステップ179のプログラム運転処理は、通常運転処理(S100)のところで図12を参照しながら説明したプログラム運転処理(S300)とは若干異なる。通常運転処理(S100)におけるプログラム運転処理(S300)では、事前登録した最大9つの調理設定プログラムの中からユーザが選択した任意のものに基づいて処理が行われるのに対して、このステップ179で実行されるプログラム運転処理(S300’)では、前述したドウコン連動設定処理において情報を取得した調理設定プログラムに基づいて処理が行われる(図12に示したS303から処理が始まる)。このような差異を明示するため、図26(b)においては、ステップ179のプログラム運転処理にはその括弧内の符号として、S300’を付している。
【0114】
上記のように構成したオーブン調理装置10では、操作パネル50のコントローラは、操作入力として操作パネル50から入力されまたは予めプログラムされた下側及び上側ヒータ41,42の設定温度や火力レベル(出力設定情報)に基づいて加熱する本加熱制御よりも前に、予備加熱制御として、焼成炉20内が所定温度に達するまで下側及び上側ヒータ41,42に出力可能な最大電力で加熱する。そして、焼成炉20内が所定温度に達した後は、本加熱制御に切り替える。これにより、焼成炉20内が所定温度に達するまでは、下側及び上側ヒータ41,42が最大電力で焼成炉20内を加熱するため、本加熱制御と同じヒータの電力で焼成炉20内を加熱する場合に比べて焼成炉20内の温度を短時間に上昇させることが可能になる。また焼成炉20内が所定温度に達した後は、本加熱制御に切り替わるため、ユーザが予定していた下側及び上側ヒータ41,42の火力レベル(出力設定情報)で焼成炉20内を加熱することが可能になる。したがって、ユーザに煩雑な操作を強いることなく予熱時間を短縮することができる。
【0115】
また、上記のように構成したオーブン調理装置10では、操作入力として、ドウコン90からドウコン情報(予熱開始情報)が入力された場合にも予備加熱制御の開始を操作パネル50のコントローラに指示することが可能になる。特に、オーブン調理装置10とドウコン90が連動構成(ドウコン連動)を採る場合においては、ドウコン90から操作入力やドウコン情報が入力されることによりオーブン調理装置10の予備加熱が自動的に開始される。これにより、ドウコン90から操作入力が入力されるタイミングやドウコン情報で指示するタイミングでオーブン調理装置10の予備加熱を開始することができる。
【0116】
また、上記のように構成したオーブン調理装置10では、操作パネル50のコントローラは、ユーザにより入力された予熱終了時刻(予熱完了希望時刻)に基づいて予備加熱制御を開始する。これにより、ユーザは、予熱終了時刻から予熱時間を減算して予熱開始時刻を求めたり、その予熱開始時刻を待って操作入力を入力したりしなくても、予熱終了時刻を操作パネル50に入力するだけで、その時刻に予備加熱を終わらせることが可能になる。したがって、ユーザの利便性を高めることができる。
【0117】
また、上記のように構成したオーブン調理装置10では、操作パネル50のコントローラは、開始時刻の情報及び終了時刻の情報のセットを複数セットをコントローラのメモリに記憶し、それらの複数セットのそれぞれについて予定された時刻に予備加熱や本加熱を開始したり終了したりする。これにより、ユーザは、複数セットのそれぞれについて操作入力を入力することなく、それぞれの時刻に予備加熱や本加熱を始めたり終わらせたりすることが可能になる。したがって、ユーザの利便性を高めることができる。
【0118】
なお、上記のオーブン調理装置10では、上記の各制御処理等を操作パネル50のコントローラが実行する場合を例示して説明したが、主制御処理(図8)、通常運転処理(図9)、マニュアル運転処理(図10)、プログラム運転処理(図12)、機器設定処理(図15)、急速予熱モード設定処理(図16)、運転予約設定処理(図18)、予約運転処理(図21)、予熱開始時期推定処理(図23)、ドウコン連動設定処理(図24)、ドウコン連動処理(図26)等を制御装置70が実行するように構成してもよい。このような構成においても、上述の操作パネル50のコントローラとほぼ同様に、上記の各制御処理等を実行することによる技術的な作用及び効果を得ることができる。
【0119】
また、この実施形態のオーブン調理装置10では、焼成炉内を加熱するヒータとして、上下2つの下側及び上側ヒータ41,42を備える場合を例示して説明したが、1つのヒータ(下側ヒータ41または上側ヒータ42)で焼成炉20内を加熱するように構成してもよい。また、焼成炉20内の温度を検出するセンサ(温度検出部)についても、上下2つの下側温度センサ43及び上側温度センサ44を備える場合を例示して説明したが、1つのセンサ(下側温度センサ43または上側温度センサ44)で焼成炉20内の温度を検出するように構成してもよい。このような構成においても、上述とほぼ同様の技術的な作用及び効果を得ることができる。
【0120】
さらに、この実施形態のオーブン調理装置10では、外部装置として外部入力端子59に通信ケーブルを介して接続されたドウコン90からシリアルデータを受信する場合を例示して説明したが、通信方式は、有線通信(RS-485,RS-422,RS-232C,USB等)、無線通信(無線LAN(IEEE802.11シリーズ)、近距離無線通信(Bluethooth,ZigBee))、光無線通信(IrDA等)のいずれでもよい。なお「Bluethooth」及び「ZigBee」は登録商標である。
【符号の説明】
【0121】
10…オーブン調理装置、20…焼成炉、41…下側ヒータ(ヒータ)、42…上側ヒータ(ヒータ)、50…操作パネル(入力部)、70…制御装置(制御部)、59…外部入力端子、90…ドウコンディショナー(外部装置)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図19
図20
図21
図22
図23
図24
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図26