(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-16
(45)【発行日】2025-05-26
(54)【発明の名称】乗り物のための双方向システム
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20250519BHJP
G09G 5/10 20060101ALI20250519BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20250519BHJP
【FI】
G09G5/00 510A
G09G5/00 510H
G09G5/00 550C
G09G5/00 555D
G09G5/10 B
B60R11/02 C
(21)【出願番号】P 2021558988
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(86)【国際出願番号】 IN2020050306
(87)【国際公開番号】W WO2020202203
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-02-17
(31)【優先権主張番号】201941013638
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン-ゴバン グラス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】アルンベル タンガマーニー
(72)【発明者】
【氏名】ナベイナー チャンドラセカラン
(72)【発明者】
【氏名】バラサブラマニヤン エヌ
(72)【発明者】
【氏名】ロビン シー.ジャヤラム
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-532287(JP,A)
【文献】特開2004-138795(JP,A)
【文献】特表2016-539346(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0089273(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0001870(US,A1)
【文献】特開2011-063052(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00 - 5/42
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記を含む、積層ガラスを用いる乗り物のための双方向表示システム:
表示ユニット102、この表示ユニット102は、前記積層ガラスの第1の基材と第2の基材との間に挟まれている1又は複数の照明装置を有する;
前記乗り物に組み込まれており前記表示ユニットに通信可能に接続している、処理ユニット108、この処理ユニットは、入力装置からユーザー入力を受け取るように構成されている;
前記処理ユニット108に通信可能に接続しているデータ取得ユニット106、このデータ取得ユニットは、前記乗り物に存在するセンサユニット104からセンサ出力を受け取るように構成されており、前記処理ユニット108が、少なくともユーザー入力及び前記
センサ出
力に応答して前記表示ユニットを双方向的に制御するための
照明制御信号を生成し、前記処理ユニット108が、前記
照明制御信号
の電圧を修正するようにさらに構成されており、遠隔制御装置110が、前記処理ユニット108に通信可能に接続しており、かつ前記処理ユニット108が、前記遠隔制御装置110の、前記乗り物に対する近接度に基づいて、前記表示ユニット102の照明を制御する;
ネットワークを介して前記処理ユニット108に通信可能に接続しているサーバシステム114、このサーバシステムは、前記処理ユニットから前記
照明制御信号を受け取るように構成されている。
【請求項2】
前記
照明制御信号を用いて、表示ユニット102を制御し、それによって、1又は複数のパターン、絵文字を表示し、前記1又は複数の照明装置において照明を選択的に修正する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記
照明制御信号は、前記表示ユニット102において前記1又は複数の照明装置を選択的に起動又は停止させるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記
照明制御信号を用いて、前記表示ユニット102を制御し、それによって、前記センサユニット104から受け取ったセンサデータを選択的に表示し、
前記センサデータが、燃料インジケータ、温度データ、シールベルトインジケータ、ノイズレベル、照明レベル、操作温度、熱快適性レベル、空気品質、方向インジケータ、ヒーター、デフロスター、ドア開閉状況インジケータ、加熱ランプインジケータ、EVバッテリインジケータ、及びこれらの組み合わせの群から選択される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記センサユニット104が、前記
積層ガラスに配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記遠隔制御装置110が、前記表示ユニットに通信可能に接続しており、それによって、前記表示ユニット102の照明を制御する、請求項1又は5に記載のシステム。
【請求項7】
前記遠隔制御装置110が、ワイヤレス通信プロトコルを用いて、前記処理ユニット108と通信する、請求項1又は5に記載のシステム。
【請求項8】
前記処理ユニット108と通信する入力装置116を有しており、それによって、前記表示ユニット102を起動及び停止させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記入力装置116が、マイクロフォン、タッチセンサ、及びジェスチャセンサである、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記処理ユニット108が、エンジン制御ユニット、メモリ、電力変換器、照明制御ユニット、及びワイヤレス通信モジュールを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記処理ユニット108が、前記表示ユニット102への電力出力を制御し、それによって、照明の持続時間、照明の頻度、及び照明の明度を修正するように構成されている、請求項1又は10に記載のシステム。
【請求項12】
前記処理ユニット108が、前記センサユニット104からセンサ出力データを受け取って1又は複数のセンサ出力データを前記表示ユニット102に表示するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記照明装置が、OLED、LED、エレクトロルミネッセントディスプレイなどである、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
1又は複数の表示ユニット102が、少なくとも前記乗り物の外部若しくは前記乗り物の内部から、又はその両方から視認される、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記表示ユニット102が、乗り物の、ウィンドシールド、リアウィンドウグレージング、サイドウィンドウグレージング、又はルーフグレージングに埋め込まれている、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記表示ユニット102が、透明、不透明、半透明のうちの1つであり、前記
乗り物のウィンドシールドの可視領域に配置されており、又は前記
乗り物のウィンドシールドのセラミック領域の背後に配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記処理ユニット108が、1又は複数のユーザーアクションに応答して、前記表示ユニットに、所定のパターン、文字、アイコン/絵文字、及びライトガイドを表示する、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記ユーザーアクションが、加速、ブレーキ、ギアチェンジ、及び音声コマンドを含むが、これらに限定されない、請求項
17に記載のシステム。
【請求項19】
前記サーバシステム114が、前記
照明制御信号に応答してユーザーの状況を決定し、前記乗り物のユーザーにリンクしているソーシャルネットワーキングウェブサイトに前記状況をアップデートする、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記処理ユニット108が、前記遠隔制御装置に存在するモバイルアプリケーションを介してサーバシステムにデータを送るように構成されている、請求項
1に記載のシステム。
【請求項21】
前記センサユニット104が、温度センサ、相対空気湿度センサ、空気品質センサ、タクシーメーター機能センサ、位置センサ、変位センサ、障害検知センサ、加速度計、アルコールセンサ、Wi-Fiレベルセンサ、発光センサ、音響センサ、近接度センサ、占有レベルセンサ、眠気センサ、撮像センサ、又はこれらの組み合わせを含む群から選択される1又は複数のセンサを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
請求項1に記載の乗り物の双方向表示システムにおける表示ユニットを作動させる方法であって、
前記表示ユニットが、積層ガラスの第1の基材と第2の基材との間に挟まれた1又は複数の照明装置を有しており、
データ取得ユニットによって、前記乗り物に存在するセンサユニットから出力データを受け取ること(701)、
前記出力データを、処理ユニットに送ること、
前記処理ユニットによって、ユーザー入力を受け取ること、
前記ユーザー入力及び出力データに応答して、前記処理ユニットによって、
照明制御信号を生成すること、
前記
照明制御信号によって、前記表示ユニットを作動させること、ここで、前記表示ユニットは、少なくとも前記乗り物の外側若しくは前記乗り物の内側、又はその両方に、パターン、絵文字を表示するように構成されている、
遠隔制御装置と前記処理ユニットとの通信を確立して、表示ユニットを制御すること(704)、並びに、
モバイルアプリケーションを介して前記処理ユニットとサーバシステムとの通信を確立して、前記処理ユニットからサーバシステムに出力データを送ること(705)、
を含む、方法。
【請求項23】
前記表示ユニットを制御することが、前記表示ユニットに供給される電力の大きさを制御し、それによって、前記表示ユニットにおける照明の持続時間、照明の頻度、及び照明の明度を制御することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記
照明制御信号が、可変的な電圧出力を含み、それによって、前記表示ユニットにおける輝度を修正する、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ウィンドシールドの積層ガラスに提供されるディスプレイに関し、特には、乗り物のウィンドシールドを用いる双方向システムに関する。
【背景技術】
【0002】
背景の記載は、本開示を理解する上で有用であり得る情報を含む。これは、本記載で提供される情報のいずれかが従来技術であること又は特許請求の範囲に記載の発明に関係していることを認めるものではなく、特定的又は暗黙のうちに参照される文献のいずれかが従来技術であることを認めるものでもない。
【0003】
剛性材料の2つのシート、例えばガラスシートを有する自動車積層ガラスが、既に知られている。ガラスシートが、大抵の場合ポリビニルブチラール(PVB)を含有する熱可塑性中間層シートによって、一緒に結合されている。自動車積層ガラスは、ウィンドスクリーン、リアウィンドウ、サイドウィンドウ、開閉式ルーフ及び非開閉式ルーフ、リアビューミラー、又はヘッドランプのための保護ガラスにおいて用いることができる。
【0004】
自動車グレージングは、特に、運転者(ドライバー)に、運転中の乗り物の前方領域の視界、並びに、後進中及び他の操縦中の乗り物の後方領域の視界を提供するために設計されている。より最近では、自動車積層ガラスは、照明ユニット、インジケータライト等として、LED及びEL等の機能性要素を積層ガラスに取り込む傾向を示している。典型的には、自動車積層ガラスへの発光ダイオード(LED)の挿入は、ライトインジケータ及び内部照明機能に限定されている。既存のLEDに基づくディスプレイは、双方向的ではなく、乗り物の制御システム及び他の遠隔制御装置に対して反応しない。
【0005】
比較的長い作動寿命及び拡散性の照明特性を有するので、エレクトロルミネッセント装置を取り込んでいる積層グレージングが、存在する。国際公開第2007/122426号は、そのような自動車グレージングの1つの例を提供する。この文献は、積層構造体に統合されたエレクトロルミネッセントランプの形態の電気装置を有するルーフウィンドウの形態の、積層グレージングを開示している。さらに、米国特許出願公開第20160159282号明細書は、積層ガラスに積層された複数の矩形の有機エレクトロルミネッセントディスプレイを提供する。しかしながら、上記の従来技術で言及される積層グレージングに統合されたエレクトロルミネッセント装置は、照明及び/又は美的な目的のために限られている。さらに、上記の従来技術は、エレクトロルミネッセント装置の詳細を開示していない。しかしながら、そのような通常のエレクトロルミネッセント装置を用いることは、安全性、電気絶縁性、及び損傷の際の機械的一体性等の特徴を提供しない。
【0006】
インド特許出願201741007887は、プリント又は堆積による、積層グレージングの中間層の中へのエレクトロルミネッセント層の統合の方法を開示しており、それによって、安全性及び電気絶縁性を提供することを開示している。しかしながら、この特許出願は、乗り物のエンジン制御ユニットと通信しウィンドシールドにリアルタイム状況を表示する役割を果たす双方向システムは教示していない。
【0007】
典型的には、使用者(ユーザー)は、乗り物に関する状況及び警告メッセージを、ダッシュボードの上で見る。使用者が、ウィンドシールド上で、リアルタイムで、状況をアップデートする(更新する)ことを所望する場合がある。現状の表示ユニット又はディスプレイ装置は、ウィンドシールド上でのそのような双方向ディスプレイを可能としない。ウィンドシールドの内側及び/又は外側においてリアルタイムのアップデート及び通知を提供するための双方向ディスプレイを提供するシステムは、存在しない。
【0008】
既存の高性能乗り物は、(エンジン制御ユニットとしても知られる)制御システム、及び自動化システムを有している。自動制御システムは、乗員に使い勝手の良さを提供し、乗り物の構成要素を操作する際の効率性を確保する。しかしながら、乗り物の既存の制御システムは、多くの欠点を有する。例えば、制御システムは、乗り物のウィンドシールドと通信し、リアルタイム値及びユーザーの好みの設定を表示する能力を欠いている。さらには、制御システムディスプレイは、乗り物のウィンドシールドに警告を提供するために遠隔制御装置、例えば携帯電話又はスマートキー(高性能鍵)と通信しない。したがって、装置のリアルタイム状況をウィンドシールド上にアップデートするために、乗り物における(ECU、センサユニット、及び遠隔制御ユニットを含む)すべての装置とシームレスな(円滑な)通信を提供する双方向システムを有することが、必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、乗り物の外側及び内側に情報を表示するための、積層グレージングにディスプレイ装置を組み込んでいる双方向システムを提供することが、所望されている。さらには、装置のリアルタイム状況をウィンドシールド上にアップデートするために、乗り物における(ECU、センサユニット、及び遠隔制御ユニットを含む)すべての装置とシームレスな(円滑な)通信を提供する双方向システムを提案することが必要である。さらには、ユーザーがウィンドシールド上の警告/通知を設定することができる双方向装置への必要性も存在する。
【0010】
本開示の一態様は、ディスプレイのためにウィンドシールドを用いる乗り物のための双方向システムを提供する。本発明の別の目的は、乗り物のエンジン制御ユニット(ECU)と通信するウィンドシールドを提供することである。双方向システムは、乗り物内に存在する1又は複数のセンサと通信して、ウィンドシールド上の1又は複数のセンサの状況を表示する。本発明の別の目的は、ユーザーから入力を受け取って、ウィンドシールド上に、入力に対応する警告を表示する双方向システムを提供することである。双方向システムは、また、遠隔制御装置からデータを受信して、ウィンドシールド上のディスプレイを作動させる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
下記を含む、積層ガラスを用いる乗り物のための双方向表示システム:
表示ユニット102、この表示ユニット102は、前記積層ガラスの第1の基材と第2の基材との間に挟まれている1又は複数の照明装置を有する;
前記乗り物に組み込まれており前記表示ユニットに通信可能に接続している、処理ユニット108、この処理ユニットは、入力装置からユーザー入力を受け取るように構成されている;
前記処理ユニットに通信可能に接続しているデータ取得ユニット106、このデータ取得ユニットは、前記乗り物に存在するセンサユニット104からセンサ出力を受け取るように構成されており、前記処理ユニットが、少なくともユーザー入力及び前記出力データに応答して前記表示ユニットを双方向的に制御するためのコマンド信号を生成する点で、特徴づけられる;
ネットワークを介して前記処理ユニットに通信可能に接続しているサーバシステム114、このサーバシステムは、前記処理ユニットから前記コマンド信号を受け取るように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本開示の1つの実施形態に係る、ガラスアセンブリを用いる、乗り物のための双方向性のブロック図である。
【
図2】
図2は、本開示の1つの実施形態に係る、双方向システムのための例示的な処理ユニットを示すブロック図である。
【
図3】
図3は、遠隔制御装置を用いて乗り物をロック又はロック解除するための双方向システムを実施するための例示的なシナリオを示すブロック図である。
【
図4A】
図4Aは、入力装置から応答を受信する双方向システムの実施のための例示的なシナリオを示すブロック図である。
【
図4B】
図4Bは、遠隔制御装置又はセンサユニットから応答を受信する双方向システムの実施のための例示的なシナリオを示すブロック図である。
【
図5A】
図5Aは、ウィンドシールドの積層ガラス内の表示ユニットの例示的な配置を示す図である。
【
図5B】
図5Bは、バックライト又はサイドライトに使用するための表示ユニットの例示的な配置を示す。
【
図6】
図6は、パターン、設計、又は他の表現の形態で示される1又は複数の状態を表示する、乗り物のウィンドシールド用の表示ユニットを示す。
【
図7】
図7は、絵文字及びパターンを表示するように表示ユニットを作動させる例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、乗り物の光ガイドとして使用するための表示ユニットの例示的な配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の別の態様は、ウィンドシールド上に統合された表示ユニットを用いる乗り物のための双方向システムを提供することである。システムはユーザー入力(使用者入力)を受け取り、ユーザー入力に基づいて表示ユニットを制御する。システムは、乗り物のウィンドシールド上に存在する表示ユニットを備える。表示ユニットは、積層グレージングの第1基材と第2基材との間に挟まれた1又は複数の照明装置で構成される。表示ユニットは、種々の照度、頻度、及び色で、パターン、絵文字を表示するように構成される。
システムは、さらに、乗り物の状態及び状況を監視する複数のセンサを備えたセンサユニットを備える。システムは、さらに、乗り物内に存在する1又は複数のセンサからデータを受け取るように構成されたデータ取得ユニットを含む。データ取得ユニットは、さらに、1又は複数のセンサから受け取ったアナログデータをデジタルデータに変換する。
【0014】
データ取得ユニットからの出力は、処理ユニットに送られる。処理ユニットは、センサユニット、データ取得ユニット、及び遠隔制御装置のうちの少なくとも1つからデータを受け取る。処理ユニットは、ユーザーアクション(ユーザー動作)と、データ取得ユニットから受け取ったデータとに基づいて、表示ユニットを制御するように構成されている。
【0015】
本開示の1つの実施形態によれば、表示ユニットを用いる乗り物のために双方向ディスプレイを提供する方法が開示される。乗り物内に存在するセンサユニットからの出力データを、データ取得ユニットによって受け取る。データ取得ユニットからの出力データを、処理し、処理ユニットに送る。処理ユニットは、入力装置からユーザー入力を受け取る。ユーザー入力は、音声、タッチ、ジェスチャ(しぐさ)などを含む。出力データに応答して、コマンド信号が生成される。コマンド信号が、さらに、表示ユニットを制御して、少なくとも乗り物の外側又は乗り物の内側、あるいはその両方に、パターン、絵文字を表示する。
【0016】
その後、遠隔制御装置が、処理ユニットとの通信を確立して、表示ユニットを制御する。遠隔制御装置は、作動すると、表示ユニットを起動/停止させる。遠隔制御装置は、また、表示ユニットと通信して、表示ユニットの照度を、その近接度に基づいて修正する。表示ユニットは、また、入力信号を処理ユニットに送る入力装置で作動される。入力信号は、音声コマンド、タッチ入力、キーボード入力、ジェスチャー入力などを含む。続いて、処理ユニットによって生成されたコマンド信号の少なくともいくつかに応答して、ユーザーのステータス(状況)を決定し、表示ユニット上に表示する。また、ネットワーキングサイトにソーシャルフィードを提供するために、利用者のステータスをサーバとの間で通信する。
【0017】
本開示の他の特徴及び態様は、以下の説明及び添付の図面から明らかになるのであろう。
【0018】
実施形態は、例として示されており、添付の図面に限定されない。
【0019】
当業者は、図中の要素が単純性と明瞭性のために描写されていることを理解しており、必ずしも縮尺どおりに描かれていないことを認識する。例えば、図中の要素のいくつかの寸法は、本開示の実施形態の理解を改善するのを助けるために、他の要素に対して誇張されていることがある。
【0020】
ここで、本開示を、本出願に付随する図面を参照して、より詳細に議論する。添付の図面において、同様の及び/又は対応する要素は、同様の符号番号によって参照される。
【0021】
可能な限り、同一又は同様の部品を参照するために、同一の符号番号が、図面を通して用いられる。本開示は、通常の機能に加えて他の機能を組み込んだ、乗り物のための改良された積層ガラスを提供することである。本開示は、さらに、新しい機能を有する乗り物のウィンドシールドのための改良された積層ガラスの単純かつ低コストの製造及び構築方法を提供する。また、本開示は、乗り物のウィンドシールド、バックライト又はサイドライトのための、積層体内に収容された表示用照明装置のためのアンカーとしての、積層ガラスに関する。
【0022】
背景で論じた欠点が、ウィンドシールドをディスプレイとして用いる乗り物のための双方向システムによって、克服される。双方向システムは、乗り物の(処理ユニットの一部を形成する)エンジン制御ユニット(ECU)と通信するウィンドシールドを提供する。双方向システムは、乗り物内に存在する1又は複数のセンサと通信して、ウィンドシールド上の1又は複数のセンサの状況を表示する。また、双方向システムは、ユーザーから入力を受け取って、ウィンドシールドに、入力に対応する警告を表示する。双方向システムは、また、遠隔制御装置及び/又は入力装置によって起動/作動されてもよい。さらに、双方向システムは、サーバと通信して、処理ユニットからの出力を、サーバに送る。
【0023】
図1は、本発明の1つの実施形態に係る、ガラスアセンブリを用いる乗り物のための双方向性のブロック図である。下記でシステムとして言及される双方向システムが、乗り物内に実装されて、乗り物内に存在する自動車構成要素及びセンサと通信し、そこから受け取った情報を、ウィンドシールド内に存在する表示ユニット上に表示する。システムは、また、ユーザー入力を受け取り、ユーザー入力に基づいて表示ユニットを制御する。システムは、乗り物のウィンドシールド上に存在する表示ユニット102を備える。表示ユニット102は、積層グレージングの第1基材と第2基材との間に挟まれた1又は複数の照明装置で構成されている。表示ユニット102は、種々の照度、頻度、及び色で、パターン、絵文字を表示するように構成されている。表示ユニットは、透明、不透明、半透明であり、ウィンドシールドの可視領域上に配置されるか、又はウィンドシールドのセラミック領域の後ろに配置される。さらに、表示ユニット102は、ゾーン「A」、ゾーン「B」、及びゾーン「C」を含むウィンドシールドの可視領域上に配置される。別の実施形態では、表示ユニットが、ウィンドシールドのセラミック領域の後ろに配置される。
【0024】
システムは、乗り物の状態及び状況を監視する複数のセンサを備えたセンサユニット104を、さらに備える。複数のセンサが、乗り物の適切な部品及び/又は機構に取り付けられている。センサは、乗り物の外部又は内部に取り付けられている。センサは、乗り物の外側の環境状態又は刺激に応答性であるように設計されており、これらは乗り物の外側の適切な部分に取り付けられ、乗り物の内側の刺激に応答性であるセンサ、例えばタクシーメータは、乗り物の内部の通常の適切な部分に取り付けられる。1つの実施形態によれば、ウィンドシールドに統合された表示ユニットが、センサユニット104によって検出された状態を表示するように、構成される。1又は複数のセンサは、温度、相対空気湿度、Wi-Fi強度、位置、呼吸分析器(アルコール検査装置)、発光、音響、及び音声認識を含む機能のために設計されるが、これらに限定されない。さらに、センサは、占有レベルの検出、空気品質センサ、燃料タンクインジケータ、乗員シートベルト表示、ペダルセンサ及びその他を含む機能を果たすために組み込まれていてよい。センサユニット104は、音声認識のためのマイクロフォンを含む。また、センサユニット104は、ユーザーからのタッチレスポンスを受け取るタッチセンサを含む。
【0025】
したがって、表示ユニットは、センサユニット104からの出力を受け取ると、ウィンドシールド上に、温度、相対湿度、Wi-Fi強度、位置、アルコールレベル、照度、ノイズレベル及び空気品質の値を、示す。システムは、さらに、乗り物内に存在する1又は複数のセンサからデータを受け取るように構成されたデータ取得ユニット106を含む。データ取得ユニット106は、さらに、1又は複数のセンサから受け取ったアナログデータをデジタルデータに変換する。
【0026】
データ取得ユニット106からの出力が、処理ユニット108に送られる。処理ユニット108は、センサユニット104、データ取得ユニット106、及び遠隔制御装置110のうちの少なくとも1つからデータを受け取る。処理ユニット108は、ユーザー動作(ユーザーアクション)とデータ取得ユニット106から受け取ったデータとに基づいて表示ユニットを制御するように構成される。処理ユニットは、マイクロプロセッサと、メモリ(記憶装置)と、電力変換器と、エンジン制御ユニットと、照明制御ユニットと、無線通信モジュールとを備える。処理ユニットは、電力変換器にコマンド信号(指令信号)を供給することによって、表示ユニット内の少なくとも1つ以上の照明装置を選択的に制御するように構成される。コマンド信号に基づいて、表示ユニットは、乗り物の燃料インジケータ、温度データ、シールベルトインジケータ、及び熱的快適性データに関するデータ、並びにそれらの組み合わせを、選択的に示すように構成される。熱的快適性データの例としては、ノイズレベル、照明レベル、作動温度、PPD及びPMVが挙げられる。
【0027】
1つの実施形態では、処理ユニットが無線通信プロトコルを使用して遠隔制御装置110と通信する。無線通信プロトコルの例としては、Wi-Fi、Bluetooth(商標)、NFC、ZIGBEE(商標)等が挙げられる。1つの実施形態では、遠隔制御装置、処理ユニット、及びサーバなどの様々な構成要素の間の通信が、通信ネットワーク120によって確立される。通信ネットワーク106の例としては、インターネット、クラウドネットワーク、ワイヤレスフィディリティ(Wi-Fi)ネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、及び/又はメトロポリタンエリアネットワーク(MAN)が含まれるが、これらに限定されない。電力ユニット112は、乗り物内の構成要素に電力を供給するDCバッテリ源である。サーバは、アプリケーションサーバ、データサーバ、又はクラウドベースのサーバのうちの1つである。入力装置116は、有線又は無線通信プロトコルを介して、処理ユニット108と通信する。入力装置116の例としては、マイクロフォン、タッチスクリーン、バーコードリーダ、及びジェスチャユニットが挙げられる。
【0028】
図2は、双方向システムのための例示的な処理ユニットを示すブロック図である。処理ユニット104が、エンジン制御ユニットと、通信モジュールと、照明制御ユニットと、電力変換器とを含む。電力変換器は、電力ユニットから電気出力を受け取る。電気出力は、AC出力又はDC出力である。エンジン制御ユニットは、プロセッサ及びメモリを備える。プロセッサは、市販のCPU又はハードウェアベースのプロセッサのような、任意の従来のプロセッサであってよい。プロセッサ、コンピュータ、又はメモリは、実際には、同じ物理的筐体内に格納されてもよくされていなくてもよい複数のプロセッサ、コンピュータ、又はメモリを備えうることが、当業者には理解されよう。
【0029】
本明細書で説明される種々の態様では、プロセッサが乗り物から離れて配置されてよく、さらに、無線で乗り物と通信してよい。他の態様では、本明細書で説明されるプロセスのいくつかが、乗り物内に配置されたプロセッサ上で実行され、他のプロセスが、リモートプロセッサ(遠隔プロセッサ)によって実行される。メモリは、プロセッサによってアクセス可能な命令を記憶するように構成される。さらに、メモリは、プロセッサによって実行されるデータを含む。メモリは、任意の記憶装置であり、コンピュータ可読媒体、又は、電子装置の助けを借りて読み取ることができるデータを記憶する別の媒体、例えばハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、及び書き込み可能メモリ又は読み出し専用メモリなど、である。一例では、メモリに記憶されたデータが、命令に従ってプロセッサによって読出し、記憶又は修正され得る詳細なマップ情報及び交通パターンモデル情報を、含む。
【0030】
1つの実施形態によると、電力変換装置が、さらに、電力供給ユニット及び電力管理ユニットを含む。電力供給は、AC供給、又はDC供給であってよい。さらに、電力管理ユニットは、ACをDC電力に変換することができる。
【0031】
本発明の1つの実施形態によれば、プロセッサと、メモリと、処理ユニット内の他の構成要素との間の通信が、CANバスによって確立される。コントローラ・エリア・ネットワーク(CANバス)は、ホスト・コンピュータなしで、アプリケーションにおいて、マイクロコントローラ及び装置が互いに通信することを可能にするように設計された堅牢な乗り物バス規格である。ECU(Electronic Control Unit、電子制御ユニット)は、乗り物の電気システム又はサブシステムの1又は複数を制御する、車載エレクトロニクスにおける任意の組み込みシステムである。
【0032】
処理ユニット104は、また、信号の送受信のためのアンテナを備えた通信モジュールを含む。一例として、Bluetooth(商標)/Wi-Fiモジュールが、オンラインデータ取得及び管理のために用いられる。通信モジュールが、有効化されて、通信ネットワークを介して、サーバとの通信を確立する。
【0033】
照明制御ユニットは、電力変換装置及びECUから受け取った電力出力に基づいて、コマンド信号を生成するように構成される。照明制御ユニットは、表示ユニットの1つ以上の照明装置において、1つ以上のパターン、絵文字を表示し、照明を選択的に修正するように構成される。さらに、コマンド信号は、表示ユニット内の1又は複数の照明装置を選択的に起動又は非起動にするように構成される。また、照明制御ユニットは、表示ユニットへの電力出力を調整し、それによって照明の持続時間、照明の頻度及び照明の明度を修正するように構成される。
【0034】
別の例では、コマンド信号が、表示ユニットを制御して、下記の群から選択されるセンサデータを選択的に表示するために、用いられる:燃料インジケータ、温度データ、シールベルトインジケータ、破損インジケータ、自動車用ライト、エアバッグインジケータ、ドア開閉状態、速度アラート、ヒータ/霜除去器(デフロスター)、熱的快適性レベル、車室内空気品質表示、方向インジケータ、EVバッテリ充電インジケータ及びそれらの組み合わせ。
【0035】
図3は、遠隔制御装置を用いて乗り物をロック又はロック解除するための双方向システムを実施するための例示的なシナリオを示すブロック図である。
【0036】
システムが、遠隔制御装置110と、それに通信可能に接続された認証ユニット116とを含む。遠隔制御装置110は、携帯電話、ラップトップ、タブレット、無線周波数リーダ、及び計算装置のうちの少なくとも1つである。遠隔制御装置110は、処理ユニットに通信可能に接続され、乗り物のロック及びロック解除を制御する。遠隔制御装置110は、送信機アンテナを含む。遠隔制御装置110は、例えばBluetooth(商標)、Wi-Fi等の通信プロトコルを用いて処理ユニットにワイヤレスで接続される。乗り物内の処理ユニット108との通信を確立する遠隔制御装置110に応答して、処理ユニット108によって、照明制御信号が生成される。照明制御信号が、照明のために表示ユニットに送られる。処理ユニットが、通信信号の強度に基づいて、乗り物からの遠隔制御装置の距離を推定する。推定された距離に基づいて、処理ユニット108が、電力変換器を制御して、照明制御信号の電圧を修正し、そのようにして、表示ユニットの照明を変化させる。照明制御信号は、表示ユニットの明るさ、頻度、持続時間を変化させるように構成されていることができる。一例では、照明制御信号が、グレージング内の表示ユニットを作動させて、特定の照度レベルでカスタム定義されたパターンで光らせる。遠隔制御装置110から受け取った信号に応答して表示ユニットが作動するように、所定の距離が設定される。
【0037】
別の実施形態では、遠隔制御装置110を用いて、通信ネットワーク120を介して、乗り物内の処理ユニット108との通信を確立することができる。通信ネットワーク120の例としては、インターネット、クラウドネットワーク、ワイヤレスフィディリティ(Wi-Fi)ネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、及び/又はメトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ロングタームエボリューション(LTE)、汎用パケット無線サービス(2G、3G、4G)、及びライトフィディリティ(Li-Fi)が挙げられるが、これらに限定されない。遠隔位置に位置する遠隔制御装置110を、表示ユニットを制御しかつ警告を生成するために、使用することができる。遠隔制御装置110は、処理ユニット108との通信を確立する前に、認証ユニット116によって認証される。認証ユニット116は、遠隔制御装置110に関連するユーザー信用証明を検証する。
【0038】
別の実施形態では、表示ユニット(ディスプレイユニット)を制御するために、遠隔制御装置110を作動させてもよい。盗難、エンジンON/OFF、不快な気象条件、乗り物の追跡などのイベントの際に、遠隔制御装置110を作動させてもよい。
【0039】
図4Aは、入力装置から応答を受け取る双方向システムの実施のための例示的なシナリオを示すブロック図である。入力装置の例としては、マイクロフォン、タッチスクリーン、バーコードリーダ、及びジェスチャユニットが挙げられる。一例では、入力装置がマイクロフォンである場合、音声コマンドが、アナログ形式で受け取られ、さらにデジタル形式に変換される。音声コマンドが、処理ユニットに送信される。処理ユニットが、音声コマンドを、あらかじめ定められた絵文字又はパターンにマッピングし、マッピングされた絵文字又はパターンを、引き続いて、表示ユニットに表示する。このようにして、双方向表示システム(双方向ディスプレイシステム)が、ユーザーからの入力によって作動される。また、表示ユニットは、英数字記号、英字、数字、パターン、記号等を表示するように構成されている。
【0040】
図4Bは、遠隔装置又は乗り物のセンサユニットから応答を受け取る双方向システムの実施のための例示的なシナリオを示すブロック図である。センサユニット402は、ワイヤを介して又はワイヤレスで双方向表示システムに接続された1又は複数のセンサを含む。センサユニット402は、乗り物の状態及びパラメータを決定し、センサ出力を処理ユニット108に提供し、これが、さらに、表示ユニット102に表示される。
【0041】
一例によれば、双方向システムを使用して、運転の不健全な状態を表示することができる。不健全な運転状態では、エンジンからのトランスミッションがシフトを止めたり、緩く又は過度にシフトしたりすることがあり、また、完全なトランスミッションの不具合、及びエンジン性能の劣化/クラッシュを引き起こすことがある。トランスミッションは、ブレーキペダルの位置を測定するペダルセンサ/ブレーキスイッチを使用して、急ブレーキ/ブレーキ回数を監視することによって、監視される(モニタリングされる)。特定の時間内における急ブレーキ又はブレーキの頻度に関して、処理ユニット内に、警告限度が、事前設定される。さらに、トランスミッション流体センサ及び冷却剤センサから受信したデータが、エンジン温度を監視するために用いられる。エンジン温度が閾値を下回ると、コマンド信号が、処理ユニット108から表示ユニット102に送信される。表示ユニットが、「ON」になる。処理ユニット108は、以下のうちの1つの条件で、表示ユニットを起動するためのコマンド信号を送信することができる:
(1) ギヤ・クラッチ・加速の使用
(2) 質量空気流量限度
(3) スロットル位置限度
(4) タイヤの圧力限度
(5) 吸気温度限度
(6) クルーズコントロールの関与/解除を監視するオーバードライブスイッチ
(7) 速度限度
(8) エンジン回転数(エンジンRPM)に影響を与える空調限度
(9) トランスミッション位置センサによって決定されるトランスミッションギア値
【0042】
前述の条件は、センサユニット内の1又は複数のセンサによって決定される。処理ユニットが、センサ出力を、所定の絵文字又はパターンにマッピングし、引き続いて、マッピングされた絵文字又はパターンを、表示ユニット上に表示する。このようにして、双方向表示システムが、センサユニットからの入力によって作動される。また、表示ユニットは、英数字記号、英字、数字、パターン、記号等を表示するように構成されている。
【0043】
一例によれば、双方向システムを、遠隔制御装置110によって受け取られた入力を表示するために用いることができる。運転者が車に近づいたときに、温度センサが組み込まれた遠隔制御装置110が、温度を感知し、気象条件をウィンドシールド上の表示ユニットに表示する。これは、車の外から見ることができる。さらに、遠隔制御装置110は、自動車内の表示ユニットとワイヤレスで通信して、表示ユニット上の照明を作動させることができる。したがって、この照明は、ユーザーが混雑した場所/暗い場所で自分の乗り物を容易に追跡するのに役立つ。
【0044】
遠隔制御装置はまた、グレージング上の表示ユニット上に認証通知を作動させることができる。遠隔制御装置は、双方向システムと通信してグレージング上に警告信号を表示する指紋センサを含む。別の例では、遠隔制御装置が、グレージング上の表示ユニット上に「待機」通知を作動させることもできる。
【0045】
図5Aは、ウィンドシールドの積層ガラス内の表示ユニットの例示的な配置を示す図である。積層ガラス502は、外面及び(図示されていない)セラミックマスク104を有する内面からなる第1の基材502aと、第1の基材502aの内面上に配置された1又は複数の中間層502cと、中間層502c上に配置された第2の基材502bとを備える。さらに、積層ガラス502は、第1の基材502a、第2の基材502b、若しくは中間層502c、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つに配置された照明装置516、例えばエレクトロルミネセンスストリップを備える。1つの実施形態では、積層ガラス502が、その中に配置された1又は複数の照明装置516を含む。
【0046】
第1の基材502aの内面は、周縁部に沿ってのみ(図示されていない)セラミック104でマスクされている。ここに記載される積層ガラス502は、乗り物、例えば自動車において、ウィンドシールド、窓、サンルーフ、バックライト又はサイドライトのようなグレージングのために、利用することができる。別の実施形態では、エレクトロルミネセント装置516が、第1の基材502aの、(図示されていない)セラミックマスク104を有する内面に配置されて、UVの露光に起因する性能の劣化を排除する。
【0047】
1つの実施形態では、第1の基材502a、第2の基材502b、又は、第1及び第2の基材502a、502bの両方が、ガラス又はポリマーであってよい。ポリマーは、ポリカーボネート(PC)又はポリプロピレン(PP)である。任意選択で、少なくとも第1の基材502a、第2の基材502b、又は第1及び第2の基材502a、502bの両方が、化学的又は熱的に強化されていてよい。第1の基材502a、第2の基材502b、又は第1及び第2の基材502a、502bの両方は、少なくとも0.5mmの厚さを有することができる。
【0048】
1つの実施形態では、1つ以上の中間層502cが、ポリマーを含む。中間層502cは、ポリビニルブチラル(PVB)、ポリカーボネート、音響PVB、エチレンビニルアセテート(EVA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、アイオノマー、熱可塑性材料、及びその組み合わせから選択されるポリマーを含む。中間層は、少なくとも0.38mmの厚さを有することができる。任意選択で、中間層502cは、1又は複数のエレクトロルミネセント装置516を収容するように改変される。一般に、中間層502cは、積層湾曲物品502において比較的厚いエレクトロルミネセント装置516をアセンブルする(組み立てる)ために、改変されている。いくつかの例では、中間層502cが、積層湾曲物品502の両側に表示するために互いの上に配置された2つのエレクトロルミネセンス装置516を収容するように、改変されている。中間層502cは、加熱によって改変することができる。これにおいて、エレクトロルミネッセンス装置516は、物理的圧力によってかつ規定された温度でスタンピングを行うホットスタンピングツールによって、中間層502cに配置される。いくつかの例では、加熱方法による中間層502cの改変は、ホットスタンピングと共にエレクトロルミネセンス装置516内に接着剤裏当てを備えることによっても行われ、それによって、中間層502cとエレクトロルミネセンス層516との間はるかに高い結合が確保される。
【0049】
1つの実施形態では、エレクトロルミネセント装置516が、第1の基材502aと第2の基材502bとの間に配置されるか、又は第1の基材502a及び第2の基材502bの一方又は両方に統合されるか、又は1つ以上の中間層502cの間に配置されるか、又は1つ以上の中間層502cに統合される。エレクトロルミネセント装置516は、光学的に透明、不透明、又は半透明である。エレクトロルミネセント装置516は、有機又は無機材料からなる群から選択される材料を含む。エレクトロルミネッセンス装置516は、少なくとも1Cd/m2のルミネッセンス値を有する。エレクトロルミネセント装置516は、印刷(プリント)、堆積、又はパッチングによって、積層ガラス502に統合される。
【0050】
1つの実施形態では、エレクトロルミネセント装置516が、第1又は第2の基材502a、502b又は中間層上に、互いに積層される多層でのスクリーンプリント(スクリーン印刷)によって、直接にプリントすることができる。別の実施形態では、エレクトロルミネセント装置516が、物理蒸着コーティング又は化学蒸着コーティングのいずれかによって直接に、第1又は第2の基材502a、502bにわたって堆積されてもよい。場合によっては、エレクトロルミネセント装置516が、別個の薄膜パッチであってよく、これを、第1又は第2の基材502a、502b上又は中間層502c上のいずれかに、接着剤によって固定することができる。エレクトロルミネセント装置516は、中間層102cの厚さの少なくとも5%の厚さを有する。エレクトロルミネセント装置516は、少なくとも50μm~500μmの厚さを有する。一例では、異なる色の1又は複数のエレクトロルミネセンス装置516を、積層ガラスに統合することができる。
【0051】
場合によっては、中間層を覆う2つ以上の保護層及び/又は絶縁層があってもよい。層の数は、照明装置に必要な電気的かつ機械的一体性を維持するために必要な絶縁の量に基づいて選択される。
【0052】
図5Bは、バックライト又はサイドライトで用いるための表示ユニットの例示的な配置を示す図である。本発明の別の実施形態では、表示ユニットが、ガラス基材510から構成される。ガラス基材510は、強化ガラス若しくはコーティングガラス、又はそれらの組み合わせである。その後、ガラス基材510上に照明装置516がプリントされて、表示ユニットが形成される。別の例では、照明装置516は、堆積技術によって、又は接着剤を用いることによって、ガラス基材510上に付着される。追加的に、照明装置516は、保護層でさらにコーティングされる。本発明のさらに別の実施形態では、照明装置516を有する積層ガラス502が、バックライトを構成するガラス基材510上に、子部品として封入される。
【0053】
図6は、パターン、デザイン、又は他の表示606の形態で示される1又は複数の状態を表示する、乗り物のウィンドシールド602のための表示ユニットを示す。表示ユニット602は、処理ユニットからの信号を受け取って、1又は複数の照明装置を選択的に作動させ、パターン、デザイン又は他の表示606a~606jを表示する。表示ユニットは、遠隔制御装置、入力装置によって、又は乗り物内のセンサユニットによって、作動させることができる。乗り物内の処理ユニットは、少なくとも遠隔制御装置、入力装置から、又はセンサユニットによって、又はそれらの組み合わせから、信号を受け取る。続いて、受け取られた信号に応じて、処理ユニットが、ウィンドシールド内に存在する1又は複数の照明装置を、リアルタイムベースで選択的に作動させる。センサユニット内の1又は複数のセンサが、乗り物内の1又は複数の状態を検出する。1又は複数のセンサは、それらに意図されている機能に特化しており、すなわち、環境温度センサに応答するセンサ、相対空気湿度センサ、Wi-fi強度、位置、呼吸分析器(アルコール試験装置)、発光センサ、音響センサ、タクシーメータの機能のためのセンサ、占有レベルセンサ、空気品質センサなどである。一例では、積層ガラス602が、1又は複数のセンサによって検出された1又は複数の状態を示し、(
図5に示す)1又は複数のエレクトロルミネセント装置516に、温度606a、相対湿度606b、Wi-fi強度606c、位置606d、アルコールレベル606e、照度606f、ノイズレベル606g、タクシーメータ606h、占有数606i、及び空気品質606jを示す文字又はデザインを、表示させる。
【0054】
別の例では、処理ユニットが、表示ユニットへの電力出力を制御し、それによってウィンドシールド内の照明の持続時間、照明の頻度、及び照明の明度を修正するように、構成されている。また、処理ユニットは、ユーザーアクション(ユーザー動作)に応じて、所定のアイコン/絵文字を、表示ユニットに表示する。ユーザーアクションの例としては、加速、ブレーキ、ギアチェンジ、及び音声コマンドが挙げられるが、これらに限定されない。処理ユニットは、ブレーキの動作を識別し、例えば、笑顔を表示ユニット上に表示するコマンド信号を生成する。
【0055】
1つの実施形態では、任意選択で、曲げの前に、まず、1又は複数のエレクトロルミネセント装置を、第1の基材、第2の基材、又は1又は複数の中間層上に配置することができる。場合によっては、任意選択で、1又は複数の中間層を、1又は複数のエレクトロルミネセント装置を収容するように、改変することができる。
【0056】
上述の基本構造によれば、本発明の表示システム及び積層湾曲物品又は積層ガラスは、特許請求される保護の範囲から逸脱することなく、材料、寸法、構造的詳細、並びに/又は、機能的及び/若しくは装飾的な構成の変更を受けることができる。
【0057】
図7は、表示ユニットを作動させて絵文字及びパターンを表示するための例示的な方法を示すフローチャートである。この方法は、データ取得ユニットによって乗り物内に存在するセンサユニットからデータを受信することを含む(701)。データ取得ユニットからの出力データが、処理ユニットに送信される。処理ユニットが、入力装置からユーザー入力を受信する(702)。ユーザー入力は、音声、タッチ、ジェスチャ(しぐさ)などを含む。出力データに応答して、コマンド信号が生成される。コマンド信号が、さらに、表示ユニットを制御して、少なくとも乗り物の外側若しくは乗り物の内側、又はその両方に、パターン、絵文字を表示する(703)。
【0058】
その後、遠隔制御装置が、処理ユニットとの通信を確立して、表示ユニットを制御する(704)。遠隔制御装置は、作動されると、表示ユニットを起動/停止させる。また、遠隔制御装置は、表示ユニットと通信して、その近接度に基づいて、表示ユニットの照度を修正する。また、入力装置が処理ユニットに入力信号を送信すると、表示ユニットが作動される。入力信号は、音声コマンド、タッチ入力、キーボード入力、ジェスチャー入力などを含む。続いて、処理ユニットによって生成されたコマンド信号の少なくともいくつかに応答して、ユーザーの状態が決定され、表示ユニット上で伝えられる。また、ネットワーキングサイトにソーシャルフィードを提供するために、ユーザーのステータス(状況)を、サーバと通信する(705)。
【0059】
図8は、乗り物の光ガイド(ライトガイド)として使用するための表示ユニットの例示的な配置を示す図である。本例によれば、表示ユニット102は、1又は複数のセンサ、乗り物センサ804及び変位センサ802から受け取った入力に基づいて、アラート(警告)/通知を提供する。1又は複数のセンサ804、802は、乗り物に隣接する障害物及び運転者の着座位置をモニタリング(監視)する。処理ユニット108は、1又は複数の乗り物センサからの入力を受信する。入力には、障害物検知、運転者の着座位置、障害物からの距離などが含まれる。処理ユニット108は、入力を処理して、障害物に対する乗り物の前部の近接度を決定する。処理ユニット108が障害物を検知しない場合、第1のコマンド信号が、表示ユニットに送信される。第1のコマンド信号は、カラーインジケータと、ディスプレイインジケータと、ディスプレイ位置インジケータとを含む。処理ユニット108は、また、運転席の座席位置を分析して、ウィンドシールド上の表示の位置を決定する。運転者の着座位置に応じて、表示位置が決定され、そのようにして、表示が運転者の視線内に入るようにする。第1のコマンド信号は、表示ユニット102上に青色警告を提供する。ディスプレイ上の青色警告は、その色勾配を変化させることによって、道路上の車の位置、さらには車の端部と前方の障害物との間の距離を、明確に把握させる。別の場合では、処理ユニット108が障害物を検出すると、第2のコマンド信号が表示ユニットに送信される。第2のコマンド信号は、表示ユニット102上に赤色警告を提供する。表示ユニット102は、「赤」、「オレンジ」、「青」、「緑」色での表示を可能にするために、グレージングの間に埋め込まれた、異なる色を有する1又は複数のタイプのELを有する。
【0060】
一例によれば、ライトガイド用の表示は、運転者の視点から実質的に左右の端部を表す1又は複数の反転「L」字型の細いヘアライン構造を含む。1又は複数のセンサは、予め測定された、ウィンドシールドからの乗り物前部の距離で、較正される。処理ユニットは、障害物距離に関する閾値で規定されている。また、ウィンドシールドからの座席の距離及び座席の高さ、眼の高さの範囲の位置に関する最適値が、処理ユニットで規定されている。測定結果の値が、表示ユニットに「L字型」のガイドラインを投影/照らすためのデータを生成し、シート位置が変更された場合には、自動的に調整される。
【0061】
照明の表示領域は、自動調整され、ハンドルからのシート距離の位置とシートの高さに応じて較正(キャリブレーション)される。このようにして、前方の端部に関する正確な情報が決定され、これにより、運転者は、困惑することなく、容易に、走行し、追い越し、旋回し、駐車することができる。表示領域は、非常に最小限であり、道路上の視野を妨げない。
【0062】
別の例では、乗り物が近くの障害物を検知しその情報がセットアップに通信されると、障害物の位置と距離に応じて、青い線の色が徐々に変化し、障害物の近さに応じて、緑、黄、赤へと変わる。ここで、青は、非常に遠く、緑は安全であり、黄は近く、赤は非常に近い。障害物が左側に位置する場合、左側ガイドラインのみがその色を変化させる。右側についても同じである。これにより、表示ユニット802は、旋回、追い越し、駐車中に乗り物が障害物にぶつかるというジレンマなく、運転者が快適に走行できることを確実にする。
【0063】
別の例では、ソーシャル・ネットワーキング・プラットフォーム、例えば、Facebook/Twitterポストに、運転状態が表示され、ユーザー「A」が仕事場から自宅へと運転しており、立体交差で停車しなければならない回数に顔をしかめていることを示す。ブレーキのようなユーザーアクションが、センサによって監視され、予め規定された基準の設定に基づいてユーザーの状況を推定するために計算される。例えば、速度を、急運転の所定の基準に関連づけ、対応する警告インジケータを、処理ユニットによって生成する。
【0064】
実験
1つの実施形態によると、提案されている開示は、表示ユニットへの電力出力を制御し、それによって照明の持続時間、照明の頻度及び照明の明度を修正するように構成された処理ユニットを提供する。処理ユニットからの出力電力を表示ユニットにおけるルクス値に相互に関係付ける実験を行った。寸法370mm×70mmの表示ユニットを有する積層ガラスを、ルクス値に関して測定した。表1及び表2に、電力ユニットから供給される電圧及び周波数の異なる値における表示ユニットのルクス値の種々の値を示す。
【0065】
【0066】
【0067】
表示ユニットに供給される電圧の増大と共に、ルクス値が比例的に増大することが観察された。さらに、処理ユニットは、表示ユニットに供給される電圧信号を制御して、表示ユニットにおける明るさや照度を変化させることができる。
【0068】
一般的な説明又は実施例において上記で説明された活動のすべてが必要とされるわけではなく、特定の活動の一部が必要とされなくてもよく、1又は複数のさらなる活動が、説明されたものに加えて実行されてもよいことに留意されたい。さらに、活動が列挙される順序は、必ずしもそれらが実行される順序ではない。
【0069】
特定の実施の形態に関して、利点、他の長所、及び問題への対処法を、上記で説明した。しかし、これらの利益、利点、問題の解決法、ならびに、なんらかの利益、利点、又は解決法を発生させたり、より顕著にしたりすることがある、あらゆる特徴が、特許請求の範囲のいずれか又はすべての重要な、必要な、又は本質的な特徴として解釈されるものではない。
【0070】
本明細書に記載される実施形態の明細書及び例示は、様々な態様の構造の一般的な理解を提供することを意図している。本明細書及び例示は、本明細書に記載された構造又は方法を使用する装置及びシステムの要素及び特徴のすべての網羅的かつ包括的な説明として役立つことを意図していない。明確性の観点から別個の実施形態の文脈で本明細書に記載される特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよい。逆に、簡潔性の観点から単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴は、別々に、又は組み合わせで提供されてもよい。さらに、範囲で記載された値への言及は、その範囲内の全ての値を含む。多くの他の実施形態が、本明細書を読んだ後にのみ、当業者に明らかとなるであろう。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用し、本開示から導出することができ、したがって、構造的置換、論理的置換、又は別の変更を行うことができる。したがって、本開示は、限定的ではなく、例示的であると見なされるべきである。
【0071】
図面と組み合わせた説明は、本明細書で開示される教示の理解を助けるために提供され、教示の説明を助けるために提供され、教示の範囲又は利用可能性に対する制限として解釈されるべきではない。しかしながら、他の教示が確かに、本出願において使用され得る。
【0072】
本明細書で使用されるように、用語「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」又はそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含を包含することを意図している。例えば、特徴のリストを含む方法、物品、又は装置は必ずしもそれらの特徴のみに限定されるわけではなく、明示的に列挙されていないか、又はそのような方法、物品、又は装置に固有でない他の特徴を含むことができる。さらに、反対に明示的に述べられていない限り、「又は」は包含的な「又は」を意味し、排他的な「又は」を意味していない。例えば、条件A又はBが満たされるのは:Aが真であり(又は存在し)Bが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)Bが真である(又は存在する)、並びに、A及びBの両方が真である(又は存在する)、のいずれか1つによってである。
【0073】
また、「a」又は「an」の使用は、本明細書で説明される要素及び構成要素を説明するために使用される。これは、単に便宜上、本発明の範囲の一般的な意味を示すために用いられる。この説明は、1つ又は少なくとも1つを含むように読まれるべきであり、別段の意味であることが明らかでない限り、複数形も含み、その逆もまた同様である。例えば、単一の項目が本明細書に記載される場合、単一の項目の代わりに2つ以上の項目が使用されてもよい。同様に、2つ以上の項目が本明細書に記載されている場合、その2つ以上の項目の代わりに単一の項目を使用することができる。
【0074】
特に定義しない限り、本明細書中で用いられる全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。材料、方法、及び実施例は、例示にすぎず、限定を意図するものではない。特定の材料及び処理行為に関する特定の詳細が記載されていない場合、そのような詳細は、製造技術の範囲内の参考文献及び他の情報源に見出され得る従来のアプローチを含み得る。
【0075】
本開示の態様が、上記の実施形態を参照して特に示され、説明されたが、開示されたもの精神及び範囲から逸脱することなく、開示された機械、システム、及び方法の修正によって、様々な追加の実施形態が企図され得ることが、当業者によって理解される。そのような実施形態は、特許請求の技術的範囲及びその任意の等価物に基づいて判定されるとおりに、本開示の技術的範囲内にあると理解されるべきである。
本開示は、下記の発明の態様を含む:
<態様1>
下記を含む、積層ガラスを用いる乗り物のための双方向表示システム:
表示ユニット102、この表示ユニット102は、前記積層ガラスの第1の基材と第2の基材との間に挟まれている1又は複数の照明装置を有する;
前記乗り物に組み込まれており前記表示ユニットに通信可能に接続している、処理ユニット108、この処理ユニットは、入力装置からユーザー入力を受け取るように構成されている;
前記処理ユニットに通信可能に接続しているデータ取得ユニット106、このデータ取得ユニットは、前記乗り物に存在するセンサユニット104からセンサ出力を受け取るように構成されており、前記処理ユニットが、少なくともユーザー入力及び前記出力データに応答して前記表示ユニットを双方向的に制御するためのコマンド信号を生成する点で、特徴づけられる;
ネットワークを介して前記処理ユニットに通信可能に接続しているサーバシステム114、このサーバシステムは、前記処理ユニットから前記コマンド信号を受け取るように構成されている。
<態様2>
前記コマンド信号を用いて、表示ユニットを制御し、それによって、1又は複数のパターン、絵文字を表示し、前記1又は複数の照明装置において照明を選択的に修正する、態様1に記載のシステム。
<態様3>
前記コマンド信号は、前記表示ユニットにおいて前記1又は複数の照明装置を選択的に起動又は停止させるように構成されている、態様1に記載のシステム。
<態様4>
前記コマンド信号を用いて、前記表示ユニットを制御し、それによって、前記センサユニットから受け取ったセンサデータを選択的に表示し、
前記センサデータが、燃料インジケータ、温度データ、シールベルトインジケータ、ノイズレベル、照明レベル、操作温度、熱快適性レベル、空気品質、方向インジケータ、ヒーター、デフロスター、ドア開閉状況インジケータ、加熱ランプインジケータ、EVバッテリインジケータ、及びこれらの組み合わせの群から選択される、
態様1に記載のシステム。
<態様5>
前記センサユニット104が、前記グレージングに配置されている、態様1に記載のシステム。
<態様6>
前記システムが、前記処理ユニットに通信可能に接続している遠隔制御装置110を有しており、
前記処理ユニットが、前記遠隔制御装置の、前記乗り物に対する近接度に基づいて、前記表示ユニットの照明を制御する、
態様1に記載のシステム。
<態様7>
前記遠隔制御装置110が、前記表示ユニットに通信可能に接続しており、それによって、前記表示ユニット102の照明を制御する、態様1及び6に記載のシステム。
<態様8>
前記遠隔制御装置110が、ワイヤレス通信プロトコルを用いて、前記処理ユニットと通信する、態様1及び6に記載のシステム。
<態様9>
前記システムが、前記処理ユニットと通信する入力装置116を有しており、それによって、前記表示ユニット102を起動及び停止させる、態様1に記載のシステム。
<態様10>
前記入力装置116が、マイクロフォン、タッチセンサ、及びジェスチャセンサである、態様1に記載のシステム。
<態様11>
前記処理ユニット108が、エンジン制御ユニット、メモリ、電力変換器、照明制御ユニット、及びワイヤレス通信モジュールを有する、態様1に記載のシステム。
<態様12>
前記処理ユニット108が、電力変換器を有しており、それによって、前記コマンド信号における電圧出力を修正する、態様1及び5に記載のシステム。
<態様13>
前記処理ユニット108が、前記表示ユニットへの前記電力出力を制御し、それによって、照明の持続時間、照明の頻度、及び照明の明度を修正するように構成されている、態様1及び11に記載のシステム。
<態様14>
前記処理ユニット108が、前記センサユニットからセンサ出力データを受け取って1又は複数のセンサ出力データを前記表示ユニットに表示するように構成されている、態様1に記載のシステム。
<態様15>
前記照明装置が、OLED、LED、エレクトロルミネッセントディスプレイなどである、態様1に記載のシステム。
<態様16>
1又は複数の表示ユニット102が、少なくとも前記乗り物の外部若しくは前記乗り物の内部から、又はその両方から視認される、態様1に記載のシステム。
<態様17>
前記表示ユニット102が、乗り物の、ウィンドシールド、リアウィンドウグレージング、サイドウィンドウグレージング、又はルーフグレージングに埋め込まれている、態様1に記載のシステム。
<態様18>
前記表示ユニット102が、透明、不透明、半透明のうちの1つであり、前記ウィンドシールドの可視領域に配置されており、又は前記ウィンドシールドのセラミック領域の背後に配置されている、態様1に記載のシステム。
<態様19>
前記処理ユニット108が、ユーザーアクションに応答して、前記表示ユニットに、所定のパターン、文字、アイコン/絵文字、及びライトガイドを表示する、態様1に記載のシステム。
<態様20>
前記ユーザーアクションが、加速、ブレーキ、ギアチェンジ、及び音声コマンドを含むが、これらに限定されない、態様1及び17に記載のシステム。
<態様21>
前記サーバシステム114が、前記コマンド信号に応答してユーザーの状況を決定し、前記乗り物のユーザーにリンクしているソーシャルネットワーキングウェブサイトに前記状況をアップデートする、態様1に記載のシステム。
<態様22>
前記処理ユニット108が、前記遠隔制御装置に存在するモバイルアプリケーションを介してサーバシステムにデータを送るように構成されている、態様1及び20に記載のシステム。
<態様23>
前記センサユニットが、温度センサ、相対空気湿度センサ、空気品質センサ、タクシーメーター機能センサ、位置センサ、変位センサ、障害検知センサ、加速度計、アルコールセンサ、Wi-Fiレベルセンサ、発光センサ、音響センサ、近接度センサ、占有レベルセンサ、眠気センサ、撮像センサ、又はこれらの組み合わせを含む群から選択される1又は複数のセンサを有する、態様1に記載のシステム。
<態様24>
乗り物の双方向表示システムにおける表示ユニットを作動させる方法であって、
前記表示ユニットが、積層ガラスの第1の基材と第2の基材との間に挟まれた1又は複数の照明装置を有しており、
データ取得ユニットによって、前記乗り物に存在するセンサユニットから出力データを受け取ること、
前記出力データを、処理ユニットに送ること、
前記処理ユニットによって、ユーザー入力を受け取ること、
前記ユーザー入力及び出力データに応答して、前記処理ユニットによって、コマンド信号を生成すること、
前記コマンド信号によって、前記表示ユニットを作動させること、ここで、前記表示ユニットは、少なくとも前記乗り物の外側若しくは前記乗り物の内側、又はその両方に、パターン、絵文字を表示するように構成されている、
遠隔制御装置と前記処理ユニットとの通信を確立して、表示ユニットを制御すること、並びに、
モバイルアプリケーションを介して前記処理ユニットとサーバシステムとの通信を確立して、前記処理ユニットからサーバシステムに出力データを送ること、
を含む、方法
<態様25>
前記表示ユニットを制御する前記工程が、前記表示ユニットに供給される電力の大きさを制御し、それによって、前記表示ユニットにおける照明の持続時間、照明の頻度、及び照明の明度を制御することを含む、態様22に記載の方法。
<態様26>
前記コマンド信号が、可変的な電圧出力を含み、それによって、前記表示ユニットにおける輝度を修正する、態様1に記載のシステム。
【符号の説明】
【0076】
106 データ取得ユニット
108 処理ユニット
104 センサユニット
102 表示ユニット
106 データ取得ユニット
110 遠隔制御装置
116 入力装置
516 エレクトロルミネッセント装置
502a 第1の基材
502b 第2の基材
502c 中間層
502 積層湾曲物品
120 通信ネットワーク
804 乗り物センサ
802 変位センサ