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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-16
(45)【発行日】2025-05-26
(54)【発明の名称】作業機および作業装置
(51)【国際特許分類】
   A01F 15/10 20060101AFI20250519BHJP
   A01B 69/00 20060101ALI20250519BHJP
【FI】
A01F15/10 R
A01B69/00 303B
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022074776
(22)【出願日】2022-04-28
(65)【公開番号】P2023163704
(43)【公開日】2023-11-10
【審査請求日】2024-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐々本 博和
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0352836(US,A1)
【文献】特開2018-185593(JP,A)
【文献】特開2019-201604(JP,A)
【文献】特開2020-174587(JP,A)
【文献】特開平05-184229(JP,A)
【文献】特表2014-506469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01F 15/10
A01B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車両と、
前記走行車両に連結され、且つ、圃場の牧草を集めて集草列を作成する作業装置と、
圃場の牧草又は集草列の状態を取得するセンシング装置と、
前記作業装置が集草作業を行う場合に、前記センシング装置が取得した状態に基づいて前記作業装置の設定情報を変更する制御装置と、
を備え
前記センシング装置は、圃場の牧草又は集草列の状態を撮像する撮像装置を含み、
前記制御装置は、前記撮像装置が撮像した撮像データに基づいて前記作業装置の設定情報を変更し、
前記撮像装置は、前記作業装置によって作成された集草列の状態を撮像する第1撮像装置であり、
前記制御装置は、前記第1撮像装置が撮像した、作成された集草列の状態を示す作業結果の撮像データに基づいて前記作業装置の設定情報を変更し、
前記制御装置は、(i)前記撮像データが示す集草列の横幅が第1下限幅以下であると判定した場合、設定情報を第1の設定情報に変更し、(ii)前記撮像データが示す集草列の横幅が第1上限幅以上であると判定した場合、又は、前記撮像データが示す集草列が2つの山形状であると判定した場合、設定情報を第2の設定情報に変更し、(iii)前記撮像データが示す集草列が2つの山形状でなく且つ集草列の横幅が第1上限幅以上でない場合であって第1下限幅以下でないと判定した場合、設定情報を現状の設定情報のままとする作業機。
【請求項2】
前記撮像装置は、圃場の牧草の状態を撮像する第2撮像装置であり、
前記制御装置は、前記第2撮像装置が撮像した、圃場の牧草の状態を示す作業前の撮像データに基づいて前記作業装置の設定情報を変更する請求項に記載の作業機。
【請求項3】
前記撮像装置は、前記作業装置によって作成された集草列の状態を撮像する第1撮像装置と、圃場の牧草の状態を撮像する第2撮像装置とを含み、
前記制御装置は、前記第1撮像装置が撮像した、作成された集草列の状態を示す作業結果の撮像データと、前記第2撮像装置が撮像した、圃場の牧草の状態を示す作業前の撮像
データとに基づいて前記作業装置の設定情報を変更する請求項に記載の作業機。
【請求項4】
前記作業装置は、本体と、前記本体に回転自在に支持された回転軸と、前記回転軸に連結され且つ当該回転軸から放射状に延出した複数のタインアームと、前記複数のタインアームそれぞれに連結されて下方向に延出する集草具と、集草列を形成するための板状部材と、を有する集草部を備え、
前記制御装置は、前記作業結果の撮像データに基づいて、前記作業装置の設定情報のうち、前記板状部材の前記本体に対する離間距離を示す設定情報を変更する請求項1又は3に記載の作業機。
【請求項5】
前記作業装置は、本体と、前記本体に回転自在に支持された回転軸と、前記回転軸に連結され且つ当該回転軸から放射状に延出した複数のタインアームと、前記複数のタインアームそれぞれに連結されて下方向に延出する集草具と、集草列を形成するための板状部材と、を有する集草部を備え、
前記制御装置は、前記作業前の撮像データに基づいて、前記作業装置の設定情報のうち、前記板状部材の前記本体に対する離間距離を示す設定情報を変更する請求項2又は3に記載の作業機。
【請求項6】
前記作業装置は、本体と、前記本体に回転自在に支持された回転軸と、前記回転軸に連結され且つ当該回転軸から放射状に延出した複数のタインアームと、前記複数のタインアームそれぞれに連結されて下方向に延出する集草具と、を有する集草部を備え、
前記制御装置は、前記作業前の撮像データに基づいて、前記作業装置の設定情報のうち、前記集草部の下端と圃場までの距離を示す設定情報を変更する請求項2又は3に記載の作業機。
【請求項7】
前記作業装置は、本体と、前記本体に回転自在に支持された回転軸と、前記回転軸に連結され且つ当該回転軸から放射状に延出した複数のタインアームと、前記複数のタインアームそれぞれに連結されて下方向に延出する集草具と、を有する集草部を備え、
前記制御装置は、前記作業前の撮像データに基づいて、前記作業装置の設定情報のうち、前記走行車両の走行速度を示す設定情報を変更する請求項2又は3に記載の作業機。
【請求項8】
前記走行車両は、原動機と、前記原動機の動力によって駆動するPTO軸とを備え、
前記作業装置は、本体と、前記本体に回転自在に支持され且つ前記PTO軸の動力が伝達される回転軸と、前記回転軸に連結され且つ当該回転軸から放射状に延出した複数のタインアームと、前記複数のタインアームそれぞれに連結されて下方向に延出する集草具と、を有する集草部を備え、
前記制御装置は、前記作業前の撮像データに基づいて、前記作業装置の設定情報のうち、前記PTO軸の回転速度を示す設定情報を変更する請求項2又は3に記載の作業機。
【請求項9】
前記走行車両は、原動機と、前記原動機の動力によって駆動するPTO軸とを備え、
前記作業装置は、本体と、前記本体に回転自在に支持され且つ前記PTO軸の動力が伝達される回転軸と、前記回転軸に連結され且つ当該回転軸から放射状に延出した複数のタインアームと、前記複数のタインアームそれぞれに連結されて下方向に延出する集草具と、を有する集草部を備え、
前記制御装置は、前記作業結果の撮像データに基づいて、前記作業装置の設定情報のうち、前記PTO軸の回転速度を示す設定情報を変更する請求項1又は3に記載の作業機。
【請求項10】
測位情報を取得する測位装置を備え、
前記制御装置は、集草工程前の拡散工程において撮像され、且つ撮像位置を示す位置情報が対応付けられた撮像データを取得し、当該取得した前記撮像データのうちで、前記測
位装置にて測位された測位情報に一致する位置情報に対応する撮像データに基づいて前記作業装置の設定情報を変更する請求項1~3の何れか1項に記載の作業機。
【請求項11】
測位情報を取得する測位装置と、
記憶装置と、
通信装置と、を備え、
前記制御装置は、前記測位装置にて測位された測位情報と、前記作業結果の撮像データとを対応付けた作業結果の実績データを生成して前記記憶装置に記憶させ、前記記憶装置に記憶された前記実績データを前記通信装置によって外部の情報処理装置に送信させる請求項1又は3に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集草作業を行う集草機などの作業機および作業装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、トラクタと、当該トラクタの後部に連結された集草装置とを備え、トラクタに牽引される集草装置を動作させることにより、圃場の刈草を集草して集草列(所謂、スワス)を作成する集草機が開示されている。また、特許文献1には、集草した集草列(スワス)をロールベーラ等に導入することによって、当該スワスをロールベーラにて所定の形状にして圃場に排出することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-096543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、圃場の刈草を集草した場合、集草列(スワス)の形状は、例えば、集草前の牧草の量などによって変化するのが実情である。スワスの形状が一定でない(変化している)場合、ロールベーラでスワスを導入する作業などが困難であったり、ロールベーラから排出するロールベールの間隔が安定しなかったりすることがある。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、集草列(スワス)の形状等を容易に一定にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
本発明の一態様に係る作業機は、走行車両と、前記走行車両に連結され、且つ、圃場の牧草を集めて集草列を作成する作業装置と、圃場の牧草又は集草列の状態を取得するセンシング装置と、前記作業装置が集草作業を行う場合に、前記センシング装置が取得した状態に基づいて前記作業装置の設定情報を変更する制御装置と、を備え、前記センシング装置は、圃場の牧草又は集草列の状態を撮像する撮像装置を含み、前記制御装置は、前記撮像装置が撮像した撮像データに基づいて前記作業装置の設定情報を変更し、前記撮像装置は、前記作業装置によって作成された集草列の状態を撮像する第1撮像装置であり、前記制御装置は、前記第1撮像装置が撮像した、作成された集草列の状態を示す作業結果の撮像データに基づいて前記作業装置の設定情報を変更し、前記制御装置は、(i)前記撮像データが示す集草列の横幅が第1下限幅以下であると判定した場合、設定情報を第1の設定情報に変更し、(ii)前記撮像データが示す集草列の横幅が第1上限幅以上であると判定した場合、又は、前記撮像データが示す集草列が2つの山形状であると判定した場合、設定情報を第2の設定情報に変更し、(iii)前記撮像データが示す集草列が2つの山形状でなく且つ集草列の横幅が第1上限幅以上でない場合であって第1下限幅以下でないと判定した場合、設定情報を現状の設定情報のままとする
【0007】
また、前記撮像装置は、圃場の牧草の状態を撮像する第2撮像装置であり、前記制御装置は、前記第2撮像装置が撮像した、圃場の牧草の状態を示す作業前の撮像データに基づいて前記作業装置の設定情報を変更する、としてもよい。
また、前記撮像装置は、前記作業装置によって作成された集草列の状態を撮像する第1撮像装置と、圃場の牧草の状態を撮像する第2撮像装置とを含み、前記制御装置は、前記第1撮像装置が撮像した、作成された集草列の状態を示す作業結果の撮像データと、前記第2撮像装置が撮像した、圃場の牧草の状態を示す作業前の撮像データとに基づいて前記作業装置の設定情報を変更する、としてもよい。
【0008】
また、前記作業装置は、本体と、前記本体に回転自在に支持された回転軸と、前記回転軸に連結され且つ当該回転軸から放射状に延出した複数のタインアームと、前記複数のタインアームそれぞれに連結されて下方向に延出する集草具と、集草列を形成するための板状部材と、を有する集草部を備え、前記制御装置は、前記作業結果の撮像データに基づいて、前記作業装置の設定情報のうち、前記板状部材の前記本体に対する離間距離を示す設定情報を変更する、としてもよい。
【0009】
また、前記作業装置は、本体と、前記本体に回転自在に支持された回転軸と、前記回転軸に連結され且つ当該回転軸から放射状に延出した複数のタインアームと、前記複数のタインアームそれぞれに連結されて下方向に延出する集草具と、集草列を形成するための板状部材と、を有する集草部を備え、前記制御装置は、前記作業前の撮像データに基づいて、前記作業装置の設定情報のうち、前記板状部材の前記本体に対する離間距離を示す設定情報を変更する、としてもよい。
【0010】
また、前記作業装置は、本体と、前記本体に回転自在に支持された回転軸と、前記回転軸に連結され且つ当該回転軸から放射状に延出した複数のタインアームと、前記複数のタインアームそれぞれに連結されて下方向に延出する集草具と、を有する集草部を備え、前記制御装置は、前記作業前の撮像データに基づいて、前記作業装置の設定情報のうち、前記集草部の下端と圃場までの距離を示す設定情報を変更する、としてもよい。
【0011】
また、前記作業装置は、本体と、前記本体に回転自在に支持された回転軸と、前記回転軸に連結され且つ当該回転軸から放射状に延出した複数のタインアームと、前記複数のタインアームそれぞれに連結されて下方向に延出する集草具と、を有する集草部を備え、前記制御装置は、前記作業前の撮像データに基づいて、前記作業装置の設定情報のうち、前記走行車両の走行速度を示す設定情報を変更する、としてもよい。
【0012】
また、前記走行車両は、原動機と、前記原動機の動力によって駆動するPTO軸とを備え、前記作業装置は、本体と、前記本体に回転自在に支持され且つ前記PTO軸の動力が伝達される回転軸と、前記回転軸に連結され且つ当該回転軸から放射状に延出した複数のタインアームと、前記複数のタインアームそれぞれに連結されて下方向に延出する集草具と、を有する集草部を備え、前記制御装置は、前記作業前の撮像データに基づいて、前記作業装置の設定情報のうち、前記PTO軸の回転速度を示す設定情報を変更する、としてもよい。
【0013】
また、前記走行車両は、原動機と、前記原動機の動力によって駆動するPTO軸とを備え、前記作業装置は、本体と、前記本体に回転自在に支持され且つ前記PTO軸の動力が伝達される回転軸と、前記回転軸に連結され且つ当該回転軸から放射状に延出した複数のタインアームと、前記複数のタインアームそれぞれに連結されて下方向に延出する集草具と、を有する集草部を備え、前記制御装置は、前記作業結果の撮像データに基づいて、前記作業装置の設定情報のうち、前記PTO軸の回転速度を示す設定情報を変更する、としてもよい。
【0014】
また、本発明の一態様の作業機では、測位情報を取得する測位装置を備え、前記制御装置は、集草工程前の拡散工程において撮像され、且つ撮像位置を示す位置情報が対応付けられた撮像データを取得し、当該取得した前記撮像データのうちで、前記測位装置にて測位された測位情報に一致する位置情報に対応する撮像データに基づいて前記作業装置の設定情報を変更する。
【0015】
また、本発明の一態様の作業機では、測位情報を取得する測位装置と、記憶装置と、通信装置と、を備え、前記制御装置は、前記測位装置にて測位された測位情報と、前記作業結果の撮像データとを対応付けた作業結果の実績データを生成して前記記憶装置に記憶させ、前記記憶装置に記憶された前記実績データを前記通信装置によって外部の情報処理装置に送信させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、集草列(スワス)の形状等を容易に一定にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】牧草管理システムを示す図である。
図2】集草機の全体の側面図及び平面図を示す図である。
図3】作成画面M1を示す図である。
図4】作成画面M2を示す図である。
図5】設定画面M11を示す図である。
図6】集草機の種類を示す図である。
図7】第1データテーブルTB1を示す図である。
図8】第2データテーブルTB2を示す図である。
図9】第3データテーブルTB3を示す図である。
図10】第4データテーブルTB4を示す図である。
図11】牧草又は集草列の画像の一例を示す図である。
図12】集草列の画像の一例を示す図である。
図13】フロントカメラ17Aの撮像データに基づいてスワスカーテンの間隔位置を制御する制御処理を示すフローチャートである。
図14】リアカメラ17Bの撮像データに基づいてスワスカーテンの間隔位置を制御する制御処理を示すフローチャートである。
図15】フロントカメラ17Aの撮像データに基づいてタインの高さを制御する制御処理を示すフローチャートである。
図16】フロントカメラ17Aの撮像データに基づいて走行速度を制御する制御処理を示すフローチャートである。
図17】フロントカメラ17Aの撮像データとリアカメラ17Bの撮像データとに基づいてPTO軸の回転速度を制御する制御処理を示すフローチャートである。
図18】制御装置が機械学習によって撮像データを判断することを示す概略図である。
図19】集草位置と第3水分値との関係を示す図である。
図20】トラクタの全体図を示す図である。
図21A】第2駆動装置の一例を示す図である。
図21B】第2駆動装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、牧草管理システムの全体図を示している。牧草管理システムは、圃場において作付けした牧草に関する事項を管理するシステムである。
圃場で生育される牧草は、少なくとも1種類以上の作業機によって処理が行われる。図1には、4種類の作業機が示されている。4種類の作業機としては、草刈機1A、拡散機1B、集草機1C、及び成形機1Dがある。草刈機1Aは、圃場の牧草を刈取って、刈草を外部に排出する。拡散機1Bは、圃場における牧草(刈草)の拡散を行う。集草機1Cは、圃場に拡散された牧草を集草して集草列(スワス)作成する。成形機1Dは、集草列(スワス)とされた牧草を収集して収集した牧草を所定の形状に成形し、例えば、牧草を円柱状に形成したり、牧草を直方体に形成したりする。
【0021】
草刈機1Aは、走行車両2Aと、走行車両2Aに連結された刈取装置3Aとを有している。拡散機1Bは、走行車両2Bと、走行車両2Bに連結された拡散装置3Bとを有している。集草機1Cは、走行車両2Cと、走行車両2Cに連結された集草装置3Cとを有している。成形機1Dは、走行車両2Dと、走行車両2Dに連結された成形装置3Dとを有している。
【0022】
走行車両2A、2B、2C、2Dは、いずれも走行可能なトラクタである。まず、走行車両2A、2B、2C、2Dについて説明する。
図20に示すように、走行車両(トラクタ)2A、2B、2C、2Dは、それぞれ車体10と、原動機11と、変速装置12とを備えている。車体10には、走行装置13が設けられている。走行装置13は、前輪及び後輪を有する装置である。走行装置13は、クローラ型の装置であってもよい。原動機11は、ディーゼルエンジン、電動モータ等であって、この実施形態ではディーゼルエンジンで構成されている。変速装置12は、走行装置13の推進力を切換可能であると共に、走行装置13の前進、後進の切換が可能である。また、車体10の後部には、3点リンク機構等で構成された連結部8が設けられている。連結部8には、作業装置(刈取装置3A、拡散装置3B、集草装置3C、成形装置3D)が着脱可能である。作業装置を連結部8に連結することによって、車体10によって作業装置を牽引することができる。また、走行車両2A、2B、2C、2Dは、原動機11等の動力によって駆動するPTO軸を有し、PTO軸の動力を作業装置に伝達可能である。また、走行車両2A、2B、2C、2Dは、運転席を内部に備えたキャビン14を備えている。
【0023】
図1に示すように、走行車両2A、2B、2C、2Dは、それぞれ制御装置15を備えている。制御装置15は、運転席の周りに設置された操作具(操作レバー、操作スイッチ、操作ボリューム等)を操作したときの操作信号、車体10に搭載された様々なセンサの検出信号等に基づいて走行車両2A、2B、2C、2Dのそれぞれの走行系や作業系の制御を行う。例えば、制御装置15は、操作具の操作(操作信号)に基づいて作業装置を昇降する制御、アクセルペダルセンサに基づいてディーゼルエンジンの回転数の制御を行う。なお、制御装置15は、走行車両2A、2B、2C、2Dの作業系や走行系を制御するものであればよく、制御方式は限定されない。
【0024】
図2に示すように、集草装置3Cは、走行車両2Cの連結部8に連結する連結フレーム42と、連結フレーム42に連結された集草部43と、を有している。なお、図2では、連結フレーム42に2つの集草部43を連結した例を示している。集草部43は、連結フレーム42に連結された本体44と、本体44に回転自在に支持された回転軸(ロータ)45と、回転軸45に連結された複数のアーム(タインアーム)46と、複数のアーム46それぞれに連結された集草具(タイン)47とを有している。なお、集草装置3Cにおける集草具47の間隔は、拡散装置3Bの拡散具37よりも短い。集草具47は、例えば、先端が二叉に分かれた部材である。PTO軸AXの動力は、連結フレーム42に支持された駆動軸28Cを介して回転軸45に伝達され、回転軸45は回転する。回転軸45の回転に伴ってアーム46が回転し、集草具47によって牧草を集草する。即ち、回転軸45の回転によって集草具47は回転し、集草具47によって牧草は集草される。なお、集草装置3Cは、上述した構成に限定されず、牧草を集草する装置であればよい。例えば、集草部43は、1つ又は3つ以上であってもよい。また、集草部43は、集草具47の付いたローターが縦軸回りに回転するロータリー型であっても、回転するベルトやチェーンに複数の集草具47を取付けたベルト/チェーン型であっても、その他の方式であってもよい。
【0025】
さて、図1及び図20に示すように、牧草管理システムは、作業機の位置を検出可能な少なくとも1以上の位置検出装置60を備えている。位置検出装置60は、草刈機1Aの位置を検出する位置検出装置60Aを含んでいる。位置検出装置60は、拡散機1Bの位置を検出する位置検出装置60Bを含んでいる。位置検出装置60は、集草機1Cの位置を検出する位置検出装置60Cを含んでいる。位置検出装置60は、成形機1Dの位置を検出する位置検出装置60Dを含んでいる。
【0026】
位置検出装置60A、60B、60C、60Dについて説明する。位置検出装置60Aは、走行車両2Aのキャビン14の天板に装着されている。位置検出装置60Bは、走行車両2Bのキャビン14の天板に装着されている。位置検出装置60Cは、走行車両2Cのキャビン14の天板に装着されている。位置検出装置60Dは、走行車両2Dのキャビン14の天板に装着されている。即ち、位置検出装置60A、60B、60C、60Dは、それぞれ走行車両に装着されている。なお、位置検出装置60A、60B、60C、60Dは、キャビン14の天板に装着されているが、トラクタ(走行車両)における装着場所は限定されず、別の場所であってもよい。
【0027】
位置検出装置60A、60B、60C、60Dは、衛星測位システムによって自己の位置(緯度、経度を含む測位情報)を検出する。即ち、位置検出装置60A、60B、60C、60Dは、測位衛星から送信された信号(測位衛星の位置、送信時刻、補正情報等)を受信し、受信した信号に基づいて位置(例えば、緯度、経度)を検出可能である。位置検出装置60A、60B、60C、60Dは、緯度、経度といった位置だけでなく、垂直方向(高さ方向)の情報、即ち、高さ情報を検出してもよい。
【0028】
このように、草刈機1A、拡散機1B、集草機1C、成形機1Dのそれぞれに、位置検出装置60A、60B、60C、60Dを設けることによって、刈取作業時の位置、拡散作業時の位置、集草作業時の位置、成形作業時の位置を個別に検出することができる。刈取作業時の位置は、走行車両2Aに設けられた記憶装置(第1記憶装置)16Aに記憶される。拡散作業時の位置は、走行車両2Bに設けられた記憶装置16Bに記憶される。集草作業時の位置は、走行車両2Cに設けられた記憶装置16Cに記憶される。成形作業時の位置は、走行車両2Dに設けられた記憶装置(第2記憶装置)16Dに記憶される。
【0029】
図1に示すように、牧草管理システムは、第1物理量検出装置81を備えている。第1物理量検出装置81は、牧草に関する物理量、例えば、牧草内に含まれる成分(水分量、タンパク質)等を検出する装置である。第1物理量検出装置81は、草刈機1Aに設けられている。第1物理量検出装置81は、少なくとも草刈機1Aによる刈取作業時における牧草の水分値(第1水分値という)を取得する。
【0030】
第1物理量検出装置81は、刈取装置3Aに設けられ、牧草の刈取時に牧草の第1水分値を取得する。例えば、第1物理量検出装置81は、分光分析装置であって、所定の周波数を有する光源を牧草に照射すると共に牧草からの反射光を受光することで牧草の水分を分析する分光分析装置である。第1物理量検出装置81は、走行車両2Aに設けられた制御装置15又は記憶装置16Aに接続されている。制御装置15は、第1物理量検出装置81が取得した第1水分値と、位置検出装置60Aにおいて検出された刈取位置(緯度、経度)とを対応付けて第1水分値のマップデータとして記憶装置16Aに記憶させる。
【0031】
図1に示すように、走行車両2Aは、通信装置82Aを備えている。通信装置82Aは、少なくとも記憶装置16Aに接続されていて、当該記憶装置16Aが記憶している第1水分値のマップデータ(刈取位置及び第1水分値)を、外部機器83に出力する。外部機器83は、例えば、スマートフォン、タブレット、PDA等の携帯端末である。通信装置82Aは、近距離の通信装置、或いは、携帯電話通信網、データ通信網、携帯電話通信網等によって無線通信を行う通信装置であり、上述した第1水分値のマップデータを後述する支援装置84に直接通信又は間接通信によって送信するように外部機器83を接続する通信機能を有していて、刈取位置及び第1水分値を外部機器83に出力する。
【0032】
図1に示すように、牧草管理システムは、支援装置84を備えている。支援装置84は、例えば、管理者が所有するパーソナルコンピュータ、サーバ等である。
支援装置84は、CPU等から構成された演算部84aと、表示部(表示装置)84bと、不揮発性のメモリ等から構成された記憶部84cを有している。また、支援装置84は、外部機器83を接続可能な接続部を有している。表示部84bは、様々な表示を行う装置で液晶パネル等から構成されている。
【0033】
さて、牧草管理システムは、作成支援部85を備えている。作成支援部85は、支援装置84に設けられた電気・電子部品、当該演算部84a(支援装置84)等に組み込まれたプログラム等から構成されている。作成支援部85は、作業機の作業計画の作成支援を行う。例えば、作成支援部85は、草刈機1Aにおける刈取作業の作業計画、拡散機1Bにおける拡散作業の作業計画、集草機1Cにおける集草作業の作業計画、成形機1Dにおける成形作業の作業計画の少なくとも1つの作成支援を行う。
【0034】
図3に示すように、支援装置84を管理者等が操作すると、作成支援部85が作業計画を作成する作成画面M1を表示部84bに表示する。作成画面M1は、所定の圃場、即ち、予め定められた区画における作業計画を設定する画面である。図3では、圃場Aの作業計画を設定する作成画面M1を示している。なお、支援装置84には、予め管理者等が所有する圃場が登録されていて、複数の圃場が登録されている場合には、圃場の1枚毎に作業計画を設定することができる。説明の便宜上、1枚の圃場(圃場A)に対する作業計画を立てることとして説明を進める。
【0035】
作成支援部85は、牧草の作業に関する作業項目[刈取作業(モア)、拡散作業(テッダー)、集草作業(レーキ)、成形作業(ベーラ)]を表示する作業項目部103を作成画面M1に表示する。また、作業項目部103に示された作業項目は選択可能である。図3の作業項目は、刈取作業であるため、作成画面M1は、刈取作業を起点とした作業計画を設定する画面であることが分かる。
【0036】
作成支援部85は、例えば管理者により入力された刈取作業(モア)、拡散作業(テッダー)、集草作業(レーキ)、及び成形作業(ベーラ)の各作業を行う日付を表示する日付予定部105を表示する。
なお、上述した実施形態では、管理者等が支援装置84を操作して任意に、日付予定部105における作業と日付の関係を設定しているが、日付予定部105における作業と日付の関係を作成支援部85が自動的に作成してもよい。作成画面M1に表示されたボタン(登録ボタン)106を選択すると、作成画面M1にて設定された作業計画が支援装置84の記憶部84cに記憶される。
【0037】
以上のように、作成支援部85は作業計画の支援を行っている。そのため、刈取作業、拡散作業、集草作業、成形作業までの一連の作業についての日付、作業期間等を設定することができる。
さて、刈取作業を行った際は上述したように、草刈機1Aによって刈取位置及び第1水分値を取得することができる。草刈機1Aの通信装置85Aに外部機器83を接続すると、刈取作業時に検出した刈取位置及び第1水分値を当該外部機器83に記憶することができる。そして、外部機器83を、支援装置84に接続すると、支援装置84の記憶部84cは、外部機器83に記憶されている刈取位置及び第1水分値を取得して記憶することができる。
【0038】
このように、刈取作業時に検出した刈取位置及び第1水分値を用いて、作成支援部85は、刈取後に行う作業機(拡散機1B、集草機1C、成形機1Dのいずれか)の作業計画の作成支援を行うことができる。
図4は、図3に示した刈取作業の設定後、作業項目部103を拡散作業に変更した場合の作成画面M2を示している。なお、図4の作成画面M2には、作業項目部103及び日付予定部105が表示されており、図3と同様である。
【0039】
作成支援部85は、作業計画の作成時、例えば、作成画面M2に水分マップ110Aを表示する。図4に示すように、水分マップ110Aは、水分マップ作成部87により作成されたマップである。水分マップ作成部87は、支援装置84に設けられた電気・電子部品、演算部84a(支援装置84)等に組み込まれたプログラム等から構成されている。水分マップ作成部87は、第1水分値と刈取位置とに基づいて圃場における水分マップ110Aを作成する。
【0040】
したがって、少なくとも刈取後の作業計画の設定を行う作成画面M2に、刈取作業時の水分マップ110Aが表示される。そのため、例えば、作成画面M2の日付予定部105において、作業と日付の関係を管理者等が手動で任意に変更できる場合、管理者は水分マップ110Aを参照しながら、拡散作業の日付を任意に変更することができる。
上述した実施形態では、作成画面M2に表示した水分マップ110Aを管理者等が見ながら、作成画面M2の日付予定部105に示された日付を任意に変更していたが、作成支援部85が第1水分値に基づいて作業計画における作業の日付を設定してもよい。
【0041】
図1に示すように、牧草管理システムは、第2物理量検出装置150を備えている。第2物理量検出装置150は、第1物理量検出装置81と同様に、牧草に関する物理量、例えば、牧草内に含まれる成分(水分量、タンパク質)等を検出する装置である。第2物理量検出装置150は、拡散機1Bに設けられている。第2物理量検出装置150は、少なくとも拡散機1Bによる拡散作業時における牧草の水分値(第2水分値という)を取得する。
【0042】
第2物理量検出装置150は、拡散装置3Bに設けられ、牧草の拡散時に牧草の第2水分値を取得する。例えば、第2物理量検出装置150は、分光分析装置であって、所定の周波数を有する光源を牧草に照射すると共に牧草からの反射光を受光することで牧草の水分を分析する分光分析装置である。第2物理量検出装置150は、走行車両2Bに設けられた制御装置15又は記憶装置16Bに接続されている。制御装置15は、第2物理量検出装置150が取得した第2水分値と、位置検出装置60Bにおいて検出された拡散位置(緯度、経度)とを対応付けて第2水分値のマップデータとして記憶装置16Bに記憶させる。
【0043】
図1に示すように、走行車両2Bは、通信装置82Bを備えている。通信装置82Bは、記憶装置16Bが記憶している第2水分値のマップデータ(拡散位置及び第2水分値)を、外部機器83に出力する。外部機器83は、第2水分値のマップデータを支援装置84に直接通信又は間接通信によって送信する。
図1に示すように、牧草管理システムは、地形情報取得装置を備えている。地形情報取得装置は、圃場の地形情報を取得する装置である。地形情報取得装置は、草刈機1Aによる刈取作業時に検出された圃場の高さ情報を地形情報として取得する。具体的には、地形情報取得装置は、草刈機1Aに設けられた位置検出装置60Aである。上述したように、位置検出装置60Aは、刈取作業時に測位衛星から送信された信号に基づいて位置(緯度、経度)だけでなく、垂直方向(高さ方向)の高さ(高さ情報)を検出する。位置検出装置60Aによって検出された緯度及び経度は二次元(X軸方向、Y軸方向)の情報であって、高さ情報は、圃場の垂直方向(Z軸方向)の情報であり、位置検出装置60Aによって検出された3次元の情報、即ち、圃場の地形情報としている。地形情報取得装置(位置検出装置60A)によって刈取作業時に検出された地形情報(緯度、経度、高さ)は、記憶装置16Aに記憶され、通信装置82Aを介して外部機器83に転送可能である。
【0044】
また、地形情報取得装置は、拡散機1Bによる拡散作業時に検出された圃場の高さ情報を地形情報として取得する装置であってもよい。例えば、地形情報取得装置は、拡散機1Bに設けられた位置検出装置60Bである。地形情報取得装置(位置検出装置60B)によって刈取作業時に検出された地形情報は、記憶装置16Bに記憶され、通信装置82Bを介して外部機器83に転送可能である。
【0045】
また、地形情報取得装置は、集草機1Cによる集草作業時に検出された圃場の高さ情報を地形情報として取得する装置であってもよい。例えば、地形情報取得装置は、集草機1Cに設けられた位置検出装置60Cである。地形情報取得装置(位置検出装置60C)によって刈取作業時に検出された地形情報は、記憶装置16Cに記憶される。記憶装置16Cは、通信装置82Cに接続されていて、通信装置82Cは、当該記憶装置16Cが記憶している地形情報を外部機器83に出力する。
【0046】
なお、地形情報取得装置は、圃場の地形情報を取得する装置であればよく、位置検出装置60A、位置検出装置60B、位置検出装置60Cに限定されず、地形情報取得装置は、成形機1Dに設けられた位置検出装置60Dであってもよいし、その他の作業機であってもよい。マルチコプターにカメラ等の撮像装置(地形情報取得部)を設け、撮像装置で得られた画像を地形情報としてもよい。また、圃場に施肥を行う施肥機、薬剤の散布を行う散布機等に高さが検出可能な位置検出装置60で構成した地形情報取得装置を設けてもよい。
【0047】
図1に示すように、牧草管理システムは、排出情報取得部200と、ルート作成部210とを備えている。排出情報取得部200及びルート作成部210は、支援装置84に設けられている。即ち、排出情報取得部200と、ルート作成部210は、支援装置84に設けられた電気・電子部品、演算部84a(支援装置84)等に組み込まれたプログラム等から構成されている。
【0048】
排出情報取得部200は、成形機1Dで成形された成形材を、圃場に排出する排出予定位置H1を取得する。ルート作成部210は、地形情報と排出予定位置H1とに基づいて、成形機1Dにおける作業前に当該牧草を集草する集草機1Cの走行ルートR2を作成する。
図5は、表示部84bに表示した走行ルートR2を設定する設定画面M11を示している。
【0049】
管理者等が支援装置84を操作すると、ルート作成部210は、当該支援装置84の表示部84bに設定画面M11を表示させる。設定画面M11は、圃場を設定する設定部215と、圃場の地形(地形マップ)220を表示する地形表示部216と、走行ルートを表示するルート表示部217とを有している。
ルート作成部210は、設定部215に圃場が設定されると、記憶部84cを参照し、設定部215で設定された圃場に対応する地形情報を抽出する。ルート作成部210は、同一圃場における地形情報が複数存在する場合には、日付が新しい最新の地形情報を抽出する。ルート作成部210は、同一圃場における地形情報が複数存在する場合、地形情報を取得した時間又は日付等の一覧表を設定画面M11に表示して、一覧表の中で選択された地形情報を抽出するようにしてもよい。
【0050】
ルート作成部210は、抽出した地形情報に基づいて、3次元の地形マップ220を地形表示部216に表示する。なお、上述した実施形態では、同一圃場における1つの地形情報に基づいて、地形マップ220を作成しているが、同一圃場における複数の地形情報を用いて地形マップ220を作成してもよい。ルート作成部210は、地形マップ220を作成すると、地形表示部216に表示する。
【0051】
地形表示部216のフィールド、即ち、地形マップ220を示すフィールド上には、成形機1Dにおける成形材の排出予定位置H1を設定可能である。例えば、ルート作成部(排出位置設定部)210は、管理者が支援装置84の入力インタフェース(マウス、キーボード等)を用いて、地形マップ220のフィールド上を選択すると、選択したフィールドの位置が成形材の排出予定位置H1に設定する。即ち、排出情報取得部200は、地形マップ220のフィールド上に選択された時点の位置(緯度、経度)を排出予定位置H1として認識し、選択時点の排出予定位置H1を取得する。したがって、排出情報取得部200は、地形マップ220のフィールド上を選択する毎に複数の排出予定位置H1を取得する。
【0052】
上述した実施形態では、排出情報取得部200が地形マップ220のフィールド上を選択する毎に複数の排出予定位置H1を取得していたが、地形マップ220のフィールド上の所定範囲を入力インタフェース等によって選択した場合に、所定範囲に含まれる位置を排出予定位置H1として取得してもよい。
なお、排出予定位置H1の設定において、成形材が適正に排出できるかを判断してもよい。即ち、図1に示すように、牧草管理システムは、排出位置判断部230を備えてもよい。排出位置判断部230は、支援装置84に設けられた電気・電子部品、演算部84a(支援装置84)等に組み込まれたプログラム等から構成されている。
【0053】
排出位置判断部230は、排出予定位置H1が設定可能であるかを地形情報から判断する。例えば、排出位置判断部230は、地形マップ220のフィールド上において選択された排出予定位置H1又は排出予定位置H1における周辺が傾斜していないか否かを地形情報から判断する。排出位置判断部230は、排出予定位置H1の周辺が下り傾斜又は上り傾斜である場合、排出予定位置H1は設定不可であると判断し、設定画面M11に排出予定位置H1としては不適格であることを示す警告を設定画面M11に表示する。例えば、排出予定位置として傾斜地220bが選択された場合は、排出位置判断部230は不適格であると判断し、設定画面M11に警告を表示する。
【0054】
一方、排出位置判断部230は、排出予定位置H1の周辺が平坦である場合、排出予定位置H1は設定可能であると判断し、設定画面M11に排出予定位置H1を示す図形等を表示すると共に排出予定位置H1を保持する。例えば、地形マップ220の平坦地220a上に排出予定位置H1が設定された場合は、排出位置判断部230は、排出予定位置H1は設定可能であると判断し、排出予定位置H1を保持する。なお、排出位置判断部230は、排出予定位置H1の周辺が下り傾斜又は上り傾斜であった場合でも傾斜が非常に僅かであり、排出後の成形材が排出予定位置H1から転がらない場合は、排出予定位置H1は設定可能であると判断する。
【0055】
ルート作成部210は、排出予定位置H1の設定が終了後、集草機1Cの走行ルートR2を作成する。図5に示すように、例えば、地形マップ220の平坦地220aに排出予定位置H1が設定されたとして説明を進める。
ルート作成部210は、集草機1Cの走行ルートR2を傾斜地220bの傾斜方向に沿って設定する。言い換えれば、地形マップ220において、手前側が平坦地220aであり、奥側が傾斜地220bであって、手前から奥にいくにしたがって地形マップ220の高度が大きくなっている場合、ルート作成部210は、集草機1Cの走行ルートR2を手前から奥に沿って設定する。ルート作成部210は、集草機1Cの走行ルートR2上と成形機1Dの走行ルートが一致するとして、成形機1Dにおける成形材の排出する排出位置が排出予定位置H1と略位置するように、集草機1Cの走行ルートR2を設定する。例えば、図5に示すように、ルート作成部210は、平坦地220aにおける2つの排出予定位置H1a、H1bに着目した場合、集草機1Cの走行ルートR2を、一方の排出予定位置H1aから離れて傾斜地220bに向かった後、傾斜地220bで折り返しして、他方の排出予定位置H1bに戻る軌跡に設定する。集草機1Cの走行ルートR2において、隣接する走行ルートR2の間隔L2は、予め設定された集草機1Cの集草する幅(作業幅)W1等により設定する。
【0056】
ルート作成部210は、走行ルートR2を作成すると、例えば、2次元(X軸、Y軸)で表す走行ルートR2をルート表示部217に表示する。ルート作成部210は、走行ルートR2を作成後、3次元(X軸、Y軸、Z軸)で表す走行ルートR2をルート表示部217に表示してもよい。
なお、ルート作成部210は、集草機1Cに関する情報、即ち、集草機1Cの機械情報に基づいて、走行ルートR2を作成してもよい。図6に示すように、集草機1C(集草装置3C)は、2つの集草部43によって牧草を集草機1Cの幅方向中央部に集草する第1タイプ1CA、1つの集草部43によって牧草を集草機1Cの幅方向の片側に集草する第2タイプ1CB、2つの集草部43によって牧草を集草機1Cの幅方向中央部に集草し且つ幅方向の片側に集草する第3タイプ1CC等がある。第1タイプ1CA、第2タイプ1CB、第3タイプ1CCは、それぞれ集草する幅(作業幅)W1A、W1B、W1Cが異なる。
【0057】
第1タイプ1CAでは、2つの集草部43が集草機1Cの幅方向に並んで所定の間隔(例えば、集草列GLの横幅)を空けて配置され、回転方向が異なる2つの集草部43の間に、集草機1Cの走行方向に沿って集草列GLが形成される。2つの集草部43によって捕獲された牧草(刈草)が当該2つの集草部43の間の位置(中央位置)に向けて排出され、集草機1Cの走行方向に沿って集草列GLが形成される。また、第2タイプ1CBでは、集草部43は、集草列GLを形成するための板状部材(所謂、スワスカーテン)48を備え、板状部材48が、集草部43の本体44に対して集草機1Cの幅方向に間隔を空けて配置されている。回転する集草部43によって捕獲された牧草(刈草)が板状部材48に向けて排出され、この板状部材48にて刈草が当て止めされて、集草機1Cの走行方向に沿って集草列GLが形成される。第3タイプ1CCでは、2つの集草部43A、43Bが集草機1Cの前後方向に異なる位置で、且つ、集草機1Cの右側と左側とに配置され、仮の集草列GLを形成するための第1の板状部材48Aが、前側の集草部43の本体44の左側に間隔を空けて配置され、且つ、集草列GLを形成するための第2の板状部材48Bが、後側の集草部43Bの本体44の左側に間隔を空けて配置されている。回転する集草部43Aによって捕獲された牧草(刈草)が第1の板状部材48Aに向けて排出され、この第1の板状部材48Aにて刈草が当て止めされて、集草機1Cの走行方向に沿って仮の集草列GLが形成され、仮の集草列GLの刈草が、回転する集草部43Bによって捕獲されて第2の板状部材48Bに向けて排出され、この第2の板状部材48Bにて刈草が当て止めされて、集草列GLが形成される。
【0058】
図1に示すように、集草装置3Cは、集草部43の状態を、設定情報が示す状態に設定するための駆動装置49を備えている。この設定情報は、集草装置3Cの設定情報であり、制御装置15又は記憶装置16Cに予め記憶されている。集草装置3Cの設定情報には、例えば、集草部43の高さ位置を示す設定情報、2つの集草部43の間隔又は集草部43と板状部材48との間隔を示す設定情報などが含まれる。
【0059】
駆動装置49には、集草部43の高さ位置を変更する第1駆動装置49Aと、2つの集草部43の間隔又は集草部43と板状部材48との間隔を変更する第2駆動装置49Bと、が含まれる。第1タイプ1CA、第2タイプ1CB、及び第3タイプ1CCは、第1駆動装置49A及び第2駆動装置49Bの少なくとも一方を備えている。第1駆動装置49Aは、例えば、アクチュエータ、シリンダーなどの駆動機構であり、制御装置15によって駆動制御されることで、本体44、回転軸(ロータ)45を垂直方向に昇降することができ、これにより、集草部43の圃場面(地面)からの高さを、設定情報が示す高さに変更する。第1駆動装置49Aは、集草部43を支持するゲージ輪44aを垂直方向に昇降することにより、集草部43の圃場面(地面)からの高さを変更する装置であってもよい。第1駆動装置49Aは、予め定められた範囲内において、基準位置(第1高さ)から当該基準位置よりも高い変更位置(第2高さ)に変更することができる。
【0060】
第1タイプ1CAの第2駆動装置49Bは、2つの集草部43の水平方向の間隔を変更する。第2タイプ1CBの第2駆動装置49Bは、集草部43の本体44と板状部材48との水平方向の間隔を変更する。第3タイプ1CCの第2駆動装置49Bは、少なくとも集草部43Bの本体44と第2の板状部材48Bとの水平方向の間隔を変更し、集草部43Aの本体44と第1の板状部材48Aとの間隔については変更可能であっても、固定であってもよい。
【0061】
図21A図21Bに示すように、第2駆動装置49Bは、例えば、シリンダー、アクチュエータなどの駆動機構である。図21Aは、第2駆動装置の一例を示す図であり、シリンダー490による板状部材48の位置変更の例を示す。図21Bは、第2駆動装置の一例を示す図であり、アクチュエータ(例えば送りねじ機構494)による板状部材48の位置変更の例を示している。
【0062】
図21Aに示すように、シリンダー490は、空気、油圧等の媒体によって伸縮可能であり、ロッド490aは、ブラケット492bを介して第3支持アーム203に取付けられ、チューブ490bは、連結フレーム42に取り付けられた第1支持アーム491に、ブラケット492aを介して取付けられている。これによれば、シリンダー490の伸縮によって、集草部43に対する板状部材48の水平方向の間隔を任意に変更することができる。また、図21Aに示す板状部材48を集草部43の本体44に置き換えた場合には、連結フレーム42に対する集草部43の水平方向の間隔を任意に変更することができる。
【0063】
図21Bに示すように、送りねじ機構494は、送りねじ494aと、移動体494bと、モータ494cとを含んでいる。送りねじ494aは、第1支持アーム491及び第3支持アーム203に沿って配置され、両端部が軸受495により回転自在に第1支持アーム491及び第3支持アーム203に取付けられている。移動体494bは、送りねじ494aに螺合されていて、第3支持アーム203に固定されている。モータ494cは、第1支持アーム491に固定されていて、送りねじ494aを回転する。これによれば、モータ494cを正転させることによって送りねじ494aを進出させたり、モータ494cを逆転させることによって送りねじ494aを後退させたりすることにより、集草部43に対する板状部材48の水平方向の間隔を任意に変更することができる。また、図21Bに示す板状部材48を集草部43の本体44に置き換えた場合には、連結フレーム42に対する集草部43の水平方向の間隔を任意に変更することができる。第2駆動装置49Bは、制御装置15によって駆動制御されることで、2つの集草部43の水平方向の間隔又は集草部43と板状部材48との水平方向の間隔を、設定情報が示す間隔に変更する。例えば、第2駆動装置49Bは、予め定められた間隔幅の範囲内において、基準の間隔幅から当該基準の間隔幅よりも広い拡大幅又は狭い縮小幅に変更することができる。
【0064】
ルート作成部210は、図5に示すように、設定画面M11に表示された機械情報部211が選択されると、機械情報取得部89によって集草機1Cの機械情報が取得され、集草機1Cの機械情報(第1タイプ1CA、第2タイプ1CB、第3タイプ1CCなどの種別情報、詳細情報)が表示部212に表示される。表示部212に表示された集草機1Cの第1タイプ1CAに対応する機械情報が選択された場合は、ルート作成部210は、第1タイプ1CAの作業幅W1Aを走行ルートR2の作成時の幅に設定する。第2タイプ1CBに対応する機械情報が選択された場合は、ルート作成部210は、第2タイプ1CBの作業幅W1Bを走行ルートR2の作成時の幅に設定する。第3タイプ1CCに対応する機械情報が選択された場合は、ルート作成部210は、第3タイプ1CCの作業幅W1Cを走行ルートR2の作成時の幅に設定する。
【0065】
ここで、集草機1Cについて説明する。集草機1Cは、圃場の牧草又は集草列GLの状態を取得するセンシング装置17を少なくとも1つ備えている。センシング装置17は、例えば光学式センサであり、カメラ等の撮像装置、ライダー(LiDAR: Light Detection And Ranging)、ToF (Time of Flight) 方式カメラ等である。撮像装置は、CCD(Charge Coupled Devices:電荷結合素子)イメージセンサを搭載したCCDカメラ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサを搭載したCMOSカメラである。ライダー(レーザセンサ)は、1秒間に何百万回ものパルス状の赤外線等を照射し、反射した時間を測定することで、赤外線を反射した対象物までの距離を検出する。ToF方式カメラは、光の飛行距離(Time Of Flight)を使って被写体との距離を撮影する。この実施形態では、センシング装置17は、撮像装置、ライダー(レーザセンサ)のいずれであってもよく、撮像装置、ライダー(レーザセンサ)、ToF方式カメラのそれぞれを適宜組み合わせて、走行車両2Cに搭載してもよく、限定されない。
【0066】
この実施形態では、集草機1Cは、2つのセンシング装置17を備えている。具体的には、センシング装置17は、撮像装置であり、集草機1Cの前側位置と後側位置とにそれぞれ設けられている。集草機1Cの前側位置には、フロントカメラ(第2撮像装置)17Aが配置され、集草機1Cの前方における圃場の牧草の状態が撮像される。集草機1Cの後側位置には、リアカメラ(第1撮像装置)17Bが配置され、集草機1Cの後方における圃場の状態(特に、作成された集草列GLの状態)が撮像される。フロントカメラ17Aは、走行車両2Cの前端部に配置されているが、キャビン14など、前方が撮影可能な箇所に配置してもよい。また、リアカメラ17Bは、集草装置3Cの後端部に配置されているが、キャビン14、走行車両2Cの後方箇所など、作成された集草列GLが撮影可能な箇所に配置してもよい。
【0067】
集草機1Cの制御装置15は、集草装置3C(作業装置)が集草作業を行う場合に、センシング装置17が取得した状態に基づいて集草装置3Cの設定情報を変更する。例えば、制御装置15は、フロントカメラ17Aが撮像した撮像データ及びリアカメラ17Bが撮像した撮像データの少なくとも一方に基づいて集草装置3Cの設定情報を変更する。具体的には、制御装置15は、リアカメラ17Bが撮像した、作成された集草列GLの状態を示す作業結果の撮像データに基づいて集草装置3Cの設定情報を変更する。また、制御装置15は、フロントカメラ17Aが撮像した、圃場の牧草の状態を示す作業前の撮像データに基づいて集草装置3Cの設定情報を変更する。
【0068】
詳述すれば、制御装置15は、リアカメラ17Bが撮像した作業結果の撮像データに基づいて、板状部材48の集草部43に対する離間距離を示す設定情報を変更する。また、制御装置15は、フロントカメラ17Aが撮像した作業前の撮像データに基づいて、板状部材48の集草部43に対する離間距離を示す設定情報を変更する。
記憶装置16Cには、図7図10に示すように、第1~第4データテーブルTB1~TB4を備えている。図7に示す第1データテーブルTB1は、フロントカメラ17Aが撮像した撮像データ及びリアカメラ17Bが撮像した撮像データと、板状部材(スワスカーテン)48の位置を示す設定情報との対応関係を記憶している。具体的には、第1データテーブルTB1には、フロントカメラ17Aの撮像データが示す牧草の量が第1上限値以上である場合(多い場合)、又は、リアカメラ17Bの撮像データが示す集草列GLの横幅(スワス幅)が第1下限幅以下である場合(小さい場合)、板状部材(スワスカーテン)48を引き出して拡大幅とする第1の設定情報が記憶されている。また、第1データテーブルTB1には、フロントカメラ17Aの撮像データが示す牧草の量が第1下限値以下である場合(少ない場合)、リアカメラ17Bの撮像データが示す集草列GLの横幅(スワス幅)が第1上限幅以上である場合(大きい場合)、又は、リアカメラ17Bの撮像データが示す集草列GLが2山形状(2つの山形状)である場合、板状部材(スワスカーテン)48を縮めて縮小幅とする第2の設定情報が記憶されている。
【0069】
図8に示す第2データテーブルTB2は、フロントカメラ17Aが撮像した撮像データと、集草部43の高さ、つまり集草具(タイン)47の高さを示す設定情報との対応関係を記憶している。具体的には、第2データテーブルTB2には、フロントカメラ17Aの撮像データが示す撮像画像が第1特徴画像である場合(牧草の状態が通常で且つ圃場が平坦である場合)、集草具(タイン)47の高さを基準位置(第1高さ)とする設定情報が記憶されている。第2データテーブルTB2には、フロントカメラ17Aの撮像データが示す撮像画像が第2特徴画像である場合(牧草の状態が弱い又は柔らかい場合)、又は、第3特徴画像である場合(圃場が平坦でない又はでこぼこしている場合)、集草具(タイン)47の高さを基準位置(第1高さ)よりも高い変更位置(第2高さ)とする設定情報が記憶されている。
【0070】
図9に示す第3データテーブルTB3は、フロントカメラ17Aが撮像した撮像データと、走行車両2Cの走行速度を示す設定情報との対応関係を記憶している。具体的には、第3データテーブルTB3には、フロントカメラ17Aの撮像データが示す牧草の量が第1上限値以上である場合(多い場合)、又は、第3特徴画像である場合(圃場が平坦でない又はでこぼこしている場合)、走行車両2Cの走行速度を予め設定された規定速度よりも遅い第1速度とする設定情報が記憶されている。第3データテーブルTB3には、フロントカメラ17Aの撮像データが示す牧草の量が第1下限値以下である場合(少ない場合)、走行車両2Cの走行速度を予め設定された規定速度よりも速い第2速度とする設定情報が記憶されている。
【0071】
図10に示す第4データテーブルTB4は、リアカメラ17Bが撮像した撮像データと、PTO軸AXの回転速度を示す設定情報との対応関係を記憶している。具体的には、第4データテーブルTB4には、リアカメラ17Bの撮像データが示す撮像画像が第4特徴画像である場合(集草列の形状が三角形で硬い場合)、PTO軸AXの回転速度を予め設定された規定速度よりも遅い第1回転速度とする設定情報が記憶されている。第4データテーブルTB4には、リアカメラ17Bの撮像データが示す撮像画像が第3特徴画像である場合(圃場がでこぼこしている場合)、PTO軸AXの回転速度を予め設定された規定速度よりも速い第2回転速度とする設定情報が記憶されている。
【0072】
なお、記憶装置16Cには、第1~第4データテーブルTB1~TB4の少なくとも1つ以上を備えるとしてもよい。
図1に示すように、集草機1Cの走行車両2Cは、制御装置15の制御に従って、PTO軸AXを変速するPTO変速装置41を備えている。つまり、PTO変速装置41は、原動機11からの動力によって駆動するPTO軸AXの回転速度を任意の回転速度に変更する。
【0073】
集草機1Cの制御装置15は、例えば運転者による表示装置4Cへの操作指示に従って、集草作業についての複数の調整モードを設定することができる。複数の調整モードとしては、第1~第4の調整モードがある。第1の調整モードでは、第1データテーブルTB1を用いて、板状部材(スワスカーテン)48の間隔位置を調整することによって、より適切な集草列GLが形成される。第2の調整モードでは、第2データテーブルTB2を用いて、集草部(タイン)43の高さを自動調整することによって、より適切な集草列GLが形成される。第3の調整モードでは、第3データテーブルTB3を用いて、走行車両2Cの走行速度を自動調整することによって、より適切な集草列GLが形成される。第4の調整モードでは、第4データテーブルTB4を用いて、PTO軸AXの回転速度を自動調整することによって、より適切な集草列GLが形成される。表示装置4Cは、第1~第4の調整モードに対応する各アイコンを表示し、第1~第4の調整モードのうちで選択された調整モードのアイコンを点灯表示し、選択されていないアイコンを消灯表示する。このため、運転者は、表示装置4Cの各アイコンを見て、何れの調整モードが選択されているかを視認確認できる。
【0074】
次に、集草機1Cの集草作業に際して実行される制御装置15の制御処理について、図13図14を用いて説明する。図13は、フロントカメラ17Aの撮像データに基づいて板状部材(スワスカーテン)48の間隔位置を制御する制御処理を示すフローチャートである。図14は、リアカメラ17Bの撮像データに基づいて板状部材(スワスカーテン)48の間隔位置を制御する制御処理を示すフローチャートである。ここでは、集草機1Cは、図6に示す第2タイプ1CBであり、運転者による表示装置4Cへの操作指示に従って、第1の調整モードが選択されているとする。
【0075】
まず、図13に示すフローチャートについて説明する。制御装置15は、走行車両2Cの運転席周りに設けた操縦装置が操作された場合、運転席周りに設けた表示装置4C、スイッチ等によって集草作業の開始が操作された場合、図7に示す第1データテーブルTB1を用いて、フロントカメラ17Aの撮像データが示す牧草の量が第1上限値以上であるか否かを判定する(S11)。例えば、制御装置15は、フロントカメラ17Aの撮像データ(撮像画像)について画像解析処理を行い、撮像画像での牧草の量が第1上限値以上であると判定した場合、又は、撮像画像と予め記憶装置16Cに記憶された複数種類の判定用画像とのパターンマッチング処理を実行することにより、撮像画像と、第1上限値以上とされる判定用画像と一致又は近似すると判定した場合、牧草の量が第1上限値以上であると判定する(S11でYES)。例えば、図11に示すように、画像GA1は牧草が普通の量(適量)である場合の画像の一例であり、画像GA2は牧草が多い場合の画像の一例であり、画像GA3は牧草が少ない場合の画像の一例である。
【0076】
制御装置15は、牧草の量が第1上限値以上であると判定した場合(S11でYES)、板状部材48の集草部43に対する離間距離を示す設定情報を、図7に示す第1データテーブルTB1の第1の設定情報に変更することにより、第2駆動装置49Bによって板状部材(スワスカーテン)48を引き出して、第1の設定情報が示す拡大幅とする(S12)。具体的には、制御装置15は、図21Aに示す第2駆動装置49Bの場合にはシリンダー490を伸長させる、或いは、図21Bに示す第2駆動装置49Bの場合には送りねじ機構494のモータ494cを正転させることによって送りねじ494aを進出させることで、板状部材(スワスカーテン)48を引き出す。なお、制御装置15は、牧草の量が第1上限値以上であると判定した場合(S11でYES)、第1上限値を超える値の大きさに応じて、板状部材48の集草部43に対する離間距離の大きさを大きくしてもよい。つまり、拡大幅は、第1上限値を超える値の大きさに応じて大きい値としてもよい。
【0077】
一方、制御装置15は、牧草の量が第1上限値以上でないと判定した場合(S11でNO)、フロントカメラ17Aの撮像データが示す牧草の量が第1下限値以下であるか否かを判定する(S13)。例えば、制御装置15は、フロントカメラ17Aの撮像データ(撮像画像)について画像解析処理を行い、撮像画像での牧草の量が第1下限値以下であると判定した場合、又は、撮像画像と予め記憶装置16Cに記憶された複数種類の判定用画像とのパターンマッチング処理を実行することにより、撮像画像と、第1下限値以下とされる判定用画像と一致又は近似すると判定した場合、牧草の量が第1下限値以下であると判定する(S13でYES)。制御装置15は、牧草の量が第1下限値以下であると判定した場合(S13でYES)、板状部材48の集草部43に対する離間距離を示す設定情報を、図7に示す第1データテーブルTB1の第2の設定情報に変更することにより、第2駆動装置49Bによって板状部材(スワスカーテン)48を縮めて第2の設定情報が示す縮小幅とする(S14)。具体的には、制御装置15は、図21Aに示す第2駆動装置49Bの場合にはシリンダー490を収縮させる、或いは、図21Bに示す第2駆動装置49Bの場合には送りねじ機構494のモータ494cを逆転させることによって送りねじ494aを後退させることで、板状部材(スワスカーテン)48を縮める。なお、制御装置15は、牧草の量が第1下限値以下であると判定した場合(S13でYES)、第1下限値を超える値(下回る値)の大きさに応じて、板状部材48の集草部43に対する離間距離の大きさを小さくしてもよい。つまり、縮小幅は、第1下限値を超える値(下回る値)の大きさに応じて小さいとした値としてもよい。
【0078】
一方、制御装置15は、牧草の量が第1下限値以下でないと判定した場合(S13でNO)、板状部材48の集草部43に対する離間距離を示す設定情報を、現状の設定情報のままとし、板状部材(スワスカーテン)48の集草部43に対する離間距離を現状のままで維持する(S15)。
制御装置15は、S12のあと、S14のあと、又は、S15のあと、作業終了か否かを判定する(S16)。例えば、制御装置15は、作業者による集草作業の終了指示を受けた場合(S16でYES)、本処理を終了する。制御装置15は、作業者による集草作業の終了指示がない場合(S16でNO)、S11の処理に戻る。
【0079】
つまり、制御装置15は、例えば、図11に示すように、撮像画像が画像GA2であれば、牧草が多いので、板状部材(スワスカーテン)48の離間距離を拡大させ、撮像画像が画像GA3であれば、牧草が少ないので、板状部材48の離間距離を縮め、撮像画像が画像GA1であれば、牧草が適量であるので、板状部材48の離間距離を通常時の間隔とする制御を行う。
【0080】
なお、制御装置15は、集草装置3CへのPTO軸AXからの動力伝達の開始、又は、集草部43の駆動開始に基づいて、図13に示すS11の判定を開始し、集草装置3CへのPTO軸AXからの動力伝達の終了、又は、集草部43の駆動終了に基づいて、作業終了(S16でYES)を判定してもよい。
次に、図14に示すフローチャートについて説明する。制御装置15は、図7に示す第1データテーブルTB1を用いて、リアカメラ17Bの撮像データが示す集草列GLの横幅(スワス幅)が第1下限幅以下であるか否かを判定する(S21)。例えば、制御装置15は、リアカメラ17Bの撮像データ(撮像画像)について画像解析処理を行い、撮像画像での集草列GLの横幅(スワス幅)が第1下限幅以下であると判定した場合、又は、撮像画像と予め記憶装置16Cに記憶された複数種類の判定用画像とのパターンマッチング処理を実行することにより、撮像画像と、第1下限幅以下とされる判定用画像と一致又は近似すると判定した場合、集草列GLの横幅が第1下限幅以下であると判定する(S21でYES)。
【0081】
例えば、図12に示すように、画像GB1は集草列GLが正しい形状である場合の画像の一例であり、画像GB2は集草列GLが三角形で硬い場合の画像の一例であり、画像GB3は集草列GLの横幅が小さい場合の画像の一例であり、画像GB4は集草列GLの横幅が大きい場合の画像の一例であり、画像GB5は集草列Gが2つの山形状である場合の画像の一例である。なおここでは、集草機1Cが、図6に示す第2タイプ1CBであり、リアカメラ17Bと板状部材(スワスカーテン)48との位置関係になっているので、図12に示すように、リアカメラ17Bの撮像画像は、集草列GLが斜めに連なった状態の画像となっている。
【0082】
制御装置15は、集草列GLの横幅が第1下限幅以下であると判定した場合(S21でYES)、板状部材48の集草部43に対する離間距離を示す設定情報を、図7に示す第1データテーブルTB1の第1の設定情報に変更することにより、第2駆動装置49Bによって板状部材(スワスカーテン)48を引き出して、第1の設定情報が示す拡大幅とする(S22)。具体的には、制御装置15は、図21Aに示す第2駆動装置49Bの場合にはシリンダー490を伸長させる、或いは、図21Bに示す第2駆動装置49Bの場合には送りねじ機構494のモータ494cを正転させることによって送りねじ494aを進出させることで、板状部材(スワスカーテン)48を引き出す。なお、制御装置15は、集草列GLの横幅が第1下限幅以下であると判定した場合(S21でYES)、第1下限幅を超える値(下回る値)の大きさに応じて、板状部材48の集草部43に対する離間距離の大きさを大きくしてもよい。
【0083】
一方、制御装置15は、集草列GLの横幅が第1下限幅以下でないと判定した場合(S21でNO)、リアカメラ17Bの撮像データが示す集草列GLが2つの山形状であるか否かを判定する(S23)。例えば、制御装置15は、リアカメラ17Bの撮像データ(撮像画像)について画像解析処理を行い、撮像画像での集草列GLが2つの山形状であると判定した場合、又は、撮像画像と予め記憶装置16Cに記憶された複数種類の判定用画像とのパターンマッチング処理を実行することにより、撮像画像と、集草列GLが2つの山形状とされる判定用画像と一致又は近似すると判定した場合、集草列GLが2つの山形状であると判定する(S23でYES)。
【0084】
一方、制御装置15は、集草列GLが2つの山形状でないと判定した場合(S23でNO)、集草列GLの横幅が第1上限幅以上であるか否かを判定する(S24)。例えば、制御装置15は、リアカメラ17Bの撮像データ(撮像画像)について画像解析処理を行い、撮像画像での集草列GLの横幅が第1上限幅以上であると判定した場合、又は、撮像画像と予め記憶装置16Cに記憶された複数種類の判定用画像とのパターンマッチング処理を実行することにより、撮像画像と、集草列GLの横幅が第1上限幅以上とされる判定用画像と一致又は近似すると判定した場合、集草列GLの横幅が第1上限幅以上であると判定する(S24でYES)。制御装置15は、集草列GLの横幅が第1上限幅以上であると判定した場合(S24でYES)、又は、集草列GLが2つの山形状であると判定した場合(S23でYES)、板状部材48の集草部43に対する離間距離を示す設定情報を、図7に示す第1データテーブルTB1の第2の設定情報に変更することにより、第2駆動装置49Bによって板状部材(スワスカーテン)48を縮めて、第2の設定情報が示す縮小幅とする(S25)。具体的には、制御装置15は、図21Aに示す第2駆動装置49Bの場合にはシリンダー490を収縮させる、或いは、図21Bに示す第2駆動装置49Bの場合には送りねじ機構494のモータ494cを逆転させることによって送りねじ494aを後退させることで、板状部材(スワスカーテン)48を縮める。なお、制御装置15は、集草列GLの横幅が第1上限幅以上であると判定した場合(S24でYES)、第1上限幅を超える値の大きさに応じて、板状部材48の集草部43に対する離間距離の大きさを小さくしてもよい。
【0085】
一方、制御装置15は、集草列GLの横幅が第1下限幅以下でないと判定した場合(S24でNO)、板状部材48の集草部43に対する離間距離を示す設定情報を、現状の設定情報のままとし、板状部材(スワスカーテン)48の集草部43に対する離間距離を現状のままで維持する(S26)。
制御装置15は、S22のあと、S25のあと、又は、S26のあと、作業終了か否かを判定する(S27)。例えば、制御装置15は、作業者による集草作業の終了指示を受けた場合(S27でYES)、本処理を終了する。制御装置15は、作業者による集草作業の終了指示がない場合(S27でNO)、S21の処理に戻る。
【0086】
つまり、制御装置15は、例えば、図12に示すように、撮像画像が画像GB3であれば、集草列GLの横幅が小さいので、板状部材(スワスカーテン)48の離間距離を拡大させ、撮像画像が画像GB4であれば、集草列GLの横幅が大きいので、板状部材48の離間距離を縮め、撮像画像が画像GB5であれば、集草列GLが2つの山形状であるので、板状部材48の離間距離を縮め、撮像画像が画像GB1であれば、牧草が適量であるので、板状部材48の離間距離を通常時の間隔とする制御を行う。
【0087】
なお、図13図14では、集草機1Cは、第2タイプ1CBを例に挙げて説明しているが、第1タイプ1CA、第3タイプ1CC等であってもよい。
次に、集草機1Cの集草作業に際して実行される制御装置15の制御処理について、図15を用いて説明する。図15は、フロントカメラ17Aの撮像データに基づいてタインの高さを制御する制御処理を示すフローチャートである。ここでは、集草機1Cは、図6に示す第1タイプ1CAであり、運転者による表示装置4Cへの操作指示に従って、第2の調整モードが選択されているとする。
【0088】
制御装置15は、作業者による集草作業(つまり集草列の作成)の開始指示に基づいて、集草作業を開始すると、図8に示す第2データテーブルTB2を用いて、フロントカメラ17Aの撮像データが示す牧草の状態が通常であるか否かを判定する(S31)。例えば、制御装置15は、フロントカメラ17Aの撮像データ(撮像画像)について画像解析処理を行い、撮像画像が、牧草の状態が通常であることを示す第1特徴画像であると判定した場合、又は、撮像画像と予め記憶装置16Cに記憶された複数種類の判定用画像とのパターンマッチング処理を実行することにより、撮像画像と、第1特徴画像とされる判定用画像と一致又は近似すると判定した場合、牧草の状態が通常であると判定する(S31でYES)。例えば、図12に示すように、画像GA1は牧草が普通の量である場合の画像の一例であり、画像GA2は牧草が多い場合の画像の一例であり、画像GA3は牧草が少ない場合の画像の一例である。なおここでは、集草機1Cが、図6に示す第1タイプ1CAであり、リアカメラ17Bと2つの集草部43の離間距離の中央とが一致する位置関係になっているので、図12に示すように、リアカメラ17Bの撮像画像は、集草列GLが中央に位置する状態の画像となっている。
【0089】
制御装置15は、牧草の状態が通常であると判定した場合(S31でYES)、圃場が平坦であるか否か判定する(S32)。制御装置15は、フロントカメラ17Aの撮像データ(撮像画像)について画像解析処理を行い、撮像画像が、圃場が平坦であることを示す第1特徴画像であると判定した場合、又は、撮像画像と予め記憶装置16Cに記憶された複数種類の判定用画像とのパターンマッチング処理を実行することにより、撮像画像と、第1特徴画像とされる判定用画像と一致又は近似すると判定した場合、牧草の状態が通常であると判定する(S32でYES)。制御装置15は、牧草の状態が通常であり(S31でYES)、且つ、圃場が平坦であると判定した場合(S32でYES)、集草部43の圃場面(地面)からの高さを示す設定情報を、第2データテーブルTB2の第3の設定情報とすることにより、第1駆動装置49Aによって集草部43の高さが第1高さとなる(S33)。例えば、第1高さは、圃場面に最も近い予め定められた標準高さとしてもよいし、標準高さ以外の任意の高さとしてもよい。
【0090】
一方、制御装置15は、牧草の状態が通常でないと判定した場合(S31でNO)、又は、圃場が平坦でないと判定した場合(S32でNO)、集草部43の圃場面(地面)からの高さを示す設定情報を、第2データテーブルTB2の第4の設定情報に変更することにより、第1駆動装置49Aによって集草部43の高さが、第1高さよりも高い第2高さに変更される(S34)。なお、制御装置15は、フロントカメラ17Aの撮像データ(撮像画像)について画像解析処理を行い、撮像画像が、圃場が平坦でないことを示す第3特徴画像であると判定した場合、又は、撮像画像と予め記憶装置16Cに記憶された複数種類の判定用画像とのパターンマッチング処理を実行することにより、撮像画像と、第3特徴画像とされる判定用画像と一致又は近似すると判定した場合、圃場が平坦でないと判定する(S32でNO)ことも可能である。更に、制御装置15は、拡散機1Bが圃場の刈草の拡散作業(拡散工程)において位置検出装置60Bが検出した圃場の各場所の位置情報(地形情報)を支援装置84から受信しておき、この地形情報に基づいて、又は、補足情報として用いて、圃場が平坦であるか否かを判定するようにしてもよい。
【0091】
制御装置15は、S33のあと、又は、S34のあと、作業終了か否かを判定する(S35)。例えば、制御装置15は、作業者による集草作業の終了指示を受けた場合(S35でYES)、本処理を終了する。制御装置15は、作業者による集草作業の終了指示がない場合(S35でNO)、S31の処理に戻る。
次に、図16に示すフローチャートについて説明する。図16は、フロントカメラ17Aの撮像データに基づいて走行速度を制御する制御処理を示すフローチャートである。ここでは、集草機1Cは、図6に示す第2タイプ1CBであり、運転者による表示装置4Cへの操作指示に従って、第3の調整モードが選択されているとする。
【0092】
制御装置15は、作業者による集草作業の開始指示に基づいて、集草作業を開始すると、図9に示す第3データテーブルTB3を用いて、フロントカメラ17Aの撮像データが示す牧草の量が第1上限値以上であるか否かを判定する(S41)。例えば、制御装置15は、フロントカメラ17Aの撮像データ(撮像画像)について画像解析処理を行い、撮像画像での牧草の量が第1上限値以上であると判定した場合、又は、撮像画像と予め記憶装置16Cに記憶された複数種類の判定用画像とのパターンマッチング処理を実行することにより、撮像画像と、第1上限値以上とされる判定用画像と一致又は近似すると判定した場合、牧草の量が第1上限値以上であると判定する(S41でYES)。
【0093】
制御装置15は、牧草の量が第1上限値以上であると判定した場合(S41でYES)、走行車両2Cの走行速度を示す設定情報を、図9に示す第3データテーブルTB3における第1速度を示す設定情報に変更することにより、走行車両2Cの走行速度を第1速度にする(S42)。制御装置15は、原動機11及び変速装置12を制御して走行車両2Cの走行速度を第1速度にする。なお、制御装置15は、牧草の量が第1上限値以上であると判定した場合(S41でYES)、第1上限値を超える値の大きさに応じて、走行車両2Cの第1速度の大きさを小さくしてもよい。つまり、牧草の量が多いほど走行車両2Cの第1速度を遅くする。
【0094】
一方、制御装置15は、牧草の量が第1上限値以上でないと判定した場合(S41でNO)、フロントカメラ17Aの撮像データが示す圃場の状態が平坦であるか否かを判定する(S43)。例えば、制御装置15は、フロントカメラ17Aの撮像データ(撮像画像)について画像解析処理を行い、撮像画像での圃場の状態が平坦であると判定した場合、又は、撮像画像と予め記憶装置16Cに記憶された複数種類の判定用画像とのパターンマッチング処理を実行することにより、撮像画像と、平坦な圃場を示す判定用画像と一致又は近似すると判定した場合、圃場の状態が平坦であると判定する(S43でYES)。制御装置15は、圃場の状態が平坦であると判定した場合(S43でYES)、走行車両2Cの走行速度を示す設定情報を、図9に示す第3データテーブルTB3における第2速度を示す設定情報に変更することにより、走行車両2Cの走行速度を第2速度にする(S44)。制御装置15は、原動機11及び変速装置12を制御して走行車両2Cの走行速度を第2速度にする。
【0095】
一方、制御装置15は、S43において、圃場の状態が平坦でないと判定した場合(S43でNO)、フロントカメラ17Aの撮像データが示す牧草の量が第1下限値以下であるか否かを判定する(S44)。例えば、制御装置15は、フロントカメラ17Aの撮像データ(撮像画像)について画像解析処理を行い、撮像画像での牧草の量が第1下限値以下であると判定した場合、又は、撮像画像と予め記憶装置16Cに記憶された複数種類の判定用画像とのパターンマッチング処理を実行することにより、撮像画像と、第1下限値以下とされる判定用画像と一致又は近似すると判定した場合、牧草の量が第1下限値以下であると判定する(S44でYES)。制御装置15は、牧草の量が第1下限値以下であると判定した場合(S44でYES)、走行車両2Cの走行速度を示す設定情報を、図9に示す第3データテーブルTB3における第2速度を示す設定情報に変更することにより、走行車両2Cの走行速度を第2速度にする(S45)。
【0096】
また、制御装置15は、牧草の量が第1下限値以下でないと判定した場合(S44でNO)、走行車両2Cの走行速度を示す設定情報を、現状の設置情報のまま維持する(S46)。
続いて、制御装置15は、S42のあと、又は、S45のあと、作業終了か否かを判定する(S47)。例えば、制御装置15は、作業者による集草作業の終了指示を受けた場合(S47でYES)、本処理を終了する。制御装置15は、作業者による集草作業の終了指示がない場合(S47でNO)、S41の処理に戻る。
【0097】
つまり、制御装置15は、撮像画像が画像GA2の場合(つまり、牧草が多い場合)、又は、圃場が平坦でない場合(でこぼこしている場合)、走行車両2Cの走行速度を第1速度に変更(減少)させ、撮像画像が画像GA3の場合(つまり、牧草が少ない場合)、走行車両2Cの走行速度を第2速度に変更(増加)させ、撮像画像が画像GA1の場合(つまり、牧草が普通の量である場合)、走行車両2Cの走行速度を現状の速度で維持する。
【0098】
次に、図17に示すフローチャートについて説明する。図17は、フロントカメラ17Aの撮像データとリアカメラ17Bの撮像データとに基づいてPTO軸AXの回転速度を制御する制御処理を示すフローチャートである。ここでは、集草機1Cは、図6に示す第1タイプ1CAであり、運転者による表示装置4Cへの操作指示に従って、第4の調整モードが選択されているとする。
【0099】
制御装置15は、作業者による集草作業の開始指示に基づいて、集草作業を開始すると、図10に示す第4データテーブルTB4を用いて、リアカメラ17Bの撮像データが示す撮像画像が第4特徴画像(集草列GLが三角形で硬い状態である場合)であるか否かを判定する(S51)。例えば、制御装置15は、リアカメラ17Bの撮像データ(撮像画像)について画像解析処理を行い、撮像画像での集草列GLが三角形で硬い状態であると判定した場合、又は、撮像画像と予め記憶装置16Cに記憶された複数種類の判定用画像とのパターンマッチング処理を実行することにより、撮像画像と、集草列GLが三角形で硬い状態とされる判定用画像と一致又は近似すると判定した場合、撮像画像が第4特徴画像であると判定する(S51でYES)。
【0100】
制御装置15は、リアカメラ17Bの撮像データ(撮像画像)が第4特徴画像であると判定した場合(S51でYES)、PTO軸AXの回転速度を示す設定情報を、図10に示す第4データテーブルTB4における第1回転速度を示す設定情報に変更することにより、PTO軸AXの回転速度を第1回転速度にする(S52)。制御装置15は、PTO変速装置41を制御し、PTO変速装置41がPTO軸AXの回転速度を第1回転速度に変更する。
【0101】
一方、制御装置15は、リアカメラ17Bの撮像データ(撮像画像)が第4特徴画像でないと判定した場合(S51でNO)、フロントカメラ17Aの撮像データが示す圃場の状態が平坦であるか否かを判定する(S53)。例えば、制御装置15は、フロントカメラ17Aの撮像データ(撮像画像)について画像解析処理を行い、撮像画像での圃場の状態が平坦であると判定した場合、又は、撮像画像と予め記憶装置16Cに記憶された複数種類の判定用画像とのパターンマッチング処理を実行することにより、撮像画像と、平坦な圃場を示す判定用画像と一致又は近似すると判定した場合、圃場の状態が平坦であると判定する(S53でYES)。制御装置15は、圃場の状態が平坦であると判定した場合(S53でYES)、PTO軸AXの回転速度を示す設定情報を維持し、PTO軸AXの回転速度を現状の回転速度のまま維持する(S55)。
【0102】
一方、制御装置15は、S53において、圃場の状態が平坦でないと判定した場合(S53でNO)、PTO軸AXの回転速度を示す設定情報を、図10に示す第4データテーブルTB4における第2回転速度を示す設定情報に変更することにより、PTO軸AXの回転速度を、第1回転速度よりも速い第2回転速度に変更する(S54)。制御装置15は、PTO変速装置41を制御し、PTO変速装置41がPTO軸AXの回転速度を第2回転速度に変更する。
【0103】
制御装置15は、S52のあと、S54のあと、又は、S55のあと、作業終了か否かを判定する(S56)。例えば、制御装置15は、作業者による集草作業の終了指示を受けた場合(S56でYES)、本処理を終了する。制御装置15は、作業者による集草作業の終了指示がない場合(S56でNO)、S51の処理に戻る。
つまり、制御装置15は、リアカメラ17Bの撮像画像が画像GB2の場合(つまり、集草列GLが三角形で硬い状態である場合)、PTO軸AXの回転速度を第1回転速度に変更(減少)させ、フロントカメラ17Aの撮像画像が第3特徴画像である場合(圃場がでこぼこしている場合)、PTO軸AXの回転速度を第2回転速度に変更(増加)させ、それ以外の場合(集草列GLが三角形で硬い状態でなく、且つ、圃場が平坦である場合)に、PTO軸AXの回転速度を現状の速度で維持する。
【0104】
本発明の一態様に係る作業機(集草機1C)は、走行車両2Cと、走行車両2Cに連結され、且つ、圃場の牧草を集めて集草列を作成する集草装置3C(作業装置)と、圃場の牧草又は集草列の状態を取得するセンシング装置17と、集草装置3Cが集草作業を行う場合に、センシング装置17が取得した状態に基づいて集草装置3Cの設定情報を変更する制御装置15と、を備える。この構成によれば、制御装置15は、集草装置3Cが集草作業を行う場合に、センシング装置17が取得した状態に基づいて集草装置3Cの設定情報を変更するので、集草装置3Cによる集草作業状態、即ち、スワスの形状を簡単に、できるだけ一定にすることができる。このため、作業者が目視で圃場の牧草又は集草列の状態を確認しながら集草装置3Cによる集草作業の状態を変更する操作を行うことを省略することができる。
【0105】
また、センシング装置17は、圃場の牧草又は集草列の状態を撮像する撮像装置(フロントカメラ17A、リアカメラ17B)を含み、制御装置15は、前記撮像装置が撮像した撮像データに基づいて集草装置3Cの設定情報を変更する。この構成によれば、制御装置15は、撮像装置が撮像した撮像データに基づいて集草装置3Cの設定情報を変更するので、圃場の牧草又は集草列の状態に応じて、集草装置3Cによる集草作業状態をリアルタイムに変更することができる。このため、圃場の牧草又は集草列の状態に応じて、適切な集草列を作成することができる。
【0106】
また、制御装置15は、第1撮像装置(リアカメラ17B)が撮像した、作成された集草列の状態を示す作業結果の撮像データに基づいて、集草装置3Cの設定情報を変更する。この構成によれば、制御装置15は、リアカメラ17Bが撮像した、作成された集草列の状態を示す作業結果の撮像データに基づいて集草装置3Cの設定情報を変更するので、作成後の集草列の状態に応じて、集草装置3Cによる集草作業状態をリアルタイムに変更することができる。このため、適切な集草列を作成することができる。
【0107】
また、制御装置15は、第2撮像装置(フロントカメラ17A)が撮像した、圃場の牧草の状態を示す作業前の撮像データに基づいて、集草装置3Cの設定情報を変更する。この構成によれば、制御装置15は、フロントカメラ17Aが撮像した、圃場の牧草の状態を示す作業前の撮像データに基づいて集草装置3Cの設定情報を変更するので、集草作業前の圃場の牧草の状態に応じて、集草装置3Cによる集草作業状態をリアルタイムに変更することができる。このため、適切な集草列を作成することができる。
【0108】
また、制御装置15は、第1撮像装置(リアカメラ17B)が撮像した、作成された集草列の状態を示す作業結果の撮像データと、第2撮像装置(フロントカメラ17A)が撮像した、圃場の牧草の状態を示す作業前の撮像データとに基づいて、集草装置3Cの設定情報を変更する。この構成によれば、制御装置15は、リアカメラ17Bが撮像した、作成された集草列の状態を示す作業結果の撮像データと、フロントカメラ17Aが撮像した、圃場の牧草の状態を示す作業前の撮像データに基づいて集草装置3Cの設定情報を変更するので、集草作業前の圃場の牧草の状態と作成後の集草列の状態とに応じて、集草装置3Cによる集草作業状態をリアルタイムに変更することができる。このため、適切な集草列を作成することができる。
【0109】
また、集草装置3Cは、本体44と、本体44に回転自在に支持された回転軸45と、回転軸45に連結され且つ当該回転軸45から放射状に延出した複数のタインアーム(つまりアーム46)と、複数のアーム46それぞれに連結されて下方向に延出する集草具47と、集草列を形成するための板状部材(スワスカーテン)48と、を有する集草部43を備え、制御装置15は、作業結果の撮像データに基づいて、集草装置3Cの設定情報のうち、板状部材48の集草部43に対する離間距離を示す設定情報を変更する。この構成によれば、制御装置15は、作成された集草列の状態を示す作業結果の撮像データに基づいて、板状部材48の本体44(集草部43)に対する離間距離を示す設定情報を変更するので、集草装置3Cによる板状部材48の本体44(集草部43)に対する離間距離をリアルタイムに変更することができる。このため、適切な集草列を作成することができる。
【0110】
また、制御装置15は、作業前の撮像データに基づいて、集草装置3Cの設定情報のうち、板状部材48の集草部43に対する離間距離を示す設定情報を変更する。この構成によれば、制御装置15は、圃場の牧草の状態を示す作業前の撮像データに基づいて、板状部材48の集草部43に対する離間距離を示す設定情報を変更するので、集草装置3Cによる板状部材48の集草部43に対する離間距離をリアルタイムに変更することができる。このため、適切な集草列を作成することができる。
【0111】
また、集草装置3Cは、集草部43を備え、制御装置15は、作業前の撮像データに基づいて、集草装置3Cの設定情報のうち、集草部43の下端と圃場までの距離を示す設定情報を変更する。この構成によれば、制御装置15は、圃場の牧草の状態を示す作業前の撮像データに基づいて、集草部43の下端と圃場までの距離を示す設定情報を変更するので、集草装置3Cによる集草部43の下端と圃場までの距離をリアルタイムに変更することができる。このため、適切な集草列を作成することができる。
【0112】
また、集草装置3Cは、集草部43を備え、制御装置15は、作業前の撮像データに基づいて、集草装置3Cの設定情報のうち、走行車両2Cの走行速度を示す設定情報を変更する。この構成によれば、制御装置15は、圃場の牧草の状態を示す作業前の撮像データに基づいて、走行車両2Cの走行速度を示す設定情報を変更するので、走行車両2Cの走行速度をリアルタイムに変更することができる。このため、適切な集草列を作成することができる。
【0113】
また、走行車両2Cは、原動機11と、原動機11の動力によって駆動するPTO軸AXとを備え、集草装置3Cは、集草部43を備え、制御装置15は、作業前の撮像データに基づいて、集草装置3Cの設定情報のうち、PTO軸AXの回転速度を示す設定情報を変更する。この構成によれば、制御装置15は、圃場の牧草の状態を示す作業前の撮像データに基づいて、PTO軸AXの回転速度を示す設定情報を変更するので、PTO軸AXの回転速度をリアルタイムに変更することができる。このため、適切な集草列を作成することができる。
【0114】
また、制御装置15は、作業結果の撮像データに基づいて、集草装置3Cの設定情報のうち、PTO軸AXの回転速度を示す設定情報を変更する。この構成によれば、制御装置15は、作成された集草列の状態を示す作業結果の撮像データに基づいて、PTO軸AXの回転速度を示す設定情報を変更するので、PTO軸AXの回転速度をリアルタイムに変更することができる。このため、適切な集草列を作成することができる。
【0115】
なお、上記実施形態では、第1駆動装置49Aは、集草部43の高さ位置を変更しているが、集草具(タイン)47の高さを変更する構成であれば、連結フレーム42、集草具(タイン)47、アーム46の何れかの高さを変更する構成であってもよい。また、第1駆動装置49Aに替えて連結部8を使用し、連結部8の昇降機能を用いて集草部43の高さ位置を変更してもよい。
【0116】
また、制御装置15は、図18に示すように、第1撮像装置(リアカメラ17B)が撮像した、作成された集草列の状態を示す作業結果の撮像データと、第2撮像装置(フロントカメラ17A)が撮像した、圃場の牧草の状態を示す作業前の撮像データとの解析処理を、人工知能(AI:Artificial Intelligence)を用いて実行するようにしてもよい。制御装置15は、撮像データと、学習データ又は教師(正解)データとによる分析・学習(つまり、機械学習)を行うことで、圃場の刈草(牧草)の量が第1上限値以上であるか第1下限値以下であるか、集草列GLの横幅(スワス幅)が第1上限幅以上であるか第1下限幅以下であるか、第1~第4特徴画像に一致するか否かなどを判断するようにしてもよい。
【0117】
なお、集草機1Cの制御装置15は、例えば運転者による優先度の指示に従って、第1~第4の調整モードについて優先度を設定し、最優先の調整モードを実行するようにしてもよい。第1~第4の調整モードはそれぞれ、板状部材(スワスカーテン)48の間隔位置の調整、集草部(タイン)43の高さの調整、走行車両2Cの走行速度の調整、PTO軸AXの回転速度の調整を行うものである。優先度が、第2の調整モード>第3の調整モード>第4の調整モード>第1の調整モードの順である場合、第2の調整モードが最優先されて実行される。また、集草機1Cの制御装置15は、集草装置3Cのタイプが第1タイプ1CA、第2タイプ1CB、及び第3タイプ1CCの何れであるかに従って、第1~第4の調整モードのうちで該当しない調整モードについては無効としてもよい。例えば、第1タイプ1CAであれば、板状部材(スワスカーテン)48を有しないので、第1の調整モードが無効とされる。また、集草装置3Cが、集草部(タイン)43の高さが変更不可である場合には、第2の調整モードが無効とされる。
【0118】
また、集草機1Cの制御装置15は、図13に示すS11、S13、図14に示すS21、S23、S24、図15に示すS31、S32、図16に示すS41、S43、S44の何れかにおいて、画像解析処理又はパターンマッチング処理についてエラーが発生した場合(例えば、判定不能となった場合、第1上限値以上の値、第1下限値以下の値、第1上限幅以上の値、第1下限幅以下の値が範囲外の値となった場合)、集草装置3Cの設定情報を現状維持のままとし、集草装置3Cの設定情報の変更を一時的に見合わせ、エラー発生を記憶装置16Cに記憶させるとしてもよい。この場合には、不慮のエラーが発生した場合であっても、集草装置3Cを想定外の動作となることを防止することができる。
【0119】
<第1変形例>
第1変形例では、集草機1Cは、位置検出装置60C(測位装置)を備える。拡散機1Bは、圃場の拡散させた牧草(刈草)を撮像するリアカメラ17Bを備え、拡散作業の際に、圃場の拡散させた牧草(刈草)の撮像画像と、撮影時の位置情報とを対応付けて記憶又は外部装置(サーバーなど)に送信して記憶させておく。そして、集草機1Cの制御装置15は、集草工程前の拡散工程において撮像され、且つ撮像位置を示す位置情報が対応付けられた撮像データを取得し、当該取得した撮像データのうちで、集草機1Cの位置検出装置60Cにて測位された測位情報に一致する位置情報に対応する撮像データに基づいて、集草装置3C(作業装置)の設定情報を変更するようにしてもよい。
【0120】
この第1変形例の構成によれば、制御装置15は、集草工程前の拡散工程において撮像された撮像データに基づいて集草装置3C(作業装置)の設定情報を変更するので、圃場の牧草又は集草列の状態に応じて、集草装置3C(作業装置)による集草作業状態を変更することができる。このため、圃場の牧草又は集草列の状態に応じて、適切な集草列を作成することができる。
【0121】
<第2変形例>
第2変形例では、集草機1Cは、位置検出装置60C(測位装置)と、記憶装置16Cと、通信装置82Cと、を備える。制御装置15は、圃場における集草装置3Cの集草作業中、つまり、集草列GLの作成中に位置検出装置60Cにて測位された測位情報と、作業結果の撮像データ(例えばリアカメラ17Bにて撮像された撮像画像)と、時刻情報(タイムスタンプ)とを対応付けた作業結果の実績データを生成して、記憶装置16Cに記憶させる。そして、制御装置15は、記憶装置16Cに記憶された実績データを通信装置82Cによって外部の情報処理装置(例えば、外部機器83又は支援装置84)に送信させ、外部機器83又は支援装置84に記憶させる。外部機器83又は支援装置84では、集草機1Cの実績データに基づいて、集草作業後の結果の確認を行うことができる。
【0122】
この第2変形例の構成によれば、制御装置15は、位置検出装置60C(測位装置)にて測位された測位情報と、作業結果の撮像データとを対応付けた作業結果の実績データを生成して記憶装置16Cに記憶させ、記憶装置16Cに記憶された実績データを通信装置82Cによって外部の情報処理装置に送信させるので、集草工程後の成形工程(つまり、牧草をロール状に成形する際)において、成形機1Dが作業結果の実績データを有効活用することができる。
【0123】
また、図1に示すように、牧草管理システムは、第3物理量検出装置50を備えるとしてもよい。第3物理量検出装置50は、第1物理量検出装置81及び第2物理量検出装置150と同様に、牧草に関する物理量、例えば、牧草内に含まれる成分(水分量、タンパク質)等を検出する装置である。第3物理量検出装置50は、集草機1Cに設けられている。第3物理量検出装置50は、少なくとも集草機1Cによる集草作業時における牧草の水分値(第3水分値という)を取得する。
【0124】
第3物理量検出装置50は、集草部43に設けられ、集草作業時に刈草(牧草)の第3水分値を取得する。例えば、第3物理量検出装置50は、分光分析装置であって、所定の周波数を有する光源を牧草に照射すると共に牧草からの反射光を受光することで牧草の水分を分析する分光分析装置である。第3物理量検出装置50は、走行車両2Cに設けられた制御装置15又は記憶装置16Cに接続されている。制御装置15は、第3物理量検出装置50が取得した第3水分値と、位置検出装置60Cにおいて検出された集草位置(緯度、経度)とを対応付けて第3水分値のマップデータとして記憶装置16Cに記憶させる。図19に示すように、検出された集草位置と第3水分値とを対応付けた第3水分値のマップデータが記憶装置16Aに記憶される。
【0125】
例えば、走行車両2Cの走行開始、集草装置3CへのPTO軸AXからの動力伝達の開始、集草部43の駆動開始を、制御装置15又は第3物理量検出装置50が検出すると、当該第3物理量検出装置50は第3水分値の取得を開始する。また、走行車両2Cの走行終了、集草装置3CへのPTO軸AXからの動力伝達の終了、集草部43の駆動終了を、制御装置15又は第3物理量検出装置50が検出すると、当該第3物理量検出装置50は第3水分値の取得を終了する。なお、第3物理量検出装置50の第3水分値の取得開始、取得終了は、上述した例に限定されず、例えば、走行車両2Cの運転席周りに設けた操縦装置が操作された場合、運転席周りに設けた表示装置、スイッチ等によって刈取作業の開始又は終了が指示された場合等に行ってもよい。或いは、運転席の周りに第3物理量検出装置50に対して第3水分値の取得開始や取得終了の指令を行うスイッチ等を設けてもよい。
【0126】
制御装置15は、上記の作業結果の実績データに第3水分値を加えて通信装置82Cによって外部の情報処理装置に送信させるようにしてもよい。この場合には、集草工程後の成形工程(つまり、牧草をロール状に成形する際)において、成形機1Dが作業結果の実績データを更に有効活用することができる。
なお、上記実施形態、各変形例では、走行車両2Cが制御装置15を備えているが、集草装置3C(作業装置)が制御装置15を備えるとしてもよい。この構成であっても、上記実施形態、各変形例と同様の効果を得ることができる。
【0127】
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0128】
1C 集草機
2C 走行車両
3C 集草装置
11 原動機
15 制御装置
17 センシング装置
17A フロントカメラ(第2撮像装置)
17B リアカメラ(第1撮像装置)
43 集草部
44 本体
45 回転軸
46 アーム(タインアーム)
47 集草具
48 板状部材(スワスカーテン)
AX PTO軸
GL 集草列
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図19
図20
図21A
図21B