(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-16
(45)【発行日】2025-05-26
(54)【発明の名称】移動体及びゴミ回収システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20250519BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20250519BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20250519BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20250519BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20250519BHJP
B65F 5/00 20060101ALI20250519BHJP
【FI】
G08G1/00 X
G01C21/34
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/60
B65F5/00
(21)【出願番号】P 2024066490
(22)【出願日】2024-04-17
(62)【分割の表示】P 2023516326の分割
【原出願日】2022-03-11
【審査請求日】2024-04-17
(31)【優先権主張番号】P 2021073009
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千葉 洋平
(72)【発明者】
【氏名】吉田 道学
【審査官】西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-067215(JP,A)
【文献】特開2021-018734(JP,A)
【文献】特開2006-209644(JP,A)
【文献】特開2020-075326(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0101290(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-25/00
G16Y 10/40
G16Y 20/20
G16Y 40/60
G05D 1/00- 1/87
B65F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴミを回収する移動体であって、
移動経路を示す経路情報に従って前記移動体を自律移動させる移動制御部を有する制御装置と、
人の移動を検知する人センサと、
前記移動経路の途中において前記移動経路または移動経路沿いに存在する人の有するゴミを受け入れるゴミ箱と、
を備え、
前記移動制御部は、
前記人センサが前記移動体へ人の接近する状態を検知すると、前記移動体の速さを低下し、ゴミを捨てやすい速度で前記移動体を走行させた後、前記人センサが前記移動体から人の遠ざかる状態を検知すると、前記移動体の速さを増加
し、
前記移動体は、さらに、
前記ゴミ箱を監視するゴミ箱監視装置を備え、
前記制御装置は、
前記ゴミ箱監視装置の監視結果を用いて、前記ゴミ箱の中から前記ゴミ箱の外へ位置の変化したゴミが有るかどうかを判定する移動体。
【請求項2】
周辺を撮影する撮影装置を備え、
前記制御装置は、
前記撮影装置の撮影画像からゴミを抽出し、ゴミが抽出されると前記移動体を管理する管制装置にゴミの抽出通知を送信するゴミ抽出部を有する、
請求項1に記載の移動体。
【請求項3】
周辺を撮影する撮影装置と、
前記経路情報で示される前記移動経路の周辺の前記撮影装置による画像からゴミを持つ人を抽出するゴミ抽出部と、
を備え、
前記移動制御部は、
前記画像から前記ゴミ抽出部によってゴミを持つ人が抽出されると、前記移動体を前記移動経路から離脱させてゴミを持つ人へ接近させ、センサによってゴミを持つ人からのゴミの回収が確認された場合、移動体を元の前記移動経路に復帰させる、
請求項1に記載の移動体。
【請求項4】
移動経路を示す経路情報に従って自律移動し、前記移動経路の途中において前記移動経路または移動経路沿いに存在する人の有するゴミを受け入れるゴミ箱を備える移動体と、
前記経路情報を生成して前記移動体へ送信する経路情報生成部を有する管制装置と、
を備え、
前記移動体は、
カメラと、
前記移動経路または移動経路沿いに存在する人から声掛けされると、声掛けの発出方向を特定し、前記発出方向と、前記移動体の現在位置とを含む声掛け発生情報を生成し、前記声掛け発生情報を前記管制装置へ送信する会話部を有する制御装置とを備え、
前記管制装置は、さらに、
前記声掛け発生情報を受信すると、前記発出方向と、前記現在位置とを前記経路情報生成部へ送信する呼び掛け応答部を備え、
前記経路情報生成部は、
前記発出方向と前記現在位置とに基づいて、前記移動体を巡回経路における前記現在位置から前記発出方向に向かわせる前記経路情報を生成し、生成した前記経路情報を前記移動体へ送信し、
前記移動体の前記制御装置は、さらに、
前記経路情報生成部が前記発出方向と前記現在位置とに基づいて生成した前記経路情報を受信すると、声掛けを行った前記人を前記カメラの撮影画像から画像認識し、画像認識した前記人を追尾し、追尾中の前記人に向かって進行する移動制御部を備え、
前記会話部は、
前記移動制御部による追尾中の前記人に向かって音声を発出し、
前記移動制御部は、
追尾中の前記人の存在方向から前記会話部の発出した前記音声への返答があった場合に、画像認識した前記人の追尾を継続し、前記音声への返答がない場合に元の前記移動経路に移動体を戻す、
ゴミ回収システム。
【請求項5】
移動経路の経路情報に従って自律移動し、ゴミ箱を備える移動体と、
前記経路情報を生成する経路情報生成部と、
を備え、
前記移動体は、
センサと、
収音マイクと、
スピーカーと、
前記収音マイクから得られた音声情報から音声の発出方向を推定する会話部を有する制御装置と、
を備え、
前記経路情報生成部は、
前記移動体を現在位置から前記発出方向へ向かわせる立ち寄り経路を生成し、
前記移動体の前記制御装置は、
現在の移動経路を前記立ち寄り経路に変更し、前記センサの検知したセンサ情報に基づいて前記発出方向に存在する人を追尾する移動制御部を備え、
前記会話部は、
前記移動制御部による追尾中の前記人に向かって前記スピーカーから音声を発出し、
前記移動制御部は、
追尾中の前記人の存在方向から発出した前記音声への返答があった場合、前記人の追尾を継続させ、
前記移動制御部は、
前記センサによって計測される追尾中の前記人との距離が所定以下となると前記移動体を旋回動作させ、前記移動体を停止させつつ、前記会話部により追尾中の前記人にゴミ捨てを促す音声を前記スピーカーから発出させる、
ゴミ回収システム。
【請求項6】
前記会話部は、
ゴミ捨てを促す音声を前記スピーカーから発出後、前記センサによりゴミ箱へのゴミ捨てを検出したときもしくは設定時間が経過したときに、前記スピーカーから元の経路に戻ることを伝える応答音声を発出して、周囲の人からゴミ捨て継続を求める意思を示す音声が発出されたことを検出すると、前記移動制御部に前記移動体の停止状態を設定時間だけ継続させ、周囲の人からゴミ捨て継続を求める意思を示す音声が発出されていないことを確認すると、前記移動制御部に前記移動体を元の移動経路に戻させる、
請求項5に記載のゴミ回収システム。
【請求項7】
前記移動制御部は、
前記立ち寄り経路より優先して追尾中の前記人に向かって前記移動体を進行させ、追尾動作によって移動体が立ち寄り経路から設定距離以上離れた場合、前記立ち寄り経路を更新する、
請求項5または請求項6に記載のゴミ回収システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自律移動する移動体である移動ゴミ箱、移動ゴミ箱を備えるゴミ回収システム、及び移動ゴミ箱を制御する管制装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術には、ユーザからのゴミの回収要求に関する要求情報を取得する取得部と、要求情報に対応可能な対応移動体の有無を判定する判定部と、対応移動体がある場合に、要求情報に基づく回収地点に対応移動体を派遣するための派遣指令を生成する生成部と、派遣指令に基づいて回収地点に対応移動体を誘導し、回収要求の対象となる対象ゴミの回収を対応移動体に実行させる誘導部と、を備えるゴミ回収管理システムの開示がある。ここで対応移動体はゴミ回収車であり、かつ、自動運転車両である(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
特許文献1のシステムでは、ユーザからの要求情報に応答して、自動運転車両であるゴミ回収の回収移動体が配車される。しかし、観光地またはテーマパークのような場所において、空のペットボトルのようなゴミを捨てたいときに、わざわざゴミ回収車を呼ぶのは手間であり待ち時間も面倒であり、また、周りの人眼も気になる。そのためには、ゴミを捨てたいときに、移動ゴミ箱が巡回しておりゴミを廃棄できるという状況が好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、ゴミを回収する回収移動体を呼び、そして回収移動体の到着を待つという手間を省くことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、ゴミを回収する移動体である。
本開示に係る移動体は、
移動経路を示す経路情報に従って前記移動体を自律移動させる移動制御部を有する制御装置と、
人の移動を検知する人センサと、
前記移動経路の途中において前記移動経路または移動経路沿いに存在する人の有するゴミを受け入れるゴミ箱と、
を備え、
前記移動制御部は、
前記人センサが前記移動体へ人の接近する状態を検知すると、前記移動体の速さを低下し、ゴミを捨てやすい速度で前記移動体を走行させた後、前記人センサが前記移動体から人の遠ざかる状態を検知すると、前記移動体の速さを増加する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ゴミを回収する回収移動体を呼び、そして、回収移動体の到着を待つという手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1の図で、ゴミ回収システム1000のシステム構成を示す図。
【
図2】実施の形態1の図で、ゴミ回収システム1000の備える移動ゴミ箱100の外観図。
【
図3】実施の形態1の図で、移動ゴミ箱100が使用される観光地400を示す図。
【
図4】実施の形態1の図で、ゴミ回収システム1000の具体的な構成を示す図。
【
図5】実施の形態1の図で、移動ゴミ箱100の搭載する各装置を示す図。
【
図6】実施の形態1の図で、制御装置110のハードウェア構成図。
【
図7】実施の形態1の図で、管制装置200のハードウェア構成図。
【
図8】実施の形態1の図で、移動ゴミ箱100が巡回する、観光地400の経路を示す図。
【
図9】実施の形態2の図で、管制装置200が人流情報生成部203を備える構成を示す図。
【
図10】実施の形態2の図で、管制装置200のハードウェア構成を示す。
【
図11】実施の形態2の図で、人流情報生成部203による人流情報13の生成タイプとして、タイプAからタイプEを示す図。
【
図12】実施の形態2の図で、人流情報13の値Vを示す数直線を示す図。
【
図13】実施の形態2の図で、過疎経路、値V31の中間密度経路、値V32の中間密度経路、過密経路、値V32の中間密度経路からなる経路情報を示す図。
【
図14】実施の形態3の図で、管制装置200が管制側警報部204を備える構成を示す図。
【
図15】実施の形態3の図で、制御装置110のハードウェア構成を示す図。
【
図16】実施の形態3の図で、管制装置200のハードウェア構成を示す図。
【
図17】実施の形態4の図で、管制装置200が呼び掛け応答部205を備える構成を示す図。
【
図18】実施の形態4の図で、制御装置110のハードウェア構成を示す図。
【
図19】実施の形態4の図で、管制装置200のハードウェア構成を示す図。
【
図20】実施の形態4の図で、観光客410の有する移動端末から呼び出し情報が送信されたときの、ゴミ回収システム1000の動作シーケンス図。
【
図21】実施の形態4の図で、観光客410が移動ゴミ箱100に声掛けしたときの、ゴミ回収システム1000の動作シーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態の説明及び図面において、同じ要素及び対応する要素には同じ符号を付している。同じ符号が付された要素の説明は、適宜に省略又は簡略化する。以下の実施の形態では、「部」を、「回路」、「工程」、「手順」、「処理」又は「サーキットリー」に適宜読み替えてもよい。
【0010】
実施の形態1.
図1から
図8を参照して、実施の形態1のゴミ回収システム1000を説明する。
【0011】
***構成の説明***
図1は、ゴミ回収システム1000のシステム構成を示す。
図2は、ゴミ回収システム1000の備える移動ゴミ箱100の外観を示す。
図3は、移動ゴミ箱100が使用される観光地400を示す。
【0012】
<ゴミ回収システム1000>
図1に示すように、ゴミ回収システム1000は、複数の移動ゴミ箱100と管制装置200とを備えている。各移動ゴミ箱100と管制装置200とは、ネットワーク330を介して通信を行う。移動ゴミ箱100は、管制装置200の経路情報生成部201の送信する経路情報201aを受信し、経路情報201aに従って自律移動する。なお経路情報生成部201は後述する通信インタフェース960Bを介して経路情報201aを送信する。移動ゴミ箱100はAMR(autonomous mobile robot))と呼ばれる。移動ゴミ箱100は、観光地、テーマパークのような場所で使用される。以下の説明では、移動ゴミ箱100は観光地400で使用される場合を例として説明する。移動ゴミ箱100は観光地400を巡回する。
【0013】
<ゴミ箱120>
図2に示すように、移動ゴミ箱100はゴミ箱120を備えている。移動ゴミ箱100は4つのタイヤ101で移動する。なお
図2ではリヤ右のタイヤ101は見えていない。また、移動ゴミ箱100はゴミ箱120の他に、GNSSアンテナ605、カメラ181、ソナー182、ミリ波レーダ183、ライダー(LiDAR)184のような自律移動のための様々なセンサを備えているが、これらセンサについては後述する。ゴミ箱120は、分別ゴミ箱121、分別ゴミ箱122及び分別ゴミ箱123からなる。別ゴミ箱には開口が形成されており、開口からゴミを入れることができる。移動ゴミ箱100の側面には、燃えるゴミ124a、プラスチックゴミ124b、飲料カップゴミ124cのように、分別ゴミ箱のゴミ種類が表示されている。分別ゴミ箱121には燃えるゴミ124a、分別ゴミ箱122にはプラスチックゴミ124b、分別ゴミ箱123には飲料カップゴミ124cの各表示が対応している。
【0014】
図3では複数の店舗320のある観光地を複数の観光客が歩いている。移動ゴミ箱100は観光地400を時速1kmから時速2km程度で走行する。移動ゴミ箱100は経路情報201aの示す経路に従って、観光地400を巡回する。店舗320の周辺には街頭カメラ310が設置されている。街頭カメラ310の撮影する画像は、後述の人流情報13の生成及びゴミ抽出のような処理に使用することができる。
【0015】
<ゴミ回収システム1000の構成>
図4は、ゴミ回収システム1000の具体的な構成を示す。移動ゴミ箱100は、制御装置110、ゴミ箱120及びカメラ181を含むセンサ群を備えている。移動ゴミ箱100は、GNSS衛星40から測位信号を受信して位置を測位し、測位結果とセンサ群の計測結果とを用いて自己位置推定を行う。管制装置200は、ネットワーク330を介して移動ゴミ箱100と通信を行う。制御装置110はゴミの回収状況を示すゴミ回収情報100bを、ネットワーク330を介して管制装置200へ送信する。管制装置200は、移動ゴミ箱100に経路情報201aを送信する。管制装置200の経路情報生成部201は、人流の情報、店舗情報、動的な地図情報及び施設の情報を、管制装置200の外部から取得する。移動ゴミ箱100及び管制装置200の具体的を以下に説明する。
【0016】
<移動ゴミ箱100の搭載する装置>
図5は、移動ゴミ箱100の搭載する各装置を示す。移動ゴミ箱100は、制御装置110、自律移動装置170及び統合センサユニット180を備えている。
【0017】
<統合センサユニット180>
統合センサユニット180は、GNSSアンテナ605、カメラ181、ソナー182、ミリ波レーダ183、ライダー184,GNSS測位装置185及びセンサフュージョン部186を備えている。統合センサユニット180は、移動ゴミ箱100が自律移動をするためのデータを計測するユニットである。カメラ181は、
図4に示すように、フロント側とリヤ側にそれぞれ設置される。カメラ181からライダー184をセンサ群と表記する場合がある。GNSSアンテナ605はGNSS測位装置185に接続されて、ロケータ(位置標定装置)を構成する。センサ群の計測データ及びGNSS測位装置185の測位結果は、センサフュージョン部186へ入力される。センサフュージョン部186は、入力されたデータを統合した統合情報188を移動制御部111へ入力する。
【0018】
<制御装置110>
制御装置110は、移動ゴミ箱100の自律移動を制御し、かつ、ゴミ箱120へのゴミ回収を支援する装置である。制御装置110は、移動制御部111、記憶装置112、ゴミ抽出部113及びゴミ量制御部114を備えている。移動制御部111は、統合センサユニット180から統合情報188が入力される。移動制御部111は、統合情報188と、記憶装置112に格納されている経路情報201aと、管制装置200からの指示とに基づいて、自律移動装置170が移動ゴミ箱100を自律移動させるための自律移動制御情報111aを生成する。ゴミ抽出部113は、センサ群を用いてゴミを抽出する。ゴミ抽出は後述する。ゴミ量制御部114は、分別ゴミ箱121,分別ゴミ箱122及び分別ゴミ箱123のゴミの収容容量を監視する。記憶装置112は、管制装置200から受信した高精度地図及びライダー184の計測した点群データを記憶し、高精度地図及び点群データベース(高精度地図/点群DB)119に格納している。また記憶装置112は、学習済みモデル113a及び管制装置200から受信した経路情報201aを記憶している。記憶装置112は補助記憶装置930Aで実現される。
【0019】
<自律移動装置170>
自律移動装置170は、自律移動制御情報111aに基づいて、移動ゴミ箱100を自律移動させる。具体的には、自律移動装置170は移動ゴミ箱100の備える、図示しないモータ及びステアリング機構のような走行機構を制御することで、移動ゴミ箱100を自律移動させる。なお移動ゴミ箱100はバッテリが動力源であり、移動ゴミ箱100はいわゆる電気自動車である。
【0020】
<制御装置110のハードウェア構成>
図6は、制御装置110のハードウェア構成である。制御装置110は、コンピュータである。制御装置110は、プロセッサ910Aを備える。制御装置110は、プロセッサ910Aの他に、主記憶装置920A、補助記憶装置930A、入力インタフェース940A、出力インタフェース950A及び通信インタフェース960Aといった、他のハードウェアを備える。プロセッサ910Aは、信号線970Aを介して、他のハードウェアと接続され、他のハードウェアを制御する。
【0021】
制御装置110は、機能要素として、移動制御部111、ゴミ抽出部113及びゴミ量制御部114を備える。移動制御部111、ゴミ抽出部113及びゴミ量制御部114の機能は、制御プログラム110aにより実現される。
【0022】
プロセッサ910Aは、制御プログラム110aを実行する装置である。制御プログラム110aは,移動制御部111、ゴミ抽出部113及びゴミ量制御部114の機能を実現するプログラムである。プロセッサ910Aは、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ910Aの具体例は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
【0023】
主記憶装置920Aの具体例は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)である。主記憶装置920Aは、プロセッサ910Aの演算結果を保持する。
【0024】
補助記憶装置930Aは、データを不揮発的に保管する記憶装置である。補助記憶装置930Aの具体例は、HDD(Hard Disk Drive)である。また、補助記憶装置930Aは、SD(登録商標)(Secure Digital)メモリカード、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD(Digital Versatile Disk)といった可搬記録媒体であってもよい。補助記憶装置930Aは、高精度地図及び点群データベース119、学習済みモデル113a、経路情報201a、制御プログラム110aを記憶している。
【0025】
入力インタフェース940Aは、各装置からデータが入力されるポートである。入力インタフェース940Aには統合センサユニット180が接続している。出力インタフェース950Aは、各種機器が接続され、各種機器にプロセッサ910Aによりデータが出力されるポートである。出力インタフェース950Aには、自律移動装置170が接続している。通信インタフェース960Aは、プロセッサが他の装置と通信するための通信ポートである。通信インタフェース960Aには、通信装置190が接続している。制御装置110は通信装置190によって管制装置200と通信する。具体的には通信装置190が、管制装置200の備える後述の通信装置210と通信することで、制御装置110と管制装置200との通信が成立する、
【0026】
制御装置110は、プロセッサ910Aを代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、制御プログラム110aの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、プロセッサ910Aと同じように、制御プログラム110aを実行する装置である。制御プログラム110aにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値及び変数値は、主記憶装置920A、補助記憶装置930A、または、プロセッサ910A内のレジスタあるいはキャッシュメモリに記憶される。
【0027】
制御プログラム110aは、移動制御部111、ゴミ抽出部113及びゴミ量制御部114の「部」を「処理」、「手順」あるいは「工程」に読み替えた各処理、各手順あるいは各工程をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0028】
また、制御方法は、コンピュータである制御装置110が制御プログラム110aを実行することにより行われる方法である。制御プログラム110aは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されて提供されてもよいし、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0029】
<管制装置200のハードウェア構成>
図7は、管制装置200のハードウェア構成である。管制装置200は、制御装置110と同様の構成のコンピュータである。管制装置200はハードウェアとしてプロセッサ910B等を備える。
図7の管制装置200の構成は
図6の制御装置110と同様であるのでプロセッサ等の符号を
図6のAに対してBとしている。
図6の制御装置110と異なる部分のみを説明する。
【0030】
管制装置200は、機能要素として、経路情報生成部201及び移動体監視部202を備える。経路情報生成部201及び移動体監視部202の機能は、管制プログラム200aにより実現される。管制プログラム200aはプロセッサ910Bにより実行される。補助記憶装置930Bは管制プログラム200aを記憶している。管制プログラム200aは、経路情報生成部201及び移動体監視部202の「部」を「処理」、「手順」あるいは「工程」に読み替えた各処理、各手順あるいは各工程をコンピュータに実行させるプログラムである。また、感染方法は、コンピュータである管制装置200が管制プログラム200aを実行することにより行われる方法である。管制プログラム200aは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されて提供されてもよいし、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。通信インタフェース960Bには通信装置210が接続している。管制装置200は、通信装置210によって制御装置110と通信する。通信装置210は
図2にも示している。
【0031】
***移動ゴミ箱100の動作***
以下に、移動ゴミ箱100の動作を具体的に説明する。
【0032】
<移動ゴミ箱100による巡回>
図2に示す移動ゴミ箱100は、ゴミを回収する移動体である。制御装置110の備える移動制御部111は、経路を示す経路情報201aに従って、移動ゴミ箱100を自律移動させる。
通常、移動ゴミ箱100は時速6km以下の速度で自律走行する。例えば移動ゴミ箱100は、時速1kmから時速2kmの間で走行する。しかし、自律走行の速度は単なる例示である。自律走行による移動ゴミ箱100の速度は、限定されない。ゴミ箱120は、経路の途中において経路または経路沿いに存在する人の有するゴミを受け入れるゴミ箱である。移動ゴミ箱100は時速1kmから時速2kmの間の低速で走行し、かつ、走行経路の途中においてゴミを回収する。よって、観光客410の邪魔になることなく観光地400を美化することできる。
図8は、移動ゴミ箱100が巡回する、観光地400の経路を示す。観光地400には、複数の店舗320が存在する。
図8では複数の店舗320を店舗320aから店舗320eの5店舗に区別している。通常、移動ゴミ箱100は、経路情報201aに従って、点P1、P2、P3、P4、P1で特定される経路401を進行方向100aに巡回する。後述のようにゴミの収容容量等により、移動ゴミ箱100は、経路を点P6、P2、P3、P6、P6で特定される経路402を巡回する。この場合、移動ゴミ箱100は、経路402に対応する経路情報201bを有しており、経路情報201aを経路情報201bに切り替えることで、経路402を巡回できる。
【0033】
<人の接近時の動作>
移動ゴミ箱100は、人の移動を検知する人センサを有する。人センサとして統合センサユニット180の有するセンサ群を使用することができる。移動制御部111は、人センサが移動ゴミ箱100へ人の接近する状態を検知すると、移動ゴミ箱100の速さを低下する。つまり、
図3に示すように、移動制御部111は、統合センサユニット180のセンサ群が移動ゴミ箱100へ接近する観光客410aを検知すると、速さ低減指令を含む自律移動制御情報111aを自律移動装置170に送信する。速度制御部171は速さ低減指令に従って、移動ゴミ箱100の速さを遅くする。例えば移動ゴミ箱100が通常時に時速1~2km/hで走行している場合、移動ゴミ箱100を通常時に時速0~1km/hで走行するように減速する。
速さ低減指令は停止指示でもよい。停止指示の場合は速度制御部171は移動ゴミ箱100の移動を停止する。
また、人センサであるセンサ群が移動ゴミ箱100から人の遠ざかる状態を検知すると、移動制御部111は、移動ゴミ箱100の速さを増加する。この場合、移動制御部111は速さ増加指令を含む自律移動制御情報111aを自律移動装置170に送信する。速度制御部171は速さ増加指令に従って、移動ゴミ箱100の速さを速くする。例えば移動ゴミ箱100が通常時に時速0~1km/hで走行している場合、移動ゴミ箱100を通常時に時速1~2km/hで走行するように減速する。
移動ゴミ箱100は人の接近及び遠ざかりによって速さを変えるので、観光客410はゴミを捨てやすいという効果がある。
【0034】
<ゴミの収容容量で経路変更>
制御装置110は、複数の経路情報を記憶装置112に記憶している。
図6では、記憶装置112である補助記憶装置930Aは、経路情報201a及び経路情報201bの2つの経路情報を格納している。移動制御部111は、ゴミ箱120にたまっているゴミの収容容量に応じて、複数の経路情報のなかから経路情報を選択する。ゴミの収容容量は、ゴミ箱120に配置された収容容積センサで検知できる。なお収容容積センサは後述する重量センサにて代替可能である。収容容積センサは、分別ゴミ箱121、分別ゴミ箱122及び分別ゴミ箱123のそれぞれに配置される。
例えば、燃えるゴミを回収する分別ゴミ箱121が収容可能なゴミの閾値量を超えた場合、移動制御部111は経路情報201bを選択し、経路情報201bに従って経路402(
図8)を巡回する。この場合、経路情報201bには、燃えるゴミの排出量が少ないという属性情報が対応付いている。また、燃えるゴミの閾値は、ゴミ収容の余裕をみて決定されており、経路402で燃えるゴミが排出された場合も、ある程度は回収できる。燃えるゴミが満杯になった場合の処理は後述する。このように移動ゴミ箱100はゴミの収容容量で経路を変更するので、ゴミ箱120を有効利用できる。
【0035】
<学習済みモデル113aの使用>
移動体である移動ゴミ箱100、周辺を撮影する撮影装置であるカメラ181を備えている。制御装置110の補助記憶装置930Aは、学習済みモデル113aを格納している。学習済みモデル113aは、ゴミが写っている画像からゴミを抽出するモデルである。制御装置110のゴミ抽出部113は、カメラ181の撮影した画像から学習済みモデル113aを用いてゴミを抽出し、ゴミが抽出されるとゴミ抽出信号を出力する。
ゴミ抽出部113は、ゴミ抽出信号として、ゴミの抽出を通知する抽出通知を、移動ゴミ箱100を管理する管制装置200に送信する。具体的には、ゴミ抽出部113は、通信インタフェース960Aを介して、抽出通知を管制装置200に送信する。抽出通知はゴミ抽出時刻及びゴミ抽出場所を含んでいる。管制装置200を有する図示していない管制局は、ゴミが抽出されたことを観光地400の管理者に通知することができる。
あるいは、
図8に示すように、移動ゴミ箱100は、ゴミをつかんでゴミ箱120に収容するアーム機構150を備えてもよい。ゴミ抽出部113は、ゴミ抽出信号を出力すると、画像として撮影されたゴミを、アーム機構150を用いてゴミ箱120に収容してもよい。
以上のように制御装置110は学習済みモデル113aを用いてゴミを抽出するので、効率よくゴミを回収できる。
なお、学習済みモデル113aは、管制装置200の経路情報生成部201によって生成される。経路情報生成部201は、例えば教師有り学習によってゴミの画像を学習し、学習済みモデル113aを生成する。生成された学習済みモデル113aは制御装置110の補助記憶装置930Aに格納される。
【0036】
<ゴミ持つ人の特定>
また、学習済みモデル113aは、
図3に示す観光客410bのようなゴミを持つ人を、画像から抽出可能であってもよい。ゴミ抽出部113は、学習済みモデル113aを用いて、経路情報で示される記経路の周辺の撮影装置であるカメラ181による画像から、ゴミを持つ人を抽出する。移動制御部111は、画像からゴミ抽出部113によってゴミを持つ人が抽出されると、移動ゴミ箱100を経路から離脱させてゴミを持つ人へ接近させる。具体的には、移動制御部111は、ゴミを持つ人へ移動ゴミ箱100が接近するような自律移動制御情報111aを生成して自律移動装置170へ出力する。
移動制御部111は、センサ群によってゴミを持つ人からゴミの回収が確認された場合、移動ゴミ箱100を元の経路に復帰させる。具体的には移動制御部111はセンサ群によってゴミを持つ人からゴミの回収が確認された場合、元の経路に復帰することを指示する自律移動制御情報111aを生成して自律移動装置170へ出力する。
このように移動ゴミ箱100はゴミを持つ人へ近づくのでゴミを持つ人はゴミが捨てやすくなり観光地400の美化が向上する。
【0037】
<ゴミ落ちの処理>
移動ゴミ箱100は、ゴミ箱120を監視するゴミ箱監視装置を備える。ゴミ箱監視装置は、カメラ181、ソナー182、ミリ波レーダ183、ライダー184のようなセンサ群で実現できる。例えばゴミ箱監視装置として、
図2に示すように、ゴミ箱120の中央の開口の上部に、ゴミ落ち検出用センサ187を配置する。センサ187は例えばカメラ、赤外線センサ、ソナーまたは光感知器等で構成する。このゴミ落ち検出用センサ187は右側の同じ位置にも配置する。ゴミ抽出部113は、ゴミ箱監視装置の監視結果を用いて、ゴミ箱120の中からゴミ箱120の外へ位置の変化したゴミが有るかどうかを判定する。
ゴミ抽出部113は、ゴミ箱120の中からゴミ箱120の外へ位置の変化したゴミが有ると判定すると、警告通知を、移動ゴミ箱100を管理する管制装置200に送信する。警告通知はゴミ落ちを検知した時刻及び場所を含む。管制装置200の存在する管制局では警告通知の内容を観光地400の管理者へ通知する。これにより観光地400の美化が向上する。
あるいは、移動ゴミ箱100は、
図8で示したように、ゴミをつかんでゴミ箱120に収容するアーム機構150を備えてもよい。この場合、ゴミ抽出部113は、ゴミ箱120の中からゴミ箱120の外へ位置の変化したゴミが有ると判定すると、学習済みモデル113aによって位置の変化した前記ゴミを特定し、アーム機構150を用いて、位置の変化したゴミをゴミ箱120の中に回収する。これにより観光地400の美化が向上する。
なお、ゴミ落ちの判定は以下のように実施することができる。
ゴミ抽出部113は、ゴミ箱120に設置されている重量センサからゴミの落下を検知できる。
図4では、分別ゴミ箱121、分別ゴミ箱122及び分別ゴミ箱123のそれぞれに配置される、重量センサ131、132,133を示している。重量センサ131、132,133をまとめて呼ぶときは重量センサ130と表記する。
ゴミ抽出部113は、3次元地図である高精度地図と、ライダー184によって取得されるリアルタイムの点群の情報(点群データベース)を比較してゴミを検知することができる。この処理は路上に落ちているゴミ全般に利用できる。ゴミ抽出部113は、さらに学習済みモデル113aを用いて、点群の差分に対応する画像が存在する場合、点群のデータがゴミかどうかを判定してもよい。
【0038】
<ゴミ箱120の容積変化機構>
ゴミ箱監視装置として、移動ゴミ箱100の装置内部に分別ゴミ箱毎にゴミの重量を検出する重量センサ130を配置しても良い。また、分別ゴミ箱毎に集積したゴミ箱内のゴミの高さもしくは最上位に位置するゴミの位置を検出する赤外線センサ等を移動ゴミ箱100の天井部裏面に配置しても良い。重量センサ130、赤外線センサ等の検知結果により一部の分別ゴミのゴミだけが多くなったら、他の分別ゴミ箱の容量を検知した上で、ゴミの多くなった分別ゴミ箱の容量を大きくする。具体的には以下のようである。
図2に示すように、ゴミ箱120は、ゴミの種類ごとに分別ゴミ箱121、分別ゴミ箱122,分別ゴミ箱123と、分けられている。分別ゴミ箱121、分別ゴミ箱122,分別ゴミ箱123は、制御によってゴミの収容容量を変えることができる。具体的には以下のようである。ゴミ箱120には仕切り板駆動装置129が配置されている。仕切り板駆動装置129は制御を受けることで、仕切り板125,126,127,128を独立に、移動ゴミ箱100の前後方向に移動させることがきる。これにより、分別ゴミ箱121から分別ゴミ箱123の容量を変更することができる。制御装置110のゴミ量制御部114は、仕切り板駆動装置129の制御を介して、各分別ゴミ箱の収容可能なゴミの収容容量を制御する。以上によりゴミ箱120の使用効率が向上する。
【0039】
***ゴミ回収システム1000の動作***
以下にゴミ回収システム1000の動作を、管制装置200に着目して説明する。
【0040】
<経路情報の生成>
図4に示す移動ゴミ箱100は、経路を示す経路情報に従って時速6km以下の速度で自律移動する。移動ゴミ箱100は、経路の途中において経路または経路沿いに存在する人の有するゴミを受け入れるゴミ箱120を備える。管制装置200は、経路情報を生成して移動体へ送信する経路情報生成部201を有する。
経路情報生成部201は、移動ゴミ箱100が移動を予定する観光地400のような領域における人の流れに基づいて、経路情報を生成する。人の流れを示す人流情報13は、
図3に示す街頭カメラ310から得ることができる。あるいは、人流情報13を収集する会社のような機関から取得できる。経路情報生成部201は、人の流れの多い所を巡回するような経路情報を生成することで、観光地400の観光客410から効率よくゴミを回収できる。なお、経路情報は、人の流れを示す人流情報13を含んでよい。
経路情報生成部201は、移動ゴミ箱100が移動を予定する領域に配置された店舗320を含む施設に基づいて、経路情報を生成してもよい。具体的には、
図8において、店舗320dと店舗320eとが人の集まる人気店であれば、経路情報生成部201は、点P5、P6、P2、P3を含む経路を生成する。人気店には人が多く集まるので、経路に人気店の場所を含めることで観光客410のゴミを効率よく回収できる。経路情報は管制装置200の外部の装置から取得することができる。
補助記憶装置930Bは、移動ゴミ箱100が移動を予定する領域の複数地点のゴミ排出状況を示すゴミ排出情報を記憶している。経路情報生成部201は、補助記憶装置930Bの記憶するゴミ排出情報に基づいて、経路情報を生成してもよい。経路情報生成部201がゴミ排出情報を参照し、ゴミの排出量の多い地点を含む経路情報を生成することで、ゴミを効率よく回収できる。ゴミ排出情報は、例えば、地点ごとに時間に対するゴミ排出量が記録されている。経路情報生成部201は、ゴミ排出情報を管制装置200の外部の装置から取得することができる。ゴミ排出情報は、上記のように、ゴミが排出される時刻を示す時刻情報を含む。以上によりゴミ回収に有効な経路情報を生成することができる。
なお、なお経路情報の生成には、経路情報を生成する学習済みモデルを使用してもよい。具体的には以下のようである。経路情報生成部201は、
図3に示す街頭カメラ310の画像、
図4に示す人流の情報等、あるいは管制装置200の外部から得られる、観光地400においてゴミが排出される時間、場所及び排出ゴミの収容容量が対応付いたゴミ情報のような情報の少なくもいずれかを教師データとして、ゴミが多く出される場所及び時間を学習して、経路情報生成のための学習済みモデルを生成する。経路情報生成部201はこの学習済みモデルを用いて、移動ゴミ箱100が重点的に巡回するべき場所及び時間を含む経路情報を生成する。
【0041】
<複数の移動ゴミ箱100による観光地400のカバー>
図1に示すように、ゴミ回収システム1000は、移動ゴミ箱100を複数備えている。経路情報生成部201は、移動ゴミ箱100ごとに異なる経路情報を生成することで、複数の移動ゴミ箱100の配置を予定する予定領域である観光地400のゴミ回収を網羅する。これにより、観光地400のゴミを漏れなく回収できる。
【0042】
<代替の移動ゴミ箱100の手配>
移動ゴミ箱100、ゴミ箱120のゴミの収容容量が閾値を超えると管制装置200に超過信号を送信する。
経路情報生成部201は、超過信号を受信した場合、超過信号を送信した移動ゴミ箱100である送信移動体に、移動先を指示する移動先指示を送信して送信移動体を移動先に移動させる。例えば移動先は
図8に示す格納倉庫340である。
経路情報生成部201は、送信移動体とは別の移動ゴミ箱100を、送信移動体に代替させるために、送信移動体へ送信した経路情報と同一の経路情報を別の移動ゴミ箱100に送信する。これによりゴミがいっぱいになった送信移動を別の移動ゴミ箱100に変更することができる。
【0043】
管制装置200は、移動ゴミ箱100の移動状態を監視し、監視結果に基づき移動ゴミ箱100の移動状態を制御する移動体監視部202を有する。監視のもとになる位置情報が移動ゴミ箱100から送信される。位置情報は、存在時刻と存在位置とが対応付いている。位置情報と街頭カメラ310の映像に移った移動ゴミ箱100とから、移動体監視部202は、移動ゴミ箱100の移動状態を制御することができる。このように移動ゴミ箱100を遠隔制御することで、効率的に観光地400を美化できる。
【0044】
***実施の形態1の効果***
実施の形態1のゴミ回収システム1000によれば、ゴミ箱そのものを載せた自動走行車両である移動ゴミ箱100を観光客410の移動経路に沿って走行させることで、観光客410がゴミ箱を探す手間を省くことができ、観光地400の美化を向上できる。
【0045】
実施の形態2.
図9から
図14を参照して実施の形態2のゴミ回収システム1000を説明する。実施の形態2のゴミ回収システム1000は
図1と同一であるので説明は省略する。実施の形態2では、ゴミ回収システム1000が、人流情報生成部203を備えている。人流情報生成部203の機能は、管制装置200に配置されてもよいし、管制装置200とは別の、管制装置200の外部の他の装置に配置されてもよいが、人流情報生成部203はゴミ回収システム1000の内部に配置される。以下では、管制装置200が、人流情報生成部203を備える構成を例に説明する。
図9は、管制装置200が人流情報生成部203を備える構成を示している。
図10は、管制装置200のハードウェア構成を示す。
【0046】
<人流情報生成部203>
図11は、人流情報生成部203による人流情報13の生成タイプとして、タイプAからタイプEを示す。
【0047】
<タイプA>
人流情報生成部203は、外部の入力情報あるいはセンサXのセンシング情報のような情報に基づいて、人流情報13を生成する。センサXは後述する。
【0048】
<タイプB>
人流情報生成部203は、移動ゴミ箱100に搭載されたセンサX、あるいは移動ゴミ箱100の外部に設けられたセンサX、の取得した画像情報、人の位置情報及び人の速度情報から、人流情報13を生成することができる。「移動ゴミ箱100の外部に設けられたセンサX」とは、移動ゴミ箱100には搭載されていないセンサXを意味する。
【0049】
<センサX>
センサXについて説明する。
センサXは、以下の(1)から(6)のうちの、一つもしくは複数から構成される。
(1)街頭カメラ310、
(2)移動ゴミ箱100に搭載されたカメラ181、
(3)PMV(Personal Mobility Vehicle)の搭載に搭載されたカメラ、
(4)MaaS(Mobility as a Service)に搭載されたカメラ、
(5)観光客の所持するスマートフォンまたはモバイルデバイスに代表される移動端末(以下、移動端末と記す)に搭載された、速度センサ、加速度センサ、位置センサのうちの一つのセンサもしくは複数のセンサ、
(6)MaaS、ホテルまたは店舗の利用者情報。
なお移動端末は端末装置である。
【0050】
<街頭カメラ310>
街頭カメラ310は、店舗320の周辺以外に、以下の(1)から(4)のような場所に配置されてもよい。
(1)移動ゴミ箱100の通行予定経路、
(2)PMVの通行予定経路、
(3)ゴミを排出し得る人が出入りする「ホテル、展示施設、娯楽施設、温泉施設、公共ホール」のような施設、
(4)人が通行する場所であり、ゴミを放置できない場所である「観光ルート、公園、林道、畑」のような場所、あるいはこれらの場所の周辺。
【0051】
<タイプC>
図11に示すように、人流情報生成部203は、街頭カメラ310の取得した第1の画像情報、移動ゴミ箱100のカメラ181の取得した第2の画像情報及びPMVに搭載されたカメラの取得した第3の画像情報に基づいて、これらの画像から人を認識し、かつ追尾する。そして、人流情報生成部203は、追尾した人の位置、速度もしくは位置変化、あるいは人数のような項目を計測する。人流情報生成部203は、これらの項目を計測することで、単位空間当たりの、例えば、1立方メートル当たりの「人の存在密度、人の平均移動速度、人の移動方向、人の移動流束」から、人流の評価指標を示す人流情報13を生成することができる。人流の評価指標として、すなわち人流情報13として、「閑散、混雑度合のレベル、移動流束の密度」を数値評価する値を用いることができる。
【0052】
<タイプD>
また、人流情報生成部203は、観光客の所持する移動端末の取得した位置情報、速度情報に基づいて、人流情報13を生成することができる。
【0053】
<タイプE>
また、人流情報生成部203は、以下の(1)(2)(3)の少なくともいずれかを用いて、テーマパークにおける単位時間当たりのテーマパークの利用客(観光客)の人数を計数し、各移動体や拠点毎の人数から人流情報13を求めることができる。
(1)「MaaSあるいは自動車のような移動体」の位置情報、
(2)車両あるいは鉄道のような移動体における乗降人数、
(3)「ホテルあるいは店舗のような施設の利用者の利用者情報」。
【0054】
以下に、人流情報生成部203と連携する、実施の形態2の経路情報生成部201の動作を説明する。
図12は、人流情報13の値Vを示す数直線を示す。経路情報生成部201には、
図12の数直線の内容が設定されている。値Vが、閾値V1以下の経路は、人流の少ない過疎経路である。値Vが、閾値V2以上の経路は、人流の多い過密経路である。閾値V1と、閾値V2との間は中間密度経路である。中間密度経路は、値VがV1とV2の間の1つの値で代表される1区分、もしくは値VがV1とV2の間の複数の値で代表される複数区分とがある。
図12の上側の中間密度経路は、値VがV31の1つの値で代表される1区分を示している。
図12の下側の中間密度経路は、値VがV31とV31の2つの値で代表される2区分を示している。経路情報生成部201は、値Vが閾値V1以下となる領域を通過する過疎経路と、値Vが閾値V2以上となる領域を通過する過密経路と、値Vが1つの代表値の領域である1区分もしくは複数の代表値の領域である複数区分を通過する中間密度経路とに応じて、経路通過の優先度と通過順序とをスケジューリングする。経路情報生成部201は、優先度の数値が大きいほど優先度が高いとした場合、
図12の例では、過密経路に優先度4、V32の中間途度経路に優先度3、V32の中間途度経路に優先度2、過疎経路に優先度1を設定する。
例えば、経路情報生成部201は、単位時間当たり、もしくは観光客の利用する施設の利用時間当たりの、移動ゴミ箱100の過密経路の通過回数が増えるように、もしくは単位時間当たりもしくは利用時間当たりの過疎経路の通過回数が減るように、設定した優先度を参照して、移動ゴミ箱100の通過ルートである経路情報を設定する。
【0055】
図13は、経路情報生成部201が、左から、過疎経路、値V31の中間密度経路、値V32の中間密度経路、過密経路、値V32の中間密度経路からなる経路情報を作成した例である。この経路情報には、通過する順番が設定されている。S1からS17が通過の順番を示す。S1がスタートでありS17がエンドである。
図13の経路情報によれば、移動ゴミ箱100は、過密経路を6回通過し、値V32の中間密度経路を4回通過し、値V31の中間密度経路を2回通過し、過疎経路を1回通過する。これにより、移動ゴミ箱100は、密度に応じて効率的にゴミを回収できる。
【0056】
***実施の形態2の効果***
実施の形態2のゴミ回収システム1000では、管制装置200が人流情報13を生成する人流情報生成部203を備えている。そして、経路情報生成部201は、人流情報生成部203の生成した人流情報13を用いて経路情報を生成する。よって、ゴミ回収システム1000の内部で人流情報が生成され、ゴミ回収システム1000の内部で生成された人流情報から経路情報が生成される。したがって、ゴミ回収システム1000にとって必要で、かつ、正確な人流情報が、迅速に取得できる。また、ゴミ回収システム1000にとって正確な人流情報から経路情報が生成されるので、効率のよいゴミ回収が可能となる。またゴミ排出側の観光客の満足度が向上する。
【0057】
実施の形態3.
図14から
図16を参照して実施の形態3のゴミ回収システム1000を説明する。
実施の形態3のゴミ回収システム1000のシステム構成は
図1と同じである。
図14は、管制装置200の構成を示す。
図15は、制御装置110のハードウェア構成を示す。
図16は、管制装置200のハードウェア構成を示す。実施の形態3では、移動ゴミ箱100のゴミの重量あるいはゴミの容積に応じて、移動ゴミ箱100及び管制装置200が警報を発生する。移動ゴミ箱100は、警報を発生する移動側警報部115を備える。管制装置200は、警報を発生する管制側警報部204を備える。
図14に示すように、分別ゴミ箱121、分別ゴミ箱122及び分別ゴミ箱123のそれぞれに、重量センサ151,152,153が配置される。また分別ゴミ箱121、分別ゴミ箱122及び分別ゴミ箱123のそれぞれに、収容容積センサ141,142,143が配置される。重量センサは、区別の必要がない場合、重量センサ150と記す。収容容積センサは、区別の必要がない場合、収容容積センサ140と記す。
【0058】
<移動側警報部115>
移動側警報部115は、ゴミ箱に溜まったゴミの重量と収容容量との、少なくともいずれかを検知するセンサの検知結果に基づき、警報を発する。
移動側警報部115は、重量センサ150が計測したごみの重量、もしくは収容容積センサ140の計測したゴミの収容容積の検知情報を、重量センサ150、収容容積センサ140から取得する。移動側警報部115は、取得した検知情報をもとに、ゴミの重量あるいはゴミの容積が許容値以上か判断する。ゴミの重量あるいはゴミの容積が許容値を超えた場合、移動側警報部115は、ごみが満杯であることを示す警報音を、出力IF960Aに接続する図示していないスピーカ、あるいは出力IF960Aに接続する図示していない表示装置に、音声あるいは表示を出力する。
【0059】
<管制側警報部204>
ゴミの重量あるいはゴミの容積が許容値を超えた場合、移動側警報部115は、ゴミが満杯であることを示す満杯信号を管制装置200へ送信する。満杯信号を受信すると、管制側警報部204は、図示していないが、管制システムの監視モニタ画面もしくは管制システムのスピーカーに、警報メッセージ及び警報音を発生させる。
【0060】
収容容積を検知する収容容積センサ140による収容容量の計測は、ゴミ箱内部の画像から、ごみの最上位の高さに、ゴミ箱の平面積を掛けた推定容積から収容容量を推定することができる。もしくは、ゴミ箱内部の上部内面に光センサを設けて、光センサがゴミを検出した場合に、収容容量が所定の閾値以上であることを検出してもよい。この場合は光センサが容積センサに該当する。
【0061】
***実施の形態3の効果***
実施の形態3のゴミ回収システム1000では、制御装置110が警報を発生する移動側警報部115を備えている。また管制装置200が警報を発生する管制側警報部204を備えている。よって、移動ゴミ箱100を利用する観光客のような利用者は、ゴミが満杯であることを知ることができるので、ゴミを移動ゴミ箱100に捨てる可能性が低減する。よって、移動ゴミ箱100の美観が維持できる。また、移動ゴミ箱100のゴミ収容能力オーバーを保護できる。また、移動ゴミ箱100を管理する管制装置200側の管理者は、移動ゴミ箱100の有するゴミが満杯であることを知ることができる。よって、ゴミの満杯の移動ゴミ箱100の制御装置110に対して、経路情報生成部201が帰還経路を生成して送信することで、移動ゴミ箱100を車庫に帰還させることができる。
【0062】
実施の形態4.
図17から
図21を参照して実施の形態4を説明する。
図17は、管制装置200の構成を示す。
図18は、制御装置110のハードウェア構成を示す。
図19は、管制装置200のハードウェア構成を示す。
図20は、観光客410の有する移動端末から呼び出し情報が送信されたときの、ゴミ回収システム1000の動作シーケンスを示す。
図21は、観光客410が移動ゴミ箱100に声掛けしたときの、ゴミ回収システム1000の動作シーケンスを示す。実施の形態4のゴミ回収システム1000では、移動ゴミ箱100に搭載される制御装置110が会話部116を備え、管制装置200が呼び掛け応答部205を備える。
【0063】
<呼び掛け応答部205>
経路情報生成部201は、呼び掛け応答部205が生成した、観光客410からの呼び掛け情報に応じて、呼び掛けた観光客410に向かって移動ゴミ箱100の移動する経路を生成する。
図20を参照して、観光客410の有する移動端末から呼び出し情報が送信されたときの、ゴミ回収システム1000の動作を説明する。
【0064】
<ステップS101>
ステップS101において、観光客410は、所持する移動端末の図示していない呼び出しボタンを押す。移動端末は、呼び出しボタンが押されると、移動ゴミ箱100を呼ぶための呼び出し情報を生成し、呼び出し情報と、呼び出しボタンが押された時点の移動端末の端末位置である呼び出し位置を含む呼び出し情報を管制装置200に送信する。
【0065】
<ステップS102>
ステップS102において、管制装置200では、通信装置210が、呼び出し情報をネットワーク330を介して受信する。呼び出し情報は時間も含んでいる。時間は呼び出し情報の生成時刻である。呼び掛け応答部205は、呼び出し位置に基づいて、管制装置200が動態モニタリングしている移動ゴミ箱100の現在位置を特定する。呼び掛け応答部205は、経路情報生成部201に、呼び出し位置と、特定した移動ゴミ箱100の現在位置とを入力する。
【0066】
<ステップS103>
ステップS103において、経路情報生成部201は、呼び出し位置と、移動ゴミ箱100の現在位置とを結ぶ経路から、経路情報201aを生成する。経路情報生成部201は、移動ゴミ箱100に、通信装置210を介して、生成した経路情報201aを送信する。
【0067】
<ステップS104>
ステップS104において、移動ゴミ箱100では、通信装置190が、ネットワーク330を介して経路情報201aを受信する。移動ゴミ箱100では、移動制御部111が、経路情報201aに従い、呼び出し位置を経由して、元の経路に戻る。
【0068】
<会話部116>
移動ゴミ箱100の制御装置110は会話部116を備えている。移動ゴミ箱100では、会話部116の処理結果に基づいて、管制装置200の呼び掛け応答部205に、呼び掛け発生情報を送信しても良い。
図21を参照して説明する。
【0069】
<ステップS201>
ステップS201において、会話部116は、移動ゴミ箱100の周辺を通行する観光客410から音声による声掛けを受ける。声掛けがあった場合、会話部116は、移動ゴミ箱100に搭載される収音マイク191で得られた音声情報の音声認識処理を実施する。会話部116は、音声認識処理の結果に基づき、観光客410にゴミを捨てる意思もしくは希望があるかを判定する。観光客410にゴミを捨てる意思もしくは希望があると判定した場合、会話部116は、収音マイク191で検知した観光客410の音声の発出方向を推定する。会話部116は、推定した音声の発出方向と、声掛け発生時間及び移動ゴミ箱100の現在位置とを含む声掛け発生情報を生成し、声掛け発生情報を、通信装置190を介して送信する。
【0070】
<ステップS202>
ステップS202において、呼び掛け応答部205は、声掛け発生情報の音声の発出方向と、移動ゴミ箱100の現在位置とを、経路情報生成部201に入力する。
【0071】
<ステップS203>
経路情報生成部201は、音声の発出方向と、移動ゴミ箱100の現在位置とに基づいて、現在位置から音声の発出方向へ向かう立ち寄り経路を生成する。経路情報生成部201は、立ち寄り経路を、通信装置210を介して移動ゴミ箱100に送信する。移動ゴミ箱100では制御装置110の移動制御部111が、現在の移動経路を、受信した立ち寄り経路に変更する。移動制御部111は、移動ゴミ箱100を、立ち寄り経路に向かって旋回動作させる。移動制御部111は、旋回動作後、カメラ、ソナー、ミリ波レーダ、LiDAR等のセンサ群のうちの少なくとも1つのセンサの検知したセンサ情報に基づいて、音声の発出方向に存在する人を認識する。移動制御部111は、認識した人を画像追尾して、追尾中の人に向かって進行する。
【0072】
この時、移動制御部111は、立ち寄り経路に追従しつつも、追尾動作を優先する。すなわち、移動制御部111は、追尾動作によって移動ゴミ箱100が立ち寄り経路から、設定されている距離以上離れたとする。この場合、移動制御部111は、管制装置200に現在位置と追尾方向とを送信する。現在位置と追尾方向とを受信した管制装置200では、経路情報生成部201が、立ち寄り経路を更新し、更新された立ち寄り経路を移動ゴミ箱100へ送信する。
【0073】
また、会話部116は追尾中の人に向かってスピーカー192から応答音声を発出してもよい。この場合、追尾中の人の存在方向から応答音声に応じた返答があった場合に、移動制御部111は、画像追尾を継続する。この時、移動制御部111は、追尾中の人の顔画像を認識し、口元の状態に変化があるか否かを表情認識処理で確認してもよい。移動制御部111は、変化ありを認識した場合に追尾を継続するようにしても良い。またAI認識によって、移動制御部111は、追尾継続可否を判断しても良い。
【0074】
また、センサ群が追尾中の人との距離を計測し、追尾中の人との距離が設定値以下となった段階で、移動制御部111は、移動ゴミ箱100を旋回動作させ、移動ゴミ箱100を停止させつつ、追尾中の人に向かってごみ捨てを促す音声をスピーカー192から発出するようにしても良い。スピーカーからの発出は会話部116が行ってもよい。
【0075】
なお、画像追尾は、カメラ以外の他のセンサであるソナー、ミリ波レーダ、LiDAR等の検知結果を複合して、移動制御部111が追尾処理を行っても良い。また、以下の(1)(2)(3)のいずれかの場合、会話部116は、スピーカーから元の経路に戻ることを伝えるための応答音声を、発出する。
(1)重量センサ150がごみの重量変化を検出したとき、
(2)ゴミ落ち検出用センサ187がゴミ捨てを検出したとき、
(3)設定時間が経過したとき。
【0076】
その後、会話部116が、周囲の人からゴミ捨て継続を求める意思を示す音声が発出されたことを検出した場合、会話部116は移動制御部111にその内容を示す信号を送信する。この信号を受信すると、移動制御部111は、そのまま設定時間、移動ゴミ箱100の停止状態を継続する。その後、会話部117は、周囲の人からゴミ捨て継続を求める意思を示す音声が発出されていないことを確認した場合、呼び掛け応答部205に、立ち寄りが終了したことを示す立ち寄り停止情報と、現在位置とを送信する。
【0077】
立ち寄り停止情報と、現在位置とを受信すると、経路情報生成部201は、受信した現在位置から、元の移動経路に復帰する戻り経路を生成し、移動経路を移動ゴミ箱100へ送信する。
【0078】
移動ゴミ箱100の制御装置110は通信装置190を介して戻り経路を受信する。移動制御部111は戻り経路にしたがって、もとの移動経路に戻る。移動制御部111は、移動ゴミ箱100の位置が元の移動経路上もしくは元の移動経路上とみなせる予め設定されている許容範囲領域に戻ったことを確認すると、元の移動経路における移動を再開する。
【0079】
***実施の形態4の効果***
実施の形態4では制御装置110が会話部116を備え、管制装置200が呼び掛け応答部205を備えている。よって、観光客410のような移動ゴミ箱100の利用者にとって、移動ゴミ箱100の使い勝手が向上する。その結果、移動ゴミ箱100が使用される環境の美化が向上する。
【0080】
以上、実施の形態1から実施の形態4について説明した。
これらの実施の形態のうち、2つ以上を組み合わせて実施しても構わない。
あるいは、一つの実施の形態に含まれる複数の技術事項のうち、1つの技術事項を部分的に実施しても構わない。あるいは、各実施の形態に含まれる技術事項どうしを、部分的に組み合わせて実施しても構わない。
【符号の説明】
【0081】
13 人流情報、40 GNSS衛星、100 移動ゴミ箱、100a 進行方向、100b ゴミ回収情報、101 タイヤ、110 制御装置、110a 制御プログラム、111 移動制御部、111a 自律移動制御情報、112 記憶装置、113 ゴミ抽出部、113a 学習済みモデル、114 ゴミ量制御部、115 移動側警報部、116 会話部、119 高精度地図及び点群データベース、120 ゴミ箱、121,122,123 分別ゴミ箱、124 分別ゴミ表示、125,126,127,128 仕切り板、129 仕切り板駆動装置、130、131,132,133 重量センサ、140,141,142,143 収容容積センサ、151,152,153 重量センサ、170 自律移動装置、171 速度制御部、172 車両方向制御部、180 統合センサユニット、181 カメラ、182 ソナー、183 ミリ波レーダ、184 ライダー、185 GNSS測位装置、186 センサフュージョン部、188 統合情報、190 通信装置、191 収音マイク、192 スピーカー、200 管制装置、200a 管制プログラム、201 経路情報生成部、201a 経路情報、202 移動体監視部、203 人流情報生成部、204 管制側警報部、205 呼び掛け応答部、210 通信装置、310 街頭カメラ、320 店舗、330 ネットワーク、340 格納倉庫、400 観光地、410 観光客、401,402 経路、605 GNSSアンテナ、910A,910B プロセッサ、920A,920B 主記憶装置、930A,930B 補助記憶装置、940A,940B 入力インタフェース、950A,950B 出力インタフェース、960A,960B 通信インタフェース、970A,970B 信号線、1000 ゴミ回収システム。