(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-16
(45)【発行日】2025-05-26
(54)【発明の名称】X2/Xn TNLA発見プロセス中のシグナリングの制御
(51)【国際特許分類】
H04W 76/22 20180101AFI20250519BHJP
H04W 92/20 20090101ALI20250519BHJP
【FI】
H04W76/22
H04W92/20
(21)【出願番号】P 2024500256
(86)(22)【出願日】2023-04-06
(86)【国際出願番号】 US2023017696
(87)【国際公開番号】W WO2024210898
(87)【国際公開日】2024-10-10
【審査請求日】2024-01-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】323001546
【氏名又は名称】楽天シンフォニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【氏名又は名称】永岡 重幸
(74)【代理人】
【識別番号】100188879
【氏名又は名称】渡邉 未央子
(72)【発明者】
【氏名】モディ,ラフル
(72)【発明者】
【氏名】サロット,ニラーヴ
(72)【発明者】
【氏名】バスカラン,シュリダー
(72)【発明者】
【氏名】マエダ,マサヤ
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2022/0030512(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2023/0013712(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2023/0043184(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0196225(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスポート・ネットワーク・レイヤ・アソシエーション(TNLA)発見手順メッセージを最適化する方法であって、前記方法は、
ソース基地局においてX2またはXnインターフェースTNLAを欠いているターゲット近隣基地局の拡張セル・グローバル識別子(ECGI)をユーザ機器(UE)によって報告するステップと、
ソース基地局によって前記X2またはXnインターフェースTNLAを欠いている前記ターゲット近隣基地局の前記ECGIを受信するステップと、
前記ソース基地局によってネットワーク要素に、前記ターゲット近隣基地局の前記X2またはXnインターフェースTNLAを取得するために構成転送メッセージを送信するステップによってTNLA発見手順を開始するステップであって、前記構成転送メッセージを送信するステップと、前記ネットワーク要素が構成転送メッセージに応答してネットワーク構成転送メッセージを送信するのを待つステップとの間の時間が、TNLA発見手順時間を含む、ステップと、
初期バックオフタイマを開始するステップと、
指数バックオフ乗算器を開始するステップと、
前のTNLA発見手順タイムスタンプから経過した時間が現在のバックオフ時間以上であるかどうかを決定するステップであって、前記現在のバックオフ時間が、前記指数バックオフ乗算器によって乗算された前のバックオフ期間に等しい、ステップと、
前のTNLA発見手順時間から経過した前記時間が前記現在のバックオフ時間以上である場合、前記構成転送メッセージを前記ネットワーク要素に前記ソース基地局によって再送するステップ、および前記前のTNLA発見手順時間から経過した前記時間が前記現在のバックオフ時間未満である前記場合、前記構成転送メッセージを前記ネットワーク要素に送信しないステップと、
前記ネットワーク要素構成転送メッセージが受信された前記場合、前記ソース基地局と前記ターゲット近隣基地局との間でX2またはXnセットアップを実行するステップと、
最大バックオフ時間に達して前記ネットワーク要素構成転送メッセージが受信されなくなると、前記ソース基地局が前記構成転送メッセージを再送するのを停止するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記ネットワーク要素が前記ターゲット近隣基地局の識別情報を発見した後に前記ネットワーク要素が前記ネットワーク構成転送メッセージを送信する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記指数バックオフ乗算器は、最初に構成されたバックオフ期間で始まり、その後、前記最初に構成されたバックオフ期間を、前記前のバックオフ期間で乗算された係数だけ増加させ、前記指数バックオフ乗算器は、最大バックオフ時間で構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記初期バックオフタイマ、前記指数バックオフ乗算器、および前記最大バックオフ時間が構成可能である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ECGIが前記同じパブリック・ランド・モバイル・ネットワーク(PLMN)からのものであるか、またはブロックされたPLMNからのものであるかを決定するステップと、前記同じPLMNからのものであるか、またはブロックされていないPLMNからのものであるECGIのための構成転送手順を開始するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ソース基地局がS-eNBであり、前記ターゲット近隣基地局がT-eNBであり、前記ネットワーク要素がモビリティ管理エンティティ(MME)であり、および前記X2インターフェースが実装される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記構成転送メッセージがeNB構成転送メッセージであり、前記ネットワーク要素構成転送メッセージがMME構成転送メッセージである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ソース基地局がS-gNBであり、前記ターゲット近隣基地局がT-gNBであり、前記ネットワーク要素がアクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)であり、および前記Xnインターフェースが実装される、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記構成転送メッセージがアップリンク無線アクセスネットワーク(RAN)構成転送メッセージであり、前記ネットワーク要素構成転送メッセージがダウンリンクRAN構成転送メッセージである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
無線通信システムであって、
ターゲット基地局と、
ネットワーク要素と、
X2またはXnインターフェース・トランスポート・ネットワーク・レイヤ・アソシエーション(TNLA)が欠落しているターゲット基地局の拡張セル・グローバル識別子(ECGI)を報告するように構成されたユーザ機器(UE)と、
ソース基地局であって、
前記UEによって報告された前記ターゲット基地局の前記ECGIを受信し、
ネットワーク要素と、
前記ターゲット基地局の前記X2またはXnインターフェースTNLAに対する要求として構成転送メッセージを前記ネットワーク要素に送信し、
初期バックオフタイマを開始し、
指数バックオフ乗算器を開始し、
前のTNLA発見手順タイムスタンプから経過した時間が現在のバックオフ時間以上であるかどうかを決定し、前記現在のバックオフ時間が、前記指数バックオフ乗算器によって乗算された前のバックオフ期間に等しく、TNLA発見手順時間が、前記構成転送メッセージを送信するステップと、前記ネットワーク要素からネットワーク構成転送メッセージを受信するまでの間の時間であり、
前のTNLA発見手順時間から経過した前記時間が前記現在のバックオフ時間以上である場合、前記ネットワーク要素に前記構成転送メッセージを再送し、前記前のTNLA発見手順時間から経過した前記時間が前記現在のバックオフ時間未満である前記場合、前記ネットワーク要素に前記構成転送メッセージを再送せず、
前記ネットワーク要素構成転送メッセージが受信された前記場合、前記ターゲット基地局とのX2またはXnセットアップを実行し、
最大バックオフ時間に達して前記ネットワーク要素構成転送メッセージが受信されなくなると、前記構成転送メッセージを再送するステップを停止するように構成される、ソース基地局とを備える、無線通信システム。
【請求項11】
前記ネットワーク要素が前記ターゲット基地局の識別情報を発見した後に前記ネットワーク要素が前記ネットワーク構成転送メッセージを送信する、請求項10に記載の無線通信システム。
【請求項12】
前記指数バックオフ乗算器は、最初に構成されたバックオフ期間で始まり、その後、前記バックオフ期間を、前のバックオフ期間で乗算された係数だけ増加させ、前記指数バックオフ乗算器は、最大バックオフ時間で構成される、請求項10に記載の無線通信システム。
【請求項13】
前記初期バックオフタイマ、前記指数バックオフ乗算器、および前記最大バックオフ時間が構成可能である、請求項12に記載の無線通信システム。
【請求項14】
前記ソース基地局が、
前記ECGIが前記同じパブリック・ランド・モバイル・ネットワーク(PLMN)からのものであるか、またはブロックされたPLMNからのものであるかを決定し、
前記同じPLMNからのものであるか、またはブロックされていないPLMNからのものであるECGIに対してのみ構成転送手順を開始するようにさらに構成された、請求項10に記載の無線通信システム。
【請求項15】
前記ソース基地局がS-eNBであり、前記ターゲット基地局がT-eNBであり、前記ネットワーク要素がモビリティ管理エンティティ(MME)であり、および前記X2インターフェースが実装される、請求項14に記載の無線通信システム。
【請求項16】
前記構成転送メッセージがeNB構成転送メッセージであり、前記ネットワーク要素構成転送メッセージがMME構成転送メッセージである、請求項15に記載の無線通信システム。
【請求項17】
前記ソース基地局がS-gNBであり、前記ターゲット基地局がT-gNBであり、前記ネットワーク要素がアクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)であり、および前記Xnインターフェースが実装される、請求項14に記載の無線通信システム。
【請求項18】
前記構成転送メッセージがアップリンク無線アクセスネットワーク(RAN)構成転送メッセージであり、前記ネットワーク要素構成転送メッセージがダウンリンクRAN構成転送メッセージである、請求項17に記載の無線通信システム。
【請求項19】
処理回路によって実行されると、前記処理回路にプロセスを実行させる命令がそこに記憶された非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記プロセスは、
ソース基地局においてX2またはXnインターフェースTNLAを欠いているターゲット近隣基地局の拡張セル・グローバル識別子(ECGI)をユーザ機器(UE)によって報告するステップと、
ソース基地局によって前記X2またはXnインターフェースTNLAを欠いている前記ターゲット近隣基地局の前記ECGIを受信するステップと、
前記ソース基地局によってネットワーク要素に、前記ターゲット近隣基地局の前記X2またはXnインターフェースTNLAを取得するために構成転送メッセージを送信するステップであって、前記構成転送メッセージを送信するステップと、前記ネットワーク要素が構成転送メッセージに応答してネットワーク構成転送メッセージを送信するのを待つステップとの間の時間が、TNLA発見手順時間を含む、ステップと、
初期バックオフタイマを開始するステップと、
指数バックオフ乗算器を開始するステップと、
前のTNLA発見手順タイムスタンプから経過した時間が現在のバックオフ時間以上であるかどうかを決定するステップであって、前記現在のバックオフ時間が、前記指数バックオフ乗算器によって乗算された前のバックオフ期間に等しい、ステップと、
前のTNLA発見手順時間から経過した前記時間が前記現在のバックオフ時間以上である場合、前記ソース基地局によって前記構成転送メッセージを前記ネットワーク要素に再送し、前記前のTNLA発見手順時間から経過した前記時間が前記現在のバックオフ時間未満である前記場合、前記構成転送メッセージを前記ネットワーク要素に再送しないステップと、
前記ネットワーク要素構成転送メッセージが受信された前記場合、前記ソース基地局と前記ターゲット基地局との間でX2またはXnセットアップを実行するステップと、
最大バックオフ時間に達して前記ネットワーク要素構成転送メッセージが受信されなくなると、前記ソース基地局が前記構成転送メッセージを再送するのを停止するステップとを含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、X2/Xn TNLA発見プロセス中のシグナリングの制御に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、無線通信システムは、無線アクセスネットワーク(RAN)およびコアネットワーク(CN)を含む。RANは、ユーザが操作したかどうかにかかわらず、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、内蔵無線モジュール、および他の無線装備デバイスなどの複数のユーザ機器(UE)デバイスにサービスを提供するカバレッジを各々提供するいくつかの基地局を含む。基地局は、遠隔無線ユニット(RRU)およびベースバンドユニット(BBU)を含み得る。基地局またはアクセスポイントは、一般にバックホールリンクと呼ばれる通信リンクを介してCNと結合され得る。実質的にすべての無線通信システムにおけるCNは、公衆交換電話網(PSTN)および/またはインターネットなどの固定システムとの接続を提供する。
【0003】
無線通信サービスは、特定の位置の特定の事業者によって提供される。これらの個々の無線ネットワークは、セルラーネットワークと呼ばれることが多い。特定の事業者またはセルラーネットワークは、パブリック・ランド・モバイル・ネットワーク(PLMN)と呼ばれ得る。PLMNは、システム情報ブロック(SIB)1(SIB1)内でブロードキャストされるPLMN識別情報によって識別され、UEはPLMNの選択の役割を果たす。セルは2つ以上のPLMNに属し得、そのような場合、SIB-1は複数のPLMN識別情報をブロードキャストし得る。
【0004】
各セルラーネットワークは、ロングタームエボリューション(LTE)および新無線(NR)または5G無線通信プロトコルなどの特定の無線アクセスプロトコルを用いて動作し得る。LTEネットワークおよび5Gネットワークは、すべてのインターネットプロトコル(IP)アーキテクチャを共有する。LTEネットワークおよび5Gネットワークのネットワークアーキテクチャは、いくつかの点で異なる。現在の多くのLTEネットワークは、5Gネットワークに移行されている。非スタンドアロン(NSA)5Gアーキテクチャは、5G無線機を用いて実装された4G/LTEコアを含み得る。スタンドアロン(SA)5Gネットワークは、エンドツーエンド5Gネットワークである。LTEネットワークでは、基地局はeNBと呼ばれる場合があり、eNBはX2リンクを介して相互接続される場合があり、ネットワークは、UEアクセスおよびモビリティを管理するためのモビリティ管理エンティティ(MME)を含む場合がある。5Gネットワークでは、基地局はgNBと呼ばれる場合があり、gNBはXnリンクを介して相互接続される場合があり、接続およびモビリティ管理タスクを処理するためのアクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)を含む場合がある。
【0005】
一般に、各基地局は、カバレッジエリアを提供し、基地局からUEへのダウンリンクおよびUEから基地局へのアップリンクを含む、基地局とUEとの間の通信を搬送するためのエアインターフェースを定義し得る。エアインターフェースは、ダウンリンクおよびアップリンク通信のためにそれぞれ別個の範囲の周波数を有する周波数分割複信(FDD)、またはダウンリンク使用とアップリンク使用との間で経時的に多重化された単一範囲の周波数を有する時分割複信(TDD)であり得る、キャリアを占有することができる。
【0006】
無線アクセスプロトコルにより、エアインターフェースは、次いで、様々な制御プレーン通信(例えば、動作制御シグナリング)およびユーザプレーン通信(例えば、アプリケーションレイヤ通信などのベアラデータ)を含む、基地局とUEとの間の通信を搬送するための様々なリソースおよびチャネルを定義し得る。
【0007】
ダウンリンクでは、例えば、エアインターフェースは、UEがダウンリンクカバレッジ品質を評価するために測定することができるブロードキャスト基準信号を搬送する基準チャネル、ならびに制御シグナリングをUEに搬送するための様々な他のダウンリンク制御チャネルを定義することができ、エアインターフェースは、ベアラデータなどをUEに搬送するための1つまたは複数のトラフィックチャネルを定義し得る。アップリンクでは、エアインターフェースは、UEアクセス要求を基地局に搬送するためのアクセスチャネル、ならびに制御シグナリングを基地局に搬送するための様々な他のアップリンク制御チャネルを定義することができ、エアインターフェースは、ベアラデータなどを基地局に搬送するための1つまたは複数のアップリンクトラフィックチャネルを定義することができる。
【0008】
接続状態にあるUEは、ソース基地局との無線通信リンクを介してデータパケットを送受信する。ネットワークのUEと基地局との間の無線信号の品質は、UEがカバレッジエリアを移動するときのUEの位置の変化、基地局の負荷、および信号フェージングを含む様々な理由で経時的に変化し得る。
【0009】
ソース基地局は、UEに測定制御要求メッセージを送信し、UEから測定報告メッセージを受信することによって、UEとソース基地局との間の信号接続の品質を監視する。測定報告基準および閾値設定に基づいて、ソース基地局は、UEをターゲット基地局にハンドオーバする決定を下し得る。ハンドオーバプロセスの一部として、UEは、ターゲット基地局を識別する測定報告を送信する。場合によっては、報告されたターゲット基地局は、ソース基地局にとって未知である物理セルID(PCI(Physical Cell ID))を有し得る。すなわち、報告されたターゲット基地局は、ソース基地局近隣関係テーブル(NRT(Neighbor Relation Table))にはない。
【0010】
ターゲット基地局(PCI)がソース基地局によって知られていない場合、ソース基地局は、X2/Xnトランスポート・ネットワーク・レイヤ・アソシエーション(TNLA)を発見するために、コアネットワークのMMEまたはAMFに構成転送メッセージを送信する。MME/AMFがターゲット基地局に到達できない場合、MME/AMFは構成転送メッセージへの応答を送信せず、ソース基地局はターゲット基地局のX2/Xn TNLAアドレスを知らない。
【0011】
ソース基地局は、ターゲット基地局のX2/Xn TNLAアドレスを知るまで、構成転送メッセージを送信し続ける。これは、コアネットワークへの不要なシグナリングストームをもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、ターゲット基地局が知られていないときにX2/Xn TNLA発見手順中にコアネットワークに向かう不要なシグナリングストームを防止する解決策の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
1つの一般的な態様では、トランスポート・ネットワーク・レイヤ・アソシエーション(TNLA)発見手順メッセージを低減する方法が提供される。本方法は、ユーザ機器(UE)によって、X2またはXnインターフェースTNLAを欠いているターゲット近隣基地局(target neighbor base station)の拡張セル・グローバル識別子(ECGI)を報告すること、ソース基地局(source base station)によってX2またはXnインターフェースTNLAを欠いているターゲット近隣基地局のECGIを受信すること、ソース基地局によって、ターゲット近隣基地局のX2またはXnインターフェースTNLAを取得するために構成転送メッセージをネットワーク要素に送信することを含み得、構成転送メッセージを送信することと、構成転送メッセージに応答してネットワーク要素がネットワーク構成転送メッセージを送信するのを待つこととの間の時間は、TNLA発見手順時間を含み得る。本方法は、初期バックオフタイマおよび指数バックオフ乗算器を開始すること、前のTNLA発見手順タイムスタンプから経過した時間が現在のバックオフ時間以上であるかどうかを決定することを含み得、現在のバックオフ時間は指数バックオフ乗算器によって乗算された前のバックオフ期間に等しい。本方法はまた、ソース基地局によって、前のTNLA発見手順時間から経過した時間が現在のバックオフ時間以上である場合、構成転送メッセージをネットワーク要素に再送すること、および前のTNLA発見手順時間から経過した時間が現在のバックオフ時間未満である場合、構成転送メッセージをネットワーク要素に送信しないこと、ネットワーク要素構成転送メッセージが受信された場合、ソース基地局とターゲット基地局との間でX2またはXnセットアップを行うこと、ならびに最大バックオフ時間に達してネットワーク要素構成転送メッセージが受信されなくなると、ソース基地局が構成転送メッセージを再送するのを停止することを含み得る。この態様の他の実施形態は、方法の動作を行うように各々構成された、対応するコンピュータシステム、装置、および1つまたは複数のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含む。
【0014】
別の一般的な態様では、無線通信システムが提供される。無線通信システムは、ターゲット基地局、ネットワーク要素、X2またはXnインターフェース・トランスポート・ネットワーク・レイヤ・アソシエーション(TNLA)を欠いているターゲット基地局の拡張セル・グローバル識別子(ECGI)を報告するように構成されたユーザ機器(UE)、およびUEによって報告されたターゲット基地局のECGIを受信し、ターゲット基地局のX2またはXnインターフェースTNLAに対する要求として構成転送メッセージをネットワーク要素に送信し、初期バックオフタイマを開始して指数バックオフ乗算器を開始し、前のTNLA発見手順タイムスタンプから経過した時間が現在のバックオフ時間以上であるかどうかを決定し、ここで、現在のバックオフ時間は、指数バックオフ乗算器によって乗算された前のバックオフ期間に等しく、TNLA発見手順時間は、構成転送メッセージを送信することと、ネットワーク要素からネットワーク構成転送メッセージを受信することの間の時間であり、前のTNLA発見手順時間から経過した時間が現在のバックオフ時間以上である場合、ネットワーク要素に構成転送メッセージを再送し、前のTNLA発見手順時間から経過した時間が現在のバックオフ時間未満である場合、ネットワーク要素に構成転送メッセージを送信せず、ネットワーク要素構成転送メッセージが受信された場合、ターゲット基地局とのX2またはXnセットアップを行い、最大バックオフ時間に達してネットワーク要素構成転送メッセージが受信されなくなると、構成転送メッセージの再送を停止するように構成された基地局を含み得る。この態様の他の実施形態は、方法の動作を行うように各々構成された、対応するコンピュータシステム、装置、および1つまたは複数のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含む。
【0015】
さらに別の一般的な態様では、処理回路にプロセスを実行させるための命令が記憶された非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。処理回路にプロセスを実行させるための命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であり、そのプロセスは、ユーザ機器(UE)によって、X2またはXnインターフェースTNLAを欠いているターゲット近隣基地局の拡張セル・グローバル識別子(ECGI)を報告すること、ソース基地局によってX2またはXnインターフェースTNLAを欠いているターゲット近隣基地局のECGIを受信すること、ソース基地局によってネットワーク要素に、ターゲット近隣基地局のX2またはXnインターフェースTNLAを取得するために構成転送メッセージを送信することであって、構成転送メッセージを送信することと、構成転送メッセージに応答してネットワーク要素がネットワーク構成転送メッセージを送信するのを待つこととの間の時間が、TNLA発見手順時間を含み得る、送信すること、初期バックオフタイマを開始し、指数バックオフ乗算器を開始すること、TNLA発見手順タイムスタンプが現在のバックオフ時間以上であるかどうかを決定することであって、現在のバックオフ時間が指数バックオフ乗算器によって乗算された前のバックオフ期間に等しい、決定すること、前のTNLA発見手順時間から経過した時間が現在のバックオフ時間以上である場合、ソース基地局によって構成転送メッセージをネットワーク要素に再送し、前のTNLA発見手順時間から経過した時間が現在のバックオフ時間未満である場合、構成転送メッセージをネットワーク要素に送信しないこと、ネットワーク要素構成転送メッセージが受信された場合、ソース基地局とターゲット基地局との間でX2またはXnセットアップを行うこと、最大バックオフ時間に達してネットワーク要素構成転送メッセージが受信されなくなると、ソース基地局が構成転送メッセージを再送するのを停止することを含む。この態様の他の実施形態は、方法の動作を行うように各々構成された、対応するコンピュータシステム、装置、および1つまたは複数のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】一例示的な実施形態による、モバイルデバイスと基地局との間の通信リンクを示す図である。
【
図2A】ハンドオーバにおけるX2 TNLA発見プロセスのシグナリング図を示す。
【
図2B】いくつかの実施形態による、X2 TNLA発見プロセスのシグナリング図を示す。
【
図3】いくつかの実施形態による、Xn TNLA発見プロセスのシグナリング図を示す。
【
図4】いくつかの実施形態による、X2/Xn TNLA発見プロセスを制御するための一例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図5】X2/Xn TNLA発見プロセスを制御するための追加の実装形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、ハンドオーバ前のモバイルデバイスとソース基地局との間の通信リンクと、ハンドオーバ後のモバイルデバイスとターゲット基地局との間の通信リンクを示す。基地局は、eNBまたはgNBであり得る。
図1に示すように、ソース基地局102は、UE106との双方向無線接続を有する。信号108’はダウンリンク(DL)信号と呼び得、信号110’はアップリンク(UL)信号と呼び得る。モバイルデバイス106は、ソース基地局102から信号108’を受信し、110’にソース基地局102に信号を送信する。
【0018】
ソース基地局102が、UE104はターゲット基地局104にハンドオーバされるべきであると決定したとき、ソース基地局102は、ターゲット基地局104とのX2/Xn接続を確立しようと試みる。X2/Xnハンドオーバ手順は、パケットコアネットワークを介さずに実行される。すなわち、対応するメッセージは、ソース基地局とターゲット基地局との間で交換される。ターゲット基地局がソース基地局に知られているとき、ソース基地局とターゲット基地局との間に直接X2/Xnトランスポートリンク112が確立される。
【0019】
ハンドオーバプロセスが完了すると、UE106とターゲット基地局110’との間にダウンリンク108’およびアップリンク110’信号が確立され、ダウンリンク108’およびアップリンク110’のリソースがソース基地局102から解放される。
【0020】
図2Aは、X2 TNLA発見プロセスを想起させる凝縮されたハンドオーバ信号図を示す。UE204は、測定報告210をS-eNB202に送信する。測定報告210は、S-eNB 202の信号強度、T-eNB208の無線信号の信号強度、およびT-eNB208の物理セル識別子(PCI)を含む。212では、T-eNB 208のPCIがS-eNB 202に知られていない場合が示されている。S-eNB202は、拡張セル・グローバル識別子(ECGI)要求メッセージ214をUE204に送信し、UE204は、T-eNB 208のECGI情報216を伴う測定報告を送信することによって応答する。218では、S-eNB202は、その近隣関係テーブル(NRT)を更新する。図示されていないが、S-eNBは、新しい近隣発見通知をネットワーク要素に送信し、新しい近隣基地局(T-eNB208)のための構成更新を受信し得、これによって、S-eNBは、218でNRTを更新することができる。
【0021】
220で、S-eNB202は、報告された近隣(T-eNB208)のためのX2可用性(X2 availability)を確認する。S-eNB204がX2トランスポート・ネットワーク・レイヤ・アソシエーション(TNLA)接続を有していない各ECGIについて、S-eNBは、eNB構成転送メッセージ222をモビリティ管理エンティティ(MME)206に送信して、新しい近隣(T-eNB208)のTNLAを取得する。次いで、MME206は、TNLAを取得するためにMME構成転送メッセージ224をT-eNB208に送信する。MME206がT-eNB208のTNLAを取得することに成功した場合、T-eNB208は、TNLA詳細226をMME206に送信することによって応答する。次いで、MME206はTNLA情報228をS-eNB202に送信する。230で、S-eNB202は、そのX2リストを更新する。次いで、S-eNB202は、ハンドオーバプロセスを開始するために、X2セットアップ要求/eNB構成更新メッセージ232をT-eNB208に送信する。
【0022】
図2Bは、一例示的な実施形態による、X2 TNLA発見プロセスを想起させるハンドオーバ信号図である。参照により本明細書に組み込まれる、3GPP(登録商標) TS36.423は、X2アプリケーションプロトコルおよび関連するシグナリングを説明している。無線通信システムのRANは、システム要件のために動的に再構成され得る。したがって、基地局、アクセスポイントなどをネットワークに追加し、および/またはネットワークの無線カバレッジエリア内で移動させて、ネットワーク要件に対応し得る。その結果、ネットワークが新しい近隣またはターゲット基地局を識別することができない可能性のある状況が生じる。
【0023】
図2Bでは、210から220までのシグナリングおよびプロセスは、
図2Aで説明したものと同じである。234で、S-eNBは、報告された近隣T-eNB208のPLMNを決定する。T-eNB208が、S-eNBのPLMN/オペレータとは異なるPLMNに属するか、そうでなければS-eNBのPLMNネットワークで利用できない場合、PLMNはブラックリストに記載される。X2確立手順は、ブラックリストに記載されたPLMNを伴う近隣/ターゲットのために試みられることはない。ブラックリストに記載されたPLMNの場合、近隣/ターゲットがNRTに追加され、S1のみを介してハンドオーバが実行されるべきである。
【0024】
すべてのブラックリストに記載されていないPLMNについて、S-eNBは、新しい近隣(T-eNB208)のTNLAを取得するためにモビリティ管理エンティティ(MME)206にeNB構成転送メッセージ222を送信する。
図2Aに示すように、MME206がT-eNB208のTNLAを取得することに成功した場合、T-eNB208は、TNLA詳細226をMME206に送信することによって応答し、次いで、MME206は、TNLAを取得するためにMME構成転送メッセージ224をT-eNB208に送信する。しかしながら、上述したように、T-eNB208は、未知であるか、そうでなければ到達不可能であり得、MME206は、T-eNB208からタイムリーな応答を受信しない。すなわち、MME206はTNLA詳細226を受信しない。したがって、MME206は、TNLA詳細226をT-eNB202から受信していないので、MME206は、TNLA情報228をS-eNB206に送信することができない。
【0025】
S-eNBがMME206からTNLA情報228を受信できない場合、S-eNB202は、T-eNB208のX2 TNLAを発見するためにeNB構成転送メッセージ222をMME206に送信し続ける。その結果、T-eNBが知られていないかまたは到達可能でない間に、S-eNB202が、T-eNB208のX2 TNLAを知るためにeNB構成転送メッセージ222をMME206に送信し続けるので、X2シグナリングストームが生成され得る。
【0026】
X2シグナリングストームを回避し、X2 TNLA発見プロセスにおけるX2メッセージの数を減らすために、初期バックオフタイマが236で開始され得る。初期バックオフタイマ236は、同じECGIに対する前の(previous)eNB構成転送メッセージ222が解決されないとき、eNB構成転送メッセージ222に適用される。すなわち、MME206からの応答(226)はない。初期バックオフタイマ236は構成可能である。初期バックオフタイマ236は、例えば、5つのステップで5秒から600秒以上の初期値で構成されてもよい。したがって、S-eNB202がeNB構成転送メッセージ222を送信し、応答を受信できなかったとき、S-eNBは、初期バックオフタイマ236の構成値の満了前にeNB構成転送メッセージ222を再送しない。しかしながら、S-eNB202は、MME206から応答を受信するまで、構成転送メッセージ222を再送し続ける。例えば、初期バックオフタイマが30秒に設定されている場合、S-eNB202は、MME206から応答が受信されるまで、30秒ごとに構成転送メッセージ222を再送し続ける。
【0027】
加えて、指数バックオフ乗算器238が実装されてもよい。指数バックオフ乗算器は、指数バックオフ期間を連続的に引き起こす前のバックオフ期間で乗算される係数である。指数バックオフ乗算器238は構成可能であり得る。例えば、指数バックオフ乗算器238は、4の値で構成されてもよい。初期バックオフタイマが30秒の値で構成されている前述の例を考えると、30秒の初期バックオフの後、次のバックオフ期間は120秒(30×4)になる。MME206からの応答がない場合、S-eNB202は、120秒後にeNB構成転送メッセージ222を再送する。同じECGIに対するMME206からの応答が受信されない場合には、S-eNB202は、480秒(120×4)後にeNB構成転送メッセージ222を再送する。応答が受信されない場合、同じECGIに対する次のeNB構成転送メッセージ222が1,920秒後などに送信される。したがって、初期バックオフタイマ236および指数バックオフタイマ238を実装すると、X2 TNLA発見プロセスにおけるシグナリングオーバーヘッドが大幅に低減される。指数バックオフタイマ238は、最大バックオフ値で構成されてもよい。これは構成可能な値である。値は、60秒から3600秒以上に設定されてもよい。
【0028】
無線通信ネットワークが動的に変更されるとき、新しいeNBおよび/またはT-eNBは、ネットワーク要素にとって未知であり得る。
図2Bに記載された技術を実施することによって、未知である任意の新しいeNBまたはT-eNBについて、X2シグナリングオーバーヘッドが大幅に低減され得る。226において、新しいeNBまたはT-eNB208が、TNLAの詳細を伴うMME構成転送メッセージ224に応答すると、MME206は、TNLA情報228を伴うS-eNB202に応答する。230で、S-eNB202は、そのX2リストを更新する。次いで、S-eNB202は、ハンドオーバプロセスを開始するために、X2セットアップ要求/eNB構成更新メッセージ232をT-eNB208に送信する。
【0029】
図3は、一例示的な実施形態による、Xn TNLA発見プロセスを示す。Xn TNLA発見プロセスは、X2 TNLA発見プロセスと同様である。しかしながら、Xn TNLA発見プロセスは、5Gネットワークに適用可能であり得るが、X2 TNLA発見プロセスは、LTEネットワークに適用可能であり得る。
【0030】
図3において、310から320までのシグナリングおよびプロセスは、
図2Bで説明したものと同じである。UE304は、測定報告310をS-gNB302に送信する。測定報告310は、S-gNB302の信号強度、T-gNB308の無線信号の信号強度、およびT-gNB308の物理セル識別子(PCI)を含む。312では、T-gNB308のPCIがS-gNB302に知られていない場合が示されている。S-gNB302は、拡張セル・グローバル識別子(ECGI)要求メッセージ314をUE304に送信し、UE304は、T-gNB308のECGI情報316を伴う測定報告を送信することによって応答する。318で、S-gNB202は、その近隣関係テーブル(NRT)を更新する。図示されていないが、S-gNB304は、新しい近隣発見通知をネットワーク要素に送信し、新しい近隣基地局(T-gNB308)のための構成更新を受信し得、これによって、S-gNBは、318でNRTを更新することができる。320で、S-gNB302は、報告された近隣(T-gNB308)のためのXn可用性を確認する。S-gNB304がXnトランスポート・ネットワーク・レイヤ・アソシエーション(TNLA)接続を有していない各ECGIについて、S-gNB304は、新しい近隣(T-gNB308)のTNLAを取得するために、アクセスおよびモビリティ機能(AMF)306にアップリンクRAN構成転送メッセージ322を送信する。
【0031】
次いで、AMF306は、TNLAを取得するためにダウンリンクRAN構成転送メッセージ324をT-gNB308に送信する。AMF306がT-gNB308のTNLAを取得することに成功した場合、T-gNB208は、TNLA詳細326をAMF306に送信することによって応答する。次いで、AMF306は、TNLA情報322をS-gNB302に送信する。330で、S-gNB302は、そのXnリストを更新する。次いで、S-gNB 302は、ハンドオーバプロセスを開始するために、Xnセットアップ要求/gNB構成更新メッセージ332をT-gNB308に送信する。
【0032】
334で、S-gNB304は、報告された近隣T-gNB308のPLMNを決定する。T-gNB308が、S-gNB304のPLMN/オペレータとは異なるPLMNに属するか、そうでなければS-gNB304のPLMNネットワークで利用できない場合、PLMNはブラックリストに記載される。Xn確立手順は、ブラックリストに記載されたPLMNを伴う近隣/ターゲットgNBに対して試みられることはない。ブラックリストに記載されたPLMNの場合、近隣/ターゲットgNBがNRTに追加され、S1のみを介してハンドオーバが実行されるべきである。
【0033】
すべてのブラックリストに記載されていないPLMNについて、S-gNB304は、新しい近隣(T-gNB308)のTNLAを取得するためにAMF306にアップリンクRAN構成転送メッセージ322を送信する。上述したように、AMF306がT-gNB308のTNLAを取得することに成功した場合、T-gNB308は、TNLA詳細326をAMF 306に送信することによって応答し、次いで、AMF306は、ダウンリンク構成転送メッセージ322をT-gNB308に送信してTNLAを取得する。
【0034】
しかしながら、T-gNB308は未知であるか、そうでなければ到達不可能であり得、AMF306はT-gNB308からタイムリーな応答を受信しない。すなわち、AMF306はTNLA詳細326を受信しない。したがって、AMF306は、T-gNB302からTNLA詳細326を受信していないので、AMF306は、TNLA情報328をS-gNB306に送信することができない。
【0035】
S-gNB302がAMF306からTNLA情報328を受信できない場合、S-gNB302は、アップリンクRAN構成転送メッセージ322をAMF306に送信し続ける。その結果、T-gNB308が知られていないかまたは到達可能でない間に、S-gNB302が、T-gNB308のXn TNLAを知るためにアップリンクRAN構成転送メッセージ322をAMF306に送信し続けるので、Xnシグナリングストームが生成され得る。
【0036】
Xnシグナリングストームを回避し、Xn TNLA発見プロセスにおけるXnメッセージの数を減らすために、初期バックオフタイマが336で開始され得る。初期バックオフタイマ336は、同じECGIに対する前のアップリンクRAN構成転送メッセージ322が解決されないとき、アップリンクRAN構成転送メッセージ322に適用される。すなわち、AMF306からの応答(326)はない。初期バックオフタイマ336は構成可能である。初期バックオフタイマ336は、例えば、5つのステップで5秒から600秒以上の初期値で構成されてもよい。したがって、S-gNB302がアップリンクRAN構成転送メッセージ322を送信し、応答を受信できなかったとき、S-gNB302は、初期バックオフタイマ336の構成値の満了前にアップリンクRAN構成転送メッセージ322を再送しない。しかしながら、S-gNB302は、AMF306から応答を受信するまで、アップリンクRAN構成転送メッセージ322を再送し続ける。例えば、初期バックオフタイマが30秒に設定されている場合、S-gNB302は、AMF306から応答が受信されるまで、30秒ごとにアップリンクRAN構成転送メッセージ322を再送し続ける。
【0037】
加えて、指数バックオフ乗算器338が実装されてもよい。指数バックオフ乗算器は、指数バックオフ期間を連続的に引き起こす前のバックオフ期間で乗算される係数である。指数バックオフ乗算器338は構成可能であり得る。例えば、指数バックオフ乗算器338は、4の値で構成されてもよい。30秒の値を伴う初期バックオフタイマを伴う前述の例を考えると、30秒の初期バックオフの後、次のバックオフ期間は120秒(30×4)になる。AMF306からの応答が受信されない場合、S-gNB302は、120秒後にアップリンクRAN構成転送メッセージ322を再送する。同じECGIに対するAMF306からの応答が受信されない場合には、S-gNB302は、480秒(120×4)後にアップリンクRAN構成転送メッセージ322を再送する。応答が受信されない場合、同じECGIに対する次のアップリンクRAN構成転送メッセージ322が1,920秒後などに送信される。したがって、初期バックオフタイマ336および指数バックオフタイマ338を実装すると、Xn TNLA発見プロセスにおけるシグナリングオーバーヘッドが大幅に低減される。指数バックオフタイマ338は、最大バックオフ値で構成されてもよい。これは構成可能な値である。値は、60秒から3600秒以上に設定されてもよい。
【0038】
無線通信ネットワークが動的に変更されるとき、新しいgNBおよび/またはT-gNBは、ネットワーク要素に未知であり得る。
図3に記載された技術を実施することによって、未知である任意の新しいgNBまたはT-gNBについて、Xnシグナリングオーバーヘッドが大幅に低減され得る。326において、新しいgNBまたはT-gNB308が、TNLA詳細を伴うダウンリンクRAN構成メッセージに応答すると、AMF306は、TNLA情報328を伴うS-gNB302に応答する。330で、S-gNB302は、そのXnリストを更新する。次いで、S-gNB 302は、ハンドオーバプロセスを開始するために、Xnセットアップ要求/gNB構成更新メッセージ332をT-eNB208に送信する。
【0039】
図4は、X2またはXn TNLA発見プロセスを制御するための一例示的なプロセスのフローチャートである。
図4に図示されるように、プロセス400は、ブロック402で、ユーザ機器(UE)によって、X2/XnインターフェースTNLAを欠いているターゲット近隣基地局の拡張セル・グローバル識別子(ECGI)を報告することを含み得る。例えば、UEは、前述したように、X2/XnインターフェースTNLAを欠いているターゲット近隣基地局の拡張セル・グローバル識別子(ECGI)をソース基地局に報告し得る。ブロック404で示されるように、プロセス400は、ソース基地局によって、X2/XnインターフェースTNLAを欠いているターゲット近隣基地局のECGIを受信することを含み得る。例えば、ソース基地局は、上述したように、X2/Xn TNLAを欠いているターゲット隣接基地局のECGIを受信し得る。
図4でさらに示すように、ブロック406で、プロセス400は、ソース基地局によって、ターゲット近隣基地局のX2/Xn TNLAを取得するために構成転送メッセージをネットワーク要素に送信することを含み得、構成転送メッセージを送信することと、ネットワーク要素が構成転送メッセージに応答してネットワーク構成転送メッセージを送信するのを待つこととの間の時間は、TNLA発見手順時間を含む。例えば、TNLA発見手順は、ターゲット近隣基地局のX2/Xn TNLAを発見するために構成転送メッセージをネットワーク要素に送信するソース基地局によって開始され得、構成転送メッセージを送信することと、ネットワーク要素が応答してネットワーク構成転送メッセージを送信するのを待つこととの間の時間は、TNLA発見手順時間と呼ばれ得る。
図4でさらに示すように、408で、プロセス400は、初期バックオフタイマを開始することを含み得、410で指数バックオフ乗算器を開始することを含み得る。例えば、ソース基地局は、構成転送メッセージを送信した後に初期バックオフタイマを開始し得る。応答を待つ間、ソース基地局は、初期バックオフタイマが満了するまで構成転送メッセージを再送しない。ソース基地局はまた、指数バックオフ乗算器を実装する。
【0040】
図4でさらに示すように、412で、プロセス400は、前のTNLA発見手順タイムスタンプから経過した時間が現在のバックオフ時間以上であるかどうかを決定することを含み得、現在のバックオフ時間は指数バックオフ乗算器によって乗算された前のバックオフ期間に等しい。例えば、ソース基地局は、TNLA発見手順時間が現在のバックオフ時間以上であるかどうかを決定し得、現在のバックオフ時間は、指数バックオフによって乗算された前のバックオフ期間に等しい。
【0041】
図4で示すように、414で、プロセス400は、前のTNLA発見手順時間から経過した時間が現在のバックオフ時間以上である場合、ソース基地局によって構成転送メッセージをネットワーク要素に再送すること、および前のTNLA発見手順時間から経過した時間が現在のバックオフ時間未満である場合、構成転送メッセージをネットワーク要素に再送しないことを含み得る。すなわち、ソース基地局は、前のTNLA発見手順時間から経過した時間が現在のバックオフ時間以上である場合、構成転送メッセージをネットワーク要素に再送し得る。指数バックオフ乗算器を実装することにより、現在のバックオフ時間は指数関数的に増加する。
【0042】
図2Bを参照して説明したように、初期バックオフタイマは、同じECGIに対する前の構成転送メッセージが解決されないとき、構成転送メッセージに適用される。すなわち、ネットワーク要素からの応答はない。初期バックオフタイマ236は構成可能である。したがって、ソース基地局がネットワーク要素に構成転送メッセージを送信し、ネットワーク要素からの応答を受信できないとき、ソース基地局は、初期バックオフタイマの値の満了前に構成転送メッセージを再送しない。しかしながら、ソース基地局は、ネットワーク要素から応答を受信するまで、構成転送メッセージを再送し続ける。例えば、初期バックオフタイマが30秒に設定されている場合、ソース基地局は、ネットワーク要素から応答が受信されるまで、30秒ごとに構成転送メッセージを再送し続ける。
【0043】
指数バックオフ乗算器は、ターゲット基地局が未知であるか、そうでなければ到達不能である、ネットワークに向かうX2/Xnシグナリングを低減するために実装され得る。指数バックオフ乗算器は、指数バックオフ期間を連続的に引き起こす前のバックオフ期間で乗算される係数である。例えば。30秒の値を伴う初期バックオフタイマおよび4の値で構成された指数バックオフ乗算器を伴う例を考えると、30秒の初期バックオフの後、次のバックオフ期間は120秒(4×30)になる。ネットワーク要素から応答がない場合、ソース基地局は120秒後に構成転送メッセージを再送する。同じECGIに対するネットワーク要素からの応答が受信されない場合には、ソース基地局は480秒(120×4)後に構成転送メッセージを再送する。応答が受信されない場合、同じECGIに対する次の構成転送メッセージが1,920秒後(480×4)などに送信される。したがって、初期バックオフタイマおよび指数バックオフタイマを実装すると、X2/Xn TNLA発見プロセスにおけるシグナリングオーバーヘッドが大幅に低減される。指数バックオフタイマはまた、最大バックオフ値で構成されてもよい。これは構成可能な値である。値は、60秒から3600秒以上に設定されてもよい。
【0044】
図4でさらに示すように、416で、プロセス400は、ネットワーク要素構成転送メッセージが受信された場合、ソース基地局とターゲット基地局との間でX2またはXnセットアップを実行することを含み得る。例えば、ソース基地局は、ターゲット基地局とのX2/Xn接続を確立するために、ネットワーク要素構成転送メッセージを受信すると、ターゲット基地局とのX2/Xnセットアップを実行し得る。すなわち、ネットワークが最終的にターゲット基地局から応答を受信し、それが30秒後、60秒後、1時間後、またはどのくらいの時間がかかろうと、ターゲット基地局のTNLA情報をソース基地局に送信するとき、ソース基地局は、X2/Xn TNLAセットアップを実行し、ターゲット基地局とのX2/Xn TNLA接続を確立し得る。
【0045】
図4でさらに示すように、418で、プロセス400は、最大バックオフ時間に達してネットワーク要素構成転送メッセージが受信されないと、ソース基地局が構成転送メッセージを再送するのを停止することを含み得る。すなわち、ソースベースは、最大バックオフ時間に達するまで構成転送メッセージを再送し続ける。最大バックオフ時間に達すると、ソース基地局は構成転送メッセージを送信することを終了する。
【0046】
プロセス400は、以下に記載されるおよび/または本明細書の他の箇所に記載される1つまたは複数の他のプロセスに関連する、任意の単一の実装形態または実装形態の任意の組み合わせなどの追加の実装形態を含み得る。第1の実装形態では、ネットワーク要素がターゲット近隣基地局の識別情報を発見した後にネットワーク要素がネットワーク構成転送メッセージを送信する。
【0047】
図5は、X2/Xn TNLA発見プロセスを制御するための追加の実装形態のフローチャートである。いくつかの実装形態では、
図5の1つまたは複数のプロセスブロックは、単一のデバイスによって実行されてもよい。
【0048】
第1の実装形態では、502で、ネットワーク要素は、ネットワーク要素がターゲット近隣基地局に対する識別情報を発見した後にのみネットワーク構成転送メッセージを送信してもよい。
【0049】
第2の実装形態では、単独で、または第1の実装形態と組み合わせて、504で、指数バックオフ乗算器が最初に構成(設定)されたバックオフ期間で始まり、その後、バックオフ期間を前のバックオフ期間で乗算された係数だけ増加させる。指数バックオフ乗算器は、最大バックオフ時間で構成されてもよい。初期バックオフタイマ、指数バックオフタイマ、および最大バックオフタイマは、設定可能であり得る。
【0050】
第3の実装形態では、単独で、または第1および第2の実装形態と組み合わせて、506で、プロセス500は、ECGIが同じパブリック・ランド・モバイル・ネットワーク(PLMN)からのものであるか、またはブロックされたPLMNからのものであるかを決定(判定)することを含み得、同じPLMNからのものであるか、またはブロックされていないPLMNからのものであるECGIのための構成転送手順のみ開始し得る。
【0051】
第4の実装形態では、単独で、または第1から第3の実装形態のうちの1つまたは複数と組み合わせて、508で、ソース基地局はS-eNBであり、ターゲット近隣基地局はT-eNBであり、ネットワーク要素はモビリティ管理エンティティ(MME)であり、X2インターフェースが実装される。
【0052】
第5の実装形態では、単独で、または第1から第4の実装形態のうちの1つまたは複数と組み合わせて、510で、構成転送メッセージはeNB構成転送メッセージであり、ネットワーク要素構成転送メッセージはMME構成転送メッセージである。
【0053】
第6の実装形態では、単独で、または第1から第3の実装形態のうちの1つまたは複数と組み合わせて、512で、ソース基地局はS-gNBであり、ターゲット近隣基地局はT-gNBであり、ネットワーク要素はアクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)であり、Xnインターフェースが実装される。
【0054】
第7の実装形態では、単独で、または第1から第4および第6の実装形態のうちの1つまたは複数と組み合わせて、514で、構成転送メッセージはアップリンク無線アクセスネットワーク(RAN)構成転送メッセージであり、ネットワーク要素構成転送メッセージはダウンリンクRAN構成転送メッセージである。
【0055】
図5はプロセス500の例示的なブロックを示しているが、いくつかの実装形態では、プロセス500は、
図5に図示されたものよりも追加のブロック、より少ないブロック、異なるブロック、または異なる配置のブロックを含み得る。追加的または代替的に、プロセス500のブロックのうちの2つ以上が並列に実行されてもよい。
【0056】
実装形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでもよい。ネットワーク要素がターゲット近隣基地局の識別情報を発見した後にネットワーク要素がネットワーク構成転送メッセージを送信する方法。指数バックオフ乗算器が最初に構成されたバックオフ期間で始まり、その後、バックオフ期間を前のバックオフ期間で乗算された係数だけ増加させ、指数バックオフ乗算器が最大バックオフ時間で構成される方法。初期バックオフタイマ、指数バックオフ乗算器、および最大バックオフ時間が構成可能である方法。本方法は、ECGIが同じパブリック・ランド・モバイル・ネットワーク(PLMN)からのものであるか、またはブロックされたPLMNからのものであるかを決定すること、および同じPLMNからのものであるか、またはブロックされていないPLMNからのものであるECGIのための構成転送手順を開始することを含み得る。ソース基地局がS-eNBであり、ターゲット近隣基地局がT-eNBであり、ネットワーク要素がモビリティ管理エンティティ(MME)であり、およびX2インターフェースが実装される方法。構成転送メッセージがeNB構成転送メッセージであり、ネットワーク要素構成転送メッセージがMME構成メッセージである方法。ソース基地局がS-gNBであり、ターゲット近隣基地局がT-gNBであり、ネットワーク要素がアクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)であり、およびXnインターフェースが実装される方法。構成転送メッセージがアップリンク無線アクセスネットワーク(RAN)構成転送メッセージであり、ネットワーク要素構成転送メッセージがダウンリンクRAN構成転送メッセージである方法。記載された技術の実装形態は、ハードウェア、方法もしくはプロセス、またはコンピュータ有形媒体を含み得る。
【0057】
実装形態はまた、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでもよい。ネットワーク要素がターゲット基地局の識別情報を発見した後にネットワーク要素がネットワーク構成転送メッセージを送信する無線通信システム。指数バックオフ乗算器が最初に構成されたバックオフ期間で始まり、その後、バックオフ期間を前のバックオフ期間で乗算された係数だけ増加させる無線通信システム。初期バックオフタイマ、指数バックオフ乗算器、および最大バックオフ時間が構成可能である無線通信システム。ソース基地局が、ECGIが同じパブリック・ランド・モバイル・ネットワーク(PLMN)からのものであるか、またはブロックされたPLMNからのものであるかを決定し、同じPLMNからのものであるか、またはブロックされていないPLMNからのものであるECGIに対してのみ構成転送手順を開始するようにさらに構成された無線通信システム。ソース基地局がS-eNBであり、ターゲット基地局がT-eNBであり、ネットワーク要素がモビリティ管理エンティティ(MME)であり、およびX2インターフェースが実装される無線通信システム。構成転送メッセージがeNB構成転送メッセージであり、ネットワーク要素構成転送メッセージがMME構成メッセージである無線通信システム。ソース基地局がS-gNBであり、ターゲット基地局がT-gNBであり、ネットワーク要素がアクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)であり、およびXnインターフェースが実装される無線通信システム。構成転送メッセージがアップリンク無線アクセスネットワーク(RAN)構成転送メッセージであり、ネットワーク要素構成転送メッセージがダウンリンクRAN構成転送メッセージである無線通信システム。記載された技術の実装形態は、ハードウェア、方法もしくはプロセス、またはコンピュータ有形媒体を含み得る。
【0058】
開示された実施形態に対する他の変形形態は、図面、開示、および添付の特許請求の範囲の研究から、列挙された特徴を実施する際に当業者によって理解および達成されることができる。
【0059】
特許請求の範囲において、「含む(comprising)」という語は他の要素またはステップを排除せず、不定冠詞「a」または「an」は複数を排除するものではない。
【0060】
単一のプロセッサ、デバイス、または他のユニットは、特許請求の範囲に列挙された、いくつかの項目の機能を果たし得る。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことを示すものではない。
【0061】
獲得、アクセス、分析、キャプチャ、比較、決定、入力、取得、出力、提供、記憶または記憶すること、計算、シミュレート、受信、警告、および停止などの動作は、コンピュータプログラムのプログラムコード手段として、および/または専用ハードウェアとして実装することができる。
【0062】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に、または他のハードウェアの一部として供給される、光記憶媒体または固体媒体などの適切な媒体に記憶および/または分散されてもよいが、インターネットまたは他の有線もしくは無線電気通信システムを介してなど、他の形態で分散されてもよい。