(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-19
(45)【発行日】2025-05-27
(54)【発明の名称】混雑情報表示システム、混雑情報表示方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0487 20130101AFI20250520BHJP
G06F 3/0346 20130101ALI20250520BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20250520BHJP
【FI】
G06F3/0487
G06F3/0346 425
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2020091389
(22)【出願日】2020-05-26
【審査請求日】2023-04-17
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】土谷 滝
(72)【発明者】
【氏名】一瀬 史華
【審査官】桐山 愛世
(56)【参考文献】
【文献】特許第4122040(JP,B2)
【文献】特開2010-244293(JP,A)
【文献】特開2018-097736(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0108846(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0487
G06F 3/0346
G06Q 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の混雑状況を示す混雑情報が関連付けられた複数の面を有する筐体に、ユーザの操作による前記筐体の向きの変化に伴い変化する加速度を取得する加速度センサを有するセンサ装置と、
前記加速度センサが取得する前記加速度に基づき、前記複数の面のうち所定の方向に向けられた面を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された面に関連付けられた前記混雑情報を取得する混雑情報取得部と、
前記混雑情報取得部によって取得された前記混雑情報を表示装置に表示させる表示処理部と、
を有し、
前記表示処理部は、前記検出部によって検出された面に対して、前記混雑情報に加えて、前記混雑情報とは異なる情報が関連付けられている場合、前記異なる情報に基づく情報も前記表示装置に表示させ
、
前記異なる情報は、前記混雑情報が示す前記混雑状況に応じた密集情報を示す密集情報である、
混雑情報表示システム。
【請求項2】
前記検出部は、前記複数の面のうち、前記加速度センサによって取得された前記加速度と関連付けられている面を、前記所定の方向に向けられた面として検出する、
請求項1に記載の混雑情報表示システム。
【請求項3】
前記加速度は、前記筐体の向きの変化後に取得される重力加速度である、
請求項1又は請求項2に記載の混雑情報表示システム。
【請求項4】
前記所定の方向は、鉛直上向きの方向である、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の混雑情報表示システム。
【請求項5】
前記混雑情報が関連付けられた面には、前記混雑情報が印刷された媒体が貼りつけられる、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の混雑情報表示システム。
【請求項6】
前記異なる情報は、前記施設の利用者に対してアピールしたい情報を示すPR情報である、
請求項1に記載の混雑情報表示システム。
【請求項7】
前記異なる情報は、前記混雑情報の表示対象がどのように使用されているかを示す使用情報である、
請求項1に記載の混雑情報表示システム。
【請求項8】
センサ装置が、施設の混雑状況を示す混雑情報が関連付けられた複数の面を有する筐体に、ユーザの操作による前記筐体の向きの変化に伴い変化する加速度を取得する加速度センサを有することと、
検出部が、前記加速度センサが取得する前記加速度に基づき、前記複数の面のうち所定の方向に向けられた面を検出することと、
混雑情報取得部が、前記検出部によって検出された面に関連付けられた前記混雑情報を取得することと、
表示処理部が、前記混雑情報取得部によって取得された前記混雑情報を表示装置に表示させることと、
を含み、
前記表示処理部は、前記検出部によって検出された面に対して、前記混雑情報に加えて、前記混雑情報とは異なる情報が関連付けられている場合、前記異なる情報に基づく情報も前記表示装置に表示させ
、
前記異なる情報は、前記混雑情報が示す前記混雑状況に応じた密集情報を示す密集情報である、
混雑情報表示方法。
【請求項9】
コンピュータを、
施設の混雑状況を示す混雑情報が関連付けられた複数の面を有する筐体に、ユーザの操作による前記筐体の向きの変化に伴い変化する加速度を取得する加速度センサを有するセンサ装置と、
前記加速度センサが取得する前記加速度に基づき、前記複数の面のうち所定の方向に向けられた面を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された面に関連付けられた前記混雑情報を取得する混雑情報取得部と、
前記混雑情報取得部によって取得された前記混雑情報を表示装置に表示させる表示処理部と、
として機能させ、
前記表示処理部は、前記検出部によって検出された面に対して、前記混雑情報に加えて、前記混雑情報とは異なる情報が関連付けられている場合、前記異なる情報に基づく情報も前記表示装置に表示させ
、
前記異なる情報は、前記混雑情報が示す前記混雑状況に応じた密集情報を示す密集情報である、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混雑情報表示システム、混雑情報表示方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲食店等の施設へ行くことを検討している客や予約を検討している客に対して、当該施設のリアルタイムの空席情報を提示するための技術が各種提案されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、店舗への来店者が座席に着席したことをセンサやカメラによって検知し、検知結果に基づき、予約時に予約者が参照する空席情報をリアルタイムに更新する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、店舗の管理者は、混雑(空席)状況を目視で確認し、手動で混雑(空席)情報を更新する作業を行う場合もある。手動による更新の場合、管理者は、管理用のアプリケーションの起動、ログイン、確認結果の入力等の作業を行う必要があり、更新作業に手間がかかってしまう。そこで、店舗等の施設の管理者が混雑情報の更新作業を手動で行う際の手間の軽減が望まれる。
【0006】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、施設の混雑情報の更新をユーザが手動で容易に行うことが可能な混雑情報表示システム、混雑情報表示方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る混雑情報表示システムは、施設の混雑状況を示す混雑情報が関連付けられた複数の面を有する筐体に、ユーザの操作による前記筐体の向きの変化に伴い変化する加速度を取得する加速度センサを有するセンサ装置と、前記加速度センサが取得する前記加速度に基づき、前記複数の面のうち所定の方向に向けられた面を検出する検出部と、前記検出部によって検出された面に関連付けられた前記混雑情報を取得する混雑情報取得部と、前記混雑情報取得部によって取得された前記混雑情報を表示装置に表示させる表示処理部と、を有し、前記表示処理部は、前記検出部によって検出された面に対して、前記混雑情報に加えて、前記混雑情報とは異なる情報が関連付けられている場合、前記異なる情報に基づく情報も前記表示装置に表示させ、前記異なる情報は、前記混雑情報が示す前記混雑状況に応じた密集情報を示す密集情報である。
【0009】
本発明の一態様に係る混雑情報表示方法は、センサ装置が、施設の混雑状況を示す混雑情報が関連付けられた複数の面を有する筐体に、ユーザの操作による前記筐体の向きの変化に伴い変化する加速度を取得する加速度センサを有することと、検出部が、前記加速度センサが取得する前記加速度に基づき、前記複数の面のうち所定の方向に向けられた面を検出することと、混雑情報取得部が、前記検出部によって検出された面に関連付けられた前記混雑情報を取得することと、表示処理部が、前記混雑情報取得部によって取得された前記混雑情報を表示装置に表示させることと、を含み、前記表示処理部は、前記検出部によって検出された面に対して、前記混雑情報に加えて、前記混雑情報とは異なる情報が関連付けられている場合、前記異なる情報に基づく情報も前記表示装置に表示させ、前記異なる情報は、前記混雑情報が示す前記混雑状況に応じた密集情報を示す密集情報である。
【0010】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、施設の混雑状況を示す混雑情報が関連付けられた複数の面を有する筐体に、ユーザの操作による前記筐体の向きの変化に伴い変化する加速度を取得する加速度センサを有するセンサ装置と、前記加速度センサが取得する前記加速度に基づき、前記複数の面のうち所定の方向に向けられた面を検出する検出部と、前記検出部によって検出された面に関連付けられた前記混雑情報を取得する混雑情報取得部と、前記混雑情報取得部によって取得された前記混雑情報を表示装置に表示させる表示処理部と、として機能させ、前記表示処理部は、前記検出部によって検出された面に対して、前記混雑情報に加えて、前記混雑情報とは異なる情報が関連付けられている場合、前記異なる情報に基づく情報も前記表示装置に表示させ、前記異なる情報は、前記混雑情報が示す前記混雑状況に応じた密集情報を示す密集情報である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、施設の混雑情報の更新をユーザが手動で容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施形態に係る混雑情報表示システムの構成の一例を示す図である。
【
図2A】第1の実施形態に係るセンサ装置の外部構成の斜視図である。
【
図2B】第1の実施形態に係るセンサ装置の筐体の展開図である。
【
図3】第1の実施形態に係る面情報DBにおける面情報テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図4】第1の実施形態に係る混雑情報DBにおける混雑情報テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態に係る1つの施設の混雑情報を示す表示画像の一例を示す図である。
【
図6】第1の実施形態に係る複数の施設の混雑情報を示す表示画像の一例を示す図である。
【
図7】第1の実施形態に係る混雑情報表示システムにおける処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】第2の実施形態に係る混雑情報表示システムの構成の一例を示す図である。
【
図9】第2の実施形態に係るセンサ装置の筐体の展開図である。
【
図10】第2の実施形態に係る面情報DBにおける面情報テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図11】第2の実施形態に係る混雑情報DBにおける混雑情報テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図12】第2の実施形態に係る座席ごとの混雑情報の表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。図面には、必要に応じて相互に直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。各軸において、矢印が延びる方向を「正方向」、正方向と逆の方向を「負方向」と称する。
【0014】
<<1.第1の実施形態>>
図1~
図7を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0015】
<1-1.混雑情報表示システムの構成>
図1は、第1の実施形態に係る混雑情報表示システムの構成の一例を示す図である。
図1に示すように、混雑情報表示システム1は、センサ装置100、ゲートウェイ200、サーバ装置300、及び表示装置400を有する。センサ装置100及びゲートウェイ200は、施設10に設けられる。なお、第1の実施形態では、1つの施設10に対して、1台のセンサ装置100と1台のゲートウェイ200が設けられる。
【0016】
施設10は、混雑情報の表示対象である。混雑情報は、施設の混雑状況を示す情報である。施設10の一例として、混雑情報として座席の空席状況を表示する施設や、混雑情報として設備の利用状況を表示する施設等が挙げられる。混雑情報として、座席の空席状況を表示する施設は、具体的に、飲食店、映画館、学習塾の自習室等である。混雑情報として設備の利用状況を表示する施設は、具体的に、フィットネスジム等の運動施設である。
以下、第1の実施形態では、施設10が飲食店であり、混雑情報が当該飲食店における空席状況を示す情報である例について説明する。
【0017】
センサ装置100は、センサ装置100に関するセンシング情報を取得する。センサ装置100は、例えば、筐体に設けられる加速度センサにより加速度をセンシング情報として取得し、センサ装置100における加速度の変化を検出する。加速度センサは、筐体の内部と外部のどちらに設けられてもよい。センサ装置100は、例えば、ユーザの操作による筐体の向きの変化に伴い変化する加速度を取得する。ユーザは、例えば、手でセンサ装置100を動かすことで、センサ装置100(筐体)の向きを変える。
【0018】
センサ装置100の筐体の形状は、複数の面を有する立体形状である。筐体の複数の面の各々には、施設10の混雑情報が関連付けられる。ユーザは、例えば、後述する表示装置400に表示させたい混雑情報が関連付けられている面を、所定の方向に向ける。
【0019】
混雑情報が関連付けられた筐体の各面には、例えば、混雑情報が印刷された媒体が貼りつけられる。これにより、ユーザは、当該媒体を見ることで、目的とする混雑情報が関連付けられた面を容易に区別し、所定の方向に向けることができる。また、ユーザは、当該媒体により現在所定の方向を向いている面の混雑情報を容易に把握することができる。なお、筐体の各面に関連付けられている混雑情報は、各面に対して直接描画されたり、印刷されたり、手書きされてもよい。
【0020】
センサ装置100は、加速度センサが取得する加速度に基づき、複数の面のうち所定の方向に向けられた面を検出する。所定の方向は、表示装置40に表示させる混雑情報を一意に特定可能な方向である。例えば、所定の方向は、鉛直上向き方向である。所定の方向が鉛直上向き方向である場合、例えば、筐体の形状が2つの平行する面を少なくとも1組有する直方体、立方体、円柱、角柱、多面体等であれば、鉛直上向き方向の面を一意に特定可能である。以下、センサ装置100が検出する所定の方向を向いている面を示す情報は、「面情報」とも称される。以下、本実施形態では、所定の方向が鉛直上向き方向であるものとして説明する。
【0021】
センサ装置100は、ゲートウェイ200と通信可能に接続されている。例えば、センサ装置100は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の無線接続によってゲートウェイ200と通信を行う。センサ装置100は、当該通信により、各種情報をゲートウェイ200へ送信する。例えば、センサ装置100は、センサ装置100の識別情報、センシング情報、面情報、及び稼働情報等である。当該識別情報は、センサ装置100に固有のID(Identification)である。以下、当該IDは、「センサID」とも称される。稼働情報は、センサ装置100が稼働しているか否かを判別するための情報であり、例えば、センサ装置100の電池の残量を示す情報である。
【0022】
ここで、
図2A及び
図2Bを参照して、センサ装置100の外部構成について説明する。
図2Aは、第1の実施形態に係るセンサ装置100の外部構成の斜視図である。
図2Bは、第1の実施形態に係るセンサ装置100の筐体101の展開図である。
【0023】
図2Aに示すように、センサ装置100の筐体101の形状は、直方体である。筐体101の形状はかかる例に限定されず、立方体、円柱、角柱、多面体であってもよい。
【0024】
センサ装置100の筐体101の各面のうち、少なくとも2つの面に対して混雑情報が関連付けられる。例えば、
図2Bに示す筐体101では、面A1~A6の6つの面のうち、面A1、面A2、及び面A3の3つの面に対して混雑情報が関連付けられている。具体的に、面A1、面A2、及び面A3には、それぞれ「空席あり」、「空席わずか」、「空席なし」という混雑情報が関連付けられている。
【0025】
ユーザ(例えば施設10の管理者)は、筐体101の面A1~A6のうち、後述する表示装置400に表示させたい混雑情報が関連付けられた所定の方向を向くようにセンサ装置100を置く。例えば、施設10の座席に空席がある場合、ユーザは、面A1を上に向けてセンサ装置100を置く。また、施設10の座席に空席がない場合、ユーザは、面A3を上に向けてセンサ装置100を置く。
【0026】
なお、面A1~A6には、混雑情報に加えて、PR(Public Relations)情報が関連付けられてよい。PR情報は、例えば、施設10の利用者にアピールしたい情報である。当該情報の一例として、「10食限定 xxx定食 まだあります」という情報が挙げられる。混雑情報が関連付けられたいずれかの面にPR情報を予め関連付けて登録しておくことで、混雑情報と共に表示装置400に表示することができる。利用者がPR情報を確認することで、例えば、利用者の来店意欲を向上することができる。なお、PR情報は、上述の媒体等によってユーザが視認可能な状態にされてもよいし、されなくてもよい。
【0027】
ゲートウェイ200は、センサ装置100とサーバ装置300とを中継する装置である。ゲートウェイ200は、ネットワークNWによってサーバ装置300と通信可能に接続されている。ゲートウェイ200は、ネットワークNWを介して、センサ装置100から入力される各種情報をサーバ装置300へ送信する。ここで、各種情報は、センサ装置100の識別情報、センシング情報、面情報、及び稼働情報等である。ゲートウェイ200は、センサ装置100から入力される各種情報に加え、ゲートウェイ200の識別情報もサーバ装置300へ送信する。当該識別情報は、ゲートウェイ200に固有のIDである。以下、当該IDは、「ゲートウェイID」とも称される。ゲートウェイ200は、1つの施設10に対して1台設けられるため、ゲートウェイIDと施設名等を関連付けておくことで、施設10の特定が可能となる。
ゲートウェイ200とサーバ装置300は、例えば、ワイドエリアネットワーク(Wide Area Network:WAN)によって接続されている。WANは、例えば、インターネット接続により実現される。
【0028】
サーバ装置300は、センサ装置100の面情報に基づき、施設10の混雑情報を取得する装置である。サーバ装置300は、ネットワークNWを介して、ゲートウェイ200から面情報を含む各種情報を受信する。サーバ装置300は、ゲートウェイ200から受信した面情報に基づき、混雑情報を取得する。
また、サーバ装置300は、ネットワークNWによって表示装置400と接続されている。ゲートウェイ200と通信可能に接続されている。サーバ装置300は、ネットワークNWを介して、混雑情報を表示装置400へ送信する。
サーバ装置300と表示装置400は、例えば、WANによって接続されている。
【0029】
表示装置400は、混雑情報を表示する装置である。表示装置400は、ネットワークNWを介して、サーバ装置300から混雑情報を受信し、表示する。
表示装置400は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)、デジタルサイネージ等の装置により実現される。
【0030】
<1-2.センサ装置の機能構成>
図1を参照して、第1の実施形態に係るセンサ装置100の機能構成について説明する。
図1に示すように、センサ装置100は、センサ部110、検出部120、記憶部130、及び通信部140を備える。
【0031】
(1)センサ部110
センサ部110は、センサ装置100に関するセンシング情報を取得する機能を有する。本実施形態では、一例として、センサ部110の機能は、加速度センサによって実現される。加速度センサは、センサ装置100の加速度をセンシング情報として取得する。取得後、センサ部110は、加速度センサによって取得されたセンサ装置100の加速度を検出部120へ入力する。
【0032】
(2)検出部120
検出部120は、加速度センサが取得する加速度に基づき、複数の面のうち所定の方向に向けられた面を検出する。例えば、検出部120は、複数の面のうち、加速度センサによって取得された加速度と対応付けられている面を、所定の方向に向けられた面として検出する。検出後、検出部120は、鉛直上向き方向を向いている筐体101の面を示す面情報を通信部140へ入力する。
【0033】
具体的に、検出部120は、筐体101の向きの変化後に加速度センサによって取得される加速度に基づき、鉛直上向き方向を向いている筐体101の面を検出する。当該加速度は、筐体101の向きの変化後に取得される重力加速度gである。ユーザは、センサ装置100を操作して向きを変更したら、センサ装置100を置いて動かさないようにすることが好ましい。これにより、加速度センサが計測する加速度の値を重力加速度gの値により近づけることができる。第1の実施形態の加速度センサは3軸方向の加速度を検出可能な加速度センサであり、各軸方向で検出される重力加速度と筐体101の各面を予め関連付けておく。
【0034】
例えば、3軸の方向が
図2Aに示すX軸、Y軸、及びZ軸のように設定されているとする。この場合、面A1を上に向けてセンサ装置100を置くと、静止状態で検出される加速度は(0,g,0)である。よって、面A1と加速度(0,g,0)を予め関連付けておくことで、検出部120は、加速度(0,g,0)が検出された場合に面A1が上を向いていると検出できる。同様にして、面A2は加速度(-g,0,0)、面A3は(0,-g,0)、面A4は加速度(g,0,0)、面A5は(0,0,g)、面A6は加速度(0,0,-g)とそれぞれ関連付けられる。センサ装置100の加速度と上を向いている面(面情報)を関連付けた情報は、記憶部130の面情報DBに記憶される。
これにより、検出部120は、ユーザの操作によってセンサ装置100の向きが変化した後の静止状態にて取得される加速度に基づき、鉛直上向き方向を向いている筐体101の面を検出することができる。
【0035】
(3)記憶部130
記憶部130は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。記憶部130は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
【0036】
記憶部130は、各種情報を記憶する機能を有する。例えば、記憶部130は、センサ装置100の加速度と面情報(鉛直上向き方向を向いている面を示す情報)とが関連付けられた情報を面情報DBに記憶する。
【0037】
(4)通信部140
通信部140は、各種情報の送受信を行う機能を有する。例えば、通信部140は、検出部120から入力される各種情報をサーバ装置300へ送信する。なお、当該各種情報は、ゲートウェイ200及びネットワークNWを介して、サーバ装置300へ送信される。
【0038】
<1-3.サーバ装置の機能構成>
図1を参照して、第1の実施形態に係るサーバ装置300の機能構成について説明する。
図1に示すように、サーバ装置300は、通信部310、制御部320、及び記憶部330を備える。
【0039】
(1)通信部310
通信部310は、各種情報の送受信を行う機能を有する。例えば、通信部310は、ゲートウェイ200及びネットワークNWを介してセンサ装置100から各種情報を受信する。具体的に、通信部310は、センサ装置100の識別情報、センシング情報、面情報、稼働情報、及びゲートウェイ200の識別情報等を受信する。通信部310は、受信した各種情報を制御部320へ入力する。
また、通信部310は、ネットワークNWを介して、後述する制御部320から入力される混雑情報を表示装置400へ送信する。
【0040】
(2)制御部320
制御部320は、サーバ装置300の動作全般を制御する機能を有する。制御部320は、例えば、サーバ装置300がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
【0041】
(2-1)混雑情報取得部3202
混雑情報取得部3202は、混雑情報を取得する機能を有する。例えば、混雑情報取得部3202は、通信部310から入力される面情報に基づき、混雑情報を取得する。混雑情報取得部3202は、取得した混雑情報を表示処理部3204へ入力する。
【0042】
具体的に、混雑情報取得部3202は、面情報が示す鉛直上向き方向を向いている筐体101の面と関連付けられている混雑情報を取得する。混雑情報取得部3202は、センサ装置100の面情報と混雑情報とが関連付けられた情報を記憶している混雑情報DBから、混雑情報を取得する。
【0043】
(2-2)表示処理部3204
表示処理部3204は、混雑情報の表示処理を制御する機能を有する。例えば、表示処理部3204は、混雑情報取得部3202から入力される混雑情報を表示装置400に表示させる。具体的に、表示処理部3204は、混雑情報に基づき、混雑情報を示す表示画像を生成する。生成後、表示処理部3204は、通信部310を介して、表示画像を表示装置400へ送信し、表示させる。
【0044】
表示処理部3204は、表示装置400に表示画像を表示させることで、施設10の混雑情報を可視化することができる。本実施形態のように、施設10が飲食店である場合、表示処理部3204は、空席状況等の混雑情報を表示することができる。飲食店の利用者は、表示装置400に表示される混雑情報を確認することで、飲食店の利用時間帯、利用形態等を調整することができる。
例えば、利用者は、予め混雑状況を確認することで、ランチタイム等の混雑する時間帯を避けるように、利用時間帯を調整し、待ち時間を短縮することができる。また、利用者は、予め混雑状況を確認することで、混雑を避けるために店内の利用ではなくテイクアウトの利用を前提として来店することもできる。また、利用者は、混雑状況に基づき混雑を回避する行動をとることで、店舗にて他の利用者と密集することを避けることもできる。
よって、混雑情報表示システム1は、混雑情報の可視化により、混雑による利用者へのストレスを緩和することや、店舗における混雑の平準化を行うことができる。
【0045】
(3)記憶部330
記憶部330は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。記憶部330は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
【0046】
記憶部330は、各種情報を記憶する機能を有する。例えば、記憶部330は、センサ装置100の面情報と混雑情報とが関連付けられた情報を混雑情報DBに記憶する。
【0047】
<1-4.データ構成>
図3及び
図4を参照して、各種DBに記憶されるデータの一例について説明する。
【0048】
(1)面情報DB
図3は、第1の実施形態に係る面情報DBにおける面情報テーブルの構成の一例を示す図である。
図3に示すように、面情報テーブルのレコードには、センサID、加速度、及び面情報が含まれる。なお、面情報テーブルのレコードに含まれる情報は、かかる例に限定されない。
【0049】
図3に示す面情報テーブルの1レコード目には、センサID「センサ装置100のID」と、加速度(g,0,0)と、面情報「面A4」とが関連付けられている。これは、センサ装置100の加速度が(g,0,0)である場合に鉛直上向き方向を向いている面が「面A4」であることを示している。
【0050】
2レコード目には、センサID「センサ装置100のID」と、加速度(-g,0,0)と、面情報「面A2」とが関連付けられている。これは、センサ装置100の加速度が(-g,0,0)である場合に鉛直上向き方向を向いている面が「面A2」であることを示している。
【0051】
3レコード目には、センサID「センサ装置100のID」と、加速度(0,g,0)と、面情報「面A1」とが関連付けられている。これは、センサ装置100の加速度が(0,g,0)である場合に鉛直上向き方向を向いている面が「面A1」であることを示している。
【0052】
4レコード目には、センサID「センサ装置100のID」と、加速度(0,-g,0)と、面情報「面A3」とが関連付けられている。これは、センサ装置100の加速度が(0,-g,0)である場合に鉛直上向き方向を向いている面が「面A3」であることを示している。
【0053】
5レコード目には、センサID「センサ装置100のID」と、加速度(0,0,g)と、面情報「面A5」とが関連付けられている。これは、センサ装置100の加速度が(0,0,g)である場合に鉛直上向き方向を向いている面が「面A5」であることを示している。
【0054】
6レコード目には、センサID「センサ装置100のID」と、加速度(0,0,-g)と、面情報「面A6」とが関連付けられている。これは、センサ装置100の加速度が(0,0,-g)である場合に鉛直上向き方向を向いている面が「面A6」であることを示している。
【0055】
(2)混雑情報DB
図4は、第1の実施形態に係る混雑情報DBにおける混雑情報テーブルの構成の一例を示す図である。
図4に示すように、混雑情報テーブルのレコードには、センサID、面情報、及び混雑情報が含まれる。なお、混雑情報テーブルのレコードに含まれる情報は、かかる例に限定されない。
【0056】
図4に示す混雑情報テーブルの1レコード目には、センサID「センサ装置100のID」と、面情報「面A1」と、混雑情報「空席あり」が関連付けられている。これは、センサ装置100の鉛直上向き方向を向いている面が「面A1」である場合の混雑情報が「空席あり」であることを示している。
【0057】
2レコード目には、センサID「センサ装置100のID」と、面情報「面A2」と、混雑情報「空席わずか」が関連付けられている。これは、センサ装置100の鉛直上向き方向を向いている面が「面A2」である場合の混雑情報が「空席わずか」であることを示している。
【0058】
3レコード目には、センサID「センサ装置100のID」と、面情報「面A3」と、混雑情報「空席なし」が関連付けられている。これは、センサ装置100の鉛直上向き方向を向いている面が「面A3」である場合の混雑情報が「空席なし」であることを示している。
【0059】
4レコード目には、センサID「センサ装置100のID」と、面情報「面A4」と、混雑情報「-」が関連付けられている。これは、センサ装置100の鉛直上向き方向を向いている面が「面A4」である場合の混雑情報が「-」であることを示している。即ち、「面A4」には混雑情報が関連付けられていない。
【0060】
5レコード目には、センサID「センサ装置100のID」と、面情報「面A5」と、混雑情報「-」が関連付けられている。これは、センサ装置100の鉛直上向き方向を向いている面が「面A5」である場合の混雑情報が「-」であることを示している。即ち、「面A5」には混雑情報が関連付けられていない。
【0061】
6レコード目には、センサID「センサ装置100のID」と、面情報「面A6」と、混雑情報「-」が関連付けられている。これは、センサ装置100の鉛直上向き方向を向いている面が「面A6」である場合の混雑情報が「-」であることを示している。即ち、「面A6」には混雑情報が関連付けられていない。
【0062】
<1-5.表示画像>
図5及び
図6を参照して、混雑情報を示す表示画像の一例について説明する。
【0063】
(1)1つの施設の表示画像
図5は、第1の実施形態に係る1つの施設10の混雑情報を示す表示画像の一例を示す図である。
図5に示す表示画像410は、1つの飲食店の混雑情報を表示するレイアウトの例である。
図5に示すように、表示画像410のレイアウトは、表示領域411~表示領域414で構成されている。
表示領域411は、飲食店の店名を表示する領域であり、「AAA店」と表示されている。
表示領域412は、飲食店の店舗情報を表示する領域である。店舗情報は、写真や文章等、任意の形式で表示されてよい。
表示領域413は、飲食店の混雑情報を表示する領域であり、空席があることを示す情報として、記号で「〇」、文字で「空席あり」と表示されている。空席がわずかであることを示す場合には、記号で「△」、文字で「空席わずか」と表示されてもよい。空席がないことを示す場合には、記号で「×」、文字で「空席なし」と表示されてもよい。
表示領域414は、飲食店のPR情報を表示する領域であり、「10食限定 xxx定食 まだあります」と表示されている。
なお、表示画像410のレイアウト、表示される情報等はかかる例に限定されない。
【0064】
(2)複数の施設の表示画像
図6は、第1の実施形態に係る複数の施設10の混雑情報を示す表示画像の一例を示す図である。
図6に示す表示画像420は、複数の飲食店の混雑情報を表示するレイアウトの例である。
図6に示すように、表示画像420には、複数の飲食店の表示画像が表示されている。各々の飲食店の表示画像のレイアウトは、
図5に示したレイアウトと同一である。
飲食テナントビルや商業施設のレストランフロアなど、1つの施設10の中に複数の飲食店が存在する場合、各飲食店の混雑情報は、表示画像420のように1つの表示画像にまとめて表示されてもよい。
【0065】
<1-6.処理の流れ>
図7を参照して、第1の実施形態に係る混雑情報表示システム1における処理の流れについて説明する。
図7は、第1の実施形態に係る混雑情報表示システム1における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0066】
図7に示すように、まず、混雑情報表示システム1は、センサ装置100の向きの変化を検出したか否かを判定する(S102)。センサ装置100の向きの変化は、例えば、ユーザの操作によってセンサ装置100の向きが変更された際に検出される。具体的に、センサ装置100の検出部120は、センサ部110が取得する加速度の変化を検出した場合、センサ装置100の向きが変化したことを検出する。
【0067】
センサ装置100の向きの変化を検出しなかった場合(S102/NO)、混雑情報表示システム1は、S102から処理を繰り返す。
【0068】
センサ装置100の向きの変化を検出した場合(S102/YES)、混雑情報表示システム1は、センサ装置100の向きの変化後の加速度を取得する(S104)。センサ装置100の向きの変化後の加速度は、センサ装置100のセンサ部110によって取得される。
【0069】
次いで、混雑情報表示システム1は、センサ装置100の筐体の面のうち、所定の方向を向いている面を検出する(S106)。例えば、センサ装置100の検出部120は、面情報DBを参照し、センサ部110がセンサ装置100の向きの変化後に取得する加速度と関連付けられた面情報が示す面を、所定の方向を向いている面として検出する。
【0070】
次いで、混雑情報表示システム1は、センサ装置100の面情報と関連付けられた混雑情報を取得する(S108)。例えば、サーバ装置300の混雑情報取得部3202は、混雑情報DBを参照し、センサ装置100の面情報と関連付けられた混雑情報を取得する。
【0071】
最後に、混雑情報表示システム1は、混雑情報を表示する(S110)。例えば、サーバ装置300の表示処理部3204は、混雑情報を示す表示画像を生成し、当該表示画像を表示装置400に表示させる。混雑情報の表示後、混雑情報表示システム1は、S102から処理を繰り返す。
【0072】
<<2.第2の実施形態>>
図8~
図12を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、1つの施設10に対して複数のセンサ装置100が設けられる例について説明する。なお、以下では、上述した第1の実施形態と重複する説明を省略する。
【0073】
<2-1.混雑情報表示システムの構成>
図8は、第2の実施形態に係る混雑情報表示システムの構成の一例を示す図である。
図8に示すように、混雑情報表示システム2は、センサ装置100a~100n(nは自然数)、ゲートウェイ200、サーバ装置300、及び表示装置400を有する。センサ装置100a~100n及びゲートウェイ200は、施設10に設けられる。以下、施設10が「学習塾の自習室」である例について説明する。
【0074】
第2の実施形態では、センサ装置100a~100nは、それぞれ座席12a~12nに設けられる。これにより、座席12a~12nの各々における混雑情報の取得が可能となる。
【0075】
ここで、
図9を参照して、センサ装置100の外部構成について説明する。
図9は、第2の実施形態に係るセンサ装置100の筐体の展開図である。なお、第2の実施形態に係るセンサ装置100の外部構成は、第1の実施形態に係るセンサ装置100の外部構成と同一であるため、詳細な説明を省略する。
【0076】
第2の実施形態に係るセンサ装置100の筐体101の各面には、センサ装置100が設けられる座席12の混雑情報が関連付けられる。例えば、
図9に示す筐体101では、面A1~A6の全ての面に対して混雑情報が関連付けられている。具体的に、面A1には、「空席」という混雑情報が関連付けられている。面A2~面A6には、それぞれ「使用中」という混雑情報が関連付けられている。なお、筐体101の面に対して「使用中」を示す混雑情報が関連付けられる場合、座席をどのように使用しているかを示す情報(以下、「使用情報」とも称される)もさらに関連付けられてもよい。使用情報として、面A2には「数学」、面A3には「宿題ほか」、面A4には「理科/社会」、面A5には「英語」、面A6には「国語」がそれぞれ関連付けられている。これは、学習塾の自習室の利用者が、使用情報の示す教科あるいは宿題等の勉強をしていることを示す。当該使用情報は、主に、マーケティングのために使われるが、表示装置400に表示させる混雑情報に含ませてもよい。
【0077】
第2の実施形態に係るゲートウェイ200は、
図1を参照して説明した第1の実施形態に係るゲートウェイ200と同一のものであるため、詳細な説明を省略する。
【0078】
第2の実施形態に係るサーバ装置300は、
図1を参照して説明した第1の実施形態に係るサーバ装置300と同一のものであるため、詳細な説明を省略する。
【0079】
第2の実施形態に係る表示装置400は、
図1を参照して説明した第1の実施形態に係る表示装置400と同一のものであるため、詳細な説明を省略する。
【0080】
<2-2.センサ装置の機能構成>
第2の実施形態に係るセンサ装置100の機能構成は、
図1を参照して説明した第1の実施形態に係るセンサ装置100の機能構成と同一のものであるため、詳細な説明を省略する。
【0081】
<2-3.サーバ装置の機能構成>
第2の実施形態に係るサーバ装置300の機能構成は、
図1を参照して説明した第1の実施形態に係るサーバ装置300の機能構成と同一のものであるため、詳細な説明を省略する。
【0082】
<2-4.データ構成>
図10及び
図11を参照して、各種DBに記憶されるデータの一例について説明する。
【0083】
(1)面情報DB
図10は、第2の実施形態に係る面情報DBにおける面情報テーブルの構成の一例を示す図である。
図10に示すように、面情報テーブルのレコードには、センサID、加速度、及び面情報が含まれる。なお、面情報テーブルのレコードに含まれる情報は、かかる例に限定されない。
【0084】
図10に示す面情報テーブルには、センサ装置100a~100nまでの面情報が登録されている。1レコード目~6レコード目には、センサ装置100aの面情報として、
図3を参照して説明したデータと同一のデータが示されている。センサ装置100b~100nの面情報にも、センサ装置100aと同様のデータが登録される。
【0085】
(2)混雑情報DB
図11は、第2の実施形態に係る混雑情報DBにおける混雑情報テーブルの構成の一例を示す図である。
図11に示すように、混雑情報テーブルのレコードには、センサID、面情報、混雑情報、及び使用情報が含まれる。なお、混雑情報テーブルのレコードに含まれる情報は、かかる例に限定されない。
【0086】
図11に示す混雑情報テーブルの1レコード目には、センサID「センサ装置100aのID」と、面情報「面A1」と、混雑情報「空席」、使用内容「-」が関連付けられている。これは、センサ装置100aの鉛直上向き方向を向いている面が「面A1」である場合の混雑情報が「空席」であり、使用されていないことを示している。
【0087】
2レコード目には、センサID「センサ装置100aのID」と、面情報「面A2」と、混雑情報「使用中」、使用内容「数学」が関連付けられている。これは、センサ装置100aの鉛直上向き方向を向いている面が「面A2」である場合の混雑情報が「使用中」であり、「数学」の勉強のために使用されていることを示している。
【0088】
3レコード目には、センサID「センサ装置100aのID」と、面情報「面A3」と、混雑情報「使用中」、使用内容「宿題ほか」が関連付けられている。これは、センサ装置100aの鉛直上向き方向を向いている面が「面A3」である場合の混雑情報が「使用中」であり、「宿題ほか」の勉強のために使用されていることを示している。
【0089】
4レコード目には、センサID「センサ装置100aのID」と、面情報「面A4」と、混雑情報「使用中」、使用内容「理科/社会」が関連付けられている。これは、センサ装置100aの鉛直上向き方向を向いている面が「面A4」である場合の混雑情報が「使用中」であり、「理科/社会」の勉強のために使用されていることを示している。
【0090】
5レコード目には、センサID「センサ装置100aのID」と、面情報「面A5」と、混雑情報「使用中」、使用内容「英語」が関連付けられている。これは、センサ装置100aの鉛直上向き方向を向いている面が「面A5」である場合の混雑情報が「使用中」であり、「英語」の勉強のために使用されていることを示している。
【0091】
6レコード目には、センサID「センサ装置100aのID」と、面情報「面A6」と、混雑情報「使用中」、使用内容「国語」が関連付けられている。これは、センサ装置100aの鉛直上向き方向を向いている面が「面A6」である場合の混雑情報が「使用中」であり、「国語」の勉強のために使用されていることを示している。
【0092】
混雑情報DBには、センサ装置100b~センサ装置100nの混雑情報もセンサ装置100aの混雑情報と同様に登録されている。
【0093】
<2-5.表示画像>
図12を参照して、混雑情報を示す表示画像の一例について説明する。
図12は、第2の実施形態に係る座席ごとの混雑情報の表示の一例を示す図である。
図12に示す表示画像430は、学習塾の自習室の座席ごとの混雑情報を示す画像である。
図12に示すように、表示画像430には、
図8に示した座席12a~12nごとに設けられたセンサ装置100a~100nのセンシング情報に基づき取得された混雑情報が座席ごとに示されている。例えば、空席である座席には吹き出しの中に「〇」と示されている。一方、空席でない座席には吹き出しの中に「×」と示されている。
なお、表示画像430のレイアウト、表示される情報等はかかる例に限定されない。
【0094】
<2-6.処理の流れ>
第2の実施形態に係る混雑情報表示システム2における処理の流れは、
図7を参照して説明した第1の実施形態に係る混雑情報表示システム1における処理の流れと同様であるため、詳細な説明を省略する。ただし、第2の実施形態では、施設10に設けられたセンサ装置100の数だけ処理を行う必要がある。
【0095】
以上、本発明の各実施形態について説明した。
以上説明したように、本発明の各実施形態に係る混雑情報表示システムのセンサ装置100は、施設10の混雑状況を示す混雑情報が関連付けられた複数の面を有する筐体101に、ユーザの操作による筐体101の向きの変化に伴い変化する加速度を取得する加速度センサを有する。
混雑情報表示システムの検出部120は、加速度センサが取得する加速度に基づき、複数の面のうち所定の方向に向けられた面を検出する。
混雑情報表示システムの混雑情報取得部3202は、検出部120によって検出された面に関連付けられた混雑情報を取得する。
混雑情報表示システムの表示処理部3204は、混雑情報取得部3202によって取得された混雑情報を表示装置400に表示させる。
【0096】
かかる構成により、混雑情報表示システムは、ユーザによって所定の方向に向けられた面と関連付けられた混雑情報を取得し、取得した混雑情報を表示装置400に表示させる。これにより、表示装置400に表示される混雑情報は、表示させたい混雑情報が関連付けられた面をユーザが所定の方向に向けるだけで更新される。
【0097】
よって、本発明の各実施形態に係る混雑情報表示システムは、施設10の混雑情報の更新をユーザが手動で容易に行うことを可能とする。
【0098】
<<3.変形例>>
本発明の実施形態の変形例について説明する。
なお、以下に説明する各変形例は、単独で本発明の実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで本発明の実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、本発明の実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、本発明の各実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
【0099】
(1)第1の変形例
上述の各実施形態では、混雑情報表示システム1が飲食店や学習塾の自習室における空席状況の可視化に適用される例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、混雑情報表示システム1は、店舗のレジ(例えば食品売り場のレジ)の混雑状況の可視化に適用されてもよい。利用者は、レジの混雑状況が可視化されることで、レジに並ぶタイミングを調整することができる。これにより、レジ付近における利用者やスタッフの密集を防ぐことができる。また、店舗のスタッフは、各レジの現状把握が可能となる。
よって、混雑情報表示システム1は、混雑情報の可視化により、レジ付近に密集することによる利用者やスタッフへのストレスを緩和することや、レジの混雑を平準化することができる。
【0100】
なお、混雑情報表示システム1は、レジの混雑状況を示す混雑情報を店内の掲示板(デジタルサイネージ)に表示させてもよいし、店舗のWebサイトに表示させてもよい。
また、センサ装置100の筐体101の面A1~A6には、例えば、「5分待ち」、「10分待ち」、及び「20分待ち」等の待ち時間が混雑情報として関連付けられる。これにより、店内の掲示板やWebサイトにはレジの待ち時間が表示される。利用者は、表示された待ち時間を確認することで、混雑を避けることが可能な時間帯を容易に把握することができる。
【0101】
また、混雑情報表示システム1は、PR情報として、リアルタイムな商品情報を表示することで、利用者に対して提供したい商品を効率よくアピールすることができる。リアルタイムな商品情報は、例えば、特売情報やお得情報等である。これらの情報は、例えば、食品売り場等のコーナーごとに、各コーナーに応じた情報が表示されてもよい。これにより、店舗は、利用者に対して、スポットごとのリアルタイムな広告サービスを提供することができる。これにより、利用者1人あたりの客単価の向上も期待される。
【0102】
(2)第2の変形例
混雑情報表示システム1は、例えば、店舗に設けられた子供向けのプレイルームにおける混雑状況の可視化に適用されてもよい。これにより、プレイルームにおける混雑の平準化、利用者及びスタッフへのストレスの緩和、カスタマーサービスの向上が期待される。
【0103】
(3)第3の変形例
混雑情報表示システム1は、例えば、店舗に設けられた赤ちゃん向け休憩室における混雑状況の可視化に適用されてもよい。これにより、プレイルームにおける混雑の緩和、利用者の密集の解消が期待される。さらに、子育て家族にとってやさしい施設としてのイメージアップ効果も期待される。
【0104】
(4)第4の変形例
センサ装置100の筐体101の面A1~A6には、混雑状況に応じた密集状況を示す密集情報が関連付けられてもよい。例えば、混雑状況が「空席あり」である場合には、他の利用客と密集することなく施設10を利用可能な旨を示す情報が関連付けられる。具体的には、「密集の心配はございません。」等のメッセージである。一方、混雑状況が「混雑中」である場合には、他の利用客と密集する恐れがある旨を示す情報が関連付けられる。具体的には、「密集する可能性がございます。」等のメッセージである。
これにより、混雑情報表示システム1は、施設10の混雑状況に応じた密集情報を表示装置400に表示することができる。利用者は、表示装置400に表示された密集情報を予め確認することで、他の利用者との密集を回避することができる。
【0105】
(5)第5の変形例
上述の実施形態では、検出部120がセンサ装置100の向きの変化の検出及び所定の方向を向いている面の検出を行う例について説明したが、かかる例に限定されない。センサ装置100の検出部120の機能は、サーバ装置300によって実現されてもよい。この場合、センサ装置100のセンサ部110が取得するセンシング情報は、通信部140を介して、サーバ装置300へ送信される。
【0106】
以上、本発明の実施形態の変形例について説明した。
上述した実施形態における混雑情報表示システム1をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0107】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0108】
1 混雑情報表示システム
10 施設
12 座席
100 センサ装置
101 筐体
110 センサ部
120 検出部
130 記憶部
140 通信部
200 ゲートウェイ
300 サーバ装置
310 通信部
320 制御部
330 記憶部
400 表示装置
3202 混雑情報取得部
3204 表示処理部
NW ネットワーク