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特許7683227エネルギー管理システム、および地域エネルギー管理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-19
(45)【発行日】2025-05-27
(54)【発明の名称】エネルギー管理システム、および地域エネルギー管理装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20250520BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20250520BHJP
   H02J 3/06 20060101ALI20250520BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
G06Q50/06
H02J13/00 311T
H02J3/06
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021008213
(22)【出願日】2021-01-21
(65)【公開番号】P2022112384
(43)【公開日】2022-08-02
【審査請求日】2023-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 浩史
(72)【発明者】
【氏名】西都 一浩
(72)【発明者】
【氏名】高井 真人
(72)【発明者】
【氏名】松浦 遼太
【審査官】赤穂 嘉紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-146746(JP,A)
【文献】特開2018-137946(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
H02J 3/00-5/00
G06Q 50/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管轄地域内の複数の施設にそれぞれ対応して設けられ、対応する施設内の1以上の管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する複数の施設エネルギー管理装置と、
前記複数の施設へのエネルギーの供給を管理する地域エネルギー管理装置と、
を備え、
前記複数の施設エネルギー管理装置は、その管轄拠点に関する情報を前記地域エネルギー管理装置へ送信し、前記地域エネルギー管理装置から当該管轄拠点に対する優先度の判定結果を示す情報を受信し、当該受信した判定結果に基づいて当該管轄拠点へのエネルギーの供給を制御し、
前記地域エネルギー管理装置は、前記複数の施設エネルギー管理装置からそれぞれの管轄拠点に関する情報を受信し、受信した複数の管轄拠点に関する情報に基づいて当該複数の管轄拠点のそれぞれに対する優先度を判定し、前記各管轄拠点に対する優先度の判定結果を当該管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する施設エネルギー管理装置へ送信し、
前記複数の施設エネルギー管理装置は、その管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報を前記地域エネルギー管理装置へ送信し、
前記地域エネルギー管理装置は、前記複数の施設エネルギー管理装置からそれぞれの管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報を受信し、当該管轄拠点に対する優先度の判定結果と、当該管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報と、前記管轄地域内で供給可能なエネルギーの量に関する情報とに基づいて、当該管轄拠点へ供給を許可するエネルギーの量を決定し、当該決定されたエネルギーの量の情報を当該管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する施設エネルギー管理装置へ送信するエネルギー管理システム。
【請求項2】
管轄地域内の複数の施設にそれぞれ対応して設けられ、対応する施設内の1以上の管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する複数の施設エネルギー管理装置と、
前記複数の施設へのエネルギーの供給を管理する地域エネルギー管理装置と、
を備え、
前記複数の施設エネルギー管理装置は、その管轄拠点に関する情報を前記地域エネルギー管理装置へ送信し、前記地域エネルギー管理装置から当該管轄拠点に対する優先度の判定結果を示す情報を受信し、当該受信した判定結果に基づいて当該管轄拠点へのエネルギーの供給を制御し、
前記地域エネルギー管理装置は、前記複数の施設エネルギー管理装置からそれぞれの管轄拠点に関する情報を受信し、受信した複数の管轄拠点に関する情報に基づいて当該複数の管轄拠点のそれぞれに対する優先度を判定し、前記各管轄拠点に対する優先度の判定結果を当該管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する施設エネルギー管理装置へ送信し、
前記各施設エネルギー管理装置は、その管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報を前記地域エネルギー管理装置へ送信し、
前記地域エネルギー管理装置は、前記複数の施設エネルギー管理装置からそれぞれの管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報を受信し、当該管轄拠点に対する優先度の判定結果と、当該管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報と、前記管轄地域内で供給可能なエネルギーの量に関する情報とに基づいて、当該管轄拠点のエネルギーを消費する設備に許可する制御内容を決定し、当該決定された制御内容の情報を当該管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する施設エネルギー管理装置へ送信するエネルギー管理システム。
【請求項3】
前記管轄拠点に関する情報は、当該管轄拠点の温度、湿度、広さ及び滞在人数のうちの少なくとも1つを含む請求項1又は請求項2に記載のエネルギー管理システム。
【請求項4】
前記地域エネルギー管理装置は、前記複数の管轄拠点それぞれの快適度を評価した第1の評価値と、前記複数の管轄拠点それぞれに滞在する人に対する影響度を評価した第2の評価値とに基づいて、当該管轄拠点に対する優先度を判定する請求項1又は請求項2に記載のエネルギー管理システム。
【請求項5】
前記地域エネルギー管理装置は、前記複数の施設へのエネルギーの供給に制約が発生した際に、前記複数の管轄拠点における快適度と、滞在人数と、環境改善に必要とされる電気エネルギーの量に関する情報と、前記必要とされる量の電気エネルギーの供給が電力品質に与える影響とに基づいて、前記複数の管轄拠点の中から滞在先として推奨される管轄拠点を選定し、前記選定された管轄拠点を示す情報を前記複数の施設エネルギー管理装置へ送信する請求項1から請求項のいずれか一項に記載のエネルギー管理システム。
【請求項6】
管轄地域内の複数の施設にそれぞれ対応して設けられ、対応する施設内の1以上の管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する複数の施設エネルギー管理装置と、
前記複数の施設へのエネルギーの供給を管理する地域エネルギー管理装置と、
を備え、
前記複数の施設エネルギー管理装置は、その管轄拠点に関する情報を前記地域エネルギー管理装置へ送信し、前記地域エネルギー管理装置から当該管轄拠点に対する優先度の判定結果を示す情報を受信し、当該受信した判定結果に基づいて当該管轄拠点へのエネルギーの供給を制御し、
前記地域エネルギー管理装置は、前記複数の施設エネルギー管理装置からそれぞれの管轄拠点に関する情報を受信し、受信した複数の管轄拠点に関する情報に基づいて当該複数の管轄拠点のそれぞれに対する優先度を判定し、前記各管轄拠点に対する優先度の判定結果を当該管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する施設エネルギー管理装置へ送信し、
前記地域エネルギー管理装置は、前記複数の施設へのエネルギーの供給に制約が発生した際に、前記複数の管轄拠点における快適度と、滞在人数と、環境改善に必要とされる電気エネルギーの量に関する情報と、前記必要とされる量の電気エネルギーの供給が電力品質に与える影響とに基づいて、前記複数の管轄拠点の中から滞在先として推奨される管轄拠点を選定し、前記選定された管轄拠点を示す情報を前記複数の施設エネルギー管理装置へ送信するエネルギー管理システム。
【請求項7】
管轄地域内の複数の施設にそれぞれ対応して設けられて対応する施設内の1以上の管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する複数の施設エネルギー管理装置からそれぞれの管轄拠点に関する情報及びそれぞれの管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報を受信する送受信部と、
前記送受信部が受信した複数の管轄拠点に関する情報に基づいて当該複数の管轄拠点のそれぞれに対する優先度を判定する判定部と、
必要なエネルギーの量に関する情報を前記送受信部が受信した管轄拠点に対する優先度の判定結果と、当該管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報と、前記管轄地域内で供給可能なエネルギーの量に関する情報とに基づいて、当該管轄拠点へ供給を許可するエネルギーの量を決定する制御可否判定部と、
を備え、
前記送受信部は、前記各管轄拠点に対する優先度の判定結果及び当該決定されたエネルギーの量の情報を当該管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する施設エネルギー管理装置へ送信する地域エネルギー管理装置。
【請求項8】
管轄地域内の複数の施設にそれぞれ対応して設けられて対応する施設内の1以上の管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する複数の施設エネルギー管理装置からそれぞれの管轄拠点に関する情報及びそれぞれの管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報を受信する送受信部と、
前記送受信部が受信した複数の管轄拠点に関する情報に基づいて当該複数の管轄拠点のそれぞれに対する優先度を判定する判定部と、
必要なエネルギーの量に関する情報を前記送受信部が受信した管轄拠点に対する優先度の判定結果と、当該管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報と、前記管轄地域内で供給可能なエネルギーの量に関する情報とに基づいて、当該管轄拠点のエネルギーを消費する設備に許可する制御内容を決定する制御可否判定部と、
を備え、
前記送受信部は、前記各管轄拠点に対する優先度の判定結果及び当該決定された制御内容の情報を当該管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する施設エネルギー管理装置へ送信する地域エネルギー管理装置。
【請求項9】
管轄地域内の複数の施設にそれぞれ対応して設けられて対応する施設内の1以上の管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する複数の施設エネルギー管理装置からそれぞれの管轄拠点に関する情報を受信する送受信部と、
前記送受信部が受信した複数の管轄拠点に関する情報に基づいて当該複数の管轄拠点のそれぞれに対する優先度を判定する判定部と、
を備え、
前記送受信部は、前記各管轄拠点に対する優先度の判定結果を当該管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する施設エネルギー管理装置へ送信し、
前記複数の施設へのエネルギーの供給に制約が発生した際に、前記複数の管轄拠点における快適度と、滞在人数と、環境改善に必要とされる電気エネルギーの量に関する情報と、前記必要とされる量の電気エネルギーの供給が電力品質に与える影響とに基づいて、前記複数の管轄拠点の中から滞在先として推奨される管轄拠点を選定し、前記選定された管轄拠点を示す情報を前記複数の施設エネルギー管理装置へ送信する地域エネルギー管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この本開示は、エネルギー管理システム、および地域エネルギー管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電源システムを開示する。当該電源システムによれば、災害時等において供給可能な電力量に制約が発生した場合でも、空調設備等の重要な設備に電力を供給し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-205273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の電源システムにおいては、ひとつの拠点における重要な設備に電力を供給するだけである。このため、管轄地域において供給可能な電力量に制約が発生した場合に、管轄地域における複数の管轄拠点に対してバランスよく電力を供給することができない。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。この発明の目的は、災害発生等により管轄地域におけるエネルギーの供給に制約が発生した場合でも、管轄地域内の複数の管轄拠点に対してバランスよくエネルギーを供給することができるエネルギー管理システム、および地域エネルギー管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエネルギー管理システムは、管轄地域内の複数の施設にそれぞれ対応して設けられ、対応する施設内の1以上の管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する複数の施設エネルギー管理装置と、複数の施設へのエネルギーの供給を管理する地域エネルギー管理装置と、を備え、複数の施設エネルギー管理装置は、その管轄拠点に関する情報を地域エネルギー管理装置へ送信し、地域エネルギー管理装置から当該管轄拠点に対する優先度の判定結果を示す情報を受信し、受信した判定結果に基づいて当該管轄拠点へのエネルギーの供給を制御し、地域エネルギー管理装置は、複数の施設エネルギー管理装置からそれぞれの管轄拠点に関する情報を受信し、受信した複数の管轄拠点に関する情報に基づいて当該複数の管轄拠点のそれぞれに対する優先度を判定し、各管轄拠点に対する優先度の判定結果を当該管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する施設エネルギー管理装置へ送信する。複数の施設エネルギー管理装置は、その管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報を地域エネルギー管理装置へ送信する。地域エネルギー管理装置は、複数の施設エネルギー管理装置からそれぞれの管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報を受信し、当該管轄拠点に対する優先度の判定結果と、当該管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報と、管轄地域内で供給可能なエネルギーの量に関する情報とに基づいて、当該管轄拠点へ供給を許可するエネルギーの量を決定し、当該決定されたエネルギーの量の情報を当該管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する施設エネルギー管理装置へ送信する。
【0007】
本開示に係るエネルギー管理システムは、管轄地域内の複数の施設にそれぞれ対応して設けられ、対応する施設内の1以上の管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する複数の施設エネルギー管理装置と、複数の施設へのエネルギーの供給を管理する地域エネルギー管理装置と、を備え、複数の施設エネルギー管理装置は、その管轄拠点に関する情報を地域エネルギー管理装置へ送信し、地域エネルギー管理装置から当該管轄拠点に対する優先度の判定結果を示す情報を受信し、受信した判定結果に基づいて当該管轄拠点へのエネルギーの供給を制御し、地域エネルギー管理装置は、複数の施設エネルギー管理装置からそれぞれの管轄拠点に関する情報を受信し、受信した複数の管轄拠点に関する情報に基づいて当該複数の管轄拠点のそれぞれに対する優先度を判定し、各管轄拠点に対する優先度の判定結果を当該管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する施設エネルギー管理装置へ送信する。各施設エネルギー管理装置は、その管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報を地域エネルギー管理装置へ送信する。地域エネルギー管理装置は、複数の施設エネルギー管理装置からそれぞれの管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報を受信し、当該管轄拠点に対する優先度の判定結果と、当該管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報と、管轄地域内で供給可能なエネルギーの量に関する情報とに基づいて、当該管轄拠点のエネルギーを消費する設備に許可する制御内容を決定し、当該決定された制御内容の情報を当該管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する施設エネルギー管理装置へ送信する。
また、本開示に係るエネルギー管理システムは、管轄地域内の複数の施設にそれぞれ対応して設けられ、対応する施設内の1以上の管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する複数の施設エネルギー管理装置と、複数の施設へのエネルギーの供給を管理する地域エネルギー管理装置と、を備える。複数の施設エネルギー管理装置は、その管轄拠点に関する情報を地域エネルギー管理装置へ送信し、地域エネルギー管理装置から当該管轄拠点に対する優先度の判定結果を示す情報を受信し、当該受信した判定結果に基づいて当該管轄拠点へのエネルギーの供給を制御する。地域エネルギー管理装置は、複数の施設エネルギー管理装置からそれぞれの管轄拠点に関する情報を受信し、受信した複数の管轄拠点に関する情報に基づいて当該複数の管轄拠点のそれぞれに対する優先度を判定し、各管轄拠点に対する優先度の判定結果を当該管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する施設エネルギー管理装置へ送信する。地域エネルギー管理装置は、複数の施設へのエネルギーの供給に制約が発生した際に、複数の管轄拠点における快適度と、滞在人数と、環境改善に必要とされる電気エネルギーの量に関する情報と、必要とされる量の電気エネルギーの供給が電力品質に与える影響とに基づいて、複数の管轄拠点の中から滞在先として推奨される管轄拠点を選定し、選定された管轄拠点を示す情報を複数の施設エネルギー管理装置へ送信する。
【0008】
本開示に係る地域エネルギー管理装置は、管轄地域内の複数の施設にそれぞれ対応して設けられ対応する施設内の1以上の管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する複数の施設エネルギー管理装置からそれぞれの管轄拠点に関する情報及びそれぞれの管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報を受信する送受信部と、送受信部が受信した複数の管轄拠点に関する情報に基づいて当該複数の管轄拠点のそれぞれに対する優先度を判定する判定部と、必要なエネルギーの量に関する情報を送受信部が受信した管轄拠点に対する優先度の判定結果と、当該管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報と、管轄地域内で供給可能なエネルギーの量に関する情報とに基づいて、当該管轄拠点へ供給を許可するエネルギーの量を決定する制御可否判定部と、を備える。送受信部は、各管轄拠点に対する優先度の判定結果及び当該決定されたエネルギーの量の情報を当該管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する施設エネルギー管理装置へ送信する。
本開示に係る地域エネルギー管理装置は、管轄地域内の複数の施設にそれぞれ対応して設けられて対応する施設内の1以上の管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する複数の施設エネルギー管理装置からそれぞれの管轄拠点に関する情報及びそれぞれの管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報を受信する送受信部と、送受信部が受信した複数の管轄拠点に関する情報に基づいて当該複数の管轄拠点のそれぞれに対する優先度を判定する判定部と、必要なエネルギーの量に関する情報を送受信部が受信した管轄拠点に対する優先度の判定結果と、当該管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報と、管轄地域内で供給可能なエネルギーの量に関する情報とに基づいて、当該管轄拠点のエネルギーを消費する設備に許可する制御内容を決定する制御可否判定部と、を備える。送受信部は、各管轄拠点に対する優先度の判定結果及び当該決定された制御内容の情報を当該管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する施設エネルギー管理装置へ送信する。
本開示に係る地域エネルギー管理装置は、管轄地域内の複数の施設にそれぞれ対応して設けられて対応する施設内の1以上の管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する複数の施設エネルギー管理装置からそれぞれの管轄拠点に関する情報を受信する送受信部と、送受信部が受信した複数の管轄拠点に関する情報に基づいて当該複数の管轄拠点のそれぞれに対する優先度を判定する判定部と、を備える。送受信部は、各管轄拠点に対する優先度の判定結果を当該管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する施設エネルギー管理装置へ送信する。地域エネルギー管理装置は、複数の施設へのエネルギーの供給に制約が発生した際に、複数の管轄拠点における快適度と、滞在人数と、環境改善に必要とされる電気エネルギーの量に関する情報と、必要とされる量の電気エネルギーの供給が電力品質に与える影響とに基づいて、複数の管轄拠点の中から滞在先として推奨される管轄拠点を選定し、選定された管轄拠点を示す情報を複数の施設エネルギー管理装置へ送信する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、地域エネルギー管理装置が、複数の前記施設エネルギー管理装置からそれぞれの管轄拠点に関する情報を受信し、当該複数の管轄拠点に関する情報に基づいて複数の管轄拠点のそれぞれに対する優先度を判定し、各管轄拠点に対する優先度の判定結果を当該管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する施設エネルギー管理装置へ送信する。このため、災害発生等により管轄地域におけるエネルギーの供給に制約が発生した場合でも、管轄地域内の複数の管轄拠点に対してバランスよくエネルギーを供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係るエネルギー管理システムの構成図である。
図2】実施の形態1に係るエネルギー管理システムの優先度テーブルを示す図である。
図3】実施の形態1に係るエネルギー管理システムの地域エネルギー管理装置の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図4】実施の形態1に係るエネルギー管理システムの地域エネルギー管理装置が供給側情報を取得する際の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図5】実施の形態1に係るエネルギー管理システムの地域エネルギー管理装置が需要側情報を取得する際の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図6】実施の形態1に係るエネルギー管理システムの施設エネルギー管理装置の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図7】実施の形態1に係るエネルギー管理システムの施設エネルギー管理装置が電力デマンド目標値を変更したことを通知する際の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図8】実施の形態1における施設エネルギー管理装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0012】
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係るエネルギー管理システムの構成図である。
【0013】
図1に示されるように、エネルギー管理システムは、複数の施設エネルギー管理装置15と、地域エネルギー管理装置16とを備える。
【0014】
複数の施設エネルギー管理装置15は、管轄地域21内の複数の施設にそれぞれ対応して設けられる。複数の施設エネルギー管理装置15は、対応する施設内の1以上の管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する。ここで、エネルギーは、電気エネルギー、熱エネルギー等である。地域エネルギー管理装置16は、管轄地域21内の複数の施設へのエネルギーの供給を管理する。また、管轄拠点へのエネルギーの供給を管理するというのは、管轄拠点に設けられた各設備へのエネルギーの供給、すなわち管轄拠点に設けられた各設備によるエネルギーの消費を管理することを意味する。
【0015】
図1においては、4つの施設A、B、C、Dが管轄地域21内に設けられる。4つの施設エネルギー管理装置15は、4つの施設A、B、C、Dにそれぞれ対応して設けられる。
【0016】
各施設は、1以上の管轄拠点を有する。施設は、1つ以上の管轄拠点をまとめてエネルギーの供給を制御する単位である。例えば、施設Aは、3つの管轄拠点A1、A2、A3を有する。例えば、施設Bは、管轄拠点B1、B2を含む複数の管轄拠点を有する。例えば、施設Cは、管轄拠点C1を含む複数の管轄拠点を有する。例えば、施設Dは、管轄拠点D1を含む複数の管轄拠点を有する。
【0017】
各管轄拠点は、ある程度の広さを有する空間を有する。管轄拠点は、当該空間に対応して設けられた設備へのエネルギーの供給を独立して制御する単位である。例えば、管轄拠点は、部屋、エリア、フロア、ビル等である。各管轄拠点は、需要側設備として、エネルギーを消費する1以上の設備を備える。例えば、エネルギーを消費する設備は、照明設備、換気設備、空調設備、一般設備等である。例えば、一般設備は、エレベーター、乗客コンベア等、決められた動作を行う設備である。これらの需要側設備は、電気エネルギーと熱エネルギーのいずれか一方または両方を用いて動作する。
【0018】
各管轄拠点は、計測設備13と、計測センサー14とを備える。
【0019】
計測設備13は、各需要側設備におけるエネルギーの使用状況を計測する。計測センサー14は、管轄拠点に関する情報として、その管轄拠点における温度、湿度、広さ、滞在人数、混雑度、粉じん量、CO2濃度、CO濃度等を計測する。管轄拠点に関する情報により、その管轄拠点における人の滞在環境が把握される。
【0020】
図1においては、管轄拠点A1は、照明設備9、空調設備11、計測設備13、計測センサー14とを備える。
【0021】
例えば、災害発生等により管轄地域21内の管轄地域に対するエネルギーの供給に制約が発生した場合に、各施設エネルギー管理装置15は、当該管轄拠点に関する情報を地域エネルギー管理装置16へ送信する。
【0022】
地域エネルギー管理装置16は、複数の施設エネルギー管理装置15からそれぞれの管轄拠点に関する情報を受信する。地域エネルギー管理装置16は、受信した複数の管轄拠点に関する情報に基づいて当該複数の管轄拠点のそれぞれに対する優先度を判定する。地域エネルギー管理装置16は、各管轄拠点に対する優先度の判定結果を当該管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する施設エネルギー管理装置15へ送信する。
【0023】
各施設エネルギー管理装置15は、地域エネルギー管理装置16から受信した優先度の判定結果に基づいて管轄拠点へのエネルギーの供給を制御する。
【0024】
施設エネルギー管理装置15は、送受信部15aと、監視・制御部15bと、データ収集・蓄積部15cと、需要予測部15dと、データ解析・処理部15eとを備える。
【0025】
送受信部15aは、地域エネルギー管理装置16等の外部装置との間で情報を送受信する機能を備える。
【0026】
監視・制御部15bは、需要側設備の制御・環境情報を取得する機能を備える。監視・制御部15bは、地域エネルギー管理装置16から受信した優先度の判定結果に基づいて管轄拠点へのエネルギーの供給(すなわち管轄拠点におけるエネルギーの消費)を制御する機能を備える。具体的には、監視・制御部15bは、管轄拠点に設けられた各需要側設備の動きを制御することによってその需要側設備によるエネルギーの消費を制御する。監視・制御部15bは、本開示における制御部に相当する。
【0027】
データ収集・蓄積部15cは、計測設備13により計測された各需要側設備におけるエネルギーの使用に関する情報と、計測センサー14により計測された各管轄拠点の温度、湿度、広さ、滞在人数、混雑度等の情報とを収集して蓄積する機能を備える。収集された各管轄拠点の温度、湿度、広さ、滞在人数、混雑度等の情報は、当該管轄拠点に関する情報として、送受信部15aにより地域エネルギー管理装置16へ送信される。
【0028】
需要予測部15dは、データ収集・蓄積部15cに蓄積された各需要側設備におけるエネルギーの使用に関する情報に基づいて各施設の需要を予測する機能を備える。需要予測部15dは、当該予測値を当該管轄拠点に必要なエネルギーの量として算出する機能を備える。算出された必要なエネルギーの量の情報は、送受信部15aにより地域エネルギー管理装置16へ送信される。
【0029】
データ解析・処理部15eは、データ収集・蓄積部15cに蓄積された各種情報と需要予測部15dに補正された需要とに基づいて各設備の制御パターンを解析する機能を備える。
【0030】
地域エネルギー管理装置16は、送受信部16aと、監視・制御部16bと、データ収集・蓄積部16cと、発電予測部16dと、供給可能量判定部16eと、優先度判定部16fと、変化電力量算出部16gと、電力品質予測部16hと、制御可否判定部16iとを備える。
【0031】
送受信部16aは、情報を送受信する機能を備える。例えば、送受信部16aは、複数の施設エネルギー管理装置15からそれぞれの管轄拠点に関する情報等を需要側情報として受信する機能を備える。
【0032】
監視・制御部16bは、エネルギー供給側設備の制御・環境情報を供給側情報として取得する機能を備える。監視・制御部16bは、エネルギー供給側設備の制御を実施する機能を備える。例えば、エネルギー供給側設備は、受電設備1、重油タンク2、ガス管3、非常用発電設備4、コージェネレーションシステム5、電気自動車6、蓄電池7、再生可能エネルギー生成設備8等である。監視・制御部16bは、エネルギー供給側設備を制御することによって、各エネルギー供給側設備から管轄地域21内の各施設A、B、C、Dへのエネルギーの供給を制御する機能を備える。
【0033】
ここで、受電設備1は、電力系統から電力(電気エネルギー)の供給を受ける。重油タンク2は、燃料としての重油を備蓄する。ガス管3は、ガスの供給を受ける。非常用発電設備4は、重油タンク2の燃料を用いて発電する。コージェネレーションシステム5は、重油タンク2の燃料とガス管3からのガスとを用いて発電する。
【0034】
電気自動車6と蓄電池7は、エネルギー供給側設備として充放電する。再生可能エネルギー生成設備8は、再生可能エネルギーを生成する。例えば、再生可能エネルギー生成設備8は、太陽光発電設備、風力発電設備等である。
【0035】
データ収集・蓄積部16cは、監視・制御部16b等から各種情報を収集して蓄積する機能を備える。データ収集・蓄積部16cは、気象情報が記録された外部データベースから天候、気温等の気象に関する情報を収集することもある。
【0036】
発電予測部16dは、管轄地域での発電量を予測する機能を備える。
【0037】
供給可能量判定部16eは、発電予測部16dにより予測した発電量に基づいて、管轄地域21内で供給可能なエネルギーの量を判定する機能を備える。
【0038】
優先度判定部16fは、送受信部16aにより複数の施設エネルギー管理装置15から受信した複数の管轄拠点に関する情報に基づいて各管轄拠点に対する優先度を判定する機能を備える。管轄拠点に関する情報は、上述の通り、当該管轄拠点の温度、湿度、広さ、滞在人数、混雑度、粉じん量、CO2濃度、CO濃度等である。優先度判定部16fは、これらの情報のうち少なくとも1つの情報に基づいて各管轄拠点に対する優先度を判定する。
【0039】
例えば、ある管轄拠点の温度と予め設定された快適温度値との差異が、他の管轄拠点の温度と予め設定された快適温度値との差異よりも大きい場合、優先度判定部16fは、その管轄拠点の優先度を他の管轄拠点の優先度よりも高くなるように判定する。例えば、ある管轄拠点の湿度と予め設定された快適湿度値との差異が、他の管轄拠点の温度と予め設定された快適湿度値との差異よりも大きい場合、優先度判定部16fは、その管轄拠点の優先度を他の管轄拠点の優先度よりも高くなるように判定する。例えば、ある管轄拠点の広さが、他の管轄拠点の広さよりも大きい場合、優先度判定部16fは、その管轄拠点の優先度を他の管轄拠点の優先度よりも高くなるように判定する。例えば、ある管轄拠点に滞在する人数が、他の管轄拠点に滞在する人数よりも多い場合は、優先度判定部16fは、その管轄拠点の優先度を他の管轄拠点の優先度よりも高くなるように判定する。
【0040】
例えば、優先度判定部16fは、2種類以上の管轄拠点に関する情報に基づいて各管轄拠点の優先度を判定する。例えば、優先度判定部16fは、管轄拠点の温度と湿度に基づいて不快指数を算出し、その不快指数が高い管轄拠点であるほど優先度が高くなるように判定する。例えば、優先度判定部16fは、管轄拠点の滞在人数と広さに基づいて滞在密度を算出し、その滞在密度が高い管轄拠点であるほど優先度が高くなるように判定する。
【0041】
例えば、優先度判定部16fは、単位が異なる2以上の情報に基づいて優先度を判定する場合に、各情報のデータをスコア値に変換して標準化し、変換後のスコア値を用いて優先度を判定する。例えば、優先度判定部16fは、複数の管轄拠点の温度、湿度、広さ、滞在人数等の情報に基づいて各管轄拠点の優先度を判定する。この場合、管轄拠点の温度について、優先度判定部16fは、予め設定された快適温度からの乖離値を1から10のスコア値に変換したうえで管轄拠点の温度の偏差値を算出する。管轄拠点の湿度について、優先度判定部16fは、予め設定された快適湿度からの乖離値を1から10のスコア値に変換したうえで管轄拠点の湿度の偏差値を算出する。優先度判定部16fは、管轄拠点の広さと滞在人数の情報に基づいてその管轄拠点の混雑度を算出し、当該混雑度を1から10のスコア値に変換したうえで管轄拠点の混雑度の偏差値を算出する。各管轄拠点について、優先度判定部16fは、温度の偏差値と湿度の偏差値と滞在密度の偏差値との合計値を算出する。優先度判定部16fは、温度の偏差値と湿度の偏差値と滞在密度の偏差値との合計値が高い管轄拠点であるほど優先度が高くなるように判定する。
【0042】
変化電力量算出部16gは、許容できる電力量を判定する機能を備える。許容できる電力量は、電力品質を維持できる供給能力を超えない電力量である。電力品質は、周波数、電圧等を予め設定された値に安定的に維持できる度合いで示される。
【0043】
電力品質予測部16hは、予め設定された条件下の電力品質を予測する機能を備える。
【0044】
制御可否判定部16iは、各管轄拠点に対する優先度の判定結果と、施設エネルギー管理装置15から受信したその管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報と、その管轄地域21内で供給可能なエネルギーの量に関する情報とに基づいて、その管轄拠点へ供給を許可するエネルギーの量を決定する機能を備える。例えば、制御可否判定部16iは、管轄地域21内の各管轄拠点へ供給を許可するエネルギーの量の合計が供給可能量判定部16eにより判定された供給可能なエネルギーの量を超えない範囲内で、優先度の高い管轄拠点であるほどその管轄拠点に必要なエネルギー量に近い量のエネルギーが供給されるように、各管轄拠点への供給を許可するエネルギーの量の配分を決定する機能を備える。決定された許可するエネルギーの量の情報は、対応する施設エネルギー管理装置15へ送信される。
【0045】
ここでは、制御可否判定部16iが各管轄拠点へ供給を許可するエネルギーの量を決定する場合について説明したが、制御可否判定部16iが各管轄拠点のエネルギーを消費する設備に許可する制御内容を決定してもよい。具体的には、制御可否判定部16iは、各管轄拠点に対する優先度の判定結果と、施設エネルギー管理装置15から受信したその管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報と、供給可能量判定部16eにより判定されたその管轄地域21内で供給可能なエネルギーの量に関する情報とに基づいて、その管轄拠点のエネルギーを消費する設備に許可する制御内容を決定する機能を備えてもよい。
【0046】
例えば、制御可否判定部16iは、管轄地域21内の各管轄拠点へ供給を許可するエネルギーの量の合計が供給可能量判定部16eにより判定された供給可能なエネルギーの量を超えない範囲内で、優先度の高い管轄拠点であるほどその管轄拠点に必要なエネルギー量に近い量のエネルギーが消費されるように、各管轄拠点のエネルギーを消費する設備に許可する制御内容を決定してもよい。
【0047】
この場合、制御可否判定部16iは、優先度判定部16fで算出された優先度と、制御後の電力量変化予測値に基づいて、閾値を超えないように制御内容、制御可否を判定すればよい。
【0048】
例えば、優先度の高い部屋について、制御可否判定部16iは、設備制御を改善するように判定したうえで増加が必要な電力を算出すればよい。例えば、優先度の低い部屋について、制御可否判定部16iは、設備制御を抑制するように判定したうえで抑制が可能な電力を算出すればよい。制御可否判定部16iは、増加が必要な電力と抑制が可能な電力と現在の電力と合計して全体で必要となる電力量を算出すればよい。制御可否判定部16iは、全体で必要となる電力量が提供可能な電力量の範囲内となるよう全体の制御可否を判定すればよい。
【0049】
このように、複数の施設エネルギー管理装置15と地域エネルギー管理装置16とは、それぞれの各部の機能を用いて、管轄地域21における複数の管轄拠点に対してバランスよく電力を供給する。
【0050】
次に、図2を用いて、優先度テーブルを説明する。
図2は実施の形態1におけるエネルギー管理システムの優先度テーブルを示す図である。
【0051】
図2に示されるように、優先度テーブルにおいては、「管轄地域」と「滞在人数」と「滞在密度」と「温度」と「施設別優先度」と「全体優先度」と「制御後電力変化予測」と「目標電力変更値」との情報が対応付けられる。
【0052】
「管轄地域」は、複数の街区に分割される。例えば、複数の街区は、「第1街区」、「第2街区」等である。
【0053】
各街区は、複数の施設に分割される。例えば、「第1街区」の複数の施設は、「施設A」、「施設B」等である。例えば、「第2街区」の複数の施設は、「施設C」、「施設D」等である。
【0054】
各施設は、複数の管轄拠点に分割される。例えば、「施設A」の複数の管轄拠点は、「管轄拠点A1」、「管轄拠点A2」、「管轄拠点A3」である。例えば、「施設B」の複数の管轄拠点は、「管轄拠点B1」、「管轄拠点B2」、「管轄拠点B3」である。例えば、「施設C」の複数の管轄拠点は、「管轄拠点C1」、「管轄拠点C2」、「管轄拠点C3」である。例えば、「施設D」の複数の管轄拠点は、「管轄拠点D1」、「管轄拠点D2」、「管轄拠点D3」である。
【0055】
「滞在人数」は、各管轄拠点に滞在している人数を示す情報である。「混雑度」は、各管轄拠点に滞在している人の密度を示す情報である。「温度」は、各管轄拠点の温度を示す情報である。「施設別優先度」は、各施設内における各管轄拠点の優先度を示す情報である。「全体優先度」は、管轄地域内における各管轄拠点の優先度を示す情報である。「制御後電力変化予測」は、「全体優先度」に基づいて各管轄拠点の空調設備11を制御すると仮定した後の電力変化を示す情報である。「目標電力変更値」は、「全体優先度」に基づいて各管轄拠点の空調設備11を制御すると仮定した後の各施設の目標電力の変更値を示す情報である。
【0056】
図2においては、「全体優先度」の優先度は、各管轄拠点の「滞在密度」と「温度」とに基づいて複数の管轄拠点に対して優先順位がつくように設定される。
【0057】
なお、「供給設備余力」は、エネルギー供給側設備の余力電力を示す情報である。「追加制御」は、各管轄拠点の「制御後電力変化予測」の合計を示す情報である。図2に示されるように、「供給設備余力」が「+30kW」であり、「追加制御」が「+19kW」である場合、「供給設備余力」が「追加制御」よりも大きい。この場合、地域エネルギー管理装置16は、「全体優先度」に基づいた制御が可能であると判定する。
【0058】
次に、図3を用いて、地域エネルギー管理装置16の動作の概要を説明する。
図3は実施の形態1におけるエネルギー管理システムの地域エネルギー管理装置の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0059】
ステップS1では、地域エネルギー管理装置16は、供給側情報があるか否かを判定する。
【0060】
ステップS1で供給側情報がない場合、地域エネルギー管理装置16は、ステップS2の動作を行う。ステップS2では、地域エネルギー管理装置16は、供給側情報を取得する。その後、地域エネルギー管理装置16は、ステップS1の動作を行う。
【0061】
ステップS1で供給側情報がある場合、地域エネルギー管理装置16は、ステップS3の動作を行う。ステップS3では、地域エネルギー管理装置16は、需要側情報があるか否かを判定する。
【0062】
ステップS3で需要側情報がない場合、地域エネルギー管理装置16は、ステップS4の動作を行う。ステップS4では、地域エネルギー管理装置16は、需要側情報を取得する。その後、地域エネルギー管理装置16は、ステップS3の動作を行う。
【0063】
ステップS3で需要側情報がある場合、地域エネルギー管理装置16は、ステップS5の動作を行う。ステップS5では、地域エネルギー管理装置16は、管轄地域21の最適制御判定を行う。例えば、地域エネルギー管理装置16は、許容可能な電力の範囲内にて、不快指数等で示される不快度を改善することで快適性を高める制御の判定を行う。その後、地域エネルギー管理装置16は、ステップS6の動作を行う。ステップS6では、地域エネルギー管理装置16は、制御内容と制御に伴う電力の変化量に基づいて各施設のデマンド電力の目標値を算出する。
【0064】
その後、地域エネルギー管理装置16は、ステップS7の動作を行う。ステップS7では、地域エネルギー管理装置16は、各施設のデマンド電力の目標値の変更の完了通知が受領されたか否かを判定する。
【0065】
ステップS7で各施設のデマンド電力の目標値の変更の完了通知が受領されていない場合、地域エネルギー管理装置16は、ステップS7の動作を行う。ステップS7で各施設のデマンド電力の目標値の変更の完了通知が受領された場合、地域エネルギー管理装置16は、ステップS8の動作を行う。
【0066】
地域エネルギー管理装置16は、ステップS8の動作を行う。ステップS8では、地域エネルギー管理装置16は、各施設のデマンド電力の目標値の変更結果に基づいてエネルギー供給側設備の制御を実施する。その後、地域エネルギー管理装置16は、動作を終了する。
【0067】
次に、図4を用いて、地域エネルギー管理装置16が供給側情報を取得する際の動作の概要を説明する。
図4は実施の形態1におけるエネルギー管理システムの地域エネルギー管理装置が供給側情報を取得する際の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0068】
ステップS11では、地域エネルギー管理装置16は、受電設備1から電力系統状況情報を取得する。
【0069】
その後、地域エネルギー管理装置16は、ステップS12の動作を行う。ステップS12では、地域エネルギー管理装置16は、外部データベース等から気象情報と気象予測情報と過去発電量情報とを取得する。その後、地域エネルギー管理装置16は、ステップS13の動作を行う。ステップS13では、地域エネルギー管理装置16は、管轄地域21内の再生可能エネルギー生成設備8の発電量情報を取得する。
【0070】
その後、地域エネルギー管理装置16は、ステップS14の動作を行う。ステップS14では、地域エネルギー管理装置16は、コージェネレーションシステム5からガス供給状況情報を取得する。その後、地域エネルギー管理装置16は、ステップS15の動作を行う。ステップS15では、地域エネルギー管理装置16は、ガスを使用した場合のコージェネレーションシステム5の発電量並びに熱供給量を確認して算出する。その後、地域エネルギー管理装置16は、ステップS16の動作を行う。ステップS16では、地域エネルギー管理装置16は、コージェネレーションシステム5から燃料備蓄供給状況情報を取得する。その後、地域エネルギー管理装置16は、ステップS17の動作を行う。ステップS17では、地域エネルギー管理装置16は、燃料を使用した場合のコージェネレーションシステム5の発電量並びに熱供給量を確認して算出する。
【0071】
その後、地域エネルギー管理装置16は、ステップS18の動作を行う。ステップS18では、地域エネルギー管理装置16は、非常用発電設備4の発電量を確認して算出する。
【0072】
その後、地域エネルギー管理装置16は、ステップS19の動作を行う。ステップS19では、地域エネルギー管理装置16は、管轄地域21の電力供給能力および余力を算出する。その後、地域エネルギー管理装置16は、動作を終了する。
【0073】
次に、図5を用いて、需要側情報を取得する際の動作の概要を説明する。
図5は実施の形態1におけるエネルギー管理システムの地域エネルギー管理装置16が需要側情報を取得する際の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0074】
ステップS21では、地域エネルギー管理装置16は、各施設エネルギー管理装置15において判断された、各管轄拠点のその施設内における施設別優先度情報と電力量情報との収集を開始する。これらの情報は、地域エネルギー管理装置16による各管轄拠点に対する優先度の判断の際に参照される。その後、地域エネルギー管理装置16は、ステップS22の動作を行う。ステップS22では、地域エネルギー管理装置16は、各管轄拠点のその施設内における施設別優先度情報と電力量情報とを取得する。
【0075】
その後、地域エネルギー管理装置16は、ステップS23の動作を行う。ステップS23では、地域エネルギー管理装置16において、優先度判定部16fは、送受信部16aにより複数の施設エネルギー管理装置15のそれぞれから受信した複数の管轄拠点に関する情報に基づいて各管轄拠点に対する優先度を判定する。優先度判定部16fは、この判定された優先度の情報を用いて優先度テーブルを作成する。
【0076】
その後、地域エネルギー管理装置16は、ステップS24の動作を行う。ステップS24では、地域エネルギー管理装置16は、各管轄拠点に対する優先度の情報を各施設エネルギー管理装置15へ送信する。その後、地域エネルギー管理装置16は、動作を終了する。
【0077】
次に、図6を用いて、施設エネルギー管理装置15の動作の概要を説明する。
図6は実施の形態1におけるエネルギー管理システムの施設エネルギー管理装置の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0078】
ステップS31では、施設エネルギー管理装置15は、計測センサー14から環境情報を取得する。その後、施設エネルギー管理装置15は、ステップS32を行う。ステップS32では、施設エネルギー管理装置15は、計測設備13から各需要側設備におけるエネルギーの使用状況の情報を使用電力量情報として取得する。その後、施設エネルギー管理装置15は、ステップS33を行う。ステップS33では、施設エネルギー管理装置15は、各需要側設備から制御・環境情報を取得する。
【0079】
その後、施設エネルギー管理装置15は、ステップS34を行う。ステップS34では、施設エネルギー管理装置15は、各需要側設備の電力需要を予測して補正する。
【0080】
その後、施設エネルギー管理装置15は、ステップS35を行う。ステップS35では、施設エネルギー管理装置15は、環境改善制御パターンを検討する。ここで、環境改善は、温熱環境評価指数PMV(Predicted Mean Vote、予測温冷感申告)、PPD(Predicted Percentage of Dissatisfied、予測不快者率)等の改善による快適度の向上、空気環境測定の基準値を踏まえた換気・空調制御等による空気環境の改善等を広く含む。その後、施設エネルギー管理装置15は、ステップS36を行う。ステップS36では、施設エネルギー管理装置15は、各需要側設備において環境改善制御が必要であるか否かを判定する。
【0081】
ステップS36で環境改善制御が必要である場合、施設エネルギー管理装置15は、ステップS37を行う。ステップS37では、施設エネルギー管理装置15は、環境改善制御パターンを選定する。
【0082】
ステップS36で環境改善制御が必要でない場合、施設エネルギー管理装置15は、ステップS38を行う。ステップS38では、施設エネルギー管理装置15は、制御パターンを変更しない。
【0083】
ステップS37の後またはステップS38の後、施設エネルギー管理装置15は、ステップS39を行う。ステップS39では、施設エネルギー管理装置15は、抑制制御パターンを検討する。その後、施設エネルギー管理装置15は、ステップS40を行う。ステップS40では、施設エネルギー管理装置15は、抑制制御パターンを選定する。その後、施設エネルギー管理装置15は、ステップS41を行う。ステップS41では、施設エネルギー管理装置15は、選定された抑制パターンに応じた変化電力量を予測する。
【0084】
その後、施設エネルギー管理装置15は、ステップS42を行う。ステップS42では、施設エネルギー管理装置15は、地域エネルギー管理装置16に向けて施設別優先度情報と電力量情報とを送信する。
【0085】
次に、図7を用いて、施設エネルギー管理装置15が電力デマンド目標値を変更したことを通知する際の動作の概要を説明する。
図7は実施の形態1におけるエネルギー管理システムの施設エネルギー管理装置が電力デマンド目標値を変更したことを通知する際の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0086】
ステップS51では、施設エネルギー管理装置15は、管轄拠点別の制御可否通知を受領する。その後、施設エネルギー管理装置15は、ステップS52を行う。ステップS52では、施設エネルギー管理装置15は、デマンド電力の目標値の変更が要求されたか否かを判定する。
【0087】
ステップS52でデマンド電力の目標値の変更が要求された場合、施設エネルギー管理装置15は、ステップS53を行う。ステップS53では、施設エネルギー管理装置15は、デマンド電力の目標値を変更する。
【0088】
ステップS52でデマンド電力の目標値の変更が要求されない場合またはステップS53の後、施設エネルギー管理装置15は、ステップS54の動作を行う。ステップS54では、施設エネルギー管理装置15は、各需要側設備に対して制御を行うことが可能であるか否かを判定する。
【0089】
ステップS54で制御を行うことが可能であると判定された需要側設備がある場合、施設エネルギー管理装置15は、ステップS55の動作を行う。ステップS55では、施設エネルギー管理装置15は、当該需要側設備の制御を実施する。
【0090】
ステップS54で制御を行うことが可能であると判定された需要側設備がない場合またはステップS55の後、施設エネルギー管理装置15は、ステップS56の動作を行う。ステップS56では、施設エネルギー管理装置15は、電力デマンド制御の目標値の変更を完了する。その後、施設エネルギー管理装置15は、ステップS57の動作を行う。ステップS57では、施設エネルギー管理装置15は、電力デマンドの目標値を変更したことを地域エネルギー管理装置16へ通知する。その後、施設エネルギー管理装置15は、動作を終了する。
【0091】
以上で説明した実施の形態1によれば、地域エネルギー管理装置16は、複数の施設エネルギー管理装置15からそれぞれの管轄拠点に関する情報を受信する。地域エネルギー管理装置16は、受信した複数の管轄拠点に関する情報に基づいて当該複数の管轄拠点のそれぞれに対する優先度を判定する。地域エネルギー管理装置16は、各管轄拠点に対する優先度の判定結果を当該管轄拠点へのエネルギーの供給を管理する施設エネルギー管理装置15へ送信する。各施設エネルギー管理装置15は、地域エネルギー管理装置16から受信した優先度の判定結果に基づいて当該管轄拠点へのエネルギーの供給を制御する。このため、災害時等、管轄地域21における供給電力量が制約されている場合でも、管轄地域21における複数の管轄拠点に対してバランスよく電力を供給することができる。
【0092】
また、地域エネルギー管理装置16は、各管轄拠点に対する優先度の判定結果と、施設エネルギー管理装置15から受信したその管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報と、その管轄地域21内で供給可能なエネルギーの量に関する情報とに基づいて、その管轄拠点へ供給を許可するエネルギーの量を決定する。このため、各管轄拠点における各需要側設備に対して適切に電力を供給することができる。
【0093】
また、地域エネルギー管理装置16は、各管轄拠点に対する優先度の判定結果と、施設エネルギー管理装置15から受信したその管轄拠点に必要なエネルギーの量に関する情報と、供給可能量判定部16eにより判定されたその管轄地域21内で供給可能なエネルギーの量に関する情報とに基づいて、その管轄拠点のエネルギーを消費する設備に許可する制御内容を決定する。このため、各管轄拠点における各需要側設備に対して適切に電力を供給することができる。
【0094】
また、地域エネルギー管理装置16は、当該管轄拠点の温度、湿度、広さ及び滞在人数のうちの少なくとも1つの情報に基づいて当該管轄拠点の優先度を判定してもよい。この場合、各管轄拠点の優先度を適切に設定することができる。
【0095】
また、地域エネルギー管理装置16は、複数の管轄拠点それぞれの快適度を評価した第1の評価値と、複数の管轄拠点それぞれに滞在する人に対する影響度を評価した第2の評価値とに基づいて、当該管轄拠点に対する優先度を判定してもよい。例えば、複数の管轄拠点それぞれの快適度として不快指数を採用して、第1の評価値を算出すればよい。例えば、複数の管轄拠点それぞれに滞在する人に対する影響度として当該施設、当該管轄拠点の滞在人数、混雑度を採用して、第2の評価値を算出すればよい。この場合、各管轄拠点の優先度を適切に設定することができる。
【0096】
また、複数の施設へのエネルギーの供給に制約が発生した際、地域エネルギー管理装置16は、複数の管轄拠点における快適度と、滞在人数と、環境改善に必要とされる電気エネルギーの量に関する情報と、環境改善が必要とされる量の電気エネルギーの供給が電力品質に与える影響とに基づいて、複数の管轄拠点の中から滞在先として推奨される管轄拠点を選定してもよい。その後、地域エネルギー管理装置16は、選定された管轄拠点を示す情報を複数の施設エネルギー管理装置へ送信してもよい。この際、複数の施設エネルギー管理装置15は、選定された管轄拠点を示す情報を含む情報を当該施設の滞在者に報知してもよい。例えば、複数の施設エネルギー管理装置15は、「施設**の管轄拠点**が比較的快適です/施設***の管轄拠点***はあまりお勧めしません」等の情報を表示または音声出力により報知してもよい。この場合、災害時において一部の拠点に被災者が集中することを抑制できる。
【0097】
また、複数の街区に優先順位を設定してもよい。例えば、避難所、医療関係の施設がある街区の優先度を高くした上で地域全体の優先度を設定してもよい。
【0098】
また、優先度テーブルにおいて、照明設備9の明るさ、エレベーターの有無、乗客コンベアの有無等を考慮して管轄地域21全体の優先度を設定してもよい。
【0099】
また、公平性を担保するために、各需要側設備の前回の改善制御の有無を考慮して管轄地域21全体の優先度を設定してもよい。
【0100】
また、空調設備11について、温度を1度変化させるための電力量を考慮して管轄地域21全体の優先度を設定してもよい。
【0101】
次に、図8を用いて、施設エネルギー管理装置15の例を説明する。
図8は実施の形態1における施設エネルギー管理装置のハードウェア構成図である。
【0102】
施設エネルギー管理装置15の各機能は、処理回路により実現し得る。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える。
【0103】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える場合、施設エネルギー管理装置15の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ100bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ100aは、少なくとも1つのメモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、施設エネルギー管理装置15の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ100aは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、少なくとも1つのメモリ100bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
【0104】
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。例えば、施設エネルギー管理装置15の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、施設エネルギー管理装置15の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
【0105】
施設エネルギー管理装置15の各機能について、一部を専用のハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、監視・制御部15bの機能については専用のハードウェア200としての処理回路で実現し、監視・制御部15bの機能以外の機能については少なくとも1つのプロセッサ100aが少なくとも1つのメモリ100bに格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現してもよい。
【0106】
このように、処理回路は、ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで施設エネルギー管理装置の各機能を実現する。
【0107】
図示されないが、地域エネルギー管理装置16の各機能も、施設エネルギー管理装置15の各機能を実現する処理回路と同様の処理回路で実現される。
【符号の説明】
【0108】
1 受電設備、 2 重油タンク、 3 ガス管、 4 非常用発電設備、 5 コージェネレーションシステム、 6 電気自動車、 7 蓄電池、 8 再生可能エネルギー生成設備、 9 照明設備、 10 換気設備、 11 空調設備、 12 一般設備、 13 計測設備、 14 計測センサー、 15 施設エネルギー管理装置、 15a 送受信部 15b 監視・制御部、 15c データ収集・蓄積部、 15d 需要予測部、 15e データ解析・処理部、 16 地域エネルギー管理装置、 16a 送受信部、 16b 監視・制御部、 16c データ収集・蓄積部、 16d 発電予測部、 16e 供給可能量判定部、 16f 優先度判定部、 16g 変化電力量算出部、 16h 電力品質予測部、 16i 制御可否判定部、21 管轄地域、 100a プロセッサ、 100b メモリ、 200 ハードウェア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8