(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-19
(45)【発行日】2025-05-27
(54)【発明の名称】入力装置、表示装置、スライド検出方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20250520BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20250520BHJP
【FI】
G06F3/041 422
G06F3/044 120
G06F3/044 130
(21)【出願番号】P 2021014757
(22)【出願日】2021-02-02
【審査請求日】2024-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 洋平
(72)【発明者】
【氏名】南 剛
(72)【発明者】
【氏名】瀬尾 宗隆
(72)【発明者】
【氏名】北村 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 智也
【審査官】桐山 愛世
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-104017(JP,A)
【文献】特開2011-209906(JP,A)
【文献】特開2007-329090(JP,A)
【文献】特開2011-217086(JP,A)
【文献】特開2016-176732(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0218205(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体部と、
前記絶縁体部の裏面又は内部に設置された導電体と、
前記導電体に接触しないように設置された1の電極と、
を備え、
前記導電体は、少なくとも第1の部分と第2の部分とを有し、
前記第1の部分と前記絶縁体部の表面との間の距離が前記第2の部分と前記絶縁体部の表面との間の距離と異なるか、又は、前記第1の部分と前記電極との間の距離が前記第2の部分と前記電極との間の距離と異なるように、前記導電体が設置されていて、
前記電極の表面から前記絶縁体部の表面に垂直に伸びる方向における、前記第1の部分の厚みと、前記第2の部分の厚みと、が互いに異なる、
入力装置。
【請求項2】
前記第1の部分と前記第2の部分とを、前記第1の部分の隣に前記第2の部分が配置される順番で周期的に複数有する、
請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記導電体は、前記第1の部分と前記第2の部分とが物理的に分離しており、前記第1の部分は第1の導電体部として、前記第2の部分は第2の導電体部として、前記絶縁体部の裏面又は内部に設置されている、
請求項1又は2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記電極と前記導電体との間の空間には空気又は樹脂が存在している、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項5】
絶縁体部と、前記絶縁体部の裏面又は内部に設置された導電体と、前記導電体に接触しないように設置された1の電極と、を備え、前記導電体は、少なくとも第1の部分と第2の部分とを有し、前記第1の部分と前記絶縁体部の表面との間の距離が前記第2の部分と前記絶縁体部の表面との間の距離と異なるか、又は、前記第1の部分と前記電極との間の距離が前記第2の部分と前記電極との間の距離と異なるように、前記導電体が設置されていて、前記電極の表面から前記絶縁体部の表面に垂直に伸びる方向における、前記第1の部分の厚みと、前記第2の部分の厚みと、が互いに異なる装置におけるスライド検出方法であって、
前記電極で検出される静電容量の値を時系列に沿って取得する取得ステップと、
前記取得した静電容量の値の変化に基づいて、前記絶縁体部の表面での指のスライドを検出する検出ステップと、
を含むスライド検出方法。
【請求項6】
絶縁体部と、前記絶縁体部の裏面又は内部に設置された導電体と、前記導電体に接触しないように設置された1の電極と、を備え、前記導電体は、少なくとも第1の部分と第2の部分とを有し、前記第1の部分と前記絶縁体部の表面との間の距離が前記第2の部分と前記絶縁体部の表面との間の距離と異なるか、又は、前記第1の部分と前記電極との間の距離が前記第2の部分と前記電極との間の距離と異なるように、前記導電体が設置されていて、前記電極の表面から前記絶縁体部の表面に垂直に伸びる方向における、前記第1の部分の厚みと、前記第2の部分の厚みと、が互いに異なる装置のコンピュータに、
前記電極で検出される静電容量の値を時系列に沿って取得する取得ステップ、及び、
前記取得した静電容量の値の変化に基づいて、前記絶縁体部の表面での指のスライドを検出する検出ステップ、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置、表示装置、スライド検出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
腕時計型情報端末のような小型の電子機器においては、画面サイズが小さく、また、ユーザが操作するボタン類も小さくなりがちである。そこで、小型の電子機器においても、できるだけ操作性を良くするための技術が開発されてきている。例えば、特許文献1には、表示部の周囲に操作用のタッチセンサを設けることによって、表示部を隠さずに操作できる腕時計型情報端末が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている腕時計型情報端末では、表示部の側面に静電容量を検出するための電極を多数設置することによって、ユーザの指の接触位置や、指のスライド(接触位置の変化)を検出できるようにしている。しかし、このような従来技術において、指の接触位置やスライドを細かく検出できるようにするためには、電極の数を増やさなければならず、各電極にはそれぞれ配線が必要であるため、複雑な構造になってしまうという課題が存在した。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、単純な構造で、指のスライドを検出することができる入力装置、表示装置、スライド検出方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る入力装置の一態様は、
絶縁体部と、
前記絶縁体部の裏面又は内部に設置された導電体と、
前記導電体に接触しないように設置された1の電極と、
を備え、
前記導電体は、少なくとも第1の部分と第2の部分とを有し、
前記第1の部分と前記絶縁体部の表面との間の距離が前記第2の部分と前記絶縁体部の表面との間の距離と異なるか、又は、前記第1の部分と前記電極との間の距離が前記第2の部分と前記電極との間の距離と異なるように、前記導電体が設置されていて、
前記電極の表面から前記絶縁体部の表面に垂直に伸びる方向における、前記第1の部分の厚みと、前記第2の部分の厚みと、が互いに異なる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、単純な構造で、指のスライドを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(a)実施の形態に係る表示装置の平面図である。(b)実施の形態に係る表示装置の断面図である。(c)実施の形態に係る入力装置の断面図である。
【
図2】実施の形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】指が接近していないときに検出される静電容量を説明する図である。
【
図4】指が接近しているときに検出される静電容量を説明する図である。
【
図5】実施の形態に係るスライド検出処理のフローチャートである。
【
図6】実施の形態に係る入力装置の電極、導電体部及び絶縁体部の位置関係を説明する図である。
【
図7】変形例1に係る入力装置の電極、導電体部及び絶縁体部の位置関係を説明する図である。
【
図8】変形例2に係る入力装置の電極、導電体部及び絶縁体部の位置関係を説明する図である。
【
図9】変形例3に係る入力装置の電極、導電体部及び絶縁体部の位置関係を説明する図である。
【
図10】(a)変形例4及び変形例5に係る表示装置の平面図である。(b)変形例4に係る入力装置の断面図である。(c)変形例5に係る入力装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態に係る入力装置及びこの入力装置を備えた表示装置について、図面を参照して説明する。なお、図中同一又は相当する部分には同一符号を付す。
【0010】
(実施の形態)
理解を容易にするため、以下、実施の形態に係る入力装置100を、
図1(a)に示す表示装置200に適用した場合を例にして説明する。表示装置200は、腕時計型の情報端末装置である。なお、
図1(a)の一点鎖線A-A’で表示装置200を切断したときの断面図を
図1(b)に、また、
図1(a)の円弧状の一点鎖線B-B’で表示装置200が備える入力装置100を切断したときの断面図を
図1(c)に示す。
【0011】
図1(a)に示すように、表示装置200は、本体中央部に表示部231を備え、表示部231の周囲に円環状に入力装置100(電極121、導電体部111,112,113等)を備える。そして、
図1(b)に示すように、表示装置200は、表示部231の表面にタッチパネル241を備える。
【0012】
入力装置100は、導電体部111,112,113、電極121、絶縁体部131を備える。
図1(b)及び
図1(c)に示すように、導電体部111,112,113は、絶縁体部131の裏面に、電極121と対向して設置される。そして、導電体部111,112,113は、電極121と接触しないように設置される。また導電体部111,112,113はそれぞれ、導電体部111の隣に導電体部112が配置され、導電体部112の隣に導電体部113が配置され、導電体部113の隣に導電体部111が配置される順番で、周期的に配置される。
【0013】
入力装置100は、絶縁体部131の表面にユーザが指を近づけると、電極121で検出される静電容量が変化することを利用することにより、自己容量方式の静電容量センサとして機能する。なお、絶縁体部131の表面とは、ユーザが手を触れることができる、表示装置200の表側の面であり、絶縁体部131の裏面とは、ユーザが手を触れることのできない、表示装置200の内部側の面である。
【0014】
導電体部111,112,113は、導電体であり、金属等の導体からなる小片で構成される。本実施の形態では、導電体部として、第1の導電体部111、第2の導電体部112及び第3の導電体部113という3つの区分からなる導電体部を備えている。この導電体部の区分は、絶縁体部131の表面にユーザが指を近づけたときに電極121で検出される静電容量の値に応じて決まる。すなわち、異なる区分の導電体部に近接する絶縁体部131の表面のそれぞれにユーザの指を近づけたときに電極121で検出される静電容量の値が異なるように、それぞれの区分の導電体部が設けられている。
【0015】
本実施の形態では、導電体部の区分の数は3としているが、導電体部の区分の数は2以上であれば任意である。また、導電体部を構成する物体の材質は導電体であれば任意であり、全ての区分の導電体部について同じ材質の導電体を用いて構成してもよいし、それぞれ異なる材質の導電体を用いて構成してもよい。また、本実施の形態では、導電体部はそれぞれ物理的に分離して構成されているが、後述する変形例4等のように、導電体に指を近づけたときに電極121で検出される静電容量が異なるように、少なくとも第1の部分と第2の部分とを有するように1つの(物理的に分離していない)導電体を構成してもよい。
【0016】
電極121は、静電容量を検出するための電極である。本実施の形態では、入力装置100は、表示部231の周囲に円環状の1つの電極121を備えているが、電極121の形状は任意である。ただし、電極121は、全ての導電体部111,112,113と対向し、しかも全ての導電体部111,112,113と接触しない位置に設置される。
【0017】
絶縁体部131は、例えば、表示装置200を覆うケースを構成する樹脂である。本実施の形態では、導電体部111,112,113と電極121との間には間隙(空気)が存在している。しかし、導電体部111,112,113と電極121との間に樹脂等の絶縁体が充填されていてもよい。また、導電体部111,112,113と電極121との間に空気と絶縁体とが混在していてもよい。
【0018】
次に、表示装置200の機能構成について説明する。
図2に示すように、表示装置200は、制御部210と、記憶部220と、出力部230と、入力部240と、を備える。
【0019】
制御部210は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサで構成される。制御部210は、記憶部220に記憶されているプログラムにより、後述するスライド検出処理や、その他、表示装置200の機能(計時機能等)を実現するための処理を実行する。また、本実施の形態では制御部210が、電極121に発生する静電容量の値を検出する機能を備える。ただし、制御部210は、静電容量を検出する機能を備えていなくてもよく、この場合は、別途、入力装置100又は表示装置200が、電極121に発生する静電容量の値を検出する静電容量検出回路を備えて、検出した値を制御部210に伝えるようになっているものとする。
【0020】
記憶部220は、制御部210が実行するプログラム、入力装置100が検出した静電容量等を記憶する。記憶部220は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等を含み得るが、これらに限られるものではない。なお、記憶部220は、制御部210の内部に設けられていてもよい。
【0021】
出力部230は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイを備え、表示装置200が計時している時刻等を表示する。
【0022】
入力部240は、タッチパネル241や入力装置100を備え、ユーザの操作を受け付ける。なお、入力部240は、タッチパネル241や入力装置100に限られるものではなく、例えば押しボタンスイッチ等を備えてもよい。
【0023】
次に、制御部210が入力装置100から取得する静電容量、すなわち、入力装置100の電極121で検出される静電容量の値について、
図3及び
図4を参照して説明する。表示装置200をユーザが触っていないときには、
図3に示すように、電極121には、GND(Ground)との間に生じる寄生容量Cpが発生しており、制御部210は、静電容量の値として、この寄生容量Cpの値を取得する。
【0024】
一方、ユーザの指301が導電体部111に近づくと、電極121とGNDとの間には、元々生じていた第1のパスの寄生容量Cp以外に、導電体部111並びにユーザの指301及び人体を経由する第2のパスに基づく静電容量Cqも発生する。このため、電極121で検出される静電容量はCp+Cqとなり、制御部210は、静電容量の値としてCp+Cqの値を取得する。
【0025】
この第2のパスに基づく静電容量Cqは、電極121と導電体部111との間の静電容量Cc、導電体部111と指301との間の静電容量Cf、人体の抵抗Rb、人体とGNDとの間の静電容量Cb等によって定まる。これらのうち、人体の抵抗Rb及び人体とGNDとの間の静電容量Cbは、ユーザが指301を導電体部111に近づけたときと離したときとで値はあまり変化しないと考えられる。したがって、指301が導電体部111に近づいたか否かによって、電極121で検出される静電容量の値に大きく影響を及ぼすのは、静電容量Ccと静電容量Cfであると考えられる。
【0026】
そして、一般に、2枚の導体が、面積S平方メートル、間隔dメートルで対向しており、この2枚の導体の間に誘電率εの誘電体が均一に充填されている場合のこの2枚の導体間の静電容量CはC=ε×S÷dで求められる。したがって、電極121と導電体部111との間隔が小さいほど静電容量Ccは大きくなり、また、導電体部111と指301との間隔が小さいほど静電容量Cfは大きくなる。つまり、制御部210が取得する静電容量の値は、電極121と導電体部111との間隔が小さいほど、また、導電体部111と指301との間隔が小さいほど、大きくなる。
【0027】
次に、制御部210が実行するスライド検出処理について、
図5を参照して説明する。この処理は、表示装置200が起動すると、表示装置200の各種機能を実現するための他の処理と並行して実行が開始される。
【0028】
まず、制御部210は、初期化処理を行う(ステップS101)。この初期化処理では、制御部210が取得した(電極121に発生している)静電容量の値を、静電容量初期値(指301が絶縁体部131に接近していないときの静電容量の値)として、記憶部220に記憶する。
【0029】
次に、制御部210は、指301が絶縁体部131に接近したか否かを判定する(ステップS102)。上述したように、指301が導電体部111,112,113に近づくと電極121に生じる静電容量が増加する。そして、導電体部111,112,113は、絶縁体部131の裏面に設置されているため、静電容量が増加したということは、指301が絶縁体部131に接近したことを意味する。したがって、制御部210で取得した静電容量の値が、ステップS101で取得及び記憶した静電容量初期値の第1基準値倍(例えば10倍)以上大きい(又は静電容量初期値より基準閾値以上大きい)なら、「指301が絶縁体部131に接近した」と判定することができる。
【0030】
指301が絶縁体部131に接近していないなら(ステップS102;No)、ステップS102に戻る。指301が絶縁体部131に接近しているなら(ステップS102;Yes)、制御部210は、電極121に生じている静電容量を取得し、取得した静電容量を記憶部220に記録する(ステップS103)。この後のステップS104により指301が絶縁体部131から離れるまでステップS103が繰り返し実行されるので、制御部210は、電極121に生じる静電容量の値を時系列に沿って取得し、記録することになる。ステップS103は、取得ステップとも呼ばれる。なお、制御部210は、ステップS103で、取得した静電容量を記憶部220に記録する際に、取得時刻とともに記録してもよい。
【0031】
次に、制御部210は、指301が絶縁体部131から離れたか否かを判定する(ステップS104)。上述した説明から明らかなように、制御部210で取得した静電容量の値が、ステップS101で取得及び記憶した静電容量初期値に近づいた(例えば静電容量初期値の第2基準値倍(例えば2倍)以下になった)なら、「指301が絶縁体部131から離れた」と判定することができる。
【0032】
指301が絶縁体部131から離れていないなら(ステップS104;No)、ステップS103に戻る。指301が絶縁体部131から離れたなら(ステップS104;Yes)、制御部210は、ステップS103で時系列に沿って記録された静電容量に基づいて、指301のスライド方向及びスライド量を取得する(ステップS105)。これにより、制御部210は、指301のスライドを検出できるので、ステップS105は、検出ステップとも呼ばれる。
【0033】
ステップS105で制御部210がどのようにして指301のスライド方向及びスライド量を取得するかについて、
図1(a)及び
図6を参照して説明する。
図1(a)に示すように、本実施の形態では、時計の12時の位置を基準にすると、第1の導電体部111、第2の導電体部112、第3の導電体部113の順番で周期的に時計回りに、各導電体部111,112,113が規則的に表示部231の周囲を囲うように配置されている。
【0034】
そして、
図6に示すように、電極121と第1の導電体部111との間隔L1は電極121と第2の導電体部112との間隔L2よりも小さく、電極121と第2の導電体部112との間隔L2は、電極121と第3の導電体部113との間隔L3よりも小さく、また、各導電体部111,112,113と絶縁体部131の表面(指301)との間はいずれも同じ間隔L4である。
【0035】
上述したように、静電容量は、間隔の大きさが小さいほど大きくなるため、指301が絶縁体部131の上で時計の12時の位置から時計回りに移動(スライド)したら、制御部210が取得した静電容量の値は、指の移動に伴い(すなわち時間経過とともに)「大、中、小、大、中、小…」の順番に変化する。逆に、指301が絶縁体部131の上で時計の12時の位置から反時計回りに移動(スライド)したら、制御部210が取得した静電容量の値は、時間経過とともに「小、中、大、小、中、大…」の順番に変化する。したがって、制御部210は、静電容量が変化する際の大きさの順番に応じて、ユーザが指301をどちらの方向に移動(スライド)させたかを取得することができる。
【0036】
また
図1(a)に示すように、導電体部111,112,113の1つ1つは30度の円弧状になっているため、制御部210は、ユーザが指301を移動(スライド)させた量(角度)の概算値を、「30度×静電容量が変化した回数」として取得することができる。例えば、取得した静電容量が「中、小、大」と変化していたら、静電容量の変化の順番は「大、中、小…」であり、静電容量が変化した回数が2なので、制御部210は「ユーザが指301を時計回りに約60度移動(スライド)させた」と判断することができる。
【0037】
制御部210は、ステップS105でこのように指301のスライド方向及び量を取得したら、ステップS102に戻る。
【0038】
なお、ステップS105で、制御部210は、その時点での静電容量の値を静電容量初期値として記憶部220に記憶することにより、ステップS101で記憶した静電容量初期値を更新してもよい。また、このような静電容量初期値の更新は、ステップS105を実行する度に行わなくてもよい。例えば、ステップS105を基準回数(例えば100回)実行したら静電容量初期値を更新してもよいし、前回静電容量初期値を更新してから基準時間(例えば2時間)経過したら静電容量初期値を更新するようにしてもよいし、1日1回更新するようにしてもよい。指301が絶縁体部131に接近していないときの静電容量の値は、環境(湿度、ユーザの汗の状態や体質等)によっても変化するため、静電容量初期値を時々更新することによって、指301の接近の判定精度を向上させることができる。
【0039】
以上、説明したように、本実施の形態に係る入力装置100は、1つの電極121に対して、距離の異なる導電体部111,112,113を配置することにより、単一の電極121で指301のスライド方向及びスライド量を検出することができる。また、スライド量を細かく検出したい場合でも、配線の不要な導電体部を増やすだけで実現でき、電極は1つのままでよい。したがって、入力装置100は、単純な構造で、指301のスライドを検出することができる。
【0040】
なお、上述のスライド検出処理のステップS104では、制御部210は、指301が絶縁体部131から離れたか否かを判定したが、ステップS104での判定は、この判定に限られない。例えば、この判定の代わりに、又はこの判定に加えて、制御部210は、取得した静電容量が規定時間(例えば0.5秒)の間変化していないか否かを判定してもよい。この場合、制御部210は、取得した静電容量が規定時間内に変化したならステップS103へ進み、変化していないならステップS104に進む。このようにすることによって、制御部210は、指301が絶縁体部131に接触したままでも、指301のスライドを検出することができるようになる。
【0041】
また、本実施の形態では、導電体部111,112,113を周期的に複数配置したため、例えば時計の12時、3時、6時、9時のそれぞれの位置に指301を接触させた場合の静電容量は同じになり、この4箇所のいずれに指301が位置しているかを判別することはできなかった。しかし、例えば、電極121との距離を12種類異ならせた(12の区分の)導電体部を用いて距離の小さい順(又は大きい順)に配置すれば、指301のスライド方向及び量だけでなく、導電体部の区分の数の分解能で、指301の位置の取得も可能となる。そうすると、制御部210は、例えば「指301が、1時の方向から3時の方向まで移動した」等を取得することができるようになる。
【0042】
逆に、導電体部の区分の数を2に減らし(導電体部111及び導電体部112とする)、導電体部111の隣に導電体部112を配置し、導電体部112の隣に導電体部111を配置する順番で、周期的に配置してもよい。この場合、制御部210で取得される静電容量の大きさは、指301をどちらの方向に動かしても「(大、)小、大、小…」と変化するため、スライド方向を取得することはできない。しかし、制御部210は、静電容量が変化した回数に基づいて、スライド量を取得することができる。用途によっては、指の移動方向の情報は不要で、移動量だけを取得したい場合があるので、この場合には、導電体部の区分の数を2にすることによって、生産コストを低減することができる。
【0043】
また、導電体部111,112,113の配置には
図6に示した配置以外にも様々な変形例が考えられる。導電体部111,112,113の配置等の具体的な変形例について以下に説明する。
【0044】
(変形例1)
変形例1では、
図7に示すように、絶縁体部131の表面と第1の導電体部111との間隔L1は絶縁体部131の表面と第2の導電体部112との間隔L2よりも大きく、絶縁体部131の表面と第2の導電体部112との間隔L2は、絶縁体部131の表面と第3の導電体部113との間隔L3よりも大きく、また、各導電体部111,112,113と電極121との間はいずれも同じ間隔L4であるように導電体部111,112,113が配置される。なお、これらの点以外について、変形例1は、上述の実施の形態と同様である。
【0045】
変形例1では、指301が絶縁体部131の上で時計の12時の位置から時計回りに移動(スライド)したら、制御部210が取得した静電容量の値は、時間経過とともに「小、中、大、小、中、大…」の順番に変化する。逆に、指301が絶縁体部131の上で時計の12時の位置から反時計回りに移動(スライド)したら、制御部210が取得した静電容量の値は、時間経過とともに「大、中、小、大、中、小…」の順番に変化する。したがって、制御部210は、静電容量が変化する際の大きさの順番に応じて、ユーザが指301をどちらの方向に移動(スライド)させたかを取得することができる。
【0046】
図7では、電極121と各導電体部111,112,113との間に間隔L4の間隙(空気)が存在するが、ここに厚さがL4の樹脂を配置してもよい。この場合、厚さL4の樹脂の上に各導電体部111,112,113を設置することで変形例1を実現できる。すると、絶縁体部131を
図7に示すような特殊な形状にする必要はなく、
図6に示す絶縁体部131のように、均一の厚さの絶縁体部131で変形例1に係る絶縁体部131を構成してもよい。すなわち、導電体部111,112,113を絶縁体部131の裏面に貼り付ける形で入力装置100を構成したい場合には、上述の実施の形態のように構成し、導電体部111,112,113を電極121の上に配置した樹脂の上に貼り付ける形で入力装置100を構成したい場合には、変形例1のように構成することにより、製造コストを削減することができる。
【0047】
(変形例2)
変形例2では、
図8に示すように、各導電体部111,112,113を同一の形状(厚み)とし、電極121と第1の導電体部111との間隔L1は電極121と第2の導電体部112との間隔L2よりも小さく、電極121と第2の導電体部112との間隔L2は、電極121と第3の導電体部113との間隔L3よりも小さく、また、絶縁体部131の表面と第1の導電体部111との間隔L4は絶縁体部131の表面と第2の導電体部112との間隔L5よりも大きく、絶縁体部131の表面と第2の導電体部112との間隔L5は、絶縁体部131の表面と第3の導電体部113との間隔L6よりも大きくなるように導電体部111,112,113が配置される。なお、これらの点以外について、変形例2は、上述の実施の形態と同様である。
【0048】
変形例2では、電極121と導電体部111,112,113との間の静電容量については、電極121と第1の導電体部111との間の静電容量が最も大きくなるが、絶縁体部131の表面と導電体部111,112,113との間の静電容量については、絶縁体部131の表面と第3の導電体部113との間の静電容量が最も大きくなる。ただし、一般に誘電率εは、空気の誘電率よりも樹脂の誘電率の方が大きいため、絶縁体部131の表面と導電体部111,112,113との間の静電容量の方が、電極121と導電体部111,112,113との間の静電容量よりも大きくなる。そして、この2つの静電容量は直列に接続されているため、制御部210で取得される静電容量の値は、第1の導電体部111に近接する絶縁体部131の表面に指301を近づけたときに最も大きくなる。逆に、制御部210で取得される静電容量の値は、第3の導電体部113に近接する絶縁体部131の表面に指301を近づけたときに最も小さくなる。
【0049】
つまり、変形例2では、指301が絶縁体部131の上で時計の12時の位置から時計回りに移動(スライド)したら、制御部210が取得した静電容量の値は、時間経過とともに「大、中、小、大、中、小…」の順番に変化する。逆に、指301が絶縁体部131の上で時計の12時の位置から反時計回りに移動(スライド)したら、制御部210が取得した静電容量の値は、時間経過とともに「小、中、大、小、中、大…」の順番に変化する。したがって、制御部210は、静電容量が変化する際の大きさの順番に応じて、ユーザが指301をどちらの方向に移動(スライド)させたかを取得することができる。
【0050】
変形例2に係る入力装置100は、導電体部111,112,113を同一の形状で構成することができるため、製造コストを削減することができる。
【0051】
(変形例3)
変形例3では、
図9に示すように、各導電体部111,112,113を同一の形状(厚み)としつつ、ケース(絶縁体部131)の表面に段差をつけている。この段差により、絶縁体部131の表面と第1の導電体部111との間隔L1は絶縁体部131の表面と第2の導電体部112との間隔L2よりも大きく、絶縁体部131の表面と第2の導電体部112との間隔L2は、絶縁体部131の表面と第3の導電体部113との間隔L3よりも大きく、また、各導電体部111,112,113と電極121との間はいずれも同じ間隔L4であるように導電体部111,112,113が配置される。なお、これらの点以外について、変形例1は、上述の実施の形態と同様である。
【0052】
変形例3では、指301が絶縁体部131の上で時計の12時の位置から時計回りに移動(スライド)したら、制御部210が取得した静電容量の値は、時間経過とともに「小、中、大、小、中、大…」の順番に変化する。逆に、指301が絶縁体部131の上で時計の12時の位置から反時計回りに移動(スライド)したら、制御部210が取得した静電容量の値は、時間経過とともに「大、中、小、大、中、小…」の順番に変化する。したがって、制御部210は、静電容量が変化する際の大きさの順番に応じて、ユーザが指301をどちらの方向に移動(スライド)させたかを取得することができる。
【0053】
変形例3に係る入力装置100は、導電体部111,112,113を同一の形状で構成することができるため、製造コストを削減することができる。なお、
図9ではケース(絶縁体部131)の表面を階段状にしているが、導電体部111との間隔を間隔L1から間隔L3までスムーズに変化させてスロープ状にしてもよい。ただし、この場合、第3の導電体部113と第1の導電体部111との間においては、導電体部111,113と絶縁体部131の表面との間隔を間隔L3から間隔L1に急激に変化させる必要があるため、この部分は崖状になる。
【0054】
(変形例4)
上述の実施の形態及び変形例では、物理的に分離した複数の導電体部111,112,113を設置することによって、電極121に発生する静電容量が指301の移動に応じて変化するようにしていた。しかし、物理的に分離していない1つの導電体のみで、電極121に発生する静電容量が指301の移動に応じて変化するように構成することも可能である。このような変形例4について、
図10を参照して説明する。
【0055】
変形例4に係る表示装置201は、上述の実施の形態と同様に、腕時計型の情報端末であり、本体中央部に表示部231を備え、表示部231の周囲に入力装置101を備える。そして、変形例4に係る表示装置201は、
図10(a)に示すように、入力装置101の構成要素として、表示部231の周囲に円環状に一定間隔を空けて導電体110を4つ備える。なお、
図10(a)の円弧状の一点鎖線A-A’で表示装置201が備える入力装置101を切断したときの断面図を
図10(b)に示す。
【0056】
図10(b)に示すように、導電体110は、絶縁体部131の内部に、電極121と対向し、電極121と接触しないように設置される。上述の実施の形態の導電体部111,112,113が、変形例4では導電体110に置き換わった点以外は、変形例4は、上述の実施の形態と同様の構成である。
【0057】
導電体110は、
図10(b)に示すように、絶縁体部131の内部で傾斜して配置されるため、絶縁体部131の表面と導電体110との間隔は、最も大きい部分で間隔L1、最も小さい部分で間隔L2となっている。また、導電体110と電極121との間隔は最も小さい部分で間隔L3、最も大きい部分で間隔L4となっている。電極121は、導電体110と対向して全面に存在しているため、導電体110と電極121との間の静電容量は指301の位置に依存しない。
【0058】
一方、指301と導電体110との間の静電容量は指の位置に依存する。指301が絶縁体部131の表面を移動する際の指301と導電体110との間の静電容量は、指301が、
図10(b)に示す点P1に位置するときに最も小さくなり、点P2に位置するときに最も大きくなる。
【0059】
したがって、指301が絶縁体部131の上で時計回りに移動(スライド)したら、制御部210が取得した静電容量の値は、指の移動に伴い(すなわち時間経過とともに)大きな値から小さな値に滑らかに変化した後に急激に大きな値になり、また、滑らかに小さな値に変化していく。逆に、指301が絶縁体部131の上で反時計回りに移動(スライド)したら、制御部210が取得した静電容量の値は、時間経過とともに、小さな値から大きな値に滑らかに変化した後に急激に小さな値になり、また、滑らかに大きな値に変化していく。したがって、制御部210は、静電容量が変化する際の大きさの変化の仕方に基づいて、ユーザが指301をどちらの方向に移動(スライド)させたかを取得することができる。
【0060】
また
図10(a)に示すように、導電体110の1つ1つは90度の円弧状の領域の中央部にそれぞれ設置されているため、制御部210は、ユーザが指301を移動(スライド)させた量(角度)の概算値を、「90度×静電容量が急激に変化した回数」として取得することができる。例えば、取得した静電容量が「中位の値から滑らかに小さな値になり、その後急激に大きな値に」と変化していたら、静電容量の急激な変化は、小から大であり、また急激な変化の回数は1なので、制御部210は「ユーザが指301を時計回りに約90度移動(スライド)させた」と判断することができる。さらに、静電容量がゆるやかに変化している範囲においても、その変化の割合に応じて、指301の移動量(角度)の概算値を求めることが可能である。
【0061】
(変形例5)
変形例4のさらなる変形例として、導電体110の形状を少し変更した変形例5に係る表示装置202について
図10(a)及び
図10(c)を参照して説明する。なお、導電体110の形状が異なる点以外は、変形例5は変形例4と同様の構成である。また、
図10(c)は、
図10(a)の円弧状の一点鎖線A-A’で変形例5の表示装置202が備える入力装置102を切断したときの断面図である。
【0062】
変形例4に係る導電体110の形状は、
図10(b)に示すように、左右で厚みの等しい板状であった。これに対し、変形例5に係る導電体110の形状は、
図10(c)に示すように、表示装置202の側面方向から見た場合に、左右で厚みが異なり、断面が台形になる形状である。
【0063】
変形例5に係る導電体110は、
図10(c)に示すように、左右で厚みが異なるため、絶縁体部131の表面と導電体110との間隔は、最も大きい部分で間隔L1、最も小さい部分で間隔L2となっている。また、導電体110と電極121との間隔は位置によらずに間隔L3となっている。変形例4と同様、電極121は、導電体110と対向して全面に存在しているため、導電体110と電極121との間の静電容量は指301の位置に依存しない。
【0064】
一方、変形例4と同様に、指301が絶縁体部131の表面を移動する際の指301と導電体110との間の静電容量は、指301が、
図10(c)に示す点P1に位置するときに最も小さくなり、点P2に位置するときに最も大きくなる。したがって、変形例4と同様に、制御部210は、静電容量が変化する際の大きさの変化の仕方に基づいて、ユーザが指301をどちらの方向に移動(スライド)させたかを、また、ユーザが指301を移動(スライド)させた量(角度)の概算値を、それぞれ取得することができる。
【0065】
(その他の変形例)
上述の実施の形態及び変形例では、腕時計型の表示装置200,201,202の入力デバイスとして適用可能な入力装置100,101,102として、電極121が表示部231の周囲に円環状に存在する実施の形態を説明した。しかし、電極121の形状は円環状に限定されず、直線状や、円弧状であってもよい。この場合、導電体部111,112,113や導電体110も、電極121の形状に合わせて、電極121に対向する形状で構成する。
【0066】
例えば、電極121が、表示部231の周囲の時計の12時の方向から3時の方向までの90度の円弧状に存在し、導電体部111,112,113も、表示部231の周囲の12時の方向から3時の方向までの90度の範囲の中に設置されていてもよい。
【0067】
また、上述の実施の形態及び変形例では、表示装置が1つの入力装置を備えるものとして説明した。しかし、表示装置が備える入力装置の個数は1つに限定されない。表示装置は、複数の入力装置を備えてもよい。表示装置が3つの入力装置を、例えば、時計の12時の方向から3時の方向にかけて第1の入力装置、時計の4時の方向から7時の方向にかけて第2の入力装置、時計の8時の方向から11時の方向にかけて第3の入力装置、というように備えてもよい。
【0068】
また、入力装置を備える装置は腕時計型の表示装置に限定されない。指のスライド操作で何らかの入力を行わせたい装置であれば、入力装置は任意の装置に適用可能である。例えば、電子辞書、音楽再生装置、スマートフォン、タブレット等が、その側面等に、ボリューム調整用の入力装置(例えば直線状の電極を用いたもの)を備えるようにしてもよい。また、電子辞書や音楽再生装置等が、その正面等に、コンテンツ選択用の入力装置(例えば円環状の電極を用いたもの)を備えるようにしてもよい。もちろん、電子辞書や音楽再生装置等が、これらの入力装置を両方とも備えるようにしてもよい。
【0069】
なお、表示装置200の各機能は、通常のPC(Personal Computer)等のコンピュータによっても実施することができる。具体的には、上記実施の形態では、表示装置200が実行するスライド検出処理等のプログラムが、記憶部220のROMに予め記憶されているものとして説明した。しかし、プログラムを、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto-Optical disc)、メモリカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータに読み込んでインストールすることにより、上述の各機能を実現することができるコンピュータを構成してもよい。
【0070】
さらに、プログラムを搬送波に重畳し、インターネットなどの通信媒体を介して適用することもできる。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にプログラムを掲示して配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OS(Operating System)の制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0071】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とが含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0072】
(付記1)
絶縁体部と、
前記絶縁体部の裏面又は内部に設置された導電体と、
前記導電体に接触しないように設置された1の電極と、
を備え、
前記導電体は、少なくとも第1の部分と第2の部分とを有し、
前記第1の部分と前記絶縁体部の表面との間の距離が前記第2の部分と前記絶縁体部の表面との間の距離と異なるか、又は、前記第1の部分と前記電極との間の距離が前記第2の部分と前記電極との間の距離と異なるように、前記導電体が設置されている、
入力装置。
【0073】
(付記2)
前記第1の部分と前記第2の部分とを、前記第1の部分の隣に前記第2の部分が配置される順番で周期的に複数有する、
付記1に記載の入力装置。
【0074】
(付記3)
前記導電体は、前記第1の部分と前記第2の部分とが物理的に分離しており、前記第1の部分は第1の導電体部として、前記第2の部分は第2の導電体部として、前記絶縁体部の裏面又は内部に設置されている、
付記1又は2に記載の入力装置。
【0075】
(付記4)
前記導電体は、前記第1の部分と前記第2の部分とが物理的に分離しておらず、
前記第1の部分と前記絶縁体部の表面との間の距離が前記第2の部分と前記絶縁体部の表面との間の距離と異なる、
付記1又は2に記載の入力装置。
【0076】
(付記5)
前記絶縁体部の裏面又は内部に設置された第3の導電体部をさらに備え、
前記第3の導電体部と前記絶縁体部の表面との間の距離が、前記第1の導電体部と前記絶縁体部の表面との間の距離とも前記第2の導電体部と前記絶縁体部の表面との間の距離とも異なるか、又は、前記第3の導電体部と前記電極との間の距離が、前記第1の導電体部と前記電極との間の距離とも前記第2の導電体部と前記電極との間の距離とも異なるように、前記第3の導電体部が設置されている、
付記3に記載の入力装置。
【0077】
(付記6)
前記第1の導電体部と前記第2の導電体部と前記第3の導電体部とが、前記第1の導電体部の隣に前記第2の導電体部が配置され、前記第2の導電体部の隣に前記第3の導電体部が配置される順番で周期的に複数設置されている、
付記5に記載の入力装置。
【0078】
(付記7)
前記電極の表面から前記絶縁体部の表面に垂直に伸びる方向における、前記第1の導電体部の厚みと、前記第2の導電体部の厚みと、前記第3の導電体部の厚みと、が全て互いに異なる、
付記5又は6に記載の入力装置。
【0079】
(付記8)
前記第1の導電体部と前記電極との間の距離と、前記第2の導電体部と前記電極との間の距離と、前記第3の導電体部と前記電極との間の距離と、が全て互いに異なる、
付記5から7のいずれか1つに記載の入力装置。
【0080】
(付記9)
前記絶縁体部の表面と前記第1の導電体部との間の距離と、前記絶縁体部の表面と前記第2の導電体部との間の距離と、前記絶縁体部の表面と前記第3の導電体部との間の距離と、が全て互いに異なる、
付記5から8のいずれか1つに記載の入力装置。
【0081】
(付記10)
前記電極の表面から前記絶縁体部の表面に垂直に伸びる方向における、前記第1の導電体部の厚みと、前記第2の導電体部の厚みと、前記第3の導電体部の厚みと、が全て等しく、
前記絶縁体部の表面と前記第1の導電体部との間の距離と、前記絶縁体部の表面と前記第2の導電体部との間の距離と、前記絶縁体部の表面と前記第3の導電体部との間の距離と、が全て互いに異なり、
前記第1の導電体部と前記電極との間の距離と、前記第2の導電体部と前記電極との間の距離と、前記第3の導電体部と前記電極との間の距離と、が全て互いに異なる、
付記5に記載の入力装置。
【0082】
(付記11)
前記絶縁体部の表面に段差を設けることによって、前記電極の表面から前記絶縁体部の表面に垂直に伸びる直線が前記第1の導電体部を通る部分における前記絶縁体部の厚みと、前記直線が前記第2の導電体部を通る部分における前記絶縁体部の厚みと、前記直線が前記第3の導電体部を通る部分における前記絶縁体部の厚みと、が全て互いに異なる、
付記5から10のいずれか1つに記載の入力装置。
【0083】
(付記12)
前記電極と前記導電体との間の空間には空気又は樹脂が存在している、
付記1から11のいずれか1つに記載の入力装置。
【0084】
(付記13)
付記1から12のいずれか1つに記載の入力装置と、
表示部と、
を備える表示装置であって、
前記絶縁体部は、前記表示装置を覆うケースであり、
前記導電体は、前記表示部の周囲に対応する位置に設置されている、
表示装置。
【0085】
(付記14)
絶縁体部と、前記絶縁体部の裏面又は内部に設置された導電体と、前記導電体に接触しないように設置された1の電極と、を備え、前記導電体は、少なくとも第1の部分と第2の部分とを有し、前記第1の部分と前記絶縁体部の表面との間の距離が前記第2の部分と前記絶縁体部の表面との間の距離と異なるか、又は、前記第1の部分と前記電極との間の距離が前記第2の部分と前記電極との間の距離と異なるように、前記導電体が設置されている装置におけるスライド検出方法であって、
前記電極で検出される静電容量の値を時系列に沿って取得する取得ステップと、
前記取得した静電容量の値の変化に基づいて、前記絶縁体部の表面での指のスライドを検出する検出ステップと、
を含むスライド検出方法。
【0086】
(付記15)
絶縁体部と、前記絶縁体部の裏面又は内部に設置された導電体と、前記導電体に接触しないように設置された1の電極と、を備え、前記導電体は、少なくとも第1の部分と第2の部分とを有し、前記第1の部分と前記絶縁体部の表面との間の距離が前記第2の部分と前記絶縁体部の表面との間の距離と異なるか、又は、前記第1の部分と前記電極との間の距離が前記第2の部分と前記電極との間の距離と異なるように、前記導電体が設置されている装置のコンピュータに、
前記電極で検出される静電容量の値を時系列に沿って取得する取得ステップ、及び、
前記取得した静電容量の値の変化に基づいて、前記絶縁体部の表面での指のスライドを検出する検出ステップ、
を実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0087】
100,101,102…入力装置、110…導電体、111,112,113…導電体部、121…電極、131…絶縁体部、200,201,202…表示装置、210…制御部、220…記憶部、230…出力部、231…表示部、240…入力部、241…タッチパネル、301…指、C,Cb,Cc,Cf,Cq…静電容量、Cp…寄生容量、d,L1,L2,L3,L4,L5,L6…間隔、Rb…抵抗、P1,P2…点、S…面積、ε…誘電率