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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-19
(45)【発行日】2025-05-27
(54)【発明の名称】内燃機関の制御装置
(51)【国際特許分類】
   F02D 45/00 20060101AFI20250520BHJP
   F01N 3/023 20060101ALI20250520BHJP
   F02D 41/22 20060101ALI20250520BHJP
【FI】
F02D45/00 345
F01N3/023 A ZHV
F02D41/22
F02D45/00 368F
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021135381
(22)【出願日】2021-08-23
(65)【公開番号】P2023030322
(43)【公開日】2023-03-08
【審査請求日】2024-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】野瀬 勇喜
(72)【発明者】
【氏名】池田 悠人
(72)【発明者】
【氏名】後藤 嵩允
【審査官】家喜 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-038657(JP,A)
【文献】国際公開第2015/004713(WO,A1)
【文献】特開2005-002813(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0390622(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 41/00 - 45/00
F01N 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を燃焼させる空間である複数の気筒と、前記複数の気筒内に燃料を供給するための複数の燃料噴射弁と、前記複数の気筒に接続する排気通路と、前記排気通路内に位置して排気を浄化する三元触媒と、前記排気通路内における前記三元触媒から視て下流側に位置して排気に含まれる粒子状物質を捕集するフィルタと、前記排気通路内のうち前記三元触媒から視て上流側に位置して前記排気通路内のガスの空燃比である上流空燃比を検出する上流空燃比センサと、前記排気通路内のうち前記三元触媒から視て下流側であって前記フィルタから視て上流側に位置して前記排気通路内のガスの空燃比である下流空燃比を検出する下流空燃比センサと、を備える内燃機関に適用される制御装置であって、
「M」及び「N」を1以上の整数としたとき、燃焼行程を迎える前記気筒の順にM個連続して前記気筒への燃料供給を停止しつつ当該気筒から前記排気通路へと吸気を流通させる停止パターン、及び、燃焼行程を迎える前記気筒の順にN個連続して前記気筒への燃料供給をしつつ当該気筒から前記排気通路へと排気を流通させる燃焼パターン、を前記内燃機関の運転を継続させつつ交互に繰り返す燃料カット処理と、
前記燃料カット処理を開始してから予め定められた第1所定期間経過したときに前記上流空燃比が予め定められた第1閾値未満であること、及び前記燃料カット処理を開始してから前記第1所定期間よりも大きい値として予め定められた第2所定期間経過したときに前記下流空燃比が予め定められた第2閾値未満であることの1つ以上を満たす場合に、前記燃料カット処理に異常があると判定し、
前記燃料カット処理を開始してから前記第1所定期間経過したときに前記上流空燃比が前記第1閾値以上であり、且つ、前記燃料カット処理を開始してから前記第2所定期間経過したときに前記下流空燃比が前記第2閾値以上である場合に、前記燃料カット処理が正常であると判定する判定処理と、を実行する
内燃機関の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の内燃機関は、複数の気筒と、複数の燃料噴射弁と、吸気通路と、排気通路と、空燃比センサとを備えている。気筒は、燃料を燃焼させるための空間である。燃料噴射弁は、気筒内に燃料を供給する。吸気通路は、各気筒に接続している。各気筒への吸気は、吸気通路を介して外部から供給される。排気通路は、各気筒に接続している。各気筒からの排気は、排気通路を介して外部に排出される。空燃比センサは、排気通路内に位置している。空燃比センサは、排気通路内を流通するガスの空燃比を検出する。
【0003】
また、特許文献1の内燃機関は、複数の吸気バルブと、複数の排気バルブと、可変動弁装置とを備えている。各吸気バルブは、吸気通路と各気筒との接続箇所を開閉する。各排気バルブは、排気通路と各気筒との接続箇所を開閉する。可変動弁装置は、各吸気バルブ及び各排気バルブの開閉タイミングを調整可能である。また、可変動弁装置は、一部の吸気バルブ及び一部の排気バルブを、閉状態にロックすることが可能である。
【0004】
特許文献1の内燃機関の制御装置は、予め定められた気筒休止条件が成立した場合に、複数の気筒のうち、一部の気筒への燃料の供給を停止する一方で、残りの気筒へは燃料を供給する気筒休止処理を実行する。この気筒休止処理では、燃料の供給を停止する気筒に対応する吸気バルブ及び排気バルブを可変動弁装置により閉状態にロックする。これにより、燃料の供給を停止する気筒から排気通路へと流れるガスの流通も停止する。
【0005】
また、特許文献1の内燃機関の制御装置は、気筒休止処理の実行中において、空燃比センサの検出値が予め定められた閾値以上である場合、すなわち排気が過度にリーンである場合に、吸気バルブ及び排気バルブに異常があると判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2004-100486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
内燃機関として、排気通路に位置して排気に含まれる粒子状物質を捕集するフィルタを備える構成が知られている。また、フィルタを備えた内燃機関の制御に関して、複数の気筒のうち、一部の気筒への燃料の供給を停止しつつ、残りの気筒へは燃料を供給して当該気筒から排気通路へと排気を流通させる燃料カット処理を行う構成が知られている。フィルタの再生を目的として燃料カット処理を行う場合には、燃料の供給を停止した気筒に対応する吸気バルブ及び排気バルブを開閉する。これにより、燃焼に供されていない吸気、すなわち酸素を含む空気が気筒から排気通路へと供給される。こうして排気通路に位置するフィルタに酸素が供給されると、フィルタに堆積した粒子状物質が燃焼することによりフィルタが再生される。
【0008】
特許文献1の吸気バルブ及び排気バルブの異常判定は、燃料の供給を停止する気筒に対応する吸気バルブ及び排気バルブが閉状態になっていることを前提としたものである。一方、上述のフィルタ再生を目的とした燃料カット処理では、燃料の供給を停止する気筒に対応する吸気バルブ及び排気バルブが開閉される。すなわち、前者と後者とでは、各バルブの開閉状態が異なることに起因して、正常時の空燃比の挙動も異なる。そのため、特許文献1の吸気バルブ及び排気バルブの異常判定を、フィルタ再生を目的とした燃料カット処理に適用することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための内燃機関の制御装置は、燃料を燃焼させる空間である複数の気筒と、前記複数の気筒内に燃料を供給するための複数の燃料噴射弁と、前記複数の気筒に接続する排気通路と、前記排気通路内に位置して排気に含まれる粒子状物質を捕集するフィルタと、前記排気通路内のうちフィルタから視て上流側に位置して前記排気通路内のガスの空燃比を検出する空燃比センサと、を備える内燃機関に適用される制御装置であって、「M」及び「N」を1以上の整数としたとき、燃焼行程を迎える前記気筒の順にM個連続して前記気筒への燃料供給を停止しつつ当該気筒から前記排気通路へと吸気を流通させる停止パターン、及び、燃焼行程を迎える前記気筒の順にN個連続して前記気筒への燃料供給をしつつ当該気筒から前記排気通路へと排気を流通させる燃焼パターン、を前記内燃機関の運転を継続させつつ交互に繰り返す燃料カット処理と、前記燃料カット処理を開始してから予め定められた所定期間経過したときに前記空燃比センサの検出値が予め定められた閾値よりもリッチを示す値である場合に、前記燃料カット処理に異常があると判定する判定処理と、を実行する。
【0010】
燃料カット処理が正常であれば、排気通路に燃焼に供されていない吸気が流入することに起因して、フィルタから視て上流側の排気通路内のガスがリーンになる。したがって、上記構成によれば、空燃比センサの検出値が閾値よりもリッチを示す値であることに基づいて、燃料カット処理に異常があることを判定できる。
【0011】
なお、上記構成では、燃料カット処理を開始してから所定期間経過したときの空燃比センサの検出値に基づいて燃料カット処理の異常の有無を判定する。これにより、例えば燃料カット処理の開始直後であることに起因して一時的に空燃比センサの検出値が閾値よりもリッチを示す値になっていたとしても、燃料カット処理に異常があると誤って判定することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】車両の概略構成図である。
図2】燃焼切り替え制御を示すフローチャートである。
図3】判定制御を示すフローチャートである。
図4】(a)は、燃料カット処理の実行状況の変化を示すタイムチャートである。(b)は、上流空燃比の変化を示すタイムチャートである。(c)は、下流空燃比の変化を示すタイムチャートである。(d)は、正常判定フラグの変化を示すタイムチャートである。(e)は、異常判定フラグの変化を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<車両の概略構成>
以下、本発明の一実施形態を図1図4にしたがって説明する。先ず、車両100の概略構成について説明する。
【0014】
図1に示すように、車両100は、火花点火式の内燃機関10を備えている。車両100は、電動機及び発電機の双方の機能を兼ね備える第1モータジェネレータ71及び第2モータジェネレータ72を備えている。したがって、車両100は、いわゆるハイブリッド車両である。
【0015】
内燃機関10は、複数の気筒11、クランクシャフト12、吸気通路21、スロットルバルブ22、複数の燃料噴射弁23、複数の点火装置24、排気通路26、三元触媒27、及びフィルタ28を備えている。
【0016】
気筒11は、燃料と吸気との混合気を燃焼させるための空間である。内燃機関10は、4つの気筒11を備えている。なお、本明細書では、4つの気筒11を総称して説明するときには単に気筒11と呼称し、4つの気筒11を区別して説明するときには第1気筒11A、第2気筒11B、第3気筒11C、及び第4気筒11Dと呼称する。
【0017】
吸気通路21は、気筒11に接続している。吸気通路21における下流端を含む一部分は、4つに分岐している。分岐した各通路は、各気筒11に接続している。吸気通路21は、内燃機関10の外部から各気筒11に吸気を導入する。なお、吸気通路21と各気筒11との接続箇所には図示しない吸気バルブが位置している。吸気バルブは、吸気通路21と気筒11との接続箇所を開閉する。スロットルバルブ22は、吸気通路21のうち、分岐している部分から視て上流側に位置している。スロットルバルブ22は、吸気通路21を流通する吸気の量を調整する。
【0018】
燃料噴射弁23は、吸気通路21の下流端近傍に位置している。内燃機関10は、4つの気筒11に対応して4つの燃料噴射弁23を備えている。燃料噴射弁23は、図示しない燃料タンクから供給される燃料を吸気通路21に噴射する。その結果、燃料噴射弁23からの燃料が気筒11に供給される。点火装置24は、気筒11に位置している。内燃機関10は、4つの気筒11に対応して4つの点火装置24を備えている。点火装置24は、燃料と吸気との混合気を火花放電により点火する。なお、4つの点火装置24は、第1気筒11A、第3気筒11C、第4気筒11D、第2気筒11Bの順に点火を行う。換言すると、4つの気筒11は、第1気筒11A、第3気筒11C、第4気筒11D、第2気筒11Bの順に燃焼行程を迎える。
【0019】
排気通路26は、気筒11に接続している。排気通路26における上流端を含む一部分は、4つに分岐している。分岐した各通路は、各気筒11に接続している。排気通路26は、各気筒11から内燃機関10の外部に排気を排出する。なお、排気通路26と各気筒11との接続箇所には図示しない排気バルブが位置している。排気バルブは、排気通路26と気筒11との接続箇所を開閉する。
【0020】
三元触媒27は、排気通路26のうち、分岐している部分から視て下流側に位置している。三元触媒27は、排気通路26を流通する排気を浄化する。フィルタ28は、排気通路26における三元触媒27から視て下流側に位置している。フィルタ28は、排気通路26を流通する排気に含まれる粒子状物質を捕集する。
【0021】
クランクシャフト12は、各気筒11内に位置する図示しないピストンに連結している。クランクシャフト12は、気筒11における燃料と吸気との混合気の燃焼により回転する。
【0022】
車両100は、第1遊星ギア機構40、リングギア軸45、第2遊星ギア機構50、減速機構62、差動機構63、及び複数の駆動輪64を備えている。
第1遊星ギア機構40は、サンギア41、リングギア42、複数のピニオンギア43、及びキャリア44を備えている。サンギア41は、外歯歯車である。サンギア41は、第1モータジェネレータ71に接続している。リングギア42は、内歯歯車であり、サンギア41と同軸上に位置している。各ピニオンギア43は、サンギア41とリングギア42との間に位置している。各ピニオンギア43は、サンギア41及びリングギア42の双方に噛み合っている。キャリア44は、ピニオンギア43を支持している。ピニオンギア43は、自転可能になっており、且つキャリア44と共に回転することにより公転可能になっている。キャリア44は、クランクシャフト12に接続している。
【0023】
リングギア軸45は、リングギア42に接続している。また、リングギア軸45は、減速機構62及び差動機構63を介して駆動輪64に接続している。減速機構62は、リングギア軸45の回転速度を減速して出力する。差動機構63は、左右の駆動輪64に回転速度の差が生じることを許容する。
【0024】
第2遊星ギア機構50は、サンギア51、リングギア52、複数のピニオンギア53、キャリア54、及びケース55を備えている。サンギア51は、外歯歯車である。サンギア51は、第2モータジェネレータ72に接続している。リングギア52は、内歯歯車であり、サンギア51と同軸上に位置している。リングギア52は、リングギア軸45に接続している。各ピニオンギア53は、サンギア51とリングギア52との間に位置している。各ピニオンギア53は、サンギア51及びリングギア52の双方に噛み合っている。キャリア54は、ピニオンギア53を支持している。ピニオンギア53は、自転可能になっている。キャリア54は、ケース55に固定されている。したがって、ピニオンギア53は、公転不可能な状態になっている。
【0025】
車両100は、バッテリ75、第1インバータ76、及び第2インバータ77を備えている。バッテリ75は、二次電池である。第1インバータ76は、第1モータジェネレータ71とバッテリ75との間で、交流・直流の電力変換を行う。また、第1インバータ76は、第1モータジェネレータ71とバッテリ75との間の電力の授受量を調整する。第2インバータ77は、第2モータジェネレータ72とバッテリ75との間で、交流・直流の電力変換を行う。第2インバータ77は、第2モータジェネレータ72とバッテリ75との間の電力の授受量を調整する。
【0026】
車両100は、エアフローメータ81、水温センサ82、吸気温センサ83、クランク角センサ84、アクセル操作量センサ85、及び車速センサ86を備えている。
エアフローメータ81は、吸気通路21内を単位時間当たりに流通する吸気の量である吸入空気量GAを検出する。水温センサ82は、内燃機関10の各部を流通する冷却水の温度である冷却水温THWを検出する。吸気温センサ83は、吸気通路21を流通する吸気の温度である吸気温THAを検出する。クランク角センサ84は、クランクシャフト12の回転位置であるクランク角SCを検出する。アクセル操作量センサ85は、運転者が操作するアクセルペダルの操作量であるアクセル操作量ACCを検出する。車速センサ86は、車両100の速度である車速SPを検出する。
【0027】
車両100は、上流空燃比センサ87、及び下流空燃比センサ88を備えている。上流空燃比センサ87は、排気通路26のうち、分岐している部分から視て下流側であって三元触媒27から視て上流側に位置している。上流空燃比センサ87は、排気通路26内のうち三元触媒27から視て上流側のガスの空燃比である上流空燃比AF1を検出する。下流空燃比センサ88は、排気通路26のうち、三元触媒27から視て下流側であってフィルタ28から視て上流側に位置している。下流空燃比センサ88は、排気通路26内のうち三元触媒27から視て下流側のガスの空燃比である下流空燃比AF2を検出する。ここで、空燃比とは、空気の質量を燃料の質量で除算した比率である。したがって、燃料に対して空気が多くなるほど、空燃比が高い、すなわち燃料がリーンな状態になる。一方、燃料に対して空気が少なくなるほど、空燃比が低い、すなわち燃料がリッチな状態になる。なお、内燃機関10が駆動している場合には4つの気筒11からのガスが連続して排気通路26へと流通するため、上流空燃比AF1及び下流空燃比AF2は、4つの気筒11における空燃比の平均値に近い値になる。
【0028】
車両100は、制御装置90を備えている。制御装置90は、吸入空気量GAを示す信号をエアフローメータ81から取得する。制御装置90は、冷却水温THWを示す信号を水温センサ82から取得する。制御装置90は、吸気温THAを示す信号を吸気温センサ83から取得する。制御装置90は、クランク角SCを示す信号をクランク角センサ84から取得する。制御装置90は、アクセル操作量ACCを示す信号をアクセル操作量センサ85から取得する。制御装置90は、車速SPを示す信号を車速センサ86から取得する。制御装置90は、上流空燃比AF1を示す信号を上流空燃比センサ87から取得する。制御装置90は、下流空燃比AF2を示す信号を下流空燃比センサ88から取得する。
【0029】
制御装置90は、アクセル操作量ACC及び車速SPに基づいて、車両100が走行するために必要な出力の要求値である車両要求出力を算出する。制御装置90は、車両要求出力に基づいて、内燃機関10、第1モータジェネレータ71、及び第2モータジェネレータ72のトルク配分を決定する。制御装置90は、内燃機関10、第1モータジェネレータ71、及び第2モータジェネレータ72のトルク配分に基づいて、内燃機関10の出力と、第1モータジェネレータ71及び第2モータジェネレータ72の力行及び回生とを制御する。具体的には、制御装置90は、内燃機関10に制御信号を出力することにより、スロットルバルブ22の開度、燃料噴射弁23からの燃料噴射量、点火装置24の点火タイミング等を制御する。また、制御装置90は、第1インバータ76に制御信号を出力することにより、第1インバータ76を介して第1モータジェネレータ71を制御する。さらに、制御装置90は、第2インバータ77に制御信号を出力することにより、第2インバータ77を介して第2モータジェネレータ72を制御する。
【0030】
制御装置90は、クランク角SCに基づいて、クランクシャフト12の単位時間当たりの回転数である機関回転速度NEを算出する。制御装置90は、機関回転速度NE及び吸入空気量GAに基づいて、機関負荷率KLを算出する。ここで、機関負荷率KLとは、現在の機関回転速度NEにおいてスロットルバルブ22を全開とした状態で内燃機関10を定常運転したときの気筒流入空気量に対する、現在の気筒流入空気量の比率を表している。なお、気筒流入空気量とは、吸気行程において各気筒11に流入する吸気の量である。
【0031】
制御装置90は、吸気の充填効率や機関回転速度NEなどの内燃機関10の運転状態に基づいて、三元触媒27の温度である触媒温度TSCを算出する。なお、吸気の充填効率とは、吸気通路21から気筒11に実際に導入される吸気の質量を、標準大気の状態で気筒11に導入できる吸気の質量で除算した値である。また、制御装置90は、吸気の充填効率や機関回転速度NEなどの内燃機関10の運転状態に基づいて、フィルタ28の温度であるフィルタ温TFを算出する。制御装置90は、機関回転速度NE、機関負荷率KL、及びフィルタ温TFに基づいて、フィルタ28における粒子状物質の堆積量であるPM堆積量PSを算出する。
【0032】
制御装置90は、粒子状物質によるフィルタ28の詰まりを抑制するために燃料カット処理を実行する。ここで、4つの気筒11が1度ずつ燃焼行程を迎える一連の過程、すなわちクランクシャフト12が2回転する期間を1燃焼サイクルと呼称する。制御装置90は、燃料カット処理において、1燃焼サイクルの中で4つの気筒11のうちの1つに対しては燃料供給を停止する一方で残りの3つに対しては燃料供給を行う処理を、連続する複数の燃焼サイクルで繰り返す。また、制御装置90は、燃料カット処理において、4つ気筒11に対応する吸気バルブ及び排気バルブを開閉する。したがって、燃料カット処理では、停止パターン及び燃焼パターンを、内燃機関10の運転を継続させつつ交互に繰り返すことになる。ここで、停止パターンとは、1つの気筒11への燃料供給を停止しつつ当該気筒11から排気通路26へと吸気を流通させることである。また、燃焼パターンとは、燃焼行程を迎える気筒11の順に3つの気筒11に連続して燃料供給をしつつ当該気筒11から排気通路26へと排気を流通させることである。
【0033】
燃料カット処理において、燃料供給を行う気筒11の空燃比は理論空燃比AFS、すなわち14.7よりも若干低くなる。一方、燃料カット処理において、燃料供給を停止する気筒11の空燃比は理論空燃比AFSよりも極めて高くなる。その結果、燃料カット処理において、4つの気筒11における空燃比の平均値は理論空燃比AFSよりも高くなる。本実施形態において、燃料カット処理において、燃料供給を停止する気筒11は、第3気筒11Cである。また、燃料カット処理において、燃料供給を行う気筒11は、第1気筒11A、第2気筒11B、及び第4気筒11Dである。なお、制御装置90は、燃料カット処理において、第3気筒11Cでの混合気の燃焼停止に伴い不足する内燃機関10のトルクを補うように第1モータジェネレータ71から第1遊星ギア機構40を介してクランクシャフト12にトルクを付与する。
【0034】
燃料カット処理が実行されると、燃焼に供されていない吸気、すなわち酸素を含む空気が第3気筒11Cから排気通路26へと供給される。こうして排気通路26を流通してフィルタ28に酸素が供給されると、フィルタ28に堆積した粒子状物質が燃焼することによりフィルタ28が再生される。
【0035】
なお、制御装置90は、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサを含む回路(circuitry)として構成し得る。なお、制御装置90は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路、又はそれらの組み合わせを含む回路として構成してもよい。プロセッサは、CPU及び、RAM並びにROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる媒体を含む。
【0036】
<燃焼切り替え制御>
次に、制御装置90が行う燃焼切り替え制御について説明する。制御装置90は、燃焼切り替え制御により、内燃機関10の燃焼状態を2つのうちのいずれか1つに切り替える。2つの燃焼状態のうちの1つ目は、上述した燃料カット処理を実行している状態である。2つの燃焼状態のうちの2つ目は、4つの気筒11のすべてに燃料供給を行う通常の燃焼処理を実行している状態である。制御装置90は、内燃機関10の駆動を開始してから内燃機関10の駆動を終了するまで、燃焼切り替え制御を繰り返し実行する。
【0037】
図2に示すように、制御装置90は、燃焼切り替え制御を開始すると、ステップS11の処理を進める。ステップS11において、制御装置90は、燃料カット処理を実行するための条件として予め定められた前提条件が成立しているか否かを判定する。ここで、燃料カット処理の前提条件の一例は、PM堆積量PSが予め定められた規定値以上であることである。ステップS11において、制御装置90は、燃料カット処理の前提条件が成立していると判定する場合(S11:YES)、処理をステップS21に進める。
【0038】
ステップS21において、制御装置90は、燃料カット処理を実行する。なお、制御装置90は、既に燃料カット処理を実行している場合には、その燃料カット処理を継続して実行する。その後、制御装置90は、今回の燃焼切り替え制御を終了し、処理を再びステップS11に進める。
【0039】
一方、ステップS11において、制御装置90は、燃料カット処理の前提条件が成立していないと判定する場合(S11:NO)、処理をステップS22に進める。
ステップS22において、制御装置90は、通常の燃焼処理を実行する。なお、制御装置90は、既に通常の燃焼処理を実行している場合には、その通常の燃焼処理を継続して実行する。その後、制御装置90は、今回の燃焼切り替え制御を終了し、処理を再びステップS11に進める。
【0040】
<判定制御>
次に、制御装置90が行う判定制御について説明する。制御装置90は、判定制御により、燃料カット処理の異常の有無を判定する。制御装置90は、燃料カット処理が開始されると判定制御を実行する。なお、制御装置90が初めて判定制御を実行する時点では、後述する正常判定フラグ及び異常判定フラグがOFFである。
【0041】
図3に示すように、制御装置90は、判定制御を開始すると、ステップS61の処理を進める。ステップS61において、制御装置90は、燃料カット処理の継続期間TXが予め定められた第1所定期間TA1以上であるか否かを判定する。ここで、継続期間TXとは、今回の燃料カット処理を開始してからステップS61の処理時点までの期間である。また、第1所定期間TA1の設定にあたっては、燃料カット処理を開始してから当該燃料カット処理により上流空燃比センサ87が検出する上流空燃比AF1が変化するまでの期間を予め実験等により求める。そして、求めた期間よりも一定期間だけ長い期間を、第1所定期間TA1として設定している。第1所定期間TA1の一例は、数百msecである。ステップS61において、制御装置90は、燃料カット処理の継続期間TXが第1所定期間TA1未満であると判定する場合(S61:NO)、再びステップS61の処理を行う。すなわち、制御装置90は、継続期間TXが第1所定期間TA1以上になるまで、ステップS61を繰り返す。
【0042】
一方、ステップS61において、制御装置90は、燃料カット処理の継続期間TXが第1所定期間TA1以上であると判定する場合(S61:YES)、処理をステップS62に進める。
【0043】
ステップS62において、制御装置90は、上流空燃比センサ87が検出する上流空燃比AF1が予め定められた第1閾値Z1以上であるか否かを判定する。ここで、第1閾値Z1の設定にあたっては、燃料カット処理を開始してから第1所定期間TA1だけ経過したときに上流空燃比センサ87が検出する空燃比を予め実験等により求める。そして、求めた空燃比よりも一定値だけ低い空燃比を、第1閾値Z1として設定している。第1閾値Z1の一例は、17~18程度である。ステップS62において、制御装置90は、上流空燃比センサ87が検出する上流空燃比AF1が第1閾値Z1以上であると判定する場合(S62:YES)、処理をステップS71に進める。
【0044】
ステップS71において、制御装置90は、燃料カット処理の継続期間TXが予め定められた第2所定期間TA2以上であるか否かを判定する。ここで、第2所定期間TA2の設定にあたっては、燃料カット処理を開始してから当該燃料カット処理により下流空燃比センサ88が検出する下流空燃比AF2が変化するまでの期間を予め実験等により求める。そして、求めた期間よりも一定期間だけ長い期間を、第2所定期間TA2として設定している。その結果、第2所定期間TA2は、上述の第1所定期間TA1よりも大きな値として設定される。第2所定期間TA2の一例は、千数百msec~数千msecである。ステップS71において、制御装置90は、燃料カット処理の継続期間TXが第2所定期間TA2未満であると判定する場合(S71:NO)、再びステップS71の処理を行う。すなわち、制御装置90は、継続期間TXが第2所定期間TA2以上になるまで、ステップS71を繰り返す。
【0045】
一方、ステップS71において、制御装置90は、燃料カット処理の継続期間TXが第2所定期間TA2以上であると判定する場合(S71:YES)、処理をステップS72に進める。
【0046】
ステップS72において、制御装置90は、下流空燃比センサ88が検出する下流空燃比AF2が予め定められた第2閾値Z2以上であるか否かを判定する。ここで、第2閾値Z2の設定にあたっては、燃料カット処理を開始してから第2所定期間TA2だけ経過したときに下流空燃比センサ88が検出する空燃比を予め実験等により求める。そして、求めた空燃比よりも一定値だけ低い空燃比を、第2閾値Z2として設定している。第2閾値Z2の一例は、17~18程度である。本実施形態において、第2閾値Z2は、第1閾値Z1と同じ値である。ステップS72において、制御装置90は、下流空燃比センサ88が検出する下流空燃比AF2が第2閾値Z2以上であると判定する場合(S72:YES)、処理をステップS81に進める。
【0047】
ステップS81において、制御装置90は、燃料カット処理が正常であることを示す正常判定を行う。例えば、制御装置90は、正常判定フラグをONにするとともに異常判定フラグをOFFにすることにより燃料カット処理が正常であることを示す。その後、制御装置90は、今回の判定制御を終了する。
【0048】
一方、ステップS62において、制御装置90は、上流空燃比センサ87が検出する上流空燃比AF1が第1閾値Z1未満であると判定する場合(S62:NO)、処理をステップS82に進める。また、ステップS72において、制御装置90は、下流空燃比センサ88が検出する下流空燃比AF2が第2閾値Z2未満であると判定する場合(S72:NO)、処理をステップS82に進める。
【0049】
ステップS82において、制御装置90は、燃料カット処理が異常であることを示す異常判定を行う。例えば、制御装置90は、異常判定フラグをONにするとともに正常判定フラグをOFFにすることにより燃料カット処理が異常であることを示す。また、制御装置90は、図示しない警告灯に制御信号を出力することにより、車両100の運転者等に燃料カット処理が異常であることを報知する。その後、制御装置90は、今回の判定制御を終了する。本実施形態において、ステップS61、ステップS62、ステップS71、ステップS72、及びステップS82の処理が判定処理である。なお、ステップS81において正常判定した場合、又はステップS82において異常判定した場合、制御装置90は、判定対象となった今回の燃料カット処理において再度の判定制御を行わない。
【0050】
<本実施形態の作用>
先ず、燃料カット処理が正常である場合について説明する。ここで、図4(a)に示すように、時刻t11よりも前においては、燃料カット処理が実行されておらず、通常の燃焼処理を実行しているものとする。この場合、図4(b)に示すように、上流空燃比AF1が理論空燃比AFS程度になっている。同様に、図4(c)に示すように、下流空燃比AF2が理論空燃比AFS程度になっている。
【0051】
図4(a)に示すように、時刻t11において、燃料カット処理が開始される。燃料カット処理が開始されると、燃焼に供されていない吸気、酸素を含む空気が第3気筒11Cから排気通路26へと供給される。したがって、燃料カット処理が正常であれば、図4(b)に示すように、時刻t11よりも後において、上流空燃比AF1が高くなっていく。同様に、図4(c)に示すように、時刻t11よりも後において、下流空燃比AF2が高くなっていく。ここで、下流空燃比センサ88は上流空燃比センサ87から視て下流側に位置しているため、下流空燃比AF2は上流空燃比AF1に比べて空燃比が高くなるタイミングが遅い。
【0052】
そして、図4(b)に示すように、時刻t11から第1所定期間TA1経過後の時刻t12においては、上流空燃比AF1が第1閾値Z1以上になる。さらに、図4(c)に示すように、時刻t11から第2所定期間TA2経過後の時刻t13においては、下流空燃比AF2が第2閾値Z2以上になる。その結果、図4(d)に示すように、時刻t13において、正常判定フラグがONになる。
【0053】
次に、燃料カット処理が異常である場合について説明する。ここで、図4(a)に示すように、時刻t21よりも前においては、燃料カット処理が実行されておらず、通常の燃焼処理を実行しているものとする。この場合、図4(b)に示すように、上流空燃比AF1が理論空燃比AFS程度になっている。同様に、図4(c)に示すように、下流空燃比AF2が理論空燃比AFS程度になっている。
【0054】
図4(a)に示すように、時刻t21において、燃料カット処理が開始される。ただし、燃料カット処理が異常であるため、燃料カット処理が開始されても、燃料カット処理が正常である場合に比べて、気筒11から排気通路26へと供給される吸気の量が少なくなる。したがって、図4(b)に示すように、時刻t21から第1所定期間TA1経過後の時刻t22においては、上流空燃比AF1が第1閾値Z1未満になる。その結果、図4(e)に示すように、時刻t22において、異常判定フラグがONになる。なお、上流空燃比AF1と同様に、図4(c)に示すように、時刻t21から第2所定期間TA2経過後の時刻t23においては、下流空燃比AF2が第2閾値Z2未満になる。
【0055】
<本実施形態の効果>
(1)内燃機関10では、燃料カット処理が異常である場合、上流空燃比AF1が第1閾値Z1未満になり、下流空燃比AF2が第2閾値Z2未満になる。したがって、本実施形態では、上流空燃比AF1が第1閾値Z1未満、すなわちリッチを示す値であること等に基づいて、燃料カット処理に異常があることを判定できる。
【0056】
(2)上述したように、図4(b)に示すように、燃料カット処理を開始した時刻t11よりも後において、上流空燃比AF1が高くなっていく。したがって、燃料カット処理が正常であっても、時刻t11の直後においては上流空燃比AF1が第1閾値Z1未満になる。
【0057】
この点、本実施形態では、時刻t11から第1所定期間TA1経過後の時刻t12における上流空燃比AF1等に基づいて燃料カット処理の異常の有無を判定する。これにより、時刻t11の直後であることに起因して上流空燃比AF1が第1閾値Z1未満になっていたとしても、燃料カット処理に異常があると誤って判定することを抑制できる。
【0058】
(3)本実施形態では、上流空燃比センサ87が検出する上流空燃比AF1及び下流空燃比センサ88が検出する下流空燃比AF2に基づいて燃料カット処理の異常の有無を判定する。したがって、例えば上流空燃比センサ87に異常が生じていることに起因して上流空燃比AF1が第1閾値Z1以上になっていたとしても、下流空燃比AF2が第2閾値Z2未満になっていれば、燃料カット処理の異常を適切に判定できる。
【0059】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0060】
・上記実施形態において、判定処理を変更してもよい。
例えば、第1所定期間TA1は、第2所定期間TA2と同じ値であってもよい。この構成においては、制御装置90は、ステップS62で肯定判定した場合に、処理をステップS72に進めればよい。すなわち、ステップS71の処理を省略すればよい。
【0061】
・例えば、制御装置90は、判定処理において、ステップS61及びステップS62の処理と、ステップS71及びステップS72の処理とのうち一方のみを行い、他方を省略してもよい。
【0062】
・上記実施形態において、燃料カット処理は変更してもよい。
例えば、燃料カット処理において、燃料供給を停止する気筒11は、第3気筒11Cに限らず、第1気筒11A、第2気筒11B、及び第4気筒11Dのうちのいずれか1つであってもよい。さらに、燃焼サイクル毎に、燃料供給を停止する気筒11及び燃料供給を行う気筒11を変更してもよい。
【0063】
・例えば、燃料カット処理において、燃料供給を停止する気筒11の数及び燃料供給を行う気筒11の数がそれぞれ1以上であれば、燃料供給を停止する気筒11の数及び燃料供給を行う気筒11の数は変更してもよい。さらに、燃焼サイクル毎に、燃料供給を停止する気筒11の数及び燃料供給を行う気筒11の数を変更してもよい。したがって、燃料カット処理は、以下の内容になる処理であればよい。ここで、「M」及び「N」を1以上の整数とする。燃料カット処理では、停止パターン及び燃焼パターンを、内燃機関10の運転を継続させつつ交互に繰り返すものになっていればよい。ここで、停止パターンは、燃焼行程を迎える気筒11の順にM個連続して気筒11への燃料供給を停止しつつ当該気筒11から排気通路26へと吸気を流通させるパターンである。また、燃焼パターンは、燃焼行程を迎える気筒11の順にN個連続して気筒11への燃料供給をしつつ当該気筒11から排気通路26へと排気を流通させるパターンである。なお、M及びNの合計値は、気筒11の総数と一致している必要はない。さらに、M及びNの合計値が気筒11の総数と一致していない場合、燃焼サイクル毎に、燃料供給を停止する気筒11及び燃料供給を行う気筒11が変更されたり、一部の燃焼サイクルにおいて燃料供給を停止する気筒11が存在しなくなったりすることもある。
【0064】
・上記実施形態において、車両100の構成は変更してもよい。
例えば、上流空燃比センサ87及び下流空燃比センサ88のうち1つを省略してもよい。この構成であっても、制御装置90は、車両100が備えている上流空燃比センサ87及び下流空燃比センサ88の一方の検出値に基づいて燃料カット処理の異常を判定できる。
【0065】
・例えば、内燃機関10は、2つ又は3つの気筒11を備えていてもよいし、5つ以上の気筒11を備えていてもよい。
・例えば、車両100は、第1モータジェネレータ71及び第2モータジェネレータ72を備えていなくてもよい。この構成においても、車両要求出力が比較的に小さいときに制御装置90が燃料カット処理を実行するのであれば、燃料カット処理に起因して内燃機関10の出力が小さくなったとしても差し支えない。
【符号の説明】
【0066】
10…内燃機関
11…気筒
12…クランクシャフト
21…吸気通路
23…燃料噴射弁
24…点火装置
26…排気通路
27…三元触媒
28…フィルタ
40…第1遊星ギア機構
50…第2遊星ギア機構
62…減速機構
63…差動機構
64…駆動輪
71…第1モータジェネレータ
72…第2モータジェネレータ
75…バッテリ
76…第1インバータ
77…第2インバータ
87…上流空燃比センサ
88…下流空燃比センサ
90…制御装置
100…車両
図1
図2
図3
図4