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特許7683958システム、サーバ装置、情報提供方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-19
(45)【発行日】2025-05-27
(54)【発明の名称】システム、サーバ装置、情報提供方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/953 20190101AFI20250520BHJP
【FI】
G06F16/953
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023532960
(86)(22)【出願日】2021-07-07
(86)【国際出願番号】 JP2021025688
(87)【国際公開番号】W WO2023281672
(87)【国際公開日】2023-01-12
【審査請求日】2023-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168310
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】清水 里香
(72)【発明者】
【氏名】殷 中翔
(72)【発明者】
【氏名】野口 亮
(72)【発明者】
【氏名】坂本 律男
(72)【発明者】
【氏名】田川 清隆
【審査官】原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-206338(JP,A)
【文献】特開2012-033076(JP,A)
【文献】特開2005-190421(JP,A)
【文献】国際公開第2021/130964(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と、
第1の利用者の位置情報と質問内容を含む質問メッセージを前記サーバ装置に送信する、第1の端末と、
複数の第2の利用者それぞれが所持する、第2の端末と、
を含み、
前記サーバ装置は、前記複数の第2の利用者のなかから前記第1の利用者の現在位置に対応する地域に居住する少なくとも1以上の第3の利用者を抽出し、前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末に、前記質問内容を含む依頼メッセージを送信し、
前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末は、前記質問内容に対する回答内容を含む回答メッセージを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、
前記回答メッセージを前記第1の端末に送信し、
前記少なくとも1以上の第3の利用者のなかから、前記質問内容に回答する第4の利用者を選択し、前記第4の利用者の第2の端末に前記依頼メッセージを送信し、
前記第1の端末は、前記第1の利用者が前記第4の利用者の回答を参考にしない場合には、前記サーバ装置に対して、前記質問メッセージに対応する再質問メッセージを送信し、
前記サーバ装置は、前記再質問メッセージの受信に応じて、前記少なくとも1以上の第3の利用者のなかから、前記第4の利用者とは異なる第5の利用者を選択する、システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、前記第1の利用者の属性情報と前記少なくとも1以上の第3の利用者の属性情報に基づいて、前記第4の利用者を選択する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記サーバ装置は、前記質問内容と前記少なくとも1以上の第3の利用者の関心事に基づいて、前記第4の利用者を選択する、請求項1又2に記載のシステム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、前記第1の利用者の現在位置に基づいて、観光地情報又はイベント情報を含むプッシュメッセージを生成し、前記生成されたプッシュメッセージを前記第1の端末に送信する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記サーバ装置は、前記第1の利用者の現在位置に基づいて、避難情報を含むプッシュメッセージを生成し、前記生成されたプッシュメッセージを前記第1の端末に送信する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
他の装置との間の通信を制御する、通信制御部と、
第1の端末から、第1の利用者の位置情報と質問内容を含む質問メッセージを受信し、
複数の第2の利用者のなかから前記第1の利用者の現在位置に対応する地域に居住する少なくとも1以上の第3の利用者を抽出し、
前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末に、前記質問内容を含む依頼メッセージを送信し、
前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末から、前記質問内容に対する回答内容を含む回答メッセージを受信し、
前記回答メッセージを前記第1の端末に送信する、質問回答制御部と、
を備え
前記質問回答制御部は、
前記少なくとも1以上の第3の利用者のなかから、前記質問内容に回答する第4の利用者を選択し、前記第4の利用者の第2の端末に前記依頼メッセージを送信し、
前記第1の端末から、前記第1の利用者が前記第4の利用者の回答を参考にしない場合には、前記質問メッセージに対応する再質問メッセージを受信し、
前記再質問メッセージの受信に応じて、前記少なくとも1以上の第3の利用者のなかから、前記第4の利用者とは異なる第5の利用者を選択する、サーバ装置。
【請求項7】
サーバ装置において、
第1の端末から、第1の利用者の位置情報と質問内容を含む質問メッセージを受信し、
複数の第2の利用者のなかから前記第1の利用者の現在位置に対応する地域に居住する少なくとも1以上の第3の利用者を抽出し、
前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末に、前記質問内容を含む依頼メッセージを送信し、
前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末から、前記質問内容に対する回答内容を含む回答メッセージを受信し、
前記回答メッセージを前記第1の端末に送信する、情報提供方法であって、
前記少なくとも1以上の第3の利用者のなかから、前記質問内容に回答する第4の利用者を選択し、前記第4の利用者の第2の端末に前記依頼メッセージを送信し、
前記第1の端末から、前記第1の利用者が前記第4の利用者の回答を参考にしない場合には、前記質問メッセージに対応する再質問メッセージを受信し、
前記再質問メッセージの受信に応じて、前記少なくとも1以上の第3の利用者のなかから、前記第4の利用者とは異なる第5の利用者を選択する、情報提供方法
【請求項8】
サーバ装置に搭載されたコンピュータに、
第1の端末から、第1の利用者の位置情報と質問内容を含む質問メッセージを受信する処理と、
複数の第2の利用者のなかから前記第1の利用者の現在位置に対応する地域に居住する少なくとも1以上の第3の利用者を抽出する処理と、
前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末に、前記質問内容を含む依頼メッセージを送信する処理と、
前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末から、前記質問内容に対する回答内容を含む回答メッセージを受信する処理と、
前記回答メッセージを前記第1の端末に送信する処理と、
を実行させるためのプログラムであって、
前記少なくとも1以上の第3の利用者のなかから、前記質問内容に回答する第4の利用者を選択し、前記第4の利用者の第2の端末に前記依頼メッセージを送信する処理と、
前記第1の端末から、前記第1の利用者が前記第4の利用者の回答を参考にしない場合には、前記質問メッセージに対応する再質問メッセージを受信する処理と、
前記再質問メッセージの受信に応じて、前記少なくとも1以上の第3の利用者のなかから、前記第4の利用者とは異なる第5の利用者を選択する処理と、
を実行させるためのプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、サーバ装置、情報提供方法及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信技術、情報処理技術の発展により、利用者は種々のサービスを享受できる状況にある。例えば、ある利用者が、不特定多数の利用者に問いかけを行い、回答を得るコミュニケーションサービスが存在する。
【0003】
例えば、特許文献1には、エリアへの訪問者に対して、その人物が知りたい事柄により即した情報を提供する、と記載されている。特許文献1の方法は、エリアに関する質問への回答を提供する情報提供方法であって、所定の条件を満たす複数の端末から、回答の対象にする回答エリアに係る複数の回答エリア情報を取得する。当該方法において、上記所定の条件を満たす一の端末から、質問の対象にする質問エリアに係る質問エリア情報と、その質問の内容を示す質問情報とが取得される。当該方法において、上記複数の回答エリア情報と、上記質問エリア情報とに基づいて、上記複数の端末の中から、上記質問情報を送信する1以上の送信先端末が特定される。当該方法において、上記1以上の送信先端末に、上記質問情報を送信し、上記1以上の送信先端末のうちの少なくとも1つから、上記質問情報の示す質問の内容に対する回答の内容を示す1以上の回答情報が取得される。さらに、当該方法において、上記一の端末に対して、1以上の回答情報が送信される。
【0004】
特許文献2には、利用者同士が質疑応答を行うシステムにおいて、より適切な回答者をマッチングするシステムを提供する、と記載されている。特許文献2の投稿サーバが、第一のユーザ端末から、任意のメッセージと、前記第一のユーザ端末の位置情報である第一の位置情報と、を含む投稿データを受信し記憶する。また、第二のユーザ端末は、自然言語で記述された質問文を取得し、当該質問文と、当該質問文に関連付いた場所を表す第二の位置情報と、からなる質問セットを管理サーバに送信する。管理サーバは、投稿サーバに記憶された複数の投稿データを取得し、第二のユーザ端末から質問セットを受信した場合に、質問セットに含まれる、第二の位置情報と投稿データに含まれる第一の位置情報、および、質問文と投稿データに含まれるメッセージとを比較した結果に基づいて、質問に回答する候補者である回答候補者を決定し、抽出した回答候補者が有する前記第一のユーザ端末に前記質問文を転送する。
【0005】
さらに、特許文献3には、サーバからユーザ端末に対する積極的な情報提供の形態が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-206338号公報
【文献】特開2015-075780号公報
【文献】特開2020-129354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、通信技術、情報処理技術の発展により、利用者は、不特定多数の利用者から有益な情報を得ることのできる状況が整っている。しかしながら、不特定多数の利用者から得られる情報は、利用者が真に必要としている情報、又は、利用者にとって本当に有益な情報とは異なる可能性もある。具体的には、特許文献1や特許文献2では、他の利用者からの質問に回答する回答者が、その滞在エリアによって選択されている。しかし、当該選択された回答者が一時的に当該エリアに滞在しているに過ぎない場合には、当該回答者は、質問者の質問に対して真に有益な情報を提供できない。
【0008】
本発明は、情報提供を求める利用者により適した情報を提供することに寄与する、システム、サーバ装置、情報提供方法及び記憶媒体を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の視点によれば、サーバ装置と、第1の利用者の位置情報と質問内容を含む質問メッセージを前記サーバ装置に送信する、第1の端末と、複数の第2の利用者それぞれが所持する、第2の端末と、を含み、前記サーバ装置は、前記複数の第2の利用者のなかから前記第1の利用者の現在位置に対応する地域に居住する少なくとも1以上の第3の利用者を抽出し、前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末に、前記質問内容を含む依頼メッセージを送信し、前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末は、前記質問内容に対する回答内容を含む回答メッセージを前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、前記回答メッセージを前記第1の端末に送信する、システムが提供される。
【0010】
本発明の第2の視点によれば、他の装置との間の通信を制御する、通信制御部と、第1の端末から、第1の利用者の位置情報と質問内容を含む質問メッセージを受信し、複数の第2の利用者のなかから前記第1の利用者の現在位置に対応する地域に居住する少なくとも1以上の第3の利用者を抽出し、前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末に、前記質問内容を含む依頼メッセージを送信し、前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末から、前記質問内容に対する回答内容を含む回答メッセージを受信し、前記回答メッセージを前記第1の端末に送信する、質問回答制御部と、を備える、サーバ装置が提供される。
【0011】
本発明の第3の視点によれば、サーバ装置において、第1の端末から、第1の利用者の位置情報と質問内容を含む質問メッセージを受信し、複数の第2の利用者のなかから前記第1の利用者の現在位置に対応する地域に居住する少なくとも1以上の第3の利用者を抽出し、前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末に、前記質問内容を含む依頼メッセージを送信し、前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末から、前記質問内容に対する回答内容を含む回答メッセージを受信し、前記回答メッセージを前記第1の端末に送信する、情報提供方法が提供される。
【0012】
本発明の第4の視点によれば、サーバ装置に搭載されたコンピュータに、第1の端末から、第1の利用者の位置情報と質問内容を含む質問メッセージを受信する処理と、複数の第2の利用者のなかから前記第1の利用者の現在位置に対応する地域に居住する少なくとも1以上の第3の利用者を抽出する処理と、前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末に、前記質問内容を含む依頼メッセージを送信する処理と、前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末から、前記質問内容に対する回答内容を含む回答メッセージを受信する処理と、前記回答メッセージを前記第1の端末に送信する処理と、を実行させるためのプログラムを記憶する、コンピュータ読取可能な記憶媒体が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の各視点によれば、情報提供を求める利用者により適した情報を提供することに寄与する、システム、サーバ装置、情報提供方法及び記憶媒体が提供される。なお、本発明の効果は上記に限定されない。本発明により、当該効果の代わりに、又は当該効果と共に、他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、一実施形態の概要を説明するための図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る情報提供システムの概略構成の一例を示す図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る情報提供システムの動作を説明するための図である。
図4図4は、第1の実施形態に係るサーバ装置の処理構成の一例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る地域サポータ登録部の動作を説明するための図である。
図6図6は、住所と地域名を対応付けて記憶するテーブル情報の一例を示す図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る地域サポータデータベースの一例を示す図である。
図8図8は、第1の実施形態に係る連絡先情報データベースの一例を示す図である。
図9図9は、第1の実施形態に係るメッセージ交換部の処理構成の一例を示す図である。
図10図10は、第1の実施形態に係る質問回答制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、地域と当該地域を規定する座標範囲を対応付けて記憶するテーブル情報の一例を示す図である。
図12図12は、第1の実施形態に係る観光客端末の処理構成の一例を示す図である。
図13図13は、第1の実施形態に係るサポータ端末の処理構成の一例を示す図である。
図14図14は、第1の実施形態に係る回答制御部の動作を説明するための図である。
図15図15は、第1の実施形態に係る情報提供システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
図16図16は、第2の実施形態に係るメッセージ交換部の処理構成の一例を示す図である。
図17図17は、第2の実施形態に係る関心事データベースの一例を示す図である。
図18図18は、第2の実施形態に係る質問制御部の動作を説明するための図である。
図19図19は、第3の実施形態に係るサーバ装置の処理構成の一例を示す図である。
図20図20は、第3の実施形態に係る観光客データベースの一例を示す図である。
図21図21は、第3の実施形態に係るメッセージ交換部の処理構成の一例を示す図である。
図22図22は、第3の実施形態に係る観光客端末の処理構成の一例を示す図である。
図23図23は、第3の実施形態に係るプッシュメッセージ処理部の動作を説明するための図である。
図24図24は、第3の実施形態に係る回答制御部の動作を説明するための図である。
図25図25は、本願開示に係るサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図26図26は、本願開示の変形例に係る観光客端末の動作を説明するための図である。
図27図27は、本願開示の変形例に係る観光客端末の動作を説明するための図である。
図28図28は、本願開示の変形例に係る観光客端末の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
はじめに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。また、特段の釈明がない場合には、各図面に記載されたブロックはハードウェア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表す。各図におけるブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
【0016】
一実施形態に係るシステムは、サーバ装置101と、第1の端末102と、第2の端末103と、を含む(図1参照)。第1の端末102は、第1の利用者の位置情報と質問内容を含む質問メッセージをサーバ装置101に送信する。第2の端末103は、複数の第2の利用者それぞれが所持する端末である。サーバ装置101は、複数の第2の利用者のなかから第1の利用者の現在位置に対応する地域に居住する少なくとも1以上の第3の利用者を抽出する。サーバ装置101は、少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末103に、質問内容を含む依頼メッセージを送信する。少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末103は、質問内容に対する回答内容を含む回答メッセージをサーバ装置101に送信する。サーバ装置101は、回答メッセージを第1の端末102に送信する。
【0017】
第1の利用者(例えば、観光客)は、観光地にて知りたい内容をサーバ装置101に問い合わせる。当該問い合わせ(質問)に対して、サーバ装置10は、当該観光地の住民(第3の利用者)に回答を依頼する。観光地の住民は、当該観光地の情報に精通しており、観光客が真に知りたい情報を回答できる。そのため、観光客は、真に知りたい情報を容易に得ることができる。即ち、サーバ装置101は、情報提供を求める観光客(利用者)により適した情報を提供することができる。このように、サーバ装置101は、観光地に単に滞在している利用者を質問に対する回答者に設定するのではなく、当該観光地を含む地域に居住している住民を回答者に設定する。その結果、質問者(観光客)にとって、より有益な情報、より適した情報が当該質問者に提供される。
【0018】
以下に具体的な実施形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
【0019】
[第1の実施形態]
第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
【0020】
[システムの構成]
図2は、第1の実施形態に係る情報提供システムの概略構成の一例を示す図である。図2に示すように、情報提供システムには、サーバ装置10が含まれる。
【0021】
サーバ装置10は、利用者に対して他者とのつながり等を提供する。サーバ装置10は、いわゆる、SNS(Social Networking Service)を実現する。
【0022】
利用者は、サーバ装置10を介して他者とテキスト、写真、動画等の送受信を行う。サーバ装置10は、利用者間のメッセージ交換を実現する。また、利用者は、サーバ装置10を介して企業、自治体等の団体から情報提供を受けることもある。
【0023】
サーバ装置10は、利用者からの要求に応じて情報提供を行う機能を備える。より具体的には、サーバ装置10は、利用者から質問を受け付け、当該質問に回答する。質問と回答の送受信は、SNSを介して行われる。
【0024】
第1の実施形態では、観光客がサーバ装置10に質問し、サーバ装置10が当該質問に回答する場合について説明する。
【0025】
例えば、観光客は、目的の観光地に到着すると、所持する観光客端末20を使って、「お勧めランチは?」といった質問をサーバ装置10に入力する(図3の最上段参照)。その際、観光客端末20は、自装置の現在位置(位置情報、座標情報)をサーバ装置10に通知する。
【0026】
サーバ装置10は、観光客端末20から取得した現在位置に基づき、観光客が訪れている観光地(地域)を特定する。図2の例では、サーバ装置10は、観光客は地域Aから質問をしているのか、地域Bから質問をしているのか特定する。
【0027】
観光客の訪れた観光地(地域)を特定すると、サーバ装置10は、地域サポータに当該観光客の質問に対する回答を依頼する。
【0028】
地域サポータとは、所定の単位(所定の範囲)のエリアに居住する住民であって、観光客をサポートする意思(情報提供する意思、質問に回答する意思)があることを予めシステムに登録した住民である。各地域サポータは、端末を所持している。図2の例では、地域Aの地域サポータは、サポータ端末30-1~30-3を所持し、地域Bの地域サポータは、サポータ端末30-4~30-6をそれぞれ所持する。地域サポータは、市民サポータと称することもできる。
【0029】
以降の説明において、サポータ端末30-1~30-6を区別する特段の理由がない場合には単に「サポータ端末30」と表記する。
【0030】
上述のように、観光客から質問を受けると、サーバ装置10は、当該質問に対する回答を地域サポータに依頼する。例えば、図2の例では、観光客が地域Aを訪れていると、サーバ装置10は、当該地域Aに住む地域サポータに対して観光客の質問に対する回答を依頼する。
【0031】
より具体的には、サーバ装置10は、地域Aの地域サポータが所持するサポータ端末30-1~30-3に観光客の質問を送信し、その回答を依頼する。
【0032】
サーバ装置10は、各地域サポータから回答を受信すると、当該回答を観光客に通知する。具体的には、サーバ装置10は、各地域サポータのそれぞれから取得した回答を観光客端末20に送信する。観光客端末20は、各地域サポータから取得した回答を出力する(図3参照)。
【0033】
観光客は、提供された回答を参考にして行動する。図3の例では、観光客は、好みの店舗を選択して食事に向かう。その際、観光客は、観光客端末20を操作して、参考にした回答をサーバ装置10に通知してもよい。図3の例では、観光客は、参考にした回答に対応する「参考」ボタンを押下する。
【0034】
サーバ装置10は、当該ボタンの押下に応じて、観光客にとって有益な情報を提供した地域サポータを記憶、管理する。サーバ装置10は、地域サポータの評価を「評価ポイント」を使って管理する。
【0035】
続いて、第1の実施形態に係る情報提供システムに含まれる各装置の詳細について説明する。
【0036】
ここで、利用者(観光客、地域サポータ)がSNSを利用するための準備等についての説明は省略する。SNSの利用者には、ユーザID(IDentifier)が割り当てられている。例えば、利用者Aには「ID01」、利用者Bには「ID02」といったユーザIDが割り当てられている。各利用者が所持する端末(観光客端末20、サポータ端末30)は、所有者のユーザID、他者(例えば、友人)のユーザIDを記憶する。また、サーバ装置10は、ユーザIDと当該ユーザIDに対応する利用者が所持する端末の連絡先(例えば、電話番号、メールアドレス、SNS(Social Networking Service)アカウント等)を対応付けて記憶する。
【0037】
[サーバ装置]
図4は、第1の実施形態に係るサーバ装置10の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図4を参照すると、サーバ装置10は、通信制御部201と、地域サポータ登録部202と、メッセージ交換部203と、地域サポータ管理部204と、記憶部205と、を備える。
【0038】
通信制御部201は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部201は、観光客端末20からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部201は、観光客端末20に向けてデータを送信する。通信制御部201は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部201は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部201を介して他の装置とデータの送受信を行う。通信制御部201は、他の装置からデータを受信する受信部としての機能と、他の装置に向けてデータを送信する送信部としての機能と、を備える。
【0039】
地域サポータ登録部202は、地域サポータの登録を実現する手段である。地域サポータ登録部202は、利用者(地域サポータとなる意思がある利用者)がサポータ端末30に表示された特定のボタン等を押下すると、地域サポータ登録を行うためのGUI(Graphical User Interface)をサポータ端末30に表示する。
【0040】
例えば、地域サポータ登録部202は、図5に示すようなGUIをサポータ端末30に表示する。
【0041】
地域サポータは、サポータ端末30を操作して、氏名、年齢、性別、住所等の個人情報を入力する。なお、地域サポータは、氏名や性別などの個人情報をシステムに登録しなくてもよい。地域サポータは、少なくとも住所をサーバ装置10に登録すればよい。
【0042】
地域サポータ登録部202は、上記個人情報と併せて利用者のユーザIDをサポータ端末30から取得する。
【0043】
地域サポータ登録部202は、取得した住所を地域に変換する。地域サポータ登録部202は、住所と地域名を対応付けて記憶するテーブル情報を参照し、地域サポータの住所を予め定めた地域に変換する(図6参照)。
【0044】
地域サポータ登録部202は、取得したユーザID、上記住所から変換された地域及び個人情報等を対応付けて地域サポータデータベースに記憶する(図7参照)。図7に示すように、地域サポータデータベースは、ユーザID、担当地域、評価ポイント及び個人情報(属性情報)を対応付けて記憶する。なお、図7に示す地域サポータデータベースは例示であって、記憶する項目等を限定する趣旨ではない。例えば、生体情報として「顔画像」が地域サポータデータベースに登録されていてもよい。
【0045】
このように、地域サポータ登録部202は、観光客(第1の利用者)を支援する意思を持つ利用者(第2の利用者)を「地域サポータ」としてシステムに登録する。また、地域サポータ登録部202は、少なくとも地域サポータの住所を取得し、当該取得した住所を担当地域に変換し、地域サポータデータベースに登録する。
【0046】
メッセージ交換部203は、利用者間のメッセージ交換を実現する手段である。メッセージ交換部203は、メッセージ送信元のユーザID、メッセージ送信先のユーザID、コンテンツ(テキスト、写真、動画等)等を含むメッセージを端末から受信する。
【0047】
メッセージ交換部203は、記憶部205に構成された、図8に示すような連絡先情報データベースを参照し、メッセージ送信先のユーザIDに対応する連絡先(メッセージ送信先のメールアドレス、SNSアカウント等)を取得する。メッセージ交換部203は、取得した連絡先にテキスト、写真、動画等を送信する。
【0048】
ここで、サーバ装置10が処理するメッセージには、ユーザ間で送受信される通常メッセージに加え、3つのメッセージが含まれる。
【0049】
第1のメッセージは、観光客がサーバ装置10に質問する質問メッセージである。
【0050】
第2のメッセージは、サーバ装置10が地域サポータに回答を依頼する依頼メッセージである。
【0051】
第3のメッセージは、観光客が質問に回答する回答メッセージである。
【0052】
質問メッセージは、メッセージが質問メッセージであることを示す質問フラグを含む。質問メッセージには、メッセージ送信元のIDとして質問者(観光客)のユーザIDが設定され、メッセージ送信先のIDにはなにも設定されない(メッセージ送信先のIDはブランク)。また、質問メッセージには、質問者(観光客端末20)の現在位置及び質問内容が含まれる。
【0053】
依頼メッセージは、メッセージが依頼メッセージであることを示す依頼フラグを含む。依頼メッセージには、メッセージ送信元のIDとして観光客のユーザIDが設定され、メッセージ送信先のIDとして、地域サポータのユーザIDが設定される。また、依頼メッセージには、質問内容が含まれる。
【0054】
回答メッセージは、メッセージが回答メッセージであることを示す回答フラグを含む。回答メッセージには、メッセージ送信元のIDとして回答者(地域サポータ)のユーザIDが設定され、メッセージ送信先のIDとして質問者(観光客)のユーザIDが設定される。また、回答メッセージには、回答内容が含まれる。
【0055】
メッセージ交換部203は、質問回答制御部211というサブモジュールを備える(図9参照)。質問回答制御部211は、質問メッセージ、依頼メッセージ及び回答メッセージを処理する手段である。質問回答制御部211は、観光客からの質問と地域サポータからの回答に関する制御を行う手段である。
【0056】
メッセージ交換部203は、質問メッセージ及び回答メッセージを受信するとこれらのメッセージを質問回答制御部211に引き渡す。なお、依頼メッセージは、サーバ装置10からサポータ端末30に送信されるメッセージであるので、メッセージ交換部203が当該メッセージを受信することはない。
【0057】
図10を参照して、質問回答制御部211の動作を説明する。図10は、質問回答制御部211の動作の一例を示すフローチャートである。
【0058】
質問回答制御部211は、メッセージに設定されたフラグが質問フラグか否か判定する(ステップS101)。質問回答制御部211は、質問フラグが設定されている場合には、ステップS102以降の処理を実行する。
【0059】
質問メッセージを受信した場合(ステップS101、Yes分岐)、質問回答制御部211は、質問メッセージに含まれる現在位置に基づいて観光客の訪問場所に対応する地域を特定する(ステップS102)。例えば、質問回答制御部211は、地域と当該地域を規定する座標範囲を対応付けて記憶するテーブル情報を参照し、対応する地域を特定する(図11参照)。
【0060】
質問回答制御部211は、当該特定した地域をキーとして地域サポータデータベースを検索し、当該地域に住む地域サポータを抽出する(ステップS103)。
【0061】
質問回答制御部211は、当該抽出した地域サポータに対して送信する依頼メッセージを生成する(ステップS104)。質問回答制御部211は、メッセージのフラグ格納エリアに依頼フラグを設定し、メッセージ送信元のIDに観光客のユーザID、メッセージ送信先のIDに各地域サポータのユーザIDをそれぞれ設定する。また、質問回答制御部211は、質問メッセージに含まれる質問内容を依頼メッセージに転記する。
【0062】
なお、質問回答制御部211は、依頼メッセージに設定する観光客のユーザIDを質問メッセージから取り出す。より具体的には、質問回答制御部211は、質問メッセージのメッセージ送信元のIDを観光客のユーザIDとして取り出す。また、質問回答制御部211は、上記抽出された地域サポータの数と同数の依頼メッセージを生成する。
【0063】
質問回答制御部211は、生成した依頼メッセージを各地域サポータに送信する(ステップS105)。
【0064】
上述のように、質問回答制御部211が受信するメッセージは、質問メッセージと回答メッセージの2種類である。従って、ステップS101の判定結果が「No」の場合、質問回答制御部211は、回答メッセージを受信したことになる。
【0065】
回答メッセージを受信した場合(ステップS101、No分岐)、質問回答制御部211は、当該メッセージを観光客端末20に転送する(ステップS106)。
【0066】
地域サポータ管理部204は、地域サポータに関する管理を行う手段である。より具体的には、地域サポータ管理部204は、観光客から地域サポータの回答に関する参考通知を受信し、当該通知を処理する。より具体的には、地域サポータ管理部204は、観光客端末20から「回答参考通知」を受信する。
【0067】
回答参考通知には、観光客が参考にした回答内容の回答者(地域サポータ)のユーザIDが含まれる。地域サポータ管理部204は、当該ユーザIDをキーとして地域サポータデータベースを検索する。地域サポータ管理部204は、当該検索によって特定された地域サポータの評価ポイントフィールドの設定値に「1」を加算する。
【0068】
また、地域サポータ管理部204は、地域サポータからのポイント照会に関する制御を行う。地域サポータ管理部204は、後述する「ポイント照会」を受信すると、当該照会に含まれるユーザIDをキーとして地域サポータデータベースを検索し、対応する地域サポータを特定する。地域サポータ管理部204は、特定した地域サポータの評価ポイントを含む応答をサポータ端末30に送信する。
【0069】
記憶部205は、サーバ装置10の動作に必要な情報を記憶する手段である。記憶部205には、地域サポータデータベース、連絡先情報データベース等が構成される。
【0070】
[観光客端末]
観光客端末20は、観光客(第1の利用者)の位置情報と質問内容を含む質問メッセージをサーバ装置10に送信する、第1の端末である。
【0071】
図12は、第1の実施形態に係る観光客端末20の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図12を参照すると、観光客端末20は、通信制御部301と、質問制御部302と、記憶部303と、を備える。
【0072】
通信制御部301は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部301は、サーバ装置10からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部301は、サーバ装置10に向けてデータを送信する。通信制御部301は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部301は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部301を介して他の装置とデータの送受信を行う。通信制御部301は、他の装置からデータを受信する受信部としての機能と、他の装置に向けてデータを送信する送信部としての機能と、を備える。
【0073】
質問制御部302は、観光客の質問に関する制御を行う手段である。質問制御部302は、観光客が所定の動作(例えば、メニュー画面の「質問チャット」ボタンの押下)を行うと、観光客が質問を入力するためのインターフェイスを表示する。
【0074】
例えば、質問制御部302は、図3の最上段に示すような質問を入力するための領域を表示し、質問内容を取得する。質問制御部302は、観光客が図3に示す「送信」ボタンを押下すると、質問内容を確定する。なお、図3には、理解の容易のため「送信」ボタンが記載されているが、実際には、質問内容の確定と共に当該ボタンは非表示となる。
【0075】
質問制御部302は、自装置(観光客端末20)の位置情報を取得する。例えば、質問制御部302は、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を受信して測位を実行し、自装置の緯度及び経度を含む位置情報を生成する。あるいは、質問制御部302は、無線アクセスポイントと通信し、当該無線アクセスポイントの位置を自装置の位置として扱っても良い。あるいは、質問制御部302は、無線アクセスポイントから受信する電波の強度に基づき位置情報を生成してもよい。
【0076】
質問制御部302は、フラグ格納エリアに質問フラグを設定し、メッセージ送信元のIDに観光客のユーザIDを設定し、質問メッセージを生成する。また、質問制御部302は、上記生成した位置情報と質問内容を質問メッセージに格納する。
【0077】
質問制御部302は、生成した質問メッセージをサーバ装置10に送信する。
【0078】
質問制御部302は、サーバ装置10から回答メッセージを受信する。質問制御部302は、少なくとも1以上の回答メッセージを受信する。質問制御部302は、受信した回答メッセージに含まれる回答内容を表示する。例えば、質問制御部302は、受信した回答メッセージの順に当該メッセージに含まれる回答内容を表示する。例えば、質問制御部302は、図3に示すような表示(3つの回答内容を含む表示)を行う。
【0079】
また、質問制御部302は、地域サポータからの回答を評価(観光客が評価)するためのボタンを回答内容に対応させて表示する(図3参照)。観光客は、参考になった回答内容に対応する「参考」ボタンを押下する。
【0080】
質問制御部302は、参考ボタンに対応する回答メッセージに含まれるメッセージ送信元のユーザID(回答が評価された地域サポータのユーザID)を含む「回答参考通知」をサーバ装置10に送信する。
【0081】
記憶部303は、観光客端末20の動作に必要な情報を記憶する手段である。記憶部303は、利用者(観光客)のユーザIDや友人等のユーザIDを記憶する。
【0082】
[サポータ端末]
サポータ端末30は、複数の地域サポータ(複数の第2の利用者)それぞれが所持する、第2の端末である。
【0083】
図13は、第1の実施形態に係るサポータ端末30の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図13を参照すると、サポータ端末30は、通信制御部401と、登録部402と、回答制御部403と、ポイント制御部404と、記憶部405と、を備える。
【0084】
通信制御部401は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部401は、サーバ装置10からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部401は、サーバ装置10に向けてデータを送信する。通信制御部401は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部401は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部401を介して他の装置とデータの送受信を行う。通信制御部401は、他の装置からデータを受信する受信部としての機能と、他の装置に向けてデータを送信する送信部としての機能と、を備える。
【0085】
登録部402は、地域サポータの登録を実現する手段である。登録部402は、地域サポータの所定の動作(例えば、メニュー画面に表示された「地域サポータ登録」ボタンの押下)に応じて、サーバ装置10にアクセスする。
【0086】
登録部402は、サーバ装置10から図5に示すようなGUIを表示するためのデータを受信し、当該GUIによって地域サポータの氏名、住所等の情報を取得する。登録部402は、取得した氏名等と併せて地域サポータのユーザIDをサーバ装置10に送信する。
【0087】
回答制御部403は、地域サポータの回答に関する制御を行う手段である。回答制御部403は、サーバ装置10から依頼メッセージを受信する。回答制御部403は、当該依頼メッセージの受信に応じて、地域サポータが回答を入力するためのインターフェイスを表示する。
【0088】
例えば、回答制御部403は、図14に示すような表示を行う。図14に示すように、回答制御部403は、依頼メッセージに含まれる質問内容を表示すると共に、当該質問に回答するように地域サポータに依頼する。
【0089】
回答制御部403は、図14に示すような回答を入力するための領域を表示し、回答内容を取得する。回答制御部403は、地域サポータが図14に示す「送信」ボタンを押下すると、回答内容を確定する。
【0090】
なお、図14には図示していないが、回答制御部403は、地域サポータが質問に回答をしない意思を取得するためのボタン(「例えば、「取消」ボタン」)を回答入力画面に表示してもよい。
【0091】
回答制御部403は、フラグ格納エリアに回答フラグを設定する。また、回答制御部403は、メッセージ送信元のIDに回答者(地域サポータ)のユーザID、メッセージ送信先のIDに質問者(観光客)のユーザIDをそれぞれ設定し、回答メッセージを生成する。さらに、回答制御部403は、取得した回答内容を回答メッセージに格納する。
【0092】
回答制御部403は、生成した回答メッセージをサーバ装置10に送信する。
【0093】
ポイント制御部404は、地域サポータに付与された評価ポイントを制御、管理する手段である。ポイント制御部404は、地域サポータの所定の動作(例えば、メニュー画面に表示された「ポイント確認」ボタンの押下)に応じて、サーバ装置10に「ポイント照会」を送信する。ポイント照会には、地域サポータのユーザIDが含まれる。
【0094】
ポイント制御部404は、サーバ装置10からの応答(ポイント照会に対する応答)に含まれる評価ポイントを表示する。
【0095】
記憶部405は、サポータ端末30の動作に必要な情報を記憶する手段である。記憶部405は、利用者(地域サポータ)のユーザIDや友人等のユーザIDを記憶する。
【0096】
ここで、上記説明では、観光客端末20とサポータ端末30は異なる種類の端末として処理構成等を説明したが、実際には、利用者の端末は、観光客端末20として動作することもあるし、サポータ端末30として動作することもある。即ち、利用者(観光客、地域サポータ)は、上記説明した観光客端末20とサポータ端末30それぞれの機能を備える端末を所持する。
【0097】
[システムの動作]
続いて、第1の実施形態に係る情報提供システムの動作について説明する。なお、地域サポータ登録に関する動作の説明は省略する。
【0098】
図15は、第1の実施形態に係る情報提供システムの動作の一例を示すシーケンス図である。図15を参照し、観光客の質問に回答する場合のシステム動作について説明する。
【0099】
観光客端末20は、観光客の質問を取得する(ステップS01)。
【0100】
観光客端末20は、取得した質問を含む質問メッセージを生成し、当該質問メッセージをサーバ装置10に送信する(ステップS02)。
【0101】
サーバ装置10は、質問メッセージを受信すると、当該質問に回答する地域サポータを抽出し、当該抽出された地域サポータのサポータ端末30に依頼メッセージを送信する(ステップS03)。
【0102】
依頼メッセージを受信すると、サポータ端末30は、当該依頼メッセージに含まれる質問を表示し、地域サポータからの回答を取得する(ステップS04)。
【0103】
サポータ端末30は、当該取得した回答を含む回答メッセージを生成し、サーバ装置10に送信する(ステップS05)。
【0104】
サーバ装置10は、回答メッセージを質問者(観光客)の観光客端末20に向けて転送する(ステップS06)。
【0105】
回答メッセージを受信すると、観光客端末20は、当該回答メッセージに含まれる回答を表示する(ステップS07)。
【0106】
観光客端末20は、観光客が参考にした(観光客が採用した)回答に対応する回答参考通知をサーバ装置10に送信する(ステップS08)。
【0107】
回答参考通知を受信すると、サーバ装置10は、観光客が参考にした地域サポータの評価ポイントをインクリメントすることで、地域サポータデータベース(DB;Data Base)を更新する(ステップS09)。このように、観光客端末20は、観光客が、地域サポータからの回答を参考にした場合には、回答参考通知をサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、回答参考通知の受信に応じて、観光客が参考にした回答をした地域サポータの評価を高める。
【0108】
以上のように、第1の実施形態に係る情報提供システムは、サーバ装置10は、複数の地域サポータ(第2の利用者)のなかから観光客(第1の利用者)の現在位置に対応する地域に居住する地域サポータ(第3の利用者)を抽出する。サーバ装置10は、当該抽出された地域サポータのサポータ端末30に、質問内容を含む依頼メッセージを送信する。回答を依頼された地域サポータ(第3の利用者)のサポータ端末30は、質問内容に対する回答内容を含む回答メッセージをサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、回答メッセージを観光客端末20に送信する。このように、観光客は、観光地にて知りたい内容を、SNSを使ってサーバ装置10に質問すると、サーバ装置10は、当該観光地の住民(居住者)に回答を依頼する。観光地の住民は、当該観光地の情報に精通しており、観光客が真に知りたい情報を回答できる。即ち、観光客は、情報の取捨選択をするといった作業をすることなく真に知りたい情報を容易に得ることができる。観光客は、利便性が向上したと感じる。
【0109】
[第2の実施形態]
続いて、第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0110】
第1の実施形態では、サーバ装置10が地域の各地域サポータに対して観光客の質問に回答するように依頼する場合について説明した。第2の実施形態では、サーバ装置10が回答者を指名する場合について説明する。より具体的には、サーバ装置10は、観光地に住む地域サポータ(第3の利用者)のなかから、質問内容に回答する地域サポータ(第4の利用者)を選択し、当該選択した地域サポータのサポータ端末30に依頼メッセージを送信する。
【0111】
なお、第2の実施形態に係る情報提供システムの構成は第1の実施形態と同一とすることができるので図2に相当する説明を省略する。
【0112】
以下、第1の実施形態と第2の実施形態の相違点を中心に説明する。
【0113】
第2の実施形態に係る質問回答制御部211は、予めシステム登録された地域サポータのなかから回答者を選択(選抜)し、当該選択した回答者に対して観光客の質問に答えるように依頼する。
【0114】
図2の例では、観光客が地域Aを訪れている場合、質問回答制御部211は、サポータ端末30-1~30-3を持つ3人の地域サポータのなかから回答者を選択し、質問への回答を依頼する。
【0115】
質問回答制御部211は、種々の方法によって回答者を選択(決定)する。
【0116】
<選択方法1>
第2の実施形態に係る観光客端末20の質問制御部302は、質問メッセージを送信する際、観光客の属性情報(プロフィール;例えば、性別、年齢等)を併せてサーバ装置10に通知する。具体的には、質問制御部302は、質問内容に加え属性情報を含む質問メッセージをサーバ装置10に送信する。なお、観光客の属性情報は、SNSアプリに登録されている情報を用いてもよいし、観光客端末20が改めて属性情報を取得してもよい。
【0117】
質問回答制御部211は、観光客の属性情報と、システム登録された各地域サポータの属性情報と、を用いて回答者を選択する。例えば、質問回答制御部211は、質問者と同じ属性(例えば、性別及び/又は年代)を持つ地域サポータを回答者として選択する。
【0118】
より具体的には、質問回答制御部211は、観光客が訪問した場所(質問をした場所)に対応する地域の地域サポータを地域サポータデータベースから抽出する。さらに、質問回答制御部211は、当該抽出された地域サポータ(エントリ)のなかから観光客と同じ属性を持つ地域サポータを特定する。
【0119】
質問回答制御部211は、当該特定された地域サポータに対して、依頼メッセージを送信する。例えば、質問回答制御部211は、地域Aを訪れた観光客が20代の女性であれば、地域Aの地域サポータのうち20代の女性を回答者として選択し、当該選択された回答者のサポータ端末30に対して依頼メッセージを送信する。
【0120】
このように、サーバ装置10は、観光客(第1の利用者)の属性情報と少なくとも1以上の地域サポータ(第3の利用者)の属性情報に基づいて、回答者(第4の利用者)を選択してもよい。
【0121】
<選択方法2>
質問回答制御部211は、質問内容と、地域サポータの投稿(他者との会話)から得られる地域サポータの関心事に基づいて回答者を選択してもよい。
【0122】
第2の実施形態に係るメッセージ交換部203は、図16に示すようにメッセージ解析部212を備えている。メッセージ解析部212は、地域サポータが投稿したメッセージを解析し、当該地域サポータの関心事を算出する。
【0123】
例えば、メッセージ解析部212は、地域サポータが他者(家族、友人)に送信したメッセージに予め定められたキーワードが含まれている場合、地域サポータは、当該キーワードに関連した事項に関心があると判定する。
【0124】
例えば、「昼食」、「ランチ」、「ディナー」、「和食」、「中華」、「フレンチ」といったキーワードが会話のなかに多く含まれる場合、メッセージ解析部212は、当該キーワードを投稿した地域サポータの関心事を「食事」に設定する。
【0125】
あるいは、「寺」、「庭」、「城」、「歴史」といったキーワードが会話のなかに多く含まれる場合、メッセージ解析部212は、当該キーワードを投稿した地域サポータの関心事を「歴史」に設定する。
【0126】
メッセージ解析部212は、地域サポータごとに、キーワードの投稿回数を記憶しておき、キーワードの投稿回数が所定値を越えた場合に、当該所定値を超えたキーワードに関係する事項を地域サポータの関心事に設定する。例えば、上記、食事の例では、「ランチ」や「ディナー」といったキーワードが繰り返し投稿されている場合に、当該地域サポータの関心事は「食事」に設定される。
【0127】
メッセージ解析部212は、地域サポータのユーザIDと関心事を対応付けて関心事データベースに記憶する(図17参照)。なお、第2の実施形態では、理解の容易のため、地域サポータデータベースと関心事データベースは異なるデータベースとして説明したが、各地域サポータの関心事は地域サポータデータベースに記憶されていてもよい。
【0128】
また、メッセージ解析部212は、リアルタイムにメッセージの解析(関心事の算出)を行ってもよいし、事後的にメッセージの解析を行ってもよい。事後的に解析する場合には、メッセージ交換部203は、地域サポータの会話(投稿)をユーザIDと共に蓄積する。メッセージ解析部212は、定期的又は所定のタイミングで当該蓄積された会話(対話ログ)を解析し、地域サポータの関心事を算出してもよい。
【0129】
質問回答制御部211は、質問メッセージを受信すると、当該質問メッセージの質問内容(質問に含まれるキーワード)から質問ジャンルを特定する。例えば、「ランチ」、「和食」といったキーワードが含まれる場合、質問回答制御部211は、当該質問のジャンルを「食事」に設定する。質問回答制御部211は、キーワードと質問ジャンルを対応付けて記憶するテーブル情報を参照し、質問ジャンルを特定すればよい。
【0130】
あるいは、質問回答制御部211は、機械学習によって得られる学習モデルを用いて質問ジャンルを特定してもよい。例えば、質問内容にラベル(質問ジャンル)が付与された教師データを用いた機械学習を行うことで、学習モデルが得られる。質問回答制御部211は、当該学習モデルに質問内容を入力することで、質問ジャンルを取得する。なお、学習モデルの生成には、サポートベクタマシン、ブースティングやニューラルネットワーク等の任意のアルゴリズムを用いることができる。なお、上記サポートベクタマシン等のアルゴリズムは公知の技術を使用することができるので、その説明を省略する。
【0131】
質問回答制御部211は、地域サポータデータベースを検索し、質問者の現在位置に対応する地域サポータを抽出する。さらに、質問回答制御部211は、当該抽出した地域サポータのなかから質問ジャンルに関心のある地域サポータを特定する。
【0132】
質問回答制御部211は、当該特定された地域サポータに対して、依頼メッセージを送信する。例えば、質問回答制御部211は、地域Aを訪れた観光客の質問ジャンルが「食事」であれば、地域Aの地域サポータのうち食事に強い関心のある地域サポータを回答者として選択する。質問回答制御部211は、当該選択された回答者のサポータ端末30に対して依頼メッセージを送信する。
【0133】
このように、サーバ装置10は、質問内容と地域サポータ(第3の利用者)の関心事に基づいて、当該質問に回とする回答者(第4の利用者)を選択してもよい。
【0134】
<選択方法3>
質問回答制御部211は、質問への回答を依頼する地域サポータを選択する際、各地域サポータの評価(評価ポイント)に基づいて地域サポータを選択してもよい。例えば、質問回答制御部211は、評価の高い地域サポータを優先して選択して、観光客からの質問に回答するように依頼してもよい。
【0135】
<選択方法4>
質問回答制御部211は、選択方法1乃至選択方法3を組み合わせて回答者を選択してもよい。具体的には、質問回答制御部211は、回答者と地域サポータの属性情報と、質問内容と地域サポータの関心事に基づいて回答者となる地域サポータを選択してもよい。
【0136】
続いて、第2の実施形態に係る変形例について説明する。
【0137】
<第2の実施形態の変形例1>
第2の実施形態では、観光客の質問に回答する地域サポータが1人選択されることを説明した。しかし、地域サポータのなかには質問に対して的確な回答が可能な人が複数含まれることもある。また、観光客にとっても、1人の回答者からの回答を参考にして行動を決めるよりも複数の回答を参考にした方が好ましい面もある。
【0138】
第2の実施形態に係る質問回答制御部211は、上記選択方法1乃至選択方法4のいずれかの方法を実行することで、複数の地域サポータが選択(抽出)できた場合、これらの抽出された各地域サポータに依頼メッセージを送信してもよい。
【0139】
例えば、選択方法1によって2人の地域サポータが抽出された場合、質問回答制御部211は、当該2人の地域サポータのサポータ端末30に依頼メッセージを送信してもよい。この場合、質問回答制御部211は、2人のサポータ端末30から得られた回答メッセージのそれぞれを観光客端末20に送信する。
【0140】
サーバ装置10は、観光客から回答者の人数に関する希望を取得してもよい。なお、利用者は、情報提供システムを無料で使用できるのが基本である。しかし、観光客が上記回答者の人数を指定する機能等はオプションとし有料のサービスとしてもよい。あるいは、情報提供システム自体の使用が有料の場合には、上記人数の指定に関する機能を利用するとシステム利用料が高く設定されてもよい。あるいは、回答を希望する人数に応じて、上記システム利用料が変化するように設定されていてもよい。
【0141】
<第2の実施形態の変形例2>
質問に回答するのに適した地域サポータが複数存在する場合には、質問回答制御部211は、1人ずつ質問と回答を処理してもよい。
【0142】
例えば、図2の例において、地域Aの3人の地域サポータのそれぞれが質問に対して的確な回答をできる地域サポータとする。この場合、質問回答制御部211は、3人のなかから1人を選択し、回答を依頼する。質問回答制御部211は、得られた回答を質問者に通知する。質問者が当該回答を参考にすれば(回答を採用すれば)、質問回答制御部211は、処理を終了する。
【0143】
対して、質問者が当該回答を参考にしなければ(回答を不採用、他の回答を要求)、質問回答制御部211は、他の地域サポータに対して質問への回答を依頼し、得られた回答を質問者(観光客)に提供する。質問回答制御部211は、このような制御を繰り返す。
【0144】
この場合、第2の実施形態に係る観光客端末20の質問制御部302は、観光客の意思(回答を参考、参考にせず)を取得するためのボタンを表示する(図18参照)。質問制御部302は、観光客が「非参考」ボタンを押下すると、再質問メッセージをサーバ装置10に送信する。再質問メッセージは、既に送信された質問メッセージのフラグ格納エリアに再質問フラグが設定されたメッセージである。
【0145】
サーバ装置10の質問回答制御部211は、再質問メッセージを受信すると、先に選択した地域サポータとは異なる地域サポータを選択し、回答を依頼(依頼メッセージの送信)する。
【0146】
このように、観光客端末20は、観光客が最初の回答者(第4の利用者)の回答を参考にしない場合には、サーバ装置10に対して、質問メッセージに対応する再質問メッセージを送信する。サーバ装置10は、再質問メッセージの受信に応じて、回答者として適切な地域サポータ(第3の利用者)のなかから、最初の回答者とは異なる別の回答者(第5の利用者)を選択する。
【0147】
サーバ装置10は、回答メッセージと共に当該回答メッセージの回答者(地域サポータ)に関する関連情報(例えば、属性、関心事、評価ポイント等)を観光客端末20に送信してもよい。観光客端末20は、回答内容と共に当該関連情報も併せて表示してもよい。観光客は、当該地域サポータの回答と関連情報を踏まえ、回答者を評価してもよい。あるいは、サーバ装置10は、最初に質問メッセージを受信した際、当該質問メッセージに回答する回答者の候補を抽出し、当該抽出された候補の関連情報(属性等)を観光客端末20に送信してもよい。観光客端末20は、送信された関連情報を表示し、最初に回答して欲しい地域サポータを観光客が選択可能としてもよい。
【0148】
以上のように、第2の実施形態に係る情報提供システムにおいては、サーバ装置10は、観光客が訪れた観光地の地域サポータのうち、質問者や質問内容に応じて回答を依頼する回答者を選択する。その結果、より有益な情報が観光客に提供できる。つまり、食事に関する質問に対し、観光地の歴史に詳しい地域サポータが回答するといったミスマッチが発生しないので、観光客が知りたい情報が的確に提供される。
【0149】
[第3の実施形態]
続いて、第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0150】
第1の実施形態及び第2の実施形態では、サーバ装置10が観光客の質問に回答する場合について説明した。第3の実施形態では、地域サポータや自治体等の団体が観光客に有益な情報を積極的に提供する場合について説明する。
【0151】
なお、第3の実施形態に係る情報提供システムの構成は第1の実施形態と同一とすることができるので図2に相当する説明を省略する。
【0152】
以下、第1の実施形態乃至第3の実施形態の相違点を中心に説明する。
【0153】
図19は、第3の実施形態に係るサーバ装置10の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図19を参照すると、第1の実施形態に係るサーバ装置10の構成に観光客管理部206が追加されている。
【0154】
観光客管理部206は、観光客を管理する手段である。とりわけ、観光客管理部206は、観光客の現在位置を管理する。
【0155】
観光客管理部206は、種々の方法によって観光客の現在位置を特定する。
【0156】
例えば、観光客管理部206は、質問メッセージに含まれる現在位置から当該観光客の現在位置を特定する。
【0157】
あるいは、観光客端末20は、定期的又は所定のタイミングで、観光客のユーザIDと現在位置をサーバ装置10に通知してもよい。観光客管理部206は、当該通知に基づき観光客の現在位置を特定してもよい。
【0158】
あるいは、観光客管理部206は、観光客からの回答に対する評価(回答参考通知)に基づいて観光客の現在位置を特定してもよい。例えば、観光客が「和食A店」を勧める回答に対して「参考」ボタンを押下した場合、観光客管理部206は、当該観光客の現在位置は和食A店又は和食A店の付近と特定する。このように、観光客の選択によって現在位置を特定することで、観光客端末20のGPS機能が無効に設定されている場合であっても、観光客管理部206は、観光客の現在位置を推定することができる。例えば、観光客が夕食のレストランの質問に対する回答に「参考」ボタンを押していた場合、観光客管理部206は、当該観光客は夕食の時間帯に当該レストランで食事をしていると推定できる。
【0159】
観光客管理部206は、観光客のユーザIDと現在位置を対応付けて観光客データベースに記憶する(図20参照)。なお、図20に示す観光客データベースは例示であって、記憶する項目等を限定する趣旨ではない。
【0160】
第3の実施形態に係るサーバ装置10のメッセージ交換部203は、図21に示すように、プッシュ情報制御部213を備えている。プッシュ情報制御部213は、サーバ装置10から観光客に対して積極的な情報提供(プッシュ型の情報提供)を行う手段である。
【0161】
プッシュ情報制御部213は、観光客の現在位置に応じた情報提供を行う。例えば、プッシュ情報制御部213は、観光客の現在地付近の観光地に関する情報(観光地情報)やイベントに関する情報(イベント情報)を提供する。
【0162】
具体的には、プッシュ情報制御部213は、定期的又は所定のタイミングで、観光客データベースにアクセスし、観光客が予め定めた位置(スポット)を訪問しているか否か判定する。観光客が予め定めたスポットを訪問した場合には、プッシュ情報制御部213は、当該スポットに関する情報を観光客端末20に送信する。
【0163】
例えば、上記予め定められたスポットが「寺」や「城」といった歴史的建造物であれば、プッシュ情報制御部213は、当該歴史的建造物に関する観光地情報を含むプッシュメッセージを観光客端末20に送信する。
【0164】
プッシュメッセージには、フラグ格納エリアにプッシュフラグ、メッセージ送信先のIDに観光客のユーザIDが設定されたメッセージである。例えば、プッシュメッセージには、上記歴史的建造物に関する観光地情報が含まれる。
【0165】
あるいは、上記予め定められたスポットが、イベント会場であれば、プッシュ情報制御部213は、当該イベント会場で催されるイベントに関するイベント情報を含むプッシュメッセージを観光客端末20に送信してもよい。
【0166】
プッシュ情報制御部213は、自治体(自治体のサーバ)から避難情報を取得した場合には、当該避難情報を含むプッシュメッセージを観光客端末20に送信してもよい。その際、プッシュ情報制御部213は、観光客の現在位置が避難の対象地域でなければ上記プッシュメッセージを送信せず、観光客の現在位置が避難の対象地域であれば上記プッシュメッセージを送信してもよい。
【0167】
図22は、第3の実施形態に係る観光客端末20の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図22を参照すると、第1の実施形態に係る観光客端末20の構成にプッシュメッセージ処理部304が追加されている。
【0168】
プッシュメッセージ処理部304は、サーバ装置10から受信したプッシュメッセージを処理する手段である。プッシュメッセージ処理部304は、プッシュメッセージに含まれる情報を表示し、観光客に情報提供する(図23参照)。
【0169】
<第3の実施形態に係る変形例>
続いて、第3の実施形態に係る変形例について説明する。サーバ装置10は、観光客に提供する情報を地域サポータから取得してもよい。
【0170】
具体的には、プッシュ情報制御部213は、観光客が予め定めた場所(スポット)に滞在していることを把握すると、当該スポットに対応する地域の地域サポータを抽出する。プッシュ情報制御部213は、当該抽出された地域サポータのサポータ端末30に、当該観光客の現在位置を含む依頼メッセージを送信する。プッシュ情報制御部213は、上記説明した依頼メッセージにおいて、質問内容に替えて観光客の現在位置に関する情報を設定する。例えば、プッシュ情報制御部213は、観光客の現在位置をランドマークに変換し、当該ランドマーク(例えば、サッカー場の名称、歴史的建造物の名称)を含む依頼メッセージをサポータ端末30に送信する。
【0171】
サポータ端末30の回答制御部403は、受信した依頼メッセージを表示し、地域サポータに回答を依頼する。例えば、回答制御部403は、図24に示すような表示を行い、地域サポータの回答を取得する。
【0172】
回答制御部403は、取得した回答を含む回答メッセージを生成し、サーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、受信した回答メッセージをプッシュメッセージに変更(フラグ格納エリアにプッシュフラグを設定)し、観光客端末20に送信する。
【0173】
このように、サーバ装置10は、観光客に通知するプッシュ情報を地域サポータから取得してもよい。サーバ装置10は、観光客の現在位置に関する情報提供を地域サポータに依頼してもよい。とりわけ、サーバ装置10は、観光客の現在位置に対応するランドマークを含む依頼メッセージを、地域サポータのサポータ端末30に送信してもよい。
【0174】
あるいは、サーバ装置10は、観光客の属性情報、関心事(趣味嗜好)、行動履歴から当該観光客が必要としている情報(喜ばれる情報)を特定し、当該情報を提供してもよい。例えば、サーバ装置10は、歴史的建造物を多く訪ねている観光客に対しては、付近の歴史的建造物の場所等をプッシュメッセージにより提供してもよい。なお、サーバ装置10のメッセージ解析部212は、観光客の投稿を解析し、観光客の関心事(趣味嗜好)や行動履歴を算出してもよい。
【0175】
また、サーバ装置10の質問回答制御部211は、上記観光客に有益な情報(喜ばれる情報)と地域サポータの属性情報や関心事から、当該有益な情報を提供可能な地域サポータを選択し、当該地域サポータに情報提供を依頼してもよい。
【0176】
以上のように、第3の実施形態に係るサーバ装置10は、観光客に対して積極的な情報通知(プッシュ通知)を行ってもよい。観光客は、プッシュ通知がなければ見落としていた可能性の高い情報を得ることができる。また、例えば、災害が発生した場合、サーバ装置10は、避難情報(災害対策情報;例えば避難所の案内情報等)を観光客に提供することもできるので、観光客はより安心安全な観光を楽しむことができる。
【0177】
続いて、情報提供システムを構成する各装置のハードウェアについて説明する。図25は、サーバ装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0178】
サーバ装置10は、情報処理装置(所謂、コンピュータ)により構成可能であり、図25に例示する構成を備える。例えば、サーバ装置10は、プロセッサ311、メモリ312、入出力インターフェイス313及び通信インターフェイス314等を備える。上記プロセッサ311等の構成要素は内部バス等により接続され、相互に通信可能に構成されている。
【0179】
但し、図25に示す構成は、サーバ装置10のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。サーバ装置10は、図示しないハードウェアを含んでもよいし、必要に応じて入出力インターフェイス313を備えていなくともよい。また、サーバ装置10に含まれるプロセッサ311等の数も図25の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ311がサーバ装置10に含まれていてもよい。
【0180】
プロセッサ311は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等のプログラマブルなデバイスである。あるいは、プロセッサ311は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデバイスであってもよい。プロセッサ311は、オペレーティングシステム(OS;Operating System)を含む各種プログラムを実行する。
【0181】
メモリ312は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。メモリ312は、OSプログラム、アプリケーションプログラム、各種データを格納する。
【0182】
入出力インターフェイス313は、図示しない表示装置や入力装置のインターフェイスである。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力装置は、例えば、キーボードやマウス等のユーザ操作を受け付ける装置である。
【0183】
通信インターフェイス314は、他の装置と通信を行う回路、モジュール等である。例えば、通信インターフェイス314は、NIC(Network Interface Card)等を備える。
【0184】
サーバ装置10の機能は、各種処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ312に格納されたプログラムをプロセッサ311が実行することで実現される。また、当該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transitory)なものとすることができる。即ち、本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。また、上記プログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。
【0185】
なお、端末(観光客端末20、サポータ端末30)もサーバ装置10と同様に情報処理装置により構成可能であり、その基本的なハードウェア構成はサーバ装置10と相違する点はないので説明を省略する。
【0186】
情報処理装置であるサーバ装置10は、コンピュータを搭載し、当該コンピュータにプログラムを実行させることでサーバ装置10の機能が実現できる。また、サーバ装置10は、当該プログラムにより情報提供方法を実行する。
【0187】
[変形例]
なお、上記実施形態にて説明した情報提供システムの構成、動作等は例示であって、システムの構成等を限定する趣旨ではない。
【0188】
上記実施形態では、観光地を訪れた観光客が質問をサーバ装置10に送信する場合について説明した。しかし、観光地の住民(地域サポータを含む住民)が当該観光地の質問をサーバ装置10に送信してもよい。即ち、本願開示の情報提供システムは、観光地の住民同士が質問と回答を送受信してもよい。
【0189】
上記実施形態では、サーバ装置10は、地域サポータに観光客の質問に対して回答するように依頼することを説明した。ここで、当該地域サポータは、対象地域に住んでいれば(住居があれば)、回答依頼を受ける際、当該地域に滞在していなくともよい。即ち、地域サポータは観光地の住民であることが確認されれば、当該地域サポータの現在位置は任意の場所でよく、地域サポータは必ずしも観光地(観光客の現在位置)に居なくともよい。
【0190】
上記実施形態では、メッセージ交換型のSNSを介して利用者に情報提供する場合について説明した。しかし、他の方式のSNS、例えば、写真投稿型、メッセージ拡散型、日記型等のSNSにより情報提供されてもよい。
【0191】
上記実施形態では、サーバ装置10は、地域サポータから観光客の質問に対する回答を取得し、当該回答を観光客に提示することで観光客の質問に答えることを説明した。しかし、サーバ装置10は、予め用意されたデータベースを参照し、観光客の質問に対する回答を自動的に選択し、当該選択された回答を観光客に提供してもよい。即ち、サーバ装置10は、多数の想定問答(質問と回答の組み合わせ)を記憶し、当該想定問答を用いて観光客からの質問に回答してもよい。
【0192】
上記第3の実施形態では、サーバ装置10から避難情報が観光客に通知される場合について説明した。この場合、観光客端末20は、図26に示すような表示を行う。観光客は、当該通知に応じて、自身の安否情報、状態、避難場所等の情報をサーバ装置10に送信してもよい。観光客端末20のプッシュ情報制御部213は、避難情報を受信すると、上記観光客の安否、状態、避難場所を尋ねるGUIを表示し、安否情報等を取得する。プッシュ情報制御部213は、取得した安否情報等をサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、取得した情報を用いてさらなる情報提供を観光客に行ってもよい。例えば、サーバ装置10は、よりよい避難場所に関する情報提供を自治体(自治体職員)に依頼してもよい。
【0193】
サーバ装置10は、利用者(観光客、地域サポータ、自治体職員等)の使用する言語に合わせた情報提供を行ってもよい。より具体的には、サーバ装置10は、様々な言語による質問、回答を受付、当該受け付けた質問、回答をメッセージ送付先となる利用者の使用言語に合わせて翻訳してもよい。例えば、サーバ装置10の質問回答制御部211は、外国語の質問を受け付けた場合には、当該外国語を日本語に翻訳し、依頼メッセージに格納する。地域サポータは、日本語によって当該質問を認識すると共に、日本語によって回答をサーバ装置10に送信する。サーバ装置10の質問回答制御部211は、日本語による回答を外国語に翻訳し、回答メッセージに格納して観光客端末20に送信する。あるいは、逆に、地域サポータが外国人の場合には、サーバ装置10は、観光客からの質問を外国語に翻訳し、当該外国人の地域サポータに質問への回答依頼を行う。サーバ装置10は、取得した外国語による回答を日本語に翻訳し、日本語の回答を含む回答メッセージを観光客端末20に送信する。なお、サーバ装置10は、地域サポータ登録等や観光客のプロフィールによって利用者の国籍を取得し、使用言語を把握すればよい。このように、サーバ装置10は、質問内容又は回答内容を翻訳してもよい。
【0194】
サーバ装置10は、プッシュメッセージに含まれる情報を翻訳し、利用者に提供してもよい。即ち、サーバ装置10は、言語、文化、経験の異なる観光客に対して正確でわかりやすい表現によって情報提供をしてもよい。
【0195】
さらに、利用者(観光客、地域サポータ)は、翻訳された情報の中に誤訳や不自然な表現が含まれると考えた場合には、その旨をサーバ装置10に通知してもよい。サーバ装置10は、当該通知に応じて、翻訳エンジンの改善を図ってもよい。
【0196】
上記実施形態では、地域サポータの観光客への貢献が「評価ポイント」により数値化されることを説明した。当該評価ポイントは、地域サポータの居住地域で使える地域通貨や居住地域の店舗等で使用可能なポイント等に変換されてもよい。
【0197】
サーバ装置10は、地域サポータの回答に関する付帯情報を含む回答メッセージを観光客端末20に送信してもよい。例えば、地域サポータが飲食店に関する情報(回答)を送信した場合、サーバ装置10(質問回答制御部211)は、当該飲食店に関する付帯情報を含む回答メッセージを観光客端末20に送信してもよい。例えば、サーバ装置10は、付帯情報として、当該飲食店の場所、連絡先、ホームページのアドレス等の情報を含む回答メッセージを送信してもよい。また、観光客端末20は、付帯情報を含む回答メッセージを受信した場合には、当該付帯情報を表示するためのボタン(例えば、詳細ボタン)を含むような表示をしてもよい(図27参照)。なお、サーバ装置10は、上記付帯情報に関し、店舗名とその詳細を記憶する予め用意されたデータベース等を参照すればよい。
【0198】
サーバ装置10は、観光客からの質問内容に含まれる文言(例えば、地名、観光地名)に基づいて質問への回答を依頼する地域サポータを決定してもよい。例えば、サーバ装置10は、「観光地Aのお勧めランチは?」のような質問を受け取った場合には、観光地Aに住んでいる地域サポータを抽出し、当該地域サポータに対して回答を依頼してもよい。このようなサーバ装置10の動作によって、観光客が実際に観光地を訪れていなくとも、当該観光客は、観光地の知りたい情報を得ることができる(事前に調べることができる)。このような対応によって、サーバ装置10は、観光客の位置情報を取得しなくても、当該観光客が訪れる予定の地域を特定できる。その結果、観光客がシステムを利用する際の懸念事項(位置情報の提供に対する懸念)がなくなり、システムが利用される可能性を高めることができる。
【0199】
サーバ装置10は、地域サポータ登録の際、当該サポータの身元を確認してもよい。具体的には、サーバ装置10は、地域サポータの生体情報(例えば、顔画像)と生体情報が記載された身元確認書類(例えば、パスポート)を取得する。サーバ装置10は、身元確認書類の生体情報と地域サポータから取得した生体情報を用いた1対1照合を実行する。サーバ装置10は、当該照合に成功した場合に、地域サポータ登録を行ってもよい。
【0200】
サーバ装置10は、観光客の現在位置と当該観光客による質問内容を対応付けて記憶し、当該観光地を管理する組合等に有益な情報を提供してもよい。例えば、サーバ装置10は、観光地ごとに多く寄せられる質問のランキング等の情報を観光組合等に提供してもよい。観光組合等は、サーバ装置10から提供される情報に基づいて観光客のニーズを把握してもよい。
【0201】
上記実施形態では、観光客が地域サポータからの回答を参考にした場合に、当該地域サポータの評価が上昇(評価ポイントが増加)することを説明した。しかし、地域サポータの評価は、地域サポータが質問に対する回答をしたことに応じて上昇してもよい。即ち、サーバ装置10は、地域サポータから回答メッセージを受信したことに応じて当該地域サポータの評価ポイントに所定値を加算してもよい。このように、サーバ装置10は、地域サポータの回答が参考にされたこと、及び/又は、地域サポータが質問に回答したことに応じて評価ポイントを増加してもよい。また、サーバ装置10は、回答が採用された場合に地域サポータに付与するポイントと、単に回答しただけの場合に地域サポータに付与するポイントを異なる値としてもよい。あるいは、サーバ装置10は、地域サポータごとに質問に対する回答回数を管理し、回答回数に応じて地域サポータに付与するポイントを変更してもよい。例えば、サーバ装置10は、頻繁に回答する地域サポータに対しては、より多くのポイントを付与してもよい。
【0202】
第2の実施形態において、サーバ装置10は、質問に回答する地域サポータを選択する際、観光客から当該地域サポータの選択方法に関する要望を取得してもよい。例えば、サーバ装置10は、属性に基づいて地域サポータを選択するのか関心事に基づいて地域サポートが選択するのかに関する観光客の希望を取得してもよい。観光客端末20は、上記選択方法の候補を表示して候補のなかから観光客が選択するようなインターフェイスを提供してもよい(図28参照)。あるいは、観光客端末20は、観光客からの直接入力を実現するインターフェイスを提供してもよい。このように、地域サポータの選択に関して複数の選択肢が考えられる場合には、各選択肢の情報(例えば、選択方法の詳細)が併せて表示され、複数の選択肢のなかから回答者が選択されてもよい。また、観光客は、提示された複数の選択肢(回答者)のなかから1人の回答者を選択してもよいし、複数の回答者を選択してもよい。
【0203】
各装置(サーバ装置10、観光客端末20、サポータ端末30)間のデータ送受信の形態は特に限定されないが、これら装置間で送受信されるデータは暗号化されていてもよい。これらの装置間では、動画や写真等のプライベートな情報が送受信され、これらの情報を適切に保護するためには、暗号化されたデータが送受信されることが望ましい。
【0204】
上記説明で用いた流れ図(フローチャート、シーケンス図)では、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。実施形態では、例えば各処理を並行して実行する等、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0205】
上記の実施形態は本願開示の理解を容易にするために詳細に説明したものであり、上記説明したすべての構成が必要であることを意図したものではない。また、複数の実施形態について説明した場合には、各実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。例えば、実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることや、実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、実施形態の構成の一部について他の構成の追加、削除、置換が可能である。
【0206】
上記の説明により、本発明の産業上の利用可能性は明らかであるが、本発明は、利用者に種々の情報を提供する情報提供システムなどに好適に適用可能である。
【0207】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]
サーバ装置と、
第1の利用者の位置情報と質問内容を含む質問メッセージを前記サーバ装置に送信する、第1の端末と、
複数の第2の利用者それぞれが所持する、第2の端末と、
を含み、
前記サーバ装置は、前記複数の第2の利用者のなかから前記第1の利用者の現在位置に対応する地域に居住する少なくとも1以上の第3の利用者を抽出し、前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末に、前記質問内容を含む依頼メッセージを送信し、
前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末は、前記質問内容に対する回答内容を含む回答メッセージを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、前記回答メッセージを前記第1の端末に送信する、システム。
[付記2]
前記サーバ装置は、前記少なくとも1以上の第3の利用者のなかから、前記質問内容に回答する第4の利用者を選択し、前記第4の利用者の第2の端末に前記依頼メッセージを送信する、付記1に記載のシステム。
[付記3]
前記サーバ装置は、前記第1の利用者の属性情報と前記少なくとも1以上の第3の利用者の属性情報に基づいて、前記第4の利用者を選択する、付記2に記載のシステム。
[付記4]
前記サーバ装置は、前記質問内容と前記少なくとも1以上の第3の利用者の関心事に基づいて、前記第4の利用者を選択する、付記2又は3に記載のシステム。
[付記5]
前記第1の端末は、
前記第1の利用者が前記第4の利用者の回答を参考にしない場合には、前記サーバ装置に対して、前記質問メッセージに対応する再質問メッセージを送信し、
前記サーバ装置は、前記再質問メッセージの受信に応じて、前記少なくとも1以上の第3の利用者のなかから、前記第4の利用者とは異なる第5の利用者を選択する、付記2乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
[付記6]
前記サーバ装置は、前記第1の利用者の現在位置に基づいて、観光地情報又はイベント情報を含むプッシュメッセージを生成し、前記生成されたプッシュメッセージを前記第1の端末に送信する、付記1乃至5のいずれか一項に記載のシステム。
[付記7]
前記サーバ装置は、前記第1の利用者の現在位置に基づいて、避難情報を含むプッシュメッセージを生成し、前記生成されたプッシュメッセージを前記第1の端末に送信する、付記1乃至5のいずれか一項に記載のシステム。
[付記8]
前記サーバ装置は、前記第1の利用者の現在位置に対応するランドマークを含む前記依頼メッセージを、前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末に送信する、付記1乃至7のいずれか一項に記載のシステム。
[付記9]
前記サーバ装置は、前記質問内容又は前記回答内容を翻訳する、付記1乃至8のいずれか一項に記載のシステム。
[付記10]
前記第1の端末は、
前記第1の利用者が前記回答内容を参考にした場合には、回答参考通知を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、前記回答参考通知の受信に応じて、前記第1の利用者が参考にした回答をした前記第3の利用者の評価を高める、付記1乃至9のいずれか一項に記載のシステム。
[付記11]
前記サーバ装置は、前記少なくとも1以上の第3の利用者の評価に基づいて、前記第4の利用者を選択する、付記10に記載のシステム。
[付記12]
前記複数の第2の利用者のそれぞれは、前記第1の利用者を支援する意思を持つと共に、少なくとも住所が前記サーバ装置に登録されている、付記1乃至11のいずれか一項に記載のシステム。
[付記13]
他の装置との間の通信を制御する、通信制御部と、
第1の端末から、第1の利用者の位置情報と質問内容を含む質問メッセージを受信し、
複数の第2の利用者のなかから前記第1の利用者の現在位置に対応する地域に居住する少なくとも1以上の第3の利用者を抽出し、
前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末に、前記質問内容を含む依頼メッセージを送信し、
前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末から、前記質問内容に対する回答内容を含む回答メッセージを受信し、
前記回答メッセージを前記第1の端末に送信する、質問回答制御部と、
を備える、サーバ装置。
[付記14]
サーバ装置において、
第1の端末から、第1の利用者の位置情報と質問内容を含む質問メッセージを受信し、
複数の第2の利用者のなかから前記第1の利用者の現在位置に対応する地域に居住する少なくとも1以上の第3の利用者を抽出し、
前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末に、前記質問内容を含む依頼メッセージを送信し、
前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末から、前記質問内容に対する回答内容を含む回答メッセージを受信し、
前記回答メッセージを前記第1の端末に送信する、情報提供方法。
[付記15]
サーバ装置に搭載されたコンピュータに、
第1の端末から、第1の利用者の位置情報と質問内容を含む質問メッセージを受信する処理と、
複数の第2の利用者のなかから前記第1の利用者の現在位置に対応する地域に居住する少なくとも1以上の第3の利用者を抽出する処理と、
前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末に、前記質問内容を含む依頼メッセージを送信する処理と、
前記少なくとも1以上の第3の利用者の第2の端末から、前記質問内容に対する回答内容を含む回答メッセージを受信する処理と、
前記回答メッセージを前記第1の端末に送信する処理と、
を実行させるためのプログラムを記憶する、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【0208】
なお、引用した上記の先行技術文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態は例示にすぎないということ、及び、本発明のスコープ及び精神から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。即ち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得る各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0209】
10 サーバ装置
20 観光客端末
30 サポータ端末
30-1 サポータ端末
30-2 サポータ端末
30-3 サポータ端末
30-4 サポータ端末
30-5 サポータ端末
30-6 サポータ端末
101 サーバ装置
102 第1の端末
103 第2の端末
201 通信制御部
202 地域サポータ登録部
203 メッセージ交換部
204 地域サポータ管理部
205 記憶部
206 観光客管理部
211 質問回答制御部
212 メッセージ解析部
213 プッシュ情報制御部
301 通信制御部
302 質問制御部
303 記憶部
304 プッシュメッセージ処理部
311 プロセッサ
312 メモリ
313 入出力インターフェイス
314 通信インターフェイス
401 通信制御部
402 登録部
403 回答制御部
404 ポイント制御部
405 記憶部
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