(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-19
(45)【発行日】2025-05-27
(54)【発明の名称】折り畳み可能な誘電体スタンドオフ
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/28 20060101AFI20250520BHJP
H01Q 13/08 20060101ALI20250520BHJP
H01Q 1/10 20060101ALI20250520BHJP
【FI】
H01Q1/28
H01Q13/08
H01Q1/10 Z
(21)【出願番号】P 2024531472
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(86)【国際出願番号】 US2022076163
(87)【国際公開番号】W WO2023102280
(87)【国際公開日】2023-06-08
【審査請求日】2024-05-27
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524059674
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ファブロー,チャニング ペイジ
(72)【発明者】
【氏名】ペブズナー,ミハイル
(72)【発明者】
【氏名】ギルバート,アレクサンダー ティー.
(72)【発明者】
【氏名】シキナ,トマス ヴイ.
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-110453(JP,A)
【文献】特開昭61-281603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/28
H01Q 13/08
H01Q 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのアンテナをアンテナアセンブリのグランドプレーンに取り付けるように構成された圧縮性誘電体スタンドオフであって、前記圧縮性誘電体スタンドオフは、
前記グランドプレーンに接触するように構成された、グランドプレーン端、
前記少なくとも1つのアンテナに接触するように構成された、少なくとも1つのアンテナ端、及び
前記グランドプレーン端と前記少なくとも1つのアンテナ端との間に延びる弾性フレーム、を備え、
前記圧縮性誘電体スタンドオフは、前記グランドプレーン端が前記少なくとも1つのアンテナ端から第1の距離だけ離隔した圧縮状態と、前記グランドプレーン端が前記少なくとも1つのアンテナ端から第2の距離だけ離隔した拡張状態との間で移動可能であり、前記第1の距離は前記第2の距離よりも小さ
く、
前記弾性フレームは、前記グランドプレーン端と前記少なくとも1つのアンテナ端との間に延びる少なくとも1つの弾性アームを含む、
圧縮性誘電体スタンドオフ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの弾性アームは、少なくとも1つの弾性ジョイントであって、前記少なくとも1つの弾性ジョイントにおいて前記少なくとも1つの弾性アームが曲がるように構成されている、少なくとも1つの弾性ジョイントを含む、請求項
1に記載の圧縮性誘電体スタンドオフ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの弾性アームは、前記圧縮性誘電体スタンドオフが前記圧縮状態にあるときに互いに当接し、前記グランドプレーン端及び前記少なくとも1つのアンテナ端が前記第1の距離未満で離隔することを防止するように構成された2つ以上の最大圧縮ストップを含む、請求項
1に記載の圧縮性誘電体スタンドオフ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの弾性アームが蛇行形状を有する、請求項
1に記載の圧縮性誘電体スタンドオフ。
【請求項5】
少なくとも1つのアンテナをアンテナアセンブリのグランドプレーンに取り付けるように構成された圧縮性誘電体スタンドオフであって、前記圧縮性誘電体スタンドオフは、
前記グランドプレーンに接触するように構成された、グランドプレーン端、
前記少なくとも1つのアンテナに接触するように構成された、少なくとも1つのアンテナ端、及び
前記グランドプレーン端と前記少なくとも1つのアンテナ端との間に延びる弾性フレーム、を備え、
前記圧縮性誘電体スタンドオフは、前記グランドプレーン端が前記少なくとも1つのアンテナ端から第1の距離だけ離隔した圧縮状態と、前記グランドプレーン端が前記少なくとも1つのアンテナ端から第2の距離だけ離隔した拡張状態との間で移動可能であり、前記第1の距離は前記第2の距離よりも小さく、
前記圧縮性誘電体スタンドオフは、前記圧縮性誘電体スタンドオフを前記拡張状態から前記圧縮状態へ移動させるのに十分な圧縮力よりも小さい付随的な力で前記圧縮性誘電体スタンドオフが前記拡張状態から前記圧縮状態へ移動するのに抵抗するように構成された座屈防止機構をさらに含む、
圧縮性誘電体スタンドオフ。
【請求項6】
アンテナアセンブリであって、
グランドプレーン、
前記グランドプレーンに取り付けられる少なくとも1つの圧縮性誘電体スタンドオフ、
前記少なくとも1つの圧縮性誘電体スタンドオフに取り付けられる少なくとも1つのアンテナであって、前記少なくとも1つのアンテナが前記グランドプレーンから離隔するようにされる、前記少なくとも1つのアンテナ、及び
グランドプレーン端及び少なくとも1つのアンテナ端が第2の距離を超えて離隔することを防止するように構成された最大拡張ロック、を含み、
前記少なくとも1つの圧縮性誘電体スタンドオフは、前記グランドプレーンが前記少なくとも1つのアンテナから第1の距離だけ離隔した圧縮状態と、前記グランドプレーンが前記少なくとも1つのアンテナから前記第2の距離だけ離隔した拡張状態との間で移動可能であり、前記第1の距離は前記第2の距離よりも小さい、
アンテナアセンブリ。
【請求項7】
前記最大拡張ロックは、前記グランドプレーン端と前記少なくとも1つのアンテナ端との間に取り付けられて延びる柔軟な糸を含み、前記グランドプレーン端と前記少なくとも1つのアンテナ端との間の前記柔軟な糸の長さは前記第2の距離である、請求項
6に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項8】
前記最大拡張ロックは、前記グランドプレーン端と前記少なくとも1つのアンテナ端との間に延びる半剛性アームを含み、前記グランドプレーン端と前記少なくとも1つのアンテナ端との間の前記半剛性アームの長さは前記第2の距離である、請求項
6に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項9】
前記半剛性アームは、前記圧縮性誘電体スタンドオフを前記拡張状態から前記圧縮状態へ移動させるのに十分な圧縮力で曲がるように構成され、前記圧縮力よりも小さい付随的な力で曲がるのに抵抗するように構成されている、請求項
8に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項10】
少なくとも1つのアンテナをアンテナアセンブリのグランドプレーンに取り付けるように構成された圧縮性誘電体スタンドオフであって、前記圧縮性誘電体スタンドオフは、
前記グランドプレーンに接触するように構成されたグランドプレーン端、
前記少なくとも1つのアンテナに接触するように構成された少なくとも1つのアンテナ端であって、前記少なくとも1つのアンテナ端は:
第1の積層アンテナに接触するように構成された第1の積層アンテナ端と、
前記第1の積層アンテナの上に積層された第2の積層アンテナに接触するように構成された第2の積層アンテナ端とを含む、
少なくとも1つのアンテナ端、及び
前記グランドプレーン端が前記少なくとも1つのアンテナ端から第1の距離だけ離隔した圧縮状態と、前記グランドプレーン端が前記少なくとも1つのアンテナ端から第2の距離だけ離隔した拡張状態との間で前記圧縮性誘電体スタンドオフを移動させるための手段であって、前記第1の距離は前記第2の距離よりも小さい、手段、
を含
み、
前記圧縮性誘電体スタンドオフは:
前記グランドプレーン端から前記第1の積層アンテナ端まで延びる第1の誘電体スタンドオフ部分と、
前記第1の積層アンテナ端から前記第2の積層アンテナ端まで延びる第2の誘電体スタンドオフ部分と、
をさらに備える、圧縮性誘電体スタンドオフ。
【請求項11】
前記第1の誘電体スタンドオフ部分に埋め込まれたスプリング、をさらに含み、
前記第2の誘電体スタンドオフ部分は、前記圧縮性誘電体スタンドオフが前記拡張状態から前記圧縮状態に移行するときに、前記第2の誘電体スタンドオフ部分が前記スプリングを圧縮するように、前記第1の積層アンテナ端において前記第1の誘電体スタンドオフ部分に埋め込まれた前記スプリングと接触する、請求項
10に記載の圧縮性誘電体スタンドオフ。
【請求項12】
前記第2の誘電体スタンドオフ部分の外径が前記第1の誘電体スタンドオフ部分の内径よりも小さい、請求項
11に記載の圧縮性誘電体スタンドオフ。
【請求項13】
アンテナアセンブリアレイであって、
第1のアンテナアセンブリであって、
第1のグランドプレーン、
前記第1のグランドプレーンに取り付けられる少なくとも1つの第1の圧縮性誘電体スタンドオフ、及び
前記少なくとも1つの第1の圧縮性誘電体スタンドオフに取り付けられる少なくとも1つの第1のアンテナであって、前記少なくとも1つの第1のアンテナが前記第1のグランドプレーンから離隔するようにされる、前記少なくとも1つの第1のアンテナ、を含む、前記第1のアンテナアセンブリ、及び
第2のアンテナアセンブリであって、
第2のグランドプレーン、
前記第2のグランドプレーンに取り付けられる少なくとも1つの第2の圧縮性誘電体スタンドオフ、
前記少なくとも1つの第2の圧縮性誘電体スタンドオフに取り付けられる少なくとも1つの第2のアンテナであって、前記少なくとも1つの第2のアンテナが前記第2のグランドプレーンから離隔するようにされる、前記少なくとも1つの第2のアンテナ、を含む、前記第2のアンテナアセンブリ、を含み、
前記少なくとも1つの第1の圧縮性誘電体スタンドオフ及び前記少なくとも1つの第2の圧縮性誘電体スタンドオフは、前記少なくとも1つの第1のアンテナ及び前記少なくとも1つの第2のアンテナがそれぞれ前記第1のグランドプレーン及び前記第2のグランドプレーンから第1の距離だけ離隔した圧縮状態と、前記少なくとも1つの第1のアンテナ及び前記少なくとも1つの第2のアンテナがそれぞれ前記第1のグランドプレーン及び前記第2のグランドプレーンから第2の距離だけ離隔した拡張状態との間で移動可能であり、前記第1の距離は前記第2の距離よりも小さく、
前記アンテナアセンブリアレイは、前記第2のアンテナアセンブリが前記第1のアンテナアセンブリの上に積み重ねられ、前記少なくとも1つの第1のアンテナ及び前記少なくとも1つの第2のアンテナが互いに対面関係で接触するため、前記少なくとも1つの第1の圧縮性誘電体スタンドオフ及び前記少なくとも1つの第2の圧縮性誘電体スタンドオフを前記圧縮状態に保持する体積低減状態と、前記第2のアンテナアセンブリが前記第1のアンテナアセンブリの上に積み重ねられないため、前記少なくとも1つの第1の圧縮性誘電体スタンドオフ及び前記少なくとも1つの第2の圧縮性誘電体スタンドオフが前記拡張状態にある体積拡張状態との間で移動可能である、
アンテナアセンブリアレイ。
【請求項14】
前記体積拡張状態では、前記第2のアンテナアセンブリは、前記第1のアンテナアセンブリの前記第1のグランドプレーンを前記第2のアンテナアセンブリの前記第2のグランドプレーンに接続する柔軟なパネル間インターフェースを備えて、前記第1のアンテナアセンブリの側方に隣接している、請求項
13に記載のアンテナアセンブリアレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してアンテナに関し、より具体的には、折り畳み可能な要素を備えたアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
アンテナは通常、梱包されて輸送可能な状態でかなりの重量と体積を占める。例えば、大型のグランドプレーンに取り付けられた平らなシートまたは「パッチ」からなる薄型のフラットアンテナであるパッチアンテナの場合でも、そのようなアンテナを収容するための重量と体積の割り当てが大きい場合がある。パッチアンテナの設計では、例えば宇宙での適用では、パッチは、その間に剛性誘電体基板層を挟んで、グランドプレーンの定位置に固定される。アンテナの性能を向上させるためにより多くのパッチを収容するには、グランドプレーンと剛性誘電体基板層を大型にする必要があり、アンテナを輸送するために使用されるローンチ(打ち上げ)ビークルまたは輸送ビークルで、より多くの重量と体積を占めることになる。例えば、広帯域低周波での適用で使用されるパッチアンテナは、通常、非常に大きく重い。しかし、宇宙ベースでパッチアンテナを適用するためのローンチビークルでは、重量と体積の割り当てが制限される。したがって、ローンチビークルの重量と体積をセーブするには、パッチアンテナの性能を犠牲にしてグランドプレーンのサイズとグランドプレーンに固定されるパッチの数を減らすか、パッチアンテナをより大きなローンチビークルで打ち上げるかのいずれかの必要があり、さらなる運用及び展開のコストと考慮とが必要になる。
【発明の概要】
【0003】
改良されたアンテナには、折り畳み可能な誘電体スタンドオフが設けられており、これによりアンテナをグランドプレーンに取り付けることが可能となるため、宇宙用アンテナを輸送または打ち上げている間に、アンテナは、輸送ビークルにおいて非動作状態でより高密度に詰め込まれたアンテナアレイの一部となり得る。これにより、アンテナアレイの重量と体積の割り当てを減らしてアンテナアレイを輸送ビークルに搭載できるようになり、及び/または、より多くのアンテナアレイを輸送ビークルの内部に搭載できるようになり、より高性能なシステムを支えられるようになる。
【0004】
本開示の態様によれば、少なくとも1つのアンテナをアンテナアセンブリのグランドプレーンに取り付けるように構成された圧縮性誘電体スタンドオフは、グランドプレーンに接触するように構成されたグランドプレーン端と、少なくとも1つのアンテナに接触するように構成された少なくとも1つのアンテナ端とを含む。圧縮性誘電体スタンドオフは、グランドプレーン端が少なくとも1つのアンテナ端から第1の距離だけ離隔した圧縮状態と、グランドプレーン端が少なくとも1つのアンテナ端から第2の距離だけ離隔した拡張状態との間で移動可能であり、第1の距離は第2の距離よりも小さい。
【0005】
本開示の任意の段落(複数可)の実施形態によれば、圧縮性誘電体スタンドオフは、グランドプレーン端と少なくとも1つのアンテナ端との間に延びる弾性フレームをさらに含む。
【0006】
本開示の任意の段落(複数可)の別の実施形態によれば、弾性フレームは、グランドプレーン端と少なくとも1つのアンテナ端との間に延びる少なくとも1つの弾性アームを含む。
【0007】
本開示の任意の段落(複数可)の別の実施形態によれば、少なくとも1つの弾性アームは、少なくとも1つの弾性アームが曲がるように構成されている少なくとも1つの弾性ジョイントを含む。
【0008】
本開示の任意の段落(複数可)の別の実施形態によれば、少なくとも1つの弾性アームは、圧縮性誘電体スタンドオフが圧縮状態にあるときに互いに当接し、グランドプレーン端と少なくとも1つのアンテナ端とが第1の距離未満で離隔することを防止するように構成された2つ以上の最大圧縮ストップを含む。
【0009】
本開示の任意の段落(複数可)の別の実施形態によれば、少なくとも1つの弾性アームは蛇行形状を有する。
【0010】
本開示の任意の段落(複数可)の別の実施形態によれば、圧縮性誘電体スタンドオフには、グランドプレーン端と少なくとも1つのアンテナ端とが第2の距離を超えて離隔することを防止するように構成された最大拡張ロックがさらに含まれる。
【0011】
本開示の任意の段落(複数可)の別の実施形態によれば、最大拡張ロックは、グランドプレーン端と少なくとも1つのアンテナ端との間に取り付けられ、その間に延びる柔軟な糸を含む。グランドプレーン端と少なくとも1つのアンテナ端との間の柔軟な糸の長さは第2の距離である。
【0012】
本開示の任意の段落(複数可)の別の実施形態によれば、拡張ロックは、グランドプレーン端と少なくとも1つのアンテナ端との間に延びる半剛性アームを含む。グランドプレーン端と少なくとも1つのアンテナ端との間の半剛性アームの長さは第2の距離である。
【0013】
本開示の任意の段落(複数可)の別の実施形態によれば、半剛性アームは、圧縮性誘電体スタンドオフを拡張状態から圧縮状態に移動させるのに十分な圧縮力によって曲がるように構成され、圧縮力よりも小さい付随的な力によって曲がるのを阻止するように構成される。
【0014】
本開示の任意の段落(複数可)の別の実施形態によれば、圧縮性誘電体スタンドオフは、圧縮性誘電体スタンドオフを拡張状態から圧縮状態に移動させるのに十分な圧縮力よりも小さい付随的な力で、圧縮性誘電体スタンドオフが拡張状態から圧縮状態に移動することを阻止するように構成された座屈防止機構をさらに含む。
【0015】
本開示の任意の段落(複数可)の別の実施形態によれば、少なくとも1つのアンテナ端は、第1の積層アンテナに接触するように構成された第1の積層アンテナ端と、第1の積層アンテナの上に積層された第2の積層アンテナに接触するように構成された第2の積層アンテナ端とを含む。
【0016】
本開示の任意の段落(複数可)の別の実施形態によれば、圧縮性誘電体スタンドオフは、グランドプレーン端から第1の積層アンテナ端まで延びる第1の誘電体スタンドオフ部分と、第1の積層アンテナ端から第2の積層アンテナ端まで延びる第2の誘電体スタンドオフ部分とを含む。
【0017】
本開示の任意の段落(複数可)の別の実施形態によれば、圧縮性誘電体スタンドオフは、第1の誘電体スタンドオフ部分に埋め込まれたスプリングを含む。第2の誘電体スタンドオフ部分は、第1の積層アンテナ端において第1の誘電体スタンドオフ部分に埋め込まれたスプリングと接触し、圧縮性誘電体スタンドオフが拡張状態から圧縮状態に移行すると、第2の誘電体スタンドオフ部分がスプリングを圧縮する。
【0018】
本開示の任意の段落(複数可)の別の実施形態によれば、第2の誘電体スタンドオフ部分の外径は、第1の誘電体スタンドオフ部分の内径よりも小さい。
【0019】
本開示の別の態様によれば、アンテナアセンブリは、グランドプレーン、グランドプレーンに取り付けられた少なくとも1つの圧縮性誘電体スタンドオフ、及び少なくとも1つの圧縮性誘電体スタンドオフに取り付けられ、少なくとも1つのアンテナがグランドプレーンから離隔されるようにする少なくとも1つのアンテナを含む。少なくとも1つの圧縮性誘電体スタンドオフは、グランドプレーンが少なくとも1つのアンテナから第1の距離だけ離隔した圧縮状態と、グランドプレーンが少なくとも1つのアンテナから第2の距離だけ離隔した拡張状態との間で移動可能である。第1の距離は第2の距離よりも小さい。
【0020】
本開示の別の態様によれば、アンテナアセンブリアレイは、第1のアンテナアセンブリと第2のアンテナアセンブリとを含む。第1のアンテナアセンブリは、第1のグランドプレーン、第1のグランドプレーンに取り付けられる少なくとも1つの第1の圧縮性誘電体スタンドオフ、及び少なくとも1つの第1の圧縮性誘電体スタンドオフに取り付けられる少なくとも1つの第1のアンテナであって、少なくとも1つの第1のアンテナが第1のグランドプレーンから離隔するようにされる、少なくとも1つの第1のアンテナ、を含む。第2のアンテナアセンブリは、第2のグランドプレーン、第2のグランドプレーンに取り付けられる少なくとも1つの第2の圧縮性誘電体スタンドオフ、及び少なくとも1つの第2の圧縮性誘電体スタンドオフに取り付けられる少なくとも1つの第2のアンテナであって、少なくとも1つの第2のアンテナが第2のグランドプレーンから離隔するようにされる、少なくとも1つの第2のアンテナ、を含む。少なくとも1つの第1の圧縮性誘電体スタンドオフ及び少なくとも1つの第2の圧縮性誘電体スタンドオフは、少なくとも1つの第1のアンテナ及び少なくとも1つの第2のアンテナがそれぞれ第1のグランドプレーン及び第2のグランドプレーンから第1の距離だけ離隔した圧縮状態と、少なくとも1つの第1のアンテナ及び少なくとも1つの第2のアンテナがそれぞれ第1のグランドプレーン及び第2のグランドプレーンから第2の距離だけ離隔した拡張状態との間で移動可能である。第1の距離は第2の距離よりも小さい。アンテナアレイアセンブリは、第2のアンテナアセンブリが第1のアンテナアセンブリの上に積み重ねられ、少なくとも1つの第1のアンテナ及び少なくとも1つの第2のアンテナが互いに対面関係で接触し、少なくとも1つの第1の圧縮性誘電体スタンドオフ及び少なくとも1つの第2の圧縮性誘電体スタンドオフを圧縮状態に保持する体積低減状態と、第2のアンテナアセンブリが第1のアンテナアセンブリの上に積み重ねられず、少なくとも1つの第1の圧縮性誘電体スタンドオフと少なくとも1つの第2の圧縮性誘電体スタンドオフが拡張状態にある体積拡張状態との間で移動可能である。
【0021】
本開示の任意の段落(複数可)の実施形態によれば、体積拡張状態では、第2のアンテナアセンブリは、第1のアンテナアセンブリの第1のグランドプレーンを第2のアンテナアセンブリの第2のグランドプレーンに接続する柔軟なパネル間インターフェースを備えて、第1のアンテナアセンブリの側方に隣接している。
【0022】
本開示の別の態様によれば、本開示の任意の段落(複数可)に従ってアンテナアセンブリアレイを展開する方法は、アンテナアセンブリアレイを体積低減状態に折り畳むことによって、アンテナアセンブリアレイをローンチビークルに搭載するステップ、ローンチビークルを宇宙に打ち上げるステップ、及びアンテナアセンブリアレイを体積拡張状態に移動させることにより、アンテナアセンブリをローンチビークルから宇宙の軌道に放出するステップ、を含む。
【0023】
本開示の別の態様によれば、少なくとも1つのアンテナをアンテナアセンブリのグランドプレーンに取り付けるように構成された圧縮性誘電体スタンドオフは、グランドプレーンに接触するように構成されたグランドプレーン端、少なくとも1つのアンテナに接触するように構成された少なくとも1つのアンテナ端、及びグランドプレーン端が少なくとも1つのアンテナ端から第1の距離だけ離隔した圧縮状態と、グランドプレーン端が少なくとも1つのアンテナ端から第2の距離だけ離隔した拡張状態との間で圧縮性誘電体スタンドオフを移動させるための手段であって、第1の距離は第2の距離よりも小さい、手段を含む。
【0024】
以下の説明及び添付図面では、本開示で説明する特定の例示的な実施形態について詳細に述べる。しかし、これらの実施形態は、本開示の原理を使用し得る種々の方法のうちのほんの数例を示すものである。他の目的、利点、及び新規な特徴は、以下の詳細な説明を図面と併せて考えると、明らかになる。
【0025】
添付図面は、本開示の種々の態様を示している。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】圧縮状態のアンテナアセンブリの圧縮性誘電体スタンドオフの概略図である。
【
図2】
図1のアンテナアセンブリの圧縮性誘電体スタンドオフが拡張状態にある概略図である。
【
図3】圧縮状態の2つ以上の圧縮性誘電体スタンドオフを有するアンテナアセンブリの概略図である。
【
図4】
図3の拡張状態の2つ以上の圧縮性誘電体スタンドオフを有するアンテナアセンブリの概略図である。
【
図5】体積低減状態のアンテナアセンブリアレイの概略図である。
【
図6】体積拡張状態の
図5のアンテナアセンブリアレイの概略図である。
【
図7】圧縮状態の圧縮性誘電体スタンドオフの側面図である。
【
図8】拡張状態の
図7の圧縮性誘電体スタンドオフの側面図である。
【
図9】圧縮状態の圧縮性誘電体スタンドオフの斜視図である。
【
図10】拡張状態の
図9の圧縮性誘電体スタンドオフの斜視図である。
【
図11】圧縮状態の圧縮性誘電体スタンドオフの斜視図である。
【
図12】拡張状態の
図11の圧縮性誘電体スタンドオフの斜視図である。
【
図13】圧縮状態の圧縮性誘電体スタンドオフの斜視図である。
【
図14】拡張状態の
図13の圧縮性誘電体スタンドオフの斜視図である。
【
図15】拡張状態の圧縮性誘電体スタンドオフの斜視図である。
【
図16】拡張状態の圧縮性誘電体スタンドオフの側面図である。
【
図17】圧縮状態の圧縮性誘電体スタンドオフの側面図である。
【
図18】拡張状態の圧縮性誘電体スタンドオフの側面図である。
【
図19】圧縮状態の
図18の圧縮性誘電体スタンドオフの側面図である。
【
図20】圧縮状態の圧縮性誘電体スタンドオフの側面の断面図である。
【
図21】拡張状態の
図20の圧縮性誘電体スタンドオフの側面の断面図である。
【
図22】アンテナアセンブリアレイを展開する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
まず、
図1及び
図2を参照すると、少なくとも1つのアンテナ12(例えば、パッチアンテナ)をアンテナアセンブリ16のグランドプレーン14に取り付けるように構成された圧縮性誘電体スタンドオフ10の概略図が、圧縮状態(
図1)と拡張状態(
図2)の両方で示されている。圧縮性誘電体スタンドオフ10には、グランドプレーン14に接触するように構成されたグランドプレーン端18と、少なくとも1つのアンテナ12に接触するように構成された少なくとも1つのアンテナ端20が含まれる。圧縮性誘電体スタンドオフ10は、グランドプレーン端18が少なくとも1つのアンテナ端20から第1の距離d
1だけ離れている圧縮状態(
図1)と、グランドプレーン端18が少なくとも1つのアンテナ端20から第2の距離d
2だけ離れている拡張状態(
図2)との間で移動可能である。したがって、圧縮性誘電体スタンドオフ10の圧縮状態(
図1)では、アンテナアセンブリ16のグランドプレーン14は、アンテナアセンブリ16の少なくとも1つのアンテナ12から第1の距離d
1だけ離隔しており、圧縮性誘電体スタンドオフ10の拡張状態(
図2)では、アンテナアセンブリ16のグランドプレーン14は、アンテナアセンブリ16の少なくとも1つのアンテナ12から第2の距離d
2だけ離隔している。第1の距離d
1は第2の距離d
2よりも小さい。例えば、第1の距離d
1は、第2の距離d
2よりも30%~90%、40%~80%、または50%~70%小さい範囲であってもよい。
【0028】
圧縮性誘電体スタンドオフ10の圧縮状態(
図1)では、アンテナアセンブリ16は非動作状態にあり、圧縮性誘電体スタンドオフ10の拡張状態(
図2)では、アンテナアセンブリ16は動作状態にある。つまり、拡張状態(
図2)では、圧縮性誘電体スタンドオフ10は、アンテナアセンブリ16の意図された周波数及び帯域幅に基づいて特別に設計及び構築され、アンテナアセンブリ16の最適な性能及び動作のために第2の距離d
2が事前に定義される。グランドプレーン14には、アクティブなコンポーネントを備えたボードを含むことができ、ボードと少なくとも1つのアンテナ12との間には電気インターフェイス(導体)が存在する場合がある。
【0029】
図3及び
図4の概略図に示すように、アンテナアセンブリ16は、グランドプレーン14と少なくとも1つのアンテナ12との間に配置された複数の圧縮性誘電体スタンドオフ10を有し、誘電体層13を形成し得る。誘電体層13に大量の空きスペースを有することにより、実効損失正接を大幅に低減することができる。さらに、
図3及び
図4に示すように、アンテナアセンブリ16は、互いに積み重ねられた複数のアンテナ12、したがって複数の誘電体層13を有し得る。したがって、第1の層の上に積み重ねられた第2の層では、第2の層の少なくとも1つの圧縮性誘電体スタンドオフ10のグランドプレーン端18が実際に第1の層のアンテナ12に接触し、第2の層の少なくとも1つの圧縮性誘電体スタンドオフ10のアンテナ端20が第2の層のアンテナ12に接触する。誘電体層13の誘電体は、特定の材料と圧縮性誘電体スタンドオフ10の特定の数を選択することにより、所望の有効誘電率を有するように調整できる。例えば、圧縮性誘電体スタンドオフ10に使用可能な材料としては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリカーボネート、複合材料、セラミックなどのポリマーが挙げられる。ただし、少なくとも1つの誘電体スタンドオフ10のこれらの例示的な材料は限定的なものではなく、誘電体層13の所望の有効誘電率に応じて他の材料が適切である可能性があることは理解される。
【0030】
図1~4を参照して上述したような2つ以上のアンテナアセンブリ16a、16bは、
図5及び
図6に示すように、アンテナアセンブリアレイ22に設けられ得る。例えば、アンテナアセンブリアレイ22は、第1のアンテナアセンブリ16aの第1のグランドプレーン14aと、第2のアンテナアセンブリ16bの第2のグランドプレーン14bとを含んでもよい。第1のアンテナアセンブリ16aの少なくとも1つの第1の圧縮性誘電体スタンドオフ10aは第1のグランドプレーン14aに取り付けられ、第2のアンテナアセンブリ16bの少なくとも1つの第2の圧縮性誘電体スタンドオフ10bは第2のグランドプレーン14bに取り付けられる。第1のアンテナアセンブリ16aの少なくとも1つの第1のアンテナ12aは、少なくとも1つの第1の圧縮性誘電体スタンドオフ10aに取り付けられ、少なくとも1つの第1のアンテナ12aが第1のグランドプレーン14aから離隔されるようにする。同様に、第2のアンテナアセンブリ16bの少なくとも1つの第2のアンテナ12bは、少なくとも1つの第2の圧縮性誘電体スタンドオフ10bに取り付けられ、少なくとも1つの第2のアンテナ12bが第2のグランドプレーン14bから離隔されるようにする。第1のアンテナアセンブリ16aの第1のグランドプレーン14aは、例えば、柔軟なパネル間インターフェース24を使用して、第2のアンテナアセンブリ16bの第2のグランドプレーン14bに接続され得る。前述したように、少なくとも1つの第1の圧縮性誘電体スタンドオフ10a及び少なくとも1つの第2の圧縮性誘電体スタンドオフ10bは、少なくとも1つの第1のアンテナ12a及び少なくとも1つの第2のアンテナ12bがそれぞれ第1のグランドプレーン14aと第2のグランドプレーン14bから第1の距離d
1だけ離隔した圧縮状態(
図5)と、少なくとも1つの第1のアンテナ12a及び少なくとも1つの第2のアンテナ12bがそれぞれ第1のグランドプレーン14a及び第2のグランドプレーン14bから第2の距離d
2だけ離隔した拡張状態との間で移動可能である。
【0031】
アンテナアセンブリアレイ22は、宇宙への打ち上げ及び軌道への展開のためにアンテナアセンブリアレイ22をローンチビークルに搭載する必要がある宇宙ベースの用途で有用である可能性がある。ローンチビークルではアンテナアセンブリアレイ22の重量と体積の割り当てが制限されるため、アンテナアセンブリアレイ22は、第1及び第2の圧縮性誘電体スタンドオフ10a、10bが圧縮状態、アンテナアセンブリ16a、16bが非動作状態の状態でローンチビークルに搭載され得る。打ち上げられて軌道上に展開されると、アンテナアセンブリアレイ22は、第1及び第2の圧縮性誘電体スタンドオフ10a、10bが拡張状態に拡張し、アンテナアセンブリ16a、16bが動作状態に変換されるように展開され得る。したがって、アンテナアレイ22は、体積低減状態(
図5)と体積拡張状態(
図6)との間で移動可能である。
【0032】
体積低減状態(
図5)では、第2のアンテナアセンブリ16bが第1のアンテナアセンブリ16aの上に積み重ねられ、少なくとも1つの第1のアンテナ12a及び少なくとも1つの第2のアンテナ12bが互いに対面関係で接触し、少なくとも1つの第1の圧縮性誘電体スタンドオフ10a及び少なくとも1つの第2の圧縮性誘電体スタンドオフ10bを圧縮状態で保持する。例えば、アンテナアセンブリアレイ22を柔軟なパネル間インターフェース24で折り曲げることにより、第2のアンテナアセンブリ16bを第1のアンテナアセンブリ16aの上に積み重ねることができる。少なくとも1つの第1の圧縮性誘電体スタンドオフ10a及び少なくとも1つの第2の圧縮性誘電体スタンドオフ10bは、拡張状態に向かってバイアスされ得る。したがって、第2のアンテナアセンブリ16aを第1のアンテナアセンブリ16bの上に積み重ね、少なくとも1つの第1のアンテナ12a及び少なくとも1つの第2のアンテナ12bを対面関係で接触させることにより、少なくとも1つの第1の圧縮性誘電体スタンドオフ10a及び少なくとも1つの第2の圧縮性誘電体スタンドオフ10bは、圧縮状態でそれらのバイアスに対して保持されることができる。
【0033】
拡張体積(
図6)では、第2のアンテナアセンブリ16bは、第1のアンテナアセンブリ16aと側方に隣接しているか、またはそうでなければ第1のアンテナアセンブリ16aの上に積み重ねられておらず、その結果、少なくとも1つの第1の圧縮性誘電体スタンドオフ10a及び少なくとも1つの第2の圧縮性誘電体スタンドオフ10bは拡張状態にある。すなわち、体積拡張状態(
図6)では、第2のアンテナアセンブリ16bが第1のアンテナアセンブリ16aの上に積み重ねられず、少なくとも1つの第1のアンテナ12a及び少なくとも1つの第2のアンテナ12bが互いに対面関係で接触せず、そのため少なくとも1つの第1の圧縮性誘電体スタンドオフ10a及び少なくとも1つの第2の圧縮性誘電体スタンドオフ10bをそれらのバイアスに対して圧縮状態で保持しない。したがって、少なくとも1つの第1の圧縮性誘電体スタンドオフ10a及び少なくとも1つの第2の圧縮性誘電体スタンドオフ10bは、拡張状態に向かって自由に移動し得る。
【0034】
第2のアンテナアセンブリ16bを第1のアンテナアセンブリ16aの上に積み重ねることは、アンテナアレイ22を体積低減状態に保持する非限定的な例として提示されており、少なくとも1つの第1の圧縮性誘電体スタンドオフ10a及び少なくとも1つの第2の圧縮性誘電体スタンドオフ10bを圧縮状態でそれらのバイアスに対して保持するために他の機構が使用され得ることが理解される。例えば、アンテナアレイ22を展開する準備ができるまで、少なくとも1つの第1の圧縮性誘電体スタンドオフ10a及び少なくとも1つの第2の圧縮性誘電体スタンドオフ10bを圧縮状態で一時的に保持するために、固定構造またはその他の保持機能が利用され得る。アンテナアレイ22を展開する準備ができたら、固定構造またはその他の保持機能によって、少なくとも1つの第1の圧縮性誘電体スタンドオフ10a及び少なくとも1つの第2の圧縮性誘電体スタンドオフ10bが拡張状態に放出され得る。
【0035】
本明細書で説明する圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bは、その材料特性と形状に基づいて、所望の所定の剛性と動きを有するように特別に設計されている。圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bの様々な例示的な構成及び特徴を、
図7~21を参照してこれより説明する。
図7~19に示す実施形態では、圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bは、前述のように、弾性フレーム22a、22b、22cと共に、グランドプレーン端18及びアンテナ端20を含み、これらのフレームは、それぞれのグランドプレーン端18とアンテナ端20との間に延びてこれらを接続する。弾性フレーム22a、22b、22cには、グランドプレーン端18とアンテナ端20の間に延びてこれらを接続する少なくとも1つの弾性アーム24a、24b、24cが含まれる。
【0036】
例えば、
図7及び
図8に示す圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bの弾性フレーム22aでは、少なくとも1つの弾性アーム24aは蛇行形状を有する。少なくとも1つの弾性アーム24aは、圧縮力が加えられると曲がるように構成されており、圧縮力は、圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bを拡張状態(
図8)から圧縮状態(
図7)に移動させるのに十分である。少なくとも1つの弾性アーム24aは、図示のように、グランドプレーン端18とアンテナ端20を、それぞれの1つ以上の側方端部で接続することができ、またはグランドプレーン端18及びアンテナ端20の長さに沿った任意の他の点で接続することができる。少なくとも1つの弾性アーム24aは、グランドプレーン端18及びアンテナ端20と同じ材料で作ることができ、より薄い厚さであってもよい。少なくとも1つの弾性アーム24aの長さは約2.54センチメートル、厚さは約0.127センチメートルであり得るが、正確な寸法は、それが使用される特定の用途に必要なアンテナの高さ、圧縮力、及び誘電率によって決まることが理解される。
【0037】
図9及び
図10に示す圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bの弾性フレーム22bでは、少なくとも1つの弾性アーム24bは、少なくとも1つの弾性アーム24bが少なくとも1つの弾性ジョイント26を含み、そのジョイントで少なくとも1つの弾性アーム24bが曲がるように構成された折り畳み構成となっている。例えば、少なくとも1つの弾性アーム24bのそれぞれは、少なくとも1つの弾性アーム24bそれぞれがグランドプレーン端18及びアンテナ端20に接続する位置の間の中心点に弾性ジョイント26を含むことができる。少なくとも1つの弾性アーム24bのそれぞれは、弾性ジョイント26も含み、少なくとも1つの弾性アーム24bのそれぞれは、グランドプレーン端18及び/またはアンテナ端20に接続される。少なくとも1つの弾性アーム24bは、圧縮力が加えられた状態で、それぞれの少なくとも1つの弾性ジョイント26で曲がるように構成されており、圧縮力は、圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bを拡張状態(
図10)から圧縮状態(
図9)に圧縮するのに十分である。弾性アーム24bは、少なくとも1つの弾性ジョイント26を介して、圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bを拡張状態(
図10)に移動させるのに最大量曲がらないように構成することができる。例えば、少なくとも1つの弾性ジョイント26は、最大限に開いた状態を有するヒンジを含むことができる。圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bは、ヒンジが最大限に開いた状態にあるときに拡張状態(
図10)になるように構成されており、圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bはこの拡張状態よりさらに拡張しはしない。少なくとも1つの弾性アーム24bは、グランドプレーン端18及びアンテナ端20と同じ材料で作られ得る。少なくとも1つの弾性ジョイント26は、グランドプレーン端18、アンテナ端20、及び少なくとも1つの弾性アーム24bと同じ材料で作られ得、より薄い厚さを有し得る。少なくとも1つの弾性アーム24bの長さは約2.54センチメートル、厚さは約0.127センチメートルであり得るが、正確な寸法は、それが使用される特定の用途に必要なアンテナの高さ、圧縮力、及び誘電率によって決まることが理解される。
【0038】
図11~14に示す圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bの弾性フレーム22cで、少なくとも1つの弾性アーム24cは、上述の少なくとも1つの弾性アーム24bと類似しており、また、少なくとも1つの弾性アーム24cのそれぞれがグランドプレーン端18及びアンテナ端20に接続する場所の間の中心点に少なくとも1つの弾性ジョイント26を含む。しかし、少なくとも1つの弾性アーム24cには、さらに、圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bが圧縮状態(
図11及び
図13)にあるときに互いに当接し、少なくとも1つの弾性アーム24cがその弾性限界を超えて(または第1の距離d
1を超えて)圧縮されるのを防止するように構成された、2つ以上の最大圧縮ストップ28が含まれる。
図11及び
図12に示すように、2つ以上の最大圧縮ストップ28のうちの少なくとも1つは、弾性ジョイント26が位置する少なくとも1つの弾性アーム24cの中心点の一方の側に設けられ得、2つ以上の最大圧縮ストップ28のうちの少なくとも別の1つは、弾性ジョイント26が位置する少なくとも1つのそれぞれの弾性アーム24cの中心点の他方の側に設けられ得る。しかしながら、
図13及び
図14に示すように、2つ以上の最大圧縮ストップ28のうちの少なくとも1つは、追加的にまたは代替的に、グランドプレーン端18及び少なくとも1つのアンテナ端20から互いに向かって内側に延びることができる。いずれの位置でも、2つ以上の最大圧縮ストップ28は、圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bが拡張状態(
図12及び
図14)から圧縮状態(
図11及び
図13)に移動されたときに互いに当接するように構成され、グランドプレーン端18と少なくとも1つのアンテナ端20とが第1の距離d
1未満で離れることを防止する。
【0039】
図15~17を参照すると、圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bには、グランドプレーン端18と少なくとも1つのアンテナ端20とが、アンテナアセンブリ16の動作における性能が最適化される第2の距離d
2を超えて離隔するのを防止するように構成された最大拡張ロック30がさらに含まれ得る。
図15~16に示す圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bの弾性フレーム22a、22b、22cは、
図11~14を参照して上述したものと類似しているが、最大拡張ロック30は、これらの実施形態に限定されず、本明細書で説明した任意の弾性フレーム22a、22b、22cを有する圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bに適用できることが理解される。最大拡張ロック30には、グランドプレーン端18と少なくとも1つのアンテナ端20との間に取り付けられて延びる柔軟な糸32が含まれ得る。柔軟な糸32は、
図15に示すように、例えば少なくとも1つの留め具34を使用して、各端部でグランドプレーン端18及び少なくとも1つのアンテナ端20に取り付けられ得る。グランドプレーン端18と少なくとも1つのアンテナ端20との間の柔軟な糸32の長さは第2の距離d
2である。糸32の材質は、限定されないが、例えばナイロンを含み得る。
【0040】
あるいは、最大拡張ロック30は、
図16に示すように、グランドプレーン端18と少なくとも1つのアンテナ端20との間に取り付けられて延びる半剛性ロッド36を含むことができる。半剛性ロッド36は、各端部において、少なくとも1つの留め具34を使用して、グランドプレーン端18及び少なくとも1つのアンテナ端20に取り付けられ得るか、または、
図16に示すように、圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bのグランドプレーン端18及び少なくとも1つのアンテナ端20と一体の部品として、代替的に形成され得る。グランドプレーン端18と少なくとも1つのアンテナ端20との間のロッド36の長さは第2の距離d
2である。最大拡張ロック30が半剛性ロッド36である実施形態では、圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bが拡張状態にあるときに、半剛性ロッド36は、圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bの座屈防止機能も設けることができる。具体的には、半剛性ロッド36は、圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bを拡張状態から圧縮状態(
図17に示すように)に移動させるのに十分な圧縮力が加えられたときに曲がることができるほど柔軟であるが、圧縮力よりも小さないずれかの付随的な力が加えられたときに持ちこたえて曲がるのを防げる程度には剛性である半剛性材料で形成され得る。したがって、圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bが拡張状態にあり、いずれかの偶発的な振動や力を受けるとき、座屈防止部材として機能する半剛性ロッド36が、圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bが拡張状態から圧縮状態に移行するのを防ぐ。
【0041】
図18及び
図19に示すように、圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bは、追加的にまたは代替的に、指定された座屈防止機構40を有し得る。
図18及び19に示す圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bの弾性フレーム22a、22b、22cは、
図11~14を参照して上述したものと類似しているが、設定された座屈防止機構40は、これらの実施形態に限定されず、本明細書で説明した任意の弾性フレーム22a、22b、22cを有する圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bに適用できることが理解される。この実施形態の座屈防止機構40は、アンテナ端20から延びる座屈防止ロッド42と、グランドプレーン18から延びる座屈防止ロッドストップ44とを含み、座屈防止ロッド42と座屈防止ロッドストップ44は互いに向かって延びる。あるいは、座屈防止ロッド42はグランドプレーン端18から延び、座屈防止ロッドストップ44は、代替的にアンテナ端20から延びてもよい。座屈防止ロッド42は、圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bが拡張状態(
図18)にあるときに、少なくとも1つの座屈防止ロッドストップ44に当接するように構成されている。圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bを拡張状態(
図18)から圧縮状態(
図19)に移動させるのに十分な圧縮力が圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bに加えられると、座屈防止ロッド42は、スライドして座屈防止ロッドストップ44を越えるように構成される。しかし、圧縮力よりも小さないずれかの付随的な力が加わると、座屈防止ロッド42は、座屈防止ロッドストップ44に当接し、スライドしてそれを越えないように構成される。
図18及び
図19に示す座屈防止ロッド42及び座屈防止ロッドストップ44は、非限定的な例として提示されており、座屈防止ロッド42及び座屈防止ロッドストップ44は、様々な異なる形状をとることができることが理解される。例えば、座屈防止ロッドストップ44は、
図18及び
図19に示すように複数のロッドを有し得るか、代替的に、例えば単一の円錐形ロッドを有し得る。本明細書で説明する座屈防止ロッド42及び座屈防止ロッドストップ44の目的を達成するために、他の形状及び構成が採用され得ることが理解される。
【0042】
図20~21に示す圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bでは、少なくとも1つのアンテナ端20は、第1の積層アンテナ12
1に接触するように構成された第1の積層アンテナ端20aと、第1の積層アンテナ12
1の上に積層された第2の積層アンテナ12
2に接触するように構成された第2の積層アンテナ端20bとを含む。この実施形態による圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bは、グランドプレーン端18から第1の積層アンテナ端20aまで延びる第1の誘電体スタンドオフ部分46と、第1の積層アンテナ端20aから第2の積層アンテナ端20bまで延びる第2の誘電体スタンドオフ部分48とをさらに含む。第1の誘電体スタンドオフ部分46には、スプリング50が埋め込まれている。具体的には、スプリング50は、第1の誘電体スタンドオフ部分46の内径内部に保持される。第2の誘電体スタンドオフ部分48は、第1の積層アンテナ端においてスプリングに接触する。第2の誘電体スタンドオフ部分48の外径は第1の誘電体スタンドオフ部分46の内径よりも小さく、圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bが拡張状態(
図21)から圧縮状態(
図20)に移動すると、第2の誘電体スタンドオフ部分48は第1の誘電体スタンドオフ部分46に埋め込まれたスプリング50に接触して圧縮する。
【0043】
図5及び
図6を参照しながら上述したアンテナアセンブリアレイを展開する方法100について、これより
図22に示すフローチャートを参照しながら簡単に説明する。したがって、アンテナアセンブリアレイは、上述のとおりであり得、本明細書に記載の任意の実施形態による圧縮性誘電体スタンドオフ10、10a、10bを有するアンテナアセンブリ16を含んでもよい。方法100は、アンテナアセンブリアレイをローンチビークルに搭載するステップ102が含まれる。アンテナアセンブリアレイをローンチビークルに搭載するステップ102には、前述のように、アンテナアセンブリアレイを体積低減状態(
図5)に折り畳むことが含まれ得る。方法100には、次に、ローンチビークルを宇宙に打ち上げるステップ104が含まれる。次に、方法100には、アンテナアセンブリをローンチビークルから宇宙の軌道に放出するステップ106が含まれる。したがって、アンテナアセンブリを放出するステップ106には、前述のように、アンテナアセンブリを体積低減状態(
図5)から体積拡張状態(
図6)に移動することが含まれ得る。
【0044】
上記の開示は特定の好ましい1つまたは複数の実施形態に関して図示し説明してきたが、本明細書及び添付の図面を読んで理解すれば、同等の変更及び修正が当業者に想起されることは明らかである。詳細には、前述の要素(コンポーネント、アセンブリ、デバイス、組成物など)によって実行される種々の機能に関して、このような要素を説明するために用いる用語(「手段」への言及を含む)は、特に断りのない限り、本明細書で例示した典型的な実施形態または実施形態(複数)における機能を実行する開示した構造と構造的に均等でなくても、説明した要素の特定の機能を実行する(すなわち、機能的に均等な)任意の要素に対応することが意図されている。加えて、特定の特徴を、いくつかの例示した実施形態の1つ以上に関してのみ上記で説明した場合があるが、このような特徴は、任意の所与のまたは特定の用途に対して望ましく有利であり得るように、他の実施形態の1つ以上の他の特徴と組み合わせてもよい。