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特許7684185作業機械の管接合用アタッチメント、それを備えた作業機械及び管接合方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-19
(45)【発行日】2025-05-27
(54)【発明の名称】作業機械の管接合用アタッチメント、それを備えた作業機械及び管接合方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 1/00 20060101AFI20250520BHJP
   E02F 3/36 20060101ALI20250520BHJP
【FI】
F16L1/00 V
E02F3/36 A
E02F3/36 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021172218
(22)【出願日】2021-10-21
(65)【公開番号】P2023062320
(43)【公開日】2023-05-08
【審査請求日】2023-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100142022
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一晃
(74)【代理人】
【識別番号】100196623
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 計介
(72)【発明者】
【氏名】井戸本 靖史
(72)【発明者】
【氏名】景山 早人
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 靖弘
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 裕介
(72)【発明者】
【氏名】山本 桂一郎
(72)【発明者】
【氏名】竹ノ中 理人
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-231566(JP,A)
【文献】特開平05-231565(JP,A)
【文献】特開平05-065978(JP,A)
【文献】特開2015-075928(JP,A)
【文献】特開平08-028751(JP,A)
【文献】特開2020-063819(JP,A)
【文献】国際公開第2013/166559(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0160588(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 1/00
E02F 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械のアームに接続されるアーム接続部と、
前記アーム接続部によって支持され、管を把持する把持部と、
前記アーム接続部によって支持され、少なくとも一部が前記把持部によって把持される前記管の挿し口の軸線方向に位置するように前記軸線方向に延びるとともに、前記把持部に対して前記軸線方向の位置で下方に向かって延びる支持部と、
前記支持部の下端部に接続され、前記把持部に対して前記軸線方向に位置し、前記管と接合される被接合管の受口側の外周面のうち、前記被接合管の軸線よりも上側だけに接触するように構成されている被接合管接触部と、
を有する、
作業機械の管接合用アタッチメント。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械の管接合用アタッチメントにおいて、
前記被接合管接触部は、前記受口を前記被接合管の軸方向に見て、前記被接合管の受口の外周面のうち、第1方向及び前記第1方向に直交する第2方向の少なくとも一方に位置する部分に接触する、
作業機械の管接合用アタッチメント。
【請求項3】
請求項1または2に記載の作業機械の管接合用アタッチメントにおいて、
前記把持部を、上下方向に延びる回転軸線を中心として水平方向に回転可能な水平方向回転機構をさらに有する、
作業機械の管接合用アタッチメント。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載の作業機械の管接合用アタッチメントにおいて、
前記把持部を、該把持部によって把持された管の軸線に直交する方向で且つ水平方向に移動可能な水平方向移動機構をさらに有する、
作業機械の管接合用アタッチメント。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載の作業機械の管接合用アタッチメントにおいて、
前記把持部を、前記被接合管接触部に向かって前記軸線方向に移動可能な軸線方向移動機構をさらに有する、
作業機械の管接合用アタッチメント。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一つに記載の作業機械の管接合用アタッチメントと、
先端部に前記管接合用アタッチメントが取り付けられるアームと、
を有する、
作業機械。
【請求項7】
請求項6に記載の作業機械において、
前記被接合管の受口に対する前記管接合用アタッチメントの被接合管接触部の位置を把握可能な画像を取得する画像取得部をさらに有する、
作業機械。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか一つに記載の作業機械の管接合用アタッチメントを用いて、
管の挿し口を被接合管の受口に接合する管接合方法であって、
前記管を把持部によって把持する把持工程と、
前記管を前記把持部によって把持した状態で、前記被接合管の受口に対して被接合管接触部を接触させることにより、前記被接合管の受口に対して前記管の挿し口を位置決めする位置決め工程と、
を有する、
作業機械の管接合用アタッチメントを用いた管接合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械のアームに接続され、管を被接合管に接合するために用いられる管接合用アタッチメント、それを備えた作業機械及び管接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば水道管に使用される挿し口と受口を有するダクタイル鋳鉄管(水道管の一例)の敷設工事などにおいて、地中の溝内に配置された被接合管に対して、管を接合する管接合作業が行われている。この管接合作業では、作業者は、まず、前記被接合管と接合される前記管を、前記溝内に吊り下ろす必要がある。その後、作業者は、前記溝内で、前記管と前記被接合管とを芯合わせして、前記管の挿し口を前記被接合管の受口に挿入にし、前記挿し口と前記受口とを接合する必要がある。
【0003】
このような従来の管接合作業では、作業者は、前記溝内で前記被接合管に対する前記管の位置を確認しながら、前記管を前記溝内に吊り下ろす必要がある。また、作業者は、前記溝内で、前記管と前記被接合管との芯合わせを手作業で行う必要がある。
【0004】
このように、従来の管接合作業では、作業者の作業負担が高く、狭い溝内での作業も作業性があまり良くなかった。
【0005】
これに対し、例えば特許文献1には、アームの先端で水平方向に回転自在な管保持本体が、管位置決め用のレーザ発信器からのレーザ光を受ける受光器と、両端部に爪を有する一対のクランプ材と、敷設管の自動調芯用のローラとを備える、管敷設機が開示されている。前記レーザ発信器は、前記溝内に、前記敷設管の中心をレーザ光が通過するように設置されている。前記受光器は、前記敷設管の中心で前記レーザ発信器のレーザ光を受光するように、前記管保持本体から突出した位置に配置されている。
【0006】
前記管敷設機は、前記一対のクランプ材によって前記敷設管を把持した状態で、前記アームを移動させつつ前記管保持本体を水平方向に移動させて、前記敷設管を前記溝内に降ろすことができる。前記管敷設機は、前記敷設管を前記溝内に降ろす際に、前記レーザ発信器のレーザが前記受光器に当たるように、前記アーム等を移動させて前記敷設管の位置を調整する。
【0007】
これにより、前記管敷設機では、前記溝内に人が入ることなく、安全で自動的に敷設管を前記溝内に敷設することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平6-323468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記特許文献1に開示されている管敷設機は、地中の溝内でレーザ光を用いて管の位置決めを行うため、前記管を前記溝内で前記レーザ光に沿って真っすぐ配置することができる。
【0010】
ところで、例えば、地中の溝内に耐震管などを配置する場合、前記耐震管は、被接合管に対して許容屈曲角度で配置される場合がある。このように、地中の溝内で管を被接合管に接合する際に、被接合管の管軸に沿って前記管を真っすぐ接合する場合だけでなく、前記管を前記被接合管に対して所定の角度で屈曲させて接合する場合もある。
【0011】
このように、地中の溝内で前記管を前記被接合管に対して所定の角度で屈曲させて接合する場合には、前記特許文献1に開示されている管敷設機を用いても、前記溝内で前記管の挿し口を前記被接合管の受口に対して精度良く位置決めするのは難しい。
【0012】
本発明の目的は、作業機械のアームに接続される作業機械のアタッチメントにおいて、地中の溝内で管を被接合管に対して所定の角度で屈曲させて接合する場合でも、前記管の挿し口を被接合管の受口に対して容易に位置決め可能な管接合用アタッチメントの構成を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施形態に係る作業機械の管接合用アタッチメントは、作業機械のアームに接続されるアーム接続部と、管を把持する把持部と、前記把持部に対して、前記把持部によって把持される前記管の挿し口の軸線方向に位置し、前記管と接合される被接合管の受口側の外周面に接触する被接合管接触部と、を有する(第1の構成)。
【0014】
把持部によって管を把持した管接合用アタッチメントの被接合管接触部を、被接合管の受口側の外周面に接触させることにより、前記管の挿し口を前記被接合管の受口に対して容易に位置決めできる。しかも、上述のように前記管の挿し口を前記被接合管の受口に対して位置決めすることにより、前記管を前記被接合管に対して所定の角度で屈曲させて接合する場合でも、前記管の挿し口を前記被接合管の受口に対して容易に位置決めできる。
【0015】
よって、上述の構成により、地中の溝内で管を被接合管に対して所定の角度で屈曲させて接合する場合でも、前記管の挿し口を前記被接合管の受口に対して容易に位置決め可能な作業機械の管接合用アタッチメントを実現することができる。
【0016】
前記第1の構成において、前記被接合管接触部は、前記受口を前記被接合管の軸方向に見て、前記被接合管の受口側の外周面のうち、第1方向及び前記第1方向に直交する第2方向の少なくとも一方に位置する部分に接触する(第2の構成)。
【0017】
上述のように管接合用アタッチメントの被接合管接触部が被接合管の受口に接触することにより、前記被接合管の受口に対して、前記管接合用アタッチメントの把持部によって把持された管の挿し口を、前記受口を前記被接合管の軸方向に見て、第1方向及び第2方向の少なくとも一方に位置決めできる。これにより、前記管を前記被接合管に対して所定の角度で屈曲させて接合する場合でも、前記被接合管の受口に対して前記管の挿し口をより精度良く位置決め可能な管接合用アタッチメントが得られる。
【0018】
前記第1または第2の構成において、前記管接合用アタッチメントは、前記把持部を、上下方向に延びる回転軸線を中心として水平方向に回転可能な水平方向回転機構をさらに有する(第3の構成)。
【0019】
これにより、管接合用アタッチメントの把持部によって把持された管を、上下方向に延びる回転軸線を中心として水平方向に回転させることができる。よって、上述の構成を有する管接合用アタッチメントにより、作業機械を移動または旋回させることなく、前記管の挿し口を地中の溝内に配置された被接合管の受口に対して容易に位置決めできる。
【0020】
前記第1から第3の構成のうちいずれか一つの構成において、前記管接合用アタッチメントは、前記把持部を、該把持部によって把持された管の軸線に直交する方向で且つ水平方向に移動可能な水平方向移動機構をさらに有する(第4の構成)。
【0021】
これにより、把持部によって把持された管を、該管の軸線に直交する方向で且つ水平方向に移動させることができる。よって、上述の構成を有する管接合用アタッチメントにより、前記管の位置を、該管の軸線に直交する方向で且つ水平方向に微調整することができる。したがって、前記管接合用アタッチメントにより、作業機械を移動させることなく、前記管の挿し口を被接合管の受口に対して容易に且つ精度良く位置決めできる。
【0022】
前記第1から第4の構成のうちいずれか一つの構成において、前記管接合用アタッチメントは、前記把持部を、前記被接合管接触部に向かって前記軸線方向に移動可能な軸線方向移動機構をさらに有する(第5の構成)。
【0023】
これにより、管接合用アタッチメントの把持部によって把持された管の挿し口を、被接合管接触部が接触している被接合管の受口に向かって移動させることができる。よって、前記把持部によって把持された前記管の挿し口を、前記被接合管の受口に対して位置決めした状態で、前記受口内に挿入することができる。これにより、前記管を前記被接合管に対して所定の角度で屈曲させて接合する場合でも、前記管と前記被接合管との接合作業を容易に行うことができる。
【0024】
本発明の一実施形態に係る作業機械は、前記第1から第5の構成のうちいずれか一つの構成を有する作業機械の管接合用アタッチメントと、先端部に前記管接合用アタッチメントが取り付けられるアームと、を有する(第6の構成)。
【0025】
これにより、前記第1から第5の構成のうちいずれか一つの構成を有する管接合用アタッチメントを備えた作業機械を実現できる。よって、前記作業機械を用いて、管の挿し口を被接合管の受口に対して容易に位置決めできる。
【0026】
前記第6の構成において、前記作業機械は、前記被接合管の受口に対する前記管接合用アタッチメントの被接合管接触部の位置を把握可能な画像を取得する画像取得部をさらに有する(第7の構成)。
【0027】
これにより、画像取得部によって取得した画像によって、被接合管の受口に対する管接合用アタッチメントの被接合管接触部の位置を容易に把握することができる。よって、前記被接合管の受口に対して、前記管接合用アタッチメントの被接合管接触部を容易に接触させることができる。したがって、作業機械を用いて、前記管の挿し口を前記被接合管の受口に対して容易に位置決めできる。
【0028】
本発明の一実施形態に係る作業機械の管接合用アタッチメントを用いた管接合方法は、前記第1から第5の構成のうちいずれか一つに記載の作業機械の管接合用アタッチメントを用いて、管の挿し口を被接合管の受口に接合する管接合方法である。この管接合方法は、前記管を把持部によって把持する把持工程と、前記管を前記把持部によって把持した状態で、前記被接合管の受口に対して被接合管接触部を接触させることにより、前記被接合管の受口に対して前記管の挿し口を位置決めする位置決め工程と、を有する(第1の方法)。
【0029】
これにより、作業機械の管接合用アタッチメントを用いて、管の挿し口を被接合管の受口に対して容易に位置決めできる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一実施形態に係る作業機械の管接合用アタッチメントは、作業機械のアームに接続されるアーム接続部と、管を把持する把持部と、前記把持部に対して、前記把持部によって把持される前記管の挿し口の軸線方向に位置し、前記管と接合される被接合管の受口の外周面に接触する被接合管接触部と、を有する。
【0031】
これにより、前記作業機械のアームに取り付けられた前記管接合用アタッチメントによって把持された前記管の挿し口を、前記被接合管の受口に対して容易に位置決めできる。よって、上述の構成により、地中の溝内で前記管を前記被接合管に対して所定の角度で屈曲させて接合する場合でも、前記管の挿し口を前記被接合管の受口に対して容易に位置決め可能な管接合用アタッチメントを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、実施形態1に係る管接合用アタッチメントが接続された作業機械の概略構成を示す図である。
図2図2は、管接合用アタッチメントを幅方向の一方から見た図である。
図3図3は、管接合用アタッチメントの上面図である。
図4図4は、管接合用アタッチメントを軸線方向の一方から見た図である。
図5図5は、管接合用アタッチメントを軸線方向の他方から見た図である。
図6図6は、管接合用アタッチメントを用いて、管と被接合管とを接合する様子を模式的に示す図である。
図7図7は、管接合用アタッチメントを用いて、管と被接合管とを接合する様子を模式的に示す図である。
図8図8は、管接合用アタッチメントを用いて、管と被接合管とを接合する様子を模式的に示す図である。
図9図9は、実施形態2に係る管接合用アタッチメントを幅方向の一方から見た図である。
図10図10は、実施形態2に係る管接合用アタッチメントを軸線方向の一方から見た図である。
図11図11は、アームに画像取得部であるカメラが取り付けられた作業機械の概略構成を示す図である。
図12図12は、その他の実施形態に係る管接合用アタッチメントを幅方向の一方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下で、各実施形態について、図面を参照しながら説明する。各図において、同一部分には同一の符号を付して、その同一部分の説明は繰り返さない。なお、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0034】
以下の説明において、前後左右の方向は、それぞれ、作業機械1000,2000を操縦する操縦者から見た場合の前後左右の方向を意味する。また、軸線方向は、管接合用アタッチメント1,100が把持する管W1の軸線Lが延びる方向を意味する。幅方向は、水平方向で且つ前記軸線方向に直交する方向を意味する。前記水平方向は、厳密な水平方向だけでなく、上下方向に交差する方向も含む。
【0035】
また、以下の説明において、“固定”、“接続”及び“取り付ける”等(以下、固定等)の表現は、部材同士が直接、固定等されている場合だけでなく、他の部材を介して固定等されている場合も含む。すなわち、以下の説明において、固定等の表現には、部材同士の直接的及び間接的な固定等の意味が含まれる。
【0036】
[実施形態1]
(作業機械)
図1は、本発明の実施形態1に係る管接合用アタッチメント1が接続された作業機械1000の概略構成を示す図である。作業機械1000のアーム1003の先端部には、管接合用アタッチメント1が接続されている。作業機械1000は、アーム1003の先端部に接続されるアタッチメントを取り換えることにより、様々な工事及び作業等を行うことができる。本実施形態では、作業機械1000は、例えば、掘削用建設機械であるミニバックホーである。
【0037】
なお、作業機械1000は、ミニバックホー以外の建設機械であってもよいし、管接合用アタッチメント1を操作可能な機械であれば、どのような構成を有する機械であってもよい。
【0038】
作業機械1000は、前後方向に走行可能であるとともに、上下方向に延びる回転軸線Pを中心として水平方向に旋回可能である。作業機械1000は、例えば油圧によって駆動可能である。なお、作業機械は、例えば電気モータによって駆動可能であってもよい。
【0039】
作業機械1000は、作業機械本体1001と、ブーム1002と、アーム1003とを有する。
【0040】
作業機械本体1001は、上部旋回体1011と、下部走行体1012とを有する。上部旋回体1011は、回転軸線Pを中心として水平方向に旋回可能である。下部走行体1012は、環状の無限軌道を有し、前後方向に走行可能である。
【0041】
ブーム1002は、上部旋回体1011から前方に向かって延びている梁状部材である。ブーム1002の一端側は、上部旋回体1011に接続されている。ブーム1002は、上部旋回体1011に対し、前記一端側を中心として上下方向に回転可能である。
【0042】
アーム1003は、ブーム1002の前端部に一端側が接続された梁状部材である。アーム1003は、ブーム1002に対して、前記一端側を中心として上下方向に回転可能である。アーム1003の他端側には、アタッチメントが接続可能である。本実施形態では、アーム1003の他端側には、管接合用アタッチメント1が接続されている。
【0043】
なお、ブーム1002及びアーム1003は、それぞれ、図示しない油圧シリンダによって駆動可能である。ブーム1002及びアーム1003は、電動モータなどによって駆動可能であってもよい。
【0044】
管接合用アタッチメント1は、アタッチメント装着部材を介して、アーム1003の他端側に接続されていてもよい。前記アタッチメント装着部材は、アーム1003の他端側に、アタッチメントを容易に取り付け可能に構成されている。
【0045】
作業機械1000における作業機械本体1001、ブーム1002及びアーム1003の各構成は、従来の構成と同様であるため、詳しい説明を省略する。
【0046】
(管接合用アタッチメント)
図2から図5は、管接合用アタッチメント1の概略構成を示す図である。図2は、管接合用アタッチメント1を幅方向の一方から見た図である。図3は、管接合用アタッチメント1の上面図である。図4は、管接合用アタッチメント1を軸線方向の一方から見た図である。図5は、管接合用アタッチメント1を軸線方向の他方から見た図である。以下で、管接合用アタッチメント1の概略構成を、図2から図5を用いて説明する。
【0047】
以下の説明において、管W1及び被接合管W2(図6から図8参照)は、例えば、所定の角度で屈曲可能な耐震型継手を有する耐震管が好ましい。なお、管W1及び被接合管W2は、耐震管以外の配管であってもよい。
【0048】
管接合用アタッチメント1は、管W1を把持可能に構成されているとともに、把持した管W1を、上下方向に延びる回転軸線Qを中心として水平方向に回転可能であり且つ管W1の軸線方向に移動可能である。図2から図5に示すように、管接合用アタッチメント1は、アーム接続部11と、把持部12と、軸線方向移動機構13と、水平方向回転機構14と、被接合管接触部15とを有する。
【0049】
アーム接続部11は、管接合用アタッチメント1の上端部に位置し、作業機械1000のアーム1003の他端側に接続されている。アーム接続部11は、アーム1003の他端側にボルトまたはピンによって接続されていてもよいし、嵌合部によって嵌合されていてもよい。アーム接続部11は、アーム1003の他端側に対してどのような構成によって接続されていてもよい。
【0050】
把持部12は、後述する軸線方向移動機構13によって、軸線方向に移動可能に支持されている。把持部12は、管W1を把持する。把持部12は、一対の把持爪21と、把持駆動部22とを有する。
【0051】
一対の把持爪21は、管W1を把持可能なように、軸線方向に直交する幅方向に並んで位置する。一対の把持爪21の一端側は、把持駆動部22に接続されている。一対の把持爪21は、把持駆動部22に対し、前記一端側を中心として互いに近づく方向と離れる方向とに回転可能である。一対の把持爪21は、管W1を幅方向に挟み込む。
【0052】
本実施形態では、把持部12は、一対の把持爪21を2組有する。2組の一対の把持爪21は、把持駆動部22に対して、管W1の軸線方向に並んで配置されている。
【0053】
把持駆動部22は、一対の把持爪21の一端側に、該一端側を中心として一対の把持爪21が互いに近づく方向と離れる方向とに回転するような駆動力を与える。把持駆動部22は、例えば、作業機械1000から出力される油圧を用いて駆動力を生じてもよいし、電動モータ等によって駆動力を生じてもよい。
【0054】
軸線方向移動機構13は、後述する水平方向回転機構14によって、回転軸線Qを中心として水平方向に回転可能に支持されている。軸線方向移動機構13は、把持部12を、把持部12によって把持される管W1の軸線方向に移動させる。軸線方向移動機構13は、ガイド部31と、スライダ32と、軸線方向駆動部33とを有する。
【0055】
ガイド部31は、後述する水平方向回転機構14に、回転軸線Qを中心として水平方向に回転可能に接続されている。ガイド部31は、例えば、管W1の軸線Lに沿って延びる一対のガイドレール31aを有する。すなわち、一対のガイドレール31aは、軸線方向に延びている。よって、本実施形態では、一対のガイドレール31aの長手方向は、軸線方向と一致している。ガイドレール31aは、前記軸線方向に見て、上下に幅方向に突出したフランジを有するH形鋼である。なお、ガイドレール31aは、H形鋼以外の部材であってもよい。
【0056】
スライダ32は、ガイド部31に対して、ガイド部31の長手方向、すなわち軸線方向に移動可能に設けられている。スライダ32は、ガイド部31の一対のガイドレール31aの下面及び側面を覆うように、断面略U字状に形成されている。すなわち、スライダ32は、底面32aと、底面32aから上方向に延びる一対の側面32bとを有する。スライダ32の一対の側面32bには、ローラ32cが回転可能に支持されている。ローラ32cは、一対のガイドレール31aのフランジ上を転がって移動する。
【0057】
軸線方向駆動部33は、ガイド部31に対して、スライダ32を、ガイド部31の長手方向、すなわち軸線方向に移動可能である。例えば、軸線方向駆動部33は、油圧シリンダである。この油圧シリンダには、例えば作業機械1000から出力される油圧が供給される。特に図示しないが、油圧シリンダのシリンダチューブは、後述する被接合管接触部15を支持する支持部16を介して、ガイド部31に固定されている。油圧シリンダのピストンロッドは、スライダ32に固定されている。油圧シリンダは、ガイド部31の長手方向、すなわち軸線方向に延びるように配置されている。よって、油圧シリンダのピストンロッドがシリンダチューブに対して軸線方向に移動することにより、スライダ32をガイド部31に対して移動させることができる。
【0058】
これにより、管接合用アタッチメント1の把持部12によって把持された管W1を、軸線方向に移動させることができる。したがって、管接合用アタッチメント1によって、管W1の挿し口W1aを被接合管W2の受口W2a(図6から図8参照)に対して容易に位置決めできるとともに、管W1の挿し口W1aを被接合管W2の受口W2a内に容易に挿入できる。
【0059】
水平方向回転機構14は、アーム接続部11を介して、作業機械1000のアーム1003に接続されている。すなわち、水平方向回転機構14の上部には、アーム接続部11が固定されている。水平方向回転機構14の下部には、軸線方向駆動部33が回転軸線Qを中心として水平方向に回転可能に接続されている。
【0060】
これにより、水平方向回転機構14は、作業機械1000のアーム1003に対して、管接合用アタッチメント1を、回転軸線Qを中心として水平方向に回転させることができる。したがって、作業機械1000を移動及び旋回させることなく、管接合用アタッチメント1の把持部12によって把持された管W1を地中の溝内などに移動させることができる。
【0061】
被接合管接触部15は、把持部12に対して管W1の挿し口W1aの軸線方向に位置するように、支持部16によって、軸線方向移動機構13に固定されている。被接合管接触部15は、後述するように、把持部12によって把持された管W1の挿し口W1aを被接合管W2の受口W2aに対して位置決めする際に、被接合管W2の受口W2a側に接触する。なお、被接合管W2の受口W2a側は、被接合管W2の受口W2aだけでなく、被接合管W2における管本体の受口W2a側も含む。
【0062】
支持部16は、例えば、軸線方向移動機構13のガイド部31に固定されている。支持部16は、支持本体16aと、接続支持部16bとを有する。支持本体16aは、平板状であり、軸線方向移動機構13のガイド部31に固定されている。接続支持部16bは、支持本体16aから下方に向かって延びている。接続支持部16bは、被接合管接触部15を支持している。
【0063】
被接合管接触部15は、軸線方向に見て、下方に向かって直線部15a同士の間隔が拡がる逆V字状に形成されている。具体的には、被接合管接触部15は、上端側が接続されているとともに下端側が幅方向に離間している一対の直線部15aを有する。一対の直線部15aの上端側は、支持部16の接続支持部16bの下端部に固定されている。被接合管接触部15がこのような構成を有することにより、被接合管W2の受口W2a側の外径が異なる場合でも、被接合管W2の受口W2a側の外周面に被接合管接触部15の直線部15aを接触させることができる。
【0064】
被接合管接触部15の一対の直線部15aは、被接合管W2の受口W2aを軸線方向に見て、被接合管W2の受口W2a側の外周面のうち、幅方向に対して斜め方向(例えば、幅方向に対して45度の方向)に位置する部分に接触する。これにより、管接合用アタッチメント1は、被接合管W2の受口W2aに対して幅方向及び該幅方向に直交する方向に位置決めされる。
【0065】
なお、被接合管接触部15の一対の直線部15aは、被接合管W2の受口W2a側の外周面のうち幅方向の一方または他方に位置する部分に接触してもよいし、被接合管W2の受口W2a側の外周面のうち前記幅方向に直交する方向に位置する部分に接触してもよい。すなわち、被接合管接触部15は、受口W2aを被接合管W2の軸方向に見て、被接合管W2の受口W2a側の外周面のうち、幅方向及び前記幅方向に直交する方向の少なくとも一方に位置する部分に接触すればよい。被接合管接触部15の一対の直線部15aのうち一方が被接合管W2の受口W2a側の外周面に接触してもよい。
【0066】
上述のように管接合用アタッチメント1が被接合管W2に対して幅方向及び該幅方向に直交する方向に位置決めされることにより、管接合用アタッチメント1の把持部12によって把持された管W1の挿し口W1aを、被接合管W2の受口W2aに対して幅方向及び該幅方向に直交する方向に位置決めできる。
【0067】
なお、被接合管W2の受口W2aを軸線方向に見て、被接合管W2に対する幅方向が第1方向に対応し、前記幅方向に直交する方向が第2方向に対応する。被接合管W2の軸線Mが管W1の軸線Lに対して平行な場合で且つ軸線L,Mが水平方向に延びている場合、前記幅方向に直交する方向は、上下方向である。
【0068】
以上より、本実施形態に係る作業機械の管接合用アタッチメント1は、作業機械1000のアーム1003に接続されるアーム接続部11と、管W1を把持する把持部12と、把持部12に対して、把持部12によって把持される管W1の挿し口W1aの軸線方向に位置し、管W1と接合される被接合管W2の受口W2a側の外周面に接触する被接合管接触部15と、を有する。
【0069】
把持部12によって管W1を把持した管接合用アタッチメント1の被接合管接触部15を、被接合管W2の受口W2a側の外周面に接触させることにより、管W1の挿し口W1aを被接合管W2の受口W2aに対して位置決めできる。しかも、上述のように管W1の挿し口W1aを被接合管W2の受口W2aに対して位置決めすることにより、管W1を被接合管W2に対して所定の角度で屈曲させて接合する場合でも、管W1の挿し口W1aを被接合管W2の受口W2aに対して容易に位置決めできる。
【0070】
よって、上述の構成により地中の溝内で管W1を被接合管W2に対して所定の角度で屈曲させて接合する場合でも、管W1の挿し口W1aを被接合管W2の受口W2aに対して容易に位置決め可能な管接合用アタッチメント1を実現することができる。
【0071】
本実施形態では、被接合管接触部15は、受口W2aを被接合管W2の軸方向に見て、被接合管W2の受口W2a側の外周面に対し、幅方向及び前記幅方向に直交する方向の少なくとも一方に位置する部分に接触する。
【0072】
上述のように管接合用アタッチメント1の被接合管接触部15が被接合管W2の受口W2aに接触することにより、被接合管W2の受口W2aに対して、把持部12によって把持された管W1の挿し口W1aを、受口W2aを被接合管W2の軸方向に見て幅方向及び該幅方向に直交する方向に位置決めできる。これにより、管W1を被接合管W2に対して所定の角度で屈曲させて接合する場合でも、被接合管W2の受口W2aに対して管W1の挿し口W1aをより精度良く位置決め可能な管接合用アタッチメント1が得られる。
【0073】
本実施形態では、管接合用アタッチメント1は、把持部12を、上下方向に延びる回転軸線Qを中心として水平方向に回転可能な水平方向回転機構14をさらに有する。
【0074】
これにより、把持部12によって把持された管W1を、上下方向に延びる回転軸線Qを中心として水平方向に回転させることができる。よって、本実施形態の構成を有する管接合用アタッチメント1により、作業機械1000を移動または旋回させることなく、管W1の挿し口W1aを地中の溝内に配置された被接合管W2の受口W2aに対して容易に位置決めできる。
【0075】
本実施形態では、管接合用アタッチメント1は、把持部12を、被接合管接触部15に向かって軸線方向に移動可能な軸線方向移動機構13をさらに有する。
【0076】
これにより、把持部12によって把持された管W1を、被接合管接触部15が接触している被接合管W2の受口W2aに向かって移動させることができる。よって、把持部12によって把持された管W1の挿し口W1aを、被接合管W2の受口W2aに対して位置決めした状態で、受口W2a内に挿入することができる。これにより、管W1を被接合管W2に対して所定の角度で屈曲させて接合する場合でも、管W1と被接合管W2との接合作業を容易に行うことができる。
【0077】
本実施形態に係る作業機械1000は、本実施形態の構成を有する管接合用アタッチメント1と、先端部に管接合用アタッチメント1が取り付けられるアーム1003と、を有する。
【0078】
これにより、本実施形態の構成を有する管接合用アタッチメント1を備えた作業機械1000を実現できる。よって、作業機械1000を用いて、管W1の挿し口W1aを被接合管W2の受口W2aに対して容易に位置決めできる。
【0079】
(管接合方法)
次に、上述の構成を有する管接合用アタッチメント1を用いた管W1と被接合管W2との接合方法を、図6から図8を用いて説明する。図6から図8は、管接合用アタッチメント1を用いて、管W1と被接合管W2とを接合する様子を模式的に示す図である。なお、図6から図8には、管W1の軸線Lと被接合管W2の軸線Mとが平行ではなく交差する場合の管接合方法の一例を示している。
【0080】
図6に示すように、作業機械1000のアーム1003の先端部に接続された管接合用アタッチメント1において、把持部12の一対の把持爪21を閉じる方向に移動させることにより、管W1を把持する。このように、管W1を把持部12によって把持する工程が把持工程である。
【0081】
作業者は作業機械1000のアーム1003等を操作することにより、被接合管W2が配置されている地中の溝(図示省略)内に、管W1を把持した状態の管接合用アタッチメント1を移動させる。このとき、作業者は作業機械1000のアーム1003等を操作することにより、管接合用アタッチメント1の被接合管接触部15が被接合管W2の受口W2a側の上方に位置するように、管接合用アタッチメント1を移動させる。
【0082】
次に、作業者は作業機械1000のアーム1003等を操作することにより、管接合用アタッチメント1の被接合管接触部15を被接合管W2の受口W2a側の外周面に接触させるように、管接合用アタッチメント1を下降させる(図6に示す白抜き矢印は管接合用アタッチメント1の移動方向)。管接合用アタッチメント1の被接合管接触部15の一対の直線部15aの少なくとも一方は、被接合管W2の受口W2a側の外周面に接触する。これにより、管W1の軸線Lが被接合管W2の軸線Mに対して交差している場合でも、被接合管W2の受口W2aに対して、管接合用アタッチメント1の一対の把持爪21によって把持された管W1の挿し口W1aを、幅方向及び該幅方向に直交する方向に位置決めできる。
【0083】
このように、管W1を把持部12によって把持した状態で、被接合管W2の受口W2aに対して被接合管接触部15を接触させることにより、被接合管W2の受口W2aに対して管W1の挿し口W1aを位置決めする工程が位置決め工程である。
【0084】
そして、図7に示すように、把持部12をガイド部31に沿って軸線方向に移動させる図7に示す白抜き矢印は管接合用アタッチメント1の移動方向)。これにより、図8に示すように、把持部12によって把持された管W1の挿し口W1aを、被接合管W2の受口W2a内に挿入して接合する。よって、管W1を被接合管W2に対して所定の角度で屈曲させて接合することができる。
【0085】
本実施形態に係る管接合用アタッチメント1を用いた管接合方法は、本実施形態の構成を有する管接合用アタッチメント1を用いて、管W1の挿し口W1aを被接合管W2の受口W2aに接合する管接合方法である。この管接合方法は、管W1を把持部12によって把持する把持工程と、管W1を把持部12によって把持した状態で、被接合管W2の受口W2aに対して被接合管接触部15を接触させることにより、被接合管W2の受口W2aに対して管W1の挿し口W1aを位置決めする位置決め工程と、を有する。
【0086】
これにより、管W1を被接合管W2に対して所定の角度で屈曲させて接合する場合でも、本実施形態の構成を有する管接合用アタッチメント1を用いて、管W1の挿し口W1aを被接合管W2の受口W2aに対して容易に位置決めできる。
【0087】
[実施形態2]
図9及び図10に、実施形態2に係る管接合用アタッチメント100の概略構成を示す。図9は、管接合用アタッチメント100を幅方向の一方から見た図である。図10は、管接合用アタッチメント100を軸線方向の一方から見た図である。
【0088】
管接合用アタッチメント100は、軸線方向に直交する方向で且つ水平方向(幅方向)に移動可能に構成されている。具体的には、図9及び図10に示すように、管接合用アタッチメント100は、実施形態1の構成に加えて、水平方向移動機構50を有する。
【0089】
水平方向移動機構50は、水平方向回転機構14と軸線方向移動機構13との間に位置する。水平方向移動機構50は、ベース51と、一対のガイドレール52と、スライダ53とを有する。
【0090】
ベース51は、板状の部材であり、軸線方向移動機構13のガイド部31の上部に固定されている。一対のガイドレール52は、それぞれ、幅方向に延びていて、ベース51の上面に固定されている。スライダ53は、板状の部材であり、一対のガイドレール52に対して、幅方向に移動可能である。スライダ53の上面には、水平方向回転機構14が水平方向に回転可能に接続されている。
【0091】
以上より、本実施形態の管接合用アタッチメント100は、把持部12を、該把持部12によって把持された管W1の軸線Lに直交する方向で且つ水平方向に移動可能な水平方向移動機構50を有する。
【0092】
このような構成を有する水平方向移動機構50によって、管接合用アタッチメント100の把持部12を、軸線方向に直交する方向で且つ水平方向(幅方向)に移動させることができる。したがって、水平方向移動機構50によって、把持部12によって把持された管W1の幅方向の位置を、微調整することができる。これにより、作業機械1000を移動させることなく、把持部12によって把持された管W1の挿し口W1aを、被接合管W2の受口W2aに対して容易に且つ精度良く位置決めできる。
【0093】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0094】
前記各実施形態では、管接合用アタッチメント1,100は、軸線方向移動機構13を有する。しかしながら、管接合用アタッチメントは、軸線方向移動機構を有していなくてもよい。
【0095】
前記各実施形態では、管接合用アタッチメント1,100は、水平方向回転機構14を有する。しかしながら、管接合用アタッチメントは、水平方向回転機構を有していなくてもよい。
【0096】
前記各実施形態では、アーム接続部11は、管接合用アタッチメント1の上端部に位置する。しかしながら、アーム接続部は、管接合用アタッチメントの上端部以外に位置していてもよい。
【0097】
前記各実施形態では、把持部12は、一対の把持爪21を有する。しかしながら、把持部は、管を把持可能な構成であれば、例えば吸着機構などの他の構成を有していてもよい。
【0098】
前記各実施形態では、管接合用アタッチメント1の一対の把持爪21は、軸線方向に直交する幅方向に並んで位置する。しかしながら、一対の把持爪は、上下方向にずれた位置に位置していてもよいし、軸線方向にずれた位置に位置していてもよい。
【0099】
前記各実施形態では、把持部12は、一対の把持爪21を2組有する。しかしながら、把持部は、一対の把持爪を3組以上有していてもよい。
【0100】
前記各実施形態では、管接合用アタッチメント1のガイド部31は、例えば、管W1の軸線Lに沿って延びる一対のガイドレール31aを有する。しかしながら、ガイド部は、1つまたは3つ以上のガイドレールを有していてもよい。ガイド部は、スライダが軸線方向に移動可能な構成であれば、ガイドレール以外の構成を有していてもよい。
【0101】
前記各実施形態では、管接合用アタッチメント1のスライダ32は、底面32aと、底面32aから上方に延びる一対の側面32bとを有する断面略U字状の部材である。しかしながら、スライダは、ガイド部に対して把持部12を軸線方向に移動可能な構成であれば、平板状またはブロック状など、どのような形状を有していてもよい。
【0102】
前記各実施形態では、軸線方向駆動部33は、油圧シリンダである。しかしながら、軸線方向駆動部は、ガイド部に対してスライダを軸線方向に移動可能な構成を有していれば、電動アクチュエータなどのように、油圧シリンダ以外の駆動装置であってもよい。
【0103】
前記各実施形態では、被接合管接触部15は、逆V字状に形成されている。しかしながら、被接合管接触部は、下方に向かって開口する逆U字状に形成されていてもよい。この場合には、逆U字状の被接合管接触部を構成する一対の直線部の間隔は、被接合管における管本体の受口側が挿入可能な寸法を有する。被接合管接触部は、被接合管の受口側に接触して、管接合用アタッチメントを被接合管の受口に対して幅方向及び該幅方向に直交する方向に位置決め可能な形状であれば、L字状、逆L字状、またはT字状などのように、V字状以外の形状を有していてもよい。被接合管接触部は、被接合管の受口側に接触して、管接合用アタッチメントを被接合管の受口に対して幅方向または該幅方向に直交する方向に位置決め可能な形状(直線状、平板状、曲面状など)を有していてもよい。
【0104】
前記各実施形態において、作業機械は、例えばアーム1003に、被接合管W2の受口W2aに対する管接合用アタッチメント1,100の被接合管接触部15の位置を把握可能な画像を取得する画像取得部を有していてもよい。
【0105】
図11は、アーム1003に画像取得部であるカメラ60が取り付けられた作業機械2000の概略構成を示す図である。作業機械2000のアーム1003には、アーム1003の下方に位置する被接合管接触部15が撮像範囲内に位置するように、カメラ60が取り付けられている。すなわち、作業機械2000は、被接合管W2の受口W2aに対する管接合用アタッチメント1,100の被接合管接触部15の位置を把握可能な画像を取得するカメラ60をさらに有する。
【0106】
なお、カメラ60によって取得された画像は、作業者に対して情報を提示する図示しないディスプレイに表示されてもよいし、図示しない制御装置に送信された後、該制御装置における作業機械2000の制御等に利用されてもよい。
【0107】
これにより、カメラ60によって取得した画像によって、作業者または前記制御装置は、被接合管W2の受口W2aに対する管接合用アタッチメント1,100の被接合管接触部15の位置を容易に把握することができる。よって、被接合管W2の受口W2aに対して、管接合用アタッチメント1,100の被接合管接触部15を容易に接触させることができる。したがって、作業機械2000を用いて、管W1の挿し口W1aを被接合管W2の受口W2aに対して容易に位置決めできる。
【0108】
カメラ60は、作業機械のブームに取り付けられていてもよいし、上部旋回体に取り付けられていてもよい。また、カメラ60は、管接合用アタッチメント1,100に取り付けられていてもよい。
【0109】
前記各実施形態において、管接合用アタッチメント1,100は、把持部12及び被接合管接触部15を上下方向に弾性支持する弾性支持部を有していてもよい。例えば、図12に示すように、管接合用アタッチメント200は、水平方向回転機構14と軸線方向移動機構13との間に、水平方向回転機構14に対して軸線方向移動機構13を上下方向に弾性支持する弾性支持部70を有していてもよい。この弾性支持部70は、例えば、水平方向回転機構14と軸線方向移動機構13とを連結するばねやゴムなどの部材を含む。これにより、軸線方向移動機構13によって軸線方向に移動可能に支持される把持部12、及び、軸線方向移動機構13のガイド部31によって支持される被接合管接触部15を、弾性支持部70によって、水平方向回転機構14に対して上下方向に弾性支持することができる。したがって、管W1が把持部12によって把持された状態で被接合管接触部15が被接合管W2の受口W2a側の外周面に接触する際に、被接合管W2に加わる衝撃を軽減できる。なお、図9及び図10に示す管接合用アタッチメント100に、上述のような弾性支持部を設けてもよい。
【0110】
前記実施形態1の管接合方法を説明する図6から図8では、管W1の軸線Lと被接合管W2の軸線Mとが平行ではなく交差する場合の管接合方法の一例を示している。しかしながら、管W1の軸線Lと被接合管W2の軸線Mとが平行の場合にも、上述の各実施形態の構成を有する管接合用アタッチメント1、100を用いて、管W1の挿し口W1aを被接合管W2の受口W2aに対して位置決めできる。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、作業機械のアームに接続され、管を被接合管に接合するために用いられる管接合用アタッチメントに利用可能である。
【符号の説明】
【0112】
1、100、200 管接合用アタッチメント
11 アーム接続部
12 把持部
13 軸線方向移動機構
14 水平方向回転機構
15 被接合管接触部
15a 直線部
16 支持部
16a 支持本体
16b 接続支持部
21 把持爪
22 把持駆動部
31 ガイド部
31a ガイドレール
32 スライダ
32a 底面
32b 側面
32c ローラ
33 軸線方向駆動部
50 水平方向移動機構
51 ベース
52 ガイドレール
53 スライダ
60 カメラ(画像取得部)
70 弾性支持部
1000、2000 作業機械
1001 作業機械本体
1002 ブーム
1003 アーム
1011 上部旋回体
1012 下部走行体
W1 管
W1a 挿し口
W2 被接合管
W2a 受口
P、Q 回転軸線
L、M 軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12