(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-19
(45)【発行日】2025-05-27
(54)【発明の名称】発電装置
(51)【国際特許分類】
H10N 10/13 20230101AFI20250520BHJP
H10N 10/17 20230101ALI20250520BHJP
H10N 10/852 20230101ALI20250520BHJP
H02N 3/00 20060101ALI20250520BHJP
【FI】
H10N10/13
H10N10/17 Z
H10N10/852
H02N3/00 A
(21)【出願番号】P 2022542791
(86)(22)【出願日】2021-01-11
(86)【国際出願番号】 KR2021000333
(87)【国際公開番号】W WO2021145620
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2023-12-20
(31)【優先権主張番号】10-2020-0004473
(32)【優先日】2020-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0004475
(32)【優先日】2020-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジョンホ
(72)【発明者】
【氏名】パク,チョンオク
(72)【発明者】
【氏名】アン,サンハン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジョンミン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ジファン
【審査官】小山 満
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/174698(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/112288(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/194595(WO,A1)
【文献】特開2016-119450(JP,A)
【文献】特開2019-134517(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10N 10/13
H10N 10/17
H10N 10/852
H02N 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却部、
前記冷却部の第1表面に配置された熱電素子および前記熱電素子上に配置されたヒートシンクを含む第1熱電モジュール、
前記第1熱電モジュールと対向して配置される第1ガイドプレート、
前記冷却部の第1表面に垂直な第2表面に配置された分岐部、そして前記冷却部の前記第1表面と前記第2表面に垂直な第3表面に配置された離隔部材を含み、
前記冷却部は第1流体が通過するダクトであり、前記第1流体より温度が高い第2流体は前記第1熱電モジュールおよび前記第1ガイドプレートの間を通過し、
前記ヒートシンクは
、前記第2流体が通過する方向に延在し、互いに離隔した複数の放熱フィンを含み、
前記ヒートシンクと前記第1ガイドプレート間の水平方向の最短距離は1~3mmであり、
前記離隔部材は前記第3表面から前記第1表面に向かって延び、前記冷却部の前記第1表面および前記第1ガイドプレートに接触する、発電装置。
【請求項2】
前記分岐部は前
記第2流体を分
岐する、請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
前記第1表面に対向する前記冷却部の第4表面上に配置される第2熱電モジュール、そして前記第2熱電モジュールと対向して配置される第2ガイドプレートをさらに含み、
前記第2流体は前記分岐部によって前記第1熱電モジュールと前記第1ガイドプレートの間および前記第2熱電モジュールと前記第2ガイドプレートの間に分岐される、請求項2に記載の発電装置。
【請求項4】
前記分岐部は前記第1表面に対して傾斜するように配置された、請求項3に記載の発電装置。
【請求項5】
前記離隔部材は前記冷却部の前記第3表面に配置された第1領域、前記第1領域から前記第1表面に向かって延びた第2領域、そして前記第1領域から前記第4表面に向かって延びた第3領域を含み、
前記第2領域の第1面は前記第1表面に配置され、前記第2領域の第2面は前記第1ガイドプレートに配置され、前記第3領域の第1面は前記第4表面に配置され、前記第3領域の第2面は前記第2ガイドプレートに配置された、請求項3に記載の発電装置。
【請求項6】
前記離隔部材は断熱材を含む、請求項5に記載の発電装置。
【請求項7】
前記第3表面は前記第1流体が流入する方向に配置された表面である、請求項5に記載の発電装置。
【請求項8】
前記第1および第2ガイドプレートはそれぞれ第1および第2流体収集プレートおよび第1および第2流体拡散プレートに延びる、請求項3に記載の発電装置。
【請求項9】
前記第1および第2ガイドプレート間の距離は一定である、請求項8に記載の発電装置。
【請求項10】
前記第1および第2流体収集プレート間の距離は前記第1および第2ガイドプレートから遠ざかるほど遠くなり、前記第1および第2流体拡散プレート間の距離は前記第1および第2ガイドプレートから遠ざかるほど遠くなる、請求項9に記載の発電装置。
【請求項11】
前記第1および第2流体収集プレート間の距離および前記第1および第2流体拡散プレート間の距離は前記第1および第2ガイドプレート間の距離より大きい、請求項10に記載の発電装置。
【請求項12】
前記第1熱電モジュールと前記第2熱電モジュール間の幅は前記分岐部の幅より大きい、請求項3に記載の発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発電装置に関し、より詳細には熱電素子の低温部と高温部の温度差を利用して電力を生産する発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱電現象は材料内部の電子(electron)と正孔(hole)の移動によって発生する現象であり、熱と電気の間の直接的なエネルギー変換を意味する。
【0003】
熱電素子は熱電現象を利用する素子を総称し、P型熱電材料とN型熱電材料を金属電極の間に接合させてPN接合対を形成する構造を有する。
【0004】
熱電素子は電気抵抗の温度変化を利用する素子、温度差によって起電力が発生する現象であるゼーベック効果を利用する素子、電流による吸熱または発熱が発生する現象であるペルティエ効果を利用する素子などに区分され得る。
【0005】
熱電素子は家電製品、電子部品、通信用部品などに多様に適用されている。例えば、熱電素子は冷却用装置、温熱用装置、発電用装置などに適用され得る。これに伴い、熱電素子の熱電性能に対する要求はますます高まっている。
【0006】
最近、自動車、船舶などのエンジンから発生した高温の廃熱および熱電素子を利用して電気を発生させようとするニーズがある。この時、熱電素子の低温部側に第1流体が通過するダクトが配置され、熱電素子の高温部側に放熱フィンが配置され、第1流体より温度が高い第2流体が放熱フィンを通過することができる。これに伴い、熱電素子の低温部と高温部間の温度差によって電気が生成され得、発電装置の構造により発電モジュール性能が変わり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が達成しようとする技術的課題は、熱電素子の低温部と高温部の温度差を利用して電気を発生させる発電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例に係る発電装置は冷却部、前記冷却部の一表面に配置された熱電素子および前記熱電素子上に配置されたヒートシンクを含む熱電モジュール、前記熱電モジュールと対向して配置されるガイドプレート、そして前記冷却部の一表面に垂直な他表面に配置された分岐部を含み、前記ヒートシンクは互いに離隔した複数の放熱フィンを含み、前記分岐部と前記ガイドプレート間の水平方向の最短距離に対する前記ヒートシンクと前記ガイドプレート間の水平方向の最短距離の比は0.0625~0.25である。
【0009】
前記冷却部は第1流体が通過するダクトであり、前記分岐部は前記第1流体より温度が高い第2流体を分岐し、前記第2流体は前記熱電モジュールおよび前記ガイドプレートの間を通過することができる。
【0010】
前記分岐部と前記ガイドプレート間の水平方向の最短距離は前記熱電モジュールと対向する前記ガイドプレートの仮想の延長面と前記分岐部間の水平方向の最短距離であり得る。
【0011】
前記分岐部と前記ガイドプレート間の水平方向の最短距離に対する前記ヒートシンクと前記ガイドプレート間の水平方向の最短距離の比は0.0625~0.167であり得る。
【0012】
前記ヒートシンクと前記ガイドプレート間の水平方向の最短距離は1~3mmであり得る。
【0013】
前記熱電モジュールは前記ダクトの第1表面上に配置された第1熱電モジュールおよび前記第1表面に対向する前記ダクトの第2表面上に配置される第2熱電モジュールを含み、前記ガイドプレートは前記第1熱電モジュールと対向して配置される第1ガイドプレートおよび前記第2熱電モジュールと対向して配置される第2ガイドプレートを含み、前記第2流体は前記分岐部によって前記第1熱電モジュールと前記第1ガイドプレートの間および前記第2熱電モジュールと前記第2ガイドプレートの間に分岐され得る。
【0014】
前記分岐部は前記ダクトの前記第1表面および前記第2表面の間の第3表面上に配置され、前記第1表面に対して傾斜するように配置され得る。
【0015】
前記第3表面は前記第1表面に対して垂直となり得る。
【0016】
前記ダクトと前記ガイドプレートを所定間隔で離隔させる離隔部材をさらに含むことができる。
【0017】
前記離隔部材は前記ダクトの前記第1表面と前記第2表面の間に配置され、前記第3表面と垂直な第4表面に配置された第1領域、前記第1領域から前記第1表面に向かって延びた第2領域、そして前記第1領域から前記第2表面に向かって延びた第3領域を含み、前記第2領域の第1面は前記第1表面に配置され、前記第2領域の第2面は前記第1ガイドプレートに配置され、前記第3領域の第1面は前記第2表面に配置され、前記第3領域の第2面は前記第2ガイドプレートに配置され得る。
【0018】
本発明の一実施例に係る発電装置は冷却部、前記冷却部の表面の第1領域に配置された熱電素子および前記熱電素子上に配置されたヒートシンクを含む熱電モジュール、前記熱電モジュールと対向して配置されるガイドプレート、そして前記ダクトの表面の第2領域および前記ガイドプレートの間に配置された離隔部材を含み、前記ヒートシンクは前記ガイドプレートと所定距離で離隔し、前記離隔部材は前記ガイドプレートおよび前記冷却部と接触する。
【0019】
前記冷却部は第1流体が通過するダクトであり、前記ヒートシンクと前記ガイドプレートの間を第2流体が通過することができる。
【0020】
前記ダクトに配置されて前記第2流体を分岐する分岐部を含み、前記分岐部によって分岐された第2流体は前記熱電モジュールおよび前記ガイドプレートの間を通過することができる。
【0021】
前記分岐部と前記ガイドプレート間の水平方向の最短距離は6.5~20mmであり得る。
【0022】
前記分岐部と前記ガイドプレート間の水平方向の最短距離は前記熱電モジュールと対向する前記ガイドプレートの仮想の延長面と前記分岐部間の水平方向の最短距離であり得る。
【0023】
前記ヒートシンクと前記ガイドプレート間の最短距離は1~3mmであり得る。
【0024】
前記熱電モジュールは前記ダクトの第1表面上に配置された第1熱電モジュールおよび前記第1表面に対向する前記ダクトの第2表面上に配置される第2熱電モジュールを含み、前記ガイドプレートは前記第1熱電モジュールと対向して配置される第1ガイドプレートおよび前記第2熱電モジュールと対向して配置される第2ガイドプレートを含み、前記第2流体は前記分岐部によって前記第1熱電モジュールと前記第1ガイドプレートの間および前記第2熱電モジュールと前記第2ガイドプレートの間に分岐され得る。
【0025】
本発明の一実施例に係る発電システムは隣り合って配置される複数の発電装置を含み、各発電装置は、冷却部、前記冷却部の第1表面に配置された第1熱電素子および前記第1熱電素子上に配置された第1ヒートシンクを含む第1熱電モジュール、前記冷却部の第2表面に配置された第2熱電素子および前記第2熱電素子上に配置された第2ヒートシンクを含む第2熱電モジュール、そして前記冷却部の前記第1表面および前記第2表面の間に配置された離隔部材を含み、各発電装置の第1ヒートシンクおよび第2ヒートシンクのうち一つは隣り合う発電装置の第1ヒートシンクおよび第2ヒートシンクのうち一つと離隔し、各発電装置の離隔部材は隣り合う発電装置の離隔部材と接触する。
【0026】
前記複数の発電装置のうち一つである第1発電装置の第1ヒートシンクと離隔するように配置された第1ガイドプレート、そして前記複数の発電装置のうち他の一つの第2発電装置の第2ヒートシンクと離隔するように配置された第2ガイドプレートをさらに含み、前記第1発電装置の離隔部材は前記第1ガイドプレートと接触し、前記第2発電装置の離隔部材は前記第2ガイドプレートと接触することができる。
【0027】
前記第1発電装置と前記第2発電装置の間に前記複数の発電装置のうち残りの発電装置が配置され得る。
【0028】
本発明の他の実施例に係る発電装置は内部に流路を含む冷却部;および前記冷却部の一面上に配置される熱電モジュールを含み、前記流路は第1方向に沿って配置される複数の第1流路部、前記第1方向に対して垂直な第2方向に沿って配置される複数の第2流路部、および前記第1流路部と前記第2流路部を連結する複数のベンディング部を含み、前記複数の第2流路部は前記第1方向に互いに離隔して真っすぐに配置される第1直線部、第2直線部、および凹凸部を含み、前記凹凸部は前記第1直線部と前記第2直線部間に配置される。
【0029】
前記冷却部は前記流路と連結され、前記第2方向に互いに離隔する複数の突出部を含むことができる。
【0030】
前記冷却部は前記熱電モジュールが配置された一面と前記一面と対向する他面を貫通する複数の貫通ホールを含むことができる。
【0031】
前記冷却部と前記熱電モジュールを結合する複数の結合部材を含み、前記結合部材は前記複数の貫通ホールに配置され得る。
【0032】
前記複数の貫通ホールは前記凹凸部と前記突出部の間に配置される複数の第1貫通ホールを含むことができる。
【0033】
前記流路は前記複数の第1貫通ホールと前記突出部の間に配置された屈曲部を含み、前記第1直線部は前記屈曲部と凹凸部間に配置され得る。
【0034】
前記凹凸部は曲率が互いに同一の複数の曲率部が周期的に配置され得る。
【0035】
前記屈曲部は曲率が互いに異なる複数の曲率を有する領域を含むことができる。
【0036】
前記冷却部は前記複数の突出部が位置した第1側面、および前記第1側面と対向する第2側面を含み、前記複数の貫通ホールは前記凹凸部と前記第2側面の間に配置される複数の第2貫通ホールを含むことができる。
【0037】
前記複数の第1貫通ホール、および前記複数の第2貫通ホールは前記流路と前記第1方向に重なり、前記複数の貫通ホールは前記流路と前記第1方向に重ならない複数の第3貫通ホールを含み、前記複数の第3貫通ホールは前記複数の第1貫通ホールより前記第1側面にさらに隣接した第3-1貫通ホール、および前記複数の第2貫通ホールより前記第2側面にさらに隣接した第3-2貫通ホールを含むことができる。
【0038】
前記冷却部は、前記第1側面と前記第2側面の間に配置され、前記第1方向に沿って配置される第3側面、および前記第3側面と対向する第4側面を含み、前記流路と前記第2方向に重なる重複部、前記重複部と前記第3側面の間に位置した第1領域、および前記重複部と前記第4側面の間に位置した第2領域を含み、前記第2領域の前記第2方向の幅は前記第1領域の前記第2方向の幅より大きくてもよい。
【0039】
前記複数の第3貫通ホールは前記第2領域に位置することができる。
【0040】
前記第2領域にはコネクタが位置することができる。
【0041】
前記熱電モジュールは前記冷却部と結合部材を通じて結合され、前記結合部材は前記複数の貫通ホールに配置され得る。
【0042】
前記冷却部の一面から他面に向かう第3方向に沿って前記結合部材と前記流路が重ならないことができる。
【0043】
前記複数の突出部は第1突出部および第2突出部を含み、前記第1突出部および前記第2突出部は前記複数の第3貫通ホールと前記第1方向に重ならないことができる。
【0044】
前記複数の突出部は前記第1突出部および前記第2突出部と前記第2方向に離隔した第3突出部を含むことができる。
【0045】
本発明の他の実施例に係る発電装置は内部に流路を含み、前記流路と連結される複数の突出部を含む冷却部;および前記冷却部と結合される熱電モジュールを含み、前記複数の突出部は前記冷却部の第1外側面上に配置され、互いに第1方向に離隔する第1突出部、および第2突出部を含み、前記流路は第1突出部から前記冷却部の中心部に向かって螺旋状に延びる第1流路、および前記中心部から前記第2突出部に向かって螺旋状に延びる第2流路を含み、前記第1流路は前記第1外側面に隣接するように配置され、非規則的な第1凹凸部、および前記中心部に隣接するように配置され、規則的な周期を有する第2凹凸部を含む。
【0046】
前記冷却部は前記第1外側面と対向する第2外側面をさらに含み、前記第1流路は前記第1方向に沿って延びる第1直線部を含み、前記第2流路は前記第1方向に沿って延びる第2直線部、第3直線部、および第4直線部を含み、前記第3直線部は前記第2直線部と前記第2外側面間に配置され、前記第4直線部は前記第2直線部と前記第1外側面間に配置され、前記第2凹凸部は前記第2直線部と前記第4直線部間に配置され得る。
【0047】
前記冷却部は、第1外側面と第2外側面間に互いに対向して配置される第3外側面、および第4外側面を含み、前記熱電モジュールが配置される一面、および前記一面と対向する他面を含み、前記一面と他面を貫通する複数の貫通ホールを含み、前記複数の貫通ホールは前記第1凹凸部と第4直線部間に配置される第1貫通ホール、前記第2直線部と前記第3直線部間に配置される第2貫通ホール、および前記流路と前記第4外側面間に配置される複数の第3貫通ホールを含み、前記複数の第3貫通ホールは前記第1貫通ホールより前記第1外側面にさらに隣接するように配置される第3-1貫通ホール、および前記第2貫通ホールより前記第2外側面にさらに隣接するように配置される第3-2貫通ホールをさらに含み、前記流路と前記第4外側面の間の第1水平距離は前記流路と前記第3外側面の間の第2水平距離より大きくてもよい。
【発明の効果】
【0048】
本発明の実施例によると、発電モジュール性能が優秀な発電装置を得ることができる。
また、本発明の実施例によると、熱電素子への熱伝達効率が改善された発電装置を得ることができる。
【0049】
また、本発明の実施例によると、発電装置を通過する前と通過した後の流体の圧力差および流量を最適化して発電モジュールの効率を最大化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】本発明の一実施例に係る発電システムの斜視図である。
【0051】
【
図2】本発明の一実施例に係る発電システムの分解斜視図である。
【0052】
【
図3】本発明の一実施例に係る発電システム内に含まれた発電装置の斜視図である。
【0053】
【
図4】本発明の一実施例に係る発電装置の分解図である。
【0054】
【
図5】本発明の一実施例に係る発電装置に含まれた発電モジュールの斜視図である。
【0055】
【
図6】本発明の一実施例に係る発電モジュールの分解斜視図である。
【0056】
【
図7(a)】本発明の一実施例に係る発電モジュールの一部拡大図である。
【
図7(b)】本発明の一実施例に係る発電モジュールの一部拡大図である。
【0057】
【
図8】本発明の一実施例に係る発電モジュールに含まれる熱電素子の断面図および斜視図である。
【
図9】本発明の一実施例に係る発電モジュールに含まれる熱電素子の断面図および斜視図である。
【0058】
【
図10】本発明の一実施例に係る発電装置の一部断面図である。
【0059】
【
図11】本発明の一実施例に係る発電装置の平面図である。
【0060】
【
図12(a)】ヒートシンクとガイドプレート間の距離と熱電素子の温度差間の関係を示す。
【
図12(b)】ヒートシンクとガイドプレート間の距離と第2流体の圧力差間の関係を示す。
【
図12(c)】熱電素子の温度差と第2流体の圧力差を補正してヒートシンクとガイドプレート間の距離との関係を示したグラフである。
【0061】
【
図13】本発明の他の実施例に係る発電システムを示す。
【0062】
【
図14】本発明の一実施例に係る発電モジュールの上面図である。
【0063】
【
図15】本発明の一実施例に係る冷却部の断面図である。
【0064】
【
図16】本発明の他の実施例に係る冷却部の断面図である。
【0065】
【
図17】本発明のさらに他の実施例に係る冷却部の断面図である。
【0066】
【
図18】本発明のさらに他の実施例に係る冷却部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0068】
ただし、本発明の技術思想は説明される一部の実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現され得、本発明の技術思想範囲内であれば、実施例間にその構成要素のうち一つ以上を選択的に結合、置き換えて使うことができる。
【0069】
また、本発明の実施例で使われる用語(技術および科学的用語を含む)は、明白に特に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般的に理解され得る意味で解釈され得、辞書に定義された用語のように一般的に使われる用語は関連技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈できるであろう。
【0070】
また、本発明の実施例で使われた用語は実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。
【0071】
本明細書で、単数型は文面で特に言及しない限り複数型も含むことができ、「Aおよび(と)B、Cのうち少なくとも一つ(または一つ以上)」と記載される場合、A、B、Cで組み合わせできるすべての組み合わせのうち一つ以上を含むことができる。
【0072】
また、本発明の実施例の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を使うことができる。
【0073】
このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって該当構成要素の本質や順番または順序などに限定されない。
【0074】
そして、或る構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結、結合または接続される場合だけでなく、その構成要素とその他の構成要素の間にあるさらに他の構成要素によって「連結」、「結合」または「接続」される場合も含むことができる。
【0075】
また、各構成要素の「上(うえ)または下(した)」に形成または配置されるものと記載される場合、上(うえ)または下(した)は二つの構成要素が互いに直接接触する場合だけでなく一つ以上のさらに他の構成要素が二つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また、「上(うえ)または下(した)」で表現される場合、一つの構成要素を基準として上側方向だけでなく下側方向の意味も含むことができる。
【0076】
図1は本発明の一実施例に係る発電システムの斜視図であり、
図2は本発明の一実施例に係る発電システムの分解斜視図であり、
図3は本発明の一実施例に係る発電システム内に含まれた発電装置の斜視図である。
図4は本発明の一実施例に係る発電装置の分解図であり、
図5は本発明の一実施例に係る発電装置に含まれた発電モジュールの斜視図であり、
図6は本発明の一実施例に係る発電モジュールの分解斜視図である。
図7は本発明の一実施例に係る発電モジュールの一部拡大図であり、
図8~
図9は本発明の一実施例に係る発電モジュールに含まれる熱電素子の断面図および斜視図である。
【0077】
図1~
図2を参照すると、発電システム10は発電装置1000および流体管2000を含む。
【0078】
流体管2000に流入する流体は自動車、船舶などのエンジンやまたは発電所、製鉄所などで発生する熱源であり得るが、これに制限されるものではない。流体管2000から排出される流体の温度は流体管2000に流入する流体の温度より低い。例えば、流体管2000に流入する流体の温度は100℃以上、好ましくは200℃以上、さらに好ましくは220℃~250℃であり得るが、これに制限されるものではなく、熱電素子の低温部および高温部間の温度差により多様に適用され得る。
【0079】
流体管2000は流体流入部2100、流体通過部2200および流体排出部2300を含む。流体流入部2100を通じて流入した流体は流体通過部2200を通過して流体排出部2300を通じて排出される。この時、流体通過部2200には本発明の実施例に係る発電装置1000が配置され、発電装置1000は発電装置1000を通過する第1流体と流体通過部2200を通過する第2流体間の温度差を利用して電気を生成する。ここで、第1流体は冷却用流体であり得、第2流体は第1流体より温度が高い高温の流体であり得る。本発明の実施例に係る発電装置1000は熱電素子の一面に流れる第1流体と熱電素子の他面に流れる第2流体間の温度差を利用して電気を生成することができる。したがって、本明細書で第1流体および/または第2流体は気体、液体などを含むことができる。流体流入部2100および流体排出部2300の断面形状が流体通過部2200の断面形状と異なる場合、流体管2000は流体流入部2100と流体通過部2200を連結する第1連結部2400および流体通過部2200と流体排出部2300を連結する第2連結部2500をさらに含んでもよい。例えば、一般的な流体流入部2100および流体排出部2300は円筒状であり得る。これに反し、発電装置1000が配置される流体通過部2200は四角筒または多角筒の形状であり得る。これに伴い、一末端は円筒状であり、他末端は四角筒状である第1連結部2400と第2連結部2500を媒介として流体流入部2100および流体通過部2200の一末端が連結され、流体排出部2300および流体通過部2200の他末端が連結され得る。
【0080】
この時、流体流入部2100と第1連結部2400、第1連結部2400と流体通過部2200、流体通過部2200と第2連結部2500および第2連結部2500と流体排出部2300等は締結部材によって連結され得る。
【0081】
前述した通り、本発明の一実施例に係る発電装置1000は流体通過部2200内に配置され得る。発電システム10の組立を容易にするために、流体通過部2200の一面は開閉が可能な構造で設計され得る。流体通過部2200の一面2210を開放した後、発電装置1000を流体通過部2200内に収容し、流体通過部2200の開放された一面2210をカバー2220で覆うことができる。この時、カバー2220は流体通過部2200の開放された一面2210と複数の締結部材によって締結され得る。
【0082】
第1流体が外部から発電装置1000に供給された後に再び外部に排出され、発電装置1000に連結された配線は外部に引き出される場合、第1流体の流入および排出と配線引き出しのために、カバー2220には複数のホール2222が形成されてもよい。
【0083】
図3~
図7を参照すると、本発明の実施例に係る発電装置1000はダクト1100、第1熱電モジュール1200、第2熱電モジュール1300、分岐部1400、離隔部材1500、シールド部材1600および断熱部材1700を含む。そして、本発明の実施例に係る発電装置1000はガイドプレート1800および支持フレーム1900をさらに含む。
【0084】
図5に図示された通り、ダクト1100、第1熱電モジュール1200、第2熱電モジュール1300、分岐部1400、離隔部材1500、シールド部材1600および断熱部材1700は一つのモジュールで組み立てられ得、本明細書でこれを発電モジュールと指称し得る。
【0085】
本発明の実施例に係る発電装置1000はダクト1100の内部を通じて流れる第1流体およびダクト1100の外部に配置された第1熱電モジュール1200および第2熱電モジュール1300のヒートシンク1220、1320を通過する第2流体間の温度差を利用して電力を生産することができる。
【0086】
本明細書で、ダクト1100の内部を通じて流れる第1流体の温度はダクト1100の外部に配置された熱電モジュール1200、1300のヒートシンク1220、1320を通過する第2流体の温度より低くてもよい。本明細書で、第1流体は冷却用冷却水であり得、第2流体は高温の気体であり得る。このために、第1熱電モジュール1200はダクト1100の一表面に配置され、第2熱電モジュール1300はダクト1100の他表面に配置され得る。この時、第1熱電モジュール1200と第2熱電モジュール1300それぞれの両面のうち、ダクト1100に向かうように配置される面が低温部となり、低温部と高温部間の温度差を利用して電力を生産することができる。これに伴い、本明細書で、ダクト1100は冷却部と指称され得る。
【0087】
ダクト1100に流入する第1流体は水であり得るが、これに制限されるものではなく、冷却性能がある多様な種類の流体であり得る。ダクト1100に流入する第1流体の温度は100℃未満、好ましくは50℃未満、さらに好ましくは40℃未満であり得るが、これに制限されるものではない。ダクト1100を通過した後に排出される第1流体の温度はダクト1100に流入する第1流体の温度より高くてもよい。各ダクト1100は第1表面1110、第1表面1110に対向して第1表面1110と平行に配置された第2表面1120、第1表面1110と第2表面1120の間に配置された第3表面1130および第1表面1110と第2表面1120の間で第3表面1130に垂直となるように配置された第4表面1140、第3表面1130に対向するように配置された第5表面1150および第4表面1140に対向するように配置された第6表面1160を含み、ダクトの内部に第1流体が通過する。ダクト1100の第1表面1110および第2表面1120それぞれに第1熱電モジュール1200および第2熱電モジュール1300が配置された場合、第3表面1130は第2流体が流入する方向に配置された表面であり、第4表面1140は第1流体が流入および排出される方向に配置された表面であり得る。このために、ダクト1100の第4表面1140には第1流体流入口1142および第1流体排出口1144が形成され得る。第1流体流入口1142および第1流体排出口1144はダクト1100内の流体通過管と連結され得る。これに伴い、第1流体流入口1142から流入した第1流体は流体通過管を通過した後に第1流体排出口1144から排出され得る。
【0088】
図示されてはいないが、ダクト1100の内壁には放熱フィンが配置されてもよい。放熱フィンの形状、個数およびダクト1100の内壁を占める面積などは第1流体の温度、廃熱の温度、要求される発電モジュール容量などにより多様に変更され得る。放熱フィンがダクト1100の内壁を占める面積は、例えばダクト1100の断面積の1~40%であり得る。これによると、第1流体の流動を妨げないながらも、高い熱電変換効率を得ることが可能である。この時、放熱フィンは第1流体の流動を妨げない形状を有することができる。例えば、放熱フィンは第1流体が流れる方向に沿って形成され得る。すなわち、放熱フィンは第1流体流入口から第1流体排出口に向かう方向に延びたプレート形状であり得、複数の放熱フィンは所定の間隔で離隔するように配置され得る。放熱フィンはダクト1100の内壁と一体に形成されてもよい。
【0089】
本発明の実施例によると、流体通過部2200を通じて流れる第2流体の方向とダクト1100を通じて流れる第1流体の流入/排出方向は異なり得る。例えば、第1流体の流入/排出方向と第2流体の通過方向は約90°異なり得る。これによると、全領域で均一な熱変換性能を得ることが可能である。
【0090】
一方、第1熱電モジュール1200はダクト1100の第1表面1110上に配置され、第2熱電モジュール1300はダクト1100の第2表面1120上で第1熱電モジュール1200に対称となるように配置され得る。
【0091】
第1熱電モジュール1200および第2熱電モジュール1300はスクリューまたはコイルスプリングを利用してダクト1100と締結され得る。これに伴い、第1熱電モジュール1200および第2熱電モジュール1300はダクト1100の表面に安定的に結合することができる。または第1熱電モジュール1200および第2熱電モジュール1300のうち少なくとも一つは熱伝達物質(thermal interface material、TIM)を利用してダクト1100の表面に接着されてもよい。コイルスプリングおよび/または熱伝達物質(thermal interface material、TIM)および/またはスクリューを利用することによって、第1熱電モジュール1200および第2熱電モジュール1300に印加される熱の均一度を高温でも均一に制御することができる。
【0092】
一方、
図7(a)に図示された通り、第1熱電モジュール1200および第2熱電モジュール1300それぞれは第1表面1110および第2表面1120それぞれに配置された熱電素子1210、1310および熱電素子1210、1310に配置されたヒートシンク1220、1320を含む。このように、熱電素子1210、1310の両面のうち一面に第1流体が流れるダクト1100が配置され、他面にヒートシンク1220、1320が配置され、ヒートシンク1220、1320を通じて第2流体が通過すると、熱電素子1210、1310の吸熱面と放熱面間の温度差を大きくすることができ、これに伴い、熱電変換効率を上げることができる。この時、第1表面1110から熱電素子1210およびヒートシンク1220に向かう方向を第1方向と定義する場合、ヒートシンク1220の第1方向の長さは熱電素子1210の第1方向の長さより長くてもよい。これによると、第2流体とヒートシンク1220間の接触面積が増加するため、熱電素子1210の吸熱面の温度が高くなり得る。
【0093】
この時、
図7(b)を参照すると、ヒートシンク1220、1320と熱電素子1210、1310は複数の締結部材1230、1330によって締結され得る。ここで、締結部材1230、1330はコイルスプリングまたはスクリューなどであり得る。このために、放熱フィン1220、1320と熱電素子1210、1310の少なくとも一部には締結部材1230、1330が貫通する貫通ホールSが形成され得る。ここで、貫通ホールSと締結部材1230、1330の間には別途の絶縁体1240、1340がさらに配置され得る。別途の絶縁体1240、1340は締結部材1230、1330の外周面を囲む絶縁体または貫通ホールSの壁面を囲む絶縁体であり得る。例えば、絶縁体1240、1340はリング状であり得る。リング状を有する絶縁体1240、1340の内周面は締結部材1230、1330の外周面に配置され、絶縁体1240、1340の外周面は貫通ホールSの内周面に配置され得る。これによると、締結部材1230、1330とヒートシンク1220、1320および熱電素子1210、1310の間が絶縁され得る。
【0094】
この時、熱電素子1210、1310の構造は
図8~9に例示された熱電素子100の構造を有することができる。
図8~
図9を参照すると、熱電素子100は下部基板110、下部電極120、P型熱電レッグ130、N型熱電レッグ140、上部電極150および上部基板160を含む。
【0095】
下部電極120は下部基板110とP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の下部底面間に配置され、上部電極150は上部基板160とP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の上部底面間に配置される。これに伴い、複数のP型熱電レッグ130および複数のN型熱電レッグ140は下部電極120および上部電極150によって電気的に連結される。下部電極120と上部電極150の間に配置され、電気的に連結される一対のP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140は単位セルを形成することができる。
【0096】
例えば、口出し線181、182を通じて下部電極120および上部電極150に電圧を印加すると、ペルティエ効果によってP型熱電レッグ130からN型熱電レッグ140に電流が流れる基板は熱を吸収して冷却部として作用し、N型熱電レッグ140からP型熱電レッグ130に電流が流れる基板は加熱して発熱部として作用することができる。または下部電極120および上部電極150間に温度差を加えると、ゼーベック効果によってP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140内の電荷が移動し、電気が発生することもある。
【0097】
ここで、P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140はビズマス(Bi)およびテルル(Te)を主原料で含むビスマステルライド(Bi-Te)系熱電レッグであり得る。P型熱電レッグ130はアンチモン(Sb)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、テルル(Te)、ビズマス(Bi)およびインジウム(In)のうち少なくとも一つを含むビスマステルライド(Bi-Te)系熱電レッグであり得る。例えば、P型熱電レッグ130は全体重量100wt%に対して主原料物質であるBi-Sb-Teを99~99.999wt%で含み、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)およびインジウム(In)のうち少なくとも一つを0.001~1wt%で含むことができる。N型熱電レッグ140はセレニウム(Se)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、テルル(Te)、ビズマス(Bi)およびインジウム(In)のうち少なくとも一つを含むビスマステルライド(Bi-Te)系熱電レッグであり得る。例えば、N型熱電レッグ140は全体重量100wt%に対して主原料物質であるBi-Se-Teを99~99.999wt%で含み、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)およびインジウム(In)のうち少なくとも一つを0.001~1wt%で含むことができる。
【0098】
P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140はバルク型または積層型で形成され得る。一般的にバルク型P型熱電レッグ130またはバルク型N型熱電レッグ140は熱電素材を熱処理してインゴット(ingot)を製造し、インゴットを粉砕して篩い分けして熱電レッグ用粉末を獲得した後、これを焼結し、焼結体をカッティングする過程を通じて得られ得る。この時、P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140は多結晶熱電レッグであり得る。このように、P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140は多結晶熱電レッグである場合、P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の強度が高くなり得る。積層型P型熱電レッグ130または積層型N型熱電レッグ140はシート状の基材上に熱電素材を含むペーストを塗布して単位部材を形成した後、単位部材を積層しカッティングする過程を通じて得られ得る。
【0099】
この時、一対のP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140は同じ形状および体積を有したり、互いに異なる形状および体積を有することができる。例えば、P型熱電レッグ130とN型熱電レッグ140の電気伝導特性が異なるので、N型熱電レッグ140の高さまたは断面積をP型熱電レッグ130の高さまたは断面積と異なるように形成してもよい。
【0100】
この時、P型熱電レッグ130またはN型熱電レッグ140は円筒状、多角柱状、楕円形柱状などを有することができる。
【0101】
本発明の一実施例に係る熱電素子の性能は熱電性能指数(figure of merit、ZT)で表すことができる。熱電性能指数(ZT)は数学式1のように表すことができる。
【0102】
【0103】
ここで、αはゼーベック係数[V/K]であり、σは電気伝導度[S/m]であり、α2σはパワー因子(Power Factor、[W/mK2])である。そして、Tは
温度であり、kは熱伝導度[W/mK]である。kはa・cp・ρで表すことができ、aは熱拡散度[cm2/S]であり、cpは比熱[J/gK]であり、ρは密度[g/cm3]である。
【0104】
熱電素子の熱電性能指数を得るために、Zメーターを利用してZ値
(V/K)を測定し、測定したZ値を利用して熱電性能指数(ZT)を計算することができる。
【0105】
ここで、下部基板110とP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の間に配置される下部電極120、そして上部基板160とP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の間に配置される上部電極150は銅(Cu)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)およびニッケル(Ni)のうち少なくとも一つを含み、0.01mm~0.3mmの厚さを有することができる。下部電極120または上部電極150の厚さが0.01mm未満の場合、電極として機能が落ちることになって電気伝導性能が低くなり得、0.3mmを超過する場合、抵抗の増加によって伝導効率が低くなり得る。
【0106】
そして、相互に対向する下部基板110と上部基板160は金属基板であり得、その厚さは0.1mm~1.5mmであり得る。金属基板の厚さが0.1mm未満であるか、1.5mmを超過する場合、放熱特性または熱伝導率が過度に高くなり得るため、熱電素子の信頼性が低下し得る。また、下部基板110と上部基板160が金属基板である場合、下部基板110と下部電極120の間および上部基板160と上部電極150の間にはそれぞれ絶縁層170がさらに形成され得る。絶縁層170は1~20W/mKの熱伝導度を有する素材を含むことができる。この時、絶縁層170はエポキシ樹脂およびシリコン樹脂のうち少なくとも一つと無機物を含む樹脂組成物であるか、シリコンと無機物を含むシリコン複合体からなる層であるか、酸化アルミニウム層であり得る。ここで、無機物はアルミニウム、ホウ素、ケイ素などの酸化物、窒化物および炭化物のうち少なくとも一つであり得る。
【0107】
この時、下部基板110と上部基板160の大きさは異なるように形成されてもよい。
すなわち、下部基板110と上部基板160のうち一つの体積、厚さまたは面積は他の一つの体積、厚さまたは面積より大きく形成され得る。ここで、厚さは下部基板110から上部基板160に向かう方向に対する厚さであり得、面積は基板110から上部基板160に向かう方向に垂直な方向に対する面積であり得る。これに伴い、熱電素子の吸熱性能または放熱性能を高めることができる。好ましくは、下部基板110の体積、厚さまたは面積は上部基板160の体積、厚さまたは面積のうち少なくとも一つより大きく形成され得る。この時、下部基板110はゼーベック効果のために高温領域に配置される場合、ペルティエ効果のために発熱領域に適用される場合、または後述する熱電素子の外部環境から保護のためのシーリング部材が下部基板110上に配置される場合に、上部基板160より体積、厚さまたは面積のうち少なくとも一つをより大きくすることができる。この時、下部基板110の面積は上部基板160の面積対比1.2~5倍の範囲で形成することができる。下部基板110の面積が上部基板160に比べて1.2倍未満で形成される場合、熱伝達効率の向上に及ぼす影響は高くなく、5倍を超過する場合にはかえって熱伝達効率が顕著に落ち、熱電モジュールの基本形状を維持することが困難であり得る。
【0108】
また、下部基板110と上部基板160のうち少なくとも一つの表面には放熱パターン、例えば凹凸パターンが形成されてもよい。これに伴い、熱電素子の放熱性能を高めることができる。凹凸パターンがP型熱電レッグ130またはN型熱電レッグ140と接触する面に形成される場合、熱電レッグと基板間の接合特性も向上し得る。熱電素子100は下部基板110、下部電極120、P型熱電レッグ130、N型熱電レッグ140、上部電極150および上部基板160を含む。
【0109】
図示されてはいないが、下部基板110と上部基板160の間にはシーリング部材がさらに配置されてもよい。シーリング部材は下部基板110と上部基板160の間で下部電極120、P型熱電レッグ130、N型熱電レッグ140および上部電極150の側面に配置され得る。これに伴い、下部電極120、P型熱電レッグ130、N型熱電レッグ140および上部電極150は外部の湿気、熱、汚染などからシーリングされ得る。
【0110】
この時、ダクト1100上に配置される下部基板110はアルミニウム基板であり得、アルミニウム基板は第1表面1110および第2表面1120それぞれと熱伝達物質(thermal interface material、TIM)によって接着され得る。
アルミニウム基板は熱伝達性能が優秀であるため、熱電素子1210、1310の両面のうち一面と第1流体が流れるダクト1100間の熱伝達が容易である。また、アルミニウム基板と第1流体が流れるダクト1100が熱伝達物質(thermal interf
ace material、TIM)によって接着されると、アルミニウム基板と第1流
体が流れるダクト1100間の熱伝達が妨害を受けないことができる。ここで、熱伝達物質(TIM)は熱伝達性能および接着性能を有する物質であり、例えばエポキシ樹脂およびシリコン樹脂のうち少なくとも一つおよび無機物を含む樹脂組成物であり得る。ここで、無機物はアルミニウム、ホウ素、ケイ素などの酸化物、炭化物または窒化物であり得る。
【0111】
再び
図3~
図7を参照すると、第1熱電モジュール1200、ダクト1100および第2熱電モジュール1300間のシーリングおよび断熱効果を高めるために、本発明の実施例に係る発電モジュールはシールド部材1600および断熱部材1700をさらに含むことができる。断熱部材1700は、例えばダクト1100の表面のうち第1熱電モジュール1200および第2熱電モジュール1300が配置された領域を除いた表面に配置され得る。これに伴い、第1流体および第2流体の熱損失を防止することができ、第1熱電モジュール1200および第2熱電モジュール1300それぞれの低温部および高温部間の温度差を大きくして発電モジュール性能を高めることができる。また、シールド部材1600はダクト1100の表面のうち第1熱電モジュール1200および第2熱電モジュール1300が配置された領域を除いた表面に配置され得る。第1熱電モジュール1200および第2熱電モジュール1300に連結された配線およびコネクタを外部の湿気または汚染から保護することができる。
【0112】
一方、ガイドプレート1800は流体通過部2200内で第2流体の流れをガイドするプレートであり、流体通過部2200内に流入した第2流体はガイドプレート1800に沿って流れた後に排出され得る。
【0113】
第1ガイドプレート1800-1は第1熱電モジュール1200と対向するように配置され、第2ガイドプレート1800-2は第2熱電モジュール1300と対向するように配置され得、第2流体は第1熱電モジュール1200と第1ガイドプレート1800-1の間および第2熱電モジュール1300と第2ガイドプレート1800-2の間を通過することができる。
【0114】
この時、ガイドプレート1800-1、1800-2の両側は流体収集プレート1810-1、1810-2および流体拡散プレート1820-1、1820-2に延長され得る。流体収集プレート1810-1、1810-2は流体通過部2200の入口、すなわち第1連結部2400に向かって延びるプレートであり、流体拡散プレート1820-1、1820-2は流体通過部2200の出口、すなわち第2連結部2500に向かって延びるプレートを意味し得る。この時、流体収集プレート1810-1、1810-2、ガイドプレート1800-1、1800-2および流体拡散プレート1820-1、1820-2は一体に連結されたプレートであり得る。第1熱電モジュール1200に対向して配置された第1ガイドプレート1800-1および第2熱電モジュール1300に対向して配置された第2ガイドプレート1800-2は一定の距離d3を維持して対称に配置され得る。ここで、第1ガイドプレート1800-1および第2ガイドプレート1800-2間の距離d3は第1ガイドプレート1800-1から第2ガイドプレート1800-2に向かう水平方向の距離であり得る。これによると、第2流体が第1熱電モジュール1200および第1ガイドプレート1800-1の間および第2熱電モジュール1300および第2ガイドプレート1800-2の間を一定の流速で通過できるため、均一な熱電性能を得ることができる。これに反し、第1ガイドプレート1800-1から延びた第1流体収集プレート1810-1および第2ガイドプレート1800-2から延びた第2流体収集プレート1810-2の間の距離d4、d4’は流体通過部2200の入口に近づくほど遠ざかるように対称に配置され得る。ここで、第1流体収集プレート1810-1および第2流体収集プレート1810-2の間の距離は第1流体収集プレート1810-1から第2流体収集プレート1810-2に向かう水平方向の距離であり得る。これと同様に、第1ガイドプレート1800-1から延びた第1流体拡散プレート1820-1および第2ガイドプレート1800-2から延びた第2流体拡散プレート1820-2の間の距離も流体通過部2200の出口に近づくほど遠ざかるように対称に配置され得る。これに伴い、流体通過部2200の入口を通じて流入した第2流体は流体収集プレート1810-1、1810-2で集められた後に熱電モジュール1200、1300とガイドプレート1800の間を通過し、流体拡散プレート1820-1、1820-2で拡散した後に流体通過部2200の出口を通じて排出され得る。これによると、第2流体が熱電モジュール1200、1300とガイドプレート1800の間を通過する前と通過した後の第2流体の圧力差を最小化できるため、第2流体が流体通過部2200の入口方向に逆流する問題を防止することができる。
【0115】
この時、支持フレーム1900は第1~第2ガイドプレート1800-1、1800-2、第1~第2流体収集プレート1810-1、1810-2および第1~第2流体拡散プレート1820-1、1820-2を支持する。すなわち、支持フレーム1900は第1支持フレーム1900-1および第2支持フレーム1900-2を含み、第1支持フレーム1900-1および第2支持フレーム1900-2の間に第1~第2ガイドプレート1800-1、1800-2、第1~第2流体収集プレート1810-1、1810-2および第1~第2流体拡散プレート1820-1、1820-2が固定され得る。
【0116】
一方、本発明の実施例によると、分岐部1400は流体通過部2200に流入する第2流体を分岐することができる。分岐部1400によって分岐された第2流体は第1熱電モジュール1200と第1ガイドプレート1800-1の間および第2熱電モジュール1300と第2ガイドプレート1800-2の間を通過することができる。
【0117】
分岐部1400はダクト1100の第1表面1110と第2表面1120の間に配置され得る。例えば、ダクト1100の第3表面1130が第2流体が流入する方向に向かうように配置される場合、分岐部1400はダクト1100の第3表面1130側に配置され得る。または分岐部1400は流体力学的な原理によってダクト1100の第3表面1130に対向する第5表面1150側にも配置され得る。
【0118】
分岐部1400はダクト1100の第3表面1130上で第3表面1130の両端から第3表面1130の両端の間の中心に行くほど第3表面1130との距離が遠くなる形状を有することができる。すなわち、分岐部1130が配置される第3表面1130は第1表面1110および第2表面1120と略垂直であり、分岐部1400はダクト1100の第1表面1110および第2表面1120に対して傾斜するように配置され得る。例えば、分岐部1400は傘状または屋根状を有することができる。これに伴い、第2流体、例えば廃熱が分岐部1400を通じて分岐され、発電装置の両面に配置された第1熱電モジュール1200および第2熱電モジュール1300に接触するようにガイドされ得る。
すなわち、第2流体は分岐部1400を通じて分岐され、第1熱電モジュール1200と第1ガイドプレート1800-1の間および第2熱電モジュール1300と第2ガイドプレート1800-2の間を通過することができる。
【0119】
一方、第1熱電モジュール1200の第1ヒートシンク1220の外側と第2熱電モジュール1300の第2ヒートシンク1320の外側の間の幅W1は分岐部1400の幅W2より大きくてもよい。ここで、第1ヒートシンク1220の外側と第2ヒートシンク1320の外側それぞれはダクト1100に向かう側の反対側を意味し得る。ここで、第1ヒートシンク1220および第2ヒートシンク1320それぞれは複数の放熱フィンを含むことができ、複数の放熱フィンは気体の流れを妨げない方向に形成され得る。例えば、複数の放熱フィンは気体が流れる第2方向に沿って延びたプレート状を有することができる。または複数の放熱フィンは気体が流れる第2方向に沿って流路が形成されるようにフォールディングされている形状を有してもよい。この時、第1熱電モジュール1200の第1ヒートシンク1220と第2熱電モジュール1300の第2ヒートシンク1320の間の最大幅W1は、ダクト1100を基準として第1ヒートシンク1220の最も遠い地点から第2ヒートシンク1320の最も遠い地点までの距離を意味し得、分岐部1400の最大幅W2はダクト1100の第3表面1130と最も近い領域での分岐部1400の幅を意味し得る。これによると、第2流体の流れが分岐部1400によって妨げられずに、第1ヒートシンク1220および第2ヒートシンク1320に直接伝達され得る。これに伴い、第2流体と第1ヒートシンク1220および第2ヒートシンク1320間の接触面積が大きくなることになって第1ヒートシンク1220および第2ヒートシンク1320が第2流体から受ける熱量が増加し、発電モジュールの効率が高くなり得る。
【0120】
一方、第1ガイドプレート1800-1は第1熱電モジュール1200の第1ヒートシンク1220と所定間隔離隔するように対称に配置され、第2ガイドプレート1800-2は第2熱電モジュール1300の第2ヒートシンク1320と所定間隔離隔するように対称に配置され得る。ここで、ガイドプレート1800-1、1800-2と各熱電モジュールのヒートシンク間の間隔は各熱電モジュールのヒートシンクと接触する第2流体がヒートシンクを通過する前と後の圧力差に影響を及ぼし得、これに伴い、発電モジュール性能に影響を及ぼし得る。
【0121】
本発明の実施例によると、発電モジュール性能を最適化させるために要求される間隔でガイドプレート1800-1、1800-2と各熱電モジュールのヒートシンク間の間隔を維持しようとする。
【0122】
図10(a)および
図10(b)は本発明の一実施例に係る発電装置の一部断面図である。
【0123】
図10(a)および
図10(b)を参照すると、分岐部1400とガイドプレート1800-1、1800-2間の水平方向の最短距離d1に対するヒートシンク1220、1320とガイドプレート1800-1、1800-2間の水平方向の最短距離d2の比は0.0625~0.25、好ましくは0.0625~0.167であり得る。ここで、水平方向は第1ガイドプレート1800-1から第2ガイドプレート1800-2に向かう方向と定義され得る。もし、
図10(b)で図示された通り、ガイドプレート1800-1、1800-2が分岐部1400の水平方向に配置されず、分岐部1400の水平方向に流体収集プレート1810-1、1810-2が配置された場合、すなわち、第1流体収集プレート1810-1、分岐部1400および第2流体収集プレート1810-2が水平方向に順次配置され、第1流体収集プレート1810-1と第1ガイドプレート1800-1間の境界および第2流体収集プレート1810-2と第2ガイドプレート1800-2間の境界が分岐部1400と熱電モジュール1200、1300の間の第1表面1110および第2表面1120に水平方向に配置された場合、分岐部1400とガイドプレート1800-1、1800-2間の水平方向の最短距離d1は熱電モジュール1200、1300と対向するガイドプレート1800-1、1800-2の仮想の延長面1800-E1、1800-E2と分岐部1400間の水平方向の最短距離を意味し得る。
【0124】
このような条件を満足するために、分岐部1400とガイドプレート1800-1、1800-2間の最短距離d1に対するヒートシンク1220、1320とガイドプレート1800-1、1800-2間の最短距離d2の比は0.25以下、好ましくは0.0625~0.25、さらに好ましくは0.0625~0.167であり得る。
【0125】
例えば、ヒートシンク1220、1320の水平方向の長さは6.5~15mmであり得る。そして、ヒートシンク1220、1320とガイドプレート1800-1、1800-2間の水平方向の最短距離d2は5mm以下、好ましくは1~5mm、さらに好ましくは1~3mmであり得る。これに伴い、分岐部1400とガイドプレート1800-1、1800-2間の水平方向の最短距離は6.5~20mmであり得る。
【0126】
例えば、第1ヒートシンク1220の長さが15mmである場合、第1ヒートシンク1220と第1ガイドプレート1800-1間の最短距離d1は5mm以下、好ましくは1~5mm、さらに好ましくは1~3mmであり得る。
【0127】
これによると、第2流体が熱電モジュール1200、1300を通過する前と通過した後の第2流体の圧力差を最小化し、第2流体の流動空間を最適化することができる。これに伴い、第2流体と熱電モジュール1200、1300のヒートシンク1220、1320間の接触面積が最大化されて熱電モジュール1200、1300の高温部と低温部間の温度差を高くすることができ、結果として発電性能を高めることができる。
【0128】
一方、本発明の実施例によると、分岐部1400とガイドプレート1800-1、1800-2間の最短距離d1に対するヒートシンク1220、1320とガイドプレート1800-1、1800-2間の最短距離d2の比は0.25以下、好ましくは0.0625~0.25、さらに好ましくは0.0625~0.167に維持するために、ダクト1100とガイドプレート1800-1、1800-2を離隔させる離隔部材1500をさらに含むことができる。
【0129】
図11は、本発明の一実施例に係る発電装置の平面図である。
【0130】
図11を参照すると、離隔部材1500はガイドプレート1800-1、1800-2およびダクト1100と接触し、ガイドプレート1800-1、1800-2とダクト1100の間を所定間隔で離隔させることができる。ここで、接触は直接接触することだけでなく、他の媒介体を通じて間接接触することも意味し得る。
【0131】
本発明の実施例によると、離隔部材1500はダクト1100の第1表面1110と第2表面1120の間に配置され得る。分岐部1400がダクト1100の第1表面1110と第2表面1120の間の第3表面1130に配置された場合、離隔部材1500はダクト1100の第1表面1110と第2表面1120の間で第3表面1130に垂直となるように配置される第4表面1140に配置され得る。
【0132】
ここで、分岐部1400が配置される第3表面1130は第2流体が流入する方向に配置された表面であり、離隔部材1500が配置される第4表面1140は第1流体が流入する方向に配置された表面であり得る。
【0133】
本発明の一実施例によると、離隔部材1500はダクト1100の第1表面1110と第1ガイドプレート1800-1間の水平距離およびダクト1100の第2表面1120と第2ガイドプレート1800-2間の水平距離を所定距離で離隔させる。これに伴い、第1熱電モジュール1200の第1ヒートシンク1220と第1ガイドプレート1800-1間の水平距離および第2熱電モジュール1300の第2ヒートシンク1320と第2ガイドプレート1800-2間の水平距離が所定距離で離隔し得る。この時、離隔部材1500は断熱材を含むことができる。これに伴い、ガイドプレート1800-1、1800-2に沿って流れる第2流体とダクト1100内部を流れる第1流体の間を断熱することができる。
【0134】
このために、離隔部材1500は分岐部1400が配置されたダクト1100の第3表面1130と垂直な第4表面1140に配置された第1領域1510、第1領域1510から第1表面1110に向かって延びた第2領域1520、そして第1領域1510から第2表面1120に向かって延びた第3領域1530を含むことができる。この時、第2領域1520の第1面1522は第1表面1110に配置され、第2領域1520の第2面1524は第1ガイドプレート1800-1に配置され得る。そして、第3領域1530の第1面1532は第2表面1120に配置され、第3領域1530の第2面1534は第2ガイドプレート1800-2に配置され得る。これに伴い、ダクト1100の第1表面1110と第1ガイドプレート1800-1は第2領域1520の第1面1522および第2面1524間の距離Tだけ離隔し得、ダクト1100の第2表面1120と第2ガイドプレート1800-2は第3領域1530の第1面1532および第2面1534間の距離Tだけ離隔し得、ヒートシンクとガイドプレートが所定距離tを維持できるため、第2流体の圧力差および第2流体の流動空間が最適化され得る。本明細書で、第2流体の圧力差は第2流体が熱電モジュールのヒートシンクを通過する前と通過した後の第2流体の圧力差を意味し得る。ヒートシンクの長さがlである場合、ヒートシンクの長さlおよびヒートシンクとガイドプレート間の距離tの和は離隔部材1500の第2領域の第1面1522および第2面1524間の距離Tまたは離隔部材1500の第3領域の第1面1532および第2面1534間の距離T間の距離、すなわちダクト1100とガイドプレート1800間の距離と同一であり得る。
【0135】
以下、本発明の実施例に係る発電装置でヒートシンクの長さlおよびヒートシンクとガイドプレート間の距離tによる性能をシミュレーションした結果を説明しようとする。
【0136】
表1はヒートシンクの長さおよびヒートシンクとガイドプレート間の距離による熱電素子の温度差および第2流体が熱電モジュールのヒートシンクを通過する前と通過した後の第2流体の圧力差を表し、
図12(a)はヒートシンクの長さlに対するヒートシンクとガイドプレート間の距離(t、mm)と熱電素子の温度差(DT、K)間の関係を示し、
図12(b)はヒートシンクの長さlに対するヒートシンクとガイドプレート間の距離(t、mm)と第2流体の圧力差(DP、mmH
2O)間の関係を示し、
図12(c)は熱電素子の温度差(DT、K)と第2流体の圧力差(DP、mmH
2O)を補正してヒートシンクとガイドプレート間の距離(t、mm)との関係を示したグラフである。
【0137】
【0138】
表1~
図12(a)~
図12(c)を参照すると、No.3およびNo.7を比較すると、ヒートシンクの長さが長くなるほどヒートシンクと第2流体の接触面積が広くなるので、熱電素子の高温部と低温部間の温度差が大きくなることが分かる。そして、No.1~No.5とNo.6を比較すると、ガイドプレートがある場合、ヒートシンクと第2流体の接触面積が広くなるので、熱電素子の高温部と低温部間の温度差が大きいが、ヒートシンクとガイドプレート間の距離が広くなってガイドプレートの機能ができないNo.6では熱電素子の高温部と低温部間の温度差が非常に低くなることが分かる。また、No.1~No.5を比較すると、ヒートシンクとガイドプレート間の距離が大きくなるほど熱電素子の高温部と低温部間の温度差が減少し、第2流体が熱電モジュールを通過する前と通過した後の第2流体の圧力差が減少することが分かる。ただし、発電性能は熱電素子の温度差に比例し、第2流体の圧力差に反比例する。これに伴い、発電性能を最適化するヒートシンクとガイドプレート間の距離を捜し出すために、熱電素子の温度差および第2流体の圧力差を反比例関係に変換し、同時比較のために一定比率で変位を有するように補正して
図12(c)のグラフを導き出した。これによると、二つの数値の和はヒートシンクとガイドプレート間の距離が1~3mmである場合に高い値を有することが分かる。
【0139】
一方、以上では一対のガイドプレートに対して一つの発電装置が配置されるものとして説明しているが、これに制限されるものではない。一対のガイドプレートの間に複数の発電装置が配置されてもよい。
【0140】
図13は、本発明の他の実施例に係る発電システムを示す。
【0141】
図13を参照すると、本発明の他の実施例に係る発電システム20は隣り合って配置される複数の発電装置1000-1、...1000-Nを含む。各発電装置1000-1、...、1000-Nは冷却部1100-1、...、1100-N、冷却部1100-1、...、1100-Nの第1表面に配置された第1熱電モジュール1200-1、...、1200-N、冷却部1100-1、...、1100-Nの第2表面に配置された第2熱電モジュール1300-1、...、1300-N、そして冷却部1100-1、...、1100-Nの第1表面および第2表面の間に配置された離隔部材1500-1、...、1500-Nを含み、各発電装置1000-1、...、1000-Nの第1ヒートシンク(1220-1、...、1220-Nおよび第2ヒートシンク1320-1、...、1320-Nのうち一つは隣り合う発電装置1000-1、...、1000-Nの第1ヒートシンク(1220-1、...、1220-Nおよび第2ヒートシンク1320-1、...、1320-Nのうち一つと離隔し、各発電装置1000-1、...、1000-Nの離隔部材1500-1、...、1500-Nは隣り合う発電装置1000-1、...、1000-Nの離隔部材1500-1、...、1500-Nと接触する。この時、複数の発電装置1000-1、...、1000-Nのうち一つである第1発電装置1000-1の第1ヒートシンク1220-1と離隔するように配置された第1ガイドプレート1800-1、そして複数の発電装置1000-1、・、1000-Nのうち他の一つの第2発電装置1000-Nの第2ヒートシンク1320-Nと離隔するように配置された第2ガイドプレート1800-2をさらに含み、第1発電装置1000-1の離隔部材1500-1は第1ガイドプレート1800-1と接触し、第2発電装置1000-Nの離隔部材1500-Nは第2ガイドプレート1800-Nと接触することができる。そして、第1発電装置1000-1と第2発電装置1000-Nの間には残りの発電装置が配置され得る。
【0142】
一方、本発明の実施例に係る発電装置に含まれるダクトの内部は次のような流路設計を有することができる。
【0143】
図14は本発明の一実施例に係る発電モジュールの上面図であり、
図15は本発明の一実施例に係る冷却部の断面図であり、
図16は本発明の他の実施例に係る冷却部の断面図であり、
図17は本発明のさらに他の実施例に係る冷却部の断面図であり、
図18は本発明のさらに他の実施例に係る冷却部の断面図である。
【0144】
図14を参照すると、本発明の一実施例に係る発電モジュールは冷却部1100および冷却部1100の第1表面1110に配置された第1熱電モジュール1200を含む。
図1~
図9を参照して説明した通り、冷却部1100は本明細書でダクト1100と混用され得る。冷却部1100の第1表面1110に対向する第2表面1120には第2熱電モジュール1300がさらに配置され得る。
【0145】
冷却部1100の第1表面1110に垂直な他表面、すなわち第4表面1140には流体流入部1142および流体排出部1144が離隔して配置され、冷却部1100の一つの領域A1には流体収容部300が配置される。本明細書で、冷却部1100の第1表面1110および第2表面1120には第1熱電モジュール1200および第2熱電モジュール1300が配置されるため、冷却部1100の第1表面1110および第2表面1120は冷却部1100の一面および他面と指称され得る。また、冷却部1100の第1表面1110および第2表面1120の間の第3~第6表面1130~1160は冷却部1100の側面または外側面と指称され得る。または本明細書で、冷却部1100の第1表面1110~第6表面1160はそれぞれ第1面1110~第6面1160と指称されてもよい。流体流入部1142に流入した第1流体は流体収容部300を通過した後、流体排出部1144を通じて排出され得る。ここで、流体流入部1142および流体排出部1144の配置順は図示された通りに制限されるものではなく、流体流入部1142および流体排出部1144の位置は反対であってもよい。流体流入部1142および流体排出部1144は冷却部1100の第4表面1140に突出して形成される。これに伴い、本明細書で、流体流入部1142および流体排出部1144は突出部と指称され得る。
【0146】
本発明の一実施例によると、冷却部1100の一つの領域A1の表面には第1熱電モジュール1200が配置される。これに伴い、流体収容部300が配置された領域に第1熱電モジュール1200の熱電レッグが配置され得る。冷却部1100を通過する第1流体より高い温度を有する第2流体は冷却部1100の第3表面1130からこれに対向する第5表面1150に向かう方向に熱電モジュール1200のヒートシンクを通過することができる。
【0147】
一方、冷却部1100と第1熱電モジュール1200間の結合のために結合部材400が利用され得る。冷却部1100の両表面に第1熱電モジュール1200および第2熱電モジュール1300を対称に配置するために、結合部材400は第1熱電モジュール1200、冷却部1100および第2熱電モジュール1300を通過するように配置され得、このために、冷却部1100には結合部材400が通過するための複数の貫通ホールS1~S4が形成され得る。複数の貫通ホールS1~S4は第1熱電モジュール1200および第2熱電モジュール1300が配置される冷却部1100の両面を貫通するように配置され得る。
【0148】
この時、複数の貫通ホールS1~S4は流体収容部300が配置される領域である冷却部1100の一つの領域A1内で流体収容部300と離隔して配置され得る。すなわち、複数の貫通ホールS1~S4は流体収容部300と独立して形成され得、これに伴い、流体収容部300を通過する第1流体が複数の貫通ホールS1~S4を通じて外部に流出される問題を防止することができる。
【0149】
一方、冷却部1100の一つの領域A1の側面に配置された冷却部1100の他の領域A2の第1表面1110には第1熱電モジュール1200に連結される配線部(図示されず)および配線部をカバーするシールド部材1600がさらに配置され得る。冷却部1100とシールド部材1600間の結合のために結合部材500が利用され得、冷却部1100の他の領域A2には冷却部1100とシールド部材1600間の結合のための結合部材500が通過するための複数の貫通ホールS5~S6が形成され得る。すなわち、複数の貫通ホールS5~S6は流体収容部300が配置される領域である冷却部1100の一つの領域A1しか流体収容部300と重ならないように形成され得る。この時、複数の貫通ホールS5~S6は配線部の位置を考慮して配置され得る。すなわち、熱電モジュールに連結される配線部は熱電モジュールの熱電素子に連結される連結電極(図示されず)、連結電極上に配置されるコネクタ600およびコネクタ600に連結される電線(図示されず)を含むことができる。この時、複数の貫通ホールS5~S6はコネクタ600の位置を避けて配置され得る。これに伴い、貫通ホールS5は複数の貫通ホールS1、S2より第4表面1140にさらに隣接するように配置され得、貫通ホールS6は複数の貫通ホールS3、S4より第6表面1160にさらに隣接するように配置され得る。
【0150】
ここで、複数の貫通ホールS1~S6の位置および個数は例示的なものであり、本発明の実施例はこれに制限されるものではない。
【0151】
以下、
図15~
図18を利用して冷却部の流体収容部の形状および貫通ホールの配置関係に関する多様な実施例を説明しようとする。以下、流体収容部は流体流入部1142から流体排出部1144までの流路を形成できるため、流路と指称されてもよい。
【0152】
図15を参照すると、冷却部1100内の流体収容部300は熱電モジュール1200、1300が配置される領域に対応する領域である冷却部1100のA1領域に配置され、流体流入部1142に流入した第1流体は流体収容部300を通過した後、流体排出部1144から排出され得る。
【0153】
ここで、流体収容部300は別途の流路管を形成しておらず、流体収容部300と離隔するように複数の貫通ホールS1~S4が配置され得る。これに伴い、これによると、流体収容部300が配置された領域と熱電モジュール1200、1300が配置された領域が対応するため、熱電モジュールの低温部は高い冷却性能を得ることができる。また、冷却部1100の第1領域A1内に貫通ホールS1~S4が形成されるため、第1熱電モジュール1200冷却部1100および第2熱電モジュール1300は結合部材400を通じて直接結合され得るとともに、貫通ホールS1~S4が流体収容部300と離隔して独立的に形成されるため、貫通ホールS1~S4を通じて流体収容部300内の第1流体が外部に流出される問題を防止することができる。
【0154】
またはず16~
図18を参照すると、流体収容部300は流体流入部1142から流体排出部1144まで連結される流路の形態を有することができ、流体流入部1142に流入した第1流体は流路に沿って流れた後、流体排出部1144を通じて排出され得る。このように、流体収容部300が流路の形態を有する場合、流路の配置構造により最小限の流量で第1流体が第1熱電モジュール1200および第2熱電モジュール1300が配置されたA1領域を全体的に通過することができる。この時、流路の直径は流体流入部1142の直径および流体排出部1144の直径の0.3~0.9倍、好ましくは0.4~0.8倍、さらに好ましくは0.5~0.7倍であり得る。これによると、流路を通過する第1流体の流速をはやくして熱電モジュールの冷却性能を高めることができる。
【0155】
この時、流路は複数の貫通ホールS1~S4と離隔し、複数の貫通ホールS1~S4のうち少なくとも一部を囲むように配置され得る。これによると、貫通ホールS1~S4を通じて流体収容部300内の第1流体が外部に流出される問題を防止することができる。
【0156】
例えば、
図16を参照すると、流体収容部300は流体流入部1142または流体排出部1144で流路に向かう方向、すなわちX1方向に平行に配置される複数の第1流路部310-1、...、310-nを含むことができ、平行に配置される複数の第1流路部310-1、...310-nは複数のベンディング部330-1、...、330-lを通じて連結され得る。
【0157】
ここで、複数の第1流路部310-1、...、310-nは流体流入部1142および流体排出部1144が配置された第4表面1140から第4表面1140に対向する第6表面1160に向かうX1方向に延長され得る。この時、複数の第1流路部310-1、...、310-nのうち少なくとも一つは第1方向に沿って真っすぐに配置される直線部であり得る。
【0158】
この時、平行に隣り合って配置される二つの流路部間の間隔のうち一部は平行に隣り合って配置される二つの流路部間の間隔のうち他の一部と異なり得る。
【0159】
例えば、平行に隣り合って配置される二つの第1流路部310-1、310-2間の間隔は第1間隔d1であり、平行に隣り合って配置される二つの第1流路部310-3、310-4間の間隔は第1間隔d1より大きい第2間隔d2であり得る。
【0160】
一方、複数の流路部の間の一つの領域には結合部材400が配置されるための貫通ホールS1~S4が配置され得、複数の流路部の間の他の領域には結合部材400が配置されるための貫通ホールS1~S4が配置されなくてもよい。
【0161】
この時、結合部材400が配置されるための貫通ホールS1~S4が形成される領域で二つの第1流路部の間のX1方向に垂直なX2方向の幅は、結合部材400が配置されるための貫通ホールS1~S4が形成されない領域で二つの第1流路部の間のX1方向に垂直なX2方向の幅より大きくてもよい。すなわち、第2間隔d2をなす二つの第1流路部310-3、310-4の間には複数の貫通ホールS1~S4のうち少なくとも一部S1、S3が配置され得る。これによると、第1流路部310は複数の貫通ホールS1~S4が形成された領域と重ならないように複数の貫通ホールS1~S4を回避して配置され得る。
【0162】
そして、平行に配置された複数の第1流路部310-1、...、310-nのうち縁に配置された二つの第1流路部310-1、310-2および二つの第1流路部310-n-1、310-n間の間隔は第1間隔d1であり得る。これによると、熱電モジュールの全体領域で均一な熱電性能を得ることができる。特に、流体排出部1144から排出される第1流体の温度は流体流入部1142に流入した第1流体の温度より高くなり得るため、流体排出部1144と近づくほど第1流体の冷却性能は低くなり得る。これに伴い、流体排出部1144と近づくほど平行に隣り合って配置される二つの流路部間の間隔を狭く配置すると、熱電モジュールの全体領域で均一な熱電性能を得ることが可能である。
【0163】
図17を参照すると、流体収容部300は平行に配置される複数の第2流路部320-1、...、320-mを含むことができ、平行に配置される複数の第2流路部320-1、...、320-mは複数のベンディング部330-1、...、330-lを通じて連結され得る。
【0164】
複数の第2流路部320-1、...、320-mは流体流入部1142および流体排出部1144が配置された第4表面1140に水平なX2方向に平行に配置され得る。この時、複数の第2流路部320-1、...、320-mのうち少なくとも一つは第2方向に沿って真っすぐに配置される直線部であり得る。
【0165】
この時、平行に隣り合って配置される二つの流路部間の間隔のうち一部は平行に隣り合って配置される二つの流路部間の間隔のうち他の一部と異なり得る。
【0166】
例えば、平行に隣り合って配置される二つの第2流路部320-1、320-2間の間隔は第2間隔d2であり、平行に隣り合って配置される二つの第2流路部320-m-1、320-m間の間隔は第2間隔d2より狭い第1間隔d1であり得る。
【0167】
一方、複数の流路部の間の一つの領域には結合部材400が配置されるための貫通ホールS1~S4が配置され得、複数の流路部の間の他の領域には結合部材400が配置されるための貫通ホールS1~S4が配置されなくてもよい。
【0168】
この時、結合部材400が配置されるための貫通ホールS1~S4が形成される領域で二つの第2流路部の間のX2方向に垂直なX1方向の幅は、結合部材400が配置されるための貫通ホールS1~S4が形成されない領域で二つの第2流路部の間のX2方向に垂直なX1方向の幅より小さくてもよい。例えば、図示された通り、二つの流路部320-1、320-2の間には結合部材400が配置されるための貫通ホールS1~S4が形成され、二つの流路部320-2、320-3の間には結合部材400が配置されるための貫通ホールS1~S4が形成されなくてもよい。この時、二つの流路部320-1、320-2の間の間隔はd2であり、二つの流路部320-2、320-3の間の間隔であるd3より小さくてもよい。
【0169】
これによると、流路320は複数の貫通ホールS1~S4が形成された領域と重ならないように複数の貫通ホールS1~S4を回避して配置され得る。
【0170】
そして、流体流入部1142および流体排出部1144が配置された第4表面1140から遠ざかるほど平行に隣り合って配置された流路部肝の間隔が狭くなってもよい。例えば、平行に隣り合って配置される二つの第2流路部320-m-1、320-m間の間隔は第2間隔d2より小さい第1間隔d1であり得る。これによると、熱電モジュールの全体領域で均一な熱電性能を得ることができる。特に、流体流入部1142に流入した第1流体の温度は流体流入部1142から遠ざかるほど高くなり得る。これに伴い、流体流入部1142と遠ざかるほど平行に隣り合って配置される二つの流路部間の間隔を狭く配置すると、熱電モジュールの全体領域で均一な熱電性能を得ることが可能である。
【0171】
一方、本発明のさらに他の実施例によると、流路の一部はX1方向に平行に配置され、他の一部はX2方向に平行に配置されるものの、くねくねとした複数の曲率流路を含んでもよい。流路が複数の曲率流路を含む場合、単位面積当たりに配置される流路の長さが長くなり得るため、熱電モジュールの低温部側の冷却性能が改善され得る。
【0172】
図18を参照すると、冷却部1100は第4表面1140から第4表面1140に対向する第6表面1160まで同じ高さを有するように順次配置された第1領域B1、第2領域B2および第3領域B3を含むことができる。この時、複数の貫通ホールS1~S4のうち一部S1、S2は他の一部S3、S4より第4表面1140にさらに近く配置され得、貫通ホールS1および貫通ホールS2それぞれと第4表面1140間の距離は同一であってもよい。例えば、複数の貫通ホールS1~S4のうち一部S1、S2は第1領域B1に配置され、他の一部S3、S4は第3領域B3に配置され得る。
【0173】
ここで、複数の貫通ホールS1~S4に配置される結合部材400は冷却部1100の第1表面1110から第2表面1120に向かう方向に沿って流路と重ならないことができる。これに伴い、流路に沿って流れる第1流体が貫通ホールS1~S4を通じて外部に流出される問題を防止することができる。
【0174】
この時、複数の貫通ホールS1~S2および複数の貫通ホールS3~S4は流路とX1方向に重なり得る。そして、複数の貫通ホールS5~S6は流路とX1方向に重ならないことができる。前述した通り、複数の貫通ホールS5~S6は流路が配置された領域ではない配線部が配置される領域に位置するものであり、配線部のコネクタの位置を考慮して貫通ホールS5は複数の貫通ホールS1、S2より第4表面1140にさらに隣接するように配置され得、貫通ホールS6は複数の貫通ホールS3、S4より第6表面1160にさらに隣接するように配置され得る。
【0175】
一方、冷却部1100を流路とX2方向に重なるR1領域、R1領域と第3表面1130の間に位置したR2領域およびR1領域と第5表面1150の間に位置したR3領域に区分してもよい。図示された通り、R3領域のX2方向の幅はR2領域のX2方向の幅より大きくてもよく、結合部材500が配置されるための複数の貫通ホールS5~S6はR3領域に形成され得る。すなわち、流路と第5表面1150間の水平距離は流路と第3表面1130間の水平距離より大きくてもよく、これに伴い、コネクタCを含む配線部はR3領域に配置され得、流体流入部1142および流体排出部1144は複数の貫通ホールS5~S6とX1方向に重ならないように配置され得る。
【0176】
流路は冷却部1100のR1領域内でX1方向に平行に配置された複数の第1流路310-1、...、310-nおよびX1方向に垂直なX2方向に平行に配置された複数の第2流路320-1、...、320-m、複数の第1流路310-1、...、310-nのうち一つおよび複数の第2流路320-1、...、320-mのうち一つを連結したり、複数の第1流路310-1、...、310-nを連結したり、複数の第2流路320-1、...、320-mを連結する複数のベンディング部330-1、...、330-lを含むものの、くねくねとした流路をさらに含むことができる。X1方向に沿って配置された流路とX2方向に沿って配置された流路が交互に配置されて螺旋状をなしてもよい。
【0177】
図18に図示された通り、本発明の実施例によると、冷却部1100の流体流入部1142および流体排出部1144の間を循環する第1流体は螺旋状を有することができる。
すなわち、流路は冷却部1100の流体流入部1142および流体排出部1144のうち一つから冷却部1100の中心部Cに向かって延びる第1螺旋状流路および中心部Cから冷却部1100の流体流入部1142および流体排出部1144のうち他の一つに向かって延びる第2螺旋状流路を含むことができる。この時、第4表面1140に隣接するように配置され、非規則的な流路を有する第3流路部340および冷却部1100の中心部Cに隣接するように配置され、規則的な周期を有する第4流路部350は第1螺旋状流路に含まれ得る。そして、第1螺旋状流路はX4方向に沿って延びる第2流路部320-4を含み、第2螺旋状流路は複数の第2流路部320-1、320-2、320-3、320-mを含むことができる。この時、第2流路部320-3、320-5は第2流路部320-2と第6表面1160の間に配置され、第2流路部320-1は第2流路部320-2と第4表面1140の間に配置され、第4流路部350は第2流路部320-1と第2流路部320-2の間に配置され得る。この時、複数の貫通ホールS3、S4は第2流路部320-2および第2流路部320-3の間に配置され得る。
【0178】
このように、流路が冷却部で熱電モジュールの熱電レッグが配置された領域で螺旋状に循環し、曲率を有する第3流路部340および第4流路部350が本発明の実施例の通りに配置される場合、熱電モジュールの低温部側の冷却性能を最大化することができる。
【0179】
さらに具体的には、本発明の実施例によると、流路はX2方向に沿ってくねくねとするように延びる複数の曲率流路である第3流路部340を含むことができる。第3流路部340は複数の貫通ホールS1、S3と流体流入部1142および流体排出部1144の間に配置され得、屈曲部と指称され得る。第3流路部340の総長さlは第3流路340が配置された領域でX2方向の直線距離l’より長くてもよい。第3流路部340は冷却部1100の第1領域B1に配置され得る。
【0180】
第1領域B1は第1領域B1~第3領域B3のうち流体流入部1142および流体排出部1144に最も近い領域である。流体流入部1142に流入した第1流体はX1方向に流体収容部300に流入し、流体収容部300を循環した第1流体はX1方向の反対方向であるX2方向に沿って流体排出部1144から排出され得る。これに伴い、第1領域B1内流体流入部1142および流体排出部1144の間に流路を別途に配置しない場合、第1流体が到達しないデッドゾーンが発生し得る。
【0181】
このような問題を解決するために、本発明の実施例の通り、第1領域B1に複数の曲率流路である第3流路部340が配置されると、デッドゾーンの面積が最小化され得、熱電モジュールの全体領域で均一な熱電性能を得ることが可能である。
【0182】
さらに具体的には、第3流路部340は曲率が互いに異なる複数の曲率を有する領域を含む変曲流路であり得る。本発明の実施例によると、第3流路部340はX2方向に沿って配列されたX2方向に膨らんだ第1凸部343-1~343-3および第1凸部343-1~343-3と反対方向に膨らんだ第2凸部343-3~343-5を含むことができ、第1凸部343-1~343-3と第2凸部343-3~343-5はX1方向に重なり得る。例えば、第1凸部343-1~343-3と第2凸部343-3~343-5は第4表面1140と貫通ホールS1、S2の間、さらに具体的には第4表面1140と貫通ホールS1、S2の間で流体流入部1142および流体排出部1144の間に対応する領域に配置され得る。これによると、第4表面1140に近く、流体流入部1142および流体排出部1144の間に配置された領域を第1流体が通過するため、デッドゾーンの面積が最小化され得、熱電モジュールの全体領域で均一な熱電性能を得ることが可能である。
【0183】
この時、第3流路部340は互いに離隔するように配置された第1貫通ホールS1および第2貫通ホールS2との関係で、第1貫通ホールS1上に配置された第1区域341、第2貫通ホールS2上に配置された第2区域341および第1区域341および第2区域342を連結する第3区域343を含むことができる。この時、第1区域341は第4表面1140から第6表面1160に向かうX1方向(X1)に延びた第1-1サブ区域341-1、第4表面1140に平行なX2方向に延びた第1-2サブ区域341-2およびX1方向の反対方向であるX2方向に向かってX2方向に延びた第1-3サブ区域341-3が順次連結され得る。特に、第1-3サブ区域341-1によると、流体流入部1142から流入して第1-1サブ区域341-1に沿ってX1方向に流れてきた流体が再び第4表面1140に向かって流れることができるため、流体流入部1142および流体排出部1144の間のデッドゾーンの面積を最小化できる。
【0184】
そして、第2区域342は第2貫通ホールS2を囲むように配置され得る。例えば、第2区域342は第2貫通ホールS2の側面からX3方向に延びた第2-1サブ区域342-1、X2方向に延びた第2-2サブ区域342-2およびX1方向に向かってX2方向に延びた第2-3サブ区域342-3が順次連結され得る。
【0185】
そして、第3区域343は第1区域341および第2区域342の間で配置され、第1-3サブ区域341-3からX2方向に延びた第3-1サブ区域343-1、X1方向に延びた第3-2サブ区域343-2、X2方向の反対方向であるX4方向に延びた第3-3サブ区域343-3、X1方向に延びた第3-4サブ区域343-4およびX2方向(X2)に第2-1サブ区域342-1まで延びた第3-5サブ区域343-5が順次連結され得る。この時、第3区域343は前述した第1凸部343-1~343-3と第2凸部343-3~343-5であり得る。
【0186】
第1~第3区域341、342、343がこのように配置されると、流体流入部1142および流体排出口1144の間で第1流体が通過する流路が長くなるため、デッドゾーンの面積を最小化できる。
【0187】
一方、本発明の実施例に係る流路は所定パターンが繰り返す第4流路部350をさらに含むことができる。第4流路部350は曲率が互いに同一の複数の曲率部が周期的に配置される複数の曲率流路を含むことができ、凹凸状を有するため凹凸部と指称され得る。第4流路部350はX1方向に凹んだ凹部351と膨らんだ凸部352が交互に配列された形状であり得る。
【0188】
すなわち、第4流路部350はX1方向およびX3方向を交互に向かい、X2方向に沿って延びるように配置され得る。
【0189】
これによると、第4流路部350が複数の流路320-1、...
、320-mと平行な直線状に配置される場合に比べて、単位面積当たりに流路の長さが長くなり得るため、熱電モジュールの低温部側の冷却性能が高くなり得る。
【0190】
この時、第4流路部350はX1方向に互いに離隔して真っすぐに配置された一つの第2流路部320-1および他の一つの第2流路部320-2の間に配置され得る。そして、第4流路部350は冷却部1100の第2領域B2に配置され得る。すなわち、複数の貫通ホールS1、S2は第4流路部350と流体流入部1142および流体排出部1144が配置される第4表面1140の間に配置され得、貫通ホールS3、S4は第4流路部350と第6表面1160の間に配置され得る。これによると、冷却部1100の直線状の流路部とベンディング部だけで流路を構成する場合、第1流体が到達し難い真ん中領域でも第1流体が留まる時間を延長できるため、熱電モジュールの低温部側の冷却性能を高めることができる。
【0191】
特に、一つの第2流路部320-1は第4流路部350と第3流路部340の間に配置され得る。これに伴い、流路を形成する場合、第1流体が到達し難い領域で第1流体が留まる時間が延長され得るため、冷却部1100内の全領域で第1流体が均一に循環することができ、これに伴い、熱電モジュールの低温部側の冷却性能が高くなり得る。
【0192】
表2は
図15~
図18の実施例に係る流路の形状を有する場合、熱電モジュールの温度差をシミュレーションした結果である。
【0193】
【0194】
表2を参照すると、実施例1は
図15に図示された流体収容部の形状であり、実施例2は
図16に図示された流路の形状であり、実施例3は
図17による流路の形状であり、実施例4は
図18による流路の形状である。実施例1に比べて実施例2~実施例4では流路の面積および体積が減少したにもかかわらず、熱電モジュールの温度差が改善されたことが分かる。特に、実施例2~実施例3に比較すると、実施例4では流路の面積および体積がさらに減少したにもかかわらず、熱電モジュールの温度差がさらに改善されたことが分かる。これは第1流体が冷却部1100の一つの領域A1内でスパイラルの形状に循環し、第1流体が到達しないデッドゾーンを最小化するためである。
【0195】
発電システムは船舶、自動車、発電所、地熱、などで発生する熱源を通じて発電することができ、熱源を効率的に収束するために複数の発電装置を配列することができる。したがって、熱源が複数の分岐部を通じて複数の発電装置に均一に注入されてヒートシンクに印加される熱を均一にさせることによってヒートシンクの曲げを防止し、発電モジュールの信頼性を改善することができる。また、分岐部とガイドプレートの間の水平方向の距離を制御することにより発電効率を改善して、船舶や車両などの運送装置の燃料効率を改善することができる。したがって、海運業、運送業では運送費や維持費用などの費用削減と環境に優しい産業環境を造成することができ、製鉄所など製造業に適用される場合、維持費用などを節減できる。
【0196】
前記では本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者は下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更できることが理解され得るであろう。