(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-19
(45)【発行日】2025-05-27
(54)【発明の名称】付香中間体の製造方法
(51)【国際特許分類】
C07C 45/68 20060101AFI20250520BHJP
C07C 49/687 20060101ALI20250520BHJP
C07C 69/145 20060101ALI20250520BHJP
C07C 67/293 20060101ALI20250520BHJP
C07C 49/743 20060101ALI20250520BHJP
C07C 49/753 20060101ALI20250520BHJP
C07F 7/18 20060101ALI20250520BHJP
C07C 45/64 20060101ALI20250520BHJP
B01J 31/22 20060101ALI20250520BHJP
C07C 49/707 20060101ALI20250520BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20250520BHJP
【FI】
C07C45/68
C07C49/687 CSP
C07C69/145
C07C67/293
C07C49/743 A
C07C49/753 A
C07F7/18 C
C07C45/64
B01J31/22 Z
C07C49/707
C07B61/00 300
(21)【出願番号】P 2022544102
(86)(22)【出願日】2021-03-04
(86)【国際出願番号】 EP2021055498
(87)【国際公開番号】W WO2021176009
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2024-03-04
(32)【優先日】2020-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】390009287
【氏名又は名称】フイルメニツヒ ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Firmenich SA
【住所又は居所原語表記】7,Rue de la Bergere,1242 Satigny,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】オリヴァー クノプフ
【審査官】藤田 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開昭54-044640(JP,A)
【文献】特表2014-503356(JP,A)
【文献】特表2018-535194(JP,A)
【文献】特表2019-535701(JP,A)
【文献】SYNTHESIS,1974年,No.2,p.118-119
【文献】TETRAHEDRON,Vol.56,2000年09月14日,p.8959-8965
【文献】Journal of Organic Chemistry,2000年04月04日,Vol.51,p.5216-5221
【文献】HELVETICA CHIMICA ACTA,1978年08月22日,Vo.61, No.7,p.2524-2529
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 31/22
C07B 61/00
C07C 45/00- 45/90
C07C 49/00- 49/92
C07C 67/293
C07C 69/145-69/15
C07F 7/18
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタセシス触媒の存在下、
式(I)
【化1】
[式中、nは、1~4の整数であり;R
1およびR
2は、互いに独立して、水素原子またはC
1~3アルキル基を表し;かつXは、ハロゲン原子またはOR’基を表し、ここで、R’は、水素原子、C
1~6アルキル基、C
2~6アルケニル基、ベンジル基、トリメチルシリル基、テトラヒドロフラン-2-イル基、テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル基、CO(O)
mR’’基、CH
2(OR’’’)基、CH(OR’’’)CH
3基またはSO
2R’’’’基を表し、ここで、mは、0または1であり、R’’は、水素原子、C
1~6アルキル基またはフェニル基を表し、R’’’は、C
1~6-アルキル基を表し、かつR’’’’は、メチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基またはトリル基を表す]の化合物であって、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形の化合物を、
式(II)
【化2】
[式中、nおよびR
1は、式(I)で定義したものと同じ意味を有し、R
3およびR
4は、互いに独立して、水素原子を表すか、またはオキソ基によって任意に置換されるC
1~6アルキル基を表す]の化合物であって、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形の化合物と、
式(III)
【化3】
[式中、XおよびR
2は、式(I)で定義したものと同じ意味を有し、かつR
5は、互いに独立して、水素原子を表すか、上記で定義したX基により任意に置換されるC
1~5アルキル基を表す]の化合物であって、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形の化合物と、
の間の交差メタセシスによって製造する方法。
【請求項2】
nが1である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
R
1が水素原子である、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
R
2がメチル基またはエチル基を表す、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
Xが、ハロゲン原子、OR’基であってよく、ここで、R’は、水素原子、アセチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1-ブトキシエチル基、1-エトキシエチル基またはトリメチルシリル基を表す、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
Xが、ハロゲン原子である、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
R
3、R
4およびR
5が水素原子を表す、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記メタセシス触媒が、ルテニウム系触媒である、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記メタセシス触媒が、1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II)、(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジヨード(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II)、(1,3-ジメシチルイミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-イソプロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)、ベンジリデン-ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウム、ジクロロ[1,3-ビス(2,6-イソプロピルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)、[1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)(2-i-プロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)ジヨージド、1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)(2-i-プロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)ジクロリド、(1,3-ジメシチルイミダゾリジン-2-イリデン)ジヨード(2-イソプロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)、ビス(1-(2,6-ジエチルフェニル)-3,5,5-トリメチル-3-フェニルピロリジン-2-イリデン)(3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン)ルテニウム(II)ジクロリド、(1-(2,6-ジエチルフェニル)-3,5,5-トリメチル-3-フェニルピロリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-イソプロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)、(1-(2,6-ジエチルフェニル)-3,5,5-トリメチル-3-フェニルピロリジン-2-イリデン)ジヨード(2-イソプロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2-メチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イリデン[2-(i-プロポキシ)-5-(N,N-ジメチルアミノスルホニル)フェニル]メチレンルテニウム(II)ジクロリド(樹脂担持)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)、[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン]-[2-[[(4-メチルフェニル)イミノ]メチル]-4-ニトロフェノリル]-[3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン]ルテニウム(II)クロリド、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン][[5-[(ジメチルアミノ)スルホニル]-2-(1-メチルエトキシ-O)フェニル]メチレン-C]ルテニウム(II)、ジクロロ[1-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2,2,4-トリメチル-4-フェニル-5-ピロリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)、[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン]ジクロロ[(2-イソプロポキシ)(5-トリフルオロアセトアミド)ベンジリデン]ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](ベンジリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1-(2,4,6-トリメチルフェニル)-2,2,4-トリメチル-4-フェニル-5-ピロリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2,2,4-トリメチル-4-フェニル-5-ピロリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン][(2-イソプロポキシ)(5-ペンタフルオロベンゾイルアミノ)ベンジリデン]ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン]{[5-(2-エトキシ-2-オキソエタンアミド)]-2-イソプロポキシベンジリデン}ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン][(2-イソプロポキシ)(5-ペンタフルオロベンゾイルアミノ)ベンジリデン]ルテニウム(II)、(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン)(ピリジル)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン][(2-イソプロポキシ)(5-トリフルオロアセトアミド)ベンジリデン]ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン][(5-イソブトキシカルボニルアミノ)-(2-イソプロポキシ)ベンジリデン]ルテニウム(II)およびジクロロ[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン)(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)からなる群から選択される、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
式(I)の化合物を、式(IV)
【化4】
[式中、R
1、R
2およびnは、請求項1で規定したものと同じ意味を有し、点線は、炭素-炭素単結合または炭素-炭素二重結合を表し、R
6は、水素原子を表すか、COOR
a基によって任意に置換されるC
1~3アルキル基を表し、ここで、R
aは、C
1~3アルキル基である]の化合物に変換する工程をさらに含む、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
式
【化5】
[式中、nは、1~4の整数であり;R
1およびR
2は、互いに独立して、水素原子またはC
1~3アルキル基を表し;かつXは、ハロゲン原子またはOR’基を表し、ここで、R’は水素原子、C
1~6アルキル基、C
2~6アルケニル基、ベンジル基、トリメチルシリル基、テトラヒドロフラン-2-イル基、テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル基、CO(O)
mR’’基、CH
2(OR’’’)基、CH(OR’’’)CH
3基またはSO
2R’’’’基を表し、ここで、mは、0または1であり、R’’は、水素原子、C
1~6アルキル基またはフェニル基を表し、R’’’は、C
1~6アルキル基を表し、かつR’’’’は、メチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基またはトリル基を表す]の化合物であって、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形の化合物
(ただし、2-(4-クロロブタ-2-エニル)シクロヘキサノン、シス-2-(4-ヒドロキシ-2-ペンテン-1-イル)シクロヘキサノン、シス-2-(4-ヒドロキシ-2-ペンテン-1-イル)シクロペンタノン、2-(4-ヒドロキシ-2-ブテン-1-イル)シクロヘキサノン、2-(5-ヒドロキシ-3-ヘキセン-2-イル)シクロヘキサノン、および2-(4-ブロモ-2-ペンテン-1-イル)シクロペンタノンを除く)。
【請求項12】
式(I)の化合物が、式
【化6】
[式中、R
1、R
2およびXは、請求項11に規定したものと同じ意味を有する]の化合物であって、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形の化合物である、請求項11記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機合成の分野に関し、より具体的には、交差メタセシス反応によって式(I)の化合物を製造する方法に関する。上記の式(I)の化合物は、付香成分を製造するための貴重な新規の化学中間体であり、また本発明の一部でもある。
【0002】
背景
香料分野で最も求められている成分のいくつかは、フローラルの印象を付与するものである。この匂いファミリーにおいて、メチルジャスモネートおよびシスジャスモンは、ジャスミンのフローラルな心地に似た匂いを付与する、主要な天然由来の付香成分である。それらを製造するための貴重な中間体の1つは、(Z)-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エン-1-オンである。しかしながら、二重結合がZ配置として存在することは、概してウィッティヒ反応または対応する三重結合の選択的水素化によって得られるそれらの化合物の取得を困難化させる。(Z)-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エン-1-オンへの報告された取得法の大部分は、高価な出発物質、ウィッティヒ条件などの高価な条件を使用し、保護/脱保護工程を補足的に要求し得る。
【0003】
Helvetica Chimica Acta, 1978, 2524では、(Z)-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エン-1-オンは、1,4-ジブロモ-2-ペンテンをシクロペンタノンに付加し、スピロ化合物が生じ、続いて[1,5]水素シフトが生じることによって得られる。しかしながら、1,4-ジブロモ-2-ペンテンの製造には、毒性の高い臭素の使用が要求される。
【0004】
したがって、(Z)-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エン-1-オンに対してより安価でより直接的なアプローチを開発することが依然として求められている。
【0005】
本発明は、市販のまたは容易に入手可能な式(II)および(III)の化合物間の交差メタセシスにより、塩基性処理および加熱分解を介して(Z)-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エン-1-オンに容易に変換され得る式(I)の化合物を得ることを可能にする。
【0006】
発明の概要
本発明は、毒性のある試薬の使用を回避しながら、式(II)および(III)の化合物から出発して式(I)の化合物を製造することを可能にする新規な方法に関する。
【0007】
したがって、本発明の第1の対象は、式(I)
【化1】
[式中、nは、1~4の整数であり;R
1およびR
2は、互いに独立して、水素原子またはC
1~3アルキル基を表し;かつXは、ハロゲン原子またはOR’基を表し、ここで、R’は、水素原子、C
1~6アルキル基、C
2~6アルケニル基、ベンジル基、トリメチルシリル基、テトラヒドロフラン-2-イル基、テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル基、CO(O)
mR’’基、CH
2(OR’’’)基、CH(OR’’’)CH
3基またはSO
2R’’’’基を表し、ここで、mは、0または1であり、R’’は、水素原子、C
1~6アルキル基またはフェニル基を表し、R’’’は、C
1~6アルキル基を表し、かつR’’’’は、メチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基またはトリル基を表す]の化合物であって、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形の化合物を、メタセシス触媒の存在下で、式(II)
【化2】
[式中、nおよびR
1は、式(I)で定義したものと同じ意味を有し、R
3およびR
4は、互いに独立して、水素原子を表すか、またはオキソ基によって任意に置換されるC
1~6アルキル基を表す]の化合物であって、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形の化合物と、式(III)
【化3】
[式中、XおよびR
2は、式(I)で定義したものと同じ意味を有し、かつR
5は、互いに独立して、水素原子を表すか、上記で定義したX基により任意に置換される、特にハロゲン原子により任意に置換されるC
1~5アルキル基を表す]の化合物であって、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形の化合物との間の交差メタセシスによって製造する方法である。
【0008】
本発明の第2の対象は、式
【化4】
[式中、nは、1~4の整数であり;R
1およびR
2は、互いに独立して、水素原子またはC
1~3アルキル基を表し;かつXは、ハロゲン原子またはOR’基を表し、ここで、R’は水素原子、C
1~6アルキル基、C
2~6アルケニル基、ベンジル基、トリメチルシリル基、テトラヒドロフラン-2-イル基、テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル基、CO(O)
mR’’基、CH
2(OR’’’)基、CH(OR’’’)CH
3基またはSO
2R’’’’基を表し、ここで、mは、0または1であり、R’’は、水素原子、C
1~6アルキル基またはフェニル基を表し、R’’’は、C
1~6アルキル基を表し、かつR’’’’は、メチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基またはトリル基を表す]の化合物であって、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形の化合物である。
【0009】
発明の説明
驚くべきことに、ここで、式(II)の化合物と式(III)の化合物との間の交差メタセシス反応を行い、続いて塩基性処理を行い、続いて[1,5]水素シフトを行うことによって、付香成分に対する主要な構成単位である(Z)-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エン-1-オンを有利な方法で製造できることが見出された。本発明の条件により、Z立体化学に対する高い選択性で(Z)-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エン-1-オンの直接的な取得が可能になる。
【0010】
したがって、本発明の第1の対象は、式(I)
【化5】
[式中、nは、1~4の整数であり;R
1およびR
2は、互いに独立して、水素原子またはC
1~3アルキル基を表し;かつXは、ハロゲン原子またはOR’基を表し、ここで、R’は水素原子、C
1~6アルキル基、C
2~6アルケニル基、ベンジル基、トリメチルシリル基、テトラヒドロフラン-2-イル基、テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル基、CO(O)
mR’’基、CH
2(OR’’’)基、CH(OR’’’)CH
3基またはSO
2R’’’’基を表し、ここで、mは、0または1であり、R’’は、水素原子、C
1~6アルキル基またはフェニル基を表し、R’’’は、C
1~6アルキル基を表し、かつR’’’’は、メチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基またはトリル基を表す]の化合物であって、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形の化合物を、メタセシス触媒の存在下で、式(II)
【化6】
[式中、nおよびR
1は、式(I)で定義したものと同じ意味を有し、かつR
3およびR
4は、互いに独立して、水素原子を表すか、またはオキソ基によって任意に置換されるC
1~6アルキル基を表す]の化合物であって、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形の化合物と、式(III)
【化7】
[式中、XおよびR
2は、式(I)で定義したものと同じ意味を有し、かつR
5は、互いに独立して、水素原子を表すか、上記で定義したX基により任意に置換される、特にハロゲン原子により任意に置換されるC
1~5アルキル基を表す]の化合物であって、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形の化合物との間の交差メタセシスによって製造する方法である。
【0011】
明確にするために、式(I)の化合物における波結合またはその類似物は、当業者によって理解される通常の意味、すなわち、二重結合が、シス配置、トランス配置またはそれらの混合物を有し得ることを意味する。
【0012】
「任意に」という用語は、任意に置換されるべき特定の基が、特定の官能基で置換できるか、または置換できないことであると理解される。
【0013】
「アルキル」および「アルケニル」という用語は、環状、分岐状および直鎖状のアルキル基およびアルケニル基、好ましくは直鎖状のアルキル基およびアルケニル基を含むものとして理解される。「アルケニル」という用語は、1個、2個または3個のオレフィン性二重結合、好ましくは1個のオレフィン性二重結合を含むものとして理解される。
【0014】
「オキソ基」という用語は、式=Oの任意の基;すなわち、例えばケトンまたはアルデヒドを含むものとして理解される。換言すれば、オキソ基によって任意に置換されるC1~6アルキル基は、1~6個の炭素を有するアルキル基であり、これらの炭素原子のうちの1つは(末端炭素も)、2個の水素原子の代わりに=O基で置換されていてもよい。
【0015】
本発明の任意の実施形態によれば、特定の態様とは無関係に、化合物(I)ならびに対応する化合物(II)および(III)は、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形であり得る。
【0016】
明確にするために、立体異性体という用語は、任意のジアステレオ異性体、エナンチオマー、ラセミ体を意味する。
【0017】
実際、化合物(I)、(II)または(III)は、異なる立体化学を有し得る少なくとも1つの立体中心を有し得る(すなわち、2つの立体中心が存在する場合、化合物(I)、(II)または(III)は、(R,R)、(S,S)、(S,R)または(R,S)配置を有し得る)。上記の立体中心は、それぞれ、相対配置RもしくはSまたはそれらの混合物であり得るか、換言すれば、上記の式(I)、(II)または(III)の化合物は、純粋なエナンチオマーまたは純粋なジアステレオ異性体の形、または立体異性体の混合物の形であり得る。加えて、上記の式(I)、(II)または(III)の化合物は、そのE異性体の形もしくはZ異性体の形またはそれらの混合物の形であってもよく、例えば、本発明は、同一の化学構造を有するが二重結合の立体配置が異なる式(I)、(II)または(III)の1種以上の化合物からなる組成物を含む。
【0018】
本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、上記の式(I)の化合物は、C9~C15化合物である。
【0019】
本発明の任意の実施形態によれば、nは、1または2であり得る。特に、nは、1であり得る。
【0020】
本発明の任意の実施形態によれば、R1は、水素原子またはメチル基、特に水素原子であり得る。
【0021】
本発明の任意の実施形態によれば、R2は、C1~3アルキル基を表し得る。特に、R2は、メチル基またはエチル基を表し得る。さらにより具体的には、R2は、メチル基を表し得る。
【0022】
本発明の任意の実施形態によれば、Xは、ハロゲン原子またはOR’基であってよく、ここで、R’は、C1~6アルキル基、C2~6アルケニル基、トリメチルシリル基、CO(O)mR’’基、CH(OR’’’)CH3基またはSO2R’’’’基を表し、ここで、mは、0または1であり、R’’は、C1~6アルキル基を表し、R’’’は、C1~6アルキル基を表し、かつR’’’は、メチル、トリフルオロメチル、フェニルまたはトリル基を表す。特に、Xは、ハロゲン原子、OR’基であってよく、ここで、R’は、水素原子、C1~6アルキル基、C2~6アルケニル基、アセチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1-ブトキシエチル基、1-エトキシエチル基、トリメチルシリル基、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基またはトルエンスルホニル基を表す。特に、Xは、ハロゲン原子、OR’基であってよく、ここで、R’は、C1~6アルキル基、C2~6アルケニル基、アセチル基、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、またはトルエンスルホニル基を表す。特に、Xは、ハロゲン原子、OR’基であってよく、ここで、R’は、水素原子、アセチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1-ブトキシエチル基、1-エトキシエチル基またはトリメチルシリル基を表す。特に、Xは、ハロゲン原子、OR’基であってよく、ここで、R’は、C1~6アルキル基、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、またはトルエンスルホニル基を表す。特に、Xは、ハロゲン原子であってもよい。さらにより具体的には、Xは、クロリド原子であってもよい。
【0023】
本発明の任意の実施形態によれば、R3は、水素原子またはC1~3アルキル基を表し得る。特に、R3は、水素原子またはメチル基を表し得る。さらにより具体的には、R3は、水素原子を表し得る。
【0024】
本発明の任意の実施形態によれば、R4は、水素原子、C1~3アルキル基または(2-オキソシクロペンチル)メチル基を表し得る。特に、R4は、水素原子、メチル基またはエチル基を表し得る。さらにより具体的には、R4は、水素原子を表し得る。
【0025】
本発明の任意の実施形態によれば、R5は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子によって任意に置換されるC1~3アルキル基またはOR’基を表し得、ここで、R’は、トリメチルシリル基、COR’’基、CH2(OR’’’)基またはCH(OR’’’)CH3基を表し、ここで、R’’は、水素原子、C1~6アルキル基またはフェニル基を表し、R’’’は、C1~6アルキル基を表す。特に、一方のR5は、水素原子であり得、他方のR5は、水素原子、ハロゲン原子によって任意に置換されるC1~3アルキル基またはOR’基であり得、ここで、R’は、トリメチルシリル基、COR’’基、CH2(OR’’’)基またはCH(OR’’’)CH3基を表し、R’’は、水素原子、C1~6アルキル基またはフェニル基を表し、R’’’は、C1~6アルキル基を表す。特に、一方のR5は、水素原子であり得、他方のR5は、水素原子、ハロゲン原子によって任意に置換されるC1~3アルキル基を表し得る。特に、一方のR5は、水素原子であり得、他方のR5は、水素原子、クロリド原子によって任意に置換されるC1~2アルキル基を表し得る。さらにより具体的には、一方のR5は、水素原子であり得、他方のR5は、水素原子、エチル基または1-クロロエチル基を表し得る。さらにより具体的には、R5は、水素原子を表し得る。
【0026】
本発明の任意の実施形態によれば、R’は、C1~3アルキル基、特にメチル基またはエチル基を表し得る。
【0027】
本発明の任意の実施形態によれば、R’’は、フェニル基またはC1~3アルキル基、特にメチル基またはエチル基を表し得る。
【0028】
本発明の任意の実施形態によれば、R’’’は、C1~4アルキル基、特にC1~3アルキル基、さらにより具体的にはメチル基またはエチル基を表し得る。
【0029】
式(I)の適切な化合物の非限定的な例には、2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、5-(2-オキソシクロペンチル)ペンタ-3-エン-2-イルアセテート、5-(2-オキソシクロペンチル)ペンタ-3-エン-2-イルメタンスルホネート、2-(4-ブロモペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、2-(4-(1-ブトキシエトキシ)ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、2-(4-(1-エトキシエトキシ)ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、2-(4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、2-(4-((テトラヒドロフラン-2-イル)オキシ)ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンまたは2-(4-((トリメチルシリル)オキシ)ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンが含まれ得る。
【0030】
式(II)の適切な化合物の非限定的な例には、2-(3-メチルブタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、2-アリルシクロペンタン-1-オン、2-(ヘキサ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンまたは2-(オクタ-2-エニル)シクロペンタン-1-オンが含まれ得る。
【0031】
式(III)の適切な化合物の非限定的な例には、2-クロロヘキサ-3-エン、2-クロロペンタ-3-エン、2,5-ジクロロヘキサ-3-エン、ブタ-3-エン-2-イルアセテート、ヘキサ-3-エン-2,5-ジイルジアセテート、2-ブロモヘキサ-3-エン、4-クロロペンタ-2-エン、4-ブロモペンタ-2-エン、3-クロロブタ-1-エン、3-ブロモブタ-1-エン、3-(1-ブトキシエトキシ)ブタ-1-エン、3-(1-エトキシエトキシ)ブタ-1-エン、2-(ブタ-3-エン-2-イルオキシ)テトラヒドロフラン、2-(ブタ-3-エン-2-イルオキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン、(ブタ-3-エン-2-イルオキシ)トリメチルシラン、ブタ-3-エン-2-オールまたはヘキサ-3-エン-2,5-ジオールが含まれ得る。
【0032】
式(II)および(III)の化合物は、市販の化合物であるか、または複数の方法、例えば、式(II)の化合物についてJ.K. Crandall, H.S. Magaha, G.K. Widener, G.A. Tharp Tetrahedron Lett., 21 (1980), 4807~4810頁に報告されている方法、または式(III)の化合物についてKharasch, M. S.らのJournal of Organic Chemistry, 3, 409~413頁; 1938年に報告されている方法によって製造され得る。
【0033】
本発明の任意の実施形態によれば、メタセシス触媒は、交差メタセシス触媒であり得る。特に、メタセシス触媒は、ルテニウム系触媒、モリブデン系触媒、レニウム系触媒またはタングステン系触媒であり得る。特に、メタセシス触媒は、ルテニウム系触媒であり得る。ルテニウム系メタセシス触媒は、ルテニウム(II)カルベノイド錯体であり得る。本発明の方法で使用されるルテニウム系メタセシス触媒の性質および種類は、本明細書ではより詳細な説明を保証するものではなく、いずれの場合も網羅的なものではなく、当業者は、その一般知識に基づいてそれらを選択することができる。上記の触媒は、いずれの場合も参考文献、例えば、Grubbs, R.H. Handbook of Metathesis; Wiley-VCH: New York, 2003; 1204頁, 第3巻, The Strem Chemiker - Vol. XXVIII No. 1, June, 2015, 1-24頁. Booklet Strem Metathesis Catalysts 2/2020, R. H. Grubbs, A. G. Wenzel, D. J. OLeary, E. Khosravi, Handbook of Metathesis, Wiley-VCH, Weinheim, 2015, K. Grela, Olefin Metathesis: Theory and Practice, Wiley, Hoboken, 2014または類似の性質の他の論文ならびにメタセシスプロセスの分野の豊富な特許文献に列挙されている。適切なメタセシス触媒の非限定的な例には、(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II)、(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジヨード(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II)、(1,3-ジメシチルイミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-イソプロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)、ベンジリデン-ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウム、ジクロロ[1,3-ビス(2,6-イソプロピルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)、[1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)(2-i-プロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)ジヨージド、1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)(2-i-プロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)ジクロリド、(1,3-ジメシチルイミダゾリジン-2-イリデン)ジヨード(2-イソプロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)、ビス(1-(2,6-ジエチルフェニル)-3,5,5-トリメチル-3-フェニルピロリジン-2-イリデン)(3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン)ルテニウム(II)ジクロリド、(1-(2,6-ジエチルフェニル)-3,5,5-トリメチル-3-フェニルピロリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-イソプロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)、(1-(2,6-ジエチルフェニル)-3,5,5-トリメチル-3-フェニルピロリジン-2-イリデン)ジヨード(2-イソプロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](ベンジリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2-メチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)、(2-(2,6-ジエチルフェニル)-3,3-ジメチル-2-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)(2-イソプロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)ジクロリド、[2-(1-メチルエトキシ-O)フェニルメチル-C](ニトラト-O,O’){rel-(2R,5R,7R)-アダマンタン-2,1-ジイル[3-(2,4,6-トリメチルフェニル)-1-イミダゾリジニル-2-イリデン]}ルテニウム、ジクロロ(2-イソプロポキシフェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)、ジクロロ(3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イリデン[2-(i-プロポキシ)-5-(N,N-ジメチルアミノスルホニル)フェニル]メチレンルテニウム(II)ジクロリド(樹脂担持)、トリシクロヘキシルホスフィン[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾール-2-イリデン][3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン]ルテニウム(II)ジクロリド、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)、[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン]-[2-[[(4-メチルフェニル)イミノ]メチル]-4-ニトロフェノリル]-[3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン]ルテニウム(II)クロリド、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン][[5-[(ジメチルアミノ)スルホニル]-2-(1-メチルエトキシ-O)フェニル]メチレン-C]ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2-メチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](ベンジリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](3-メチル-2-ブテニリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](3-メチル-2-ブテニリデン)(ジピリジン)ルテニウム(II)、[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4-[(トリメチルアンモニオ)メチル]イミダゾリジン-2-イリデン]-(2-i-プロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ジクロロルテニウム(II)クロリド、ジクロロ[1-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2,2,4-トリメチル-4-フェニル-5-ピロリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)、[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン]ジクロロ[(2-イソプロポキシ)(5-トリフルオロアセトアミド)ベンジリデン]ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](2-メトキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](3-メチル-2-ブテニリデン)(ジピリジン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン)(ジフェニルメトキシホスフィン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン)(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](ベンジリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン)ジフェニルフェノキシホスフィン]ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2-イソプロピルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1-(2,4,6-トリメチルフェニル)-2,2,4-トリメチル-4-フェニル-5-ピロリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2,2,4-トリメチル-4-フェニル-5-ピロリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)、ジクロロ(3-メチル-2-ブテニリデン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン][2-(N,N-ジメチルアミノ)-フェニルメチレン]ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン][2-(N,N-ジメチルアミノ)-フェニルメチレン]ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](ベンジリデン)(トリ-nブチルホスフィン)ルテニウム(II)、ジクロロビス[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](ベンジリデン)ルテニウム(II)、ジクロロビス[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)、(1,3-ジ-o-トリルイミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-イソプロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)、ジクロロ(2-イソプロポキシ-5-ニトロフェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニルイミダゾリジン-2-イリデン)クロロ(トリシクロヘキシルホスフィン)-(2-オキソベンジリデン)ルテニウム(II)、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニルイミダゾリジン-2-イリデン)クロロ(トリシクロヘキシルホスフィン)-(2-オキソ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニルイミダゾリジン-2-イリデン)ヨード(トリシクロヘキシルホスフィン)-(2-オキソベンジリデン)ルテニウム(II)、(1,3-ジメシチルイミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((2-エトキシ-2-オキソエチリデン)アミノ)ベンジリデン)ルテニウム(II)、(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((2-エトキシ-2-オキソエチリデン)アミノ)ベンジリデン)ルテニウム(II)、(4-((4-エチル-4-メチルピペラジン-1-イウム-1-イル)メチル)-1,3-ジメシチルイミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-イソプロポキシベンジリデン)ルテニウム(II)クロリド、(4-((4-エチル-4-メチルピペラジン-1-イウム-1-イル)メチル)-1,3-ジメシチルイミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-イソプロポキシベンジリデン)ルテニウム(II)ヘキサフルオロホスフェート、(1,3-ジメシチル-4-((トリメチルアンモニオ)メチル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-イソプロポキシベンジリデン)ルテニウム(II)ヘキサフルオロホスフェート、(1,3-ジメシチル-4-((トリメチルアンモニオ)メチル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-イソプロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)、
(1,3-ジメシチル-4-((トリメチルアンモニオ)メチル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-イソプロポキシベンジリデン)ルテニウム(II)テトラフルオロボレート、(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-4-((4-エチル-4-メチルピペラジン-1-イウム-1-イル)メチル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-イソプロポキシベンジリデン)ルテニウム(II)クロリド、(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-4-((4-エチル-4-メチルピペラジン-1-イウム-1-イル)メチル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-イソプロポキシベンジリデン)ルテニウム(II)ヘキサフルオロホスフェート、ビス(2-(2,6-ジエチルフェニル)-3,3-ジメチル-2-アザスピロ[4.5]デカン-1-イリデン)ジクロロ(3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン)ルテニウム(II)ジクロロメタン複合体、[1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)-(2-オキソベンジリデン)ルテニウム(II)クロリド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)[(フェニルチオ)メチレン]ルテニウム(II)ジクロリド、[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン]-[2-[[(2-メチルフェニル)イミノ]メチル]フェノリル]-[3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン]ルテニウム(II)クロリド、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン)(3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン)(4,5-ジクロロ-1,3-ジエチル-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾール-2-イリデン)ルテニウム(II)ジクロリド、3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン[ビス(i-ブチルホバン)]ルテニウム(II)ジクロリド、{[2-(i-プロポキシ)-5-(N,N-ジメチルアミノスルホニル)フェニル]メチレン}(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)ジクロリド、トリシクロヘキシルホスフィン[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イリデン][(フェニルチオ)メチレン]ルテニウム(II)ジクロリド、トリシクロヘキシルホスフィン[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾール-2-イリデン][2-チエニルメチレン]ルテニウム(II)ジクロリド、トリシクロヘキシルホスフィン[2,4-ジヒドロ-2,4,5-トリフェニル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-イリデン][2-チエニルメチレン]ルテニウム(II)ジクロリド、トリシクロヘキシルホスフィン[4,5-ジメチル-1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾール-2-イリデン][2-チエニルメチレン]ルテニウム(II)ジクロリド、トリ(i-プロポキシ)ホスフィン(3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン)[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イリデン]ルテニウム(II)ジクロリド、ジクロロ[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン][(5-(2-エトキシ-2-オキソエタンアミド))-(2-イソプロポキシ)ベンジリデン]ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン][(2-イソプロポキシ)(5-ペンタフルオロベンゾイルアミノ)ベンジリデン]ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン]{[5-(2-エトキシ-2-オキソエタンアミド)]-2-イソプロポキシベンジリデン}ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン][(2-イソプロポキシ)(5-ペンタフルオロベンゾイルアミノ)ベンジリデン]ルテニウム(II)、(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン)(ピリジル)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン]{[2-(1-メチルアセトキシ)フェニル]メチレン}ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン][(2-イソプロポキシ)(5-トリフルオロアセトアミド)ベンジリデン]ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン][(5-イソブトキシカルボニルアミノ)-(2-イソプロポキシ)ベンジリデン]ルテニウム(II)またはジクロロ[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン)(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)が含まれ得る。さらにより具体的には、メタセシス触媒は、(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II)、(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジヨード(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II)、(1,3-ジメシチルイミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-イソプロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)、ベンジリデン-ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウム、ジクロロ[1,3-ビス(2,6-イソプロピルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)、[1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)(2-i-プロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)ジヨージド、1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)(2-i-プロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)ジクロリド、(1,3-ジメシチルイミダゾリジン-2-イリデン)ジヨード(2-イソプロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)、ビス(1-(2,6-ジエチルフェニル)-3,5,5-トリメチル-3-フェニルピロリジン-2-イリデン)(3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン)ルテニウム(II)ジクロリド、(1-(2,6-ジエチルフェニル)-3,5,5-トリメチル-3-フェニルピロリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-イソプロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)、(1-(2,6-ジエチルフェニル)-3,5,5-トリメチル-3-フェニルピロリジン-2-イリデン)ジヨード(2-イソプロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2-メチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イリデン[2-(i-プロポキシ)-5-(N,N-ジメチルアミノスルホニル)フェニル]メチレンルテニウム(II)ジクロリド(樹脂担持)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)、[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン]-[2-[[(4-メチルフェニル)イミノ]メチル]-4-ニトロフェノリル]-[3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン]ルテニウム(II)クロリド、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン][[5-[(ジメチルアミノ)スルホニル]-2-(1-メチルエトキシ-O)フェニル]メチレン-C]ルテニウム(II)、ジクロロ[1-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2,2,4-トリメチル-4-フェニル-5-ピロリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)、[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン]ジクロロ[(2-イソプロポキシ)(5-トリフルオロアセトアミド)ベンジリデン]ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](ベンジリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1-(2,4,6-トリメチルフェニル)-2,2,4-トリメチル-4-フェニル-5-ピロリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2,2,4-トリメチル-4-フェニル-5-ピロリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン][(2-イソプロポキシ)(5-ペンタフルオロベンゾイルアミノ)ベンジリデン]ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン]{[5-(2-エトキシ-2-オキソエタンアミド)]-2-イソプロポキシベンジリデン}ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン][(2-イソプロポキシ)(5-ペンタフルオロベンゾイルアミノ)ベンジリデン]ルテニウム(II)、(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン)(ピリジル)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン][(2-イソプロポキシ)(5-トリフルオロアセトアミド)ベンジリデン]ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン][(5-イソブトキシカルボニルアミノ)-(2-イソプロポキシ)ベンジリデン]ルテニウム(II)およびジクロロ[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン)(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)からなる群から選択され得る。
【0034】
メタセシス触媒は、本発明の方法の反応媒体に広範囲の濃度で添加され得る。非限定的な例として、式(II)の化合物の合計量に対して、2ppm~200000ppmの範囲の金属濃度値を挙げることができる。好ましくは、金属濃度は、10ppm~1000ppm、またはさらに30ppm~100ppmになる。当然のことながら、この方法は、より多くの触媒を用いても機能する。しかしながら、金属の最適濃度は、当業者が知っているように、金属の性質、基質の性質、温度および所望の反応時間に依存する。
【0035】
本発明の任意の実施形態によれば、捕捉剤が、本発明の方法に添加されてよい。特に、捕捉剤は、30分後、1時間後、2時間後、3時間後、10時間後、20時間後、24時間後、36時間後に添加されてよい。適切な捕捉剤の非限定的な例には、アミン、1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、ピリジン、イミダゾールニトリル(ポリニトリル)、DMSO等のスルホキシド、アミド、チオール、Pb(OAc)4、2-メルカプトニコチン酸(MNA)、システイン、キレートホスフィン、トリフェニルホスフィンオキシド(TPPO)、ジ(エチレングリコール)ビニルエーテル、ホスファントリイルトリメタノール(THMP)、Na2S2O5、H2O2またはシリカベース異種粒子が含まれる。
【0036】
捕捉剤は、本発明の方法の反応媒体中に広範囲の濃度で添加することができる。非限定的な例には、捕捉剤濃度値として、メタセシス触媒の量に対して5当量~10当量の範囲の値を挙げることができる。当然のことながら、捕捉剤の最適濃度は、当業者が知っているように、捕捉剤の性質、基質の性質、プロセス中に使用される温度および触媒、ならびに所望の反応時間に依存する。
【0037】
式(III)の化合物は、本発明の方法の反応媒体中に、広範囲の濃度で添加することができる。非限定的な例として、式(III)の化合物としては、式(II)の化合物の量に対して、0.5当量~50当量、またはさらに1当量~5当量の範囲の濃度値を挙げることができる。当然のことながら、式(III)の化合物の最適濃度は、当業者が知っているように、式(III)の化合物の性質、式(II)の化合物の性質、プロセスの間に使用される温度および触媒、ならびに所望の反応時間に依存することになる。
【0038】
本発明の方法は、バッチ条件下、セミバッチ条件下または連続条件下で実施される。
【0039】
この反応は、溶媒の不在下で実施され得る。溶媒が実用上の理由で必要とされるか、または使用される場合、メタセシス反応において現在用いられている任意の溶媒が、本発明の目的のために使用され得る。非限定的な例には、C6~10芳香族溶媒、例えばトルエンまたはキシレン;C5~12炭化水素溶媒、例えばヘキサン、ヘプタンまたはシクロヘキサン;C4~8エーテル、例えば、テトラヒドロフラン、2-MeTHFまたはMTBE;C4~10エステル、例えば酢酸エチルおよびi-PrOAc;C1~2塩素化炭化水素、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、またはクロロベンゼン;C2~6第1級または第2級アルコール、例えば、イソプロパノール、メタノールまたはエタノール;C2~6極性溶媒、例えば、アセトンまたはHOAc;および水(中性/酸性);またはそれらの混合物が含まれる。特に、上記の溶媒は、ジクロロメタンもしくはトルエンなどの溶媒であり得、または無溶媒であり得る。溶媒の選択は、メタセシス触媒ならびに式(II)および(III)の化合物の性質に応じて変わる。当業者は、本発明の方法を最適化するためにそれぞれの場合において最も都合のよい溶媒をうまく選択することができる。
【0040】
本発明の方法の温度は、-10℃~150℃、より好ましくは20℃~70℃の範囲に含まれ得る。当然ながら、当業者は、出発物質および最終生成物の融点および沸点ならびに所望の反応時間または変換時間に応じて、好ましい温度を選択することもできる。
【0041】
本発明の方法は、大気圧下または減圧下で実施され得る。本発明の方法は、不活性雰囲気下、例えば窒素および/またはアルゴン下で実施され得る。
【0042】
本発明の方法は、2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)などの式(II)の化合物のダイマー、または2,5-ジクロロヘキサ-3-エンおよびヘキサ-3-エン-2,5-ジイルジアセテートなどの式(III)の化合物のダイマーなどの副生成物の形成をもたらし得る。形成された副生成物のほとんどは、本発明の方法でリサイクルされ得る。加えて、未反応の出発物質も、本発明の方法でリサイクルされ得る。
【0043】
本発明の任意の実施形態によれば、式(I)の化合物は、式(IV)
【化8】
[式中、R
1、R
2およびnは、上記で定義されたものと同じ意味を有し、点線は、炭素-炭素単結合または炭素-炭素二重結合を表し、R
6は、水素原子、COOR
a基によって任意に置換されるC
1~3アルキル基を表し、ここで、R
aは、C
1~3アルキル基である]の化合物にさらに変換され得る。上記の式(IV)の化合物は、塩基を添加した後にスピロシクロプロピル環を形成し、続いて熱転位を行うことによって得ることができる(R
6が水素原子を表し、点線が二重結合を表す場合)。R
6の性質に応じて、さらなる工程、例えば1,4付加および任意で脱炭酸が必要とされ得る。当業者は、式(I)の化合物から出発して式(IV)の化合物を得るために適用する条件を熟知している。特に、スピロシクロプロピル環の形成は、式(I)[式中、Xは脱離基であり、特に、ハロゲン原子またはOR’基(ここで、R’は水素原子を表す)またはSO
2R’’’’(ここで、R’’’’は、メチル、トリフルオロメチル、フェニルまたはトリル基を表す)である]の化合物から出発して実施され得る。特に、Xは、ハロゲン原子またはOSO
2R’’’’であってよく、ここで、R’’’’は、メチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基またはトリル基を表す。特に、Xは、塩素原子であり得る。式(I)[式中、Xは、OR’基を表し、ここでR’は、C
1~6アルキル基、C
2~6アルケニル基、ベンジル基、テトラヒドロフラン-2-イル基、テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル基、トリメチルシリル基、CO(O)
mR’’基、CH
2(OR’’’)基またはCH(OR’’’)CH
3基を表し、ここで、mは、0または1であり、R’’は、水素原子、C
1~6アルキル基またはフェニル基を表し、かつR’’’は、C
1~6アルキル基を表す]の化合物の場合、本発明の方法は、X基を脱離基、例えば塩素原子またはOSO
2R’’’’基に変換する工程をさらに含む。上記の変換を実施するための非限定的かつ典型的な方法は、本明細書では以下の実施例で報告される。式
【化9】
[式中、nは、1~4の整数であり;R
1およびR
2は、互いに独立して、水素原子またはC
1~3アルキル基を表しかつZは臭素または塩素原子である]の副生成物であって、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形の副生成物は、式(I)[式中、Xは、塩素または臭素原子である]の化合物の組み合わせで得ることができる。式(I’)の化合物は、式(I)の化合物と同様にして、式(IV)の化合物に変換することができる。
【0044】
換言すれば、上記で定義された式(IV)の化合物の製造方法は、以下の工程:
i)式(I)[式中、nは、1~4の整数であり;R1およびR2は、互いに独立して、水素原子またはC1~3アルキル基を表し;Xは、ハロゲン原子またはSO2R’’’’基を表し、ここで、R’’’’は、メチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基またはトリル基を表す]の化合物を製造する工程であって、メタセシス触媒の存在下での上記で定義された式(II)の化合物と上記で定義した式(III)の化合物との間の交差メタセシス工程;
ii)スピロシクロプロピルを製造し、続いて加熱分解を行う工程;
iii)任意で1,4付加および任意で脱炭酸を行う工程
を含む。
【0045】
本発明の任意の実施形態によれば、式(IV)の化合物を製造する工程i)は、式(III)[式中、Xは、OR’基であり、ここでR’は、C1~6アルキル基、C2~6アルケニル基、ベンジル基、テトラヒドロフラン-2-イル基、テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル基、トリメチルシリル基、CO(O)mR’’基、CH2(OR’’’)基またはCH(OR’’’)CH3基を表し、ここで、mは、0または1であり、R’’は、水素原子、C1~6アルキル基またはフェニル基を表し、R’’’は、C1~6アルキル基を表す]の化合物を用いて交差メタセシスを実施する場合、X基を塩素原子またはOSO2R’’’’基に変換する工程をさらに含み得る。
【0046】
本発明の任意の実施形態によれば、工程ii)におけるスピロシクロプロピルの製造は、塩基の存在下で実施される。
【0047】
本発明の任意の実施形態によれば、Raは、メチル基またはエチル基を表し得る。
【0048】
明確にするために、「1本の点線は、炭素-炭素単結合または炭素-炭素二重結合を表す」または同様の表現は、当業者によって理解される通常の意味、すなわち、上記の点線によって連結される炭素原子の間の全ての結合(実線および点線)が炭素-炭素単結合または炭素-炭素二重結合であることを意味する。
【0049】
式(I)の化合物は、概して新規な化合物であり、上記で説明され、実施例に示されるような多数の利点を提示する。
【0050】
したがって、本発明の別の対象は、式
【化10】
[式中、nは、1~4の整数であり;R
1およびR
2は、互いに独立して、水素原子またはC
1~3アルキル基を表し;かつXは、ハロゲン原子またはOR’基を表し、ここで、R’は、水素原子、C
1~6アルキル基、C
2~6アルケニル基、ベンジル基、トリメチルシリル基、テトラヒドロフラン-2-イル基、テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル基、CO(O)
mR’’基、CH
2(OR’’’)基、CH(OR’’’)CH
3基またはSO
2R’’’’基を表し、ここで、mは、0または1であり、R’’は、水素原子、C
1~6アルキル基またはフェニル基を表し、R’’’は、C
1~6アルキル基を表し、かつR’’’’は、メチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基またはトリル基を表す]の化合物であって、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形の化合物である。
【0051】
本発明の任意の実施形態によれば、式(I)の化合物は、上記で定義された式(I)のものであるが、ただし、2-(4-クロロブタ-2-エニル)シクロヘキサノン、シス-2-(4-ヒドロキシ-2-ペンテン-1-イル)シクロヘキサノンおよびシス-2-(4-ヒドロキシ-2-ペンテン-1-イル)シクロペンタノンが除外される。
【0052】
本発明の任意の実施形態によれば、式(I)の化合物は、式
【化11】
[式中、R
1、R
2およびXは、上記で定義されたものと同じ意味を有する]の化合物であって、その立体異性体のいずれか1つまたはそれらの混合物の形の化合物である。
【0053】
本発明の方法を実施するための典型的な方法は、本明細書において以下の実施例で報告される。
【実施例】
【0054】
本発明は、ここで以下の実施例によってさらに詳細に説明されることになるが、ここで略語は、当該技術分野における通常の意味を有し、温度は、摂氏(℃)で示される。NMRスペクトルは、400MHz(1H)および100MHz(13C)で動作するBruker Avance II Ultrashield 400 plus、または500MHz(1H)および125MHz(13C)で動作するBruker Avance III 500、または600MHz(1H)および150MHz(13C)で動作するBruker Avance III 600クライオプローブを使用して取得した。スペクトルは、テトラメチルシラン0.0ppmに対して内部参照した。1H NMRシグナルシフトは、δ ppmで表され、カップリング定数(J)は、以下の多重度:s、シングレット;d、ダブレット;t、トリプレット;q、カルテット;m、マルチプレット;b、ブロード(未解明のカップリングを示す)で、Hzで表され、Bruker Topspinソフトウェアを使用して解釈された。13C NMRデータは、化学シフトδ ppmならびにDEPT 90およびDEPT 135実験からのハイブリダイゼーション、C、第四級(s);CH、メチン(d);CH2、メチレン(t);CH3、メチル(q)で表される。
【0055】
[実施例1]
(2-アリルシクロペンタン-1-オンと3-クロロブタ-1-エンとの交差メタセシスによる2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの調製)
10mLのフラスコ内で、1g(8.05ミリモル)の2-アリルシクロペンタン-1-オンを、2.19g(24.16ミリモル、3当量)の3-クロロブタ-1-エンと、室温で、アルゴン雰囲気下で混合した。9.2mg(0.0121ミリモル、0.15モル%)のGreenCat(登録商標)(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II);製造元:Apeiron;CAS 1448663-06-6)を、3時間かけて添加した(3回、3.05mg)。触媒を添加するたびにガスの発生が認められた。次に、混合物を、室温で一晩撹拌した。26mg(1.5モル%)のSnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)の添加と室温での1時間の撹拌の後、混合物を、シリカゲルカラムを通して濾過し、溶媒を、減圧下で蒸発させた。粗生成物(2.40g)を、クーゲルロール蒸留(45~140℃、1.6トル)により精製した。1.43g(純度80.0%)の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン(6.13ミリモル、収率76.1%)を、無色の液体(GC17.4%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エンを含有する)として得た。
【化12】
【0056】
[実施例2]
(2-アリルシクロペンタン-1-オンと3-クロロブタ-1-エンとの交差メタセシスによる2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの調製)
10mLのフラスコ内で、1g(8.05ミリモル)の2-アリルシクロペンタン-1-オンを、1.46g(16.11ミリモル、2当量)の3-クロロブタ-1-エンと、室温で、アルゴン雰囲気下で混合した。9.2mg(0.0121ミリモル、0.15モル%)のGreenCat(登録商標)(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II);製造元:Apeiron;CAS 1448663-06-6)を、3時間かけて添加した(3回、3.05mg)。触媒を添加するたびにガスの発生が認められた。次に、混合物を室温で一晩撹拌した。26mg(1.5モル%)のSnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)の添加と室温での1時間の撹拌の後、混合物を、シリカゲルカラムを通して濾過し、溶媒を、減圧下で蒸発させた。粗生成物(2.03g)を、クーゲルロール蒸留(45~140℃、1.6トル)により精製した。1.2g(純度78.9%)の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン(5.07ミリモル、収率62.9%)を、無色の液体(GC15.8%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エンを含有する)として得た。
【0057】
[実施例3]
(溶媒の存在下での2-アリルシクロペンタン-1-オンと3-クロロブタ-1-エンとの交差メタセシスによる2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの調製)
100mLのフラスコ内で、1g(8.05ミリモル)の2-アリルシクロペンタン-1-オンを、1.46g(16.11ミリモル、2当量)の3-クロロブタ-1-エンおよび40mLのジクロロメタンと、室温で、アルゴン雰囲気下で混合する。63mg(0.0805ミリモル、1モル%)のGreenCat(登録商標)(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II);製造元:Apeiron;CAS 1448663-06-6)を添加する。次に、混合物を40℃で4時間撹拌した。88.7mg(5モル%)のSnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)の添加後、室温で1時間撹拌した後、混合溶媒を、減圧下で蒸発させた(粗生成物2.05g)。粗生成物(2.05g)をクーゲルロール蒸留(45~140℃、1.6トル)により精製した。1.48g(純度68.9%)の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン(5.46ミリモル、収率67.9%)を、無色の液体(GC11.1%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン、9.6%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、1.0%の2-アリルシクロペンタン-1-オンを含有する)として得た。
【0058】
[実施例4]
(2-アリルシクロペンタン-1-オンと3-クロロブタ-1-エンとの交差メタセシスによる2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの調製)
10mLのシュレンク管の中で、2g(16.10ミリモル)の2-アリルシクロペンタン-1-オンを、2.92g(32.21ミリモル、2当量)の3-クロロブタ-1-エンと、室温で、アルゴン雰囲気下で混合した。13mg(0.0167ミリモル、0.1モル%)のGreenCat(登録商標)(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II);製造元:Apeiron;CAS 1448663-06-6)を添加し、触媒の添加後にガス発生が認められた。混合物を室温で1時間撹拌し、続いて12mg(0.0154ミリモル、0.1モル%)のGreenCat(登録商標)(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II);製造元:Apeiron;CAS 1448663-06-6)をさらに添加した。ここでも、ガスの発生が認められ、混合物を室温で3時間撹拌した。35mg(1モル%)のSnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)を添加し、室温で1時間撹拌した後、粗生成物(4.10g)をクーゲルロール蒸留により精製した。第1の画分(80℃、1atm)により、1.0g(11.04ミリモル)の3-クロロブタ-1-エンが得られる。第2の画分(45℃~140℃、1.5トル)により、1.70g(54.0%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、1.4%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、17.1%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン、5.5%の3-クロロブタ-1-エン、14.0%の2-アリルシクロペンタン-1-オン)が得られる。第3の画分(45℃~140℃、1.5トル)により、0.70g(GC86.8%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、3.0%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン))が得られる。最後の画分により、0.43gの2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)が得られる。
【0059】
2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの総量:1.53g(8.20ミリモル、収率51%)。
2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)の総量:475mg(2.16ミリモル、収率26.8%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
2-アリルシクロペンタン-1-オンの総量:238mg(1.91ミリモル、収率11.9%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
3-クロロブタ-1-エンの総量:1.09g(12.04ミリモル、収率37.4%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
2,5-ジクロロヘキサ-3-エンの総量:291mg(1.90ミリモル、収率11.8%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
【0060】
2-アリルシクロペンタン-1-オン(
1H-NMR)のスペクトルデータは、公開されたものと同じであった(Journal of the American Chemical Society 2011, 133, 2418-2420)。
【化13】
【0061】
[実施例5]
(2-アリルシクロペンタン-1-オンと3-クロロブタ-1-エンとの交差メタセシスによる2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン(0.05モル%~0.1モル%のメタセシス触媒)の調製)
5mLのシュレンク管の中で、1g(純度98.5%、7.93ミリモル)の新たに蒸留された2-アリルシクロペンタン-1-オンを、1.46g(15.95ミリモル、2当量)の新たに蒸留された3-クロロブタ-1-エンと、室温で、アルゴン雰囲気下で混合し、3.15mg(0.0040ミリモル、0.05モル%)のGreenCat(登録商標)(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II);製造元:Apeiron;CAS 1448663-06-6)を添加した(ガスの発生が認められた)。次に、混合物を、室温で1時間撹拌した(GC分析:51.7%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、16.9%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、4.9%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン、23.8%の2-アリルシクロペンタン-1-オン)。混合物を、室温で23時間撹拌し(GC分析:52.5%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、16.3%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、4.7%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン、23.9%の2-アリルシクロペンタン-1-オン)、続いて3.15mg(0.0040ミリモル、0.05モル%)のGreenCat(登録商標)(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II);製造元:Apeiron;CAS 1448663-06-6)をさらに添加した。ここでも、ガスの発生が認められ、混合物を、室温で94時間撹拌した(GC分析:66.9%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、11.0%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、11.2%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン、8.2%の2-アリルシクロペンタン-1-オン)。8.7mgのSnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)を添加し、室温で1時間撹拌した後、混合物を、SiO2のパッドを通して濾過した(溶媒の添加なし)。
【0062】
[実施例6]
(2-アリルシクロペンタン-1-オンと3-クロロブタ-1-エンとの交差メタセシスによる2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン(0.016モル%~0.1モル%のメタセシス触媒)の調製)
10mLのシュレンク管の中で、3g(純度98.5%、23.796ミリモル)の新たに蒸留された2-アリルシクロペンタン-1-オンを、4.41g(48.167ミリモル、2当量)の新たに蒸留された3-クロロブタ-1-エンと、室温で、アルゴン雰囲気下で混合し、3.15mg(0.0040ミリモル、0.016モル%)のGreenCat(登録商標)(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II);製造元:Apeiron;CAS 1448663-06-6)を添加した(ガスの発生が認められた)。次に、混合物を室温で1時間撹拌した(GC分析:14.4%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、7.5%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、0.7%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン、75.7%の2-アリルシクロペンタン-1-オン)。混合物を、室温で23時間撹拌し(GC分析:14.6%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、7.9%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、0.7%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン、74.9%の2-アリルシクロペンタン-1-オン)、続いて15.75mg(0.020ミリモル、0.084モル%)のGreenCat(登録商標)(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II);製造元:Apeiron;CAS 1448663-06-6)をさらに添加した。ここでも、ガスの発生が認められ、混合物を、室温で94時間撹拌した(GC分析:63.7%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、12.3%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、8.7%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン、12.3%の2-アリルシクロペンタン-1-オン)。26.5mgのSnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)を添加し、室温で1時間撹拌した後、混合物を、SiO2のパッドを通して濾過した(溶媒の添加なし)。
【0063】
[実施例7]
(2-アリルシクロペンタン-1-オンと3-クロロブタ-1-エンとの交差メタセシスによる2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン(0.033モル%~0.1モル%のメタセシス触媒)の調製)
10mLのシュレンク管の中で、2g(純度98.7%、15.896ミリモル)の新たに蒸留された2-アリルシクロペンタン-1-オンを、2.92g(31.893ミリモル、2当量)の新たに蒸留された3-クロロブタ-1-エンと、室温で、アルゴン雰囲気下で混合し、4.2mg(0.00535ミリモル、0.033モル%)のGreenCat(登録商標)(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II);製造元:Apeiron;CAS 1448663-06-6)を添加した(ガスの発生が認められた)。次に、混合物を、室温で1時間撹拌した(GC分析:27.6%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、12.6%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、1.3%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン、56.3%の2-アリルシクロペンタン-1-オン)。混合物を、室温で69時間撹拌し(GC分析:27.6%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、12.8%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、1.3%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン、56.3%の2-アリルシクロペンタン-1-オン)、続いて8.4mg(0.0107ミリモル、0.067モル%)のGreenCat(登録商標)(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II);製造元:Apeiron;CAS 1448663-06-6)をさらに添加した。ここでも、ガスの発生が認められ、混合物を、室温で24時間撹拌した(GC分析:67.0%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、9.5%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、11.8%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン、8.8%の2-アリルシクロペンタン-1-オン)。17.7mgのSnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)を添加し、室温で1時間撹拌した後、混合物を、SiO2のパッドを通して濾過した(溶媒の添加なし)。
【0064】
全体で6gの2-アリルシクロペンタン-1-オン(48.32ミリモル)および8.79gの3-クロロブタ-1-エン(97.07ミリモル)を用いた、(37.8mgのGreenCat(登録商標)、(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II);製造元:Apeiron;CAS 1448663-06-6)、49.2mgのSnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)を使用する)3つの反応(実施例5~7)の粗生成物(11.416g、64.9%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン)を、クーゲルロール蒸留(85℃、atm、30分~130℃、1.1トル、17分)により精製した。5.304gの2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン(27.39ミリモル、収率58.8%)を無色の液体として得た。
【0065】
2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの総量:無色の液体として5.304g(27.39ミリモル、収率58.8%)。
2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)の総量:780mg(3.53ミリモル、収率14.6%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
2-アリルシクロペンタン-1-オンの総量:810mg(6.52ミリモル、収率13.5%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
3-クロロブタ-1-エンの総量:2.711g(29.94ミリモル、収率30.8%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)。2.32gの3-クロロブタ-1-エンは、その揮発性のために失われた。
2,5-ジクロロヘキサ-3-エンの総量:814mg(6.53ミリモル、収率13.5%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
【0066】
[実施例8]
(2-アリルシクロペンタン-1-オンと3-クロロブタ-1-エンとの交差メタセシスによる2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの調製)
5mLのシュレンク管の中で、1g(純度92.3%、7.473ミリモル)の2-アリルシクロペンタン-1-オンを、1.46g(16.124ミリモル、2当量)の3-クロロブタ-1-エンと、室温で、アルゴン雰囲気下で混合した。11.66mg(0.0121ミリモル、0.15モル%)の(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジヨード(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II)(CAS 2380295-90-7)を、3時間かけて添加した(3回、3.87mg)。触媒を添加するたびにガスの発生が認められた。次に、混合物を、室温で一晩撹拌し、GCにより分析した(GC分析:SnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)を試料に添加し、室温で撹拌し、SiO2のパッドを通して濾過する)。
【0067】
室温で24時間後のGC分析:6.3%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、63.4%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、12.8%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、8.7%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
【0068】
[実施例9]
(2-アリルシクロペンタン-1-オンと3-クロロブタ-1-エンとの交差メタセシスによる2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの調製)
5mLのシュレンク管の中で、1g(純度92.3%、7.473ミリモル)の2-アリルシクロペンタン-1-オンを、1.46g(16.124ミリモル、2当量)の3-クロロブタ-1-エンと、室温で、アルゴン雰囲気下で混合した。8.59mg(0.0121ミリモル、0.15モル%)のジクロロ[1,3-ビス(2,6-イソプロピルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)(CAS 635679-24-2)を、3時間かけて添加した(3回、2.86mg)。触媒を添加するたびにガスの発生が認められた。次に、混合物を、室温で一晩撹拌し、GCにより分析した(GC分析:SnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)を試料に添加し、室温で撹拌し、SiO2のパッドを通して濾過する)。
【0069】
室温で24時間後のGC分析:11.5%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、55.9%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、16.9%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、6.2%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
【0070】
[実施例10]
(2-アリルシクロペンタン-1-オンと3-クロロブタ-1-エンとの交差メタセシスによる2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの調製)
5mLのシュレンク管の中で、1g(純度92.6%、7.457ミリモル)の2-アリルシクロペンタン-1-オンを、1.46g(16.011ミリモル、2.1当量)の3-クロロブタ-1-エンと、室温で、アルゴン雰囲気下で混合した。11.33mg(0.0121ミリモル、0.15モル%)の[1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)(2-i-プロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)ジヨージド(CAS 1874265-00-5)を、3時間かけて添加した(3回、3.78mg)。触媒を添加するたびにガスの発生が認められた。次に、混合物を室温で一晩撹拌し、GCにより分析した(GC分析:SnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)を試料に添加し、室温で撹拌し、SiO2のパッドを通して濾過する)。
【0071】
室温で24時間後のGC分析:5.6%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、64.7%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、11.6%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、10.7%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
【0072】
[実施例11]
(2-アリルシクロペンタン-1-オンと3-クロロブタ-1-エンとの交差メタセシスによる2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの調製)
一般的な手順:
還流冷却器を備えた10mLのシュレンク管の中で、250mg(純度98.2%、1.977ミリモル)の2-アリルシクロペンタン-1-オンを、2.5mLのジクロロメタン中の358mg(3.954ミリモル、2当量)の3-クロロブタ-1-エンと、室温で、アルゴン雰囲気下で混合し、1モル%の触媒を添加した。次に、混合物を、室温で1時間撹拌し、GCにより分析した(GC分析:SnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)を試料に添加し、室温で撹拌し、SiO2のパッドを通して濾過する)。混合物を、40℃に温め(還流)、1時間後にGCにより分析した(GC分析:SnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)を試料に添加し、室温で撹拌し、SiO2のパッドを通して濾過する)。4モル%の触媒を添加した後、混合物を40℃でさらに2時間撹拌(還流)し、GCにより分析した(GC分析:SnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)を試料に添加し、室温で撹拌し、SiO2のパッドを通して濾過する)。
【0073】
(2-(2,6-ジエチルフェニル)-3,3-ジメチル-2-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)(2-イソプロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)ジクロリドとの交差メタセシス:
室温で1時間、40℃で3時間後のGC分析(5モル%):8.3%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、45.5%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、25.2%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、5.6%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
【0074】
(1,3-ジメシチルイミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-イソプロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)(CAS 502964-52-5)との交差メタセシス:
室温で1時間、40℃で3時間後のGC分析(5モル%):0.9%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、53.4%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、5.6%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、21.1%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
【0075】
(1,3-ジメシチルイミダゾリジン-2-イリデン)ジヨード(2-イソプロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)(CAS 1874264-99-9)との交差メタセシス:
室温で1時間、40℃で1時間後のGC分析(1モル%):10.3%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、55.3%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、15.6%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、8.4%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
【0076】
ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)(CAS 301224-40-8)との交差メタセシス:
室温で1時間、40℃で1時間後のGC分析:3.0%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、63.3%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、10.1%の2,2’-g(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、17.0%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
【0077】
ベンジリデン-ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウム(CAS 172222-30-9)との交差メタセシス:
室温で1時間、40℃で1時間後のGC分析(1モル%):2.6%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、64.0%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、9.8%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、17.2%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
室温で1時間、40℃で3時間後のGC分析(5モル%):1.5%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、65.0%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、9.8%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、16.3%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
【0078】
ビス(1-(2,6-ジエチルフェニル)-3,5,5-トリメチル-3-フェニルピロリジン-2-イリデン)(3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン)ルテニウム(II)ジクロリド(CAS 2055540-61-7)との交差メタセシス:
室温で1時間、40℃で3時間後のGC分析(5モル%):4.6%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、60.6%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、6.7%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、6.1%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
【0079】
(1-(2,6-ジエチルフェニル)-3,5,5-トリメチル-3-フェニルピロリジン-2-イリデン)(2-イソプロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)ジクロリド(CAS 2106819-64-9)との交差メタセシス:
室温で1時間、40℃で3時間後のGC分析(5モル%):0.4%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、64.3%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、6.8%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、10.4%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
【0080】
(1-(2,6-ジエチルフェニル)-3,5,5-トリメチル-3-フェニルピロリジン-2-イリデン)(2-イソプロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)ジヨージドとの交差メタセシス:
室温で1時間、40℃で3時間後のGC分析(5モル%):1.2%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、44.3%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、29.4%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、9.8%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
【0081】
ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](ベンジリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)(CAS 246047-72-3)との交差メタセシス:
室温で1時間、40℃で3時間後のGC分析(5モル%):0.9%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、61.6%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、7.1%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、17.1%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
【0082】
ジクロロ[1,3-ビス(2-メチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)(CAS 927429-61-6)との交差メタセシス:
室温で1時間、40℃で3時間後のGC分析(5モル%):2.5%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、66.0%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、5.6%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、13.8%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
【0083】
1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イリデン[2-(i-プロポキシ)-5-(N,N-ジメチルアミノスルホニル)フェニル]メチレンルテニウム(II)ジクロリド(樹脂担持)との交差メタセシス:
室温で1時間、35℃で3時間後のGC分析(5モル%):3.9%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、60.1%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、13.7%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、14.5%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
【0084】
ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン][[5-[(ジメチルアミノ)スルホニル]-2-(1-メチルエトキシ-O)フェニル]メチレン-C]ルテニウム(II)(CAS 918870-76-5)との交差メタセシス:
室温で1時間、35℃で3時間後のGC分析(5モル%):2.5%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、56.1%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、8.5%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、19.9%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
【0085】
ジクロロ[1,3-ビス(2-メチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](ベンジリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)(CAS 927429-60-5)との交差メタセシス:
室温で1時間、35℃で3時間後のGC分析(5モル%):15.2%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、49.9%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、16.7%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、6.2%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
【0086】
ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)(CAS 536724-67-1)との交差メタセシス:
室温で1時間、40℃で3時間後のGC分析(5モル%):1.6%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、59.8%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、8.9%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、14.8%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
【0087】
ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](3-メチル-2-ブテニリデン)(ジピリジン)ルテニウム(II)(CAS 357186-58-4)との交差メタセシス:
室温で1時間、35℃で3時間後のGC分析(5モル%):15.1%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、47.9%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、17.8%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、7.4%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
【0088】
[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4-[(トリメチルアンモニオ)メチル]イミダゾリジン-2-イリデン]-(2-i-プロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ジクロロルテニウム(II)クロリド(CAS 1452227-72-3)との交差メタセシス:
室温で1時間、35℃で3時間後のGC分析(5モル%):4.6%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、58.2%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、15.8%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、10.1%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
【0089】
[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン]ジクロロ[(2-イソプロポキシ)(5-トリフルオロアセトアミド)ベンジリデン]ルテニウム(II)(CAS 1212008-99-5)との交差メタセシス:
室温で1時間後のGC分析(1モル%):12.1%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、59.6%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、10.5%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、7.6%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
室温で1時間、35℃で1時間後のGC分析(1モル%):2.7%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、71.1%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、6.7%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、15.0%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
【0090】
[実施例12]
(2-アリルシクロペンタン-1-オンとブタ-3-エン-2-イルアセテートとの交差メタセシスによる5-(2-オキソシクロペンチル)ペンタ-3-エン-2-イルアセテートの調製)
20mLのシュレンク管の中で、5g(純度98.2%、39.54ミリモル)の2-アリルシクロペンタン-1-オンを、9.938g(純度98.1%、85.414ミリモル、2当量)のブタ-3-エン-2-イルアセテートと、室温で、アルゴン雰囲気下で混合した。46.6mg(0.0593ミリモル、0.15モル%)のGreenCat(登録商標)(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II);製造元:Apeiron;CAS 1448663-06-6)を、3時間かけて添加し(1時間ごとに15.5mg)、混合物を、室温で24時間撹拌した。65.4mg(0.296ミリモル)のSnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)を、混合物に添加し、撹拌を室温で1時間続けた(GC分析:4.3%のアリルシクロペンタン-1-オン、22.5%のブタ-3-エン-2-イルアセテート、42.6%の5-(2-オキソシクロペンチル)ペンタ-3-エン-2-イルアセテート、4.8%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、15.9%のヘキサ-3-エン-2,5-ジイルジアセテート)。混合物を、SiO2のパッドを通して濾過し(粗生成物12.254g)、クーゲルロール蒸留(40℃~170℃、0.39トル、15分)により精製した。
【0091】
5-(2-オキソシクロペンチル)ペンタ-3-エン-2-イルアセテートの総量:5.71g(27.15ミリモル、収率68.7%)
2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)の総量:0.690g(3.13ミリモル、収率15.8%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
2-アリルシクロペンタン-1-オンの総量:511mg(4.10ミリモル、収率10.4%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
ヘキサ-3-エン-2,5-ジイルジアセテートの総量:2.00g(9.989ミリモル、収率23.4%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
ブタ-3-エン-2-イルアセテートの総量:2.303g(20.17ミリモル、収率23.6%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
【化14】
【0092】
[実施例13]
(2-アリルシクロペンタン-1-オンとブタ-3-エン-2-オールとの交差メタセシスによる2-(4-ヒドロキシペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの調製)
30mLのシュレンク管の中で、10g(純度98.2%、79.087ミリモル)の2-アリルシクロペンタン-1-オンを、11.405g(純度98.1%、158.17ミリモル、2当量)のブタ-3-エン-2-オールと、室温で、アルゴン雰囲気下で混合した。91.1mg(0.1186ミリモル、0.15モル%)のGreenCat(登録商標)(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II);製造元:Apeiron;CAS 1448663-06-6)を、3時間かけて添加し(1時間ごとに31.04mg)、混合物を、室温で24時間撹拌した。130.7mg(0.593ミリモル)のSnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)を、混合物に添加し、撹拌を室温で1時間続けた(GC分析、38%のアリルシクロペンタン-1-オンおよびヘキサ-3-エン-2,5-ジオールの比68/32、22.9%の3-ブテン-2-オール、27.9%の2-(4-ヒドロキシペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、4.4%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン))。混合物を、SiO2のパッドを通して濾過した(粗生成物16.28g、(GC分析:48.9%のアリルシクロペンタン-1-オンおよびヘキサ-3-エン-2,5-ジオールの比68/32、6.5%の3-ブテン-2-オール、36.3%の2-(4-ヒドロキシペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、2.8%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン))を、クーゲルロール蒸留(40℃~170℃、0.39トル、15分)により精製した。
【0093】
2-(4-ヒドロキシペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの総量:5.656g(33.62ミリモル、収率42.5%)
2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)の総量:0.494g(2.24ミリモル、収率5.6%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
2-アリルシクロペンタン-1-オンおよびヘキサ-3-エン-2,5-ジオールの総量の比68/32:7.45g(5.06gの2-アリルシクロペンタン-1-オン、40.7ミリモル、収率51.4%-交差メタセシス反応で再利用可能であった、2.38gのヘキサ-3-エン-2,5-ジオール、20.48ミリモル、収率25.9%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
ブタ-3-エン-2-オールの総量:0.277g(3.13ミリモル、収率3.9%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
【化15】
【0094】
[実施例14]
(2-アリルシクロペンタン-1-オンと3-(1-ブトキシエトキシ)ブタ-1-エンとの交差メタセシスによる2-(4-(1-ブトキシエトキシ)ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの調製)
5mLのシュレンク管の中で、0.250g(純度98.2%、1.977ミリモル)の2-アリルシクロペンタン-1-オンを、0.680g(3.954ミリモル、2当量)の3-(1-ブトキシエトキシ)ブタ-1-エンと、室温で、2.5mLのジクロロメタン中で、アルゴン雰囲気下で混合した。15.5mg(0.0198ミリモル、1モル%)のGreenCat(登録商標)(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II);製造元:Apeiron;CAS 1448663-06-6)を添加し、混合物を、室温で24時間撹拌した。混合物を、GCで分析した(GC分析:SnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)を試料に添加し、室温で撹拌し、SiO2のパッドを通して濾過する)。
【0095】
GC分析:1.2%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、73.8%の2-(4-(1-ブトキシエトキシ)ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、8.3%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、1.7%の6,8,11,13-テトラメチル-5,7,12,14-テトラオキサオクタデカ-9-エン。
【0096】
精製された試料の特徴的なシグナル(純度85%)
2-(4-(1-ブトキシエトキシ)ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン(4種の主ジアステレオマー)
特徴的なシグナル:
【化16】
【0097】
3-(1-ブトキシエトキシ)ブタ-1-エンは、ブタ-3-エン-2-オールおよび1-(ビニルオキシ)ブタンから調製することが可能であった(cat CF3COOHまたはPPTS、THF、室温5時間、R. Menicagli, C. Malanga, M. Dell’Innocenti, L. Lardicci J. Org. Chem. 1987, 52, 5700-5704)。
【0098】
3-(1-ブトキシエトキシ)ブタ-1-エン(ジアステレオマー)の精製された試料(純度85%)の特徴的なシグナル。
【化17】
【0099】
[実施例15]
(2-アリルシクロペンタン-1-オンと(ブタ-3-エン-2-イルオキシ)トリメチルシランとの交差メタセシスによる2-(4-((トリメチルシリル)オキシ)ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの調製)
5mLのシュレンク管の中で、0.159g(純度98.2%、1.257ミリモル)の2-アリルシクロペンタン-1-オンを、0.389g(2.515ミリモル、2当量)(ブタ-3-エン-2-イルオキシ)トリメチルシラン(CAS 18269-41-5)と、室温で、1.6mLのジクロロメタン中で、アルゴン雰囲気下で混合した。9.9mg(0.0126ミリモル、1モル%)のGreenCat(登録商標)(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II);製造元:Apeiron;CAS 1448663-06-6)を添加し、混合物を、室温で24時間撹拌した。混合物を、GCで分析した(GC分析:SnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)を試料に添加し、室温で撹拌し、SiO2のパッドを通して濾過する)。
【0100】
GC分析:0.7%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、43.0%の2-(4-((トリメチルシリル)オキシ)ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、33.2%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、5.1%の2,2,4,7,9,9-ヘキサメチル-3,8-ジオキサ-2,9-ジシラデカ-5-エン。
【0101】
精製された試料の特徴的なシグナル(純度96%)
2-(4-((トリメチルシリル)オキシ)ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン(2種の主ジアステレオマー)
【化18】
【0102】
[実施例16]
((E)-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタノンと3-クロロブタ-1-エンとの交差メタセシスによる2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの調製)
10mLのシュレンク管の中で、2g(13.14ミリモル)の(E)-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタノンを、2.38g(26.28ミリモル、2当量)の3-クロロブタ-1-エンと、室温で、アルゴン雰囲気下で混合した。51mg(0.0657ミリモル、0.5モル%)のGreenCat(登録商標)(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II);製造元:Apeiron;CAS 1448663-06-6)を添加し、混合物を、室温で2時間撹拌した。87mg(5モル%)のSnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)を添加した後、混合物を、室温で1時間撹拌した。粗生成物(3.98g、粗生成物のGC分析:29%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、12.6%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、8.6%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン、23.9%の2-クロロヘキサ-3-エン、8.4%の(E)-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタノン)を、クーゲルロール蒸留により精製した。第1の画分(75℃、1atm)により、0.400g(4.43ミリモル)の3-クロロブタ-1-エンが得られた。第2の画分(45℃~140℃、1.6トル)により、2.72g(GC34.2%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、24.3%の2-クロロヘキサ-3-エン、10.8%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン、11.8%の(E)-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタノン、11.2%の2-アリルシクロペンタン-1-オン)が得られた。第3の画分により、0.63g(10.3%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、79.0%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン))が得られた。
【0103】
2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの総量:994mg(5.32ミリモル、収率40.5%)
2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)の総量:498mg(2.26ミリモル、収率34.4%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
3-クロロブタ-1-エンの総量:0.400g(4.43ミリモル、収率16.8%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
2-アリルシクロペンタン-1-オンの総量:0.305g(2.45ミリモル、収率18.7%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
2,5-ジクロロヘキサ-3-エンの総量:0.294g(1.92ミリモル、収率14.6%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
2-クロロヘキサ-3-エンの総量:0.662g(5.57ミリモル、収率21.2%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)。
【0104】
(特性評価のための)2-クロロヘキサ-3-エンは、1モル%のGreenCat(登録商標)(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II);製造元:Apeiron;CAS 1448663-06-6)(室温で溶媒なし)を使用して交差メタセシスにより(E)-ヘキサ-3-エンおよび2当量の3-クロロブタ-1-エンから調製することが可能であった。
【化19】
【0105】
[実施例17]
(2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)と3-クロロブタ-1-エンとの交差メタセシスによる2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの調製)
10mLのシュレンク管の中で、1g(4.54ミリモル)の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)を、1.64g(18.15ミリモル、4当量)の3-クロロブタ-1-エンと、室温で、アルゴン雰囲気下で混合した。18mg(0.0227ミリモル、0.5モル%)のGreenCat(登録商標)(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II);製造元:Apeiron;CAS 1448663-06-6)を添加し、混合物を、室温で1時間撹拌した。25mg(2.5モル%)のSnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)の添加後、混合物を、室温で30分間撹拌した。粗生成物(2.23g、粗生成物のGC分析:30.7%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、46.8%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、8.6%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン、10.7%の2-アリルシクロペンタン-1-オン)を、クーゲルロール蒸留により精製した。第1の画分(80℃、1atm)により、0.500g(5.52ミリモル)の3-クロロブタ-1-エンが得られた。第2の画分(45℃~130℃、1atm)により、0.800g(GC 51.2%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、3.4%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、16.7%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン、19.5%の2-アリルシクロペンタン-1-オン)が得られた。第3の画分により、0.510g(7.0%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、81.3%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、1.9%の2-アリルシクロペンタン-1-オン)が得られた。
【0106】
2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの総量:446mg(2.39ミリモル、収率52.6%)
2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)の総量:442mg(2.01ミリモル、収率44.3%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
3-クロロブタ-1-エン:の総量0.500g(5.52ミリモル、収率30.3%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
2-アリルシクロペンタン-1-オンの総量:0.157g(1.26ミリモル、収率13.9%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
2,5-ジクロロヘキサ-3-エンの総量:0.294g(1.92ミリモル、収率14.6%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
【0107】
[実施例18]
(2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)と5-ジクロロヘキサ-3-エンとの交差メタセシスによる2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの調製)
5mLのシュレンク管の中で、200mg(0.908ミリモル)の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)を、166mg(1.089ミリモル、1.2当量)の2,5-ジクロロヘキサ-3-エンと、室温で、アルゴン雰囲気下で混合した。18mg(0.027ミリモル、3モル%)のNitroGrela((1,3-ジメシチルイミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-イソプロポキシ-5-ニトロベンジリデン)ルテニウム(II)、Apeiron CAS 502964-52-5)を添加した。次に、混合物を、室温で6時間撹拌し、GCにより分析した(GC分析:SnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)を試料に添加し、室温で撹拌し、SiO2のパッドを通して濾過する)。
【0108】
室温で6時間後のGC分析:8.4%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、65.2%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、26.4%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン。
【0109】
2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)(純度97%)は、0.3モル%のGreenCat(登録商標)(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II);製造元:Apeiron;CAS 1448663-06-6)(溶媒なし、室温で2時間)を使用して交差メタセシスにより2-アリルシクロペンタン-1-オンから調製することが可能であった。
【0110】
2,5-ジクロロヘキサ-3-エン(純度98%)は、0.2モル%のGreenCat(登録商標)(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II);製造元:Apeiron;CAS 1448663-06-6)(溶媒なし、室温で2時間)を使用して交差メタセシスにより3-クロロブタ-1-エンから調製することが可能であった。
【0111】
[実施例19]
(2-(3-メチルブタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンと3-クロロブタ-1-エンとの交差メタセシスによる2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの調製)
10mLのシュレンク管の中で、2g(13.14ミリモル)の2-(3-メチルブタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンを、2.38g(26.28ミリモル、2当量)の3-クロロブタ-1-エンと、室温で、アルゴン雰囲気下で混合した。52mg(0.0657ミリモル、0.5モル%)のGreenCat(登録商標)(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン)ジクロロ(2-((1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)ベンジリデン)ルテニウム(II);製造元:Apeiron;CAS 1448663-06-6)を添加し、混合物を、室温で2時間撹拌した。室温で2時間後、72mg(2.5モル%)のSnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)を混合物に添加し、撹拌を室温で30分間続けた。粗生成物(4.02g、GC分析:12.5%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、3.1%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)、20.3%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン、53.3%の2-(3-メチルブタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、4.3%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、4.0%の4-クロロ-2-メチルペンタ-2-エン)を、クーゲルロール蒸留により精製した。第1の画分(90℃、1atm)により、0.500g(5.52ミリモル)の3-クロロブタ-1-エンが得られた。第2の画分(45℃~130℃、1atm)により、0.750g(GC2.0%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、6.0%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン、88.0%の2-(3-メチルブタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、1.4%の2-アリルシクロペンタン-1-オンが)得られた。第3の画分により、1.050g(56.2%の2,5-ジクロロヘキサ-3-エン、33.0%の2-(3-メチルブタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、10.7%の2-アリルシクロペンタン-1-オン)が得られた。第4の画分により、0.700g(42.6%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、43.0%の2-(3-メチルブタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン)が得られる。最後の画分により、0.250g(14.4%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、8%の2-(3-メチルブタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、48.2%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン))が得られた。
【0112】
2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの総量:0.349mg(1.87ミリモル、収率14.2%)
2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)の総量:0.121g(0.55ミリモル、収率8.3%)-交差メタセシス反応で再利用可能であった
2-(3-メチルブタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの総量:1.328g(8.72ミリモル、収率66.4%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
3-クロロブタ-1-エンの総量:0.500g(5.52ミリモル、収率21.0%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
2,5-ジクロロヘキサ-3-エンの総量:0.635g(4.15ミリモル、収率31.6%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
2-アリルシクロペンタン-1-オンの総量:0.111mg(0.893ミリモル、収率6.8%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
4-クロロ-2-メチルペンタ-2-エンの総量:0.161mg(1.35ミリモル、収率5.2%-交差メタセシス反応で再利用可能であった)
【0113】
[実施例20]
(2-アリルシクロペンタン-1-オン(in situで形成された2,2’-ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)と5-ジクロロヘキサ-3-エンとの間の交差メタセシスによる2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの調製)
5mLのシュレンク管の中で、200mg(1.582ミリモル、純度98.2%)の2-アリルシクロペンタン-1-オンを、537mg(純度90%、3.16ミリモル、2当量)の2,5-ジクロロヘキサ-3-エンと、室温で、アルゴン雰囲気下で、2mLのジクロロメタン中で混合した。65mg(0.0791ミリモル、5モル%)のHoveyda-Grubbs Catalyst(登録商標)M71 SIPr([1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン]ジクロロ[(2-イソプロポキシ)(5-トリフルオロアセトアミド)ベンジリデン]ルテニウム(II)、CAS番号1212008-99-5)を、2回にわけて添加した(室温で1モル%、室温で1時間撹拌および40℃で1時間、40℃で4モル%、40℃で2時間撹拌)。次に、混合物を、GCにより分析した(GC分析:SnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)を試料に添加し、室温で撹拌し、SiO2のパッドを通して濾過する)。
【0114】
室温で1時間および40℃で3時間後のGC分析(2,5-ジクロロヘキサ-3-エンなし)(5モル%):0.9%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、52.0%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、30.3%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)。GC分析により、2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)が2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの形成前に形成されたことが示された。
【0115】
5mLのシュレンク管の中で、200mg(1.582ミリモル、純度98.2%)の2-アリルシクロペンタン-1-オンを、537mg(純度90%、3.16ミリモル、2当量)の2,5-ジクロロヘキサ-3-エンと、室温で、アルゴン雰囲気下で、2mLのジクロロメタン中で混合した。45mg(0.0791ミリモル、5モル%)のジクロロ[1,3-ビス(2-メチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)(Hoveyda-Grubbs触媒(登録商標)M72 SI(o-Tol)(C571)、Stewart-Grubbs触媒、CAS番号927429-61-6)を、2回にわけて添加した(室温で1モル%、室温で1時間撹拌および40℃で1時間、40℃で4モル%、40℃で2時間撹拌)。次に、混合物を、GCにより分析した(GC分析:SnatchCat(登録商標)(1,4-ビス(2-イソシアノプロピル)ピペラジン、CAS 51641-96-4)を試料に添加し、室温で撹拌し、SiO2のパッドを通して濾過する)。
【0116】
室温で1時間および40℃で3時間後のGC分析(2,5-ジクロロヘキサ-3-エンなし)(5モル%):3%の2-アリルシクロペンタン-1-オン、30.2%の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン、44.7%の2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)。GC分析により、2,2’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(シクロペンタン-1-オン)が2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの形成前に形成されたことが示された。
【0117】
[実施例21]
(5-(2-オキソシクロペンチル)ペンタ-3-エン-2-イルアセテート、2-(4-(1-ブトキシエトキシ)ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンまたは2-(4-((トリメチルシリル)オキシ)ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの2-(4-ヒドロキシペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンへの変換)
5-(2-オキソシクロペンチル)ペンタ-3-エン-2-イルアセテート、2-(4-(1-ブトキシエトキシ)ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンまたは2-(4-((トリメチルシリル)オキシ)ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンは、標準的な脱保護プロトコル(5-(2-オキソシクロペンチル)ペンタ-3-エン-2-イルアセテートに対してNaOH、MeOH、2-(4-(1-ブトキシエトキシ)ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンに対してAcOH、H2O、2-(4-((トリメチルシリル)オキシ)ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンに対してCF3COOH、MeOH)を使用することにより2-(4-ヒドロキシペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンに完全に脱保護され得る。
【0118】
J. E. Baeckvall, S. E. Bystroem, R. E. Nordberg. J. Org. Chem. 1984, 49, 4619-4631(NaOH, MeOH).
N. Pendem, C. Douat, P. Claudon, M. Laguerre, S. Castano, B. Desbat, D. Cavagnat, E. Ennifar, B. Kauffmann, G. Guichard, J. Am. Chem. Soc. 2013, 135, 4884-4892 (CF3COOH, MeOH).
B. B. Snider, X. Gao, Org. Lett. 2005, 7, 4419-4422 (AcOH, H2O)。
【0119】
[実施例22]
(2-(4-ヒドロキシペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンからの2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンおよび(E)-2-(2-クロロペンタ-3-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの調製)
200mg(純度96.5%、1.148ミリモル)の2-(4-ヒドロキシペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンを、0.50mLのEtOH中で水冷下で撹拌した。0.721g(9.18ミリモル、8当量)の塩化アセチルを、ゆっくりと添加し、この混合物を、室温で1時間撹拌した(出発物質の完全な変換)。5mLのEt2Oを添加し、混合物を、2mLの飽和NaHCO3水溶液で2回洗浄した。SiO2のプラグ(乾燥用)を通して濾過した後、溶媒を、減圧(40℃、15mbar)下で蒸発させた。204mg(純度93%、1.016ミリモル)の64/36混合物の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンおよび(E)-2-(2-クロロペンタ-3-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンを単離した(収率88%)。
【0120】
[実施例23]
(5-(2-オキソシクロペンチル)ペンタ-3-エン-2-イルアセテートからの2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンおよび(E)-2-(2-クロロペンタ-3-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンの調製)
200mg(純度97.5%、0.9269ミリモル)の5-(2-オキソシクロペンチル)ペンタ-3-エン-2-イルアセテートを、0.41mLのEtOH中、水冷下で撹拌した。0.582g(7.42ミリモル、8当量)の塩化アセチルを、ゆっくりと添加し、混合物を、室温で1時間撹拌した(出発物質の完全な変換)。5mLのジクロロメタンを添加し、溶媒を、減圧下で蒸発させた(40℃、150mbar)。この手順を2回繰り返した。178mg(純度91%、0.870ミリモル)の63/37混合物の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンおよび(E)-2-(2-クロロペンタ-3-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンを単離した(収率94%)。
【化20】
【0121】
[実施例24]
(1-((E)-プロパ-1-エン-1-イル)スピロ[2.4]ヘプタン-4-オンの調製)
400mgのKOHを、4gのエタノールおよび600mgの水と混合した。0.485g(0.691ミリモルKOH)のこの溶液を0℃で撹拌しながらゆっくりと添加した。4.51gのこの溶液を、室温で撹拌しながら864mg(4.628ミリモル)の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンにゆっくりと添加した。混合物を、室温に温め、さらに1.5時間撹拌した。5%のHCl水溶液で中和した後、EtOAcを添加した。水相を分離し、有機相を飽和NaHCO
3水溶液および飽和NaCl水溶液で洗浄した。溶媒を減圧下で蒸発させて、1.08gの粗生成物を得た。粗生成物のクーゲルロール蒸留によって、528mg(3.515ミリモル、収率76%)の(1SR,3RS)-1-((E)-プロパ-1-エン-1-イル)スピロ[2.4]ヘプタン-4-オン/(1RS,3RS)-1-((E)-プロパ-1-エン-1-イル)スピロ[2.4]ヘプタン-4-オン/(Z)-1-(プロパ-1-エン-1-イル)スピロ[2.4]ヘプタン-4-オン(比82/9/9)が得られた。
【化21】
【0122】
スペクトルデータ(1H-NMR)は、公開されたスペクトルデータ(Helvetica Chimica Acta, 1978, 2524)と同一であった。
【0123】
[実施例25]
(2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンと(E)-2-(2-クロロペンタ-3-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンとの混合物からの1-((E)-プロパ-1-エン-1-イル)スピロ[2.4]ヘプタン-4-オンの調製)
1.6gのKOHを、16gのエタノールおよび2.4gの水と混合した。0.485gのこの溶液(0.691ミリモルKOH)を、0℃で撹拌しながら2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンと(E)-2-(2-クロロペンタ-3-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンとの141mg(純度91.4%、0.691ミリモル)の63/37混合物にゆっくりと添加した。1.5時間後にGC分析((E)-2-(2-クロロペンタ-3-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンが速く反応)すると、96%の変換率で(1SR,3RS)-1-((E)-プロパ-1-エン-1-イル)スピロ[2.4]ヘプタン-4-オン/(1RS,3RS)-1-((E)-プロパ-1-エン-1-イル)スピロ[2.4]ヘプタン-4-オン/(Z)-1-(プロパ-1-エン-1-イル)スピロ[2.4]ヘプタン-4-オンの混合物(比83/8/10)が得られた。
【0124】
[実施例26]
(1-((E)-プロパ-1-エン-1-イル)スピロ[2.4]ヘプタン-4-オンの調製)
19.2mg(0.804ミリモル、1.5当量)のNaHをヘプタンで洗浄し、3mLのTHFを添加した。65℃に加熱した後、100mg(0.536ミリモル)の2-(4-クロロペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オンを、撹拌しながらゆっくりと添加した。65℃で2時間後、完全な変換が認められた(GC分析:89%の(1SR,3RS)-1-((E)-プロパ-1-エン-1-イル)スピロ[2.4]ヘプタン-4-オン/(1RS,3RS)-1-((E)-プロパ-1-エン-1-イル)スピロ[2.4]ヘプタン-4-オン/(Z)-1-(プロパ-1-エン-1-イル)スピロ[2.4]ヘプタン-4-オン(比15/63/19)。
【0125】
[実施例27]
((E)-5-(2-オキソシクロペンチル)ペンタ-3-エン-2-イルメタンスルホネートからの1-((E)-プロパ-1-エン-1-イル)スピロ[2.4]ヘプタン-4-オンの調製)
((E)-5-(2-オキソシクロペンチル)ペンタ-3-エン-2-イルメタンスルホネート(2-(4-ヒドロキシペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタン-1-オン(MsCl、NEt
3、ジクロロメタン)から調製し、粗生成物として使用した)を、(1SR,3RS)-1-((E)-プロパ-1-エン-1-イル)スピロ[2.4]ヘプタン-4-オンと(1RS,3RS)-1-((E)-プロパ-1-エン-1-イル)スピロ[2.4]ヘプタン-4-オン(副異性体)との混合物に完全に変換することができた(KOH、EtOH、H
2O)。
【化22】
【0126】
[実施例28]
((Z)-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エン-1-オンの調製)
5gの石英リングで満たされたガラス(石英)カラム(15cm)と加熱システム(熱分解炉)とを、カラムの底部の冷却コンデンサーに接続した。ガラスカラムを400℃まで(熱分解炉で)加熱した。実施例24で得られた1.13g(7.51ミリモル)の(1SR,3RS)-1-((E)-プロパ-1-エン-1-イル)スピロ[2.4]ヘプタン-4-オン/(1RS,3RS)-1-((E)-プロパ-1-エン-1-イル)スピロ[2.4]ヘプタン-4-オン/(Z)-1-(プロパ-1-エン-1-イル)スピロ[2.4]ヘプタン-4-オン(82/9/9)の混合物および6mLのトルエンを、頂部からのアルゴン流下でシリンジポンプを用いて頂部からゆっくりと導入した。この粗生成物を、冷却した25mLのフラスコを用いて底部で集めた。粗生成物の溶媒を減圧下で蒸発させ、836mg(5.56ミリモル)の収率74%の(Z)-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エン-1-オンおよび242mg(1.61ミリモル、収率21%のリサイクルされた出発物質)の1SR,3RS)-1-((E)-プロパ-1-エン-1-イル)スピロ[2.4]ヘプタン-4-オン/(1RS,3RS)-1((E)-プロパ-1-エン-1-イル)スピロ[2.4]ヘプタン-4-オン/(Z)-1-(プロパ-1-エン-1-イル)スピロ[2.4]ヘプタン-4-オン(52/8/40)の混合物を、粗生成物のGC分析により得た。
【0127】
(Z)-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エン-1-オンを、カラムクロマトグラフィー(80gのSiO2、溶離液シクロヘキサン/EtOAc9/1)により分離することが可能であった。
【0128】
メチルジャスモネートおよび(Z)-ジャスモンの調製:これらの化合物の双方を、公知の方法により(Z)-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エン-1-オンから得た;実験の詳細については、以下の参考文献を参照されたい:G. Buechi, B. Egger, J. Org. Chemistry 1971, 36, 2021. P. Jaunky, J. Buirey, C. Mahaim, Flavour Fragr. J. 2017, 32, 388-391。
【化23】
【0129】
スペクトルデータは、公開されたもの(1H-NMR)と同じであった:
G. Buechi, B. Egger, J. Org. Chemistry 1971, 36, 2021. H. Kataoka, T. Yamada, K. Goto, J. Tsuji, An efficient synthetic method of methyl (±)‐jasmonate. Tetrahedron. 1987, 43, 4107‐4112。