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特許7684473レーダセンサを用いた速度測定のための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-19
(45)【発行日】2025-05-27
(54)【発明の名称】レーダセンサを用いた速度測定のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/34 20060101AFI20250520BHJP
   G01S 13/60 20060101ALI20250520BHJP
【FI】
G01S13/34
G01S13/60 212
【請求項の数】 2
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024077017
(22)【出願日】2024-05-10
(65)【公開番号】P2024173710
(43)【公開日】2024-12-12
【審査請求日】2024-05-14
(31)【優先権主張番号】202310646976.5
(32)【優先日】2023-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【弁理士】
【氏名又は名称】大房 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ホンレイ
(72)【発明者】
【氏名】フー ユー
(72)【発明者】
【氏名】リー ヤンヤン
(72)【発明者】
【氏名】グォ ジュン
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-058291(JP,A)
【文献】特開2000-103283(JP,A)
【文献】特開2003-222671(JP,A)
【文献】特開2022-021837(JP,A)
【文献】特開2012-083265(JP,A)
【文献】特開平06-347545(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0037641(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第114735558(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00- 7/42
G01S 13/00-13/95
B66B 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラ構成要素によってレーダセンサとレーダリフレクタとの間の相対速度を測定するための方法であって、
前記レーダセンサに、第1のチャープ信号及び第2のチャープ信号を前記レーダリフレクタに向けて交互に送信させることであって、前記第1のチャープ信号の持続時間は前記第2のチャープ信号の持続時間とは異なる、送信させることと、
前記レーダセンサに、前記第1のチャープ信号の第1の反射チャープ信号及び前記第2のチャープ信号の第2の反射チャープ信号を受信させることと、
前記第1のチャープ信号前記第1のチャープ信号の前記第1の反射チャープ信号との間の位相差に基づいて、第1の速度を判定することと、
前記第2のチャープ信号前記第2のチャープ信号の前記第2の反射チャープ信号との間の位相差に基づいて、第2の速度を判定することと、
前記第1の速度と前記第2の速度とを比較することによって、前記レーダセンサと前記レーダリフレクタとの間の前記相対速度を判定することであって、
前記第1の速度と前記第2の速度とを比較することと、
前記第1の速度が前記第2の速度に近いと判定することに応じて、前記相対速度を前記第1の速度として判定することと、
前記第1の速度が前記第2の速度に近くないと判定することに応じて、事前設定された整数に基づいて前記第1の速度と前記第2の速度の判定を繰り返すことと、
を含む、前記相対速度を判定することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の速度(V)は、以下の式、
【数1】
によって判定され、式中、λは、前記第1のチャープ信号の波長であり、Tc1は、前記第1のチャープ信号の持続時間であり、Δφは、前記第1のチャープ信号と前記第1のチャープ信号の前記第1の反射チャープ信号との間の前記第1の位相差であり、kは、
【数2】
に等しい、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例示的な実施形態は、概して、速度測定のための方法に関し、より具体的には、周波数変調連続波(frequency modulated continuous wave、FMCW)レーダセンサを用いた速度測定のための方法、装置、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
出願人は、周波数変調連続波(FMCW)信号を使用するレーダセンサによる速度測定に関連する多くの技術的課題及び困難性を特定した。適用された努力、創意工夫、及びイノベーションを通じて、出願人は、以下に詳細に説明される本開示において具現化された解決策を開発することによって、これらの対地速度センサに関する問題を解決した。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に説明される様々な実施形態は、内臓温度を監視するための構成要素、装置、及びシステムに関する。
【0004】
本開示の様々な実施形態によれば、コントローラ構成要素によってレーダセンサとレーダリフレクタとの間の相対速度を測定するための方法が提供される。方法は、レーダセンサに、第1のチャープ信号及び第2のチャープ信号をレーダリフレクタに向けて送信させることであって、第1のチャープ信号の持続時間が第2のチャープ信号の持続時間に等しくない、送信させることと、レーダセンサに、第1のチャープ信号の第1の反射チャープ信号及び第2のチャープ信号の第2の反射チャープ信号を受信させることと、第1のチャープ信号及び第1のチャープ信号の第1の反射チャープ信号に基づいて、第1の速度を判定することと、第2のチャープ信号及び第2のチャープ信号の第2の反射チャープ信号に基づいて、第2の速度を判定することと、第1の速度と第2の速度とを比較することによって、レーダセンサとレーダリフレクタとの間の相対速度を判定することと、を含むが、これらに限定されない。
【0005】
いくつかの実施形態では、第1のチャープ信号及び第1のチャープ信号の第1の反射チャープ信号に基づいて、第1の速度を判定することは、第1のチャープ信号と第1のチャープ信号の第1の反射チャープ信号との間の第1の位相差を判定することと、第1の位相差に基づいて、第1の速度を判定することと、を含むが、これらに限定されない。
【0006】
いくつかの実施形態では、第1の速度(V)は、以下の式、
【0007】
【数1】

によって判定され、式中、λは、第1のチャープ信号の波長であり、Tc1は、第1のチャープ信号の持続時間であり、Δφは、第1のチャープ信号と第1のチャープ信号の第1の反射チャープ信号との間の第1の位相差であり、kは、
【0008】
【数2】

に等しい。
【0009】
いくつかの実施形態では、第2のチャープ信号及び第2のチャープ信号の第2の反射チャープ信号に基づいて、第2の速度を判定することは、第2のチャープ信号と第2のチャープ信号の第2の反射チャープ信号との間の第2の位相差を判定することと、第2の位相差に基づいて、第2の速度を判定することと、を含むが、これらに限定されない。
【0010】
いくつかの実施形態では、第2の速度(V)は、以下の式、
【0011】
【数3】

によって判定され、式中、λは、第2のチャープ信号の波長であり、Tc2は、第2のチャープ信号の持続時間であり、Δφは、第2のチャープ信号と第2のチャープ信号の第2の反射チャープ信号との間の第2の位相差であり、kは、
【0012】
【数4】

に等しい。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1の速度が第2の速度に実質的に等しい場合、レーダセンサとレーダリフレクタとの間の相対速度を判定することは、第1の速度に等しい。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1の速度が第2の速度に実質的に等しくない場合、以下の式:
【0015】
【数5】

に基づいて、第1の再計算された速度
【0016】
【数6】

を判定することと、以下の式、
【0017】
【数7】

に基づいて、第2の再計算された速度
【0018】
【数8】

を判定することと、を更に含むが、これらに限定されない。これらの式中、Δφは、第1のチャープ信号と第1のチャープ信号の第1の反射チャープ信号との間の第1の位相差であり、Δφは、第2のチャープ信号と第2のチャープ信号の第2の反射チャープ信号との間の第2の位相差であり、kは、
【0019】
【数9】

に等しく、kは、
【0020】
【数10】

に等しく、p及びpは整数である。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1の再計算された速度が第2の再計算された速度に実質的に等しい場合、レーダセンサとレーダリフレクタとの間の相対速度は、第1の再計算された速度に等しい。
【0022】
いくつかの実施形態では、レーダセンサは、物体に取り付けられ、レーダリフレクタは、静止しており、物体の速度は、レーダセンサとレーダリフレクタとの間の相対速度に等しい。
【0023】
いくつかの実施形態では、レーダリフレクタは、物体に取り付けられ、レーダセンサは、静止しており、物体の速度は、レーダセンサとレーダリフレクタとの間の相対速度に等しい。
【0024】
いくつかの実施形態では、レーダセンサは、第1のチャープ信号及び第2のチャープ信号を送信するように構成された少なくとも1つの送信機と、第1のチャープ信号の第1の反射チャープ信号及び第2のチャープ信号の第2の反射チャープ信号を受信するように構成された少なくとも1つの受信機と、を含むが、これらに限定されない。
【0025】
別の実施形態によれば、レーダセンサとレーダリフレクタとの間の相対速度を測定するための装置が提供される。装置は、レーダセンサと、レーダリフレクタと、コントローラ構成要素であって、コントローラ構成要素が、レーダセンサに、第1のチャープ信号及び第2のチャープ信号をレーダリフレクタに向けて送信させるように構成され、第1のチャープ信号の持続時間が第2のチャープ信号の持続時間に等しくなく、レーダセンサに、第1のチャープ信号の第1の反射チャープ信号及び第2のチャープ信号の第2の反射チャープ信号を受信させ、第1のチャープ信号及び第1のチャープ信号の第1の反射チャープ信号に基づいて、第1の速度を判定し、第2のチャープ信号及び第1のチャープ信号の第2の反射チャープ信号に基づいて、第2の速度を判定し、第1の速度と第2の速度とを比較することによって、レーダセンサとレーダリフレクタとの間の相対速度を判定する、コントローラ構成要素と、を含むが、これらに限定されない。
【0026】
前述の例解的な概要、並びに本開示の他の例示的な目的及び/又は利点、並びにそれが達成される方法は、以下の発明を実施するための形態及びその添付図面において更に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
例解的な実施形態の説明は、添付の図面と併せて読むことができる。別途説明されない限り、例解の簡略化及び明確化のために、図面に例解される要素が、必ずしも縮尺どおりに描画されていないことが理解されよう。例えば、別途説明されない限り、要素のうちのいくつかの寸法は、他の要素に対して誇張されている場合がある。本開示の教示を組み込む実施形態は、本明細書に提示される図に関連して示され、説明される。
図1】本開示の様々な実施形態による、レーダセンサとレーダリフレクタとの間の相対速度を測定するための装置を描写する例示的な図を例解する。
図2】本開示の様々な実施形態による、例示的なレーダセンサを描写する例示的なブロック図を例解する。
図3】本開示の様々な実施形態による、チャープ信号及び反射チャープ信号を例解する例示的な図を例解する。
図4A】本開示の様々な実施形態による、第1の再計算された速度及び第2の再計算された速度を判定するための例示的な方程式表を描写する、例示的な図を例解する。
図4B】本開示の様々な実施形態による、レーダセンサとレーダリフレクタとの間の相対速度を判定するための明確な領域を描写する例示的な図を例解する。
図5】本開示の様々な実施形態による例示的なコントローラ構成要素を描写する例示的なブロック図を例解する。
図6】本開示の様々な実施形態による、レーダセンサとレーダリフレクタとの間の相対速度を測定するための例示的な方法を例解する例示的な流れ図を例解する。
図7】本開示の様々な実施形態による、レーダセンサとレーダリフレクタとの間の相対速度を測定するための例示的な方法を例解する例示的な流れ図を例解する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本開示のいくつかの実施形態について添付図面を参照しながら、以下により完全に説明するが、これは、本開示の全てではなく、いくつかの実施形態を示すものである。実際に、本開示は、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。同様の数字は、全体を通して同様の要素を指す。
【0029】
本明細書で使用される場合、「前部」、「後部」、「頂部」などの用語は、下で提供される実施例において、特定の構成要素又は構成要素の一部分の相対的位置を説明するために、解説目的で使用される。更に、本開示の観点から当業者に明らかになるように、「実質的に」及び「およそ」という用語は、参照される要素又は関連する説明が、適用可能な工学公差内の精度であることを示す。
【0030】
本明細書で使用するとき、「備える(comprising)」という用語は、限定するものではないが、含むことを意味するが、これに限定されず、特許文脈で典型的に使用される手法で解釈されるべきである。「備える(comprises)」、「含む(includes)」、及び「有する(having)」などのより広範な用語の使用は、「からなる(consisting of)」、「から本質的になる(consisting essentially of)」、及び「から実質的に構成される(comprised substantially of)」などのより狭い用語へのサポートを行うことを理解されたい。
【0031】
「一実施形態では」、「一実施形態によると」などの句は、その句に続く特定の特徴、構造、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ること、及び本開示の2つ以上の実施形態に含まれ得る(重要なことに、そのような句は必ずしも同じ実施形態に言及しない)ことを一般に意味する。
【0032】
本明細書で使用するとき、「例」又は「例示的な」という語は、「一例、事例、又は例解としての役割を果たすこと」を意味する。「例示的な」として本明細書に説明されるいかなる実装形態も、必ずしも他の実装形態よりも好ましい又は有利であると解釈されない。
【0033】
本明細書が、ある構成要素又は特徴が、「含み得る」、「含むことができる」、「含み得る」、「含むべきである」、「含むであろう」、「好ましくは含む」、「場合により含む」、「典型的には含む」、「任意選択的に含む」、「例えば、含む」、「多くの場合含む」又は「含むかもしれない」(又は他のそのような文言)、あるいはある特性を有することを記述する場合、その具体的な構成要素又は特徴は、含まれること、又はその特性を有することを必要としない。そのような構成要素又は特徴は、いくつかの実施形態に任意選択的に含まれ得るか、又は除外され得る。
【0034】
様々な例示的な実施形態は、動いている物体の正確な速度(例えば、レーダセンサとレーダリフレクタとの間の相対速度)を判定することに関連する例示的な技術的問題に対処する。本開示が関係する分野の当業者によって理解されるように、例えば、レーダセンサ及びレーダリフレクタなどの2点間の相対速度は、レーダ信号(例えば、チャープ信号、ピングなど)を放出し、レーダリフレクタから反射されたフィードバック信号を受信し、ドップラー効果によるレーダ信号とフィードバック信号との間の位相変化に基づいて、レーダセンサとレーダリフレクタとの間の相対速度を判定することによって判定され得る。例えば、レーダセンサとレーダリフレクタとの間の相対速度は、ドップラー効果による位相変化に比例し得る。したがって、判定された相対速度の精度は、レーダ信号とフィードバック信号との間の位相変化の測定に依存する。しかしながら、位相変化が-π~πの範囲内で、特定のピーク速度が範囲外になっている場合に、位相変化の測定が明確となる。したがって、既存の技術によって測定される最大速度には制限がある。
【0035】
追加的に又は代替的に、いくつかの実施例では、既存の技術によって測定され得る最大速度は、チャープ信号の持続時間に反比例し、速度分解能は、チャープ信号の持続時間に比例する。したがって、最大速度及び速度分解能を同時に改善するためにチャープ信号の持続時間を判定する際にパラドックスが存在する。
【0036】
少なくともこれらの例示的な問題並びに他の問題に対処するために、本明細書で説明される例示的なシステム及び方法は、異なる持続時間を有する少なくとも2つのチャープ信号を送信及び受信する。第1の速度は、第1のチャープ信号及び第1のチャープ信号の第1の反射チャープ信号に基づいて判定され得、第2の速度は、第2のチャープ信号及び第2のチャープ信号の第2の反射チャープ信号に基づいて判定され得る。物体の速度は、第1の速度及び第2の速度に基づいて判定され得る。いくつかの実施例では、本明細書の本開示で説明する様々な実施形態は、位相差測定に基づく速度測定の曖昧さを克服することを対象とする。いくつかの実施例では、本明細書の本開示で説明される様々な実施形態は、最大速度に対する制限を除去し、速度分解能を改善することに関連するこれらの技術的課題を解決することを対象とする。
【0037】
本明細書で説明される実施形態及びいくつかの実施例の結果として、レーダセンサによる最大速度及び速度分解能が同時に改善され得、いくつかの実施例では、以前の既存の技術によって必要とされるコスト及び電力の増加なしに、速度測定の精度が改善され得る。
【0038】
ここで図1を参照すると、本明細書で説明されるいくつかの例示的な実施形態による、レーダセンサとレーダリフレクタとの間の相対速度Vを測定するための装置100を例解する例示的な図が提供される。図1に示されるように、例示的な装置100は、レーダセンサ101と、レーダリフレクタ102と、コントローラ構成要素150と、を備え得る。例えば、装置100は、コントローラ構成要素150によって、レーダセンサ101とレーダリフレクタ102との間の相対速度Vを判定するように構成され得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、コントローラ構成要素150は、レーダセンサ101に電気的に結合され得、及び/又は電子通信し得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、レーダセンサ101は、少なくとも2つのチャープ信号をレーダリフレクタ102に向けて送信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、レーダリフレクタ102は、少なくとも2つのチャープ信号を反射してレーダセンサ101に戻すことができる。いくつかの実施形態では、レーダセンサ101は、少なくとも2つのチャープ信号の反射チャープ信号を受信するように更に構成され得る。いくつかの実施例では、少なくとも2つのチャープ信号の各々は、周波数が時間とともに増加/減少する信号であり得る。いくつかの実施例では、少なくとも2つのチャープ信号の各々は、振幅が時間とともに増加/減少する信号であり得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、例えば、少なくとも2つのチャープ信号は、周波数変調連続波(FMCW)信号であり得る。例えば、少なくとも2つのチャープ信号の各々は、時間とともに線形に増加/減少する周波数を有し得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、例えば、レーダセンサ101は、物体103に取り付けられ、それとともに移動し、レーダリフレクタ102は、静止しており、物体103の速度は、レーダセンサとレーダリフレクタとの間の相対速度に等しい。
【0043】
いくつかの実施形態では、例えば、レーダリフレクタ102は、物体103に取り付けられ、それとともに移動し、レーダセンサ101は、静止しており、物体103の速度は、レーダセンサとレーダリフレクタとの間の相対速度に等しい。
【0044】
いくつかの実施形態では、例えば、図1に示されるように、例示的な装置100は、エレベータケージ(例えば、物体103)の速度を測定するためにエレベータシステムに実装され得る。いくつかの実施例では、エレベータシステムは、例示的な装置100と、エレベータシャフト104と、エレベータシャフト104内に配置されたエレベータ支持体105と、エレベータ支持体105に取り付けられたエレベータケージ(物体103)と、を備え得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、エレベータシステムは、モータドライバ108と、駆動シャフト106と、ケーブル107と、を更に備え得る。例えば、モータドライバ108は、ケーブル107及び駆動シャフト106を介して駆動力を提供して、エレベータケージ103をエレベータシャフト104に沿って移動させるように構成され得る。
【0046】
ここで図2を参照すると、本開示の様々な実施形態による例示的なレーダセンサを描写する概略的なブロック図が提供される。
【0047】
いくつかの実施形態では、図2に示されるように、例えば、レーダセンサ101は、合成器201と、少なくとも1つのレーダ送信機202と、少なくとも1つのレーダ受信機203と、周波数ミキサ204と、を備え得る。いくつかの実施形態では、合成器201は、少なくとも2つのチャープ信号を生成するように構成され得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのレーダ送信機202は、少なくとも2つのチャープ信号をレーダリフレクタ102に向けて送信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのレーダ受信機203は、少なくとも2つのチャープ信号の反射チャープ信号を受信するように構成され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、周波数ミキサ204は、少なくとも2つのチャープ信号の反射信号と少なくとも2つのチャープ信号とを合成するように構成され得る。いくつかの実施例では、少なくとも2つのチャープ信号の反射信号と少なくとも2つのチャープ信号との間の位相差は、少なくとも2つのチャープ信号の反射信号と少なくとも2つのチャープ信号とに基づいて計算/判定され得る。
【0050】
ここで図3を参照すると、本開示の様々な実施形態による例示的な信号及び反射信号を描写する概略図が提供される。
【0051】
いくつかの実施形態では、図3に示されるように、例えば、レーダセンサ101によって送信される例示的な信号は、第1のチャープ信号301及び第2のチャープ信号302を含み得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、例えば、第1のチャープ信号301は、第1の持続時間Tc1において第1のチャープ信号301の周波数を第1の周波数fから第2の周波数fまで、時間とともに線形に変化させ得る。いくつかの実施形態では、例えば、第2のチャープ信号302は、第1の持続時間Tc2において第2のチャープ信号302の周波数を第1の周波数fから第2の周波数fまで、時間とともに線形に変化させ得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、図3に示されるように、例えば、レーダセンサ101によって受信される例示的な反射信号は、第1のチャープ信号301の第1の反射チャープ信号303と、第2のチャープ信号302の第2の反射チャープ信号304と、を備え得る。
【0054】
いくつかの実施形態において、第1の速度Vは、第1のチャープ信号301及び第1のチャープ信号301の第1の反射信号303に基づいて判定され得る。いくつかの実施形態では、第2の速度Vは、第2のチャープ信号302及び第2のチャープ信号302の第2の反射チャープ信号304に基づいて判定され得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、第1のチャープ信号301及び第1のチャープ信号301の第1の反射チャープ信号303に基づいて、第1の速度Vを判定することは、第1のチャープ信号301と第1のチャープ信号301の第1の反射チャープ信号303との間の第1の位相差Δφを判定することと、第1の位相差Δφに基づいて、第1の速度Vを判定することと、を含み得る。いくつかの実施例では、第1の位相差Δφは、第1のチャープ信号301と第1のチャープ信号301の第1の反射チャープ信号303との間の時間遅延に依存し得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、第2のチャープ信号302及び第2のチャープ信号302の第2の反射チャープ信号304に基づいて、第2の速度Vを判定することは、第2のチャープ信号302と第2のチャープ信号302の第2の反射チャープ信号304との間の第2の位相差Δφを判定することと、第2の位相差Δφに基づいて、第2の速度Vを判定することと、を含み得る。いくつかの実施例では、第2の位相差Δφは、第2のチャープ信号302と第2のチャープ信号302の第2の反射チャープ信号304との間の時間遅延に依存し得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、第1の速度(V)は、以下の式(Eq.1)によって判定され得る。
【0058】
【数11】

式中、λは、第1のチャープ信号301の波長であり、Tc1は、第1のチャープ信号301の持続時間であり、Δφは、第1のチャープ信号301と第1のチャープ信号301の第1の反射チャープ信号303との間の第1の位相差であり、kは、
【0059】
【数12】

に等しい。
【0060】
いくつかの実施形態では、第2の速度Vは、以下の式(Eq.2)によって判定され得る。
【0061】
【数13】

式中、λは、第2のチャープ信号302の波長であり、Tc2は、第2のチャープ信号302の持続時間であり、Δφは、第2のチャープ信号302と第2のチャープ信号302の第2の反射チャープ信号304との間の第2の位相差であり、kは、
【0062】
【数14】

に等しい。
【0063】
図1に戻って参照すると、いくつかの実施形態では、レーダセンサ101とレーダリフレクタ102との間の相対速度Vは、第1の速度V及び第2の速度Vに基づいて判定され得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、レーダセンサ101とレーダリフレクタ102との間の相対速度Vは、第1の速度Vが第2の速度Vに実質的に等しい場合、第1の速度V又は第2の速度Vに等しくあり得る。
【0065】
いくつかの実施例では、第1の速度Vと第2の速度Vとの間の差の絶対値が事前設定された閾値ΔVよりも小さいときに、第1の速度Vは第2の速度Vに実質的に等しいと考えられる。例えば、事前設定された閾値ΔVは、一般的には、第1の速度Vの5%、好ましくは第1の速度Vの1%、より好ましくは第1の速度Vの0.1%であり得る。例えば、事前設定された閾値ΔVは、一般的には、第1の速度Vの5%、好ましくは第1の速度Vの1%、より好ましくは第1の速度Vの0.1%であり得る。
【0066】
いくつかの実施例では、第1の速度Vと第2の速度Vとの間の差の絶対値が事前設定された閾値ΔV以上であるときに、第1の速度Vは第2の速度Vに実質的に等しくないと考えられる。
【0067】
いくつかの実施形態では、第1の速度Vが、第2の速度Vと実質的に等しくない場合、第1の再計算された速度
【0068】
【数15】

と、第2の再計算された速度
【0069】
【数16】

を判定し得る。
【0070】
いくつかの実施例では、第1の再計算された速度
【0071】
【数17】

は、以下の式(Eq.3)に基づいて判定され得る。
【0072】
【数18】

式中、pは、整数であり、Δφは、第1のチャープ信号301と第1のチャープ信号301の第1の反射チャープ信号303との間の第1の位相差であり、kは、
【0073】
【数19】

に等しい。
【0074】
いくつかの実施例では、第2の再計算された速度
【0075】
【数20】

は、以下の式(Eq.4)に基づいて判定され得る。
【0076】
【数21】

式中、pは、整数でありΔφは、第2のチャープ信号302と第2のチャープ信号302の第2の反射チャープ信号304との間の第2の位相差であり、kは、
【0077】
【数22】

に等しい。
【0078】
ここで、図4Aを参照すると、本開示の様々な実施形態による、第1の再計算された速度及び第2の再計算された速度を判定するための例示的な方程式表を描写する、概略図が提供されている。
【0079】
図4Aに示されるように、例示の目的で、第1の再計算された速度
【0080】
【数23】

を判定するための式が奇数行に例解されている。同様に、第2の再計算された速度
【0081】
【数24】

を判定するための式が、偶数行に例解されている。いくつかの実施例では、pは、整数であり得る。いくつかの実施例では、pは、整数であり得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、第1の再計算された速度
【0083】
【数25】

が、第2の再計算された速度
【0084】
【数26】

と比較されて、レーダセンサ101とレーダリフレクタ102との間の相対速度Vを判定する。
【0085】
いくつかの実施形態では、第1の再計算された速度
【0086】
【数27】

が、第2の再計算された速度
【0087】
【数28】

と実質的に等しい場合に、レーダセンサ101とレーダリフレクタ102との間の相対速度Vは、第1の再計算された速度
【0088】
【数29】

又は第2の再計算された速度
【0089】
【数30】

に等しくあり得る。
【0090】
いくつかの実施例では、第1の再計算された速度
【0091】
【数31】

と、第2の再計算された速度
【0092】
【数32】

との間の差の絶対値が、事前設定された閾値ΔVrよりも小さいときに、第1の再計算された速度
【0093】
【数33】

と、第2の再計算された速度
【0094】
【数34】

は、実質的に等しいと考えられる。例えば、事前設定された閾値ΔVrは一般的には、第1の再計算された速度
【0095】
【数35】

の5%であり得、好ましくは、第1の再計算された速度
【0096】
【数36】

の1%であり得、より好ましくは、第1の再計算された速度
【0097】
【数37】

の0.1%であり得る。例えば、事前設定された閾値ΔVrは一般的には、第2の再計算された速度
【0098】
【数38】

の5%であり得、好ましくは、第2の再計算された速度
【0099】
【数39】

の1%であり得、より好ましくは、第2の再計算された速度
【0100】
【数40】

の0.1%であり得る。
【0101】
いくつかの実施例では、第1の再計算された速度
【0102】
【数41】

と、第2の再計算された速度
【0103】
【数42】

との間の差の絶対値が、事前設定された閾値ΔVr以上であるときに、第1の再計算された速度
【0104】
【数43】

と、第2の再計算された速度
【0105】
【数44】

は、実質的に等しくはないと考えられる。
【0106】
いくつかの実施形態では、第1の再計算された速度
【0107】
【数45】

は、pが全ての整数を反復するように、判定され得る。いくつかの実施形態では、第2の再計算された速度
【0108】
【数46】

は、pが全ての整数を反復するように、判定され得る。
【0109】
ここで図4Bを参照すると、本開示の様々な実施形態による、レーダセンサとレーダリフレクタとの間の相対速度を判定するための明確な領域を描写する概略図が提供されている。
【0110】
例えば、図4Bの上部に示されるように、同じ持続時間Tを有する2つのチャープパルスを用いる技術を使用することによって、速度測定中の明確な領域は、-π~πの位相差範囲内にある。様々な実施形態において、図4Bの下部に示されるように、異なる持続時間を有する2つのチャープパルスを用いる技術を使用することによって、速度測定中の明確な領域が拡大される。例えば、測定され得る最大速度は、以下の式(Eq.5)によって判定され得る。
【0111】
【数47】

式中、
【0112】
【数48】

は、同じ持続時間Tを有する2つの単一チャープパルスを用いる技術によって測定することができる最大速度であり、kは、自然数である。本実施形態及びいくつかの実施例の結果として、レーダセンサによって測定され得る最大速度が改善され得る。
【0113】
ここで図5を参照すると、本開示の様々な実施形態による、コントローラ構成要素150を描写する概略図。示されるように、コントローラ構成要素150は、処理回路501、通信モジュール503、入力/出力モジュール505、メモリ507、及び/又は本明細書に説明される様々な動作、手順、機能などを実行するように構成される他の構成要素を備え得る。
【0114】
図5に示されるように、コントローラ構成要素150(処理回路501、通信モジュール503、入力/出力モジュール505、及びメモリ507など)は、レーダセンサ101に電気的に結合され、及び/又はそれと電子通信する。描写されるように、レーダセンサ101は、コントローラ構成要素150の処理回路501とデータを交換(例えば、伝送及び受信)し得る。例えば、レーダセンサ101は、センサデータを生成し、センサデータを処理回路501に送信し得る。
【0115】
処理回路501は、例えば、デジタル信号プロセッサを伴う1つ又は複数のマイクロプロセッサと、デジタル信号プロセッサを伴わない1つ又は複数のプロセッサと、1つ又は複数のコプロセッサと、1つ又は複数のマルチコアプロセッサと、1つ又は複数のコントローラと、処理回路と、1つ又は複数のコンピュータ、及び様々な他の処理素子(ASIC若しくはFPGAなどの集積回路、又はそれらの特定の組み合わせを含む)と、を備える、様々なデバイスとして実装され得る。いくつかの実施形態では、処理回路501は、1つ以上のプロセッサを含み得る。例示的な一実施形態では、処理回路501は、メモリ507に記憶された命令、又は処理回路501によってアクセス可能な命令を実行するように構成されている。処理回路501によって実行されると、これらの命令は、コントローラ構成要素150が本明細書に説明される1つ又は複数の機能を実行することを可能にし得る。ハードウェア、ファームウェア/ソフトウェア方法、又はそれらの組み合わせによって構成されるかどうかにかかわらず、処理回路501は、対応して構成されるときに、本発明の実施形態による動作を実行することが可能なエンティティを含み得る。したがって、例えば、処理回路501がASIC、FPGAなどとして実装されるときに、処理回路501は、本明細書に説明される1つ又は複数の動作を実装するために特別に構成されるハードウェアを含み得る。代替的に、別の実施例として、処理回路501が命令(メモリ507に記憶され得る命令など)のアクチュエータとして実装されるとき、命令は、本明細書に説明される1つ又は複数のアルゴリズム及び動作を実行するように処理回路501を具体的に構成し得る。
【0116】
メモリ507は、例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、又はそれらの特定の組み合わせを含み得る。図5では単一のメモリとして例解されているが、メモリ507は、複数のメモリ構成要素を含み得る。様々な実施形態では、メモリ507は、例えば、ハードディスクドライブ、ランダムアクセスメモリ、キャッシュメモリ、フラッシュメモリ、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(Compact Disc Read-Only Memory、CD-ROM)、デジタル多用途ディスク読み出し専用メモリ(Digital Versatile Disk Read-Only Memory、DVD-ROM)、光ディスク、情報を記憶するように構成された回路、又はそれらの特定の組み合わせを含み得る。メモリ507は、コントローラ構成要素150が本開示の実施形態による様々な機能を実行することができるように、情報、データ、アプリケーションプログラム、命令などを記憶するように構成され得る。例えば、少なくともいくつかの実施形態では、メモリ507は、処理回路501による処理のために入力データをキャッシュするように構成されている。追加的に又は代替的に、少なくともいくつかの実施形態では、メモリ507は、処理回路501による実行のためのプログラム命令を記憶するように構成されている。メモリ507は、静的情報及び/又は動的情報の形態で情報を記憶し得る。機能が実行されると、記憶された情報は、コントローラ構成要素150によって記憶及び/又は使用され得る。
【0117】
通信モジュール503は、別の構成要素又は装置から/へデータを受信及び/又は送信するように構成された、回路、ハードウェア、コンピュータプログラム製品、又はそれらの組み合わせに含まれる任意の装置として実装され得る。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読媒体(例えば、メモリ507)上に記憶され、コントローラ構成要素150(例えば、処理回路501)によって実行されるコンピュータ可読プログラム命令を含む。いくつかの実施形態では、通信モジュール503(本明細書で考察される他の構成要素と同様)は、少なくとも部分的に処理回路501として実装され得るか、又は処理回路501によって制御され得る。この点に関して、通信モジュール503は、例えば、バスを介して処理回路501と通信し得る。通信モジュール503は、例えば、アンテナ、送信機、受信機、トランシーバ、ネットワークインターフェースカード及び/又はサポートハードウェア及び/又はファームウェア/ソフトウェアを含み得、別の装置との通信を確立するために使用される。通信モジュール503は、装置間の通信のために使用されることができる任意のプロトコルを使用することによって、メモリ507によって記憶され得る任意のデータを受信及び/又は伝送するように構成され得る。通信モジュール503は、追加的に又は代替的に、例えば、バスを介して、メモリ507、入力/出力モジュール505、及び/又はコントローラ構成要素150の任意の他の構成要素と通信し得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、コントローラ構成要素150は、入力/出力モジュール505を含み得る。入力/出力モジュール505は、処理回路501と通信して、ユーザによって入力された命令を受信し、及び/又は聴覚、視覚、機械的、若しくは他の出力をユーザに提供し得る。したがって、入力/出力モジュール505は、キーボード、マウス、ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、及び/又は他の入出力機構などのサポートデバイスを含み得る。代替的に、入力/出力モジュール505の少なくともいくつかの態様は、コントローラ構成要素150と通信するためにユーザによって使用されるデバイス上に実装され得る。入力/出力モジュール505は、例えば、バスを介して、メモリ507、通信モジュール503、及び/又は任意の他の構成要素と通信し得る。1つ又は複数の入力/出力モジュール及び/又は他の構成要素は、コントローラ構成要素150に含まれ得る。
【0119】
次に図6を参照すると、本開示のいくつかの例示的な実施形態による、コントローラ構成要素によってレーダセンサとレーダリフレクタとの間の相対速度を測定するための例示的な方法を例解する例示的な流れ図が提供されている。フローチャートの各ブロック、及びフローチャートの中のブロックの組み合わせは、ハードウェア、ファームウェア、回路、及び/又は1つ以上のコンピュータプログラム命令を含むソフトウェアの実行に関連付けられた他のデバイスなどの様々な手段によって実装され得ることに留意されたい。例えば、図6に説明されるステップ/動作のうちの1つ以上は、本開示の実施形態を用いる装置の非一時的メモリによって記憶され、装置(コントローラ構成要素、プログラマブルプロセッサ、モバイルデバイス、遠隔コンピューティングサーバ、及び/又は同等物などであるが、これらに限定されない)内のプロセッサ構成要素によって実行され得る、コンピュータプログラム命令によって具現化され得る。例えば、これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読記憶メモリに記憶された命令が製品を作り出し、その実行がフローチャートブロックに指定された機能を実装するように、特定の方法で機能するようにプロセッサ構成要素に指示し得る。
【0120】
上で説明されるように、また本開示に基づいて理解されるように、本開示の実施形態は、ハードウェアのみ、又はソフトウェアとハードウェアとの任意の組み合わせを含む様々な手段を含み得る。更に、実施形態は、記憶媒体の中に具現化されたコンピュータ可読プログラム命令(例えば、コンピュータソフトウェア)を有する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形態を採り得る。同様に、実施形態は、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムコードの形態を採り得る。非一時的ハードディスク、CD-ROM、フラッシュメモリ、光記憶デバイス、又は磁気記憶デバイスを含む、任意の好適なコンピュータ可読記憶媒体が利用され得る。
【0121】
ここで図6を参照すると、本明細書に説明されるいくつかの例示的な実施形態による、レーダセンサとレーダリフレクタとの間の相対速度を測定するための例示的な方法600が例解されている。例示的な方法600は、処理回路及びメモリ(例えば、少なくとも図5に関連して例解され、かつ上で説明される処理回路501及びメモリ507)を含むコントローラ構成要素(例えば、少なくとも図1に関連して例解され、かつ上で説明されるコントローラ構成要素150)に関連付けられたコンピューティングデバイスによって実行され得る。
【0122】
ステップ/動作602において、コントローラ構成要素150は、レーダセンサ101に、第1のチャープ信号301及び第2のチャープ信号302をレーダリフレクタ102に向けて送信させ得る。
【0123】
いくつかの実施形態では、例えば、第1のチャープ信号301は、第1の持続時間Tc1において第1のチャープ信号301の周波数を第1の周波数fから第2の周波数fまで、時間とともに線形に変化させ得る。いくつかの実施形態では、例えば、第2のチャープ信号302は、第1の持続時間Tc2において第2のチャープ信号302の周波数を第1の周波数fから第2の周波数fまで、時間とともに線形に変化させ得る。いくつかの実施形態では、第1のチャープ信号301の持続時間Tc1は、第2のチャープ信号302の持続時間Tc2とは異なり得る。
【0124】
いくつかの実施形態では、レーダリフレクタ102は、第1のチャープ信号301及び第2のチャープ信号302をレーダセンサ101に反射し戻し得る。
【0125】
ステップ/動作604において、コントローラ構成要素150は、レーダセンサ101に、レーダリフレクタ102から反射信号を受信させ得る。
【0126】
いくつかの実施形態では、図3に示されるように、例えば、レーダセンサ101によって受信された反射信号は、第1のチャープ信号301の第1の反射チャープ信号303と、第2のチャープ信号302の第2の反射チャープ信号304と、を含み得る。
【0127】
ステップ/動作606において、コントローラ構成要素150は、第1のチャープ信号301及び第1のチャープ信号301の第1の反射チャープ信号303に基づいて、第1の速度Vを判定し得る。
【0128】
いくつかの実施形態では、コントローラ構成要素150は、第1のチャープ信号301と第1のチャープ信号301の第1の反射チャープ信号303とに基づいて、第1のチャープ信号301と第1のチャープ信号301の第1の反射チャープ信号303との間の第1の位相差Δφを判定し得る。
【0129】
いくつかの実施形態では、コントローラ構成要素150は、第1のチャープ信号301と第1のチャープ信号301の第1の反射チャープ信号303との間の第1の位相差Δφに基づいて、第1の速度(V)を判定し得る。
【0130】
いくつかの実施形態において、コントローラ構成要素150は、Eq.1によって第1の速度(V)を判定し得る。
【0131】
ステップ/動作608において、コントローラ構成要素150は、第2のチャープ信号302と第1のチャープ信号301の第2の反射チャープ信号304に基づいて、第2の速度Vを判定し得る。
【0132】
いくつかの実施形態では、コントローラ構成要素150は、第2のチャープ信号302と第2のチャープ信号302の第2の反射チャープ信号304とに基づいて、第2のチャープ信号302と第2のチャープ信号302の第2の反射チャープ信号304との間の第2の位相差Δφを判定し得る。
【0133】
いくつかの実施形態では、コントローラ構成要素150は、第2のチャープ信号302と第2のチャープ信号302の第2の反射チャープ信号304との間の第2の位相差Δφに基づいて、第2の速度(V)を判定し得る。
【0134】
いくつかの実施形態において、コントローラ構成要素150は、Eq.2によって第2の速度(V)を判定し得る。
【0135】
ステップ/動作610において、コントローラ構成要素150は、第1の速度(V)及び第2の速度(V)に基づいて、レーダセンサとレーダリフレクタ102との間の相対速度を判定し得る。
【0136】
ここで図7を参照すると、第1の速度(V)及び第2の速度(V)に基づいてレーダセンサとレーダリフレクタ102との間の相対速度を判定するステップ/動作610を実行する例示的な方法700を例解するフローチャート図が提供されている。
【0137】
ステップ/動作702において、コントローラ構成要素150は、第1の速度(V)を第2の速度(V)と比較し得る。
【0138】
いくつかの実施形態において、第1の速度Vが第2の速度Vに実質的に等しい場合、例示的な方法700は、ステップ/動作704に進み得る。
【0139】
ステップ/動作704において、コントローラ構成要素150は、レーダセンサ101とレーダリフレクタ102との間の相対速度Vが第1の速度V又は第2の速度Vに等しいと判定し得る。
【0140】
いくつかの実施形態では、第1の速度Vが第2の速度Vと実質的に等しくない場合、例示的な方法700は、ステップ/動作706に進み得る。
【0141】
ステップ/動作706において、コントローラ構成要素150は、第1の整数p及び第2の整数pを選択し得る。
【0142】
いくつかの実施形態では、p及びpは、事前設定された範囲から選択され得る。例えば、p及びpは、-10~10の範囲から、好ましくは-5~5の範囲から、より好ましくは-2~2の範囲から選択され得る。
【0143】
ステップ/動作708において、コントローラ構成要素150は、第1の再計算された速度
【0144】
【数49】

を判定し得る。
【0145】
いくつかの実施形態では、コントローラ構成要素150は、Eq.3に基づいて、第1の再計算された速度
【0146】
【数50】

を判定し得る。
【0147】
ステップ/動作710において、コントローラ構成要素150は、第2の再計算された速度
【0148】
【数51】

を判定し得る。
【0149】
いくつかの実施形態では、コントローラ構成要素150は、Eq.4に基づいて、第2の再計算された速度
【0150】
【数52】

を判定し得る。
【0151】
ステップ/動作712において、コントローラ構成要素150は、第1の再計算された速度
【0152】
【数53】

と第2の再計算された速度
【0153】
【数54】

とを比較し得る。
【0154】
いくつかの実施形態では、第1の再計算された速度
【0155】
【数55】

が第2の再計算された速度
【0156】
【数56】

に実質的に等しい場合、例示的な方法700は、ステップ/動作714に進み得る。
【0157】
ステップ/動作714において、コントローラ構成要素150は、レーダセンサ101とレーダリフレクタ102との間の相対速度Vが第1の再計算された速度
【0158】
【数57】

又は第2の再計算された速度
【0159】
【数58】

に等しいと判定し得る。
【0160】
いくつかの実施形態では、第1の再計算された速度
【0161】
【数59】

が第2の再計算された速度
【0162】
【数60】

に実質的に等しくない場合、例示的な方法700は、ステップ/動作706に進んで、第1の整数p及び第2の整数pを再選択し得る。
【0163】
いくつかの実施形態では、ステップ/動作706において、第1の整数p及び第2の整数pのうちの少なくとも1つは、以前に選択されたp及びpとは異なる。
【0164】
いくつかの実施形態では、ステップ/動作706は、事前設定された範囲にわたって反復して、互いに実質的に等しい第1の再計算された速度
【0165】
【数61】

及び第2の再計算された速度
【0166】
【数62】

を見つけ得る。
【0167】
上で説明されるように、また本開示に基づいて理解されるように、本開示の実施形態は、ハードウェアのみ、又はソフトウェアとハードウェアとの任意の組み合わせを含む様々な手段を含み得る。更に、実施形態は、記憶媒体の中に具現化されたコンピュータ可読プログラム命令(例えば、コンピュータソフトウェア)を有する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形態を採り得る。同様に、実施形態は、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムコードの形態を採り得る。非一時的ハードディスク、CD-ROM、フラッシュメモリ、光記憶デバイス、又は磁気記憶デバイスを含む、任意の好適なコンピュータ可読記憶媒体が利用され得る。
【0168】
本開示は、開示される具体的な実施形態に限定されるものではないこと、並びに修正及び他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。具体的な用語が本明細書で用いられているが、別途説明されない限り、これらは一般的かつ記述的な意味でのみ使用され、限定の目的では使用されない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7