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  • 特許-液晶表示装置用バックライト構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-20
(45)【発行日】2025-05-28
(54)【発明の名称】液晶表示装置用バックライト構造
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20250521BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20250521BHJP
【FI】
F21S2/00 443
F21Y115:10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021148438
(22)【出願日】2021-09-13
(65)【公開番号】P2023041207
(43)【公開日】2023-03-24
【審査請求日】2024-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100091340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 敬四郎
(72)【発明者】
【氏名】栗田 篤史
(72)【発明者】
【氏名】関口 経雄
(72)【発明者】
【氏名】中島 俊幸
【審査官】佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-026531(JP,A)
【文献】特開2008-084790(JP,A)
【文献】特開2017-091636(JP,A)
【文献】特開2007-095398(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に沿って複数のLEDを搭載し、前記複数のLEDを駆動する電気的配線を有する主要部と、少なくとも両端部に配置され、電気的配線を有さない突起部とを有するフレキシブル印刷基板と、
光を伝播できる板状の形状を有し、前記複数のLEDから出射する光を受光する受光側面と、結合される液晶表示パネルに向けて受光、伝播した光を出射する光出射上面と、前記光出射上面と対向する底面とを有し、前記受光側面近傍の前記底面の一部が前記フレキシブル印刷基板の主要部上に配置された導光板と、
上面側に、前記フレキシブル印刷基板の主要部、前記導光板を収容すると共に、前記フレキシブル印刷基板の前記突起部に対応する領域に開口部を有するケースと、
を備え、
前記フレキシブル印刷基板の突起部は、前記ケースの開口部において前記ケースと交差し、折り曲げられて前記ケースを裏面側から挟み込み、
折り曲げられた前記フレキシブル印刷基板の突起部を前記ケース裏面に固定する第1粘着部材と、
両面に粘着面を有し、前記フレキシブル印刷基板上の前記導光板を前記フレキシブル印刷基板に固定する第2粘着部材と、
を更に備える、
液晶表示装置用バックライト構造。
【請求項2】
前記フレキシブル印刷基板が、前記主要部に連続し、結合される液晶表示装置駆動用の配線部を有したコネクタを備える請求項1に記載の液晶表示装置用バックライト構造。
【請求項3】
前記導光板の前記受光側面と対向する側面近傍の底面部分を前記ケースの対向部分に固定する前記第2粘着部材よりも粘着力が弱い第3粘着部材を更に備える請求項1又は2に記載の液晶表示装置用バックライト構造。
【請求項4】
前記フレキシブル印刷基板の両端部及び中間部に前記突起部が配置されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液晶表示装置用バックライト構造。
【請求項5】
前記フレキシブル印刷基板の両端部及び、前記フレキシブル印刷基板の一方の端部から他方の端部を結んだ中間部から前記一方の端部側の半分の位置及び、前記中間部から前記他方の端部側の半分の位置に前記突起部が配置されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液晶表示装置用バックライト構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自発光しない液晶表示装置用のバックライト構造に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は自発光しない液晶パネルを表示手段として用いる。可視的表示を行うためには照明光を供給するバックライトを必要とする。バックライトとして、大別して直下型とエッジライト型とが用いられている。薄型の表示装置を実現するには、エッジライト型のバックライトを用いる方が好ましい。エッジライト型のバックライトにおいては、通常、液晶表示装置の背面に導光板を配置し、プリント基板上に搭載した複数の発光ダイオード(LED)等の光源からの照明光を導光板のエッジ(側面)から導入し、導光板中で拡散させ、一方の主面から出射させて、液晶表示装置に照明光を供給する。
【0003】
環境温度の上昇等により導光板が熱膨張すると、光源と導光板との間の距離が変化し、光源から出射された光の利用効率が低下することがある。光源が実装された印刷基板を導光板に対して固定し、光源と導光板との間の距離を一定に保つことが考えられる。しかし、位置決めを行う位置決めボスを光源が実装されるプリント基板とは別部材とし、部材間にばらつきが発生すると、良好な光学設計を保つことが困難になる。
【0004】
図3A,3Bは、従来技術による液晶表示装置用のバックライト構造の例を示す(例えば特許文献1参照)。図3Aは導光板に切り欠き部を設け、光源支持部材に切り欠き部と契合する突起部を設けたバックライト構造の概略的平面構造を示し、図3Bは切り欠き部と突起部とを有するバックライト構造の概略的断面構造を示す。図3Aの平面図において、導光板216は、図中下部に配置された光入射側面216Aと、広い面積で液晶パネルと対向する光出射主面216Bとを有する板状部材である。放熱部材219は、図中下部に配置され、導光板216底面下方に入り込む底面部219Bと導光板216の光入射側面216Aに対向する立ち上がり部219Aとを有し、立ち上がり部219Aに配線基板218を介して複数の光源(LED)217が実装されている。導光板216の光入射側面216A両側の対向側面216Cに,対向する切欠き部216Sが形成されている。
【0005】
図3Bに示されるように、ケース214上方において、導光板の切欠き部216Sの位置に対応して、放熱部材219には底面部219Bから上方に立ち上がる突起部219Tが配置されている。図3Aに示されるように、1対の突起部219Tを、対応する1対の切欠き部216Sに係止することにより、光源217と導光板216との相対的位置が高精度に保たれる。
【0006】
この構成によれば、導光板216の光出射主面216Bとなる面に切欠き部216Sを形成することになる。切欠き部216Sは透過光の光路内に配置することはできず、切欠き部以外の部分を用いて光路設計することになる。また、切り欠き部216Sと突起部219Tとを用いる構成は、表示装置の薄型化実現に適しているとも言い難い。できれば、このような制限を伴わない構成が望ましい。
【0007】
本出願人の研究者達は、複数の光源(LED)をフレキシブル印刷基板(FPC)上に搭載し、FPCをケース内に収容し、複数の光源からの光をエッジ入力できる導光板をFPC上で光源と組み合わせる構成を考察した。複数の光源はFPC上の接続領域に半田付けなどで固定される。導光板の1端部はFPC上に導光板-FPC固定粘着テープで固定され、導光板の他端部は導光板固定粘着テープでケースに固定される。
【0008】
図4Aが、考察した1構成を概略的に示す断面図である。図面垂直方向に複数の光源217を配列し、フレキシブル印刷基板(FPC)228上の接続領域に半田付けなどで接続される。光源217からの照明光を1方の側面(エッジ)に入光する導光板216の入光部がFPC228上に導光板-FPC固定粘着テープ232で固定されている。FPC228の光源側端部をケース214内の端部に突き当て、逆側の導光板216の反入光側端部を導光板固定粘着テープ236でケース214に固定している。導光板216の主要部の下方には反射シート220が配置されている。
【0009】
環境温度が高温になると、導光板216は熱膨張してその長さを増大しようとする。導光板216は、導光板-FPC固定粘着テープ232でFPC228に固定され、光源側のFPC228端部はケース214の端部に突き当てられている。そのため、導光板216は光源217側に移動することはできず、他方の側(図中右側、反入光側)に膨張しようとする。環境温度が高温になると、導光板216をケース214に固定する導光板固定粘着テープ236の粘度は弱くなり、導光板216の膨張を抑制する力は減少する。結果として、導光板216は反入光側に伸びて行く。
【0010】
環境温度が高温から常温ないし低温になると、図4Bに示すように、導光板216は縮小し始め、導光板固定粘着テープ236の粘度が戻り、導光板216をケース214に固定する力が回復していく。この結果、導光板216を反入光側に固定する力が強くなる。導光板216が縮小するにつれ、導光板-FPC固定粘着テープ232によって導光板216に固定されているFPC228も反入光側に位置ずれを興す。導光板216と導光板に固定されているFPC228が同時に右側に移動することで、FPC228はケース214左端から離れ、光源側の見栄えが変化する。見栄えを維持するためには、FPC228の光源側部分の位置を安定化することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】国際公開第2015/008656号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
複数の光源をフレキシブル印刷基板(FPC)上に搭載し、FPCをケース内に収容し、複数の光源からの光をエッジ入力できる導光板をFPC上で光源と組み合わせ、FPCの光源側部分の位置を安定化することにより、環境温度が変化しても安定な表示を行える液晶表示装置用バックライト構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
液晶表示装置用バックライト構造は、所定方向に沿って複数のLEDを搭載し、複数のLEDを駆動する電気的配線を有する主要部と、少なくとも両端部に配置され、電気的配線を有さない突起部とを有するフレキシブル印刷基板と、光を伝播できる板状の形状を有し、複数のLEDから出射する光を受光する受光側面と、結合される液晶表示パネルに向けて受光、伝播した光を出射する光出射上面と、光出射上面と対向する底面とを有し、受光側面近傍の底面の一部がフレキシブル印刷基板の主要部上に配置された導光板と、上面側に、フレキシブル印刷基板の主要部、導光板を収容すると共に、フレキシブル印刷基板の突起部に対応する領域に開口部を有するケースと、を備え、フレキシブル印刷基板の突起部はケースの開口部においてケースと交差し、折り曲げられてケースを裏面側から挟み込み、更に、折り曲げられたフレキシブル印刷基板の突起部をケース裏面に固定する第1粘着部材と、両面に粘着面を有し、フレキシブル印刷基板上の導光板をフレキシブル印刷基板に固定する第2粘着部材と、を備える。
【0014】
ケースの開口部において、フレキシブル印刷基板が折り曲げられ、ケースに対するフレキシブル印刷基板の1方向の移動は制限され、温度変化による膨張、収縮に基づく位置ずれを防ぐ機能が生じる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1A,1B,1C,1D,1E,1Fは、本発明の1実施例による液晶表示装置用バックライト構造の製造工程を示す、平面図、概略図、断面図である。
図2図2A,2B,2C,2Dは、変形例を示す断面図、平面図である。
図3図3A,3Bは、従来技術の例を示す平面図、断面図である。
図4図4A,4Bは、本発明者等が行った先行研究を示す断面図である。
図5図5は、本発明者等の検討事項を示す概略図である。
【符号の説明】
【0016】
14 ケース、 16 導光板、 17 LED, 20 開口部、 28 フレキシブル印刷基板(FPC)、 28x 突起部、 30 コネクタ、 34,35,36 FPC-ケース固定粘着テープ、 214 ケース、 216 導光板、 217 光源、 218 配線基板、 219 放熱部材、 220 反射シート、 232 導光板-FPC固定粘着テープ、228 フレキシブル印刷基板(FPC)、 236 導光板固定粘着テープ
【発明を実施するための形態】
【0017】
図5を参照して、液晶表示装置用のバックライト構造の概略を説明する。例えば、液晶表示パネルLCDは矩形の板状表示面を有し、対角線方向の長さに基づいて、13.3インチ、14インチ、15.6インチ等の表示面と呼ばれている。液晶表示パネルLCDは、フレーム230で画定される液晶層に例えば多数のスイッチング素子が行列状に配置されており、個々に入射光をスイッチングすることにより所望の画像を表示することができる。
【0018】
例えば数十から数百のLEDがリニアに配列された光源217から、例えば白色光が矩形板状の導光板216の光入射側面に供給され、出射光が導光板216の全上面から上方に出射され、液晶表示パネルLCDへの入力光が供給される。導光板216は入射光から散乱光を形成して上方から出射させればよく、電気的制御はなくてもよい。このような導光板216は光散乱構造を形成したポリカーボネート等の光学部材で構成できる。これに対して光源(LED)217は光を発生させねばならず、発光ダイオード等の光発生素子の電気的駆動が必要である。電気的駆動が必要な光源217はポリイミド等の絶縁部材中に埋め込まれた銅配線を備え、複数のLEDを接続できる構成を有するフレキシブル印刷基板を用いて形成する。光源217と光学的に結合しているポリカーボネート等の有機樹脂膜の導光板216は、自己保持能力が低いので、十分な強度、精度を備えるアルミニウム等の金属ケースに収納するのが好ましい。
【0019】
先行例として説明した図4に示す構成においては、FPC228とその上に結合したLED217,導光板216の結合構造が、ケース214に対する相対的位置を変化させてしまい、表示装置の見栄えを悪化させてしまった。FPC228の上に、LED217,導光板216を結合したが、FPC228はケース214内壁に突き当てられており、ケース左端から離れる方向に移動可能であった。この結合構造とケース214との間には、導光板216両端の導光体-FPC固定粘着テープ232、導光板固定粘着テープ236が存在し、両端で固定された構成であった。FPC228の左端が突き当てられた構成で、加熱により導光板216に発生する膨張力が大きくなると、粘着テープ236による抑止力では移動を抑止できなくなり、粘着テープ236を引きずってしまい、降温時には粘着テープ236の固定力が復活し、粘着テープ232を引きずってしまい、FPC228上に結合した結合構造の移動を許したと考えられる。
【0020】
(実施形態 図1A-1F)
本発明者等は、FPCとケースとの間の結合を強め、熱膨張時のFPCのケースに対する相対的移動を抑制する構成を検討した。図1にその基本的構成を示す。図1Aはフレキシブル印刷基板28の平面図を示す。光源結合部と配線を有するフレキシブル印刷基板28の直進部分の両端に一方の側方に突出する突起部28xが形成されている。例えば、突起部28xは、折り曲げ可能な構成であり、配線は有さない。また、突起部28xはフレキシブル印刷基板28の両端以外の部分に少なくとも1つ形成しても良い。図1Bは、図1Aのフレキシブル印刷基板28を突き当てるケース14端部を示す側面図であり、フレキシブル印刷基板28の突起部28xを通過させられる開口部(ないし切欠き部)20を有する。図1Bの開口部20はケース14に2か所形成されているが、突起部28xをフレキシブル印刷基板28の両端以外の部分に少なくとも1つ形成した時、突起部28xに対応する部分に新たな開口部20を形成しても良い。図1Cは、開口部20を通るケース14の長さ方向の断面図であり、図1Dは、開口部20が存在しない部分の、ケース14の長さ方向の断面図である。
【0021】
図1Eは、図1Aに示すフレキシブル印刷基板28の突起部28xが、図1Cに示す開口部20を通過する状態を示す断面図である。フレキシブル印刷基板28の突起部28xは、ケース14の開口部20を通過して、ケース14外部に突出する。フレキシブル印刷基板28の突起部のない部分は、ケース14の端面に突き当たって止まる。図1Fに示すように、ケース14外部に突出したフレキシブル印刷基板28の突起部28xを折り曲げて、ケース14の底面の外面に沿う形にし、更に突起部28x周辺部をケース14外面に固定するFPC-ケース固定粘着テープ34を貼りつける。また、導光板16の受光側面と対向する反入光側面近傍の底面部分をケース14の対向部分に固定する粘着部材を新たに追加することもできる。この粘着部材は、FPC-ケース固定粘着テープ34よりも粘着力が弱い物を使用する。該粘着部材は、FPC-ケース固定粘着テープ34よりも粘着力が弱いことにより、導光板16が熱膨張後、時間経過で冷えて収縮する時、導光板16の反入光側にかかる、FPC-ケース固定粘着テープ34と該粘着部材によって生じる導光板の収縮方向の応力を相対的に弱くすることができ、導光板の位置ずれを防ぐことができる。
【0022】
フレキシブル印刷基板28の突起部28xを折り曲げた形態では、ケース14と折り曲げたフレキシブル印刷基板とが係合し、両者が離反する方向の相対的移動を抑制する。一方、突起部のない領域ではフレキシブル印刷基板28の端面がケース14の端部内面と係合し、対向する方向の相対的移動を抑制する。従って、フレキシブル印刷基板28とケース14とを結ぶ方向に関して、フレキシブル印刷基板28とケース14との相対的移動は生じないか、生じても極めて限られた大きさにできる。更に、フレキシブル印刷基板28の突起部28xが折り曲げられ、ケース14と折り曲げたフレキシブル印刷基板28とが裏面に亘り接触していることにより、フレキシブル印刷基板28とケース14との接触面積が増し、フレキシブル印刷基板28に載置されているLED17や導光板16から生じる熱をケース14へ放熱する面積が増加する。
【0023】
(実施形態の変形例 図2A-2D)
上述の実施例ではフレキシブル印刷基板28の突起部28xを折り曲げ、ケース14の底面をフレキシブル印刷基板28主要部とフレキシブル印刷基板突起部28xで挟み込む形状とした。図2Aは、フレキシブル印刷基板28の突起部28xを折り曲げる方向を下側にする代わりに上側にする変形例を示す。図1Eの状態において、フレキシブル印刷基板28の主要部から直進する突起部28xを図中上側方向に折り曲げ、ケース14の上側部分の外面に沿わせて、図2Aの状態とし、突起部28xの上からFPC-ケース固定粘着テープ35を貼りつける。折り曲げる角度が緩やかになるが、進行角が急変する点は同様でFPCの移動に対する抵抗は高く、粘着テープの作用は同様である。
【0024】
上記実施例では、フレキシブル印刷基板28の突起部を固定する粘着テープはフレキシブル印刷基板の上から貼りつけた。この場合フレキシブル印刷基板28を折り曲げ、その状態を維持しながら粘着テープを貼りつけるため、片手での作業が容易とはならない。ケース14とフレキシブル印刷基板28との間に粘着テープを配置することも可能である。図2Bに示すように、FPC-ケース固定粘着テープ36をケース14底部外面上に張り付け、この状態で、ケース14の開口部20からフレキシブル印刷基板28の突起部28xを突出させ、突起部28xを下側に屈曲させて、FPC-ケース固定粘着テープ36面上に貼りつける。片手作業にも適した工程となる。
【0025】
液晶表示装置用バックライト構造は、液晶表示パネルと共用することが前提となる。液晶表示パネルは、複数の制御素子を含み、それらの制御のための制御信号を必要とする。液晶表示パネル用のコントロール信号を受けるコントロール部をバックライト構造に形成しておくことは有効である。図2Cは、液晶パネル用コネクタ30を備えたフレキシブル印刷基板を示す。フレキシブル印刷基板28は、フレキシブル印刷基板28に搭載するLED等の光源を駆動制御する配線、接続領域等の他、上述のようなフレキシブル印刷基板変位抑制用の突起部28xを備え、さらに液晶表示パネル駆動制御用のコネクタ30を備える。
【0026】
上述の実施例では、フレキシブル印刷基板28の両端に配置した突起部28xにより、フレキシブル印刷基板28が導光板16方向に変位するのを防止している。表示面の大型化に伴ってフレキシブル印刷基板28の長さが長くなったり、装置の薄型化の要請に伴いフレキシブル印刷基板の強度が低下したりすると、変位の防止に機能する突起部の数を増加することが望まれる場合もある。図2Dは、フレキシブル印刷基板28の突起部28xの数を3以上、例えば4にした場合を示す。この時、図示されていないがケース14の開口部20は、突起部28xが形成される位置に対応するように新たに形成される。突起部の数を3以上形成することにより、フレキシブル印刷基板28がより強固に固定される。フレキシブル印刷基板28の一方の端部から他方の端部までの中心の位置である中間部に、突起部28xを両端部に加えて新たに形成することにより、フレキシブル印刷基板28xの両端のうち一方に偏った導光板の膨張が行われたとしても、フレキシブル印刷基板28の位置ずれを安定して防ぐことができる。更に、突起部の数を3以上形成することにより、フレキシブル印刷基板28とケース14の接触面積も増え、放熱効率を上げることができる。また、サイズの大きいバックライトにフレキシブル印刷基板28を使用する時、突起部28xに係る負荷が自明に大きくなる。この場合、図2Dのようにフレキシブル印刷基板28において、一方の端部から他方の端部までの中心の位置である中間部から該一方の端部側の半分の位置及び、該中間部から該他方の端部側の半分の位置に前記突起部が配置されていてもよい。
【0027】
以上、実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、追加、改良、組合せ等が可能なことは、当業者に自明であろう。
図1
図2
図3
図4
図5