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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-20
(45)【発行日】2025-05-28
(54)【発明の名称】チェーンソー
(51)【国際特許分類】
   B27B 17/02 20060101AFI20250521BHJP
   B27B 17/00 20060101ALI20250521BHJP
   B27G 3/00 20060101ALI20250521BHJP
   B23D 57/02 20060101ALI20250521BHJP
【FI】
B27B17/02
B27B17/00 M
B27G3/00 G
B23D57/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021157163
(22)【出願日】2021-09-27
(65)【公開番号】P2023047955
(43)【公開日】2023-04-06
【審査請求日】2024-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】可知 秀規
(72)【発明者】
【氏名】中村 綱寿
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0318802(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0106915(US,A1)
【文献】米国特許第06186136(US,B1)
【文献】実開昭54-057594(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27B 17/02
B27B 17/00
B27G 3/00
B23D 57/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェーンソーであって、
ソーチェーンと、
前記ソーチェーンが取り付けられたガイドバーと、
前記ソーチェーンを前記ガイドバーの周縁に沿って走行させるスプロケットと、
前記スプロケットを回転軸周りに回転させる原動機と、
前記原動機を収容するハウジングと、
前記スプロケットを覆うスプロケットカバーと、
ガイド部材を備えており、
前記ガイドバーと、前記ハウジングと、前記スプロケットカバーによって、前記ソーチェーンが通過するチェーン通路が形成されており、
前記ガイド部材が、
前記チェーン通路内の前記ソーチェーンに対向して配置されており、前記回転軸に沿う方向から見た時に、前記回転軸を中心とする円弧形状を有する第1対向面と、
前記チェーン通路内の前記ソーチェーンに対向して配置されており、前記回転軸に沿う方向から見た時に、前記回転軸からオフセットした位置を中心とする円弧形状を有する第2対向面を有しており、
前記チェーンソーを水平な載置面に載置した状態で、前記回転軸に沿う方向から見た時に、前記第1対向面と前記第2対向面が接続する位置と前記回転軸を結ぶ直線が水平面と成す角度が、-10°から25°の範囲にあり、
前記ガイド部材が、前記第1対向面を有しており、ゴム材料からなる第1ガイド部材を備えており、
前記第1ガイド部材が、前記ハウジングまたは前記スプロケットカバーに着脱可能に取り付けられており、
前記チェーンソーを前記載置面に載置した状態で、前記回転軸に沿う方向から見た時に、前記第1対向面が前記回転軸の鉛直上方まで達している、チェーンソー。
【請求項2】
前記ガイド部材が、ゴム材料からなり、前記第2対向面を有する第2ガイド部材を備えており、
前記第2ガイド部材が、前記ハウジングまたは前記スプロケットカバーに着脱可能に取り付けられている、請求項のチェーンソー。
【請求項3】
前記第1ガイド部材と、前記第2ガイド部材が、継ぎ目なく一体的に形成されている、請求項のチェーンソー。
【請求項4】
チェーンソーであって、
ソーチェーンと、
前記ソーチェーンが取り付けられたガイドバーと、
前記ソーチェーンを前記ガイドバーの周縁に沿って走行させるスプロケットと、
前記スプロケットを回転軸周りに回転させる原動機と、
前記原動機を収容するハウジングと、
前記スプロケットを覆うスプロケットカバーと、
ガイド部材を備えており、
前記ガイドバーと、前記ハウジングと、前記スプロケットカバーによって、前記ソーチェーンが通過するチェーン通路が形成されており、
前記ガイド部材が、
前記チェーン通路内の前記ソーチェーンに対向して配置されており、前記回転軸に沿う方向から見た時に、前記回転軸を中心とする円弧形状を有する第1対向面と、
前記チェーン通路内の前記ソーチェーンに対向して配置されており、前記回転軸に沿う方向から見た時に、前記回転軸からオフセットした位置を中心とする円弧形状を有する第2対向面を有しており、
前記チェーンソーを水平な載置面に載置した状態で、前記回転軸に沿う方向から見た時に、前記第1対向面と前記第2対向面が接続する位置と前記回転軸を結ぶ直線が水平面と成す角度が、-10°から25°の範囲にあり、
前記ガイド部材が、前記第1対向面を有しており、ゴム材料からなる第1ガイド部材を備えており、
前記第1ガイド部材が、前記ハウジングまたは前記スプロケットカバーに着脱可能に取り付けられており、
前記ガイド部材が、前記第2対向面を有しており、ゴム材料からなる第2ガイド部材を備えており、
前記第2ガイド部材が、前記ハウジングまたは前記スプロケットカバーに着脱可能に取り付けられており、
前記第1ガイド部材と、前記第2ガイド部材が、継ぎ目なく一体的に形成されている、チェーンソー。
【請求項5】
前記第2対向面の曲率半径が、前記第1対向面の曲率半径の半分以下である、請求項1からの何れか一項のチェーンソー。
【請求項6】
チェーンソーであって、
ソーチェーンと、
前記ソーチェーンが取り付けられたガイドバーと、
前記ソーチェーンを前記ガイドバーの周縁に沿って走行させるスプロケットと、
前記スプロケットを回転軸周りに回転させる原動機と、
前記原動機を収容するハウジングと、
前記スプロケットを覆うスプロケットカバーと、
ガイド部材を備えており、
前記ガイドバーと、前記ハウジングと、前記スプロケットカバーによって、前記ソーチェーンが通過するチェーン通路が形成されており、
前記ガイド部材が、
前記チェーン通路内の前記ソーチェーンに対向して配置されており、前記回転軸に沿う方向から見た時に、前記回転軸を中心とする円弧形状を有する第1対向面と、
前記チェーン通路内の前記ソーチェーンに対向して配置されており、前記回転軸に沿う方向から見た時に、前記回転軸からオフセットした位置を中心とする円弧形状を有する第2対向面を有しており、
前記チェーンソーを水平な載置面に載置した状態で、前記回転軸に沿う方向から見た時に、前記第1対向面と前記第2対向面が接続する位置と前記回転軸を結ぶ直線が水平面と成す角度が、-10°から25°の範囲にあり、
前記第2対向面の曲率半径が、前記第1対向面の曲率半径の半分以下である、チェーンソー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、チェーンソーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、チェーンソーが開示されている。前記チェーンソーは、ソーチェーンと、前記ソーチェーンが取り付けられたガイドバーと、前記ソーチェーンを前記ガイドバーの周縁に沿って走行させるスプロケットと、前記スプロケットを回転軸周りに回転させる原動機と、前記原動機を収容するハウジングと、前記スプロケットを覆うスプロケットカバーと、ガイド部材を備えている。前記ガイドバーと、前記ハウジングと、前記スプロケットカバーによって、前記ソーチェーンが通過するチェーン通路が形成されている。前記ガイド部材は、前記チェーン通路内の前記ソーチェーンに対向して配置されており、前記回転軸に沿う方向から見た時に、前記回転軸を中心とする円弧形状を有する対向面を有している。このチェーンソーによれば、ガイド部材によってチェーン通路の通路面積が狭められるので、チェーン通路に入り込んだ切り屑が、チェーン通路の先の方にまで進んでしまうことを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2013/0318802号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チェーン通路の先の方にまで進むことを阻まれた切り屑が、チェーン通路内に溜まってしまうと、溜まった切り屑によってソーチェーンの回転が妨げられるおそれがある。本明細書では、チェーンソーにおいて、切り屑がチェーン通路の先の方にまで進んでしまうことを抑制しつつ、切り屑がチェーン通路内に溜まってしまうことを抑制することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書はチェーンソーを開示する。前記チェーンソーは、ソーチェーンと、前記ソーチェーンが取り付けられたガイドバーと、前記ソーチェーンを前記ガイドバーの周縁に沿って走行させるスプロケットと、前記スプロケットを回転軸周りに回転させる原動機と、前記原動機を収容するハウジングと、前記スプロケットを覆うスプロケットカバーと、ガイド部材を備えていてもよい。前記ガイドバーと、前記ハウジングと、前記スプロケットカバーによって、前記ソーチェーンが通過するチェーン通路が形成されていてもよい。前記ガイド部材は、前記チェーン通路内の前記ソーチェーンに対向して配置されており、前記回転軸に沿う方向から見た時に、前記回転軸を中心とする円弧形状を有する第1対向面と、前記チェーン通路内の前記ソーチェーンに対向して配置されており、前記回転軸に沿う方向から見た時に、前記回転軸からオフセットした位置を中心とする円弧形状を有する第2対向面を有していてもよい。前記チェーンソーを水平な載置面に載置した状態で、前記回転軸に沿う方向から見た時に、前記第1対向面と前記第2対向面が接続する位置と前記回転軸を結ぶ直線が水平面と成す角度が、-10°から25°の範囲にあってもよい。
【0006】
上記の構成によれば、ガイド部材の第1対向面と第2対向面が接続する位置で、チェーン通路の通路面積が狭められるので、切り屑がチェーン通路の先の方にまで進んでしまうことを抑制することができる。また、上記の構成によれば、チェーン通路の先の方にまで進むことを阻まれた切り屑が、円弧形状を有する第2対向面に沿って排出されるので、チェーン通路内に切り屑が溜まってしまうことを抑制することができる。さらに、上記の構成によれば、チェーンソーを水平な載置面に載置した状態で、回転軸に沿う方向から見た時に、第1対向面と第2対向面が接続する位置と回転軸を結ぶ直線が水平面と成す角度が、-10°から25°の範囲にあるので、チェーン通路の先の方にまで進むことを阻まれた切り屑を、重力によって下方に排出しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例のチェーンソー2を後方右方上方から見た斜視図である。
図2】実施例のチェーンソー2を前方左方下方から見た斜視図である。
図3】実施例のチェーンソー2を右方から見た側面図である。
図4】実施例のチェーンソー2において、電池パック収容部24aから電池パックBを取り外した状態を、前方左方上方から見た斜視図である。
図5】実施例のチェーンソー2の本体ハウジング24を上方から見た平面図である。
図6】実施例のチェーンソー2の本体ハウジング24の内部を左方から見た側面図である。
図7】実施例のチェーンソー2の本体ハウジング24の横断面図である。
図8】実施例のチェーンソー2のベース部材14と、前側ハンドガード18と、モータ46と、オイルポンプ50と、モータケース66を、前方左方下方から見た斜視図である。
図9】実施例のチェーンソー2の冷却ファン62の近傍の縦断面図である。
図10】実施例のチェーンソー2において、スプロケットカバー22を取り外した状態を、右方から見た側面図である。
図11】実施例のチェーンソー2において、スプロケットカバー22と、ガイドバー6と、ブレーキカバー20を取り外した状態を、右方から見た側面図である。
図12】実施例のチェーンソー2のベース部材14の前下部近傍の部分の分解斜視図である。
図13】実施例のチェーンソー2のボルト78の近傍の部分の縦断面図である。
図14】実施例のチェーンソー2のスプロケットカバー22を前方左方上方から見た斜視図である。
図15】実施例のチェーンソー2のチェーンガイド110,112とチップガイド118を、前方右方上方から見た斜視図である。
図16】実施例のチェーンソー2のスプロケットカバー22のチェーンガイド110,112とチップガイド118を取り外した状態を、前方右方上方から見た斜視図である。
図17】実施例のチェーンソー2のスプロケット72の近傍の縦断面図である。
図18】実施例のチェーンソー2の水抜き孔24jの近傍の部分を前方右方上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下では、本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、以下に開示される追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善されたチェーンソー、その製造方法及び使用方法を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0009】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、上記及び下記の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、独立及び従属クレームに記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0010】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又はクレームに記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0011】
1つまたはそれ以上の実施形態において、チェーンソーは、ソーチェーンと、前記ソーチェーンが取り付けられたガイドバーと、前記ソーチェーンを前記ガイドバーの周縁に沿って走行させるスプロケットと、前記スプロケットを回転軸周りに回転させる原動機と、前記原動機を収容するハウジングと、前記スプロケットを覆うスプロケットカバーと、ガイド部材を備えていてもよい。前記ガイドバーと、前記ハウジングと、前記スプロケットカバーによって、前記ソーチェーンが通過するチェーン通路が形成されていてもよい。前記ガイド部材は、前記チェーン通路内の前記ソーチェーンに対向して配置されており、前記回転軸に沿う方向から見た時に、前記回転軸を中心とする円弧形状を有する第1対向面と、前記チェーン通路内の前記ソーチェーンに対向して配置されており、前記回転軸に沿う方向から見た時に、前記回転軸からオフセットした位置を中心とする円弧形状を有する第2対向面を有していてもよい。前記チェーンソーを水平な載置面に載置した状態で、前記回転軸に沿う方向から見た時に、前記第1対向面と前記第2対向面が接続する位置と前記回転軸を結ぶ直線が水平面と成す角度が、-10°から25°の範囲にあってもよい。なお、ここでいう「水平面と成す角度」は、第1対向面と第2対向面が接続する位置が水平面より下方にある場合を正とし、水平面より上方にある場合を負とする。
【0012】
上記の構成によれば、ガイド部材の第1対向面と第2対向面が接続する位置で、チェーン通路の通路面積が狭められるので、切り屑がチェーン通路の先の方にまで進んでしまうことを抑制することができる。また、上記の構成によれば、チェーン通路の先の方にまで進むことを阻まれた切り屑が、円弧形状を有する第2対向面に沿って排出されるので、チェーン通路内に切り屑が溜まってしまうことを抑制することができる。さらに、上記の構成によれば、チェーンソーを水平な載置面に載置した状態で、回転軸に沿う方向から見た時に、第1対向面と第2対向面が接続する位置と回転軸を結ぶ直線が水平面と成す角度が、-10°から25°の範囲にあるので、チェーン通路の先の方にまで進むことを阻まれた切り屑を、重力によって下方に排出しやすくすることができる。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ガイド部材は、前記第1対向面を有しており、ゴム材料からなる第1ガイド部材を備えていてもよい。前記第1ガイド部材は、前記ハウジングまたは前記スプロケットカバーに着脱可能に取り付けられていてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、ソーチェーンが第1対向面に衝突する場合でも、第1ガイド部材が衝撃を吸収するので、ハウジングやスプロケットカバーが損傷することを抑制することができる。また、上記の構成によれば、第1ガイド部材が損傷した場合でも、新しい第1ガイド部材に容易に交換することができる。
【0015】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記チェーンソーを前記載置面に載置した状態で、前記回転軸に沿う方向から見た時に、前記第1対向面が前記回転軸の鉛直上方まで達していてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、チェーン通路において、より広い範囲を第1対向面によって覆うことができるので、ソーチェーンの衝突によってハウジングやスプロケットカバーが損傷することをより確実に抑制することができる。
【0017】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ガイド部材は、ゴム材料からなり、前記第2対向面を有する第2ガイド部材を備えていてもよい。前記第2ガイド部材は、前記ハウジングまたは前記スプロケットカバーに着脱可能に取り付けられていてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、ソーチェーンが第2対向面に衝突する場合でも、第2ガイド部材が衝撃を吸収するので、ハウジングやスプロケットカバーが損傷することを抑制することができる。また、上記の構成によれば、第2ガイド部材が損傷した場合でも、新しい第2ガイド部材に容易に交換することができる。
【0019】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記第1ガイド部材と、前記第2ガイド部材は、継ぎ目なく一体的に形成されていてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、チェーンソーの部品点数を少なくすることができる。
【0021】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記第2対向面の曲率半径は、前記第1対向面の曲率半径の半分以下であってもよい。
【0022】
第2対向面の曲率半径が大きくなると、それだけガイドバーの長手方向に沿ったチェーンソーのサイズを大きなものとする必要がある。上記の構成によれば、ガイドバーの長手方向に沿ったチェーンソーのサイズを小さくすることができる。
【0023】
(実施例)
図1図2に示すように、本実施例のチェーンソー2は、本体4と、ガイドバー6と、ソーチェーン8を備えている。ガイドバー6は、本体4から前方に向けて突出するように本体4に取り付けられた、細長い板状の部材である。ガイドバー6は、例えば鉄等の金属材料からなる。ソーチェーン8は、相互に連結された複数のカッタを備えており、ガイドバー6の周縁に沿って取り付けられている。本体4には、電池パックBが取り付けられている。チェーンソー2は、電池パックBから供給される電力によって、ソーチェーン8をガイドバー6の周縁に沿って回転駆動することで、木材等の被切削物を切削する。ガイドバー6としては、切削作業の内容に応じて、種々のものを取付可能である。図1図2に示す例では、ガイドバー6の先端の曲率半径は、例えば10mmである。本実施例のチェーンソー2は、ソーチェーン8を、例えば25.5m/sの速度で、ガイドバー6の周縁に沿って回転駆動する。なお、以下の説明では、図3に示すように、チェーンソー2を地面等の水平な載置面Sに載置した時に、載置面Sに直交する方向を、チェーンソー2の上下方向といい、載置面Sにガイドバー6の長手方向を投影した方向を、チェーンソー2の前後方向といい、チェーンソー2の上下方向および前後方向に直交する方向を、チェーンソー2の左右方向という。なお、図1図3以外の図面では、図示の明瞭化のために、ソーチェーン8の図示を省略している。
【0024】
図1図2に示すように、本体4は、左側ハウジング10と、右側ハウジング12と、ベース部材14と、前側ハンドル16と、前側ハンドガード18と、ブレーキカバー20と、スプロケットカバー22を備えている。左側ハウジング10と、右側ハウジング12と、前側ハンドガード18と、ブレーキカバー20と、スプロケットカバー22は、例えばポリアミド樹脂等の樹脂材料からなる。ベース部材14は、例えばマグネシウム合金等の金属材料からなる。ベース部材14の熱伝導率は、例えば、温度が300Kの時に、10W/m・K以上であり、例えば30W/m・K以上であり、例えば約50W/m・Kである。前側ハンドル16は、例えばアルミ合金等の金属材料からなる。
【0025】
本体4には、本体ハウジング24と、後側ハンドル26と、後側ハンドガード28が形成されている。本体ハウジング24は、左側ハウジング10と、右側ハウジング12と、ベース部材14と、ブレーキカバー20から構成されている。後側ハンドル26と後側ハンドガード28は、左側ハウジング10と、右側ハウジング12から構成されている。ベース部材14は、右側ハウジング12の前部の右側に取り付けられている。ブレーキカバー20は、ベース部材14の右側に取り付けられている。スプロケットカバー22は、ブレーキカバー20の右側に取り付けられている。
【0026】
本体ハウジング24は、本体4の前後方向に長手方向を有する略直方体形状を有する。図4に示すように、本体ハウジング24の後部には、上方に向けて開口する電池パック収容部24aが形成されている。電池パック収容部24aの右側内面には、電池パックBを上下方向にスライドさせることで電池パックBを着脱可能な電池パック取付部24bが設けられている。電池パック収容部24aの右側内面の上端には、電池パックBの着脱時にユーザが電池パックBを把持しやすいように、凹部24cが形成されている。
【0027】
後側ハンドル26は、本体ハウジング24の後面上部から後方下方に向けて延びており、下方に向けて屈曲している。後側ハンドル26は、略円形状の断面形状を有する。後側ハンドガード28は、本体ハウジング24の後面下部から後方に向けて延びており、後側ハンドル26の下端に接続している。後側ハンドガード28は、前後方向の寸法に比べて左右方向の寸法が小さく、左右方向の寸法に比べて上下方向の寸法が小さい、略直方体形状を有している。図5に示すように、後側ハンドガード28は、下方から後側ハンドル26の全体を覆う形状を有している。後側ハンドガード28は、後側ハンドル26の直下に配置された第1ガード部28aと、第1ガード部28aから右方に延びる第2ガード部28bを備えている。後側ハンドガード28によって、後側ハンドル26を把持したユーザの手を保護することができる。
【0028】
後側ハンドル26の前端近傍の上面には、ユーザがチェーンソー2の電源のオン/オフを切替操作する電源ボタン30が配置されている。図6に示すように、後側ハンドル26の内部には、ユーザによる電源ボタン30への操作を検出する電源スイッチ32が設けられている。電源スイッチ32は、後述する制御ユニット34に電気的に接続されている。
【0029】
後側ハンドル26の前端近傍の下面には、ユーザがソーチェーン8の回転駆動を操作するためのトリガレバー36が配置されている。トリガレバー36は、左右方向に延びる回動軸36a周りに回動可能に、後側ハンドル26に支持されている。本体ハウジング24の後端近傍の内部には、ユーザによるトリガレバー36の引き上げ操作を検出するトリガスイッチ38が設けられている。トリガスイッチ38は、制御ユニット34に電気的に接続されている。
【0030】
後側ハンドル26の上面には、ユーザによるトリガレバー36の操作を許可する状態と禁止する状態の間で切り替わるロックレバー40が配置されている。ロックレバー40は、左右方向に延びる回動軸40a周りに回動可能に、後側ハンドル26に支持されている。ロックレバー40が上方に回動した状態では、ロックレバー40がトリガレバー36と干渉することで、トリガレバー36の上方への回動が禁止される。ロックレバー40が下方に回動した状態では、ロックレバー40がトリガレバー36と干渉しなくなり、トリガレバー36の上方への回動が許容される。後側ハンドル26の前端近傍の内部には、ユーザによるロックレバー40の押し下げ操作を検出する把持検知スイッチ42が配置されている。把持検知スイッチ42は、制御ユニット34に電気的に接続されている。
【0031】
トリガレバー36とロックレバー40は、捩りバネ44によって互いに連結されている。捩りバネ44は、トリガレバー36を下方に回動する方向に付勢するとともに、ロックレバー40を上方に回動する方向に付勢する。このため、ユーザがトリガレバー36から手を離している場合には、捩りバネ44の付勢力によってトリガレバー36は下方に回動した状態となる。また、ユーザがロックレバー40から手を離している場合には、捩りバネ44の付勢力によってロックレバー40は上方に回動した状態となる。
【0032】
図1図2に示すように、前側ハンドル16は、前方上方に向けて延びる右側固定部16aと、右側固定部16aの上端から左方前方に向けて延びる上側把持部16bと、上側把持部16bの左端から下方に向けて延びる左側把持部16cと、左側把持部16cの下端から右方に向けて延びる下側固定部16dを備えている。上側把持部16bと、左側把持部16cは、略円形状の断面形状を有している。図1に示すように、右側固定部16aは、本体ハウジング24の右面(具体的には右側ハウジング12の右面)に形成された右側ハンドル取付溝24dに入り込んだ状態で、締結具によって本体ハウジング24(具体的には右側ハウジング12)に固定されている。図2に示すように、下側固定部16dは、本体ハウジング24の前端近傍の下面(具体的には左側ハウジング10の下面)に形成された下側ハンドル取付溝24eに入り込んだ状態で、締結具によって本体ハウジング24(具体的には左側ハウジング10)に固定されている。
【0033】
ユーザは、チェーンソー2を使用する際に、右手で後側ハンドル26を把持し、左手で前側ハンドル16(具体的には上側把持部16bまたは左側把持部16c)を把持して、チェーンソー2を保持する。この状態から、ユーザが後側ハンドル26のロックレバー40を右手の掌で押し下げると、ユーザによるトリガレバー36の操作が許可された状態となり、この状態でユーザがトリガレバー36を右手の人差し指で引き上げ操作することで、ソーチェーン8が回転駆動される。
【0034】
図6に示すように、本体ハウジング24の内部の前方には、制御ユニット34と、モータ46と、オイルタンク48と、オイルポンプ50が配置されている。制御ユニット34と、モータ46と、オイルタンク48と、オイルポンプ50は、電池パックBよりも前方に配置されている。オイルタンク48は、モータ46およびオイルポンプ50よりも前方に配置されている。制御ユニット34は、モータ46、オイルタンク48およびオイルポンプ50よりも上方で、前後方向および左右方向に沿って配置されている。
【0035】
図7に示すように、モータ46は、インナロータ型のDCブラシレスモータである。モータ46は、コイル52が巻回されたステータ54と、ステータ54の内側に配置されており、永久磁石56を備えるロータ58と、ステータ54およびロータ58の中央を貫通するように配置されており、ロータ58に篏合された出力シャフト60と、出力シャフト60に篏合された冷却ファン62と、ロータ58の回転を検出するセンサ基板64を備えている。
【0036】
ベース部材14は、前後方向および上下方向に延びるベースプレート14aと、ベースプレート14aから左方に突出する略円筒形状の支持リブ14bを備えている。ベースプレート14aと、支持リブ14bは、継ぎ目なく一体的に形成されている。図8に示すように、支持リブ14bの左端には、モータケース66が締結具を介して固定されている。モータケース66は、例えばポリアミド樹脂等の樹脂材料からなる。図7に示すように、センサ基板64は、ステータ54の左側の端面に対向して配置されている。モータケース66は、ステータ54の径方向の外側と、ステータ54の左側の端面およびセンサ基板64を覆う形状を有する。ステータ54と、センサ基板64は、モータケース66に締結具を介して固定されている。ステータ54に巻回されたコイル52と、センサ基板64は、それぞれ、制御ユニット34(図6参照)に電気的に接続されている。図示はしないが、制御ユニット34は、スイッチング素子を備えるインバータ回路およびそれぞれのスイッチング素子の動作を制御する制御回路が搭載された回路基板と、回路基板を収容する略直方体形状のケーシングを備えている。制御ユニット34は、センサ基板64の検出信号に基づいて、コイル52に印加する電圧を制御することによって、モータ46の動作を制御する。
【0037】
図7に示すように、出力シャフト60は、チェーンソー2の左右方向に沿って配置されている。出力シャフト60の右端は、右側ハウジング12、ベースプレート14a、ブレーキカバー20を貫通して、ブレーキカバー20よりも右側に突出している。出力シャフト60の左端は、モータケース66の左面を貫通してモータケース66の左面よりも左側に突出している。出力シャフト60は、ベアリング68を介してベースプレート14aに回転可能に支持されているとともに、ベアリング70を介してモータケース66に回転可能に支持されている。ロータ58はベアリング70よりも右側に配置されており、冷却ファン62はロータ58よりも右側に配置されており、ベアリング68は冷却ファン62よりも右側に配置されている。
【0038】
冷却ファン62は、例えば遠心ファンであって、例えば円盤形状のプレート62aと、プレート62aから突出する複数のブレード62bを備えるプレートファンである。図8に示すように、モータケース66の左面には、給気用開口66aが形成されている。ベース部材14の支持リブ14bには、排気用開口14cが形成されている。また、図2に示すように、本体ハウジング24の左面(具体的には左側ハウジング10の左面)には、給気口24fが形成されており、本体ハウジング24の下面(具体的には右側ハウジング12の下面)には、排気口24gが形成されている。図9に示すように、排気口24gは、排気用開口14cに対向して配置されている。
【0039】
冷却ファン62が回転すると、本体ハウジング24の外部の空気が図2に示す給気口24fを介して本体ハウジング24の内部に流入する。本体ハウジング24の内部に流入した空気は、図7に示す給気用開口66aを介してモータケース66の内部に流入する。モータケース66の内部に流入した空気は、センサ基板64を通過し、ステータ54とロータ58の間の隙間を流れて、ステータ54およびロータ58を冷却した後、冷却ファン62に到達する。図9に示すように、冷却ファン62に到達した空気は、ブレード62bに沿って径方向外側に向かって流れた後、支持リブ14bの内面に沿って周方向に流れて、ベース部材14を冷却した後、排気用開口14c、排気口24gを介して、本体ハウジング24の外部に流出する。
【0040】
図7に示すように、出力シャフト60の右端近傍には、スプロケット72と、ブレーキベース74が固定されている。スプロケット72およびブレーキベース74は、ベアリング68よりも右側に配置されている。ブレーキベース74には、ブレーキドラム76が嵌合している。
【0041】
図10に示すように、スプロケット72は、ブレーキカバー20の外側に露出している。スプロケット72には、ガイドバー6からソーチェーン8(図1図3参照)が架け渡される。モータ46(図7参照)が駆動すると、出力シャフト60とともにスプロケット72が回転し、これによってソーチェーン8がスプロケット72とガイドバー6の周りを回転する。
【0042】
ガイドバー6には、ガイドバー6の長手方向に沿う長孔6aが形成されている。ガイドバー6は、長孔6aを貫通するボルト78,80を介して、ベース部材14に支持されている。図7に示すように、ボルト78,80は、ベースプレート14aに固定されている。ボルト78,80には、スプロケットカバー22の外側からナット82,84が締結されている。ユーザは、ナット82,84を緩めた状態で、長孔6aに沿ってガイドバー6をスライドさせることで、ガイドバー6とスプロケット72の距離を変化させて、ソーチェーン8の張り具合を調整することができる。
【0043】
図10に示すように、ガイドバー6には、係合ピン86と係合する係合孔88が形成されている。図11に示すように、係合ピン86は、回転直動変換機構90を介して調整ネジ92に連結している。回転直動変換機構90は、調整ネジ92の回転運動を、係合ピン86の長孔6aに沿った方向の直線運動に変換する。図10に示すように、調整ネジ92は、ボルト78とボルト80の間に配置されており、長孔6aの内周面に接することなく長孔6aを貫通している。ユーザが、調整ネジ92を回転させると、係合ピン86がガイドバー6の長孔6aに沿った方向で移動して、ガイドバー6が長孔6aに沿った方向にスライドする。
【0044】
図7に示すように、スプロケット72は、スプロケットカバー22によって覆われている。図1に示すように、スプロケットカバー22の前端近傍の右面には、外側カバー94が取り付けられている。外側カバー94は、左方に向けて陥凹する凹部94aを備えている。凹部94aには、ボルト78,80に締結されたナット82,84に外部からアクセスするための締結用開口94b,94cと、調整ネジ92に外部からアクセスするための調整用開口94dが形成されている。ユーザは、スプロケットカバー22を取り付けた状態で、ナット82,84を締めたり緩めたりすることができる。また、ユーザは、スプロケットカバー22を取り付けた状態で、調整用開口94dを介して調整ネジ92を回転させて、ソーチェーン8の張り具合を調整することができる。
【0045】
図7に示すように、スプロケットカバー22には、スリーブ96が設けられている。スリーブ96は、例えばアルミ等の金属材料からなり、射出成型によってスプロケットカバー22と一体的に形成されている。スリーブ96は、ボルト78,80が貫通するボルト用開口96a,96bと、調整ネジ92が挿入される調整ネジ用開口96cを備えている。ボルト78,80にナット82,84を締結すると、ナット82,84とベースプレート14aの間に、ガイドバー6とスリーブ96が挟み込まれて固定される。ナット82,84を締結する際にスプロケットカバー22にかかる荷重をスリーブ96が受けるので、ナット82,84を強固に締結した場合であっても、スプロケットカバー22が損傷してしまうことを防止することができる。
【0046】
図12に示すように、ベースプレート14aの右面には、チェーンガイド98,100が取り付けられている。図11に示すように、チェーンガイド98は、ボルト78,80および調整ネジ92の上方に配置されている。チェーンガイド100は、ボルト78および調整ネジ92の下方に配置されている。チェーンガイド98,100は、例えばポリアセタール樹脂等の樹脂材料からなる。図13に示すように、本体ハウジング24とスプロケットカバー22の間には、ソーチェーン8(図1図3参照)が通過するチェーン通路99が形成されている。チェーンガイド98を設けることによって、ガイドバー6の上側のチェーン通路99を通過するソーチェーン8(図1図3参照)が左側に傾いてガイドバー6から外れてしまうことを抑制することができる。また、チェーンソー2を用いた切削作業の際には、ソーチェーン8の回転に伴って、切り屑がチェーン通路99に入り込むことがあるが、チェーンガイド98を設けることによって、ガイドバー6の上側のチェーン通路99の通路面積を狭めることができ、切り屑がチェーン通路99の先の方にまで進んでしまうことを抑制することができる。さらに、チェーンガイド100を設けることによって、ガイドバー6の下側のチェーン通路99を通過するソーチェーン8(図1図3参照)が左側に傾いてガイドバー6から外れてしまうことを抑制することができる。
【0047】
図12に示すように、チェーンガイド98は、略平板形状のガイド部98aと、ガイド部98aから左方に突出する係合部98bを備えている。チェーンガイド100は、略平板形状のガイド部100aと、ガイド部100aから左方に突出する係合部100bを備えている。ベースプレート14aの右面には、チェーンガイド98が着脱可能に取り付けられるガイド取付部102と、チェーンガイド100が着脱可能に取り付けられるガイド取付部104が形成されている。ガイド取付部102は、ガイド部98aを受け入れる取付溝102aと、係合部98bが係合する被係合部102bを備えている。ガイド取付部104は、ガイド部100aを受け入れる取付溝104aと、係合部100bが係合する被係合部104bを備えている。このような構成とすることによって、チェーンガイド98,100がソーチェーン8との接触によって損傷した場合でも、新たなチェーンガイド98,100への交換作業を容易に行うことができる。
【0048】
ベースプレート14aのガイド取付部104の下方には、チェーンキャッチャ106が締結具によって固定されている。チェーンキャッチャ106は、例えばアルミ合金等の金属材料からなる。チェーンキャッチャ106を設けることによって、万が一、回転中のソーチェーン8がガイドバー6から外れた場合であっても、ソーチェーン8がユーザに向かって飛来することを防止することができる。
【0049】
ベースプレート14aの前端には、スパイク108が締結具によって固定されている。スパイク108は、例えば鉄等の金属材料からなる。図1図2に示すように、スパイク108は、本体ハウジング24の前面から前方に向けて突出している。ユーザは、チェーンソー2を使用して木材等の被切削物を切削する際に、スパイク108を被切削物に突き刺して支点とすることで、切削作業を安定して行うことができる。
【0050】
図14に示すように、スプロケットカバー22の左面には、チェーンガイド110,112が取り付けられている。チェーンガイド110は、スリーブ96の上方に配置されている。チェーンガイド112は、スリーブ96の下方に配置されている。チェーンガイド110,112は、例えばポリアセタール樹脂等の樹脂材料からなる。図13に示すように、チェーンガイド110を設けることによって、ガイドバー6の上側のチェーン通路99を通過するソーチェーン8が右側に傾いてガイドバー6から外れてしまうことを抑制することができる。また、チェーンガイド110を設けることによって、ガイドバー6の上側のチェーン通路99の通路面積を狭めることができ、切り屑がチェーン通路99の先の方にまで進んでしまうことを抑制することができる。さらに、チェーンガイド112を設けることによって、ガイドバー6の下側のチェーン通路99を通過するソーチェーン8が右側に傾いてガイドバー6から外れてしまうことを抑制することができる。
【0051】
図15に示すように、チェーンガイド110は、略平板形状のガイド部110aと、ガイド部110aから右方に突出する係合部110bを備えている。チェーンガイド112は、略平板形状のガイド部112aと、ガイド部112aから右方に突出する係合部112bを備えている。図16に示すように、スプロケットカバー22の左面には、チェーンガイド110が着脱可能に取り付けられるガイド取付部114と、チェーンガイド112が着脱可能に取り付けられるガイド取付部116が形成されている。ガイド取付部114は、ガイド部110aを受け入れる取付溝114aと、係合部110bが係合する被係合部114bを備えている。ガイド取付部116は、ガイド部112aを受け入れる取付溝116aと、係合部112bが係合する被係合部116bを備えている。このような構成とすることによって、チェーンガイド110,112がソーチェーン8との接触によって損傷した場合でも、新たなチェーンガイド110,112への交換作業を容易に行うことができる。
【0052】
図14に示すように、スプロケットカバー22の左面には、さらに、チップガイド118が取り付けられている。チップガイド118は、例えばニトリルゴム等のゴム材料からなる。図15に示すように、チップガイド118は、第1ガイド部120と、第2ガイド部122と、第3ガイド部124と、支持部126を備えている。第1ガイド部120と、第2ガイド部122と、第3ガイド部124と、支持部126は、継ぎ目なく一体的に形成されている。第1ガイド部120は、略円柱面形状に形成されたガイド面120aを備える。ガイド面120aの曲率半径は、24mmから36mmの範囲内であって、例えば30mmである。第2ガイド部122は、略円柱面形状に形成されたガイド面122aと、略平面形状に形成されたガイド面122bを備える。ガイド面122aの曲率半径は、4mmから10mmの範囲内であって、例えば6mmである。ガイド面122bの長手方向の長さは、30mmから40mmの範囲内であって、例えば34mmである。ガイド面122aは、一端でガイド面120aと接続しており、他端でガイド面122bと接続している。第3ガイド部124は、略円柱形状に形成されたガイド面124aと、略平面形状に形成されたガイド面124bを備える。ガイド面124aの曲率半径は、3mmから7mmの範囲内であって、例えば5mmである。ガイド面124bの長手方向の長さは、14mmから25mmの範囲内であって、例えば18mmである。ガイド面124aは、一端でガイド面122bと接続しており、他端でガイド面124bと接続している。支持部126は、係合孔126a、126b、126cを備える。図16に示すように、スプロケットカバー22の左面には、チップガイド118が着脱可能に取り付けられるガイド取付部128が形成されている。ガイド取付部128は、係合孔126a、126b、126cに係合する係合ピン128a、128b、128cを備えている。このような構成とすることによって、チップガイド118がソーチェーン8との接触によって損傷した場合でも、新たなチップガイド118への交換作業を容易に行うことができる。なお、図14に示すように、スプロケットカバー22の左面には、左方に向けて突出する略平板形状のガイドリブ22aが形成されている。スプロケットカバー22にチップガイド118が取り付けられた時に、ガイドリブ22aの下面とガイド面120aは、ほぼ段差がなく、ほぼ隙間が空かないように配置される。
【0053】
図17に示すように、スプロケットカバー22を本体ハウジング24に取り付けた場合には、ガイドリブ22aはスプロケット72の前方上方に配置され、第1ガイド部120はスプロケット72の後方上方に配置され、第2ガイド部122と第3ガイド部124はスプロケット72の後方下方に配置される。チェーンソー2を右方から見た時に、第1ガイド部120のガイド面120aの曲率円の中心C1は、出力シャフト60の中心C0と略一致する。チェーンソー2を右方から見た時に、第2ガイド部122のガイド面122aの曲率円の中心C2は、第1ガイド部120のガイド面120aの曲率円の中心C1よりも後方下方にオフセットしている。ガイド面122aの曲率円の中心C2の、ガイド面120aの曲率円の中心C1からの後方へのオフセット量は、24mmから38mmの範囲内であって、例えば31mmである。チェーンソー2を右方から見た時に、ガイド面120aとガイド面122aの接続点P1と、出力シャフト60の中心C0を結んだ直線L1が水平面Hと成す角度をθ1とした時に、-10°≦θ1≦25°の範囲にある。ここで、θ1はP1がC0よりも下方にある場合に正となり、P1がC0よりも上方にある場合に負となる。例えば、本実施例では、θ1=6°である。チェーンソー2を右方から見た時に、第3ガイド部124のガイド面124aの曲率円の中心C3は、第2ガイド部122のガイド面122aの曲率円の中心C2よりも後方下方にオフセットしている。ガイド面124aの曲率円の中心C3の、ガイド面122aの曲率円の中心C2からの後方へのオフセット量は、10mmから30mmの範囲内であって、例えば19mmである。チェーンソー2を右方から見た時に、ガイド面122aとガイド面124aの接続点P2と、出力シャフト60の中心C0を結んだ直線L2が水平面Hと成す角度をθ2とした時に、32°≦θ2≦50°の範囲にある。ここで、θ2はP2がC0よりも下方にある場合に正となり、P2がC0よりも上方にある場合に負となる。例えば、本実施例では、θ2=41°である。
【0054】
上記のようにガイドリブ22aが配置されることで、スプロケット72の前方上方のチェーン通路99の通路面積を狭めることができ、切り屑がチェーン通路99の先の方にまで進んでしまうことを抑制することができる。また、上記のように第1ガイド部120が配置されることで、スプロケット72の後方上方のチェーン通路99の通路面積を狭めることができ、切り屑がチェーン通路99の先の方にまで進んでしまうことを抑制することができる。さらに、上記のように第2ガイド部122が配置されることで、チェーン通路99に入り込んだ切り屑を、後方下方に向けて排出しやすくすることができる。上記のように第3ガイド部124が配置されることで、チェーン通路99に入り込んだ切り屑を、後方下方に向けてより排出しやすくすることができる。
【0055】
図1に示すように、前側ハンドガード18は、ガード部18aと、左側支持部18bと、右側支持部18cを備えている。図5に示すように、ガード部18aは、前側ハンドル16の上側把持部16bの前方に配置されており、上側把持部16bを把持したユーザの手を保護する。図2に示すように、左側支持部18bは、ガード部18aの左下端から後方下方に延びている。左側支持部18bは、下端近傍において、左右方向に延びる回動軸18d(図8参照)周りに回動可能に左側ハウジング10に保持されている。図11に示すように、右側支持部18cは、ガード部18aの右端から下方に延びている。右側支持部18cは、下端近傍において、左右方向に延びる回動軸18e周りに回動可能に、ベースプレート14aに保持されている。回動軸18d(図8参照)と回動軸18eは、略同一直線状に配置されている。このため、前側ハンドガード18は、本体ハウジング24に対して、上方に引き起こした通常位置と、前方に押し倒した停止位置との間で回動可能である。なお、図8に示すように、ベースプレート14aの左面には、停止検知スイッチ129が設けられている。停止検知スイッチ129は、前側ハンドガード18が停止位置にあるか否かを検出する。停止検知スイッチ129は、制御ユニット34(図6参照)に電気的に接続されている。
【0056】
図11に示すように、ベースプレート14aの右面には、ロック部材130と、圧縮バネ132が設けられている。ロック部材130は、前側ハンドガード18の右側支持部18cに形成された凹部18fに入り込む凸部130aを備えている。圧縮バネ132は、凸部130aが凹部18fに入り込む方向に、ロック部材130をベースプレート14aに対して付勢している。このため、前側ハンドガード18に前方に押し倒す方向の力が作用した場合でも、その力が所定値よりも小さければ、圧縮バネ132の付勢力によって凸部130aが凹部18fに入り込んだ状態が維持されて、前側ハンドガード18は通常位置で維持される。一方、その力が所定値よりも大きければ、圧縮バネ132の付勢力に抗して凸部130aが凹部18fから抜け出して、前側ハンドガード18は通常位置から停止位置へと回動する。
【0057】
ベースプレート14aの右面にはさらに、アーム部材134と、リンク部材136と、ブレーキ部材138と、ブレーキバンド140と、圧縮バネ142が設けられている。アーム部材134の一端は、前側ハンドガード18の右側支持部18cに固定されている。アーム部材134の他端は、リンク部材136の一端と回動可能に連結されている。リンク部材136の他端は、ブレーキ部材138に回動可能に連結されている。ブレーキ部材138は、後方下方の通常位置と前方上方の停止位置の間でスライド可能に、ベースプレート14aに保持されている。ブレーキバンド140は、ブレーキドラム76の周囲を囲うように配置されている。ブレーキバンド140の一端は、ブレーキ部材138に保持されている。ブレーキバンド140の他端は、ベースプレート14aに固定されている。前側ハンドガード18が通常位置から停止位置へ回動すると、アーム部材134も前側ハンドガード18とともに回動することで、アーム部材134とリンク部材136は屈曲した状態となり、ブレーキ部材138は通常位置から停止位置へ移動する。これによって、ブレーキバンド140が縮径して、ブレーキバンド140の内周面がブレーキドラム76の外周面に当接して、両者の摩擦力によって出力シャフト60の回転が制動される。前側ハンドガード18が停止位置から通常位置へ回動すると、アーム部材134も前側ハンドガード18とともに回動することで、アーム部材134とリンク部材136は略直線状に並んだ状態となり、ブレーキ部材138は停止位置から通常位置へ移動する。これによって、ブレーキバンド140が拡径して、ブレーキバンド140の内周面がブレーキドラム76の外周面から離反して、出力シャフト60の回転の制動が解除される。
【0058】
圧縮バネ142は、ブレーキ部材138を通常位置から停止位置に向けて付勢している。前側ハンドガード18が通常位置にあり、アーム部材134とリンク部材136が略直線状に並んだ状態では、圧縮バネ142の付勢力がブレーキ部材138に作用しても、ブレーキ部材138は通常位置のまま維持される。しかしながら、切削作業時のキックバックによって、チェーンソー2に衝撃が作用すると、アーム部材134とリンク部材136がわずかに屈曲して、圧縮バネ142の付勢力によってブレーキ部材138が通常位置から停止位置へ移動する。これによって、前側ハンドガード18が通常位置から停止位置へ回動するとともに、ブレーキバンド140とブレーキドラム76の摩擦力によって出力シャフト60の回転が制動される。
【0059】
図6に示すオイルタンク48には、ソーチェーン8を潤滑するための潤滑油が貯留される。オイルタンク48には、オイルタンク48に潤滑油を補充するための補充用開口48a(図7参照)に着脱可能なキャップ144が設けられている。図2に示すように、オイルタンク48のキャップ144は、左側ハウジング10の外部に露出しており、本体ハウジング24の前部の左面に配置されている。
【0060】
図6に示すオイルポンプ50は、モータ46の回転に連動して、導入管146を介してオイルタンク48の内部の潤滑油を吸い出すとともに、導出管148を介してガイドバー6に向けて潤滑油を送り出す。導出管148に送られた潤滑油は、ベースプレート14aに形成されたオイル供給口14d(図11参照)を介して、ガイドバー6およびソーチェーン8(図1図3参照)に供給される。モータ46の出力シャフト60の左端近傍には、オイルポンプ50を駆動するためのウォームギア150が嵌合している。図7に示すように、ウォームギア150は、ベアリング70よりも左側に配置されている。オイルポンプ50によってオイルタンク48からガイドバー6に供給される潤滑油の吐出量は、調整ピン152(図9参照)を介して調整可能である。
【0061】
図2に示すように、本体ハウジング24の下面(具体的には左側ハウジング10の下面)には、外部から調整ピン152にアクセス可能な、調整用開口24hが形成されている。ユーザは調整用開口24hから工具を差し込んで、調整ピン152を回転させることで、オイルポンプ50における潤滑油の吐出量を調整することができる。チェーンソー2の左右方向に関して、調整用開口24hは、本体ハウジング24の左端近傍に配置されている。
【0062】
本体ハウジング24の下面(具体的には左側ハウジング10の下面)には、電池パック収容部24a(図4参照)に連通する水抜き孔24iが形成されている。このため、電池パック収容部24aに水が入り込んだ場合でも、水抜き孔24iを介して排水することができる。また、図18に示すように、本体ハウジング24の右側ハンドル取付溝24dには、本体ハウジング24の内部に連通する水抜き孔24jが形成されている。このため、本体ハウジング24の内部に水が入り込んだ場合でも、チェーンソー2を右側に倒すことで、水抜き孔24jを介して排水することができる。また、水抜き孔24jは目立ちにくい位置に配置されているので、チェーンソー2の美観を損ねることがない。さらに、水抜き孔24jはガイドバー6から離れた位置に配置されているので、切り屑が水抜き孔24jを介して本体ハウジング24の内部に入り込むことを抑制することができる。
【0063】
本実施例のチェーンソー2において、ベース部材14の体積は、400cm以上であって、例えば500cm以上であって、例えば約550cmである。また、ベース部材14の重量は、ガイドバー6およびソーチェーン8、電池パックBを含むチェーンソー2の全体の重量の2%以上であって、例えば3%以上であって、例えば約4%を占める。このように大型で重量のあるベース部材14を用いることで、ベース部材14の熱容量を高くすることができ、ベース部材14の温度上昇を抑制することができる。
【0064】
本実施例のチェーンソー2では、モータ46が収容された空間と、ソーチェーン8が通過する空間が、ベース部材14によって隔離されている。このような構成とすることによって、切り屑がモータ46に到達してモータ46の動作に影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0065】
(変形例)
チェーンソー2は、電池パックBを取り付けることなく、電源コードを介して電力を供給されてもよい。
【0066】
モータ46は、アウタロータ型のDCブラシレスモータであってもよい。あるいは、モータ46は、ブラシ付きモータであってもよいし、他の種類の電動モータであってもよい。
【0067】
チェーンソー2は、スプロケット72を回転させる原動機として、モータ46の代わりに、内燃機関を備えるエンジンを備えていてもよい。この場合、エンジンの駆動によって、スプロケット72に連結された出力シャフト60を回転させる構成としてもよい。
【0068】
ベース部材14の材質は、マグネシウム合金に限らず、温度が300Kの時の熱伝導率が10W/m・K以上の伝熱性材料であればよく、例えばオーステナイト系のステンレス鋼等の金属材料であってもよいし、非金属材料であってもよい。
【0069】
チップガイド118は、スプロケットカバー22の左面ではなく、本体ハウジング24の右面(具体的にはブレーキカバー20の右面)に着脱可能に取り付けられていてもよい。また、チップガイド118は、第3ガイド部124を備えていなくてもよい。さらに、チップガイド118において、第1ガイド部120と、第2ガイド部122と、第3ガイド部124は、別体の部品として形成されていてもよく、それぞれが個別にスプロケットカバー22または本体ハウジング24に着脱可能であってもよい。
【0070】
以上のように、1つまたはそれ以上の実施形態において、チェーンソー2は、ソーチェーン8と、ソーチェーン8が取り付けられたガイドバー6と、ソーチェーン8をガイドバー6の周縁に沿って走行させるスプロケット72と、スプロケット72を回転軸C0周りに回転させるモータ46(原動機の例)と、モータ46を収容する本体ハウジング24(ハウジングの例)と、スプロケット72を覆うスプロケットカバー22と、チップガイド118(ガイド部材の例)を備えている。ガイドバー6と、本体ハウジング24と、スプロケットカバー22によって、ソーチェーン8が通過するチェーン通路99が形成されている。チップガイド118は、チェーン通路99内のソーチェーン8に対向して配置されており、回転軸C0に沿う方向(例えば左右方向)から見た時に、回転軸C0を中心とする円弧形状を有するガイド面120a(第1対向面の例)と、チェーン通路99内のソーチェーン8に対向して配置されており、回転軸C0に沿う方向(例えば左右方向)から見た時に、回転軸C0からオフセットした位置C2を中心とする円弧形状を有するガイド面122a(第2対向面の例)を有している。チェーンソー2を水平な載置面Sに載置した状態で、回転軸C0に沿う方向(例えば左右方向)から見た時に、ガイド面120aとガイド面122aが接続する位置P1と回転軸C0を結ぶ直線L1が水平面Hと成す角度は、-10°から25°の範囲にある。
【0071】
上記の構成によれば、チップガイド118のガイド面120aとガイド面122aが接続する位置P1で、チェーン通路99の通路面積が狭められるので、切り屑がチェーン通路99の先の方にまで進んでしまうことを抑制することができる。また、上記の構成によれば、チェーン通路99の先の方にまで進むことを阻まれた切り屑が、円弧形状を有するガイド面122aに沿って排出されるので、チェーン通路99内に切り屑が溜まってしまうことを抑制することができる。さらに、上記の構成によれば、チェーンソー2を水平な載置面Sに載置した状態で、回転軸C0に沿う方向(例えば左右方向)から見た時に、ガイド面120aとガイド面122aが接続する位置P1と回転軸C0を結ぶ直線L1が水平面Hと成す角度が、-10°から25°の範囲にあるので、チェーン通路99の先の方にまで進むことを阻まれた切り屑を、重力によって下方に排出しやすくすることができる。
【0072】
1つまたはそれ以上の実施形態において、チップガイド118は、ガイド面120aを有しており、ゴム材料からなる第1ガイド部120(第1ガイド部材の例)を備えている。第1ガイド部120は、本体ハウジング24またはスプロケットカバー22に着脱可能に取り付けられている。
【0073】
上記の構成によれば、ソーチェーン8がガイド面120aに衝突する場合でも、第1ガイド部120が衝撃を吸収するので、本体ハウジング24やスプロケットカバー22が損傷することを抑制することができる。また、上記の構成によれば、第1ガイド部120が損傷した場合でも、新しい第1ガイド部120に容易に交換することができる。
【0074】
1つまたはそれ以上の実施形態において、チェーンソー2を載置面Sに載置した状態で、回転軸C0に沿う方向(例えば左右方向)から見た時に、ガイド面120aが回転軸C0の鉛直上方まで達している。
【0075】
上記の構成によれば、チェーン通路99において、より広い範囲をガイド面120aによって覆うことができるので、ソーチェーン8の衝突によって本体ハウジング24やスプロケットカバー22が損傷することをより確実に抑制することができる。
【0076】
1つまたはそれ以上の実施形態において、チップガイド118は、ゴム材料からなり、ガイド面122aを有する第2ガイド部122(第2ガイド部材の例)を備えている。第2ガイド部122は、本体ハウジング24またはスプロケットカバー22に着脱可能に取り付けられている。
【0077】
上記の構成によれば、ソーチェーン8がガイド面122aに衝突する場合でも、第2ガイド部122が衝撃を吸収するので、本体ハウジング24やスプロケットカバー22が損傷することを抑制することができる。また、上記の構成によれば、第2ガイド部122が損傷した場合でも、新しい第2ガイド部122に容易に交換することができる。
【0078】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1ガイド部120と、第2ガイド部122は、継ぎ目なく一体的に形成されている。
【0079】
上記の構成によれば、チェーンソー2の部品点数を少なくすることができる。
【0080】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ガイド面122aの曲率半径は、ガイド面120aの曲率半径の半分以下である。
【0081】
ガイド面122aの曲率半径が大きくなると、それだけガイドバー6の長手方向に沿ったチェーンソー2のサイズを大きなものとする必要がある。上記の構成によれば、ガイドバー6の長手方向に沿ったチェーンソー2のサイズを小さくすることができる。
【符号の説明】
【0082】
2 :チェーンソー
4 :本体
6 :ガイドバー
6a :長孔
8 :ソーチェーン
10 :左側ハウジング
12 :右側ハウジング
14 :ベース部材
14a :ベースプレート
14b :支持リブ
14c :排気用開口
14d :オイル供給口
16 :前側ハンドル
16a :右側固定部
16b :上側把持部
16c :左側把持部
16d :下側固定部
18 :前側ハンドガード
18a :ガード部
18b :左側支持部
18c :右側支持部
18d :回動軸
18e :回動軸
18f :凹部
20 :ブレーキカバー
22 :スプロケットカバー
22a :ガイドリブ
24 :本体ハウジング
24a :電池パック収容部
24b :電池パック取付部
24c :凹部
24d :右側ハンドル取付溝
24e :下側ハンドル取付溝
24f :給気口
24g :排気口
24h :調整用開口
24i :水抜き孔
24j :水抜き孔
26 :後側ハンドル
28 :後側ハンドガード
28a :第1ガード部
28b :第2ガード部
30 :電源ボタン
32 :電源スイッチ
34 :制御ユニット
36 :トリガレバー
36a :回動軸
38 :トリガスイッチ
40 :ロックレバー
40a :回動軸
42 :把持検知スイッチ
44 :捩りバネ
46 :モータ
48 :オイルタンク
48a :補充用開口
50 :オイルポンプ
52 :コイル
54 :ステータ
56 :永久磁石
58 :ロータ
60 :出力シャフト
62 :冷却ファン
62a :プレート
62b :ブレード
64 :センサ基板
66 :モータケース
66a :給気用開口
68 :ベアリング
70 :ベアリング
72 :スプロケット
74 :ブレーキベース
76 :ブレーキドラム
78 :ボルト
80 :ボルト
82 :ナット
84 :ナット
86 :係合ピン
88 :係合孔
90 :回転直動変換機構
92 :調整ネジ
94 :外側カバー
94a :凹部
94b :締結用開口
94c :締結用開口
94d :調整用開口
96 :スリーブ
96a :ボルト用開口
96b :ボルト用開口
96c :調整ネジ用開口
98 :チェーンガイド
98a :ガイド部
98b :係合部
99 :チェーン通路
100 :チェーンガイド
100a :ガイド部
100b :係合部
102 :ガイド取付部
102a :取付溝
102b :被係合部
104 :ガイド取付部
104a :取付溝
104b :被係合部
106 :チェーンキャッチャ
108 :スパイク
110 :チェーンガイド
110a :ガイド部
110b :係合部
112 :チェーンガイド
112a :ガイド部
112b :係合部
114 :ガイド取付部
114a :取付溝
114b :被係合部
116 :ガイド取付部
116a :取付溝
116b :被係合部
118 :チップガイド
120 :第1ガイド部
120a :ガイド面
122 :第2ガイド部
122a :ガイド面
122b :ガイド面
124 :第3ガイド部
124a :ガイド面
124b :ガイド面
126 :支持部
126a :係合孔
126b :係合孔
126c :係合孔
128 :ガイド取付部
128a :係合ピン
128b :係合ピン
128c :係合ピン
129 :停止検知スイッチ
130 :ロック部材
130a :凸部
132 :圧縮バネ
134 :アーム部材
136 :リンク部材
138 :ブレーキ部材
140 :ブレーキバンド
142 :圧縮バネ
144 :キャップ
146 :導入管
148 :導出管
150 :ウォームギア
152 :調整ピン
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