(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-20
(45)【発行日】2025-05-28
(54)【発明の名称】格子フレームワーク構造
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20250521BHJP
B65G 1/14 20060101ALI20250521BHJP
E04H 9/02 20060101ALI20250521BHJP
F16F 15/04 20060101ALI20250521BHJP
F16F 15/02 20060101ALI20250521BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
B65G1/14 F
E04H9/02 331B
E04H9/02 331A
E04H9/02 331E
F16F15/04 P
F16F15/02 L
(21)【出願番号】P 2022578694
(86)(22)【出願日】2021-06-11
(86)【国際出願番号】 EP2021065866
(87)【国際公開番号】W WO2021254917
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-01-18
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ボアン、スティーブン
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-090356(JP,A)
【文献】特表2018-533535(JP,A)
【文献】特開2016-176577(JP,A)
【文献】特開2009-228850(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0174555(US,A1)
【文献】特開2016-138592(JP,A)
【文献】特開2018-021373(JP,A)
【文献】特開2011-021332(JP,A)
【文献】特開2019-190207(JP,A)
【文献】特開2009-74272(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
B65G 1/14
E04H 9/02
F16F 15/04
F16F 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタック(12)内の1つ又は複数のコンテナ(10)を移動するように動作する荷役デバイス(30)を支持するための格子フレームワーク構造(114)を備える耐震格子フレームワークシステム(206)であって、前記格子フレームワーク構造(114)が、
水平面内に複数の実質的に長方形のフレーム(54)を備える格子(50)を形成するように配置された一連の交差する格子部材(118、120)を備え、前記実質的に長方形のフレーム(54)の各々は、格子セルを構成し、前記格子(50)は、前記一連の格子部材(118、120)の交点(56)の各々において複数の直立柱(116)によって支持され、コンテナ(10)が前記複数の直立柱(116)の間に積み重ねられ前記複数の直立柱(116)によって前記複数の実質的に長方形のフレーム(54)を通って垂直方向にガイドされるように複数の垂直保管場所(58)を形成する、耐震格子フレームワークシステム(206)において、
前記耐震格子フレームワークシステム(206)は、前記格子フレームワーク構造(114)に作用する地震力を低減するための免震システム(208)をさらに備え、前記格子フレームワーク構造(114)は、前記免震システム(208)によって支持され、前記免震システム(208)は、上部構造(202)と下部構造(200)と、前記上部構造(202)と前記下部構造(200)との間に配置された少なくとも1つの免震デバイス(204)を備え、前記少なくとも1つの免震デバイス(204)が、地震発生時に前記下部構造(200)に対する前記上部構造(202)の動きを抑制するようにし、
前記格子フレームワーク構造(114)の前記格子(50)を支持する複数の前記直立柱(116)が前記上部構造(202)によって支持されるように、前記格子フレームワーク構造(114)は前記上部構造(202)に取り付けられ、前記上部構造(202)が1つ又は複数の実質的に水平な梁によって支持された一体のスラブ(203)として形成されていることを特徴とする、耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの免震デバイス(204)は、エラストマー層(1207)の積層アセンブリ(1206)を備えるエラストマー軸受(1204)を備え、前記積層アセンブリ(1206)は、前記上部構造(202)及び前記下部構造(200)にそれぞれ接続するために、上部取付プレート(1210a)と下部取付プレート(1210b)との間に配置される、請求項1に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの免震デバイス(204)は、前記上部構造(202)及び前記下部構造(200)にそれぞれ接続するために、上部取付プレート(1210a)と下部取付プレート(1210b)との間に配置された交互のエラストマー層(1207)及び剛性層(1208)の積層アセンブリを備えるエラストマー軸受(1204)を備える、請求項1に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項4】
前記エラストマー軸受(1204)が、
前記積層アセンブリ(1206)の内部に配置されたエネルギー消散コア(1212)をさらに備え、前記エネルギー消散コア(1212)は、前記積層アセンブリ(1206)の剪断方向の振動エネルギーを吸収することによって、前記積層アセンブリ(1206)の前記剪断方向の振動を減衰するように適合され、
前記エラストマー層(1207)及び剛性層(1208)の外周面は、柔軟な支持体(1214)に囲まれている、請求項2又は3に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項5】
前記エラストマー層(1207)のそれぞれはゴムを備え、前記剛性層(1208)のそれぞれは鋼を備え、前記エラストマー軸受(1204)が交互のゴム層と鋼層の積層アセンブリ(1206)を備えるようになっている、請求項3又は4に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項6】
前記エネルギー消散コア(1212)が、鉛、スズ、亜鉛、アルミニウム、銅、ニッケル、又はそれらの合金を備える、請求項4又は5に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項7】
前記上部取付プレート(1210a)は上部接続プレート(1218a)に接合され、前記下部取付プレート(1210b)は下部接続プレート(1218b)に接合され、前記積層アセンブリ(1206)は前記上部接続プレートと前記下部接続プレートとの間に挟まれるようになる、請求項2から6のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項8】
前記エラストマー軸受(1204)が、前記積層アセンブリ(1206)と前記上部取付プレート(1210a)又は前記下部取付プレート(1210b)のいずれかとの間に配置されたスライダディスクを備える、請求項2から7のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項9】
前記スライダディスクがPTFEを備える、請求項8に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの免震デバイス(204)が、摺動振り子軸受を備え、前記摺動振り子軸受は、
i)第1の摺動面を有する上部軸受要素と、
ii)第2の摺動面を有する下部軸受要素と、
iii)前記第1の摺動面及び前記第2の摺動面と面接触するように配置されるように、前記上部軸受要素と前記下部軸受要素との間に配置されたスライダとを備え、前記第1の摺動面及び/又は前記第2の摺動面は、特定の曲率半径を有する凹球面を有しており、前記スライダが、前記第1の摺動面及び/又は前記第2の摺動面の前記凹球面に沿って摺動し、少なくとも1つの摺動振り子機構を提供することに相当する地震動の最中に前記上部構造(202)の持ち上げをもたらすように配置されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの免震デバイス(204)が、3重振り子軸受を備え、前記3重振り子軸受は、
i)特定の曲率半径を有する下向きの凹球面(4208)を有する上部軸受要素(4206)と、
ii)特定の曲率半径を有する上向きの凹球面(4212)を有する下部軸受要素(4210)と、
iii)前記下部軸受要素(4210)の前記上向きの凹球面(4212)に沿って摺動するように配置される凸球面(4214b)と、前記下部軸受要素(4210)の前記上向きの凹球面(4212)の前記曲率半径より実質的に小さい半径を有する対向する凹球面(4214c)と、を有する第1のスライダ(4214)と、
iv)前記上部軸受要素(4206)の前記下向きの凹球面(4208)に沿って摺動するように配置される凸球面(4216b)と、前記上部軸受要素(4206)の前記下向きの凹球面(4208)の前記曲率半径より実質的に小さい半径を有する対向する凹球面(4216c)と、を有する第2のスライダ(4216)と、
v)前記第1のスライダ(4214)の前記凹球面(4214c)に沿って摺動するように配置された下部凸球面(4218b)と、前記第2のスライダ(4216)の前記凹球面(4216c)に沿って摺動するように配置された上部凸球面(4218c)と、を有する第3のスライダ(4218)と、
を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項12】
前記3重振り子軸受は、前記第1のスライダ(4214)及び前記第2のスライダ(4216)を一緒に接続する手段をさらに備え、前記下部軸受要素(4210)に対する前記第1のスライダ(4214)の摺動及び前記上部軸受要素(4206)に対する前記第2のスライダ(4216)の摺動から、独立した振り子機構が達成されることを可能にする、請求項11に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項13】
前記第1のスライダ(4214)と前記下部軸受要素(4210)との間の摺動面は第1の摩擦係数を有し、前記第2のスライダ(4216)と前記上部軸受要素(4206)との間の摺動面は、第2の摩擦係数を有し、前記第1の摩擦係数は前記第2の摩擦係数とは異なる、請求項11又は12に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項14】
前記第3のスライダ(4218)と前記第1のスライダ(4214)との間の摺動面は第3の摩擦係数を有し、前記第3のスライダ(4218)と前記第2のスライダ(4216)との間の摺動面は第4の摩擦係数を有し、前記第3の摩擦係数は前記第4の摩擦係数と実質的に等しいか、又は異なる、請求項13の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項15】
前記第3の摩擦係数は、前記第1の摩擦係数及び前記第2の摩擦係数のいずれよりも小さく、前記第4の摩擦係数は、前記第1の摩擦係数及び前記第2の摩擦係数のいずれよりも小さい、請求項14に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項16】
前記第1のスライダ及び前記第2のスライダが周囲シールによって互いに接続されている、請求項11から15のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項17】
前記上部軸受要素が前記上部構造に固定され、前記下部軸受要素が前記下部構造に固定される、請求項10から16のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項18】
前記上部構造(202)が、前記格子フレームワーク構造(114)の耐荷重構造を備える、請求項1から17のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項19】
前記下部構造(200)が前記格子フレームワーク構造(114)の基礎構造を備える、請求項1から18のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項20】
前記少なくとも1つの免震デバイス(204)がウェル(205)内に配置されている、請求項1から19のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項21】
前記少なくとも1つの免震デバイス(204)は、前記上部構造(202)と前記下部構造(200)との間に配置された複数の免震デバイス(204)を備え、前記複数の免震デバイス(204)は、Xメートル×Xメートルの配列又は格子状パターンで離間され、Xは1mから15mの範囲である、請求項1から20のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項22】
前記少なくとも1つの免震デバイス(204)の幅が、実質的に150mmから500mmの範囲にある、請求項1から21のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項23】
前記少なくとも1つの免震デバイス(204)の幅が、実質的に900mmから1200mmの範囲にある、請求項1から22のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項24】
前記少なくとも1つの免震デバイス(204)が、実質的に50mmから250mmの範囲の高さを有する、請求項1から23のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項25】
前記少なくとも1つの免震デバイス(204)が、実質的に320mmから350mmの範囲の高さを有する、請求項1から24のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項26】
前記少なくとも1つの免震デバイス(204)が、前記上部構造(202)と前記下部構造(200)との間に配置された複数の免震デバイス(204)を備え、前記複数の免震デバイス(204)の面密度が、1平方メートル当たり実質的に0.005から0.015デバイスの範囲である、請求項1から25のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項27】
前記スラブ(203)が鋼/コンクリート複合スラブを備える、請求項1から26のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項28】
前記免震システム(208)は、前記少なくとも1つの免震デバイス(204)と前記上部構造(202)との間に配置された、及び/又は前記下部構造(200)と前記少なくとも1つの免震デバイス(204)との間に配置された1つ又は複数の台座をさらに備え、前記下部構造(200)と前記上部構造(202)との間の垂直距離が増加するようになっている、請求項1から27のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
【請求項29】
a)請求項1から28のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)と、
b)
複数のコンテナ(10)のうちの1つ以上のコンテナ(10)が1つ又は複数の品目を備える
、複数のコンテナ(10)と、
c)前記格子フレームワーク構造(114)に保管された前記1つ又は複数のコンテナ(10)を移動するために遠隔動作される1つ又は複数の荷役デバイス(30)と、を備える保管システムであって、
前記1つ又は複数の荷役デバイス(30)のそれぞれが、
i)前記格子フレームワーク構造(114)上で前記荷役デバイス(30)をガイドするための車輪アセンブリと、
ii)前記格子フレームワーク構造(114)の上に位置するコンテナ収容空間(40)と、
iii)単一のコンテナ(10)をスタック(12)から前記コンテナ収容空間(40)に持ち上げるように配置された持ち上げデバイス(39)と、を備える、保管システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、格子フレームワーク構造に積み重ねられた保管コンテナ又はビンを取り扱うための格子フレームワーク構造上に配置されたトラック上の遠隔動作される荷役デバイスの分野に関し、より詳細には、遠隔動作される荷役デバイスを支持するための格子フレームワーク構造に関する。
【背景技術】
【0002】
保管コンテナ/ビンが互いに積み重ねられた3次元保管格子構造を備える保管システムはよく知られている。PCT公開番号WO2015/185628A(Ocado)は、ビン又はコンテナのスタックが格子フレームワーク構造内に配置される既知の保管及びフルフィルメントシステムを記載している。ビン又はコンテナは、格子フレームワーク構造の上部に配置されたトラック上で遠隔動作される荷役デバイスによってアクセスされる。このタイプのシステムは、添付図面の
図1から
図3に概略的に示されている。
【0003】
図1及び2に示されるように、ビン又はコンテナ10として知られる積み重ね可能なコンテナは、スタック12を形成するために互いに積み重ねられる。スタック12は、倉庫又は製造環境において格子フレームワーク構造14に配置される。格子フレームワークは、複数の保管柱又は格子柱で構成されている。格子フレームワーク構造の各格子には、コンテナのスタックを保管するための格子柱が少なくとも1つある。
図1は、格子フレームワーク構造14の概略斜視図であり、
図2は、フレームワーク構造14内に配置されたビン10のスタック12を示す上面図である。各ビン10は通常、複数の製品品目(図示せず)を保持し、ビン10内の製品品目は、用途に応じて同一であっても異なる製品タイプであってもよい。
【0004】
格子フレームワーク構造14は、水平部材18、20を支持する複数の直立部材又は直立柱16を含む。平行な水平格子部材の第1のセット18は、直立部材16によって支持される複数の水平格子構造を形成するために、平行な水平格子部材の第2のセット20に対して垂直に配置される。部材16、18、20は、典型的には金属から製造され、典型的には一緒に溶接又はボルト止めされるか、又は両方の組み合わせである。ビン10は、格子フレームワーク構造14の部材16、18、20の間に積み重ねられるので、格子フレームワーク構造14は、ビン10のスタック12の水平方向の動きを防ぎ、ビン10の垂直方向の動きをガイドする。
【0005】
格子フレームワーク構造14の上部レベルは、スタック12の上部を横切って格子パターンで配置されたレール22を備える。さらに
図3を参照すると、レール22は、複数の荷役デバイス30を支持する。平行レール22の第1のセット22aは、格子フレームワーク構造14の上部を横切る第1の方向(例えば、X方向)におけるロボット荷役デバイス30の移動をガイドし、第1のセット22aに対して垂直に配置された平行レール22の第2のセット22bは、第1の方向に対して垂直な第2の方向(例えば、Y方向)における荷役デバイス30の移動をガイドする。このように、レール22は、水平XY平面内の2次元でロボット荷役デバイス30の横方向の移動を可能にするので、荷役デバイス30は、スタック12のいずれかの上の位置に移動することができる。
【0006】
車体32を備える
図4及び5に示される既知の荷役デバイス30は、参照により本明細書に組み込まれるPCT特許公開第WO2015/019055号(Ocado)に記載され、各荷役デバイス30は、格子フレームワーク構造14の1つの格子空間のみをカバーする。ここで、荷役デバイス30は、車輪アセンブリを備え、車輪アセンブリは、第1のセットのレール又はトラックと係合して、デバイスの動きを第1の方向にガイドする車体32の前部の一対の車輪と、車両32の後部の一対の車輪34とからなる第1セットの車輪34と、第2のセットのレール又はトラックと係合して、デバイスの移動を第2の方向にガイドする車両32の両側にある一対の車輪36からなる第2セットの車輪36と、を備える。車輪のセットの各々は、レールに沿ってそれぞれX方向及びY方向に車両を移動できるように駆動される。車輪の1つ又は両方のセットを垂直方向に動かして、各セットの車輪をそれぞれのレールから離して持ち上げることができ、それによって車両を希望の方向に移動させることができる。
【0007】
荷役デバイス30は、保管コンテナを上方から持ち上げるための持ち上げデバイス又はクレーン機構を備えている。クレーン機構は、スプール又はリール(図示せず)に巻かれたウインチテザー又はケーブル38と、グラバーデバイス39とを備える。持ち上げデバイスは、垂直方向に延び、持ち上げフレーム39の四隅の近く又は四隅に接続された1セットの持ち上げテザー38を備え、保管コンテナ10に解放可能に接続するためのグラバーデバイス(グラバーデバイスの四隅のそれぞれの近くにある1本のテザー)としても知られている。グラバーデバイス39は、保管コンテナ10の上部を解放可能に把持して、
図1及び2に示されるタイプの保管システム内のコンテナのスタックからそれを持ち上げるように構成される。
【0008】
車輪34、36は、下部のコンテナ収容凹部40として知られる空洞又は凹部の周囲に配置される。凹部は、
図5(a及びb)に示すように、コンテナ10がクレーン機構によって持ち上げられたときにコンテナ10を収容する大きさである。凹部にあるとき、コンテナは下のレールから持ち上げられ、車両が横方向に別の場所に移動できるようになる。目標位置、例えば、別のスタック、保管システム内のアクセスポイント、又はコンベアベルトに到達すると、ビン又はコンテナをコンテナ受け取り部分から降ろして、グラバーデバイスから解放することができる。
【0009】
しかし、格子フレームワーク構造は、様々な外部及び内部の力を受ける。これらには、地面の組成又は土壌タイプに起因し得る地動、重量が100kgを超える可能性のある格子フレームワーク構造上の荷役デバイスの動きによって発生する力、近くの建設や電車などの移動車両の結果としての動き、さらには地震や嵐の間の動きが含まれるが、これらに限定されない。格子フレームワークが受けたこのような外力の結果として、格子フレームワーク構造内の個々の要素をそのまま維持することが最も重要である。
【0010】
格子フレームワーク構造の安定性を確保するために、従来技術の保管システムは、格子の周囲内に、又は少なくとも部分的に格子の周囲に沿って配置された様々な支持体及びブレースに大きく依存している。しかし、内外の力から格子フレームワーク構造を安定させるために様々な支持体やブレース(移動防止ブレース)を使用することは、多くの理由で不利である。格子フレームワーク構造は、コンテナの保管に利用可能な空間又は領域の最適な使用を妨げるという点で、格子がコンテナを保管するために使用できる空間又は領域を占有する。支持構造の必要性は、格子フレームワーク構造の配置に利用できる任意選択を制限する可能性がある。これは、補助格子支持構造は、建物の内壁などの周囲の構造への接続と、費用効果のない支持構造の要件を必要とすることが多いためである。
【0011】
WO2019/101367(Autostore Technology AS)は、配置された自動保管システムの保管格子構造に統合するための格子支持構造を教示している。格子支持構造は、複数の垂直に傾斜した支持ストラットによって相互接続された4つの保管柱で構成されている。保管柱プロファイルは、中空の中央セクションと4つのコーナーセクションを備える断面を有し、各コーナーセクションは、保管ビンのコーナーを収容するための2つの垂直ビンガイドプレートを備える。支持ストラットは、2つの平行なガイドプレートの間にはまり込むことができる幅を有し、コンテナ又は保管ビンのスタックを収容する保管柱の能力を損なわないようにする。
【0012】
したがって、コンテナの保管に利用可能な空間又は領域の影響を最小限に抑えて、独立した保管格子を提供するか、又は少なくともあまり必要でない補助格子支持構造を必要とする、代替の格子フレームワーク構造が必要である。
【0013】
世界の人口の多くは、地震の断層線に沿って、又はハリケーンや竜巻などの強力な嵐の進路に位置している。現在の格子フレームワーク構造では格子構造を一緒に保持できない可能性があるため、このような領域に格子フレーム構造を配置すると、地震や暴風雨による構造的損傷のリスクがある。強力な地震や暴風雨により、構造的完全性が失われる可能性がある。例えば、構造ファスナが格子を直立部材に堅固に取り付けられることができなくなる可能性がある。地震は、地震の規模に応じてタイプA、B、C、又はDの4つのカテゴリに分類できる。タイプAは最も弱い地震と見なされ、タイプDは最も強力な地震と見なされる。タイプAからDは、地震の際に地上の物体が経験するgで測定された最大加速度であるスペクトル加速度によって等級付けできる。タイプDは、最も強力な地震事象を表すと考えられており、通常、測定されたスペクトル加速度は0.5gから1.83g(短周期スペクトル応答加速度SDShttps://www.fegstructural.com/seismic-design-category-101/を参照)の範囲であり、ほとんどの建物の破損の結果である。強力な地震事象が構造に作用すると、3次元の動的な力が格子フレームワーク構造を一緒に保持している構造ファスナを弱体化させ、それらが緩んだり、埋め込まれている部材から外れたり、所定の位置に残っている場合は、それらは構造ファスナを通り抜ける可能性がある。
【0014】
米国の州などの多くの管轄区域では、住宅用又は商業用のすべての新しい建物に、特定の耐震ブレース機能を組み込んで建設することを義務付ける法律が可決された。格子フレームワーク構造は、格子フレームワーク構造内に組み込まれた内部ブレース機能を備え、これにより、直立部材の1つ又は複数が1つ又は複数のブレース部材又はブレースタワーによって一緒にブレースされ、
図8に示されている。通常、ブレース部材は格子フレームワーク構造全体に内部に分散される。内部ブレースの分散は、格子フレームワーク構造のサイズ、地盤の状態、及び温度などの環境条件に大きく依存する。しかしながら、格子フレームワーク構造は、0.3g未満のスペクトル加速度を有する非常に低レベルの地震事象に耐えることができるが、現在、格子フレームワーク構造用の地震抑制システムはなく、これは、0.5gから1.83gの領域のスペクトル加速度によって分類される、より強力なタイプC及びタイプCの地震事象に耐えることができる。
【0015】
したがって、強力な地震事象に耐えることができる耐震格子フレームワークシステムが必要である。
【0016】
この特許出願は、2020年6月19日に出願された英国出願番号GB2009430.6の優先権を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0017】
現在の格子フレームワーク構造は、比較的小さなレベルの地動に耐えることができるが、通常は0.33g未満のスペクトル加速度であり(短期間のスペクトル応答加速度SDSは、https://www.fegstructural.com/seismic-design-category-101/を参照されたい)、これは、タイプC及びタイプDの地震事象を通常表す0.33gを超える地動については言えない。大部分がボルトで固定されている格子部材と直立柱とを連結する接合部は緩む傾向があり、極端な場合には分離して格子フレームワーク構造の構造に影響を与える。格子フレームワーク構造の安定性を向上させるために、直立柱の間に1つ又は複数のブレース付きタワーを組み込むことができるが、タイプC及びタイプDの地震事象が発生した場合、これは格子フレームワーク構造の安定性を維持するには不十分な場合がある。本発明は、格子フレームワーク構造をその基礎から分離する又は隔離することによって、上記の問題を軽減した。より具体的には、本発明は、スタック内の1つ又は複数のコンテナを移動するように動作する荷役デバイスを支持するための格子フレームワーク構造を備える耐震格子フレームワークシステムであって、前記格子フレームワーク構造は、
水平面内に複数の実質的に長方形フレームを備える格子を形成するように配置された一連の交差する格子部材を備え、実質的に長方形フレームのそれぞれが格子セルを構成し、前記格子は、一連の格子部材の交点のそれぞれで複数の直立柱によって支持され、コンテナが直立柱の間に積み重ねられ直立柱によって複数の実質的に長方形フレームを通って垂直方向にガイドされるように複数の垂直保管場所を形成する、耐震格子フレームワークシステムにおいて、
耐震格子フレームワークシステムは、格子フレームワーク構造に作用する地震力を低減するための免震システムをさらに備え、免震システムで格子フレームワーク構造を支持し、免震システムは、上部構造と下部構造と、上部構造と下部構造との間に配置された少なくとも1つの免震デバイスとを備え、少なくとも1つの免震デバイスが、地震発生時に下部構造に対する上部構造の移動を抑制するようにすることを特徴とする、耐震格子フレームワークシステムを提供する。
【0018】
免震システムは、上部構造と下部構造との間に比較的低い水平剛性を有する構造要素を有する少なくとも1つの免震デバイスを間に配置することによって、地震事象における地動の水平成分から格子フレームワーク構造を分離し、つまり、格子フレームワーク構造は、制御されていない地面の水平方向の動きから分離される。これにより、格子フレームワーク構造に、その固定基部の周波数と地動の支配的な周波数の両方よりもはるかに低い基本周波数が与えられる。この固有周期のシフトは、典型的な地震の揺れの間にスペクトル加速度の低下を引き起こす。免震システムは、上部構造、下部構造、及び上部構造と下部構造との間に配置された少なくとも1つの免震デバイスを備えるため、少なくとも1つの免震デバイスが、地震発生時に下部構造に対する上部構造の動きを抑制する。上部構造は、格子フレームワーク構造の耐荷重構造の少なくとも一部、場合によってはすべてを備える。同様に、下部構造は、格子フレームワーク構造の少なくとも基礎を備える。
【0019】
この説明の目的のために、用語「免震デバイス(base isolation device)」、「免震装置(base isolator)」、及び「免震器デバイス(base isolator device)」は交換可能に使用される。
【0020】
好ましくは、少なくとも1つの免震デバイスは、上部構造及び下部構造にそれぞれ接続するための上部取付プレートと下部取付プレートとの間に配置されたエラストマー層の積層アセンブリを備えるエラストマー軸受を備える。この説明の目的で、用語「エラストマー層」及び「弾性層」は交換可能に使用される。
【0021】
少なくとも1つの免震デバイスの比較的低い水平剛性は、エラストマー層の弾性特性によって提供される。これらは、天然及び/又は合成エラストマーであり得る。この場合、免震システム、より具体的には、少なくとも1つの免震デバイスは、エラストマー層の弾性変形を利用することによってエネルギーを消散する。
【0022】
好ましくは、少なくとも1つの免震デバイスは、交互のエラストマー層と剛性層の積層アセンブリを備えるエラストマー軸受を備え、前記積層アセンブリは、上部構造及び下部構造にそれぞれ接続するための上部取付プレートと下部取付プレートとの間に配置される。より好ましくは、エラストマー層はゴムを備え、剛性層は鋼を備え、エラストマー軸受は交互のゴム層と鋼層の積層アセンブリを備える。エラストマー層は、横方向の柔軟性と弾性復元力を提供する。鋼プレートは、垂直方向の荷重容量を提供し、横方向の膨らみを防止することで、エラストマー軸受を強化する。上部と下部の取付プレートは、エラストマー軸受を積層アセンブリの上の上部構造と積層アセンブリの下の下部構造に接続する。
【0023】
好ましくは、エラストマー軸受は、以下をさらに備える:
積層アセンブリの内部に配置されたエネルギー消散コアであって、前記積層アセンブリの剪断方向の振動エネルギーを吸収することによって積層アセンブリの剪断方向の振動を減衰するように適合される、エネルギー消散コアを備え、
エラストマー層及び剛性層の外周面は外側コーティングで覆われている。エネルギー消散コアは、エラストマー軸受が地震で横方向に動くときに可塑的に変形することによって減衰を提供する。より好ましくは、エネルギー消散コアは、鉛、スズ、亜鉛、アルミニウム、銅、ニッケル、又はそれらの合金を備える。任意選択で、エネルギー消散コアは、上部取付プレートと下部取付プレートの間に延びる。
【0024】
好ましくは、積層アセンブリが上部接続プレートと下部接続プレートとの間に挟まれるように、上部取付プレートが上部接続プレートに接合され、下部取付プレートが下部接続プレートに接合される。好ましくは、エラストマー軸受は、積層アセンブリと上部取付プレート又は下部取付プレートのいずれか又は両方との間に配置されたスライダディスクを備える。より好ましくは、スライダディスクはPTFEを備える。上部取付プレート及び/又は下部取付プレートに対するスライダディスクの摺動摩擦は、例えば高周波振動に適応するために、小さい又は弱い振動に対してエラストマー軸受の減衰度を提供する。
【0025】
本発明の別の実施形態では、又はエラストマー軸受と組み合わせて、少なくとも1つの免震デバイスは、以下を備える摺動振り子軸受又は摺動軸受を備え、
i)第1の摺動面を有する上部軸受要素と、
ii)第2の摺動面を有する下部軸受要素と、
iii)第1の摺動面及び第2の摺動面と面接触するように配置されるように、上部軸受プレートと下部軸受プレートとの間に配置されたスライダであって、第1の摺動面及び/又は第2の摺動面は、特定の曲率半径を有する凹球面を有するため、スライダは、第1の摺動面及び/又は第2の摺動面の凹球面に沿って摺動し、少なくとも1つの摺動振り子機構を提供することと一致する地震動中に上部構造の持ち上げをもたらすように配置される、スライダと、を備える。
【0026】
摺動振り子軸受は、少なくとも1つの凹球面と、少なくとも1つの凹球面に沿って摺動するスライダとを採用し、地震動時に上部構造を持ち上げる。上部構造を持ち上げると、同等の振り子の動きが生じる。凹面の曲率半径は、摺動振り子軸受の振動の動的固有周期を決定する振り子アームの有効長になる。最も単純な摺動振り子軸受は、単一の振り子機構を提供するためにスライダを支持する球凹面からなる単一の摺動振り子軸受である。摺動振り子軸受は、2つの球凹面からなる2重振り子軸受と、2つの球凹面の間に配置されて2つの独立した振り子機構を提供するスライダと、3重振り子軸受とを含むこともでき、3重振り子軸受は、4つの球凹面と3つのスライダで構成され、3つの独立した振り子機構を提供するように配置されている。2重振り子軸受と3重振り子軸受のそれぞれの動作は、異なる変位フェーズで異なるヒステリック特性を示す。
【0027】
好ましくは、少なくとも1つの免震デバイスは、以下を備える3重振り子軸受を備える:
i)特定の曲率半径を有する下向きの凹球面を有する上部軸受要素、
ii)特定の曲率半径を有する上向きの球面を有する下部軸受要素、及び
iii)下部軸受要素の上向きの凹球面に沿って摺動するように配置された凸球面と、下部軸受要素の上向きの凹球面の曲率半径より実質的に小さい曲率半径を有する対向する凹球面と、を有する第1のスライダ、
iv)上部軸受要素の下向きの凹球面に沿って摺動するように配置される凸球面と、上部軸受要素の下向きの凹球面の曲率半径より実質的に小さい曲率半径を有する対向する凹球面と、を有する第2のスライダ、
v)第1のスライダの凹球面に沿って摺動するように配置された上部凸球面と、第2のスライダの凹球面に沿って摺動するように配置された下部凸球面とを有する第3のスライダ。
【0028】
3重振り子軸受には、同じ構造荷重を支持するために直列に接続された3つの別々の摺動振り子機構が組み込まれている。振り子機構の数の増加は、地震動の異なる強さで異なる振り子機構を提供するという利点を有する。例えば、3重振り子機構の各振り子機構は、異なる地震動の強さ又は地震動の震度で作動する。
【0029】
好ましくは、スライダの内面を汚染から保護するために、3重振り子軸受は、第1及び第2のスライダを一緒に接続する手段をさらに備え、独立した振り子機構が、下部軸受要素に対する前記第1のスライダの摺動及び上部軸受要素に対する第2のスライダの摺動から達成されることを可能にするようにする。任意選択で、第1のスライダと第2のスライダは、周囲シール、例えば弾性シールによって一緒に接続される。
【0030】
摺動振り子軸受の摺動振り子機構の数は、球凹面間で動作するスライダの数に依存する。単一の球凹面に対して動作する単一のスライダは、単一の振り子機構を生成するが、それぞれの球凹面間で動作する3つのスライダは、3つの振り子機構を生成する。摺動振り子機構は、地震動の異なる強さで異なる振り子機構が作動するような方法で直列に接続される。これは、異なる振り子機構に対して異なる摩擦係数を提供することによって達成される。それぞれの摩擦係数が克服されると、スライダはそれぞれの球凹面上を移動できるようになる。これは、摺動振り子軸受の様々な振り子機構に対して繰り返される。横方向の移動は、復元力を提供する上部構造の垂直方向の動きを伴う。
【0031】
好ましくは、第1のスライダと下部軸受要素との間の摺動面は第1の摩擦係数を有し、第2のスライダと上部軸受要素との間の摺動面は第2の摩擦係数を有し、第1の摩擦係数は、第2の摩擦係数とは異なる。摺動振り子軸受の構成は、第1の摩擦係数及び第2の摩擦係数が、上部構造に作用する地震力の最適化された低減、例えば、下部構造又は地動の増加した変位振幅における摩擦の最適化された増加を提供するようなものであり得る。より好ましくは、第1の摩擦係数は第2の摩擦係数より小さい。所与の地震動に対して、これにより、第2のスライダが作動する前に、第1のスライダが作動する、すなわち、下部軸受要素に対して摺動することが可能になる。
【0032】
好ましくは、第3のスライダと第1のスライダとの間の摺動面は第3の摩擦係数を有し、第3のスライダと第2のスライダとの間の摺動面は第4の摩擦係数を有し、第3の摩擦係数は、第4の摩擦係数と実質的に等しいか又は異なる。任意選択的に、第3の摩擦係数は、第1の摩擦係数及び第2の摩擦係数の両方よりも小さい。同様に、第4の摩擦係数は、第1の摩擦係数及び第2の摩擦係数よりも小さい。第3の又は内側のスライダは、格子フレームワーク構造を備える保管システムの敏感な構成要素の破壊を防止するために、摺動振り子軸受が高周波振動を減衰させることを可能にする。保管システムは、格子上で動作する1つ又は複数の耐荷重デバイスと、格子フレームワーク構造に保管された1つ又は複数のコンテナとを含む。高周波振動を減衰させることで、1つ又は複数の荷役デバイス又はボットが格子から脱線したり、転倒したり、コンテナの内容物がこぼれたりするのを軽減するのに役立つ。
【0033】
好ましくは、上部軸受要素は上部構造に固定され、下部軸受要素は下部構造に固定される。より好ましくは、上部構造は、格子フレームワーク構造の耐荷重構造を備える。好ましくは、下部構造は格子フレームワーク構造の基礎を備える。任意選択で、下部構造は、少なくとも1つの免震デバイスがウェル内に配置されるようにウェルを備える。これにより、上部構造によって支持されている格子フレームワーク構造が地上レベルにあることが可能になる。地震事象における横方向の力の分散、したがって、本発明の免震システムによって提供される格子フレームワーク構造の減衰の大きさは、下部構造と上部構造との間の1つ又は複数の免震デバイスの数及び分散に依存する。1つ又は複数の免震デバイスの分散を調整して、上部構造の不規則性を取り除くことができる。好ましくは、少なくとも1つの免震デバイスは、上部構造と下部構造との間に配置された複数の免震デバイスを備え、前記複数の免震デバイスは、Xメートル×Xメートルの配列又は格子状のパターンで離間されており、Xは1mから15mの範囲である。任意選択的に、複数の免震デバイスは、6メートル×6メートル、好ましくは3メートル×3メートルの配列で分散される。配列内の免震デバイス間の間隔は、免震デバイスのそれぞれのサイズに等しく依存する。好ましくは、少なくとも1つの免震デバイスのそれぞれの幅は、実質的に150mmから500mmの範囲である。好ましくは、少なくとも1つの免震デバイスの幅は、実質的に900mmから1200mmの範囲である。
【0034】
好ましくは、少なくとも1つの免震デバイスは、上部構造が実質的に50mmから250mmの範囲の高さだけ下部構造から垂直方向に離間されるように、上部構造と下部構造との間に配置される。配列内の免震デバイスの分散、したがって間隔は、免震デバイスのそれぞれのサイズに依存する。例えば、400mmから460mmの範囲の幅と190mmから210mmの範囲の高さを有する比較的大きな免震デバイスの場合、複数の免震デバイスは、それらの間に大きな間隔を有する格子状のパターンで配置することができ、例えば12メートル×12メートルである。逆に、150mmから250mmの範囲の幅と50mmから80mmの範囲の高さを有する比較的小型の免震デバイスの場合、複数の免震デバイスは、それらの間により小さい間隔、例えば3メートル×3メートルを有する格子状のパターンで配置することができる。
【0035】
好ましくは、少なくとも1つの免震デバイスは、実質的に320mmから350mmの範囲の高さを有する。
【0036】
好ましくは、少なくとも1つの免震デバイスは、上部構造と下部構造との間に配置された複数の免震デバイスを備え、複数の免震デバイスの面密度は、1平方メートル当たり実質的に0.005から0.015デバイスの範囲である。
【0037】
任意選択で、上部構造は、1つ又は複数の実質的に水平な梁によって支持されるスラブを備える。任意に、スラブは複合鋼/コンクリートスラブを含んでもよい。これは、引張りに強い鋼と圧縮に強いコンクリートの利点を組み合わせて、優れた耐荷重特性を持つ複合構造を形成する。
【0038】
任意選択的に、免震システムは、少なくとも1つの免震デバイスと上部構造との間に配置された、及び/又は下部構造と少なくとも1つの免震デバイスとの間に配置されて、下部構造と上部構造との間の垂直距離を増大させる1つ又は複数の台座をさらに備える。下部構造と上部構造の間の追加空間は、様々な異なる機能に使用できる。例えば、耐震格子フレームワーク構造を収容するフルフィルメントセンターで従業員の駐車空間を確保することができる。また、追加の空間により、上部構造の下にアクセスできるため、点検やメンテナンスに便利である。
【0039】
本発明のさらなる特徴は、図面を参照した詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0040】
本発明のさらなる特徴及び態様は、図面を参照して行われる例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】既知のシステムによる格子フレームワーク構造の概略図である。
【
図2】
図1のフレームワーク構造内に配置されたビンのスタックを示す上から見下ろした概略図である。
【
図3】格子フレームワーク構造上で動作する既知の荷役デバイスのシステムの概略図である。
【
図4】持ち上げデバイスがコンテナを上から把持している様子を示す荷役デバイスの概略斜視図である。
【
図5(a)】
図4の荷役デバイスの概略斜視切断図であり、(a)荷役デバイスのコンテナ収容空間、及び(b)荷役デバイスのコンテナ収容空間を収容するコンテナを示す。
【
図5(b)】
図4の荷役デバイスの概略斜視切断図であり、(a)荷役デバイスのコンテナ収容空間、及び(b)荷役デバイスのコンテナ収容空間を収容するコンテナを示す。
【
図6a】(a)非免震モデル(左)及び(b)免震モデル(右)の振動の予想される横方向(モード)の概略比較である。
【
図6b】(a)非免震モデル(左)及び(b)免震モデル(右)の振動の予想される横方向(モード)の概略比較である。
【
図7】地震スペクトル加速度応答の概略プロットである。
【
図8】本発明の一実施形態による格子フレームワーク構造の斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態による交点で隣接する格子要素を接合するためのキャッププレートの斜視図である。
【
図10】本発明の一実施形態による交点で格子要素の端を接続することによって隣接する格子要素を連結するキャッププレートの斜視図である。
【
図11】本発明の実施形態による、格子要素の中央部分と隣接する格子要素の端とを接続することによって交点で隣接する格子要素を連結するキャッププレートの斜視図である。
【
図12】本発明の一実施形態による、格子要素が交差する交点で隣接する格子要素を互いに接続するための直立柱に取り付けられたキャッププレートの斜視図である。
【
図13】本発明の一実施形態による交点における格子要素のパターンを示す斜視図である。
【
図14a】本発明の一実施形態によるブレース付きタワーの概略図である。
【
図14b】本発明の一実施形態によるブレース付きタワーの概略図である。
【
図15】本発明の一実施形態による調整可能なフットの斜視図である。
【
図16a】本発明の第2の実施形態による固定フットの側面図である。
【
図16b】本発明の第2の実施形態による固定フットの上面図である。
【
図17】本発明の一実施形態による格子フレームワーク構造の基部における免震デバイスの分散を示す、耐震格子フレームワークシステムの断面の等角図である。
【
図18】本発明の一実施形態による免震デバイスを示す免震システムの一部の断面図である。
【
図19】本発明の一実施形態によるエラストマー軸受の断面図である。
【
図21】本発明の別の実施形態によるエラストマー軸受の断面図である。
【
図22】本発明の別の実施形態による再生ゴムタイヤの積層アセンブリから形成されたエラストマー軸受の断面図である。
【
図23】Earthquake Protection Systemsによる3重振り子軸受(登録商標)の断面図である。
【
図24a-c】3重振り子軸受(登録商標)の3つの異なる変位位置を示す斜視図である。
【
図25】本発明の別の実施形態による、格子フレームワーク構造の基部における免震デバイスの分散を示す耐震格子フレームワークシステムの断面の等角図である。
【
図26】本発明の別の実施形態による免震デバイスを示す耐震システムの一部の断面図である。
【
図27】ウェル又はくぼみに配置された1つ又は複数の免震デバイスを備えた耐震システムの代替構成の等角図である。
【
図28】支持梁及び複合鋼/コンクリートスラブを備える台座及び上部構造を示す、耐震システムの一部の代替構成の等角図である。
【
図30】建物柱と柱を備えた耐震システムの一部の概略図である。
【
図31】建物柱を備えた耐震システムの一部の概略図である。
【
図32】(a)積層アセンブリの上(b)積層アセンブリの下(c)積層アセンブリの上下両方に配置されたスライダディスクを有するエラストマー軸受の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明は、耐震格子フレームワークシステムを形成する格子フレームワーク構造14のための免震システムに関する。免震システムの基本原理は、
図6aに示す非免震モデルと
図6bに示す免震モデルの振動の横モードによって想定できる。典型的には、格子フレームワーク構造14は、様々な固い岩盤堆積物を備えることができる地面200の固いコンクリート基礎に堅固に取り付けられる。地震の際に発生する地震波は、広範囲の周波数で構成されている。周波数の高い波のエネルギーは固い岩盤に吸収される傾向があるが、低周波の(周期が1秒を超える)波は吸収されずに固い岩盤を通過するが、最終的には柔らかい堆積物によって増幅される。格子フレームワーク構造14を地面200から分離する何らかの形態がなければ、地震波、したがって地震力が固いコンクリート基礎を介して伝達され、格子フレームワーク構造に構造的損傷又は変形をもたらす、すなわち、床剪断力が大きくなる。地震波によって発生する横方向の力は、格子のフレームワーク構造の揺れを引き起こし、これにより、格子上で動作する耐荷重デバイスが格子から脱線する可能性がある。免震は、格子フレームワーク構造をその基礎から分離することによって、地震の地動の影響を軽減できる耐震設計戦略である。
図6bの右側に示すように、格子フレームワーク構造14は、基礎と格子フレームワーク構造との間に水平剛性の低い構造要素を介在させることによって、地動の水平成分から分離される。
図6bに示されるように、格子フレームワーク構造14は、上部構造又はダイアフラム202、例えば鉄筋コンクリートスラブに取り付けられ、上部構造は、1つ又は複数の免震デバイス204によって地面から持ち上げられる。これにより、格子フレームワーク構造の基本周波数は、固定された基本周波数と地動の支配的な周波数の両方よりもはるかに低くなる。この固有周期のシフトにより、典型的な地震の揺れのスペクトル加速度が低下し、結果として格子フレームワーク構造の構造要素と非構造要素にかかる力が大幅に減少する。地震波の1サイクルを完了する周期に対するスペクトル加速度の関係は、
図7に示す概略プロットによって最もよく示される。
図7に示すように、周期が長くなり減衰が増加すると、スペクトル加速度が減少する。したがって、地震力、すなわち床剪断力は小さくなる。本発明の目的のために、地面は下部構造と呼ばれる。地震の結果としての地震動から格子フレームワーク構造を分離し、それによって格子フレームワーク構造に伝達される大きなたわみを防止するための様々なタイプの免震デバイスがある。これらには、エラストマーベースの軸受、摺動ベアが含まれるが、これらに限定されない。免震システムが格子フレームワーク構造に及ぼす影響は、最初に格子フレームワーク構造を構成する構成要素について説明することによって最もよく説明される。これは、地震力に対して脆弱な格子フレームワーク構造の領域を理解するのに役立つ。
[格子フレームワーク構造]
図8は、本発明の一実施形態による格子フレームワーク構造114の斜視図を示す。本発明による格子フレームワーク構造114の基本構成要素は、複数の直立柱又は直立部材116に取り付けられた水平面にある格子50を備える。「直立部材」及び「直立柱」という用語は、説明において同じ意味で交換可能に使用される。
図8に示すように、格子50は、複数の長方形フレーム54を形成するように配置された一連の水平交差梁又は格子部材118、120を備え、より具体的には、格子部材118の第1のセットは第1の方向xに延び、第2のセットの格子部材120は、第2の方向yに延び、第2のセットの格子部材120は、実質的に水平面内で第1のセットの格子部材118に対して横方向に延びる。第1の方向及び/又は第2の方向に延びる格子部材のそれぞれは、一緒に接合又は連結される別個の格子要素に細分又は区画化することができる。
図9に示す接続プレート又はキャッププレート150を使用して、個々の格子要素を第1の方向及び第2の方向ともに、直立柱のそれぞれで格子要素が交差又は横断する接合部で連結又は接合することができる。すなわち、キャッププレート150は、格子要素を共に直立柱116に接続するために使用される。その結果、直立柱は、複数の格子要素がキャッププレート150によって格子構造内で交差する接合部で、それらの上端で相互接続される。
図9に示すように、キャッププレート150は、それらの交点で格子要素の長さに沿った端又は任意の場所に接続するための4つの接続部分152を有する十字形である(
図10及び11を参照)。キャッププレート150は、
図12に示されるように、複数の直立柱を格子部材に相互接続するために、直立柱116(直立柱の第2の端)の中空中央セクション70にぴったりと嵌まるようにサイズ決めされたスピゴット又は突起154を備える。
図13は、1つ又は複数のキャッププレートによる、直立柱の上端における隣接する格子要素間の交点における接合部を示している。説明のために、床に取り付けられた直立柱の下端は直立柱の第1の端を構成し、格子50に隣接する直立柱の上端は直立柱の第2の端を構成する。
【0043】
第1及び第2のセットの格子部材は、荷役デバイスが格子フレームワーク構造上で1つ又は複数のコンテナを移動するための第1及び第2のセットのトラック又はレール57a、57bをそれぞれ支持する。本発明の説明のために、交点56は格子構造のノードを構成する。長方形フレーム54のそれぞれは、格子セルを構成し、直立柱116の間に積み重ねられた1つ又は複数のコンテナを取り出して降ろすために、格子フレームワーク構造上を移動する遠隔動作荷役デバイス又はボットのサイズにされる。格子50は、格子部材118、120が交差する交点又はノード56で複数の直立柱116に取り付けられることにより、地上レベルより上に持ち上げられ、コンテナが直立柱116の間に積み重ねられ、直立柱116によって複数の実質的に長方形フレーム54を通って垂直方向にガイドされるように、複数の垂直保管場所58を形成するようにする。本発明の目的のために、コンテナのスタックは、複数のコンテナ又は1つ又は複数のコンテナを包含することができる。
【0044】
格子フレームワーク構造114は、交差する水平格子部材118、120から形成された格子50を支持する直立柱116の自立(又は自己支持)直線集合体、すなわち4壁形状のフレームワークと考えることができる。2つ以上の直立柱は、格子フレームワーク構造114内に1つ又は複数のブレース付きタワー80を提供するために、少なくとも1つの対角ブレース部材によってブレースされる。格子フレームワーク構造の構造的剛性及びモーメント抵抗は、格子フレームワーク構造の周囲及び/又は本体内に少なくとも部分的に1つ又は複数のトラスアセンブリ又はブレース付きタワー80を組み込むことによって主に提供される(
図8を参照)。トラスアセンブリは、三角形又は他の非台形の形状を有することができる。例えば、トラスアセンブリは、横方向の力に対して格子フレームワーク構造に構造的な剛性を提供する任意のタイプのトラスであることができ、Warren Truss又は、K Truss又は、Fink Truss又は、Pratt Truss又は、Gambrel Truss又は、Howe Trussを備えるがこれらに限定されない。対角ブレースを直立柱に固定するために、ボルト又は他の適切な取り付け手段を使用することができる。本発明の一実施形態による
図14に示されるブレース付きタワー80は、複数の直立柱116のサブセット又はサブグループを、1つ又は複数の角度のある又は対角ブレース又は対角ブレース部材82によって堅固に接合することによって形成することができる。本発明の目的のために、対角ブレース82は、ブレース付きタワー80内の直立柱116と協働して、1つ又は複数の三角形を形成する。本発明のブレース付きタワー80を形成するために一緒にブレースされた複数の直立柱のサブセットは、同じ又は単一の垂直面に位置し、1つ又は複数の対角ブレース82によって接合された2つ以上の隣接する直立柱116とすることができる。別の言い方をすれば、1つ又は複数の対角ブレース82によって接続された2つ以上の隣接する直立柱116は、同じ又は単一の垂直面にある、すなわち同一平面上にある。
図14に示される本発明の特定の実施形態では、ブレース付きタワー80の各々は、平行関係にある3つの直立柱を備え、単一の垂直面(同一平面上)にあり、複数の対角線ブレース82によって一緒に堅固に接続される。3つの直立柱116a、116bのうちの2つは、中間直立柱116cのいずれかの側に横方向に配置され、2つの横方向に配置された直立柱116a、116bは、複数の対角ブレース82によって中間直立柱116cに堅固に接続される。本発明のブレース付きタワー80では、対角ブレース部材82の一端が、接合プレート121によって中間直立柱に接続されている。接合プレート121は、中間直立柱116cの中空中央セクションを介して、直立柱の長手方向に垂直な方向にスロットに挿入される。直立柱116の1つ又は複数のサブグループを、1つ又は複数の対角ブレース82によって格子フレームワーク構造内で内部的にブレースすることによって、格子フレームワーク構造の構造剛性が改善される。本発明の目的のために、「垂直直立柱」、「直立柱」及び「直立部材」という用語は、説明を通じて交換可能に使用される。
【0045】
格子フレームワーク構造は、1つ又は複数の固定ボルトによって地面(この場合は上部構造)に固定される。本発明の一実施形態では、その下端にある1つ又は複数の直立柱が、調整可能なフットによって上部構造に取り付けられる(
図15を参照)。調整可能なフットにより、1つ又は複数の直立柱の高さ、ひいては格子フレームワーク構造全体の高さを調整できる。これにより、水平面内の格子のレベルは、主に遠隔動作される荷役デバイスに対して実質的に平らになり、格子構造上を移動し、それによって、格子フレームワーク構造内の直立部材116の1つ又は複数の高さの変化により、トラック又はレールのいずれかが歪みを受けるのを防止することができる。
図15に示されるように、調整可能なフット90は、基部プレート92と、
図10に示されるように直立柱の下端に位置する別個の押し込み式キャップ又はプラグ96と螺合可能であるねじ付きスピンドル又はロッド94とを備える。
図8に示すように、直立柱116の1つ又は複数が、基部プレート92によって床又は上部構造に取り付けられている。基部プレート92は、1つ又は複数のボルトによって基部プレート92を床に取り付けるための1つ又は複数の取り付け穴を有する。
【0046】
上述の調整可能なフットによって格子フレームワーク構造を構成する直立柱を取り付けることに加えて、ブレース付きタワー80を構成する1つ又は複数の直立柱が、1つ又は複数の固定フット132a、132bによって上部構造に固定される(
図14を参照)。
図14に示される特定の実施形態では、外側直立柱116a、116b又は横方向に配置された直立柱116a、116bは、1つ又は複数の固定フット132によってコンクリート基礎に固定され、中間直立柱116cは、上述のように調整可能なフット90上に支持される。ブレース付きタワーの下端(第1の端)は、1つ又は複数の固定ボルトによってコンクリート基礎に固定される。ブレース付きタワーをコンクリート基礎に堅固に固定するための様々なタイプの固定フット132a、132bが、本発明に適用可能である。固定フットは、直立柱の荷重と、ブレース付きタワー80のブレースアセンブリ82のブレース荷重を支える機能を果たす。
【0047】
図14及び16は、本発明に従ってブレース付きタワーをコンクリート基礎に固定するために使用される固定フットの2つの例を示す。
図16に示す固定フットと比較すると、
図14に示す固定フットは、
図16に示す固定フットと比較して、サイズと重量の点でより実質的である。
図14に示す固定フット132aは、1つ又は複数の固定ボルトによって床に固定するために水平面にある基部プレート133と、基部プレート133に垂直な固定プレート134とを備えるT接合として製造され、直立柱の下端及びブレース部材82の端に取り付ける。固定プレート134は、最大表面積を有する固定プレート134の表面がブレース付きタワー80の3つの直立柱116a、116b、116cと同じ垂直面にあるように配向され、例えば最大表面積を有する固定プレート134の表面と、ブレース付きタワー80の直立部材116a、116b、116cとは同一平面上にある。
図14に示される固定フット132aの問題は、かなりの重量であり、したがって固定フットを製造するための費用である。
【0048】
図16は、本発明の第2の実施形態による、ブレース付きタワー80をコンクリート基礎に固定するための別の固定フット132bを示している。中実の長方形の基部プレート133の代わりに、固定フットは、所与のセットの荷重に対して所与の設計空間内で材料レイアウトを最適化するトポロジー最適化である。固定フットのトポロジー最適化で考慮される2つの荷重は、直立柱116a、116b、116c及びブレース部材82からの荷重である。適用された荷重によって与えられた拘束に基づいて、本発明の固定フット132bは、直立部分140から延びる複数の別個の指又は指138を備えるスタビライザ136を備え、荷重が複数の指138の間で分散、例えば指を離すようにする。
図16に示される本発明の特定の実施形態では、直立部分140は、1つ又は複数のボルトによって直立柱116a、116b及び対角ブレース82に堅固に接続するように配置された固定プレートを備え、直立柱116a、116bの荷重及び対角ブレース82の加えられた荷重に耐えるようにする。
図14に示す本発明の第1の実施形態の固定プレート134のように、固定プレート140は、最大の表面積を有する固定プレート140の表面が、本発明のブレース付きタワー80を構成する3つの直立柱116a、116b、116cと同じ垂直プレート内にあるように配向される(
図11を参照)。本発明の用語を使用すると、直立柱116a、116b、116c、対角ブレース82、及び固定プレート134、140の表面はすべて同じ平面にある、すなわち、それらは同一平面上にある。
【0049】
固定フット132bの別個の指138のうちの1つ又は複数は、固定フット132bの安定性を向上させるために、直立部分140から2つ以上の異なる方向に延び又は広がる。本発明の固定フット132bの安定性を助けるために、指138のうちの1つ又は複数が異なる長さである。指138の長さは異なっていてもよいので、ブレース付きタワー80の異なるレベルの安定性を提供する。1つ又は複数の接続ウェブ142を使用して、1つ又は複数の指138を軸方向の動きから支持する。固定フット132bは、固定フット132bの指138の穴を通る1つ又は複数のボルトによってコンクリート基礎に固定される。
【0050】
本発明の特定の実施形態では、固定ボルトを介して固定フットを地面に固定するための穴を指138の遠位端に有する、直立部分140から延びる様々な長さの5つの指138が示されている(
図16b参照)。本発明の第2の実施形態による固定フット132bは、鋳造などの単一体として、又は溶接などのように一緒に接合された別個の部品として形成することができる。
[耐震格子フレームワークシステム]
現在の格子フレームワーク構造114は、地面が比較的安定している場合、すなわち、タイプA及びタイプB事象として分類される0.33g未満のスペクトル加速度を有する場合に適切であるが、これは、タイプC又はDの地震事象として分類される0.55gのスペクトル加速度を超える強い横方向の力を生成する強力な地震事象に格子フレームワーク構造がさらされる場合には言えない。このような強力な地震事象は、交点で格子要素(例えば、トラック支持要素)を接合する構造的ファスナを弱体化させ、ボルトで固定されているキャッププレートから緩んだり外れたりする。その結果、横方向の力が構造基礎に安全に伝達されなくなるため、格子フレームワークの構造的完全性が弱体化又は完全に失われる。格子部材又は格子を構成するトラック支持要素の交点で障害が発生する可能性がある。格子フレームワーク構造の構造的完全性を維持するために使用される上述のブレース付きタワー80は、0.55gをはるかに超える強力なDタイプ地震事象の結果としての横方向の力に耐えることができない場合がある。
【0051】
本発明の特定の実施形態では、耐震格子フレームワークシステム206が提供され、これにより、格子フレームワーク構造114の基部又はフーチングが柔軟な構造に適合され、地震力の結果としての地面又は地動に対する格子フレームワーク構造の過度の動きを減衰又は抑制又は弱めるようにする。本発明の特定の実施形態では、格子フレームワーク構造114の基部又はフーチングは、免震システム208を設けることによって柔軟になり、地震波を抑制又は弱める少なくとも1つの免震デバイス204を備える。
図17は、地動の結果としての横方向の力から格子フレームワーク構造114を保護するために、格子フレームワーク構造114が少なくとも1つの免震デバイス204によってその基礎から分離される耐震格子フレームワークシステム206の例である。免震デバイス204は、強い地震事象の間の地動を効果的に減衰させ、それによって、格子フレームワーク構造の振動の周期を効果的に増加させる格子フレームワーク構造の動きを抑制する。
【0052】
本発明の実施形態による免震システム208の断面図を
図18に示す。免震システム208は、上部構造又はダイアフラム202及び下部構造又は基礎200を備える。上部構造202は、格子フレームワーク構造114の耐荷重構造の少なくとも一部、及び場合によってはすべてを備える。上部構造202は、コンクリート耐荷重構造とすることができる。格子フレームワーク構造114、より具体的には、直立柱116のフーチングは、1つ又は複数の固定ボルトによって上部構造202に取り付けられる。直立柱116、ひいては格子フレームワーク構造114は、1つ又は複数の調整可能なフット90及び/又は固定フット132によって上部構造202に取り付けられる。調整可能なフット及び固定フットのさらなる詳細は、上で説明されている。格子フレームワーク構造の基部に上部構造202が必要であることは、1つ又は複数の別個のブレース付きフレーム位置から比較的多数の支持点に集中する力を再分散するという利点を有する。下部構造200は、少なくとも格子フレームワーク構造の基礎を備える。これは、地面又はコンクリートの基礎であり得る。
【0053】
上部構造202と下部構造200との間に配置されるのは、1つ又は複数の免震デバイス204である。免震デバイス204の分散は、上部構造202の不規則性又は起こり得るねじれの問題を取り除くように調整することができる。1つ又は複数の免震デバイス204は、上部構造202を分離し、したがって、上部構造に取り付けられた格子フレームワーク構造114を、地震中の下部構造の動き又は地動から分離する。このようにして、大きなたわみ及び高い加速度が格子フレームワーク構造114に伝達されるのを防止する。1つ又は複数の免震デバイス202の数及び分散は、格子フレームワーク構造の重量、格子フレームワーク構造の高さ、すなわちコンテナの深さZ、及び地面の組成に依存する。例えば、周波数の高い地震波のエネルギーは固い岩盤に吸収されやすいのに対し、周波数の低い地震波は吸収されずに固い岩盤を通過し、やがて軟弱な堆積物によって増幅される。
図17に見られるように、1つ又は複数の免震デバイスが格子状のパターンを有する配列に分散され、各免震デバイス204は下部及び上部取付プレートによって下部構造200と上部構造202との間にそれぞれ取り付けられる。上部構造と下部構造との間に配置された1つ又は複数の免震デバイスの数及びパターンについては、以下でさらに論じる。免震デバイスは、免震システムの横方向の柔軟性を提供し、格子フレームワーク構造に伝達される地動を弱める。減衰によって最大のエネルギー消散を得ようとする様々な既知の免震デバイスが、本発明において許容される。任意選択には、エラストマー軸受、摺動軸受、又はそれらの組み合わせが含まれる。
【0054】
本発明の第1の実施形態では、少なくとも1つの免震デバイスは、横方向の動きを弱めるために軸受のエラストマー特性に依存するエラストマー軸受1204を備える。
図19に示されるエラストマー軸受は、ゴム本体内で一緒に加硫又は接着され、それぞれ、上部構造202及び下部構造200に固定するために上部及び下部取付プレート1210a、1210bの間に配置された交互のエラストマー層1207及び剛性層1208の積層アセンブリ1206を備える。エラストマー軸受の例は、米国特許出願公開第4,499,694号(ニュージーランドの開発金融公社)、米国特許出願公開第4,593,502号(ニュージーランドの開発金融公社)、欧州特許出願公開第3412929号(Olies Corporation)及び/又は欧州特許出願公開第2039958号(Olies Corporation)に記載されている。その詳細は参照により本明細書に組み込まれる。エラストマー軸受1204は、移動するがその元の位置に戻る能力によって柔軟性を可能にする。例えば、地震の終わりに格子フレームワーク構造が元の位置に戻っていない場合、少なくとも1つのエラストマー軸受の復元力が格子フレームワーク構造を元の位置にゆっくりと戻す。
【0055】
エラストマー層1207は、天然ゴム又は合成ゴムなどのエラストマー材料から構成され、剛性層は、鋼、アルミニウム、ガラス繊維、織物、又は他の適切な剛性材料から製造されることが好ましい。エラストマー層1207は、横方向の柔軟性及び弾性復元力を提供して、エラストマー軸受をその元の位置に戻す。剛性層1208は、垂直方向の荷重容量を提供し、横方向の膨らみを防止することによってエラストマー軸受を補強する。アセンブリ内の個々の層は、例えば加硫によって、互いに接合されて単一のアセンブリ又は構造を形成する。
【0056】
格子フレームワーク構造は、垂直柱に積み重ねられた1つ又は複数のコンテナと、格子フレームワーク構造に保管された1つ又は複数のコンテナを移動するように遠隔で動作する1つ又は複数の荷役デバイスと共に、本発明の保管システムを構成する。格子上で動作する1つ又は複数の荷役デバイスの重量とコンテナの追加重量により、保管システムの重量が増加するだけでなく、振動周期が増加し、スペクトル加速度が減少する。保管システムには大量の質量があるため、強い地震の後、格子フレームワーク構造は、1つ又は複数の免震デバイス上で前後に揺れ続ける可能性がある。また、
図19には、積層体1206の内部の中空部分に設けられ、積層体を横切って延びる任意のエネルギー消散コア1212が示されている。本発明の目的のために、「積層アセンブリ」及び「積層体」という用語は、本明細書では交換可能に使用され、同じ特徴を意味する。エネルギー分散コア1212は、円筒形状を有し、剪断方向Bの変形によって積層アセンブリの剪断方向Bの振動エネルギーを吸収することにより、積層体の剪断方向Bの振動を減衰させるように適合されている。エネルギー消散コア1212は、通常、鉛、スズ、亜鉛、アルミニウム、銅、ニッケル、又はそれらの合金から構成され、適所に圧入することができる。鉛は、その可塑性のために好ましく選択される。これは、鉛は地震の揺れに合わせて変形しても元の形に戻り、何度も変形しても強度を失うことがないためである。
【0057】
図19に示される本発明の特定の実施形態では、積層アセンブリ1206の本体は、
図20のエラストマー軸受の平面図に示されるように、積層アセンブリ1206の本体が円筒形の外周面を有するように、円形の断面形状を有する。積層体の本体の内部の中空部分と共に、積層アセンブリは、交互の環状エラストマー層と剛性層のアセンブリを構成する。環状のエラストマー層と剛性層は、加硫によって結合され、円筒状の積層体を形成する。円筒状積層体の外周面は、ゴム外側コーティング1214で保護されている。積層アセンブリ1206の本体は、上部取付プレート1210aと下部取付プレート1210bとの間に配置される。上部及び下部取付プレートは、積層アセンブリの本体をそれぞれ上部構造及び下部構造に取り付けるための1つ又は複数の取り付け穴1216を備える。1つ又は複数の取り付け穴は、上部及び下部取付プレートの周縁の周り又は周辺縁に分散される。
【0058】
また、
図19には、上部及び下部取付プレート1210a、1210bがそれぞれ、1つ又は複数のボルトによって上部接続鋼プレート1218a及び下部接続鋼プレート1218bに接合されていることが示されている。任意選択で、上部接続鋼プレート1218a及び/又は下部接続鋼1218bプレートは、上部接続鋼プレート1218a及び/又は下部接続鋼1218bが、それぞれの上部取付プレート及び/又は下部取付プレートに対して摺動することを可能にする、比較的低摩擦の材料を備えることができる。
【0059】
上部接続鋼プレート1218a及び下部接続鋼プレート1218bの提供は任意であり、積層アセンブリの本体は上部及び下部取付プレートの間に直接配置又は挟み込むことができる。積層アセンブリの本体は、円筒形の外周面を有することに限定されず、他の形状、例えば、長方形又は正方形の形状が本発明において許容される。例えば、
図21は、積層アセンブリの本体が正方形又は長方形の断面形状を有する、本発明の一実施形態によるエラストマー軸受2204の代替構成を示す。また、
図21に示すように、エラストマー軸受2204の本体は、エラストマー層2207と、一緒に加硫又は接着された鋼シム2208とを交互に備える、すなわち、鋼シムは、エラストマー本体2206内に埋め込まれている。エネルギー消散コア2212は、積層体の剪断方向Bの振動を減衰するように適合される。
【0060】
本発明で許容される弾性変形によってエネルギーを消散させるためのより費用対効果の高い代替案は、積層アセンブリの本体を、結合された再生タイヤゴムパッドのスタック又は積層アセンブリに置き換えることができ、ゴムパッドのそれぞれが、挟み込まれた鋼補強コードを含むことである。鋼コードは、垂直方向の荷重容量を提供し、横方向の膨らみを防止することによってエラストマー軸受を強化するという点で、剛性層と同様に機能すると考えられている。
図22は、再生ゴムタイヤ層又はパッド3210の積層アセンブリ3206の概略レイアウトである。
図22の左側に見られるように、再生タイヤ3209のトレッド部分は、エラストマー軸受アセンブリのゴム層又はパッドのそれぞれを形成する。タイヤパッド3210は、適切な接着剤を使用して結合される。地震波を弱めるためのエラストマー軸受3204として再生タイヤゴムパッドを使用することは、Mishraら(Mishra,H.K.,Igarashi,A.,Matsushima,H.andFurukawa,A(2012)“Experimental and analytical study of unbonded and bonded scrap tire rubber pad as base isolation device”15
thWCEE,Lisbon Portugal)とMunozら(Munoz,A.etal(2019)“Applicability Study of low-cost seismic isolator prototype using recycle rubber、Journal TECNIAVol.29,No.2)によって広く研究された。
図19及び21に示されるエラストマー軸受と同様に、エラストマー層の積層アセンブリ3206の本体は、上部構造及び下部構造にそれぞれ取り付けるために、上部及び下部取付プレート(図示せず)の間に挟まれる。上述のエラストマー層と剛性層の積層アセンブリを備えるエラストマー軸受1204、204ほど地震波を弱める効果はないが、再生タイヤパッドのアセンブリ3206は、地方の建築規制に適合するように調整できる低費用の代替案を提供する。例えば、上部構造と下部構造との間に配置される免震デバイスの数と分散は、特定の地域での地震の影響に対する格子フレームワーク構造の脆弱性及び/又は地域の建築規制に応じて、様々な減衰特性を提供するように調整できる。免震デバイスの様々な設計の代替案のさらなる詳細については、以下で説明する。
【0061】
図19、20、21、及び22に示されるエラストマー軸受の実施形態のすべてにおいて、積層アセンブリの本体は、上部及び下部取付プレートの間に挟まれる。1つ又は複数のエラストマー軸受は、積層アセンブリと上部取付プレート1210a又は下部取付プレート1210bのいずれか、又はその両方との間に配置されたスライダディスク(図示せず)を任意に備えることができる。スライダディスクは、好ましくは、PTFE(テフロン(登録商標))を備え、上部又は下部軸受プレートが積層アセンブリの本体に対して動くことを可能にする。上部取付プレート及び/又は下部取付プレートは、積層アセンブリの上端又は下端に突き当たる1つ又は複数のストップを備えることができる。スライダディスクは、スライダディスクと上部取付プレート及び/又は下部取付プレートとの間の接触面の摺動摩擦によって追加の減衰を提供する。
【0062】
図32は、スライダディスクを含むエラストマー軸受を概略的に示している。
図32(a)では、スライダディスク1220は、積層アセンブリ1206と上部取付プレート1210aとの間に配置される。上部取付プレート1210aは、ストップ1222を備える。
図32(b)では、スライダディスク1220は、積層アセンブリ1206と下部取付プレート1210bとの間に配置される。下部取付プレート1210bは、ストップ1222を備える。
図32(c)では、2つのスライダディスク1220があり、第1のスライダディスク1220は、積層アセンブリ1206と上部取付プレート1210aとの間に配置され、第2のスライダディスク1220は、積層アセンブリ1206と下部取付プレート1210bとの間に配置される。上部取付プレート1210a及び下部取付プレート1210bの両方が、ストップ1222を備える。
【0063】
スライダディスクを備えるエラストマー軸受の実施形態は、分離機能と横方向の摺動移動を可能にする機能とを組み合わせて提供する。これにより、免震デバイス間の上部構造と格子の荷重がより適切に分散され、支持点間の不均一な動きが考慮される。これは、荷重が少ない小規模なフルフィルメントセンターで特に役立つ。一部の例では、荷重のより良い分散により、上部構造に低品質のコンクリートを使用できるため、製造と設置の費用を節約できる。
【0064】
本発明の第2の実施形態では、少なくとも1つの免震デバイスは、摺動システムに基づくことができる。摺動システムでは、1つ又は複数のスライド振り子軸受又は摩擦振り子軸受によってエネルギーが消散される。例えば、凸面と球凹面の間の相互摺動配置を利用することによって、通常、スライダが表面に対して摺動するように配置される。本発明の目的のために、「摺動振り子軸受」、「スライド振り子軸受」、「摺動軸受」及び「摩擦振り子軸受」という用語は、本明細書では同じ特徴を意味するように交換可能に使用される。凸面と球凹面の間の相互摺動配置により、摺動軸受は、軸受本体のエラストマー特性に依存することなく、元の位置に自然に戻ることができる。つまり、凹状摺動面により復元力が得られ、セルフセンタリング機能が保証される。最も単純な摺動システムは、摩擦スライダを支持する球凹面からなる単一の摩擦振り子軸受を含む。スライダと球凹面の間の形状及び/又は摩擦は、地震の動きに関連するエネルギーを消散させる重要な機能を果たす。スライダと球凹面との間の接触面の形状は、球凹面の曲率半径に関連する。球凹面の曲率半径は、スライダの振動周期に影響を与えるため、復元力に影響を与える。球凹面の曲率半径が大きいほど、振動の周期は大きくなる。スライダの横方向の移動は、上部構造の垂直方向の動きを伴うため、保管システムの質量が復元力を提供する。地震動中の上部構造の持ち上げは、振り子の動きに基づく動的な固有振動周期を1つ持つ等価な振り子の動きをもたらす。摺動システムの振動の固有周期(T)は、次の式に相当する。
【0065】
【0066】
ここで、Lは有効な振り子の長さ、gは重力による加速度である。振り子の有効長Lは、次の式で与えられる球凹面の曲率半径に比例する。
【0067】
【0068】
ここで、θは振り子が垂線に対してなす角度、Rは球凹面の曲率半径である。
【0069】
球凹面の形状を制御することに加えて、スライダと球凹面の間の摩擦係数を制御又は事前設定して、格子フレームワーク構造の通常の動作による荷重又は力に対する抵抗を提供するが、地震事象で克服されるには不十分である。これにより、保管システムの通常の動作中又は使用中に、1つ又は複数の摺動軸受が作動する、つまり摩擦スライダが摺動するのを防ぐ。保管システムの通常の動作によって加えられる力には、格子上で動作する1つ又は複数の荷役デバイスによって生成される力が含まれるが、これらに限定されず、これには、レール/トラック上を移動する荷役デバイスと、垂直保管柱内のコンテナを持ち上げて降ろすためのグラバーデバイスの動作が含まれる。摩擦係数は、地震事象で克服され、スライダがそれぞれの球凹面上を移動できるようになる。スライダと球凹面との摩擦係数は、球凹面とスライダとの接触面を特殊な材料でコーティング又は処理することにより調整することができる。例えば、球凹面は特別な材料でコーティングされ、スライダと球凹面との間の調整された摩擦係数を提供する。同様に、又は加えて、スライダと球凹面の間の摩擦係数は、スライダだけを軸受ライナ材料でコーティングすることによって制御することができる。上述のエラストマー軸受の場合、復元力は、エラストマー材料の弾性特性を制御することによって、例えば、保管システムの通常の動作中にエラストマー軸受が作動しないように、エラストマー層及び剛性層の数及びエネルギー消散コアの組成を制御することによって制御することができる。これにより、保管システムは、免震デバイスを作動することなく、動作中に正常に機能することができる。
【0070】
異なる震度の地震動に対応するために、好ましくは、摺動軸受は、直列に接続された複数の摺動軸受を備え、格子フレームワーク構造を支持し、複数の摺動軸受のそれぞれが別個の摺動振り子を提供する。直列に接続すると、下部構造の横方向の変位が複数の摺動軸受の1つ又は複数に分散される。複数の振り子機構で発生する変位の合計は、支持点での全構造変位に等しくなる。このように、地震動の強さが異なると、異なる振り子機構が作動する。これは、格子フレームワーク構造の耐用年数中に2回以上発生すると予想される強度の低いサービスレベルの地震の影響を最小限に抑えるように選択された摺動軸受の影響を軽減するためのものであるが、より強い地震の影響を最小限に抑えるには効果的ではない。aは、格子フレームワーク構造の耐用年数中に発生する可能性がある。
【0071】
異なる振り子機構は、異なる振り子機構に異なる摩擦係数を使用することにより、地震動の異なる強さで作動する。つまり、異なる変位で異なるヒステリシス特性を示す。このように、各振り子機構が作動すると、各振り子機構が順次作動するにつれて、有効長振り子の長さと有効摩擦の両方が増加する。本発明の好ましい実施形態では、摺動振り子軸受は、3つの異なる振り子機構、又はカナダのVallejoに事業所を持つEarthquake Protection Systems(EPS),Inc.によって供給されるいわゆる3重振り子(登録商標)軸受を提供し、変位の様々な段階で様々なヒステリシス特性を徐々に示す。3重振り子(登録商標)軸受の詳細は、米国特許出願公開第2006/0174555号(Victor、Zayas、及びStanley Low)でさらに説明されており、その詳細は参照により本明細書に組み込まれている。
【0072】
図23は、本発明の免震システムの少なくとも1つの免震デバイスを形成するTriple Pendulum(3重振り子)(登録商標)軸受4204の断面図を示す。米国特許出願公開第2006/0174555号(Victor、Zayas及びStanley Low)で説明されているように、3重振り子軸受は、3つの独立した振り子機構を提供するために4つの凹面を備える。3重振り子軸受は、指定された曲率半径R
1を備えた下向きの凹球面4208を有する上部軸受要素又はプレート4206と、指定された曲率半径R
2を備えた上向きの凹球面4212を有する下部軸受要素4210を備えている。上部軸受要素4206及び下部軸受要素4210は、上部軸受プレート及び下部軸受プレートの形態とすることができ、それぞれステンレス鋼又は鉄などの単一材料から製造することができる。摺動を容易にするために、上部軸受要素4206及び下部軸受要素4210の凹球面4208、4212上にコーティングが堆積される。ボルト穴(図示せず)は、摺動振り子軸受を上部構造及び下部構造にそれぞれ接続するために、上部軸受要素4206及び下部軸受要素4210の周囲に形成される。外側スライダ4214、4216及び内側スライダ4218を備える複数のスライダが、上部軸受要素4206と下部軸受要素4210との間に配置され、その間に摺動配置される。
【0073】
3重振り子(登録商標)軸受の場合、外側のスライダは、第1のスライダ4214と第2のスライダ4216を備える。内側スライダ又は第3のスライダ4218が、外側スライダ間に配置され、それらの間に摺動配置される。第1のスライダ4214、第2のスライダ4216、及び第3のスライダ4218のそれぞれの接触面は、第1の、第2及び第3のスライダのそれぞれがそれぞれの凹球面に沿って徐々に摺動するように適合され、地震動の様々な強さで作動する振り子機構を提供する。第1のスライダ4214は、下部軸受要素4210の上向きの凹球面4212に沿って摺動する凸面4214bを有し、曲率半径R3を有する球凹面4214cを有し、これは、下部軸受要素の曲率半径R2よりも小さい。第1のスライダ4214と下部軸受要素4210との間の接触面は、地震の設計レベルに対して第1の摩擦係数を提供するように適合される。これは、下部軸受要素4210の上向きの凹球面4212を裏打ちするか、及び/又は第1のスライダ4214の凸面4214bを軸受ライニング材料で裏打ちすることによって達成することができる。
【0074】
第2のスライダ4216は、上部軸受要素4206の下向きの球凹面4208に沿って摺動するように適合された凸面4216bを有し、また、第1のスライダ4214の凹球面の曲率半径R3に等しい曲率半径R4を有する凹球面4216cを有する。第1のスライダ4214と同様に、第2のスライダ4216の凹球面4216cの曲率半径R4は、上部軸受要素4206の曲率半径R1より小さい。第2のスライダ4216と上部軸受要素4206との間の接触面は、第2の摩擦係数を提供するように適合されているが、今回は最大の信頼できる地震に適しており、典型的には第1のスライダ4214の摩擦係数の2倍から3倍以上である。このように、第1のスライダ4214は、第2のスライダ4216が上部軸受要素4206の下向きの凹球面4208に沿って摺動する前に、下部軸受要素4210の上向きの凹球面4212に沿って摺動するように適合される。
【0075】
第3のスライダ4218は、内側スライダを形成し、第1のスライダ4214と第2のスライダ4216との間に配置される。第3のスライダ4218は、第1のスライダ4214及び第2のスライダ4216の凹球面に沿ってそれぞれ摺動するように配置されたスライダの底部及び上部4218b、4218cに凸球面を有する。第3のスライダ4218の凸面4218b、4218cは、第3のスライダ4218と第1のスライダ4214との間の摺動面が第3の摩擦係数を有し、第3のスライダ4218と第2のスライダ4216との間の摺動面が第4の摩擦係数を有するように、軸受ライナ材料で表面化される。第3のスライダ4218の摺動面と第1のスライダ4214及び第2のスライダ4216の両方の凹球面との間の摩擦係数は等しい、すなわち、第3の摩擦係数は第4の摩擦係数に実質的に等しい。しかし、第3及び/又は第4の摩擦係数は、典型的には、下部軸受要素の上向きの凹球面に対する第1のスライダの摩擦係数、すなわち第1の摩擦係数の1/2から1/3である。第3のスライダ4218の接触面と、第1のスライダ4214及び第2のスライダ4216(すなわち、内側振り子機構)の凹球面との間の低い摩擦係数は、上部構造を介して格子フレームワーク構造に伝達される地動の高周波振動を最小限に抑える。このような高周波振動を低減すると、格子上で動作する1つ又は複数の荷役デバイス及び/又は垂直保管柱内に保管されたコンテナへの損傷、特にコンテナの内容物のこぼれが緩和される。高周波振動は、1つ又は複数の荷役デバイスをトラックから脱線させる傾向があり、最悪のシナリオでは、1つ又は複数の荷役デバイスが格子上で倒れる原因となる。さらに、摩擦係数が低いため、第3のスライダは、移動した後、その平衡又は元の位置に正確に戻ることができる。
【0076】
内面、特にスライダの接触面を汚染から保護し、スライダのアセンブリを一緒に維持するために、上部軸受要素及び下部軸受要素は、上部及び下部軸受要素の周囲の弾性シール(図示せず)で一緒に接合することができる。弾性シールは、地震動中に必要な大きな変形に対応するように構成されている。同様に、スライダの内面を汚染から保護し、第1のスライダ4214と第2のスライダ4216の構成要素を一緒に維持するために、第1のスライダと第2のスライダは、典型的には、第1と第2のスライダの周囲の弾性シール(図示せず)で結合される。
【0077】
図24(a~c)は、3重振り子軸受の3つの異なる振り子機構を提供するための、地震動中のスライダの移動を示している。3重振り子軸受の詳細は、米国特許出願公開第2006/0174555号(Victor、Zayas、及びStanley Low)で説明され、その詳細は参照により本明細書に組み込まれる。地動中の個々のスライダの横方向の水平移動の段階は、それぞれのスライダ間の接触面の摩擦と、上部及び下部軸受要素の球凹面に対する摩擦に依存する。
図24aに示される地動の第1の例では、摩擦係数は、第1のスライダ4214が第2のスライダ4216に対して水平に移動するようなものであるが、第1のスライダ4214と下部軸受要素4210との間の摩擦(第1の摩擦係数)、及び第2のスライダ4216と上部軸受要素4206との間の摩擦(第2の摩擦係数)により、第1のスライダ4214と第2のスライダ4216の両方が、下部軸受要素4210及び上部軸受要素4206のそれぞれの凹面に対して移動しない。換言すれば、摺動軸受の初期変位中、下部軸受要素及び上部軸受要素のそれぞれの凹球面に対する第1のスライダと第2のスライダとの間の摩擦が高すぎる。したがって、第1の振り子運動は、第1のスライダ4214及び第2のスライダ4216の凹球面に沿って水平に回転及び平行移動する第3のスライダ4218によってのみ提供される。第3のスライダ4218の底部及び上部の凸面4218b、4218cと、第1のスライダ4214及び第2のスライダ4216の凹球面との間の摩擦係数は、第3のスライダ4128が、高周波振動を減衰させるように容易に摺動できるようになっている。
【0078】
第1の振り子の動きは、
図24aに示されている。地動が次第に大きくなるにつれて、第1の摩擦係数が克服され、第1のスライダ4214が下部軸受要素4210の凹球面4212に沿って摺動し、したがって第2の振り子運動がもたらされる。下部軸受要素に対する第1のスライダの動きは、
図24bに示されている矢印によって示されている。
図24bは最初に右に向かって動く第1のスライダを示しているが、第1のスライダの動きは一方向に限定されず、最初は左に向かって動くことができる。実際には、スライダは地動の振動により左右両方向に動く。最後に、地動が徐々に大きくなると、第2の摩擦係数が克服され、第2のスライダ4216が上部軸受プレート4206に沿って摺動し、第3の振り子機構が提供される。これは、
図24cに示されている。スライダの摩擦係数は、異なる地震動の強さで異なるレベルの減衰を提供するように調整されている。
【0079】
下部構造と上部構造との間に配置された複数の摺動軸受が配置されて、地震動の異なる強さでの地動から格子フレームワーク構造を分離する。例えば、摺動軸受の別個の振り子機構を調整して、異なる周波数の振動の影響を受けやすい保管システムの様々な領域又は構成要素を減衰させることができる。ブレース付きのタワーは、弱い地震事象に起因する地動から、ある程度の構造的完全性と格子フレームワーク構造への支持を提供するが、例えばスペクトル加速度が0.55g未満の場合、これは格子又はトラックで動作する1つ又は複数の荷役デバイスには当てはまらない場合がある。摺動軸受は、地震動の異なる強さで異なる振り子機構が作動して、保管システムの異なる領域に減衰を与えるように調整することができる。これらには、格子上で動作する1つ又は複数の荷役デバイス及び/又は垂直保管柱内に積み重ねられた1つ又は複数のコンテナが含まれるが、これらに限定されない。
【0080】
複数の摺動軸受による異なるレベルの減衰を提供することに加えて、異なる免震デバイスの組み合わせを使用して、地震動の様々な強さ、つまり、耐荷重、横方向の柔軟性、エネルギー消散、セルフセンタリング機能で必要な免震特性を提供することもできる。例えば、低摩擦の摺動軸受は、前述のエラストマー軸受と組み合わせることができる。低摩擦の摺動軸受は、格子フレームワーク構造に伝達される高周波振動を減衰させることができ、エラストマー軸受は強い地震力を減衰させることができる。
【0081】
他の様々な要因が、格子フレームワーク構造を地震動から効果的に隔離する上で重要な役割を果たす。これらには、1つ又は複数の免震デバイスの分散及びパターン、免震デバイスのタイプ、及び/又は免震デバイスのサイズが含まれるが、これらに限定されない。
図25に示すように、免震デバイスは、下部構造と上部構造の間に格子状のパターンで分散される。上述した他の要因の中でも、下部構造と上部構造との間に分散された免震デバイスの数は、免震デバイスのサイズにも依存する。例えば、より大型の免震デバイス204を使用すると、免震を広げることができるが、保管システムの重量の集中力を免震デバイスに再分散するために、より厚い上部構造が必要になる。
図17は、それぞれ幅が400mmから460mmの範囲で、高さが190mmから210mmの範囲で、6m×6mの格子パターンに分散し、厚さ200mmのコンクリート上部構造を支持する、より大きな免震デバイス204の使用を示している。
図17に示される免震デバイスは、上述のエラストマー軸受1204、2204、3204又は3重振り子(登録商標)4204、又は両方の軸受タイプの組み合わせに基づくことができる。より小さな免震デバイスを使用することで、3m×3mの小さな分散を実現できる。
図25及び26は、150mmから250mmの範囲の幅及び50mmから80mmの範囲の高さを有するより小さい免震デバイスを使用する、下部構造と上部構造との間の免震デバイス204の別の分散を示す。より小さい免震デバイス204を使用して、免震デバイスは、3m×3mの格子状のパターンで分散される。下部構造と上部構造の間に分散される免震デバイスの数が増えるほど、免震システムはより薄い上部構造を使用する余裕がある。
図25に示される特定の実施形態では、コンクリート上部構造の厚さは約150mmである。免震デバイスの分散を調整して、上部構造の不規則性やあり得るねじれの問題を取り除くことができる。大きなフットプリントにわたって広がる大きな連続格子フレームワーク構造は、格子フレームワーク構造の大きなフットプリントに対応するために、上部構造又はダイアフラムが等しく連続していることを意味する。
【0082】
下部構造の構築可能性は、1つ又は複数の免震デバイスのための検査領域を提供するために、1つ又は複数のクロール空間又はトレンチを含むように適合させることができる。例えば、下部構造は、1つ又は複数の免震デバイスが柱と上部構造との間に配置されるように、1つ又は複数の免震デバイスを柱に取り付けるための複数の柱又は台座を備えることができる。下部構造の柱又は台座の間の空間は、クロール空間を提供する。
【0083】
図27は、本発明の免震システム208の別の構成である。ここで、1つ又は複数の免震デバイス204は、直立壁207を有する下部構造200内のウェル又はくぼみ205に配置される。上部構造202は、上部構造202の上壁が周囲の領域と同じ高さ又は面一になるように、ウェル内の1つ又は複数の免震デバイス204に取り付けられる。くぼみ又はウェルの領域は、ウェル内に配置された上部構造が横方向に移動して、異なる地震動に対応できるようにサイズ決めされる。これを達成するために、上部構造の縁とウェルの直立壁207との間の間隔206は、1つ又は複数の免震デバイス204上で上部構造202の横方向の動きを可能にするようにサイズ決めされる。好ましくは、下部構造200は、くぼみ又はウェル205を提供するために適所に鋳造される。上部構造の縁と下部構造の直立壁207との間の間隔209は、安全性を向上させるために保護カバーで覆うことができる。保護カバーの例には、弾性部材及び/又は互いの上を摺動する可動スラットが含まれるが、これらに限定されない。
【0084】
免震デバイスの様々な組み合わせを使用して、地震動の様々な強さを弱め、様々な復元力を提供することができる。例えば、免震デバイスの配列を上部構造と下部構造との間に配置して、エラストマー軸受と摺動振り子軸受の組み合わせ又は混合物を備えることができる。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態では、免震デバイスの間隔は10メートルとすることができる。免震デバイスは、上部構造と下部構造との間に規則的な繰り返しパターンで配置することができる。例えば、正方配列又は格子パターン(間隔10mx10m)。アイソレータはまた、異なるパターン、例えば六角形格子パターン、又は正方形格子パターンの各正方形の中央に免震デバイスを有する正方形格子パターン、又は任意の他の適切な配列で配置することができる。下部構造と上部構造との間の空間全体に同じパターンの免震デバイスを使用するか、格子フレームワーク構造の異なる部分の下で異なるパターン又は分散の免震デバイスを使用することができる。任意選択的に、免震デバイスは、上部構造と下部構造との間に不規則なパターンで配置することができ、免震デバイスの濃度は、上部構造と下部構造との間の1つ又は複数の領域で高くなり、これらの領域での減衰を増大させる。
【0086】
エラストマー軸受と摺動振り子軸受の両方が免震デバイスとして使用される実施形態では、両方のタイプの絶縁デバイスに同じ間隔又は分散パターンを使用することも、異なるタイプの免震デバイスに異なる間隔又は分散パターンを使用することもできる。異なる種類の免震デバイスを格子の異なる部分の下で使用することも、異なる種類の免震デバイスを散在させることもできる。
【0087】
10m間隔で正方配列された免震デバイスの面密度は、100平方メートル当たり1個、又は1平方メートル当たり0.01個である。この密度は、免震デバイスの他の配置に適用することができる。免震デバイスの面密度は、1平方メートル当たり0.005~0.015デバイスの範囲であり得る。
【0088】
格子が支持されている上部構造は、純粋なコンクリートで構成されている場合もあれば、複合鋼/コンクリートスラブで構成されている場合もある。上部構造が複合鋼/コンクリートスラブを備える場合、コンクリートは鋼製デッキ上に流し込まれ得るため、コンクリートが鋳造され、鋼製デッキと一体のスラブを形成する。
【0089】
上部構造に使用されるコンクリート(純粋なコンクリート又は複合鋼/コンクリート)は、適切な品質のものでなければならない。上部構造及び下部構造のコンクリートは、混合比が制御され、欠陥がなく、平らで、水平で、適切なコンクリートグレードの標準仕様に合わせて、指定された公差内で製造することができる。いくつかの実施形態では、コンクリートは、1つ又は複数の添加剤を含有することができる。添加剤を使用して、コンクリートの寿命を延ばし、設定速度を制御し、空気の混入を制御し、硬度を高め、強度を高め、透過性を減らし、収縮を減らし、腐食を減らし、又は下部構造及び/又は上部構造の特性を制御できる。
【0090】
いくつかの実施形態では、台座を使用して、下部構造と上部構造との間に追加の空間を提供することができる。下部構造と上部構造の間の追加の空間は、様々な機能に使用できる。例えば、フルフィルメントセンターで従業員の駐車空間を確保することができる。また、追加の空間により、上部構造の下にアクセスできるため、点検やメンテナンスに便利である。台座は、各免震デバイスに対して1つの台座で、免震デバイスの上に配置することができる。代替的又は追加的に、下部台座を免震デバイスの下に配置して免震デバイスを支持することができ、各免震デバイスに対して1つの下部台座である。台座は、鋼、コンクリート、又はその他の適切な材料であってもよい。
【0091】
上部構造は、コンクリート又は複合コンクリート/鋼スラブを支持する1つ又は複数の梁をさらに備えることができる。
図28は、上部構造202が梁210、212によって支持されたスラブ203を備える免震システムの例示的な実施形態を示している。梁210、212は、鋼であってもよく、
図28に示されるようなI梁であってもよいし、他の適切な形状であってもよい。一次梁210は、第1の方向(x方向)に実質的に水平に延び、第2の方向(y方向)に実質的に水平に延びる二次梁212に実質的に垂直である。梁210、212は、実質的に水平面に格子状パターンを形成する。免震デバイス204は、上部構造と下部構造200との間に配置され、下部構造200によって支持される。一次梁210は免震デバイス204によって支持され、二次梁212は一次梁210によって支持される。スラブ203は、二次梁212によって支持される。
【0092】
図28に示される実施形態では、免震デバイス204は、x方向及びy方向の両方に10mの間隔を有する規則的な正方形の配列に配置される。図示を容易にするために4つの免震デバイスが示されているが、より大きな配列の免震デバイスを使用することができ、より広い領域に延びることができることを理解されたい。一次梁210は免震デバイスによって支持されるので、一次梁210のy方向の間隔は、免震デバイスの間隔と同じ10mである。二次梁212は、この場合、x方向に2mの間隔で、互いにより密接に間隔をあけて配置される。
【0093】
図29は、
図28の免震システムを側面図として示しており、説明を容易にするために下部構造200と上部構造202との間に配置された1つの免震デバイスを示している。免震デバイス204は、下部構造200上に配置される。台座214は、免震デバイス204によって支持される。
図29に示される特定の実施形態では、台座214は、台座が下部構造200と上部構造202との間に配置されるように、免震デバイス204に取り付けられて示されている。一次梁210は、台座214が免震デバイス204と一次梁210との間に挟まれるように、台座214によって支持される。二次梁212は、一次梁210によって支持される。スラブ203は、二次鋼梁によって支持される。格子フレームワーク構造の直立柱116は、スラブ203によって支持される。上部構造202は、複合鋼/コンクリートスラブ203、一次梁210、及び二次梁212を備える。
【0094】
いくつかの実施形態では、免震システムは、耐震格子フレームワークシステム206を収容する建物に構造的支持を提供する建物柱220、及び/又は地上レベルより下に延びる柱222を含むことができる。いくつかの実施形態では、免震デバイス204と上部構造との間に位置する台座214に加えて、追加の台座216(下部台座216と呼ばれる)を免震デバイス204の下に設けることができる。台座214と下部台座216の両方を使用すると、下部構造200と上部構造202との間の利用可能な垂直空間がさらに増加するという利点があるため、この空間を駐車場などの用途に使用できる。
【0095】
図30は、建物柱220、柱222、及び下部台座216を組み込んだ免震システムを概略的に示している。下部構造200は、地上レベル218にある。柱222は、地中へと下方に延びて、免震システムを収容する建物の安定した基礎を提供する。下部台座216は、部分的に(図示のように)内部にあるか、又は下部構造200によって支持されて、地上レベルに配置される。下台座216のサブセットは、柱222の上に配置される。免震デバイス204は下部台座216上に配置され、台座214は免震デバイス204によって支持される(したがって、免震デバイス204は下部台座216と台座214との間に配置される)。上部構造202は、台座214によって支持される。
【0096】
台座、下部台座、及び免震デバイスのサブセットは、台座から上方に延びる建物柱220を支持する。建物柱220を支持するこれらの台座、下部台座、及び免震デバイスは、それぞれ参照番号214a、216a、及び204aで参照される。建物柱220は、大きな圧縮荷重に耐え、上方の建物構造の重量を支持するために、地面に下向きに延びる柱222の上に配置される。建物柱220は、台座214aによって支持される。台座214aは、免震デバイス204aによって支持される。免震デバイス204aは、柱222の上に配置され、それによって支持される下部台座216aによって支持される。
【0097】
柱222の上及び建物柱220の下に位置する免震デバイス204aのサブセットは、摺動振り子軸受であってもよい。摺動振り子軸受は高い圧縮荷重に耐えることができるため、このような場所での使用に適している。摺動振り子軸受とエラストマー軸受の組み合わせが使用される実施形態では、柱222の上及び建物柱220の下に位置する免震デバイス204aのサブセットは、摺動振り子軸受であってもよく、他の免震デバイス204はエラストマー軸受であってもよい。
【0098】
図31は、建物柱220を支持する免震デバイス204aを概略的に示す。下部構造200は、免震デバイス204aがウェル又はくぼみ205内に位置するように形作られる。免震デバイス204aは、上部分離プレート230及び底部分離プレート232を備える。免震デバイス204aがエラストマー軸受である用途では、上部取付プレート1210a及び下部取付プレート1210bは、上部及び底部分離プレート230、232とそれぞれ同じであってもよい。免震デバイス204aの底部分離プレート232は、固定ボルト228によって下部構造200に取り付けられた基部プレート226に取り付けられる。台座214aは、台座基部プレート230がその下側に取り付けられた状態で、免震デバイス204aによって支持される。台座基部プレートは、免震デバイス204aの上部分離プレート230の上に直接取り付けられる。台座214aは、上部構造202を支持する。
図31に示す実施形態では、上部構造202はスラブ203を支持する梁212を備え、梁212は台座214aによって支持される。
定義
本文書では、「n方向の動き」(及び関連する表現)という言葉(nはx、y、zのいずれか)は、実質的にn軸に沿った、又はn軸に平行な、いずれかの方向の動きを意味することを意図している(すなわち、n軸の正の端に向かって、又はn軸の負の端に向かって)。
【0099】
本文書では、「接続」という単語とその派生語は、直接接続と間接接続の25の可能性を含むことを意図している。例えば、「xがyに接続されている」とは、xがyに構成要素を介在させることなく直接接続されている可能性と、xが1つ又は複数の構成要素を介在させてyに間接的に接続されている可能性を含むことを意図している。直接接続が意図されている場合は、「直接接続された」、「直接接続」などの単語が使用される。同様に、「支持」30という単語とその派生語は、直接的及び間接的な接触の可能性を含むことを意図している。
【0100】
例えば、「xがyを支持する」は、xが介在する構成要素なしでyを直接支持し、直接接触する可能性、及びxが間接的にyを支持し、1つ又は複数の介在する構成要素がx及び/又はyに接触する可能性を含むことを意図している。「取り付け」という単語とその派生語は、直接及び間接的な取り付けの可能性を含むことを意図している。例えば、「xがyに取り付けられている」は、xがyに構成要素を介在させずに直接取り付けられている可能性と、xが1つ又は複数の構成要素を介在させてyに間接的に取り付けられている可能性を含むことを意図している。
【0101】
本文書では、「備える」という単語とその派生語は、排他的な意味ではなく包括的な意味を持つことを意図している。例えば、「xがyを備える」は、xが1つと1つだけのy、複数のy、又は1つ又は10個以上のyと1つ又は複数の他の要素を含む可能性を含むことを意図している。排他的な意味が意図されている場合、「xはyで構成されている」という言葉が使用される。これは、xにはyのみが含まれ、他には何も含まれないことを意味する。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] スタック(12)内の1つ又は複数のコンテナ(10)を移動するように動作する荷役デバイス(30)を支持するための格子フレームワーク構造(114)を備える耐震格子フレームワークシステム(206)であって、前記格子フレームワーク構造(114)が、
水平面内に複数の実質的に長方形のフレーム(54)を備える格子(50)を形成するように配置された一連の交差する格子部材(118、120)を備え、前記実質的に長方形のフレーム(54)の各々は、格子セルを構成し、前記格子(50)は、前記一連の格子部材(118、120)の交点(56)の各々において複数の直立柱(116)によって支持され、コンテナ(10)が前記直立柱(116)の間に積み重ねられ前記直立柱(116)によって前記複数の実質的に長方形のフレーム(54)を通って垂直方向にガイドされるように複数の垂直保管場所(58)を形成する、耐震格子フレームワークシステム(206)において、
前記耐震格子フレームワークシステム(206)は、前記格子フレームワーク構造(114)に作用する地震力を低減するための免震システム(208)をさらに備え、前記格子フレームワーク構造(114)は、前記免震システム(208)によって支持され、前記免震システム(208)は、上部構造(202)と下部構造(200)と、前記上部構造(202)と前記下部構造(200)との間に配置された少なくとも1つの免震デバイス(204)を備え、前記少なくとも1つの免震デバイス(204)が、地震発生時に前記下部構造(200)に対する前記上部構造(202)の動きを抑制するようにすることを特徴とする、耐震格子フレームワークシステム(206)。
[2] 前記少なくとも1つの免震デバイス(204)は、エラストマー層(1207)の積層アセンブリ(1206)を備えるエラストマー軸受(1204)を備え、前記積層アセンブリ(1206)は、前記上部構造(202)及び前記下部構造(200)にそれぞれ接続するために、上部取付プレート(1210a)と下部取付プレート(1210b)との間に配置される、[1]に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[3] 前記少なくとも1つの免震デバイス(204)は、前記上部構造(202)及び前記下部構造(200)にそれぞれ接続するために、上部取付プレート(1210a)と下部取付プレート(1210b)との間に配置された交互のエラストマー層(1207)及び剛性層(1208)の積層アセンブリを備えるエラストマー軸受(1204)を備える、[1]に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[4] 前記エラストマー軸受(1204)が、
前記積層アセンブリ(1206)の内部に配置されたエネルギー消散コア(1212)をさらに備え、前記エネルギー消散コア(1206)は、前記積層アセンブリ(1206)の剪断方向の振動エネルギーを吸収することによって、前記積層アセンブリ(1206)の前記剪断方向の振動を減衰するように適合され、
前記エラストマー層(1207)及び剛性層(1208)の外周面は、柔軟な支持体(1214)に囲まれている、[2]又は[3]に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[5] 前記エラストマー層(1207)のそれぞれはゴムを備え、前記剛性層(1208)のそれぞれは鋼を備え、前記エラストマー軸受(1204)が交互のゴム層と鋼層の積層アセンブリ(1206)を備えるようになっている、[3]又は[4]に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[6] 前記エネルギー消散コア(1212)が、鉛、スズ、亜鉛、アルミニウム、銅、ニッケル、又はそれらの合金を備える、[4]又は[5]に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[7] 前記上部取付プレート(1210a)は上部接続プレート(1218a)に接合され、前記下部取付プレート(1210b)は下部接続プレート(1218b)に接合され、前記積層アセンブリ(1206)は前記上部接続プレートと前記下部接続プレートとの間に挟まれるようになる、[2]から[6]のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[8] 前記エラストマー軸受(1204)が、前記積層アセンブリ(1206)と前記上部取付プレート(1210a)又は前記下部取付プレート(1210b)のいずれかとの間に配置されたスライダディスクを備える、[2]から[7]のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[9] 前記スライダディスクがPTFEを備える、[8]に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[10] 前記少なくとも1つの免震デバイス(204)が、摺動振り子軸受を備え、前記摺動振り子軸受は、
i)第1の摺動面を有する上部軸受要素と、
ii)第2の摺動面を有する下部軸受要素と、
iii)前記第1の摺動面及び前記第2の摺動面と面接触するように配置されるように、前記上部軸受要素と前記下部軸受要素との間に配置されたスライダであって、前記第1の摺動面及び/又は前記第2の摺動面は、特定の曲率半径を有する凹球面を有しており、前記スライダが、前記第1の摺動面及び/又は前記第2の摺動面の前記凹球面に沿って摺動し、少なくとも1つの摺動振り子機構を提供することに相当する地震動の最中に前記上部構造(202)の持ち上げをもたらすように配置されている、[1]から[9]のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[11] 前記少なくとも1つの免震デバイス(204)が、3重振り子軸受を備え、前記3重振り子軸受は、
i)特定の曲率半径を有する下向きの凹球面(4208)を有する上部軸受要素(4206)と、
ii)特定の曲率半径を有する上向きの球面(4212)を有する下部軸受要素(4210)と、
iii)前記下部軸受要素(4210)の前記上向きの凹球面(4212)に沿って摺動するように配置される凸球面(4214b)と、前記下部軸受要素(4210)の前記上向きの凹球面(4212)の前記曲率半径より実質的に小さい半径を有する対向する凹球面(4214c)と、を有する第1のスライダ(4214)と、
iv)前記上部軸受要素(4206)の前記下向きの凹球面(4208)に沿って摺動するように配置される凸球面(4216b)と、前記上部軸受要素(4206)の前記下向きの凹球面(4208)の前記曲率半径より実質的に小さい半径を有する対向する凹球面(4216c)と、を有する第2のスライダ(4216)と、
v)前記第1のスライダ(4214)の前記凹球面(4214c)に沿って摺動するように配置された下部凸球面(4218b)と、前記第2のスライダ(4216)の前記凹球面(4216c)に沿って摺動するように配置された上部凸球面(4218c)と、
を有する第3のスライダ(4218)と、を備える、[1]から[9]のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[12] 前記3重振り子軸受は、前記第1のスライダ(4214)及び前記第2のスライダ(4216)を一緒に接続する手段をさらに備え、前記下部軸受要素(4208)に対する前記第1のスライダ(4214)の前記摺動及び前記上部軸受要素(4206)に対する前記第2のスライダ(4216)の前記摺動から、独立した振り子機構が達成されることを可能にする、[11]に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[13] 前記第1のスライダ(4214)と前記下部軸受要素(4208)との間の摺動面は第1の摩擦係数を有し、前記第2のスライダ(4216)と前記上部軸受要素(4206)との間の摺動面は、第2の摩擦係数を有し、前記第1の摩擦係数は前記第2の摩擦係数とは異なる、[11]又は[12]に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[14] 前記第3のスライダ(4218)と前記第1のスライダ(4214)との間の摺動面は第3の摩擦係数を有し、前記第3のスライダ(4218)と前記第2のスライダ(4216)との間の摺動面は第4の摩擦係数を有し、前記第3の摩擦係数は前記第4の摩擦係数と実質的に等しい、又は異なる、[13]の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[15] 前記第3の摩擦係数は、前記第1の摩擦係数及び前記第2の摩擦係数のいずれよりも小さく、前記第4の摩擦係数は、前記第1の摩擦係数及び前記第2の摩擦係数のいずれよりも小さい、[14]に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[16] 前記第1のスライダ及び前記第2のスライダが周囲シールによって互いに接続されている、[11]から[15]のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[17] 前記上部軸受要素が前記上部構造に固定され、前記下部軸受要素が前記下部構造に固定される、[10]から[16]のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[18] 前記上部構造(202)が、前記格子フレームワーク構造14の耐荷重構造を備える、[1]から[17]のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[19] 前記下部構造(200)が前記格子フレームワーク構造(14)の基礎構造を備える、[1]から[18]のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[20] 前記少なくとも1つの免震デバイス(204)がウェル(205)内に配置されている、[1]から[19]のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[21] 前記少なくとも1つの免震デバイス(204)は、前記上部構造(202)と前記下部構造(200)との間に配置された複数の免震デバイス(204)を備え、前記複数の免震デバイス(204)は、Xメートル×Xメートルの配列又は格子状パターンで離間され、Xは1mから15mの範囲である、[1]から[20]のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[22] 前記少なくとも1つの免震デバイス(204)の幅が、実質的に150mmから500mmの範囲にある、[1]から[21]のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[23] 前記少なくとも1つの免震デバイス(204)の幅が、実質的に900mmから1200mmの範囲にある、[1]から[22]のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[24] 前記少なくとも1つの免震デバイス(204)が、実質的に50mmから250mmの範囲の高さを有する、[1]から[23]のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[25] 前記少なくとも1つの免震デバイス(204)が、実質的に320mmから350mmの範囲の高さを有する、[1]から[24]のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[26] 前記少なくとも1つの免震デバイス(204)が、前記上部構造(202)と前記下部構造(200)との間に配置された複数の免震デバイス(204)を備え、前記複数の免震デバイス(204)の面密度が、1平方メートル当たり実質的に0.005から0.015デバイスの範囲である、[1]から[25]のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[27] 前記上部構造(202)が、1つ又は複数の実質的に水平な梁によって支持されたスラブ(203)を備える、[1]から[26]のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[28] 前記スラブ(203)が鋼/コンクリート複合スラブを備える、[1]から[27]のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[29] 前記免震システム(208)は、前記少なくとも1つの免震デバイス(204)と前記上部構造(202)との間に配置された、及び/又は前記下部構造(200)と前記少なくとも1つの免震デバイス(204)との間に配置された1つ又は複数の台座をさらに備え、前記下部構造(200)と前記上部構造(202)との間の垂直距離が増加するようになっている、[1]から[28]のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)。
[30] a)[1]から[29]のいずれか一項に記載の耐震格子フレームワークシステム(206)と、
b)それぞれが1つ又は複数の品目を備える、1つ又は複数のコンテナ(10)と、
c)前記格子フレームワーク構造(114)に保管された前記1つ又は複数のコンテナ(10)を移動するために遠隔動作される1つ又は複数の荷役デバイス(30)と、を備える保管システムであって、
前記1つ又は複数の荷役デバイス(30)のそれぞれが、
i)前記格子フレームワーク構造14上で前記荷役デバイス(30)をガイドするための車輪アセンブリと、
ii)前記格子フレームワーク構造(114)の上に位置するコンテナ収容空間(40)と、
iii)単一のコンテナ(10)をスタック(12)から前記コンテナ収容空間40に持ち上げるように配置された持ち上げデバイス(39)と、を備える、保管システム。