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特許7685274片側停止式振動吸収ランプスリーブ及びそれを利用した無電極ランプ照明装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-21
(45)【発行日】2025-05-29
(54)【発明の名称】片側停止式振動吸収ランプスリーブ及びそれを利用した無電極ランプ照明装置
(51)【国際特許分類】
   H01J 61/30 20060101AFI20250522BHJP
   H01J 65/04 20060101ALI20250522BHJP
【FI】
H01J61/30 Q
H01J65/04 B
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2024047215
(22)【出願日】2024-03-22
(65)【公開番号】P2024137926
(43)【公開日】2024-10-07
【審査請求日】2024-03-22
(31)【優先権主張番号】112202729
(32)【優先日】2023-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】112208125
(32)【優先日】2023-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】112208126
(32)【優先日】2023-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】524111684
【氏名又は名称】可成応材科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】KANAUE APPLIED MATERIALS CORP.
【住所又は居所原語表記】2F., 3F., No. 26, Ln. 269, Zhongzheng Rd., Yongkang Dist., Tainan City 710003, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】黄偉民
(72)【発明者】
【氏名】胡鳴遠
(72)【発明者】
【氏名】張哲造
【審査官】佐藤 海
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-501969(JP,A)
【文献】特開2014-127383(JP,A)
【文献】特表2011-530794(JP,A)
【文献】特表2010-527129(JP,A)
【文献】特開2009-289530(JP,A)
【文献】特開2008-130238(JP,A)
【文献】特開平06-013052(JP,A)
【文献】特開平04-229548(JP,A)
【文献】特開平02-079354(JP,A)
【文献】特開昭61-126760(JP,A)
【文献】登録実用新案第3154911(JP,U)
【文献】特許第2593838(JP,B2)
【文献】中国特許出願公開第113471057(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0123015(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 61/30
H01J 65/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無電極ランプの端部と嵌合し、金属部材の取り付け穴内に部分的に配置される片側停止式振動吸収ランプスリーブであって、
前記片側停止式振動吸収ランプスリーブは、小径部と大径部とを含み、
前記小径部は、前記大径部に同軸的に接続され、貫通穴は前記大径部と前記小径部との中で形成され、前記端部は前記貫通穴と嵌合し、前記貫通穴の口径の範囲は2.9mmから3.1mmであり、前記小径部の外径の範囲は3.2mmから3.6mmである、ことを特徴とする片側停止式振動吸収ランプスリーブ。
【請求項2】
前記小径部の前記外径の範囲は、3.3mmから3.5mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の片側停止式振動吸収ランプスリーブ。
【請求項3】
前記小径部の前記外径の範囲は、3.35mmから3.45mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の片側停止式振動吸収ランプスリーブ。
【請求項4】
前記片側停止式振動吸収ランプスリーブの材料は、ポリテトラフルオロエチレンを含み、前記大径部の外径の範囲は4.6mmから6.0mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の片側停止式振動吸収ランプスリーブ。
【請求項5】
下部を更に含み、前記下部は前記大径部から離れた前記小径部の一端を密閉する、ことを特徴とする請求項1に記載の片側停止式振動吸収ランプスリーブ。
【請求項6】
前記下部は内側の面取り部を有する、ことを特徴とする請求項5に記載の片側停止式振動吸収ランプスリーブ。
【請求項7】
前記小径部は前記大径部から前記小径部の方向にテーパーが付いており、
前記小径部において、最も細い部分の外径は、3.2mm以上であり、最も太い部分の外径は、3.6mm以下である、ことを特徴とする請求項5に記載の片側停止式振動吸収ランプスリーブ。
【請求項8】
前記小径部は前記貫通穴に接続する少なくとも1つの開口部を有する、ことを特徴とする請求項5に記載の片側停止式振動吸収ランプスリーブ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの開口部は前記下部と前記小径部の外周面を貫通する、ことを特徴とする請求項8に記載の片側停止式振動吸収ランプスリーブ。
【請求項10】
前記小径部は円錐形の外周面を有し、
前記小径部において、最も細い部分の外径は、3.2mm以上であり、最も太い部分の外径は、3.6mm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の片側停止式振動吸収ランプスリーブ。
【請求項11】
前記貫通穴の周面のスロープは前記外周面のスロープより小さい、ことを特徴とする請求項10に記載の片側停止式振動吸収ランプスリーブ。
【請求項12】
前記小径部は前記貫通穴に接続する少なくとも1つの開口部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の片側停止式振動吸収ランプスリーブ。
【請求項13】
それぞれ請求項1に記載の片側停止式振動吸収ランプスリーブである第一のランプスリーブ及び第二のランプスリーブと、前記無電極ランプとを含む無電極ランプ照明装置であって、
前記無電極ランプは、発光部及び前記発光部の前記端部に接続される第二の端部であり、前記端部は第一の端部として定義され、
前記第一の端部は前記第一のランプスリーブの前記貫通穴と嵌合し、前記第二の端部は前記第二のランプスリーブの前記貫通穴と嵌合する、ことを特徴とする無電極ランプ照明装置。
【請求項14】
前記金属部材である向かい合った2つのメンバーを更に含み、
前記向かい合った2つのメンバーは、それぞれ第一の金属部材及び第二の金属部材として定義され、
前記第一のランプスリーブの前記小径部は、前記第一の金属部材の前記取り付け穴を通過し、前記第二のランプスリーブの前記小径部は、前記第二の金属部材の前記取り付け穴を通過し、それによって、前記第一のランプスリーブの前記小径部は、前記第一の端部と前記第一の金属部材との間に配置され、前記第二のランプスリーブの前記小径部は、前記第二の端部と前記第二の金属部材との間に配置される、ことを特徴とする請求項13に記載の無電極ランプ照明装置。
【請求項15】
前記第一のランプスリーブの前記大径部は、前記第一の金属部材の前記取り付け穴の外側に配置され、前記第一の金属部材を停止し、前記無電極ランプが前記第一の金属部材に対して動き及び回転するのを防ぎ、前記第二のランプスリーブの前記大径部は、前記第二の金属部材の前記取り付け穴の外側に配置され、前記第二の金属部材を停止し、前記無電極ランプが前記第二の金属部材に対して動き及び回転するのを防ぐ、ことを特徴とする請求項14に記載の無電極ランプ照明装置。
【請求項16】
前記発光部が所定時間発光しないとき、前記第一のランプスリーブの前記大径部と前記第一の金属部材との間には隙間が存在し、前記第二のランプスリーブの前記大径部と前記第二の金属部材との間には隙間が存在する、ことを特徴とする請求項15に記載の無電極ランプ照明装置。
【請求項17】
前記発光部が別の所定時間継続して発光するとき、前記第一のランプスリーブの前記大径部と前記第一の金属部材との間には隙間が存在しなく、前記第二のランプスリーブの前記大径部と前記第二の金属部材との間には隙間が存在しない、ことを特徴とする請求項16に記載の無電極ランプ照明装置。
【請求項18】
前記発光部は、マグネトロンから発振マイクロ波を受け取り、光を発する、ことを特徴とする請求項13に記載の無電極ランプ照明装置。
【請求項19】
前記第一のランプスリーブ及び前記第二のランプスリーブの硬度は、前記第一の端部及び前記第二の端部の硬度より小さい、ことを特徴とする請求項13に記載の無電極ランプ照明装置。
【請求項20】
前記第一のランプスリーブの前記大径部及び前記第二のランプスリーブの前記大径部は、前記第一のランプスリーブの前記小径部及び前記第二のランプスリーブの前記小径部との間に配置される、ことを特徴とする請求項13に記載の無電極ランプ照明装置。
【請求項21】
前記下部は外面取り部を有する、ことを特徴とする請求項5に記載の片側停止式振動吸収ランプスリーブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプスリーブ及びそれを利用した無電極ランプ照明装置に関し、特に緩衝特徴を有する片側停止式振動吸収ランプスリーブ及びランプスリーブを利用した無電極ランプ照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の照明技術は、日々進歩しており、従来の普通の白熱電球及び省エネ電球から、発光ダイオード及び無電極ランプへと発展してきた。したがって、輝度は常に増加し、消費エネルギーが減少し、且つ発生する熱が減少する。
【0003】
無電極ランプ(または誘導灯)は電極もフィラメントも有しない。無電極ランプは、主に磁気リングを使用して光を放射し、電磁波を発生させてランプ内の物質を励起する。例えば、水銀蒸気と希ガスとの混合物は、低圧ガス無電極ランプに封入される。作動すると、水銀原子がイオン化、励起されて紫外線を放出し、紫外線はランプ管の壁の蛍光物質を照射し、且つ蛍光物質は可視光を発する。フィラメントや電極が無いため、ランプは様々な形状を作ることができ、寿命は10万時間近くであり、それによって、無電極ランプは徐々に普及している。
【0004】
しかしながら、電極が無いため、無電極ランプは通常ランプホルダーの金属部材に取り付けられる。従来例では、金属部材に貫通穴が形成されており、貫通穴に無電極ランプの両端のランプポストが挿入される。この場合、無電極ランプは発振マイクロ波を利用して発光するため、無電極ランプ点灯時に振動効果により、無電極ランプは回転または振動する傾向があり、且つランプポストと金属部材との間に緩い隙間が存在し、緩いフィッティングを実現する。無電極ランプが回転または振動すると、ランプポストと金属部材との間に相互摩擦/衝突が発生しやすく、ランプが破損しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、無電極ランプの動作時に発生する振動、動き及び回転を減少し、無電極ランプの寿命を増加するための片側停止式振動吸収ランプスリーブ及び無電極ランプ照明装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明は、無電極ランプの端部と嵌合し、金属部材の取り付け穴内に部分的に配置される片側停止式振動吸収ランプスリーブを提供する。ランプスリーブは、大径部と小径部とを含む。小径部は大径部に同軸的に接続される。貫通穴は大径部と小径部との中で形成され、端部は貫通穴と嵌合し、貫通穴の口径の範囲は2.9mmから3.1mmであり、小径部の外径の範囲は3.2mmから3.6mmである。
【0007】
本発明は、無電極ランプ照明装置も提供する。無電極ランプ照明装置は、片側停止式振動吸収ランプスリーブのランプスリーブである第一のランプスリーブ及び第二のランプスリーブと、無電極ランプとを含む。無電極ランプは、発光部及び発光部の端部に接続される第二の端部であり、前記端部は第一の端部として定義される。第一の端部は第一のランプスリーブの貫通穴と嵌合し、第二の端部は第二のランプスリーブの貫通穴と嵌合する。
【0008】
上記態様によれば、片側停止式振動吸収ランプスリーブは、下部を更に含むことができる。下部は大径部から離れた小径部の一端を密閉する。
【0009】
上記態様によれば、は円錐形の外周面を有する。
【0010】
上記の態様により、無電極ランプとオリジナルの金属部材の取り付け穴との間に直接接触がなく、ランプスリーブを用いてランプのランプポストを取り付けることにより、使用時に発生する回転(振動)によるランプの破損を軽減することができる。また、取り付け精度及び一貫性を更に増加し、作業者による差異を回避することができる。更に、円錐形の緩衝特徴は、無電極ランプのほぼ水平な状態を更に維持することができ、ランプ光源の安定性を維持し、2つのランプスリーブの不均一な摩耗を防ぐことができる。
【0011】
本発明の上述した内容をより明白かつ理解可能にするために、以下、好ましい実施例及び図面を参照しながら、詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の好ましい実施形態による無電極ランプ照明システムを示す概略図である。
図2図2は、図1の無電極ランプ照明装置を示す部分正面図である。
図3図3は、図2の無電極ランプ照明装置を示す部分断面図である。
図4図4は、図3の無電極ランプ照明装置の別の例を示す部分断面図である。
図5図5は、図4の第一のランプスリーブの変形例を示す断面図である。
図6図6は、図4の第一のランプスリーブの変形例の応用例を示す断面図である。
図7図7は、図4の第一のランプスリーブの変形例の応用例を示す断面図である。
図8図8は、図4の第一のランプスリーブの変形例を示す側面図である。
図9図9は、図4の第一のランプスリーブの変形例を示す側面図である。
図10図10は、図4の第一のランプスリーブの変形例を示す側面図である。
図11図11は、図4の第一のランプスリーブの変形例を示す側面図である。
図12図12は、図3の無電極ランプ照明装置のさらに別の例を示す部分断面図である。
図13図13は、図12の無電極ランプ照明装置の2つの状態を示す概略図である。
図14図14は、図12の無電極ランプ照明装置の2つの状態を示す概略図である。
図15図15は、図12の第一のランプスリーブの変形例の応用例を示す断面図である。
図16図16は、図15の第一のランプスリーブの変形例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の好ましい実施形態による無電極ランプ照明システムを示す概略図である。図1に示すように、無電極ランプ照明システム200は、電源110と、マグネトロン120と、無電極ランプ照明装置100と、テストオブジェクト配置領域130とを含む。電源110は、マグネトロン120に電気的に接続され、発振マイクロ波を生成するためにマグネトロン120をオンにするための電力を供給する。無電極ランプ照明装置100は、発振マイクロ波を使用してランプ内の物質を励起して点灯し、テストオブジェクト配置領域130内のテストオブジェクト(図示せず)を照らす。テストオブジェクト配置領域130内の画像取得装置又はセンサー(図示せず)を使用してテストオブジェクトのデータを取得することができる。電力検出器140を使用して無電極ランプ照明装置100が正常に動作するか否かを監視する。この実施形態の無電極ランプ照明装置100はマグネトロン120の下に配置されているが、別の例では無電極ランプ照明装置100は、マグネトロン120の中に配置することができる。
【0014】
図2は、図1の無電極ランプ照明装置を示す部分正面図である。図3は、図2の無電極ランプ照明装置を示す部分断面図である。図2及び3に示すように、無電極ランプ照明装置100は、無電極ランプ10と、第一のランプスリーブ20と、第二のランプスリーブ30とを含む。
【0015】
無電極ランプ10は、発光部13と発光部13に接続される第一の端部11及び第二の端部12とを有する。第一の端部11及び第二の端部12は、無電極ランプのランプポスト(LAMP POST)と呼ぶこともできる。発光部13は、マグネトロン120から発振マイクロ波を受け取り、光を発する。
【0016】
第一のランプスリーブ20は第一の小径部21と第一の大径部22とを有する。第一の小径部21は第一の大径部22に同軸的に接続される。貫通穴23は第一の大径部22と第一の小径部21との中で形成される。この例では、貫通穴23は第一の小径部21及び第一の大径部22を貫通する。第一の端部11は貫通穴23を通過し、第一の小径部21の直径は第一の大径部22の直径より小さい。
【0017】
第二のランプスリーブ30と第一のランプスリーブ20は同じ構造を有する。一部の特徴は第一のランプスリーブ20のみを参照して説明する。これらの特徴は第二のランプスリーブ30にも当てはまる。第二のランプスリーブ30は、第二の小径部31と第二の大径部32とを有する。第二の小径部31は、第二の大径部32に接続される。貫通穴33は第二の小径部31と第二の大径部32との中で形成される。第二の端部12は貫通穴33を通過する。
【0018】
上記メンバー(無電極ランプ10と第一のランプスリーブ20と第二のランプスリーブ30)を有する無電極ランプ照明装置100は、単体の製品として販売してもよい。第一の端部11及び第二の端部12は、それぞれ貫通穴23、33に直接取り付けてもよいし、取り外し可能に嵌合してもよい。複数の無電極ランプ10が梱包される場合、第一のランプスリーブ20及び第二のランプスリーブ30、ならびに第一のランプスリーブ20及び第二のランプスリーブ30と適合するベースを使用して、無電極ランプ10を位置決め及び保護することができる。
【0019】
オプションで、無電極ランプ照明装置100は更に、無電極ランプ照明装置100を取り付けるための向かい合った2つのメンバーである第一の金属部材40及び第二の金属部材50を含む。第一の小径部21は、第一の金属部材40の取り付け穴41を通過し、且つ第二の小径部31は、第二の金属部材50の取り付け穴51を通過し、それによって、第一の小径部21は第一の端部11と第一の金属部材40との間に配置され、第二の小径部31は第二の端部12と第一の金属部材40との間に配置される。したがって、第一のランプスリーブ20と第二のランプスリーブ30は、無電極ランプ10を二軸方式で取り付けるために使用され、振動又は動きの自由度を減少させ、したがって緩衝特徴を提供することができる。一方で、摩耗はランプスリーブに設計されているため、金属部材と無電極ランプとの間の摩耗が軽減され、メンテナンスの際はランプスリーブのみの交換が必要である。また、第一の金属部材40及び第二の金属部材50は適度な弾性を有し、それによって、無電極ランプ10取り付け時に金属部材は適切に動くことができる。
【0020】
無電極ランプ10は第一のランプスリーブ20及び第二のランプスリーブ30を介して第一の金属部材40と第二の金属部材50との間に取り付けられるので、第一のランプスリーブ20及び第二のランプスリーブ30はアイソレーション効果を有する。それで、第一のランプスリーブ20と第二のランプスリーブ30は耐熱性のある非金属の緩衝材で形成されている。一例では、ランプスリーブは一体構造を有し、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む材料で作製され得る。PTFEはTeflon材料とも呼ばれ、耐熱性(300℃まで)が良く、加工後の完成品の安定性が良く(変形しにくい)、完成品の適度な弾性が良く、自己潤滑性が良く、プラスチックの分子が安定しており(劣化しにくい)、コストが安いなどの利点がある。緩衝材により防振効果も得られる。第一の大径部22及び第二の大径部32は第一の小径部21と第二の小径部31との間に配置され、ランプスリーブと無電極ランプとの間には一定の摩擦が存在するため、ランプスリーブは無電極ランプ10を固定することができ、それによって、無電極ランプ10の位置が制限されることができる。振動が発生した時に、無電極ランプが左右に大きく動かない。また、振動を回避するために、第一のランプスリーブ20及び第二のランプスリーブ30は、第一の端部11及び第二の端部12の硬度より小さい硬度を有するように設計され、振動を吸収して緩衝効果を得るために若干の弾性を有することが好ましい。したがって、マイクロ波発振環境下及び、発振マイクロ波の環境下において、ランプポストと金属部材の取り付け穴との間の緩いフィッティングに起因する振動や回転によりランプポストが破損するリスクを減少できる。
【0021】
ランプスリーブの取り付け状態や動作状態を最適化し、取り付けを容易にするために、発明者たちは、実験を実行し、室温(25℃)でのランプスリーブと金属部材との間の隙間は0.5mm以上(より好ましくは0.6mm以上)であることが好ましいことを発見する。これにより、作業者はランプスリーブを金属部材に素早く通す、無電極ランプの取り付け速度を増加することが可能となった。従来の技術では、取り付け速度に関し、さらなる研究を提供できていない。また、振動を減らすために、隙間が大きすぎると振動を効果的に低減する効果が得られないため、無電極ランプの動作温度(200℃から250℃)でのランプスリーブと金属部材との間の隙間は、1.15mm(より好ましくは1.25mm以下)であることが好ましい。一例では、取り付け穴の直径D41の範囲が4.2mmから4.5mmの範囲で、無電極ランプの端部の外径が3mmに等しい場合、貫通穴23の口径D23は2.9mmから3.1mmの範囲で、±0.1mmの公差を提供し、それによって、ランプスリーブは外径D11を有する無電極ランプの端部と嵌合することができる。上記条件を満たすために、トライ・アンド・エラー方式により決定する第一の小径部21の最適な外径D21の範囲は3.2mmから3.6mmの間であり、それによって、室温での隙間の範囲は0.6mmから1.3mmの間である。別の例では、より良い振動低減及び取り付け効果を実現するために、外径D21の範囲は3.3mmから3.5mmの間である。さらに別の例では、よりずっと良い振動低減及び取り付け効果を実現するための、外径D21の範囲は3.35mmから3.45mmである。また、PTFE及び金属部材の鉄材の膨張係数は、それぞれ11×10-5及び12×10-6(/℃)である。200℃では、決められた隙間の範囲は0.55mmから1.25mmである。250℃では、決められた隙間の範囲は0.53mmから1.24mmであり、且つ上記の要件(≧0.5mm)が満たされる。また、分析と実験の結果、停止機能を提供するために、第一の大径部22の外径D22は4.6mmから5.6mmの範囲であり、直径D41よりも大きいことを発見した。第一の大径部22の軸方向の長さが約1mmの場合、外径D22は6.0mm以下である。6.0mmより大きい外径D22は第一の大径部22の構造を弱めるため、保管及び輸送時の損傷率が増加する。一例では、外径D22は5.8mm以下であり、それによって、第一の大径部22の構造は更に強化される。一例では、外径D22は5.6mm以下であり、それによって、第一の大径部22の構造は更に強化される。
【0022】
この実施形態では、第一の大径部22は、取り付け穴41の外側に配置され、第一の金属部材40を停止し、無電極ランプ10が第一の金属部材40に対して動き及び回転するのを防ぎ、且つ第二の大径部32は、取り付け穴51の外側に配置され、第二の金属部材50を停止し、無電極ランプ10が第二の金属部材50に対して動き及び回転するのを防ぐことができる。
【0023】
オプションで、取り付けと交換を容易にするため、発光部13が所定時間発光しないとき、無電極ランプ10の全体構造は冷却され、第一の大径部22と第一の金属部材40との間には隙間が存在し、第二の大径部32と第二の金属部材50との間には隙間が存在する。
【0024】
オプションで、発光部13が別の所定時間継続して発光するとき、無電極ランプ10の全体構造は膨張し、温度上昇により、第一の大径部22と第一の金属部材40との間には隙間が存在しなく、第二の大径部32と第二の金属部材50との間には隙間が存在しなく、それによって、振動及び動きが更に軽減されることができる。
【0025】
図4は、図3の無電極ランプ照明装置の別の例を示す部分断面図である。図4に示すように、この例は、第一のランプスリーブ20は下部24を更に含むという違いを除いて、図3と同様である。下部24は第一の大径部22から離れた第一の小径部21の一端を密閉し、それによって、貫通穴23が止まり穴になる。実際の取り付けでは、ロボット又は作業者は、第一の小径部21の下部24が第一の端部11に接触するまで第一のランプスリーブ20を第一の端部11に嵌合し、第二の小径部31の下部34が第二の端部12に接触するまで第二のランプスリーブ30を第二の端部12に嵌合する。しかしながら、輸送中や作業中の振動により、接触関係はわずかに分離した状態になることが理解されている。一例では、第一の小径部21の下部24の厚さは第一の小径部21の周壁25Wの厚さより大きく、第二の小径部31の下部34の厚さは第二の小径部31の周壁35Wの厚さより大きい。したがって、下部の厚い構造により取り付けの停止及び位置決めの機能を提供され、異なる作業者は、ランプスリーブを正しい位置に取り付けることができる。また、ランプスリーブは、第一の端部及び第二の端部を完全に覆い、輸送時の端部との衝突による無電極ランプの破損を防止する。
【0026】
第一のランプスリーブ20及び第二のランプスリーブ30は、それぞれ第一の端部11及び第二の端部12を完全に又は全体的に覆うように構成され、その結果、無電極ランプ10の2つの端部は第一の金属部材40と第二の金属部材50との間に取り付けられて、2つの緩衝端部を形成する。このとき、各緩衝端部には段差がない(外径が急に小さくならない)ため、無電極ランプが歪むことがなく、作業期間中安定した状態を保つことができる。
【0027】
図5は、図4の第一のランプスリーブの変形例を示す断面図である。図5に示すように、下部24には外面取り部24Aがあり、直角部分への応力集中を回避し、第一の小径部21の取り付けを容易にする。
【0028】
図6図7は、図4の第一のランプスリーブの変形例の応用例を示す断面図である。図6に示すように、下部24には内側の面取り部24Bがあり、それによって、貫通穴23が円錐形の止まり穴になる。その結果、第一の端部11は円錐形の止まり穴にしっかりと嵌合して、更に位置決めの効果を実現することができる。この場合、下部24は第一の端部11から分離される。別の例では、しかしながら、第一の下部は第一の端部と直接接触することもできる。別の例では、円錐形の止まり穴は、第一の端部11の外形と適応的に一致するローカル又はグローバル構造であってもよい。図7に示すように、この変形例は、第一の小径部21に円錐形の外壁(外周面25)があるという違いを除いて、図4と同様である。それによって、第一の小径部21は第一の大径部22から第一の小径部21の方向にテーパーが付いている。別の例では、第二の小径部は円錐形の外壁を有することもできる。その結果、第一の小径部及び第二の小径部の円錐形の外壁は、取り付け穴41(図4)及び取り付け穴51(図4)と連携して動作することができ、それによって、無電極ランプ10は、重力と振動下で自動センタリング効果がある。別の例では、円錐形の外壁及び円錐形の止まり穴は同時に存在する必要はなく、個別に存在することもできる。
【0029】
図8から図11は、図4の第一のランプスリーブの変形例を示す側面図である。図8から図11に示すように、これらの例は、第一のランプスリーブ20の第一の小径部21が貫通穴23に接続された少なくとも1つの開口部26を有するという違いを除いて、図4と同様である。すなわち、開口部26は貫通穴23の外周面25上に形成され、外周面25は円錐形の外壁(図7)であってもよいし、円筒形外壁(図6)であってもよい。開口部は円形の穴、楕円形の穴、長方形の穴又は他の形状の穴が含まれるが、これらに限定されない。図8の例では、開口部26は溝である。溝の長手方向は、軸方向であってもよいし、傾斜方向であってもよく、特に限定されない。これにより、第一の小径部21は変形弾性を有し、第一のランプスリーブ20が第一の端部にしっかりと嵌合するときに、第一のランプスリーブ20内の空気を排出することができ、第一のランプスリーブ20が所定の位置に取り付けられない状態を回避することができる。同様に、第二の小径部も少なくとも1つの開口部を有し、これについての詳細な説明は省略する。図9の例では、開口部26は外周面25に容易に形成できる円形の穴である。図10の例では、開口部26は下部24に容易に形成される円形の穴である。開口部26が下部24の中央に形成されている場合、排気をより均一にすることができる。別の例では、開口部は、第一の小径部の遠位端や前部、あるいは小径部の下部に形成されていてもよい。図11の例では、開口部26は、第一の小径部21の下部24及び外周面25を貫通する。この構造により、開口部26を加工する際に、第一の小径部21の下部24から第一の大径部22の方向に切削を実行することができる。また、開口部26は、無電極ランプの組み立て及び製造公差に適応するために、複数の方向に排気及びわずかに変形する能力を有する。
【0030】
図12は、図3の無電極ランプ照明装置のさらに別の例を示す部分断面図である。図12に示すように、ランプスリーブは円錐形の緩衝特徴を有し、第一の小径部21の外周面25は円錐形であり、第一の小径部21は第一の大径部22から第一の小径部21の方向にテーパーが付いている。図13図14は、図12の無電極ランプ照明装置の2つの状態を示す概略図である。図13に示すように、正常な取り付け状態では、第一の円錐形の外周面25は第一の金属部材40と接触し、円錐形の外周面35は第二の金属部材50と接触し、それによって、無電極ランプ10全体のほぼ水平な状態を維持する。図14に示すように、製造公差により振動が発生し、無電極ランプ10が右方向に移動するとき、第一の金属部材40と第二の金属部材50との間の距離が一定であるため、無電極ランプ10全体が傾いたり歪んだりする。しかしながら、重力及び各外周面25、35のテーパーにより、無電極ランプ10全体は自動的に図13のほぼ水平な状態に戻る。したがって、自動的に図13のほぼ水平な状態に戻る効果があり、片側ランプスリーブの異常な摩耗を回避する。
【0031】
図15は、図12の第一のランプスリーブの変形例の応用例を示す断面図である。図15に示すように、この例は貫通穴23が円錐形の貫通穴であるという違いを除いて、図12と同様である。この例では、貫通穴23の周面のスロープは外周面25のスロープより小さい。無電極ランプ10のハウジングはガラス製であるため、製造公差により2つの端部が傾斜している場合であってもよい。したがって、円錐形の貫通穴は円錐形の端部に適応することができ、それによって、第一の端部は円錐形の貫通穴にしっかりと嵌合して、更に位置決めの効果を実現することができる。上記構造は、第一の小径部を使用して管壁を徐々に薄くし、従って柔軟性を提供し、その結果、第一のランプスリーブはできる限り第一の端部に嵌合することができる。別の例では、円錐形の外周面と円錐形の貫通穴とは同時に存在する必要はなく、個別に存在してもよい。別の例では、貫通穴の周面のスロープは外周面のスロープに等しい。したがって、小径部を用いて均一な厚さの管壁を提供することができ、製造工程を容易にする。
【0032】
図16は、図15の第一のランプスリーブの変形例を示す側面図である。図16に示すように、この例は、第一のランプスリーブ20の第一の小径部21は、1つまたは複数の溝(またはスロット)26を有するという違いを除いて、図5と同様である。これらの溝26は貫通穴23に接続され、したがって貫通穴23の円錐壁上に形成される。それによって、第一の小径部21の遠位端は爪状の構造を有する。溝26の長手方向は、軸方向であってもよく、傾斜していてもよく、これに限定されるものではない。したがって、第一の小径部21の遠位端は変形弾性を有し、脱落を防止するために予圧又はガードルを利用して、無電極ランプの第一の端部をしっかりとクランプすることができる。別の例では、第一の小径部21と第一の端部との間にシートを挿入することにより、第一の小径部21の遠位端が膨張して第一の金属部材の取り付け穴にしっかりと嵌合し、脱落も防止することができる。同様に、第二の小径部は1つまたは複数の溝を有することもでき、これについての詳細な説明は省略する。別の例では、溝は遠位端まで延在せず、第一の小径部の中間部に形成されていてもよい。
【0033】
本発明のランプスリーブ構造では、オリジナルの装置構造を変更することなく、無電極ランプのランプポストにランプスリーブが追加され、それによって、ランプポストとオリジナルの金属部材の取り付け穴との間に直接接触がない。また、ランプスリーブは、ランプのランプポストを取り付けるために使用され、使用時に発生する回転(振動)によるランプの破損を軽減することができる。また、取り付け精度及び一貫性を更に増加することができ、作業者による誤差がなく、異なる装置との間の操作差異が生じない。また、円錐形の緩衝特徴は、無電極ランプのほぼ水平な状態を更に維持し、ランプ光源の安定性も維持し、2つのランプスリーブの不均一な摩耗を防ぐことができる。
【0034】
好ましい実施例に関する詳細な説明で提示された具体的な実施例は、本発明の技術的な内容を説明するためのものであり、本発明を上述した実施例に狭く限定するのではない。本発明の思想及び以下の特許請求の範囲を逸脱しない様々な変更は、本願発明の範囲に含まれている。
【符号の説明】
【0035】
D11:外径
D21:外径
D23:口径
D41:直径
10:無電極ランプ
11:第一の端部
12:第二の端部
13:発光部
20:第一のランプスリーブ
21:第一の小径部
22:第一の大径部
23:貫通穴
24:下部
24A:外面取り部
24B:内側の面取り部
25:外周面
25W:周壁
26:開口部/溝
30:第二のランプスリーブ
31:第二の小径部
32:第二の大径部
35:外周面
35W:周壁
40:第一の金属部材
41:取り付け穴
50:第二の金属部材
51:取り付け穴
100:無電極ランプ照明装置
110:電源
120:マグネトロン
130:テストオブジェクト配置領域
140:電力検出器
200:無電極ランプ照明システム
図1
図2
図3
図4
図5
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