(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-21
(45)【発行日】2025-05-29
(54)【発明の名称】作業車両の動作を制御するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A01B 59/042 20060101AFI20250522BHJP
【FI】
A01B59/042 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022008792
(22)【出願日】2022-01-24
【審査請求日】2024-06-24
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ゼルビーノ,ファルヴィオ
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0058637(US,A1)
【文献】特開2019-176760(JP,A)
【文献】特開2003-061454(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0112729(US,A1)
【文献】特開2004-159574(JP,A)
【文献】欧州特許第02745674(EP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 59/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(20)の動作を制御するためのシステム(10)であって、
該車両は、作業機(40)と一緒に作動するように構成され、
該作業機は、作業機能を実行するように構成され、
該車両(20)と通信するように、且つ、該作業機(40)の作業機能の遂行を制御するように構成された作業機電子制御ユニット(42)と、
該作業機(40)と通信するように、且つ、該車両(20)の動作を制御するように構成された車両電子制御ユニット(22)であって、
該車両(20)の動作を第一のモードで制御し、該第一のモードは、該作業機電子制御ユニット(42)から該車両電子制御ユニットへ送信された第一の信号(44a)によって決定され、
該車両(20)を第二のモードで作動させ、該第二のモードは、該作業機電子制御ユニット(42)から該車両電子制御ユニットに送信された第二の信号(44b)によって決定される、車両電子制御ユニットと、
コマンド(62)を該車両電子制御ユニット(22)へ送信して、該車両(20)を第三のモードで作動させるように構成されたアクチュエータ(60)であって、該第三のモードは、
該第二のモードから該第一のモードへ戻る動作であり、該作業機電子制御ユニット(42)から該車両電子制御ユニットへ送信された第三の信号(44c)によって決定される、アクチュエータと、を備え
、
該作業機(40)による作業機能の遂行が完了したと判断したとき、該作業機電子制御ユニット(42)に、該第三の信号(44c)を該車両電子制御ユニット(22)に送信するように促すシステム。
【請求項2】
該第一の信号(44a)と、該第二の信号(44b)と、該第三の信号(44c)とは、該作業機による作業機能の遂行に対応する、該作業機(40)によって行われた
状態(48)
の判断に基づいて、該作業機電子制御ユニット(42)から該車両電子制御ユニット(22)へ送信される、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項3】
該作業機(40)によって行われた該
状態(48)
の判断は、該作業機に含まれるセンサ(46)によって行われる、請求項2に記載のシステム(10)。
【請求項4】
該センサ(46)によっ
て該状態(48)は、該作業機電子制御ユニット(42)へ送信される、請求項3に記載のシステム(10)。
【請求項5】
該第二のモードは、該車両(20)が、0.00km/h~0.50km/hの範囲内の速度で移動することを含む、請求項1から
4のいずれか1項に記載のシステム(10)。
【請求項6】
該車両(20)の該第一のモードでの動作の速度は、該車両の該第二のモードでの動作の速度よりも速い、請求項1から
5のいずれか1項に記載のシステム(10)。
【請求項7】
該車両(20)の該第三のモードでの動作の速度は、該車両の該第二のモードでの動作の速度よりも速い、請求項1から
6のいずれか1項に記載のシステム(10)。
【請求項8】
車両(20)を制御するための方法であって、
該車両が作業機(40)と一緒に作動するように構成され、
該作業機が作業機能を実行するように構成され、
第一の信号(44a)を該作業機(40)から該車両(20)へ伝えることと、
該車両(20)を第一のモードで作動させることであって、該第一のモードは、該作業機(40)から該車両に送信された該第一の信号(44a)によって決定されることと、
第二の信号(44b)を該作業機(40)から該車両(20)に伝えることと、
該車両(20)を第二のモードで作動させることであって、該第二のモードは、該作業機(40)から該車両に送信された該第二の信号(44b)によって決定されることと、
第三の信号(44c)を該作業機(40)から該車両(20)に伝えることと、
該車両(20)を第三のモードで作動させるコマンド(62)を実行することであって、該第三のモードは、
該第二のモードから該第一のモードへ戻る動作であり、該作業機(40)から該車両に送信された該第三の信号(44c)によって決定されることと、を含
み、
該第三の信号(44c)を伝えることは、該車両(20)を該第三のモードで作動させる要求(24)を該車両に送信するように促すことを含む方法。
【請求項9】
車両(20)を制御するための方法であって、
該車両が作業機(40)と一緒に作動するように構成され、
該作業機が作業機能を実行するように構成され、
第一の信号(44a)を該作業機(40)から該車両(20)へ伝えることと、
該車両(20)を第一のモードで作動させることであって、該第一のモードは、該作業機(40)から該車両に送信された該第一の信号(44a)によって決定されることと、
第二の信号(44b)を該作業機(40)から該車両(20)に伝えることと、
該車両(20)を第二のモードで作動させることであって、該第二のモードは、該作業機(40)から該車両に送信された該第二の信号(44b)によって決定されることと、
第三の信号(44c)を該作業機(40)から該車両(20)に伝えることと、
該車両(20)を第三のモードで作動させるコマンド(62)を実行することであって、該第三のモードは、該第二のモードから該第一のモードへ戻る動作であり、該作業機(40)から該車両に送信された該第三の信号(44c)によって決定されることと、を含み、
該第三の信号(44c)を伝えることは、
該作業機(40)が、該作業機(40)による作業機能の完了に関する該作業機(40)の状態(48)を判断し、該状態(48)の情報を提供することを含む方法。
【請求項10】
該車両(20)を該第一のモードで作動させることは、該車両を、該車両の該第二のモードでの動作の速度よりも速い速度で作動させることを含む、請求項
8又は
9に記載の方法。
【請求項11】
該車両(20)を該第三のモードで作動させることは、該車両を、該車両の該第二のモードでの動作の速度よりも速い速度で作動させることを含む、請求項
8から
10のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、作業車両の分野に関する。より具体的には、該本開示は、作業機と共同した作業車両の動作を制御するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
作業車両、例えば、トラクターは、典型的には、農作業を実行するためにおよび/または行うために、一つ以上の作業機、例えば、農機具と一緒に作動される。したがって、該作業車両は、意図した形態の農作業、例えば、土壌耕運、種まき、施肥、灌漑、収穫および/または干し草作りを実行するためにおよび/または行うために、該作業機とともに改良および/またはカスタマイズすることができる。
【0003】
このような作業車両と作業機の組合せにおいては、多くの場合、異なる製造会社の作業車両と作業機が互いに組合せられることが一般的である。したがって、異なる製造会社の作業車両と作業機の接続および互換性が可能であることが既に公表および確立されている。したがって、制御エリアネットワーク(control area network:CAN)に基づく国際規格ISO 11783(ISOBUS)が、農産業のための通信プロトコルとして既に開発されている。具体的には、ISO 11783は、作業車両と作業機の間で、該作業車両および/または該作業機の動作に関する情報をやり取りするための通信プロトコルを定義している。
【0004】
また、現代の多くの作業車両および作業機は、典型的には、TIM(tractor implement management)システムも含んでいる。該TIMシステムは、作業機が、該作業機の、および逆もまた同様である、特定の動作および/または機能を制御することを可能にする、製造会社間の農業技術システムのためのISOBUSベースのソリューションである。より具体的には、該TIMシステムは、該作業機が、例えば、該作業車両の自動速度制御を実行するために、該作業機からの制御信号を該作業車両によって受信できるように、該作業車両と作業機の間の双方向通信を可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、該作業機が該作業車両の速度を自動的に制御する、作業車両と作業機の組合せにおいては、該作業車両および作業機の組合せのユーザは、該作業車両の該速度を手動で制御する能力を失う可能性がある。該ユーザによる該作業車両の該速度の手動制御の欠如は、農作業を実行する際に、該ユーザから適切な見過ごしを奪う可能性が有り、および/または安全でない状況を引き起こす可能性がある。
【0006】
作業機と、該作業機による作業車両の動作の制御との間の媒介手段および/または安全装置を含む、該作業車両の該動作を制御するための改良されたシステムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
該本開示の態様によれば、車両の動作を制御するためのシステムが提供され、該車両は、作業機と一緒に作動するように構成され、該作業機は、作業機能を実行するように構成され、該車両と通信するように、且つ、該作業機の作業機能の遂行を制御するように構成された作業機電子制御ユニットと、該作業機と通信するように、且つ、該車両の動作を制御するように構成された車両電子制御ユニットであって、該車両の動作を第一のモードで制御するように構成され、該第一のモードは、該作業機電子制御ユニットから該車両電子制御ユニットへ送信された第一の信号によって決定され、該車両を第二のモードで作動させるように構成され、該第二のモードは、該作業機電子制御ユニットから該車両電子制御ユニットに送信された第二の信号によって決定される、車両電子制御ユニットと、コマンドを該車両電子制御ユニットへ送信して、該車両を第三のモードで作動させるように構成されたアクチュエータであって、該第三のモードは、該第二のモードから該第一のモードへ戻る動作であり、該作業機電子制御ユニットから該車両電子制御ユニットへ送信された第三の信号によって決定される、アクチュエータと、を備え、該作業機による作業機能の遂行が完了したと判断したとき、該作業機電子制御ユニットに、該第三の信号を該車両電子制御ユニットに送信するように促す。
【0008】
該本開示の態様によれば、該第一の信号と、該第二の信号と、該第三の信号とは、該作業機による作業機能の遂行に対応する、該作業機によって行われた状態の判断に基づいて、該作業機電子制御ユニットから該車両電子制御ユニットへ送信される。
【0009】
該本開示の態様によれば、該作業機によって行われた該状態の判断は、該作業機に含まれるセンサによって行われる。
【0010】
該本開示の態様によれば、該センサによって該状態は、該作業機電子制御ユニットへ送信される。
【0011】
【0012】
該本開示の態様によれば、該第二のモードは、該車両が、0.00km/h~0.50km/hの範囲内の速度で移動することを含む。
【0013】
該本開示の態様によれば、該車両の該第一のモードでの動作の速度は、該車両の該第二のモードでの動作の速度よりも速い。
【0014】
該本開示の態様によれば、該車両の該第三のモードでの動作の速度は、該車両の該第二のモードでの動作の速度よりも速い。
【0015】
該本開示の態様によれば、車両を制御するための方法が提供され、該車両は、作業機と一緒に作動するように構成され、該作業機は、作業機能を実行するように構成され、第一の信号を該作業機から該車両へ伝えることと、該車両を第一のモードで作動させることであって、該第一のモードは、該作業機から該車両に送信された該第一の信号によって決定されることと、第二の信号を該作業機から該車両に伝えることと、該車両を第二のモードで作動させることであって、該第二のモードは、該作業機から該車両に送信された該第二の信号によって決定されることと、第三の信号を該作業機から該車両に伝えることと、該該第二のモードから該第一のモードへ戻る動作であり、車両を第三のモードで作動させるコマンドを実行することであって、該第三のモードは、該作業機から該車両に送信された該第三の信号によって決定されること、とを含み、該第三の信号を伝えることは、該車両を該第三のモードで作動させる要求を該車両に送信するように促すことを含む。
【0016】
【0017】
該本開示の態様によれば、車両を制御するための方法が提供され、該車両は、作業機と一緒に作動するように構成され、該作業機は、作業機能を実行するように構成され、第一の信号を該作業機から該車両へ伝えることと、該車両を第一のモードで作動させることであって、該第一のモードは、該作業機から該車両に送信された該第一の信号によって決定されることと、第二の信号を該作業機から該車両に伝えることと、該車両を第二のモードで作動させることであって、該第二のモードは、該作業機から該車両に送信された該第二の信号によって決定されることと、第三の信号を該作業機から該車両に伝えることと、該車両を第三のモードで作動させるコマンドを実行することであって、該第三のモードは、該第二のモードから該第一のモードへ戻る動作であり、該作業機から該車両に送信された該第三の信号によって決定されること、とを含み、該第三の信号を伝えることは、該作業機が、該作業機による作業機能の完了に関する該作業機の状態を判断し、該状態の情報を提供することを含む。
【0018】
該本開示の態様によれば、該車両を該第一のモードで作動させることは、該車両を、該車両の該第二のモードでの動作の速度よりも速い速度で作動させることを含む。
【0019】
該本開示の態様によれば、該車両を該第三のモードで作動させることは、該車両を、該車両の該第二のモードでの動作の速度よりも速い速度で作動させることを含む。
【0020】
記載されている方法において、および本願明細書において例示されている態様によれば、車両を制御するための該システムおよび車両を制御するための該方法は、作業機が、該車両の動作のモードを決定するように構成されている車両の動作をユーザが制御する能力を改善するための媒介手段および/または安全装置を提供することが意図されている。その結果として、該システムおよび該方法は、車両と作業機の組合せの該動作における安全性の改善を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
実施形態の態様を、図面を参照して説明するが、ただし、同様の数字は同様の要素を反映するものとする。
【0022】
【
図1】作業車両および作業機の使用時において、車両を制御するためのシステムの側面図である。
【0023】
【
図2】車両を制御するための該システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、該本開示の態様による車両の動作を制御するためのシステムの実施形態を、
図1、
図2を参照して説明するが、ただし、同様の数字は、同様のおよび/または機能的に類似の部材を表すものとする。該システムは、一般に、参照数字10によって示されている。該システム10は、特定の実施例を参照して説明するが、クレームによって定義されている一般的な範囲を越えることなく、それらの実施例に対して変更および変形を行えることを理解すべきである。具体的には、図示されおよび/または本願明細書において述べられている種々の実施形態に関する個々の特徴は、追加的な実施形態において組合せてもよい。その結果として、該説明および該図面は、限定的ではなく例示的であるという意味で考慮すべきである。必ずしも縮尺通りではない該図面は、例示的な態様を示し、および該本開示の該範囲を限定することを意図されていない。図示されている該例示的な態様は、例示を意図しているにすぎない。
【0025】
「例示的な」という用語は、「理想的な形」ではなく「実施例」という意味で用いられている。該本開示の態様は、種々の変更形態および代替的形態に適合しているが、それらの具体例は、該図面において例として示されており、および詳細に説明する。しかし、該本開示の態様を、記載されている具体的な実施形態に限定しようとする意図はないことを理解すべきである。それどころか、この開示の意図は、該本開示の該範囲内にあるすべての変更例、等価物および代替例をカバーすることである。
【0026】
さらに、本願明細書で用いられている言葉は、読解および教育目的のために主に選択されており、および発明の主題を定義するために、または、発明の範囲を定めるために選択されてはない。したがって、該本開示の該開示は、クレームに記載されている該本開示の該範囲を限定しようとするものではなく、例示的であることが意図されている。
【0027】
単数形の「一つの」および「該」は、この開示および添付クレームで用いられる場合、特段の断りのない限り、複数の指示対象を含む。「または」という用語は、この開示および該添付クレームで用いる場合、一般的に、特段の断りのない限り、「および/または」を含むその意味で用いられている。
【0028】
該クレームを含む該説明の全体を通して、「一つを備える」、「一つを含む」および「一つを有する」という用語は、特に指示のない限り、「一つ以上を備える」、「一つ以上を含む」および「一つ以上を有する」と同義であると理解すべきである。さらに、該クレームを含む、該説明に記載されている任意の範囲は、特に指示のない限り、その最端値を含むと理解すべきである。記載されている要素の具体的な値は、当業者には公知の容認された製造公差または産業上の公差の範囲内にあることを理解すべきである、また、「実質的に」、「略」および「一般に」という用語の任意の使用は、このような容認された許容値の範囲内にあることを意味すると理解すべきである。
【0029】
「第一の」、「第二の」等の用語は、本願明細書においては、種々の要素、構成要素、領域、層、部分および/またはパラメータを説明するために用いられている可能性があるが、これらの要素、構成要素、領域、層、部分および/またはパラメータは、それらの用語によって限定すべきではない。これらの用語は、一つの要素、構成要素、領域、層または部分を、別の領域、層または部分と区別するのに用いられているにすぎない。したがって、本願明細書において議論されている第一の要素、構成要素、領域、層または部分は、該本発明の主題の教示から逸脱することなく、第二の要素、構成要素、領域、層または部分を指すことができる。
【0030】
以下の議論から明らかなように、特段の断りのない限り、該説明の全体を通して、「処理する」、「演算する」、「計算する」、「判断する」、「表示する」、「評価する」、「決定する」等の用語を用いた議論は、コンピュータシステムのメモリまたはレジスタあるいは他のそのような情報の記憶装置、伝送装置または表示装置内で、物理的(電気的)量として表されるデータを処理しおよび変換するコンピュータシステムまたは同様の電子計算装置の動作およびプロセスについて言及していることを正しく認識されたい。
【0031】
該本開示のいくつかの態様は、本願明細書に記載されているプロセスステップおよび命令を含む。該本開示の該プロセスステップおよび命令は、ソフトウェア、ファームウェアおよび/またはハードウェアにおいて具体化することができ、およびソフトウェアで具体化した場合には、さまざまなオペレーティングシステムによって用いられている異なるプラットホーム上に存在するようにダウンロードすることができ、および該異なるプラットホームから作動させることができることに留意すべきである。
【0032】
また、該本開示は、本願明細書において議論されている該システム10の該動作を制御するための(本願明細書において、各々が「電子制御ユニット」と呼ばれている)制御装置にも関する。該制御装置は、所要の目的のために具体的に構成することができ、または、該制御装置は、該コンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に作動される、または再構成される汎用コンピュータを備えていてもよい。このようなコンピュータプログラムは、限定するものではないが、フロッピーディスク、光学ディスク、CD-ROM、磁気光学ディスクを含む任意の種類のディスク、読取専用ディスク(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、磁気カードまたは光学カード、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または、電子的命令を格納するのに適し、および各々がコンピュータシステムバスに結合されている任意の種類の媒体等のコンピュータ可読記憶媒体に格納することができる。さらに、本願明細書において言及されている該コンピュータは、単一のプロセッサ、または、増大する演算能力のためにマルチプロセッサデザインを採用するアーキテクチャを含んでもよい。
【0033】
本願明細書において提示されている該コンピュータは、任意の特定のコンピュータまたは他の装置に本質的に関連していない。また、種々の汎用システムを、本願明細書で提示されている態様によるプログラムとともに用いてもよく、または、所要の方法ステップを実行するためのより専用化された装置を構成することが便利であることが実証できる可能性がある。さまざまなそれらのシステムのための該所要の構造は、本願明細書に開示されている該態様から明らかであろう。さらに、該本開示は、任意の特定のプログラム言語に関連して記載されてはいない。本願明細書に記載されているような該本開示の該教示を実施するために、さまざまなプログラム言語を用いることができること、および以下における特定の言語への任意の言及が、使用可能性の開示のために、および該本開示の最良の態様のために記載されていることは正しく認識されるであろう。
【0034】
図1、
図2に示すように、車両の動作を制御するためのシステム(本願明細書において以後、「該システム」という)10が開示されている。該システム10は、方法として説明するおよび/または実施することができることが意図されている。
図1を参照すると、該システム10は、車両20と、一つ以上の機具(本願明細書においては、「作業機」ともいう)40と、一つ以上のアクチュエータ60とを含む。車両20の動作を制御するために、該システム10は、該車両20、該機具40および/または該アクチュエータ60に含めることができるソフトウェアおよび/またはハードウェアに組み込まれるように構成することができる。
【0035】
該開示されている実施形態において、該車両20は、農業用車両および/または作業車両である。具体的には、該開示されている実施形態において、該車両20は、農作業を実行するように構成されたトラクターである。また、該車両20は、該機具40と組合せた使用のために構成されている。さらにまたは代替的に、該車両20は、複数の機具40との使用のために構成することができることが意図されている。しかし、該複数の機具40は、該複数の機具40に関する言及がその他の点で必要でない限り、「該機具40」と呼ぶこととする。該開示されている実施形態において、該機具40は、農業用機械および/または作業機である。具体的には、該開示されている実施形態において、該機具40は、作業機能および/または該農作業を実行するように構成されている。したがって、該機具40は、ベーラー、プラウ、耕作機、播種機、噴霧器、ウインドローア等であってもよい。
【0036】
図1に示すように、該車両20と該機具40との間には、物理的接続部80がある。また、該車両20と該機具40は、情報をやり取りするように構成されている。したがって、該車両20と該機具40は、例えば、ISOBUSと呼ばれ、および制御エリアネットワーク(CAN)に基づいている該国際規格ISO 11783によって通信可能に接続することができる。さらに、該車両20と該機具40は、それぞれ、TIMシステムを含むことができる。本願明細書において言及されているようなTIMシステムは、それぞれが、製造会社が異なる製品であってもよい該車両20と該機具40との間の互換性および双方向通信を可能にするISOBUSベースの農業技術システムであると理解できることが意図されている。該開示されている実施形態において、該車両20のいくつかの動作は、該機具40によって決定される可能性がある。さらにまたは代替的に、該機具40のいくつかの動作は、該車両20によって決定される可能性がある。したがって、該TIMシステムは、双方向通信を容易にするように構成されている。該TIMシステムを考慮すると、該車両20は、「リソースプロバイダ」として理解することができ、および/または本願明細書において「リソースプロバイダ」と呼ぶことができ、および該機具40は、「リソースマネージャ」として理解することができ、および/または本願明細書において「リソースマネージャ」と呼ぶことができる。さらに、該車両20は、TIM機能のオーナーとして理解することができ、またそれにより、本願明細書において「TIMサーバー」と呼ぶことができる。また、該機具40は、TIMコマンドの生成器として理解することができ、またそれにより、本願明細書において「TIMクライアント」と呼ぶことができる。該開示されている実施形態において、該アクチュエータ60は、該車両20と該機具40の間の該双方向通信の媒介手段および/または安全装置として機能するように構成されている。このようにして、該システム10は、TIMシステムを用いた農作業の完了における安全性の向上を可能にする。
【0037】
図2に示すように、該機具40は、該車両20と組合せて機能するように構成されている。この目的のために、該機具40は、該車両20と通信するように構成されている。該開示されている実施形態において、該機具40は、(「機具電子制御システム」または「第一の電子制御ユニット」として理解され、および/または本願明細書において「機具電子制御システム」または「第一の電子制御ユニット」とも呼ばれる)一つ以上の機具電子制御ユニット(ECU)42を含む。該機具ECU42は、該車両20と通信するように構成されている。具体的には、該機具ECU42は、(以下でさらに説明する)該車両20に含まれる車両電子制御ユニット22と通信するように構成されている。このようにして、該機具ECU42は、信号44a、44b、44cを該車両20に送信するように構成されている。該機具ECU42は、該信号44a、44b、44cを、有線接続、無線接続、または、該システム10と互換性のある、情報を送信する他の何らかの方法を介して、該車両20に送信することが意図されている。また、該機具ECU42は、該機具40によって実行される一つ以上の作業機能の遂行を制御するように構成されている。本願明細書で用いられている「作業機能」という用語は、梱包、耕起、耕運、噴霧、刈取等の農作業活動として理解できることが意図されている。
【0038】
図1、
図2を参照すると、該機具40は、該機具ECU42と通信するように構成された一つ以上のセンサ46を含む。該開示されている実施形態において、該センサ46は、該機具40による該作業機能の完了に関する該機具40の状態48(本願明細書では、「機具状態情報48」および/または「作業機状態情報48」ともいう)を判断するように構成されている。該センサ46は、該機具状態情報48を該機具ECU42に提供するように構成されている。該機具ECU42は、該機具状態情報48に応じて、信号44a、44b、44cを該車両20に送信するように構成されている。このようにして、該車両20のいくつかの動作は、該機具40によって決定される。
【0039】
さらにまたは代替的に、該信号44a、44b、44cの送信は、該車両20および/または該機具40に含まれる内部タイマー(図示せず)によって促すことができることが意図されている。さらにまたは代替的に、該信号44a、44b、44cは、該車両20によって該機具40に伝えられる、該車両20の特定の特徴および/または機能に関連する測定値(例えば、該車両20の速度、該車両20の油圧、該車両20のヒッチ点位置、該車両20のパワーテイクオフ(power take-off:PTO)rpm等)に基づいて促すことができることが意図されている。該TIMシステムにおいては、該車両20の特徴および/または機能に関連する上述した測定値を、該車両20によって該機具40に継続的に伝えることができることが意図されている。さらにまたは代替的に、該車両20の特徴および/または機能に関連する該上述した測定値は、該車両20の該特徴および/または機能とは無関係に、該車両20によって該機具40に伝えることができることが意図されている。また、該車両20の特徴および/または機能に関連する該測定値は、該機具40によって継続的に読み取ることができる。該機具40による該測定値の読取りは、該機具40に該信号44a、44b、44cを送信するように促すことができる。このようにして、該車両20のいくつかの動作は、該車両20の特徴および/または機能に関連する測定値によって決定することができる。
【0040】
図2に示すように、該車両20は、該機具40とともに動作するようにも構成されている。この目的のために、該車両20は、該機具40と通信するように構成されている。該開示されている実施形態において、該車両20は、一つ以上の車両電子制御ユニット(ECU)22(「車両電子制御システム」および/または「第二の電子制御ユニット」としても理解され、および/または本願明細書において「車両電子制御システム」および/または「第二の電子制御ユニット」と呼ばれてもいる)を含む。該車両ECU22は、該機具40と通信するように構成されている。具体的には、該車両ECU22は、該機具ECU42と通信するように構成されている。さらに、該機具ECU42は、該車両ECU22と通信するように構成されている。また、該車両ECU22は、該車両20の動作を制御するように構成されている。該開示されている実施形態において、該車両ECU22は、該車両20の動作のモードを制御するように構成されている。さらにまたは代替的に、該車両20の該動作のモードは、表面のおよび/または表面に沿った該車両20の速度の制御を含んでもよいことが意図されている。さらに、該車両20の該動作のモードは、該センサ46によって取得された該機具状態情報48に依拠してもよい。該開示されている実施形態において、該車両20は、該車両20が通常の動作速度で移動することを含む動作の第一のモードと、該車両20を停止して作動させることを含んでもよい動作の第二のモードと、該車両20が、通常の動作速度に戻ることおよび/または該通常の動作速度で移動することを含んでもよい動作の第三のモードとを有することができる。「通常の動作速度」という該用語は、停止よりも速くおよび/または動作の該第二のモードにおける該車両20の動作の速度よりも速い任意の速度として理解することができることが意図されている。さらに、「停止」という該用語は、該車両20の動きが止まっているおよび/または実質的に止まっている状態として理解できることが意図されている。さらにまたは代替的に、「停止」は、バイスタンダーが、該車両20および/または該機具40の動きを明確に検知することができない任意の速度として理解できることが意図されている。本願明細書において該システム10を説明するために、該車両20の動作の三つのモードが開示されているが、該システム10は、三つのモードよりも多いまたは三つのモードよりも少ない該車両20の動作を含んでもよいことを理解すべきである。
【0041】
図2に示すように、該機具ECU42は、第一の信号44a、第二の信号44bおよび第三の信号44cを該車両ECU22に送信するように構成することができる。該第一の信号44a、第二の信号44bおよび第三の信号44cは、それぞれ、該センサ46によって取得された該機具状態情報48に依拠することができ、および/または該情報に関連付けることができる。さらにまたは代替的に、該第一の信号44a、該第二の信号44bおよび該第三の信号44cは、該車両20および/または該車両ECU22から該機具40に伝えることができる、該車両20の特徴および/または機能に関連する測定値に依拠するおよび/または関連付けることができる。しかし、本願明細書において、該車両20の該特徴および/または機能に関連する該測定値に対する該第一の信号44a、該第二の信号44bおよび該第三の信号44cの依拠および/または関連付けは、該車両の該特徴および/または機能に関連する該測定値に関する議論がその他の点で必要でない限り、該センサ46によって取得された該機具状態情報48に関連して説明する。さらに、該第一の信号44a、該第二の信号44bおよび該第三の信号44cは、該車両20の動作の該第一のモード、該車両20の動作の該第二のモードおよび該車両20の動作の該第三のモードにそれぞれ対応するように構成されている。本願明細書においては、該第一の信号44a、該第二の信号44bおよび該第三の信号44cが開示されているが、該システム10は、三つの信号44a、44bおよび44cよりも多い使用および/または三つの信号44a、44bおよび44cよりも少ない使用を含んでもよいことを理解すべきである。
【0042】
該機具ECU42によって該車両ECU22に送信された該第一の信号44aに対応して、該車両ECU22は、該車両20の動作を該第一のモードで制御するように構成されている。該第一の信号44aは、該センサ46による該機具状態情報48の第一の決定に依拠する。該開示されている実施形態において、該第一のモードは、該車両20を通常の動作速度で作動させることを含む。したがって、該第一のモードでの該車両20の動作は、該第二のモードでの該車両20の動作の速度よりも速い速度での該車両20の動作を含む。より具体的には、該第一のモードは、該車両20の動作の該第二のモードの選択された上限速度と、20.00km/hとの間の速度の範囲内の速度での該車両20の動作を含んでもよい。さらにまたは代替的に、該第一のモードは、0.11km/hと20.00km/hとの間の速度の範囲内の速度での該車両20の動作を含んでもよいが、好ましくは、約5.00km/hの速度での該車両20の動作を含んでもよい。該第一のモードでの該車両20の該動作の速度は、一定の速度または可変速度とすることができることが意図されている。該第一のモードで該車両20を作動させることは、該機具40が、該機具状態情報48に基づいていてもよい第一の作業機能を実行することを可能にする。該第一の作業機能は、該車両20が、該第一のモードの該速度で作動されているときに、必要である可能性が有り、および/またはより効率的に実行することができることが意図されている。例えば、
図1に示すように、該機具40は、ベーラーとすることができ、および該第一の作業機能は、材料をウィンドロウに沿って集めることができる。このようにして、該第一の作業機能は、該第一のモードにおける該車両20の動作とともに実行される。さらに、このようにして、該車両20の動作は、該機具40によって行われた判断に依拠することができる。
【0043】
図2に示すように、該第一のモードでの該車両20の動作中に、該センサ46は、該機具状態情報48の第二の判断を該機具ECU42に提供することができる。該機具ECU42は、該センサ46からの該機具ECU42による該機具状態情報48の該第二の判断の受信時に、該第二の信号44bを該車両ECU22に送信するように構成されている。該車両ECU22は、該機具ECU42によって該車両ECU22に送信された該第二の信号44bに対応して、該車両20の動作を該第二のモードで制御するように構成されている。該開示されている実施形態において、該車両20の該第二のモードでの動作は、該車両20の停止での動作を含む。したがって、該車両20の該第二のモードでの動作は、該車両20を、該車両20の該第一のモードでの動作の速度よりも遅い速度で作動させることを含む。より具体的には、該第二のモードは、0.00km/hと、該第二のモードの選択された上限速度との間の速度の範囲内の速度での該車両20の動作を含んでもよい。該開示されている実施形態において、該第二のモードの該選択された上限速度は、0.00km/hと0.50km/hとの間の速度の範囲内の速度とすることができるが、好ましくは、0.00km/hと0.10km/hとの間の速度の範囲内の速度とすることができる。該第二のモードでの該車両20の該動作の速度は、一定の速度または可変速度とすることができることが意図されている。該車両20を該第二のモードで作動させることは、該機具40が、該機具状態情報48に基づくことができる第二の作業機能を実行することを可能にする。該開示されている実施形態において、該第二の作業機能は、該車両20が該第一のモードで作動されているときに実行される該作業機能と異なっていてもよい。該第二の作業機能は、該車両20が、該第二のモードの該速度で作動されているときに、必要である可能性が有り、および/またはより効率的に実行することができることが意図されている。例えば、
図1に示すように、該機具40は、ベーラーとすることができ、および該第二の作業機能は、集めた材料から成るベール90をラッピングすること、および集めた材料から成るベール90を解放することとすることができる。この実施例では、該センサ46が、閾値量の材料が既に集められているという第二の判断を行い、および該機具状態情報48を該機具ECU42に提供した後に、該第二の信号44bが、該車両20を該第二のモードで作動させるために送信される。そして、該機具40は、集められた材料から成るベール90をラッピングして、該第二のモードでの該車両20の動作中に、該集められた材料から成るベール90を解放することができる。このようにして、該第二の作業機能が、該第二のモードでの該車両20の動作とともに実行される。さらに、このようにして、該車両20の動作は、該機具40によって行われた判断に依拠することができる。
【0044】
該機具40が該第二の作業機能を実行した後、該センサ46は、該機具状態情報48の第三の判断を該機具ECU42に提供することができる。該機具ECU42は、該センサ46からの該機具ECU42による該機具状態情報48の該第三の判断の受信時に、第三の信号44cを該車両ECU22に送信するように構成されている。該車両ECU22は、該機具ECU42によって該車両ECU22に送信された該第三の信号44cに対応して、該第三のモードで該車両20の動作を制御するように構成されている。該第三のモードは、該第一のモードと実質的に同様および/または同じであってもよいことが意図されている。該第三の信号44cは、該機具ECU42から該車両ECU22に送信される、該車両20を該第三のモードで作動させ、および/または該車両20の通常の動作速度を再開させるための促しとして機能することができる。さらにまたは代替的に、該第三の信号44cは、該車両ECU22から該アクチュエータ60に送られる、該車両20を該第三のモードで作動させ、および/または該車両20の通常の動作速度を再開させるための要求24を促すように機能することができる。したがって、該要求24がユーザによって認識されるまで、該車両20は、依然として該第二のモードで作動されている。該開示されている実施形態において、該第三のモードでの該車両20の動作の速度は、該第二のモードでの該車両20の動作の速度よりも速い。さらにまたは代替的に、該第三のモードでの該車両20の動作の速度は、該第一のモードでの該車両20の動作の速度に等しくてもよい。より具体的には、該第三のモードは、該車両20の動作の該第二のモードの選択された上限速度と、20.00km/hとの間の速度の範囲内の速度での該車両20の動作を含んでもよい。さらにまたは代替的に、該第一のモードは、0.11km/hと20.00km/hとの間の速度の範囲内の速度での該車両20の動作を含んでもよいが、好ましくは、約5.00km/hの速度での該車両20の動作を含んでもよい。該第三のモードでの該車両20の該動作の速度は、一定の速度または可変速度とすることができることが意図されている。該車両20を該第三のモードで作動させることは、該機具40が、該第一の作業機能および/または該第二の作業機能とは異なる作業機能の遂行を再開することを可能にする。該機具40がベーラーであり、および該第一の作業機能が、材料をウィンドロウに沿って集めることである該実施例においては、該センサ46が、該集められた材料が集められた材料の該閾値量以下であるという第三の判断を行った後に、該第三の信号44cが、該車両20を該第三のモードで作動させるために送信される。そして、該機具20は、材料を該ウィンドロウに沿って集めることを再開することができる。このようにして、該第一の作業機能および/または該第二の作業機能とは異なる作業機能が、該車両20の該第三のモードでの動作とともに実行される。さらに、このようにして、該車両20の動作は、該機具40によって行われた判断に依拠することができる。
【0045】
該開示されている実施形態の
図1、
図2に示すように、該アクチュエータ60は、該車両20と該機具40との間の媒介手段および/または安全装置として機能するように構成することができる。より具体的には、該アクチュエータ60は、該機具ECU42から該車両ECU22に送信される該第三の信号44c間の媒介手段および/または安全装置として機能するように構成することができる。さらにまたは代替的に、該アクチュエータ60は、該車両20を該第二のモードで作動させることと、該車両20を該第三のモードで作動させることとの間の媒介手段および/または安全装置として機能するように構成することができる。したがって、該アクチュエータ60は、ユーザが、該機具ECU42から該車両ECU22に送信された該第三の信号44cに対応する確認応答62(本願明細書では、「入力」および/または「コマンド」ともいう)を、および/または該車両ECU22によって該アクチュエータ60に送られる該要求24を送信して、該車両20を該第三のモードで作動させること、および/または該車両20を通常の動作速度に戻すことを可能にするように構成することができる。したがって、該車両20は、該第二のモードで保持することができ、およびユーザが該アクチュエータ60を作動させるまで、該第三のモードで作動させることができない。この目的のために、該アクチュエータ60を該車両ECU22に含ませることができる。さらにまたは代替的に、該アクチュエータ60は、該車両ECU22と通信するように構成されている、該車両20の独立した制御装置に含ませてもよい。したがって、該開示されている実施形態において、該アクチュエータ60は、ソフトウェアに、該車両ECU22に対する該ユーザによる入力62を実行させる操作端末(図示せず)に含ませてもよい。該操作端末が、ディスプレイ、例えば、タッチパネルディスプレイを含んでもよいことが意図されている。該操作端末は、農作業に対応する情報を表示することを可能にする。さらにまたは代替的に、該操作端末は、必要な情報(例えば、それぞれ該車両20の現在の動作状態および該機具状態情報48)を表示してもよく、このこともまた、該車両20および該機具40のそれぞれに対する該ユーザによる該入力62および/または命令を可能にする。該開示されている実施形態において、該アクチュエータ60は、機械型ボタン、静電容量式タッチセンサ型ボタン/ユーザインタフェース(UI)ボタン、音声認識型制御部、または、該車両ECU22および/または該操作端末と通信するように構成されたジェスチャー認識型制御部とすることができる。さらにまたは代替的に、該アクチュエータ60は、該車両ECU22および/または該操作端末と通信するように構成されたペダルであってもよい。このようにして、該アクチュエータ60は、該車両が停止から通常の動作速度に戻るための、該ユーザからの入力の要求を可能にする。その結果として、該アクチュエータ60は、該システム10が、作業機能を実行する際の追加的な安全性を与えることを可能にする。
【0046】
該開示されている実施形態において、該機具ECU42から該車両ECU22への該第三の信号44cの送信時に、該操作端末上に促しを表示してもよい。さらにまたは代替的に、該機具ECU42から該車両ECU22への該第三の信号44cの送信時に、該ユーザは、該車両20を該第三のモードで作動させるためにおよび/または該車両20を通常の動作速度に戻すために、該第三の信号44c(および/または該要求24)の該確認応答62を該車両ECU22に送信してもよい。該ユーザは、該アクチュエータ60を作動させることにより、該車両20を該第三のモードで作動させるためにおよび/または該車両20を通常の動作速度に戻すために、該確認応答62を該車両ECU22に送信してもよい。該開示されている実施形態において、該ユーザは、該車両20を該第三のモードで作動させるためにおよび/または該車両20を通常の動作速度に戻すために、該アクチュエータ60のタイプにより適切な動作を実行することによって該アクチュエータ60を作動させて、該要求24の該確認応答62を送信してもよい。具体的には、該要求24の該確認応答62を送信して、該車両20を該第三のモードで作動させるためにおよび/または該車両20を通常の動作速度に戻すために、該ユーザは、加速の1%~25%の範囲内である程度、好ましくは、加速の5%、ボタンおよび/またはペダルを押すことができる。さらにまたは代替的に、該要求24の該確認応答62を送信して、該車両20を該第三のモードで作動させるためにおよび/または該車両20を通常の動作速度に戻すために、該ユーザは、該0.025s~1sの範囲内の時間、好ましくは、0.100sの間、該ボタンおよび/または該ペダルを押してもよい。該車両ECU22は、該車両ECU22による該アクチュエータ60からの該要求24の該確認応答62および/または該第三の信号44cの受信時に、該車両20を該第三のモードで作動させるように構成されている。このようにして、該ユーザは、該車両20を停止から通常の動作速度に手動で戻すことが可能であり、それにより、TIMシステムを用いた農作業を完了する際の該ユーザの見過ごしおよび安全性が改善される。
【0047】
本願明細書において、該本開示を特定の実施形態に関連して説明してきたが、それらの実施形態は、該本開示の原理および適用に関する例示にすぎないことを理解すべきである。
【0048】
本明細書および実施例は、以下のクレームによって示されている該本開示の真の範囲に対する例示にすぎないと考えられることが意図されている。
【0049】
さらに、該システムの該開示されている形状構成のすべては、単独でまたは組合せて、方法および/または装置に置き換えてもよく、逆もまた同様である。