(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-21
(45)【発行日】2025-05-29
(54)【発明の名称】ビデオ伸び計システム及び方法のための厚さ補正
(51)【国際特許分類】
G01N 3/06 20060101AFI20250522BHJP
【FI】
G01N3/06
(21)【出願番号】P 2022581351
(86)(22)【出願日】2021-04-16
(86)【国際出願番号】 US2021027825
(87)【国際公開番号】W WO2022005553
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2024-01-29
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン ジェイ.ヘール
(72)【発明者】
【氏名】エイドリアン チャールズ リディック
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アシュマン
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス フランシスコ サレルノ
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-226884(JP,A)
【文献】登録実用新案第3180646(JP,U)
【文献】特開平11-248428(JP,A)
【文献】特開平10-221027(JP,A)
【文献】特開2002-323419(JP,A)
【文献】特開2005-031039(JP,A)
【文献】特開2013-170831(JP,A)
【文献】特表2017-530335(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 3/06~3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験試料の可変の厚さを補正する方法であって、前記方法は、
処理システムを介して、撮像デバイスと試験システムに関連する較正平面との間の較正距離を決定することと、
インターフェースを介して、試験試料の厚さを受信すること
であって、前記厚さは、前記試験試料の第1の表面と第2の表面との間の距離に相当し、前記第1の表面が前記撮像デバイスからの第1の距離になるとともに前記第2の表面が前記撮像デバイスからの第2の距離になるように、前記試験試料が配置されることと、
前記処理システムを介して、前記較正距離と、測定平面と前記較正平面との差に相当する補正距離とに部分的に基づいて、補正係数を算出すること
であって、前記補正距離は、前記厚さの2分の1に相当することと、
前記撮像デバイスを介して、前記試験試料の
前記第1の表面
の上のマーキング、又は前記試験試料のシルエットのうちの1つ以上を撮像して、前記試験試料の1つ以上の特性を測定することであって、前記試験試料の前記
第1の表面は、前記測定平面に対応し、前記測定平面は、
前記補正距離だけ前記較正平面からオフセットされていることと、
前記
処理システムを介して、前記試験試料の前記1つ以上の特性の測定値に補正係数を適用することにより、1つ以上の補正された特性を生成することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記処理システムを介して、前記撮像デバイスと前記試験試料の前記
第1の表面との間の
測定距離を、前記較正距離と前記試験システムの中心線に対する前記較正平面のオフセットとの合計から、前記厚さの2分の1を引いたものと等しいものとして算出することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記処理システムを介して、前記撮像デバイスと前記試験試料の前記
第1の表面との間の
測定距離を、前記較正距離から前記厚さの2分の1を引いたものと等しいものとして算出することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記較正平面は、前記厚さの中心と同一平面上にある、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
センサーを介して、前記撮像デバイスと前記試験試料の前記
第1の表面との間の
測定距離を感知することと、
前記インターフェースを介して、前記センサーから、前記測定距離を前記
処理システムに送信することと、
前記
処理システムを介して、前記較正平面と前記測定距離に対応する前記測定平面との差に基づいて、前記補正係数を生成することと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記センサーは、赤外センサー、発光ダイオードセンサー、超音波センサー、又はレーザーによるセンサーである、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上の特性は、前記マーキングの形状若しくは位置、前記試験試料のエッジ位置、又は前記試験試料の幅のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記補正係数は、ミリメートル、インチ、又は画素単位のうちの1つで表される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記撮像デバイスは、単一ビューカメラである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
試験試料の可変の厚さを補正するシステムであって、前記システムは、
試験試料を固定する、試験システムと、
前記試験試料に対して
、照明されるスクリーンの反対側に配置され、前記試験試料の画像をキャプチャーするように構成された、撮像デバイスと、
処理システムであって、
撮像デバイスと前記試験システムに関連する較正平面との間の較正距離を決定することと、
試験試料の厚さを受信すること
であって、前記厚さは、前記試験試料の第1の表面と第2の表面との間の距離に相当し、前記第1の表面が前記撮像デバイスからの第1の距離になるとともに前記第2の表面が前記撮像デバイスからの第2の距離になるように、前記試験試料が配置されることと、
前記較正距離と、測定平面と前記較正平面との差に相当する補正距離とに部分的に基づいて、補正係数を算出すること
であって、前記補正距離は、前記厚さの2分の1に相当することと、
前記試験試料の
前記第1の表面
の上のマーキング又は
照明されるスクリーン上に形成された前記試験試料のシルエットのうちの1つ以上を撮像して、前記試験試料の1つ以上の特性を測定することであって、前記試験試料の前記
第1の表面は、前記測定平面に対応し、前記測定平面は、
前記補正距離だけ前記較正平面からオフセットされていることと、
前記試験試料の前記1つ以上の特性の測定値に補正係数を適用することにより、1つ以上の補正された特性を生成することと、
を行う、処理システムと、
を含む、システム。
【請求項11】
前記試験試料は、照明されるスクリーンと前記撮像デバイスとの間に配置される、請求項
10に記載のシステム。
【請求項12】
コンピューティングデバイス又はセンサーと通信するユーザーインターフェース又はネットワークインターフェース
を更に含む、請求項
10に記載のシステム。
【請求項13】
前記
処理システムが、前記試験システム又は前記撮像デバイスのうちの1つ以上と通信するリモートコンピューティングプラットフォームに配置されている、請求項
10に記載のシステム。
【請求項14】
前記
処理システムが、前記撮像デバイス又は前記試験システムのうちの1つと一体化されている、請求項
10に記載のシステム。
【請求項15】
前記撮像デバイスは、単一ビューカメラである、請求項
10に記載のシステム。
【請求項16】
前記撮像デバイスは、2つ以上のカメラである、請求項
10に記載のシステム。
【請求項17】
前記撮像デバイスは、前記スクリーン又は前記試験試料から反射された偏光又は赤外光をキャプチャーするように構成され、前記スクリーンは、光を反射して、エッジ解析用の前記試験試料のダークシルエットを生成する、請求項
10に記載のシステム。
【請求項18】
試験試料の可変の厚さを補正するシステムであって、
試験プロセス中に、試験試料の撮像デバイスから画像を受信することであって、前記撮像デバイスは、前記試験試料に対して反射スクリーンの反対側に配置されたことと、
前記撮像デバイスと
、前記試験試料を固定する、試験システムに関連する較正平面との間の較正距離を決定することと、
試験試料の厚さを受信すること
であって、前記厚さは、前記試験試料の第1の表面と第2の表面との間の距離に相当し、前記第1の表面が前記撮像デバイスからの第1の距離になるとともに前記第2の表面が前記撮像デバイスからの第2の距離になるように、前記試験試料が配置されることと、
前記較正距離と、測定平面と前記較正平面との差に相当する補正距離とに部分的に基づいて、補正係数を算出すること
であって、前記補正距離は、前記厚さの2分の1に相当することと、
前記試験試料の
前記第1の表面
の上のマーキング、又は前記試験試料のシルエットのうちの1つ以上を撮像して、前記試験試料の1つ以上の特性を測定することであって、前記試験試料の前記
第1の表面は、前記測定平面に対応し、前記測定平面は、
前記補正距離だけ前記較正平面からオフセットされていることと、
前記試験試料の前記1つ以上の特性の測定値に補正係数を適用することにより、1つ以上の補正された特性を生成することと、
を行うように構成される、処理システムを含む、システム。
【請求項19】
前記撮像デバイスと前記試験試料の前記
第1の表面との間の
測定距離を測定するセンサーを更に含み、前記
処理システムが、前記較正平面と前記測定距離に対応する前記測定平面との差に基づいて、前記補正係数を生成するように構成される、請求項
18に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
カメラベースのビジョンシステムが、試料歪みの測定用に材料試験システムの一部として実装されてきた。これらのシステムは、供試試料の1つ以上の画像を収集する。これらの画像は、その試験について対象となっている他の信号(例えば、試料荷重、機械アクチュエータ/クロスヘッドの変位等)と同期されている。試験試料の画像は解析され、試験が進行しているときの試料の特定の特徴部のロケーションの特定及び追跡を行うことができる。試料の幅等のそのような特徴部のロケーションが変化することによって、局所的な試料変形を計算することが可能になり、さらには、試料歪みを計算することが可能になる。
【0002】
従来のシステムは、カメラ又はその他の撮像システムを採用して画像をキャプチャーし、そこから試験試料の特性を測定する。しかしながら、基準位置と実際の位置との差は、歪んだ読み取り値及び不正確な測定値に導き得る。かくして、かかる誤差を補正するシステムが望まれる。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に開示されるものは、ビデオ伸び計システムにおいて単一のカメラ伸び計を用いて、公称で異なる試料厚さによって引き起こされる遠近較正変動を補償するシステム及び方法である。いくつかの例においては、このシステム及び方法は、試験動作中に、較正平面等の基準特性と、試験試料の表面に関連する試験平面等の実際の物理的特性との間の変化を補償する。いくつかの例においては、基準特性と物理的特性との差を補償するために、補正値が出力(例えば撮像された試験試料の測定された寸法)に適用される。
【0004】
本発明のこれらの特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲と併せて以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【0005】
本発明の利益及び利点は、以下の詳細な説明及び添付図面を検討した後に当業者に容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本開示の態様による一例示の伸び計システムのブロック図である。
【0007】
【
図2】本開示の態様による、
図1の伸び計システムにおいて測定される一例示の試験試料を示す図である。
【0008】
【
図3】本開示の態様による、
図1の一例示の伸び計システムの別の視点のブロック図である。
【0009】
【
図4】本開示の態様による、
図1の例示的な伸び計システムにおける較正及び試験動作のブロック図である。
【0010】
【
図5】本開示の態様による、試験試料のキャプチャーされた画像を示す図である。
【0011】
【
図6】本開示の態様による、
図1の伸び計システムの例示的な実施態様のブロック図である。
【0012】
【
図7】本開示の態様による、伸び計システムにおける試験試料の輝度歪みを補正する例示の機械可読命令を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面は、必ずしも正確な縮尺ではない。適切な場合は、同様の又は同一の参照番号を使用して、同様の又は同一の構成要素を指す。
【0014】
本開示は、ビデオ伸び計システムにおける単一のカメラ伸び計を用いて、可変の厚さの試料の遠近較正変動を補償するシステム及び方法を説明する。
【0015】
開示された例は、試験動作中に、較正平面等の基準特性と、試験試料の表面に関連する試験平面等の実際の物理的特性との間の変化を補償するシステム及び方法に関する。いくつかの例においては、試験試料の(例えば測定された、算出された、及び/又はリストを介してアクセスされた)1つ以上の所定の幾何学的変数又は特性(例えば試料の幅、厚さ、エッジ位置、曲率等)が、観測された物理的幾何学的変数に対して比較されて、所定の物理的変数と観測された物理的変数との差を決定する。
【0016】
いくつかの例においては、この差は、基準特性と物理的特性との差を補償するために出力(例えば撮像された試験試料の測定された寸法)に適用される補正値である。
【0017】
いくつかの例においては、基準幾何学的変数は、較正プロセス中に決定される。光学測定システムについては、画像センサーによってキャプチャーされた他の物理的特性の試料マーカーを使用して測定及び/又は決定された幾何学的変数(例えば幅、厚さ、エッジ位置、曲率、及び/又は歪み)の見かけの光学的サイズと、伸び計測定システムによって採用されている幾何学的変数に関連する値との間の較正関係である。いくつかの例においては、このシステムは、試験プロセスを通じて幾何学的変数を継続的又は定期的に測定する。かくして、幾何学的変数に対する変更、及びかくして補正値は、試験プロセス中に更新され得る。
【0018】
いくつかの従来の試験システムは、材料試験プロセス中(例えば試験試料の歪みを決定するための)に、情報(例えば1つ以上の特性又は幾何学的変数の測定値)をキャプチャーするためにカメラベースの視覚システムを採用している。かかるシステムは、試験試料の複数の画像をキャプチャーし、これらの画像を試験プロセスに関連する他の情報(例えば試料の荷重、機械アクチュエータ/クロスヘッド変位等)と同期させ得る。試験試料の画像は次いで、1つ以上のアルゴリズムを介して分析されて、試験試料の特定の特徴を識別及び/又は位置特定し、さらには試験動作の進行とともにかかる特徴を追跡することができる。かかる特徴の絶対的及び/又は相対的なロケーションの変化は、局所的な試料の変形が算出されることを可能とし、ひいては試料の歪みが計算されることを可能とする。
【0019】
対象となる試料の特徴は、カメラに可視である試験試料の表面に施されたマーキングからなり得る。例えば、プロセッサは、画像を分析してマーキングのロケーション及び/又は形状(及びその変化)を決定し、試験中にこれらのマークが互いに対して移動するのを追跡することができる。例えば、ゲージ長ベースの歪み測定(軸方向マーク、横方向マーク等)の決定のためのペアグルーピング、又はデジタル画像相関(DIC)技術で使用される疑似ランダムスペックルパターンといった、複数のマーキングが試料の前面上に存在し得る。横方向の試料の歪みの決定のための、対象となり得る代替的な特徴のセットは、試験試料のエッジである。
【0020】
単一カメラ測定システムについては、較正プロセスは、画像センサーから所定の距離に配置された、選択された較正平面上で実行されることができる。較正プロセスは、撮像デバイスによってキャプチャーされた1つ以上の特性(例えばサイズ、位置、幅等)と、較正平面上の1つ以上の物理的特性(例えば物理座標で決定される)との間の関係を確立する。
【0021】
かかる較正プロセスは、較正平面上に配置された較正基準デバイスを採用してもよい。基準デバイスは、対象となる視野(FOV)の一部又は全部をカバーすることに関連する既知の幾何学的寸法を有する、所定の物理的特性を含む。較正プロセスは、較正デバイスの画像がキャプチャーされ、既知の較正デバイスの幾何学的形状と比較されることを可能にし、ここで、画像の座標を画素座標系から現実世界の物理的座標系に変換するために、伝達関数が確立される。
【0022】
従来のビデオ伸び計システムは、試験試料の表面上のマーキングの寸法及び/又は相対ロケーションを追跡及び測定する。試験プロセス中、画像処理アルゴリズムが(例えばビデオ伸び計システムのプロセッサを介して)実行されて、試料の表面上のマーキングのロケーションを決定する。決定されたロケーションに基づいて、プロセッサは、初期の試料のゲージ長、及び試験試料の開始時における値(複数の場合もある)からの試料のゲージ長の瞬間的な変化(例えば軸方向及び/又は横方向の歪み)を算出し得る。ビデオ伸び計システムがマーキングの絶対位置及び/又は相対位置及び/又はロケーションの変化を測定することが可能な精度は、試料の表面が初期の較正平面と同一平面上にあるか否かに少なくとも部分的に依存する。測定平面(試験試料の表面に対応する)の位置と較正平面(基準平面に対応する)の位置との差は、測定誤差(例えば遠近誤差)を生じることとなる。測定平面と基準平面との間の逸脱が大きくなると、より大きな測定誤差に帰着する。
【0023】
いくつかの例においては、複数の試験試料が、較正プロセスに続いて試験プロセスを受けさせられ、ここで、各試料は、異なる厚さを有する。その結果、試料の表面と撮像デバイスとの間の距離は、試料毎に変わることとなる。
【0024】
対称的な試料グリップを採用する試験デバイスにおいては、第1の試料から第2の試料へのzの厚さの増大は、第2の試料がビデオ伸長計にz/2だけ近くなることに帰着することなる。第1の試料が較正平面と同一平面上に配置されている場合には、第2の試料は撮像デバイスにz/2だけ近くなり、結果としての光学的作動距離(例えば較正された作動距離に関連する)の短縮を伴うこととなる。その結果、撮像デバイスによってキャプチャーされた画像に基づく第2の試料の測定値は、測定される第2の試料の実際の物理的特性よりも見かけ上大きくなる。
【0025】
かかる遠近誤差は、例えば、測定値が比例(例えばレシオメトリック)歪みを決定するために用いられる試験用途に対して、絶対寸法の測定値が求められる材料試験用途において、より問題となり得る。比例歪みの決定においては、遠近誤差が、初期のゲージ長測定及び/又は歪み変位測定における同様の比例誤差に帰着する。歪みはゲージ長にわたる変位として算出されるので、遠近誤差は、分子及び分母の両方に存在するため、打ち消される。
【0026】
しかしながら、絶対寸法が対象となる状況(例えば歪み変位を測定するために伸び計が使用されているが、初期ゲージ長は別のシステム又はプロセスを使用して測定されている場合)においては、遠近誤差が大きくなり得る。例えば、試験試料の作動距離が初期較正作動距離からますます逸脱するにつれて、遠近誤差も増大する。このことは、試験試料の厚さが著しく変化する場合に当てはまり、全ての厚さをカバーする単一の代表的な較正平面を選択することを困難にし得る。
【0027】
従来のシステムは、様々な技術によってこれらの問題を軽減しようと試みたが、それぞれ重大な欠点を有していた。1つの選択肢は、異なる厚さを有する試料にわたって遠近測定誤差が最適化されるように、対象となる全ての試験平面の平均平面又は中間平面に配置された、較正平面に対するものである。別の選択肢は、較正平面と等しい単一の作動距離を維持するために、伸び計の試験試料取り付け位置に対して物理的な調節をなして、異なる試験試料を補償することである。更に別の選択肢は、面外の遠近誤差の影響をかなり受けにくいが、より高価であり、より限られた視野しか有さない、テレセントリック光学系を使用することである。更に別の選択肢においては、較正及び試料測定プロセスに組み込まれることができる、種々の角度からの遠近情報を取得するために、複数のカメラが採用され得る。
【0028】
しかしながら、ビデオ伸び計システムにおいて遭遇される遠近誤差を軽減するための既存の解決策は、いずれも欠点を有している。例えば、較正平面に対して平均距離を使用すること、及び/又は、より精度の低い測定機器を使用することは、必然的に、より精度の低い測定値をもたらす。異なる試料の厚さを補償するために、伸び計の取り付け位置の手動での調節をなすことは、時間がかかるものであり、操作者に、その個々の厚さに基づいて各試料について複数の異なる調整を一貫して行うことを覚えておくことを要求する。さらに、かかる調節は、自動化することが困難である。
【0029】
テレセントリック光学系は、大きく、重く、高価であり、限られた視野(FOV)しか有さない。したがって、複数のカメラを利用するビデオ伸び計システムは、高価で、複雑であり、大規模な3次元較正プロセス及び装備を必要とする。
【0030】
開示されるシステム及び方法は、較正平面に対する測定平面における逸脱から生じる、ビデオ伸び計における系統的な及び決定論的な誤差を軽減するものである。いくつかの例においては、誤差は、試験プロセス中にリアルタイムで補正される。このシステムは、単一カメラ伸び計システムにおいて実装され、逸脱を自動的に識別及び調節するように構成される。有利には、開示されるシステム及び方法は、(較正された作動距離を維持するために)異なる厚さの試料を試験するために、装備又は試料を動かす必要性、及び/又は様々な厚さの試料によってもたらされるそれぞれの異なる作動距離に対してビデオ伸び計システムを再較正する必要性を回避する。
【0031】
本明細書に開示されているように、ビデオ伸び計システムは、試験試料の光学的幅測定を行うように構成される。いくつかの例では、実質的に不透明の試験試料のエッジが、試験試料とバックスクリーンとの間の輝度コントラストのレベルに基づいて測定される。例えば、試験試料は、試験機械内に固定され、照明された(例えば、能動的又は受動的に明るくされた)バックスクリーンの前方に配置される。撮像デバイスが、カメラの方向に向いている試験試料の表面を観察するように配置される。この表面は、撮像デバイス光学機器類(例えば
図3参照)の焦平面の近くに位置する。この配置を用いると、試験試料は、明るく照明されたバックスクリーンの前方に位置しているので、ダークシルエット形状として撮像デバイスによって視認され撮像される(例えば
図5参照)。
【0032】
例えば、照明されたバックスクリーンと撮像デバイスとの間に配置されるとき、試験試料の明確に合焦されたダークシルエットはくっきりとし、エッジの形状及び特徴は、照明されたバックスクリーンの前方で撮像されると、輪郭が明確になる。いくつかの例では、試験試料は、より高い透明度を有する材料から作製される。そのような半透明の試験試料は、試験試料とバックスクリーンとの間で測定可能なレベルのコントラストを提供するのに十分な光源からの光の一部を吸収することができる。
【0033】
本明細書に記載されているように、張力、圧縮力、及び/又はねじり力を印加する材料試験システムを含む材料試験システムは、試験試料に対する応力の印加及び/又は測定を行うために与えられる変位及び/又は荷重を招く1つ以上の構成要素を含む。いくつかの例では、ビデオ伸び計システムが試料歪み試験に用いられる。この試験は、高解像度画像を収集すること、これらの画像を画像プロセッサに提供すること、画像を解析して変位値又は歪み値に対応する1つ以上の試料特性を特定すること、及びこれらの特性に対応する出力を生成することのうちの1つ以上を含むことができる。開示例では、1つ以上の収集された画像から特定された特性(幅等)は、閾値のリスト又は事前に(すなわち試験の前に)収集された画像等の1つ以上のソースと比較される。いくつかの例では、特定された特性の値を1つ以上のアルゴリズムに適用して、試験試料に関連した変位値又は歪み値に対応する出力を生成することができる。
【0034】
伸び計を採用するビデオ処理は、処理システム若しくはコンピューティングプラットフォーム及び/又はビデオ処理ハードウェアに接続された外部機械ビジョン撮像デバイスを含むことができ、ソフトウェア及び/又はハードウェアを使用して、カメラからのデータを電気信号に変換することができるか、又は材料試験システムに適合したソフトウェアインターフェースを有することができる。
【0035】
本明細書に開示されているように、カメラベースの画像キャプチャー(例えば、ビジョン又はビデオ)システムを採用する撮像デバイスは、試験試料における歪みを測定する材料試験システムにおいて実施される。そのようなシステムは、供試試料の複数の画像を収集する(すなわち、試験プロセスの間に収集する)。これらの画像は、その試験について対象となっている他の信号(試料荷重、機械アクチュエータ及び/又はクロスヘッドの変位等)と同期されている。試料の画像は、アルゴリズムによって(例えば、リアルタイムで及び/又は試験後に)解析され、試験が進行しているときの特定の試料特性のロケーションの特定及び追跡が行われる。例えば、そのような特性のロケーション、サイズ、形状等が変化することによって、試験試料の変形を計算することが可能になり、さらには、試料歪みの解析及び計算が可能になる。
【0036】
試料幅等の特性は、撮像デバイスを介してキャプチャーすることができ、キャプチャー画像は処理システムに送信される。画像解析は、(例えば、処理システムを介して)伸び計システムによって行われ、試験が進行しているときの幅(複数の場合もある)の変化を追跡するために、試料幅(複数の場合もある)の第1の位置、すなわち初期位置及び/又はロケーションを求めることができる。
【0037】
画像処理アルゴリズムは、次に、試料のエッジを求め、試料の幅を計算し、試験の開始時における初期幅と比較した試料幅の変化(すなわち横方向歪み)を追跡する。
【0038】
したがって、本明細書に開示されるシステム及び方法は、試験動作中に、較正平面等の基準特性と、試験試料の表面に関連する試験平面等の実際の物理的特性との間の変化を補償する。いくつかの例においては、基準特性と物理的特性との差を補償するために、補正値が出力(例えば撮像された試験試料の測定された寸法)に適用される。
【0039】
開示される例においては、厚さを補正するシステム[最終レビュー後にMHMによって追加されるべき請求項]
【0040】
次に図を参照する。
図1は、機械的性質試験を受ける試験試料16の1つ以上の特性の変化を測定する一例示の伸び計システム10である。この例示の伸び計システム10は、例えば、試験試料16の機械的試験が可能な試験システム33に接続することができる。伸び計システム10は、例えば、圧縮強度試験、張力強度試験、剪断強度試験、曲げ強度試験、撓み強度試験、引き裂き強度試験、剥離強度試験(例えば、接着ボンドの強度)、ねじり強度試験、及び/又は他の任意の圧縮試験及び/又は張力試験を受ける試験試料16における変化を測定及び/又は計算することができる。加えて又は代わりに、材料伸び計システム10は、動的試験を行うことができる。
【0041】
開示例によれば、伸び計システム10は、試験試料16を操作及び試験する試験システム33、及び/又は、
図6に更に示すような、試験システム33、光源、及び/又は撮像デバイスに通信結合されたコンピューティングデバイス若しくは処理システム32を含むことができる。試験システム33は、荷重を試験試料16に印加し、試験試料16の変位及び/又は試験試料16に印加される力等の試験の機械的性質を測定する。
【0042】
伸び計システム10は、試験試料16を照明するリモート及び/又は一体型の光源14(例えば、LEDアレイ)及び/又は反射バックスクリーン18を含む。伸び計システム10は、処理システム32(
図6も参照)及びカメラ又は撮像デバイス12を含む。いくつかの例では、光源14及び撮像デバイス12は、赤外(IR)波長において送受信を行うように構成されるが、他の照明源及び/又は波長も同様に適用可能である。いくつかの例では、光源14又は撮像デバイス12の一方又は双方は、1つ以上のフィルター(例えば、偏光フィルター)、1つ以上のレンズを含む。いくつかの例では、試験試料16の1つ以上の特性、1つ以上のマーカー20(マーカーのパターンを含む)を識別する校正ルーチン(例えば、2次元校正ルーチン)が実行され、加えて、使用される。
【0043】
いくつかの例では、バックスクリーン18は、光源14からの光を反射して撮像デバイス12に戻すように構成される。例えば、バックスクリーン18の表面は、反射を強化し及び/又は反射光を撮像デバイスに向けて誘導する性質を有するように構成することができる。性質は、バックスクリーン18の形状(例えば放物面構成)及び/又は反射を高める処置(例えば、コーナーキューブ反射器、反射材料等の適用)を含むことができる。加えて又は代わりに、フィルター30は、反射量の増加、及び/又は所望の方向への反射光の誘導及び/又は所望の波長の反射光の誘導を行う表面に配置及び/又は適用することができる。いくつかの例では、フィルター30は、可能な限り多くの反射光を撮像デバイス12に向けて且つ他の近傍の構成要素から離れて提供するように、コリメーティングフィルターとして構成される。
【0044】
開示例では、コンピューティングデバイス32は、試験システム33の構成、試験システム33の制御、及び/又は処理、表示、報告、及び/又は他の任意の所望の目的のために試験システム33からの測定データ(例えば、力及び変位等のトランスデューサ測定値)及び/又は試験結果(例えば、ピーク力、破断変位(break displacement)等)の受信を行うのに使用することができる。伸び計システム10は、Ethernet、アナログエンコーダー又はSPIを含む標準的なインターフェースを利用して試験システム33及びソフトウェアに接続する。これによって、専用の統合ソフトウェア又はハードウェアを必要とすることなく、デバイスを既存のシステムにプラグ接続し、既存のシステムによって使用することが可能になる。伸び計システム10は、リアルタイムの軸方向(axial)エンコーダー情報及び横方向エンコーダー情報又はアナログ情報を材料試験機械33に提供する。リアルタイムビデオ伸び計10及び材料試験機械33は、伸張(extension)/歪みデータを含むリアルタイム試験データを、有線通信チャネル及び/又は無線通信チャネルを介して構成することができる外部コンピューター32と交換する。伸び計システム10は、材料試験機械33において試験を受ける試験試料16からキャプチャーされる伸張/歪みデータの測定及び/又は計算を提供し、さらに、応力データ及び伸張/歪みデータをプロセッサ32に提供する。
【0045】
本明細書に開示されているように、キャプチャー画像は、撮像デバイスからプロセッサ32に入力される。プロセッサでは、1つ以上のアルゴリズム及び/又はルックアップテーブルを使用して、試験試料16の複数の軸の伸張/歪み値(すなわち、試験試料16に貼付されたマーカー20の画像監視によって計算されるターゲット間距離の変化又は変化百分率)が計算される。計算の後、このデータは、メモリに記憶することもできるし、ネットワーク及び/又は1つ以上のディスプレイデバイス、I/Oデバイス等(
図6も参照)に出力することもできる。
【0046】
図2は、
図1の伸び計システム10において測定される一例示の試験試料16である。例えば、1つ以上のマーキングが、光源14及び撮像デバイス12の方向に向いている表面28に付着される。把持部26は、試験システム33(
図6も参照)のグリップ内に配置されるように構成され、試験試料16に力を印加する。例えば、グリップが、試験試料16を握持しているか又は別の方法で試験システム33に結合している間、クロスメンバーローダー(cross-member loader)が力を供試試料16に印加する。モータ等の力アプリケーターが、クロスヘッドをフレームに対して移動させ、両方向矢印34によって示されるように試験試料16に力を印加する。把持部26を互いに引き離す力34は、試験試料16を引き延ばすことができ、その結果、マーキングは、第1の位置20Aから第2の位置20Bに移動する。加えて又は代わりに、マーキングは、形状又はサイズを変化させる場合があり、この変化も、キャプチャー画像を見ることで処理システム32によって測定することができる。力34は、試験試料のエッジも第1の位置22Aから第2の位置22Bに移動させることができる。例えば、第1の位置、すなわち初期位置において、エッジは幅24Aを有し、力34の印加時には幅24Bに減少する。
【0047】
キャプチャー画像に基づいて、処理システム33は、測定プロセスにおいて伸張/歪みを実施するように構成される。例えば、試験試料16における伸張/歪みを検出するために、処理システム33は、撮像デバイス12を介して提供される画像を監視する。処理システム33は、(例えば、クロスヘッドの移動の開始時における初期ロケーションと比較した)試験試料16のマーカー及び/又はエッジのうちの2つ以上のものの間の相対位置の変化を特定すると、処理システム33は、変化量を測定して、試験試料16における伸張及び/又は歪みの量を計算する。本明細書に開示されているように、マーカーは、光源からの光をカメラへ反射するように構成されるのに対して、バックスクリーンは、光を反射して、エッジ解析用のダークシルエットを生成する。
【0048】
本明細書に開示されているように、ビデオ伸び計システム10は、不透明試験試料16の光学的幅測定を行うように構成される。撮像デバイス12は、撮像デバイス12の方向を向いている試験試料16の表面28を観察するように配置される。表面28は、撮像デバイス光学機器類(例えば、
図3参照)の焦平面の近くに位置する。この配置を用いると、試験試料16は、明るく照明されたバックスクリーン18の前方に位置しているので、ダークシルエット形状として撮像デバイス12によって視認され撮像される。
【0049】
図3に示されるように、ビデオ伸び計システム10は、軸方向歪み(試験試料16の前面28にあるマーカー20及び/又はマーカーのパターンの変化に基づく)、及び横方向歪み(試料16の幅の変化から計算される)の一方又は双方を測定するように配置されている。ビデオ伸び計システム10の構成要素は、各構成要素の他の構成要素に対するロケーションが概略的なものである
図3の上面斜視図に示されている。図示するように、構成要素は、物理的な試験中に(例えば、規則的な間隔で、連続して、及び/又は時間、力、若しくは他の適した試験特性に関連付けられた1つ以上の閾値に基づいて)試験試料16の1つ以上の画像をキャプチャーするように構成される撮像デバイス12(例えば、ビデオカメラ)を含む。
【0050】
1つ以上の光源14は、光36を放射して、試験試料16の表面28と、光源14の反対側にある試験試料16の裏面の方向を向いて配置されたスクリーン18とを照明する。いくつかの例では、光源(複数の場合もある)14は、光を軸外(例えば、
図3の視点の上面図から示される上向き方向、横向き方向、及び/又は下向き方向)に誘導するように配置され、試験試料16の前面28及び/又はバックスクリーン18を照明するように角度を付けられる。
【0051】
図示するように、受動的な(すなわち能動的な照明源がない)バックスクリーン18は、試験試料16の背後に配置され、反射性と、一様な明るさの背景をビデオ伸び計撮像デバイス12に与えるのに適したサイズとを有するように設計される。
図3に示すように、バックスクリーン18に入射する光36は反射され、撮像デバイス12に向けて誘導される光40として戻る。いくつかの例では、能動的に照明されたバックスクリーンが使用され、その輝度レベルは、処理システム32によって調整することができる。図示するように、撮像デバイス12及び試験試料16は、焦点距離39に配置され、この配置は、試験プロセスの間静止しておくこともできるし、予め定めておくこともできるし、及び/又は変化することもできる。バックスクリーン18からの光は、試験試料16のダークシルエットを生成し、撮像デバイス12が試験プロセス中のエッジ22の画像及びエッジの変化をキャプチャーすることを可能にする。
【0052】
試験試料16は、撮像デバイス12とバックスクリーン18との間に配置される。試験試料16は、試験試料16の前方を向いた表面28に適切なマーク20を特徴として有する。ビデオ伸び計システム10に関連した1つ以上の画像の解析は、処理システム32を介して実施され、試験試料16のマーキング20及び試験試料のエッジ22の双方を試験プロセス中に連続して追跡及び測定することを可能にする識別アルゴリズムが実行される。
【0053】
例えば、照明されたバックスクリーン18と撮像デバイス12との間に配置される場合、照明されたバックスクリーン18の前で撮像されるとき、試験試料16の明確に焦点が合った暗いシルエットが際立ち、エッジ22の形状及び特性がはっきりとする。しかしながら、試験試料16の知覚された位置は、試験試料の可変の厚さによってオフセットされ得るので、高精度の測定を実行することが困難となり得る。例えば、較正プロセスの後であっても、較正平面は、システム10を較正するために使用される試料の厚さに従って決定される。異なる厚さを有する別の試験試料が、かかる較正されたシステムに供されると、基準平面(例えば較正平面)は厚さに基づいてオフセットされ、撮像誤差に帰着する。
【0054】
次に
図4に目を向けると、ビデオ伸び計システム10は、幅Wを有する試験試料17の1つ以上の特性を測定するように構成されている。例えば、1つ以上の特性は、マーキング21の形状若しくは位置、試験試料17のエッジ位置、又は試験試料17の幅のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0055】
試験試料17の表面29が較正平面52上に位置する場合、伸び計による1つ以上の特性の知覚される寸法は、光学的に正確であり、試験試料17の物理的特性を忠実に反映するものとなる。しかしながら、
図4に示されるように、試験試料17が、較正平面52から量dzだけ変位させられると、ビデオ伸び計に対する試験試料17の知覚される寸法は、幅WがW
0として観測されるような、誤差を含むこととなる。換言すれば、試験試料17の厚さT、及び較正平面52に対する表面29のオフセットにより、実際の物理的寸法Wは、撮像デバイス12によって不正確にキャプチャーされる。
【0056】
例えば、較正プロセス中、距離Zcalは、画像デバイス12の開口と較正平面52との間の距離として決定される。試験試料17に対して試験プロセスが実行されるべき場合、試験試料17の表面29と較正平面52との間の距離が測定され、dzにより定義される。しかしながら、試験試料17の幅Wは、厚さTが距離dzだけ距離Zcalからの変位をもたらすため、キャプチャーされた画像において拡大されて見えることとなる。したがって、撮像デバイス12は、試験試料17の幅を、真の物理的な幅Wではなく、W0として知覚することとなる。本明細書に開示されるように、試験試料の真の物理的な幅Wは、下式1において提供されるように、変位を補正することによって算出されることができる。
式1:
w=w0(zcal+δz)/zcal=w0(1+δz/zcal)、
又は、補正係数c=1+δz/zcalを用いてw=cw0
dzが負である場合(例えば測定平面54が較正平面52よりもビデオ伸び計システム10に近い場合)、各測定される特性が拡大される。真の物理的な試料の幅を復元するためには、このことは1よりも小さい補正係数によって反映される。
【0057】
ビデオ伸び計システム10が、撮像デバイス12の中心線50に対して既知の固定平面内において較正され、試料が、試料の中心線が中心線50上に維持されることを保証するように1つ以上のグリップを介して固定される場合、公称試料厚さの変化によって生じる測定平面54上の試料表面のオフセットは、試料の厚さの半分であると算出され得ることになる。それゆえ、補償係数cは、試験されている特定の試料について、操作者により材料試験ソフトウェアに入力された試料の厚さ情報を使用して、各試験に先立って算出されることができる。補償係数cは、対象となる寸法を算出するためにプロセッサ202によって採用されてもよく、プロセッサからの出力は、それによって補正された測定値を表す。かくして、非同一である試験平面及び較正平面に起因する遠近誤差が除去されたこととなる。
【0058】
図4に示されるように、較正平面52は、厚さTの中心と同一平面上にある。いくつかの例においては、撮像デバイス12と試験試料17の表面29との間の測定距離Z
meaは、較正距離Z
calから厚さTの2分の1を引いたものと等しくなる。
【0059】
図示された例に示されるように、試験システムのグリップが、試験試料をロードするための中心面を維持する場合、補正距離dzは、厚さTの2分の1に相当する。しかしながら、中心面が可変である(例えば、ローダー及び/又はグリップの前面又は後面のうちの1つ以上が固定されている)場合には、システムは、既知のパラメーター(例えば固定面に関連するオフセット距離及び/又は試験試料の厚さ)により、及び/又は測定距離Zmea、補正距離dz等を決定するために1つ以上のセンサーを採用することにより、差を決定してもよい。
【0060】
例えば、システム10は、試験システム10の構成のうちの1つ以上の特徴を測定するために、センサー60を採用してもよい。例えば、センサー60は、撮像デバイス12と試験試料17の表面29との間の測定距離Zmeaを感知するために、1つ以上の技術(例えば赤外線(IR)光、発光ダイオード(LED)出力、超音波センサー、構造光撮像、飛行時間算出、レーザーによるセンサー等)を採用してもよい。その結果は、分析のために、センサー60からコンピューティングデバイスに(例えばインターフェースを介してコンピューティングデバイス32に)送信されてもよい。コンピューティングデバイスは次いで、補正距離dzに対応する較正平面52と測定平面54との差に基づいて、補正係数cを生成してもよい。
【0061】
図示された例においては、撮像デバイス12は、単一の光軸50を有する単一ビューカメラである。いくつかの例においては、2つ以上の撮像デバイスが採用されてもよく、これらは、試験試料17の異なる視野角で配列及び/又は配置されてもよい。ステレオ撮像構成を採用することにより、試験試料17の複数の寸法の遠近及び/又は深さに関連する測定変数もまた、試験試料17の特性を更に較正及び/又は測定するために使用され得る。
【0062】
いくつかの例においては、1つ以上のエッジの測定値及び/又は位置は、撮像デバイス12によってキャプチャーされる画素座標で提供される。これに加えて又は代替としては、1つ以上のエッジの測定値及び/又は位置は、メートル等の他の標準的な座標系/単位で提供される。かかる例においては、測定に先立って試験システム内の試験試料の絶対配置及び/又は相対配置及び/又は寸法を決定するために、較正プロセスが実装されてもよく、試験プロセス中に、同様の座標系/単位が採用されてもよい。
【0063】
図5は、試験試料16のキャプチャーされた画像を示すが、以下の説明は、試験試料17等の他の試験試料にも同様に適用可能である。図示されるように、照明されたバックスクリーン18の前で撮像されるとき、試験試料16の明確に焦点が合った暗いシルエットが際立ち、エッジ22の形状及び特性がはっきりとする。試験プロセスが時間とともになされる複数の画像の比較に限定される場合、測定平面と較正平面とのオフセットによる知覚誤差は、限られた影響しか及ぼさないであろう。しかしながら、撮像された試験試料の絶対的な測定値をキャプチャーするためには、測定平面と較正平面との間のオフセット距離が、本明細書に開示されるシステム及び方法によって補正される。
【0064】
図6は、
図1の一例示の伸び計システム10のブロック図である。
図1に示すように、伸び計システム10は、試験システム33及びコンピューティングデバイス32を含む。例示のコンピューティングデバイス32は、汎用コンピューター、ラップトップコンピューター、タブレットコンピューター、モバイルデバイス、サーバー、オールインワンコンピューター、及び/又は他の任意のタイプのコンピューティングデバイスとすることができる。
図6のコンピューティングデバイス32は、プロセッサ202を備え、プロセッサ202は、汎用中央処理装置(CPU:central processing unit)とすることができる。いくつかの例では、プロセッサ202は、FPGA、ARMコアを有するRISCプロセッサ、画像処理装置、デジタル信号プロセッサ、及び/又はシステムオンチップ(SoC)等の1つ以上の専用処理装置を含むことができる。プロセッサ202は、プロセッサにおいて(例えば、内蔵キャッシュ又はSoCに)、ランダムアクセスメモリ206(又は他の揮発性メモリ)に、リードオンリーメモリ208(又はフラッシュメモリ等の他の不揮発性メモリ)に、及び/又はマスストレージデバイス210にローカルに記憶することができる機械可読命令204を実行する。例示のマスストレージデバイス210は、ハードドライブ、ソリッドステートストレージドライブ、ハイブリッドドライブ、RAIDアレイ、及び/又は他の任意のマスデータストレージデバイスとすることができる。バス212は、プロセッサ202、RAM206、ROM208、マスストレージデバイス210、ネットワークインターフェース214、及び/又は入力/出力インターフェース216間の通信を可能にする。
【0065】
一例示のネットワークインターフェース214は、コンピューティングデバイス201を、インターネット等の通信ネットワーク218に接続するハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含む。例えば、ネットワークインターフェース214は、通信を送信及び/又は受信するために、IEEE 202.X準拠無線及び/又は有線通信ハードウェアを含むことができる。
【0066】
図6の一例示のI/Oインターフェース216は、プロセッサ202に入力を提供する及び/又はプロセッサ202から出力を提供するために、1つ以上の入力/出力デバイス220をプロセッサ202に接続するハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含む。例えば、I/Oインターフェース216は、ディスプレイデバイスとインターフェース接続する画像処理装置、1つ以上のUSB準拠デバイスとインターフェース接続するユニバーサルシリアルバスポート、FireWire(登録商標)、フィールドバス、及び/又は他の任意のタイプのインターフェースを含むことができる。例示の伸び計システム10は、I/Oインターフェース216に結合されたディスプレイデバイス224(例えば、LCDスクリーン)を備える。他の例示のI/Oデバイス(複数の場合もある)220は、キーボード、キーパッド、マウス、トラックボール、ポインティングデバイス、マイクロフォン、オーディオスピーカー、ディスプレイデバイス、光メディアドライブ、マルチタッチタッチスクリーン、ジェスチャー認識インターフェース、磁気メディアドライブ、及び/又は他の任意のタイプの入力及び/又は出力デバイスを含むことができる。
【0067】
コンピューティングデバイス32は、I/Oインターフェース216及び/又はI/Oデバイス(複数の場合もある)220を介して非一時的機械可読媒体222にアクセスすることができる。
図6の機械可読媒体222の例は、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイル/ビデオディスク(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク等)、磁気メディア(例えば、フロッピーディスク)、ポータブル記憶媒体(例えば、ポータブルフラッシュドライブ、セキュアデジタル(SD)カード等)、及び/又は他の任意のタイプの取り外し可能及び/又はインストール済み機械可読媒体を含む。
【0068】
伸び計システム10は、コンピューティングデバイス32に結合された試験システム33を更に備える。
図6の例では、試験システム33は、USBポート、Thunderboltポート、FireWire(登録商標)(IEEE 1394)ポート、及び/又は他の任意のタイプのシリアル又はパラレルデータポート等のI/Oインターフェース216を介して、コンピューティングデバイスに結合される。いくつかの例では、試験システム33は、直接又はネットワーク218を介して、有線又は無線接続(例えば、Ethernet、Wi-Fi等)を介してネットワークインターフェース214及び/又はI/Oインターフェース216に結合される。
【0069】
試験システム33は、フレーム228と、ロードセル230と、変位トランスデューサ232と、クロスメンバーローダー234と、材料固定具236と、制御プロセッサ238とを備える。フレーム228は、試験を実行する試験システム33の他の構成要素の剛性構造支持を提供する。ロードセル230は、グリップ236を介して、クロスメンバーローダー234によって供試材料に印加された力を測定する。クロスメンバーローダー234は、供試材料に力を印加し、一方、材料固定具236(グリップとも称される)は、供試材料を把持するか、又は別の方法で供試材料をクロスメンバーローダー234に結合する。例示のクロスメンバーローダー234は、モータ242(又は他のアクチュエータ)及びクロスヘッド244を備える。本明細書において使用される場合、「クロスヘッド」は、方向(軸方向)力及び/又は回転力を試料に印加する材料試験システムの構成要素を指す。材料試験システムは、1つ以上のクロスヘッドを有することができ、クロスヘッド(複数の場合もある)は、材料試験システムにおいて任意の適切な位置及び/又は向きに配置することができる。クロスヘッド244は、材料固定具236をフレーム228に結合し、モータ242は、クロスヘッドをフレームに対して移動させ、材料固定具236を位置決めし及び/又は力を供試材料に印加する。伸び計システム10の構成要素の力及び/又は動きを提供するのに使用することができる例示のアクチュエータは、電気モータ、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、圧電アクチュエータ、リレー、及び/又はスイッチを含む。
【0070】
例示の試験システム33は、サーボモータ又は直接駆動リニアモータ等のモータ242を使用するが、他のシステムは、異なるタイプのアクチュエータを使用することができる。例えば、油圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、及び/又は他の任意のタイプのアクチュエータをシステムの要件に基づいて使用することができる。
【0071】
例示のグリップ236は、試験されている機械的性質及び/又は供試材料に応じて、圧縮プラテン、掴み具(jaws)又は他のタイプの固定具を含む。グリップ236は、手動による構成、手動入力を介した制御、及び/又は制御プロセッサ238による自動制御を行うことができる。クロスヘッド244及びグリップ236は、オペレーターがアクセス可能な構成要素である。
【0072】
伸び計システム10は、1つ以上のモードスイッチ252を備える1つ以上の制御パネル250を更に備えることができる。モードスイッチ252は、ボタン、スイッチ、及び/又はオペレーター制御パネル上に配置される他の入力デバイスを含むことができる。例えば、モードスイッチ252は、クロスヘッド244をフレーム228上の特定の位置にジョグさせる(例えば、位置決めする)ようにモータ242を制御するボタン、空気圧グリップ248を開閉するようにグリップアクチュエータ246を制御するスイッチ(例えば、フットスイッチ)、及び/又は試験システム33の動作を制御する他の任意の入力デバイスを含むことができる。
【0073】
例示の制御プロセッサ238は、コンピューティングデバイス32と通信し、例えば、コンピューティングデバイス32から試験パラメーターを受信し、及び/又は測定値及び/又は他の結果をコンピューティングデバイス32に報告する。例えば、制御プロセッサ238は、コンピューティングデバイス32との通信を可能にする1つ以上の通信インターフェース又はI/Oインターフェースを含むことができる。制御プロセッサ238は、印加される力を増加又は減少させるようにクロスメンバーローダー234を制御することができ、供試材料を握持又は解放するように固定具(複数の場合もある)236を制御することができ、及び/又は変位トランスデューサ232、ロードセル230及び/又は他のトランスデューサから測定値を受信することができる。
【0074】
例示の制御プロセッサ238は、試験試料16が試験システム33において試験を受けているときに伸張/歪み測定プロセスを実施するように構成される。例えば、試験試料16における伸張/歪みを検出するために、制御プロセッサ238は、撮像デバイス12を介して提供される画像を監視する。制御プロセッサ238が、(例えば、クロスヘッド244の移動の開始時における初期ロケーションと比較した)試験試料16のエッジ22のロケーション及び/又は位置の変化を特定すると、制御プロセッサ238は、変化の量を測定して試験試料16における伸張及び/又は歪みの量を計算する。例えば、撮像デバイス12によって提供されるリアルタイムビデオが、伸張/歪みをリアルタイムで計算するために、エッジ22の絶対位置をキャプチャーし、いくつかの画像にわたってそれらの相対移動を監視する。応力データ及び歪みデータは、リアルタイムビデオ伸び計10、試験システム33及び処理システム32の間で交換され、通常は編成され、ディスプレイデバイス224を介して表示される。
【0075】
図7は、伸び計システムにおける試験試料の可変の厚さを補正するために、
図1及び
図6の処理システム32によって実行され得る、例示的な機械可読命令300の代表的なフローチャートである。ブロック302において、撮像デバイス(例えば撮像デバイス12)と試験システム(例えば試験システム10)に関連する較正平面との間の較正距離が、プロセッサ(例えばプロセッサ202、238)において決定される。
【0076】
ブロック304において、試験試料(例えば試験試料16、17)の厚さが、I/Oインターフェース216を介してリモートのコンピューティングデバイスから、及び/又はI/Oデバイス(複数の場合もある)220を介してユーザー入力から等、受信される。ブロック306において、較正距離と、測定平面と較正平面との差に相当する補正距離とに部分的に基づいて、補正係数が算出される。
【0077】
ブロック308において、試験試料の表面上のマーキング又は試験試料のシルエットのうちの1つ以上が、試験試料の1つ以上の特性を測定するために撮像される。いくつかの例においては、試験試料の表面は測定平面に対応し、測定平面は較正平面から測定距離だけオフセットされている。ブロック310において、試験試料の1つ以上の特性の測定値に補正係数を適用することにより、1つ以上の補正された特性が生成される。
【0078】
いくつかの例においては、このシステムは、試験試料(及び/又は試験プラットフォーム、ロード構造等)に対する撮像デバイスの角度オフセットを補償するように構成される。例えば、撮像デバイスは、試験試料の向きに対して或る角度で配置されてもよく、このことは、同様にオフセットされた画像を生成し得る。このシステムは、知覚される角度のない画像を描画するために、相当する反対の角度オフセットによって画像の向きを調節してもよい。このことは、既知の角度オフセットによって撮像デバイスを配置し、相当する角度値を画像に適用することによって、達成され得る。
【0079】
いくつかの例においては、このシステムは、1つ以上のセンサーを介する等して、角度オフセットを算出する。試験試料画像の受信後、試験試料に沿った1つ以上の位置(例えば1つ以上の水平位置)に関連する特性(例えば幅)が測定され、この特性に対する誤差値が角度に基づいて算出される。誤差値に基づいて測定値が調節されて、特性(複数の場合もある)の補正された測定値を提供してもよい。
【0080】
本方法及びシステムは、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実現することができる。本方法及び/又はシステムは、少なくとも1つのコンピューティングシステムにおいて集中的に、又はいくつかの相互接続されたコンピューティングシステムにわたって異なる要素が分散される分散的に、実現することができる。本明細書に記載した方法を実行するように適合された任意の種類のコンピューティングシステム又は他の装置が適している。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組み合わせは、汎用コンピューティングシステムを、ロードされ実行されるとコンピューティングシステムを本明細書に記載した方法を実行するように制御するプログラム又は他のコードとともに、含むことができる。別の典型的な実施態様は、特定用途向け集積回路又はチップを含むことができる。いくつかの実施態様は、非一時的機械可読(例えば、コンピューター可読)媒体(例えば、フラッシュドライブ、光ディスク、磁気記憶ディスク等)を含むことができ、そうした非一時的機械可読媒体は、機械によって実行可能なコードの1つ以上のラインを記憶し、それにより、機械に、本明細書に記載したようなプロセスを実施させる。本明細書において使用される場合、「非一時的機械可読媒体」という用語は、全てのタイプの機械可読記憶媒体を含み、伝播信号を排除するように定義される。
【0081】
本明細書において使用される場合、「回路」及び「回路類」という用語は、物理的な電子構成要素(すなわち、ハードウェア)と、ハードウェアを構成することができ、ハードウェアが実行することができ、及び/又は他の方法でハードウェアに関連付けることができる、任意のソフトウェア及び/又はファームウェア(「コード」)とを指す。本明細書において使用される場合、例えば特定のプロセッサ及びメモリは、コードの第1の1つ以上のラインを実行しているとき、第1の「回路」を含むことができ、コードの第2の1つ以上のラインを実行しているとき、第2の「回路」を含むことができる。本明細書において使用される場合、「及び/又は」は、「及び/又は」によって連結されるリストにおける項目のうちの任意の1つ以上の項目を意味する。一例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x),(y),(x,y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x及び/又はy」は、「x及びyのうちの一方又は両方」を意味する。別の例として、「x、y及び/又はz」は、7つの要素の組{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x、y及び/又はz」は、「x、y及びzのうちの1つ以上」を意味する。本明細書において使用される場合、「例示的な」という用語は、非限定的な例、事例又は例証としての役割を果たすことを意味する。本明細書において使用される場合、「例えば」という用語は、1つ以上の非限定的な例、事例又は例証のリストを開始する。本明細書において使用される場合、回路類は、或る機能を実施するために必要なハードウェア及びコード(いずれかが必要である場合)を含む場合はいつでも、その機能の実施が(例えば、ユーザーが構成可能な設定、工場トリム等により)無効にされる又は有効にされていないか否かにかかわらず、回路類はその機能を実行するように「動作可能」である。
【0082】
本方法及び/又はシステムを、或る特定の実施態様を参照して記載してきたが、当業者であれば、本方法及び/又はシステムの範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができること及び均等物に置き換えることができることを理解するであろう。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対して特定の状況又は材料を適合させるように多くの改変を行うことができる。例えば、開示した例のシステム、ブロック及び/又は構成要素を、組み合わせ、分割し、再配置し、及び/又は他の方法で変更することができる。したがって、本方法及び/又はシステムは、開示されている特定の実施態様に限定されない。代わりに、本方法及び/又はシステムは、字義どおりにでも均等論のもとにおいても、添付の特許請求の範囲内に入る全ての実施態様を含む。
本明細書に開示される発明は以下を含む。
[態様1]
試験試料の可変の厚さを補正する方法であって、前記方法は、
処理システムを介して、撮像デバイスと試験システムに関連する較正平面との間の較正距離を決定することと、
インターフェースを介して、試験試料の厚さを受信することと、
前記処理システムを介して、前記較正距離と、測定平面と前記較正平面との差に相当する補正距離とに部分的に基づいて、補正係数を算出することと、
前記撮像デバイスを介して、前記試験試料の表面上のマーキング、又は前記試験試料のシルエットのうちの1つ以上を撮像して、前記試験試料の1つ以上の特性を測定することであって、前記試験試料の前記表面は、前記測定平面に対応し、前記測定平面は、測定距離だけ前記較正平面からオフセットされていることと、
前記プロセッサを介して、前記試験試料の前記1つ以上の特性の測定値に補正係数を適用することにより、1つ以上の補正された特性を生成することと、
を含む、方法。
[態様2]
前記処理システムを介して、前記撮像デバイスと前記試験試料の前記表面との間の前記測定距離を、前記較正距離と前記試験システムの中心線に対する前記較正平面のオフセットとの合計から、前記厚さの2分の1を引いたものと等しいものとして算出することを更に含む、態様1に記載の方法。
[態様3]
前記処理システムを介して、前記撮像デバイスと前記試験試料の前記表面との間の前記測定距離を、前記較正距離から前記厚さの2分の1を引いたものと等しいものとして算出することを更に含む、態様1に記載の方法。
[態様4]
前記較正平面は、前記厚さの中心と同一平面上にある、態様1に記載の方法。
[態様5]
前記補正距離は、前記厚さの2分の1に相当する、態様1に記載の方法。
[態様6]
センサーを介して、前記撮像デバイスと前記試験試料の前記表面との間の前記測定距離を感知することと、
前記インターフェースを介して、前記センサーから、前記測定距離を前記プロセッサに送信することと、
前記プロセッサを介して、前記較正平面と前記測定距離に対応する前記測定平面との差に基づいて、前記補正係数を生成することと、
を更に含む、態様1に記載の方法。
[態様7]
前記センサーは、赤外センサー、発光ダイオードセンサー、超音波センサー、又はレーザーによるセンサーである、態様6に記載の方法。
[態様8]
前記1つ以上の特性は、前記マーキングの形状若しくは位置、前記試験試料のエッジ位置、又は前記試験試料の幅のうちの1つ以上を含む、態様1に記載の方法。
[態様9]
前記補正係数は、ミリメートル、インチ、又は画素単位のうちの1つで表される、態様1に記載の方法。
[態様10]
前記撮像デバイスは、単一ビューカメラである、態様1に記載の方法。
[態様11]
試験試料の可変の厚さを補正するシステムであって、前記システムは、
試験試料を固定する、試験システムと、
前記試験試料をシルエットで映す照明を提供する、スクリーンと、
前記試験試料に対して前記スクリーンの反対側に配置され、前記試験試料の画像をキャプチャーするように構成された、撮像デバイスと、
処理システムであって、
撮像デバイスと前記試験システムに関連する較正平面との間の較正距離を決定することと、
試験試料の厚さを受信することと、
前記較正距離と、測定平面と前記較正平面との差に相当する補正距離とに部分的に基づいて、補正係数を算出することと、
前記試験試料の表面上のマーキング又は前記試験試料のシルエットのうちの1つ以上を撮像して、前記試験試料の1つ以上の特性を測定することであって、前記試験試料の前記表面は、前記測定平面に対応し、前記測定平面は、測定距離だけ前記較正平面からオフセットされていることと、
前記試験試料の前記1つ以上の特性の測定値に補正係数を適用することにより、1つ以上の補正された特性を生成することと、
を行う、処理システムと、
を含む、システム。
[態様12]
前記試験試料は、照明されるスクリーンと前記撮像デバイスとの間に配置される、態様11に記載のシステム。
[態様13]
前記インターフェースは、コンピューティングデバイス又はセンサーと通信するユーザーインターフェース又はネットワークインターフェースのうちの1つである、態様11に記載のシステム。
[態様14]
前記プロセッサが、前記試験システム又は前記撮像デバイスのうちの1つ以上と通信するリモートコンピューティングプラットフォームに配置されている、態様11に記載のシステム。
[態様15]
前記プロセッサが、前記撮像デバイス又は前記試験システムのうちの1つと一体化されている、態様11に記載のシステム。
[態様16]
前記撮像デバイスは、単一ビューカメラである、態様11に記載のシステム。
[態様17]
前記撮像デバイスは、2つ以上のカメラである、態様11に記載のシステム。
[態様18]
前記撮像デバイスは、前記スクリーン又は前記試験試料から反射された偏光又は赤外光をキャプチャーするように構成され、前記スクリーンは、光を反射して、エッジ解析用の前記試験試料のダークシルエットを生成する、態様11に記載のシステム。
[態様19]
試験試料の可変の厚さを補正するシステムであって、
試験プロセス中に、試験試料の撮像デバイスから画像を受信することであって、前記撮像デバイスは、前記試験試料に対して反射スクリーンの反対側に配置されたことと、
前記撮像デバイスと前記試験システムに関連する較正平面との間の較正距離を決定することと、
試験試料の厚さを受信することと、
前記較正距離と、測定平面と前記較正平面との差に相当する補正距離とに部分的に基づいて、補正係数を算出することと、
前記試験試料の表面上のマーキング、又は前記試験試料のシルエットのうちの1つ以上を撮像して、前記試験試料の1つ以上の特性を測定することであって、前記試験試料の前記表面は、前記測定平面に対応し、前記測定平面は、測定距離だけ前記較正平面からオフセットされていることと、
前記試験試料の前記1つ以上の特性の測定値に補正係数を適用することにより、1つ以上の補正された特性を生成することと、
を行うように構成される、処理システムを含む、システム。
[態様20]
前記撮像デバイスと前記試験試料の前記表面との間の前記測定距離を測定するセンサーを更に含み、前記プロセッサが、前記較正平面と前記測定距離に対応する前記測定平面との差に基づいて、前記補正係数を生成するように構成される、態様1に記載のシステム。