(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-21
(45)【発行日】2025-05-29
(54)【発明の名称】フィーディングブロック及びそれを含む基板処理装置
(51)【国際特許分類】
C23C 16/455 20060101AFI20250522BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20250522BHJP
【FI】
C23C16/455
H01L21/205
(21)【出願番号】P 2023128537
(22)【出願日】2023-08-07
【審査請求日】2023-08-07
(31)【優先権主張番号】10-2022-0099919
(32)【優先日】2022-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】316008145
【氏名又は名称】ウォニク アイピーエス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WONIK IPS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】75,Jinwisandan-ro,Jinwi-myeon,Pyeongtaek-si,Gyeonggi-do,17709,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ、チュン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、チョン ファン
(72)【発明者】
【氏名】カン、トン ポム
【審査官】▲高▼橋 真由
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0074351(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第114768578(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C
H01L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工程チャンバに工程ガスを伝達するフィーディングブロックであって、
前記フィーディングブロックは、
胴体部と、
前記胴体部の内部に形成された第1環状流路と、
第1工程ガスが前記第1環状流路に供給されるように、前記胴体部の外周面から前記第1環状流路まで延設された少なくとも1つの第1供給流路と、
前記第1環状流路に供給された前記第1工程ガスが外部に排出されるように、前記第1環状流路から前記胴体部の外周面まで延設された少なくとも1つの第1排出流路と、を含み、
前記第1排出流路は、前記第1環状流路に沿って複数個形成され、前記第1環状流路の下部から前記胴体部の下面まで延びるように形成され
、
前記第1環状流路の中心軸を共有するように前記胴体部の内部に形成された第2環状流路と、
第2工程ガスが前記第2環状流路に供給されるように、前記胴体部の外周面から前記第2環状流路まで延設された第2供給流路と、
前記第2環状流路に供給された前記第2工程ガスが外部に排出されるように、前記第2環状流路から前記胴体部の外周面まで延設された第2排出流路と、をさらに含み、
前記胴体部は、前記第1排出流路及び前記第2排出流路が形成された外周面と直交する方向に前記胴体部の上面から前記胴体部の下面まで形成された貫通流路をさらに含み、
前記第1環状流路と前記第2環状流路は、前記胴体部の内部で前記貫通流路を取り囲む形状であり、
前記胴体部は、前記第1供給流路、第1環状流路及び前記第1排出流路のそれぞれの内側表面が互いに連続した表面を有し、前記第2供給流路、前記第2環状流路及び前記第2排出流路のそれぞれの内側表面が互いに連続した表面を有するように単一部材で形成された、フィーディングブロック。
【請求項2】
前記第1環状流路は、
前記第1排出流路が形成された外周面と直交する基準軸と交差する平面に形成された、請求項1に記載のフィーディングブロック。
【請求項3】
前記第1環状流路の中心軸は、前記基準軸と同一である、請求項2に記載のフィーディングブロック。
【請求項4】
前記第1環状流路は、平面上で円形状を有する、請求項1に記載のフィーディングブロック。
【請求項5】
前記第1排出流路は、
前記第1環状流路に沿って等間隔で形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のフィーディングブロック。
【請求項6】
前記第1排出流路が形成された外周面と前記第2排出流路が形成された外周面は、互いに同一である、請求項
1に記載のフィーディングブロック。
【請求項7】
前記第1環状流路及び前記第2環状流路は、
前記第1排出流路及び前記第2排出流路が形成された外周面と直交する基準軸と交差する平面に形成されるが、前記基準軸方向に互いに離隔した、請求項
6に記載のフィーディングブロック。
【請求項8】
前記第1環状流路及び前記第2環状流路のそれぞれの中心軸は、前記基準軸と同一であるが、
前記基準軸から前記第1環状流路間の第1間隔と前記基準軸から前記第2環状流路間の第2間隔が、互いに異なる、請求項
7に記載のフィーディングブロック。
【請求項9】
前記第1環状流路及び前記第2環状流路のそれぞれの中心軸は、前記基準軸と同一であるが、
前記基準軸から前記第1環状流路間の第1間隔と前記基準軸から前記第2環状流路間の第2間隔が、互いに同一である、請求項
7に記載のフィーディングブロック。
【請求項10】
前記第1排出流路は、前記第2環状流路と物理的に分離されるように形成され、前記第2排出流路は、前記第1環状流路と物理的に分離されるように形成される、請求項
9に記載のフィーディングブロック。
【請求項11】
前記第1環状流路及び前記第2環状流路は、
前記第1排出流路及び第2排出流路が形成された外周面と直交する基準軸と交差する平面に形成されるが、前記第1環状流路が形成される平面と前記第2環状流路が形成される平面が、互いに同じ平面である、請求項
6に記載のフィーディングブロック。
【請求項12】
前記第2環状流路は、平面上で円形状を有する、請求項
1に記載のフィーディングブロック。
【請求項13】
前記第2排出流路は、
前記第2環状流路に沿って複数個形成された、請求項
1に記載のフィーディングブロック。
【請求項14】
前記第2排出流路は、
前記第2環状流路に沿って等間隔で形成された、請求項
13に記載のフィーディングブロック。
【請求項15】
前記第1排出流路と第2排出流路は、
前記第1排出流路及び前記第2排出流路が形成された外周面と直交する方向に形成される、請求項
1に記載のフィーディングブロック。
【請求項16】
請求項1ないし請求項
15のうち何れか一項に記載のフィーディングブロックを製造する方法であって、
前記フィーディングブロックは、
3次元プリンティング技法によって形成されることを特徴とする、フィーディングブロックを製造する方法。
【請求項17】
基板を処理するために内部に前記基板の処理工間が形成される工程チャンバと、
上部に前記基板が載置されるように前記処理工間に設けられる基板支持部と、
前記処理工間に工程ガスを供給するように前記工程チャンバに結合されるガス噴射部と、
前記ガス噴射部の上方に形成される請求項1から請求項
15のうち何れか一項に記載のフィーディングブロックと、
を含む、基板処理装置。
【請求項18】
前記フィーディングブロックと前記ガス噴射部との間に挿入されたミキシングブロックをさらに含む、請求項
17に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィーディングブロック及びそれを含む基板処理装置に係り、より詳細には、半導体製造装備のガスを伝達してチャンバ内に供給されるガスの均一度を管理するフィーディングブロック及びそれを含む基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、半導体基板上に所定の厚さの薄膜を蒸着するためには、スパッタリング(sputtering)のように物理的な衝突を用いる物理気相蒸着法(physical vapor deposition、PVD)と化学反応を用いる化学気相蒸着法(chemical vapor deposition、CVD)、原子層厚さの微細パターンを非常に均一に形成することができ、ステップカバレッジ(step coverage)に優れた原子層蒸着方法(atomic layer deposition、ALD)などを利用した薄膜の製造方法が使われる。
【0003】
このような方法で製造された半導体素子は、半導体素子が高集積化されることによって、微細線幅を有するパターンが要求され、一方、半導体素子の生産性の向上のためにウェーハの大口径化が要求されているが、ウェーハの全面にわたって工程の均一度が重要なイシューとして浮上している。
【0004】
最近、大口径のウェーハ上にDPT工程またはALD工程などを具現するに当って、薄膜形成工程の均一度が重要な問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記問題点を含んで多様な問題点を解決するためのものであって、本発明の一課題は、クリーニングガス、ソースガス及び反応ガスの流路を独立した構造でガスミキシングブロックで均一度を改善しうるフィーディングブロック及びそれを含む基板処理装置を提供することである。しかし、このような課題は、例示的なものであって、これにより、本発明の範囲が限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、工程チャンバに工程ガスを伝達するフィーディングブロックが提供される。前記フィーディングブロックは、胴体部;前記胴体部の内部に形成された第1環状流路;第1工程ガスが前記第1環状流路に供給されるように、前記胴体部の外周面から前記第1環状流路まで延設された少なくとも1つの第1供給流路;及び前記第1環状流路に供給された前記第1工程ガスが外部に排出されるように、前記第1環状流路から前記胴体部の外周面まで延設された少なくとも1つの第1排出流路;を含み、前記胴体部は、前記第1供給流路、前記第1環状流路及び前記第1排出流路のそれぞれの内側表面が互いに連続した表面を有するように単一部材で形成されうる。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、前記第1環状流路は、前記第1排出流路が形成された外周面と直交する基準軸と交差する平面に形成されうる。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、前記第1環状流路の中心軸は、前記基準軸と同一である。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、前記第1環状流路は、平面上で円形状を有しうる。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、前記第1排出流路は、前記第1環状流路に沿って複数個形成されたことを特徴とする。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、前記第1排出流路は、前記第1環状流路に沿って等間隔で形成されたことを特徴とする。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、前記第1環状流路の中心軸を共有するように前記胴体部の内部に形成された第2環状流路;第2工程ガスが前記第2環状流路に供給されるように、前記胴体部の外周面から前記第2環状流路まで延設された第2供給流路;及び前記第2環状流路に供給された前記第2工程ガスが外部に排出されるように、前記第2環状流路から前記胴体部の外周面まで延設された第2排出流路;をさらに含み、前記胴体部は、前記第2供給流路、前記第2環状流路及び前記第2排出流路のそれぞれの内側表面が互いに連続した表面を有するように単一部材で形成されうる。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、前記第1排出流路が形成された外周面と前記第2排出流路が形成された外周面は、互いに同一である。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、前記第1環状流路及び前記第2環状流路は、前記第1排出流路及び前記第2排出流路が形成された外周面と直交する基準軸と交差する平面に形成されるが、前記基準軸方向に互いに離隔する。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、前記第1環状流路及び前記第2環状流路のそれぞれの中心軸は、前記基準軸と同一であるが、前記基準軸から前記第1環状流路間の第1間隔と前記基準軸から前記第2環状流路間の第2間隔が、互いに異なる。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、前記第1環状流路及び前記第2環状流路のそれぞれの中心軸は、前記基準軸と同一であるが、前記基準軸から前記第1環状流路間の第1間隔と前記基準軸から前記第2環状流路間の第2間隔が、互いに同一である。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、前記第1排出流路は、前記第2環状流路と物理的に分離されるように形成され、前記第2排出流路は、前記第1環状流路と物理的に分離されるように形成されうる。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、前記第1環状流路及び前記第2環状流路は、前記第1排出流路及び第2排出流路が形成された外周面と直交する基準軸と交差する平面に形成されるが、前記第1環状流路が形成される平面と前記第2環状流路が形成される平面が、互いに同じ平面である。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、前記第2環状流路は、平面上で円形状を有しうる。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、前記第2排出流路は、前記第2環状流路に沿って複数個形成されうる。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、前記第2排出流路は、前記第2環状流路に沿って等間隔で形成されうる。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、前記第1排出流路と第2排出流路は、前記第1排出流路及び前記第2排出流路が形成された外周面と直交する方向に形成されうる。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、前記胴体部は、前記第1排出流路及び前記第2排出流路が形成された外周面と直交する方向に前記胴体部の上面から前記胴体部の下面まで形成された貫通流路をさらに含み、前記第1環状流路と前記第2環状流路は、前記貫通流路を取り囲む形状である。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、前記フィーディングブロックは、3次元プリンティング技法によって形成されることを特徴とする。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、基板処理装置が提供される。前記基板処理装置は、基板を処理するために内部に前記基板の処理工間が形成される工程チャンバ;上部に前記基板が載置されるように前記処理工間に設けられる基板支持部;前記処理工間に工程ガスを供給するように前記工程チャンバに結合されるガス噴射部;及び前記ガス噴射部の上方に形成される請求項1から請求項19のうち何れか一項に記載のフィーディングブロック;を含みうる。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、前記フィーディングブロックと前記ガス噴射部との間に挿入されたミキシングブロックをさらに含みうる。
【発明の効果】
【0027】
前記のようになされた本発明の一実施形態によるフィーディングブロック及び基板処理装置によれば、フィーディングブロックに形成された環状流路によって工程ガスが拡散した後、チャンバ側に提供され、環状流路と連結された排出流路が等間隔で複数個形成されるので、チャンバ側に均一な工程ガスの提供が可能であって、蒸着薄膜の厚さの均一度を向上させ、工程レシピ(recipe)変更時にも、蒸着薄膜の均一度を保持することができて、工程マージンの確保が可能であり、パージ時間が減少して生産性を高めうる。さらに、異種ガスを使用する場合、フィーディングブロック内に複数の環状流路を形成してチャンバ側に均一に工程ガスを提供し、工程ガスがチャンバに引き込まれる前、追加的なミキシングブロックによって工程ガスのミキシング及び方向性の相殺によってチャンバ側に均一な工程ガスの提供が可能である。もちろん、このような効果によって、本発明の範囲が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施形態によるフィーディングブロックを示す斜視図である。
【
図2】
図1のフィーディングブロックのC-C’を切断した下部構成を示す斜視図である。
【
図3】
図1のフィーディングブロックのD-D’を切断した下部構成を示す斜視図である。
【
図4】
図1のフィーディングブロックのE-E’を切断した切断面を示す断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるフィーディングブロックの流路を示す透視図である。
【
図6】本発明の多様な実施形態による第1環状流路と第2環状流路との関係を示す概略図である。
【
図7】本発明の多様な実施形態による第1環状流路と第2環状流路との関係を示す概略図である。
【
図8】本発明の多様な実施形態による第1環状流路と第2環状流路との関係を示す概略図である。
【
図9】本発明の他の実施形態による基板処理装置を示す概略図である。
【
図10】従来発明と本発明とのフィーディングブロックを使用した基板処理結果を比較する図面である。
【
図11】従来発明と本発明とのフィーディングブロックを使用した基板処理結果を比較する図面である。
【
図12】従来発明と本発明とのフィーディングブロックを使用した基板処理結果を比較する図面である。
【
図13】従来発明と本発明とのフィーディングブロックを使用した基板処理結果を比較する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面を参照して、本発明の望ましい多様な実施形態を詳しく説明する。
【0030】
本発明の実施形態は、当業者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものであり、下記の実施形態は、さまざまな他の形態に変形され、本発明の範囲が、下記の実施形態に限定されるものではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示を、さらに充実かつ完全にし、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。また、図面で各層の厚さや大きさは、説明の便宜及び明確性のために誇張されたものである。
【0031】
以下、本発明の実施形態は、本発明の理想的な実施形態を概略的に図示する図面を参照して説明する。図面において、例えば、製造技術及び/または公差(tolerance)によって、示された形状の変形が予想される。したがって、本発明の思想の実施形態は、本明細書に示された領域の特定形状に制限されたと解釈されてはならず、例えば、製造上招かれる形状の変化を含まなければならない。
【0032】
フィーディングブロック100は、基板(S)を処理するために内部に基板処理工間(A)を形成する工程チャンバの処理工間であって、第1工程ガスを噴射するための装置である。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態によるフィーディングブロック100を示す斜視図であり、
図2及び
図3は、
図1のフィーディングブロックのC-C’及びD-D’を切断した下部構成を示す斜視図であり、
図4は、
図1のE-E’を切断した切断面を示す断面図であり、
図5は、本発明の一実施形態によるフィーディングブロック100の流路を示す透視図である。
【0034】
まず、
図1及び
図2に示したように、本発明の一実施形態によるフィーディングブロック100は、胴体部10、第1供給流路20、第1環状流路30及び第1排出流路40を含みうる。
【0035】
胴体部10は、全体として六面体状に形成されて胴体部10の内部で前記第1工程ガスが流動するように内部に複雑な流路が形成されて、胴体部10の外周面に前記第1工程ガスが流入される開口部が形成され、胴体部10の外周面に前記第1工程ガスが排気される前記開口部と連通した他の開口部が形成されうる。
【0036】
胴体部10の外周面に第1工程ガスを供給される装置が結合されるように下部結合面が形成されうる。具体的に、前記胴体部10の下面には、工程チャンバのシャワーヘッドまたは第1工程ガスを混合するミキシングブロックが結合されるように、シーリング及び結合構造が形成されうる。
【0037】
胴体部10の形状は、六面体に限定されず、前記第1工程ガスが流入及び排気され、少なくとも一面に前記第1工程ガスを供給される装置が結合される多様な形状を含みうる。
【0038】
前記第1工程ガスは、ソースガス及び反応ガスを含みうる。
【0039】
図2に示したように、第1供給流路20は、第1工程ガスが内部に流入されるように胴体部10の側面から内部まで流路が形成されうる。望ましくは、第1供給流路20は、胴体部10の側面から後述する第1環状流路30まで水平に直線に形成されうるが、胴体部10の内側に別途の構造が形成される場合、第1供給流路20は、一部の迂回区間を含んで第1環状流路30まで連結される。
【0040】
前記第1工程ガスは、ソースガス供給部600から供給されるソースガスまたは反応ガス供給部700から供給される反応ガスを含みうる。
【0041】
第1供給流路20は、胴体部10の外周面に形成された開口部から胴体部10の中心部まで貫通された流路で形成されて、胴体部10の外周面に形成された開口部から流入される前記第1工程ガスが、前記開口部から前記中心部まで流動しうる。
【0042】
図2に示したように、第1環状流路30は、第1排出流路40が形成された外周面と直交する基準軸と交差する平面に形成された流路を含みうる。
【0043】
例えば、第1環状流路30は、第1供給流路20と連結され、胴体部10の中心部である前記基準軸を取り囲み、平面上で円形状を有する流路が胴体部10の内部に形成されうる。
【0044】
具体的に、
図4及び
図5に示したように、第1環状流路30は、胴体部10の内部の前記中心部を取り囲むドーナツ状の流路で形成され、第1環状流路30は、第1供給流路20と連通して、第1供給流路20で流動した前記第1工程ガスが第1環状流路30である前記中心部の周辺を回りながら流動しうる。
【0045】
第1環状流路30は、胴体部10の下面に形成された排出面と水平に形成されうる。すなわち、第1環状流路30は、後述する第1排出流路40と水平に形成されて、第1環状流路30のそれぞれの部分から前記排出面までの距離が同一であって、前記第1工程ガスが均一に排気される。
【0046】
図2に示したように、第1排出流路40は、第1環状流路30に供給された前記第1工程ガスが胴体部10の外部に排出されるように、第1環状流路30から胴体部10の外周面まで延設される流路を含みうる。
【0047】
具体的に、
図4及び
図5に示したように、第1排出流路40は、前記工程チャンバに前記第1工程ガスを提供できるように、胴体部10の内部に形成された第1環状流路30から胴体部10の下面まで連結された流路で形成されて、第1環状流路30で流動する前記第1工程ガスが胴体部10の下面を通じてフィーディングブロック100の外部に結合された装置に流動しうる。
【0048】
第1排出流路40は、リング状の第1環状流路30に複数個形成され、また、複数個の第1排出流路40は、第1環状流路30に沿って等間隔で形成されうる。
【0049】
例えば、
図2に示したように、第1排出流路40は、第1環状流路30の下部で等角で形成された3地点からそれぞれ下部に延びて、
図5でのように、胴体部10の下面まで長く延びた流路で形成されうる。
【0050】
これにより、第1供給流路20から流入された前記第1工程ガスが第1環状流路30で流動して、複数個形成された第1排出流路40を通じて胴体部10の下方に均一に排気される。
【0051】
胴体部10は、第1供給流路20、第1環状流路30及び第1排出流路40の内側表面が境界線(Parting line)なしに連続して形成されるように単一パートで形成されうる。
【0052】
具体的に、胴体部10は、互いに連続した表面を有するように単一部材で形成された構造であって、第1供給流路20、第1環状流路30及び第1排出流路40の内側面に流路を形成するための前記境界線が形成されない。
【0053】
例えば、胴体部10が複数のパートを結合して内部流路を形成する場合、前記内部流路に結合で発生する前記境界線及び前記境界線の間に微細気孔が形成されて、前記ソースガスまたは前記反応ガスの流れが均一ではないが、胴体部10を単一構造で形成することにより、前記境界線を形成せず、さらにガスの漏れを防止し、流れを均一かつ円滑に流動させることができる。
【0054】
胴体部10は、鋳造金型、流路管を挿入したインサート射出などで形成され、望ましくは、3Dプリンティングで形成されうる。
【0055】
一例として、胴体部10は、3Dプリンティングで製造されて、複数の洗浄で表面処理を行って表面にパーティクルの発生を抑制することができる。前記複数の洗浄は、1次洗浄(Chemical洗浄)、2次洗浄(酸洗浄)及び3次洗浄(粒子流動加工:AFM、Abrasive Flow Machining)を含みうる。
【0056】
本発明の一実施形態によるフィーディングブロック100は、第2供給流路50、第2環状流路60及び第2排出流路70を含みうる。
【0057】
第2供給流路50は、第1工程ガスが内部に流入されるように第1供給流路20と対応する方向で胴体部10の側面から内部まで流路が形成されうる。望ましくは、第2供給流路50は、胴体部10の側面から第2環状流路60まで水平に直線に形成されうるが、胴体部10の内側に他の構造と干渉されるように形成される場合、第2供給流路50は、一部の迂回区間を含んで第2環状流路60まで連結される。
【0058】
前記第2工程ガスは、ソースガス供給部600から供給されるソースガスまたは反応ガス供給部700から供給される反応ガスを含みうる。
【0059】
第2供給流路50は、胴体部10の外周面に形成された開口部から胴体部10の中心部まで貫通された流路で形成されて、胴体部10の外周面に形成された開口部から流入される前記第2工程ガスが前記開口部から前記中心部まで流動しうる。
【0060】
第2環状流路60は、胴体部10の内部で第1環状流路30と中心軸を共有するように形成されうる。例えば、第2環状流路60は、第2供給流路50と連結され、胴体部10の中心部を取り囲み、平面上で円形状を有する流路が胴体部10の内部に形成されうる。
【0061】
具体的に、
図4及び
図5に示したように、第2環状流路60は、胴体部10の内部の前記中心部を取り囲むドーナツ状の流路で形成され、第2環状流路60は、第2供給流路50と連通して、第2供給流路50で流動した前記第2工程ガスが第2環状流路60である前記中心部の周辺を回りながら流動しうる。
【0062】
第2排出流路70は、第2環状流路60に供給された前記第2工程ガスが胴体部10の外部に排出されるように、第2環状流路60から胴体部10の外周面まで延設される流路を含みうる。
【0063】
具体的に、
図4及び
図5に示したように、第2排出流路70は、前記工程チャンバに前記第2工程ガスを提供できるように、胴体部10の内部に形成された第2環状流路60から胴体部10の下面まで連結された流路で形成されて、第2環状流路60で流動する前記第2工程ガスが胴体部10の下面を通じてフィーディングブロック100の外部に結合された装置に流動しうる。
【0064】
第2排出流路70は、リング状の第2環状流路60に複数個形成され、また、複数個の第2排出流路70は、第2環状流路60に沿って等間隔で形成されうる。
【0065】
例えば、
図3に示したように、第2排出流路70は、第2環状流路60の下部で等角で形成された3地点からそれぞれ下部に延びて、
図5でのように、胴体部10の下面まで長く延びた流路で形成されうる。
【0066】
これにより、第2供給流路50から流入された前記第2工程ガスが第2環状流路60で流動して、複数個形成された第2排出流路70を通じて胴体部10の下方に均一に排気される。
【0067】
この際、前記ソースガスは、第1供給流路20、第1環状流路30及び第1排出流路40で流動し、前記反応ガスは、第2供給流路50、第2環状流路60及び第2排出流路70で流動しうる。
【0068】
第1排出流路40が形成された外周面と第2排出流路70が形成された外周面は、互いに同一である。すなわち、第1排出流路40及び第2排出流路70は、同じ胴体部10の外周面に形成され、望ましくは、胴体部10の下面に形成されうる。
【0069】
第1環状流路30は、第2環状流路60よりも上部に形成されうる。
【0070】
すなわち、前記ソースガスが流動する流路が、前記反応ガスが流動する流路よりもさらに高い位置に形成されうる。
【0071】
第2環状流路60は、第1環状流路30に水平に形成されうる。
【0072】
また、第2環状流路60は、第1環状流路30の中心軸を共有するように形成されうる。具体的に、
図6ないし
図8に示したように、第1環状流路30及び第2環状流路60の中心軸が同様に形成されて、第1環状流路30及び第2環状流路60から下部に排気される前記第1工程ガス及び前記第2工程ガスが中心軸を基準に放射状均一に排気される。
【0073】
図4に示したように、第1環状流路30によって形成されたリング状の直径(D1)は、第2環状流路60によって形成されたリング状の直径(D2)と互いに異なって形成されうる。
【0074】
例えば、第1環状流路30は、前記中心部の周辺を取り囲む直径(D1)で形成され、第2環状流路60は、第1環状流路30と異なる高さで第1環状流路30を取り囲む直径(D2)で形成されうる。すなわち、第2環状流路60が第1環状流路30よりもさらに大きく形成されうる。
【0075】
これにより、第1環状流路30から延びる第1排出流路40は、胴体部10の外周面で第1環状流路30の直径(D1)の何れか一地点以上に形成され、第2環状流路60から延びる第2排出流路70は、胴体部10の外周面で第2環状流路60の直径(D2)の何れか一地点以上に形成されうる。
【0076】
すなわち、第1排出流路40は、胴体部10の下面の軸を中心に第2排出流路70よりもさらに近い地点に形成されうる。また、第1排出流路40では、前記ソースガスが流動し、第2排出流路70では、前記反応ガスが流動することによって、胴体部10の下面の軸を中心に前記ソースガスが前記反応ガスよりもさらに軸に近い地点から下部に排気される。
【0077】
本発明の一実施形態によるフィーディングブロック100は、貫通流路80を含みうる。
【0078】
貫通流路80は、プラズマ形成部800から発生するプラズマ領域を通過したクリーニングガスが胴体部10の上部から下部に流動するように、第1環状流路30によって形成されたリング状の中心部が貫通されて胴体部10の上面から下面まで垂直方向の流路で形成されうる。
【0079】
貫通流路80は、胴体部10の上部から胴体部10の下部に結合されたミキシングブロックまでクリーニングガスが流動するように、胴体部10の上面から下面まで前記中心部が貫設された流路を含みうる。すなわち、貫通流路80は、前記工程チャンバの外部からクリーニングガスを前記工程チャンバに供給できるように前記プラズマが流動する流路である。
【0080】
プラズマ形成部800は、チャンバの外側でプラズマを発生させるリモートプラズマ発生装置を含みうる。
【0081】
図6ないし
図8は、本発明の多様な実施形態による第1環状流路30と第2環状流路60との関係を示す概略図である。
【0082】
図6及び
図7に示したように、第1環状流路30及び第2環状流路60は、第1排出流路40及び第2排出流路70が形成された外周面と直交する基準軸と交差する平面に形成されるが、前記基準軸方向に互いに離隔して形成されうる。
【0083】
この際、
図6に示したように、第1環状流路30及び第2環状流路60のそれぞれの中心軸(CL)は、基準軸(CL)と同一であるが、基準軸(CL)から第1環状流路30間の第1間隔(D1/2)と基準軸(CL)から第2環状流路60間の第2間隔(D2/2)が、互いに異なって形成され、これについての構成及び効果は、前述したところと同一である。
【0084】
また、
図7に示したように、第1環状流路30及び第2環状流路60のそれぞれの中心軸(CL)は、基準軸(CL)と同一であるが、基準軸(CL)から第1環状流路30間の第1間隔(D1/2)と基準軸(CL)から第2環状流路60間の第2間隔(D2/2)が、互いに同様に形成されうる。
【0085】
例えば、第1環状流路30と第2環状流路60は、互いに同じ直径で形成され、第1環状流路30と第2環状流路60は、互いに異なる高さに形成されうる。この際、第1排出流路40は、第2環状流路60と物理的に分離されるように形成されうる。例えば、第1排出流路40は、第2環状流路60を迂回するように形成されて前記第1工程ガスが排気される。
【0086】
第1環状流路30及び第2環状流路60が互いに同じ直径を有し、形成されることによって、第1環状流路30及び第2環状流路60に供給される前記第1工程ガス及び前記第2工程ガスの量が同一であり、これにより、第1環状流路30及び第2環状流路60を通じてフィーディングブロックの下部に排気される前記第1工程ガス及び前記第2工程ガスが均一に排気される。
【0087】
図8に示したように、第1環状流路30及び第2環状流路60は、第1排出流路40及び第2排出流路70が形成された外周面と直交する基準軸(CL)と交差する平面に形成されるが、第1環状流路30が形成される平面と第2環状流路60が形成される平面が、互いに同じ平面で形成されうる。
【0088】
すなわち、第1環状流路30の直径は、第2環状流路60の直径と互いに異なって形成され、第1環状流路30と第2環状流路60は、互いに同じ高さに形成されうる。
【0089】
例えば、第1環状流路30と第2環状流路60は、同じ高さで第1環状流路30が第2環状流路60よりも基準軸(CL)に近い内側に形成されうる。この際、第1供給流路20は、第1環状流路30と同じ高さで第2環状流路60を迂回するように形成されて前記第1工程ガスが供給され、また、第1供給流路20は、第1環状流路30と水平な他の高さに形成されて前記第1工程ガスが供給されうる。
【0090】
第1環状流路30及び第2環状流路60が互いに同じ高さに形成されることによって、第1環状流路30及び第2環状流路60からフィーディングブロックの下部まで距離が同一であり、これにより、第1環状流路30及び第2環状流路60を通じて排気される前記第1工程ガス及び前記第2工程ガスが均一に排気される。
【0091】
図9は、本発明の他の実施形態による基板処理装置を示す概略図である。
【0092】
本発明の他の実施形態による基板処理装置は、工程チャンバ200、基板支持部300、シャワーヘッド400及びフィーディングブロック100を含みうる。
【0093】
図9に示したように、工程チャンバ200は、基板(S)を処理するために内部に基板処理工間(A)が形成されうる。
【0094】
工程チャンバ200は、基板(S)を処理することができる処理工間(A)が形成される工程チャンバであり、さらに具体的に、工程チャンバ200は、内部に円状または四角状に形成される処理工間(A)が形成されて、処理工間(A)に設けられた基板支持部300のポケット溝部に載置して支持される基板(S)上に薄膜を蒸着するか、薄膜をエッチングするなどの工程が進行しうる。
【0095】
また、工程チャンバ200の下側には、基板支持部300を取り囲む形状に複数個の排気ポートが設けられる。前記排気ポートは、配管を通じて工程チャンバ200の外部に設けられた真空ポンプと連結されて、工程チャンバ200の処理工間(A)内部の空気を吸い込むことにより、処理工間(A)内部の各種の工程ガスを排気させるか、処理工間(A)内部に真空雰囲気を形成しうる。
【0096】
また、工程チャンバ200の側面には、基板(S)を処理工間(A)にローディングまたはアンローディングすることができる通路であるゲートが形成されうる。
【0097】
基板支持部300は、上部に基板(S)が載置されるように処理工間(A)に設けられる。
【0098】
基板支持部300は、基板(S)を支持できるように前記工程チャンバの処理工間(A)に備えられて工程チャンバ200の中心軸と一致する回転軸を基準に回転自在に設けられる。
【0099】
基板支持部300は、工程チャンバ200の処理工間(A)に回転自在に設けられるように円板状に形成されうる。さらに具体的に、基板支持部300は、工程温度で加熱されてポケット溝部に載置される基板(S)を加熱させる下部ヒーターを備えて、前記ポケット溝部に載置される基板(S)に薄膜を蒸着する工程または薄膜をエッチングする工程が可能な工程温度で加熱させることができる。
【0100】
この際、基板支持部300は、複数のポケット溝部が形成されて複数の基板を処理することができる。
【0101】
シャワーヘッド400は、処理工間(A)内の基板支持部300上にソースガスまたは反応ガスを供給するように工程チャンバ200に結合される。
【0102】
シャワーヘッド400は、基板支持部300と対向するように工程チャンバ200の上部に備えられて基板支持部300に向けてソースガス及び反応ガスなど各種の工程ガスを噴射することができる。
【0103】
フィーディングブロック100は、シャワーヘッド400の上方に形成されうる。
【0104】
フィーディングブロック100は、外部から流入された前記ソースガス及び前記反応ガスをシャワーヘッド400に供給できるように、シャワーヘッド400の上方に形成されて、第1排出流路40及び第2排出流路70を通じてシャワーヘッド400に前記ソースガス及び前記反応ガスを供給することができる。但し、望ましくは、フィーディングブロック100及びシャワーヘッド400の間に前記ソースガス及び前記反応ガスを混合することができる装置がさらに形成されうる。
【0105】
本発明のさらに他の実施形態による基板処理装置は、ミキシングブロック500をさらに含みうる。
【0106】
ミキシングブロック500は、フィーディングブロック100の下部に形成されてフィーディングブロック100から流動する前記ソースガスまたは前記反応ガスを混合するための混合空間(B)が内部に形成されうる。
【0107】
ミキシングブロック500は、フィーディングブロック100の下部に結合されて、ミキシングブロック500の上面は、第1排出流路40、第2排出流路70及び貫通流路80と連通し、ミキシングブロック500の下面は、前記工程チャンバの上部でシャワーヘッド400に連設される。
【0108】
ミキシングブロック500は、前記ソースガス及び前記反応ガスが処理工間(A)に供給される以前に混合されるように混合空間(B)が形成されうる。例えば、第1排出流路40を通過した前記ソースガスと第2排出流路70を通過した前記反応ガスは、混合空間(B)でそれぞれの流動が互いに干渉されながら混合される構成を有する。
【0109】
これにより、前記ソースガス及び前記反応ガスに対するコンダクタンス(conductance)とフロー(flow)態様を調節することができて、基板(S)上に形成される薄膜の厚さの均一度を改善しうる。
【0110】
ミキシングブロック500は、3Dプリンティングで形成されうる。
【0111】
この際、ミキシングブロック500は、3Dプリンティングで製造されて、複数の洗浄で表面処理を行って表面にパーティクルの発生を抑制することができる。前記複数の洗浄は、1次洗浄(Chemical洗浄)、2次洗浄(酸洗浄)及び3次洗浄(粒子流動加工:AFM)を含みうる。
【0112】
図10は、従来発明と本発明とのフィーディングブロックで工程処理時に、ウェーハ上のDIPAS(di-isopropylamino silane)分率を及びフィーディングブロックの断面でDIPAS分率をそれぞれシミュレーションした結果である。
【0113】
図10に示したように、従来発明では、フィーディングブロックの断面でDIPAS分率が図面上右側方向にソースガスが偏って流動すると表われ、これにより、ウェーハ上のDIPAS分率が図面上右側に偏向現象が発生したと表われた。
【0114】
一方、本発明のフィーディングブロックの断面でDIPAS分率は、ソースガスがフィーディングブロック壁面に流動すると表われ、ウェーハ上のDIPAS分率が比較的均一に表われた。
【0115】
図11は、従来発明と本発明とのフィーディングブロックで工程処理時に、基板上のThickness mapを工程評価した結果である。
【0116】
図11に示したように、従来発明で、Reactantライン用Arが3000/0である場合よりも、3000/2000である場合に、Thk.Mapで不均一に表われ、Ar分率が2000/1800である場合、厚さの均一度は、0.64、total rangeは、2.76、Ar分率が1500/2300である場合、厚さの均一度は、1.23、total rangeは、5.42、Ar分率が800/3000である場合、厚さの均一度は、2.64、total rangeは、12.38であり、Thk.Mapで表われように、非常に不均一に表われる。
【0117】
一方、本発明では、Reactantライン用Arが3000/0である場合と3000/2000である場合とに、Thk.Mapでの差が均一に表われ、Ar分率が2500/1300、2000/1800、1500/2300、800/3000である場合に、厚さの均一度、total range及びThk.Mapでいずれも均一に表われる。
【0118】
すなわち、従来発明では、reactantライン用Arが増加するか、Ar分率の変化が発生する時に、Map偏向現象が深くなるが、本発明では、Ar gas流量の変化とAr分率の変化とがあっても、同心円Map形態を保持することができる。
【0119】
したがって、本発明によるフィーディングブロックは、ガスに対する安定性が高く、広いガス領域で均一な微細チューニング(tuning)のための分割パラメータ設定(parameter split)を容易に調節して厚さを制御することができる。
【0120】
図12は、従来発明と本発明とのフィーディングブロックで工程処理時に、厚さの増加率を評価した結果である。
【0121】
図12に示したように、従来発明で、ソースパージ噴射時間(Source purge time)を既存の0.3sから0.2s、0.15s、0.1s、0.07s、0.04sに変更する場合、厚さの増加率が0.6%、1.5%、6.8%、18.1%、46.1%に増加した。
【0122】
一方、本発明で、ソースパージ噴射時間を既存の0.3sから0.2s、0.15s、0.1s、0.07s、0.04sに変更する場合、厚さの増加率が0.6%、1.3%、2.8%、5.4%、16.1%に増加して、従来発明でよりも厚さの増加量が低く表われた。
【0123】
すなわち、本発明のフィーディングブロックを使用する場合、従来発明よりもパージ効果に優れ、ソースパージの効率上昇で化学的反応による蒸着を抑制することができる。
【0124】
図13は、従来発明と本発明とのフィーディングブロックでBKM(best-known method)レシピで工程処理時に、製造方法によるmap影響性を示す図面である。
【0125】
図13に示したように、従来発明で、最適均一度は、0.43%に表われ、Purge Ar流量比(Ratio)変化及び圧力(pressure)変化によるmap変化が敏感に表われた。
【0126】
一方、本発明での最適均一度は、0.37%に表われ、全般的にガスミキシング(Mixing)が改善されてAr流量変更及びパラメータ(parameter)変化にも同心円mapを保持すると表われた。
【0127】
すなわち、本発明のフィーディングブロック及び基板処理装置は、蒸着薄膜の厚さの均一度を向上させ、工程レシピ変更時にも、蒸着薄膜の均一度を保持することができて、工程マージンの確保が可能であり、パージ時間が減少して生産性を高めうる。
【0128】
本発明は、図面に示された実施形態を参考にして説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されねばならない。
【符号の説明】
【0129】
A:処理工間
B:混合空間
10:胴体部
20:第1供給流路
30:第1環状流路
40:第1排出流路
50:第2供給流路
60:第2環状流路
70:第2排出流路
80:貫通流路
100:フィーディングブロック
200:工程チャンバ
300:基板支持部
400:シャワーヘッド
500:ミキシングブロック
600:ソースガス供給部
700:反応ガス供給部
800:プラズマ形成部