(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-21
(45)【発行日】2025-05-29
(54)【発明の名称】光コンバイナ、及びレーザシステム
(51)【国際特許分類】
G02B 6/036 20060101AFI20250522BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20250522BHJP
H01S 3/091 20060101ALI20250522BHJP
H01S 3/00 20060101ALI20250522BHJP
B23K 26/064 20140101ALI20250522BHJP
G02B 6/26 20060101ALI20250522BHJP
【FI】
G02B6/036
G02B6/42
H01S3/091
H01S3/00 Z
B23K26/064 K
G02B6/26
(21)【出願番号】P 2023567752
(86)(22)【出願日】2022-12-08
(86)【国際出願番号】 JP2022045382
(87)【国際公開番号】W WO2023112839
(87)【国際公開日】2023-06-22
【審査請求日】2024-05-21
(31)【優先権主張番号】P 2021202646
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【氏名又は名称】森村 靖男
(72)【発明者】
【氏名】阪本 真一
【審査官】林 祥恵
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/241545(WO,A1)
【文献】特開2015-040992(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111427117(CN,A)
【文献】特開平11-352352(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0065084(US,A1)
【文献】米国特許第07676129(US,B1)
【文献】特表2010-530085(JP,A)
【文献】特表2019-511751(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/02-6/10
G02B 6/42
B23K 26/064
H01S 3/091
H01S 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアと、前記コアを囲い前記コアの屈折率よりも低い屈折率を有する第1クラッドと、前記第1クラッドを囲い前記第1クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する第2クラッドと、前記第2クラッドを囲い前記第2クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する第3クラッドと、
前記第2クラッドと前記第3クラッドとの間において前記第2クラッドを囲い前記第2クラッドの屈折率よりも高い屈折率を有する第4クラッドと、を含む複数の入力用光ファイバと、
前記複数の入力用光ファイバの前記コアと光学的に結合される入射面と、それぞれの前記入力用光ファイバから入射する光が合波された光を出射する出射面と、を有するブリッジファイバと、
を備える
ことを特徴とする光コンバイナ。
【請求項2】
前記第2クラッドの開口数は、前記第3クラッドの開口数よりも大きい
ことを特徴とする請求項
1に記載の光コンバイナ。
【請求項3】
前記第3クラッドは、前記入力用光ファイバのクラッドの最外層である
ことを特徴とする請求項1
または2に記載の光コンバイナ。
【請求項4】
前記入力用光ファイバからの光を入射時よりも小さい発散角で前記ブリッジファイバに出射するグリンレンズが、少なくとも1つの前記入力用光ファイバの前記コアと前記ブリッジファイバの前記入射面との間に配置される
ことを特徴とする請求項1
または2に記載の光コンバイナ。
【請求項5】
請求項1
または2に記載の光コンバイナと、
それぞれの前記入力用光ファイバの前記コアに個別に前記光を入射する複数の光源と、
を備える
ことを特徴とするレーザシステム。
【請求項6】
それぞれの前記光源とそれぞれの前記入力用光ファイバとを個別に光学的に接続する複数の光源用光ファイバを備え、
それぞれの光源用光ファイバは、コアと、前記コアを囲い前記コアの屈折率よりも低い屈折率を有する第1クラッドと、前記第1クラッドを囲い前記第1クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する第2クラッドと、前記第2クラッドを囲い前記第2クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する第3クラッドと、を含む
ことを特徴とする請求項
5に記載のレーザシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光コンバイナ、及びレーザシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザシステムの高出力化を実現する方法の一つとして、複数の光ファイバから出射するレーザ光を纏めて、1本の光ファイバから出力するものが知られている。下記特許文献1には、このようなレーザシステムが記載されている。
【0003】
このレーザシステムの例では、光コンバイナに接続される複数の入力用光ファイバは、コアと、コアの外周面を囲いコアの屈折率よりも低い屈折率を有するクラッドと、クラッドの周囲を覆う被覆層と、を有している。それぞれの光ファイバのコアを伝搬する光は、光コンバイナに入射して合波されて、出射端から出射する。
【0004】
【発明の概要】
【0005】
ファイバレーザシステムにおいては、被加工物で反射した光が再び光ファイバに入射して戻り光となる場合がある。この戻り光は、光コンバイナから上記複数の入力用光ファイバに入射する場合がある。上記特許文献1に記載のレーザシステムの場合、戻り光が光コンバイナから入力用光ファイバのクラッドに入射すると、当該光はクラッドから被覆層に伝搬し、被覆層で吸収される可能性がある。光が被覆層に吸収されると当該被覆層の温度が上昇する傾向にあり、信頼性が低下する懸念がある。
【0006】
そこで、本発明は、信頼性を高め得る光コンバイナ、及びレーザシステムを提供することを目的とする。
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の態様1は、コアと、前記コアを囲い前記コアの屈折率よりも低い屈折率を有する第1クラッドと、前記第1クラッドを囲い前記第1クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する第2クラッドと、前記第2クラッドを囲い前記第2クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する第3クラッドと、を含む複数の入力用光ファイバと、前記複数の入力用光ファイバの前記コアと光学的に結合される入射面と、それぞれの前記入力用光ファイバから入射する光が合波された光を出射する出射面と、を有するブリッジファイバと、を備えることを特徴とする光コンバイナである。
【0008】
このような光コンバイナによれば、ブリッジファイバから戻り光が入力用光ファイバの第3クラッドで囲われる領域に入射する場合には、この戻り光は、この領域を導波し易い。従って、入力用光ファイバに入射する戻り光が第3クラッドよりも外側に伝搬することを抑制することができる。このため、入力用光ファイバの外周面に触れる塵埃等に光が吸収されて温度が上昇することを抑制することができ、信頼性を高め得る。
【0009】
本発明の態様2は、前記第2クラッドと前記第3クラッドとの間において前記第2クラッドを囲い前記第2クラッドの屈折率よりも高い屈折率を有する第4クラッドを更に含むことを特徴とする態様1の光コンバイナである。
【0010】
この場合、第2クラッドがトレンチ層として機能し得、第2クラッドより内側を伝搬する光の損失を抑制することができる。
【0011】
本発明の態様3は、前記第2クラッドの開口数は、前記第3クラッドの開口数よりも大きいことを特徴とする態様2の光コンバイナである。
【0012】
この場合、ブリッジファイバから第4クラッドに入射する戻り光が第3クラッドよりも第2クラッドに伝搬し易く、第3クラッドに伝搬する戻り光の量を少なくし得る。
【0013】
本発明の態様4は、前記第3クラッドは、前記入力用光ファイバのクラッドの最外層であることを特徴とする態様1から3のいずれかの光コンバイナである。
【0014】
この場合、第3クラッドに入射した光のみが、外周面に到達し得ることになる。そのため、入力用光ファイバの外周面まで伝搬する光の量を少なくし得る。
【0015】
本発明の態様5は、前記入力用光ファイバからの光を入射時よりも小さい発散角で前記ブリッジファイバに出射するグリンレンズが、少なくとも1つの前記入力用光ファイバの前記コアと前記ブリッジファイバの前記入射面との間に配置されることを特徴とする態様1から4のいずれかの光コンバイナである。
【0016】
このようなコンバイナによれば、入力用光ファイバからの光がブリッジファイバに入射する際に発散角が小さくなるため、ブリッジファイバから漏洩する光を抑えることができ、また、ブリッジファイバから出射する光の発散角を小さく抑えることができる。
【0017】
本発明の態様6は、態様1から5のいずれかの光コンバイナと、それぞれの前記入力用光ファイバの前記コアに個別に前記光を入射する複数の光源と、を備えることを特徴とするレーザシステムである。
【0018】
本発明の態様7は、それぞれの前記光源とそれぞれの前記入力用光ファイバとを個別に光学的に接続する複数の光源用光ファイバを備え、それぞれの光源用光ファイバは、コアと、前記コアを囲い前記コアの屈折率よりも低い屈折率を有する第1クラッドと、前記第1クラッドを囲い前記第1クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する第2クラッドと、前記第2クラッドを囲い前記第2クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する第3クラッドと、を含むことを特徴とする態様6のレーザシステムである。
【0019】
上記のように、本発明の光コンバイナにおいて、入力用光ファイバの外周面に触れる塵埃等に光が吸収されて温度が上昇することを抑制することができ、信頼性を高め得るため、このようなレーザシステムは、信頼性を高め得る。
【0020】
以上のように、本発明によれば、信頼性を高め得る光コンバイナ、及びレーザシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態に係るレーザシステムを示す概念図である。
【
図2】
図1の第1光コンバイナ及び第2光コンバイナを示す分解図である。
【
図3】
図2の第1入力用光ファイバの構造と屈折率分布との関係を示す図である。
【
図4】
図2の第2ブリッジファイバの構造、及び、第2ブリッジファイバと第2入力用光ファイバ及び中間光ファイバとの位置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る光コンバイナ、及びレーザシステムの好適な実施形態について、図面を参照しながらそれぞれ詳細に説明する。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができる。なお、以下で参照する図面では、理解を容易にするために、各部材の寸法を変えて示す場合がある。
【0023】
図1は、本発明の第1実施形態に係るレーザシステムを示す概念図である。
図1に示すように、本実施形態のレーザシステム1は、複数の第1光源2Aと、複数の第1光源用光ファイバ3Aと、第1光コンバイナ4Aと、複数の第2光源2Bと、複数の第2光源用光ファイバ3Bと、第2光コンバイナ4Bと、デリバリファイバ5と、光出射部6と、を主な構成として備える。
【0024】
それぞれの第1光源2A及びそれぞれの第2光源2Bは、所定の波長の光を出射するレーザ装置であり、例えば、ファイバレーザ装置や固体レーザ装置からなる。第1光源2A、第2光源2Bがファイバレーザ装置である場合、第1光源2A、第2光源2Bは共振器型のファイバレーザ装置であったり、MO-PA(Master Oscillator Power Amplifier)型のファイバレーザ装置であったりする。それぞれの第1光源2A及び第2光源2Bから出射する光は、例えば、1070nmの波長の光である。本実施形態では、第1光源2Aが3つであり、第2光源2Bが6つの例を示している。ただし、第1光源2A及び第2光源2Bの数はこれに限られるものではない。また、第1光源2Aと第2光源2Bとは、互いに異なる波長の光を出射してもよい。それぞれの第1光源2Aには、第1光源2Aから出射する光を伝搬する第1光源用光ファイバ3Aの一端が接続されている。それぞれの第1光源用光ファイバ3Aの他端は、第1光コンバイナ4Aに接続されている。それぞれの第2光源2Bには、第2光源2Bから出射する光を伝搬する第2光源用光ファイバ3Bの一端が接続されている。それぞれの第2光源用光ファイバ3Bの他端は、第2光コンバイナ4Bに接続されている。
【0025】
第1光コンバイナ4Aの第1光源用光ファイバ3Aが接続される側と反対側には、中間光ファイバ30の一端が接続される。中間光ファイバ30の他端は、第2光コンバイナ4Bに接続される。第2光コンバイナ4Bの第2光源用光ファイバ3Bが接続される側と反対側には、デリバリファイバ5の一端が接続され、デリバリファイバ5の他端には光出射部6が接続される。
【0026】
次に第1光コンバイナ4A及び第2光コンバイナ4Bについて説明する。
【0027】
図2は、
図1の第1光コンバイナ4A及び第2光コンバイナ4Bを示す分解図である。
図2に示すように第1光コンバイナ4Aは、複数の第1入力用光ファイバ10と、第1ブリッジファイバ20と、を有し、第2光コンバイナ4Bは、複数の第2入力用光ファイバ40と、第2ブリッジファイバ50と、を有する。
【0028】
図3は、第1入力用光ファイバ10の構造と屈折率分布との関係を示す図である。本実施形態では、第1入力用光ファイバ10はマルチモードファイバとされる。
図3に示すように、それぞれの第1入力用光ファイバ10は、コア11と、クラッド12と、被覆層13と、を有する。クラッド12は、コア11の外周面を囲う第1クラッド12aと、第1クラッド12aの外周面を囲う第2クラッド12bと、第2クラッド12bの外周面を囲う第4クラッド12dと、第4クラッド12dの外周面を囲う第3クラッド12cとを含む。従って、第3クラッド12cは、第2クラッド12bの外周面をも囲い、第4クラッド12dは、第2クラッド12bと第3クラッド12cとの間において第2クラッド12bの外周面を囲う。また、本実施形態では、第1クラッド12aは、コア11に密着している。第2クラッド12bは、第1クラッド12aに密着している。第4クラッド12dは、第2クラッド12bに密着している。第3クラッド12cは、第4クラッド12dに密着しており、クラッド12の最外層である。
【0029】
コア11は、例えば屈折率を上昇させるゲルマニウム等のドーパントが添加されたシリカガラスから成り、コア11の屈折率n11は、クラッド12の全ての領域の屈折率よりも高い。第1クラッド12aは、例えば、何らドーパントが添加されないシリカガラスから成り、コア11の屈折率n11よりも低い屈折率n12aを有する。第2クラッド12bは、例えば、屈折率を下げるフッ素等のドーパントが添加されたシリカガラスから成り、第1クラッド12aの屈折率n12aよりも低い屈折率n12bを有する。第4クラッド12dは、例えば、第1クラッド12aと同様の材料から成り、第2クラッド12bの屈折率n12bよりも高い屈折率n12dを有する。
図3の例では、第4クラッド12dの屈折率n12dと第1クラッド12aの屈折率n12aとが同じである例を示しているが、第4クラッド12dの屈折率n12dは、第1クラッド12aの屈折率n12aよりも高くても低くてもよい。第3クラッド12cは、例えば、屈折率を下げるフッ素等のドーパントが第2クラッド12bよりも多く添加されたシリカガラスから成り、第2クラッド12bの屈折率n12bよりも低い屈折率n12cを有する。このような屈折率分布を有することで、第2クラッド12bの開口数は、第3クラッド12cの開口数よりも大きい。
【0030】
被覆層13は、クラッド12の外周面を被覆し、本実施形態では、コア11の屈折率よりも高い屈折率n13を有する。なお、それぞれの第1入力用光ファイバ10の端部では、被覆層13が剥離されており、
図2において被覆層13の記載が省略されている。それぞれの第1入力用光ファイバ10の一端は、
図1で黒丸で示される接続部において、それぞれの第1光源用光ファイバ3Aの他端と個別に接続されている。
【0031】
第1ブリッジファイバ20は、コア21と、コア21の外周面を囲うクラッド22とを有している。コア21は、例えば屈折率を上昇させるゲルマニウム等のドーパントが添加されたシリカガラスから成り、クラッド22は、例えば、何らドーパントが添加されないシリカガラスから成り、コア21の屈折率は、クラッド22の屈折率よりも高い。また、第1ブリッジファイバ20は、一方側の外径が縮径されておらず、他方側の外径が縮径されているテーパファイバであり、一方側において一定の外径を保つ非縮径部23と、非縮径部23に接続され、一方側から他方側に向かって外径が徐々に縮径されるテーパ部24と、テーパ部24の縮径側に接続され、縮径された状態で外径が一定に保たれる縮径部25と、を有する。
【0032】
非縮径部23の端面である第1ブリッジファイバ20の一方側の端面は、光の入射面26であり、それぞれの第1入力用光ファイバ10の他端は、入射面26に接続されている。第1ブリッジファイバ20の入射面26においてコア21とそれぞれの第1入力用光ファイバ10のコア11とが光学的に結合するように接続されている。このため、第1入力用光ファイバ10のクラッド12の一部は、第1ブリッジファイバ20のクラッド22に接続されてもよい。なお、フルネル反射等を抑制する観点から、第1入力用光ファイバ10のコア11の屈折率n11と、第1ブリッジファイバ20のコア21の屈折率とは、互いに概ね等しいことが好ましい。第1ブリッジファイバ20の縮径部25の端面である第1ブリッジファイバ20の他方側の端面は、光の出射面27であり、出射面27は、中間光ファイバ30の一端に接続されている。
【0033】
中間光ファイバ30は、コア31と、コア31の外周面を囲うクラッド32とを有している。クラッド32の屈折率はコア31の屈折率よりも低い。中間光ファイバ30のコア31の直径は、第1ブリッジファイバ20の出射面27におけるコア21の直径以上であり、第1ブリッジファイバ20の出射面27におけるコア21が、中間光ファイバ30の一端におけるコア31内に位置するように、第1ブリッジファイバ20と中間光ファイバ30とは接続される。このため、第1ブリッジファイバ20のコア21を伝搬する光は、中間光ファイバ30のコア31に効率よく入射し得る。なお、フルネル反射等を抑制する観点から、第1ブリッジファイバ20のコア21の屈折率と、中間光ファイバ30のコア31の屈折率とは、互いに概ね等しいことが好ましい。
【0034】
中間光ファイバ30の他端側は、それぞれの第2入力用光ファイバ40の一部と並列される。それぞれの第2入力用光ファイバ40は、第1入力用光ファイバ10と同様の構成とされる。従って、それぞれの第2入力用光ファイバ40は、コア41と、クラッド42とを有する。クラッド42は、コア41の外周面を囲う第1クラッド42aと、第1クラッド42aの外周面を囲う第2クラッド42bと、第2クラッド42bの外周面を囲う第3クラッド42cと、第2クラッド42bと第3クラッド42cとの間において第2クラッド42bの外周面を囲う第4クラッド42dと、を含む。本実施形態では、第1クラッド42aは、コア41に密着している。第2クラッド42bは、第1クラッド42aに密着している。第4クラッド42dは、第2クラッド42bに密着している。第3クラッド42cは、第4クラッド42dに密着しており、クラッド42の最外層である。
【0035】
第1クラッド42aは、コア41の屈折率よりも低い屈折率を有し、第2クラッド42bは、第1クラッド42aの屈折率よりも低い屈折率を有する。第3クラッド42cは、第2クラッド42bの屈折率よりも低い屈折率を有する。第4クラッド42dは、第2クラッド42bの屈折率よりも高い屈折率を有する。また、第2クラッド42bの開口数は、第3クラッド42cの開口数よりも大きい。ただし、コア41、及び第1クラッド42aから第4クラッド42dの屈折率や径は、第1入力用光ファイバ10のコア11、及び第1クラッド12aから第4クラッド12dの屈折率や径と、互いに異なっていてもよい。それぞれの第2入力用光ファイバ40の一端は、
図1で黒丸で示される接続部において、それぞれの第2光源用光ファイバ3Bの他端と個別に接続されている。
【0036】
第2光コンバイナ4Bの第2ブリッジファイバ50は、一方側の端面が光の入射面56であり、他方側の端面が光の出射面57である。それぞれの第2入力用光ファイバ40の他端及び中間光ファイバ30の他端は、第2ブリッジファイバ50の入射面56に接続されている。
【0037】
図4は、第2ブリッジファイバ50の構造、及び、第2ブリッジファイバ50と第2入力用光ファイバ40及び中間光ファイバ30との位置関係を示す図である。
図4に示すように、第2ブリッジファイバ50は、センターコア51と、センターコア51の外周面を囲う内側クラッド52と、内側クラッド52の外周面を囲うリングコア53と、リングコア53の外周面を囲う外側クラッド54とを有している。センターコア51及びリングコア53は、例えばゲルマニウム等のドーパントが添加されたシリカガラスから成り、内側クラッド52及び外側クラッド54は、例えば純粋なシリカガラスから成る。内側クラッド52及び外側クラッドの屈折率は、センターコア51及びリングコア53の屈折率よりも低い。なお、
図4の例では、センターコア51の屈折率とリングコア53の屈折率とが互いに等しく、内側クラッド52の屈折率と外側クラッド54の屈折率とが互いに等しい例が示されているが、センターコア51の屈折率とリングコア53の屈折率とが互いに異なってもよく、内側クラッド52の屈折率と外側クラッド54の屈折率とが互いに異なってもよい。
【0038】
図4において破線で示すように、入射面56において、第2ブリッジファイバ50のセンターコア51には、中間光ファイバ30のコア31が接続され、リングコア53には、それぞれの第2入力用光ファイバ40のコア41が接続されている。センターコア51の直径は、中間光ファイバ30のコア31の直径以上であり、中間光ファイバ30の他端におけるコア31が、第2ブリッジファイバ50の入射面56におけるセンターコア51内に位置するように、中間光ファイバ30と第2ブリッジファイバ50とは接続される。このため、中間光ファイバ30のコア31を伝搬する光は、センターコア51に効率よく入射し得る。また、リングコア53の厚みは、第2入力用光ファイバ40のコア41の直径以上であり、第2入力用光ファイバ40の他端におけるコア41が、第2ブリッジファイバ50の入射面56におけるリングコア53内に位置するように、第2入力用光ファイバ40と第2ブリッジファイバ50とは接続される。このため、第2入力用光ファイバ40のコア41を伝搬する光は、リングコア53に効率よく入射し得る。なお、フルネル反射等を抑制する観点から、中間光ファイバ30のコア31の屈折率と、センターコア51の屈折率とは、互いに概ね等しいことが好ましく、第2入力用光ファイバ40のコア41の屈折率と、リングコア53の屈折率とは、互いに概ね等しいことが好ましい。
【0039】
また、第2ブリッジファイバ50の出射面57は、デリバリファイバ5の一端に接続される。デリバリファイバ5の構成は、例えば、第2ブリッジファイバ50の構成と同様とされる。従って、デリバリファイバ5は、センターコアと、センターコアの外周面を囲う内側クラッドと、内側クラッドの外周面を囲うリングコアと、リングコアの外周面を囲う外側クラッドと、を有する。第2ブリッジファイバ50のセンターコア51とデリバリファイバ5のセンターコアとが接続され、第2ブリッジファイバ50のリングコア53とデリバリファイバ5のリングコアとが接続される。
【0040】
なお、上記のように、それぞれの第1入力用光ファイバ10の一端は、それぞれの第1光源用光ファイバ3Aの他端と個別に接続されている。また、それぞれの第2入力用光ファイバ40の一端は、それぞれの第2光源用光ファイバ3Bの他端と個別に接続されている。本実施形態では、それぞれの第1光源用光ファイバ3Aは、第1入力用光ファイバ10と同様の構成とされ、それぞれの第2光源用光ファイバ3Bは、第2入力用光ファイバ40と同様の構成とされる。従って、それぞれの第1光源用光ファイバ3A及びそれぞれの第2光源用光ファイバ3Bは、コアと、コアを囲いコアの屈折率よりも低い屈折率を有する第1クラッドと、第1クラッドを囲い第1クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する第2クラッドと、第2クラッドを囲い第2クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する第3クラッドと、第2クラッドと第3クラッドとの間において第2クラッドを囲い第2クラッドの屈折率よりも高い屈折率を有する第4クラッドと、を含む。それぞれの第1光源用光ファイバ3Aのコアとそれぞれの第1入力用光ファイバ10のコア11とが個別に接続されて、互いに光学的に結合しており、それぞれの第2光源用光ファイバ3Bのコアとそれぞれの第2入力用光ファイバ40のコア41とが個別に接続されて、互いに光学的に結合している。
【0041】
従って、それぞれの第1光源用光ファイバ3Aの第1クラッドとそれぞれの第1入力用光ファイバ10の第1クラッド12aとが個別に接続される。それぞれの第1光源用光ファイバ3Aの第2クラッドとそれぞれの第1入力用光ファイバ10の第2クラッド12bとが個別に接続される。それぞれの第1光源用光ファイバ3Aの第3クラッドとそれぞれの第1入力用光ファイバ10の第3クラッド12cとが個別に接続される。それぞれの第1光源用光ファイバ3Aの第4クラッドとそれぞれの第1入力用光ファイバ10の第4クラッド12dとが個別に接続される。同様に、それぞれの第2光源用光ファイバ3Bの第1クラッドとそれぞれの第2入力用光ファイバ40の第1クラッド42aとが個別に接続される。それぞれの第2光源用光ファイバ3Bの第2クラッドとそれぞれの第2入力用光ファイバ40の第2クラッド42bとが個別に接続される。それぞれの第2光源用光ファイバ3Bの第3クラッドとそれぞれの第2入力用光ファイバ40の第3クラッド42cとが個別に接続される。それぞれの第2光源用光ファイバ3Bの第4クラッドとそれぞれの第2入力用光ファイバ40の第4クラッド12dとが個別に接続される。
【0042】
このような構成のレーザシステム1において、それぞれの第1光源2Aから出射する光は、第1光源用光ファイバ3Aを伝搬し、第1光コンバイナ4Aの第1入力用光ファイバ10から出射して、第1ブリッジファイバ20の入射面26からコア21に入射する。それぞれの第1入力用光ファイバ10から第1ブリッジファイバ20に入射するそれぞれの光は、合波されて、テーパ部24において縮径され、縮径部25の出射面27におけるコア21から中間光ファイバ30に入射する。中間光ファイバ30を伝搬する光は、第2光コンバイナ4Bにおける第2ブリッジファイバ50のセンターコア51に入射し、当該センターコア51を伝搬する光は、デリバリファイバ5のセンターコアに入射する。デリバリファイバ5のセンターコアを伝搬する光は、光出射部6に伝搬し、光出射部6からは概ね円形の断面形状の光が出射する。また、それぞれの第2光源2Bから出射するそれぞれの光は、第2光源用光ファイバ3Bを伝搬し、第2光コンバイナ4Bにおける第2ブリッジファイバ50の入射面56からリングコア53に入射されて合波される。合波された光は、第2ブリッジファイバ50の出射面57においてリングコア53から出射して、デリバリファイバ5のリングコアに入射する。デリバリファイバ5のリングコアを伝搬する光は、光出射部6に伝搬し、光出射部6からは概ねリング状の断面形状の光が出射する。
【0043】
光出射部6から出射する光は、不図示の被加工物に照射され、被加工物は光により加工される。ところで、被加工物に照射される光の一部が反射され、戻り光として光出射部6からデリバリファイバ5に入射する場合がある。デリバリファイバ5のセンターコアやリングコアを伝搬する戻り光は、第2ブリッジファイバ50のセンターコア51やリングコア53に入射する。第2ブリッジファイバ50のリングコア53を伝搬する戻り光は、第2入力用光ファイバ40のコア41やクラッド42に入射する。クラッド42のうち第3クラッド42cより内側に入射する戻り光は、第3クラッド42cの内周面で反射されながら、第3クラッド42cより内側を伝搬する。第2入力用光ファイバ40を伝搬する戻り光は、第2光源用光ファイバ3Bのコアやクラッドに入射する。第2光源用光ファイバ3Bのクラッドのうち第3クラッドより内側に入射する戻り光は、第3クラッドの内周面で反射されながら、第3クラッドより内側を伝搬し、第2光源2Bに入射して、第2光源2B内で適宜処理される。また、第2ブリッジファイバ50のセンターコア51を伝搬する戻り光は、中間光ファイバ30のコア31を介して第1ブリッジファイバ20のコア21に入射する。コア21を伝搬する光は、第1入力用光ファイバ10のコア11やクラッド12に入射する。クラッド12のうち第3クラッド12cより内側に入射する戻り光は、第3クラッド12cの内周面で反射されながら、第3クラッド12cより内側を伝搬する。第1入力用光ファイバ10を伝搬する戻り光は、第1光源用光ファイバ3Aのコアやクラッドに入射する。第1光源用光ファイバ3Aのクラッドのうち第3クラッドより内側に入射する戻り光は、第3クラッドの内周面で反射されながら、第3クラッドより内側を伝搬し、第1光源2Aに入射して、第1光源2A内で適宜処理される。
【0044】
以上説明した第1光コンバイナ4A及び第2光コンバイナ4Bを一般化して光コンバイナとし、第1入力用光ファイバ10及び第2入力用光ファイバ40を一般化して入力用光ファイバとし、第1ブリッジファイバ20及び第2ブリッジファイバ50を一般化してブリッジファイバとすると、次のようになる。すなわち、本実施形態の光コンバイナは、コアと、コアを囲いコアの屈折率よりも低い屈折率を有する第1クラッドと、第1クラッドを囲い第1クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する第2クラッドと、第2クラッドを囲い第2クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する第3クラッドと、を含む複数の入力用光ファイバと、複数の入力用光ファイバのコアと光学的に結合される入射面と、それぞれの入力用光ファイバから入射する光が合波された光を出射する出射面と、を有するブリッジファイバと、を備える。
【0045】
このような光コンバイナによれば、ブリッジファイバから戻り光が入力用光ファイバの第3クラッドで囲われる領域に入射する場合には、この戻り光は、この領域を導波し易い。従って、入力用光ファイバに入射する戻り光が第3クラッドよりも外側に伝搬することを抑制することができる。このため、入力用光ファイバの外周面に触れる塵埃等に光が吸収されて温度が上昇することを抑制することができ、信頼性を高め得る。
【0046】
また、本実施形態では、入力用光ファイバは、第2クラッドと第3クラッドとの間において第2クラッドを囲い第2クラッドの屈折率よりも高い屈折率を有する第4クラッドを更に含む。このため、第2クラッドがトレンチ層として機能し得、第2クラッドより内側を伝搬する光の損失を抑制することができる。
【0047】
また、本実施形態では、入力用光ファイバの第2クラッドの開口数は、第3クラッドの開口数よりも大きい。このため、ブリッジファイバから第4クラッドに入射する戻り光が第3クラッドよりも第2クラッドに伝搬し易く、第3クラッドに伝搬する戻り光の量を少なくし得る。
【0048】
また、本実施形態では、入力用光ファイバの第3クラッドは、入力用光ファイバのクラッドの最外層である。このため、第3クラッドに入射した光のみが、外周面に到達し得ることになる。そのため、入力用光ファイバの外周面まで伝搬する光の量を少なくし得る。
【0049】
また、第1光源2A及び第2光源2Bを一般化して光源とすると、本実施形態のレーザシステム1は次のようになる。すなわち、本実施形態のレーザシステム1は、上記の光コンバイナと、それぞれの入力用光ファイバのコアに個別に光を入射する複数の光源と、を備える。上記のように、本実施形態の光コンバイナにおいて、入力用光ファイバの外周面に触れる塵埃等に光が吸収されて温度が上昇することを抑制することができ、信頼性を高め得るため、このようなレーザシステム1は、信頼性を高め得る。
【0050】
さらに、第1光源用光ファイバ3A及び第2光源用光ファイバ3Bを一般化して光源用光ファイバとすると、本実施形態のレーザシステム1は次のように特定できる。すなわち、本実施形態のレーザシステム1は、それぞれの光源とそれぞれの入力用光ファイバとを個別に光学的に接続する複数の光源用光ファイバを備え、それぞれの光源用光ファイバは、コアと、前記コアを囲い前記コアの屈折率よりも低い屈折率を有する第1クラッドと、前記第1クラッドを囲い前記第1クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する第2クラッドと、前記第2クラッドを囲い前記第2クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する第3クラッドと、を含む。このような構成であることで、光源用光ファイバの第3クラッドで囲われる領域に入射する戻り光は、この領域を導波し易い。従って、光源用光ファイバに入射する戻り光が第3クラッドよりも外側に伝搬することを抑制することができる。このため、光源用光ファイバの外周面に触れる塵埃等に光が吸収されて温度が上昇することを抑制することができ、信頼性をより高め得る。
【0051】
(変形例)
次に上記の第1光コンバイナ4A及び第2光コンバイナ4Bの変形例について
図5を参照して詳細に説明する。なお、上記と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
【0052】
図5は、第1光コンバイナ4A及び第2光コンバイナ4Bの変形例を示す分解図である。
図5に示すように、本変形例では、第1光コンバイナ4Aは、複数の第1グリンレンズ61を更に有し、第1入力用光ファイバ10と第1ブリッジファイバ20との間にそれぞれの第1グリンレンズ61が配置され、第2光コンバイナ4Bは、複数の第2グリンレンズ62を更に有し、第2入力用光ファイバ40と第2ブリッジファイバ50との間にそれぞれの第2グリンレンズ62が配置されている。
【0053】
それぞれの第1グリンレンズ61は、一端が第1入力用光ファイバ10の他端に個別に接続され、他端が第1ブリッジファイバ20の入射面26に接続されている。第1グリンレンズ61は、第1入力用光ファイバ10から入射する光を入射時よりも小さい発散角で第1ブリッジファイバ20のコア21に出射する。それぞれの第2グリンレンズ62は、一端が第2入力用光ファイバ40の他端に個別に接続され、他端が第2ブリッジファイバ50の入射面56においてリングコア53に接続されている。第2グリンレンズ62は、第2入力用光ファイバ40から入射する光を入射時よりも小さい発散角で第2ブリッジファイバ50のリングコア53に出射する。なお、本実施形態においても、中間光ファイバ30の他端は、第2ブリッジファイバ50の入射面56に接続されている。
【0054】
このような第1光コンバイナ4A及び第2光コンバイナ4Bによれば、第1入力用光ファイバ10や第2入力用光ファイバ40からの光が第1ブリッジファイバ20や第2ブリッジファイバ50に入射する際に発散角が小さくなるため、第1ブリッジファイバ20や第2ブリッジファイバ50から漏洩する光を抑えることができ、また、第1ブリッジファイバ20や第2ブリッジファイバ50から出射する光の発散角を小さく抑えることができる。
【0055】
以上、本発明について、実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0056】
例えば、上記実施形態のレーザシステム1は、第1光コンバイナ4A及び第2光コンバイナ4Bを有していたが、1つのコンバイナを有するレーザシステムであってもよい。
【0057】
また、上記実施形態の第1光コンバイナ4Aの第1ブリッジファイバ20は、テーパ部24を有するテーパファイバであり、第2光コンバイナ4Bの第2ブリッジファイバ50は、センターコア51とリングコア53とを有する光ファイバであった。しかし、本発明のブリッジファイバは、複数の入力用光ファイバのコアと光学的に結合される入射面と、それぞれの入力用光ファイバから入射する光が合波された光を出射する出射面とを有するブリッジファイバであれば上記実施形態に限らない。例えば、ブリッジファイバは、コアと、コアよりも低い屈折率を有する内側クラッドと、内側クラッドよりも低い屈折率を有する外側クラッドからなるダブルクラッドファイバであってもよい。この場合、例えば、複数の光源として励起光を出射する複数の励起光源が用いられ、それぞれの励起光源に接続され励起光を伝搬する光源用光ファイバが、内側クラッドに接続され、内側クラッドにおいて、それぞれの光源用光ファイバから伝搬する励起光が合波されてもよい。この場合、ブリッジファイバと同様のダブルクラッド構造を有し、コアに希土類元素が添加された増幅用光ファイバが、ブリッジファイバに接続されることで、ファイバレーザ装置が構成され得る。
【0058】
また、上記実施形態では、入力用光ファイバは、第2クラッドと第3クラッドとの間に第4クラッドを有したが、入力用光ファイバは第4クラッドを有しておらず、第2クラッドの外周面上に第3クラッドが配置されるものであってもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、第2クラッドの開口数は、第3クラッドの開口数よりも大きいものとされたが、第2クラッドの開口数は、第3クラッドの開口数以下であってもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、第3クラッドは、入力用光ファイバのクラッドの最外層であったが、第3クラッドの外周に更に他のクラッド層が設けられてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、光源用光ファイバが、入力用光ファイバと同様の構成とされたが、光源用光ファイバが入力用光ファイバと異なる構成であってもよい。例えば、光源用光ファイバは、クラッドが径方向に屈折率が一定であるものであってもよく、また例えば、光源用光ファイバは、上記実施形態の入力用光ファイバから第4クラッドが省略され、第2クラッドの外周面上に第3クラッドが配置されるものであってもよい。なお、一般的に光源用光ファイバの方が光コンバイナの入力用光ファイバよりも装置内で長く取り廻されることが多い。このため、光源用光ファイバの方が入力用光ファイバよりもコアを伝搬する光の閉じ込め力が大きくてもよい。この場合、例えば、光源用光ファイバは実施形態のように第4クラッドを有する光ファイバであり、光コンバイナの入力用光ファイバは上記のように第4クラッドを有さない光ファイバであってもよい。また、例えば、光源用光ファイバ及び入力用光ファイバのそれぞれが実施形態のように第1クラッドから第4クラッドを有する場合であっても、光源用光ファイバの光の閉じ込め力を大きくする観点から光源用光ファイバにおける第2クラッドと第4クラッドとの屈折率差の方が、入力用光ファイバにおける第2クラッドと第4クラッドとの屈折率差よりも大きくてもよい。
【0062】
以上説明したように、本発明によれば、信頼性を高め得る光コンバイナ、及びレーザシステムが提供され、加工用レーザシステムや、医療用レーザシステム等に利用することができる。