(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-22
(45)【発行日】2025-05-30
(54)【発明の名称】筐体材直角折り曲げ加工方法
(51)【国際特許分類】
B21D 5/01 20060101AFI20250523BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20250523BHJP
【FI】
B21D5/01 T
H05K5/02 M
(21)【出願番号】P 2024107425
(22)【出願日】2024-07-03
【審査請求日】2024-07-03
(31)【優先権主張番号】202410268716.3
(32)【優先日】2024-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】524252622
【氏名又は名称】深▲セン▼市富泰▲シン▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Futaixin Technology Co.,Ltd
【住所又は居所原語表記】Building 10,Building 9,101 Building 1,Xialang Industrial Zone,Heshuikou Community,Matian Street,Guangming District,Shenzhen City,Guangdong Province,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】鄭 小杰
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】実公平1-26134(JP,Y1)
【文献】中国特許出願公開第113102623(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110933880(CN,A)
【文献】特開2010-147259(JP,A)
【文献】特開2004-348821(JP,A)
【文献】特許第4202015(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 5/01
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム合金板を必要な寸法と形状に合わせてブランク本体(1)に裁断し、ブランク本体(1)の外側に逃がし切欠き(2)を設ける切り取りステップS1と、
裁断後のアルミニウム合金を下向きに押出して、ブランク本体(1)の外側に折り曲げ部を形成する引張エンボス加工であって、前記折り曲げ部は、側折り曲げ(3)及び回転軸折り曲げ(4)を含み、前記逃がし切欠き(2)は前記側折り曲げ(3)と前記回転軸折り曲げ(4)との間に設置される引張エンボス加工ステップS2と、
前記側折り曲げ(3)を回転軸折り曲げ(4)方向に向けて圧力を印加し、回転軸折り曲げ(4)において折り曲げが発生することを制限するために、回転軸折り曲げ(4)において位置規制し、圧力によって、側折り曲げ(3)を回転軸折り曲げ(4)に向けて押圧し、このとき、側折り曲げ(3)と前記回転軸折り曲げ(4)との接続箇所に歪みを発生させて、側折り曲げ(3)と回転軸折り曲げ(4)とを互いに垂直に接続する整形ステップS3と、
側折り曲げ(3)をブランク本体(1)の中心軸の方向に向けて圧力を印加し、圧力によって、前記側折り曲げ(3)を前記ブランク本体(1)の中心軸の方向に向けて押圧し、このとき、前記側折り曲げ(3)と前記ブランク本体(1)との接続箇所に徐々に歪みを発生させて、前記側折り曲げ(3)と前記ブランク本体(1)とを互いに垂直に接続する押圧戻しステップS4と、
前記側折り曲げ(3)及び前記回転軸折り曲げ(4)の頂部に絞り部(7)を設け、側折り曲げ(3)及び回転軸折り曲げ(4)の頂部にブランク本体(1)の中心軸方向に向かう圧力を印加し、側折り曲げ(3)及び回転軸折り曲げ(4)の頂部がブランク本体(1)の中心に向かって30~60度傾斜したときに圧力の印加を停止する一次絞りステップS5と、
絞り部に上から下へ下向きの圧力を印加し、絞り部(7)を前記ブランク本体(1)の頂面と平行になるまで下向きに屈曲させる二次絞りステップS6と、を含むことを特徴とする筐体材直角折り曲げ加工方法。
【請求項2】
前記ステップS3において、前記ブランクの外側に折り曲げ予定部が設けられ、前記折り曲げ予定部は、側折り曲げ(3)を前記ブランク本体(1)の中心軸の方向に押圧するにつれて、側折り曲げ(3)は折り曲げ予定部を圧縮することを特徴とする請求項1に記載の筐体材直角折り曲げ加工方法。
【請求項3】
前記折り曲げ予定部の幅は10mm~15mmであることを特徴とする請求項1に記載の筐体材直角折り曲げ加工方法。
【請求項4】
前記アルミニウム合金は五系アルミニウム合金であることを特徴とする請求項1に記載の筐体材直角折り曲げ加工方法。
【請求項5】
前記ステップS2において、裁断後のアルミニウム合金を下向きに押出する時、前記ブランクの頂面に槽体(8)が窪んで成形されることを特徴とする請求項1に記載の筐体材直角折り曲げ加工方法。
【請求項6】
前記ブランクは方形状アルミニウム板を含み、前記方形状アルミニウム板の片側には装着溝(9)が開設されていることを特徴とする請求項1に記載の筐体材直角折り曲げ加工方法。
【請求項7】
回転軸折り曲げ(4)は、前記方形状アルミニウム板の前記装着溝(9)が開設されている側に設置されていることを特徴とする請求項6に記載の筐体材直角折り曲げ加工方法。
【請求項8】
前記アルミニウム合金の硬度は65HB~75HBであることを特徴とする請求項6に記載の筐体材直角折り曲げ加工方法。
【請求項9】
前記ステップS2において、前記側折り曲げと前記回転軸折り曲げとの間の角はR=1mm~1.5mmであることを特徴とする請求項1に記載の筐体材直角折り曲げ加工方法。
【請求項10】
前記ステップS4において、側折り曲げ(3)が回転軸折り曲げ(4)に向かって押圧されるとき、前記逃がし切欠き(2)は、側折り曲げ(3)と回転軸折り曲げ(4)とのスタックを防止するために絶えず大きさを調整することができることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の筐体材直角折り曲げ加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は筐体材加工の技術分野に関し、具体的には、筐体材直角折り曲げ加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
社会の絶えずの進歩、通信技術の発展に伴い、ノートパソコンの応用はますます一般的になり、ノートパソコンに対する人々の要求も日増しに高まっており、従来のノートパソコン筐体の多くはアルミニウム製材料で作られており、通常はCNCのアルミニウム合金の一枚全体でしか作ることができない。これにより、製造コストが高くなり、ノートパソコンの操作パネルの筐体は上筐体と下筐体で構成され、上筐体について、製造過程で、外側は折り曲げプロセスによる一次成形が行われ、折り曲げ箇所にはしわ、ひび割れが発生することが多く、製品の合格率は非常に低く、消費者の高い基準要求をまったく満たすことができず、しかも折り曲げが完成した後、折り曲げ技術の欠陥により、折り曲げ接続箇所は一般的に円角状を呈しているため、製品は見栄えがよくなく、さらに、アルミニウム製ノートパソコンの上筐体は回転軸組立側を直角に折り曲げる場合にも亀裂及びストック問題が発生しやすい。
【発明の概要】
【0003】
本発明が解決しようとする技術問題は、ノートパソコンの操作パネルの上筐体について、製造過程で、外側は折り曲げプロセスによる一次成形が行われ、折り曲げ箇所にはしわ、ひび割れが発生することが多く、製品の合格率は非常に低く、消費者の高い基準要求をまったく満たすことができず、しかも折り曲げが完成した後、折り曲げ技術の欠陥により、折り曲げ接続箇所は一般的に円角状を呈しているため、製品は見栄えがよくなく、さらに、アルミニウム製ノートパソコンの上筐体について、回転軸組立側を直角に折り曲げる場合にも亀裂及びストック問題が発生しやすいということであり、従来技術の上記欠陥に対して、筐体材直角折り曲げ加工方法を提供する。
【0004】
本発明その技術問題を解決するために採用された技術案は下記の通りである。
【0005】
筐体材直角折り曲げ加工方法を提供し、当該筐体材直角折り曲げ加工方法は、
アルミニウム合金板を必要な寸法と形状に合わせてブランク本体に裁断し、ブランク本体の外側に逃がし切欠きを設ける切り取りステップS1と、
裁断後のアルミニウム合金を下向きに押出して、ブランク本体の外側に折り曲げ部を形成する引張エンボス加工であって、前記折り曲げ部は、側折り曲げ及び回転軸折り曲げを含み、前記逃がし切欠きは前記側折り曲げと前記回転軸折り曲げとの間に設置される引張エンボス加工ステップS2と、
前記側折り曲げを回転軸折り曲げ方向に向けて圧力を印加し、回転軸折り曲げにおいて折り曲げが発生することを制限するために、回転軸折り曲げにおいて位置規制し、圧力によって、側折り曲げを回転軸折り曲げに向けて押圧し、このとき、側折り曲げと前記回転軸折り曲げとの接続箇所に歪みを発生させて、側折り曲げと回転軸折り曲げとを互いに垂直に接続する整形ステップS3と、
側折り曲げをブランク本体の中心軸の方向に向けて圧力を印加し、圧力によって、前記側折り曲げを前記ブランク本体の中心軸の方向に向けて押圧し、このとき、前記側折り曲げと前記ブランク本体との接続箇所に徐々に歪みを発生させて、前記側折り曲げと前記ブランク本体とを互いに垂直に接続する押圧戻しステップS4と、
前記側折り曲げ及び前記回転軸折り曲げの頂部に絞り部を設け、向側折り曲げ及び回転軸折り曲げの頂部にブランク本体の中心軸方向に向かう圧力を印加し、側折り曲げ及び回転軸折り曲げの頂部がブランク本体の中心に向かって30~60度傾斜したときに圧力の印加を停止する一次絞りステップS5と、
絞り部に上から下へ下向きの圧力を印加し、絞り部を前記ブランク本体の頂面と平行になるまで下向きに屈曲させる二次絞りステップS6と、を含む。
【0006】
好ましくは、前記ステップS3において、前記ブランクの外側に折り曲げ予定部が設けられ、前記折り曲げ予定部は、側折り曲げを前記ブランク本体の中心軸の方向に押圧するにつれて、側折り曲げは折り曲げ予定部を圧縮する。
【0007】
好ましくは、前記折り曲げ予定部の幅は10mm~15mmである。
【0008】
好ましくは、前記アルミニウム合金は五系アルミニウム合金である。
【0009】
好ましくは、前記ステップS2において、裁断後のアルミニウム合金を下向きに押出する時、前記ブランクの頂面に槽体が窪んで成形される。
【0010】
好ましくは、前記ブランクは方形状アルミニウム板を含み、前記方形状アルミニウム板の片側には装着溝が開設されている。
【0011】
好ましくは、回転軸折り曲げは、前記方形状アルミニウム板の前記装着溝が開設されている側に設置されている。
【0012】
好ましくは、前記アルミニウム合金の硬度は65HB~75HBである。
【0013】
好ましくは、前記ステップS2において、前記側折り曲げと前記回転軸折り曲げとの間の角はR=1mm~1.5mmである。
【0014】
好ましくは、前記ステップS4において、側折り曲げが回転軸折り曲げに向かって押圧されるとき、前記逃がし切欠きは、側折り曲げと回転軸折り曲げとのスタックを防止するために絶えず大きさを調整することができる。
【0015】
本発明の有益効果は下記の通りである。
1、本発明は、アルミニウム合金を必要な寸法と形状に合わせてブランク本体に裁断し、ブランク本体の外側に逃がし切欠きを設け、後続の側折り曲げと回転軸折り曲げの形成時に、逃がし切欠きは側折り曲げと回転軸折り曲げが互いに押し出してスタックすることを防止でき、且つ逃がし切欠きは側折り曲げと回転軸折り曲げ成形時に更に拡大することができ、これにより、側折り曲げと回転軸折り曲げの成形前に逃がし切欠きを相対的に小さく設定することができ、逃がし切欠きが側折り曲げと回転軸折り曲げの成形時に、逃がし切欠きが小さいと、逃がし切欠きを更に拡大し、逃がし切欠きの大きさを適切にすることができる。
【0016】
2、アルミニウム合金の延性を利用して、ブランク本体の外側に折り曲げ部を形成しながら破損しないようにし、前記側折り曲げと前記回転軸折り曲げとの接続箇所に歪みを発生させて、側折り曲げと回転軸折り曲げとを互いに垂直に接続し、前記側折り曲げと前記ブランク本体との接続箇所に徐々に歪みを発生させて、前記側折り曲げと前記ブランク本体とを互いに垂直に接続し、側折り曲げの頂部を前記ブランク本体の頂面と平行になるまで下向きに屈曲させる。
【0017】
アルミニウム合金ノートパソコン筐体の外側を加工することにより、ノートパソコン筐体の側折り曲げと素体が垂直に接続された関係を呈し、及びノートパソコン筐体の側折り曲げの頂部及び回転軸折り曲げの頂部にはいずれも前記ブランク本体と平行な絞り構造が成形され、これにより、製造費を節約しながらノートパソコン筐体の外観をきれいにするとともに、全体の強度も高い。
【0018】
以下、本発明の実施例又は従来技術における技術案をより明確に説明するために、図面及び実施例を参照しながら本発明を更に説明し、以下の説明における図面は、本発明の実施形態の一部であり、当業者にとって、創造的な労働を行わずに、これらの図面に基づいて他の図面をさらに得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は本発明のアルミニウム合金裁断後の斜視模式図である。
【
図2】本発明における
図1のC部分の拡大模式図である。
【
図3】本発明における引張エンボス加工後の斜視模式図である。
【
図4】本発明における
図3のD部分の拡大模式図である。
【
図6】本発明における
図5のE部分の拡大模式図である。
【
図7】本発明における45度絞りした場合の斜視模式図である。
【
図8】本発明における
図7のA部分の拡大模式図である。
【
図9】本発明における絞り完成後の斜視模式図である。
【
図10】本発明における
図9のB部分の拡大模式図である。
【
図11】本発明におけるキーボード孔をプラスした後の斜視模式図である。
【
図12】本発明における側折り曲げにおいて貫通孔をプレスした後の斜視模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の目的、技術案及び利点をより明らかにするために、以下、本発明における図面を参照しながら、本発明における技術案を明確で完全に説明する。勿論、説明された実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく取得した他の全ての実施例は、本発明の保護の範囲に属する。
【0021】
本願の実施例の説明において、明確な規定と限定がない限り、「互いに接続」、「接続」等の用語の意味は広く理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続や、あるいは一体的な接続でも可能である。機械的な接続や、電気接続や、あるいは直接的に互いに接続することや、中間媒体を介して間接的に互いに接続することも可能である。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本願の実施例での具体的な意味を理解することができる。
【0022】
本願の実施例において、明確な規定と限定がない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」または「下」にあることは、第1の特徴および第2の特徴が直接接触することであってもよく、または第1の特徴および第2の特徴が中間媒体を介して間接的に接触することであってもよい。また、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」および「上側」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上または斜め上にあることであってもよく、または単に第1の特徴の水平方向の高さが第2の特徴よりも高いことを意味する。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」および「下側」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真下または斜め下にあることであってもよく、または単に第1の特徴の水平方向の高さが第2の特徴よりも低いことを意味する。
【0023】
本明細書の説明において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」、または「いくつかの例」などの用語を参照する説明は、実施例又は例を参照しながら説明される具体的な特徴、構造、材料、または特徴が、本願の実施例の少なくとも1つの実施例または例に含まれることを意味する。本明細書では、上記の用語の模式的表現は、必ずしも同じ実施例または例に向けられているわけではない。さらに、説明される具体的な特徴、構造、材料、または特徴は、任意の1つまたは複数の実施例または例において、適切な方法で組み合わせることができる。さらに、当業者は、本明細書に説明される異なる実施例または例、ならびに異なる実施例または例の特徴を、互いに矛盾することなく結合し、組み合わせることができる。
【0024】
図1~
図12に示すように、本発明の実施例は、例えば、筐体材直角折り曲げ加工方法に関し、当該方法は、
アルミニウム合金を必要な寸法と形状に合わせてブランク本体1に裁断し、ブランク本体1の外側に逃がし切欠き2を設ける切り取りステップS1と、
裁断後のアルミニウム合金を下向きに押出して、ブランク本体1の外側に折り曲げ部を形成する引張エンボス加工であって、前記折り曲げ部は、側折り曲げ3及び回転軸折り曲げ4を含み、回転軸折り曲げ4は、後続の組み立てに供してノートパソコンの回転軸を回転軸折り曲げ4中に装着することができ、且つ、前記側折り曲げ3とブランク本体1との接続箇所は第1のフィレット5であり、前記側折り曲げ3と前記回転軸折り曲げ4との接続箇所は第2のフィレット6であり、前記逃がし切欠き2は前記側折り曲げ3と前記回転軸折り曲げ4との間に設置され、更に、プレス金型によって裁断後のアルミニウム合金をプレスすることができ、アルミニウム合金は比較的に良好な延性を持っているため、側折り曲げ3及び回転軸折り曲げ4の形成効果はより良好であり、プレス金型は下型と上型を含み、前記アルミニウム合金は下型に配置され、上型はアルミニウム合金を押圧することができ、上型がアルミニウム合金を下向きに押圧する時、ブランク本体1を下に移動させながら外側が曲がって側折り曲げ3と回転軸折り曲げ4を形成する引張エンボス加工ステップS2と、
前記側折り曲げ3を回転軸折り曲げ4に向けて圧力を印加し、回転軸折り曲げ4において、折り曲げが発生することを制限することができる位置規制装置を設け、圧力によって、側折り曲げ3を回転軸折り曲げ4に向けて押圧し、このとき、ステップ2における前記側折り曲げ3と前記回転軸折り曲げ4との接続箇所に歪みを発生させて、側折り曲げ3と回転軸折り曲げ4とを互いに垂直に接続し、これにより、側折り曲げ3と回転軸折り曲げ4との間の接続強度及び硬度を高めることができ、このとき、逃がし切欠き2を補修により修復することができる整形ステップS3と、
側折り曲げ3をブランク本体1の中心軸の方向に向けて圧力を印加し、圧力によって、前記側折り曲げ3を前記ブランク本体1の中心軸の方向に向けて押圧し、このとき、ステップ2における前記側折り曲げ3と前記ブランク本体1との接続箇所に徐々に歪みを発生させて、前記側折り曲げ3と前記ブランク本体1とを互いに垂直に接続する押圧戻しS4であって、側折り曲げ3がブランク本体1を押圧することで、側折り曲げ3とブランク本体1とが垂直接続を形成する場合、前記側折り曲げ3と前記ブランク本体1との接続強度及び硬度がいずれも増加し、かつアルミニウム合金の耐食性が改善され、アルミニウム合金は押出過程において表面のスケールと熱割れを除去することができ、アルミニウム材料の表面をより滑らかにし、輝度をより高くし、耐食性をより強くすることができ、押圧戻し過程において、金属ブランクは高い温度に加熱された後、金型によって押し出され、従来の切削加工に比べて、押圧戻しは浪費を減らし、材料コストを節約することができ、更に、ブランク本体1を固定し、押圧金型を用いて側折り曲げ3に作用させることができ、これにより側折り曲げ3が均一に力を受けることができ、ブランク本体1の中心点に向かう方向に移動する際に側折り曲げ3が変形することを防止し、前記押圧金型は、押し板を含み、前記押し板の側面積は前記側折り曲げ3の側面積と等しく、前記押し板の頂部と底部には押し板を前記側折り曲げ3上に位置決めするための位置決め部材が設けられている押圧戻しステップS4と、
前記側折り曲げ3及び前記回転軸折り曲げ4の頂部に絞り部7を設け、側折り曲げ3及び回転軸折り曲げ4の頂部にブランク本体1の中心軸方向に向かう圧力を印加し、絞り部がブランク本体1の中心に向かって30~60度傾斜したときに圧力の印加を停止し、好ましくは、側折り曲げ3及び回転軸折り曲げ4の頂部がブランク本体1の中心に向かって45傾斜したときに圧力の印加を停止する一次絞りステップS5と、
絞り部に下向きの圧力を印加し、絞り部7を前記ブランク本体1の頂面と平行になるまで下向きに屈曲させる二次絞りステップS6とを含む。
【0025】
ステップS3において、前記ブランクの外側に折り曲げ予定部が設けられ、前記折り曲げ予定部は、側折り曲げ3を前記ブランク本体1の中心軸の方向に向けて押圧するにつれて、側折り曲げ3は折り曲げ予定部を圧縮する。これにより、折り曲げ予定部を縮むとともに強度を増加させ、更に、適切な予定部を予め設定することにより、折り曲げ角度と折り曲げ位置をより正確に制御することができ、最終製品の精度と一致性を向上させることができ、予定部の設計はまた、折り曲げ過程における応力集中を効果的に減少させ、材料の折り曲げ箇所における亀裂や破断の発生を避けることができる。
【0026】
本実施例では、前記折り曲げ予定部(図示せず)の幅は10mm~15mmである。
【0027】
本実施例では、前記アルミニウム合金は五系アルミニウム合金であり、一方、五系アルミニウム合金は良好な耐食性を有し、強度が高く、五系アルミニウム合金は冷間加工状態で中程度の強度を有し、一定の強度が必要であるが、良好な成形性能が要求される応用に適しており、前記アルミニウム合金の具体的な型番は5052または5B52であってもよい。
【0028】
図2~
図9を参照すると、ステップS2において、裁断後のアルミニウム合金を下向きに押出する時、前記ブランクの頂面に槽体8が窪んで成形され、当該槽体8については、後続の加工において、この槽体8内をプレス金型を用いて複数のキーボード孔に成形することができる。
【0029】
図1~
図9を参照すると、前記ブランクは方形状アルミニウム板を含み、前記方形状アルミニウム板の片側には装着溝9が開設され、装着溝9の存在はノートパソコン筐体とノートパソコンディスプレイを組み合わせて接続するのに便利である。
【0030】
本実施例では、回転軸折り曲げ4は、前記方形状アルミニウム板の前記装着溝9が開設されている側に設置されている。
【0031】
本実施例では、前記アルミニウム合金の硬度は65HB~75HBであり、好ましくは70HBである。
【0032】
本実施例では、前記第2のフィレットは6R=1mm~1.5mmであり、好ましくは1mmである。
【0033】
図1~
図9を参照すると、ステップS4において、側折り曲げ3が回転軸折り曲げ4に向かって押圧されるとき、前記逃がし切欠き2は、側折り曲げ3と回転軸折り曲げ4とのスタックを防止するために絶えず大きさを調整することができ、更に、側折り曲げ3と回転軸折り曲げ4の成形前に逃がし切欠き2を相対的に小さく設定することができ、側折り曲げ3と回転軸折り曲げ4の成形時に、逃がし切欠き2が小さいと、逃がし切欠き2を更に拡大し、逃がし切欠き2の大きさが適切にすることができる。
【0034】
さらに、本発明は、後加工において、側折り曲げ3に複数の貫通孔が開設される。
【0035】
理解できるように、当業者にとっては、上述の説明に従って改良または変換を加えることができ、これらの改良および変換はすべて本発明に添付された特許請求の範囲に属するべきである。
【符号の説明】
【0036】
1、ブランク本体
2、逃がし切欠き
3、側折り曲げ
4、回転軸折り曲げ
5、第1のフィレット
7、絞り部
8、槽体
9、装着溝
10、貫通孔
【要約】 (修正有)
【課題】ノートパソコン筐体の外観をきれいにするとともに、全体の強度も高い。筐体材直角折り曲げ加工方法を提供する。
【解決手段】本発明は、アルミニウム合金をブランク本体に裁断し、ブランク本体の外側に逃がし切欠きを設け、裁断後のアルミニウム合金を下向きに押出して、ブランク本体の外側に側折り曲げ及び回転軸折り曲げを形成し、側折り曲げを回転軸折り曲げに向けて圧力を印加し、側折り曲げと回転軸折り曲げとを互いに垂直に接続し、側折り曲げ及び回転軸折り曲げの頂部にブランク本体の中心軸方向に向かう圧力を印加し、次に、側折り曲げの頂部に下向きの圧力を印加し、側折り曲げの頂部をブランク本体の頂面と平行にする。
【選択図】
図9