(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-22
(45)【発行日】2025-05-30
(54)【発明の名称】3D-NANDメモリセル構造
(51)【国際特許分類】
H10B 43/27 20230101AFI20250523BHJP
H10D 30/69 20250101ALI20250523BHJP
H10D 30/01 20250101ALI20250523BHJP
H10D 64/60 20250101ALI20250523BHJP
H10D 64/27 20250101ALI20250523BHJP
【FI】
H10B43/27
H10D30/69
H10D30/01 501
H10D64/60
H10D64/27 G
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021006817
(22)【出願日】2021-01-20
【審査請求日】2024-01-15
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カン, チャンソク
(72)【発明者】
【氏名】北島 知彦
(72)【発明者】
【氏名】カン, スンクォン
【審査官】宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-157734(JP,A)
【文献】特表2014-533437(JP,A)
【文献】特表2015-505420(JP,A)
【文献】米国特許第09443861(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 43/27
H10D 30/69
H10D 30/01
H10D 64/60
H10D 64/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリデバイスを形成する方法であって、
第1の材料層と金属層との交互の層を含む金属スタックを通って開口部を形成することと、
400℃から1000℃の範囲の温度でアンモニア(NH
3
)の雰囲気中で前記金属スタックをアニーリングし、前記開口部を通して前記金属層
の一部を選択的に窒化して
前記金属層に隣接する窒化領域を形成することと、
を含
み、
前記窒化領域が、0.1nmから10nmの範囲の厚さを有する、方法。
【請求項2】
前記金属スタックが、基板、半導体層、および犠牲層のうちの1つ以上の上に形成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記開口部にビットラインを形成することを、さらに含み、前記ビットラインを形成することが、
前記開口部に第1の酸化物チャネル層を堆積させることと、
前記第1の酸化物チャネル層上に窒化物チャネル層を堆積させることと、
前記窒化物チャネル層上に第2の酸化物チャネル層を堆積させることと、
前記開口部において前記第2の酸化物チャネル層上にポリシリコン層を形成することと、
前記ポリシリコン層にビットラインパッドを形成することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記開口部を形成する前に、前記金属スタックの上面に酸化物層を堆積させることを、さらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記酸化物層および前記ビットラインパッドの上面に層間誘電体を堆積させることを、さらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記窒化領域が、前記開口部に突出している、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記窒化領域が、前記開口部から引っ込んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記金属層が、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ルテニウム(Ru)、ニオブ(Nb)、オスミウム(Os)、ジルコニウム(Zr)、イリジウム(Ir)、レニウム(Re)、チタン(Ti)などのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の材料層が、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、オスミウム(Os)、ジルコニウム(Zr)、イリジウム(Ir)、レニウム(Re)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)、窒化モリブデン(MoN)、窒化ジルコニウム(ZrN)、酸化ケイ素(SiO
2)、酸化ルテニウム(RuO
x)、酸化イリジウム(IrO
x)、酸化タングステン(WO
x)、窒化ケイ素(SiN)などのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記窒化領域が、窒化タングステン(WN)、窒化モリブデン(MoN)、窒化タンタル(TaN)、窒化ルテニウム(RuN)、窒化ニオブ(NbN)、窒化オスミウム(OsN)、窒化ジルコニウム(ZrN)、窒化イリジウム(IrN)、窒化レニウム(ReN)、窒化チタン(TiN)などのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、銀(Ag)、金(Au)、イリジウム(Ir)、タンタル(Ta)、および白金(Pt)のうちの1つ以上を含むワードラインコンタクトを、さらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、電子デバイス、ならびに電子デバイスを製造するための方法および装置の分野に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、3D-NANDメモリセルを形成するための方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
[0002]半導体技術は急速に進歩し、デバイスの寸法は、技術の進歩とともに縮小し、単位スペースあたりの処理と記憶を高速化している。NANDデバイスでは、ストリング電流は、オンセルとオフセルを区別するのに十分な電流を得るのに十分な大きさである必要がある。ストリング電流は、シリコンチャネルの粒径を大きくすることによって高められるキャリア移動度に依存する。
【0003】
[0003]酸化物と窒化物の層が交互になっている既存の3D-NANDメモリスタックでは、ワードラインを作製するために置換金属ゲート(RMG)プロセスが必要である。スタックの高さが厚くなってきているので、高アスペクト比(HAR)のメモリホールのエッチング/充填プロセスと応力制御が、より困難になってきている。酸化膜と窒化膜のスタックの交互の層は、置換金属ゲート(RMG)ステップを回避し、スタックの高さを薄くするための候補になり得る。
【0004】
[0004]非置換金属ゲート(RMG)プロセスの場合、セル構成要素は、金属からの金属の拡散から保護される必要があり、酸素環境での加熱プロセス中に金属を酸化から保護する必要がある。
【0005】
[0005]したがって、スタックの高さがより薄く、セル構成要素および金属層が保護されている3D-NANDデバイスが、当技術分野では必要とされている。さらに、3D-NANDデバイスを形成するための方法および装置が、当技術分野では必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本開示の1つ以上の実施形態は、メモリデバイスを形成する方法に関する。一実施形態では、電子デバイスを形成する方法は、第1の材料層と金属層との交互の層を含む金属スタックを通って開口部を形成することと、開口部を通して金属層を選択的に窒化して、窒化領域を形成することと、を含む。
【0007】
[0007]本開示の追加の実施形態は、半導体メモリデバイスに関する。一実施形態では、半導体メモリデバイスは、デバイスの第1の部分における交互の第1の材料層および金属層を含む金属スタック、ならびにデバイスの第2の部分におけるメモリスタックを含み、メモリスタックは、交互の第1の材料層およびワードラインであって、金属窒化領域を有する金属層を含むワードライン、メモリスタックを通って延びる複数のビットライン、ならびにワードラインの上面から延びるワードラインコンタクトを含む。
【0008】
[0008]本開示のさらなる実施形態は、処理ツールに関する。一実施形態では、処理ツールは、ウェハを移動させるように構成されたロボットを備える中央移送ステーション、複数のプロセスステーションであって、各プロセスステーションは中央移送ステーションに接続され、隣接するプロセスステーションの処理領域から分離された処理領域を提供し、複数のプロセスステーションは窒化チャンバを含む、複数のプロセスステーション、ならびに中央移送ステーションおよび複数のプロセスステーションに接続されたコントローラであって、プロセスステーション間でウェハを移動させるようにロボットを作動させ、各プロセスステーションで起こるプロセスを制御するように構成されているコントローラ、を備える。
【0009】
[0009]本開示の上記の特徴が詳細に理解されるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照することによって得られ、そのいくつかは、添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示し、したがって、その範囲を限定すると見なされるべきではなく、本開示は、他の同等に有効な実施形態を認めることができることに留意されたい。本明細書に記載の実施形態は、同様の参照符号が類似の要素を示す添付の図面の図において、限定ではなく、例示として示されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本明細書に記載の実施形態による、メモリデバイスを形成する方法の一実施形態のフロープロセス図を示す。
【
図2】1つ以上の実施形態による、メモリスタックを備えたデバイスの断面図を示す。
【
図3】1つ以上の実施形態による、メモリスタックの階段パターンを形成した後の基板の断面図を示す。
【
図4A】1つ以上の実施形態による、開口部の形成後の基板の断面図を示す。
【
図4B】1つ以上の実施形態による、
図4Aの基板の断面図領域103を示す。
【
図5A】1つ以上の実施形態による、金属層の選択的窒化後の基板の断面図を示す。
【
図5B】1つ以上の実施形態による領域101の拡大図を示す。
【
図5C】1つ以上の実施形態による領域101の拡大図を示す。
【
図5D】1つ以上の実施形態による領域101の拡大図を示す。
【
図6A】1つ以上の実施形態による基板の断面図を示す。
【
図6B】1つ以上の実施形態による領域101の拡大図を示す。
【
図7】1つ以上の実施形態による、ビットラインパッドの形成後の基板の断面図を示す。
【
図8】1つ以上の実施形態による、層間誘電体の堆積後の基板の断面図を示す。
【
図9】1つ以上の実施形態による、スリットパターニング後の基板の断面図を示す。
【
図10】1つ以上の実施形態による、犠牲層が除去された後の基板の断面図を示す。
【
図11】1つ以上の実施形態による基板の断面図を示す。
【
図12A】1つ以上の実施形態による基板の断面図を示す。
【
図13】1つ以上の実施形態による基板の断面図を示す。
【
図14】1つ以上の実施形態による基板の断面図を示す。
【
図15】1つ以上の実施形態による基板の断面図を示す。
【
図16】1つ以上の実施形態によるクラスタツールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0032]本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の説明に記載される構造またはプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実行することができる。
【0012】
[0033]酸化物と窒化物の層が交互になっている既存の3D-NANDメモリスタックでは、ワードラインを作製するために置換金属ゲート(RMG)プロセスが必要である。スタックの高さが厚くなってきているので、高アスペクト比(HAR)のメモリホールのエッチング/充填プロセスと応力制御が、より困難になってきている。
【0013】
[0034]1つ以上の実施形態が、スタックの高さがより薄くなる非置換金属ゲート(RMG)プロセスを有利に提供する。1つ以上の実施形態では、メモリセル構成要素は、金属からの金属の拡散から保護され、金属は、酸化雰囲気での熱プロセスへの曝露中に酸化から保護される。特に、メモリセル構成要素は、金属スタックが酸化環境に曝されるときに、メモリホールエッチングの側面から堆積する。
【0014】
[0035]ポリシリコンと金属の間の表面を制御するために、金属の堆積および他のプロセスを、隔離された環境(例えば、クラスタプロセスツール)で実行することができる。したがって、本開示のいくつかの実施形態は、方法を実施するための関連するプロセスモジュールを備えた統合ツールシステムを提供する。
図1は、メモリデバイスを形成するための例示的な方法10のプロセスフロー図を示している。当業者は、方法10が、図示されたプロセスのいずれかまたはすべてを含むことができることを認識するであろう。さらに、個々のプロセスの順序は、一部で変更できる。方法10は、開示から逸脱することなく、列挙されたプロセスのいずれかで開始することができる。
図1を参照すると、工程15で、メモリスタックが形成される。工程20で、ワードライン階段が、メモリスタックに形成される。工程25で、開口部、例えば、メモリホールチャネルが、ワードライン階段の中にパターニングされる。工程30で、金属層が、開口部を通して窒化される。工程35で、トランジスタ層が堆積される。工程40で、ビットラインパッドが形成される。工程45で、層間誘電体が堆積される。工程50で、メモリ階段が、スリットパターニングされる。工程55で、犠牲層が除去される。工程60で、半導体材料が堆積される。工程65で、スリットが充填され、工程70で、ワードラインコンタクトが形成される。
【0015】
[0036]
図2~
図18は、
図1の方法10について示されたプロセスフローに従ったメモリデバイス100の一部を示している。
【0016】
[0037]
図2は、本開示の1つ以上の実施形態による、電子デバイス100の初期または開始金属スタックを示している。いくつかの実施形態では、
図2に示される電子デバイス100は、図示されるように、ベア基板105上に層状に形成される。
図2の電子デバイスは、基板105、半導体層110、犠牲層120、金属スタック130、および酸化物層140から構成される。
【0017】
[0038]基板105は、当業者に知られている任意の適切な材料であり得る。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、「基板」という用語は、プロセスが作用する表面または表面の一部を指す。文脈が明らかに他のことを示さない限り、基板への言及は、基板の一部のみを指すことができることが、当業者によって理解されるであろう。さらに、基板上に堆積させることへの言及は、ベア基板と、1つ以上の膜またはフィーチャがその上に堆積または形成された基板の両方を意味することができる。
【0018】
[0039]本明細書で使用される「基板」は、製造プロセス中に膜処理が実行される、任意の基板、または基板上に形成された材料表面を指す。例えば、処理を行うことができる基板表面には、ケイ素、酸化ケイ素、歪みシリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素ドープ酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイアなどの材料、ならびに用途に応じて、金属、金属窒化物、金属合金、およびその他の導電性材料などの任意の他の材料が含まれる。基板には、半導体ウェハが含まれるが、これに限定されない。基板は、基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、および/またはベークするための前処理プロセスに曝されてもよい。基板自体の直接に表面上での膜処理に加えて、本開示では、開示される膜処理ステップのいずれもが、より詳細に以下で開示されるように、基板上に形成された下層上で実行されてもよく、「基板表面」という用語は、文脈が示すような下層を含めることを意図している。したがって、例えば、膜/層または部分的な膜/層が、基板表面上に堆積された場合、新しく堆積された膜/層の露出面が、基板表面になる。
【0019】
[0040]半導体層110が、基板105上にある。1つ以上の実施形態では、半導体層110は、共通ソースラインと呼ばれることもある。半導体層110は、当業者に知られている任意の適切な技術によって形成することができ、ポリシリコン(ポリSi)を含むがこれに限定されない任意の適切な材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、半導体層110は、導電性または半導体材料で作られている共通ソースラインである。いくつかの実施形態では、第1の金属層132および第2の金属層のスタックの下の層を変更して、ソースラインコンタクトを形成することができる。第1の層と第2の層のスタックの下の構造の任意の変更が可能である。
【0020】
[0041]犠牲層120が、半導体層110上に形成され、任意の適切な材料で作ることができる。いくつかの実施形態における犠牲層120は、後のプロセスで除去および交換される。いくつかの実施形態では、犠牲層120は、除去されず、メモリデバイス100内に残る。この場合、「犠牲」という用語は、永続的な層を含むように拡張された意味を有し、導電層と呼ばれることがある。図示の実施形態では、以下でさらに説明するように、犠牲層120は、工程55で除去される。1つ以上の実施形態では、犠牲層120は、隣接する半導体層110および金属層134に対して選択的に除去することができる材料を含む。
【0021】
[0042]金属スタック130が、犠牲層120上に形成される。図示の実施形態における金属スタック130は、複数の交互の第1の材料層132および金属層134を含む。いくつかの実施形態では、金属スタック130は、金属と金属、金属と金属窒化物、または酸化物と金属などの非置換ゲートを含む。金属層134は、第1の材料層132に対して窒化に選択的である金属を含み、その結果、金属層134は、第1の材料層132に実質的に影響を与えることなく窒化することができる。1つ以上の実施形態では、第1の材料層132は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、オスミウム(Os)、ジルコニウム(Zr)、イリジウム(Ir)、レニウム(Re)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)、窒化モリブデン(MoN)、窒化ジルコニウム(ZrN)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化ルテニウム(RuOx)、酸化イリジウム(IrOx)、酸化タングステン(WOx)、窒化ケイ素(SiN)などのうちの1つ以上を含む。1つ以上の実施形態では、金属層134は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ルテニウム(Ru)、ニオブ(Nb)、オスミウム(Os)、ジルコニウム(Zr)、イリジウム(Ir)、レニウム(Re)、チタン(Ti)などのうちの1つ以上を含む。したがって、1つ以上の実施形態では、第1の材料層132および金属層134の交互の層は、窒化チタン/タングステン(TiN/W)、酸化ケイ素/タングステン(SiO2/W)、タングステン/モリブデン(W/Mo)、酸化タングステン/タングステン(WOx/W)、および窒化チタン/モリブデン(TiN/Mo)のうちの1つ以上を含む。1つ以上の実施形態では、第1の材料層132および金属層134は、同じ材料を含まない。1つ以上の特定の実施形態では、第1の材料層132は、窒化チタン(TiN)を含む。1つ以上の特定の実施形態では、金属層143は、タングステンを含む。1つ以上の実施形態では、第1の材料層132および金属層134は、化学気相堆積(CVD)または物理気相堆積(PVD)によって堆積される。
【0022】
[0043]個々の交互の層は、任意の適切な厚さに形成することができる。いくつかの実施形態では、各金属層134の厚さは、ほぼ等しい。1つ以上の実施形態では、各金属層134は、第1の金属層の厚さを有する。いくつかの実施形態では、各第1の材料層132の厚さは、ほぼ等しい。この点で使用される場合、ほぼ等しい厚さは、互いの+/-5%以内である。
【0023】
[0044]
図3を参照すると、1つ以上の実施形態では、方法10の工程20で、階段構造131が生成される。階段構造131は、金属層134の上面135を露出させる。以下に説明するように、上面135を使用して、ワードラインコンタクトを形成するためのスペースを提供することができる。適切な充填材料137が堆積されて、階段構造131の外側の空間を占めることができる。当業者によって理解されるように、適切な充填材料137は、隣接するワードライン間の電気的短絡を防止する任意の材料であり得る。各ワードラインが、下のワードラインよりも狭い幅(図では左から右に示されている)を有する階段構造131である。「上」および「下」のような相対的な用語の使用は、開示の範囲を空間内の物理的な向きに限定するものと解釈されるべきではない。
【0024】
[0045]
図4Aおよび
図4Bを参照すると、工程25において、1つ以上の実施形態では、開口部150が、金属スタック130を通って開かれる。いくつかの実施形態では、開口部150は、メモリホールチャネルを含む。いくつかの実施形態では、開口部150を開くことは、酸化物層140、金属スタック130、犠牲層120を通って、半導体層110内までエッチングすることを含む。領域103の拡大図である
図4Bを参照すると、開口部150は、第1の材料層132の表面138および金属層134の表面139を露出する、金属スタック130を通って延びる側壁を有する。
【0025】
[0046]1つ以上の実施形態では、犠牲層120は、開口部150の側壁として露出された表面122を有する。開口部150は、半導体層110内まで延びて、開口部150の側壁表面112および底部114が、半導体層110内に形成される。開口部150の底部114は、半導体層110の厚さの範囲内の任意の点で形成することができる。いくつかの実施形態では、開口部150は、半導体層110の厚さの約10%から約90%の範囲、または約20%から約80%の範囲、または約30%から約70%の範囲、または約40%から約60%の範囲で、半導体層110内に延びる。いくつかの実施形態では、開口部150は、半導体層110の厚さの10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、または80%以上、半導体層110内に延びる。
【0026】
[0047]
図5Aは、金属層134が開口部150を通して窒化される工程30を示している。
図5Bは、
図5Aの領域101の拡大図である。1つ以上の実施形態では、金属層134は、周囲圧力で約400°Cから約1000°Cの範囲の温度でアンモニア(NH
3)の雰囲気中でアニーリングすることによって、窒化される。1つ以上の実施形態では、金属層134の窒化は、開口部150から金属層134まで延びる、約0.1nmから約10nmの範囲の厚さを有する金属窒化領域155を形成する。
【0027】
[0048]1つ以上の実施形態では、金属窒化領域155は、窒化タングステン(WN)、窒化モリブデン(MoN)、窒化タンタル(TaN)、窒化ルテニウム(RuN)、窒化ニオブ(NbN)、窒化オスミウム(OsN)、窒化ジルコニウム(ZrN)、窒化イリジウム(IrN)、窒化レニウム(ReN)、窒化チタン(TiN)などのうちの1つ以上を含む。1つ以上の特定の実施形態では、金属窒化領域155は、窒化タングステン(WN)を含む。
【0028】
[0049]
図5Cおよび
図5Dを参照して、1つ以上の代替の実施形態が示されている。
図5Cに示されるように、1つ以上の実施形態では、金属窒化領域155は、開口部150内に突出している。他の実施形態では、
図5Dを参照すると、金属層134は、開口部150を通して引っ込められる。いくつかの実施形態では、金属層134は、過酸化水素(H
2O
2)を使用して開口部150を通して引っ込められる。次に、引っ込められた金属層134が窒化されて、引っ込められた金属窒化領域155を形成する。
【0029】
[0050]理論に拘束されることを意図するものではないが、1つ以上の実施形態の3D NAND構造および1つ以上の実施形態の金属層134を窒化する方法は、金属層134の酸化を抑制すると考えられる。開口部150の内側の金属層134の表面に形成された金属窒化領域155は、酸素拡散のバリア層として機能する。さらに、金属窒化領域155は、電荷トラップメモリセルの電極として機能する。
【0030】
[0051]1つ以上の実施形態では、金属窒化領域155の存在は、金属スタック130の酸化を抑制し、その結果、高誘電率誘電体と金属ゲートとの間の体積または界面特性の変化を回避することができる。1つ以上の実施形態では、金属窒化領域155は、低コストでプロセスステップが減った電荷トラップベースのフラッシュメモリセルに望まれる高仕事関数の金属窒化物である。1つ以上の実施形態では、金属層134から電荷トラップベースのセルへの金属の拡散が、高温プロセス中に回避される。
【0031】
[0052]
図6Aおよび
図6Bは、工程35を示しており、トランジスタ層165が、金属層134および金属窒化領域155に隣接して開口部150内に共形に堆積される。トランジスタ層165は、当業者に知られている任意の適切な技術によって形成することができる。いくつかの実施形態では、トランジスタ層165は、共形堆積プロセスによって形成される。いくつかの実施形態では、トランジスタ層165は、原子層堆積または化学気相堆積のうちの1つ以上によって形成される。
【0032】
[0053]1つ以上の実施形態では、トランジスタ層165の堆積は、実質的に共形である。本明細書で使用される場合、「実質的に共形」である層は、厚さが全体にわたって(例えば、側壁の上部、中央部および下部、ならびに開口部150の底部)ほぼ同じである層を指す。実質的に共形である層は、厚さのばらつきが、約5%以下、約2%以下、約1%以下または約0.5%以下である。
【0033】
[0054]領域101の拡大図である
図6Bを参照すると、1つ以上の実施形態では、トランジスタ層165は、ブロッキング酸化物層176(または第1の酸化物層176)、第1の酸化物層176上の窒化物トラップ層174、窒化物トラップ層174上の第2の酸化物層172(またはトンネル酸化物層172)、および第2の酸化物層172上の開口部150内のポリシリコン層170を含む。1つ以上の実施形態では、ブロッキング酸化物層176、電荷トラップ窒化物(SiN)層174、およびトンネル酸化物層172が、開口部150の側壁上の開口部150内または半導体層110上に堆積される。1つ以上の実施形態では、ブロッキング酸化物を形成する前に、酸化アルミニウムまたは酸化ハフニウムなどの高誘電率誘電体材料を堆積させることができる(すなわち、ブロッキング層は、高誘電率誘電体および酸化ケイ素から構成される)。
【0034】
[0055]1つ以上の実施形態では、ポリシリコン(ポリSi)層170が、トランジスタ層165に隣接して開口部150内に形成される。ポリSi層170は、トランジスタ層165上に直接形成することができる。ポリSi層170は、原子層堆積および化学気相堆積を含むがこれらに限定されない、当業者に知られている任意の適切な技術によって、堆積させることができる。いくつかの実施形態では、ポリシリコン層170は、開口部150の側壁および露出面138、139、122、112ならびに底部114(
図4Bを参照)上に形成されるように、共形層として堆積される。
【0035】
[0056]ポリシリコン層170は、例えば、開口部150の寸法に応じて、任意の適切な厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、ポリシリコン層170は、約0.5nmから約50nmの範囲、または約0.75nmから約35nmの範囲、または約1nmから約20nmの範囲の厚さを有する。いくつかの実施形態では、ポリシリコン層170は、連続的な膜である。1つ以上の実施形態では、ポリシリコン層170は、トンネル酸化物層172上に共形堆積されるマカロニ型で形成され、ポリシリコン層170は、約1nmから約20nmの範囲の厚さを有する。次に、開口部150は、誘電体材料160で充填される。
【0036】
[0057]
図7は、方法10の工程40を示しており、ビットラインパッド180が、ポリシリコン(ポリSi)層160に形成される。ビットラインパッド180は、ポリシリコンを含むがこれに限定されない、当業者に知られている任意の適切な材料であり得る。
【0037】
[0058]
図8は、方法10の工程45を示しており、層間誘電体185が、酸化物層140およびビットラインパッド180の上面に堆積される。層間誘電体(ILD)185は、当業者に知られている任意の適切な技術によって堆積させることができる。層間誘電体185は、当業者に知られている任意の適切な材料を含むことができる。1つ以上の実施形態では、層間誘電体185は、例えば、二酸化ケイ素、酸化ケイ素、炭素ドープ酸化物(「CDO」)、例えば、炭素ドープ二酸化ケイ素、多孔質二酸化ケイ素(SiO
2)、窒化ケイ素(SiN)、またはそれらの任意の組み合わせなどの材料を含むがこれらに限定されない低誘電率誘電体である。「酸化ケイ素」という用語が、層間誘電体185を記述するために使用され得るが、当業者は、本開示が特定の化学量論に限定されないことを認識するであろう。例えば、「酸化ケイ素」および「二酸化ケイ素」という用語は両方とも、任意の適切な化学量論比でケイ素原子および酸素原子を有する材料を記述するために使用され得る。同じことが、本開示に記載されている他の材料(例えば、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなど)にも当てはまる。
【0038】
[0059]
図9は、方法10の工程50を示しており、金属スタック130がスリットパターニングされて、層間誘電体185の上面から基板105まで延びるスリットパターン開口部190を形成する。
【0039】
[0060]
図10は、方法10の工程55を示しており、犠牲層120および犠牲層120に隣接するトランジスタ誘電体(例えば、ブロッキング層、トラップ層、およびトンネル層)が除去されて、ポリSiチャネル層を露出させる。犠牲層120およびトランジスタ誘電体は、選択的エッチングを含むがこれに限定されない、当業者に知られている任意の適切な技術によって、除去することができる。
【0040】
[0061]
図11は、方法10の工程60を示しており、半導体材料(例えば、ポリシリコン充填物)195が、スリットパターン開口部190に堆積される。半導体材料は、当業者に知られている任意の適切な材料であり得る。
【0041】
[0062]
図12Aは、半導体材料195がスリットパターン開口部190の側壁から除去されるのを示している。理論に拘束されることを意図するものではないが、半導体材料195を側壁から除去するための開口部がスリットパターン開口部190にあるように、スリットパターン開口部190は、共通ソースライン110(半導体層110)の高さよりも大きくなければならない。1つ以上の実施形態では、半導体材料195は、等方性エッチングプロセス(例えば、TMAHなどを使用するウェットエッチング)によってスリットパターン開口部190の側壁から除去される。
図12Bは、
図12Aの領域101の拡大図を示している。
【0042】
[0063]
図13は、方法10の工程80を示しており、スリットパターン開口部190が、充填材料230で充填される。充填材料230は、当業者に知られている任意の適切な材料であり得る。1つ以上の実施形態では、充填材料230は、誘電体材料または導体材料のうちの1つ以上を含む。本明細書で使用される場合、「誘電体材料」という用語は、電界中で分極することができる電気絶縁体である材料の層を指す。1つ以上の実施形態では、誘電体材料は、酸化物、炭素ドープ酸化物、酸化ケイ素(SiO)、多孔質二酸化ケイ素(SiO
2)、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素/窒化ケイ素、炭化物、酸炭化物、窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物、ポリマー、ホスホシリケートガラス、フルオロシリケート(SiOF)ガラス、またはオルガノシリケートガラス(SiOCH)のうちの1つ以上を含む。
【0043】
[0064]
図14は、方法10の工程85を示しており、ワードラインコンタクト235が形成される。ワードラインコンタクト235は、ワードライン225の1つで終端となるのに十分な距離だけ金属スタック130を通って延びる。1つ以上の実施形態では、ワードラインコンタクト235は、当業者に知られている任意の適切な材料を含むことができる。1つ以上の実施形態では、ワードラインコンタクト235は、金属、金属ケイ化物、ポリシリコン、アモルファスシリコン、またはエピシリコンのうちの1つ以上を含む。1つ以上の実施形態では、ワードラインコンタクトは、接触抵抗を低減するために、N型ドーパントまたはP型ドーパントのいずれかによってドープされる。1つ以上の実施形態では、ワードラインコンタクト235の金属は、銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、銀(Ag)、金(Au)、イリジウム(Ir)、タンタル(Ta)、および白金(Pt)のうちの1つ以上から選択される。
【0044】
[0065]
図15は、1つ以上の実施形態による半導体メモリデバイスを示している。メモリデバイス100は、デバイス100の第1の部分300に交互の第1の材料層132および金属層134を含む金属スタック120を備え、デバイス100の第2の部分400に交互のワードライン225および金属層134を含む金属スタック130を備える。
【0045】
[0066]1つ以上の実施形態では、金属スタック120は、約12nmから約450nm、および約15nmから約400nmを含む、約10nmから約500nmの範囲の高さを有する。
【0046】
[0067]1つ以上の実施形態では、金属スタック120の第1の材料層132は、約0.5nmから約30nmを含む約0.5から約40nmの範囲の厚さを有し、約1nm、約3nm、約5nm、約7nm、約10nm、約12nm、約15nm、約17nm、約20nm、約22nm、約25nm、約27nm、約30nm、約35nm、および約40nmを含む。1つ以上の実施形態では、金属スタック130の金属層134は、約10nmから約20nmの範囲の平均厚さを有する。
【0047】
[0068]メモリデバイス100は、デバイス100の第2の部分400に交互の第1の材料層132およびワードライン層を含むメモリスタック133を含み、交互のワードライン層は、金属窒化領域155を有する金属層134を含む。
【0048】
[0069]本開示の追加の実施形態は、
図16に示されるように、説明されたメモリデバイスの形成および方法のための処理ツール900に向けられている。
【0049】
[0070]クラスタツール900は、複数の側面を備えた少なくとも1つの中央移送ステーション921、931を含む。ロボット925、935が、中央移送ステーション921、931内に配置され、ロボットブレードおよびウェハを複数の側面のそれぞれに移動させるように構成される。
【0050】
[0071]クラスタツール900は、中央移送ステーションに接続された、プロセスステーションとも呼ばれる複数のプロセスチャンバ902、904、906、908、910、912、914、916、および918を備える。様々なプロセスチャンバは、隣接するプロセスステーションから分離された個別の処理領域を提供する。プロセスチャンバは、前洗浄チャンバ、バッファチャンバ、移送スペース、ウェハオリエンタ/デガスチャンバ、低温冷却チャンバ、堆積チャンバ、アニーリングチャンバ、エッチングチャンバ、選択的酸化チャンバ、酸化物層薄化チャンバ、またはワードライン堆積チャンバを含むがこれらに限定されない任意の適切なチャンバであり得る。プロセスチャンバおよびコンポーネントの特定の配置は、クラスタツールに応じて変えることができ、本開示の範囲を制限するものと見なされるべきではない。
【0051】
[0072]いくつかの実施形態では、クラスタツール900は、窒化チャンバを含む。いくつかの実施形態では、クラスタツール900は、中央移送ステーションに接続された前洗浄チャンバを含む。
【0052】
[0073]
図16に示される実施形態では、ファクトリインターフェース950が、クラスタツール900の前面に接続されている。ファクトリインターフェース950は、ファクトリインターフェース950の前面951にローディングチャンバ954およびアンローディングチャンバ956を含む。ローディングチャンバ954が左側に示され、アンローディングチャンバ956が右側に示されているが、当業者は、これが単に1つの可能な構成を表すにすぎないことを理解するであろう。
【0053】
[0074]ローディングチャンバ954およびアンローディングチャンバ956のサイズおよび形状は、例えば、クラスタツール900で処理されている基板に応じて変わり得る。示されている実施形態では、ローディングチャンバ954およびアンローディングチャンバ956は、カセット内に配置された複数のウェハを備えたウェハカセットを保持するようにサイズ決定される。
【0054】
[0075]ロボット952が、ファクトリインターフェース950内にあり、ローディングチャンバ954とアンローディングチャンバ956との間を移動することができる。ロボット952は、ローディングチャンバ954内のカセットからファクトリインターフェース950を介してロードロックチャンバ960にウェハを移送することができる。ロボット952はまた、ウェハをロードロックチャンバ962からファクトリインターフェース950を介してアンローディングチャンバ956内のカセットに移送することもできる。当業者によって理解されるように、ファクトリインターフェース950は、1つより多いロボット952を有することができる。例えば、ファクトリインターフェース950は、ローディングチャンバ954とロードロックチャンバ960との間でウェハを移送する第1のロボットと、ロードロック962とアンローディングチャンバ956との間でウェハを移送する第2のロボットとを有し得る。
【0055】
[0076]示されているクラスタツール900は、第1のセクション920および第2のセクション930を有する。第1のセクション920は、ロードロックチャンバ960、962を介してファクトリインターフェース950に接続されている。第1のセクション920は、中に配置された少なくとも1つのロボット925を備えた第1の移送チャンバ921を含む。ロボット925は、ロボットウェハ移送機構とも呼ばれる。第1の移送チャンバ921は、ロードロックチャンバ960、962、プロセスチャンバ902、904、916、918、およびバッファチャンバ922、924に対して中央に配置されている。いくつかの実施形態のロボット925は、1つより多いウェハを一度に独立して移動させることができるマルチアームロボットである。いくつかの実施形態では、第1の移送チャンバ921は、1つより多いロボットウェハ移送機構を備える。第1の移送チャンバ921内のロボット925は、第1の移送チャンバ921の周りのチャンバ間でウェハを移動させるように構成される。個々のウェハは、第1のロボット機構の遠位端に配置されたウェハ輸送ブレード上で運ばれる。
【0056】
[0077]第1のセクション920でウェハを処理した後、ウェハは、パススルーチャンバを通って第2のセクション930に渡されることができる。例えば、チャンバ922、924は、一方向または双方向のパススルーチャンバであり得る。パススルーチャンバ922、924は、例えば、第2のセクション930で処理する前にウェハを低温冷却するために、または第1のセクション920に戻る前にウェハ冷却または後処理を可能にするために使用することができる。
【0057】
[0078]システムコントローラ990が、第1のロボット925、第2のロボット935、第1の複数のプロセスチャンバ902、904、916、918、および第2の複数のプロセスチャンバ906、908、910、912、914と通信している。システムコントローラ990は、プロセスチャンバおよびロボットを制御することができる任意の適切なコンポーネントであり得る。例えば、システムコントローラ990は、中央処理装置(CPU)992、メモリ994、入力/出力(I/O)996、およびサポート回路998を含むコンピュータであり得る。コントローラ990は、処理ツール900を直接、または特定のプロセスチャンバおよび/もしくはサポートシステムコンポーネントに関連付けられたコンピュータ(またはコントローラ)を介して制御することができる。
【0058】
[0079]1つ以上の実施形態では、コントローラ990は、様々なチャンバおよびサブプロセッサを制御するために産業環境で使用することができる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサの1つであり得る。コントローラ990のメモリ994またはコンピュータ可読媒体は、非一時的メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、読み出し専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、光ストレージメディア(コンパクトディスクやデジタルビデオディスクなど)、フラッシュドライブ、またはローカルもしくはリモートの任意の他の形態のデジタルストレージなどの容易に利用可能なメモリのうちの1つ以上であり得る。メモリ994は、処理ツール900のパラメータおよびコンポーネントを制御するようにプロセッサ(CPU992)によって動作可能な命令セットを保持することができる。
【0059】
[0080]サポート回路998は、従来のようにプロセッサをサポートするためにCPU992に結合されている。これらの回路には、キャッシュ、電源、クロック回路、入出力回路およびサブシステムなどが含まれる。1つ以上のプロセスが、プロセッサによって実行または呼び出されると、プロセッサに、本明細書に記載の方法で処理ツール900または個々の処理ユニットの動作を制御させるソフトウェアルーチンとして、メモリ994に格納され得る。ソフトウェアルーチンはまた、CPU992によって制御されているハードウェアから離れて配置された第2のCPU(図示せず)によって格納および/または実行されてもよい。
【0060】
[0081]本開示のプロセスおよび方法の一部または全ては、ハードウェアで実行されてもよい。したがって、プロセスは、ソフトウェアに実装され、コンピュータシステムを使用して実行されてもよいし、例えば、特定用途向け集積回路もしくは他のタイプのハードウェア実装としてハードウェアに実装されてもよいし、またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせとして実装されてもよい。ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されると、汎用コンピュータを、プロセスが実行されるようにチャンバの動作を制御する専用コンピュータ(コントローラ)に変換する。
【0061】
[0082]いくつかの実施形態では、コントローラ990は、方法を実行するために個々のプロセスまたはサブプロセスを実行するための1つ以上の構成を有する。コントローラ990は、媒介コンポーネントに接続されて、方法の機能を実行するために媒介コンポーネントを動作させるように構成することができる。例えば、コントローラ990は、窒化チャンバに接続され、窒化チャンバを制御するように構成することができる。
【0062】
[0083]一般に、プロセスは、プロセッサによって実行されると、プロセスチャンバに本開示のプロセスを実行させるソフトウェアルーチンとして、システムコントローラ990のメモリ994に格納され得る。ソフトウェアルーチンはまた、プロセッサによって制御されているハードウェアから離れて配置された第2のプロセッサ(図示せず)によって格納および/または実行されてもよい。本開示の方法の一部または全ては、ハードウェアで実行されてもよい。したがって、プロセスは、ソフトウェアに実装され、コンピュータシステムを使用して実行されてもよいし、例えば、特定用途向け集積回路もしくは他のタイプのハードウェア実装としてハードウェアに実装されてもよいし、またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせとして実装されてもよい。ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されると、汎用コンピュータを、プロセスが実行されるようにチャンバの動作を制御する専用コンピュータ(コントローラ)に変換する。
【0063】
[0084]いくつかの実施形態では、システムコントローラ990は、周囲圧力のアンモニア(NH3)ガスの雰囲気中で約400℃から約1000℃の範囲の温度でウェハ上の金属M層を窒化するように窒化チャンバを制御する構成を有する。
【0064】
[0085]1つ以上の実施形態では、処理ツールは、ウェハを移動させるように構成されたロボットを備える中央移送ステーション、複数のプロセスステーションであって、各プロセスステーションは中央移送ステーションに接続され、隣接するプロセスステーションの処理領域から分離された処理領域を提供し、複数のプロセスステーションは窒化チャンバおよびワードライン堆積チャンバを含む、複数のプロセスステーション、ならびに中央移送ステーションおよび複数のプロセスステーションに接続されたコントローラであって、プロセスステーション間でウェハを移動させるようにロボットを作動させ、各プロセスステーションで起こるプロセスを制御するように構成されているコントローラ、を備える。
【0065】
[0086]本明細書で論じられる材料および方法を説明する文脈での(特に以下の請求項の文脈で)「a」および「an」および「the」という用語ならびに同様の指示物の使用は、本明細書に別段の記載がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方をカバーすると解釈されるべきである。本明細書の値の範囲の列挙は、本明細書に別段の記載がない限り、範囲内にある各別個の値を個別に参照する略記法として役立つことを単に意図しており、各別個の値は、本明細書に個別に記載されているかのように明細書内に組み込まれる。本明細書に記載の全ての方法は、本明細書に別段の記載がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例、または例示的な文言(例えば、「など」)の使用は、単に材料および方法をよりよく明らかにすることを意図しており、別段の主張がない限り、範囲に制限を課さない。明細書のいかなる文言も、権利主張されていない要素が、開示された材料および方法の実施に不可欠であることを示すと、解釈されるべきではない。
【0066】
[0087]本明細書全体を通して「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」または「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、材料、または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な場所での「1つ以上の実施形態において」、「特定の実施形態において」、「一実施形態において」または「実施形態において」などの句の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特性は、1つ以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0067】
[0088]本明細書の開示は、特定の実施形態を参照して説明されてきたが、これらの実施形態は、本開示の原理および適用の単なる例示であることが理解されるべきである。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、本開示の方法および装置に様々な修正および変形を行うことができることが、当業者には明らかであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物の範囲内にある修正および変形を含むことが意図される。