(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-22
(45)【発行日】2025-05-30
(54)【発明の名称】コネクタ組立体
(51)【国際特許分類】
H01R 12/71 20110101AFI20250523BHJP
【FI】
H01R12/71
(21)【出願番号】P 2021092054
(22)【出願日】2021-06-01
【審査請求日】2024-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】中村 恵介
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/183298(WO,A1)
【文献】特開2019-192511(JP,A)
【文献】特開2020-061252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R12/00-12/91
H01R24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に搭載されるコネクタと、相手側コネクタとを備えるコネクタ組立体であって、
前記相手側コネクタは、上下方向において下方に位置する前記コネクタに対して上方から嵌合可能であり、
前記相手側コネクタは、相手側ハウジングと、相手側端子とを備えており、
前記相手側ハウジングは、前記相手側端子を保持しており、
前記コネクタは、ハウジングと、端子とを備えており、
前記ハウジングは、前記端子を保持しており、
前記端子は、被固定部と、被保持部と、連結部と、支持部と、
1つのみの接点とを有しており、
前記被固定部は、前記対象物に固定されるものであり、
前記被保持部は、前記ハウジングに保持されており、
前記連結部は、前記被固定部と前記被保持部とを互いに連結しており、
前記連結部は、受け部を有しており、
前記支持部は、前記被保持部から延びており、弾性変形可能となっており、
前記支持部は、当接部を有しており、
前記当接部は、前記上下方向において前記受け部の上方に位置しており、
前記コネクタと前記相手側コネクタとが嵌合した嵌合状態において、前記当接部は前記受け部に接触しており、
前記接点は、前記支持部に支持されており、
前記接点は、前記嵌合状態において前記相手側端子と接触する
コネクタ組立体。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタ組立体であって、
前記コネクタと前記相手側コネクタとの未嵌合状態において、前記接点は、前記上下方向と直交する第1水平方向に移動可能となっており、
前記当接部は、前記第1水平方向において前記被保持部と前記被固定部との間に位置している
コネクタ組立体。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のコネクタ組立体であって、
前記コネクタを前記上下方向において下方から見た場合、前記連結部は視認可能となっている
コネクタ組立体。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれかに記載のコネクタ組立体であって、
前記接点は、前記上下方向と直交する第1水平方向において、前記被保持部から遠ざかる方位である第1方位に向いており、
前記端子は、張り出し部を更に有しており、
前記張り出し部は、前記支持部に形成されており、
前記コネクタと前記相手側コネクタとの未嵌合状態において、前記張り出し部は、前記第1方位側に張り出しているか、又は前記第1方位側に膨らんでいる
コネクタ組立体。
【請求項5】
請求項4記載のコネクタ組立体であって、
前記端子は、端子ガイド部を更に有しており、
前記端子ガイド部は、前記上下方向において前記接点の上方に位置しており、前記第1水平方向において前記第1方位の逆方位である第2方位に向かうと共に前記上下方向において上方に向かうように延びており、
前記相手側コネクタと前記コネクタとの嵌合途中であって、前記相手側端子が前記端子を全体として押し下げつつ前記端子ガイド部上を移動し、前記受け部に対して前記当接部が押し付けられ始めた時点において、前記相手側端子と前記端子ガイド部とが接触する位置を特定接触位置とし、
前記特定接触位置において、前記相手側端子から前記端子ガイド部が受ける力であって前記相手側端子と前記端子ガイド部との接触面に対して垂直な力を垂直力とし、
前記特定接触位置において、前記相手側端子が前記端子ガイド部上を移動する際に前記相手側端子と前記端子ガイド部との摩擦により前記端子ガイド部が受ける力を摩擦力とし、
前記垂直力と前記摩擦力との合力の延長線が前記連結部と交差する点を基準点とすると、
前記当接部は、前記第1水平方向において、前記基準点よりも前記第1方位側に位置している
コネクタ組立体。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれかに記載のコネクタ組立体であって、
前記コネクタと前記相手側コネクタとの未嵌合状態において、前記当接部と前記受け部との間には隙間があり、
前記隙間は、前記対象物の板厚より小さい
コネクタ組立体。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれかに記載のコネクタ組立体であって、
前記当接部は、前記上下方向と直交する第1水平方向において、前記被保持部よりも
前記接点に近い
コネクタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物に搭載されるコネクタと、相手側コネクタとを備えるコネクタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、この種のコネクタ組立体900が開示されている。
図33に示されるように、コネクタ組立体900は、コネクタ910と、相手側コネクタ950とを備えている。相手側コネクタ950は、-Z側に位置するコネクタ910に対して+Z側から嵌合可能となっている。相手側コネクタ950は、相手側ハウジング952と、相手側端子954とを備えている。相手側ハウジング952は、相手側端子954を保持している。
図34に示されるように、コネクタ910は、ハウジング920と、端子930とを備えている。ハウジング920は、端子930を保持している。
図35に示されるように、端子930は、被固定部932と、被保持部934と、支持部936と、接点938とを有している。被固定部932は、対象物(図示せず)に固定されるものである。被保持部934は、ハウジング920に保持されている。支持部936は、被保持部934から延びており、弾性変形可能となっている。接点938は、支持部936に支持されている。接点938は、コネクタ910と相手側コネクタ950とが嵌合した嵌合状態において相手側端子954と接触する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のコネクタ組立体900のコネクタ910においては、端子930の支持部936の-Z側がハウジング920に覆われていないため、コネクタ910を対象物に搭載した際には端子930の支持部936と対象物とがZ方向において対向する。特許文献1のコネクタ組立体900においては、ハウジング920の製造バラつきやコネクタ910の組立のバラつきにより、コネクタ910を対象物に搭載した際の端子930の支持部936と対象物との距離にバラつきが生じる。これにより、対象物に搭載されたコネクタ910と相手側コネクタ950とが嵌合する際に端子930の支持部936の対象物への接触の有無が、コネクタ910個々にバラつく。また、対象物に搭載されたコネクタ910と相手側コネクタ950とが嵌合する際に端子930の支持部936が対象物に接触するコネクタ910においても、端子930の支持部936の対象物への接触のタイミングが個々にバラつく。即ち、対象物に搭載されたコネクタ910と相手側コネクタ950とが嵌合する際の端子930の挙動が、コネクタ910個々にバラつくこととなる。
【0005】
本発明は、コネクタと相手側コネクタとの嵌合時においてコネクタの端子の挙動にバラつきを生じないコネクタ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1のコネクタ組立体として、
対象物に搭載されるコネクタと、相手側コネクタとを備えるコネクタ組立体であって、
前記相手側コネクタは、上下方向において下方に位置する前記コネクタに対して上方から嵌合可能であり、
前記相手側コネクタは、相手側ハウジングと、相手側端子とを備えており、
前記相手側ハウジングは、前記相手側端子を保持しており、
前記コネクタは、ハウジングと、端子とを備えており、
前記ハウジングは、前記端子を保持しており、
前記端子は、被固定部と、被保持部と、連結部と、支持部と、接点とを有しており、
前記被固定部は、前記対象物に固定されるものであり、
前記被保持部は、前記ハウジングに保持されており、
前記連結部は、前記被固定部と前記被保持部とを互いに連結しており、
前記連結部は、受け部を有しており、
前記支持部は、前記被保持部から延びており、弾性変形可能となっており、
前記支持部は、当接部を有しており、
前記当接部は、前記上下方向において前記受け部の上方に位置しており、
前記コネクタと前記相手側コネクタとが嵌合した嵌合状態において、前記当接部は前記受け部に接触しており、
前記接点は、前記支持部に支持されており、
前記接点は、前記嵌合状態において前記相手側端子と接触する
コネクタ組立体を提供する。
【0007】
本発明は、第2のコネクタ組立体として、第1のコネクタ組立体であって、
前記コネクタと前記相手側コネクタとの未嵌合状態において、前記接点は、前記上下方向と直交する第1水平方向に移動可能となっており、
前記当接部は、前記第1水平方向において前記被保持部と前記被固定部との間に位置している
コネクタ組立体を提供する。
【0008】
本発明は、第3のコネクタ組立体として、第1又は第2のコネクタ組立体であって、
前記コネクタを前記上下方向において下方から見た場合、前記連結部は視認可能となっている
コネクタ組立体を提供する。
【0009】
本発明は、第4のコネクタ組立体として、第1から第3までのいずれかのコネクタ組立体であって、
前記接点は、前記上下方向と直交する第1水平方向において、前記被保持部から遠ざかる方位である第1方位に向いており、
前記端子は、張り出し部を更に有しており、
前記張り出し部は、前記支持部に形成されており、
前記コネクタと前記相手側コネクタとの未嵌合状態において、前記張り出し部は、前記第1方位側に張り出しているか、又は前記第1方位側に膨らんでいる
コネクタ組立体を提供する。
【0010】
本発明は、第5のコネクタ組立体として、第4のコネクタ組立体であって、
前記端子は、端子ガイド部を更に有しており、
前記端子ガイド部は、前記上下方向において前記接点の上方に位置しており、前記第1水平方向において前記第1方位の逆方位である第2方位に向かうと共に前記上下方向において上方に向かうように延びており、
前記相手側コネクタと前記コネクタとの嵌合途中であって、前記相手側端子が前記端子を全体として押し下げつつ前記端子ガイド部上を移動し、前記受け部に対して前記当接部が押し付けられ始めた時点において、前記相手側端子と前記端子ガイド部とが接触する位置を特定接触位置とし、
前記特定接触位置において、前記相手側端子から前記端子ガイド部が受ける力であって前記相手側端子と前記端子ガイド部との接触面に対して垂直な力を垂直力とし、
前記特定接触位置において、前記相手側端子が前記端子ガイド部上を移動する際に前記相手側端子と前記端子ガイド部との摩擦により前記端子ガイド部が受ける力を摩擦力とし、
前記垂直力と前記摩擦力との合力の延長線が前記連結部と交差する点を基準点とすると、
前記当接部は、前記第1水平方向において、前記基準点よりも前記第1方位側に位置している
コネクタ組立体を提供する。
【0011】
本発明は、第6のコネクタ組立体として、第1から第5までのいずれかのコネクタ組立体であって、
前記コネクタと前記相手側コネクタとの未嵌合状態において、前記当接部と前記受け部との間には隙間があり、
前記隙間は、前記対象物の板厚より小さい
コネクタ組立体を提供する。
【0012】
本発明は、第7のコネクタ組立体として、第1から第6までのいずれかのコネクタ組立体であって、
前記当接部は、前記上下方向と直交する第1水平方向において、前記被保持部よりも接点に近い
コネクタ組立体を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明のコネクタ組立体において、コネクタの端子は、受け部を有する連結部と、当接部を有する支持部とを有しており、コネクタと相手側コネクタとが嵌合した嵌合状態において当接部は受け部に接触している。これにより、本発明のコネクタ組立体においては、コネクタと相手側コネクタとの嵌合時においてコネクタの端子の挙動にバラつきを生じない。また、このような利点を有することから、本発明は、所謂落とし込みタイプのコネクタを備えたコネクタ組立体にも適用可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1の実施の形態によるコネクタ組立体を示す上面斜視図である。図において、コネクタと相手側コネクタとは未嵌合状態にある。
【
図2】
図1のコネクタ組立体を示す底面斜視図である。
【
図4】
図3のコネクタ組立体をA-A線に沿って示す断面図である。
【
図5】
図1のコネクタ組立体を示す上面斜視図である。図において、図において、コネクタと相手側コネクタとは特定接触状態にある。
【
図7】
図6のコネクタ組立体をB-B線に沿って示す断面図である。
【
図8】
図7の点線Cで囲まれた部分を示す拡大図である。
【
図9】
図1のコネクタ組立体を示す上面斜視図である。図において、図において、コネクタと相手側コネクタとは嵌合状態にある。
【
図10】
図9のコネクタ組立体を示す底面図である。
【
図11】
図10のコネクタ組立体をD-D線に沿って示す断面図である。
【
図12】
図1のコネクタ組立体に含まれるコネクタと、対象物とで構成される電子機器を示す斜視図である。図において、コネクタは対象物に搭載されている。
【
図14】
図13の電子機器をE-E線に沿って示す断面図である。
【
図15】
図12のコネクタに含まれる端子であって前方の列に含まれる端子の一つを示す斜視図である。
【
図18】本発明の第2の実施の形態によるコネクタ組立体に含まれるコネクタと、対象物とで構成される電子機器を示す斜視図である。図において、コネクタは対象物に搭載されている。
【
図20】
図19の電子機器をG-G線に沿って示す断面図である。
【
図21】本発明の第3の実施の形態によるコネクタ組立体に含まれるコネクタと、対象物とで構成される電子機器を示す斜視図である。図において、コネクタは対象物に搭載されている。
【
図23】
図22の電子機器をH-H線に沿って示す断面図である。
【
図24】本発明の第4の実施の形態によるコネクタ組立体を示す斜視図である。図において、コネクタと相手側コネクタとは未嵌合状態にある。
【
図26】
図25のコネクタ組立体をI-I線に沿って示す断面図である。
【
図27】
図24のコネクタ組立体に含まれるコネクタと、対象物とで構成される電子機器を示す斜視図である。図において、コネクタは対象物に搭載されている。
【
図29】
図28の電子機器をJ-J線に沿って示す断面図である。
【
図33】特許文献1のコネクタ組立体を示す斜視図である。
【
図34】
図33のコネクタ組立体に含まれるコネクタを示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
図1及び
図12に示されるように、本発明の第1の実施の形態のコネクタ組立体600は、対象物700に搭載されるコネクタ100と、相手側コネクタ500とを備えている。本実施の形態における対象物700は、基板である。コネクタ100と、対象物700とは、電子機器800を構成する。
【0016】
図4及び
図11を参照して、本実施の形態の相手側コネクタ500は、上下方向において下方に位置するコネクタ100に対して上方から嵌合可能となっている。本実施の形態において、上下方向はZ方向である。ここで、上方は+Z方向であり、下方は-Z方向である。相手側コネクタ500は、相手側ハウジング520と、複数の相手側端子530とを備えている。なお、本発明はこれに限定されず、相手側端子530の数は一つであってもよい。
【0017】
図4を参照して、本実施の形態の相手側ハウジング520は、絶縁体からなるものである。相手側ハウジング520は、相手側端子530を保持している。相手側ハウジング520は、収容部522を有している。
【0018】
図4に示されるように、本実施の形態の収容部522は、上下方向において上方に凹んだ凹部である。
【0019】
図4を参照して、本実施の形態の相手側端子530は、金属製である。
図1に示されるように、相手側端子530は、第1水平方向に2列に並べられている。本実施の形態において、第1水平方向は、X方向である。また、第1水平方向は、前後方向でもある。ここで、前方を+X方向とし、後方を-X方向とする。各列の相手側端子530は、第2水平方向に並べられている。本実施の形態において、第2水平方向はY方向である。
図4に示されるように、相手側端子530の夫々の一部は、収容部522内に露出している。
【0020】
図12に示されるように、本実施の形態のコネクタ100は、ハウジング200と、複数の端子300とを備えている。なお、端子300の数は一つであってもよい。
【0021】
図14を参照して、本実施の形態のハウジング200は、絶縁体からなるものである。ハウジング200は、端子300を保持している。
図4及び
図11から理解されるように、コネクタ100と相手側コネクタ500とが嵌合した際、ハウジング200の一部は、相手側コネクタ500の収容部522に収容される。
図4及び
図12に示されるように、ハウジング200は、複数の端子収容部210と、複数の接続ガイド面220とを有している。なお、本発明は、これに限定されず、接続ガイド面220の数は2つであってもよい。
【0022】
図4に示されるように、本実施の形態の端子収容部210の夫々は、上下方向において下方に開口している。端子収容部210は、第1水平方向外側に開口している。即ち、端子収容部210は、第1水平方向外端に位置する開口部212を有している。端子収容部210の夫々は、保持部214を有している。即ち、ハウジング200は、複数の保持部214を有している。
【0023】
図4を参照して、本実施の形態の保持部214は、端子収容部210の第2水平方向における両側に位置する溝である。
【0024】
図12に示されるように、本実施の形態の接続ガイド面220の夫々は、上下方向と第2水平方向とで規定される面内に延びている。接続ガイド面220の夫々は、第1水平方向と直交している。接続ガイド面220は、開口部212の第2水平方向両側に位置している。
【0025】
図15を参照して、本実施の形態の端子300の夫々は、金属製である。
図4に示されるように、端子300は、ハウジング200に保持されている。
図3に示されるように、端子300は、第1水平方向に2列に並べられている。各列の端子300は、第2水平方向に並べられている。
【0026】
図17に示されるように、本実施の形態の端子300は、被固定部310と、被保持部320と、連結部330と、支持部340と、接点360とを有している。
【0027】
図17を参照して、本実施の形態の被固定部310は、連結部330の第1水平方向外端から第1水平方向外側に延びている。被固定部310は、端子300の上下方向における下端を規定している。被固定部310は、端子300の第1水平方向における外端を規定している。
図14に示されるように、被固定部310は、対象物700に固定されるものである。
【0028】
図17に示されるように、本実施の形態の被保持部320は、端子300の第1水平方向における内端を規定している。被保持部320は、連結部330から上下方向における上方に延びている。
図4に示されるように、被保持部320は、ハウジング200に保持されている。具体的には、被保持部320は、保持部214に保持されている。被保持部320は、保持部214に圧入されている。
【0029】
図4を参照して、本実施の形態の連結部330は、被保持部320から第1水平方向における第1方位に延びている。連結部330は、被固定部310から第1水平方向における第2方位に延びている。本実施の形態において、第1方位は、被保持部320から遠ざかる方位であり、第2方位は、被保持部320に近づく方位である。即ち、第1方位は、第1水平方向外向きであり、第2方位は、第1水平方向内向きである。具体的には、前方の列の端子300においては、第1方位は前方であり、第2方位は後方である。また、後方の列の端子300においては、第1方位は後方であり、第2方位は前方である。連結部330は、被固定部310と被保持部320とを互いに連結している。連結部330は、受け部332を有している。
【0030】
図17に示されるように、本実施の形態の受け部332は、連結部330の第1方位側の端部付近に位置している。受け部332は、上下方向において上方を向いた面である。
【0031】
図3を参照して、ハウジング200は、連結部330の直下に位置する底面を有していない。即ち、コネクタ100を上下方向において下方から見た場合、連結部330は視認可能となっている。これにより、本実施の形態のコネクタ100は、ハウジング200が連結部330の直下に位置する底面を有している場合と比較して、低背化が図られている。
【0032】
図17に示されるように、本実施の形態の支持部340は、被保持部320から延びている。支持部340は、弾性変形可能となっている。支持部340は、第1部341と、第2部343とを有している。
【0033】
図17に示されるように、本実施の形態の第1部341は、支持部340の上下方向における上端を規定している。第1部341は、被保持部320から第1方位に延びた後、屈曲して下方に延び、更に屈曲して第1方位且つ下方に延びている。第1部341は、被保持部320に向かうに従って、連結部330から離れていく。第1部341は、当接部342を有している。即ち、支持部340は、当接部342を有している。
【0034】
図17に示されるように、本実施の形態の当接部342は、第1部341の第1方位側の端部に位置している。当接部342は、第1水平方向において被保持部320と被固定部310との間に位置している。当接部342は、上下方向と直交する第1水平方向において、被保持部320よりも接点360に近い。当接部342は、上下方向において受け部332の上方に位置している。当接部342は、支持部340の中で上下方向において最も下方に突出している。上述のように、支持部340は弾性変形可能であることから、当接部342は、上下方向における下方に移動可能となっている。
【0035】
図4に示されるように、コネクタ100と相手側コネクタ500との未嵌合状態において、当接部342は、第1水平方向において、接続ガイド面220よりも第1方位側に位置している。当接部342は、コネクタ100と相手側コネクタ500との未嵌合の状態において、受け部332に接触していない。即ち、コネクタ100と相手側コネクタ500との未嵌合状態において、当接部342と受け部332との間には隙間GPがある。
図4及び
図14を参照して、隙間GPは、対象物700の板厚より小さい。
【0036】
図11に示されるように、コネクタ100と相手側コネクタ500とが嵌合した嵌合状態において、当接部342は受け部332に接触している。上述のように、受け部332は、対象物700に固定される被固定部310と、ハウジング200に保持される被保持部320とを連結する、連結部330に設けられている。これにより、端子300における受け部332の相対位置は、ズレにくくなっている。従って、コネクタ100と相手側コネクタ500とが嵌合した際、当接部342は、受け部332に確実に接触することができるようになっている。
【0037】
また、上述のように、コネクタ100と相手側コネクタ500との未嵌合状態において、当接部342と受け部332との間には、対象物700の板厚より小さい隙間GPがある。これにより、コネクタ100と相手側コネクタ500とが嵌合した際には、当接部342が受け部332に対して速やかに接触して接点360の下方への移動が妨げられる。即ち、本実施の形態のコネクタ組立体600においては、コネクタ100と相手側コネクタ500とが嵌合した際の接点360の上下方向における移動距離が小さいため、有効接触長を長く確保できるようになっている。また、これにより、所望の有効接触長を確保するために必要なコネクタ100の上下方向におけるサイズが抑制できるため、コネクタ組立体600の低背化が可能となる。
【0038】
図17に示されるように、本実施の形態の第2部343は、第1部341から上下方向における上方に延びている。具体的には、第2部343は、第1部341から屈曲して上方且つ第2方位に延びた後、屈曲して上方且つ第1方位に延びている。
【0039】
図17に示されるように、本実施の形態の接点360は、第2部343の上端に位置している。接点360は、支持部340に支持されている。
図4を参照して、コネクタ100と相手側コネクタ500との未嵌合状態において、接点360は、上下方向と直交する第1水平方向に移動可能となっている。接点360は、上下方向と直交する第1水平方向において、被保持部320から遠ざかる方位である第1方位に向いている。即ち、接点360の初期状態から変位すべき方位は、第1方位の逆方位である第2方位である。コネクタ100と相手側コネクタ500との未嵌合状態において、接点360は、接続ガイド面220よりも第1方位側に位置している。
図11に示されるように、接点360は、コネクタ100と相手側コネクタ500とが嵌合した嵌合状態において相手側端子530と接触する。
【0040】
図17に示されるように、被固定部310と、被保持部320と、接点360とは、第1水平方向と平行な一直線上に位置している。即ち、被固定部310と、被保持部320と、接点360とは、第2水平方向において同じ位置に位置している。
【0041】
図17に示されるように、端子300は、張り出し部350を更に有している。
【0042】
図17に示されるように、本実施の形態の張り出し部350は、支持部340に形成されている。より詳しくは、張り出し部350は、第2部343に形成されている。張り出し部350は、第1水平方向において接点360よりも第1方位側にある。当接部342は、第1水平方向において、張り出し部350の第2方位側に位置している。受け部332は、第1水平方向において、張り出し部350の第2方位側に位置している。
【0043】
図4に示されるように、コネクタ100と相手側コネクタ500との未嵌合状態において、張り出し部350は、第1方位側に膨らんでいる。コネクタ100と相手側コネクタ500との未嵌合状態において、張り出し部350は、接続ガイド面220よりも第1方位側に位置している。
【0044】
図17に示されるように、端子300は、端子ガイド部370を更に有している。
【0045】
図17に示されるように、本実施の形態の端子ガイド部370は、上下方向において接点360の上方に位置している。端子ガイド部370は、第1水平方向において第1方位の逆方位である第2方位に向かうと共に上下方向において上方に向かうように延びている。
図12に示されるように、2つの接続ガイド面220は、上下方向及び第1水平方向の双方と直交する第2水平方向において、端子ガイド部370の両側に夫々位置している。
図17に示されるように、端子ガイド部370は、曲面372を有している。
【0046】
図17に示されるように、本実施の形態の曲面372は、上方かつ第1方位に膨らんだR形状を有している。
図4に示されるように、曲面372は、第1水平方向において、接続ガイド面220と同じ位置に位置している。
【0047】
コネクタ100と相手側コネクタ500とが嵌合する際に、端子300に付加される力及び端子300に発生するモーメントについて、以下詳述する。
【0048】
まず初めに、コネクタ100と相手側コネクタ500とを、
図4に示されるように配置する。この状態から、コネクタ100と相手側コネクタ500とが上下方向に互いに近づくように相手側コネクタ500を移動させると、相手側端子530が端子300の端子ガイド部370に接触し、コネクタ100と相手側コネクタ500との嵌合が開始される。
【0049】
この状態において、コネクタ100と相手側コネクタ500とが上下方向に互いに更に近づくように相手側コネクタ500を更に移動させると、相手側端子530が端子300を全体として押し下げつつ端子ガイド部370上を移動し、受け部332に対して当接部342が押し付けられ始め、
図7及び
図8に示される特定接触状態となる。
【0050】
この特定接触状態において、相手側端子530と端子ガイド部370とが接触する位置を特定接触位置SPとする。このとき、端子300の端子ガイド部370の曲面372は、特定接触位置SPに位置している。
【0051】
即ち、相手側コネクタ500とコネクタ100との嵌合途中であって、相手側端子530が端子300を全体として押し下げつつ端子ガイド部370上を移動し、受け部332に対して当接部342が押し付けられ始めた時点において、相手側端子530と端子ガイド部370とは、特定接触位置SPにおいて接触している。
【0052】
この特定接触状態において、端子ガイド部370は、相手側端子530から、相手側端子530と端子ガイド部370との接触面に対して垂直な力を受けている。この垂直な力を、垂直力VFとする。即ち、特定接触位置SPにおいて、端子ガイド部370は、相手側端子530から、相手側端子530と端子ガイド部370との接触面に対して垂直な力である垂直力VFを受けている。
【0053】
また、特定接触状態において、端子ガイド部370は、相手側端子530と端子ガイド部370との摩擦による力を受けている。この摩擦による力を摩擦力FFとする。即ち、特定接触位置SPにおいて、端子ガイド部370は、相手側端子530が端子ガイド部370上を移動する際の相手側端子530と端子ガイド部370との摩擦による力である摩擦力FFを受けている。
【0054】
以上纏めると、特定接触状態において、端子ガイド部370は、垂直力VFと摩擦力FFとの合力JFを受けている。ここで、合力JFの延長線ELが連結部330と交差する点を基準点RPとする。
【0055】
特定接触状態において、当接部342は、第1水平方向において、基準点RPよりも、第1方位側に位置している。
【0056】
上述のように、特定接触状態において、端子ガイド部370は、合力JFを受けており、当接部342は、第1水平方向において、基準点RPよりも、第1方位側に位置している。これにより、
図8を参照して、特定接触位置SPには、当接部342を中心として端子ガイド部370を第2方位に移動させるモーメントMが発生する。即ち、本実施の形態のコネクタ100においては、当接部342に対する特定接触位置SPにおけるモーメントMが、第2方位に向くように構成されている。
【0057】
上述のように、接点360の初期状態から変位すべき方位は、第2方位であり、特定接触位置SPには、当接部342を中心として端子ガイド部370を第2方位に移動させるモーメントMが発生する。これらのことから、本実施の形態においては、接点360が初期状態から変位すべき方位と、当接部342に対する特定接触位置SPにおけるモーメントMの方位とが、一致している。従って、本実施の形態のコネクタ100は、相手側コネクタ500との嵌合の際に相手側端子530と端子300との接触圧が上昇せず、端子300の座屈が避けられている。
【0058】
(第2の実施形態)
図18を参照して、本発明の第2の実施の形態によるコネクタ組立体(図示せず)は、上述した第1の実施の形態によるコネクタ組立体600(
図1参照)と同様な構成を備えている。そのため、
図18から
図20に示される構成要素のうち、第1の実施の形態と同様の構成要素に対しては同一の参照符号を付すこととする。また、本実施の形態における方位及び方向は、第1の実施の形態のものと同じ表現を以下において使用する。
【0059】
図18を参照して、本実施の形態のコネクタ組立体は、開口710を有する対象物700Aに搭載されるコネクタ100Aと、相手側コネクタ(図示せず)とを備えている。本実施の形態における対象物700Aは、基板である。コネクタ100Aと、対象物700Aとは、電子機器800Aを構成する。ここで、本実施の形態の相手側コネクタは、上述の第1の実施形態の相手側コネクタ500と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0060】
図18に示されるように、本実施の形態のコネクタ100Aは、ハウジング200と、複数の端子300Aとを備えている。なお、端子300Aの数は一つであってもよい。ここで、ハウジング200については第1の実施の形態と同様であるので、詳細は省略する。
【0061】
図20を参照して、本実施の形態の端子300Aの夫々は、金属製である。
図19に示されるように、端子300Aは、ハウジング200に保持されている。端子300Aは、第1水平方向に2列に並べられている。各列の端子300Aは、第2水平方向に並べられている。
【0062】
図20に示されるように、本実施の形態の端子300Aは、被固定部310と、被保持部320と、連結部330Aと、支持部340と、接点360とを有している。ここで、連結部330A以外の構成については、第1の実施の形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0063】
図20を参照して、本実施の形態の連結部330Aは、被保持部320から第1水平方向における第1方位に延びている。より詳しくは、連結部330Aは、被保持部320から第1方位に延びた後、屈曲して上方に延び、更に屈曲して第1方位に延びている。連結部330Aは、被固定部310から第1水平方向における第2方位に延びている。より詳しくは、連結部330Aは、被固定部310から第2方位に延びた後、屈曲して下方に延び、更に屈曲して第2方位に延びている。連結部330Aは、被固定部310と被保持部320とを互いに連結している。連結部330Aは、受け部332を有している。
【0064】
図20に示されるように、本実施の形態のコネクタ100Aを対象物700Aに搭載した際、コネクタ100Aの一部は対象物700Aの開口710内に位置することとなる。即ち、本実施の形態のコネクタ100Aは、所謂落とし込みタイプのコネクタである。本実施の形態にコネクタ100Aにおいては、被固定部310が、上下方向において受け部332及び当接部342のいずれよりも上方に位置している。
【0065】
コネクタ100Aと相手側コネクタとが嵌合する際に、端子300Aに付加される力及び端子300Aに発生するモーメントについても、上述の第1の実施形態と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0066】
本実施の形態のコネクタ組立体においても、上述の第1の実施形態と同様の効果を享受することができる。
【0067】
(第3の実施形態)
図21を参照して、本発明の第3の実施の形態によるコネクタ組立体(図示せず)は、上述した第1の実施の形態によるコネクタ組立体600(
図1参照)と同様な構成を備えている。そのため、
図21から
図23に示される構成要素のうち、第1の実施の形態と同様の構成要素に対しては同一の参照符号を付すこととする。また、本実施の形態における方位及び方向は、第1の実施の形態のものと同じ表現を以下において使用する。
【0068】
図21を参照して、本実施の形態のコネクタ組立体は、複数のスルーホール720を有する対象物700Bに搭載されるコネクタ100Bと、相手側コネクタ(図示せず)とを備えている。本実施の形態における対象物700Bは、基板である。スルーホール720は、上下方向において対象物700Bを貫通している。コネクタ100Bと、対象物700Bとは、電子機器800Bを構成する。ここで、本実施の形態の相手側コネクタは、上述の第1の実施形態の相手側コネクタ500と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0069】
図23に示されるように、本実施の形態のコネクタ100Bは、ハウジング200と、複数の端子300Bとを備えている。なお、端子300Bの数は一つであってもよい。ここで、ハウジング200については第1の実施の形態と同様であるので、詳細は省略する。
【0070】
図23を参照して、本実施の形態の端子300Bの夫々は、金属製である。端子300Bは、ハウジング200に保持されている。端子300Bは、第1水平方向に2列に並べられている。各列の端子300Bは、第2水平方向に並べられている。
【0071】
図23に示されるように、本実施の形態の端子300Bは、被固定部310Bと、被保持部320と、連結部330と、支持部340と、接点360とを有している。ここで、被固定部310B以外の構成については、第1の実施の形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0072】
図23に示されるように、本実施の形態の被固定部310Bは、連結部330の第1水平方向外端から上下方向における下方に延びている。被固定部310Bは、端子300Bの上下方向における下端を規定している。被固定部310Bは、端子300Bの第1水平方向における外端を規定している。被固定部310Bは、対象物700Bのスルーホール720
に挿入されて固定されるものである。
【0073】
コネクタ100Bと相手側コネクタとが嵌合する際に、端子300Bに付加される力及び端子300Bに発生するモーメントについても、上述の第1の実施形態と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0074】
本実施の形態のコネクタ組立体においても、上述の第1の実施形態と同様の効果を享受することができる。
【0075】
(第4の実施形態)
図24及び
図27に示されるように、本発明の第4の実施の形態
によるコネクタ組立体600Cは、対象物700Cに搭載されるコネクタ100Cと、相手側コネクタ500Cとを備えている。本実施の形態における対象物700Cは、基板である。コネクタ100Cと、対象物700Cとは、電子機器800Cを構成する。
【0076】
図26を参照して、本実施の形態の相手側コネクタ500Cは、上下方向において下方に位置するコネクタ100Cに対して上方から嵌合可能となっている。本実施の形態において、上下方向はZ方向である。ここで、上方は+Z方向であり、下方は-Z方向である。相手側コネクタ500Cは、相手側ハウジング520Cと、複数の相手側端子530Cとを備えている。なお、本発明はこれに限定されず、相手側端子530Cの数は一つであってもよい。
【0077】
図26を参照して、本実施の形態の相手側ハウジング520Cは、絶縁体からなるものである。相手側ハウジング520Cは、相手側端子530Cを保持している。相手側ハウジング520Cは、島状部524を有している。島状部524は、上下方向において下方に延びている。島状部524は、相手側ハウジング520Cの上下方向における下端を規定している。
【0078】
図26を参照して、本実施の形態の相手側端子530Cは、金属製である。
図24に示されるように、相手側端子530Cは、第1水平方向に2列に並べられている。本実施の形態において、第1水平方向は、X方向である。また、第1水平方向は、前後方向でもある。ここで、前方を+X方向とし、後方を-X方向とする。各列の相手側端子530Cは、第2水平方向に並べられている。本実施の形態において、第2水平方向はY方向である。相手側端子530Cの夫々の一部は、島状部524の第1水平方向外端から外部に露出している。
【0079】
図26に示されるように、本実施の形態のコネクタ100Cは、ハウジング200Cと、複数の端子300Cとを備えている。なお、端子300Cの数は一つであってもよい。
【0080】
図26を参照して、本実施の形態のハウジング200Cは、絶縁体からなるものである。ハウジング200Cは、端子300Cを保持している。
図27に示されるように、ハウジング200Cは、包囲部202と、コネクタ側収容部204とを有している。
【0081】
図27に示されるように、本実施の形態の包囲部202は、ハウジング200Cの第1水平方向における外端を規定している。包囲部202は、ハウジング200Cの第2水平方向における外端を規定している。包囲部202は、上下方向と直交する方向においてコネクタ側収容部204を包囲している。
図26及び
図27に示されるように、包囲部202は、複数の端子収容部210Cと、複数の接続ガイド面220Cとを有している。なお、本発明はこれに限定されず、接続ガイド面220Cの数は2つであってもよい。
【0082】
図26に示されるように、本実施の形態の端子収容部210Cの夫々は、上下方向において下方に開口している。端子収容部210Cは、第1水平方向においてコネクタ側収容部204と連通している。端子収容部210Cは、第1水平方向内側に開口している。
図26及び
図27に示されるように、端子収容部210Cは、第1水平方向内側に位置する開口部212Cを有している。
図26に示されるように、端子収容部210Cの夫々は、保持部214Cを有している。即ち、ハウジング200Cは、複数の保持部214Cを有している。
【0083】
図26を参照して、本実施の形態の保持部214Cは、端子収容部210Cの第2水平方向における両側に位置する溝である。
【0084】
図27に示されるように、本実施の形態の接続ガイド面220Cの夫々は、上下方向と第2水平方向とで規定される面内に延びている。接続ガイド面220Cの夫々は、第1水平方向と直交している。接続ガイド面220Cは、開口部212Cの第2水平方向両側に位置している。
【0085】
図26に示されるように、本実施の形態のコネクタ側収容部204は、上下方向において下方に凹んだ凹部である。コネクタ100Cと相手側コネクタ500Cとが嵌合した際、相手側コネクタ500Cの一部は、コネクタ100Cのコネクタ側収容部204に収容される。具体的には、コネクタ100Cと相手側コネクタ500Cとが嵌合した際、相手側コネクタ500Cの島状部524は、コネクタ100Cのコネクタ側収容部204に収容される。
【0086】
図29を参照して、本実施の形態の端子300Cの夫々は、金属製である。端子300Cは、ハウジング200Cに保持されている。
図25に示されるように、端子300Cは、第1水平方向に2列に並べられている。各列の端子300Cは、第2水平方向に並べられている。
【0087】
図29に示されるように、本実施の形態の端子300Cは、被固定部310と、被保持部320Cと、連結部330Cと、支持部340Cと、接点360Cとを有している。
【0088】
図29を参照して、本実施の形態の被固定部310は、対象物700Cに固定されるものである。被固定部310については、第1の実施の形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0089】
図29に示されるように、本実施の形態の被保持部320Cは、連結部330Cから上下方向における上方に延びている。被保持部320Cは、ハウジング200Cに保持されている。具体的には、被保持部320Cは、保持部214Cに保持されている。被保持部320Cは、保持部214Cに圧入されている。
【0090】
図29を参照して、本実施の形態の連結部330Cは、被保持部320Cから第1水平方向における第1方位に延びた後、屈曲して第1水平方向における第2方位に延びている。連結部330Cは、被固定部310から第1水平方向における第1方位に延びた後、第1水平方向における第2方位に延びている。本実施の形態において、第1方位は、被保持部320Cから遠ざかる方位であり、第2方位は、被保持部320Cに近づく方位である。即ち、第1方位は、第1水平方向内向きであり、第2方位は、第1水平方向外向きである。具体的には、前方の列の端子300Cにおいては、第1方位は後方であり、第2方位は前方である。また、後方の列の端子300Cにおいては、第1方位は前方であり、第2方位は後方である。連結部330Cは、被固定部310と被保持部320Cとを互いに連結している。連結部330Cは、受け部332Cを有している。
【0091】
図29に示されるように、本実施の形態の受け部332Cは、連結部330Cの第1方位側の端部付近に位置している。受け部332Cは、上下方向において上方を向いた面である。
【0092】
図25を参照して、ハウジング200Cは、連結部330Cの直下に位置する底面を有していない。即ち、コネクタ100Cを上下方向において下方から見た場合、連結部330Cは視認可能となっている。これにより、本実施の形態のコネクタ100Cは、ハウジング200Cが連結部330Cの直下に位置する底面を有している場合と比較して、低背化が図られている。
【0093】
図29に示されるように、本実施の形態の支持部340Cは、被保持部320Cから延びている。支持部340Cは、弾性変形可能となっている。支持部340Cは、第1部341Cと、第2部343Cとを有している。
【0094】
図29に示されるように、本実施の形態の第1部341Cは、支持部340Cの上下方向における上端を規定している。第1部341Cは、被保持部320Cから第1方位に延びた後、屈曲して下方に延び、更に屈曲して第1方位且つ下方に延びている。第1部341Cは、被保持部320Cに向かうに従って、連結部330Cから離れていく。第1部341Cは、当接部342Cを有している。即ち、支持部340Cは、当接部342Cを有している。
【0095】
図29に示されるように、本実施の形態の当接部342Cは、第1部341Cの第1方位側の端部に位置している。当接部342Cは、上下方向と直交する第1水平方向において、被保持部320Cよりも接点360Cに近い。当接部342Cは、上下方向において受け部332Cの上方に位置している。当接部342Cは、支持部340Cの中で上下方向において最も下方に突出している。上述のように、支持部340Cは弾性変形可能であることから、当接部342Cは、上下方向における下方に移動可能となっている。
【0096】
図26に示されるように、コネクタ100Cと相手側コネクタ500Cとの未嵌合状態において、当接部342Cは、第1水平方向において、接続ガイド面220Cよりも第1方位側に位置している。当接部342Cは、コネクタ100Cと相手側コネクタ500Cとの未嵌合の状態において、受け部332Cに接触していない。即ち、コネクタ100Cと相手側コネクタ500Cとの未嵌合状態において、当接部342Cと受け部332Cとの間には隙間GPCがある。
図26及び
図29を参照して、隙間GPCは、対象物700Cの板厚より小さい。
【0097】
図26を参照して、コネクタ100Cと相手側コネクタ500Cとが嵌合した嵌合状態において、当接部342Cは受け部332Cに接触している。上述のように、受け部332Cは、対象物700Cに固定される被固定部310と、ハウジング200Cに保持される被保持部320Cとを連結する、連結部330Cに設けられている。これにより、端子300Cにおける受け部332Cの相対位置は、ズレにくくなっている。従って、コネクタ100Cと相手側コネクタ500Cとが嵌合した際、当接部342Cは、受け部332Cに確実に接触することができるようになっている。
【0098】
また、上述のように、コネクタ100Cと相手側コネクタ500Cとの未嵌合状態において、当接部342Cと受け部332Cとの間には、対象物700Cの板厚より小さい隙間GPCがある。これにより、コネクタ100Cと相手側コネクタ500Cとが嵌合した際には、当接部342Cが受け部332Cに対して速やかに接触して接点360Cの下方への移動が妨げられる。即ち、本実施の形態のコネクタ組立体600Cにおいては、コネクタ100Cと相手側コネクタ500Cとが嵌合した際の接点360Cの上下方向における移動距離が小さいため、有効接触長を長く確保できるようになっている。
【0099】
図26に示されるように、本実施の形態の第2部343Cは、第1部341Cから上下方向における上方に延びている。具体的には、第2部343Cは、第1部341Cから屈曲して上方且つ第2方位に延びた後、屈曲して上方且つ第1方位に延びている。
【0100】
図26に示されるように、本実施の形態の接点360Cは、第2部343Cの上端に位置している。接点360Cは、支持部340Cに支持されている。コネクタ100Cと相手側コネクタ500Cとの未嵌合状態において、接点360Cは、上下方向と直交する第1水平方向に移動可能となっている。接点360Cは、上下方向と直交する第1水平方向において、被保持部320Cから遠ざかる方位である第1方位に向いている。即ち、接点360Cの初期状態から変位すべき方位は、第1方位の逆方位である第2方位である。コネクタ100Cと相手側コネクタ500Cとの未嵌合状態において、接点360Cは、接続ガイド面220Cよりも第1方位側に位置している。接点360Cは、コネクタ100Cと相手側コネクタ500Cとが嵌合した嵌合状態において相手側端子530Cと接触する。
【0101】
図29に示されるように、被固定部310と、被保持部320Cと、接点360Cとは、第1水平方向と平行な一直線上に位置している。即ち、被固定部310と、被保持部320Cと、接点360Cとは、第2水平方向において同じ位置に位置している。
【0102】
図29に示されるように、端子300Cは、張り出し部350Cを更に有している。
【0103】
図29に示されるように、本実施の形態の張り出し部350Cは、支持部340Cに形成されている。より詳しくは、張り出し部350Cは、第2部343Cに形成されている。張り出し部350Cは、第1水平方向において接点360Cよりも第1方位側にある。当接部342Cは、第1水平方向において、張り出し部350Cの第2方位側に位置している。受け部332Cは、第1水平方向において、張り出し部350Cの第2方位側に位置している。
【0104】
図26に示されるように、コネクタ100Cと相手側コネクタ500Cとの未嵌合状態において、張り出し部350Cは、第1方位側に膨らんでいる。コネクタ100Cと相手側コネクタ500Cとの未嵌合状態において、張り出し部350Cは、接続ガイド面220Cよりも第1方位側に位置している。
【0105】
図29に示されるように、端子300Cは、端子ガイド部370Cを更に有している。
【0106】
図29に示されるように、本実施の形態の端子ガイド部370Cは、上下方向において接点360Cの上方に位置している。端子ガイド部370Cは、第1水平方向において第1方位の逆方位である第2方位に向かうと共に上下方向において上方に向かうように延びている。
図27に示されるように、2つの接続ガイド面220Cは、上下方向及び第1水平方向の双方と直交する第2水平方向において、端子ガイド部370Cの両側に夫々位置している。
図29に示されるように、端子ガイド部370Cは、曲面372Cを有している。
【0107】
図29に示されるように、本実施の形態の曲面372Cは、上方かつ第1方位に膨らんだR形状を有している。曲面372Cは、第1水平方向において、接続ガイド面220Cと同じ位置に位置している。
【0108】
コネクタ100Cと相手側コネクタ500Cとが嵌合する際に、端子300Cに付加される力及び端子300Cに発生するモーメントについても、上述の第1の実施形態と概ね同様であり、詳細な説明は省略する。
【0109】
本実施の形態のコネクタ組立体600Cにおいても、上述の第1の実施形態と同様の効果を享受することができる。
【0110】
コネクタ100,100A、100B,100Cの端子300,300A,300B,300Cの構成は、上述したものには限定されず、例えば、以下のような変形が可能である。
【0111】
図30から
図32までを参照して、変形例の端子300Dは、被固定部310と、被保持部320と、連結部330Dと、支持部340Dと、接点360Dとを有している。ここで、本変形例の被固定部310及び被保持部320は、上述の実施の形態の端子300の被固定部310及び被保持部320と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0112】
図32に示されるように、本変形例の連結部330Dは、被固定部310から被保持部320に向かって延びている。連結部330Dは、被固定部310と被保持部320とを互いに連結している。連結部330Dは、受け部332Dを有している。
【0113】
図32に示されるように、本変形例の受け部332Dは、上下方向において上方を向いた面である。受け部332Dは、対象物(図示せず)に固定される被固定部310と、ハウジング(図示せず)に保持される被保持部320とを連結する、連結部330Dに設けられている。
【0114】
図32に示されるように、本変形例の形態の支持部340Dは、被保持部320から延びている。支持部340Dは、弾性変形可能となっている。支持部340Dは、当接部342Dを有している。
【0115】
図32に示されるように、本変形例の形態の当接部342Dは、第1水平方向において被保持部320と被固定部310との間に位置している。当接部342Dは、上下方向において受け部332Dの上方に位置している。当接部342Dは、支持部340Dの中で上下方向において最も下方に突出している。上述のように、支持部340Dは弾性変形可能であることから、当接部342Dは、上下方向における下方に移動可能となっている。
【0116】
図32を参照して、当接部342Dは、端子300Dを備えたコネクタ(図示せず)と相手側コネクタ(図示せず)との未嵌合の状態において、受け部332Dに接触していない。即ち、端子300Dを備えたコネクタと相手側コネクタとの未嵌合状態において、当接部342Dと受け部332Dとの間には隙間GPDがある。
【0117】
図32を参照して、端子300Dを備えたコネクタと相手側コネクタとが嵌合した嵌合状態において、当接部342Dは受け部332Dに接触している。上述のように、受け部332Dは、対象物(図示せず)に固定される被固定部310とハウジング(図示せず)に保持される被保持部320とを連結する連結部330Dに設けられている。これにより、端子300Dにおける受け部332Dの相対位置は、ズレにくくなっている。従って、端子300Dを備えたコネクタと相手側コネクタとが嵌合した際、当接部342Dは、受け部332Dに確実に接触することができるようになっている。
【0118】
図32に示されるように、本変形例の接点360Dは、支持部340Dに支持されている。端子300Dを備えたコネクタと相手側コネクタとの未嵌合状態において、接点360Dは、上下方向と直交する第1水平方向に移動可能となっている。接点360Dは、上下方向と直交する第1水平方向において、被保持部320に近づく方位である第2方位に向いている。即ち、接点360Dの初期状態から変位すべき方位は、第2方位の逆方位である第1方位である。接点360Dは、端子300Dを備えたコネクタと相手側コネクタとが嵌合した嵌合状態において相手側端子(図示せず)と接触する。
【0119】
図32に示されるように、端子300Dは、端子ガイド部370Dを更に有している。
【0120】
図32に示されるように、本変形例の端子ガイド部370Dは、上下方向において接点360Dの上方に位置している。端子ガイド部370Dは、第1水平方向において第1方位に向かうと共に上下方向において上方に向かうように延びている。
【0121】
以上、本発明について、実施の形態を掲げて具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるわけではなく、種々の変形が可能である。
【0122】
上述の実施の形態においては、コネクタ100,100A,100B,100Cと相手側コネクタ500,500Cとの未嵌合状態において、当接部342,342Cは、第1水平方向において、接続ガイド面220,220Cよりも第1方位側に位置していたが、本発明はこれに限定されず、コネクタ100,100A,100B,100Cと相手側コネクタ500,500Cとの未嵌合状態において、当接部342,342Cは、第1水平方向において、接続ガイド面220,220Cと同じ位置であってもよい。即ち、コネクタ100,100A,100B,100Cと相手側コネクタ500,500Cとの未嵌合状態において、当接部342,342Cは、第1水平方向において、接続ガイド面220,220Cと同じ位置又は接続ガイド面220,220Cよりも第1方位側に位置していればよい。これにより、コネクタ100,100A,100B,100Cと相手側コネクタ500,500Cとの嵌合の途中の比較的早い段階で当接部342,342Cが受け部332,332Cに接触し、所望とするモーメントMが端子300,300A,300B,300Cの特定接触位置SPに発生するので、端子300,300A,300B,300Cの座屈を確実に防止することができる。
【0123】
上述の実施の形態においては、コネクタ100,100A,100B,100Cと相手側コネクタ500,500Cとの未嵌合状態において、張り出し部350,350Cが第1方位側に膨らんでいたが、本発明はこれに限定されず、コネクタ100,100A,100B,100Cと相手側コネクタ500,500Cとの未嵌合状態において、張り出し部350,350Cは、第1方位側に張り出していてもよい。即ち、コネクタ100,100A,100B,100Cと相手側コネクタ500,500Cとの未嵌合状態において、張り出し部350,350Cは、第1方位側に張り出しているか、又は第1方位側に膨らんでいればよい。これにより、コネクタ100,100A,100B,100Cと相手側コネクタ500,500Cとの嵌合の際に、相手側端子530,530Cに押し下げられた端子300,300A,300B,300Cの第2部343,343Cが、第2方位側に容易に倒れるため、端子300,300A,300B,300Cをより座屈しにくくすることができる。
【0124】
上述の実施の形態の端子300,300A,300B,300Cの連結部330,330A,330Cは、ハウジング200,200Cに圧入される部位を有していなかったが、本発明はこれに限定されない。端子300,300A,300B,300Cは、被固定部310,310Bが第1水平方向において更に外側に位置し、且つ、連結部330,330A,330Cがハウジング200,200Cに圧入される圧入部を有するように、改変されてもよい。この場合、受け部332,332Cは、第1水平方向において、上記圧入部と被保持部320,320Cとの間に位置することとなる。
【0125】
上述の実施の形態のコネクタ組立体600,600Cのコネクタ100,100A,100B,100Cは、対象物700,700A,700B,700Cとしての基板に搭載されるものであったが、本発明はこれに限定されない。例えば、コネクタ100,100A,100B,100Cのハウジング200,200Cをフローティングハウジングとし、コネクタ100,100A,100B,100Cを対象物700,700A,700B,700Cとしての固定ハウジングに搭載することにより、全体としてフローティングコネクタを構成してもよい。即ち、本発明は、フローティングコネクタにも適用可能である。
【符号の説明】
【0126】
100,100A,100B,100C コネクタ
200,200C ハウジング
202 包囲部
204 コネクタ側収容部
210,210C 端子収容部
212,212C 開口部
214,214C 保持部
220,220C 接続ガイド面
300,300A,300B,300C,300D 端子
310,310B 被固定部
320,320C 被保持部
330,330A,330C,330D 連結部
332,332C,332D 受け部
340,340C,340D 支持部
341,341C 第1部
342,342C,342D 当接部
343,343C 第2部
350,350C 張り出し部
360,360C,360D 接点
370,370C,370D 端子ガイド部
372,372C 曲面
500,500C 相手側コネクタ
520,520C 相手側ハウジング
522 収容部
524 島状部
530,530C 相手側端子
600,600C コネクタ組立体
700,700A,700B,700C 対象物
710 開口
720 スルーホール
800,800A,800B,800C 電子機器
EL 延長線
FF 摩擦力
GP 隙間
GPC 隙間
GPD 隙間
JF 合力
RP 基準点
SP 特定接触位置
VF 垂直力