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特許7685911情報収集システム、情報収集方法、および、情報収集プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-22
(45)【発行日】2025-05-30
(54)【発明の名称】情報収集システム、情報収集方法、および、情報収集プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/13 20060101AFI20250523BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20250523BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20250523BHJP
【FI】
G08G1/13
G08G1/16 F
G09B29/00 F
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021140825
(22)【出願日】2021-08-31
(65)【公開番号】P2023034534
(43)【公開日】2023-03-13
【審査請求日】2024-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 光伸
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 俊樹
【審査官】菅家 裕輔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/221070(WO,A1)
【文献】特開2021-071918(JP,A)
【文献】特開2017-168024(JP,A)
【文献】特開2008-014902(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-25/00
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体が移動する移動エリアにおいて情報を収集する情報収集システムにおいて、
前記移動体の位置情報を取得する位置センサと、
前記移動体に乗車している乗車者の視線方向を取得する乗車者センサと、
前記移動体の位置情報と前記乗車者の視線方向とに基づいて、前記乗車者の視線方向に存在する物あるいは事象を、前記乗車者が注目する注目対象として特定する注目対象特定部と
を備え、
前記乗車者センサは、
前記乗車者の顔の表情から、前記注目対象に対する前記乗車者の感情の種別を表す感情情報を取得し、
前記情報収集システムは、
前記注目対象の位置と前記注目対象に対する前記乗車者の前記感情情報とを注目データベースに設定する注目設定部を備える情報収集システム。
【請求項2】
前記注目設定部は、
前記注目データベースに設定されている注目対象に注目している乗車者の人数を集計し、前記注目対象に対する注目度を算出し、前記注目データベースに前記注目対象に対する前記注目度を設定する請求項1に記載の情報収集システム。
【請求項3】
前記情報収集システムは、
前記移動エリアを含む地図に周辺の環境を表す周辺環境情報が付与された地図情報を備え、
前記注目対象特定部は、
前記地図情報から前記注目対象を特定する請求項2に記載の情報収集システム。
【請求項4】
前記情報収集システムは、
前記注目対象に対する前記乗車者の前記感情情報と前記注目度とを前記地図情報に付加する地図設定部を備える請求項3に記載の情報収集システム。
【請求項5】
前記情報収集システムは、
前記移動体の全周方向を撮像可能な撮像装置を備え、
前記撮像装置は、
前記乗車者の視線方向を撮像し、撮像により得られた画像を視線方向画像として出力し、
前記注目対象特定部は、
前記視線方向画像から前記注目対象を特定する請求項2に記載の情報収集システム。
【請求項6】
前記情報収集システムは、
前記移動エリアを含む地図に周辺の環境を表す周辺環境情報が付与された地図情報に前記注目対象を設定するとともに、前記注目対象に対する前記乗車者の前記感情情報と前記注目度とを設定する地図設定部を備える請求項5に記載の情報収集システム。
【請求項7】
前記情報収集システムは、
前記乗車者に対し、良い感情情報が付与された注目対象を見ることを推奨するための推奨情報を前記移動体の表示機器に表示する表示部を備える請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の情報収集システム。
【請求項8】
前記情報収集システムは、
前記注目対象が、前記移動エリアの管理者に対して警告を通知する通知条件を満たす場合に、前記警告を通知する通知部を備える請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の情報収集システム。
【請求項9】
前記乗車者センサは、定期的に顔画像を送信し、
前記情報収集システムは、
前記顔画像を解析し、前記乗車者の健康状態が正常か異常かを判定し、前記健康状態が異常と判定されると、前記移動エリアの管理者に対して前記乗車者の健康状態の異常を通知する分析部を備える請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の情報収集システム。
【請求項10】
前記情報収集システムは、
前記乗車者の着座の状態を検出する着座センサと、
前記乗車者が装着しているシートベルトの状態を検出するシートベルトセンサと
を備え、
前記分析部は、
前記着座センサおよび前記シートベルトセンサからのセンシング情報に基づいて、前記乗車者の着座状態が正常か異常かを判定し、前記着座状態が異常と判定されると、前記移動エリアの管理者に対して前記乗車者の着座状態の異常を通知する請求項9に記載の情報収集システム。
【請求項11】
移動体が移動する移動エリアにおいて情報を収集する情報収集システムに用いられる情報収集方法において、
前記移動体の位置情報を取得し、
前記移動体に乗車している乗車者の視線方向を取得し、
前記移動体の位置情報と前記乗車者の視線方向とに基づいて、前記乗車者の視線方向に存在する物あるいは事象を、前記乗車者が注目する注目対象として特定し、
前記乗車者の顔の表情から、前記注目対象に対する前記乗車者の感情の種別を表す感情情報を取得し、
前記注目対象の位置と前記注目対象に対する前記乗車者の前記感情情報とを注目データベースに設定する情報収集方法。
【請求項12】
移動体が移動する移動エリアにおいて情報を収集する情報収集システムに用いられる情報収集プログラムにおいて、
前記移動体の位置情報を取得する位置取得処理と、
前記移動体に乗車している乗車者の視線方向を取得する視線取得処理と、
前記移動体の位置情報と前記乗車者の視線方向とに基づいて、前記乗車者の視線方向に存在する物あるいは事象を、前記乗車者が注目する注目対象として特定する注目対象特定処理と、
前記乗車者の顔の表情から、前記注目対象に対する前記乗車者の感情の種別を表す感情情報を取得する処理と、
前記注目対象の位置と前記注目対象に対する前記乗車者の前記感情情報とを注目データベースに設定する注目設定処理と
をコンピュータに実行させる情報収集プログラム。
【請求項13】
移動体が移動する移動エリアにおいて情報を収集する情報収集システムにおいて、
前記移動体の位置情報を取得する位置センサと、
前記移動体に乗車している乗車者の視線方向を取得する乗車者センサと、
前記移動体の位置情報と前記乗車者の視線方向とに基づいて、前記乗車者の視線方向に存在する物あるいは事象を、前記乗車者が注目する注目対象として特定する注目対象特定部と、
前記乗車者に対し、良い感情情報が付与された注目対象を見ることを推奨するための推奨情報を前記移動体の表示機器に表示する表示部と
を備える情報収集システム。
【請求項14】
移動体が移動する移動エリアにおいて情報を収集する情報収集システムにおいて、
前記移動体の位置情報を取得する位置センサと、
前記移動体に乗車している乗車者の視線方向を取得する乗車者センサと、
前記移動体の位置情報と前記乗車者の視線方向とに基づいて、前記乗車者の視線方向に存在する物あるいは事象を、前記乗車者が注目する注目対象として特定する注目対象特定部と、
前記注目対象が、前記移動エリアの管理者に対して警告を通知する通知条件を満たす場合に、前記警告を通知する通知部と
を備える情報収集システム。
【請求項15】
移動体が移動する移動エリアにおいて情報を収集する情報収集システムにおいて、
前記移動体の位置情報を取得する位置センサと、
前記移動体に乗車している乗車者の視線方向を取得する乗車者センサと、
前記移動体の位置情報と前記乗車者の視線方向とに基づいて、前記乗車者の視線方向に存在する物あるいは事象を、前記乗車者が注目する注目対象として特定する注目対象特定部と
を備え、
前記乗車者センサは、定期的に顔画像を送信し、
前記情報収集システムは、
前記顔画像を解析し、前記乗車者の健康状態が正常か異常かを判定し、前記健康状態が異常と判定されると、前記移動エリアの管理者に対して前記乗車者の健康状態の異常を通知する分析部を備える情報収集システム。
【請求項16】
移動体が移動する移動エリアにおいて情報を収集する情報収集システムにおいて、
前記移動体の位置情報を取得する位置センサと、
前記移動体に乗車している乗車者の視線方向を取得する乗車者センサと、
前記移動体の位置情報と前記乗車者の視線方向とに基づいて、前記乗車者の視線方向に存在する物あるいは事象を、前記乗車者が注目する注目対象として特定する注目対象特定部と、
前記注目対象に注目している前記乗車者の人数を集計し、前記注目対象に対する注目度を算出し、前記注目対象に対する前記注目度を注目データベースに設定する注目設定部と
を備える情報収集システム。
【請求項17】
前記注目設定部は、
前記注目対象を見ることができる位置を通過した乗車者の全人数を集計し、前記全人数のうち前記注目対象に注目した乗車者の人数を集計し、前記全人数のうち前記注目対象に注目した乗車者の割合を前記注目対象に対する前記注目度として算出する請求項16に記載の情報収集システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報収集装置、情報収集方法、および、情報収集プログラムに関する。特に、自動運転PMV(Personal Mobility Vehicle)の乗車者が移動中に注目する対象に関する情報をリアルタイムに収集する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転PMVを利用して、テーマパーク、娯楽施設、あるいは高齢者施設といった各種施設の敷地内を移動する際、自動運転PMVの乗車者が何に注目するかといった情報を、適切、かつ、リアルタイムに収集することが求められている。自動運転PMVは、例えば、電動車いす、あるいは、シニアカーといった移動体である。
乗車者が各種施設の敷地内において注目する対象に関する情報を収集し、収集した情報を分析することで、自動運転PMVの快適性および安全性の向上に利用することができる。
【0003】
特許文献1には、乗車者の顔の表情を読み取り、走行中のリンクにおける移動が快適かを推定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-002789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、乗車者の顔の表情から、走行中のリンクにおける移動が快適かを推定している。特許文献1では、リンクが快適か不快かを推定するのみであり、乗車者が何を見て快適となったのか、あるいは、不快になったのかについては特定していない。よって、特許文献1では、乗車者が走行中に注目する対象に関する情報を、適切、かつ、リアルタイムに収集することができず、自動運転PMVの快適性および安全性の向上に利用することもできない。
【0006】
本開示では、自動運転PMVの走行中に、自動運転PMVの乗車者が注目している対象を、適切、かつ、リアルタイムに特定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る情報収集システムは、移動体が移動する移動エリアにおいて情報を収集する情報収集システムにおいて、
前記移動体の位置情報を取得する位置センサと、
前記移動体に乗車している乗車者の視線方向を取得する乗車者センサと、
前記移動体の位置情報と前記乗車者の視線方向とに基づいて、前記乗車者の視線方向に存在する物あるいは事象を、前記乗車者が注目する注目対象として特定する注目対象特定部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る情報収集システムでは、注目対象特定部が、移動体の位置情報と乗車者の視線方向とに基づいて、乗車者の視線方向に存在する物あるいは事象を、乗車者が注目する注目対象として特定する。よって、本開示に係る情報収集システムによれば、移動体が移動エリアを走行中に、移動体の乗車者が注目している対象を、適切、かつ、リアルタイムに特定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る情報収集システムの全体構成例を示す図。
図2】実施の形態1に係るPMVの例を示す図。
図3】実施の形態1に係る情報収集装置の構成例を示す図。
図4】実施の形態1に係るサーバ装置の構成例を示す図。
図5】実施の形態1に係る注目対象特定処理の例を示すフロー図。
図6】実施の形態1に係る注目設定処理の例を示すフロー図。
図7】実施の形態1に係る注目データベースの例を示す図。
図8】実施の形態1に係る地図設定処理の例を示すフロー図。
図9】実施の形態1に係る地図情報の例を示す図。
図10】実施の形態1に係る推奨情報表示処理の例を示すフロー図。
図11】実施の形態1に係る警告通知処理の例を示すフロー図。
図12】実施の形態1の変形例1に係る注目対象特定処理の例を示すフロー図。
図13】実施の形態1の変形例3に係る情報収集装置の構成例を示す図。
図14】実施の形態1の変形例3に係るPMVの例を示す図。
図15】実施の形態1の変形例4に係る情報収集装置の構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について、図を用いて説明する。各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。また、以下の図では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、上、下、左、右、前、後、表、裏といった向きあるいは位置が示されている場合がある。これらの表記は、説明の便宜上の記載であり、装置、器具、あるいは部品等の配置、方向および向きを限定するものではない。
【0011】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係る情報収集システム500の全体構成例を示す図である。
情報収集システム500は、移動体が移動する移動エリア800において、各種の情報を収集するシステムである。
【0012】
PMV200は、移動エリア800を移動する移動体の例である。PMV200は、自動運転を実施するPMVである。PMV200は、自動運転PMVとも呼ばれる。
図示は無いが、乗車者30は、PMV200に乗車して移動する人である。乗車者30は、PMV200に搭載された自動運転システムに目的地を設定することで、自ら運転することなく自動で目的地まで移動できる。このため、乗車者30は、乗車中であっても周りの景色あるいは周辺環境を見物しながら移動することが可能である。
【0013】
PMVとは、乗車する人員が、車のように空間的に囲われておらず、環境にそのままさらされるような、動力を持った乗り物を指している。具体的には、PMVとは、電動車いす、あるいは、シニアカーといった移動体を指す。特に、これらの移動体に自動運転機能を持たせたものを自動運転PMV、あるいは、単にPMVと呼ぶ。
【0014】
移動エリア800は、高齢者施設の敷地内、娯楽施設の敷地内、あるいは、テーマパークの敷地内といった、PMV200が自動運転により移動するエリアを想定している。
なお、移動体が一般の道あるいは歩道といった移動エリアを移動する場合であっても、本実施の形態を適用することができる。
【0015】
情報収集システム500は、PMV200と、サーバ装置300とを備える。また、本実施の形態では、情報収集装置100はPMV200に搭載されている構成とする。
PMV200とサーバ装置300は、ネットワークを介して通信する。なお、サーバ装置300は、移動エリア800内に設置されていてもよいし、移動エリア800外に設置されていてもよい。
【0016】
図2は、本実施の形態に係るPMV200の例を示す図である。
PMV200は、移動体の例である。
PMV200は、位置センサ201と、乗車者センサ202と、撮像装置203と、自動運転システム204と、情報収集装置100とを備える。
【0017】
位置センサ201は、PMV200の位置情報を取得する。より具体的には、位置センサ201は、移動時におけるPMV200の位置情報と時間とを取得する。位置センサ201は、例えば、GPS(Global Positioning System)である。
【0018】
乗車者センサ202は、PMV200に乗車している乗車者30の視線方向を取得する。また、乗車者センサ202は、乗車者30の顔の表情から、注目対象に対する乗車者30の感情の種別を表す感情情報を取得する。
乗車者センサ202は、例えば、カメラ機能付きのスマートフォンあるいはタブレット端末である。乗車者センサ202は、カメラ機能により乗車者30の顔を撮影し、撮影した顔の画像を解析することにより乗車者30の視線方向を取得する。
また、乗車者センサ202は、顔の画像を解析することにより乗車者30の感情を表す感情情報を取得する。感情情報は、顔の表情でもよい。表情が笑顔であれば、快適、楽しい、あるいはうれしいといった感情を意味すると考えられる。また、表情が険しい表情であれば、不快、怒り、あるいは悲しいといった感情を意味する。乗車者センサ202は、顔の画像から、顔の表情あるいは感情を表す感情情報を取得する。
【0019】
撮像装置203は、全周方向を撮像可能な撮像装置203を備える。撮像装置203は、例えば、乗車者30の視線方向を撮像する。撮像装置203は、情報収集装置100からの指令に応じて、乗車者30の視線方向を撮像する。
【0020】
自動運転システム204は、外部の機器とネットワークを介して通信する通信装置、自動運転の制御を実施する自動運転制御部、および地図等を表示する表示機器を備える。
【0021】
情報収集装置100は、位置センサ201、乗車者センサ202、あるいは、撮像装置203から情報を取得し、移動エリア800を移動中に乗車者30が注目している注目対象を特定する。
情報収集装置100は、コンピュータである。本実施の形態では、情報収集装置100は、乗車者センサ202を備えるスマートフォンあるいはタブレットに搭載されている。
しかし、情報収集装置100は、乗車者センサ202とは別のコンピュータに搭載されていてもよい。あるいは、位置センサ201、乗車者センサ202、および、情報収集装置100の全てが、スマートフォンあるいはタブレットといった1つのコンピュータに搭載されていてもよい。
【0022】
図3は、本実施の形態に係る情報収集装置100の構成例を示す図である。
情報収集装置100は、コンピュータである。情報収集装置100は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0023】
情報収集装置100は、機能要素として、情報取得部110とセンサ情報受信部120と注目対象特定部130と表示部140と記憶部150とを備える。記憶部150には、地図情報51と注目データベース52とが記憶される。
【0024】
情報取得部110とセンサ情報受信部120と注目対象特定部130と表示部140の機能は、ソフトウェアにより実現される。記憶部150は、メモリ921に備えられる。なお、記憶部150は、補助記憶装置922に備えられていてもよいし、メモリ921と補助記憶装置922に分散して備えられていてもよい。
【0025】
プロセッサ910は、情報収集プログラムを実行する装置である。情報収集プログラムは、情報取得部110とセンサ情報受信部120と注目対象特定部130と表示部140の機能を実現するプログラムである。
プロセッサ910は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ910の具体例は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
【0026】
メモリ921は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ921の具体例は、SRAM(Static Random Access Memory)、あるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。
補助記憶装置922は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置922の具体例は、HDDである。また、補助記憶装置922は、SD(登録商標)メモリカード、CF、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVDといった可搬の記憶媒体であってもよい。なお、HDDは、Hard Disk Driveの略語である。SD(登録商標)は、Secure Digitalの略語である。CFは、CompactFlash(登録商標)の略語である。DVDは、Digital Versatile Diskの略語である。
【0027】
入力インタフェース930は、マウス、キーボード、あるいはタッチパネルといった入力装置と接続されるポートである。入力インタフェース930は、具体的には、USB(Universal Serial Bus)端子である。なお、入力インタフェース930は、LAN(Local Area Network)と接続されるポートであってもよい。
【0028】
出力インタフェース940は、ディスプレイといった出力機器のケーブルが接続されるポートである。出力インタフェース940は、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCD(Liquid Crystal Display)である。出力インタフェース940は、表示器インタフェースともいう。
【0029】
通信装置950は、レシーバとトランスミッタを有する。通信装置950は、LAN、インターネット、あるいは電話回線といった通信網に接続している。通信装置950は、具体的には、通信チップまたはNIC(Network Interface Card)である。
【0030】
情報収集プログラムは、情報収集装置100において実行される。情報収集プログラムは、プロセッサ910に読み込まれ、プロセッサ910によって実行される。メモリ921には、情報収集プログラムだけでなく、OS(Operating System)も記憶されている。プロセッサ910は、OSを実行しながら、情報収集プログラムを実行する。情報収集プログラムおよびOSは、補助記憶装置922に記憶されていてもよい。補助記憶装置922に記憶されている情報収集プログラムおよびOSは、メモリ921にロードされ、プロセッサ910によって実行される。なお、情報収集プログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
【0031】
情報収集装置100は、プロセッサ910を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、情報収集プログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、プロセッサ910と同じように、情報収集プログラムを実行する装置である。
【0032】
情報収集プログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ921、補助記憶装置922、または、プロセッサ910内のレジスタあるいはキャッシュメモリに記憶される。
【0033】
情報取得部110とセンサ情報受信部120と注目対象特定部130と表示部140の各部の「部」を「回路」、「工程」、「手順」、「処理」、あるいは「サーキットリー」に読み替えてもよい。情報収集プログラムは、情報取得処理とセンサ情報受信処理と注目情報特定処理と表示処理を、コンピュータに実行させる。情報取得処理とセンサ情報受信処理と注目情報特定処理と表示処理の「処理」を「プログラム」、「プログラムプロダクト」、「プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体」、または「プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体」に読み替えてもよい。また、情報収集方法は、情報収集装置100が情報収集プログラムを実行することにより行われる方法である。
情報収集プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に格納されて提供されてもよい。また、情報収集プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0034】
図4は、本実施の形態に係るサーバ装置300の構成例を示す図である。
サーバ装置300は、コンピュータである。サーバ装置300は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
図4では、説明を簡単にするために、図3と同様の機能を有するハードウェアに同一の符号を付しているが、情報収集装置100とサーバ装置300とはそれぞれ別個にハードウェアを備えている。
【0035】
サーバ装置300は、機能要素として、地図設定部310と注目設定部320と情報配信部330と通知部340と記憶部350とを備える。記憶部350には、地図情報51と注目データベース52と通知条件53とが記憶される。
サーバ装置300におけるハードウェアの説明は、情報収集装置100で説明したものと同様である。
【0036】
***動作の説明***
次に、本実施の形態に係る情報収集システム500の動作について説明する。情報収集システム500の動作手順は、情報収集方法に相当する。また、情報収集システム500の動作を実現するプログラムは、情報収集プログラムに相当する。
【0037】
<注目対象特定処理>
図5は、本実施の形態に係る注目対象特定処理の例を示すフロー図である。
本実施の形態では、注目対象特定処理は、PMV200に搭載された情報収集装置100により実施される。
【0038】
ステップS101において、情報収集装置100の情報取得部110は、サーバ装置300から配信された地図情報51および注目データベース52を、通信装置950を介して取得する。そして、情報取得部110は、配信された地図情報51および注目データベース52を記憶部150に記憶する。
サーバ装置300は、移動エリア800を移動中のPMV200から、注目対象に関する情報を収集し、地図情報51および注目データベース52を更新する。そして、サーバ装置300は、地図情報51および注目データベース52を更新する毎に、あるいは、定期的に、最新の地図情報51および注目データベース52をPMV200に配信する。
よって、ステップS101の処理は、必ずしも注目対象特定処理の初めに実施される必要はなく、地図情報51および注目データベース52が配信された時点で実施すればよい。
【0039】
ステップS102において、情報収集装置100のセンサ情報受信部120は、PMV200に搭載された各種のセンサからセンサ情報を受信する。
【0040】
具体的には、センサ情報受信部120は、PMV200の位置情報41を位置センサ201から受信する。
また、センサ情報受信部120は、PMV200に乗車している乗車者30の視線方向42を乗車者センサ202から受信する。
また、センサ情報受信部120は、乗車者30の感情の種別を表す感情情報43を乗車者センサ202から受信する。
なお、位置情報41と視線方向42と感情情報43は、時刻で紐づけられている。
【0041】
次に、情報収集装置100の注目対象特定部130は、PMV200の位置情報41と乗車者30の視線方向42とに基づいて、乗車者30の視線方向42に存在する物あるいは事象を、乗車者30が注目する注目対象45として特定する。
例えば、注目対象特定部130は、記憶部150に記憶されている地図情報51から注目対象45を特定する。
具体的には、以下の通りである。
【0042】
まず、ステップS103において、注目対象特定部130は、乗車者30の視線方向42を絶対座標系に変換する。
位置情報41は、GPS等により絶対座標系における位置として取得される。また、視線方向42は、乗車者30の顔の画像から、PMV200の進行方向を基準とするPMV座標系における方向として取得される。
注目対象特定部130は、PMV200の位置情報41からPMV200の進行方向を算出する。PMV200の進行方向は絶対座標系の方向として取得される。注目対象特定部130は、PMV200の進行方向に対して視線方向42がどの方向を向いているかを算出し、乗車者30の視線方向42を絶対座標系に変換する。
【0043】
そして、ステップS104において、注目対象特定部130は、PMV200の位置と絶対座標系で表された視線方向とに基づいて、乗車者30の視線方向42に存在する物あるいは事象を注目対象45として地図情報51から特定する。
【0044】
なお、地図情報51には、移動エリア800を含む地図に周辺の環境を表す周辺環境情報が付与されている。
周辺環境情報とは、移動エリア800内に設定された建造物、彫刻、アトラクション、植物、および動物といった、移動エリア800において見ることができる物あるいは事象である。
また、移動エリア800内で実施されるパレードあるいは花火といったイベント、および、移動エリア800から見ることができる景色といった事象も周辺環境情報として地図情報51に付与されている。
注目対象特定部130は、乗車者30の視線方向42に存在する物あるいは事象を注目対象45として、地図情報51に付与されている周辺環境情報から特定する。
【0045】
ステップS105において、注目対象特定部130は、PMV200の位置情報41と、注目対象45と、視線方向42と、注目対象45の位置と、感情情報43とを含む注目対象情報40をサーバ装置300に送信する。なお、注目対象45が移動エリア800外の景色である場合には、注目対象45の位置は注目対象情報40に含まれなくてもよい。
注目対象情報40に含まれる、PMV200の位置情報41と、注目対象45と、視線方向42と、注目対象45の位置と、感情情報43とは、時刻で紐づけられている。このため、感情情報43は、注目対象45に対する乗車者の感情を表すものであると推定できる。
【0046】
<注目設定処理>
図6は、本実施の形態に係る注目設定処理の例を示すフロー図である。
サーバ装置300の注目設定部320は、注目対象45の位置と注目対象45に対する乗車者30の感情情報43とを注目データベース52に設定する。
【0047】
ステップS201において、注目設定部320は、情報収集装置100から、通信装置950を介して、注目対象情報40を受信する。
ステップS202において、注目設定部320は、注目対象情報40に含まれる、PMV200の位置情報41と、注目対象45と、視線方向42と、注目対象45の位置と、感情情報43とを注目データベース52に設定する。
【0048】
ステップS203において、注目設定部320は、注目対象45に対する注目の度合いを表す注目度48を算出する。例えば、注目設定部320は、過去に注目対象45を見ることができる位置を通過した乗車者の全人数を集計するとともに、その人数のうち注目対象45に注目した人数を集計し、全人数のうち注目対象45に注目した乗車者の割合を注目度48として算出する。注目度48は、注目対象45に対する注目の度合いを表すことができればよく、その他の算出方法で算出されても構わない。
ステップS204において、注目設定部320は、注目データベース52に注目対象45に対する注目度48を設定する。
【0049】
図7は、本実施の形態に係る注目データベース52の例を示す図である。
注目データベース52には、PMV200の位置範囲521と、注目対象522と、視線方向523と、注目対象の位置524と、感情情報525と、注目度526が設定される。
PMV200の位置範囲521は、注目対象522を見ることができる移動エリア800内の範囲である。移動エリア800は、予め、所定の範囲で区切られているものとする。あるいは、移動エリア800におけるPMV200が移動する道あるいは歩道が、予め、所定の範囲で区切られていてもよい。注目設定部320は、注目対象情報40に含まれる注目対象45と位置情報41とに基づいて、位置範囲521と注目対象522とを設定する。
視線方向523は、PMV200の進行方向を基準としたPMV座標系で表される視線方向である。注目設定部320は、注目対象情報40に含まれる視線方向42に基づいて、視線方向523を設定する。
注目対象の位置524は、注目対象情報40に含まれる注目対象の位置である。
感情情報525は、注目対象情報40に含まれる感情情報43である。
注目度48は、ステップS203において算出される。
【0050】
ステップS205において、情報配信部330は、注目データベース52をPMV200に配信する。
【0051】
<地図設定処理>
サーバ装置300の地図設定部310は、注目対象45に対する乗車者30の感情情報43と注目度48とを地図情報51に付加する。
【0052】
図8は、本実施の形態に係る地図設定処理の例を示すフロー図である。
ステップS301において、地図設定部310は、注目データベース52を参照する。
ステップS302において、地図設定部310は、注目設定処理により新たに注目データベース52に設定された注目対象522の情報を抽出する。地図設定部310は、注目対象522と、注目対象522に対する乗車者30の感情情報525と、注目度526とを、地図情報51に付加する。
【0053】
図9は、本実施の形態に係る地図情報51の例を示す図である。
例えば、図7の注目データベース52において、移動エリア800に設置された「家の模型」が新たに注目対象45として特定された場合について説明する。
このとき、図7では、注目対象522に「家の模型」が設定され、「家の模型」が見える位置範囲521と、「家の模型」が注目対象として特定されたときの視線方向523が設定される。また、「家の模型」の位置524、「家の模型」に対する感情情報525である「笑顔」、「家の模型」の注目度526が「0.8」と設定される。
地図設定部310は、地図情報51における「家の模型」の位置に、注目対象45であることを表すマークと、「笑顔」を表すマークと、注目度「0.8」とを付加する。
【0054】
<推奨情報表示処理>
情報収集装置100の表示部140は、乗車者30に対し、良い感情情報が付与された注目対象45を見ることを推奨するための推奨情報をPMV200の表示機器に表示する。
【0055】
図10は、本実施の形態に係る推奨情報表示処理の例を示すフロー図である。
ステップS401において、表示部140は、注目データベース52を参照する。
ステップS402において、表示部140は、良い感情情報が付与された注目対象45に対応する位置にPMV200が近づいているかを判定する。表示部140は、良い感情情報が付与された注目対象45に対応する位置にPMV200が近づいていると判定すると、その注目対象45を見ることをおすすめする推奨情報46を表示機器に表示する。
【0056】
<警告通知処理>
サーバ装置300の通知部340は、注目対象45が、移動エリア800の管理者に対して警告47を通知する通知条件53を満たす場合に、警告47を通知する。
【0057】
図11は、本実施の形態に係る警告通知処理の例を示すフロー図である。
ステップS501において、通知部340は、注目データベース52を参照する。
【0058】
ステップS502において、通知部340は、注目データベース52のなかに、通知条件53を満たす注目対象45があるか否かを判定する。
例えば、通知条件が、悪い感情情報であり、かつ、注目度が0.4以上の場合であるとする。このとき、通知部340は、注目データベース52を参照し、悪い感情情報であり、かつ、注目度が0.4以上の注目対象45を検索する。
通知部340は、通知条件53を満たす注目対象45があればステップS503に進み、無ければステップS501に戻る。
【0059】
ステップS503において、通知部340は、移動エリア800の管理者に対して警告47を通知する。通知部340は、サーバ装置300の表示機器といった出力機器に警告47を出力してもよいし、予め登録されたメールに警告47を送信してもよい。
【0060】
例えば、図9に示すように、移動エリア800内に、ゴミがあふれているゴミ箱がある場合、近くを通過するPMV200の乗車者30はゴミ箱の方を見て、不快な表情をする可能性が高い。このような場合には、リアルタイムに管理者に警告47が通知されるので、管理者は移動エリア800内における不快要因に対して直ちに対策をとることができる。
【0061】
***他の構成***
<変形例1>
本実施の形態では、注目対象特定部130は、地図情報51から注目対象45を特定している。変形例1では、その他の方法で注目対象45を特定する態様について説明する。
【0062】
図12は、本実施の形態の変形例1に係る注目対象特定処理の例を示すフロー図である。
図12において、ステップS102からステップS103、およびステップS105の処理は、図5と同様である。
また、ステップS103の後に新たにステップS106の処理が加わり、その後ステップS104に替えてステップS104aを実施する。
【0063】
PMV200は、全周方向を撮像可能な撮像装置203を備える。撮像装置203は、情報収集装置100からの指令に応じて、乗車者30の視線方向を撮像する。
【0064】
ステップS106において、注目対象特定部130は、ステップS103で絶対座標系に変換された視線方向を撮像する指示を撮像装置203に送信する。撮像装置203は、乗車者30の視線方向を撮像し、撮像により得られた画像を視線方向画像44として出力する。
ステップS104aにおいて、注目対象特定部130は、視線方向画像44から注目対象45を特定する。
【0065】
このように、撮像装置203により撮像された視線方向画像44から注目対象45を特定することにより、地図情報51から判別できない注目対象45を特定することができるという効果がある。
【0066】
<変形例2>
本実施の形態では、情報収集装置100は、乗車者センサ202が備えるスマートフォンあるいはタブレットに搭載されているものとして説明した。
しかし、情報収集装置100は、乗車者センサ202とは別のコンピュータに搭載されていてもよい。あるいは、位置センサ201、乗車者センサ202、および、情報収集装置100の全てが、スマートフォンあるいはタブレットといった1つのコンピュータに搭載されていてもよい。
また、情報収集装置100の一部の機能、あるいは、すべての機能がサーバ装置300に搭載されていてもよい。
【0067】
また、本実施の形態では、乗車者センサ202において、視線方向および感情情報を解析するものとした。しかし、乗車者センサ202は、乗車者の顔画像のみを情報収集装置100に送信し、情報収集装置100において乗車者の視線方向および感情情報を解析してもよい。
【0068】
<変形例3>
図13は、本実施の形態の変形例3に係る情報収集装置100の構成例を示す図である。
図14は、本実施の形態の変形例3に係るPMV200の例を示す図である。
変形例3では、PMVに搭載されたセンサを用いて、乗車者30の安全を確保するための安全確保方式について説明する。
本実施の形態の変形例3に係る情報収集装置100では、図3の構成に加え、分析部160を備える。
また、本実施の形態の変形例3に係るPMV200では、図2の構成に加え、着座センサ205とシートベルトセンサ206を備える。
【0069】
<<安全確保方式の例1>>
乗車者センサ202は、定期的に顔画像491を送信する。
分析部160は、顔画像491を解析し、乗車者30の健康状態が正常か異常かを判定する。分析部160は、健康状態が異常と判定されると、移動エリア800の管理者に対して乗車者30の健康状態の異常を通知する。
安全確保方式の例1の場合は、着座センサ205とシートベルトセンサ206は無くてもよい。
【0070】
<<安全確保方式の例2>>
着座センサ205は、乗車者30の着座の状態を検出する。
シートベルトセンサ206は、乗車者30が装着しているシートベルトの状態を検出する。
分析部160は、着座センサ205およびシートベルトセンサ206からのセンシング情報492に基づいて、乗車者30の着座状態が正常か異常かを判定する。着座状態が異常と判定されると、分析部160は、移動エリア800の管理者に対して乗車者の着座状態の異常を通知する。
なお、着座センサ205とシートベルトセンサ206のいずれか一方を用いて、着座状態の異常を検出してもよい。
【0071】
上記のような安全確保方式により、以下のような乗車者の危険あるいは異常を検知することができる。
・寝てしまっていて危険である。
・向くべき方向を見ていない。例えば、横断歩道前なのに信号を見ていない、あるいは、衝突しそうな接近物があるのにそちらを向いていない。
・顔色が悪い、腫れている、および血が出ているといった、明らかに具合が悪い様子である。
・ずり落ちそう、あるいは、偏って倒れそうといった、顔の位置がおかしい。
【0072】
<変形例4>
本実施の形態では、情報取得部110とセンサ情報受信部120と注目対象特定部130と表示部140の機能がソフトウェアで実現される。変形例4として、情報取得部110とセンサ情報受信部120と注目対象特定部130と表示部140の機能がハードウェアで実現されてもよい。
具体的には、情報収集装置100は、プロセッサ910に替えて電子回路909を備える。
【0073】
図15は、本実施の形態の変形例4に係る情報収集装置100の構成例を示す図である。
電子回路909は、情報取得部110とセンサ情報受信部120と注目対象特定部130と表示部140の機能を実現する専用の電子回路である。電子回路909は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略語である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略語である。
【0074】
情報取得部110とセンサ情報受信部120と注目対象特定部130と表示部140の機能は、1つの電子回路で実現されてもよいし、複数の電子回路に分散して実現されてもよい。
【0075】
別の変形例として、情報取得部110とセンサ情報受信部120と注目対象特定部130と表示部140の一部の機能が電子回路で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。また、情報取得部110とセンサ情報受信部120と注目対象特定部130と表示部140の一部またはすべての機能がファームウェアで実現されてもよい。
【0076】
プロセッサと電子回路の各々は、プロセッシングサーキットリとも呼ばれる。つまり、情報取得部110とセンサ情報受信部120と注目対象特定部130と表示部140の機能は、プロセッシングサーキットリにより実現される。
【0077】
なお、サーバ装置300についても、情報収集装置100と同様に、情報取得部110とセンサ情報受信部120と注目対象特定部130と表示部140の機能がハードウェアで実現されてもよい。
【0078】
***本実施の形態の効果の説明***
本実施の形態によれば、以下の効果がある。
・テーマパークあるいは娯楽施設にとっては、何に注目して何が嫌がられているかを特定することができる。
・観光スポットにとっては、何が人気なのかがわからないということが無くなる。
・笑顔によりどういったものが受けるか、険しい表情によりそこにはなにか問題有りか、リアルタイムで特定することができる。
・これらの情報から、ある位置を通過時に特定の方向を向いて表情が変わる所を特定することができる。
【0079】
さらに、本実施の形態によれば、以下の効果がある。
・不快なものがあれば、センターに警告が行くので、移動エリアを快適に保つことが容易となる。
・B看板を置いてみたらどれくらい注目されるのかといったデータを得ることができる。
【0080】
さらに、本実施の形態によれば、笑顔になる位置あるいは時刻に偏りがあるかを検出することができる。
笑顔になる位置、時刻に偏りがある場合、どういった場所、向いている方向から何を見たときに笑顔になっているのかを分析することによって、どういったものが受けるのかという事の基礎データとすることができる。
・逆に険しい表情になる位置、時刻に偏りがある場合、そこにはなにか問題があると予想できる。
さらに、本実施の形態によれば、向いている方向に偏りがあるかを検出することができる。
ある位置で向いている方向に偏りがあるということは、その方向には注目度の高いものが存在するといえる。逆にそうでない場合は、注目度は低いといえる。
例えば遊園地などで大きな展示用のオブジェを制作した場合、その周りにいる人がどの程度その方向を向いているかにより注目度を測ることができる。これがオブジェの無い場合と全く同じであるなら、そのオブジェは全く注目されていないと判定できる。これは花火を打ち上げたら、どの程度の注目を集められるかといったデータ取得に利用することができる。
どちらの場合でも、「偏りがある」と判定した場合、そちらの方向を撮像するカメラを設置することによって、何を見てそうなったのかの情報収集を同時に行うことができる。
【0081】
本実施の形態に係る情報収集システム500における安全確保方式は、特に、シートベルトをしていない場合に有効である。
自動運転PMVの需要として、泥酔者あるいは認知機能が衰えた老人の自動帰宅が予測される。このような人たちを乗せた場合、最初は正しく着座していても、しばらくすると姿勢が崩れて、PMVから脱落する危険性がある。
着座センサにより、姿勢が崩れて、脱落しかかっている事を察知した場合、以下の状況回避策を取ることができる。
・脱落しても比較的安全と思われる場所にて停止する。
・脱落しかかっていることを音、光、振動、あるいはそれらの組み合わせにより乗っている本人に通知する。
・脱落しかかっていることを通信で、管理者あるいは保護者に通知する。
【0082】
また、本実施の形態に係る情報収集システム500における安全確保方式により、このような人が乗りやすい、あるいは、このような状況が起こりやすい場所を特定することも可能である。これにより、より安全に配慮したPMVを配車することができ、問題を事前に回避できる。
【0083】
以上の実施の形態1では、情報収集システムの各部を独立した機能ブロックとして説明した。しかし、情報収集システムの構成は、上述した実施の形態のような構成でなくてもよい。情報収集システムの機能ブロックは、上述した実施の形態で説明した機能を実現することができれば、どのような構成でもよい。また、情報収集システムは、1つの装置でなく、複数の装置から構成されていてもよい。
また、実施の形態1のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、この実施の形態のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、この実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
すなわち、実施の形態1では、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【0084】
なお、上述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本開示の範囲、本開示の適用物の範囲、および本開示の用途の範囲を制限することを意図するものではない。上述した実施の形態は、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0085】
40 注目対象情報、41 位置情報、42 視線方向、43 感情情報、44 視線方向画像、45 注目対象、46 推奨情報、47 警告、48 注目度、491 顔画像、492 センシング情報、51 地図情報、52 注目データベース、53 通知条件、30 乗車者、100 情報収集装置、110 情報取得部、120 センサ情報受信部、130 注目対象特定部、140 表示部、150 記憶部、160 分析部、200 PMV、201 位置センサ、202 乗車者センサ、203 撮像装置、204 自動運転システム、205 着座センサ、206 シートベルトセンサ、300 サーバ装置、310 地図設定部、320 注目設定部、330 情報配信部、340 通知部、350 記憶部、500 情報収集システム、521 位置範囲、522 注目対象、523 視線方向、524 位置、525 感情情報、526 注目度、800 移動エリア、909 電子回路、910 プロセッサ、921 メモリ、922 補助記憶装置、930 入力インタフェース、940 出力インタフェース、950 通信装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15