(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-22
(45)【発行日】2025-05-30
(54)【発明の名称】運行情報提供システム、運行管制サーバ、運行情報提供方法、および運行管制プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/123 20060101AFI20250523BHJP
【FI】
G08G1/123 A
(21)【出願番号】P 2023117749
(22)【出願日】2023-07-19
【審査請求日】2024-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】深澤 司
(72)【発明者】
【氏名】村山 修
(72)【発明者】
【氏名】岡田 友司
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-018533(JP,A)
【文献】特開2014-238636(JP,A)
【文献】国際公開第2014/061111(WO,A1)
【文献】特開2019-082386(JP,A)
【文献】特開2020-052923(JP,A)
【文献】特開2005-251054(JP,A)
【文献】特開2002-203299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/123
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の停留所を巡回する車両の運行状況をユーザに提供するデマンド収集装置と、
前記ユーザの乗車予約によって決定される前記ユーザが乗車予定
の車両である次車両の運行状況を前記デマンド収集装置に送信する運行管制サーバと、
を備え、
前記運行管制サーバは、
前記車両から前記
車両の位置情報である車両位置情報を取得する車両位置情報取得部と、
前記車両の巡回範囲を含む地図情報を取得する地図情報取得部と、
前記
乗車予約、前記車両位置情報、および前記地図情報に基づいて、前記次車両の車両位置情報を、前記次車両よりも後に到着する車両の車両位置情報とは異なる表示態様で前記地図情報に重畳表示する画像の画像データを生成する画像データ生成部と、
前記次車両の運行状況として前記画像データを前記デマンド収集装置に送信する第1の通信部と、
を有し、
前記デマンド収集装置は、
前記画像データを前記運行管制サーバから受信する第2の通信部と、
受信した前記画像データに対応する画面を表示部に表示させる処理部と、
を有する、
ことを特徴とする運行情報提供システム。
【請求項2】
前記画像データ生成部は、前記次車両の混雑度割合を算出し、
前記第1の通信部は、前記画像データとともに前記混雑度割合を前記デマンド収集装置に送信し、
前記処理部は、前記混雑度割合を含んだ前記画面を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の運行情報提供システム。
【請求項3】
前記第2の通信部は、
前記デマンド収集装置の位置情報であるユーザ位置情報を前記運行管制サーバに送信し、
前記画像データ生成部は、前記ユーザ位置情報を前記画像データに含めて前記画像データを生成し、
前記処理部は、前記ユーザ位置情報を含んだ前記画面を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の運行情報提供システム。
【請求項4】
前記デマンド収集装置は、前記ユーザの位置を測位して前記ユーザ位置情報を生成する端末位置測定部をさらに有する、
ことを特徴とする請求項3に記載の運行情報提供システム。
【請求項5】
前記デマンド収集装置は、前記表示部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項
3に記載の運行情報提供システム。
【請求項6】
前記画像データ生成部は、前記車両が、前記ユーザ位置情報に対応する停留所から出発する時刻である出発時刻の情報を含んだ前記画像データを生成し、
前記処理部は、前記出発時刻の情報を含んだ前記画面を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項
5に記載の運行情報提供システム。
【請求項7】
前記画像データ生成部は、前記車両の走行ルート毎に前記走行ルートを色分けして表示する画像の前記画像データを生成し、
前記処理部は、前記車両の走行ルート毎に前記走行ルートを色分けして前記画面を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の運行情報提供システム。
【請求項8】
前記画像データ生成部は、前記車両の種類によって前記車両を示すアイコンを変えた画像の前記画像データを生成し、
前記処理部は、前記車両の種類によって前記車両を示すアイコンを変えた前記画面を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の運行情報提供システム。
【請求項9】
前記デマンド収集装置は、前記画像データに対応する画面に対して前記車両の行先および乗車人数を含んだ乗車予約を前記ユーザから受け付けるユーザ入力部と、
前記乗車予約に対応する乗車の予約処理を制御する予約処理部と、
をさらに有し、
前記第2の通信部は、前記ユーザ入力部が前記乗車予約を前記ユーザから受け付けると、前記予約処理部からの指示に従って、前記乗車予約を前記運行管制サーバに送信し、
前記運行管制サーバは、前記乗車予約、前記ユーザ位置情報、前記車両位置情報、および前記地図情報に基づいて、前記乗車予約に対応する配車の情報である配車情報を生成し、前記デマンド収集装置に前記配車情報を送信し、
前記デマンド収集装置は、前記配車情報を受信して前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項
3から6の何れか1つに記載の運行情報提供システム。
【請求項10】
前記乗車予約には、前記車両への相乗りの可否を示す情報が含まれており、
前記運行管制サーバは、前記相乗りの可否を示す情報に基づいて、前記配車情報を生成する、
ことを特徴とする請求項9に記載の運行情報提供システム。
【請求項11】
前記乗車予約には、前記車両にペットと乗車することを示す第1の情報、または前記車両にベビーカーを持ち込むことを示す第2の情報が含まれており、
前記運行管制サーバは、前記第1の情報を含む前記乗車予約を受信すると前記第1の情報に基づいて前記配車情報を生成し、前記第2の情報を含む前記乗車予約を受信すると前記第2の情報に基づいて前記配車情報を生成する、
ことを特徴とする請求項9に記載の運行情報提供システム。
【請求項12】
前記乗車予約には、前記車両が、前記ユーザ位置情報に対応する停留所から出発する時刻である出発時刻を指定した情報が含まれており、
前記運行管制サーバは、前記出発時刻を指定した情報に基づいて前記配車情報を生成する、
ことを特徴とする請求項9に記載の運行情報提供システム。
【請求項13】
複数の停留所を巡回する車両の位置情報である車両位置情報を前記車両から取得する車両位置情報取得部と、
前記車両の巡回範囲を含む地図情報を取得する地図情報取得部と、
ユーザの乗車予約、前記車両位置情報、および前記地図情報に基づいて、
前記ユーザの乗車予約によって決定される前記ユーザが乗車予定
の車両である次車両の車両位置情報を、前記次車両よりも後に到着する車両の車両位置情報とは異なる表示態様で前記地図情報に重畳表示する画像の画像データを生成する画像データ生成部と、
前記次車両の運行状況を前記ユーザに提供するデマンド収集装置に、前記次車両の運行状況として前記画像データ
を送信する通信部と、
を有する、
ことを特徴とする運行管制サーバ。
【請求項14】
複数の停留所を巡回する車両の運行を管制する運行管制サーバが、前記車両の位置情報である車両位置情報を前記車両から取得する車両位置情報取得ステップと、
前記運行管制サーバが、前記車両の巡回範囲を含む地図情報を取得する地図情報取得ステップと、
前記運行管制サーバが、
ユーザの乗車予約、前記車両位置情報、および前記地図情報に基づいて、
前記ユーザの乗車予約によって決定される前記ユーザが乗車予定
の車両である次車両の車両位置情報を、前記次車両よりも後に到着する車両の車両位置情報とは異なる表示態様で前記地図情報に重畳表示する画像の画像データを生成する画像データ生成ステップと、
前記運行管制サーバが、
前記次車両の運行状況を前記ユーザに提供するデマンド収集装置に、前記次車両の運行状況として前記画像データ
を送信する通信ステップと、
を含む、
ことを特徴とする運行情報提供方法。
【請求項15】
複数の停留所を巡回する車両の位置情報である車両位置情報を前記車両から取得する車両位置情報取得ステップと、
前記車両の巡回範囲を含む地図情報を取得する地図情報取得ステップと、
ユーザの乗車予約、前記車両位置情報、および前記地図情報に基づいて、
前記ユーザの乗車予約によって決定される前記ユーザが乗車予定
の車両である次車両の車両位置情報を、前記次車両よりも後に到着する車両の車両位置情報とは異なる表示態様で前記地図情報に重畳表示する画像の画像データを生成する画像データ生成ステップと、
前記次車両の運行状況を前記ユーザに提供するデマンド収集装置に、前記次車両の運行状況として前記画像データ
を送信する通信ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする運行管制プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運行情報を提供する運行情報提供システム、運行管制サーバ、運行情報提供方法、および運行管制プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オンデマンド自動運転システムは、自動走行車両などの車両が特定の路線上の停留所を経由しながらユーザを輸送する乗り合い型の輸送サービスを実現するシステムである。オンデマンド自動運転システムの1つに運行管制サーバが、ユーザから配車要求を受け付けてユーザに配車の予約結果を通知するシステムがある。このようなシステムでは、ユーザに車両の運行予定情報である時刻表が提供されることで、ユーザは、車両の予約を容易に行うことが可能となる。
【0003】
特許文献1に記載の情報処理システムは、停留地点間を予約に応じて走行するデマンド交通の予約情報を取得し、予約情報に基づいて路線毎に予約可能なデマンド交通の出発時刻をリストにした仮想時刻表を生成し、ユーザに提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、ユーザが乗車する予定の車両の運行状況をユーザがリアルタイムに確認することができないという問題があった。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザが乗車する予定の車両の運行状況をユーザがリアルタイムに確認することができる運行情報提供システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の運行情報提供システムは、複数の停留所を巡回する車両の運行状況をユーザに提供するデマンド収集装置と、ユーザの乗車予約によって決定されるユーザが乗車予定の車両である次車両の運行状況をデマンド収集装置に送信する運行管制サーバとを備える。運行管制サーバは、車両から車両の位置情報である車両位置情報を取得する車両位置情報取得部と、車両の巡回範囲を含む地図情報を取得する地図情報取得部とを有する。また、運行管制サーバは、乗車予約、車両位置情報、および地図情報に基づいて、次車両の車両位置情報を、次車両よりも後に到着する車両の車両位置情報とは異なる表示態様で地図情報に重畳表示する画像の画像データを生成する画像データ生成部と、次車両の運行状況として画像データをデマンド収集装置に送信する第1の通信部とを有する。デマンド収集装置は、画像データを運行管制サーバから受信する第2の通信部と、受信した画像データに対応する画面を表示部に表示させる処理部とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示にかかる運行情報提供システムは、ユーザが乗車する予定の車両の運行状況をユーザがリアルタイムに確認することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態にかかる運行情報提供システムの概略構成を示す図
【
図2】実施の形態にかかる運行情報提供システムで実行される処理を説明するための図
【
図3】実施の形態にかかる運行情報提供システムの構成を示すブロック図
【
図4】実施の形態にかかるデマンド収集装置が運行状況を表示する際に運行情報提供システムで実行される処理の処理手順を示すフローチャート
【
図5】実施の形態にかかるデマンド収集装置が乗車予約を実行する際に運行情報提供システムで実行される処理の処理手順を示すフローチャート
【
図6】実施の形態にかかるデマンド収集装置が表示する画面の画面遷移の第1例を示す図
【
図7】実施の形態にかかるデマンド収集装置が表示する画面の画面遷移の第2例を示す図
【
図8】実施の形態にかかるデマンド収集装置が表示する相乗り確認の画面の例を示す図
【
図9】実施の形態にかかる運行情報提供システムを実現するハードウェア構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示の実施の形態にかかる運行情報提供システム、運行管制サーバ、デマンド収集装置、運行情報提供方法、および運行管制プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
実施の形態.
図1は、実施の形態にかかる運行情報提供システムの概略構成を示す図である。運行情報提供システム1は、デマンド交通における車両30の運行状況をユーザに提供するシステムである。運行情報提供システム1は、1台または複数台のデマンド収集装置10と、運行管制サーバ20と、1台または複数台の車両30とを備えている。
【0012】
デマンド収集装置10は、複数の停留所を巡回する車両30の乗車予約を乗客であるユーザから受け付ける装置である。車両30は、自動走行車両であってもよいし、運転手が運転をする車両であってもよい。デマンド収集装置10は、ユーザから受け付けた乗車予約を運行管制サーバ20に送信し、運行管制サーバ20から車両30の運行状況を受信する。デマンド収集装置10が運行管制サーバ20から受信する運行状況は、ユーザが乗車予定の停留所である乗車停留所(出発停留所)に次に到着する車両である次車両の運行状況である。
【0013】
デマンド収集装置10は、各停留所に配置された装置によって実現されてもよいし、ユーザが持ち運ぶスマートフォン、タブレット端末などのユーザ端末で実現されてもよい。なお、車両30は、既定の巡回ルートを走行する場合に限らず、デマンド収集装置10からの要求に応じて自由経路を走行してもよい。
【0014】
運行管制サーバ20は、デマンド収集装置10から送信されてきた乗車予約および車両30から受信した車両30の位置(車両位置情報)に基づいて、複数の停留所のうち乗車停留所に次に到着する次車両の運行状況をデマンド収集装置10に送信する。
【0015】
運行管制サーバ20は、次車両の運行状況を後述する画像データとして生成する。運行管制サーバ20が生成する運行状況の画像データは、次車両の車両位置情報を、次車両よりも後に到着する車両30(以下、非対象車両という場合がある)の車両位置情報とは異なる表示態様で地図情報に重畳表示する画像のデータである。
【0016】
運行管制サーバ20は、例えば、次車両の車両位置情報を地図情報に重畳表示し、非対象車両の車両位置情報を地図情報に表示しない画像の画像データを生成する。なお、運行管制サーバ20は、例えば、次車両の車両位置情報と非対象車両の車両位置情報とを異なる色、異なるアイコンなどで地図情報に重畳表示する画像の画像データを生成してもよい。
【0017】
運行管制サーバ20は、乗車予約、次車両の車両位置情報、および地図情報に基づいて、次車両の運行状況に対応する画像データを生成し、デマンド収集装置10に送信する。これにより、ユーザは、乗車予定である次車両が計画通りに配車および運行されているか否かをリアルタイムに確認することが可能となる。また、ユーザは、遅延または渋滞が起きて次車両が計画通りに運行されていない時に、どの場所で次車両が停滞しているかを容易に認知することが可能となる。
【0018】
図2は、実施の形態にかかる運行情報提供システムで実行される処理を説明するための図である。なお、
図2では、運行情報提供システム1に、地点PAに配置されたデマンド収集装置10と、地点PBに配置されたデマンド収集装置10とが含まれる場合について説明するが、デマンド収集装置10は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0019】
ここでは、ユーザが地点PAに配置されているデマンド収集装置10を操作する場合について説明する。例えば、地点PAのデマンド収集装置10が、停留所に配置された装置によって実現される場合、地点PAの停留所が乗車停留所である。また、地点PAのデマンド収集装置10が、ユーザが持ち運ぶユーザ端末で実現される場合、ユーザ端末から最も近い停留所が乗車停留所である。
【0020】
運行情報提供システム1では、運行管制サーバ20が、各車両30の位置として、各車両30から各車両30の識別情報とともに各車両30の車両位置情報とを取得する(st1)。運行管制サーバ20は、デマンド収集装置10から運行状況の要求があると、デマンド収集装置10に応じた運行状況を送信する(st2)。運行管制サーバ20は、運行状況を示す画像データをデマンド収集装置10に送信する。
【0021】
運行管制サーバ20は、例えば、デマンド収集装置10が停留所に配置されている場合、デマンド収集装置10が配置されている停留所の位置に対応する運行状況をデマンド収集装置10に送信する。なお、運行管制サーバ20は、特定の周期でデマンド収集装置10に運行状況を送信してもよい。
【0022】
また、運行管制サーバ20は、例えば、デマンド収集装置10がスマートフォンなどのユーザ端末で実現される場合、デマンド収集装置10から受信したユーザの位置の情報(ユーザ位置情報)に対応する運行状況をデマンド収集装置10に送信する。ユーザ位置情報に対応する運行状況は、ユーザの位置に最も近い停留所に向かっている次車両の運行状況である。
【0023】
デマンド収集装置10は、運行管制サーバ20から運行状況を受信し、表示装置(後述する表示部12)に運行状況を表示する。これにより、ユーザは、次車両の運行状況を確認することが可能となる(st3)。すなわち、ユーザは、表示部12の表示画面に表示された地図情報に表示される画像のデータを確認することで、次車両の運行状況を確認することが可能となる。
【0024】
デマンド収集装置10は、ユーザから車両30の乗車を予約する要求(予約情報)を受け付けて、予約情報を運行管制サーバ20に送信することで乗車予約を実行する(st4)。デマンド収集装置10がユーザから受け付ける予約情報には、ユーザが車両30を降車する降車停留所(到着停留所)、車両30に乗車する人の人数(乗車人数)などの情報が含まれている。
【0025】
運行管制サーバ20は、予約情報に基づいて、ユーザに車両30を配車する(st5)。すなわち、運行管制サーバ20は、予約情報に基づいて、ユーザに乗車してもらう車両30を決定する。運行管制サーバ20は、ユーザに最適な車両30を配車してもよいし、運行情報提供システム1に最適な車両30を配車してもよい。ユーザに最適な車両30の配車は、ユーザが短時間で移動可能な車両30の割り当てである。運行情報提供システム1に最適な車両30の配車は、運行情報提供システム1が効率良く車両30を運行させることができる車両30の割り当てである。
【0026】
運行管制サーバ20は、例えば、ユーザが乗車予定の乗車停留所に次に到着する次車両を配車する。なお、運行管制サーバ20は、次車両が満席である、次車両がユーザの要求に対応していないなどの理由で配車できない場合は、次車両の次に乗車停留所に到着する車両30を配車する。すなわち、運行管制サーバ20は、配車可能な車両30の中から、乗車停留所に到着する順番が早い車両30を優先して配車する。
【0027】
運行管制サーバ20は、配車した車両30の便番号、乗車停留所からの出発時刻などの情報を、配車情報としてデマンド収集装置10に送信する(st6)。乗車停留所からの出発時刻は、デマンド収集装置10の位置に対応する停留所での出発時刻である。すなわち、デマンド収集装置10が停留所に配置されている場合は、この停留所における出発時刻である。また、デマンド収集装置10がスマートフォンなどで実現される場合、このスマートフォンの位置(ユーザ位置情報)から最も近い停留所における出発時刻である。
【0028】
運行管制サーバ20は、乗車停留所におけるユーザの乗車人数などの情報を、車両30に運行指示として送信する(st7)。なお、運行管制サーバ20は、車両30に運行指示を送信する処理を省略してもよい。
【0029】
運行管制サーバ20が配車情報をデマンド収集装置10に送信すると、デマンド収集装置10は、配車情報を受信し、表示部12に配車情報を表示する。これにより、ユーザは、配車情報を確認することが可能となる(st8)。すなわち、ユーザは、表示部12の表示画面に表示された便番号、出発時刻などを確認することが可能となる。
【0030】
この後、ユーザは、配車情報で指定された便番号の車両30に乗車し(st9)、車両30に乗って目的地(降車停留所)まで移動する(st10)。なお、車両30は、満席の場合、または車両30の乗車率が特定値よりも高い場合であって、降車するユーザがいない場合、停留所に停まらなくてもよい。車両30の乗車率は、車両30の座席定員と立席定員とを合わせた合計定員に対する乗車人数の割合である。運行管制サーバ20は、配車情報に基づいて、各車両30が停車する停留所を指定し、各車両30は、運行管制サーバ20から指定された停留所に停車する。
【0031】
図3は、実施の形態にかかる運行情報提供システムの構成を示すブロック図である。運行情報提供システム1のデマンド収集装置10は、ユーザ入力部11と、表示部12と、端末位置測定部13と、個人認証部14と、運行状況処理部15と、通信部16と、予約処理部17とを有している。
【0032】
ユーザ入力部11は、ユーザによって操作入力される情報を受け付ける。ユーザ入力部11がユーザから受け付ける情報は、運行状況の取得要求、降車停留所、乗車人数などである。
【0033】
表示部12は、通信部16が運行管制サーバ20から受信した運行状況、配車情報などを表示する。なお、表示部12は、デマンド収集装置10内に配置されてもよいし、デマンド収集装置10の外部に配置されてもよい。すなわち、表示部12は、デマンド収集装置10に含まれてもよいし、デマンド収集装置10とは別の装置であってもよい。
【0034】
端末位置測定部13は、デマンド収集装置10の位置をユーザ位置情報として測位する。なお、デマンド収集装置10が停留所に配置される場合、デマンド収集装置10は、端末位置測定部13を有していなくてもよい。この場合、デマンド収集装置10は、予めデマンド収集装置10の端末識別子(識別情報)を記憶しておいて、運行管制サーバ20に送信する。また、運行管制サーバ20が、デマンド収集装置10毎に、デマンド収集装置10のユーザ位置情報と、デマンド収集装置10の端末識別子との対応関係を記憶しておき、デマンド収集装置10から受信したデマンド収集装置10の端末識別子に基づいて、デマンド収集装置10のユーザ位置情報を特定してもよい。
【0035】
また、運行管制サーバ20が、特定の周期で運行状況をデマンド収集装置10に送信する場合、運行管制サーバ20は、デマンド収集装置10毎の位置情報を記憶しておき、デマンド収集装置10の位置に応じた運行状況をデマンド収集装置10に送信する。この場合、デマンド収集装置10は、デマンド収集装置10の端末識別子を記憶しておかなくてもよい。
【0036】
個人認証部14は、運行情報提供システム1を利用しようとしているユーザが登録されている本人であるか否かを識別する。個人認証部14は、デマンド収集装置10がユーザ端末の画面、紙などから読み込んだQR(Quick Response、キューアール)コード(登録商標)といった2次元コードなどに基づいて、ユーザ認証を実行する。また、個人認証部14は、デマンド収集装置10がIC(Integrated Circuit、集積回路)カードから読み出した情報などに基づいて、ユーザ認証を実行してもよい。また、個人認証部14は、デマンド収集装置10が読み込んだユーザの顔を顔認証することでユーザ認証を実行してもよい。なお、ユーザ認証は、デマンド収集装置10が読み込んだ情報に基づいて、クラウドサーバなどの外部装置で実行されてもよい。
【0037】
運行状況処理部15は、運行状況を取得する処理を制御する。運行状況処理部15は、ユーザ入力部11がユーザから運行状況の取得要求を受け付けると、運行状況の取得要求を通信部16に送信させる。これにより通信部16は、運行状況処理部15からの指示に従って、運行状況の取得要求を運行管制サーバ20に送信する。そして、通信部16は、運行管制サーバ20から運行状況を示す画像データを受信する。
【0038】
なお、運行状況処理部15は、ユーザからの要求とは関係なく、特定の周期で運行状況の取得制御を実行してもよい。この場合、運行状況処理部15は、特定の周期毎に通信部16から運行状況の取得要求を運行管制サーバ20に送信させる。このように、通信部16は、運行管制サーバ20との間で通信を実行することで、運行状況の取得要求を運行管制サーバ20に送信し、運行状況を示す画像データを運行管制サーバ20から受信する。運行状況処理部15は、通信部16が受信した運行状況を示す画像データを表示部12に出力する。
【0039】
予約処理部17は、ユーザがユーザ入力部11に入力する情報に基づいて、乗車の予約処理を制御する。予約処理部17は、ユーザ入力部11がユーザから乗車の予約情報を受け付けると、予約情報を通信部16に送信させる。これにより通信部16は、予約処理部17からの指示に従って、予約情報を運行管制サーバ20に送信する。そして、通信部16は、運行管制サーバ20から予約情報に対応する配車情報を受信する。このように、通信部16は、運行管制サーバ20との間で通信を実行することで、乗車予約を運行管制サーバ20に送信し、配車情報を運行管制サーバ20から受信する。予約処理部17は、通信部16が受信した配車情報を表示部12に出力する。
【0040】
表示部12は、運行状況処理部15から画像データを受け付けると、画像データを表示する。このとき、表示部12は、画像データを運行状況表示画面として表示する。運行状況表示画面では、デマンド収集装置10が配置されている乗車停留所に停まる車両30の巡回ルートを含んだ地図情報と、この巡回ルートに含まれる他の停留所と、乗車停留所における時刻表とが表示される。乗車停留所における時刻表は、例えば、現在時刻よりも後で現在時刻から近い順の上位N(Nは自然数)個の出発時刻である。
【0041】
また、運行状況表示画面には、ユーザ位置情報(ユーザの現在位置)、出発時刻に対応する車両30の混雑度割合が表示されてもよい。車両30の混雑度割合は、車両30の座席数に対する乗車人数であってもよいし、車両30の乗車率であってもよい。車両30の混雑度割合は、後述する画像データ生成部233によって算出される。
【0042】
また、表示部12は、予約処理部17から配車情報を受け付けると、配車情報を表示する。このとき、表示部12は、配車情報を配車情報確認画面として表示する。配車情報確認画面では、車両30の便番号と、出発時刻と、ユーザの乗車人数と、乗車運賃と、出発地点である乗車停留所の名称と、ユーザが降車予定の停留所である降車停留所(到着停留所)の名称とが表示される。
【0043】
運行管制サーバ20は、表示部21と、予約配車管理部22と、運行状況管理部23と、通信部24とを有している。通信部24は、各デマンド収集装置10と通信し、各車両30と通信する。通信部24が第1の通信部であり、通信部16が第2の通信部である。
【0044】
運行状況管理部23は、1台または複数台の車両30の運行を管理する。運行状況管理部23は、車両位置情報取得部231と、地図情報取得部232と、画像データ生成部233とを具備している。
【0045】
車両位置情報取得部231は、複数の停留所を巡回する車両30の位置情報である車両位置情報を取得する処理を制御する。車両位置情報取得部231は、通信部24がデマンド収集装置10から運行状況の取得要求を受信すると、通信部24に、車両位置情報の取得要求を送信させる。これにより、通信部24は、車両位置情報取得部231からの指示に従って、車両位置情報の取得要求を各車両30に送信する。そして、通信部24は、各車両30から車両位置情報を受信する。
【0046】
なお、車両位置情報取得部231は、デマンド収集装置10からの運行状況の取得要求とは関係なく、特定の周期で車両位置情報の取得制御を実行してもよい。この場合、車両位置情報取得部231は、特定の周期毎に通信部24から車両位置情報の取得要求を各車両30に送信する。
【0047】
地図情報取得部232は、乗車停留所および降車停留所を含む巡回ルートが記載された地図情報を取得する。すなわち、地図情報取得部232は、車両30の巡回範囲を含む地図情報を取得する。なお、地図情報は、予め運行管制サーバ20内に格納しておいてもよいし、外部装置から取得してもよい。
【0048】
画像データ生成部233は、地図情報と、車両位置情報と、デマンド収集装置10の端末識別子に対応するユーザ位置情報とに基づいて、画像データを生成する。
【0049】
表示部21は、運行状況、利用客の予約状況などを表示する。これにより、運行管制サーバ20のユーザ(例えば、管制員)は、運行状況、利用客の予約状況などを確認することが可能となる。
【0050】
予約配車管理部22は、デマンド収集装置10から車両30の乗車予約を受け付けた際に、ユーザに車両30を割り振る。すなわち、予約配車管理部22は、通信部24がデマンド収集装置10から乗車予約を受信すると、乗車予約に基づいてユーザに車両30を配車する。予約配車管理部22は、ユーザに配車した車両30の配車情報を、通信部24からデマンド収集装置10に送信する。
【0051】
車両30は、車両位置測定部31と、通信部32と、車両位置情報提供部33とを有している。車両位置測定部31は、車両30の位置を測位する。車両位置情報提供部33は、車両位置情報の運行管制サーバ20への提供を制御する。車両位置情報提供部33は、通信部32が運行管制サーバ20から車両位置情報の取得要求を受信すると、車両位置測定部31に車両30の位置を取得させ、通信部32に、車両位置情報を送信させる。
【0052】
通信部32は、運行管制サーバ20との間で通信を実行する。通信部32は、運行管制サーバ20から車両位置情報の取得要求を受信する。また、通信部32は、車両位置情報提供部33からの指示に従って、車両位置測定部31が測定した車両30の位置を車両位置情報として運行管制サーバ20に送信する。
【0053】
つぎに、運行情報提供システム1で実行される処理の処理手順について説明する。
図4は、実施の形態にかかるデマンド収集装置が運行状況を表示する際に運行情報提供システムで実行される処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0054】
運行情報提供システム1では、運行管制サーバ20によってデマンド収集装置10の端末認証が行われる(ステップS10)。具体的には、デマンド収集装置10と運行管制サーバ20との間で通信が行われ、運行管制サーバ20が、デマンド収集装置10は登録されている端末であるか否かを判別するプロセス認証を実行する。この場合において、デマンド収集装置10および運行管制サーバ20は、予めデマンド収集装置10を識別する端末識別子を記憶しておく。デマンド収集装置10は、運行管制サーバ20に端末認証を実行してもらう際に端末識別子を運行管制サーバ20に送信する。これにより、運行管制サーバ20は、デマンド収集装置10が運行管制サーバ20に予め登録されている端末であるか否かを判別する。
【0055】
運行管制サーバ20は、端末認証に成功すると、認証に成功したデマンド収集装置10の位置に対応する画像データ(運行状況)を生成し、認証に成功したデマンド収集装置10に送信する。この画像データには、固定情報である地図情報と、可変情報である車両情報とが含まれている。車両情報には、次車両の車両位置情報、次車両を含む今後の直近の車両30の出発時刻、各車両30の予約状況などの情報が含まれている。
【0056】
デマンド収集装置10は、運行管制サーバ20から画像データを取得する(ステップS20)。具体的には、通信部16が、運行管制サーバ20から画像データを受信する。
【0057】
運行状況処理部15は、画像データを取得できたか否かを判定する(ステップS30)。画像データを取得できた場合(ステップS30、Yes)、運行状況処理部15は、地図情報および車両情報を含む画像データを表示部12に出力する。これにより、表示部12は、運行状況を示す画像データを、運行状況表示画面として表示する(ステップS40)。
【0058】
一方、画像データを取得できなかった場合(ステップS30、No)、運行状況処理部15は、エラーを示すメッセージを表示部12に出力する。これにより、表示部12は、エラーを示すメッセージを表示する。
【0059】
図5は、実施の形態にかかるデマンド収集装置が乗車予約を実行する際に運行情報提供システムで実行される処理の処理手順を示すフローチャートである。デマンド収集装置10の個人認証部14は、ユーザ入力部11がユーザから予約の開始を要求する指示を受け付けると、ユーザ認証を実行する(ステップS110)。
【0060】
個人認証部14がユーザ認証に成功すると、ユーザ入力部11は、ユーザから予約情報を受け付ける(ステップS120)。これにより、予約処理部17は、通信部16から運行管制サーバ20に予約情報を送信する(ステップS130)。
【0061】
運行管制サーバ20は、予約情報に対応する配車情報を生成し、デマンド収集装置10に送信する。デマンド収集装置10は、運行管制サーバ20から配車情報を取得する(ステップS140)。すなわち、通信部16は、運行管制サーバ20から配車情報を受信する。デマンド収集装置10が配車情報を受信すると、予約処理部17は、配車情報を表示部12に出力する。これにより、表示部12は、配車情報を配車情報確認画面として表示する(ステップS150)。
【0062】
つぎに、デマンド収集装置10が表示する画面の画面遷移の例について説明する。
図6は、実施の形態にかかるデマンド収集装置が表示する画面の画面遷移の第1例を示す図である。
【0063】
デマンド収集装置10は、運行管制サーバ20から画像データを受信すると、画像データに対応する画面として、乗車予約を開始するための画面V1を表示部12に表示する。画面V1が、運行状況表示画面である。
【0064】
画面V1では、走行ルート、走行ルート周辺の地図、停留所、ユーザの現在地、この後の車両30の出発時刻、車両30の出発時刻に対応する便番号、車両30の出発時刻に対応する予約状況(混雑度割合)などが表示される。
【0065】
画面V1が、ユーザによってタッチされると、デマンド収集装置10の予約処理部17は、乗車予約の処理を開始し、画面V2を表示部12に表示させる。画面V2では、新規の乗車予約を選択するためのボタンと、予約内容の確認またはキャンセルを選択するためのボタンとが表示される。
【0066】
画面V2で新規の乗車予約を選択するためのボタンがユーザによって押下されると、予約処理部17は、予約方法を選択するための画面V3を表示部12に表示させる。画面V3では、例えば、2次元コードを選択するためのボタンと、ICカードを選択するためのボタンと、顔認証を選択するためのボタンとが表示される。
【0067】
画面V3で何れかのボタンがユーザによって押下されると、個人認証部14は、ユーザ認証を実行する。この処理は、前述のステップS110の処理に対応している。
【0068】
予約処理部17は、ユーザ認証に成功すると、乗車人数を入力するための画面V4を表示部12に表示させる。画面V4では、乗車する大人の人数を入力する入力欄と、乗車する子ども(小学生)の人数を入力する入力欄と、ペットと乗車することを希望するためのボタンと、次の画面に遷移させるためのボタンとが表示される。なお、画面V4では、ベビーカーを持ち込むことを希望するためのボタンが表示されてもよい。
【0069】
乗車する大人の人数を入力する入力欄、および乗車する子どもの人数を入力する入力欄の少なくとも一方が入力された後に、次の画面に遷移させるためのボタンがユーザによって押下されると、予約処理部17は、行先エリアを選択するための画面V5を表示部12に表示させる。画面V5では、行先の候補となる停留所を選択するためのボタンが表示される。行先の候補となる停留所は、巡回ルートに含まれる停留所である。
【0070】
行先の候補となる停留所が選択された後に、次の画面に遷移させるためのボタンがユーザによって押下されると、通信部16は、画面V4,V5で入力された情報を運行管制サーバ20に送信する。すなわち、通信部16は、画面V4で入力された情報として、乗車する大人の人数および乗車する子どもの人数を運行管制サーバ20に送信する。また、ペットと乗車することを希望するためのボタンが押下された場合には、通信部16は、画面V4で入力された情報として、ペットと乗車することを示す情報(第1の情報)を運行管制サーバ20に送信する。また、ベビーカーを持ち込むことを希望するためのボタンが押下された場合には、通信部16は、画面V4で入力された情報として、ベビーカーを持ち込むことを示す情報(第2の情報)を運行管制サーバ20に送信する。また、デマンド収集装置10は、画面V5で入力された情報として、選択された停留所の情報を運行管制サーバ20に送信する。
【0071】
デマンド収集装置10は、運行管制サーバ20から配車情報を受信すると、予約処理部17が配車情報を確認するための画面V6を表示部12に表示させる。画面V6では、運行管制サーバ20から取得した配車情報が表示される。画面V6は、前述の配車情報確認画面である。
【0072】
なお、デマンド収集装置10は、画面V4において情報が入力された後に、次の画面に遷移させるためのボタンがユーザによって押下された際に、画面V4で入力された情報を運行管制サーバ20に送信してもよい。この場合、画面V5において停留所が選択された後に、次の画面に遷移させるためのボタンがユーザによって押下されると、デマンド収集装置10は、画面V5で入力された情報を運行管制サーバ20に送信する。
【0073】
画面V6では、運行管制サーバ20に割り当てられた車両30の便番号と、この車両の出発時刻と、ユーザによって指定された乗車人数と、乗車運賃と、乗車停留所の停留所名と、降車停留所の停留所名とが表示される。また、画面V6では、乗車予約を完了するためのボタンと、乗車予約を取り消すためのボタンとが表示される。
【0074】
乗車予約を完了するためのボタンがユーザによって押下されると、運行情報提供システム1は、乗車予約処理を終了する。乗車予約を取り消すためのボタンがユーザによって押下されると、運行情報提供システム1は、乗車予約処理をキャンセルする。
【0075】
なお、デマンド収集装置10は、画面V1において、予約できない車両30の出発時刻を表示しなくてもよい。この場合、デマンド収集装置10は、画面V1において、予約できる車両30の今後の出発時刻のみを表示する。
【0076】
また、デマンド収集装置10は、画面V1において、複数の走行ルートを表示する場合、各走行ルートを、走行ルート毎に体系的に色分けして表示してもよい。例えば、画面V1に記載の走行ルートは赤色で表示され、「動物園入口」を除いた「PA下り店舗前」と「PA上り駐車場」のみからなる走行ルートが存在する場合は青色で表示される。また、デマンド収集装置10は、画面V1において、車両30を車両30の種類毎にアイコンを変えて表示してもよい。デマンド収集装置10は、例えば、車両30のアイコンを、カート型と、バス型と、PMV(Personal Mobility Vehicle、パーソナルモビリティビークル)型とで区別して表示する。
【0077】
デマンド収集装置10が表示する画面V1は、運行管制サーバ20から送信されてくる画像データに対応している。したがって、画面V1として表示される情報、および表示されない情報は、運行管制サーバ20で決定される。例えば、走行ルートの色、車両30のアイコンなどは、運行管制サーバ20で決定される。
【0078】
図7は、実施の形態にかかるデマンド収集装置が表示する画面の画面遷移の第2例を示す図である。画面遷移の第2例では、ユーザに出発時刻を選択させる。具体的には、デマンド収集装置10は、乗車予約を開始するための画面V1Xを表示部12に表示する。この画面V1Xでは、車両30の出発時刻を選択するためのボタンが複数表示されている。
【0079】
この画面V1Xにおいて、出発時刻を選択するためのボタンがユーザによって押下されると、予約処理部17は、乗車予約の処理を開始し、画面V2を表示部12に表示させる。以下、デマンド収集装置10は、画面遷移の第1例と同様の画面遷移を実行する。画面遷移の第2例では、画面V6において表示される出発時刻が、画面V1Xでユーザに選択された出発時刻である。
【0080】
なお、デマンド収集装置10は、車両30への相乗りを確認するための画面を表示させてもよい。相乗りを確認するための画面は、画面V6を表示する前であれば、何れのタイミングで表示されてもよい。
【0081】
図8は、実施の形態にかかるデマンド収集装置が表示する相乗り確認の画面の例を示す図である。相乗り確認の画面V7は、車両30への相乗りを確認するための画面である。画面V7では、他グループと相乗りすることを許可するためのボタンと、他グループと相乗りすることを許可しないためのボタンと、次の画面に遷移させるためのボタンとが表示される。
【0082】
画面V7において、相乗りすることを許可するためのボタンまたは許可しないためのボタンがユーザによって押下された後、次の画面に遷移させるためのボタンがユーザによって押下されると、予約処理部17は、次の画面に遷移させる。この場合の次の画面は、画面V3~V6の何れかである。この場合も画面V6は、デマンド収集装置10が運行管制サーバ20から配車情報を受信した後に表示される。
【0083】
デマンド収集装置10は、ユーザに選択された相乗りの可否の情報を運行管制サーバ20に送信する。すなわち、デマンド収集装置10は、相乗りすることを許可するためのボタンが押下された場合は、相乗りすることを示す情報を運行管制サーバ20に送信し、相乗りすることを許可しないためのボタンが押下された場合は、相乗りしないことを示す情報を運行管制サーバ20に送信する。運行管制サーバ20は、相乗りの可否の情報に基づいて、ユーザに車両30を配車する。
【0084】
このように、乗客であるユーザは、デマンド収集装置10を用いて次車両の車両位置情報および地図情報を確認することで、乗車予定の次車両が計画通り配車および運行されているか否かを速やかにリアルタイムに確認することができるので、サービスの利便性が向上する。また、ユーザは、遅延または渋滞などで、配車計画に変更が生じた際には、次車両の車両位置情報を確認することで、配車計画の変更内容を視認できるので、安心感を得ることができる。
【0085】
また、ユーザは、車両30の予約時に車両30の出発時刻に加えてユーザの現在地であるユーザ位置情報、車両30の混雑度割合などを1つの画面上で確認できるので、サービスの利便性が向上する。
【0086】
ここで、運行情報提供システム1のハードウェア構成について説明する。
図9は、実施の形態にかかる運行情報提供システムを実現するハードウェア構成例を示す図である。デマンド収集装置10は、記録部51、メモリ部52、プロセッサである処理部53、表示部54、通信部55、および測位部56により実現することができる。
【0087】
運行管制サーバ20は、記録部61、メモリ部62、プロセッサである処理部63、表示部64、および通信部65により実現することができる。車両30は、記録部71、メモリ部72、プロセッサである処理部73、通信部75、および測位部76により実現することができる。
【0088】
処理部53は、メモリ部52で記憶されているプログラムを読み込み、プログラムの命令に従って処理を実行する。また、処理部63は、メモリ部62で記憶されているプログラムを読み込み、プログラムの命令に従って処理を実行する。また、処理部73は、メモリ部72で記憶されているプログラムを読み込み、プログラムの命令に従って処理を実行する。
【0089】
処理部53,63,73の例は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)またはシステムLSI(Large Scale Integration)である。
【0090】
メモリ部52,62,72の例は、RAM(Random Access Memory)といったプログラムを動作させる際にプログラムを一時展開する装置である。すなわち、メモリ部52,62,72は、それぞれ処理部53,63,73が各種処理を実行する際の一時メモリに使用される。
【0091】
記録部51,61,71の例は、HDD(Hard Disk Drive、ハードディスクドライブ)、SSD(Solid State Drive、ソリッドステートドライブ)、ROM(Read Only Memory)といったプログラム、データなどを記録する装置である。
【0092】
表示部54,64の例は、ディスプレイといった文字、図形、画像、映像を表示する装置である。通信部55,65,75は、通信インタフェースを含んで構成されている。通信部55,75は、運行管制サーバ20と通信する装置であり、通信部65は、デマンド収集装置10および車両30と通信する装置である。なお、通信部55,65,75による通信手段は有線であっても無線であってもよく、通信方式は問わない。
【0093】
デマンド収集装置10は、処理部53が、記録部51で記憶されているデマンド収集装置10の動作を実行するための、コンピュータで実行可能な、デマンド収集プログラムを読み出して実行することにより実現される。デマンド収集装置10の動作を実行するためのプログラムであるデマンド収集プログラムは、デマンド収集装置10の手順または方法をコンピュータに実行させるプログラムであるともいえる。
【0094】
運行管制サーバ20は、処理部63が、記録部61で記憶されている運行管制サーバ20の動作を実行するための、コンピュータで実行可能な、運行管制プログラムを読み出して実行することにより実現される。運行管制サーバ20の動作を実行するためのプログラムである運行管制プログラムは、運行管制サーバ20の手順または方法をコンピュータに実行させるプログラムであるともいえる。
【0095】
車両30は、処理部73が、記録部71で記憶されている車両30の動作を実行するための、コンピュータで実行可能な、処理プログラムを読み出して実行することにより実現される。車両30の動作を実行するためのプログラムである処理プログラムは、車両30の手順または方法をコンピュータに実行させるプログラムであるともいえる。
【0096】
処理部53が実行するデマンド収集プログラムは、個人認証部14、運行状況処理部15、および予約処理部17を含むモジュール構成となっており、これらの構成要素が主記憶装置上にロードされ主記憶装置上に生成される。
【0097】
処理部63が実行する運行管制プログラムは、予約配車管理部22、および運行状況管理部23を含むモジュール構成となっており、これらの構成要素が主記憶装置上にロードされ主記憶装置上に生成される。
【0098】
処理部73が実行する処理プログラムは、車両位置情報提供部33を含むモジュール構成となっており、この構成要素が主記憶装置上にロードされ主記憶装置上に生成される。
【0099】
記録部51は、デマンド収集プログラム、端末識別子などを記憶する。記録部61は、運行管制プログラム、端末識別子とデマンド収集装置10の位置との対応関係などを記憶する。記録部71は、車両30の識別子情報などを記憶する。
【0100】
デマンド収集プログラム、運行管制プログラム、および処理プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルで、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶されてコンピュータプログラムプロダクトとして提供されてもよい。また、デマンド収集プログラム、運行管制プログラム、および処理プログラムは、インターネットなどのネットワーク経由で運行情報提供システム1に提供されてもよい。なお、デマンド収集装置10、運行管制サーバ20、および車両30の機能について、一部を専用回路などの専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。また、デマンド収集装置10、運行管制サーバ20、および車両30が備える機能の一部のハードウェア構成を、
図9に示したハードウェア構成としてもよい。
【0101】
このように実施の形態では、運行管制サーバ20が、ユーザ位置情報、車両位置情報、および地図情報に基づいて、次車両の車両位置情報を、次車両よりも後に到着する車両の車両位置情報とは異なる表示態様で地図情報に重畳表示する画像の画像データを生成している。そして、デマンド収集装置10が、画像データを運行状況表示画面として表示する。これにより、ユーザが乗車する予定の車両30の運行状況をユーザがリアルタイムに確認することが可能となる。
【0102】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【0103】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0104】
(付記1)
複数の停留所を巡回する車両の運行状況をユーザに提供するデマンド収集装置と、
前記車両の位置情報である車両位置情報と、前記デマンド収集装置の位置情報であるユーザ位置情報とに基づいて、複数の前記停留所のうち前記ユーザが乗車予定の停留所に次に到着する車両である次車両の運行状況を前記デマンド収集装置に送信する運行管制サーバと、
を備え、
前記運行管制サーバは、
前記車両から前記車両位置情報を取得する車両位置情報取得部と、
前記車両の巡回範囲を含む地図情報を取得する地図情報取得部と、
前記ユーザ位置情報、前記車両位置情報、および前記地図情報に基づいて、前記次車両の車両位置情報を、前記次車両よりも後に到着する車両の車両位置情報とは異なる表示態様で前記地図情報に重畳表示する画像の画像データを生成する画像データ生成部と、
前記次車両の運行状況として前記画像データを前記デマンド収集装置に送信する第1の通信部と、
を有し、
前記デマンド収集装置は、
前記画像データを前記運行管制サーバから受信する第2の通信部と、
受信した前記画像データに対応する画面を表示部に表示させる処理部と、
を有する、
ことを特徴とする運行情報提供システム。
(付記2)
前記画像データ生成部は、前記次車両の混雑度割合を算出し、
前記第1の通信部は、前記画像データとともに前記混雑度割合を前記デマンド収集装置に送信し、
前記処理部は、前記混雑度割合を含んだ前記画面を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする付記1に記載の運行情報提供システム。
(付記3)
前記第2の通信部は、前記ユーザ位置情報を前記運行管制サーバに送信し、
前記画像データ生成部は、前記ユーザ位置情報を前記画像データに含めて前記画像データを生成し、
前記処理部は、前記ユーザ位置情報を含んだ前記画面を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする付記1または2に記載の運行情報提供システム。
(付記4)
前記デマンド収集装置は、前記ユーザの位置を測位して前記ユーザ位置情報を生成する端末位置測定部をさらに有する、
ことを特徴とする付記3に記載の運行情報提供システム。
(付記5)
前記デマンド収集装置は、前記表示部をさらに備える、
ことを特徴とする付記1から4の何れか1つに記載の運行情報提供システム。
(付記6)
前記画像データ生成部は、前記車両が、前記ユーザ位置情報に対応する停留所から出発する時刻である出発時刻の情報を含んだ前記画像データを生成し、
前記処理部は、前記出発時刻の情報を含んだ前記画面を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする付記1から5の何れか1つに記載の運行情報提供システム。
(付記7)
前記画像データ生成部は、前記車両の走行ルート毎に前記走行ルートを色分けして表示する画像の前記画像データを生成し、
前記処理部は、前記車両の走行ルート毎に前記走行ルートを色分けして前記画面を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする付記1から6の何れか1つに記載の運行情報提供システム。
(付記8)
前記画像データ生成部は、前記車両の種類によって前記車両を示すアイコンを変えた画像の前記画像データを生成し、
前記処理部は、前記車両の種類によって前記車両を示すアイコンを変えた前記画面を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする付記1から7の何れか1つに記載の運行情報提供システム。
(付記9)
前記デマンド収集装置は、前記画像データに対応する画面に対して前記車両の行先および乗車人数を含んだ乗車予約を前記ユーザから受け付けるユーザ入力部と、
前記乗車予約に対応する乗車の予約処理を制御する予約処理部と、
をさらに有し、
前記第2の通信部は、前記ユーザ入力部が前記乗車予約を前記ユーザから受け付けると、前記予約処理部からの指示に従って、前記乗車予約を前記運行管制サーバに送信し、
前記運行管制サーバは、前記乗車予約、前記ユーザ位置情報、前記車両位置情報、および前記地図情報に基づいて、前記乗車予約に対応する配車の情報である配車情報を生成し、前記デマンド収集装置に前記配車情報を送信し、
前記デマンド収集装置は、前記配車情報を受信して前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする付記1から8の何れか1つに記載の運行情報提供システム。
(付記10)
前記乗車予約には、前記車両への相乗りの可否を示す情報が含まれており、
前記運行管制サーバは、前記相乗りの可否を示す情報に基づいて、前記配車情報を生成する、
ことを特徴とする付記9に記載の運行情報提供システム。
(付記11)
前記乗車予約には、前記車両にペットと乗車することを示す第1の情報、または前記車両にベビーカーを持ち込むことを示す第2の情報が含まれており、
前記運行管制サーバは、前記第1の情報を含む前記乗車予約を受信すると前記第1の情報に基づいて前記配車情報を生成し、前記第2の情報を含む前記乗車予約を受信すると前記第2の情報に基づいて前記配車情報を生成する、
ことを特徴とする付記9または10に記載の運行情報提供システム。
(付記12)
前記乗車予約には、前記車両が、前記ユーザ位置情報に対応する停留所から出発する時刻である出発時刻を指定した情報が含まれており、
前記運行管制サーバは、前記出発時刻を指定した情報に基づいて前記配車情報を生成する、
ことを特徴とする付記9から11の何れか1つに記載の運行情報提供システム。
(付記13)
複数の停留所を巡回する車両の位置情報である車両位置情報を前記車両から取得する車両位置情報取得部と、
前記車両の巡回範囲を含む地図情報を取得する地図情報取得部と、
前記車両の運行状況をユーザに提供するデマンド収集装置の位置情報であるユーザ位置情報、前記車両位置情報、および前記地図情報に基づいて、複数の前記停留所のうち前記ユーザが乗車予定の停留所に次に到着する車両である次車両の車両位置情報を、前記次車両よりも後に到着する車両の車両位置情報とは異なる表示態様で前記地図情報に重畳表示する画像の画像データを生成する画像データ生成部と、
前記次車両の運行状況として前記画像データを前記デマンド収集装置に送信する通信部と、
を有する、
ことを特徴とする運行管制サーバ。
(付記14)
複数の停留所を巡回する車両の運行状況を示す画像の画像データを、前記車両の運行を管制する運行管制サーバから受信する通信部と、
受信した前記画像データに対応する画面を表示部に表示させる処理部と、
を有し、
前記画像データは、複数の前記停留所のうちユーザが乗車予定の停留所に次に到着する車両である次車両の車両位置情報を、前記次車両よりも後に到着する車両の車両位置情報とは異なる表示態様で前記車両の巡回範囲を含む地図情報に重畳表示する画像のデータである、
ことを特徴とするデマンド収集装置。
(付記15)
複数の停留所を巡回する車両の運行を管制する運行管制サーバが、前記車両の位置情報である車両位置情報を前記車両から取得する車両位置情報取得ステップと、
前記運行管制サーバが、前記車両の巡回範囲を含む地図情報を取得する地図情報取得ステップと、
前記運行管制サーバが、前記車両の運行状況をユーザに提供するデマンド収集装置の位置情報であるユーザ位置情報、前記車両位置情報、および前記地図情報に基づいて、複数の前記停留所のうち前記ユーザが乗車予定の停留所に次に到着する車両である次車両の車両位置情報を、前記次車両よりも後に到着する車両の車両位置情報とは異なる表示態様で前記地図情報に重畳表示する画像の画像データを生成する画像データ生成ステップと、
前記運行管制サーバが、前記次車両の運行状況として前記画像データを前記デマンド収集装置に送信する通信ステップと、
を含む、
ことを特徴とする運行情報提供方法。
(付記16)
複数の停留所を巡回する車両の位置情報である車両位置情報を前記車両から取得する車両位置情報取得ステップと、
前記車両の巡回範囲を含む地図情報を取得する地図情報取得ステップと、
前記車両の運行状況をユーザに提供するデマンド収集装置の位置情報であるユーザ位置情報、前記車両位置情報、および前記地図情報に基づいて、複数の前記停留所のうち前記ユーザが乗車予定の停留所に次に到着する車両である次車両の車両位置情報を、前記次車両よりも後に到着する車両の車両位置情報とは異なる表示態様で前記地図情報に重畳表示する画像の画像データを生成する画像データ生成ステップと、
前記次車両の運行状況として前記画像データを前記デマンド収集装置に送信する通信ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする運行管制プログラム。
【符号の説明】
【0105】
1 運行情報提供システム、10 デマンド収集装置、11 ユーザ入力部、12,21,54,64 表示部、13 端末位置測定部、14 個人認証部、15 運行状況処理部、16,24,32,55,65,75 通信部、17 予約処理部、20 運行管制サーバ、22 予約配車管理部、23 運行状況管理部、30 車両、31 車両位置測定部、33 車両位置情報提供部、51,61,71 記録部、52,62,72 メモリ部、53,63,73 処理部、56,76 測位部、231 車両位置情報取得部、232 地図情報取得部、233 画像データ生成部、PA,PB 地点、V1,V1X,V2~V7 画面。