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特許7686141部品診断装置、部品診断システム、空気調和機の部品診断方法、部品在庫管理システム、および部品在庫管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-22
(45)【発行日】2025-05-30
(54)【発明の名称】部品診断装置、部品診断システム、空気調和機の部品診断方法、部品在庫管理システム、および部品在庫管理方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/38 20180101AFI20250523BHJP
   F24F 11/56 20180101ALI20250523BHJP
   F24F 11/63 20180101ALI20250523BHJP
【FI】
F24F11/38 ZAB
F24F11/56
F24F11/63
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2024505695
(86)(22)【出願日】2022-03-08
(86)【国際出願番号】 JP2022009973
(87)【国際公開番号】W WO2023170780
(87)【国際公開日】2023-09-14
【審査請求日】2024-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】福田 一紀
(72)【発明者】
【氏名】清水 紀行
(72)【発明者】
【氏名】高木 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】冨田 雅史
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-226694(JP,A)
【文献】特開2001-141290(JP,A)
【文献】国際公開第2014/064792(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/186174(WO,A1)
【文献】特開2010-25475(JP,A)
【文献】国際公開第2018/092258(WO,A1)
【文献】特開2021-14967(JP,A)
【文献】国際公開第2019/202629(WO,A1)
【文献】特開2019-158254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機に搭載された通信装置から、前記空気調和機の運転に関連するデータであって前記空気調和機に含まれる部品が動作する条件を含む部品関連情報を含む運転データ、および前記部品が動作したことに応じて積算された積算値を示す部品動作データを収集する収集部と、
前記収集部により収集された前記部品関連情報と前記部品動作データとを対応付けて蓄積する蓄積部と、
前記蓄積部に蓄積された前記部品関連情報に基づく前記条件ごとに前記部品の積算値を更新し、更新された前記条件ごとの前記部品の積算値に基づいて前記部品の寿命を診断する診断部と、
を備える部品診断装置。
【請求項2】
前記部品関連情報は、前記空気調和機に含まれる圧縮機の回転数、前記空気調和機に含まれる送風機の回転数のうちの少なくとも一つを含み、
前記診断部は、前記空気調和機に含まれる圧縮機の回転数ごと、または前記空気調和機に含まれる送風機の回転数ごとに、前記積算値を更新し、更新された積算値に基づいて前記部品の寿命を診断する、請求項1に記載の部品診断装置。
【請求項3】
前記部品関連情報は、前記空気調和機の運転モードを示す情報を含み、
前記診断部は、前記運転モードごとに前記積算値を更新し、更新された前記運転モードごとの積算値に基づいて前記部品の寿命を診断する、請求項1に記載の部品診断装置。
【請求項4】
前記部品関連情報は、前記空気調和機における室外機周辺の温度情報を含み、
前記診断部は、
前記室外機周辺の温度範囲ごとに前記部品の積算値を更新し、更新された前記室外機周辺の温度範囲ごとの積算値に基づいて前記部品の寿命を診断する、
請求項1に記載の部品診断装置。
【請求項5】
前記部品関連情報は、前記空気調和機における室外機と室内機との間で循環される冷媒の配管長を示す情報を含み、
前記蓄積部は、前記収集部により収集された前記冷媒の配管長に、前記部品動作データを対応付け、
前記診断部は、前記収集部により収集された前記冷媒の配管長に対応した前記積算値を更新し、更新された前記積算値に基づいて前記部品の寿命を診断する、
請求項1に記載の部品診断装置。
【請求項6】
前記部品関連情報は、前記空気調和機の種類に対応した機種情報、前記空気調和機を一意に特定する製造番号情報、および前記部品を一意に特定する製造番号情報のうちの少なくとも一つを含み、
前記蓄積部は、前記収集部により収集された前記機種情報、前記空気調和機の製造番号情報、および前記部品の製造番号情報のうちの少なくとも一つに、前記部品動作データを対応付け、
前記診断部は、前記収集部により収集された前記機種情報、前記空気調和機の製造番号情報、および前記部品の製造番号情報のうちの少なくとも一つに対応した前記積算値を更新し、更新された前記積算値に基づいて前記部品の寿命を診断する、
請求項1に記載の部品診断装置。
【請求項7】
前記部品関連情報は、前記空気調和機が設置された物件の種類を示す情報を含み、
前記蓄積部は、前記収集部により収集された前記物件の種類を示す情報に、前記部品動作データを対応付け、
前記診断部は、前記物件の種類を示す情報に対応した前記積算値を更新し、更新された前記積算値に基づいて前記部品の寿命を診断する、
請求項1に記載の部品診断装置。
【請求項8】
前記収集部は、複数の空気調和機にそれぞれ搭載された通信装置のそれぞれから、前記運転データ、および前記部品動作データを収集し、
前記蓄積部は、前記複数の空気調和機から収集した前記運転データおよび前記部品動作データに基づいて、前記条件ごとに前記部品を診断するための基準値を設定し、
前記診断部は、前記条件ごとの積算値と前記条件ごとの基準値との比較に基づいて前記部品の寿命を診断する、請求項に記載の部品診断装置。
【請求項9】
前記診断部は、前記蓄積部に蓄積された前記部品関連情報に基づく前記条件ごとに、前記部品の負荷に対応して重み係数を設定し、
前記部品の積算値に対応した前記条件の重み係数を乗算し、乗算した前記部品の積算値を更新し、更新された前記条件ごとの前記部品の積算値に基づいて前記部品の寿命を診断する、
請求項に記載の部品診断装置。
【請求項10】
室外機と、室内機と、前記室外機および前記室内機の運転に関連するデータであって前記室外機および前記室内機に含まれる部品が動作する条件を含む部品関連情報を含む運転データ、および、前記室外機および前記室内機に含まれる部品が動作したことに応じて積算された積算値を示す部品動作データを記憶する記憶部と、を備える空気調和機と、
前記記憶部に記憶された前記運転データおよび部品動作データを送信する通信装置と、
前記通信装置から、前記運転データ、および前記部品動作データを収集する収集部と、前記収集部により収集された前記部品関連情報と前記部品動作データとを対応付けて蓄積する蓄積部と、前記蓄積部に蓄積された前記部品関連情報に基づく前記条件ごとに前記部品の積算値を更新し、更新された前記条件ごとの前記部品の積算値に基づいて前記部品の寿命を診断する診断部と、を備える部品診断装置と、
を備える、部品診断システム。
【請求項11】
空気調和機の運転に関連するデータであって前記空気調和機に含まれる部品が動作する条件を含む部品関連情報を含む運転データ、および、前記空気調和機に含まれる部品が動作したことに応じて積算された積算値を示す部品動作データを前記空気調和機に記憶するステップと、
前記空気調和機に記憶された前記運転データおよび部品動作データを、通信装置を介して収集するステップと、
収集した前記部品関連情報と前記部品動作データとを対応付けて蓄積するステップと、
蓄積された前記部品関連情報に基づく前記条件ごとに前記部品の積算値を更新し、更新された前記条件ごとの前記部品の積算値に基づいて前記部品の寿命を診断するステップと、
を有する、空気調和機の部品診断方法。
【請求項12】
空気調和機の通信装置から、空気調和機の運転に関連するデータであって前記空気調和機に含まれる部品が動作する条件を含む部品関連情報を含む運転データ、および前記空気調和機に含まれる部品が動作したことに応じて積算された積算値を示す部品動作データを収集する収集部と、前記収集部により収集された前記部品関連情報と前記部品動作データとを対応付けて蓄積する蓄積部と、前記蓄積部に蓄積された前記部品関連情報に基づく前記条件ごとに前記部品の積算値を更新し、更新された前記条件ごとの前記部品の積算値に基づいて前記部品の寿命を診断する診断部と、を備え、前記診断部による診断結果に基づく情報を送信する部品診断装置と、
前記条件ごとに、前記部品の在庫数を示す部品在庫情報および将来において調達する必要があることを予測する部品数量を示す調達予測数情報を含む在庫データベースを備え、前記部品診断装置から前記診断結果に基づく情報を収集し、前記診断結果に基づいて、前記調達予測数情報を更新し、更新した前記調達予測数情報に基づいてアラート情報を送信する部品在庫管理装置と、
を備える、部品在庫管理システム。
【請求項13】
空気調和機の通信装置から、空気調和機の運転に関連するデータであって前記空気調和機に含まれる部品が動作する条件を含む部品関連情報を含む運転データ、および前記空気調和機に含まれる部品が動作したことに応じて積算された積算値を示す部品動作データを収集するステップと、
収集された前記部品関連情報と前記部品動作データとを対応付けて蓄積するステップと、
蓄積された前記部品関連情報に基づく前記条件ごとに前記部品の積算値を更新し、更新された前記条件ごとの前記部品の積算値に基づいて前記部品の寿命を診断するステップと、
診断結果に基づく情報を収集するステップと、
前記診断結果に基づいて、前記条件ごとに前記部品の在庫数を示す部品在庫情報および将来において調達する必要があることを予測する部品数量を示す調達予測数情報を含む在庫データベースにおける調達予測数情報を更新するステップと、
更新した前記調達予測数情報に基づいてアラート情報を送信するステップと、
を含む、部品在庫管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品診断装置、部品診断システム、空気調和機の部品診断方法、部品在庫管理システム、および部品在庫管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和機等の機器を遠隔で監視するサービスが知られている。この種の技術は、例えば下記の特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の空調機器遠隔監視サービスシステムは、センサから空調機器に関連する所望の運転データを入手する監視装置と、監視装置から監視のためのデータを、通信手段を介して収集するセンター装置とを備える。機器遠隔監視サービスシステムは、センター装置で蓄積された運転データをもとに定期点検報告書を作成している。定期点検報告書には、例えば、月間代表値として記憶された1ヶ月の代表運転データ、日間管理値を基にした冷温水入口温度(吸込み空気温度)、ならびに外気温度の変化、積算管理値を基にした庄縮機の寿命管理といった内容が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-89941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した機器遠隔監視サービスシステムは、空調機器の運転データ、圧縮機の運転データ、圧縮機の積算管理値を監視装置において記憶し、記憶しているデータをセンター装置に送信している。しかしながら、空調機器の設置環境などによって空調機器に含まれる部品のうち故障しやすい部品または寿命が最初に到来する部品が異なるが、空調機器の運転データまたは圧縮機の運転データだけでは空調機器の設置環境などに基づく部品の故障および寿命を予測することできなかった。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、設置環境などに基づいて空気調和機に含まれる部品の寿命を診断することができる部品診断装置、部品診断システム、空気調和機の部品診断方法、部品在庫管理システム、および部品在庫管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る部品診断装置は、空気調和機に搭載された通信装置から、前記空気調和機の運転に関連するデータであって前記空気調和機に含まれる部品が動作する条件を含む部品関連情報を含む運転データ、および前記部品が動作したことに応じて積算された積算値を示す部品動作データを収集する収集部と、前記収集部により収集された前記部品関連情報と前記部品動作データとを対応付けて蓄積する蓄積部と、前記蓄積部に蓄積された前記部品関連情報に基づく前記条件ごとに前記部品の積算値を更新し、更新された前記条件ごとの前記部品の積算値に基づいて前記部品の寿命を診断する診断部と、を備える。
【0007】
第2の態様に係る部品診断システムは、室外機と、室内機と、前記室外機および前記室内機の運転に関連するデータであって前記室外機および前記室内機に含まれる部品が動作する条件を含む部品関連情報を含む運転データ、および、前記室外機および前記室内機に含まれる部品が動作したことに応じて積算された積算値を示す部品動作データを記憶する記憶部と、を備える空気調和機と、前記記憶部に記憶された前記運転データおよび部品動作データを送信する通信装置と、前記通信装置から、前記運転データ、および前記部品動作データを収集する収集部と、前記収集部により収集された前記部品関連情報と前記部品動作データとを対応付けて蓄積する蓄積部と、前記蓄積部に蓄積された前記部品関連情報に基づく前記条件ごとに前記部品の積算値を更新し、更新された前記条件ごとの前記部品の積算値に基づいて前記部品の寿命を診断する診断部と、を備える部品診断装置と、を備える。
【0008】
第3の態様に係る空気調和機の部品診断方法は、空気調和機の運転に関連するデータであって前記空気調和機に含まれる部品が動作する条件を含む部品関連情報を含む運転データ、および、前記空気調和機に含まれる部品が動作したことに応じて積算された積算値を示す部品動作データを前記空気調和機に記憶するステップと、前記空気調和機に記憶された前記運転データおよび部品動作データを、通信装置を介して収集するステップと、収集した前記部品関連情報と前記部品動作データとを対応付けて蓄積するステップと、蓄積された前記部品関連情報に基づく前記条件ごとに前記部品の積算値を更新し、更新された前記条件ごとの前記部品の積算値に基づいて前記部品の寿命を診断するステップと、を有する。
【0009】
第4の態様に係る部品在庫管理システムは、空気調和機の通信装置から、空気調和機の運転に関連するデータであって前記空気調和機に含まれる部品が動作する条件を含む部品関連情報を含む運転データ、および前記空気調和機に含まれる部品が動作したことに応じて積算された積算値を示す部品動作データを収集する収集部と、前記収集部により収集された前記部品関連情報と前記部品動作データとを対応付けて蓄積する蓄積部と、前記蓄積部に蓄積された前記部品関連情報に基づく前記条件ごとに前記部品の積算値を更新し、更新された前記条件ごとの前記部品の積算値に基づいて前記部品の寿命を診断する診断部と、を備え、前記診断部による診断結果に基づく情報を送信する部品診断装置と、前記条件ごとに、前記部品の在庫数を示す部品在庫情報および将来において調達する必要があることを予測する部品数量を示す調達予測数情報を含む在庫データベースを備え、前記部品診断装置から前記診断結果に基づく情報を収集し、前記診断結果に基づいて、前記調達予測数情報を更新し、更新した前記調達予測数情報に基づいてアラート情報を送信する部品在庫管理装置と、を備える。
【0010】
第5の態様に係る部品在庫管理方法は、空気調和機の通信装置から、空気調和機の運転に関連するデータであって前記空気調和機に含まれる部品が動作する条件を含む部品関連情報を含む運転データ、および前記空気調和機に含まれる部品が動作したことに応じて積算された積算値を示す部品動作データを収集するステップと、収集された前記部品関連情報と前記部品動作データとを対応付けて蓄積するステップと、蓄積された前記部品関連情報に基づく前記条件ごとに前記部品の積算値を更新し、更新された前記条件ごとの前記部品の積算値に基づいて前記部品の寿命を診断するステップと、前記部品診断装置から前記診断結果に基づく情報を収集するステップと、前記診断結果に基づいて、前記条件ごとに前記部品の在庫数を示す部品在庫情報および将来において調達する必要があることを予測する部品数量を示す調達予測数情報を含む在庫データベースにおける調達予測数情報を更新するステップと、更新した前記調達予測数情報に基づいてアラート情報を送信するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、設置環境などに基づいて空気調和機に含まれる部品の寿命を診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施の形態に係る部品診断システムの一例を示すブロック図である。
図2】第1の実施の形態におけるデータサーバ装置に登録されたデータベースの一例を示す図である。
図3】第1の実施の形態における空気調和機の概略構成を示す模式図である。
図4】第1の実施の形態における空気調和機およびデータサーバ装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図5】第1の実施の形態における運転データおよび部品動作データの一例を示す図である。
図6】第1の実施の形態における部品動作データおよび部品関連情報の一例を示す図である。
図7】第1の実施の形態における部品ごとの部品関連情報に対応した基準値の一例を示す図である。
図8】第1の実施の形態における部品関連情報と部品IDと部品動作データとの関係を示す図である。
図9】第1の実施の形態における外気温度と圧縮機の積算時間との関係の一例を示す図である。
図10】第1の実施の形態における診断部の一例を示すブロック図である。
図11】第1の実施の形態の部品診断システムにおける信号の授受の一例を示すシーケンス図である。
図12】第2の実施の形態における診断部の一例を示すブロック図である。
図13】第2の実施の形態の部品診断システムにおける信号の授受の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。なお、本開示の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数などを、実際の構造における縮尺および数などと異ならせる場合がある。
【0014】
(部品診断システムの構成)
図1は、第1の実施の形態に係る部品診断システムの一例を示すブロック図である。部品診断システムは、例えば、複数の空気調和機100と、データサーバ装置200と、オーナー用端末装置300と、メンテナンス業者用端末装置400とを備える。なお、以下の説明において複数の空気調和機100を総称する場合には単に「空気調和機100」と記載する。データサーバ装置200、オーナー用端末装置300、およびメンテナンス業者用端末装置400は、ネットワークNWに接続するためのNIC(Network Interface Card)や無線通信モジュールなどの通信インターフェース(不図示)を有する。なお、以下の説明において、空気調和機100の使用者を「ユーザ」と記載し、空気調和機100の所有者を「オーナー」と記載し、空気調和機100のメンテナンス等のサービスを業として提供する者を「メンテナンス業者」と記載する。
【0015】
空気調和機100は、例えば、室外機10と、室内機20と、通信装置30とを備える。通信装置30は、例えば、室内機20および室外機10と通信可能であれば、有線の信号線を介して接続されてよく、無線で通信接続されてよい。室外機10は、室外に配置されている。室内機20は、室内に配置されている。室外機10と室内機20とは、冷媒が循環する循環経路部によって互いに接続されている。空気調和機100は、循環経路部内を流れる冷媒と室内機20が配置された室内の空気との間で熱交換を行うことによって、室内の空気の温度を調整する。
【0016】
空気調和機100は、例えば、操作部110および情報処理端末120と通信を行う。操作部110は、ユーザが操作する操作ボタンおよび表示部を備えるリモートコントローラ、または操作パネルである。操作部110は、ユーザの操作を受け付けて操作信号を室内機20に出力する。情報処理端末120は、ユーザにより操作されるスマートフォンなどである。
【0017】
データサーバ装置200は、空気調和機100から送信されたデータを蓄積し、データを用いた処理を行うサーバ装置等の情報処理装置である。データサーバ装置200は、部品診断装置の一例である。データサーバ装置200は、例えば、通信装置30から、空気調和機100の運転に関連するデータであって空気調和機100に含まれる部品が動作する条件を含む部品関連情報を含む運転データ、および、空気調和機100に含まれる部品が動作したことに応じて積算された積算値を示す部品動作データを受信して蓄積する。データサーバ装置200は、オーナー用端末装置300およびメンテナンス業者用端末装置400に、空気調和機100に含まれる部品の故障または寿命に関する通知を行う。データサーバ装置200は、オーナー用端末装置300およびメンテナンス業者用端末装置400からの要求に基づいて各種の情報を提供する。
【0018】
部品診断システムは、オーナー情報、ユーザ情報、空気調和機100が設置されている物件に関する物件情報、空気調和機100の機器情報、および空気調和機100の運転データ等の管理を行う。例えば、部品診断システムは、情報処理端末120、オーナー用端末装置300、またはメンテナンス業者用端末装置400から受け付けた要求に基づいて、オーナー情報、ユーザ情報、物件情報、機器情報、および運転データ等の登録、参照、変更および削除を行う。
【0019】
情報処理端末120は、例えばユーザの操作を受け付けることにより、ユーザ情報、物件情報、および機器情報を取得する。情報処理端末120は、室外機10または室内機20に貼り付けられたコードを読み取ることにより空気調和機100の機器情報を取得する。情報処理端末120は、操作部110から空気調和機100の機器情報を取得してよい。また、情報処理端末120は、空気調和機100に貼り付けられた銘板に記載されたコードを読み取ることで空気調和機100の機器情報を取得することができる。ユーザ情報、物件情報、および機器情報は、情報処理端末120から空気調和機100の通信装置30を介して、データサーバ装置200に送信される。
【0020】
図2は、第1の実施の形態におけるデータサーバ装置200に登録されたデータベースの一例を示す図である。データサーバ装置200は、例えば、オーナーテーブル、物件テーブル、機器テーブル、およびメンテナンス業者テーブルを構築する。オーナーテーブル、物件テーブル、機器テーブル、およびメンテナンス業者テーブルは、互いに関連付けられている。例えば、物件をキー情報としてオーナー、機器、およびメンテナンス業者が対応付けられていてよい。データサーバ装置200は、オーナーテーブル、物件テーブル、機器テーブル、およびメンテナンス業者テーブルに対して情報の登録、変更、削除等を含む処理を行う。オーナーテーブルには、例えば、オーナーID、およびオーナー情報が登録される。オーナー情報は、オーナーの名称および連絡先等を含む情報である。物件テーブルには、物件ID、および物件情報が登録される。物件情報は、ビル名などの物件の名称、物件の所在地、物件の種類等を含む情報である。機器テーブルには、機器ID、形名、空気調和機100の種別、空気調和機100の製造番号、部品の製造番号、MACアドレス等を含む機器情報、運転データ、部品関連情報、部品動作データ、異常検知情報、部品寿命情報、交換・修理履歴情報、および点検支援情報が登録される。メンテナンス業者テーブルには、メンテナンス業者ID、および会社名および連絡先等を含むメンテナンス業者情報が登録される。オーナーテーブル、物件テーブル、および機器テーブルは、物件IDにより紐付けられる。機器テーブルとメンテナンス業者テーブルは、機器IDにより紐付けられる。
【0021】
図3は、第1の実施の形態における空気調和機100の概略構成を示す模式図である。空気調和機100は、例えば、室外機10と、室内機20と、循環経路部18とを備える。空気調和機100は、循環経路部18内を流れる冷媒19と室内機20が配置された室内の空気との間で熱交換を行うことによって、室内の空気の温度を調整可能である。冷媒19としては、例えば、地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)が低いフッ素系冷媒、または炭化水素系冷媒などが挙げられる。
【0022】
室外機10は、例えば、筐体11と、圧縮機12と、熱交換器13と、流量調整弁14と、送風機15と、四方弁16と、制御部17と、を備える。筐体11の内部には、圧縮機12、熱交換器13、流量調整弁14、送風機15、四方弁16、および制御部17が収容されている。
【0023】
圧縮機12と熱交換器13と流量調整弁14と四方弁16とは、循環経路部18のうち筐体11の内部に位置する部分に設けられている。圧縮機12と熱交換器13と流量調整弁14と四方弁16とは、循環経路部18のうち筐体11の内部に位置する部分によって接続されている。
【0024】
四方弁16は、循環経路部18のうち圧縮機12の冷媒吐出側に繋がる部分に設けられている。四方弁16は、循環経路部18内を流れる冷媒19の経路を、実線で示す経路と、破線で示す経路との間で切り換える。実線で示す経路は、圧縮機12から吐出された冷媒19を、熱交換器13、流量調整弁14、室内機20を介して、圧縮機12に戻す経路である。破線で示す経路は、圧縮機12から吐出された冷媒19を、室内機20、流量調整弁14、熱交換器13を介して、圧縮機12に戻す経路である。
【0025】
室内機20は、筐体21と、熱交換器22と、送風機23と、制御部24と、を備える。筐体21は、熱交換器22、送風機23、制御部24、および通信装置30を内部に収容している。室内機20は、室内機20が配置された室内の空気を冷やす冷房運転と、室内機20が配置された室内の空気を暖める暖房運転とが可能である。
【0026】
空気調和機100により冷房運転を行う場合、冷媒19は、実線の矢印で示すように、圧縮機12、室外機10の熱交換器13、流量調整弁14、および室内機20の熱交換器22をこの順に通って圧縮機12に戻るように循環する。冷房運転において、室外機10内の熱交換器13は凝縮器として機能し、室内機20内の熱交換器22は蒸発器として機能する。
【0027】
空気調和機100により暖房運転を行う場合、冷媒19は、破線の矢印で示すように、圧縮機12、室内機20の熱交換器22、流量調整弁14、および室外機10の熱交換器13をこの順に通って圧縮機12に戻るように循環する。暖房運転において、室外機10内の熱交換器13は蒸発器として機能し、室内機20内の熱交換器22は凝縮器として機能する。
【0028】
制御部24は、記憶部24aとともに室内機20内の制御基板に搭載される。通信装置30は、例えば、制御基板の信号出力端子に有線または無線で接続される。制御部24は、室内機20の各部を制御する。制御部17は、記憶部17aとともに室外機10内の制御基板に搭載される。制御部17は、室外機10の各部を制御する。制御部24および制御部17は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサがプログラムメモリに格納されたプログラムを実行することにより実現される。ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせは、プログラムとして記述され、プログラムはプログラムメモリに格納される。また、機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアが協働することで実現されてもよい。記憶部17aおよび24aは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリにより実現される。
【0029】
具体的に、制御部24は、操作部110および情報処理端末120と通信を行う。制御部24は、室外機10および室内機20に搭載されているセンサ(不図示)から信号を受信する。制御部24は、送風機23におけるモータを制御する。制御部24は、室外機10を動作させる制御信号を制御部17に供給する。制御部17は、圧縮機12におけるモータ、送風機15におけるモータ、四方弁16におけるアクチュエータ、および流量調整弁14におけるアクチュエータを制御する。
【0030】
センサは、例えば、外気温、室温、冷媒配管温度、圧縮機12のシェル温度などの各種の温度を検出する温度センサ、送風機15の駆動量、送風機23の駆動量、圧縮機12の駆動量などの各種の駆動量を検出するセンサ、流量調整弁14の動作、四方弁16の動作などの各種動作を検出するセンサ、室外機10および室内機20の周囲に配置された冷媒漏洩センサなどを含んでよい。
【0031】
図4は、第1の実施の形態における空気調和機100およびデータサーバ装置200の機能的な構成の一例を示すブロック図である。空気調和機100は、例えば、制御部17および制御部24に相当する制御部130と、データ取得部132と、処理部134と、記憶部17aおよび記憶部24aに相当する記憶部136と、外部通信部138と、宅内通信部140とを備える。外部通信部138は通信装置30に相当する。なお、通信装置30は、室外機10の制御基板に接続されても、室内機20の制御基板に接続されてもよく、制御基板に記憶された運転データおよび部品動作データを取得することができればよい。以下に説明する制御部130の処理は、制御部17または制御部24の何れか一方または分散して行ってよい。以下に説明する記憶部136は、記憶部17aまたは記憶部24aの何れか一方または分散されてよい。データ取得部132および処理部134は、例えばCPU等のプロセッサがプログラムメモリに格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0032】
制御部130は、空気調和機100の各部に制御信号を出力する。データ取得部132は、空気調和機100の運転データ、および部品動作データを取得する。記憶部136は、空気調和機100の運転データ、および部品動作データを保存する。記憶部136に記憶された部品動作データは、データ取得部132により取得された処理部134によって積算された値に更新される。処理部134は、記憶部136に保存された運転データおよび部品動作データを、外部通信部138を介してデータサーバ装置200に送信する。外部通信部138は、運転データをデータサーバ装置200に送信する通信部である。宅内通信部152は、操作部110との間で有線通信を行う。宅内通信部152は、近距離通信方式を利用して情報処理端末120と通信を行う。近距離通信方式は、例えばWi-Fi(登録商標)またはbluetooth(登録商標)である。
【0033】
データサーバ装置200は、例えば、データ収集部210と、診断部220と、通知部230と、蓄積部240とを備える。データ収集部210は、複数の空気調和機100に備えられた外部通信部150のそれぞれと通信を行うことで、運転データおよび部品動作データを取得する。蓄積部240は、データ収集部210により収集された部品関連情報と部品動作データとを対応付けて蓄積する。診断部220は、蓄積部240に蓄積された部品関連情報に基づく条件ごとに部品の積算値を更新し、更新された条件ごとの部品の積算値に基づいて部品の寿命を診断する。診断部220は、例えば、部品の積算値と保全周期とを比較することで、部品の寿命を診断してよい。診断部220は、例えば、条件ごとの部品の積算値と、条件ごとの部品の故障履歴とを比較することで、部品の寿命を診断してよい。通知部230は、診断部220による診断結果をオーナー用端末装置300またはメンテナンス業者用端末装置400に通知する。
【0034】
診断部220は、部品の診断結果に基づいて部品寿命情報を更新してよい。診断部220は、交換・修理履歴情報を参照し、室外機10、室内機20または部品が交換または修理された場合、部品の寿命を更新してよい。
【0035】
なお、運転データおよび部品動作データのうち一部または全部は、予め設定された時刻、予め設定された期間毎、または予め設定された条件が成立した場合に、空気調和機100からデータサーバ装置200に送信されてよい。データサーバ装置200において管理される運転データおよび部品動作データは、予め設定された時刻、予め設定された期間毎、または予め設定された条件が成立した場合に、空気調和機100からデータサーバ装置200に送信され、室外機10または室内機20には保存されなくてよい。
【0036】
以下、運転データおよび部品動作データについて説明する。
図5は、第1の実施の形態における運転データおよび部品動作データの一例を示す図である。運転データおよび部品動作データは、例えば、空気調和機100ごとに、空気調和機100を特定する機器IDと共に外部通信部138から送信され、データ収集部210により収集される。
【0037】
図6は、第1の実施の形態における部品動作データおよび部品関連情報の一例を示す図である。部品動作データは、例えば、部品を一意に特定する部品IDに対応付けられて通信装置30から空気調和機100に送信される。部品動作データは、データ収集部210によって蓄積部240に蓄積される。部品動作データは、例えば室外機10の通電時間、室内機20の通電時間、圧縮機12の動作時間の積算時間などのデータを含む。部品動作データは、部品関連情報に対応付けられる。蓄積部240は、例えば、同じ機器IDに対応して送信された部品関連情報と部品動作データと対応付けて蓄積する。部品関連情報には、空気調和機100の種類に対応した機種情報、空気調和機100を一意に特定する製造番号情報、および部品を一意に特定する製造番号情報、冷媒19の配管長などの設置関連情報、および外気温度および寒冷地等を示す環境情報が含まれる。
【0038】
図7は、第1の実施の形態における部品ごとの部品関連情報に対応した基準値の一例を示す図である。蓄積部240は、部品ごとに、部品関連情報に対応した基準値を記憶する。基準値は、診断部220が部品の寿命を診断するための値である。基準値は、部品の寿命が到来する時を示す保全周期に対応した値であるが、これに限定されず、設計段階で設定した値、または部品の寿命が到来する時よりも前の通知タイミングに対応した値であってもよい。診断部220は、例えば、圧縮機12の外気温度に対応した基準値としてX時間が登録されている場合において、外気温度における圧縮機12の積算時間がX時間に達した場合、圧縮機12の寿命が到来したと診断することができる。基準値は、診断部220が部品の故障を診断するための値であってよい。診断部220は、例えば、圧縮機12の積算時間に対応した基準値として、他の空気調和機100で圧縮機12が故障した積算時間Nが登録されている場合において、圧縮機12の積算時間がN時間に達した場合、圧縮機12の故障の警報を通知すると診断することができる。
【0039】
図8は、第1の実施の形態における部品関連情報と部品IDと部品動作データとの関係を示す図である。図9は、第1の実施の形態における外気温度と圧縮機12の積算時間との関係の一例を示す図である。蓄積部240は、例えば、部品関連情報に対応付けて、部品の部品IDと部品動作データを蓄積してよい。蓄積部240は、運転データおよび部品動作データを取得した場合、運転データに含まれる部品関連情報を参照し、蓄積部240に登録された部品関連情報に対応して部品IDおよび部品動作データを登録する。これにより蓄積部240は、部品関連情報に対応付けて部品ごとの部品動作データを更新することができる。蓄積部240は、例えば、図9に示すように、外気温度の範囲ごとに、圧縮機12の積算時間T1~T5を更新することができる。これにより、診断部220は、蓄積部240に蓄積された外気温度の範囲に対応した圧縮機12の積算時間T1~T5と、外気温度の範囲ごとの圧縮機12の積算時間に対応した基準値とを比較することによって、圧縮機12の寿命を診断することができる。
【0040】
診断部220は、部品関連情報に重み係数を設定してよい。部品の負荷が高くなる部品関連情報ほど高い重み係数が設定される。診断部220は、例えば、0℃以下に対応する重み係数a、0~10℃に対応する重み係数b、10~20℃に対応する重み係数c、20~30℃に対応する重み係数d、30℃を超えに対応する重み係数eを設定し、圧縮機12の負荷が高い温度範囲ほど重み係数を高くする。診断部220は、a×T1+b×T2+c×T3+d×T4+e×T5を演算することにより、部品の寿命又は故障を予測してよい。例えば、圧縮機12の負荷が最も高くなる外気温度の範囲が0℃以下である場合、重み係数aが最も高く設定される。例えば、冷媒19の配管長が長くなるほど圧縮機12の負荷が高くなる場合、複数段階に区分した配管長のうち最も長い段階の配管長に対応する重み係数が高くなる。
【0041】
蓄積部240は、部品関連情報に基づいて部品を診断するための基準値を変更してよい。例えば、外気温度の範囲が0℃以下の環境で圧縮機12の積算時間がY時間で故障したことを示す異常検知情報を取得したとする。蓄積部240は、外気温度の範囲が0℃以下の圧縮機12の積算時間に対応した基準値を、Y時間に近くなるような値に更新することができる。
【0042】
以下、運転データおよび部品動作データの更に具体的な例について説明する。
空気調和機100の運転データ、室外機10の部品動作データ、および室内機20の部品動作データは、空気調和機100の寿命または故障の診断、および空気調和機100に含まれる部品の寿命または故障の診断に用いることができるデータである。運転データは、空気調和機100の運転に関連するデータであって、空気調和機100に含まれる部品が動作する条件を含む部品関連情報を含む。部品関連情報は、空気調和機100の稼働時間等の空気調和機100の全体の運転に関するデータ、室外機10の通電時間等のデータ、室内機20の通電時間等のデータを含む。通電時間とは、室外機10よび室内機20における制御基板およびセンサなどの電気部品の稼働時間を指す。なお、室外機10の通電時間と室内機20の通電時間は同じであるが、室内機20を新品に交換した場合には室内機20の通電時間と室外機10の通電時間とは異なることがある。また、空気調和機100の通電時間は、空気調和機100の稼働時間とは異なる。空気調和機100の稼働時間は、例えば、圧縮機12の積算時間に相当する。圧縮機12の積算時間は、冷媒19が循環経路部18を循環させることで冷房運転または暖房運転を行った時間に相当する。室外機10の稼働時間と室内機20の稼働時間とを区別する場合、室外機10の稼働時間は、圧縮機12の積算時間に相当し、室内機20の稼働時間は送風機23の積算時間に相当する。送風機23の積算時間は、室内機20が動作することでフィルターに室内空気が流れている時間に相当する。部品関連情報には、例えば、空気調和機100の停止時刻および運転時刻、空気調和機100の運転モード、設定温度、設定風速、スケジュール運転の設定値、消費電力量、フィルターの使用時間、人感センサーの検知人数、人感センサーの検知床温度が含まれてよい。
【0043】
部品関連情報は、空気調和機100の運転モードを示す情報を含んでよい。空気調和機100の運転モードは、例えば、暖房モード、冷房モード、パワフルモードなどである。部品関連情報は、空気調和機100における室外機10周辺の温度情報および室内機20周辺の温度情報を含んでよい。部品関連情報は、空気調和機100における室外機10と室内機20との間で循環される冷媒19の配管長を示す情報を含んでよい。部品関連情報は、空気調和機100の種類に対応した機種情報、空気調和機100を一意に特定する製造番号情報、および部品を一意に特定する製造番号情報のうちの少なくとも一つを含んでよい。空気調和機100の種類は、例えば、寒冷地に対応した機種などである。製造番号情報は、例えば、空気調和機100または部品の製造場所または製造者、製造時期を特定することができる情報であればよい。部品関連情報は、空気調和機100が設置された物件の種類を示す情報を含んでよい。物件の種類は、例えばオフィスビル、学校、病院または介護施設、工場、レストラン、厨房などといった物件の用途または物件の規模などを表す情報である。冷媒19の配管長を示す情報、機種情報、製造番号情報、製造番号情報、物件の種類を示す情報は、例えば、複数の空気調和機100にそれぞれ搭載された通信装置30のそれぞれから収集される。
【0044】
部品関連情報は、空気調和機100に含まれる圧縮機12の回転数、空気調和機100に含まれる送風機15,23の回転数、のうちの少なくとも一つを含んでよい。部品関連情報には、圧縮機12の動作周波数、圧縮機12の運転電流、圧縮機12に搭載されたインバータにおける母線電圧、圧縮機12の冷媒吐出温度、圧縮機12の冷媒吸入温度、圧縮機12のシェル温度、室内機20の液管温度、室内機20の二相管温度、室外機10の液管温度、室外機10の二相管温度、圧縮機における吐出スーパーヒート、サブクール、外気温度、室内吸い込み温度、室外機10における送風機の回転数、室外機10における室内用リニア膨張弁の開度、室外機10における四方弁のオンオフ状態が含まれてよい。
【0045】
部品関連情報は、部品が動作した環境などの条件を表す情報であり、例えば、外気温度、室内温度、室外の湿度、室内の湿度などの情報であってよい。部品関連情報は、部品が設置された環境を表す情報であり、例えば、循環経路部18の配管長を表す情報であってよい。部品関連情報は、部品が動作した運転モード(冷房または暖房等)であってよい。部品関連情報は、部品が搭載された室外機10または室内機20の機器ID、機種ID、室外機10または室内機20の製造番号などの、部品の属性を表す情報であってよい。
【0046】
部品動作データは、空気調和機100の部品が動作したことに応じて積算された積算値を示すデータである。部品動作データは、例えば、室外機10の通電時間、圧縮機12のオンオフ回数および積算時間、送風機15の運転積算時間、送風機23の運転積算時間、四方弁16の動作回数または駆動パルス合計値、ドレンポンプの運転積算時間、ベーンステッピングモーターの運転積算時間および駆動パルス合計数、室内機20における室内用リニア膨張弁(LEV(Linear Expansion Valve))の駆動パルス合計値、室内機20における室内用リニア膨張弁の増し締め回数、冷媒漏洩センサの寿命信号、室内機20の通電時間、室外機10における流量調整弁14の駆動パルス合計値、室外機10における室内用リニア膨張弁の駆動パルス合計値、室外機10における室内用リニア膨張弁の増し締め回数が含まれる。これらの部品動作データの積算値は、室外機10に搭載された制御基板の記憶部および室内機20に搭載された制御基板の記憶部に保存される。
【0047】
異常検知情報は、空気調和機100の異常発生時刻、および空気調和機100の異常の種類を示すエラーコードを含んでよい。異常検知情報は、部品の異常発生時刻、および異常の種類を示す情報を含んでよい。異常検知情報は、空気調和機100において検知された異常であってよく、データサーバ装置200において検知された異常であってよい。データサーバ装置200は、収集した運転データまたは部品動作データに基づいて異常を検知してよい。
【0048】
部品寿命情報は、例えば、室外機10および室内機20の使用可能期間、部品の保全周期を示す情報、部品に残存する寿命を示す情報を含む。交換・修理履歴情報は、室外機10または室内機20の交換日および修理日、交換前の機器情報、交換後の機器情報などを含む。交換・修理履歴情報は、室外機10または室内機20の部品の交換日および修理日、交換前の機器情報、交換後の機器情報などを含む。点検支援情報は、空気調和機100の簡易点検日、簡易点検の履歴、点検記録表などを含む情報である。
【0049】
図10は、実施形態における診断部220の一例を示すブロック図である。
診断部220は、例えば、学習データ記憶部250と、学習処理部252と、予測部254とを備える。学習データ記憶部250は、学習データを記憶する。学習データは、空気調和機100に異常が検知されたときの部品関連情報および部品動作データである。データ収集部210は、複数の空気調和機100にそれぞれ搭載された通信装置30のそれぞれから、空気調和機100の異常に基づく異常検知情報、運転データ、および前記部品動作データを収集し、学習データ記憶部250に蓄積する。学習データ記憶部250は、データ収集部210により収集された異常検知情報に、部品関連情報および部品動作データを対応付けて蓄積する。なお、学習データ記憶部250は、蓄積部240であってよい。
【0050】
学習処理部252は、学習データ記憶部250に蓄積された学習データを用いて、予測エンジンを学習させる。学習処理部252は、例えば、部品関連情報を含む運転データ、部品動作データ、および異常検知情報を予測エンジンに入力し、部品の寿命、故障する部品、および故障時期と、部品の寿命、故障する部品、および故障時期の確信度を出力するよう予測エンジンにおける処理パラメータを更新する。処理パラメータとは、例えば、ニューラルネットワークに含まれるフィルタ(重み、バイアスともいう)である。
【0051】
予測部254は、診断時に、運転データおよび部品動作データを予測エンジンに入力し、予測エンジンから部品の寿命、故障する部品、および故障時期と、部品の寿命、故障する部品、および故障時期の確信度を出力する。
【0052】
図11は、第1の実施の形態の部品診断システムにおける信号の授受の一例を示すシーケンス図である。複数の空気調和機100のそれぞれは、予め設定された期間が到来したタイミング、または予め設定された条件が成立したタイミングで、運転データ、および部品動作データをデータサーバ装置200に送信する。データサーバ装置200は、運転データおよび部品動作データを蓄積する。このときデータサーバ装置200は、部品関連情報と部品動作データとを対応付けて蓄積する。データサーバ装置200は、運転データおよび部品動作データを予測部254に入力し、予測部254の出力に基づいて部品の故障を予測する。データサーバ装置200は、例えば故障する確率が高い部品がある場合、予測結果を、オーナー用端末装置300およびメンテナンス業者用端末装置400に通知する。これにより、オーナーおよびメンテナンス業者は部品が故障する可能性があることを知ることができる。データサーバ装置200は、部品関連情報に対応付けられた積算値と、当該部品関連情報に対応した基準値とを比較することで、部品の寿命を診断する。データサーバ装置200は、例えば、部品関連情報に対応付けられた積算値が基準値を超えた場合に、部品の寿命が到来することをオーナー用端末装置300およびメンテナンス業者用端末装置400に通知する。データサーバ装置200は、運転データおよび部品動作データを予測部254に入力し、予測部254の出力に基づいて部品の寿命を予測してよい。データサーバ装置200は、例えば寿命が経過している部品または所定期間内に寿命が到来する部品がある場合、予測結果を、オーナー用端末装置300およびメンテナンス業者用端末装置400に通知する。これにより、オーナーおよびメンテナンス業者は部品の寿命を知ることができる。
【0053】
データサーバ装置200は、メンテナンス業者用端末装置400からデータの参照要求を受信した場合、参照要求に応じて運転データおよび部品動作データをメンテナンス業者用端末装置400に送信する。データサーバ装置200は、部品関連情報に対応付けられた部品動作データをメンテナンス業者用端末装置400に送信してよい。これによりメンテナンス業者は、運転データおよび部品動作データを用いて部品の故障または部品の寿命などを解析することができる。さらに、メンテナンス業者用端末装置400は、部品の故障または部品の寿命などを解析した結果、部品の交換、または空気調和機100の交換を提案する提案情報をオーナー用端末装置300に送信することができる。
【0054】
以上のように、第1の実施の形態のデータサーバ装置200によれば、通信装置30から空気調和機100に含まれる部品が動作する条件を含む部品関連情報を含む運転データ、および部品が動作したことに応じて積算された積算値を示す部品動作データを収集し、収集された部品関連情報と部品動作データとを対応付けて蓄積し、蓄積された部品関連情報に基づく条件ごとに部品の積算値を更新し、更新された条件ごとの部品の積算値に基づいて部品の寿命を診断する。データサーバ装置200によれば、設置環境などの条件に基づいて空気調和機100に含まれる部品の寿命診断を行うことができる。
【0055】
第1の実施の形態におけるデータサーバ装置200によれば、圧縮機12の回転数ごと、または送風機23または送風機15の回転数ごとに、積算値を更新し、更新された積算値に基づいて部品の寿命を診断することができる。データサーバ装置200によれば、例えば圧縮機12の回転数が30[rps]~39[rps]における動作時間の積算値が100時間、圧縮機12の回転数が40[rps]~49[rps]における動作時間の積算値が90時間、圧縮機12の回転数が50[rps]~59[rps]における動作時間の積算値が75時間、・・・といったように積算値を更新し、圧縮機12の寿命を診断することができる。データサーバ装置200によれば、例えば送風機23または送風機15の回転数が200[rps]~299[rps]における動作時間の積算値が100時間、圧縮機12の回転数が300[rps]~399[rps]における動作時間の積算値が90時間、・・・といったように積算値を更新し、送風機23または送風機15の寿命を診断することができる。
【0056】
第1の実施の形態におけるデータサーバ装置200によれば、空気調和機100の運転モードごとに積算値を更新し、更新された運転モードごとの積算値に基づいて部品の寿命を診断することができる。これによりデータサーバ装置200によれば、冷房または暖房などの特定の運転モードの積算値が高い部品の寿命を診断することができる。例えば、冷房モードの運転時間が他の運転モードよりも多い場合、ドレンポンプの積算値が高くなり、他の部品よりもドレンポンプの寿命の到来が早いことをオーナーまたはメンテナンス業者に通知することができる。
【0057】
第1の実施の形態におけるデータサーバ装置200によれば、室外機周辺の温度範囲ごとに部品の積算値を更新し、更新された室外機周辺の温度範囲ごとの積算値に基づいて部品の寿命を診断することができる。これによりデータサーバ装置200によれば、室外機周辺の温度によって部品の負荷が異なるという実情に合わせて部品の寿命を診断することができる。
【0058】
第1の実施の形態におけるデータサーバ装置200によれば、冷媒19の配管長に対応した部品の積算値を更新し、更新された積算値に基づいて部品を診断することができる。これによりデータサーバ装置200によれば、冷媒19の配管長が長くなるほど部品の負荷が高くなるという実情に合わせて部品の寿命を診断することができる。
【0059】
第1の実施の形態におけるデータサーバ装置200によれば、空気調和機100の機種情報ごと、空気調和機100の製造番号情報ごと、および部品の製造番号情報ごとに部品の積算値を更新し、更新された積算値に基づいて部品の寿命を診断することができる。これによりデータサーバ装置200によれば、空気調和機100の機種、空気調和機100の製造場所または製造年、部品の製造場所または製造年によって部品の寿命が異なるという実情に合わせて部品の寿命を診断することができる。
【0060】
第1の実施の形態におけるデータサーバ装置200によれば、物件の種類を示す情報に対応した部品の積算値を更新し、更新された積算値に基づいて部品の寿命を診断することができる。これによりデータサーバ装置200によれば、物件の種類によって部品の寿命が異なるという実情に合わせて部品の寿命を診断することができる。
【0061】
第1の実施の形態におけるデータサーバ装置200によれば、複数の空気調和機100にそれぞれ搭載された通信装置30のそれぞれから収集した運転データおよび部品動作データに基づいて条件ごとに部品を診断するための基準値を設定することができる。これによりデータサーバ装置200によれば、多数の運転データおよび部品動作データを用いて設定した基準値との比較に基づいて部品の寿命を診断することができる。この結果、データサーバ装置200によれば、診断精度を高くすることができる。
【0062】
第1の実施の形態におけるデータサーバ装置200によれば、条件ごとに部品の負荷に対応して重み係数を設定し、部品の積算値に対応した条件の重み係数を乗算し、乗算した部品の積算値を更新し、更新された条件ごとの部品の積算値に基づいて部品の寿命を診断することができる。これによりデータサーバ装置200によれば、室外温度等の条件によって部品の負荷が変わる場合であっても負荷が高い条件に対応する積算値を重視して部品の寿命を診断することができる。
【0063】
以下、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態の説明において第1の実施の形態と同じ部分には同一符号を付する。図12は、第2の実施の形態における部品在庫管理システムの一例を示すブロック図である。第2の実施の形態における部品在庫管理システムは、ネットワークNWに部品在庫管理装置500および発注端末600が接続される点で、第1の実施の形態における部品診断システムとは異なる。部品在庫管理装置500および発注端末600は、ネットワークNW等に接続するためのNICや無線通信モジュールなどの通信インターフェース(不図示)を有する。部品在庫管理装置500は、空気調和機100おける部品の在庫を管理するための在庫データベース510を備える。発注端末600は、部品を発注する発注組織の担当者に操作されるパーソナルコンピュータ等である。
【0064】
図13は、第2の実施の形態における在庫データベース510に含まれる情報の一例を示す図である。在庫データベース510には、例えば、部品在庫情報と、調達予測数情報とが含まれる。部品在庫情報および調達予測数情報は、例えば、空気調和機100に含まれる部品が動作する条件が異なる設置地域ごとに作成される。設置地域は、例えば、天候等の室外機10の周囲温度などの空気調和機100が動作する条件が異なる地域であるが、これに限定されない。部品在庫情報および調達予測数情報は、ビルまたは店舗用の空気調和機100と家庭用の空気調和機100とのように空気調和機100の設置条件ごとに作成されてよい。部品在庫情報および調達予測数情報は、例えば、部品を調達する業務を担当するサービスステーションごとに作成されてよい。
【0065】
部品在庫情報は、例えば、機種IDと、部品IDと、在庫数情報とが対応付けられた情報である。機種は、例えば寒冷地対応機種などである。部品IDは、例えば、図6に示した部品動作データおよび部品関連情報に含まれる部品IDに対応付けられた情報である。在庫数情報は、例えば設置地域またはサービスステーションにおける部品在庫数である。調達予測数情報は、将来において調達する必要があることを予測する部品数量を示す情報である。調達予測数情報には、例えば、機種IDおよび部品IDに対応付けられた1ヶ月後の調達予測数、2ヶ月後の調達予測数、および3ヶ月後の調達予測数が含まれる。
【0066】
部品在庫管理装置500は、データサーバ装置200から部品寿命情報のうち部品に残存する寿命を示す情報を収集し、調達予測数情報を更新する。部品に残存する寿命を示す情報は、データサーバ装置200による部品寿命の診断結果である。診断結果は、部品IDのみならず、部品が動作する条件ごとの部品の積算値、および当該部品IDに対応した部品の設置地域情報を含む。これにより部品在庫管理装置500は、設置地域情報に基づいて設置地域に対応した調達予測数情報を更新することができる。
【0067】
部品在庫管理装置500は、例えば、部品A1に対応した数量情報が「5」であり、部品A1に対応した1ヶ月後の調達予測数が「10」であり、部品A1を調達するために必要な期間が1ヶ月である場合、アラートを通知する。部品在庫管理装置500は、例えば、発注端末600に、1ヶ月後に部品A1の数量が在庫切れになる可能性があることを表示させるためのアラート情報を発注端末600に送信する。これにより部品在庫管理装置500は、発注組織に、調達が必要な部品を事前に把握させることができ、事前に部品A1を調達させることができる。さらに、部品在庫管理装置500は、サービスステーションに、部品の発注がされるよりも前に在庫切れになる可能性がある部品を配置させることができる。
【0068】
さらに、部品在庫管理装置500は、暖房運転または冷房運転が開始される時期または場所などの空気調和機100が頻繁に使用される時期または場所に、先行して部品を手配してよい。部品在庫管理装置500は、例えば寒冷地において、部品が動作する条件としての室外機10周囲の外気温度が0度以下に対応した圧縮機12の積算時間から診断した寿命に基づいて、暖房運転が開始される時期より前に、発注端末600に圧縮機12を発注させることができる。
【0069】
以上のように第2の実施の形態の部品在庫管理システムによれば、データサーバ装置200により空気調和機100に含まれる部品が動作する条件ごとに部品の積算値を更新し、部品在庫管理装置500により、更新された条件ごとの部品の積算値に基づいて部品の寿命を診断した結果を収集する。部品在庫管理装置500は、診断結果に基づいて、条件ごとに将来において調達する必要があることを予測する部品数量を示す調達予測数情報を更新してアラート情報を送信する。これにより部品在庫管理装置500は、空気調和機100に含まれる部品が動作する条件によって寿命となる部品について、部品の寿命が到来する前に部品を先行して発注させることができる。
【0070】
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。上述の実施の形態において説明した各構成は、任意に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0071】
10…室外機、11…筐体、12…圧縮機、13…熱交換器、14…流量調整弁、15…送風機、16…四方弁、17…制御部、17a…記憶部、18…循環経路部、19…冷媒、20…室内機、21…筐体、22…熱交換器、23…送風機、24…制御部、24a…記憶部、30…通信装置、100…空気調和機、110…操作部、120…情報処理端末、130…制御部、132…データ取得部、134…処理部、136…記憶部、138…外部通信部、140…宅内通信部、150…外部通信部、152…宅内通信部、200…データサーバ装置、210…データ収集部、220…診断部、230…通知部、240…蓄積部、250…学習データ記憶部、252…学習処理部、254…予測部、300…オーナー用端末装置、400…メンテナンス業者用端末装置、500…部品在庫管理装置、510…在庫データベース
図1
図2
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図5
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図11
図12
図13