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特許7686144熱交換ユニット、および冷凍サイクル装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-22
(45)【発行日】2025-05-30
(54)【発明の名称】熱交換ユニット、および冷凍サイクル装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/22 20110101AFI20250523BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20250523BHJP
【FI】
F24F1/22
F24F1/0007 401E
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024509632
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(86)【国際出願番号】 JP2022014259
(87)【国際公開番号】W WO2023181327
(87)【国際公開日】2023-09-28
【審査請求日】2024-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】澤田 憲成
(72)【発明者】
【氏名】長岐 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】石木 夏実
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-189582(JP,U)
【文献】実開昭53-097845(JP,U)
【文献】特開2004-170055(JP,A)
【文献】実開昭60-173874(JP,U)
【文献】特開2004-333024(JP,A)
【文献】中国実用新案第208487750(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0007
F24F 1/22
F24F 13/20
F25B 49/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍サイクル装置の熱交換ユニットであって、
筐体と、
前記筐体の内部に収容された熱交換器と、
前記筐体の内部に収容された送風機と、
前記筐体の内部に収容された電気品箱と、
を備え、
前記電気品箱は、
第1方向における第1側に開口する開口部を有する箱状の電気品箱本体と、
前記電気品箱本体に固定され、前記開口部を塞ぐ蓋体と、
を有し、
前記開口部の縁には、前記第1方向に弾性変形可能な弾性変形部が形成され、
前記弾性変形部は、前記第1方向における前記第1側と逆側の第2側に弾性変形した状態で前記蓋体に直接的または間接的に接触しており、前記蓋体に対して前記第1側向きの力を加えており、
前記弾性変形部は、
前記開口部の縁から前記第1方向と交差する方向に突出し、前記蓋体に対して前記第1側向きの力を加える板バネ部と、
前記板バネ部が突出する方向における前記板バネ部の先端部に繋がり、前記板バネ部に対して前記第2側に折り曲げられた折曲部と、
を有する、熱交換ユニット。
【請求項2】
前記弾性変形部と前記蓋体との前記第1方向の間には、シール材が設けられ、
前記弾性変形部は、前記シール材を前記蓋体に押し付けている、請求項1に記載の熱交換ユニット。
【請求項3】
前記弾性変形部は、前記開口部の縁から前記第1方向と交差する第2方向に突出しており、
前記弾性変形部の前記第2方向の先端部は、前記第1方向に見て、前記シール材と重なる位置に配置されている、請求項2に記載の熱交換ユニット。
【請求項4】
前記弾性変形部の前記第2方向の先端部は、丸みを帯びている、請求項3に記載の熱交換ユニット。
【請求項5】
前記弾性変形部の前記第2方向の先端部は、前記シール材の前記第2方向の両端部から前記第2方向に離れて位置する、請求項4に記載の熱交換ユニット。
【請求項6】
前記弾性変形部は、前記蓋体に対して前記第1側向きの力を加える平面部を有する、請求項1からのいずれか一項に記載の熱交換ユニット。
【請求項7】
前記弾性変形部は、前記開口部の縁から前記第1側に凸となる曲線状に延びる曲線部を有し、
前記曲線部は、前記蓋体に対して前記第1側向きの力を加えている、請求項1からのいずれか一項に記載の熱交換ユニット。
【請求項8】
室外機と、
室内機と、
を備え、
前記室外機または前記室内機は、請求項1からのいずれか一項に記載の熱交換ユニットである、冷凍サイクル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱交換ユニット、および冷凍サイクル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に示すように、ケース本体(電気品箱本体)とケース蓋(蓋体)との間をシールするシール材が設けられた電装品ユニットを備える空気調和装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-220824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような電装品ユニットにおいては、シール材が経年により劣化した場合、およびケース蓋がケース本体に対して複数回開閉された場合などに、ケース本体とケース蓋との間に隙間が生じ、電装品ユニットのケース(電気品箱)の密閉性が損なわれる恐れがあった。
【0005】
本開示は、上記のような事情に鑑みて、電気品箱の密閉性が損なわれることを抑制できる構造を有する熱交換ユニット、およびそのような熱交換ユニットを備える冷凍サイクル装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る熱交換ユニットの一つの態様は、冷凍サイクル装置の熱交換ユニットであって、筐体と、前記筐体の内部に収容された熱交換器と、前記筐体の内部に収容された送風機と、前記筐体の内部に収容された電気品箱と、を備え、前記電気品箱は、第1方向における第1側に開口する開口部を有する箱状の電気品箱本体と、前記電気品箱本体に固定され、前記開口部を塞ぐ蓋体と、を有し、前記開口部の縁には、前記第1方向に弾性変形可能な弾性変形部が形成され、前記弾性変形部は、前記第1方向における前記第1側と逆側の第2側に弾性変形した状態で前記蓋体に直接的または間接的に接触しており、前記蓋体に対して前記第1側向きの力を加えており、前記弾性変形部は、前記開口部の縁から前記第1方向と交差する方向に突出し、前記蓋体に対して前記第1側向きの力を加える板バネ部と、前記板バネ部が突出する方向における前記板バネ部の先端部に繋がり、前記板バネ部に対して前記第2側に折り曲げられた折曲部と、を有する。
【0007】
本開示に係る冷凍サイクル装置の一つの態様は、室外機と、室内機と、を備え、前記室外機または前記室内機は、上記の熱交換ユニットである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、冷凍サイクル装置の熱交換ユニットにおいて、電気品箱の密閉性が損なわれることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1における冷凍サイクル装置の概略構成を示す模式図である。
図2】実施の形態1における室外機の一部を示す斜視図である。
図3】実施の形態1における電気品箱を示す分解斜視図である。
図4】実施の形態1における電気品箱本体と電気品箱本体に固定された各部品とを示す分解斜視図である。
図5】実施の形態1における電気品箱本体と第1電気部品とを示す斜視図である。
図6】実施の形態1における電気品箱の一部を示す断面図であって、図2におけるVI-VI断面図である。
図7】実施の形態1における蓋体を示す斜視図である。
図8】実施の形態1における電気品箱本体の一部を示す斜視図である。
図9】実施の形態1における電気品箱の一部を示す分解断面図である。
図10】実施の形態2における電気品箱の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。なお、本開示の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数などを、実際の構造における縮尺および数などと異ならせる場合がある。
【0011】
また、図面には、適宜、X軸、Y軸、およびZ軸を示している。X軸は、水平方向のうちの一方向を示している。Y軸は、水平方向のうちの他の一方向を示している。Z軸は、鉛直方向を示している。以下の説明においては、X軸に沿った水平方向を“前後方向X”と呼び、Y軸に沿った水平方向を“左右方向Y”と呼び、Z軸に沿った鉛直方向を“鉛直方向Z”と呼ぶ。前後方向X、左右方向Y、および鉛直方向Zは、互いに直交する方向である。以下の説明においては、鉛直方向ZのうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)を上側とし、鉛直方向ZのうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)を下側とする。また、前後方向XのうちX軸の矢印が向く側(+X側)を前側とし、前後方向XのうちX軸の矢印が向く側と逆側(-X側)を後側とする。また、左右方向Yは、以下の実施の形態の室外機10を前側(+X側)から見た場合における左右方向とする。つまり、左右方向YのうちY軸の矢印が向く側(+Y側)を右側とし、左右方向YのうちY軸の矢印が向く側と逆側(-Y側)を左側とする。
【0012】
なお、以下の実施の形態において、鉛直方向Zは、“第1方向”に相当する。上側は、第1方向における“第1側”に相当する。下側は、第1方向における第1側と逆側の“第2側”に相当する。
【0013】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における冷凍サイクル装置100の概略構成を示す模式図である。冷凍サイクル装置100は、冷媒19が循環する冷凍サイクルを利用する装置である。実施の形態1において冷凍サイクル装置100は、空気調和機である。図1に示すように、冷凍サイクル装置100は、室外機10と、室内機20と、循環経路部18と、を備える。室外機10は、室外に配置されている。室内機20は、室内に配置されている。室外機10と室内機20とは、冷媒19が循環する循環経路部18によって互いに接続されている。室外機10および室内機20は、空気との間で熱交換を行う熱交換ユニットである。
【0014】
冷凍サイクル装置100は、循環経路部18内を流れる冷媒19と室内機20が配置された室内の空気との間で熱交換を行うことによって、室内の空気の温度を調整可能である。冷媒19としては、例えば、地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)が低いフッ素系冷媒、または炭化水素系冷媒などが挙げられる。ガス状の場合における冷媒19の密度は、空気の密度よりも大きい。ここで、地球温暖化係数が低いフッ素系冷媒は、例えばHFC32であり、炭化水素系冷媒は、例えばR290(プロパン)である。当該フッ素系冷媒および当該炭化水素系冷媒は、どちらも可燃性冷媒である。
【0015】
室外機10は、筐体11と、圧縮機12と、熱交換器13と、流量調整弁14と、送風機15と、四方弁16と、冷媒配管18aと、制御ユニット30と、を備える。筐体11の内部には、圧縮機12、熱交換器13、流量調整弁14、送風機15、四方弁16、冷媒配管18a、および制御ユニット30が収容されている。
【0016】
圧縮機12と熱交換器13と流量調整弁14と四方弁16とは、循環経路部18のうち筐体11の内部に位置する部分に設けられている。圧縮機12と熱交換器13と流量調整弁14と四方弁16とは、循環経路部18のうち筐体11の内部に位置する部分によって接続されている。
【0017】
四方弁16は、循環経路部18のうち圧縮機12の吐出側に繋がる部分に設けられている。四方弁16は、循環経路部18の一部の経路を切り替えることで、循環経路部18内を流れる冷媒19の向きを反転させることができる。四方弁16によって繋がれる経路が図1の四方弁16に実線で示す経路である場合、冷媒19は、循環経路部18内を図1に実線の矢印で示す向きに流れる。一方、四方弁16によって繋がれる経路が図1の四方弁16に破線で示す経路である場合、冷媒19は、循環経路部18内を図1に破線の矢印で示す向きに流れる。
【0018】
冷媒配管18aは、循環経路部18の一部を構成する配管である。冷媒配管18aは、室内機20から延びる配管に接続されている。冷媒配管18aは、室外機10の筐体11内に複数設けられている。
【0019】
室内機20は、筐体21と、熱交換器22と、送風機23と、制御部24と、を備える。筐体21は、熱交換器22、送風機23、および制御部24を内部に収容している。室内機20は、室内機20が配置された室内の空気を冷やす冷房運転と、室内機20が配置された室内の空気を暖める暖房運転とが可能である。
【0020】
室内機20が冷房運転される場合、循環経路部18内を流れる冷媒19は、図1に実線の矢印で示す向きに流れる。つまり、室内機20が冷房運転される場合、循環経路部18内を流れる冷媒19は、圧縮機12、室外機10の熱交換器13、流量調整弁14、および室内機20の熱交換器22をこの順に通って圧縮機12に戻るように循環する。冷房運転において、室外機10内の熱交換器13は凝縮器として機能し、室内機20内の熱交換器22は蒸発器として機能する。
【0021】
一方、室内機20が暖房運転される場合、循環経路部18内を流れる冷媒19は、図1に破線で示す向きに流れる。つまり、室内機20が暖房運転される場合、循環経路部18内を流れる冷媒19は、圧縮機12、室内機20の熱交換器22、流量調整弁14、および室外機10の熱交換器13をこの順に通って圧縮機12に戻るように循環する。暖房運転において、室外機10内の熱交換器13は蒸発器として機能し、室内機20内の熱交換器22は凝縮器として機能する。
【0022】
次に、室外機10について、さらに詳細に説明する。図2は、室外機10の一部を示す斜視図である。図2に示すように、筐体11は、仕切部材11cによって互いに仕切られた送風機室11aと機械室11bとを有する。仕切部材11cは、鉛直方向Zに延びている。仕切部材11cは、板面が左右方向Yを向く略長方形板状である。仕切部材11cの上端部は、筐体11の図示しない天面パネルから下側に離れて配置されている。図示しない天面パネルは、筐体11を構成する壁部のうち上側に位置する壁部である。
【0023】
送風機室11aと機械室11bとは、左右方向Yに隣り合って配置されている。送風機室11aの左右方向Yの寸法は、機械室11bの左右方向Yの寸法よりも大きい。送風機室11aは、機械室11bの左側に位置する。送風機室11aの内部には、熱交換器13および送風機15が配置されている。実施の形態1において熱交換器13は、鉛直方向Zに見て、略L字形状である。熱交換器13は、鉛直方向Zに見て左右方向Yに延びる第1部分13aと、鉛直方向Zに見て第1部分13aの左側の端部から前側(+X側)に延びる第2部分13bと、を有する。第1部分13aは、送風機室11a内の後端部に配置されている。第1部分13aの右端部は、機械室11b内に露出している。第1部分13aの右端部には、機械室11b内に配置された冷媒配管18aが接続されている。これにより、冷媒配管18aは、熱交換器13に繋がっている。第2部分13bは、送風機室11a内の左端部に配置されている。送風機室11a内において、送風機15は、熱交換器13における第1部分13aの前側、かつ、熱交換器13における第2部分13bの右側に位置する。
【0024】
送風機15が駆動すると、送風機室11aの後側(-X側)の壁部に設けられた図示しない吸込口から空気が送風機室11a内に吸い込まれる。送風機室11a内に吸い込まれた空気は、熱交換器13を通過して、送風機室11aの前側(+X側)の壁部に設けられた図示しない吹出口から筐体11の外部に吹き出される。このようにして、送風機15は、熱交換器13に空気を送る。
【0025】
機械室11bの内部には、圧縮機12が配置されている。圧縮機12は、機械室11bの内部のうち下側部分に配置されている。圧縮機12は、鉛直方向Zに延びる略円柱状である。図1に示すように、機械室11bの内部には、複数の冷媒配管18aが配置されている。
【0026】
制御ユニット30は、室外機10の各部を制御する。制御ユニット30は、例えば、冷凍サイクル装置100全体の制御を統括するシステム制御部である。図2に示すように、制御ユニット30は、送風機室11aの内部と機械室11bの内部とに跨って配置されている。制御ユニット30は、左右方向Yに延びている。制御ユニット30は、電気品箱40と、第1電気部品70と、連結部31と、壁部材50と、保持部材60と、第2電気部品73,74と、を有する。
【0027】
電気品箱40は、左右方向Yに長い箱状である。電気品箱40は、筐体11の内部に収容されている。実施の形態1において電気品箱40は、送風機室11aの内部に配置されている。電気品箱40は、送風機室11aの内部において、送風機15の上側に離れて位置する。電気品箱40は、送風機室11aの内部における上端部に位置する。電気品箱40は、筐体11に固定されている。電気品箱40の右側の端部は、仕切部材11cよりも左側に離れて位置する。実施の形態1において電気品箱40は、金属製である。電気品箱40は、例えば、板金にプレス加工を施すことによって作られている。
【0028】
図3は、電気品箱40を示す分解斜視図である。図3に示すように、電気品箱40は、電気品箱本体41と、蓋体42と、を有する。電気品箱本体41は、上側に開口する開口部41hを有する箱状の部材である。開口部41hは、前後方向Xに延びる一対の辺と左右方向Yに延びる一対の辺とを有する長方形状である。開口部41hは、左右方向Yに延びている。
【0029】
電気品箱本体41の底壁部41aは、鉛直方向Zと直交する平面(XY平面)に対して前後方向Xに傾斜する傾斜壁部41bを有する。傾斜壁部41bは、後側(-X側)に向かうに従って上側に位置する。傾斜壁部41bは、底壁部41aの後側部分を構成している。傾斜壁部41bの後側の端部は、底壁部41aの後側の端部である。底壁部41aは、電気品箱本体41を構成する壁部のうち下側に位置する壁部である。
【0030】
図4は、電気品箱本体41と電気品箱本体41に固定された各部品とを示す分解斜視図である。図4に示すように、傾斜壁部41bには、矩形状の貫通穴41fが形成されている。貫通穴41fは、傾斜壁部41bのうち右側(+Y側)の部分に形成されている。
【0031】
図3に示すように、傾斜壁部41bのうち電気品箱本体41の内部に面する内面には、第1電気部品70が固定されている。第1電気部品70は、電気品箱40の内部に収容されている。第1電気部品70は、基板71と、基板71に取り付けられた複数の電気部品72と、を有する。基板71は、板面が上側かつ前側(+X側)を向く長方形板状である。基板71は、室外機10を制御する制御回路が搭載された制御基板である。複数の電気部品72は、基板71の上側の面に取り付けられている。複数の電気部品72は、室外機10の各部の制御を行うマイクロコンピュータ、および基板71に搭載された制御回路の一部の接続状態を切り替えるスイッチ部品などを含む。
【0032】
実施の形態1において基板71は、基板保持部材47を介して傾斜壁部41bに固定されている。図4に示すように、基板保持部材47は、基板71を下側から支持する樹脂ケース47aと、樹脂ケース47aとの間で基板71の外縁部を挟む枠状の樹脂ホルダ47bと、を有する。樹脂ホルダ47bは、複数のボルト92によって樹脂ケース47aに固定されている。樹脂ケース47aは、複数のボルト93によって傾斜壁部41bに固定されている。複数のボルト93は、電気品箱40の外部から、傾斜壁部41bのうち貫通穴41fの周縁部に形成されたボルト穴に通されて樹脂ケース47aに締め込まれている。
【0033】
樹脂ケース47aと傾斜壁部41bとの間には、長方形枠状の枠状シール部材82が設けられている。枠状シール部材82は、樹脂ケース47aと傾斜壁部41bとの間をシールしている。枠状シール部材82は、傾斜壁部41bが傾斜する方向に延びる一対の第1シール材82aと、左右方向Yに延びる一対の第2シール材82bと、が長方形枠状に組み合わされて構成されている。一対の第1シール材82aおよび一対の第2シール材82bには、樹脂ケース47aを傾斜壁部41bに固定するボルト93が通される穴が形成されている。枠状シール部材82は、弾性変形可能である。枠状シール部材82を構成する材料は、例えば、ウレタン、およびEPDM(Ethylene Propylene Diene Methylene)材(エチレンプロピレンジエンゴム)などである。
【0034】
樹脂ケース47aの下側の面には、複数のボルト91によってヒートシンク48が取り付けられている。ヒートシンク48は、傾斜壁部41bに形成された貫通穴41fを介して電気品箱40の外部に突出している。ヒートシンク48は、基部48aと、基部48aから下側かつ後側(-X側)に突出する複数のフィン48bと、基部48aから左右方向Yの両側に突出する一対のフランジ部48cと、を有する。基部48aは、樹脂ケース47aに形成された貫通穴47cを介して、基板71に取り付けられた電気部品72のうち発熱する部品に接触している。基部48aは、傾斜壁部41bに形成された貫通穴41fを電気品箱本体41の内部から塞いでいる。一対のフランジ部48cは、複数のボルト91によって樹脂ケース47aに固定されている。
【0035】
複数のフィン48bは、板面が左右方向Yを向く長方形板状である。複数のフィン48bは、左右方向Yに間隔を空けて並んで配置されている。複数のフィン48bは、傾斜壁部41bに形成された貫通穴41fから下側かつ後側(-X側)に、電気品箱40の外部に突出している。実施の形態1では、ヒートシンク48が樹脂ケース47aを介して傾斜壁部41bに取り付けられることで、複数のフィン48bが鉛直方向Zに対して前後方向Xに傾斜する方向に突出している。これにより、複数のフィン48bによって、送風機15によって生じる空気の流れが阻害されにくくできる。送風機15によって送られる空気が複数のフィン48bに接触することで、第1電気部品70に生じる熱を複数のフィン48bから空気に放出できる。これにより、第1電気部品70を冷却できる。
【0036】
樹脂ケース47aとヒートシンク48との間には、枠状シール部材81が設けられている。枠状シール部材81は、樹脂ケース47aとヒートシンク48との間をシールしている。枠状シール部材81は、傾斜壁部41bが傾斜する方向に延びる一対の第1シール材81aと、左右方向Yに延びる一対の第2シール材81bと、が長方形枠状に組み合わされて構成されている。枠状シール部材81は、弾性変形可能である。枠状シール部材81を構成する材料は、例えば、ウレタン、およびEPDM(Ethylene Propylene Diene Methylene)材(エチレンプロピレンジエンゴム)などである。
【0037】
枠状シール部材81と枠状シール部材82とによって、傾斜壁部41bに形成された貫通穴41fが密閉されている。これにより、貫通穴41fから電気品箱40の内部に冷媒19が侵入することが抑制されている。なお、第1電気部品70、基板保持部材47、およびヒートシンク48は、電気品箱本体41に固定された後には、取り外されることが少ない。そのため、枠状シール部材81および枠状シール部材82が劣化しにくく、貫通穴41fの密閉性が損なわれにくい。
【0038】
図5は、電気品箱本体41と第1電気部品70とを示す斜視図である。図5に示すように、電気品箱本体41の開口部41hの縁には、弾性変形部43,44,45,46が形成されている。弾性変形部43,44,45,46は、鉛直方向Zに弾性変形可能な部分である。実施の形態1において弾性変形部43,44,45,46は、板金にプレス加工が施されて形成されている。弾性変形部43,44,45,46は、電気品箱本体41と一体に成形されている。
【0039】
弾性変形部43は、長方形状の開口部41hの縁のうち後側(-X側)に位置する縁に形成されている。弾性変形部44は、長方形状の開口部41hの縁のうち前側(+X側)に位置する縁に形成されている。弾性変形部45は、長方形状の開口部41hの縁のうち左側(-Y側)に位置する縁に形成されている。弾性変形部46は、長方形状の開口部41hの縁のうち右側(+Y側)に位置する縁に形成されている。
【0040】
弾性変形部43および弾性変形部44は、左右方向Yに延びている。弾性変形部45および弾性変形部46は、前後方向Xに延びている。各弾性変形部43,44,45,46は、長方形状の開口部41hを形成する各縁のそれぞれのほぼ全体に亘って形成されている。弾性変形部43,44,45,46については、後段において詳述する。
【0041】
電気品箱本体41には、フランジ部41c,41d,41eが設けられている。フランジ部41cは、電気品箱本体41の後側(-X側)の面における上端部から後側に突出している。フランジ部41dは、電気品箱本体41の前側(+X側)の面の上端部から前側に突出している。フランジ部41eは、弾性変形部45の左側の端部(-Y側)から左側に突出している。フランジ部41cおよびフランジ部41dは、左右方向Yに延びる細長の長方形板状である。フランジ部41eは、前後方向Xに延びる細長の長方形板状である。フランジ部41c,41d,41eの板面は、鉛直方向Zを向いている。フランジ部41c,41dは、電気品箱本体41に固定された別部材の一部によって形成されている。フランジ部41c,41dを形成する当該別部材は、左右方向Yに見てL字形状の板金部材である。フランジ部41eは、弾性変形部45と一体に成形されている。
【0042】
図6は、電気品箱40の一部を示す断面図であって、図2におけるVI-VI断面図である。図6に示すように、蓋体42は、電気品箱本体41の上側に位置する。蓋体42は、電気品箱本体41に固定されている。蓋体42は、電気品箱本体41の開口部41hを塞いでいる。図3に示すように、蓋体42は、天板部42aと、枠部42bと、フランジ部42c,42d,42eと、を有する。天板部42aは、左右方向Yに長い長方形板状である。天板部42aの板面は、鉛直方向Zを向いている。枠部42bは、天板部42aの外周縁部から下側に突出している。枠部42bは、前後方向Xに延びる一対の辺と左右方向Yに延びる一対の辺とを有する長方形枠状である。枠部42bの内側には、電気品箱本体41の上端部が嵌め合わされる。
【0043】
フランジ部42cは、枠部42bのうち後側(-X側)に位置する部分の下端部から後側に突出している。フランジ部42dは、枠部42bのうち前側(+X側)に位置する部分の下端部から前側に突出している。フランジ部42eは、枠部42bのうち左側(-Y側)に位置する部分の下端部から左側に突出している。フランジ部42cおよびフランジ部42dは、左右方向Yに延びる細長の長方形板状である。フランジ部42eは、前後方向Xに延びる細長の長方形板状である。フランジ部42c,42d,42eの板面は、鉛直方向Zを向いている。
【0044】
図6に示すように、フランジ部42cは、電気品箱本体41に設けられたフランジ部41cの上側に重ねて配置されている。フランジ部42dは、電気品箱本体41に設けられたフランジ部41dの上側に重ねて配置されている。フランジ部42eは、電気品箱本体41に設けられたフランジ部41eの上側に重ねて配置されている。図3に示すように、フランジ部42cは、3つの締結部材90によってフランジ部41cに固定されている。フランジ部42dは、3つの締結部材90によってフランジ部41dに固定されている。フランジ部42eは、2つの締結部材90によってフランジ部41eに固定されている。各フランジ部42c,42d,42eを固定する複数の締結部材90によって蓋体42は、電気品箱本体41に固定されている。実施の形態1において締結部材90は、タッピンネジである。
【0045】
図7は、蓋体42を示す斜視図である。図7に示すように、蓋体42の天板部42aの下面には、枠状シール部材80が固定されている。枠状シール部材80は、左右方向Yに長い長方形枠状である。枠状シール部材80は、天板部42aの下面における外周縁部に一周に亘って固定されている。枠状シール部材80は、例えば、接着剤により天板部42aの下面に接着されている。枠状シール部材80は、蓋体42の枠部42bの内側に嵌め合わされている。枠状シール部材80は、弾性変形部43,44,45,46と蓋体42との間をシールしている。実施の形態1において枠状シール部材80は、左右方向Yに延びる一対のシール材80a,80bと、前後方向Xに延びる一対のシール材80c,80dと、が長方形枠状に組み合わされて構成されている。シール材80aは、枠状シール部材80のうち後側(-X側)に位置する部分を構成している。シール材80bは、枠状シール部材80のうち前側(+X側)に位置する部分を構成している。シール材80cは、枠状シール部材80のうち左側(-Y側)に位置する部分を構成している。シール材80dは、枠状シール部材80のうち右側(+Y側)に位置する部分を構成している。枠状シール部材80は、弾性変形可能である。枠状シール部材80の各シール材80a,80b,80c,80dを構成する材料は、例えば、ウレタン、およびEPDM(Ethylene Propylene Diene Methylene)材(エチレンプロピレンジエンゴム)などである。
【0046】
次に、弾性変形部43,44,45,46についてさらに詳細に説明する。なお、以下の説明においては、弾性変形部43,44,45,46のうち弾性変形部43について代表して説明し、弾性変形部44,45,46については弾性変形部43と同様の構成について説明を省略する場合がある。
【0047】
図8は、電気品箱本体41の一部を示す斜視図であり、図5の部分拡大図である。図9は、電気品箱40の一部を示す分解断面図である。図5図8、および図9では、電気品箱本体41に蓋体42が固定されておらず、弾性変形部43が弾性変形していない状態を示している。図6では、電気品箱本体41に蓋体42が固定され、弾性変形部43が弾性変形している状態を示している。なお、以下の説明において、特に断りのない場合には、弾性変形部43の説明は、電気品箱本体41に蓋体42が固定された状態、つまり弾性変形部43が弾性変形している状態についての説明であるものとする。
【0048】
図6図8、および図9に示すように、弾性変形部43は、上側から見て、開口部41hの縁から開口部41hの内側に向かう向きに突出している。弾性変形部43は、開口部41hの縁から前側(+X側)に突出している。図8および図9に示すように、電気品箱本体41に蓋体42が固定されておらず弾性変形していない状態において、弾性変形部43は、開口部41hの縁から前後方向Xに対して鉛直方向Zに傾く方向に延びている。弾性変形していない状態において弾性変形部43は、開口部41hの縁から、前側に向かうに従って上側に位置する向きに突出している。つまり、弾性変形していない状態において弾性変形部43は、開口部41hの縁から前後方向Xに離れるに従って開口部41hから鉛直方向Zにも離れている。弾性変形部43が弾性変形していない状態において、前後方向Xに対する弾性変形部43が突出する方向の傾きθは、例えば、5°以上、30°以下程度である。図6に示すように、実施の形態1において弾性変形部43は、電気品箱本体41に蓋体42が固定された状態において、開口部41hの縁から前後方向Xに、シール材80aの下面に沿って突出している。
【0049】
実施の形態1において弾性変形部43は、下側に弾性変形した状態で蓋体42に間接的に接触している。なお、本開示において“或る対象が他の対象に間接的に接触している”とは、或る対象が他の対象との間で別の部材を挟んで配置され、当該別の部材が或る対象と他の対象とに接触していることを意味する。実施の形態1では、弾性変形部43は蓋体42の天板部42aとの鉛直方向Zの間で枠状シール部材80のシール材80aを挟んで配置され、シール材80aは天板部42aと弾性変形部43とに接触している。これにより、弾性変形部43は、シール材80aを介して、蓋体42に間接的に接触している。
【0050】
弾性変形部43は、シール材80aの下面に接触している。弾性変形部43は、シール材80aに対して上側向きの力Fを加えている。これにより、弾性変形部43は、シール材80aを蓋体42に押し付けている。より詳細には、弾性変形部43は、シール材80aを天板部42aの下面に押し付けている。弾性変形部43は、シール材80aに対して上側向きの力Fを加えることで、蓋体42に対して上側向きの力Fを加えている。
【0051】
弾性変形部43は、板バネ部43aと、折曲部43bと、を有する。板バネ部43aは、開口部41hの縁から前後方向Xに突出している。図8に示すように、板バネ部43aは、左右方向Yに延びる長方形板状である。図6に示すように、板バネ部43aの上側の板面は、シール材80aの下面に接触している。これにより、板バネ部43aは、シール材80aを介して蓋体42と間接的に接触している。板バネ部43aは、開口部41hの縁を支点として鉛直方向Zに弾性変形可能である。板バネ部43aは、シール材80aを介して、蓋体42に対して上側向きの力Fを加えている。
【0052】
板バネ部43aの上側の板面は、平面部43dである。平面部43dは、蓋体42にシール材80aを介して間接的に接触している。実施の形態1では、電気品箱本体41に蓋体42が固定された状態において、平面部43dは、鉛直方向Zと直交する平面である。平面部43dは、シール材80aを介して、蓋体42に対して上側向きの力Fを加えている。図9に示すように、電気品箱本体41に蓋体42が固定された状態において、平面部43dは、鉛直方向Zと直交する平面(XY平面)に対して傾きθで傾いた傾斜面となっている。
【0053】
図6に示すように、折曲部43bは、板バネ部43aの前後方向Xの先端部に繋がっている。実施の形態1において折曲部43bは、板バネ部43aの前側(+X側)の端部に繋がっている。折曲部43bは、板バネ部43aに対して下側に折り曲げられている。なお、“折曲部43bが板バネ部43aに対して下側に折り曲げられている”とは、折曲部43bが板バネ部43aよりも下側に位置するように板バネ部43aに対して折り曲げられていればよい。実施の形態1において折曲部43bは、板バネ部43aの先端部から下側に折り曲げられ後側(-X側)に折り返されている。折曲部43bは、板バネ部43aの下側に位置する。折曲部43bと板バネ部43aとの鉛直方向Zの間には隙間が設けられている。折曲部43bは、板バネ部43aよりも蓋体42の天板部42aから下側に離れて配置されている。
【0054】
板バネ部43aと折曲部43bとの接続部分43cは、丸みを帯びている。接続部分43cは、左右方向Yに見て、前側(+X側)に凸となる円弧状である。接続部分43cは、弾性変形部43の前後方向Xの先端部である。接続部分43cは、弾性変形部43の前側の端部である。接続部分43cは、鉛直方向Zに見て、シール材80aと重なる位置に配置されている。接続部分43cは、弾性変形部43が接触するシール材80aの前後方向Xの両端部から前後方向Xに離れて位置する。接続部分43cは、枠状シール部材80の内縁よりも後側(-X側)に離れて位置する。接続部分43cは、鉛直方向Zに見て、枠状シール部材80の内縁と枠状シール部材80の外縁との間に位置する。
【0055】
図9に示すように、弾性変形していない状態における弾性変形部43の上端部と開口部41hの縁との間の鉛直方向Zの距離Lは、シール材80aの鉛直方向Zの厚さTよりも大きい。これにより、仮に枠状シール部材80が設けられていなくても、蓋体42を電気品箱本体41に固定することで、天板部42aが弾性変形部43に接触し、弾性変形部43を下側に弾性変形させることができる。
【0056】
弾性変形部44は、弾性変形部43に対して前後方向Xに対称に設けられている点を除いて、弾性変形部43と同様である。弾性変形部44は、シール材80bを蓋体42に押し付けている。図5に示すように、弾性変形部45および弾性変形部46は、上側から見て、開口部41hの縁から開口部41hの外側に向かう向きに突出している。弾性変形部45は、開口部41hの縁から左側(-Y側)に突出している。弾性変形部46は、開口部41hの縁から右側(+Y側)に突出している。弾性変形部45と弾性変形部46とは、左右方向Yに対称に設けられている。弾性変形部45は、シール材80cを蓋体42に押し付けている。弾性変形部46は、シール材80dを蓋体42に押し付けている。
【0057】
なお、実施の形態1において、弾性変形部43,44が開口部41hの縁から突出する前後方向X、および弾性変形部45,46が開口部41hの縁から突出する左右方向Yは、それぞれ第1方向と交差する“第2方向”に相当する。
【0058】
図2に示すように、連結部31は、電気品箱40の上端部から右側に突出している。連結部31は、鉛直方向Zに扁平な略直方体状である。連結部31の右端部は、仕切部材11cの上側に離れて位置する。
【0059】
保持部材60は、機械室11bの内部に配置されている。保持部材60は、連結部31および壁部材50を介して、電気品箱40と固定されている。保持部材60は、第2電気部品73,74を保持する部材である。保持部材60は、第1保持部61と、第2保持部62と、を有する。実施の形態1において第1保持部61と第2保持部62とは、互いに別部材である。第1保持部61および第2保持部62は、板金部材である。第1保持部61と第2保持部62とは、互いに固定されている。第1保持部61には、第2電気部品73が保持されている。第2保持部62には、第2電気部品74が保持されている。
【0060】
第2電気部品73,74は、図示しない配線によって第1電気部品70の基板71と電気的に接続されている。第2電気部品73は、機械室11b内に配置された図示しないセンサが電気的に接続されたセンサ基板である。センサ基板である第2電気部品73には、基板71と異なり、スイッチ部品が実装されていない。第2電気部品74は、複数の配線が接続される端子台である。
【0061】
壁部材50は、仕切部材11cの上側に位置する。壁部材50は、仕切部材11cと筐体11の図示しない天面パネルとの鉛直方向Zの間に位置する。壁部材50は、仕切部材11cと天面パネルとの隙間を塞いでいる。図示は省略するが、壁部材50には、電気品箱40内に収容された第1電気部品70と機械室11b内に配置された部品とを繋ぐ配線が通される穴が形成されている。
【0062】
次に、蓋体42を電気品箱本体41に取り付ける手順について説明する。蓋体42を電気品箱本体41に取り付ける作業者は、図9に示すように、枠状シール部材80が固定された蓋体42を電気品箱本体41に対して上側から近づける。作業者は、蓋体42の各フランジ部42c,42d,42eが電気品箱本体41の各フランジ部41c,41d,41eにそれぞれ接触するまで蓋体42を電気品箱本体41に近づけ、各フランジ部42c,42d,42eを各フランジ部41c,41d,41eに締結部材90で固定する。このとき、各フランジ部42c,42d,42eが各フランジ部41c,41d,41eに接触する前に、枠状シール部材80を構成する各シール材80a,80b,80c,80dが各弾性変形部43,44,45,46にそれぞれ接触する。この状態で蓋体42をさらに電気品箱本体41に近づけると、各弾性変形部43,44,45,46が枠状シール部材80を介して蓋体42の天板部42aに押されて、下側に弾性変形する。そのため、各フランジ部42c,42d,42eを各フランジ部41c,41d,41eに接触させて固定することで、各弾性変形部43,44,45,46が下側に弾性変形した状態で蓋体42を電気品箱本体41に取り付けることができる。
【0063】
実施の形態1によれば、電気品箱本体41の開口部41hの縁には、鉛直方向Zに弾性変形可能な弾性変形部43が形成されている。弾性変形部43は、鉛直方向Zにおける上側と逆側の下側に弾性変形した状態で蓋体42に間接的に接触しており、蓋体42に対して上側向きの力Fを加えている。そのため、電気品箱本体41と蓋体42との間に隙間が生じることを抑制でき、電気品箱40の密閉性が損なわれることを抑制できる。これにより、機械室11b内の冷媒配管18aから漏れた冷媒19が送風機室11a内に流入した場合であっても、当該漏れた冷媒19が電気品箱40内に侵入することを抑制できる。これにより、電気品箱40内に収容された第1電気部品70に対して冷媒19が不具合を及ぼすことなどを抑制できる。なお、機械室11b内に漏れた冷媒19は、例えば、ガス状となっている。
【0064】
特に実施の形態1では、弾性変形部43と蓋体42との鉛直方向Zの間にはシール材80aが設けられ、弾性変形部43はシール材80aを蓋体42に押し付けている。そのため、経年などによりシール材80aに圧縮永久ひずみが生じた場合であっても、シール材80aを弾性変形部43と蓋体42とに密着させた状態を維持することができる。また、シール材80aが蓋体42から剥がれてしまった場合であっても、シール材80aと蓋体42との間に隙間が生じることを抑制できる。これらにより、シール材80aによる電気品箱本体41と蓋体42との間のシールを好適に維持することができる。したがって、電気品箱40の密閉性が損なわれることをより抑制できる。
【0065】
また、実施の形態1によれば、弾性変形部43は、開口部41hの縁から鉛直方向Zと交差する前後方向Xに突出している。弾性変形部43の前後方向Xの先端部、すなわち接続部分43cは、鉛直方向Zに見て、シール材80aと重なる位置に配置されている。そのため、弾性変形部43の接続部分43cが蓋体42の天板部42aに直接的に接触することなどを抑制でき、弾性変形部43を好適にシール材80aに接触させることができる。これにより、弾性変形部43とシール材80aとの間に隙間が生じることなどをより好適に抑制でき、電気品箱40の密閉性が損なわれることをより抑制できる。
【0066】
また、実施の形態1によれば、弾性変形部43の前後方向Xの先端部、すなわち接続部分43cは、丸みを帯びている。ここで、電気品箱本体41に蓋体42が固定されていない状態では、弾性変形部43の接続部分43cは、弾性変形部43の他の部分に比べて上側に位置する。そのため、蓋体42を電気品箱本体41に取り付ける際には、接続部分43cがシール材80aに最初に接触する。このとき、仮に接続部分43cが尖った角を有するような形状である場合、当該角がシール材80aに引っ掛かるなどして弾性変形部43を弾性変形させにくくなる恐れがある。また、当該角によってシール材80aが損傷する恐れもある。これに対して、実施の形態1によれば、接続部分43cが丸みを帯びているため、蓋体42を電気品箱本体41に取り付ける際、接続部分43cがシール材80aに引っ掛かることを抑制できる。これにより、蓋体42を電気品箱本体41に取り付ける際に、弾性変形部43を弾性変形させやすくでき、蓋体42を電気品箱本体41に取り付けやすくできる。また、接続部分43cによってシール材80aが損傷することも抑制でき、電気品箱40の密閉性が損なわれることをより抑制できる。
【0067】
また、実施の形態1によれば、弾性変形部43の前後方向Xの先端部は、シール材80aの前後方向Xの両端部から前後方向Xに離れて位置する。そのため、シール材80aの寸法などにバラつきが生じても、弾性変形部43を好適にシール材80aと接触させることができる。
【0068】
また、実施の形態1によれば、弾性変形部43は、開口部41hの縁から鉛直方向Zと交差する前後方向Xに突出し、蓋体42に対して上側向きの力Fを加える板バネ部43aと、板バネ部43aが突出する方向(前後方向X)における板バネ部43aの先端部に繋がり、板バネ部43aに対して下側に折り曲げられた折曲部43bと、を有する。そのため、弾性変形部43の前後方向Xの先端部、すなわち接続部分43cを、容易に丸みを帯びた形状にすることができる。
【0069】
また、実施の形態1によれば、弾性変形部43は、蓋体42に対して上側向きの力Fを加える平面部43dを有する。そのため、弾性変形部43のうち蓋体42に対して上側向きに力Fを加える部分の面積を大きくすることができ、電気品箱40の密閉性が損なわれることをより抑制しやすい。また、実施の形態1のように平面部43dがシール材80aに接触する構成では、弾性変形部43のうちシール材80aに接触する部分の面積を大きくすることができ、弾性変形部43によって好適にシール材80aを押さえることができる。これにより、電気品箱40の密閉性が損なわれることをより好適に抑制できる。
【0070】
以上に説明した弾性変形部43についての効果は、弾性変形部44,45,46についても同様に得られる。弾性変形部44は、シール材80bを蓋体42に押し付けている。弾性変形部45は、シール材80cを蓋体42に押し付けている。弾性変形部46は、シール材80dを蓋体42に押し付けている。このように、実施の形態1では、4つの弾性変形部43,44,45,46によって、枠状シール部材80を構成する4つの各シール材80a,80b,80c,80dをそれぞれ蓋体42に対して押しつけることができる。これにより、開口部41hの全周に亘って電気品箱40の密閉性が損なわれることを好適に抑制できる。
【0071】
ここで、蓋体42は、第1電気部品70の点検などのために、電気品箱本体41に対して開閉されることが比較的多い。そのため、取り外されることが少ない基板保持部材47およびヒートシンク48などが取り付けられた傾斜壁部41bに形成された貫通穴41fの密閉性に比べて、電気品箱本体41の開口部41hの密閉性は損なわれやすい。実施の形態1では、上述したようにして、弾性変形部43,44,45,46によって蓋体42と電気品箱本体41との間に隙間が生じることを抑制して、開口部41hの密閉性が損なわれることを抑制できるため、蓋体42を電気品箱本体41に対して複数回開閉しても、電気品箱40内に冷媒19が侵入することを好適に抑制できる。一方、基板保持部材47およびヒートシンク48などは取り外されることが少ないため、弾性変形部43,44,45,46のような構造を設けなくても、傾斜壁部41bに形成された貫通穴41fの密閉性は損なわれにくい。このように密閉性が損なわれやすい部分にのみ弾性変形部43,44,45,46のような密閉性を確保できる構造を採用することで、電気品箱40の構造が複雑化することを抑制しつつ、電気品箱40内に冷媒19が侵入することを好適に抑制できる。なお、貫通穴41fをシールする箇所においても、弾性変形部43,44,45,46と同様の構造が採用されてもよい。
【0072】
また、実施の形態1では、電気品箱40は、送風機室11aの内部に配置されている。冷媒19は機械室11bの内部において漏れやすいため、電気品箱40を送風機室11a内に配置することで、電気品箱40に冷媒19が侵入することをより抑制できる。また、上述したように、ガス状の場合における冷媒19の密度は、空気の密度よりも大きい。そのため、電気品箱40を送風機室11a内の上側部分に配置することで、機械室11b内で漏れた冷媒19が送風機室11a内に流入した場合であっても、冷媒19が重力によって下側に流れて、電気品箱40に向かうことが抑制される。したがって、電気品箱40に冷媒19が侵入することをより好適に抑制できる。
【0073】
実施の形態2.
図10は、実施の形態2における電気品箱240の一部を示す断面図である。なお、以下の説明において、上述した実施の形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより、説明を省略する場合がある。
【0074】
図10に示すように、実施の形態2の電気品箱240において、弾性変形部243は、開口部41hの縁から上側に凸となる曲線状に延びる曲線部243eを有する。実施の形態2において弾性変形部243は、曲線部243eからなる。曲線部243eは、左右方向Yに見て、上側に凸となる円弧状である。より詳細には、曲線部243eは、左右方向Yに見て、上側に凸となる略半円弧状である。曲線部243eは、シール材80aの下面に接触している。より詳細には、曲線部243eのうち上側の端部がシール材80aの下面に接触している。曲線部243eは、シール材80aを蓋体42の天板部42aに押し付けている。曲線部243eは、シール材80aを介して蓋体42に対して上側向きの力Fを加えている。
【0075】
実施の形態2においては、弾性変形部243以外の他の弾性変形部についても、弾性変形部243と同様に曲線部を有する。電気品箱240のその他の構成は、実施の形態1における電気品箱40のその他の構成と同様である。
【0076】
実施の形態2によれば、弾性変形部243が曲線部243eを介して蓋体42に上側向きの力Fを加えている。そのため、弾性変形部243のうちシール材80aに接触する部分が、開口部41hの縁から上側に凸となる曲線状に延びる曲線部243eの頂点となる。これにより、蓋体42を電気品箱本体41に取り付ける際に、シール材80aを介して弾性変形部243に加えられる力が真下に向かって掛かりやすい。したがって、蓋体42を電気品箱本体41に取り付ける際、弾性変形部243を弾性変形させるために必要な下側向きの力を小さくできる。そのため、蓋体42を電気品箱本体41に取り付けやすくできる。
【0077】
以上に本開示における実施の形態について説明したが、本開示は上述した実施の形態の構成のみに限定されず、以下の構成および方法を採用することもできる。
【0078】
弾性変形部の形状は、特に限定されない。弾性変形部は、どのように作られていてもよい。弾性変形部は、樹脂製であってもよい。この場合、弾性変形部と電気品箱本体とが樹脂で一体成形されてもよい。弾性変形部の数は、1つ以上であれば、特に限定されない。例えば、上述した実施の形態1において、4つの弾性変形部43,44,45,46のうち一部の弾性変形部が設けられていなくてもよい。弾性変形部は、電気品箱本体の開口部の縁のうち冷媒が侵入する可能性が比較的高い箇所のみに形成されていてもよい。
【0079】
弾性変形部と蓋体との第1方向(鉛直方向Z)の間に設けられるシール材は、弾性変形部と蓋体との間をシールできるならば、どのような材料で構成されるシール材であってもよい。例えば、上述した実施の形態1において、枠状シール部材80は、4つのシール材80a,80b,80c,80dが一体成形され、1つのシール材とされてもよい。弾性変形部と蓋体との第1方向(鉛直方向Z)の間には、シール材が設けられなくてもよい。この場合、弾性変形部が弾性変形した状態で蓋体に直接的に接触することで、蓋体と電気品箱本体との間がシールされる。電気品箱は、熱交換ユニットの筐体の内部のいずれの箇所に配置されていてもよい。例えば、上述した実施の形態1において、電気品箱40は、機械室11bの内部に配置されてもよい。電気品箱本体の開口部が開口する第1方向は、特に限定されず、鉛直方向以外の方向であってもよい。電気品箱本体の開口部の縁から弾性変形部が突出する方向である第2方向は、第1方向と交差する方向であればよく、第1方向と直交する方向でなくてもよい。
【0080】
本開示の熱交換ユニットは、冷凍サイクル装置の室内機であってもよい。本開示の熱交換ユニットが備えられる冷凍サイクル装置は、冷媒が循環する冷凍サイクルを利用する装置であればよく、空気調和機に限られない。冷凍サイクル装置は、ヒートポンプ給湯器などであってもよい。
【0081】
以上、本明細書において説明した各構成および各方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0082】
10…室外機(熱交換ユニット)、11…筐体、13…熱交換器、15…送風機、20…室内機、40,240…電気品箱、41…電気品箱本体、41h…開口部、42…蓋体、43,44,45,46,243…弾性変形部、43a…板バネ部、43b…折曲部、43d…平面部、80a,80b,80c,80d…シール材、100…冷凍サイクル装置、243e…曲線部
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