(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-23
(45)【発行日】2025-06-02
(54)【発明の名称】医療サービスの提供方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20240101AFI20250526BHJP
【FI】
G06Q50/22
(21)【出願番号】P 2025045405
(22)【出願日】2025-03-19
【審査請求日】2025-03-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524408218
【氏名又は名称】金田 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100138221
【氏名又は名称】影山 剛士
(74)【代理人】
【識別番号】100177987
【氏名又は名称】河野上 真緒
(72)【発明者】
【氏名】金田 卓也
【審査官】原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-018178(JP,A)
【文献】国際公開第2023/112483(WO,A1)
【文献】特開2022-106609(JP,A)
【文献】杉山 肇 外,特集 お客様サービス・事業開発 駅を起点とした「スマート健康ステーション」の推進,JREA,日本,一般社団法人日本鉄道技術協会,2024年04月01日,Vol. 67, No. 4,pp. 47832-47835
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 50/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに対して、ユーザが訪問可能なブースに設置されたブース端末を介してオンライン診療を通じた医療サービスを提供する方法であって、
ブランドオーナーのブランドオーナー端末の制御部は、
前記ユーザのブース端末から、ブランドオーナーにより提供される、オンライン診療メニューの中から、所望の診断項目の申込みを受け付け、
サーバ端末の制御部は、
前記ブランドオーナー端末から、前記受け付けた診断項目に関連する情報を受け付け、
前記受け付けた診断項目に関連する情報をクリニック端末に送信し、
前記クリニック端末は、
前記ユーザとのオンライン診療を実行
し、
前記ユーザとのオンライン診療結果に基づいて、前記ユーザに対する請求金額を含む会計情報を、前記ブース端末に対して送信し、
前記請求金額に基づいて、前記ブランドオーナーに対して支払う金額を算出する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記クリニック端末は、前記オンライン診療の結果に基づいて、
前記ユーザの診断情報を生成し、
前記ブース端末に対して診断情報を送信する、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記ブランドオーナー端末は、前記申込みをSNSサーバに転送し、前記サーバ端末の制御部は、前記SNSサーバを介して、前記ユーザから問診情報を取得する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザへのオンライン診療の提供を通じた、医療サービスの提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、ユーザと医師との間で実施されるオンライン診療サービスが普及している。
【0003】
例えば、特許文献1において、ユーザに対するオンライン診療を経て、迅速に薬を提供することが可能な情報処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の技術は、オンライン診療後、ユーザに対してスムーズに薬を提供する方法について開示されているものの、地方に住むユーザや緊急時に医療へのアクセスが限られているユーザ等の、医療に関する課題を抱えるユーザに対して、親しみやすい医療サービスを提供することが期待されている。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザに対し、オンライン診療を通じた、より親しみやすい医療サービスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様における、本発明の一態様における、ユーザが訪問可能なブースに設置されたブース端末を介してオンライン診療を通じた医療サービスを提供する方法であって、ブランドオーナーのブランドオーナー端末の制御部は、前記ユーザのブース端末から、ブランドオーナーにより提供される、オンライン診療メニューの中から、所望の診断項目の申込みを受け付け、サーバ端末の制御部は、前記ブランドオーナー端末から、前記受け付けた診断項目に関連する情報を受け付け、前記受け付けた診断項目に関連する情報をクリニック端末に送信し、前記クリニック端末は、前記ユーザとのオンライン診療を実行する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザに対し、オンライン診療を通じた、より親しみやすい医療サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る、医療サービス提供システムを示すブロック構成図である。
【
図2】
図1のサーバ端末100を示す機能ブロック構成図である。
【
図3】
図1の患者ユーザ用ブース端末200を示す機能ブロック構成図である。
【
図4】サーバ100に格納されるユーザデータの一例を示す図である。
【
図5】サーバ100に格納されるブランドデータの一例を示す図である。
【
図6】サーバ100に格納されるクリニックデータの一例を示す図である。
【
図7】本発明の第一実施形態に係る、医療サービスを提供する方法の一例を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の第一実施形態に係る、医療サービスを提供する方法の他の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本発明の必須の構成要素であるとは限らない。
【0011】
<構成>
図1は、本発明の第一実施形態に係る、医療サービスを提供する方法を実行するシステムを示すブロック構成図である。本システム1は、例えば、各種クリニック端末と連携してオンライン診療サービスを提供するサーバ端末100、駅、公民館、郵便局等の公共施設、または、ブランドオーナー等の事業者やクリニック等が運営する、マンションの居室やクリニック内の私設の施設として設置され、患者ユーザが訪問可能な各ブース内の患者ユーザ用ブース端末200A、200B、ユーザからオンライン診療の申込みを受け付ける、オンライン診療のプラットフォームサービスを提供する、ブランドオーナー端末300、ブランドオーナーを支援し、ユーザに対してオンライン診療を実施するクリニック端末400、及び、ユーザとブランドオーナー端末とのコミュニケーションを支援するSNSサーバ500を含む。ここで、ブランドオーナー端末として、複数のブランドオーナーに対応する各々の端末が存在し得るし、クリニック端末として、複数のクリニックの各々に対応する端末が存在し得、各々のブランドオーナー端末が、オンライン診療のプラットフォームを運営し、また、各々のクリニック端末が、各々の診療メニューに係る診療を提供することができる。なお、説明の便宜上、各端末を単一または特定数のものとして記載しているが、各々数は制限されない。
【0012】
サーバ端末100、患者ユーザ用ブース端末200A、200B、ブランドオーナー端末300、及びクリニック端末400は、ネットワークNW1を介して各々接続される。ネットワークNWは、インターネット、イントラネット、無線LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等により構成される。
【0013】
サーバ端末100、ブランドオーナー端末300、クリニック端末400及びSNSサーバは、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0014】
患者ユーザ用ブース端末200A、200Bは、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末等の情報処理装置であるが、スマートフォンや携帯電話、PDA等により構成しても良い。
【0015】
本実施形態では、システム1は、サーバ端末100、患者ユーザ用ブース端末200A、200B、ブランドオーナー端末300、クリニック端末400及びSNSサーバ500を備え、各端末のユーザが各々の端末を利用して、サーバ端末100に対する操作を行う構成として説明するが、サーバ端末100がスタンドアローンで構成され、サーバ端末自身に、各ユーザが直接操作を行う機能を備えても良い。以下、必要に応じ、患者ユーザ用ブース端末200A、200Bを総称して患者ユーザ用ブース端末200として説明する。
【0016】
図2は、
図1のサーバ端末100の機能ブロック構成図である。サーバ端末100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
【0017】
通信部110は、ネットワークNW1を介して患者ユーザ用ブース端末200、ブランドオーナー端末300と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信規約により通信が行われる。
【0018】
記憶部120は、各種制御処理や制御部130内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。また、記憶部120は、ユーザに関連する各種データを格納する、ユーザデータ格納部121、ユーザからオンライン診療の申込みを受け付けるブランドオーナーに関連する各種データを格納する、ブランドデータ格納部122、及び上記オンライン診療の申込みを受け付けるブランドオーナーを支援するクリニックに関連する各種データを格納する、クリニックデータ格納部123を有する。なお、各種データを格納したデータベース(図示せず)が記憶部120またはサーバ端末100外に構築されていてもよい。
【0019】
制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、サーバ端末100の全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等から構成される。制御部130の機能として、各端末からの情報を受け付ける情報受付部131と、記憶部120に格納される各種データを参照し、処理する、情報処理部132とを有する。この情報受付部131、及び情報処理部132は、記憶部120に記憶されているプログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)であるサーバ端末100により実行される。
【0020】
情報受付部131は、各種端末から通信部110を介して情報を受付ける。
【0021】
情報処理部132は、各種端末から受け付けたデータであって、記憶部120に格納される各種データ(例えば、後述するユーザデータ1000等)を参照し、所定の処理を行う。
【0022】
また、制御部130は、図示しない、画面生成部を有することもでき、求めに応じて、患者ユーザ用ブース端末200のユーザーインターフェースを介して表示される画面情報を生成する。例えば、記憶部120に格納された(図示しない)画像及びテキストデータを素材として、所定のレイアウト規則に基づいて、各種画像及びテキストをユーザーインターフェースの所定の領域に配置することで、ユーザーインターフェースを生成する。画像生成部に関連する処理は、GPU(Graphics Processing Unit)によって実行することもできる。
【0023】
図3は、
図1の患者ユーザ用ブース端末200を示す機能ブロック構成図である。患者ユーザ用ブース端末200は、通信部210と、表示操作部220と、記憶部230と、制御部240とを備える。
【0024】
通信部210は、ネットワークNWを介してサーバ端末100と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP等の通信規約により通信が行われる。
【0025】
表示操作部220は、ユーザが指示を入力し、制御部240からの入力データに応じてテキスト、画像等を表示するために用いられるユーザーインターフェースであり、患者ユーザ用ブース端末200がパーソナルコンピュータで構成されている場合はディスプレイとキーボードやマウスにより構成され、患者ユーザ用ブース端末200がスマートフォンまたはタブレット端末で構成されている場合はタッチパネル等から構成される。この表示操作部220は、記憶部230に記憶されている制御プログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)である患者ユーザ用ブース端末200により実行される。
【0026】
記憶部230は、各種制御処理や制御部240内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAMやROM等から構成される。また、記憶部230は、サーバ端末100との通信内容を一時的に記憶している。
【0027】
制御部240は、記憶部230に記憶されているプログラムを実行することにより、患者ユーザ用ブース端末200の全体の動作を制御するものであり、CPUやGPU等から構成される。
【0028】
図4は、サーバ端末100に格納されるユーザデータの一例を示す図である。
【0029】
図4に示すユーザデータ1000は、ユーザに関連する各種データを格納する。
図4において、説明の便宜上、一ユーザ(ユーザID「10001」で識別されるユーザ)の例を示すが、複数のユーザの情報を格納することができる。ユーザに関連する各種データとして、例えば、ユーザに関する基本情報(氏名、住所、連絡先、SNSアカウント、支払情報等)、クリニック情報(例えば、ユーザが受診するクリニックを識別する情報)、問診情報(例えば、ユーザが医師から診療を受ける前に回答する、ユーザの健康状態や症状に関する情報等)、診断情報(例えば、オンライン診療によって、医師からユーザに対して提供する診断内容及び薬の処方に関する情報等)、及び、会計情報(例えば、オンライン診療及び薬の処方に対して支払う費用に関する情報、ブース利用料等)を含むことができるがこれに限定されない。
【0030】
図5は、サーバ端末100に格納されるブランドデータの一例を示す図である。
【0031】
ブランドデータ2000は、ユーザからオンライン診療の申込を受け付けるブランドオーナーに関連する各種データを格納する。
図5において、説明の便宜上、一ブランドオーナー(ブランドID「20001」で識別されるブランドオーナー(例えば、「ABCオンラインクリニック」という名称を掲げる法人または個人の事業者)の例を示すが、複数のブランドオーナーに関連する情報を格納することができる。上記ブランドオーナーに関連する各種データとして、例えば、ブランドオーナーに関する基本情報(例えば、氏名または名称、住所、URL)、ユーザ情報(例えば、氏名、住所、連絡先、SNSアカウント、問診内容、診断内容、処方内容、支払情報等)、診療メニュー情報(例えば、アフターピル、低用量ピル、ED治療、AGA治療等のメニュー項目等)、会計情報(例えば、各診療に対する売上、合計売上等の情報)、Webサイト情報(例えば、記事コンテンツ情報等)、及び提携クリニック情報(例えば、提携するクリニック名、クリニックID等)等を含むことができるがこれに限定されない。その他、ブランドオーナーが運営する、患者ユーザ用のブースを関連する情報(例えば、ブースを識別するID、ブース名、所在地、ブース利用料、利用した患者ユーザのユーザID、患者ユーザがブースを介して利用したクリニックID等)も含まれ得る。
【0032】
図6は、サーバ端末100に格納されるクリニックデータの一例を示す図である。
【0033】
クリニックデータ3000は、オンライン診療の申込みを受け付けるクリニックの診療を支援するクリニックに関連する各種データを格納する。
図6において、説明の便宜上、一クリニック(クリニックID「30001」で識別されるクリニック(例えば、「XYZクリニック」)の例を示すが、複数のクリニックに関連する情報を格納することができる。上記クリニックに関連する各種データとして、例えば、クリニックに関する基本情報(例えば、名称、住所、URL、医師)、ユーザ情報(例えば、氏名、住所、連絡先、SNSアカウント、支払情報等)、問診情報(例えば、各ユーザが医師から診療を受ける前に回答する、ユーザの健康状態や症状に関する情報等)、診断情報(例えば、オンライン診療によって、医師から各ユーザに対して提供する診断内容及び薬の処方に関する情報等)、会計情報(例えば、各診療に対する売上、合計売上等の情報)、及び提携ブランド情報(例えば、提携するブランド名、ブランドID等)等を含むことができるがこれに限定されない。その他、クリニックが運営する、患者ユーザ用のブースを関連する情報(例えば、ブースを識別するID、ブース名、所在地、利用した患者ユーザのユーザID等)も含まれ得る。
【0034】
<処理の流れ>
図7を参照しながら、本実施形態のシステム1が実行する、単一または複数のブランドオーナー、単一または複数のクリニック及びサーバ端末100が連携しながら、オンライン診療を提供する方法の処理の流れについて説明する。
図7は、本発明の第一実施形態に係る、医療サービスを提供する方法の一例を示すフローチャートである。なお、サーバ端末100の機能構成を、クリニック端末400に備えることとしてもよく、この場合は、クリニック端末400が、上記実施形態において説明した、サーバ端末100が実行する処理を実行することとしてもよい。また、SNSサーバを介さずに、サーバ端末、ブランドオーナー端末、または、クリニック端末が直接患者ユーザに対して問診等を実施し、ユーザの問診情報を取得することもできる。
【0035】
まず、ステップS101の前段の処理として、オンライン診療を受診したいユーザは、駅、公民館、郵便局等の公共施設、または、ブランドオーナー等の事業者が運営する、マンションの居室やクリニック内の私設の施設として設置され、患者ユーザが訪問可能なブースを訪問し、ブース内に設置された患者ユーザ用ブース端末200(以下、ブース端末200)を操作し、ブース端末200を介して、診療メニュー(例えば、「アフターピル」等)を検索して、ブランドオーナー(例えば、「ABCオンラインクリニック」)のWebサイトにアクセスする。ここで、ユーザがオンライン診療を申し込む、オンライン診療のプラットフォームサービスとして機能する、ブランドオーナー(以下、ブランド)のWebサイトは、各種オンライン診療のための診療メニュー(例えば、アフターピル、低用量ピル、ED治療、AGA治療等)を提示するとともに、診療メニューの各項目(例えば、アフターピル)に関するキーワードを含むSEOに基づいた記事コンテンツを含むことができる。このように、ブランドのWebサイトを提供することにより、集客効果を奏することができる。ここで、患者ユーザがブースを介して診療を受けることが可能なクリニックとして、そのブースに関連付けられる特定の一のクリニックである場合と、複数のクリニックの中から患者ユーザが選択することができる場合とが想定される。以下、複数のクリニックを選択可能な場合を前提に説明するが、一のクリニックのみ利用可能な場合にも、本実施形態の発明を逸脱しない範囲で適用可能である。
【0036】
まず、ステップS101の処理として、ユーザは、各ブース端末200のウェブブラウザまたはアプリケーション等を利用して、ブランドオーナー端末300のWebサイトにアクセスし、Webサイトを通じて提供される診療メニューのうち、所望の診断項目(例えば、アフターピル)を選択し、所定の操作(例えば、「オンライン診療を受ける」をタップする等)によりオンライン診療の申込み要求を行う。ステップS102の処理として、ブランドオーナー端末300は、ブース端末200から、オンライン診療要求を受診すると、SNSサーバ500(例えば、コミュニケーションアプリのサーバ)に患者ユーザ用ブース端末200によるアクセスをリダイレクト(転送)する。ここで、ブランドオーナー端末300は、SNSサーバ500を介さずに、直接サーバ端末100に、診断項目に関する情報を含む診療要求を送信することもできる。ここで、ブース端末200から、予めブース端末200に格納された、または、ユーザ入力により、ブースを識別する情報(ブースID等)を、ブランドオーナー端末300、SNSサーバ500、または、サーバ端末100に送信することもできる。
【0037】
続いて、ステップS103の処理として、SNSサーバ500は、ブース端末200に対し、オンライン診療の申込み用の画面として、患者ユーザ用ブース端末200に表示される、ユーザとのチャットコミュニケーションインターフェースを介して、申込みの受け付けメッセージとともに、問診情報の入力フォームを送信する。ユーザは、上記チャットコミュニケーションインターフェースを介して、問診情報の入力フォームに含まれる各質問(例えば、「氏名」、「性別」、「生年月日」、「薬の配送先住所」等のユーザの基本情報を問う項目、「性行為があった日時」、「肝障害、心疾患、腎疾患等の既往歴」等の診療メニューに応じた質問項目等)に対して、回答を入力すると、ステップS104の処理として、SNSサーバ500は、ブース端末200から、問診情報(ユーザの基本情報を含む)を受信する。ここで、SNSサーバ500を介さずに、ブランドオーナー端末300またはサーバ端末100(または、(後述の)診療指示を受け付けたクリニック端末400)が、患者ユーザ用ブース端末100に対して問診を実施し、問診情報を受信することもできる。ここで、ブースに、体温計、血圧測定器、脈拍測定器等の測定器具を備え付けておくこともでき、患者ユーザがこれらを利用して所定の項目の測定を行う場合、測定器具に内蔵された通信装置により、測定によって取得された測定値を、ブース端末200を介して、SNSサーバ500、またはサーバ端末100等に送信することもできる。また、ユーザの基本情報、問診情報を始めとした機微な情報は、ブース端末200には格納されず、または、キャッシュとしてブース端末200に格納される場合は、患者ユーザが問診を完了する都度、消去されるようにすることができる。または、ブース端末200の代わりに、ユーザは自身の(図示しない)ユーザ端末(例えば、ユーザのスマートフォン、タブレット等)を介して、上記各々の端末(SNSサーバ500、またはサーバ端末100等)と情報を送受信することもできる。この場合、患者ユーザが訪問したブースを識別するため、ブースまたはブース端末200に表示された二次元コード等を、ユーザ端末200が読み取り、ユーザ端末200を介して、ブースを識別する情報を、上記各々の端末に送信することもできる。
【0038】
続いて、ステップS105の処理として、SNSサーバ500は、サーバ端末100に対して、ユーザから受信した、申込みした診療メニューの項目を含む問診情報を送信する。ステップS106の処理として、サーバ端末100は、受信した、ユーザの基本情報及び問診情報を、ブースを識別する情報とともに、記憶部120のユーザデータ格納部121にユーザデータ1000として格納することで、ユーザ登録を実行する。また、サーバ端末100は、上記基本情報及び問診情報を、ブースを識別する情報とともに、記憶部120のブランドデータ格納部122にブランドデータ2000として格納する。
【0039】
続いて、ステップS107の処理として、サーバ端末100は、記憶部120のブランドデータ格納部122に格納されたブランドデータ2000を参照し、ブランドの提携先であるクリニックを特定し、登録したユーザの基本情報及び問診情報を、クリニックのクリニック端末400に対して送信し、ユーザに対する診療の指示を送信する。ここで、サーバ端末100は、ブランドの提携先として予め登録されたクリニックに対して、診療指示を送信することもできるし、ブランドが受け付けた、ユーザが受診したい診療内容(診療メニュー)に基づいてクリニックを決定し、そのクリニックに対して、ブランドからの診療指示を送信することもできる。その他、各クリニックの診療状況(稼働可能な医師の状況)を参照し、診療状況に基づいて決定されたクリニックに対して、診療指示を送信することもできる。
【0040】
続いて、ステップS108の処理として、診療指示を受け付けたクリニック(に所属する医師)は、クリニック端末400を介してブース端末200に対して、診療開始の開始要求を送信する。ステップS109の処理として、ユーザは、ブース端末200を介して、診療開始要求を受諾することで、クリニックに所属する医師との間でオンライン診療が開始される。ここで、診療開始要求及び診療は、SNSサーバ500を介して、ブース端末200及びクリニック端末400に表示されるチャットコミュニケーションインターフェースを通じてビデオ通話等の手段により実施することもできるし、(図示しない)他のビデオ会話アプリケーション、または、電話等その他の通信手段を介して実施することもできる。また、受診用端末として、ユーザが、上記同様、自身のユーザ端末を介して、診療を受診することもできる。ここで、医師は、クリニック端末400に表示される管理画面において、ユーザが入力した問診情報を参照しながら診療を実施することができる。
【0041】
続いて、ステップS110の処理として、オンライン診療を通じて、医師は、クリニック端末400に表示される管理画面において、ユーザに対する診断内容及び薬の処方内容を含む診断情報及び会計情報(ここでは、ユーザに対する診断料の請求情報)を入力すると、クリニック端末400は、診断情報及び会計情報を生成し、(図示しない)記憶部に診断情報を格納する。また、ステップS111の処理として、クリニック端末400は、患者ユーザ用ブース端末200に対して、生成した診断情報及び請求金額を含む会計情報を送信するとともに、ステップS112の処理として、サーバ端末100に対して、診断情報及び会計情報を送信する。また、ステップS113の処理として、サーバ端末100は、受信した、ユーザの診断情報及び会計情報を、記憶部120のユーザデータ格納部121にユーザデータ1000として格納する。また、サーバ端末100は、上記基本情報及び問診情報を、記憶部120のクリニックデータ格納部123にクリニックデータ3000として格納する。ここで、クリニック端末400は、処方箋情報を生成し、ブース端末200に対して送信し、処方箋情報とともに、ブース内または隣接して設置された薬収納用のロッカーを解錠するための情報(例えば、暗証番号、二次元コード)を送信することで、ユーザは、ロッカーを解錠し、処方された薬を受け取ることもできる。ここで、ロッカーには、ブースを介して診療可能な診療メニューに対応する薬(例えば、アフターピル等)を事前に収納しておくことができ、サーバ端末100は、薬の在庫数を記憶部120に格納しておき、補充のために適宜参照することもできる。ブースが、薬局内または薬局に隣接している場合、ユーザは処方箋情報に基づいて、その場で薬を受け取ることもできる。
【0042】
ここで、ステップS114の処理として、サーバ端末100は、記憶部120のクリニックデータ格納部123に格納される会計情報を参照し、クリニックデータがユーザに対して請求した請求金額及び所定の料率に基づいて、ブランドに対して支払う金額(レベニューシェア金額)を算出し、ブランドに対して支払う処理を実行する。このレベニューシェア金額は、クリニック端末において算出し、直接ブランドに対して支払うこととしてもよい。また、サーバ端末100は、ブースを識別する情報に基づいて、ユーザの利用したブースを特定し、別途ブース利用料を、クリニックからブランドに対して支払うよう、上記レベニューシェア金額に加算、または、含めることもできる。また、駅、公民館、郵便局等の公共施設に設置されたブースについては、ブランドオーナーとは別に、各々の運営者に対してブース利用料が支払われるよう会計処理を行うこともできる。また、会計処理を、オフライン等で直接クリニックとユーザ間とで実行することしてもよい。
【0043】
図8は、本発明の第一実施形態に係る、医療サービスを提供する方法の他の一例を示すフローチャートである。なお、本例においても、サーバ端末100の機能構成を、クリニック端末400に備えることとしてもよく、この場合は、クリニック端末400が、上記実施形態において説明した、サーバ端末100が実行する処理を実行することとしてもよい。また、SNSサーバを介さずに、サーバ端末、ブランドオーナー端末、または、クリニック端末が直接患者ユーザに対して問診等を実施し、ユーザの問診情報を取得することもできる。
【0044】
まず、ステップS201の前段の処理として、オンライン診療を受診したいユーザは、特定のクリニック、または、当該クリニックと提携するブランドオーナー(本例では、ブース運営者)により設置され、患者ユーザが訪問可能なブースを訪問し、ブース内に設置されたブース端末200を操作し、ブース端末200を介して、診療メニュー(例えば、「アフターピル」等)を参照する。ここで、本例では、患者ユーザがブースを介して診療を受けることが可能なクリニックとして、そのブースに関連付けられる特定の一のクリニックである場合が想定される。
【0045】
まず、ステップS201の処理として、ユーザは、各ブース端末200のウェブブラウザまたはアプリケーション等を利用して、クリニック端末400のWebサイトにアクセスし、Webサイトを通じて提供される診療メニューのうち、所望の診断項目(例えば、アフターピル)を選択し、所定の操作(例えば、「オンライン診療を受ける」をタップする等)によりオンライン診療の申込み要求を行う。ステップS202の処理として、クリニック端末300は、ブース端末200から、オンライン診療要求を受診すると、SNSサーバ500(例えば、コミュニケーションアプリのサーバ)に患者ユーザ用ブース端末200によるアクセスをリダイレクト(転送)する。ここで、クリニック端末400は、SNSサーバ500を介さずに、直接サーバ端末100に、診断項目に関する情報を含む診療要求を送信することもできる。ここで、ブース端末200から、予めブース端末200に格納された、または、ユーザ入力により、ブースを識別する情報(ブースID等)を、クリニック端末400、SNSサーバ500、または、サーバ端末100に送信することもできる。
【0046】
続いて、ステップS203の処理として、SNSサーバ500は、ブース端末200に対し、オンライン診療の申込み用の画面として、患者ユーザ用ブース端末200に表示される、ユーザとのチャットコミュニケーションインターフェースを介して、申込みの受け付けメッセージとともに、問診情報の入力フォームを送信する。ユーザは、上記チャットコミュニケーションインターフェースを介して、問診情報の入力フォームに含まれる各質問(例えば、「氏名」、「性別」、「生年月日」、「薬の配送先住所」等のユーザの基本情報を問う項目、「性行為があった日時」、「肝障害、心疾患、腎疾患等の既往歴」等の診療メニューに応じた質問項目等)に対して、回答を入力すると、ステップS204の処理として、SNSサーバ500は、ブース端末200から、問診情報(ユーザの基本情報を含む)を受信する。ここで、SNSサーバ500を介さずに、クリニック端末400またはサーバ端末100が、患者ユーザ用ブース端末100に対して問診を実施し、問診情報を受信することもできる。ここで、ブースに、体温計、血圧測定器、脈拍測定器等の測定器具を備え付けておくこともでき、患者ユーザがこれらを利用して所定の項目の測定を行う場合、測定器具に内蔵された通信装置により、測定によって取得された測定値を、ブース端末200を介して、クリニック端末400、SNSサーバ500、またはサーバ端末100等に送信することもできる。また、ユーザの基本情報、問診情報を始めとした機微な情報は、ブース端末200には格納されず、または、キャッシュとしてブース端末200に格納される場合は、患者ユーザが問診を完了する都度、消去されるようにすることができる。または、ブース端末200の代わりに、ユーザは自身の(図示しない)ユーザ端末(例えば、ユーザのスマートフォン、タブレット等)を介して、上記各々の端末(クリニック端末400、SNSサーバ500、またはサーバ端末100等)と情報を送受信することもできる。この場合、患者ユーザが訪問したブースを識別するため、ブースまたはブース端末200に表示された二次元コード等を、ユーザ端末200が読み取り、ユーザ端末200を介して、ブースを識別する情報を、上記各々の端末に送信することもできる。
【0047】
続いて、ステップS205の処理として、SNSサーバ500は、サーバ端末100に対して、ユーザから受信した、申込みした診療メニューの項目を含む問診情報を送信する。ステップS106の処理として、サーバ端末100は、受信した、ユーザの基本情報及び問診情報を、ブースを識別する情報とともに、記憶部120のユーザデータ格納部121にユーザデータ1000として格納することで、ユーザ登録を実行する。また、サーバ端末100は、上記基本情報及び問診情報を、ブースを識別する情報とともに、記憶部120のクリニックデータ格納部123にクリニックデータ3000として格納する。
【0048】
続いて、ステップS207の処理として、サーバ端末100は、記憶部120のクリニックデータ格納部123に格納されたクリニックデータ3000を参照し、登録したユーザの基本情報及び問診情報を、クリニックのクリニック端末400に対して送信し、ユーザに対する診療の指示を送信する。
【0049】
続いて、ステップS208の処理として、診療指示を受け付けたクリニック(に所属する医師)は、クリニック端末400を介してブース端末200に対して、診療開始の開始要求を送信する。ステップS209の処理として、ユーザは、ブース端末200を介して、診療開始要求を受諾することで、クリニックに所属する医師との間でオンライン診療が開始される。ここで、診療開始要求及び診療は、SNSサーバ500を介して、ブース端末200及びクリニック端末400に表示されるチャットコミュニケーションインターフェースを通じてビデオ通話等の手段により実施することもできるし、(図示しない)他のビデオ会話アプリケーション、または、電話等その他の通信手段を介して実施することもできる。また、受診用端末として、ユーザが、上記同様、自身のユーザ端末を介して、診療を受診することもできる。ここで、医師は、クリニック端末400に表示される管理画面において、ユーザが入力した問診情報を参照しながら診療を実施することができる。
【0050】
続いて、ステップS210の処理として、オンライン診療を通じて、医師は、クリニック端末400に表示される管理画面において、ユーザに対する診断内容及び薬の処方内容を含む診断情報及び会計情報(ここでは、ユーザに対する診断料の請求情報)を入力すると、クリニック端末400は、診断情報及び会計情報を生成し、(図示しない)記憶部に診断情報を格納する。また、ステップS211の処理として、クリニック端末400は、患者ユーザ用ブース端末200に対して、生成した診断情報及び請求金額を含む会計情報を送信するとともに、ステップS212の処理として、サーバ端末100に対して、診断情報及び会計情報を送信する。また、ステップS213の処理として、サーバ端末100は、受信した、ユーザの診断情報及び会計情報を、記憶部120のユーザデータ格納部121にユーザデータ1000として格納する。また、サーバ端末100は、上記基本情報及び問診情報を、記憶部120のクリニックデータ格納部123にクリニックデータ3000として格納する。ここで、クリニック端末400は、処方箋情報を生成し、ブース端末200に対して送信し、処方箋情報とともに、ブース内または隣接して設置された薬収納用のロッカーを解錠するための情報(例えば、暗証番号、二次元コード)を送信することで、ユーザは、ロッカーを解錠し、処方された薬を受け取ることもできる。ここで、ロッカーには、クリニックが提供する診療メニューに対応する薬(例えば、アフターピル等)を事前に収納しておくことができ、サーバ端末100は、薬の在庫数を記憶部120に格納しておき、補充のために適宜参照することもできる。ブースが、薬局内または薬局に隣接している場合、ユーザは処方箋情報に基づいて、その場で薬を受け取ることもできる。
【0051】
ここで、ブース運営者が非クリニックである場合、ステップS214の処理として、サーバ端末100は、記憶部120のクリニックデータ格納部123に格納される会計情報を参照し、クリニックデータがユーザに対して請求した請求金額及び所定の料率に基づいて、ブースを提供したブランドに対して支払う金額(レベニューシェア金額)を算出し、ブランドに対して支払う処理を実行する。このレベニューシェア金額は、クリニック端末において算出し、直接ブランドに対して支払うこととしてもよい。または、ステップS215の処理として、サーバ端末100は、ブースを識別する情報に基づいて、ユーザの利用したブースを特定し、ブース利用料を、直接ブース端末200を介して、ユーザに請求し、請求額または(ユーザから利用料受領後の場合は)支払額に基づいて、ステップS216の処理として、利用料(または一部)をブランドに対して支払う会計処理を実行することもできる。なお、本例において、クリニック端末は、SNSサーバ500、または、サーバ端末100を介さずに、ブース端末200を介して、直接ユーザから基本情報、問診情報を取得し、ユーザに対してオンライン診療を提供することもできる。この場合、下記ユーザの基本情報、問診情報は、サーバ端末100の代わりに、クリニック端末400で格納し、管理することもでき、ブランドオーナーがブースを提供する場合は、クリニック端末400とブランドオーナー端末300との間で、ブース利用料の会計処理を実行することもできる。また、会計処理を、オフライン等で直接クリニックとユーザ間とで実行することしてもよい。
【0052】
以上により、本実施形態によれば、オンライン診療を提供するクリニックと提携しながら、ユーザに対してオンライン診療を提供することができ、ユーザに対して医療に対してより親しみやすくアクセスできる機会を提供することができ、医療課題解決を実現することができる。また、ブースを備えることで、ユーザの診療にアクセスする機会を更に提供することもできる。
【0053】
以上、発明に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することが出来る。これらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0054】
1 システム 100 サーバ端末、110 通信部、120 記憶部、130 制御部、200 患者ユーザ用ブース端末、300 ブランドオーナー端末、400 クリニック端末、NW1 ネットワーク
【要約】
【課題】ユーザに対してより親しみやすい医療サービスを提供する。
【解決手段】
本発明の一態様における、ユーザが訪問可能なブースに設置されたブース端末を介してオンライン診療を通じた医療サービスを提供する方法であって、ブランドオーナーのブランドオーナー端末の制御部は、前記ユーザのブース端末から、ブランドオーナーにより提供される、オンライン診療メニューの中から、所望の診断項目の申込みを受け付け、サーバ端末の制御部は、前記ブランドオーナー端末から、前記受け付けた診断項目に関連する情報を受け付け、前記受け付けた診断項目に関連する情報をクリニック端末に送信し、前記クリニック端末は、前記ユーザとのオンライン診療を実行する。
【選択図】
図7