(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-23
(45)【発行日】2025-06-02
(54)【発明の名称】螺旋状圧力緩衝器のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01L 19/06 20060101AFI20250526BHJP
【FI】
G01L19/06 102
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019223393
(22)【出願日】2019-12-11
【審査請求日】2022-12-07
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リンダール, ゲリー エム.
【審査官】松山 紗希
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05343754(US,A)
【文献】特開2017-044233(JP,A)
【文献】欧州特許第00528692(EP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00-23/32
G05D 16/00-16/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変換器(202)、
開口部(230)を画定する第1の端部(218)および中のねじ
部を有する継手(204)であって、前記継手(204)が前記変換器(202)に結合され、
前記継手(204)の前記ねじ
部が、内面(402)および前記内面(402)に配置された螺旋状めねじ山(404)を含み、前記第1の端部(218)が、少なくとも1つのノッチ(414)をさらに画定する、継手(204)、ならびに
前記継手(204)の前記開口部(230)内に配置された緩衝器(206)、
を備える圧力センサ(200)であって、前記緩衝器(206)が、
ヘッド部(302)、
前記ヘッド部(302)に取り付けられたシャンク部(304)であって、シャンク径(316)を画定するシャンク部(304)、および
前記シャンク部(304)に取り付けられたねじ部(306)であって、
前記緩衝器(206)の前記ねじ部(306)が、中心シャフト(322)の周りに巻かれた螺旋状おねじ山(324)を含み、前記螺旋状おねじ山(324)が、ねじ山径(336)を画定し、前記中心シャフト(322)が、中心シャフト径(326)を画定する、ねじ部(306)、
を備え、前記緩衝器(206)が前記継手(204)内に取り付けられたときに、前記ノッチ(414)、前記シャンク部(304)、および
前記緩衝器(206)の前記ねじ部(306)が、少なくとも1つの流体流路(232,233)を画定するように、前記シャンク径(316)、前記ねじ山径(336)、および前記中心シャフト径(326)が決められている、圧力センサ(200)。
【請求項2】
前記第1の端部(218)が、1つのノッチ(502)を画定する、請求項1に記載の圧力センサ(200)。
【請求項3】
前記第1の端部(218)が、複数のノッチ(502)を画定する、請求項1に記載の圧力センサ(200)。
【請求項4】
前記複数のノッチ(414)が、複数のV字形ノッチ(502)である、請求項3に記載の圧力センサ(200)。
【請求項5】
前記複数のノッチ(414)が、半径方向に延びる複数のチャネル(502)である、請求項3または4に記載の圧力センサ(200)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのノッチ(414)が、前記少なくとも1つの流体流路(232,233)への入口である、請求項1から5のいずれか一項に記載の圧力センサ(200)。
【請求項7】
前記継手(204)の前記ねじ
部が、ねじ山内
径およびねじ山外径(408)を画定し、前記ねじ山外径(408)と
前記緩衝器(206)の前記ねじ部(306)の前記ねじ山径(336)との間の容積部(232,233)が、前記少なくとも1つの流体流路(232,233)を部分的に画定するように、前記ねじ山外径(408)が、
前記緩衝器(206)の前記ねじ部(306)の前記ねじ山径(336)よりも大きい、請求項1から6のいずれか一項に記載の圧力センサ(200)。
【請求項8】
前記継手(204)の前記ねじ
部が、ねじ無し部(410)およびねじ無し径(412)を画定し、
前記継手(204)の前記ねじ部の前記ねじ無し径(412)と
前記緩衝器(206)の前記シャンク部(304)の前記シャンク径(316)との間の容積部(417)が、前記少なくとも1つの流体流路(232,233)を部分的に画定するように、前記ねじ無し径(412)が、前記シャンク径(316)よりも大きい、請求項1から7のいずれか一項に記載の圧力センサ(200)。
【請求項9】
変換器(202)、
開口部(230)を画定する第1の端部(218)および中のねじ
部を有する継手(204)であって、
前記継手(204)の前記ねじ
部が、内面(402)および前記内面(402)に配置された螺旋状めねじ山(404)を含む、継手(204)、ならびに
前記継手(204)の前記開口部(230)内に配置された緩衝器(206)、
を備える圧力センサ(200)であって、前記緩衝器(206)が、
少なくとも1つのノッチ(414)を画定するヘッド部(302)、
前記ヘッド部(302)に取り付けられたシャンク部(304)であって、シャンク径(316)を画定するシャンク部(304)、および
前記シャンク部(304)に取り付けられたねじ部(306)であって、
前記緩衝器(206)の前記ねじ部(306)が、中心シャフト(322)の周りに巻かれた螺旋状おねじ山(324)を含み、前記螺旋状おねじ山(324)が、ねじ山径(336)を画定し、前記中心シャフト(322)が、中心シャフト径(326)を画定する、ねじ部(306)、
を備え、前記緩衝器(206)が前記継手(204)内に取り付けられたときに、前記ノッチ(414)、前記シャンク部(304)、および
前記緩衝器(206)の前記ねじ部(306)が、少なくとも1つの流体流路(232,233)を画定するように、前記シャンク径(316)、前記ねじ山径(336)、および前記中心シャフト径(326)が決められており、前記少なくとも1つのノッチ(414)が、前記少なくとも1つの流体流路(232,233)への入口である、圧力センサ(200)。
【請求項10】
前記ヘッド部(302)が、複数のノッチ(414)を画定する、請求項9に記載の圧力センサ(200)。
【請求項11】
前記ヘッド部(302)が、1つのノッチ(414)を画定する、請求項9に記載の圧力センサ(200)。
【請求項12】
前記ノッチ(414)が、長方形のノッチ(414)である、請求項11に記載の圧力センサ(200)。
【請求項13】
前記ノッチ(414)が、前記シャンク部(304)の方へ半径方向内側に延びる、請求項11または12に記載の圧力センサ(200)。
【請求項14】
前記継手(204)の前記ねじ
部が、ねじ山内
径およびねじ山外径(408)を画定し、前記ねじ山外径(408)と
前記緩衝器(206)の前記ねじ部(306)の前記ねじ山径(336)との間の容積部(232,233)が、前記少なくとも1つの流体流路(232,233)を部分的に画定するように、前記ねじ山外径(408)が、
前記緩衝器(206)の前記ねじ部(306)の前記ねじ山径(336)よりも大きい、請求項9から13のいずれか一項に記載の圧力センサ(200)。
【請求項15】
前記継手(204)の前記ねじ
部が、ねじ無し部(410)およびねじ無し径(412)を画定し、
前記継手(204)の前記ねじ部の前記ねじ無し径(412)と
前記緩衝器(206)の前記シャンク部(304)の前記シャンク径(316)との間の容積部(417)が、前記少なくとも1つの流体流路(232,233)を部分的に画定するように、前記ねじ無し径(412)が、前記シャンク径(316)よりも大きい、請求項9から14のいずれか一項に記載の圧力センサ(200)。
【請求項16】
前記ノッチ(414)、前記シャンク部(304)、および
前記緩衝器(206)の前記ねじ部(306)が、第1の流体流路(232)および第2の流体流路(233)を画定し、当該第1の流体流路(232)および第2の流体流路(233)は、前記中心シャフト(322)の周りに二重螺旋構成を有するように画定される、請求項9から15のいずれか一項に記載の圧力センサ(200)。
【請求項17】
変換器(202)および前記変換器(202)に結合された継手(204)を含む圧力センサ(200)から空気をパージする方法(800)であって、前記方法(800)が、
前記継手(204)のねじ
部を流体で満たすこと(802)と、
ヘッド部(302)、シャンク部(304)、およびねじ部(306)を含む緩衝器(206)であって、前記ヘッド部(302)が、少なくとも1つのノッチ(414)を画定する、緩衝器(206)を、
前記継手(204)の前記ねじ
部に挿入すること(804)と、
を含み、前記緩衝器(206)が前記継手(204)内に挿入されたときに、前記ノッチ(414)、前記シャンク部(304)、および
前記緩衝器(206)の前記ねじ部(306)が、少なくとも1つの流体流路(232,233)を画定し、前記少なくとも1つのノッチ(414)が、前記少なくとも1つの流体流路(232,233)への入口である、方法(800)。
【請求項18】
変換器(202)内の圧力スパイクを減少させる方法(900)であって、前記方法(900)が、
変換器(202)、前記変換器(202)に結合された継手(204)、および前記継手(204)内に配置された緩衝器(206)を含む圧力センサ(200)であって、前記継手(204)が、その中にねじ
部を有し、前記緩衝器(206)が、ヘッド部(302)、シャンク部(304)、およびねじ部(306)を含み、前記ヘッド部(302)が、少なくとも1つのノッチ(414)を画定し、前記緩衝器(206)が前記継手(204)内に挿入されたときに、前記ノッチ(414)、前記シャンク部(304)、および
前記緩衝器(206)の前記ねじ部(306)が、少なくとも1つの流体流路(232,233)を画定する、圧力センサ(200)を、流体システムに結合すること(902)と、
流体の流れを前記少なくとも1つの流体流路(232,233)に導くこと(904)と、
前記流体の前記流れの圧力を前記圧力センサ(200)で測定すること(906)と、
を含み、
前記少なくとも1つのノッチ(414)が、前記少なくとも1つの流体流路(232,233)への入口であり、前記少なくとも1つの流体流路(232,233)が、前記流体の前記流れの圧力スパイクを減少させる、方法(900)。
【請求項19】
前記ヘッド部(302)が、複数のノッチ(414)を画定する、請求項18に記載の方法(900)。
【請求項20】
前記ヘッド部(302)が、1つのノッチ(414)を画定する、請求項18に記載の方法(900)。
【請求項21】
前記ノッチ(414)が、長方形のノッチ(414)である、請求項20に記載の方法(900)。
【請求項22】
前記ノッチ(414)が、前記シャンク部(304)の方へ半径方向内側に延びる、請求項20に記載の方法(900)。
【請求項23】
前記継手(204)の前記ねじ
部が、ねじ山内
径およびねじ山外径(408)を画定し、前記ねじ山外径(408)と
前記緩衝器(206)の前記ねじ部(306)のねじ山径(336)との間の容積部が、前記少なくとも1つの流体流路(232,233)を部分的に画定するように、前記ねじ山外径(408)が、
前記緩衝器(206)の前記ねじ部(306)の前記ねじ山径(336)よりも大きい、請求項18から22のいずれか一項に記載の方法(900)。
【請求項24】
前記継手(204)の前記ねじ
部が、ねじ無し部(410)およびねじ無し径(412)を画定し、
前記継手(204)の前記ねじ部の前記ねじ無し径(412)と
前記緩衝器(206)の前記シャンク部(304)のシャンク径(316)との間の容積部が、前記少なくとも1つの流体流路(232,233)を部分的に画定するように、前記ねじ無し径(412)が、前記シャンク径(316)よりも大きい、請求項18から23のいずれか一項に記載の方法(900)。
【請求項25】
変換器(202)および前記変換器(202)に結合された継手(204)を含む圧力センサ(200)を流体システムに取り付ける方法(1000)であって、前記方法(1000)が、
前記継手(204)のねじ
部を流体で満たすこと(1002)と、
ヘッド部(302)、シャンク部(304)、およびねじ部(306)を含む緩衝器(206)であって、前記ヘッド部が、少なくとも1つのノッチを画定し、前記緩衝器(206)が前記継手(204)内に挿入されたときに、前記ノッチ(414)、前記シャンク部(304)、および
前記緩衝器(206)の前記ねじ部(306)が、少なくとも1つの流体流路(232,233)を画定する、緩衝器(206)を、
前記継手(204)の前記ねじ
部に挿入すること(1006)と、
前記圧力センサ(200)を流体システムに結合すること(1008)と、
を含み、
前記少なくとも1つのノッチ(414)が、前記少なくとも1つの流体流路(232,233)への入口である、方法(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の分野は、一般に、流体流システムに関し、より具体的には、螺旋状圧力緩衝器のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]少なくともいくつかの既知の航空機は、流体、典型的には空気または水を航空機内の複数の場所に導くための流体システム、典型的には液圧または空気圧システムを含む。例えば、航空機は、典型的には、液圧流体、典型的には液圧油または水を航空機の少なくとも着陸装置に導いて着陸装置を制御および作動させる液圧システムを含む。液圧流体は、高圧に維持され、少量の流体で大きな力を伝達できる。液圧システムの圧力の変化により、着陸装置が制御および作動される。液圧システムは、液圧流体の圧力を監視するように構成された複数の圧力変換器を含む。液圧システムは、液圧システム内の液圧流体の圧力と運動を制御するバルブおよび/または流体駆動機器などの複数の液圧機構を、さらに含む。バルブの開閉および/または液圧システム内の他の液圧機構の使用により、システム内で過渡的圧力スパイクが発生する場合がある。
【0003】
[0003]このセクションは、以下で説明および/または請求される本開示の様々な態様に関連する可能性のある技術の様々な態様を読者に紹介することを、意図している。この議論は、読者に背景情報を提供して、本開示の様々な態様のより良い理解を促進するのに役立つと、考えられている。したがって、これらの記述はこの観点で読まれるべきであり、従来技術の承認として読まれるべきではないことを、理解されたい。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本開示の一態様は、ヘッド部、シャンク部、およびねじ部を含む緩衝器を含む。シャンク部は、ヘッド部に取り付けられており、シャンク部は、シャンク径を画定する。ねじ部は、シャンク部に取り付けられており、ねじ部は、中心シャフトの周りに巻かれた螺旋状おねじ山を含む。螺旋状おねじ山は、ねじ山径を画定し、中心シャフトは、中心シャフト径を画定する。緩衝器が圧力センサに取り付けられたときに、シャンク部とねじ部が少なくとも1つの流体流路を画定するように、シャンク径とねじ山径が決められている。
【0005】
[0005]本開示の別の態様は、変換器、継手、および緩衝器を含む圧力センサを含む。継手は、開口部を画定する第1の端部と、その中のねじ部とを有する。継手は、変換器に結合されている。ねじ部は、内面と、内面に配置された螺旋状めねじ山とを含む。第1の端部は、少なくとも1つのノッチを、さらに画定する。緩衝器は、ねじ部の開口部内に配置されており、ヘッド部、シャンク部、およびねじ部を含む。シャンク部は、ヘッド部に取り付けられており、シャンク径を画定する。ねじ部は、シャンク部に取り付けられており、中心シャフトの周りに巻かれた螺旋状おねじ山を含む。螺旋状おねじ山は、ねじ山径を画定し、中心シャフトは、中心シャフト径を画定する。緩衝器が継手に取り付けられたときに、ノッチ、シャンク部、およびねじ部が少なくとも1つの流体流路を画定するように、シャンク径、ねじ山径、および中心シャフト径が決められている。
【0006】
[0006]本開示のさらに別の態様は、変換器、継手、および緩衝器を含む圧力センサを含む。継手は、開口部を画定する第1の端部と、その中のねじ部とを有する。継手は、変換器に結合されている。ねじ部は、内面と、内面に配置された螺旋状めねじ山とを含む。緩衝器は、ねじ部の開口部内に配置されており、ヘッド部、シャンク部、およびねじ部を含む。ヘッド部は、少なくとも1つのノッチを画定する。シャンク部は、ヘッド部に取り付けられており、シャンク径を画定する。ねじ部は、シャンク部に取り付けられており、中心シャフトの周りに巻かれた螺旋状おねじ山を含む。螺旋状おねじ山は、ねじ山径を画定し、中心シャフトは、中心シャフト径を画定する。緩衝器が継手に取り付けられたときに、ノッチ、シャンク部、およびねじ部が少なくとも1つの流体流路を画定するように、シャンク径、ねじ山径、および中心シャフト径が決められている。
【0007】
[0007]本開示のさらに別の態様は、圧力センサから空気をパージする方法を含む。圧力センサは、変換器と、変換器に結合された継手とを含む。この方法は、変換器と継手とを含む圧力センサを提供することを含む。継手は、開口部を画定する第1の端部と、その中のねじ部とを有する。ねじ部は、内面と、内面に配置された螺旋状めねじ山とを含む。この方法は、継手のねじ部を流体で満たすことを、さらに含む。この方法は、緩衝器をねじ部に挿入することを、さらに含む。緩衝器は、ヘッド部、シャンク部、およびねじ部を含む。シャンク部は、ヘッド部に取り付けられている。ヘッド部は、ノッチを画定する。シャンク部は、シャンク径を画定する。ねじ部は、シャンク部に取り付けられており、中心シャフトの周りに巻かれた螺旋状おねじ山を含む。螺旋状おねじ山は、ねじ山径を画定し、中心シャフトは、中心シャフト径を画定する。緩衝器が継手に挿入されたときに、ノッチ、シャンク部、およびねじ部が少なくとも1つの流体流路を画定するように、シャンク径、ねじ山径、および中心シャフト径が決められている。
【0008】
[0008]本開示のさらに別の態様は、変換器内の圧力スパイクを減少させる方法を含む。この方法は、圧力センサを流体システムに結合することを含む。圧力センサは、変換器、変換器に結合された継手、および継手内に配置された緩衝器を含む。継手は、開口部を画定する第1の端部と、その中のねじ部とを有する。ねじ部は、内面と、内面に配置された螺旋状めねじ山とを含む。緩衝器は、ヘッド部、シャンク部、およびねじ部を含む。シャンク部は、ヘッド部に取り付けられており、ヘッド部は、ノッチを画定する。シャンク部は、シャンク径を画定する。ねじ部は、シャンク部に取り付けられており、中心シャフトの周りに巻かれた螺旋状おねじ山を含む。螺旋状おねじ山は、ねじ山径を画定し、中心シャフトは、中心シャフト径を画定する。緩衝器が継手に挿入されたときに、ノッチ、シャンク部、およびねじ部が少なくとも1つの流体流路を画定するように、シャンク径、ねじ山径、および中心シャフト径が決められている。この方法は、流体の流れを少なくとも1つの流体流路に導くことを、さらに含む。この方法は、圧力センサで流体の流れの圧力を測定することを、さらに含む。少なくとも1つの流体流路は、流体の流れの圧力スパイクを減少させる。
【0009】
[0009]本開示のさらに別の態様は、流体システムに圧力センサを取り付ける方法を含む。圧力センサは、変換器と、変換器に結合された継手とを含む。この方法は、変換器と継手とを含む圧力センサを提供することを含む。継手は、開口部を画定する第1の端部と、その中のねじ部とを有する。ねじ部は、内面と、内面に配置された螺旋状めねじ山とを含む。この方法は、継手のねじ部を流体で満たすことを、さらに含む。この方法は、緩衝器をねじ部に挿入することを、さらに含む。緩衝器は、ヘッド部、シャンク部、およびねじ部を含む。シャンク部は、ヘッド部に取り付けられており、ヘッド部は、ノッチを画定する。シャンク部は、シャンク径を画定する。ねじ部は、シャンク部に取り付けられている。ねじ部は、中心シャフトの周りに巻かれた螺旋状おねじ山を含む。螺旋状おねじ山は、ねじ山径を画定し、中心シャフトは、中心シャフト径を画定する。緩衝器が継手に挿入されたときに、ノッチ、シャンク部、およびねじ部が少なくとも1つの流体流路を画定するように、シャンク径、ねじ山径、および中心シャフト径が決められている。この方法は、圧力センサを流体システムに結合することを、さらに含む。
【0010】
[0010]上記の態様に関連して言及された特徴の様々な改良が存在する。さらなる特徴が、上記の態様に組み込まれてもよい。これらの改良と追加の特徴は、個別にまたは任意の組み合わせで存在することができる。例えば、例示された実施形態のいずれかに関連して以下で議論される様々な特徴は、単独でまたは任意の組み合わせで、上述の態様のいずれかに組み込まれてよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】
図1に示される乗り物で使用される圧力センサの側面概略図である。
【
図3】
図1に示される乗り物で使用される圧力センサの分解斜視図である。
【
図4】
図2に示される圧力センサで使用される緩衝器の側面図である。
【
図5】
図2に示される圧力センサの部分断面図である。
【
図6】
図2に示される圧力センサで使用される継手の端部の斜視図である。
【
図8】
図2に示される圧力センサによって測定された圧力のプロットである。
【
図9】変換器から空気をパージする方法の実施形態のフロー図である。
【
図10】変換器内の圧力スパイクを減少させる方法の実施形態のフロー図である。
【
図11】流体システムに変換器を取り付ける方法の実施形態のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0022]様々な実施形態の特定の特徴が、いくつかの図面に示されており、他の図面には示されていない場合があるが、これは便宜上のためだけである。任意の図面の任意の特徴が、任意の他の図面の任意の特徴と組み合わせて参照および/または主張することができる。
【0013】
[0023]特に明記しない限り、本明細書で提供される図面は、本開示の実施形態の特徴を示すことを意図している。これらの特徴は、本開示の1つ以上の実施形態を含む多種多様なシステムに適用可能であると考えられている。したがって、図面は、本明細書に開示された実施形態の実施に必要であると当業者に知られている全ての従来の特徴を含むことを意図してはいない。
【0014】
[0024]本明細書で説明されるシステムおよび方法の実施形態は、圧力センサによって検出される過渡的圧力スパイクを減少させるように構成された緩衝器を含む圧力センサを含む。具体的には、圧力センサは、変換器と、変換器に結合された継手とを、さらに含む。継手は、流体を変換器に導くように構成された、ねじ付き導管を画定する。緩衝器は、ヘッド部およびねじ部を含む。緩衝器が継手に取り付けられたとき、ねじ部およびねじ付き導管は、少なくとも1つの流体流路を画定する。流体流路は、ねじ付き導管よりもかなり小さく、ねじ付き導管よりもかなり大きい圧力降下を有する。したがって、流体流路は、変換器内の過渡的圧力スパイクをかなり減少させ、変換器が流体システムの定常状態圧力を正確に測定できるようにする。したがって、緩衝器は、変換器によって測定される過渡的圧力スパイクを減少させることにより、変換器を保護する。さらに、緩衝器のヘッド部と継手のうちの一方が、流体を流体流路に導くように構成された1つ以上のノッチを画定する。
【0015】
[0025]
図1は、乗り物100の側面図である。例示的な実施態様では、乗り物100は、胴体102と、胴体102から延びる翼構造104とを含む航空機である。胴体102および/または翼構造104は、内部容積部106を画定し、少なくとも1つの流体システム108が、内部容積部106内に配置される。具体的には、流体システム108は、少なくとも1つの流体を、内部容積部106を通して乗り物100の様々な部分に導くように構成された複数のパイプ110を含む。例示的な実施態様では、流体システム108は、乗り物100の着陸装置を制御するように構成された液圧流体システムである。例示的な実施態様では、液圧流体は、液圧油である。しかしながら、流体システム108は、任意のタイプの流体を導くように構成されてもよく、乗り物100の任意の部分を制御するように構成されてもよい。
【0016】
[0026]
図2は、流体システム108と共に使用するための圧力センサ200の概略側面図である。
図3は、圧力センサ200の分解斜視図である。圧力センサ200は、流体システム108に結合されるように構成され、流体システム108内の流体の圧力を検出するように構成される。圧力センサ200は、変換器202、継手204、および緩衝器206を含む。変換器202は、流体システム108内の流体の圧力を検出するように構成された圧力変換器である。具体的には、変換器202は、流体の圧力を検出し、検出された圧力を電気信号に変換するように構成される。電気信号は、流体システム108を監視および制御するための、典型的には制御システムである電子システム(図示せず)に送られる。変換器202は、変換器202内のダイヤフラム208の物理的変形によって流体の圧力を検出し、変換器202内の電子部品210が、変形を検出し、変形に基づいて電子システム(図示せず)に電気信号を送る。変換器202は、第1の端部212および第2の端部214を有する。電気信号を電子システムに送るように構成された電気カップリング216が、変換器202の第2の端部214に結合される。
【0017】
[0027]継手204は、変換器202を流体システム108に結合するように構成され、第1の端部218および第2の端部220を含む。継手204の第2の端部220は、変換器202の第1の端部212に結合されている。例示的な実施態様では、継手204は、本体部222および結合部224を含む。結合部224は、継手204の第2の端部220に配置され、本体部222を変換器202に結合するように構成される。具体的には、結合部224は、変換器202を継手204に取り付けて保持するように構成されたねじ山(図示せず)を含む。図示された実施態様では、結合部224は、六角ナットである。しかしながら、結合部224は、本体部222を変換器202に結合する任意の留め具であってよい。例示的な実施態様では、本体部222は、変換器202を流体システム108に迅速に接続するように構成された迅速接続継手である。具体的には、本体部222は、流体システム108の対応する継手(図示せず)が継手204を流体システム108に迅速に結合させることができるように構成された形状の外面226を含む円筒形継手である。しかしながら、本体部222は、圧力センサ200が本明細書に記載されるように動作することを可能にする任意のタイプの継手であってよく、ねじ付き継手を含むが、これに限定されない。第1の端部218は、外側溝221を画定し、シール223が、継手204の周りを囲み、外側溝221内に配置される。本体部222は、流体を変換器202に導くように構成された導管228を画定する。具体的には、本体部222の第1の端部218は、第1の開口部230を画定し、本体部222の第2の端部220は、第2の開口部(図示せず)を画定する。導管228は、第1の開口部230から第2の開口部まで延びている。
【0018】
[0028]緩衝器206が、導管228内に配置され、圧力センサ200内の過渡的圧力スパイクを減少させるように構成される。具体的には、緩衝器206は、流体システム108内の最大過渡的圧力スパイクが変換器202に伝達されないように、流体システム108内の流体が変換器202に及ぼす圧力を減衰させるように構成される。具体的には、以下で説明するように、緩衝器206および本体部222は、導管228内に少なくとも1つの流体流路または減衰導管232および233(
図4に示す)を画定する。流体流路232および233は、導管228よりもかなり小さいので、流体システム108内の流体の過渡的圧力は、変換器202に到達する前に減少または減衰する。しかしながら、流体流路232および233は、流体システム108内の流体の定常状態圧力が変換器202によって正確に決定されるように構成される。したがって、緩衝器206は、流体システム108内の流体の定常状態圧力を正確に決定しながら、流体システム108内の流体の過渡的圧力を減少させる。
【0019】
[0029]動作中、変換器202は、継手204に結合され、緩衝器206は、継手204の導管228内に配置される。継手204は、流体が流体流路232および233に導かれるように、流体システム108に結合される。緩衝器206が、流体システム108内の流体により及ぼされる過渡的圧力を減少させ、変換器202を保護している間に、変換器202は、流体システム108内の流体の圧力を決定する。
【0020】
[0030]
図4は、
図2に示される圧力センサ200で使用するための緩衝器206の例示的な実施態様の側面図である。緩衝器206は、ヘッド部302、シャンク部304、およびねじ部306を含む。ヘッド部302は、第1の端部308および第2の端部310を含み、典型的にはねじ回しであるツール(図示せず)が緩衝器206を回転させることができるように構成された駆動用凹部(図示せず)を第1の端部308に画定する。シャンク部304は、第1の端部312および第2の端部314を含み、シャンク部304の第1の端部312は、ヘッド部302の第2の端部310に結合される。シャンク部304は、ヘッド部302をねじ部306に結合するように構成された円筒形シャフトである。シャンク部304は、シャンク径316を画定する。ねじ部306は、第1の端部318および第2の端部320を含み、ねじ部306の第1の端部318は、シャンク部304の第2の端部314に結合される。ねじ部306は、中心シャフト322および螺旋状おねじ山324を、さらに含む。中心シャフト322は、中心シャフト径326を画定し、外面328を有する。螺旋状おねじ山324は、中心シャフト322の外面328の周りに巻かれた螺旋状ねじ山である。螺旋状おねじ山324は、山頂部330、螺旋状おねじ山角度332、螺旋状おねじピッチ334、および螺旋状おねじ谷335を画定する隆起した螺旋状リッジである。山頂部330は、ねじ山径336を画定し、ねじ部306は、ねじ長さ338を画定する。シャンク径316は、螺旋状おねじ山324の隣接部分間の螺旋状おねじ谷335を画定する。シャンク径316およびねじ山径336は、緩衝器206が圧力センサ200に取り付けられたときに、シャンク部304およびねじ部306が流体流路232および233を画定するように、決められている。
【0021】
[0031]
図2に示すように、例示的な実施態様では、緩衝器206は、ヘッド部302の第2の端部310が継手204の第1の端部218と同一平面になるように、導管228内に配置される。したがって、流体を流体流路232および233に導くために、1つ以上のノッチ414(
図5に示す)、502(
図6に示す)が、それぞれ、ヘッド部302の第2の端部310または継手204の第1の端部218のうちの少なくとも一方に画定され、流体を流体システム108から流体流路232および233に導くように構成されている。具体的には、
図5に示すように、ノッチ414が、ヘッド部302の第2の端部310に画定され、流体を流体流路232および233に導くように構成される。
図6および
図7に示すように、ノッチ502が、継手204の第1の端部218に画定され、流体を流体流路232および233に、ならびに圧力センサ200に導くように構成される。
【0022】
[0032]
図5は、
図2に示される圧力センサ200の部分断面図である。導管228は、内面402と、内面402に配置された螺旋状めねじ山404とを含む。螺旋状めねじ山404は、ねじ山内径406およびねじ山外径408を画定する。螺旋状めねじ山404は、螺旋状めねじピッチ405、螺旋状めねじ山角度407、および螺旋状めねじ長さ409を画定する。導管228はまた、ねじ無し径412を画定するねじ無し部410を画定する。螺旋状めねじ山404は、緩衝器206のねじ部306を受け入れるように構成され、ねじ無し部410は、緩衝器206のシャンク部304を受け入れるように構成される。例示的な実施態様では、少なくとも1つのノッチ414が、上述のように、ヘッド部302の第2の端部310に画定される。代替の実施態様では、複数のノッチ414が、ヘッド部302の第2の端部310に画定されてもよく、またはノッチ502のみが使用されてもよい。図示の実施態様では、ノッチ414は、シャンク部304の方へ半径方向内側に延びる長方形のノッチである。ノッチ414、シャンク部304、ねじ無し部410、螺旋状めねじ山404、螺旋状おねじ谷335、および螺旋状おねじ山324は、流体流路232および233を画定するように構成される。
【0023】
[0033]具体的には、ノッチ414、シャンク部304、ねじ無し部410、螺旋状めねじ山404、螺旋状おねじ谷335、および螺旋状おねじ山324は、第1の流体流路232および第2の流体流路233を画定するように構成される。第1の流体流路232は、第1の流体流路232が螺旋状おねじ谷335内に配置されるように、ノッチ414、シャンク部304、ねじ無し部410、螺旋状めねじ山404、および螺旋状おねじ谷335によって画定される。第2の流体流路233は、第2の流体流路233が山頂部330に配置されるように、ノッチ414、シャンク部304、ねじ無し部410、および螺旋状おねじ山324によって画定される。図示の実施態様では、第1の流体流路232および第2の流体流路233が、中心シャフト322の周りに二重螺旋構成を有するように、ノッチ414、シャンク部304、ねじ無し部410、螺旋状めねじ山404、螺旋状おねじ谷335、および螺旋状おねじ山324は、第1の流体流路232および第2の流体流路233を画定する。2つの流体流路は、第1の流体流路232および第2の流体流路233の一方が塞がれた場合に備えて、冗長経路を提供する。
【0024】
[0034]より具体的には、ノッチ414および継手204の第1の端部218が、流体流路232および233の入口416を画定する。シャンク部304およびねじ無し部410が、流体流路232および233の第2の部分417を画定する。具体的には、ねじ無し径412は、シャンク径316より大きく、シャンク部304とねじ無し部410との間の容積部が、流体流路232および233の第2の部分417を画定する。螺旋状めねじ山404および螺旋状おねじ山324が、流体流路232および233のねじ山部分418を画定する。具体的には、ねじ山内径406は、中心シャフト径326よりも大きく、ねじ山外径408は、ねじ山径336よりも大きい。螺旋状おねじ山角度332は、螺旋状めねじ山角度407に概ね一致し、螺旋状おねじピッチ334は、螺旋状めねじピッチ405に概ね一致する。したがって、ねじ山内径406と中心シャフト径326の間の容積部、およびねじ山外径408とねじ山径336の間の容積部は、流体流路232および233のねじ山部分418を画定する。
図5に示されるように、流体流路232および233は、導管228よりもかなり小さい容積を有する。
【0025】
[0035]動作中、流体は、流体システム108から流体流路232および233の入口416に導かれ、流体流路232および233の入口416は、流体を流体流路232および233の第2の部分417に導く。次に、流体流路232および233の第2の部分417は、流体を流体流路232および233のねじ山部分418に導き、ねじ山部分418は、流体を変換器202に導く。
図5に示されるように、流体流路232および233は、導管228よりも容積がかなり小さく、緩衝器206がない導管228を通る流れよりも流体流路232および233を通る流れに対して、より大きな抵抗を与える。流体の流れに対する抵抗が増加すると、流体流路232および233を通った圧力降下もまた増加する。流体流路232および233を通った圧力降下の増加は、流体が流体流路232および233を通って流れるときに流体の圧力を低下させることにより、流体流路232および233内の過渡的圧力スパイクを減少させる。しかしながら、流体流路232および233は、流体流路232および233内の静的な流体を可能にし、したがって、流体の定常状態圧力が、流体流路232および233を通って変換器202に伝達される。したがって、流体流路232および233は、定常状態圧力を変換器202に伝達しながら、過渡的圧力スパイクを減少させる。
【0026】
[0036]例示的な実施態様では、螺旋状めねじ長さ409とねじ長さ338は、概ね等しい。緩衝器206が継手204に完全に取り付けられると、ねじ部306もまた、螺旋状めねじ山404に完全に取り付けられる。しかしながら、ねじ部306が螺旋状めねじ山404に部分的に取り付けられて、流体流路232および233を短くするように、緩衝器206は、継手204に部分的に取り付けられてもよい。流体流路232および233を短くすると、流体流路232および233を通る流体の流れに対する抵抗が減少し、流体流路232および233を通った圧力降下が減少する。したがって、継手204内の緩衝器206の位置を調整することにより、流体流路232および233内の圧力降下が調整され、流体流路232および233内で伝達される過渡的圧力スパイクの範囲が増加する。したがって、変換器202によって測定される過渡的圧力の範囲は、継手204内の緩衝器206の位置を調整することによって調整することができ、変換器202を保護することができる。
【0027】
[0037]
図6は、
図2に示される圧力センサ200で使用される継手204の第1の端部218の斜視図である。
図7は、
図6に示される継手204の第1の端部218の概略図である。ヘッド部302の第2の端部310に画定されたノッチ414ではなく、またはそれに加えて、1つ以上のノッチ502が、継手204の第1の端部218に画定されている。例示的な実施態様では、複数のノッチ502が、継手204の第1の端部218に画定されている。図示の実施態様では、ノッチ502は、継手204の第1の端部218に画定された半径方向に延びるチャネルであり、流体を流体流路232および233に導くように構成される。しかしながら、ノッチ502は、圧力センサ200が本明細書で説明されるように動作することを可能にする、継手204の第1の端部218における任意の構成を有することができる。さらに、図示された実施態様では、ノッチ502は、V字形を画定し、ノッチ角度504およびノッチ深さ506を有する。ノッチ502およびヘッド部302の第2の端部310は、流体流路232および233の追加または代替の入口508を画定する。動作中、流体は、流体流路232および233の入口508に導かれ、流体流路232および233の入口508は、上記のように、流体を流体流路232および233の第2の部分417およびねじ山部分418に導く。
【0028】
[0038]
図8は、流体システム108の例示的な動作中に
図2に示される圧力センサ200によって測定された圧力のプロット700である。プロット700は、時間の単位を表示するx軸702と、圧力の単位を表示するy軸704とを含む。第1の曲線706は、緩衝器206なしの圧力センサによって測定された圧力をプロットし、第2の曲線708は、緩衝器206付きの圧力センサ200によって測定された圧力をプロットする。第1の曲線706は、第1の過渡的圧力領域710および第1の定常状態圧力領域712を含み、第2の曲線708は、第2の過渡的圧力領域714および第2の定常状態圧力領域716を含む。第1の過渡的圧力領域710は、第2の過渡的圧力領域714よりもかなり高いピーク圧力、すなわち過渡的圧力スパイク、718を有し、一方、第1の定常状態圧力領域712は、第2の定常状態圧力領域716と概ね等しい圧力を有する。したがって、定常状態圧力を正確に測定しながら、緩衝器206は、変換器202によって測定される過渡的圧力スパイク718を減少させる。変換器202を損傷しない所定の圧力値よりも低く、ピーク過渡的圧力を低下させることにより、変換器202が保護され、変換器202の寿命が延びる。
【0029】
[0039]変換器202、継手204、および緩衝器206を含む圧力センサ200を最初に提供することにより、圧力センサ200は、流体システム108に取り付けられる。継手204の第2の端部220は、変換器202の第1の端部212に結合されている。導管228が、流体システム108で使用されるのと同じ流体などの流体で満たされて、空気を導管228からパージし、変換器202を保護する。螺旋状おねじ山324が螺旋状めねじ山404と係合して、流体流路232および233を形成するように、緩衝器206が、緩衝器206を回転させることによって導管228内に配置される。導管228から空気をパージするために使用された流体が、流体流路232および233を占めている。導管228内の緩衝器206の位置は、流体流路232および233内の圧力降下を調整するために調整される。継手204は、流体システム108の対応する継手(図示せず)に取り付けられ、流体システム108内と流体連通するように変換器202および圧力センサ200を結合する。
【0030】
[0040]
図9は、圧力センサから空気をパージする方法800の一例のフロー図である。圧力センサは、変換器と、変換器に結合された継手とを含む。方法800は、変換器と継手とを含む圧力センサを提供することを含む。継手は、開口部を画定する第1の端部と、その中のねじ部とを有する。ねじ部は、内面と、内面に配置された螺旋状めねじ山とを含む。方法800は、継手のねじ部を流体で満たすこと802を、さらに含む。方法800は、緩衝器をねじ部に挿入すること804を、さらに含む。緩衝器は、ヘッド部、シャンク部、およびねじ部を含む。シャンク部は、ヘッド部に取り付けられている。ヘッド部は、ノッチを画定する。シャンク部は、シャンク径を画定する。ねじ部は、シャンク部に取り付けられており、中心シャフトの周りに巻かれた螺旋状おねじ山を含む。螺旋状おねじ山は、ねじ山径を画定し、中心シャフトは、中心シャフト径を画定する。緩衝器が継手に挿入されたときに、ノッチ、シャンク部、およびねじ部が流体流路を画定するように、シャンク径、ねじ山径、および中心シャフト径が決められている。
【0031】
[0041]
図10は、変換器内の圧力スパイクを減少させる方法900の一例のフロー図である。方法900は、圧力センサを流体システムに結合すること902を含む。圧力センサは、変換器、変換器に結合された継手、および継手内に配置された緩衝器を含む。継手は、開口部を画定する第1の端部と、その中のねじ部とを有する。ねじ部は、内面と、内面に配置された螺旋状めねじ山とを含む。緩衝器は、ヘッド部、シャンク部、およびねじ部を含む。シャンク部は、ヘッド部に取り付けられており、ヘッド部は、ノッチを画定する。シャンク部は、シャンク径を画定する。ねじ部は、シャンク部に取り付けられており、中心シャフトの周りに巻かれた螺旋状おねじ山を含む。螺旋状おねじ山は、ねじ山径を画定し、中心シャフトは、中心シャフト径を画定する。緩衝器が継手に挿入されたときに、ノッチ、シャンク部、およびねじ部が流体流路を画定するように、シャンク径、ねじ山径、および中心シャフト径が決められている。方法900は、流体の流れを流体流路に導くこと904を、さらに含む。方法900は、流体の流れの圧力を圧力センサで測定すること906を、さらに含む。流体流路は、流体の流れの圧力スパイクを減少させる。
【0032】
[0042]
図11は、流体システムに圧力センサを取り付ける方法1000の一例のフロー図である。圧力センサは、変換器と、変換器に結合された継手とを含む。方法1000は、変換器と継手とを含む圧力センサを提供することを含む。継手は、開口部を画定する第1の端部と、その中のねじ部とを有する。ねじ部は、内面と、内面に配置された螺旋状めねじ山とを含む。方法1000は、継手のねじ部を流体で、より具体的には流体システムで使用されるのと同じ流体で、満たすこと1002を、さらに含む。方法1000は、緩衝器をねじ部に挿入すること1004を、さらに含む。緩衝器は、ヘッド部、シャンク部、およびねじ部を含む。シャンク部は、ヘッド部に取り付けられており、ヘッド部は、ノッチを画定する。シャンク部は、シャンク径を画定する。ねじ部は、シャンク部に取り付けられている。ねじ部は、中心シャフトの周りに巻かれた螺旋状おねじ山を含む。螺旋状おねじ山は、ねじ山径を画定し、中心シャフトは、中心シャフト径を画定する。緩衝器が継手に挿入されたときに、ノッチ、シャンク部、およびねじ部が流体流路を画定するように、シャンク径、ねじ山径、および中心シャフト径が決められている。方法1000は、圧力センサを流体システムに結合すること1006を、さらに含む。
【0033】
[0043]本明細書で説明されるシステムおよび方法の上記の例は、圧力センサによって検出される過渡的圧力スパイクを減少させるように構成された緩衝器を含む圧力センサを含む。具体的には、圧力センサは、変換器と、変換器に結合された継手とを、さらに含む。継手は、流体を変換器に導くように構成された、ねじ付き導管を画定する。緩衝器は、ヘッド部およびねじ部を含む。緩衝器が継手に取り付けられたとき、ねじ部およびねじ付き導管は、流体流路を画定する。流体流路は、ねじ付き導管よりもかなり小さく、ねじ付き導管よりもかなり大きい圧力降下を有する。したがって、流体流路は、変換器内の過渡的圧力スパイクをかなり減少させ、変換器が流体システムの定常状態圧力を正確に測定できるようにする。したがって、緩衝器は、変換器によって測定される過渡的圧力スパイクを減少させることにより、変換器を保護する。さらに、緩衝器のヘッド部と継手のうちの一方が、流体を流体流路に導くように構成された1つ以上のノッチを画定する。
【0034】
[0044]さらに、本開示は、以下の条項による例を含む。
【0035】
条項1
ヘッド部;ヘッド部に取り付けられたシャンク部であって、シャンク径を画定するシャンク部;ならびにシャンク部に取り付けられたねじ部であって、ねじ部は、中心シャフトの周りに巻かれた螺旋状おねじ山を含み、螺旋状おねじ山は、ねじ山径を画定し、中心シャフトは、中心シャフト径を画定し、シャンク径およびねじ山径は、緩衝器が圧力センサに取り付けられたときに、シャンク部とねじ部が少なくとも1つの流体流路を画定するような大きさの径である、ねじ部、を備える緩衝器。
【0036】
条項2
ヘッド部が、流体の流れを少なくとも1つの流体流路に導くように構成されたノッチを画定する、条項1の緩衝器。
【0037】
条項3
変換器;開口部を画定する第1の端部および中のねじ部を有する継手であって、継手は変換器に結合され、ねじ部は内面および内面に配置された螺旋状めねじ山を含み、第1の端部は少なくとも1つのノッチをさらに画定する、継手;ならびにねじ部の開口部内に配置された緩衝器であって、緩衝器は、ヘッド部;ヘッド部に取り付けられたシャンク部であって、シャンク径を画定するシャンク部;ならびにシャンク部に取り付けられたねじ部であって、ねじ部は、中心シャフトの周りに巻かれた螺旋状おねじ山を含み、螺旋状おねじ山は、ねじ山径を画定し、中心シャフトは中心シャフト径を画定し、シャンク径、ねじ山径、および中心シャフト径は、緩衝器が継手に取り付けられたときに、ノッチ、シャンク部、およびねじ部が少なくとも1つの流体流路を画定するような大きさの径である、ねじ部、を備える緩衝器、を備える圧力センサ。
【0038】
条項4
第1の端部が、1つのノッチを画定する、条項3の圧力センサ。
【0039】
条項5
第1の端部が、複数のノッチを画定する、条項3の圧力センサ。
【0040】
条項6
複数のノッチは、複数のV字形ノッチである、条項5の圧力センサ。
【0041】
条項7
複数のノッチは、半径方向に延びる複数のチャネルである、条項5または6の圧力センサ。
【0042】
条項8
少なくとも1つのノッチが、少なくとも1つの流体流路への入口である、条項3または4の圧力センサ。
【0043】
条項9
ねじ部が、ねじ山内径およびねじ山外径を画定し、ねじ山外径とねじ山径との間の容積部が、少なくとも1つの流体流路を部分的に画定するように、ねじ山外径が、ねじ山径よりも大きい、条項3から8のいずれかの圧力センサ。
【0044】
条項10
ねじ部が、ねじ無し部およびねじ無し径を画定し、ねじ無し径とシャンク径との間の容積部が、少なくとも1つの流体流路を部分的に画定するように、ねじ無し径が、シャンク径よりも大きい、条項3から9のいずれかの圧力センサ。
【0045】
条項11
変換器;開口部を画定する第1の端部および中のねじ部を有する継手であって、ねじ部は内面および内面に配置された螺旋状めねじ山を含む、継手;ならびに継手の開口部内に配置された緩衝器であって、緩衝器は、少なくとも1つのノッチを画定するヘッド部;ヘッド部に取り付けられたシャンク部であって、シャンク径を画定するシャンク部;ならびにシャンク部に取り付けられたねじ部であって、ねじ部は、中心シャフトの周りに巻かれた螺旋状おねじ山を含み、螺旋状おねじ山は、ねじ山径を画定し、中心シャフトは中心シャフト径を画定し、シャンク径、ねじ山径、および中心シャフト径は、緩衝器が継手に取り付けられたときに、ノッチ、シャンク部、およびねじ部が少なくとも1つの流体流路を画定するような大きさの径である、ねじ部、を備える緩衝器、を備える圧力センサ。
【0046】
条項12
ヘッド部が、複数のノッチを画定する、条項11の圧力センサ。
【0047】
条項13
ヘッド部が、1つのノッチを画定する、条項11の圧力センサ。
【0048】
条項14
ノッチが、長方形のノッチである、条項13の圧力センサ。
【0049】
条項15
ノッチが、シャンク部の方へ半径方向内側に延びる、条項13または14の圧力センサ。
【0050】
条項16
少なくとも1つのノッチが、少なくとも1つの流体流路への入口である、条項11から15のいずれかの圧力センサ。
【0051】
条項17
ねじ部が、ねじ山内径およびねじ山外径を画定し、ねじ山外径とねじ山径との間の容積部が、少なくとも1つの流体流路を部分的に画定するように、ねじ山外径が、ねじ山径よりも大きい、条項11から16のいずれかの圧力センサ。
【0052】
条項18
ねじ部が、ねじ無し部およびねじ無し径を画定し、ねじ無し径とシャンク径との間の容積部が、少なくとも1つの流体流路を部分的に画定するように、ねじ無し径が、シャンク径よりも大きい、条項11から17のいずれかの圧力センサ。
【0053】
条項19
変換器と変換器に結合された継手とを含む圧力センサから空気をパージする方法であって、継手のねじ部を流体で満たすことと、緩衝器をねじ部に挿入することであって、緩衝器は、ヘッド部、シャンク部、およびねじ部を含み、ヘッド部は、少なくとも1つのノッチを画定し、ノッチ、シャンク部、およびねじ部は、緩衝器が継手に挿入されたときに、少なくとも1つの流体流路を画定する、挿入することと、を含む方法。
【0054】
条項20
変換器内の圧力スパイクを減少させる方法であって、圧力センサを流体システムに結合することであって、圧力センサは、変換器、変換器に結合された継手、および継手内に配置された緩衝器を含み、継手は、その中にねじ部を有し、緩衝器は、ヘッド部、シャンク部、およびねじ部を含み、ヘッド部は、少なくとも1つのノッチを画定し、シャンク部、およびねじ部は、緩衝器が継手に挿入されたときに、少なくとも1つの流体流路を画定する、結合することと;流体の流れを少なくとも1つの流体流路に導くことと;流体の流れの圧力を圧力センサで測定することであって、少なくとも1つの流体流路が、流体の流れの圧力スパイクを減少させる、測定することと、を含む方法。
【0055】
条項21
ヘッド部が、複数のノッチを画定する、条項20の方法。
【0056】
条項22
ヘッド部が、1つのノッチを画定する、条項20の方法。
【0057】
条項23
ノッチが、長方形のノッチである、条項22の方法。
【0058】
条項24
ノッチが、シャンク部の方へ半径方向内側に延びる、条項22の方法。
【0059】
条項25
少なくとも1つのノッチが、少なくとも1つの流体流路への入口である、条項20から24のいずれかの方法。
【0060】
条項26
ねじ部が、ねじ山内径およびねじ山外径を画定し、ねじ山外径とねじ山径との間の容積部が、少なくとも1つの流体流路を部分的に画定するように、ねじ山外径が、ねじ山径よりも大きい、条項20から25のいずれかの方法。
【0061】
条項27
ねじ部が、ねじ無し部およびねじ無し径を画定し、ねじ無し径とシャンク径との間の容積部が、少なくとも1つの流体流路を部分的に画定するように、ねじ無し径が、シャンク径よりも大きい、条項20から26のいずれかの方法。
【0062】
条項28
変換器と変換器に結合された継手とを含む圧力センサを流体システムに取り付ける方法であって、継手のねじ部を流体で満たすことと、緩衝器をねじ部に挿入することであって、緩衝器は、ヘッド部、シャンク部、およびねじ部を含み、ヘッド部は、少なくとも1つのノッチを画定し、ノッチ、シャンク部、およびねじ部は、緩衝器が継手に挿入されたときに、少なくとも1つの流体流路を画定する、挿入することと、圧力センサを流体システムに結合することと、を含む方法。
【0063】
[0045]本明細書で説明されるシステムおよび方法は、本明細書で説明される特定の実施形態に限定されるものではなく、むしろ、システムの構成要素および/または方法のステップは、本明細書で説明される他の構成要素および/またはステップから独立して別々に利用することができる。
【0064】
[0046]本開示の様々な例の特定の特徴が、いくつかの図面に示されており、他の図面には示されていないかもしれないが、これは便宜上のためだけである。本開示の原理にしたがって、1つの図面の任意の特徴が、他の任意の図面の任意の特徴と組み合わせて参照および/または主張されてもよい。
【0065】
[0047]本明細書で使用される場合、単数形で述べられ、単語「a」または「an」で始まる要素またはステップは、除外されることが明示的に述べられていない限り、複数の要素またはステップを除外するものではないと理解されるべきである。さらに、本開示の「一例」または「例」への言及は、述べられた特徴を同様に組み込む追加の例の存在を除外するものとして解釈されることを意図していない。
【0066】
[0048]この書面による説明では、例を使用して、最良のモードを含む様々な例を開示し、任意のデバイスまたはシステムを作製および使用すること、ならびに任意の組み込まれた方法を実行することを含んで、当業者がこれらの例を実施できるようにする。特許の範囲は、特許請求の範囲によって画定され、当業者が思いつく他の例を含むことができる。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を持っている場合、または特許請求の範囲の文言と実質的な違いのない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲の範囲内にあることが意図されている。