(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-23
(45)【発行日】2025-06-02
(54)【発明の名称】流動床反応器内で使用される燃焼装置エアバー格子及び流動床反応器
(51)【国際特許分類】
F23C 10/20 20060101AFI20250526BHJP
F23G 5/30 20060101ALI20250526BHJP
【FI】
F23C10/20
F23G5/30 A
(21)【出願番号】P 2021523339
(86)(22)【出願日】2018-11-07
(86)【国際出願番号】 EP2018080483
(87)【国際公開番号】W WO2020094224
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2021-06-22
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】506425251
【氏名又は名称】スミトモ エスエイチアイ エフダブリュー エナージア オサケ ユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ツヴィエラグ,ヤン
【合議体】
【審判長】水野 治彦
【審判官】飯星 潤耶
【審判官】間中 耕治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0170582(US,A1)
【文献】米国特許第4402665(US,A)
【文献】特開2004-116797(JP,A)
【文献】米国特許第11583818(US,B2)
【文献】特開2015-45422(JP,A)
【文献】特表2001-516864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23C 10/20
F23G 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動床反応器(12)内で使用される燃焼装置エアバー格子(1)であって、
流動化ガスのソースと流体連通する少なくとも2つの主エアコレクタバー(2)と、
複数の一次エアバー(3)であって、前記主エアコレクタバー(2)に対して横方向であり、前記主エアコレクタバー(2)が前記一次エアバーを支持するように前記少なくとも2つの主エアコレクタバー(2)上に配置され、前記主エアコレクタバー(2)のうち少なくとも2つに流体連通し、前記主エアコレクタバー(2)及び前記一次エアバー(3)は前記エアバー格子(1)の灰除去開口を定義する、複数の一次エアバーと、
前記流動床反応器(12)を流動化するために前記一次エアバー(3)の各々に配置された複数の流動化ノズル(4)と、
前記灰除去開口の下に配置されたいくつかの灰ホッパ(6)と、
を備え、
前記主エアコレクタバー(2)は前記流動化ガスによって冷却される前記灰ホッパ(6)のための外部空冷壁を形成するように構成されており、
前記灰ホッパ(6)の上部品は、前記主エアコレクタバー(2)と横方向に整列すると共に機械的に接触していることを特徴とする、燃焼装置エアバー格子(1)。
【請求項2】
前記主エアコレクタバー(2)は、各主エアコレクタバー(2)の上側及び各一次エアバー(3)の下側に作製された互いに重なり合う流動化ガス伝達開口を介して、前記一次エアバー(3)と流体連通している、請求項1に記載の燃焼装置エアバー格子(1)。
【請求項3】
前記主エアコレクタバー(2)を支持するように配置されたいくつかの支持梁又は支持バー(5,5c)を更に備え、それらのうち垂直の支持梁又は支持バー(5)は前記主エアコレクタバー(2)の直下に、任意選択的には略水平な枠構造(5c)と共に、配置される、請求項1又は2に記載の燃焼装置エアバー格子(1)。
【請求項4】
前記主エアコレクタバー(2)は少なくとも1つの伸縮ジョイントを用いることによってボイラ圧力部品に接続されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の燃焼装置エアバー格子(1)。
【請求項5】
前記少なくとも2つの主エアコレクタバー(2)と前記複数の一次エアバー(3)とは金属の中空の梁であり、前記流動化ガスのための導管を形成する、請求項1から4のいずれか一項に記載の燃焼装置エアバー格子(1)。
【請求項6】
前記主エアコレクタバー(2)及び前記一次エアバー(3)は前記流動化ガスのための中空の通路を備える、請求項1から
5のいずれか一項に記載の燃焼装置エアバー格子(1)。
【請求項7】
前記燃焼装置エアバー格子(1)は前記主エアコレクタバー(2)及び前記一次エアバー(3)に前記主エアコレクタバー(2)及び前記一次エアバー(3)の前記中空の通路を接合するための開口を備えており、前記開口は前記一次エアバー(3)と前記主エアコレクタバー(2)との重なる場所に配置されている、請求項
6に記載の燃焼装置エアバー格子(1)。
【請求項8】
請求項1から
7のいずれか一項に記載の燃焼装置エアバー格子(1)を有する火炉(26a)を備える流動床反応器(12)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は改良された燃焼装置エアバー格子に関するものであり、より具体的には、例えばバイオマスを含む固体材料の燃焼又は不燃性材料を含有する廃棄物燃料の焼却のため及び燃焼又は焼却時の灰又は不燃性材料の除去のための流動床反応器に関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼又はガス化などの化学反応は、流動床反応器、通常は所謂気泡流動床反応器又は循環流動床反応器の流動床材料層において実施される。そこでは、床が容易に移動する流動状態に変わるように、流動化ガス、例えば空気が、主に砂及び燃料を備えるその床材料層を通じて、反応器内に供給される。しかしながら、流動床反応器において、燃焼される材料は不均一であり、凝集し得るか又は不燃性材料を混入させ得る。
【0003】
燃焼装置エアバー格子は、空気が材料の燃焼床を通過して上方に流れることを可能にするように、且つ灰及び不燃性材料が床の底部から除去されることを可能にするように設計されてきた。灰及び不燃性材料並びに床材料は、バーの間の空間を通過する。このタイプの火格子はエアマニホールドを有し得るもので、このエアマニホールドがマニホールドに接続された個々のバーに空気を分配する。各エアバーは流動化空気を床材料中に分散させるためのエアノズルを有する。
【0004】
米国特許第4,402,665号明細書は、流動床反応器内で使用されるエアバー格子を開示している。エアバー格子は、加圧空気のソースと流体連通する主エアコレクタと、その主エアコレクタに垂直な一次エアバーからなる格子とを備える。一次エアバーの各々は、上面を有するとともに、その長さに沿って流体連通するように主エアコレクタと接続されている。中間エアバーが、主エアコレクタに平行に且つ一次エアバーの各々に垂直に配置されている。中間エアバー及び一次エアバーは同一平面内にあり、互いに直角に交差する。
【0005】
米国特許第5,743,197号明細書は、水冷式、蒸冷式又は空冷式の散気管火格子を有する流動床ボイラのための火格子アセンブリを開示している。冷却される散気管は、水、蒸気又は空気を伝導する管によって端部を支持される。散気管は、隣接する散気管間に散気管の長手方向に延伸する水平アパーチャが残るように、並んで取り付けられる。
【0006】
米国特許第5,425,331号明細書は、燃料及び不燃性固体を含む粒子状材料の床を支持するためにボイラの下部に配設された中空離隔エアバーを有する流動床反応器を開示している。エアバーは、反応器の下部において、エアバーから管中を流れる水へ連続的に熱を伝達する複数の水冷式支持管によって支持される。エアバーは、ホッパの外部に且つ壁に隣接して配設されるプレナムチャンバに垂直に延伸すると共にこのプレナムチャンバと気流連通する。チャンバ内には従来の手段によって加圧空気が導入される。
【0007】
韓国公開特許第2009/132934A号公報(KR2009/132934A)は、流動床を含むごみ固形燃料燃焼システムのための空気分配器システムを開示している。空気分配器システムは、空気供給管と、ノズルと、冷却水管とを備える。空気供給管は縦方向及び横方向で空気分配器に接続されている。空気供給管は、複数の空気供給ポートが設置されたノズルコネクタを備えている。冷却水管は空気供給管の外部に設置されており、空気供給管の熱腐食を防止するための冷却水を供給する。
【0008】
米国特許第5,368,824号明細書は、反応容器内の粒状床を流動化するため及び床内に導入され得る又は床において形成され得る流動化できない粒子を除去するために、平行なガス入口管のアレイと、第1群の管の下に位置する1対の横方向のガス入口管とを採用するガス分配システムを開示している。
【0009】
ソ連国特許発明第1149105号明細書は、燃焼チャンバを含み、その下にエアボックスが配置されており、その内部には灰ホッパが設置されている、流動床の火炉を開示している。灰ホッパの上部分には、端部がボックス空洞に接続された空気供給管と、空気供給管の空洞及びエアボックスの空洞に接続された少なくとも1つの管とがある。
【0010】
米国特許出願公開第2003/170582A1号明細書は、流動床ボイラ用の管火格子を開示している。空気はいくつかの管を通じて流動床ボイラに供給される。管火格子への空気などの供給が行われる、火格子のアクティブ領域は、管火格子の管のうち少なくともいくつかに含まれる管固有の制御手段によって調節される。
【発明の概要】
【0011】
本発明の目的は、流動床反応器における灰及び不燃性材料の収集を改良することである。本発明の第2の目的は、床において流動化ガスのより均質な流配を有することができるようにすることである。いずれの目的も、独立請求項1に記載の燃焼装置エアバー格子と、並列独立請求項12に記載の流動床反応器とによって達成することができる。
【0012】
従属請求項には燃焼装置エアバー格子の有利な実施形態が記載されている。
【0013】
流動床反応器内で使用される燃焼装置エアバー格子は、加圧流動化ガス(空気など)のソースと流体連通する少なくとも2つの主エアコレクタバーと、複数の一次エアバーであって、主エアコレクタバーに対して横方向であり、少なくとも2つの主エアコレクタバーが複数の一次エアバーを支持するように少なくとも2つの主エアコレクタバー上に配置され、主エアコレクタバーのうち少なくとも2つに流体連通する、複数の一次エアバーと、を備える。主エアコレクタバー及び一次エアバーは、エアバー格子の灰除去開口を定義する。燃焼装置エアバー格子は更に、床反応器を流動化するために一次エアバーの各々に配置された複数の流動化ノズルを備える。
【0014】
米国特許第4,402,665号明細書から既知の燃焼装置エアバー格子と比較して、この流動床反応器の構造は、主エアコレクタバーのうち少なくとも2つから、つまり主エアバーに沿った異なる場所から加圧流動化ガスを一次エアバーに進入させることによって、簡易化され得る。一方では、これにより、一次エアバー内でその長さに沿って加圧流動化ガスのより均一な圧力分布を有することが可能になる。更に他方では、主エアコレクタバーは、一次エアバーのための支持梁としても機能し、それによって格子モジュール設計を可能にする。また、給気ダクトが同時に支持梁として作用しており、格子モジュール設計を可能にする。
【0015】
さらに、米国特許第5,743,197号明細書及び米国特許第5,425,331号明細書から既知の火格子バーアセンブリと比較しても、この流動床反応器の構造は、一次エアバーを支持する2つの主エアコレクタバー内に一次エアバー内と同じ媒質を流すことによって、簡易化され得る。したがって、流動床反応器内に進入する媒質の供給をよりコンパクトに実装することができる。
【0016】
加圧流動化ガスは、一次エアバーだけではなく主エアコレクタバーも冷却して、これらを適当な温度範囲内に維持し、ひいては一次エアバー及び主エアコレクタバーが軟化し過ぎないことを保証するのに役立つ。主エアコレクタバーと隣り合った主エアコレクタバー間の間隔とを適切に寸法決めすることにより、一次エアバーの軟化によって引き起こされる燃焼装置エアバー格子の弱化を緩和することができる。更なる利点は、主エアコレクタバーが空気によって冷却されることであり、これは反応器の機械的設計を簡易化するのに役立つ。なぜなら、主エアコレクタバーの水冷のための構造が省略され得るからである。
【0017】
最も単純には、主エアコレクタバーは、各コレクタバーの上側及び各一次エアバーの下側に作製された互いに重なり合う流動化ガス伝達開口を介して、一次エアバーと流体連通している。特に好適には、流動化ガス伝達開口は、主エアコレクタバー及び一次エアバーの交差する箇所に、各々の対向する面の切り抜きとして作製され、両バーは矩形の断面を有する。このようにすれば、特に米国特許第4,402,665号明細書から既知の円形の断面を有するエアダクトにおける深い切り込みと比べて、切り抜きによる構造の弱化を比較的小さく維持することができる。
【0018】
燃焼装置エアバー格子は更に、主エアコレクタバーを支持するように配置されたいくつかの支持梁又は支持バーを備えていてもよい。このようにすれば、床の重量を実質的に支持梁又は支持バーによって支持することができ、流動床反応器の機械的構成の簡易化が可能になる。
【0019】
燃焼装置エアバー格子は、好適には更に、主エアコレクタバー及び一次エアバーによって形成された灰除去開口の下に配置されたいくつかの灰ホッパを備える。これにより、床からの灰及び不燃性材料の効果的な収集が可能になる。
【0020】
灰ホッパの上部は、主エアコレクタバーと横方向に整列すると共に機械的に接触している。本発明の一実施形態によれば、灰ホッパの上部は矩形の水平断面を有する上区画を有しており、灰ホッパの上部の2つの対向する側部は、例えば灰ホッパ漏斗の最上部を主エアコレクタバーに溶接することによって、それぞれ主エアコレクタバーと機械的に接触するように取り付けられている。主エアコレクタバーはこうして灰ホッパの空冷外壁を形成する。
【0021】
また、主エアコレクタバーはウインドボックスを作り出し、このウインドボックスは少なくとも1つの伸縮ジョイントを用いてボイラ圧力部品と接続され得る。したがって、灰ホッパの下部は、冷却プレート設計を使用することを要さずに、円錐状に作製することができる。流動床及び底灰の総重量は、主エアコレクタバー及び一次エアバー(好適には溶接された板梁である)上の分配梁から格子支持構造へと伝達され得る。
【0022】
少なくとも1つの伸縮ジョイントを用いることによる主エアコレクタバーのボイラ圧力部品への接続は、熱膨張への適応に役立つ。
【0023】
主エアコレクタバーは加圧流動化ガスによって冷却される灰ホッパのための外部空冷壁を形成するように構成されている。このようにすれば、主エアコレクタバーからの加圧流動化ガスを、灰ホッパから熱を除去するためにも用いることができる。これにより、灰ホッパにおいて空冷又は水冷プレートを用いる必要を回避することができる。
【0024】
好適には、少なくとも2つの主エアコレクタバーと複数の一次エアバーとは、流動化ガスのための導管を形成する金属の中空の梁である。
【0025】
燃焼装置エアバー格子はいくつかのモジュールからなるモジュール式の燃焼装置エアバー格子として構成されてもよく、したがってモジュールにおいて、主エアコレクタバーは、通常の鉄道又は道路輸送が可能な長さ又は変則もしくは特大積載が可能な長さ、好適には2.5から4メートル、最も好適には2.50/2.55/2.60から3.50メートルの長さを有する。そのような燃焼装置エアバー格子は、設置現場への輸送がより容易である。
【0026】
別の有利な一態様によれば、主エアコレクタバーは、接合されたモジュールからなるセグメントで構成されていてもよい。これにより、モジュール式の流動床反応器をモジュール式に構成することが可能になる。特に、モジュールは、各々が通常の道路輸送が可能な長さ又は変則もしくは特大積載が可能な長さ、好適には2.5から4メートル、最も好適には2.50/2.55/2.60から3.50メートルの長さを有していてもよい。
【0027】
流動床反応器は、本発明の第1の態様による燃焼装置エアバー格子を有する火炉を備える。
【図面の簡単な説明】
【0028】
以下では、燃焼装置エアバー格子及び流動床反応器を、
図1から
図4に示される例示的な実施形態を参照してより詳細に説明する。
【0029】
【
図1】循環流動床反応器を備える蒸気発生装置システムを示す。
【
図3】
図2の燃焼装置エアバー格子の端面図である。
【
図4】本発明による燃焼装置エア格子を備えた気泡流動床反応器ボイラである。
【0030】
全図において、同じ参照番号は同じ技術的特徴を参照する。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は蒸気発生システム10を示す。蒸気発生システム10の構造及び動作は、燃焼装置エア格子1、灰ホッパ6及び支持構造に至るまで、参照によりここに組み込まれる米国特許第5,425,331号明細書に開示される蒸気発生システム10と同一であってもよい。
【0032】
蒸気発生システム10は、流動床反応器12(
図1では循環流動床反応器として、
図4では気泡流動床反応器として図示されている)と、サイクロン分離器14と、熱回収領域16とを含む。
【0033】
エアバー格子1は流動床反応器12の下部に設けられており、
図2及び
図3に示される実施形態を参照して以下に詳述される。
【0034】
サイクロン分離器14は、流動床反応器12から、空気と燃焼気体生成物との混合物を、混入した固体粒子と一緒に受け取る。分離器14は固体を気体から分離するように動作し、後者は熱回収領域16に渡される。分離器14からの固体は、分離器のテーパ部14a内へと落下し、戻し脚(return leg)22を介して反応器区画12の下部へと再注入される。気体は、熱回収領域16を通過した後、出口導管16aを介して出ていく。
【0035】
流動床反応器12は、前壁24aと、離隔した平行な後壁24bと、前壁及び後壁に垂直に延伸して筐体を形成する2つの離隔した平行な側壁(
図1には図示しない)とを含む。
【0036】
前壁24a、後壁24b、又は側壁を貫通して延伸する、流動床内に燃料を導入するための少なくとも1つの分配器27が、
図1に示されるように、流動床反応器12内に燃料を供給するために用いられ得る。代替的又は追加的には、燃料の供給は、流動床反応器12の上方に配設されたサイロホッパ及びスクリューフィーダと、燃焼装置エアバー格子1の上方に配設された流動床の上面上にバイオマス又は都市ごみなどの廃棄物燃料を導入するために蓋部に形成された開口を有するレジスタとによって行われてもよい。廃棄物燃料は、瓶及び缶などの不燃性材料を含み得る。
【0037】
流動床の上面上に床構成材料(bed make-up material)を導入するための分配器28が、前壁24aを貫通して延伸している。この床構成材料は、廃棄物燃料の燃焼中に放出される硫黄酸化物を吸収するために、概して砂及び/又は石灰岩、又はドロマイトからなる。必要に応じて床構成材料を床上に分配するために、他の分配器が壁24a,24b及びいずれか又は両方の側壁と関連付けられてもよいことは理解される。
【0038】
蒸気発生装置10の動作時には、ある量のバイオマス又は廃棄物燃料と床構成材料とがそれぞれスクリューフィーダ27と分配器28とを通じて導入されて、エア格子1の上面上に積もる。外部ソースからの流動化ガス―好適には空気―が、流動化ガスソース9によって、十分な体積でプレナムチャンバ49に供給される。好適には、燃焼流動化空気が流動化ガスとして用いられる。加圧流動化ガスは、燃焼装置エアバー格子1の上方の床構成材料を火炉26内で流動化させる。プレナムチャンバ49内には、燃焼装置エアバー格子1の上方に配設されたバイオマス又は廃棄物燃料材料の燃焼を開始するのに十分な温度にまで流動化ガスの温度を上昇させるために、バーナ(図示しない)が配設される。バイオマス又は廃棄物燃料が低いカロリー含有量を有する場合には、石炭などの補助燃料が分配器28によって提供され得る。ひとたび反応器12の内部のバイオマス又は廃棄物燃料が流動化ガスによって燃え始めると、バーナ及び/又は補助燃料による点火は必要に応じて低減又は停止される。
【0039】
燃焼が進むにつれて、追加的な廃棄物燃料と床構成材料とがそれぞれスクリューフィーダ27と分配器28とを通じて流動床反応器12に導入される。不燃性材料、灰及び使用済みの床構成材料は、流動化ガス及び燃焼生成物が流動床反応器12内で上方に移動するにつれて、重力及び空気の作用によって下方に運ばれる。不燃性固体は、流動床反応器12を通って燃焼装置エアバー格子1の上面へと下方に移動し、エアバー格子1の開口を通って燃焼装置エアバー格子1を下方に通過し、一次エアバーからの空気と共にエアノズル又はパイプから流れる流動化ガスによる床材料からの対流によって熱が伝達されるにつれて灰ホッパ6内を下降し続け、ひいては灰ホッパ6の外壁を空冷する。不燃性固体はホッパ6の基部の開口を通じて出て行き、例えばウォームスクリューによって除去される。不燃性固体の一部は、その後、不燃性材料及び廃棄物燃料の燃焼中に形成し得る凝集体を除去するべく篩い分けられ、床構成材料の在庫を維持するのに必要な速度で流動床反応器12内の流動床に戻される。
【0040】
燃焼装置エアバー格子1は、加圧流動化ガスのソース9と流体連通するいくつかの(概して少なくとも2つであるが、3つ、4つ、5つ、…も可能である)主エアコレクタバー2を備えている。このようにすれば、流動化ガスの分配をより均一にすることができる。
【0041】
燃焼装置エアバー格子は更に、複数の一次エアバー3であって、主エアコレクタバー2に対して横方向であり、主エアコレクタバー2が一次エアバーを支持するように少なくとも2つの主エアコレクタバー2上に配置され、主エアコレクタバー2のうち少なくとも2つに流体連通する、複数の一次エアバーと、流動床反応器12を流動化するために一次エアバー3の各々に配置された複数の流動化ノズル4と、を備えている。流動化ノズル4は、一次エアバー3の各々の上に位置している中央エア導管4B上に配置されてもよいし、又は一次エアバー3の上に直接配置されてもよい。
【0042】
主エアコレクタバー2は、コレクタバー2と一次エアバー3との間の開口を介して一次エアバー3と流体連通している。開口は、一次エアバー3と主エアコレクタバー2とが重なる場所に(例えば切断又はレーザ切断によって)開口が形成済みとなるように、好適には一次エアバー3を主エアコレクタバー2上に設置する前に作製される。
【0043】
主エアコレクタバー2はウインドボックスを作り出し、このウインドボックスは少なくとも1つの伸縮ジョイントを用いてボイラ圧力部品と接続される。
【0044】
燃焼装置エアバー格子1は更に、主エアコレクタバー2を支持するように配置されたいくつかの支持梁又は支持バー5を備えていてもよく、それによって支持梁又は支持バー5は枠構造を形成し、支持バー5はこの枠構造内に、好適には主エアコレクタバーの直下の垂直柱として、任意選択的には略水平な枠構造5cと共に、配置される。
【0045】
流動床及び底灰の総重量は、一次エアバーから主エアコレクタ梁(溶接された板梁として実現することができる)を介して格子支持構造へと伝達され得る。
【0046】
燃焼装置エアバー格子1は、主エアコレクタバー2及び一次エアバー3によって定義される灰除去開口の下に配置されたいくつかの灰ホッパ6を備える。好適には、灰ホッパ6は、主エアコレクタバー2と横方向に整列すると共に機械的に接触している。
【0047】
使用済みの床材料がプレナムを通って下降する間、熱は、床材料から反応器壁(前壁24a、後壁24b、及び側壁)並びに灰ホッパ6壁を形成する管を通って流れる水へと連続的に伝達される。主エアコレクタバー2は灰ホッパ6の空冷外壁を形成する。このように、灰ホッパ6は必ずしも水冷される必要はない。よって、灰ホッパ6の下部は、円錐状に、且つ冷却プレート設計を採用することを要さずに作製されてもよい。
【0048】
その場合、好適には、主エアコレクタバー2は、最も好ましくはエアノズル又はパイプを介して、主エアコレクタバー2からの加圧流動化ガスによって灰ホッパ6を空冷するように構成される。
【0049】
少なくとも2つの主エアコレクタバー2及び複数の一次エアバー3は、好適には金属の梁であり、流動化ガスのための導管を形成する。
【0050】
燃焼装置エアバー格子1はいくつかのモジュール7からなるモジュール式の燃焼装置エアバー格子として構成されてもよく、したがってモジュール7において、主エアコレクタバー2は、通常の道路輸送が可能な長さ又は変則もしくは特大積載が可能な長さ、好適には2.5から4メートル、最も好適には2.50/2.55/2.60から3.50メートルの長さを有するが、最大許容寸法は各国で現在変動中である。
【0051】
これに代えて又は加えて、主エアコレクタバー2は、接合されたモジュール7からなるセグメントで構成されていてもよい。モジュール7は、各々が通常の道路輸送が可能な長さ又は変則もしくは特大積載が可能な長さ、好適には2.5から4メートル、最も好適には2.50/2.55/2.60から3.50メートルの長さを有していてもよい。
【0052】
図1は流動床反応器12として循環流動床反応器を有する蒸気発生装置システム10を示しており、
図2及び3はその循環流動床反応器内に位置している燃焼装置エアバー格子1を図示している。代替的には、燃焼装置エアバー格子1は、
図4に示されるように気泡流動床反応器内に位置していてもよい。
【0053】
当業者には、技術的進歩につれて、本発明の基本構想は多くの手法で実装可能であることが自明である。したがって、本発明及びその実施形態は、上記した例に限定されず、特許請求の範囲の内容及びその法的均等物の範囲内で変化し得る。